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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC314   アルマン・ツァルキャン シャーウス・オリヴェイラ ジャスティン・ゲイジー マイケル・チャンドラー マックス・ホロウェイ

【UFC314】ピンブレット強し!チャンドラーを打撃で翻弄し、3Rにパウンドアウトして完勝

<ライト級/5分3R>
パディ・ピンブレット(英国)
Def.3R1分07秒by TKO
マイケル・チャンドラー(米国)

ピンブレットがジャブと右カーフ、チャンドラーは前後にステップする。ピンブレットはインローと左の前蹴りも見せ、強烈な右カーフにつなげる。チャンドラーは左右に動いて左フックで飛び込む。距離を取ったピンブレットは右カーフを蹴って、左フック、右アッパー、左フックと手数を増やす。チャンドラーはピンブレットの右カーフに合わせて組みついてバックへ。

ピンブレットは左ヒザを立てて、後方にいるチャンドラーに右のヒジを入れる。さらにピンブレットはチャンドラーの左腕にキムラロックを狙う。チャンドラーはピンブレットを寝かせつつ、パンチとヒザを入れる。ピンブレットはケージに使って立ち上がって正対。ここで自ら飛びつくようにガードポジションで引き込む。意表をつく動きを見せたピンブレットだったが、ここは自ら立ち上がる。

ピンブレットが右フックを叩きつけると右アッパーから左フック、右カーフを蹴って、ジャブで距離を取る。チャンドラーもピンブレットの右カーフに右ストレートを合わせるが、距離を取ったピンブレットはジャブと左ハイ、右ストレート、ジャブと右カーフを細かく当てる。チャンドラーはケージ内をサークリングするが、ピンブレットは左の三日月蹴りを突き刺して右ストレート。チャンドラーも左フックを打ち返す。ピンブレットは右ストレートから二段蹴り、下がるチャンドラーを追いかけて右カーフを蹴る。

2R、ピンブレットはジャブを突いて右ストレート。チャンドラーは左フックから右ストレート、右ボディストレートを打つ。ピンブレットは右カーフを蹴って、ジャブを顔とボディに打ち分ける。さらにピンブレットはワンツーで飛び込み、チャンドラーのステップインに左フックを合わせる。さらにピンブレットは右カーフ、右ストレートから左ミドル、ジャブと右カーフ、右ストレート、インローと前蹴り、右ハイと手数を増やす。

チャンドラーも右カーフを蹴るが距離が遠い。逆にピンブレットは右カーフを当て、歩くようなワンツー。ここでチャンドラーの右の前蹴りがローブローとなるが、ピンブレットはすぐに再開を要求。ピンブレットはチャンドラーの組みを切ると、ジャブを突いて前蹴りと左ハイ、右アッパーを突き上げる。チャンドラーもダブルレッグで組んでバックへ。ピンブレットを持ち上げて前に落とす。

ピンブレットは四つん這いになって後方のチャンドラーにヒジを入れる。チャンドラーは再びチャンドラーを持ち上げてテイクダウンして両足をフックしようとするが、ピンブレットがチャンドラーを前方に落としてインサイドガードからヒジを落とす。さらにピンブレットは左腕をチャンドラーの首に回して肩固めの形で押さえてパスする。ピンブレットはマウントも狙いつつ、クラッチを外してヒジ。さらに後ろ袈裟で押さえて、足を抜きながらチャンドラーの動きに合わせてバックへ。ここからマウントに移行するとヒジとパンチを連打し、バックに回って足を四の字フックすると、ここでもパンチとヒジを入れる。

3R、ピンブレットはジャブと前蹴り、チャンドラーがステップインしたところに右のヒザ蹴りを突き刺す。これでチャンドラーが後退し、ピンブレットはそれを追いかけるように右ハイ、右アッパーから左フック、シングルレッグに入ってバックにつく。今度はピンブレットがチャンドラーを持ち上げてテイクダウンし、左足を深くフックしてRNCを狙う。ピンブレットはパンチとヒジを入れつつ、マウントに移行してパンチとヒジ。チャンドラーも必死に体を反転させて逃げようとするが、ピンブレットはバック・マウントをキープして殴り続け、レフェリーが試合をストップした。

試合後、ピンブレットは興奮気味に「ファイトIQを駆使して戦うことがゲームプランだった。まだ、何か文句がある奴はいるか? トップ4、トップ5の誰とでも戦う。トップ10の誰からも逃げなかった」と語り、次の対戦相手としてジャスティン・ゲイジーとシャーウス・オリヴェイラ、そしておそらくアルマン・ツァルキャンとマックス・ホロウェイらの名前を挙げた。


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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC313 キック ジャスティン・ゲイジー ボクシング ラファエル・フィジエフ

【UFC313】2年振りの再戦はゲイジーが右アッパーでダウンを奪い、フィジエフをユナニマスで返り討ち

<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
Def.3-0:29-28/29-28.29-28.
ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)

ケージ中央で向かい合う両者。ゲイジーが右ローを見せる。フィジエフはサウスポーにスイッチして左に回るが、すぐオーソドックスに戻した。ゲイジーの右ミドルをキャッチしたフィジエフがテイクダウンを奪うも、すぐにゲイジーがスクランブルへ。フィジエフが離れたゲイジーの右ローをキャッチ&テイクダウンを狙う。ゲイジーはカウンターでスイープを仕掛けたが、フィジエフが後ろ三角に捉えた。ゲイジーは再びスクランブルからスタンドに戻る。

スイッチしながら左右に動くフィジエフに対し、ゲイジーは自分の距離をつくっていく。ゲイジーの左ジャブをかわしたフィジエフが組みつき、ボディにヒザを突き刺した。離れたゲイジーのボディに、フィジエフの左ミドルが突き刺さる。たまらず組んだゲイジーがケージに押し込んでいくも、フィジエフが体勢を入れ替えた。離れたゲイジーが単発の右を打ち込む。終了間際、ゲイジーがダブルレッグで飛び込んだが、フィジエフは切って距離を取った。

2R、左右に回るフィジエフをゲイジーが追う。会場に響き渡るUSAコール。フィジエフの左インローがゲイジーの下腹部を捉えた。試合が中断され、再開後はゲイジーが至近距離でインサイドから左右フックを打ち込む。頭を振って右スイング、左ボディストレートを当てていくゲイジー。フィジエフの振りが大きくなり、ゲイジーのインからのパンチが当たり始めた。

フィジエフの左ハイをブロックしたゲイジーが、距離を詰めて右フックを当てる。フィジエフも左ハイから右フックを返した。距離を詰めて来るゲイジーに右カーフを打ち込むフィジエフ。組まれたゲイジーは振りほどいて右フック、さらに距離が出来ると左フックへ。フィジエフはサウスポーにスイッチして左テンカオを突き上げた。一瞬動きが止まったゲイジーだが、直後にダーティボクシングからの右アッパーでダウンを奪う。フィジエフのシングルをガブり、パンチを突き刺すが立たれてしまう。ダメージは明らかなフィジエフがラウンド終了まで凌いだ。

最終回、フィジエフはサウスポーに構える。頭を下げたフィジエフの顔面を、ゲイジーの左右フック+右アッパーが襲う。フィジエフは右スピニングバックキック、右インローと蹴りと散らし、ゲイジーが中に入ってくると体ごとぶつかり防いだ。至近距離でパンチを交換したあと、フィジエフが左ミドルを連打で効かせた。ゲイジーのパンチを食らいながら左ミドルを連打するフィジエフ。ゲイジーの右ハイをキャッチするも倒せず。しかし左ミドルと左ボディストレートを伸ばす。

互いに疲労が見られるなか、フィジエフがケージ中央で組み、ゲイジーの両腕を抑える。ゲイジーは離れながら右ハイを見せた。両者パンチを当てるが、やや力がなくなっている。USAコールを受けたゲイジーが左フック、右アッパーからダブルレッグで組みつく。フィジエフは右オーバーフックから左に回って離れるも、最後はゲイジーとケージ中央で打ち合って試合を終えた。

