カテゴリー
News UFC UFC ESPN12 ジェイソン・ウィット ダスティン・ポイエー ダン・フッカー ブログ 佐藤天

【UFC ESPN12】計量終了 拳でGo!! 佐藤天、5人目の対戦相手ウィットとフェイスオフ

【写真】通算5人目の対戦相手ウィットと対面する佐藤 (C)Zuffa/UFC

26日(金・現地時間)、27日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」の計量が行われた。


真っ先に計量を済ませたが、メインでダン・フッカーと戦うダスティン・ポイエー。156ポンドで終え、全計量が終了後にファイスオフへ。やや近い距離で顔を尽き合わせた両者は、笑みをたたえたまま視線をずらすことはなかった。

タカシ・テン・サトーとコールされた佐藤天は170.5でパス、その佐藤と急遽戦うことになったジェイソン・ウィットも検査の結果ネガティブだったため、他の選手と同じ時間に計量を終えることとなった。ステアダウン後に小さく佐藤頷いた佐藤は、握手をすることも控えてステージを下りた。

なおミランダ・マーヴェリック✖ロメロ・ボレアは前者の負傷が原因でメディカルにパスせず、ボレアの出場もなくなり今大会は全10試合の構成となっている。

■UFC ESPN12計量結果

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー: 156ポンド(70.76キロ)
ダン・フッカー: 156ポンド(70.76キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル: 170ポンド(77.11キロ)
マイク・ペリー: 171ポンド(77.56キロ)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン: 255ポンド(115.66キロ)
ジャン・ヴィランテ: 255ポンド(115.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン: 185.5ポンド(84.14キロ)
カイル・ダウカウス: 185.5ポンド(84.14キロ))

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 235ポンド(106.59キロ)
フィリッピ・リンス: 234ポンド(106.14キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン: 149ポンド(57.59キロ)
ジュリアン・エローサ: 149.5ポンド(67.81キロ)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ: 155ポンド(70.31キロ)
カーマ・ワーシー: 154.5ポンド(70.08キロ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジェイソン・ウィット: 171ポンド(77.56キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ: 115.5ポンド(52.38キロ)
ケイ・ハンセン: 115.5ポンド(52.38キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン: 145ポンド(65.77キロ)
ユーゼフ・ザラル: 145.5ポンド(66.0キロ)

カテゴリー
Interview UFC UFC ESPN12 ジェイソン・ウィット ブログ ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】withコロナのUFCでフラヒメジと対戦予定だった佐藤天─02─「自分がやるべき試合を」

【写真】このインタビュー後、対戦相手が代わることになる佐藤 (C)ON THE ROAD MANAGEMENT

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」に出所する佐藤天インタビュー後編。

昨日インタビュー前編をお届けしたが、ご存知のように対戦予定だったラミズ・ブラヒメジのセコンドがPCR検査で陽性反応が出て、佐藤は4度目の対戦相手変更=ジェイソン・ウィットと戦うことになった。

ブラヒメジ戦がないことが確定した時点でコメントをくれたように、気持ちはこのインタビューを行った時と変わらないと言い切っていた佐藤。ここでは、ブラヒメジと戦うつもりで話していた──彼が今回の試合でやるべきことこそ、佐藤天の軸となる部分だ。

<佐藤天インタビューPart.01はコチラから>


──ウスマンが別の場所で練習を! それは意外ですね、ドゥリーニョがブラックジリアンズ時代の仲間だったブラジル人選手たちとやっていくのかと思っていました。

「そうですね、僕も詳しくは分かっていないのですが、ウスマンが別の場所でやっている。ただドゥリーニョがジムに練習に来ても、ヘンリーは中立を守るためにミットを持っていないです。きっとウスマンとドリーニョ、ヘンリーの間で取り決めがあるんでしょうね。まぁ、僕も心情的に複雑ですね。2人といつもよくしてくれるので。

他の選手も中立で、どちらを応援するとかはないようです。それでもヘンリーは僕らに対して、どれだけウスマンが練習しているのかっていう話しは続けています。強い選手ほど練習している、その例えがウスマンで。ドゥリーニョにしてもUFCのベルトが掛かってくるのだから、チームメイトにも挑戦したいというのは分かります」

──この同門の世界戦が佐藤選手の練習に何か影響を与えたのか、そこは気になっていました。

「それは大丈夫です。練習だけはしっかりとやってきました。この間、サンフォードMMAのコーチたちもUFCファイターだけでなく、他の大会に出ている選手に対しても『今はいつチャンスが巡って来るか分からない。いつでもいける準備をしておけ』って言っていて。実際に、2週間で仕上げられるよう体重は落としておくよう指示を受けていました。

この間、フロリダの選手は他の州の選手よりも練習ができる環境があるので、ここはチャンス──チャンスを掴もうという空気がジム全体にあったので、凄く良い練習ができました」

──そのようなかブラヒメジという選手は、対戦相手として視界は入ることはなかったと思います。

「ティム・ミーンズと戦うつもりだったときは、名前もある選手だし研究もしていました。ただし、すぐに契約書が届かなかった時には、『あっ、代わったな』という想いもありました。その時点で3人目の対戦相手だったし、変更にしても2度あることは3度あっても不思議じゃないので(笑)。

今の状況だと対戦相手が代わるとか、通常よりあり得ることですし。実際にチームメイトも試合の2日前に1階級上のクラスでオファーがありました。だから対戦相手が3度変わったことに動揺はないのですが、ブラヒメジ選手は試合映像がダイジェストぐらいしか残っていなくて、参考にできるようなモノはなかったですね」

