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【Gladiator020】フライ級王座を見越した久保健太戦へ、宮城友一─02─「自分はこのままじゃいけないと」

【写真】伊藤裕樹、関口祐冬、安谷屋智弘、NavE、宇田悠斗、駒杵嵩大──勝っても負けても、錚々たるメンバーと宮城は試合を続けてきた。久保の好戦績に向き合った時、そこに自負はあるだろう(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、久保健太と対戦する宮城友一のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

1年4カ月ぶりのグラジエイター出場で、宮城も対戦する久保もアラフォーだ。お互いの年齢とキャリアを考えれば、ここで負けるとタイトル挑戦への道は厳しくなるだろう。そんな共通点を持つ久保の印象を訊くとともに、宮城にあの言葉の意味を尋ねた。

<宮地友一インタビューPart.01はコチラから>


――宮城選手はかつてグラジエイターでライトフライ級のベルトを巻いていました。現在は修斗のベルトを目指しているとのことですが、もう一度グラジエイターのチャンピオンになりたいという気持ちはありますか。

「もちろん、あります。自分が目標にしているのは、修斗とグラジエイターのベルトです。その2つをモチベーションに、日々練習しています。今回の試合で勝つことで、またグラジエイターのベルトに近づくことができれば良いなぁと思っています」

――対戦相手の久保健太選手はRoad FCでのプロデビュー戦で星を落とし、その後4連勝。2021年には鶴屋怜選手に敗れるも、以降は3連勝しています。3連勝のうち2勝はグラジエイターでのもの――つまり、グラジエイター・フライ級のベルト戦線に関わってくるマッチメイクかと思います。

「僕もそういう意味合いを持っている試合だと感じています。自分としてはNavE選手に負けているので(2021年9月、フライ級タイトルマッチで判定負け)、すぐ再戦させてほしいとは言えません。ただ、今回勝てば再戦に近づくことはできるだろうと考えています」

――では、久保選手の印象を教えてください。

「まず戦績が良いですよね(MMA戦績7勝2敗)。勝つ選手は、絶対に強い。砂辺さんとも『絶対に強い選手だから勝ちに徹する。確実に勝ちに行こう』という話をしました」

――久保選手も強い打撃を持っている一方で、手堅い攻めができる選手ですよね。

「はい、しっかり勝つ選手だなって印象があります。だから反対に、試合の展開についてはいろいろ想像してしまって……。もう試合も近いので、そこは迷わずに、砂辺さんと作戦をしっかり固めています。この作戦を遂行すれば大丈夫だろう、というところまで来ました」

――宮城選手は1983年生まれで現在39歳、久保選手は1982年生まれの40歳です。お互いキャリアは違うものの年齢も近く、久保選手もまた宮城選手と同様、グラジエイターでキャリアが変わった選手ではないでしょうか。

「プロモーターも、そういうところを狙ったマッチメイクなのでしょうね(笑)。このグラジエイターという新しい舞台で、もうひと輝きしたいと思っているのは僕も彼も同じです。ただ、僕は僕で積み重ねて来たものがあるつもりだし、そこは負けてないと自信を持っています。試合内容としては、圧倒して勝ちたいです」

――なるほど。宮城選手にとっては、これからがラストチャンスと考えているのでしょうか。修斗沖縄大会でKO勝ちしたあと、「あと少し、死ぬ気で頑張って上を目指したい」と仰っていました。

「……何て言うんでしょうね。周りの人から『もうそろそろ辞めたほうが良いんじゃないか』と言われることはないです。みんなが応援してくれています。でも自分の中で勝手に、『周りの人たちに迷惑をかけているんだろうなぁ』という気持ちが強くなっているんですよね。ジムもあるし、家族がいて――家族から辞めてほしいと言われることはないですが、それでも考えてしまうことがあって。

ジムで一緒に働いてくれているスタッフさんも『先生、僕たちにジムは任せて試合を頑張ってください』と言ってくれるけれども、そういう言葉に対して自分で勝手にプレッシャーを感じるようになってきました。だから今は毎試合、『あと少しやらせてください』という言葉が出てしまいますね」

――もう一つ気になる発言がありました。「選手として死ぬ気で頑張るということを、長らくやっていなかった気がします」と仰っていましたが、現場で「そんなわけがない」と思いました。ここまでMMAを続けてきた宮城選手が、死ぬ気で頑張っていないはずがない。

「もちろん自分としては、一生懸命やってきたつもりです。でもジムの仕事や人間関係などとのバランスを取りながら、選手生活を続けてきました。それでも強い選手を見ていたり、沖縄で若い選手たちと練習していると――彼らは一つのことに懸けているわけです」

――……。

「若い選手たちは練習でヘトヘトになり、また次の日も……という日々を過ごしています。僕もそういう日々を過ごしたかったけど、ジムもあり家族もいて、同じようなMMAとの向き合い方ができなかった。ジムを立ち上げる前は会社員をやっていて、最初から生活ありきで考えていました。

会社員であったり自分のジムを持っていたら当たり前かもしれないけど、どうしても仕事のほうに心と体が引っ張られてしまうことがあったんです。でも若い選手たちと練習していて、自分はこのままじゃいけないと思いました」

――今、沖縄から若いMMA選手が多く出てきていますね。

「そうですね。昼にパラエストラ沖縄の練習に参加すると、25人ぐらい集まっていますよ。そして、みんな強いです。平良達郎君はもちろん、南風原吉良斗君や旭那拳君たちは本当に一生懸命やっています。砂辺さんのクロスラインからも、当真佳直君が修斗沖縄大会のメインを務めたりとか。僕はあと何年、MMAを続けられるか分かりません。だからこそ――彼らと同じように一生懸命やってみようと思ったんです」

――なるほど。

「実は修斗で関口祐冬選手と対戦した時(2022年3月に判定負け)も思っていて。修斗の入場式で、みんな並んだ時に『この中で自分だけ何かが足りないんじゃないか』って。でも、一生懸命やろうと考えてから、気持ちも吹っ切れました。おかげで、今は試合へのモチベーションは高いです。

練習ではヘトヘトになるし、かといってジムの指導を休んでいいわけではない。それでも毎日が充実していて、自信にもなっているし、自分の中で納得できる取り組み方ができています。これからも1試合1試合、絶対に後悔することがないように」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】19歳、フィリピンのヤングブラッド=ジョン・オリニド「僕は若くてハンサム、スマート」

【写真】2003年10月9日生まれの19歳。去年、高校を卒業したばかりだという(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で笹晋久と対戦するジョン・オリニド。

19歳、キャリア3勝0敗の無名のファイターは昨年12月に選手の発掘を目的として、フィリピンに渡った長谷川賢グラジエイター・タレントリレーションの目に留まった選手だ。初めて日本行き、興奮を隠せないオリニドに話を聞いた。