裁定はゲイジーがユナニマス判定勝ち。2023年3月の初戦ではマジョリティで制したゲイジーが、フィジエフを返り討ちにした。


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MMA o UFC UFC313 アマンダ・レモス イグナシオ・バハモンデス キック ジェイリン・ターナー ジャスティン・ゲイジー ボビー・グリーン マウリシオ・ルフィ ラファエル・フィジエフ

【UFC】速報中!UFC 313: Pereira vs. Ankalaev

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【ライト級】
×ボビー・グリーン(米国)
(1R KO)
○マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
1R、距離を置いた静かな立ち上がり。互いに低いガードで様子を窺う。思った以上に手数が少ない。ルフィは右ストレートを単発でヒットさせるとグリーンは一瞬腰を落とす。だがルフィは追撃しない。スタンドの攻防が続くと
ルフィの後ろ回し蹴りがグリーンの頭部にヒット!踵が耳のあたりに直撃したようで前のめりにダウン。レフェリーが試合を止めた!ルフィが衝撃的なKO勝ち!


【ライト級】
○ジャスティン・ゲイジー(米国)
(判定3-0)
×ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
1R、プレスを掛けるゲイジー。ローを放つとそれに合わせてフィジエフがテイクダウンに成功。しかしすぐにゲイジーは立ち上がる。スタンドに戻るとまたもフィジエフがニータップ気味にテイクダウン。スクランブルになるが上になったのはフィジエフ。上からゲイジーの首を三角の絞めのように捕らえてボディにパウンドを入れる。だがゲイジーもすぐに脱出。スタンドに戻るとこの後は打撃戦。組むとゲイジーはボディ、フィジエフは膝を入れて激しい攻防。身体が離れるとゲイジーはパンチ、フィジエフはミドルをヒットさせてラウンドを終えた。
2R、序盤から至近距離で激しい打ち合い。互角の展開が続いていたが、終盤になるとパンチの交差からゲイジーの右アッパーがクリーンヒット。フィジエフはダウン。ゲイジーはパウンドで仕留めにいくが、フィジエフはすぐにタックルでごまかす。ゲイジーもガブってコントロールしていたがフィジエフは次第に回復。立ち上がってスタンドの展開でラウンド終了。
3R、ダメージから回復したフィジエフ。積極的にミドル、三日月蹴り、ボディ、ボディーストレートを蓄積。かなり鋭角にヒットしていたものもあったがゲイジーは効いていないかのように前進。ショートレンジのアッパー、フックをヒットさせて互角の打ち合い。終盤にはゲイジーのフックでフィジエフの動きが止まる場面も。結局ダウンを奪えないまま試合終了。判定はゲイジーに軍配。

【女子ストロー級】
○アマンダ・レモス(ブラジル)
(判定3-0)
×ヤスミン・ルシンド(ブラジル)
1R、ルシンドがサークリング。レモスも前に出ず試合は膠着。2分が経過したところで差し合い。ケージ際で長らく続く。その流れから浴びせ倒したのはレモス。ルシンドも下から三角絞め、オモプラッタを狙うが不発。レモスが上をキープしてコツコツとパウンドを入れてラウンドを終えた。
2R、開始直後にレモスの強烈なカーフキック。ルシンドは身体が流れる。嫌って組み付くとケージ際で差し合い。ここからレモスが足を掛けてテイクダウンに成功。大きな攻撃はないがポジションをキープしてグラウンドをコントロールしてラウンド終了。
3R、後がないルシンドはパンチを振るって前進。組み付くと足を掛けてテイクダウンに成功。時間をかけてサイドに移行する。逆転のチャンスだったがレモスは立ち上がると再び差し合い。今度はレモスが足を掛けてテイクダウンに成功。大きな攻撃はないが上をキープして試合終了。判定は終始主導権を握ったレモスに軍配。


【ライト級】
×ジェイリン・ターナー(米国)
(1R 三角絞め)
○イグナシオ・バハモンデス(チリ)
1R、開始直後から至近距離での打ち合い。一触即発の展開。その流れからバハモンデスが組み付く。しかし引き込み気味にグラウンドで下になる。ターナーはパウンドを入れて主導権を握る。しかしバハモンデスも下から鉄追と肘。さらに三角絞め!これがガッチリ極まるとターナーは観念したかのようのタップ。バハモンデスが鮮やかに極めた!


【ライト級】
○ジャスティン・ゲイジー(米国)
(判定3-0)
×ラファエル・フィジエフ(アゼルバイジャン)
1R、プレスを掛けるゲイジー。ローを放つとそれに合わせてフィジエフがテイクダウンに成功。しかしすぐにゲイジーは立ち上がる。スタンドに戻るとまたもフィジエフがニータップ気味にテイクダウン。スクランブルになるが上になったのはフィジエフ。上からゲイジーの首を三角の絞めのように捕らえてボディにパウンドを入れる。だがゲイジーもすぐに脱出。スタンドに戻るとこの後は打撃戦。組むとゲイジーはボディ、フィジエフは膝を入れて激しい攻防。身体が離れるとゲイジーはパンチ、フィジエフはミドルをヒットさせてラウンドを終えた。
2R、序盤から至近距離で激しい打ち合い。互角の展開が続いていたが、終盤になるとパンチの交差からゲイジーの右アッパーがクリーンヒット。フィジエフはダウン。ゲイジーはパウンドで仕留めにいくが、フィジエフはすぐにタックルでごまかす。ゲイジーもガブってコントロールしていたがフィジエフは次第に回復。立ち上がってスタンドの展開でラウンド終了。
3R、ダメージから回復したフィジエフ。積極的にミドル、三日月蹴り、ボディ、ボディーストレートを蓄積。かなり鋭角にヒットしていたものもあったがゲイジーは効いていないかのように前進。ショートレンジのアッパー、フックをヒットさせて互角の打ち合い。終盤にはゲイジーのフックでフィジエフの動きが止まる場面も。結局ダウンを奪えないまま試合終了。判定はゲイジーに軍配。
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【UFC313】展望 MMA陰陽物語。太陽の下、輝きまくるポアタン・ペレイラ✕哀愁のアンカラエフ

【写真】人気の差と、掛け率がまるで比例していない。どのような結末を迎えるのか (C)Zufffa/UFC

8日(土・現地時間)、ネヴァダ週ラスベガス近郊のパラダイスにあるTモバイルアリーナにて、UFC 313「Pereira vs. Ankalaev」が行われる。ジャスティン・ゲイジーとラファエル・フィジエフによるライト級強打者対決をコメインとする今大会のメインを飾るのは、王者アレックス・ポアタン・ペレイラにマゴメド・アンカラエフが挑戦するライトヘビー級タイトルマッチだ。
Text Isamu Horiuchi

ポアタン(石の如き手)ことペレイラは、2023年末にイリー・プロハースカを2RTKOに沈め、UFC参戦後僅か7戦で2階級制覇を達成した。昨年は4月にジャマール・ヒル、7月に再びプロハースカと元王者2人を早いラウンドで沈めると、10月にはカリル・ラウントリーを激戦の末4RTKOに下し、175日間で3度防衛に成功するというUFC記録を樹立した。

UFCからの要請を決して断らず、凄まじいペースで世界の強豪と戦い続けては、圧巻のKO勝利を重ねてファンを魅了し続けるポアタン。昨年度のワールドMMAアワードでも、文句なしの最優秀選手に選ばれた。現時点におけるUFC全選手、いや世界の全MMA選手中最大のスーパースターだ。

一方、ポアタンがメガスターへの階段を駆け上がったこの期間、陽の当たらない道を歩むことを余儀なくされたのが今回の挑戦者、アンカラエフだ。以下、あまり注目されてこなかったその気の毒な日々を振り返りたい。