──戦績からからも、極め切るファイターということは想像がつきます。

「そうですね。でも、どういう流れで極めているのか。力がありそうで、スピードもあるんだろうなっていうぐらいだけで、分からないところだらけです」

──対して佐藤選手が、昨年9月から積んできたモノのなかで一番見せたい部分はどこでしょうか。

「まずは勝つことが一番です。この期間はレスリングもそうですし、少人数で指導を受ける時間が増えたので技術的にも理解が進みました。カミ(バルジニ)やグレッグ(ジョーンズ)が、3、4人を細かく見てくれたのでレスリングは凄く伸びたと思います。コーチも『良くなった』と言ってくれているので、どれだけソレを試合で出すことができるか……ですね。

打撃に関してもそうですが……。レスリングが伸びたことで、途切れないように戦えることができると思います。間が途切れることなく、繋がって戦えるとMMAは優位に進められますね」

──打撃だけでなく、レスリングで距離が積められるようになるとクリンチから柔道的なテイクダウンもより有効になるということはありますか。それほど裸の柔道を理解している選手は北米といえども多いとは思えないのですが。

「う~ん、投げはやはり自分の武器ですし……そうしたいのですが、どうですかね。試合中にはレスリングの対応の合間に、柔道の投げが使えることも出てくると思います。払い腰とか、対応できない選手もいますしね。カミも柔道は僕の強みだと言ってくれますし、持っておきたい──大事にしている部分ですね」

──打撃、成長したレスリング、強みである柔道。極めの強い相手に、どう生かせるのか楽しみです。

「まぁ極めてくるというのは頭に入れて戦いますけど、何をしてくるのかは分からないので……、あまり相手に依存する戦いではなく、自分がやるべき試合をしたいです。

相手のことを考え過ぎずに、この試合に向けて準備してきた……やってきたことを出し勝ちたい。それを目標に練習してきたので、そうなって欲しいと思っています」

──では日本から早朝に応援してくれるファンに、一言お願いします。

「第3試合だから日本だと日曜日の朝の7時ぐらいになるのかと……。そうですね、このファンへ一言っていうの苦手で(苦笑)。えぇと……2月に試合が飛んでから、日本にいる時間も切り上げてフロリダに戻り、試合に勝つためだけに生活をしてきました。やってきたことを結果に結びつけて、応援してくれる方に喜んでもらえるよう頑張ります!!」

■UFC ESPN12対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ジェイソン・ウィット(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC ESPN12 ジェイソン・ウィット ブログ ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】ブラヒメジのセコンドが陽性に。対戦相手変更の佐藤天「3度あることは4度ある(笑)」

【写真】今回の件は佐藤サイドには覚悟ができていたこともあり、ブラヒメジにとって気の毒な自体だ──が、今や誰にでも起こりうる出来事といえる(C)LFA

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」に佐藤天と対戦予定だったラミズ・ブラヒメジのセコンドが新型コロナウィルスの検査で2度に渡り陽性になったため、土曜日の試合に出場不可能となった。

思わぬ──ことでもなく、『何が起こっても』という覚悟をもっていた佐藤に現在の心境を国際電話で尋ねた。


(電話が繋がると)「もしもし、お連れ様です。アハハハハハ」

──アハハハハ。もう笑うしかないですか。

「もう何が起きても、ビックリしないですね(笑)」

──もう、そう思うしかないですよね。

「持っているんだと思います(笑)。今はそういう流れで……。3度あることは4度ある──です」

──しかし、これで打ち止めにして欲しいですね。

「対戦相手が代わると思う……という連絡があった時には、チェックで陰性だったら戦うことになる代役選手の連絡もあって。すぐにニックさんと映像を視ました。だから、もう僕は相手が代わることは気にしていないです」

──例えば現状、これは佐藤選手に起こりえる事態ということですしね。

「そうなんですよ。まぁ、『ここに来てか』っていうことはありますが、事情が事情なので致し方ないですし。それこそ誰にでも起こりうることですからね。まぁ2月のニュージーランドの時のような相手の計量失敗とは違います。逆に対戦相手の方が気の毒ですよね。セコンドが陽性で試合をできないなんて、自分は現状は試合ができることになっていますから、もう笑っちゃうだけです」

──実は電話が繋がる前に佐藤選手に対し、笑い声だけは挙げないでおこうと思っていたのですが、我慢できなかったです(笑)。

「アハハハハ、いや、自分が先に笑っちゃっていましたからね(笑)。もう、昨日のインタビューのときに話させてもらったように『相手に依存はしていなくて、自分のやるべきことをやる』ということに何も変わりはないですから。

もう4度も相手が代わると、名前も覚えられないですね(笑)。なかなかない良い経験をさせてもらっています。100パーセント、ラミズ選手は無理なのは決まったことなので、自分は次の相手との試合に集中するだけです」

UFCもこの事態を受け、佐藤の代役はキャリア15勝5敗のジェイソン・ウィットになることを公式にアナウンス。検査の結果を待つために土曜日の計量にウィットは参加せず、陰性結果が出てから体重を測るることが発表されている。

■UFC ESPN12対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ジェイソン・ウィット(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC ESPN12 ブログ ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】withコロナのUFCでフラヒメジと対戦、佐藤天─01─「これだけ徹底していると──」

【写真】UFC PIで汗をかく佐藤 (C)ON THE ROAD MANAGEMENT

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」に佐藤天が出場しラミズ・ブラヒメジと戦う。

パンデミック後、日本人としてUFCで初めて戦うことになった佐藤に、まずはウィズ・コロナのファイトウィークの様子と、これまでの練習について尋ねた。

UFCの感染予防、その対策の徹底さは改めて──この状況でMMAが見られることが特別であることを再確認させられた。


──ベガスに入ったのは?