──もう5日後にグラジエイターで笹晋久選手と試合をします。今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイトしているよ。でも、自分のスキルには自信を持っている。日本の人達に喜んでもらえる試合をしたい」

──12月に長谷川賢選手がマニラを訪れ、エロルデ・ボクシングジムで練習を見学させてもらうようお願いしていたら、ククイ・エロルデさんのマネージメント配下にあるファイターが20人近く集まっており、トライアウトのような形で皆がスパーをしました。あの時、イの一番でケージの中に入ったのがジョンでした。

「とにかくこの機会を逃してたまるかって思って、スパーをした。そして日本に行く機会を得ることができた。最高の試合を日本でやってみせる。僕は若くて、ハンサム、そして頭が良い。すっごく良い試合ができる。勝利をフィリピンに持ち帰るんだ」

──19歳だと聞いています。ジョンの格闘技歴を教えてください。

「5歳の時に極真空手を始め、小学校6年生の時にテコンドーにスイッチした。極真空手では茶帯で、テコンドーは黒帯一段だよ。2020年にロランド・ディに出会い、MMAの練習をスタートした。トラディショナル・マーシャルアーツは『もういいや』と思った。MMAのように全局面の格闘技を戦いたいと思うようになっていたから。MMAの練習を始めて1年半だよ。

MMAを始めるまで柔術もレスリングも経験がなかった。でもグラップリング歴1年ぐらいで組み技のトーナメントに出るようになると、いつも良いリザルトを残せた。僕にはグラップリングの才能があったんだ」

──元UFCファイターのディはパンチャーですが、組み技に課題があったファイターという印象が残っています。

「僕らのジムにはヤコブ・ミロスワ・ビルコというポーランド人の柔術コーチがいて。彼はブルータルポリッシュ柔術という自分のチームも持っている。他にもレスリングにはチーム全体で凄く力を入れているし、僕には多くのスタイルにアダプトでいる能力が備わっているんだ。どんなファイティング・スタイルでも戦うことができる」

──今回、初めてファイトウィークに飛行機の旅をして、異国で計量が待っています。その辺りに不安はないですか。

「ないよ。今70キロか71キロあるけど、減量は全く心配していない。日本に着いてからしっかりと体重を落とせるよ。多くの水抜きが必要? そうだね、僕は大きいからね。でも大丈夫、筋肉量も多いからドライアウトに適している」

──対戦相手の笹選手について、どのような印象を持っていますか。

「1カ月前にこの試合が決まってから、試合をチェックした。僕より経験があることは確かだし、その点は尊敬している。でも、凄く普通の選手だ。全てにおいて平均的で。打撃はそれほどでなく、体が強い。でも、レスリングもそれほどじゃない。ただし、僕が日本のMMAが大好きな要因であるビッグハートの持ち主だ。精神力が凄い。技術面に関しては、僕の方が上だという自信がある。彼とは違うレベルにあると思っている。

とにかく今回、グラジエイターが僕を日本に呼んでくれることに感謝している。僕らは海外で試合がデキる機会はほとんどない。将来、国際的な大きな大会で戦いたいと思っているから、ここで国際戦と海外遠征という経験をさせてくれて本当に嬉しい。僕はグラジエイターからレガシーを創り始める」

──ではジョンのMMAファイターとしての夢は?

「今はグラジエイターのベルトが欲しい。そこからステップアップを果たし、最終的にはUFCで戦いたい」

──ONEはフィリピンでもあれだけのファンを集めていますが、ジョンの夢はUFCなのですね。

「ONEはもうエドゥアルド・フォラヤン、ジョシュア・パシオをはじめとするフィリピン人のチャンピオンが何人もいた。でもUFCは違う。マーク・ストリーグル、コーチのロランド・ディはUFCで結果を残せなかった。

僕はフィリピ人として結果を残したい。名誉とかどうでも良いんだ。レガシーを残したい。僕のヒーローはGSP、ジョン・ジョーンズ、ジョゼ・アルド、コナー・マクレガーだった。彼らが戦っていたUFCで、僕も戦いたいんだ。

それとONE Warrior Series PHで戦ったけど、あのハイドレーションのある計量方法は僕には合わない。あれじゃ戦えない。僕にとってバンタム級は135ポンドであって、145ポンドじゃないんだ。減量は、全く苦でないから」

──では日本のファンに一言、お願いします。

「日本のファンはササの応援をすると思うけど、ゴメンナサイ。この試合は僕が勝つ。ただ爆発力があって、豪快な試合をして皆に楽しんでもらうことを約束するよ」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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Gladiator020 MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube アレックス・ヴォルカノフスキー キック キ・ウォンビン クレイグ・ジョーンズ コンバット柔術 ジョセフ・チェン ジョン・オリニド チョ・ソンビン 中川皓貴 久保健太 井上啓太 宮城友一 山田崇太郎 岩本健汰 森戸新士 江木伸成 白木アマゾン大輔 竹本啓哉 笹晋久 藤田大 須藤拓真

【Gladiator020】ジョセフ・チェンとFSGウェルター級王座決定戦、森戸新士─02─「これまでと違う戦い」

【写真】ポイントが入らなくて、勝つためにパスという展開は見られるのか。またジョセフ・チェンは下攻めを選択するのか(C)MMAPLANET

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、PROGRESS初代フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座を懸けてジョセフ・チェンと対戦する森戸新士のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

対戦相手であるジョセフ・チェンについて語ってもらった前編に続き、そのジョセフ・チェンと如何に戦うかを訊いた。プログレスに限らずプログラップリングの場で、様々な相手と戦ってきた1年の集大成――森戸はその腰に初のベルトを巻くことができるか。

<森戸新士インタビューPart.01はコチラから>


――今回のジョセフ・チェン戦はADCCルールでもサブオンリーでもなく、フォークスタイルグラップリングマッチです。その点で森戸選手に利があると思いますか。

「それはあると思います。ただMMAグローブを着けた試合の経験ぐらいかもしれませんね。試合ではどんどんケージを使っていこうと考えていたのですが、B-teamの練習動画を視るとジョセフ・チェンも壁際の練習をしていて。しかもヴォルカノフスキーと壁際の練習をしているんですよ」

――UFC世界フェザー級王者のアレックス・ヴォルカノフスキーですか。

「クレイグ・ジョーンズがヴォルカノフスキーのグラップリングの練習パートナーで、ジョーンズはジョセフ・チェンを引き連れて練習していました」

――B-teamの練習動画といえば、ADCCオセアニア&アジア予選で対戦経験のある岩本健汰選手がジョセフ・チェンと一緒に練習していましたね。

「確か岩本選手はADCC予選で対戦する前にも、ジョセフ・チェンと一緒に練習したことがあるんですよね。まぁ、ジョセフ・チェンから『モリトはどんな選手なんだ?』と聞かれているかもしれないです(笑)。