ダナ・ホワイトの怒りを買ったアンカラエフは、日陰の道を歩むように

地元ダゲスタンでレスリングとコンバットサンボを修練したアンカラエフは、2014年のアマチュアMMAロシア選手権決勝にて、後にベラトールライトヘビー級絶対王者に君臨したワジム・ネムコフを倒して優勝。その後世界大会も3度制覇するなど、アマチュアとしてはこれ以上ない実績を持つ。そしてプロでも白星を重ね、2018年3月に8戦全勝の戦績にてUFCデビュー。この試合こそポール・クレイグに残り1秒で三角を極められ大逆転の一本負けを喫してしまったものの、その後は綺麗な打撃を主武器に堅実に戦い9連勝を記録した。

順調にキャリアを重ねてきたアンカラエフの受難は、2022年12月、当時の王者プロハースカが負傷のため返上したタイトルを賭けて、元王者ヤン・ブラホヴィッチとの王座決定戦に臨んだ日から始まってしまう。

中盤までブラホヴォッチのローに苦しめられたアンカラエフだが、そこで組技勝負に作戦を変更。4、5Rは上を取って圧倒し、最後はパウンドで一方的に攻め立てて試合を終えた。見事な逆転勝利による王座戴冠…と思われたが、判定はまさかの三者三様のドローに。通訳を通じてアンカラエフが「自分は勝ったのに、なぜベルトを貰えないのか」と訴えるなか、相手のブラホヴィッチまで「俺は勝っていない。奴にベルトをやってくれ」と言い出すほどの不可解な判定で、アンカラエフは王座を逃した。

それでも、謎判定の犠牲になったアンカラエフにはじきに再挑戦のチャンスが与えられると思われた。が、ダナ・ホワイトUFC代表は試合内容が盛り上がりに欠けたことに激怒。大会後記者会見の場で「酷い試合だった」と吐き捨て、どちらが勝ったと思うかと聞かれても「そんなの知るか。ファッ○ンな3Rが終わったあたりで私は(退屈で)意識を失いはじめたんだ」と一刀両断。その場で翌年1月、元王者グローバー・テイシェイラとジャマール・ヒルによる王座決定戦を改めて行うと宣言した。

気の毒にもアンカラエフは、「試合が退屈」という実力以外の要因でタイトル戦線から外されてしまったのだ。2023年1月にヒルが新王者となった後も、アンカラエフにはなかなか試合が組まれず。5月には「UFCよ、私に仕事をくれ」という悲痛なツイートを英語で投稿している(もっとも本人はほぼ英語を話さないので、マネジャーのアリ・アブデルアジズかその周辺が書き込んでいると思われる)。

やがて新王者のヒルの負傷返上により再び王座は空位となったが、ここでもランキング2位のアンカラエフに決定戦出場の声はかからない。11月の王座決定戦に選ばれたのは、元王者にして1位のプロハースカと、7月のライトヘビー級転向初戦にてブラホヴィッチに辛勝した3位のポアタンだった。この試合でKO勝利を収めて2階級制覇を成し遂げたポアタンは、以後メガスターへの道を爆進してゆく。

一方、下の階級から割り込んできたポアタンに(自分が巻いていたはずの)王座を横取りされてしまったアンカラエフ。10月にやっと組まれた試合は、下位ランカー(7位)のジョニー・ウォーカー戦だった。この仕打ちにもめげず、アンカラエフはウォーカーを組み伏せ、強烈なパウンドで試合を有利に進めた。だがここでグラウンド状態のウォーカーの顔面にヒザを入れるという痛恨のミスを犯してしまい、試合は中断された。もっとも大ダメージの一撃だったわけでもなく、ウォーカー本人も試合続行する気満々の様子を見せた。

が、彼と医師とのコミュニケーションに齟齬が生じたようで、試合はNCに。ミスに不運が重なる形でウォーカーと再戦せざるを得なくなったアンカラエフは、またしてもタイトル挑戦に近づくことができなかった。

再戦が行われたのは、翌2024年1月のファイトナイト大会。千人未満の観客の前だった。それでも腐らなかったアンカラエフは、2Rに凄まじい右フック一閃。会心のKO勝利を飾ると、試合後ポアタンと自分を並べた写真をツイッターに投稿し、今度こそはとタイトル挑戦をアピールした。

が、それでもアンカラエフにUFCからタイトル挑戦の声がかかることはなかった。4月のUFC 300のメインにて、ポアタンの初防衛戦の相手に選ばれたのは元王者にして米国人のヒル。ポアタンがこの試合を1RKOで完勝すると、6月に次にポアタンへの挑戦権を得たのは、打ち合い上等のファイトスタイルと侍文化に傾倒したユニークな言動で人気を集める元王者プロハースカだった。

冷遇に次ぐ冷遇を乗り越えたアンカラエフ

英語を話さず、積極的に自分をアピールしたり相手を挑発することもないアンカラエフ。見事なKO劇を見せてなお、UFCナンバーシリーズのメインイベンターとしては不適格だと判断され続けたのだ。この頃からアンカラエフ(とマネジャー)は英語ツイートを増やし「俺が一番強い」、「ペレイラなどテイクダウンするまでもなくKOしてやる」、「ペレイラよ、なぜ俺と戦わない」と、本人のキャラクターとは合致しない──であるが故に、どこか悲哀を感じさせる──挑発的なコメントを投稿するようになった

そして、さすがに次のポアタンの挑戦者はアンカラエフとなるだろう、と多くの関係者やファンも予想していた。しかしながら、アンカラエフにはまたしても悲報が届く。10月のポアタンの防衛戦の相手は、なんとランキング8位のカリル・ラウントリーが抜擢され、1位のアンカラエフには再び下位ランカー(5位)のアレキサンドル・ラキッチ戦が組まれたのだ。同情の声が集まるなか、アンカラエフ(とマネジャー)は「誰も私のことを気の毒に思う必要はないよ。私はラキッチを破壊し、誰も文句のない形で挑戦権を得るから」という健気なツイートを、ダナ・ホワイトとマッチメイカーのミック・メイナードのアカウントにメンションしつつ投稿したのだった。

そうして迎えたラキッチ戦において、アンカラエフは再び力を見せつけた。打撃の攻防で終始優位に立ち、判定3-0で完勝してみせたのだ。寡黙な実力者は、試合後のインタビューにおいて聞き手のコーミエに「今こそチャンピオンに英語で言うことがあるだろう」と促され、通訳に一語一語教えてもらう形ではにかみながら「Alex、don’t run away from me. (アレックスよ、私から逃げるな)」と挑戦を宣言した。

かくして今回、ついにアンカラエフは──不可解判定で王座を逃した後の、冷遇に次ぐ冷遇の苦難の2年を乗り越えて──ポアタンへの挑戦権を得たのだ。

ラマダン中のアンカラエフは、ポアタンの左フックの射程を外す位置取りができるのか

しかし、この期に及んでなおアンカラエフの試練は続く。決戦の3月8日は、アンカラエフが信仰するイスラムの暦におけるラマダン(断食月:2025年は2月末から開始)の最中なのだ。この期間中、ムスリムは日の出から日没まで飲食を断つ。試合に向けたトレーニング自体はラマダン前に終了したというアンカラエフは、減量中の水分だけは日中も摂るという。それでも試合まで約1週間の食事サイクルには制限が課せられるようだ。

「ラマダン中の試合出場は好ましくないし、今までは断ってきた。普段以上に神への祈りに時間を過ごす、我々にとって最も聖なる期間だ。でもこのチャンスを逃すことはできなかった。今回試合を断ったら、次いつタイトル挑戦の機会が得られることか。理想的な状況ではないけど、今回に賭けるしかない」と決意を語るアンカラエフ。