「昨日ですね」

──新型コロナウィルスのパンデミックが起こり、初めての試合となりますが、ここまでどのような流れで過ごしてきましたか。

「ホテルに着いて、すぐに検温とPCR検査をしました。ホテルは完全にマスク着用で、IDがないと入れないです。そしてPCR検査の結果が出て、陰性だと分かるまでホテルから出てもいけないです。

僕も結果が出て初めてスーパーに買い物や、UFC PIで練習ができました。

これから検温は毎朝あって、木曜日と金曜日にもPCR検査があり、金曜日の検査後は誰もホテルから出ることは許されないという感じです。練習場もいつものようなコーナーごとではなくて選手1人ひとりに与えられていて、他の選手と接触しないようになっています。

ホテルも一軒借り切っている感じで、その辺りは徹底していますね。部屋もキッチンやリビングのあるスイートで。聞いた話によると、試合当日の控室も自分のチームしか同室でなく、入れ替え制で消毒を徹底するそうです。試合が始めると僕らの荷物も控室から撤収されていて、試合後はメディカルとインタビューが終わるとそのままホテルに戻るという流れらしいです」

──いやぁ、ゾーニングが徹底しているのですね。ひょっとすると世界で一番、感染予防がなされている場所かもしれないですね。

「ハイ、今回はニックさんが日本から来てくれたのですが、PCR検査の結果が出るまでUFC PIに行くこともできない状態です」

──逆に心理面として大変な事態だと再確認してしまうとか、なかったですか。

「いやぁ、検査もしてもらっていますし、これだけ徹底していると……いつもと雰囲気は違いますが、コロナが気になることはないです」

──やはり出場選手、関係者がPCR検査をするというのは安心材料になりますね。

「米国も経済活動を再開して、ビーチとかに人が溢れていて感染者が凄く増えていますしね」

──と同時に、なかなか試合が決まらなかったです。正式決定した時の心境を改めてお教えください。

「ようやく決まったとう感じですね。もともと6月の終わりに試合ができるよう動いてもらっていたので、そこに向けて練習はしてきましたし、ホントにずっと『早く決まってくれ』と思っていました。

対戦相手も3回変わりましたし、2回目の時には『もう、どんなことも起こるんだ』っていう気持ちになれました。ずっと練習していましたし、1度違う日程で試合が決まりそうになった時も、同じ気持ちでしたね」

──このゴタゴタで試合を落とすようなことがあると、凄く後悔することになるんじゃないかと

「もう、それは自分で決めてやることですしね。相手も条件としては同じでフェアだし、そういう風に思うことはないです。確かにヘンリー(フーフト)も『来週か?  受けるなら、デキることをやろう。でも急過ぎるなぁ』っていう感じでしたね」

──現状、フロリダ在住の選手が一番チャンスも多いかと思いますが、経済活動が一部再開され練習状況は変わりましたか。

「そうですね、ロックダウン中はガレージで一緒に住んでいるメンバーと練習していましたが、1カ月半ぐらい前から通常通りの練習をしています。最初は少人数でやり、プライベートがメインでしたけど、5月になってから普通に練習できていました。練習環境は問題なかったです」

──実はその練習環境に関して、尋ねさせてもらいたいことがありました。サンフォードMMAではカマル・ウスマンとジルベウト・ドリーニョがUFC世界ウェルター級王座を賭けて、同門対決があります。これはジムの空気に影響を与えることはなかったでしょうか。

「あぁ(苦笑)。そうなんですよね……ジムの雰囲気は変わらないです。最近まで2人は顔を合わさないように、別の時間に練習していたのですが、今はウスマンは別の場所でトレーニングするようになりましたね」

<この項、続く>

■UFC ESPN12対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC ESPN12 ブログ ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】佐藤天と対戦するラミズ・ブラヒメジは日本大好きファイターだった!!「ただただ楽しい」

【写真】サブミッションでの勝利ばかりだが、喧嘩が強そうな外見のブラヒメジだ(C)LFA

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」で、佐藤天と対戦するラミズ・ブラヒメジ。

日本では全く無名のこの選手は、実は日本大好きなファイターだった。MMA戦績8勝2敗、8つの勝利は全て一本勝ちという未知のファイターは、ファイト前をエンジョイできる強心臓の持ち主だった。


──今週末、佐藤天選手と戦うラミズです。日本のファンに佐藤選手の対戦相手のことを知ってほしくて、今回は話を聞かせて貰えればと思います。

「もちろん。なんでも聞いておくれ」

──ありがとうございます。まずUFCデビューに向けて、今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイトしている。特にサトーのような素晴らしいファイターと、UFCで戦えることは光栄だよ。2016年の5月に1カ月ほど僕は米国陸軍の予備軍のミッションで、キャンプ座間にいたんだ。東京も神奈川も大好きだ。ホント、叶うならすぐに東京に戻りたいよ(笑)。親切で素晴らしい人達ばかりだったよ、日本は。六本木で楽しんだし、色々と楽しい思い出ばかりだ」

──その時に格闘技の練習をすることは?