僕は別に岩本選手と練習しているわけではないし、一度対戦したことがあるだけなので、特に気にはしていないです。ただ、セコンドには岩本選手が就くかもしれない。そこにクレイグ・ジョーンズも加わっていたら、ファンとして僕は嬉しいですけど。アハハハ」

――対戦相手のセコンドなのに(笑)。一方、森戸選手にとってはフォークスタイルグラップリングマッチで戦ううえで、ADCCルールやサブオンリーの試合しか映像のない相手の研究はできるものなのでしょうか。

「うーん、もともとジョセフ・チェンが情報のない選手ですから。ここ最近伸びてきている選手なので、そもそも試合映像も少ないです。とにかく強いっていう話を耳にするっていうぐらいで。でもスクランブルが強い選手なので、フォークスタイルグラップリングでもメチャクチャ強いと思いますよ。もちろんスタンドも強くて、壁レスもやっていますし」

――フォークスタイルグラップリングで必要な要素を兼ね備えている選手というわけですね。

「それに加えて、3R制なので引き込んでくる可能性もあると思っています。2ポイントを献上してでも極めに来るとか。まず相手は極めに来るでしょう。そうなるとシッティングからサブミッションを狙ったほうが、極められる可能性は高くなりますからね。そのジョセフ・チェンを相手に、どう戦おうかと考えています」

――森戸選手にとっても、過去のフォークスタイルグラップリングのように「引き込んだら優位」という試合展開ではないかもしれません。

「どうしても相手に2ポイントを献上してしまいますからね。僕も、これまでとは違う戦い方になると思います。須藤選手との試合(2022年9月、須藤拓真に4-1で勝利)でも、あれが他のノーギの試合であれば、全然違う試合展開になっていたはずです。どちらが先に引き込むか、という勝負があったり――一番はパスガードのポイントがあるかどうかで、試合展開が大きく変わってきます」

――その須藤戦も、過去の森戸選手の試合とは展開が大きく異なっていました。下になる須藤選手に対し、森戸選手がトップからどう攻めていくかという展開で。

「試合中にアジャストしたところは大きかったです。相手がテイクダウンに来ることはない、だからまず2ポイントを取りに行こうという意識はありました。でもこちらが組めば相手は引き込んでくるので、想定したものとは少し違っていたんですよ。足関節のセットアップも上手かったですし、何回か形を作られてしまって。そのためにリスクを取らずに、ポイントを守る形にアジャストしていきました」

――印象深かったのは、須藤選手がケージ際で背中を着けている状態で、森戸選手がやりづらそうにしていたシーンです。

「須藤選手はケージ際で戦おうとしていましたじゃないですか。だから僕はガードの中に入らず外からパスしようと考えたものの、ケージが邪魔でパスしにくかったです。それも相手の作戦だったと思います。ケージがあるので僕が回りきれず、そこに足関節を取りに来るとか。そのために戦い方を変えました」

――きっと過去の試合では、森戸選手の相手がそう考えていたのだろうなと。

「アハハハ、そうでしょうね」

――須藤戦から3カ月後には、闘裸男寝試合=サブオンリーの試合で白木アマゾン大輔選手と対戦し、結果は時間切れドローでした。

「アマゾンさんは、やりづらかったです。足を触らせてくれなくて。ずっとレスリングを練習していたみたいで、スタンドも構えが低くてケージまで押していくことが難しかったですね。僕としてはケージ際で戦おうと考えていたのですが、試合後にアマゾンさんと話をしたら『絶対にケージ際へは持ち込ませない』と考えていたそうです(苦笑)。それで僕が引き込んで足を取ろうとしても、アマゾンさんがスプロールのように足を伸ばして取れない。上半身を狙っても、ワキとヒジを閉める力が強くて取れない。鉄壁のディフェンスでした」

――そう考えると、この1年はフォークスタイルグラップリングだけでなく、プログラップリングの舞台で様々なタイプの選手と対戦してきました。その中で得たものはあるでしょうか。

「プログレスに関していえば、壁レスの練習を始めました。それと今までは、ほとんどギの練習しかしていなかったのですが、ノーギの練習も大切にしています。他は、それほど大きな変化はないですね(苦笑)。逆にプロだからアマチュアだからというのは、気にしないようにしています。どちらでも試合が始まったら相手と1対1で、一つのルールがあり、レフェリーが見届けるなかで試合をする。それはアマチュアの柔術でやってきたことと変わらないですから。

ただ、プロの試合になるとお客さんも多いし、アマチュア時代と違う評価を受けることにもなります。あとは雰囲気が全然違うので、プロの舞台に慣れる必要がある。そこでずっと試合に出させてもらったことで、今はプロの舞台に慣れてきたと思っています。特にグラジエイターは、今では176Boxの控室も勝って知ったるものでメチャクチャくつろいでいますよ(笑)」

――ホームのようなグラジエイターの会場で行われるプログレスのタイトルマッチに向けて、意気込みをお願いします。

「しっかり勝って、ベルトを巻きます。ベルトを巻くというのは、格闘技をやっている者として夢ですからね」

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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AJ・マッキー DEEP Gladiator020 MMA MMAPLANET o Progress RIZIN Road to UFC UFC YouTube   エディ・アルバレス キック キ・ウォンビン クレイグ・ジョーンズ コンバット柔術 ジョセフ・チェン ジョン・オリニド チョ・ソンビン プロレス ボクシング 中川皓貴 久保健太 井上啓太 宮城友一 山田崇太郎 森戸新士 櫻井雄一郎 江木伸成 池本誠知 海外 竹本啓哉 笹晋久 藤田大 長谷川賢

【Gladiator020】櫻井代表、池本誠知、長谷川賢。グラジを語る。

【写真】2023年、グラジはいかに発展するのか(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176BoxでGladiator020が開催される。今大会はキ・ウォンビンとチョ・ソンビンら韓国の強豪に加え、ジョセフ・チェンやジョン・オリニドなど注目のファイターが揃う国際色豊かな興行となった。
Text by Shojiro Kameike

これまでフォークスタイル・グラップリングやコンバット柔術マッチ、サブオンリー・グラップリングをGLADIATORに提供してきたPROGRESS実行委員会の長谷川賢氏が、グラジエイターで海外選手の招聘を担うことになったのは既報どおりだ。

そのグラジエイター新体制に、元DEEPウェルター級王者で現在は株式会社Styleの池本誠知代表が加わるという話が伝わってきた(※取材はスーパーバイザー就任発表前に行われた)。そこで今回は特別企画として、グラジエイター櫻井雄一郎代表×プログレス実行委員会の長谷川氏×池本氏がグラジエイターと日本のMMAについて語る鼎談をお届けしたい。