今回の決戦は現在UFCから誰よりも重宝され、最も陽の当たる道を進む稀代のスーパースター・ポアタンと、度重なる冷遇を受け日陰街道を征くことを余儀なくされた挙句、当日まで試練を背負うアンカラエフという、これ以上ないほどに対照的な二人の戦いなのだ。

そんな両者だが、試合前のオッズはポアタンが-120(100ドル賭けて勝つと120ドル獲得)と、僅かにリードするのみ。アンカラエフはポアタンがライトヘビー級で迎える最強の敵とされているのだ。実際、どちらもお互いを倒すのに十分な磨き抜かれたスキルセットを有しており、展開の予測は簡単ではない。最大の見どころは、両者の最大の武器である立ち技における主導権争いだ。オーソのポアタンに対して、サウスポーのアンカラエフという喧嘩四つ。どちらも前に出て相手に圧をかけてゆく戦いを信条とする。

特にポアタンには世界の誰もが恐れる、桁外れの威力&精度で放たれる前手の左フックがあり、それ故に何人たりとも簡単に近寄ることができない。

石の拳を警戒して中に入れない相手の前足を──相手が左右どちらに構えていようが──鋭いカーフで潰してゆくのがポアタンの常套手段だ。プロハースカのように、足を壊されかけ強引に前に出て勝負に出ると左フックの餌食となる。前回の挑戦者ラウントリーは距離を保ちつつ、爆発力を活かし飛び込んでのワンツーを果敢に放ったが、中盤からその動きを完全に見切ったポアタンは、閃光の如き硬いジャブを何度も当てて心身を削っていった。

アンカラエフはいかにして、この侵入が極めて困難なポアタンの制空圏を脅かしながら、プレッシャーをかけてゆく算段なのか。以前ブラホヴィッチのローに苦しめられたアンカラエフだが、前回のラキッチ戦では(ポアタン同様にオーソドックスから放たれる)前足を狙ったカーフを巧みにチェックする場面を何度も見せている。そして軽快なフットワークとフェイントを駆使して前に出て、ラキッチの外側に前足を踏み込んで伸びのある左ストレートを当ててペースを握っていった。

アンカラエフはポアタンに対しても、左フックの射程を外すようなこの位置取りを作れるのか。もしできるなら、我々は立ち技で翻弄されるポアタンという、これまで見たことのない光景を目にすることになるかもしれない。が、もし逆にアンカラエフがポアタンに間合いのコントロールを許したなら、ヒル戦の如く踏み込んでの左フックにより一瞬で試合が終わる可能性もある。

もう一つの着目点は、アンカラエフが、おそらく近年ポアタンが倒してきた誰よりも高いグラップリング力の持ち主であることだ。普段は打撃を主武器としテイクダウンを試みる場面は少ないアンカラエフだが、ブラホヴィッチ戦等、要所で組みで勝負する姿も見せている。そして一度上を奪うと、強力な身体の圧力を用いたコントロールで相手を逃さず、強烈なパウンドで相手を削る。

ポアタンについて「彼は普通のストライカーだよ。戦い方も分かっている。相手を誘い込んで左フックを当てるんだ」と自信を覗かせているアンカラエフ。圧力を掛けつつ相手のパンチを見切る目の良さとカウンターを放つタイミングも出色なだけに、まんまと誘い込まれたと思わせて、ポアタンが拳を振ってきたところにテイクダウンを合わせる場面も十分想定できる。ただその場合でも、進化を続けグラップリングの練習にも余念のない怪物ポアタンが、ダゲスタンレスラーの圧力をも凌ぎきる組み力を発揮するかもしれない。

現代MMA全階級全選手の頂点に君臨するポアタンと、その陰で臥薪嘗胆の想いで戦ってきた最強の挑戦者アンカラエフ。一瞬たりとも見逃せない頂上対決だ。

■視聴方法(予定)
3月9日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■UFC313対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)
[挑戦者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
ラファエル・フジエフ(アゼルバイジャン)

<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ターナー(米国)
イグナシオ・ナシメント(チリ)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
イアズミン・ルシンド(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
キング・グリーン(米国)
マウリシオ・ルフィー(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
リズワン・クニエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・フェレイラ(ブラジル)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
カルロス・レアル(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マイロン・サントス(ブラジル)
フランシス・マーシャル(米国)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
ジョン・カスタネダ(米国)

<ミドル級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)

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【UFC313】「鶴屋怜は退屈な試合をしたがる。俺がエキサイティングな試合にする」ジョシュア・ヴァン

【写真】気の強い者同士の対戦、どうなる?!(C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイルアリーナで開催されるUFC 313「Pereira vs. Ankalaev」でジョシュア・ヴァンが鶴屋怜と対戦する。
Text by Manabu Takashima

打撃で真っ向勝負するブルーノ・シウバと対戦予定だったヴァンだが、シウバの欠場を受け鶴屋との試合が決まった。ミャンマーのキリスト教徒として厳しい状況下にあったヴァンの両親は彼を連れて国を離れ、マレーシアの難民キャプで数年の時を過ごし2013年から米国テキサス州に移り住んだ。タフな幼少期がファイトに目覚めたヴァンの骨幹をなしている。

好戦的かつ気持ちの強さは、ヴァンの最大の武器だ。鶴屋戦を前に、余裕のある表情を見せた彼からは「グラウンドゲームになることはない」という言葉が聞かれた。


レイを相手にして、ファンが楽しめる試合ができるのか。凄く楽しみだよ

――昨年、アジアの新鋭という感じでジョシュアのインタビューをさせてもったのですが、今回は同じアジアのヤング・プロスペクトである鶴屋選手との対戦となりました。

「レイとの試合は、持っているものを出し合える最高のマッチアップだ。自分を試すことになるので、凄く楽しみだよ」

──もともとはブルーノ・シウバと対戦予定でした。かなりファイトスタイルは違いますが、その辺り調整面で戸惑いはなかったでしょうか。

「ブルーノ・シウバ戦が流れたことは、気にしなかった。だって、去年の7月にインタビューしてもらった時は4試合連続で試合がキャンセルされたあとだったんだよ。もう、こういうことには慣れっこになった(笑)。何も驚かないし、残念にも感じない。焦ることもないよ。逆に試合が流れるのではなくて、対戦相手が見つかったことがハッピーだと感じている。

レイはまだUFCで2戦目だけど、そこを気にすることもなかった。ファイトはファイトだ。確かにブルーノとレイの戦い方は違う。ただ前回戦ったコディ・ダーデンもグラウンドファイターだったしね。レイと戦うのに特別な準備は必要ない。これまでやったきたことを生かせれば、問題なく戦うことができる」

──ブルーノ・シウバは立ち技で真っ向から打ち合うファイターでした。対して鶴屋選手はなるべく殴り合いをせずに組みに行くスタイルで戦ってきました。

「ブルーノとレイは全く違うファイターだよ。ただ、レイと戦う方がエキサイティングだ。ブルーノ・シウバと戦うより、楽しみなんだ。僕はいつだってエキサイティングな試合がしたいと思っているからね」

──えっ、そうなのですか。組んでくるのを切って、殴る。殴り合い上等のファイターより、ジョシュアにとってはストレスのたまる戦いづらい相手かと思っていました。

「レイの戦い方に付き合わされると、エキサイティングな試合にはならない。だから、俺がエキサイティングな戦いにするんだ。それが楽しみでならないんだよ。分かるだろ? 彼は退屈な試合をしたがる。レイを相手にして、ファンが楽しめる試合ができるのか。凄く楽しみだよ」

テイクダウンとグラウンドワークは、凄く良いよ。まぁ、それだけかな

──つまりは鶴屋選手に彼のゲームをさせないということですね。

「その通りだ。彼の狙いであるグラウンドゲームに持ち込ませない。まず、そこができるかだよ。レイが自分のやりたいように試合を進めることは無理だろう。あのテイクダウンとグラウンドワークは、凄く良いよ。まぁ、それだけかな。彼が良いファイターであることは間違いないけど(笑)」