「それはなかったよ。ベースで仲間と練習をしていたから」

──ところでラミズがMMAを始めたきっかけは何だったのですか。

「僕の父はユーゴスラビア連邦のコソボ出身で、米国に移住した。そして僕はNYで生まれた。子供のころ、その父に連れられて極真カラテを始め、それからボクシングを経験した。で、高校になってMMAを凄く見るようになり、完全にハマっていったんだ。UFCだけでなくPRIDE時代の試合やDREAM、日本のファイトも見ていた。アンデウソン・シウバ、カズシ・サクラバという生ける伝説のことを心の底から尊敬しているよ。

ゲガール・ムサシ、アリスター・オーフレイム、タカノミ・ゴミ、日本で戦っていた彼らがいたから、僕はMMAの練習をするようになり、試合で戦うようになった。だから4年前に日本に滞在できた時、夢が一つ叶ったと思ったんだ。で、もう1つの夢がUFCで戦うことだった。

ただ、この夢が実現するには、この1年は本当にタフな時間を過ごすことになったよ……」

──ラミズは去年の3月にLFAで勝利して以来、実戦から遠ざかっていました。

「そうなんだ。6月にコンテンダーシリーズに出場することが決まっていたけど、目に腫物が見つかり視界を塞ぐようになってしまったんだ」

──それは……パンチを被弾したことなどが遠因になったのでしょうか。

「いや、MMAの練習や試合は関係ないよ。ただ、そういう症状が僕の体に起きた。そして、手術が必要になったからコンテンダーシリーズにも出られなくなったし、その後の計画は全て頓挫したよ。

去年の9月に手術をして、当然暫らくの間は治療に専念する必要があった。でも気持ちを強く持ち続け、体力を落とさないように心掛けて過ごし、今では100パーセント問題なくなったよ。そして練習に戻れるようになったら、新型コロナウィルス感染拡大という事態を迎えてしまったんだ」

──この状況で、UFCで戦う機会が巡ってくるということは頭にありましたか。

「まずUFCが活動を再開するまで、そういうことは一切考えていなかった。でも、UFCがイベントを開くようになると大会は米国人中心だし、そういう機会は巡ってくるかもという風には思っていた。

タカシがいつ頃、この週末に試合があると聞かされていたのかは知らないけど、僕らの試合が決まってからも急いで2 試合が決まったり、UFCは試合数を確保しないといけない状況にあることは確かだったはずだ」

──ところでラミズはレコードを見ると、白星は全て一本勝ちです。ベースは柔術なのでしょうか。

「フィニッシュが多いのでは、僕がファイトしているからだよ。そして僕はMMAファイターだ。打撃も好きだし、レスリングも好きだ。グラップリングも柔術も全てが好きなんだ。全てが楽しいよ」

──日本が大好きなラミズのUFCデビュー戦の相手が佐藤選手というのも何かしら運命的なモノを感じますね。

「ホントにどういうことだろうね。でも、僕は他のどの選手よりも日本の人々の素晴らしさを知っている。日本の文化も人々も大好きだ。だからこそ、タカシと素晴らしい試合をするつもりだ」

──グラップラー✖ストライカーの試合になると思うファンも多いはずです。

「僕は打撃、レスリング、グラップリング全てができる。どこでも戦うよ。タカシのような素晴らしいファイターと、同じ時間にケージの中に入ることができて凄く嬉しいよ」

──ところで、これまでのファイトウィークと比べると、色々と戸惑うことはないですか。

「試合自体はショートノーティスだけど、チームメイトの試合のために2週間前からラスベガスに来ていて、もう繰り返しPCR検査を行った。まったく体調に問題ないよ。

ファイトウィークをずっと試合が開かれる場所で過ごすことができるのだから減量もイージーだし、試合に集中することができているよ。何といっても僕はアーミーにいたんだから、それがどういうことか分かるよね? アーミー時代と比べると、ファイトウィークのホテル暮らしなんて、ただただ楽しいだけさ(笑)」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「世界中のファンに、何より大好きな日本のファンに絶対に喜んでもらえる試合がしたいと思っている。この試合が終わると日本のMMAファンが僕のことを応援してくれるようになることを願っているよ。

そして、いつの日か……サイタマで戦いたい。アリガトウゴザイマス」

■UFC ESPN12対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

カテゴリー
News UFC UFC ESPN12 ケイ・ハンセン ジン・ユ・フレイ ダスティン・ポイエー ダン・フッカー ブログ ユーゼフ・ザラル ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】対戦カード 佐藤天、UFC3戦目。LFAからザラル、そしてジン・ユ・フレイがUFCデビューへ

【写真】Invicta FC、Road FC、そしてRIZINとアトム級で活躍してきたフレイが、同じくインヴィクタからステップアップのハンセンと対戦。5日前のオファー!!(C)INVICTA FC

2020年6月27日(土・現地時間)
UFC ESPN12
ネヴァダ州ラスベガス
UFC APEX

■視聴方法(予定)
6月28日(日・日本時間)
午前6時~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

カテゴリー
News UFC UFC ESPN12 ブログ ラミズ・ブラヒメジ 佐藤天

【UFC ESPN12】佐藤天、紆余曲折の末に判定勝ちゼロ──8つの一本勝ち=ブラヒメジとの対戦決定

【写真】さぁ、たまりにたまったモノを一気にぶちまけて欲しい佐藤だ(C)Zuffa/UFC

27 日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」に佐藤天が出場し、ラミズ・ブラヒメジと対戦することが決まった。


佐藤本人がSNSで発信してきたように、この試合が決定するまで紆余曲折が見られた。5月のフロリダ州ジャクソンビル3連戦から、ラスベガスに場所を移してUFC APEXでの6連戦、7月にはファイトアイランドにステージが移行するため、佐藤陣営では6月終盤のAPEX大会への出場をターゲットにし、交渉をしてきた。

しかしUFCからは6月13日大会への出場要請が、大会まで10日を切ろうかという時に届き、対戦相手は5月30日大会で判定勝ちを収めたばかりのダニエル・ロドリゲスの名前が挙がっていた。このショートノーティス出場に関して、調整を続けてきた佐藤はこのオファーは受けるつもりだったが、ロドリゲスの方が試合のダメージが残っており万全でないと固辞。ロドリゲスに代わりUFCサイドは、コンテンダーシリーズからUFCを契約し、デビュー戦がコロナでキャンセルされたフィリップ・ロウに打診したが、結局まとまることはなかった。