――今大会から長谷川選手がグラジエイターのタレントリレーションを担うだけでなく、池本さんがグラジエイターの体制に加わるというお話を聞きました。その22日の大会ですがタイトル戦、国際マッチ、キックにグラップリングと本当にバラエティに富んだラインナップとなっています。

長谷川 今、多くの日本人選手は海外の大会に出て初めて、世界の強豪と対戦することになるじゃないですか。そうではなく、日本で世界の強豪と対戦できるようにして、この国のMMAを強くしていく。それがこの協力関係の発端でした。

櫻井 グラジエイターとしては、毎回ではないですがコロナ以前は海外の選手も呼んできました。大会としても海外の選手が出るというだけで、一つのバリューが付きます。まず明らかに日本人選手とは違う身体つき――それだけでも観客の目を引きつけますよね。それと戦績上は勝ち星が少なくても、決して弱いわけではないのが外国人選手の怖いところです。特に今の韓国人選手は戦績が少なくても強いし、勢いもありますから。

長谷川 今回は選手発掘のためにフィリピンへ行き、その様子を動画にしてYouTubeにアップしています。それを見ると、今回フィリピンから来る選手にも感情移入がしやすいし、僕たちが何をやろうとしているかも分かってもらえるかなと思っています。

櫻井 今回は韓国だけでなく、フィリピンから来てくれる選手も楽しみですよね。まさに未知の強豪といいますか、動画からでも秘められた実力が見えてきます。グラジエイターのケージで、日本人選手とどんな試合をしてくれるのか。何よりストイックで、深い気持ちを持っている選手ばかりです。戦績や実力はまだ浅くても、パワーや勢いなど何かに特化した選手だと思います。オリニド選手は若いし、勢いもあって楽しみですね。

長谷川 オリニドは練習を見ても試合映像を見ても、とにかくフィニッシュを目指す気持ちが強い選手です。練習で16オンスのボクシンググローブを着けていても、グラウンドでRNCを狙いに行ったりとか。

池本 櫻井さんの仰るとおり、戦績だけでは選手の実力を測ることができないんですよ。僕が米国でエディ・アルバレスと試合をした時(2005年2月にTKO負け)、彼はまだデビューから4戦目ぐらいで。手元にある情報だけでは、彼がどういう選手か分かりづらくて。

長谷川 それで相手がエディ・アルバレスだったというのは、今考えると凄い話ですよね(笑)。

池本 実際目の前に来たら、メチャクチャ強そうで。アハハハ。そういう経験って、後々すごく生きてくるんですよ。名前が知られていなくても、相手はすごく強いことを想定して試合に臨まないといけない。あの試合は、すごく良い勉強になりました。日本人選手が相手だと、組んだ時の力とかも凡そは想像できます。でも海外の選手は、それこそ国によって力もタイプも全然違っていて。いろんな国の選手と対戦しておくことは大切だと思いますよ。

――その一方で、キ・ウォンビン×グスタヴォ・ウーリッツアァーという外国人対決も組まれました。

櫻井 フフフ、結構パンチの効いたカードだと思います。

長谷川 良いカードですよね!

櫻井 今の日本だと、王者も挑戦者も外国人選手というカードは、なかなか組まないですよね。キ・ウォンビン選手はRoad to UFCでKO負けをして、反対にグスタヴォ選手は前回グラジエイターで井上啓太選手に豪快なKO勝ちを収めています。

今回もグスタヴォ選手がキ・ウォンビン選手を――という展開も考えられるじゃないですか。もちろんキ・ウォンビン選手の強さと勢いも大好きです。グスタヴォ選手が相手でも、臆さず前に行くでしょう。その2人が戦うことで、壮絶なフィニッシュが期待できる対戦です。

池本 僕が現役の頃も、同じ大会で凄い外国人対決があったら、もうファンとして見ていましたよね。やっぱりMMAが大好きだから、研究モードを押し殺して楽しみたいという気持ちになってしまって(笑)。それとグラップリングでも海外の強豪を呼ぶって凄いです。

長谷川 プログレスをやっていくうえで、そうなるしかないかなって思っています。昨年の大晦日、RIZINでAJ・マッキーとサトシが対戦しましたよね。日本人MMAファイターだと、サトシのガードの中に入ると極められてしまいます。でも米国のトップファイターは、そんなサトシのガードに入っても極められないんです。

やっぱりMMAで強くなるためには、AJのようなグラップリングの強さが欲しい。そのためには海外の強豪と対戦していくしかないと思っていました。それはMMAのためで、今は柔術家の森戸新士選手がフォークスタイル・グラップリングで戦ってくれています。

森戸選手が、その試合で感じたことをMMAファイターたちにも伝えてくれている。その森戸選手の相手に、今回はクレイグ・ジョーンズの秘蔵っ子であるジョセフ・チェンを招聘することができて、本当に嬉しいです。

櫻井 正直まだ会場のお客さんには、プログレスの方向性が伝わりきっていないと思います。しかし多くの選手から、『自分もフォークスタイル・グラップリングをやってみたい』という声を頂いています。私自身は、グラップリングの試合が集客につながらなかったとしても、プログレスの試みは日本のMMAを強くするために必要だと思っています。

日本のグラップリング力向上のためにどうすればいいのか。そう考えていた頃に長谷川さんからプログレスのお話を頂いて、海外で通用する選手を育てたいグラジエイターとしても必要だと思っています。プログレスだけでなく、良いと思うことはどんどん提案していただきたいです。

長谷川 櫻井さん、そこで一つ提案ですけど……。プログレスでレジェンド枠を設けたいと思っていて。

櫻井 フフフ、なるほど。それは面白いですね。

長谷川 今回のテレビ解説を、長南亮さんにお願いしたんですよ。決して煽っているわけではないんです。決して――でも、面白いかなと思って(笑)。

2018年9月にグラジで船木誠勝とプロレスを行っている池本

池本 ……えっ、僕ですか!?

――2013年4月、池本さんの引退試合の相手を務めたのが長南さんでした。まさかここで引退試合の続きを、フォークスタイル・グラップリングで……。

池本 アハハハ。そういえばグラジエイターでは、船木誠勝さんとプロレスをやらせてもらっていますからね。今はプロレスの練習しかしていないすけど、グラップリングは好きなので練習しておきます(笑)。

<この項、続く

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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Gladiator020 MAGISA MMA MMAPLANET o Progress YouTube   キック キ・ウォンビン コンバット柔術 ジョセフ・チェン ジョン・オリニド チョ・ソンビン パンクラス 中川皓貴 久保健太 井上啓太 修斗 宮城友一 山田崇太郎 森戸新士 江木伸成 竹本啓哉 笹晋久 藤井章太 藤田大

【Gladiator020】ここにもいたっ!! 愛しの格闘バカ=江木伸也─01─「空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術」

【写真】掌底をバンバン打てる要因が分かるインタビューです(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、江木伸成がPROGRESSコンバット柔術ルールで竹本啓哉と対戦する。

