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JJ Globo Report SUG15 ガブリエル・チェッコ クレイグ・ジョーンズ ブログ

【SUG15】チェッコのエスケープを利して、柔術を見せたクレイグ・ジョーンズ。最後はOTで一本勝ち

<5分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.OT1R
ガブリエル・チェッコ(ブラジル)

拳を固めファイティングポーズを取ったチェッコ、構わずクレイグはシッティングし近づいていく。左足に絡んだクレイグはハーフガードを取り、チェッコがアームドラッグに反応して立ち上がる。ハーフニーシールドに移行し、ここから一旦足を解いたクレイグはリバースデラヒーバへ。

チェコが尻をマットにつけて足を抜こうとすると、クレイグはここで上を選択する。ハーフでトップを取ったクレイグは足を抜いて反転し一気に足関節へ。足をクロスして防いだチェッコだが、足のクラッチが外れるとクレイグがアシガラミから内ヒールへ。すぐに足を畳み、チェコは自ら足首を掴んで引き寄せて防御する。体を起こしたクレイグが、チェッコが引き寄せた右足にトーホールドを仕掛ける。

さらにクレイグはチェッコが足を組み直したところで、逆足を掴みにいく。急ぎ足を抜いたチェッコがシングルレッグも、がぶられると背中をつけてハーフガードを取る。クレイグはダースチョークで反応し、再びバックを狙う。取らせまいとチェッコが引き込むと、クレイグはパスからニーイン、一気にフルマウントに入る。流れるようなポジション奪取を見せたクレイグは、腕十字に狙いの気配を見せる。体を起こして逃げようとしたチェッコに対し、ギロチンを取ったクレイグは後方回転からマウントを取り直す。

残り10秒、チェッコが逃げ切り試合はオーバータイムへ。OT1Rで先攻クレイグは15秒でRNCを極めた。後攻チェッコもバックを選択、わずか8秒でエスケープしたクレイグがチェッコを下した。


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JJ Globo Preview SUG15 アマンダ・ローウェン クレイグ・ジョーンズ コディ・スティール ジェシカ・アイ ネイト・オーチャード ブログ

【SUG15】4大会連続のクレイグ・ジョーンズ。ジェシカ・アイはUFCの翌週で出場。$1万TはCJJWの再戦か?

【写真】UFCから1週間でSUGに出場するジェシカ・アイ。タフだが、連敗恐れは十分にある (C)Zuffa/UFC

21日(日・現地時間)にチェール・ソネンがホストのSubmission Underground15が開催され、UFC Fight Passでライブ中継させる。

前回に続きSUGアイランドと名付けられたスタジオで収録される大会は、1万ドル争奪の8人トーナメント、そしてクレイグ・ジョーンズが4大会連続出場、さらに1週間前にUFCで戦ったジェシカ・アイが出場と見所が多い。


トーナメント出場選手は1回戦で書き記すと、コディ・スティール✖アンディ・ヴァレラ、メイソン・フォウラー✖ウォーレン・ブロックス、ロベルト・ヒメネス✖ネイサン・オーチャード、アダム・ブラッドリー✖ハンター・コルヴィンの8名だ。

なかでも注目はスティールと、オーチャードか。スティールは昨年のコンバット柔術ウェルター級世界王者で、全試合オーバータイムで勝利している。つまり5分✖1R+OT制のSUGでは、コンバット柔術よりもさらに強みを発揮できるだろう。

スティールはテキサス州オースチンを拠点としたチェックマット系ホドリゴ・カブラルの黒帯で、2018年には日本の柔術界にも馴染みのマリアナスオープンの茶帯を制し、アメリカン・ナショナルで3位に入っている。とはいっても、ノーギ&サブオンリーでは極めさせない強さとエスケープの能力の高さこそが彼の武器となろう。

そのスティールにコンバット柔術ウェルター級GP決勝で敗れたオーチャードも優勝候補の1人といえる。ミッションコントロールから両腕の入った三角クラッチを組み、アームバーやキムラに取る──デッドオーチャードの使い手は、決勝まで勝ち上がりスティールとのリベンジ戦を実現させることができるか、興味深い。

SUG12でケヴィン・ケイシー、SUG13でヴィニー・マガリャエス、SUG14でヴァグネウ・ホシャを破り、4カ月連続でSUG出場となるクレイグ・ジョーンズはガブリエル・チェッコと対戦する。