この時点で6月の出場を諦め、8月の米国大会に標準を変えようという空気もあるなか、陣営は27日大会に向けて調整、交渉を続け──先週の金曜日にティム・ミーンズ戦の話が挙がる。試合まで2週間だが、UFC戦績21戦(※11勝9敗1NC、2度の契約期間を合わせると7年7カ月間も在籍しているミーンズ戦に関して、佐藤に「No」という選択肢はなかった。

2月のマキ・ピトロ戦を相手の体重オーバーで戦えなかった佐藤にとって、昨年9月以来8カ月振りのオクタゴン3戦目が決まった──かに思えたが、ここからも一筋縄にはいかなかった。試合を10日後に控えた17日(水・同)にミーンズが出場を撤回し、相手はラミズ・ブラヒメジに変更。ようやく佐藤はく契約書にサインすることができた。

(C)LFA

ブラヒメジにとって、今回がUFC初戦でLFAからのステップアップとなる。そのLFAでは4勝2敗。キャリア全体では9勝2敗で、8試合で一本勝ちしているフィニッシャーだ。

その内訳はRNCが3試合、ギロチンでも3度タップを奪っており、この他の一本勝ちは肩固めとサイドからのキムラを極めている。このサイドからのキムラと肩固め、抑え込みが必要なサブミッションでの勝利は、ブラヒメジが上攻めからポジションを奪う戦いや、スクランブルでもギロチンを使いこなすことが予想される。

オクタゴン2勝目を目指す佐藤は、度重なる対戦相手の変更にも「負けて良い試合は、一つもない」と力強い言葉を残している。

カテゴリー
ABEMA Fighter's Diary Interview UFC ブログ 佐藤天

【Fighters’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる佐藤天の声 on 2015年3月10日

Takashi-Sato【写真】佐藤天、MMAPLANETインタビュー初登場のインタビュアーは中村拓己氏だっ!!(C)ABEMA & TAKUMI NAKAMURA

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.02が19日(日)より、アップされている。

第2回でクローズアップされた格闘家はKRAZY BEE軍団(朴光哲、矢地祐介、田村一聖、あい)、佐藤天、浅倉カンナ、北岡悟、堀江圭功(と高阪剛)の9人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第10回は2015年3月12日公開、3月10日に取材が行われた──キャリア7戦目=バイロン・フィリップス戦を5日後に控えた──佐藤天のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――試合が目前まで迫ってきましたが、仕上がりは順調ですか。

「月曜日までしっかりと追い込んで練習できたので、仕上がりはいいと思います」

――今大会ではカナダのバイロン・フィリップスと対戦、国際戦に挑むことになりました。

「国際戦は2試合目の時にパンクラスでジョー・プラクター選手と対戦しています」

――それから経験を積んでフィリップスを迎え撃つことになったわけですが、フィリップスにはどんな印象を持っていますか。

「元々バスケをやっていて、長身でバネがある選手かなと思います。プロフィールでは189センチだったので、自分より6~7センチは大きい相手ですね」

――佐藤選手は自分より背が大きい相手と戦ったことはありますか。

「1~2㎝はありましたけど、ここまで大きい相手は初めてです」

――なかなか普段の練習で190㎝近い相手と手を合わせることはないですよね。

「そうですね。そこはちょっと未知数な部分はあるんですけど…逆に中に入ってしまえばやりやすいところもあると思います」

――まずはリーチをどう攻略するか。そこがポイントになりそうですね。

「はい。今までは僕がリーチの長さを活かして戦うことが多くて、今回はそれが逆になるので、長南(亮)さんからは色々と対策を指導してもらっています。そこは綿密に、試合映像を見ながら研究してきました」

――佐藤選手は2013年にプロデビューして、ここまで6戦6勝、デビュー戦以外はすべて一本・KOで勝利しています。ここまでのキャリアを振り返っていかがでしたか。

「デビュー戦は判定決着で納得がいかない試合だったのですが、2戦目からは少しずつ練習でやっていることが出せるようになりました。それで一本・KOにつながっているのだと思います」

――それは経験を積んだことが大きいですか。

「大きいですね。デビュー当時は試合中にどう試合を組み立てていけばいいのか分かりませんでしたが、最近は落ち着いて冷静に戦えるようになってきました」

――過去の試合で自分で納得できた試合はありますか。

「う~ん…直近の試合ですが大晦日の試合(×秀虎、1R4分21秒、TKO勝利)は練習してきたことを頭で考えながら、相手の動きを見て戦えたと思います。それまでも練習してきた技でフィニッシュすることはあったのですが、すぐに試合が終わっちゃったり、自分の動きを確認しながら戦えた試合は少ないんですよね。そういう意味では前回の秀虎戦が一番やりたいことが出来た試合かなと思います」

――打撃で削って試合を作ることが佐藤選手にとっては理想形ですか。

「立ちにおいては、そうですね。自分から先に先にプレッシャーをかけて攻めていくという。まだ試合で寝技になる展開が少ないのですが、立ち技と同じようにトップをキープして相手を削ってフィニッシュすることが理想です」

――TRIBEはウェルター級の選手が多いので、佐藤選手にとっては最高の環境ですね。

「はい。白井(祐矢)さんや出稽古で来ている青木(真也)さんなど、すごいメンバーが集まっていますし、練習環境に関してはTRIBE TOKYO M.M.Aが日本一だと思います」