江木は全日本選手権優勝、アジア選手権3位という実績を誇る黒帯柔術家だ。現在は藤田柔術やレオス柔術アカデミーでインストラクターを務めながら、プログレスのコンバット柔術ルールに参戦して2戦2勝。昨年9月には初のフォークスタイル・グラップリング戦にも挑み、MAGISAをヒールフックで仕留めている。

そんな江木に、柔術家になるまでの道程を訊くと、そこには幼少期から格闘技が好きで、ひたすらに強さを求めてきた男の姿があった。


――プログレスのコンバット柔術に連続出場中の江木選手です。竹本戦に関するお話の前に、今回は当初MMAを戦う予定であったと聞きました。

「はい。最初はプログレス実行委員会の長谷川(賢)代表から『グラジエイターでMMAを戦いませんか?』というお話を頂きました。実は以前からグラジエイターの櫻井(雄一郎)代表にも『MMAに興味があります。MMAをやりたいです』と伝えていまして。それもあったので、長谷川代表からオファーを頂いてからMMAに照準を合わせていました。ただ対戦相手が決まらず、今回はコンバット柔術の試合になったんです」

――以前からMMAを戦いたいという希望があったということですが、江木選手はMMAを戦うために柔術を始めたのでしょうか。

「いえ、実は柔術を始める前にアマチュア修斗やアマチュアパンクラスにも出ているんです。MMAで強くなるために柔術を始めたら、柔術のほうにハマってしまいました。それが2014年ごろですね。最初は打撃から始めて、MMAから柔術という流れです。それから競技柔術をやっていましたが、やっぱりMMAをやりたいという熱が高まって。ここ1年ぐらい、ずっと藤井章太先生からMMAの指導を受けています」

――そうだったのですね! ちなみに最初に始めた打撃というのは……。

「小学校の6年間、フルコン空手をやっていました。中学と高校は柔道部に入り、大学ではまた打撃で――テコンドー部に入部しました。大学時代は4年間、みっちりテコンドーをやってからアマチュア修斗に出るようになっています」

――空手~柔道~テコンドー~MMA~柔術というのは、凄いキャリアですね。まず空手を始めたキッカケと、そこから柔道に移った理由を教えていただけますか。

「自宅の隣に空手道場があり、近所の男の子たちは皆その道場に通っていたので、僕も自然と入門しました。中学から柔道を始めたのは、見ていてカッコよかったからという単純な理由です(笑)。僕は広島県の福山市出身なのですが、地元の中学校はメチャクチャ柔道が強い学校で。さらに高校も柔道の強い学校に進みました」

――当時は、将来は空手や柔道で生活していこうとは考えていなかったのでしょうか。

「柔道をやっていた頃は、県警に入って柔道を続けようと考えていました。でも高校時代は県大会ベスト8ぐらいの実績で。そこから大学に入った時、テコンドー部を見て『これは面白い。テコンドーをやってみんといけんわ!』と思ったんです。そこから5年間ぐらいはテコンドーにハマりました」

――ということは、大学は柔道の推薦で入ったわけではなかったのですね。

「推薦ではなく受験して入りました。だから柔道部に入らなければいけないというわけではなくて。それよりもテコンドーの蹴り技が、すごく魅力的だったんです。もともと空手をやっていたので、テコンドーも始めやすかったですね」

――ただ、空手とテコンドーの蹴りは異なります。それでもテコンドーを始めた時、6年間離れていた空手の記憶が蘇ってくるものなのでしょうか。

「空手にはないテコンドーの蹴り方が魅力的で(笑)。テコンドーは下段がなく、蹴りは顔面に集まるじゃないですか。距離も違いますし、テコンドーは回し蹴りが多くて。フルコン空手は下段が多くなりがちですが、僕は子供の頃から中段や上段の蹴りが得意だったんです。おかげで蹴り方は違っても、すぐに慣れることができました。テコンドーでは大学時代に、西日本の大きなトーナメントで優勝しています。でも、なぜかそこからMMAに対する熱が出てきて……」

――MMAに対する熱は、何かを見て生まれたのですか。

「それが分かりません(苦笑)。なぜかMMAというものが頭に入ってきて。そんな感じで、気持ちが移りやすいんですね。柔道やテコンドーのように、パッと見てパッと始めたくなってしまいます。ただ、実は大学時代に一度、グラップリングの大会には出ていました。柔道の延長で寝技の試合をやりたくなって」

――柔道からテコンドーに移っているのに(笑)。

「大学時代にパラエストラ広島でグラップリングの練習をさせていただいて、2011年に岡山県で開催された修斗グラップリングのワンマッチに出場しました。当時からMMAの練習にも混ざらせてもらっていて。

その頃、MMAで強くなるために柔術を始めています。大学を卒業してからもテコンドーは続けていましたが、何か新しいことに挑戦したくなりました。そこで思い出したのが、グラップリングで勝てなかったことと、アマチュア修斗に出場したかったけど出られなかったことでした。そういうことが、何かのキッカケでフッと頭をよぎり……」

――それだけ多種多様な格闘競技を経験している選手は、現在では稀なタイプかもしれません。やはり格闘技が好きだったのか、あるいは強さを求めていたのか。

「どちらもあったと思います。子供の頃から格闘技をやっていて好きでしたし、やっていくには強くならないといけないと考えていました。柔道やテコンドーを見て、『これをやれば強くなれる』と思って始めました。それはMMAも柔術も同じです。

大学を卒業して、県警ではなく消防士になりました。当時はTKエスペランサからアマチュア修斗の試合に出て、1勝1敗という戦績でした。プロになるつもりだったのですが、消防士としてプロの活動はできなかったのと、あとは柔術にハマりすぎてしまって。

柔術をやりたいって、パッと頭が切り替わりましたね(笑)。そこから柔術に専念したいと思って、TKエスペランサの岡田剛史代表とも相談し、2015年ぐらいに藤田柔術に移籍しました。あの頃から藤田柔術には強い柔術家がたくさん来ていて、そこで揉まれて強くなりたいと思ったんです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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【Gladiator020】久保健太とベテランストライカー対決、宮城友一─01─「僕の方が不思議なんですよ」

【写真】面白いのは宮城だけでなく、盟友・砂辺光久──出場経験無し──もグラジエイター愛があることだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

1月22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、宮城友一が久保健太と対戦する。
Text by Shjiro Kamaike

宮城にとってグラジエイター参戦は、2021年9月のNavE戦以来1年4カ月ぶり。その後はRIZIN沖縄大会と修斗に参戦するも、2022年は2連敗を経験している。それでも昨年11月には修斗沖縄大会でKO勝ちしてランキングもアップし、再びグラジエイターのケージに戻ってきた。その宮城に、修斗沖縄大会でのKO勝ちの要因とグラジエイターのケージに入る意味を尋ねた。