MMAファイターでもあるチェッコのSUG出場は3カ月連続となり、過去2大会でジェイク・エレンバーガーとオースティン・ヴァンダーフォードという同じくMMA選手に勝ってきた。この試合の見所は、チェッコがどこまでジョーンズの足関節コンビネーションに対応できるのか──という一点に絞られるか。

2016年12月、FLO Grapplingで配信されていた時代のSUG第2回大会のミーシャ・テイト戦以来、3年7カ月ぶりのSUG登場となるアイは、先週のUFCにシンシア・カルヴィーロに敗れたばかりで驚きのサブオンリー・グラップリング参戦となる。試合タイム8分時代のSUGで、ミーシャにOT負けだったアイは──試合中も肩抜き後転腕十字で右腕を伸ばされ、レフェリーがタップをしていないのにストップをかけ無効になるなど、攻められるシーンが多かった。

そんなアイと戦うアマンダ・ローウェンは2018年ノーギワールド女子ミディアムヘビー級3位、強烈なマルセロチンで相手を持ち上げたタップを奪ったシーンは特に印象深い。色帯時代には2014年にムンジアルの茶帯ライト級で2位なっており、MMAではアマファイターのローウェンだが、グラップリングにおいてはアイに対して分があることは確かだ。

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JJ Globo Report SUG14 クレイグ・ジョーンズ ブログ ヴァグネウ・ホシャ

【SUG14】EBIの仇をSUGで討つ。クレイグ・ジョーンズがOTでヴァグネウ・ホシャからリベンジ達成

<5分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def. Overtime by RNC
ヴァグネウ・ホシャ(ブラジル)

すぐに座ったクレイグ、リバースデラヒーバから逆の足を取りにいく。警戒してステップバックするホシャは片ヒザをつき、取られた足はしっかと直角にした形でスネを押し付け、ヒザを突き出すように足関節に入らせない。

それでも右足に絡んでいったクレイグだが、ホシャはストレートフットロックに入る前にスプロールして足を引き抜く。ポスチャーとステップバック、スプロールで防ぐホシャに対し、クレイグは先に両腕で足首を掴み足を絡ませてサドルへ。これを解くと同時にヒザを押したホシャが立ち上がる。

後ろに下がったホシャを座ったままで追いかけるクレイグ、両者がタッチし試合が再開される。リバースデラヒーバを徹底して防御をするホジャはスペースがなくなるとスネや足首を押して、足を抜く状態を作っている。ニーシールドから後方回転するように右足を取ったクレイグはインサイドヒールへ。ロールして逃げたホシャが、足を引き抜く。

ここでクレイグが上攻めを選択し、ホシャがニーシールドへ。圧を掛けるクレイグを蹴り上げたホシャはスペースができるとすぐにスタンドへ戻る。残り2分で立ちレスになり、首を抱えていたクレイグが座る。ホシャは頭を押し、徹底して距離を取る。タイトに組まない、足を取られると抜く、自らの攻撃はないという戦いのホシャは、完全にオーバータイム狙い。いわばノーポイント、ノーサブというスタイルだ。

クレイグがスネが滑るとレフェリーにアピールも、試合が再開され残り15秒──タイムアップ直前に離れたホシャはしてやったりとドヤ顔を見せた。

オーバータイムでクレイグはシートベルトを選択し、RNCへ。37秒でホシャがタップ。36秒以内に極めないと敗北となるホシャも、シートベルトを選ぶ。エスケープよりもRNCの防御に徹するクレイグが、首を守り切りオーバータイムというホシャの庭で勝利し、リベンジに成功した。


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JJ Globo Preview SUG14 クレイグ・ジョーンズ ブログ ヴァグネウ・ホシャ

【SUG14】クレイグ・ジョーンズがEBIでのリベンジを掛けて、コンバット柔術世界王者ホシャと再戦

【写真】ADCCの階級ではクレイグがホシャより1階級上だ (C)SATOSHI NARITA

31日(日・現地時間)にチェール・ソネンがホストのSubmission Underground14が開催され、UFC Fight Passでライブ中継させる。

リモートカメラ、セコンドなし、レフェリーとファイターのみという状況で行われた4月大会は、改造された穀物サイロというダミー名の下で開かれ、今回も会場はSUGアイランドというUFCのファイトアイランドをもじった名称が使用されている。5分1R+オーバータイム制が用いられたSUGはノーポイント&サブオンリー・グラップリング大会で、前回大会に続きメインにクレイグ・ジョーンズが出場し、2017年に敗れたヴァグネウ・ホシャと戦う。