――先ほど青木選手が「首を絞められてタップしたあとにふて腐れるのはやめてください」と言っていましたよ(笑)。

「ああ……僕、結構熱くなるタイプなんで、やられたらやり返しちゃうんですよね。それでよく青木さんに注意されます(苦笑)。でもそういう熱くなることは全部が全部悪いわけじゃないし、そこは意地を張ってもいいところだと思います。周りは強い選手たちばかりですが、同じマットに立っている以上はやられたら悔しいし…熱くなりますよね? でもそれが悪いとは思わないです」

――佐藤選手は柔道出身とのことですが、どれくらいの柔道歴をお持ちですか。

「10歳から柔道を始めて、大学を卒業するまで続けていました」

――柔道を始めたきっかけは何だったのですか。

「うちの父親が柔道をやっていて、テレビで柔道を見ていたり、日常会話にも柔道のことがよく出て来ていたんですよね。その影響で小さい頃から自然と柔道に興味を持って、町道場に連れて行ってもらいました。中学時代は柔道のために陸上部にも入っていたのですが、それ以外はずっと柔道漬けの毎日でしたね」

――確かKRAZY BEEの矢地祐介選手とは高校時代の同級生ですね。

「はい。専修大学の附属高校に通っていて、矢地と宮川峻(狸瑪猿シュン、修斗やTTFチャレンジで活躍)が同級生です」

――同じクラスだったのですか。

「宮川とは柔道部で一緒で、宮川と矢地が同じクラスだったんですよ。みんな格闘技好きということで意気投合して、それからの付き合いです」

――当時、矢地選手はすでにKILLER BEE(現KRAZY BEE)でMMAの練習を始めていますよね。

「はい。宮川も大学に入ってからリバーサルジム東京に通い始めて。あとは中村K太郎さんも先輩なんですよね。そうやって自分の周りに総合をやる人間が多くて、自分もずっと総合をやりたいと思いながら柔道を続けていました」

――なるほど。ただし佐藤選手は専修大学に進学して柔道を続けることになります。

「東京都の大会で無差別や階級別でベスト8に入るくらいの実績だったのですが、大学から声がかかって、最終的に大学で4年間柔道をやることになりました」

――柔道をやりながらも心はMMAに傾いていましたか。

「そうですね。でもしっかり柔道を続けていれば、総合をやるための下地になると思って練習を続けていました」

――MMAにはいつから興味があったのでしょうか。

「最初は小学生の頃にK-1を見ていて、中学から総合という感じですね。当時は柔道の選手が活躍していて、見ていてこれだけ面白いんだから、やったら絶対面白いだろうと思っていました。他にやりたいこともなかったし、総合をやることしか考えていなかったですね」

――ただし、ご家族がMMAをやることに反対していたという話を聞いたことがあります。

「大学では寮生活していて、たまに2週間くらい実家に帰ることがあるんです。その時に格闘技の試合をずっと見ていたり、専門誌ばっかり読んでいたり…。父親がそういう僕を見て『(総合)格闘技をやるんじゃないだろうな?』とか『ちゃんと就職しろよ』とけん制してくるわけです。でも僕は僕でそれを上手くかわしてたんですけど(笑)」

――それで大学を卒業してMMAを始めることになる、と。

「いや、大学4年の時に単位が一つ足りずに留年しちゃって……それで退寮した年の5月にTRIBEに入門して、10月にプロデビューして、という流れです。さすがに父親も自分がプロデビューするとなったら、何も言わなくなったし、ある意味、留年している間にデビュー出来てよかったと思います」

――でもそれだけMMAをやることに情熱があったわけですね。

「はい。周りには柔道を活かして就職する人間もいましたけど、自分は総合をやること以外は考えていませんでした」

――数あるジムの中でTRIBEを選んだ理由は何ですか。

「どのジムに入ろうか悩んでいた時に、K太郎先輩から『大きい階級だったらTRIBEがいいよ』と薦められて。あとは大学時代のコーチが高阪(剛)先輩と面識があったので、アライアンスにも練習に行かせてもらったりもして。それで最終的にTRIBEに入ろうと思いました」

――入門して約5カ月後にプロデビューすることになる佐藤選手ですが、すぐプロ練習に参加したのですか。

「そうですね。プロ志望で入ったことは伝えてあって、最初は一般クラスに参加していたのですが、長南さんから『次からプロ練に来てもいいよ』と言われて、ジムに入って2週目くらいからプロ練に参加させてもらうようになりました」

――身体のサイズが大きくて柔道のベースがあったにせよ、早々の抜擢ですね。

「もっと一般クラスで実績を積んで、プロデビューしてからプロ練に参加できると思っていたので、声をかけてもらった時はびっくりしました。少し前まで一般会員さんたちとワンツーを教わっていたのに、いきなり白井さんや青木さんがいるところに放り込まれたので、最初はむちゃくちゃ緊張しました(苦笑)」

――TRIBEのプロ練はそうそうたるメンバーが集まっていて、それだけ練習もハードだと思います。心が折れそうになることはなかったですか。

「(きっぱりと)それはなかったです。高校時代の監督にずっと言われていたのが『同じ土俵に立ったら強い・弱いは関係ない』と。自分はその教えをずっと守っていて、相手が強いからって引くのが一番かっこ悪いじゃないですか。だからどれだけやられてもしがみついて練習にくらいついていきました」

――まさにその成果が短期間でのプロデビューにつながったわけですね。今はパンクラスを主戦場にしている佐藤選手ですが、今年はどんな目標を持って戦っていこうと思っていますか。

「今はパンクラスをメインに試合を組んでもらっていて、今年もしくは来年にはベルトを獲りたいですね。それこそ矢地はPXCのタイトル挑戦が決まって、堀口(恭司)選手はUFCのタイトルマッチじゃないですか。田中(路教)選手もUFCに出ているし。そういう同世代の選手の活躍は刺激になりますね」