――今回のグラジエイターの試合に関するお話の前に、まずは修斗についてお聞かせください。昨年11月に鎌田悠介選手を下した結果、修斗世界フライ級4位から3位にランクアップしています。

「修斗のベルトを獲りたいという気持ちはすごく強いので、ランキングが1つでも上がるのは嬉しいです。今後は、今UFCに出ている(平良)達郎君が持っているベルトはどうなるのか、というところですよね。達郎君とは一緒に練習させてもらっているんですけど、ベルトがどうなるのかというお話はしたことがなくて(笑)」

――宮城選手は、グラジエイターで戦うことも大切にされている選手です。現在グラジエイターの試合と修斗の試合は、どのようなバランスで考えられているのでしょうか。

「個人的なことをいえば、MMAファイターとして一つでも評価を上げていきたいと思っています。たとえば、日本フライ級全体でランキングがあったとしたら、そのランキングを少しでも上げていきたい。それが今、僕が戦うモチベーションでもあります。

そのなかで、グラジエイターと櫻井(雄一郎)代表には本当に感謝しています。自分も戦績が振るわず『どこで試合をすれば良いのか……』と悩んでいる時に、櫻井代表が僕を拾ってくれました。だから今の僕があります。どこで戦うにせよ僕のことを『グラジエイターから出ている選手』と見てほしいです。それは修斗であっても、RIZINであっても」

――なるほど。修斗世界フライ級のベルトを狙うにあたり、ランキング1位の関口祐冬選手とストロー級王者の新井丈選手が対戦するかも……という流れは気になりますか。

「その前に清水清隆選手に勝った山内渉選手がランク2位に上がったので、関口選手と山内選手が対戦するのが自然な流れじゃないのかなとは思いますよね。もちろん新井選手はすごく強いし、僕も大好きなファイターですけど……どうなるんでしょうね(苦笑)。いずれにしてもランキング的にいえば、その流れの勝者と絡んでいきたいです」

――そのランクアップを決めた鎌田戦は、ヒザ蹴りによる鮮やかなKO勝ちでした。あれはご自身でも手応えのある内容と結果だったのではないでしょうか。

「ありがとうございます。自分としても鎌田選手が強い相手であることは分かっていたし、あの展開にならなければ僕がKO勝ちできず、逆の結果になったかもしれません。それだけに、ああいう勝ち方ができたことは嬉しいです。まぁ、たまたまKOできただけと思います」

――「ああいう展開にならなければ――」ということですが、やはり首相撲とケージレスリングで、フィニッシュに至る展開に持ち込んだわけですよね。

「そうですね。自分が一つ得意な部分を確認できた、というところは大きいです。初めてRIZINで試合をした時(※2021年11月のRIZIN沖縄大会)、同じ沖縄の安谷屋(智弘)君にヒザ蹴りでKO勝ちしました。そこで自分はヒザ蹴りが得意なんだと認識することができたんです。その安谷屋戦のイメージを持ったまま、先日の鎌田戦でもヒザ蹴りでKOできたことは喜んでいます。ただ、いつもヒザ蹴りでKOできるわけではない。それが首相撲やケージレスリングからヒザ蹴りに持っていけたことで、自分のやりたい形が定まってきたのかなと思っています」

――もう一つ、鎌田戦はヒザ蹴りでKOしたあとの所作が印象に残っています。もちろん倒した相手を煽ることはないし、かといって大喜びするわけでもない。試合が終わり、相手が立ち上がるのを正座して待つ姿を見て、宮城選手のルーツが極真空手にあることを思い出しました。

「実は、あれは反省があったんです」

――えっ、どういうことですか。

「今まではKO勝ちした直後に喜びを爆発させていました。それはそれで応援に来てくれた人たちも一緒に喜んでくれて、良い部分があります。でも、あとで『なんか嫌だなぁ』と思って」

――相手の気持ちになって考えてみると……ということでしょうか。

「やっぱり相手がいて試合ができるわけじゃないですか。僕としては、他の選手が同じように喜びを爆発させているところを見るのは嫌ではないです。自分がそうしているのを見るのが嫌で(苦笑)。だからセコンドについてくれた砂辺(光久)さんにも、『僕は良い勝ち方をしても、ケージの中で喜びを爆発させるのは止めます』と伝えました。アハハハ」

――なるほど(笑)。そんな修斗の試合を経て、1年4カ月ぶりにグラジエイターに出場することが決まりました。現在の宮城選手にとって、大阪開催のグラジエイターに出場することは、どのような意味や価値を持っているのでしょうか。

「先ほども言ったとおり、グラジエイターと櫻井代表には本当に感謝しています。グラジエイターは僕にとってホームです。櫻井代表に呼ばれたら、いつでも出たい。その気持ちはずっと持っています。去年も9月の大会でオファーを頂いたのですが、その時にはちょうど松根(良太)さんと修斗沖縄大会に出場するお話を決めていて……。そのために櫻井代表には、出場を延期させてほしいとお伝えしました」

――グラジエイターに参戦している選手に取材して驚くのは、そのグラジエイター愛の強さです。特に関西ではなく沖縄の宮城選手が、これだけグラジエイター愛が強い理由は何なのでしょうか。

「僕のほうが不思議なんですよ。『なぜ櫻井代表は僕のことを大切にしてくれているのだろうか』って……。それだけ大切にしてくれて、必要としてくれるからグラジエイターで試合をしたい。自然とそういう気持ちになります。『グラジエイターの役に立ちたい』、そういう気持ちにさせてくれる大会です」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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Gladiator020 MMA MMAPLANET o Progress YouTube キック キ・ウォンビン コンバット柔術 ジョセフ・チェン ジョン・オリニド チョ・ソンビン 中川皓貴 久保健太 井上啓太 住村竜市朗 宮城友一 山田崇太郎 森戸新士 江木伸成 濱岸正幸 竹本啓哉 笹晋久 藤田大

【Gladiator020】最後のカードはフォークスタイルグラップリングで二刀流=井上啓太が山田崇太郎に挑む

【写真】オープニングから見逃せないマッチアップが決まった (C)MMAPLANET

12日(木)、Gladiatorより22日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator020、全14試合の最後のカード発表があった。

フェザー級王座決定戦=中川皓貴✖チョ・ソンビン、Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座戦=森戸新士✖ジョセフ・チェン、ライト級選手権試合=王者キ・ウォンビン✖挑戦者グスタボ・ウーリッツァー、笹晋久✖ジョン・オリニドの国際戦、宮城友一✖久保健太の拳で語る漢マッチが組まれた同大会。最後のカード一枚もグラップリング戦=山田崇太郎✖井上啓太という注目カードが組みこまれた。


山田は昨年8月にFighting NEXUSにおけるPROGRESS提供試合=濱岸正幸戦(ストレートフットロックで一本勝ち)以来、2度目のフォークスタイル・グラップリング戦となる。