昨年来グラップリングで17勝3敗1分という驚異的な勝率を誇るジョーンズは、SUGでもジルベウト・ドリーニョ、ケビン・ケイシー、そして前回のヴィニー・マガリャエスは結果的にヴァーバル・タップだったものの、RNグリップの内ヒールでヒザを破壊しており、事実上3試合連続で足関節により勝利している。

そんなジョーンズは2017年にEBI11のウェルター級16人トーナメントに出場。ここでブラジルはリオデジャネイロ州生まれ、5歳の時に両親とフロリダに移り住み18歳からパブロ・ポポビッチの下で柔術&MMAを始めたホシャに、準決勝=OTで敗れている。

ホシャはMMAでもUFCまで到達しており、2009年から実働8年で14勝4敗8つの一本勝ちという戦績を収めている。2017年3月以降はグラップリングに軸を置いて活動し、ライト級だったMMA時代と違い主に77キロでキャリアを積んできた。

上に挙げたようにジョーンズに勝利したEBI11では決勝でゴードン・ライアンに敗れ準優勝、EBI13=ライト級TでPJ・バーチ&ネイサン・オーチャードという10thPlanet組を破るも、決勝でゲイリー・トノンの足関節に下っている。

他方、コンバット柔術では決勝でオーチャードと再戦し、マウントからの掌底の連打でライト級王者に輝くと、2018年のPolaris08でベンソン・ヘンダーソンをRNCで下している。さらにはADCC2019でも77キロ級で準優勝、今年に入るとSub Starで──先日UFCでマイケル・ジョンソンにストレートフットロックを極めたチアゴ・モイゼスからポイント勝利を手にするなど、グラップラー・ホシャはMMA時代よりも多くの栄光を手にしてきた。

ジョーンズとしてはホシャに対し、リベンジを狙い一本必至というスタイルを貫くことが予想される。その一方で、ホシャはEBIで挙げた6勝のうちOTでの勝ちが4つと延長のシートベルト・ポジション&スパイダーウェブの好守に強い。SUGは本戦が5分間ということを考えると、ホシャはOTでの勝利を狙ってくることも大いに考えられる。

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Interview Special SUG13 クレイグ・ジョーンズ ブログ ヴィニー・マガリャエス 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その参─クレイグ・ジョーンズ✖マガリャエス「タップしない」

Craig Jones【写真】写真は昨年1月にトライフォース新宿で行われたクレイグ・ジョーンズのセミナー。受け手と通訳をしていたいのが岩本健汰だった(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。そんな青木が選んだ2020年4月──格闘技が、この惑星から消えかけた1カ月──の一番、第3弾は26日に開催されたSubmission Underground13から、クレイグ・ジョーンズ✖ヴィニー・マガリャエス戦を語らおう。


──2020年4月度、世界中から格闘技が消えた1カ月。3試合目はどの試合になるのでしょうか。

「SUG13で行われてクレイグ・ジョーンズ✖ヴィニー・マガリャエスですね」

──無観客、リモート撮影のグラップリングからですね!!

「アレ、良かったですよ。セコンドもいなくて。マルチネスとかエレンバーガーが出ていて。申し訳程度にやった感じでしたけどね。この試合に関しては僕は正直、今のグラップリングの知識がそこまでないので岩本(健汰)選手に聞いたんですけど、ニーシールドハーフから裏足を通してヒールへの流れってクレイグ・ジョーンズの強いムーブだそうですね」

──世羅選手も青木選手に狙っていたではないですか。

「あぁ、でもアレって難しくて。ディフェンス有りきでやっていると極められない。だからマガリャエスだって自信を持っていたと思います。でもクレイグ・ジョーンズのは、攻撃的なスネガードからのヒールで。岩本選手も、参考にしてもなかなかできるもんじゃないって言っていました」

──ジョーンズの仕掛けは、スペシャルだと。と同時にマガリャエスはひどく中途半端な対応に見えました。寝技に付き合うけど、足関節から徹底して逃げることはない……ような。