──鶴屋選手のようにUFCとサインした選手で、ここまで打撃を見せないでやってきた選手も今では珍しいと思います。

「過去2試合しかチェックしていないけど、そうなんだね(笑)。ただ、その2試合は試合を終わらせていない。良いレスラーで、何とかフィニッシュさせようとしていたけどきなかった。ただ寝技では打撃を使っていたよ。とにかく自分の強い面で戦おうとするファイターだ。僕は相手をハメこむんじゃなくて、どんな局面になっても戦えるように準備をしている。パンチャーだろうが、レスラーだろうが。どの局面でも戦える」

──テイクダウンを奪われたとして、そこからの選択はスクランブルでしょうか。それとも寝技で対抗しますか。

「試合になってからだね。いや、その局面になってから最善の手を打つ。ただ、グラウンドゲームになることはないんじゃないかな(笑)。まずはソコからだ。ファイキャンプもしっかりと終えているし、準備はできている」

──俄かにフライ級が盛り上がっていて、ジョシュアがここから上に行くのに大切な試合になるかと思います。

「メ~ン、フライ級は変わったよ。それはライト級、フェザー級、バンタム級と同じ。まずスタートし、階級が充実してくると戦いも激しくなる。今、フライ級でソレが起こっているんだ。才能豊かなファイターが集まり、若い選手が増えている。そんなフライ級で戦えるんだから、楽しくてしょうがない。

打撃だろうが、寝技であろうが自分のやるべきことをやる。僕のゲームをするだけだ。インタビューの最初にあったように僕らはアジアの若い選手を代表して戦っている。今回は日本のファンにとって大切なファイターと試合をすることになったけど、引き続き皆にはアジア人ファイターを応援してほしい。皆が満足いく、試合を僕らは戦うから」

■視聴方法(予定)
3月9日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■UFC313対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ペレイラ(ブラジル)
[挑戦者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
ラファエル・フジエフ(アゼルバイジャン)

<ライト級/5分3R>
ジャスティン・ターナー(米国)
イグナシオ・ナシメント(チリ)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
イアズミン・ルシンド(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
キング・グリーン(米国)
マウリシオ・ルフィー(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
リズワン・クニエフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
鶴屋怜(日本)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・フェレイラ(ブラジル)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)

<ウェルター級/5分3R>
アレックス・モロノ(米国)
カルロス・レアル(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マイロン・サントス(ブラジル)
フランシス・マーシャル(米国)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
ジョン・カスタネダ(米国)

<ミドル級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
ジジョルデン・サントス(ブラジル)

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45 JAM o UFC UFC300 ジャスティン・ゲイジー マックス・ホロウェイ 朝倉海

あけましておめでとうございます 読者の皆様へご挨拶

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明けましておめでとうございます。打投極速報の管理人です。

読者の皆様のコメントやX(旧Twitter)でのリアクション、拝見しております。いつも本当にありがとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

更新すっごい遅いよ問題は常々何とかしなければと考えているのですが、平日は仕事→電車に揺られて帰宅となると、どうしてもPCを立ち上げるのが遅くなってしまいます(某Z李のように複数で運営できれば強いのですが)

速報を謳っているにもかかわらず、本当に遅くて申し訳なく存じます。なるべく早く皆様にお届けできるよう頑張ります。

昨年も名勝負が沢山生まれました。

個人的に一番印象に残った試合は、マックス・ホロウェイvsジャスティン・ゲイジーの残り1秒KOでした。



日本格闘技界は、昨年もしっかり朝倉兄弟を中心に回っていたと思います。朝倉海はパントージャに一方的にやられてしまいましたが、平良や鶴屋との対戦があるかもと思うと楽しみです。平本vs未来2は正直あまり興味が…。

今年も強者たちがどんな名勝負を繰り広げてくれるのか、もうすでに楽しみで仕方がありません。

2024年も大変お世話になりました。 

2025年が格闘技を愛してやまない皆様にとって輝かしい年でありますように。

様々な形で毎日を『闘う』皆様の武運長久をお祈りしております。



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【UFN248】「BMFタイトル戦には敗者はいない?」。マカオを訪れたジャスティン・ゲイジーに訊く

【写真】ショートインタビューだったが、早口で多くを話してくれたゲイジー。しゃべりも勢いがあります (C)MMAPLANET

23日(土・現地時間)、マカオはコタイにあるギャラクシー・アリーナで開催されるUFN248:UFN on ESPN+106「Yan vs Figueiredo」にジャスティン・ゲイジーが、ディエゴ・ロピスと共にゲストファイターとして訪れている。
Text by Manabu Takashima

もはや東洋のラスベガスといっても過言でないマカオ・コタイ地区のナイトライフを楽しんでいると公言するゲイジーに、そのファイトスタイルとBMF王座、そしてUFC世界ライト級タイトルの関係性について尋ねた。


――ジャスティン、実はWSOF時代に日本のGONGマガジンのインタビューをラスベガスでさせていただいたことがありました。もう10年も昔の話になりますが……。

「10年っていうことはないだろう。15年は昔だよ(※ゲイジーのMMAデビューは2012年)」

――とにかく大昔ですね。お父さんやおじいさんが銅の採掘をしていたという話をしてくれました。

「あぁ、アリゾナのモレンシー銅山で穴を掘っていたんだ」

――あの時、D-1オールアメリカン・レスラーのジャスティンに「なぜ、テイクダウンを使わないのか」を尋ねました。そうすると「レスリングじゃない。プロのファイトはファンをエキサイトさせないといけない」という風にジャスティンが返答してくれた記憶があります。

「それが俺のファイトだからね。レスリングをやるためにMMAファイターになったわけじゃない。ファイトをして稼ぐためにMMAを戦ってきたんだ」

――ハイ。そのスタイルをWSOFで3年間続けてUFCに転じた時は、正直なところジャスティン・ゲイジーもいよいよ戦い方を変える時がきたと思っていました。世界最高峰であの戦いを続けることはできないだろうと。それが……。

「ノー。俺は変わらない。これまでも、これからも。心配しなくて良いよ。俺はずっと、このままだ(笑)」

――いや、体のことは心配しますよ(笑)。

「アハハハハ。そこも心配しなくて構わない。なぜなら、俺が選んだことだから。レスリングは疲れる。レスリングをやると、バテて試合も勝てない。だから、殴り合っているんだ。それが俺の勝ち方で。レスリングをやっても、俺は勝てない」

――D-1オールアメリカン・レスラーが、本当にそうなのでしょうか。

「ファンだって、こっちの方が良いだろう? 俺もこっちが好きなんだ。レスリングじゃない、ファイトが」

――もちろんファンも、プロモーターもその方が良いです。では家族はどうでしょうか。

「おお、そっちか……。でもさ、マムが双子の俺たちにレスリングをやらせたんだ。4歳の時にゴルフキャップを持ってきて、ゴルファーになるか、レスリングをやるのかって尋ねられた。俺たちはゴルフを選ぶ気は一切なかった。でも、こうやって自分のスタイルを続け、いつだって求められた試合をしてきたことで今の俺がある。ファイトしてきたから、皆が俺を認めてくれたんだ」

――確かに普通のUFCファンは、世界王者を全て知っているわけではないですしね。

「でも、俺のことは忘れないだろ。それは俺があの戦いを続けてきたからだ」

――そこでジャスティンに尋ねたいことがありました。BMFのタイトル戦を戦う時と、UFC世界ライト級選手権を戦うときは気持ちの面など違いはあったのでしょうか。

「う~ん、リアルベルトが掛かっている時はプレッシャーがより大きかった。だって、勝つしかないだろ? チャレンジャーは。1試合、1試合がそれぞれしっかりと経験になるのは絶対だ。ただし勝って手にしてきてモノは、負けると全て奪われる。だからこそ、全ての試合で新しい経験ができる。そして、試合が終わると自分が何者が再確認できるんだ。全てが経験値を高めてくれる。それでも、世界タイトル戦のプレッシャーは群を抜いている」