グラップリングとMMAの二刀流の山田に対して、井上も柔術とMMAの二刀流ファイターだ。青帯時代には全日本とアジアを制しアブダビプロで準優勝、全日本では茶帯も制している井上。この日のメインカードでキ・ウォンビンに挑戦するグスタボ・ウーリッツァーとの次期チャレンジャー決定戦で逆転KO負けを喫して以来、4カ月振りの復帰戦で井上は格上といっても過言でない山田と組み技マッチに挑むこととなった。

この試合は開場時間からプレリミスタートまでのオープニングマッチの第3試合として実施されるが、他のオープニング戦も元グラジ・バンタム級王者=竹本啓哉✖江木伸成のコンバット柔術、さらに女子アマMMAでは住村竜市朗の長女=住村斉明里がMIYUと戦うなど、バラエティに富んだラインナップとなっている。

グラップリングファンや地方在住ファイターに注目するマニア層にとっては、この3試合はメインカード級の顔合わせといえる。ライブ観戦、予定される配信ではオープニングから見逃せないグラジエイターの2023年第一弾となりそうだ。

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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MMA MMAPLANET NEXUS28 o 山田崇太郎 濱岸正幸

【NEXUS28】左手も左足も出ない――濱岸正幸が山田崇太郎のストレートフットロックに悶絶一本負け

<プログレス86キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
Def.1分11秒by ストレートフットロック
濱岸正幸(日本)

立ちレスで頭の後ろの取り合いから山田が、濱岸をケージに押し込む。山田はシングルレッグでテイクダウンを奪い、2Pを先取する。体は反転させ、濱岸が組んでいる足を解除しつつ取りに行く山田。濱岸は両足を左ワキに抱えられ、右足にストレートフットロックを仕掛けられた状態で、手を取ってクラッチをはがそうと試みる。

右足で濱岸の左足と左手を制し、ケージのある方にしかロールができない状態に固めた山田は、濱岸のふくらはぎから滑らすように右腕を差し込み、一瞬にしてストレートフットロックしタップを奪った。


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【NEXUS28】プログレス・ルールで濱岸正幸戦、山田崇太郎―02―「下がるなよ、組み技なんだから」

【写真】現在MMAファイターとしては修斗で戦っている山田。プログレスではグローブ着用でグラップリングを行う意味も説明してくれた(C)MMAPLANET

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS28で、濱岸正幸とフォークスタイル・グラップリングマッチで対戦する山田崇太郎のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

プログレスについて設立以前から知る者として、フォークスタイルスタイル・グラップリングのコンセプトを語ってくれた山田。この後編では、自身がプログレスルールで戦う意味を訊いた。山田崇太郎こそ、最もプログレスの意義を体現できるファイターなのかもしれない。

<山田崇太郎インタビューPart.01はコチラから>


――柔術家の森戸新士選手はフォークスタイル・グラップリングマッチで、相手に2P献上しても有利であることを念頭に置き、引き込んでサブミッションを極めています。それだけ極める力がないと難しい分、極める力がある柔術家の出場は興味深くなりますよね。

「そうですね。カードの組み方次第だと思います。それは実力差のあるカードを組む、ということではなく。

河名マスト君の試合は、相手(森戸)が強かったじゃないですか。その相手に対してマスト君の強さを見せることができていました。マスト君って、本当に組み技が強いんですよ。寝技も強いです。でも、寝技の強さだけで見たら勝てる相手ではなかったと思います。

そこはポイントを考慮しながら自分の強さを、しっかりと出していましたよね。八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんとマスト君で、相当ルールを研究していたと思いますし、あの試合はすごく面白かったです」

――なるほど。ここまでプログレスルールの面白さについて語っていただきましたが、次は山田選手ご自身について訊かせてください。まず対戦相手の濱岸選手の印象はいかがですか。過去にはZSTで対戦したこともありましたが……。

「その時はその時ですよね。今はとにかく気持ちがある、頑張る選手だと思います」

――では、今回の試合に対するモチベーションを聞かせてください。

「練習していても明確な目標がないと、引き締まらないところがあるじゃないですか。そういう意味で試合があると、その試合に向けて色々と考えたりもしますし。練習していて、今回の試合に対して大きなアジャストみたいなものは、できていないです。でも今やっていることが、プログレスの試合と重なるところもあって。

長谷川(賢)さんは礒野(元)さんに、ルールについてもアドバイスを求めていて、礒野さんの意見が反映されているところもあると思います。そして僕は礒野さんに習っている。プログレスのコンセプトは、礒野さんのMMA観と重なっている部分があるんですよね。だからプログレスの試合で、礒野さんから習っているものを出したいです」

――その部分が重なっているからでしょうか。ケージレスリングやテイクダウンが強くて、さらに下からサブミッションを極められる一発の強さがある。先ほど山田選手が仰ったプログレスルールの魅力が、そのままご自身の中にあるのではないかと……。

「アハハハ、それは嬉しいですね。自分は作戦を決めて試合をしてしまうと、トップゲームになるのかガードゲームになるのか、どちらかに偏ってしまう部分があって。そこはしっかり考えて試合をしようと思っています。

ただ、何よりもケージレスリングをやりたいという気持ちは強かったです。普段は壁を使って練習していますけど、グラップリングの試合はマットで行われる。そこに違和感を覚えることもあって」

――違和感、ですか。

「もちろんマットがダメということではないんです。ただ、壁のある試合をやりたいなと思っていました。GENでは壁を使った練習の比重が大きいので。寝技の練習も、壁に押し込まれた状態から始めたりすることもあります」

――まさにケージ用の練習ですね。

「僕は、下がってマットから出たあと、何もなくマットの中で再開されることが理解できないんですよ。レスリングって押し出されたら相手にポイントがつくじゃないですか。それと同じように、下がっているほうがマイナスじゃん、って。下がるなよ、組み技なんだから組め、という気持ちはあります。

もちろん、下がってマットから出ても何もない、というのがルールなら仕方ないです。試合はルールに則って行われるものですから。それがケージになると、僕の中で曖昧なものが減るという部分で、良いと思っています」

――山田選手にとってケージグラップリング戦は、2019年10月の小谷直之戦(ヒザ十字で一本勝ち)以来ですよね。ケージでMMAを戦うのと、ケージでグラップリングの試合を行うのは、やるべきことや感覚などは大きく変わってきますか。

「先ほど壁レスの話をしましたけど、ケージで練習する時は指が痛いんです。プログレスのフォークスタイル・グラップリングでは、MMAグローブを着けるじゃないですか。そこは大事だと思います。

いつも行っているグラップリングを、ただケージの中でやるだけ、っていうことではないんです。指が痛いので(苦笑)。ケージではグローブがないと、四つでは組めない。だからグローブがあるなかでのケージグラップリングというのは面白いです」