――パンクラスのウェルター級はレッツ豪太選手がチャンピオンにいて村山暁洋、有己空(近藤有己が改名)、鈴木槙吾選手らがランキングにいて、4月大会からは外国人選手たちも続々と参戦します。やりがいはありますか。

「正直、練習で白井さんや青木さんに稽古をつけてもらっているので、しっかり練習でやったことを試合で出せば、トップ選手にも太刀打ちできるし、勝つチャンスもあると思います。それこそ試合になったら強い・弱いは関係なくやるしかないわけで。僕は決して天才型の選手じゃないけど、しっかり練習で技術と気持ちを作って強い相手と戦っていきたいと思います」

――このインタビューをきっかけに佐藤選手の試合に注目するファンの人たちもいると思います。これから自分のどういった部分をアピールしていきたいですか。

「2戦目以降はKO・一本で試合を終わらせているので、これからもそこにはこだわっていきたいですね。相手のレベルが上がれば、簡単にフィニッシュ出来ないと思いますが、フィニッシュして試合を終わらせる気持ちを持って戦い続けたいと思います」

カテゴリー
Interview UFC ブログ ヘンリー・フーフト 佐藤天

【Special】フロリダの佐藤天─02─「いつもより時間が割けることがある。現状に対してポジティブで」

Sato Takashi【写真】今や──笑顔をアップすることも憚れる世の中になりつつあるが、笑顔こそ忘れてはならない必要要素かと (C)MMAPLANET

非常事態宣言が出た米国。10人以上の集会が禁止され、飲食店もデリバリー以外は営業できず、移動の制限という判断も取られてきた。そんな状況で、MMAファイターがどのような生活を送っているのかを佐藤天に尋ねたインタビュー後編。

新型コロナウィルス感染者が世界最多となった米国は、最先端のMMAトレーニングが積める場所だ。MMAファイターとしてより良い環境を手にすることを念頭にフロリダのサンドフォードMMA(ハードノックス)に拠点を移した佐藤天は、ジムが閉鎖され、望んでいた練習環境を失った状況で何を想い、日々を過ごしているのか。

ヘンリー・フーフトのリーダーシップとチームメイトへの信頼感、リスクを減らす行動について話を引き続き訊いた。

<佐藤天インタビューPart.01はコチラから>


──それがUFC249の代替大会だけでなく、それ以降のことも考えているようですね。

「実際にUFC249をやると言い切ったことでダナ・ホワイトも批判を受けているようですし、どうなるのか……」

──ところでプロファイターは決して安くない指導料を支払っていますが、この間は稼ぎも途絶えるわけですし、佐藤選手の場合はどうなっているのですか。

「そこは僕は2月のニュージーランドの試合が飛んだ時点で、ヘンリーが『試合がなくなったし、次の試合までジムにお金は入れなくて良い』と言ってくれて」

──おぉ。素晴らしいですね。

「2月分さえ受け取らないって言ってくれましたし。この状況でもヘンリーは皆のところを回って顔を見て話す。素晴らしいリーダーで、皆がついて行こうと思える人です。だから、ポジティブな人間が選手にも多いです。ヘンリーだってジムの人間に会いに行くことはリスクがあるのに、統率してくれようとしています。

『人数に限りがあるし、試合が決まりそう選手をピックしていく。ここに関しては不満を言わないで欲しい。体調に不安のない選手で、他との接触を避けている選手はプライベートで練習を見ることもできるようになると思う。とにかく今はこういう状況だから、我慢できることをしてくれ。そして皆で乗り越えよう』と」

──もう、それはサンドフォードMMAだけでなく世界中に通じる金言ですね。右に倣えのリモートワークで、何も統制できないトップもいるようですからね。

「街中は怖いから1人でいようという風な人が多いようにも感じられます。そんななかでヘンリー自身が、自分がデキることをやってくれる。なら、自分もと思います。現実を見て、悲観もせず、素晴らしいです。

僕もルームメイトとチームメイトを信頼していますし、家族や一緒に住んでいる人以外とは接しないようにと言われている状態で、会っているのはルームメイトと近くに住んでいるチームメイトだけです。それ以外の人とは関わり合いを持っていないです。外に出るのも、車で買いだしに行くくらいですしね」

──米国もUFCやBellatorのファイター以外は、MMAだけで生活できないのは日本と変わらないと思います。そういう選手たちは生活の危機でもあるわけですよね。

「さっき言ったバーで働いているトムは、焦ったりしていないですね。家でアクセサリーを作って、『売れないかな?』ってやっています(笑)。前向きな人間と、極端に怖がっている人がいて──自分の回りはポジティブな人間が多いです。人とは関われないけど、何とかして食っていくしかないという風で。

僕も他の選手と変わらず、金銭的には厳しいところがありますけど、やることをやるだけですね。悲観的にはなっていないです。日本で自分を応援してくださっている人たちの方がもっと大変になってくるだろうし。

試合ができない状態がいつまで続くのか不安要素ではありますけど、自分でコントロールできないことなので悲観しているわけではなく、前向きに毎日笑顔で過ごせています。練習も課題を見つけて、やっていますし」

──自宅トレだと打撃中心になるかと、柔術はともかくレスリングをすることは難しそうですね。

「レスリングはなかなかできないです。そこはストレスというか……組み技がしたいですね」

──米国から日本の今回の取り組み方への批判がよく聞こえるようになってきました。今フロリダにいて佐藤選手は、家族のいる日本の有りようをどのように見ていますか。

「少し、行動するのが遅いのかとは感じます。友達と話したりしますけど、一つ一つの対応が徹底していないというか。ただし自分が日本に残っていたら、やはりジムの選手とは少人数で練習していたと思います。