――その点でいえば、BMFタイトル戦は戦う意思を見せ続ければ試合に負けても、敗者はいない。そんな印象を与えることができる戦いになります。

「うん、その意見は正しいな。ファイトはファンが喜ぶためにあるからね。そうだな……逃げずに、真っ向から戦う姿を見せることができればファンは文句を言わない。そして俺は自分がやりたいように戦っている。俺のファイトを、俺のことを皆がいつまでも覚えてくれるような戦いを続けたい。それには、インパクトのあるフィニッシュが欠かせない。

俺はマックス・ホロウェイでKOされた。ただし、そこには勝敗を超越した何かがあって……その何かを皆に見てもらうことはできたはずだ。それでも勝者と敗者は違う。負け喜んでいるヤツはない。ただし、ファンに認められているなら敗者はいないという意見は正しいと思う」

――ではジャスティンはUFC世界王座挑戦と、BMFタイトル挑戦を二者択一ということが起こった時には、どちらにチャレンジしたいと思うのでしょうか。

「もちろんライト級のワールドタイトルだ」

――それでも戦い方は変えない?

「MMAってクレイジーなんだ。俺が(シャーウス)オリヴェイラにレスリングを仕掛けてどうなる? ヤツの庭に自分から飛び込んでいくようなモノだろ?  一発、アイツの頭にパンチをぶち込んだら勝てる。殴り倒してからも、寝技をさせないためにパウンドにもいかなった。オリヴェイラが背中をつけていたから。それでも、俺は負けた。クレイジーだよ」

――オリヴェイラがスタンドで待つジャスティンに右を当ててダウンを奪ってから後ろ三角、そしてRNCで逆転勝ちでした。となると、さきほどレスリングをすると疲れると言っていましたが、例えばダゲスタンのレスラーとレスリングを使って戦うのも手ではないでしょうか。

「そりゃあ、使うだろう。ただしテイクダウンを奪うことだけがレスリングじゃない。テイクダウンを切るのもレスリングだ。レスリングはオフェンスとディフェンスがある。俺はレスリングを立って戦い続けるために使う。KOするために。足を蹴って頭を殴って倒すために、ね」

――そんなジャスティンの試合を次に見られるのは、いつ頃だと期待して良いですか。

「3月だ。俺は3月に戦いたい。相手は分からないけど、UFCが決めることだ」

――またビッグファイトになりそうですね。

「そりゃあ、そうだ。俺はいつだってビッグファイトをやってきたから」

■視聴方法(予定)
11月23日(土・日本時間)
午後5 時00分~UFC FIGHT PASS
午後4時45分~U-NEXT

■UFN248対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
イェン・シャオナン(中国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ムスリム・サリコフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オズデミア(スイス)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)

<ライトヘビー級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
チャン・ミンヤン(中国)

<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
ユ・スヨン(韓国))
チィルイイースー・バールガン(中国)

<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
キル・シン・サホタ(英国)

<Road to UFC女子ストロー級準決勝/5分3R>
シー・ミン(中国)
フン・シャオカン(中国)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレエル(モンゴル)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
ホセ・オチョア(ペルー)

<バンタム級/5分3R>
シャオ・ロン(米国)
クァン・リー(ベトナム)

<ライト級/5分3R>
マァフゥシャトゥ(中国)
ニコラス・モッタ(ブラジル)

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【UFC308 】展望 語学堪能=強さの秘密、王者イリャ・トプリア×拳で語る挑戦者マックス・ホロウェイ

【写真】ホロウェイはテクニックに裏付けされた喧嘩ができる男。王者トプリアはタフな終盤戦に持ち来れ込んだ時、喧嘩ができる気持ちの持ち主なのか(C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにてUFC 308「Topuria vs. Holloway」 が行われる。ロバート・ウィティカーとカムザット・チマエフによるミドル級戦をコメインとする今大会のメインは、無敗の新王者イリャ・トプリアにBMF王者マックス・ホロウェイが挑戦するフェザー級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

トプリアは2020年10月に、8戦全勝の戦績をもってUFCデビュー。当時は強力なテイクダウンから肩固め、RNC、ギロチン、ダースといった見事な首技の連携を駆使するハイレベルグラップラーのイメージが強かったが、やがて立ちで距離を詰めてからの強烈かつ正確無比な拳のコンビネーションでKOを量産するようになった。

昨年6月にはランキング5位のジョシュ・エメットと戦い、幾度となくダウンを奪って5R判定で圧勝、今年の2月に絶対王者アレックス・ヴォルカノフスキーに挑戦する機会を得た。2Rに王者の右ジャブをかわしたトプリアは、瞬時に距離を詰めて右ボディから左フック。次の右ストレートは外れたものの、すぐに角度を調整しての右フックが炸裂。パウンドフォーパウンドランキングのトップに君臨し続けていた世界最高峰のMMAストライカーを圧巻のコンビネーションで葬り去り、15戦全勝の戦績で(15歳の頃から住んでいる)スペイン初のUFC王座に輝いた。

対して生粋のハワイアンのホロウェイは、2016年12月にアンソニー・ペティスを倒してフェザー級王座を獲得。4度の防衛を重ねるが、2019年12月にヴォルカノフスキーに5R判定で敗れて王座転落した。

その後ヴォルカノフスキーに2度挑戦するもいずれも5R判定負けを喫し、王座復帰は遠のいたかに見えた。しかし昨年アーノルド・アレンとコリアンゾンビことジョン・チャンソンに完勝して健在を示すと、4月のUFC 300にて一階級上のBMF(Baddest Motherfucker=最高にヤバい奴)王者ジャスティン・ゲイジーに挑んだ。


ホロウェイは1R終盤にバックスピンキックでゲイジーの鼻を破壊すると、その後は打撃戦で終始主導権を握る。そして最終ラウンド残り10秒の時点でオクタゴン中央で床を指差し、俺と打ち合えと咆哮。それに応じたゲイジーが振り回す拳よりも高い回転力でパンチの連打を繰り出し、最後は右フックをスマッシュヒット。残り1秒でゲイジーが前のめりに失神するUFC史上最高のKOシーンをもってBMF王者に輝いた。

間違いなく自分が勝っている試合で、最後の10秒にて階級上の超弩級の強打者と足を止めて殴り合いを挑む──常人にはまったく考えられない、これ以上BMFに相応しい行動は存在しないほどの超BMFぶりを見せつけて会場を熱狂の渦に叩き込んだホロウェイは、その場で「エル・マタドールよ!」とトプリアのニックネームをコールアウトすると「お前はこのブルから逃げている! 145パウンドのベルトを賭けて俺と戦え!」と対戦表明した。

それに応じたトプリアは「ああ、ホロウェイと防衛戦をやろうじゃないか。ただし奴がBMFベルトも掛けた場合のみだ」と発言。しかしその案はUFCから却下されたのか、今回トプリアのフェザー級王座のみが掛かったタイトル戦が実現の運びとなった。

さて今回の試合に先立ち、UFCの企画にてトプリアの住むスペインとホロウェイの住むハワイを二画面で繋いでの同時インタビューが行われている。その際トプリアは、フェザー級ベルトだけでなくBMFベルト(のレプリカ)まで入手して部屋に飾って登場し「マックスは今回このベルトを掛けなかったけど、今回勝てば事実上俺がBMFさ」と不敵に微笑みながら挑発してみせた。

ホロウェイが「お前はそれわざわざ買ったんだろ、俺のファンだからだよな」と聞くと、トプリアは「ああ、正直ファンだったよ。あんたは俺ら新世代にとってのグレイト・イグザンプル(偉大なる模範)だった」とリスペクトを示す。が、その後は薄笑いを浮かべながら