――確かにフォークスタイル・グラップリングでMMAグローブを着けることになった理由の一つとして、指が痛いという点はあったそうですね。

「メチャクチャ痛いですよ。たとえば組んで、相手の背中でクラッチしますよね。その部分がケージに密着した状態で、ボディロックからシングルレッグやダブルレッグへ切り替えたりする時に、グリップを上下させると指がケージに当たって痛いです。相手の背中とケージに自分の指が挟まれているから、文字通り板挟みで(笑)。

そういうことは、礒野さんや長谷川さんと話をした記憶がありますね。MMAであればオープンフィンガーグローブを着けているという前提がありますけど、素手だとできないです。そう考えると、ケージの試合ってグローブありきのものだと思います」

――プログレス、そしてケージグラップリングについて貴重なご意見を聞かせていただきました。それだけの認識がある山田選手だからこそ、次の試合を楽しみにしたいです。

「僕は生きているぞ、っていうところを見せます。久々のグラップリングマッチなので、頑張ります!」

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MMA MMAPLANET NEXUS28 o キャプテン☆アフリカ 世羅智茂 山田崇太郎 海外 濱岸正幸 西川大和

【NEXUS28】プログレス・ルールで濱岸正幸戦、山田崇太郎―01―「見どころが分かりやすい」

【写真】3月の西川大和戦の(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS28で、プログレスのフォークスタイル・グラップリングマッチに山田崇太郎が出場し、濱岸正幸と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

グラップリング大会で数々の実績を持つ山田が遂にプログレスへ――その山田は、実は練習環境の縁からプログレス設立前、ルールがつくられる過程から知っていたという。プログレスをゼロから知る男が自身の試合の前に、プログレスの印象とルールの見どころを語ってくれた。


――山田選手がグラップリングマッチに出場するのは、昨年7月のクインテッド後楽園ホール大会(団体戦で出花崇太郎――キャプテン☆アフリカと時間切れ引き分け)以来となるのですか。

「そうですね。ただ、今回の話を頂いたのが10日~2週間前ぐらいで、それほどグラップリングの試合をやることを想定はしていなかったです」

――前回のMMAPLANETのインタビューでもMMAを軸にしていきたい、というお話がありました。今もファイターとしての活動の主軸はMMAにあるのでしょうか。

「はい。でもMMAとグラップリング、どちらが上でどちらが下かということはないです。要は練習環境として中心がGENスポーツパレスであり、そこでは礒野元さんにMMAの指導を受けているので、必然的にMMAが主体になりますよね。

世羅智茂君にGENへ来てもらってグラップリングの練習もしていますけど、それも頻度は週1ぐらいです」

――では、グラップリングの試合を目的としたグラップリングの練習には、それほど重点を置いていないということですね。

「グラップリングも好きなので、練習はしたいんですけどね。練習環境のせいではないです。環境は自分でつくるものなので。ただ、最近はその環境がなかったことは確かです。
以前は青木(真也)君たちとも練習していて、最近また青木君から『一緒に練習しようよ』と連絡が来たんですよ。今、青木君と僕で練習するのにちょうど良い場所を探しています」

――山田選手は現在、ご自身のトレーニングジム(PANDA GYM、東京都中央区人形町)を運営されています。昨年8月にジムをオープンしてから、いろいろと環境も変わったのでしょうか。

「いや、そうでもないですよ。ジムも雇われではなく、自分に裁量がありますし。僕たちのプロ練って昼に行われるじゃないですか。ジムでいえば日中はお客さんが来ない時間で、夜に戻ってからジムの指導もできますし、午前中も対応できますから。それを自分の裁量でできるので、良い環境だと思います」

――なるほど。では今回のオファーを受けるにあたり、以前からプログレスのルールや試合などはご覧になっていましたか。

「プログレスって長谷川(賢)さんがやっているじゃないですか。実はルールをつくっていく過程で、長谷川さんから相談されていたりしたんです。長谷川さんはGENの練習仲間ですから」

――おぉっ! プログレス設立をゼロからご存じなのですね。

「日本人選手がMMAで勝つための環境づくり、というコンセプトからスタートしましたよね。日本人選手が海外で勝つためには、どうすればいいか。どうやって育成していけばいいのか、というコンセプトは把握していました。でも自分自身が出ることは、念頭に置いてはいなかったです。だから今回も、オファーを受けてから改めてルールを勉強しました(笑)」

――では、その山田選手に改めてプログレスルールの印象をお聞きしたいです。

「要はMMAで殴られないためにテイクダウンやトップゲームが必要で、トップコントロールやグラウンドコントロールをしたほうがいい。ガードになったら殴られるからマイナスポイントで。上下が入れ替わったら、柔術でいうスイープでなくてもポイントが与えられる。とにかくMMAを想定したグラップリングですよね。このグラップリングで勝つことが、MMAで勝つことにつながるという。

柔術とグラップリングは今、競技性が専門化してきて、MMAとは離れた部分もありますよね。フットロックの攻防もそうですし、試合の中で立ち上がりにくいとか。そこでMMAに寄せたグラップリングのルールだと解釈しています。

そのルールの中で柔術家とMMAファイターも競い合えるという認識でつくっていると思います。やっぱりMMAより柔術のほうが、競技人口は多いですからね。MMAファイターの組み技の技術力を上げるために、柔術家の人たちに勉強させてもらう。そういうイメージを、自分で勝手に持っています(笑)」

――なるほど。そこまでのイメージを持っている山田選手に対して、以前から出場オファーはなかったのでしょうか。

「もしかしたら、あったのかもしれないですけど……。もともと僕は引っ込み思案なので、これまで自分から何かに出たいと言ったことは、そんなにないんですよね。グラップリングだとクインテッドぐらいで。それほど積極性がないんです(笑)。練習していて、お話をもらったら出るという感じです。

ただ、プログレスのルールは面白いですよ。同じグラップリングという枠の中であっても、強い選手というのは変わってくるんじゃないですか。まず青木君は強いよねって思います。青木君とも、このルールについて話をしたんです。結局はトップゲームになってきますよね。だからガードゲームが強い選手を相手に、たとえ寝技の力に差があったとしても、テイクダウンやトップコントロールで勝つことができます」

――確かに、そうですね。

「たとえば今はグラップリングで、ガードゲームに引き込まれてからパスできなかったとします。対して相手からアタックされていると、ポイントは入っていないけど負けることがありますよね。プログレスの場合は、その攻防に対して明確なポイントがある。トップコントロールにポイントが与えられるので、それこそレスラーが柔術家に勝てます。

一方で柔術家がトップを取られても下からサブミッションを取ったり、スイープしてトップから勝つこともできる。そういった見どころが分かりやすいですよね。この見どころが明確になってくると、もっと面白くなると思います」

<この項、続く>

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