と同時に日本にいると、どうしても移動手段が電車になるので、そこは考えないといけなかったでしょうね。なのでジムに行かなければ練習ができないという風にならず、自分で工夫することも必要になってくるかと思います。

色々とできることはあるはずです。スパーリング、組み技ができなくなるなかで、いつもより時間が割けることがある。そういうことに重点を置いて、時間を掛けても良いはずですしね。こっちにいても、家でしか練習できないので、そういう現状に対してポジティブでいたいです」

──なるほどぉ。本当にその通りですね。日本と違う日常にいる佐藤選手の言葉で、日本にいる格闘技従事者も考える材料を貰えたと思います。今日はありがとうございました。

カテゴリー
Interview Special UFC ブログ ヘンリー・フーフト 佐藤天

【Special】新型コロナウィルス感染拡大で、ジムが閉鎖。フロリダの佐藤天─01─「ビーチから人が……」

Ten Sato【写真】 スティーブ・モウリー、ジムのマネージャーのトムさん、そしてリントン・ヴァッセルというチーム&ルームメイトと共に(C)MMAPLANET

今や新型コロナウィルス感染者数が世界一を数えるようになった米国。2100万人の人口を誇るフロリダ州は、フォートローダーデールに生活拠点を置く、UFCファイター佐藤天にフロリダの現状を尋ねた。

米国東部でもメリーランド州、ヴァージニア州とウィルス拡大の猛威が南下しつつあるなか、フロリダ州も1日に高齢者及び基礎疾患のある人は自宅待機、全州民に移動制限をデサンティス知事が発表し、3日から発効している状態だ。

そんななか佐藤からサンフォードMMA (ハードノックス)という絆、そしてヘンリー・フーフトのリーダーシップにより、皆がポジティブになれているという話が訊かれた。


──今回の新型コロナウィルスですが、フロリダにいる佐藤選手はいつ頃から目に見えて影響が出てきました。

「予定を早めて日本から3月8日にフォートローダーデールに戻ってきたのですが、次の週にスタンフォードの新しいジムに行ったら、その時点でヤバイ状況らしいということは伝わってきていました。

まだ緊急事態宣言が出ているわけではなかったのですが、ジムのスポンサーに病院もあって。一旦、練習を解散して『これからのことは後から連絡するから』という風になりました」

──米国ではトランプ大統領が3月13日に国家非常事態を宣言しました。そこからジムを閉めている状態ですか。

「ベラトールが中止になったりして、その週明けにはジムで10人以上集まらないようにということになりました。それでも皆で連絡して時間をずらして練習をしていたら、MMAだけでなくラグビーかアメフトの選手達も来ていて……」

──あぁ、10人以上になってしまったと。

「ハイ。車がたくさん停まっていたので、それを見た警察官がジムにやってきてすぐに帰宅させられました。それからはジムも閉められて、サンフォードMMA では練習できない状態です」

──街の様子も変わりましたか。

「非常事態宣言前は、それほど変わっていなかったです。飲食店も開いていたので、自分のルームメイトの1人はバーで働いていました。でも非常事態を宣言されてからは、もう飲み屋も完全にクローズになっています。平日から人が溢れかえっていたのですが、ビーチからも人がいなくなりました。今はもう車の往来もほとんどなくなっています。

ただ不必要でない外出以外はスーパーなどへの買い物も行けます、デリバリーやドライブスルーができる飲食店はオープンしていますし」

──それでも米国の人はマスクはしないのでしょうか。

「昨日、スーパーに行った時には大きめのマスクをしている人も増えていました。やはり人にうつしたくないですからね」

──佐藤選手の住まいは土足ですか。

「いえ、ファイターズハウスは土足ではないです。部屋に入る時には靴を脱ぐようにしています」

──土足だと色々なモノを持ち返って来るでしょうし、その違いもあるのかと思っていました。

「今はフロリダも、皆が守るべきことを守るという一定のルールに従っている感じですね。夜の9時以降は外出禁止になっていて、それを無視していると逮捕されることもあるようです。実際にフロリダの大きな教会の牧師が礼拝を続けていて逮捕されていますし」

──神様、地球を救ってとやっていて……逮捕される(笑)。

「アハハハ」

──本来は笑っていられないのですが……。

「そうですね……。実際に米国も感染者数が凄く増えていますし。チームメイトの家からそんな離れていないところの人が感染して、亡くなっています。危機管理という部分では……、罰せられるということは強制力がありますよね。自分たちも実際にそうだったので。

練習したいのは当然で、でも多く集まるのは危ない。ジムが閉鎖になって、ルームメイトたちと家で練習している形になりましたし。

そんななか、ヘンリー(フーフト)が僕らの家に来てくれて。きっと皆のところを回っているのでしょうが、『こういう状態だから今は少人数でデキる練習をして。またジムが使えるようになったら、5、6人が集まって時間をずらして練習をしていくようにしよう』と話してくれました」

──さすが気持ちの繋がりを大切とするヘンリーですね。

「あと、UFCは試合をしようと模索しているじゃないですか」

──ハイ、18日のNY のMSGでやる予定だったUFC249ですね。実際のところメインのカビブ・ヌルマゴメドフ✖トニー・ファーガソンのUFC世界ライト級選手権試合は実現しなさそうですが……。入国制限のない国の選手を集めているという情報もあります。

「ハイ、サンフォードMMA にもブラジルからビセンチ・ルケがやってきました。試合のオファーなど、明確な指示は今のところないようですが、試合を組む時に備えて早めに集めておこうということかと思います」

<この項、続く>