「でも今は俺の時代さ。試合が終わったら、あんたが俺のファンになるだろうよ。そもそもあんたはキャリアで7敗。俺は無敗。戦ったらどうなるかは分かるだろ?」

「あんたが75分間も使ってできなかったこと(=打倒ヴォルカノフスキー)を、俺はたった7分間でやってのけたんだぜ」

「ところで俺は最近老人ホームをオープンしたんだよ。ヴォルクがすでに入居した。あんたにも一部屋用意してあるぜ。試合後すぐに放り込んでやるよ。あ、心配しなくてもいい、料金は一切無料だから」と知的にして絶妙に無礼な挑発を繰り返し、トラッシュトークに興味を示さないホロウェイを苛立たせたのだった。

さらにトプリアはホロウェイのBMF戦に触れて「ありゃすごく退屈だった。エキサイティングだったのは最後の10秒だけだ。戦略もテクニックもまるでない酒場の喧嘩だね。最後の10秒もそうだ。ゼロ・テクニックだ。俺みたいな技術とパワーを持った選手を倒すことはできないな。嘘だと思うなら、あれを俺らの試合の最初の10秒でやってみるってのはどうだい?」と不敵な提案をする。

そこでホロウェイが「そりゃお前にとってはなんとも都合のいい話だな。お前は試合ですぐに疲れちまう(get tired)んだから」と反応すると、トプリアは微笑みを崩さず「ああ、俺は確かにget tiredするよ。相手をKOすることにget tired(=うんざり)しているんだ。だから今回はあんたをサブミットすることにするかな」と言い返した。

第一言語ではない英語でのやりとりにおいて、この見事な切り返しは特筆に値する。実際トプリアはホロウェイに「何を言っているんだ、ちゃんと話せ」と言われた時にも余裕の表情で「おいおい、俺はあんたの言語で話してやっているんだぜ。じゃあスペイン語がジョージア(グルジア)語かロシア語かドイツ語で話そうか」と言うと、おもむろに(おそらくホロウェイには理解できないだろう)流暢なスペイン語を披露し、言語マウントを取ったのだった。

放映後、この両者のディベート対決(?)の勝敗を判定するメディアがいくつかあったが、ほぼ満場一致でトプリアに軍配を挙げていた。もっともホロウェイ自身が相手を言い負かすことに興味を示しておらず、勝敗を付けること自体に無理はある──とは言え、トプリアは母語でない英語を用いて、英語ネイティブのホロウェイを翻弄してみせた。

ジョージア系の両親のもとドイツに生まれジョージア、スペインと移住を繰り返す中で身に付けた多言語能力と知性は「俺は打撃、レスリング、グラップリングと全てにおいてネクストレベルにあるし、パワー、テクニック、ファイトIQとあらゆる面で卓越している」と豪語する新王者の強さの一端なのかもしれない。

閑話休題。

この試合に誰もが期待するのは、卓越した二人のMMAボクサーである両者による最高レベルの打撃戦だ。両者の戦績だけを見ると、本人が挑発的に語っていたように──ホロウェイが3回戦って倒せなかったヴォルカノフスキーをトプリアは2RでKOしており、新王者有利という見方が成り立つ。しかし両者と戦った張本人のヴォルカノフスキーが、この三段論法を否定してホロウェイ有利を予想している。

曰く「イリアには相性が悪い試合だと思うよ。マックスは5Rずっとペースが落ちないから、イリアが勝つには序盤でKOする必要がある。もちろんその力はあるよ。でもマックスはとにかく打たれ強いから、難しいんじゃないかな。テイクダウンディフェンスや立つ力も抜群だから、寝技でマックスをフィニッシュするのも困難だ。

そして、試合が長引くとイリアにはスタミナの問題が生じてくる。序盤はイリアがマックスの打撃をしっかりガードして有利に進めるだろう。でも相手がいつまでも倒れない、テイクダウンできない、自分の呼吸が上がってくる、となると話が変わってくるのさ。中盤以降はマックス有利になるだろうね。僕が思うに、一番可能性が高いのはマックスの判定勝利だ。あるいは4、5ラウンドにマックスが大量のパンチを当ててTKOするかもしれないね」

この前王者の鋭い予想にさらに注目点を付け加えるなら、それはスタンド戦における両者の距離とケージ上の位置取りだ。180センチの長身を誇り、自分のパンチが当たる絶妙の間合いを保つことに長けているホロウェイ。対する王者トプリアは身長173センチ。頭を振りながら間合いを詰め、懐に入り込んでのパンチコンビネーションを決め技とする。果たして自分の得意な距離を作るのはどちらか。

また、ホロウェイは(前回のBMF戦でゲイジーに大ダメージを与えた)バックキック、トプリアは強烈な右カーフを持っている。パンチの間合いの取り合いにおいて、これらの足技を両者がどう用いるかも興味深い。

そしてトプリアの拳が最も威力を発揮するのは──前戦でヴォルカノフスキーを倒した時のように──相手をケージ際に追い詰め、下がるスペースを無くした時であることに留意したい。アーノルド・アレン戦でスイッチや横への動きを巧みに使ってみせたホロウェイを、新王者がいかなるステップで金網を背負わせるのかは、この試合の重要ポイントとなる。

上述のように、トプリアは開始10秒間、ケージ中央での足を止めての殴り合いを提案している。対するホロウェイは「(BMF戦での)あの瞬間は理由があったから成立したんだ。エキサイティングな戦いで俺が勝っていたから、ジャスティンにチャンスを与えた。もともと彼が階級下の僕に戦うチャンスをくれたのだからね」と、理由もなく闇雲に打ち合うことには興味を示さない。

それでも世界最高のMMAボクサー二人によるこの試合が、開始直後からまったく目を離せないものであることに変わりはない。

■視聴方法(予定)
10月26日(土・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月27日 午前3時~PPV
午後10時 30分~U-NEXT

■ UFC308対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] イリャ・トプリア(スペイン)
[挑戦者] マックス・ホロウェイ(米国)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウィティカー(豪州)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
レローン・マーフィー(英国)
ダン・イゲ(米国)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
アルメン・ペトロシアン(アルメニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
ハファエル・セルケイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ミクティベク・オロルバイ(キルギス)
マテウス・レンベツキ(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
クリス・バーネット(米国)

<バンタム級/5分3R>
ファイト・バシャラット(アフガニスタン)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
イズミール・ヌルディエフ(オーストリア)

<ウェルター級/5分3R>
リナット・ファクレトディノフ(ロシア)
カルロス・レアル(ブラジル)

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【PFL2024#03】カルバーリョと対戦、ブレンダン・ラウネーン「エルボーの有無でゲームは別モノになる」

【写真】エルボーのない試合の経験差が、ラウネーンの言う通りに出るのか(C)MMAPLANET

19日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL2024#03が開催される。フェザー級2024年シーズンの開幕戦でBellatorから転身のペドロ・カルバーリョと対戦するブレンダン・ラフネーン。
Text by Manabu Takashima

2022年シーズン・ウィナーは、PFLの日程とルールセットに対面するBellator勢の苦戦を断言。彼自身にはマッシブ・アドバンテージがあると話した。


──PFL2024シーズがスタートし、ペドロ・カルバーリョと対戦します。今の気持ちを教えてください。

「アメージングだ。また戦いの時が来た。やってやるよ」

──ところでPFLがBellatorを買収した時、ブレンダンはどのような想いでしたか。

「最高じゃないか。新しいコンペティターが参入してくることは、皆にとって素晴らしいことだからね」

──日本でもUFCに次ぐ世界第2位のプロモーション=Bellatorと第3のプロモーション=PFLが一つになることは大きな話題になりました。

「ノー、ノーノーノ―。PFLがナンバースリーなんて、勘弁してくれ(笑)。そして、いつの日かPFLがナンバーワンになることを願って僕らは戦っているんだ。Bellatorも素晴らしいプロモーションだったし、そこのファイターがPFLに合流することで目新しいマッチメイクが増える。

バッバ、ブレットと共にフェザー級のロースターとして今シーズンをPFL出身として戦えることが凄くハッピーだ。何しろ僕とバッバ以外は皆が新顔で、本当にどんな試合が実現していくのか。心の底から楽しみでならない」

──知名度のBellator、実力のPFLというイメージも実は持たれていたのですが、リヤドの大会ではPFLは大敗を喫してしまいました。

「PFLからはチャンピンが出場できない試合がいくつかあった。だからPFLが負けたという言われ方は心外だ。ピネドもマゴメドケリモフもあのショーでは戦っていないからね。ベストメンバーが揃えば、PFLが勝っていたはずだよ。

Bellator勢がシーズンに参戦してくるけど、僕らが如何にハードな戦いをやってきたのか身をもって知ることになるだろう。7カ月で4試合、この大変さは経験しないと理解できない。試合のたびに、色々と別の個所をケガする。その状態で試合は続く。目が腫れていようが、すぐに練習に戻らないといけない。これから実力がハッキリすることになる。そして、次のチャンプ・チャンプ決戦ではPFLが勝ち続けるよ」

──ではカルバーリョ戦に向けて、どのような試合になるとイメージしていますか。

「ペドロは凄く堅実なファイターだ。ただしレスリングでも、柔術でも僕の方が優れている。もちろん、打撃に関してはことさら強調する必要もない。僕の方がオールラウンダーだと証明するよ」

──ところでPFLで戦うようになったBellatorファイターは、エルボーが使えないことを危惧している選手が多かったです。ブレンダンは既にエルボーなしを4シーズンで11試合戦ってきました。エルボー無しで、勝ちパターンを構築したかと思います。

「エルボーの有無でゲームは別モノになる。寝技のポジション、スタンドでのクリンチは全く違う。それに何か無いところから増えるのはアジャストしやすいんだ。でも、有ったモノが無くなるのは調整が凄く難しい。つまりBellator勢は、この事実にすぐに直面することになる。

特にグラウンド&パウンドでエルボーがないことで、PFLではレスラーが上手く相手をコントロールして、殴ることができている。ぴったりと頭をつけていると、パンチのスペースがなくなるからね。さっきもいたけど、ずっとやってきた武器がなくなる。新顔にはタフな状況だよ」

──ではカルバーリョ戦でも、その点は有利になると?

「エルボーが使えないことだけでなく、僕にはアドバンテージだらけだよ。とにかくPFLで4年間戦ってきた僕にはマッシブ・アドバンテージがある」

──ところでBellatorはRIZINとクロスプロモーションというMMA界で稀なショーを開いてきました。11月にファイナルが終わった後、ニューイヤーイブ・ショーに出場する機会があれば実現させたいですか。

「とにかくファイトスケジュールによるよ。ただし、引退前に必ず日本で戦いたいと思っている。日本か中国、僕の知らない世界を目にしたいんだ」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイ・カマカ2世(米国)

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
エンリケ・バルボーザ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
ブレット・ジョンズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ラウレアノ・エスタロポリ(アルゼンチン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ブレナン・ワード(米国)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド(米国)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ホマン・ドゥビエンヌ(フランス)
サッド・ジーン(米国)

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【PFL2024#03】1年半振りの復帰はPFL、ヒザ神=アダム・ボリッジ「ザ・キッドは生まれ変わった」

【写真】溌溂としていたアダム・ボリッチ(C)MMAPLANET

19日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL2024#03が開催される。2024年シーズン、最後に開幕を迎えるのはウェルター級とフェザー級だ。
Text by Manabu Takashima

例年、一・ニを争う混戦となる両階級にBellator勢が加わり、さらにタフになることは間違いない。そんなフェザー級にアダム・ボリッチが参戦、実に1年半振りのファイトでエンリケ・ベルゾラとBellator対決を戦う。長いレイオフから復帰するザ・キッドにPFLで戦う心境を尋ねた。


──アダム、実に1年半振りの試合がBellatorではなくPFLになりました。それにしても長いレイオフでしたね。

「パトリシオ・フレイレ戦の直後にACLの手術をして、回復するまで本当に長い時間がかかった。ようやく、戻ってくることができた。心の底から嬉しいよ」

──心身ともにリフレッシュできたと捉えて良いでしょうか。

「そうだね。でも去年は少しストレスを感じていた。手術後、ハンガリーに戻って、1年間は向うにいたよ。少しでも早く復帰したかったのに、1年以上も時間がかかってしまって。12月になってようやくトレーニングに戻ることができた。そこからはヒザの調子も良いし、心身ともに過去最高の状態にあるよ。なんていうのか……生まれ変わったような気分なんだ。

でもフロリダに戻って、驚いたよ。凄く日本のファイターが増えていた(笑)。皆、礼儀正しくて『アリガト』っていつも言ってくるよ(笑)」

──アハハハハ。ところで、この間にBellatorがPFLに買収されました。

「何が起こっているから分かっていなかったから、ちょっと怖かった。これは事実だ。結果、Bellatorも継続して活動できることになり、MMA界にとって良かったと思う。その上で僕自身はPFLで戦うことになった。しかも長い間、実戦を経験していない状況でのPFLでの試合だから新しいチャレンジになる。

とにかく戦えることが嬉しい。別に試合前にゴチャゴチャ言い合うとか、そういうことはどうでも良いから。最後の試合のデキが良くなくて、あのままのイメージを引きづってしまっている。体調はあの時とは全く違う。これで、ようやくあの時の記憶を上書きできると思うとホッとしているよ」

──ではPFLとの対抗戦でBellatorが5勝1敗と大勝したことに関して、どのように感じましたか。

「そりゃあ、嬉しかったよ。でも、その強いBellatorファイターがPFLに大挙参戦する。つまりPFLの選手が強くなるということになる」

──これまでは2カ月、3カ月間、1人の相手に集中して調整できました。そして試合が終わると休息をし、次の試合が決まるまでは対策練習でなく自身の技量を上げるトレーニングができた。PFLのシーズンフォーマットは、まるで違います。

「ハードになる。それは絶対だ。だからこそ、新しいチャレンジになるんだ。だって、これまでにやったことがないんだから。ノウハウもない。ただケージの中でフィニッシュをし、ケガをしないこと。それってこれまでと何も変わらない。フィニッシュを狙わないことはなかったし、ケガをしても構わないなんて気持ちで戦うこともなかったから。

フィニッシュが多くなるのは、ファンにとっては良いだろう。僕自身は目の前の相手に集中すること。シーズンフォーマットだからって、この先のことを考えてケージに上がるなんてことはない。4月19日のエンリケ・バルボサとの試合しか、頭にないよ。違いは試合が終わってもハンガリーに戻らず、フロリダで次の試合に備えること。それで100万ドルを狙うことができるんだ。最高だよ。凄くタフなテストになるけど、だからこそ遣り甲斐があるってもんだよ(笑)」

──では、そのバルゾラの印象を教えてください。

「経験豊かなファイターだ。UFCとBellatorで、その強さを見せてきた。良い選手──だけど、チャンピオンになるような能力はない」

──アダム・ボリッチのカムバックとニューチャレンジ、楽しみでしょうがないです。

「ありがとう。ザ・キッドは生まれ変わった。この世界でベストの1人であることを証明したい。前回の世界タイトル戦は、コンディションに問題があった。あれがアダム・ボリッチの真の姿ではない。体調さえ100パーセントなら、僕はチャンピオンになれる力が十分にある。そう皆が思える試合を、次は見せたい」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイ・カマカ2世(米国)

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
エンリケ・バルボーザ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
ブレット・ジョンズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ラウレアノ・エスタロポリ(アルゼンチン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ブレナン・ワード(米国)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド(米国)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ホマン・ドゥビエンヌ(フランス)
サッド・ジーン(米国)

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