「一発目なんかも、もの凄くイージーに取られましたよね」

──あのインサイド・ヒールはタップをしないと危なくないですか。

「っていうか、アレは普通に取ってもタップしないから、逆手で引き寄せてRNグリップで取りましたからね(笑)。左手で抱えていると、可動域全部にいっちゃたから、右手で抱え直して深く抱くようにした。アレはヒザいったと思います。

2回目のヤツも相当深かったけど、1発目でいっちゃっているので何かが切れていて効かなかったのかと」

──青木選手は練習中に内ヒールでRNグリップまで入ることなんてありますか。

「ない、ない。ないですよ。あのヒザ十字みたいな組み方は、普通のヒールのアプローチでタップしないからさらに捻るってことですからね」

──クレイグ・ジョーンズは『もう止めよう』とか、『ポップしている』とか話して、マガリャエスは『大丈夫だ』みたいなやりとりがずっと続いていましたよね。

「大丈夫じゃないって(笑)。で、最後はガードを取ろうとしたらヒザがもうきかなくなっていて。アレで試合後にコメントしている動画とか挙がっていて……」

──絶句ですね。でも、ホントにタップしないと。技はもう掛かっているんだからと思うのみでした。

「岩本選手がよく言っているんですけど、『ヒザはケガしない』って。でも、それは我慢しないことが大前提で。ヒールに限らず、サブミッションは我慢するとケガしますよ。メチャクチャ当たり前のことを再確認させてくれました」

──その点、青木選手がゲイリー・トノンと戦った時のタップは潔かったです。

「アレはもう、そういうものですよ。足関節は観念してタップしないと。我慢しちゃダメです。それだけレベルが上がっていることだから。足首を捻くり回すんじゃなくて、ヒザへのアプローチだから。マガリャエスみたいなことをしていると、ダメですよ」

──少人数、10人以上相席しないというロックダウン下でセコンドがいなかった。セコンドがいたらタオル投入ではないでしょうか。1度目で壊れ、2度目がある前に。

「グラップリングってタオルはないと思っていたから、その観点はなかったです。それ良い話ですよ。セコンドがいたら、止めたっていうのは。僕がセコンドだったら、止めさせますしね。

いずれにしてもクレイグのヒールは破壊力が尋常ではなかったですね。ジェイク・シールズ、ジルベウト・ドゥリーニョも取られて。2人はちゃんとタップして。ドゥリーニョとか他に仕事があるから、そりゃ即タップですよ」

──足関節のタップで、なんか機微ですね。もう心の動きでタップしないと。

「そうですね。お互いに分かり合って、『今』ってね。クレイグ・ジョーンズは自分から外して、大人でした。それにしても、下からチャンと仕留めることができる。僕ら日本人選手が、好きなグラップラーですね」

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JJ Globo Report SUG13 クレイグ・ジョーンズ ブログ ヴィニー・マガリャエス 未分類

【SUG13】クレイグ・ジョーンズが、我慢しまくりヴィニー・マガリャエスのヒザを内ヒールで破壊

<5分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def.4分21秒 by Verbal Submission
ヴィニー・マガリャエス(ブラジル)

座ったジョーンズがハーフガードの態勢に。カカトを取りながら横回転し、マガリャエスの左足を左ワキまで引き寄せることに成功する。サドルからインサイドヒールに取ったジョーンズが腹ばいから上を向く。これで極まっていておかしくない状態で、タップをしないマガリャエスは逆に左足を内ヒールに取る。

ジョーンズは体を反転させて足を抜きエスケープ、両者がスタンドへ。再び座ったジョーンズがハーフ。上側の足を取ったマガリャエスだが、ニーシールド・ハーフから潜って、逆の足を取りにいく。背中を伸ばし、尻を下げたマガリャエスが何やら言葉を発しレフェリーにアピール。ジョーンズも言葉を返しつつ、腹ばいになり右足を取る。もう一度上を向いたときに、マガリャエスの左足を抱えてRNグリップでインサイドヒールに入る。

これも極まっていて不思議でないが、マガリャエスのヒザは柔軟なのか壊れているのか、タップしない。ジョーンズは技を解き、「ポップしているだろう」と話しかける。マガリャエスはできると続行の意思を伝え、タッチで再開される。

ジョーンズは首を取り、動きが止まったマガリャエスからギロチンの態勢に。頭を抜いたマガリャエスだが、ここで左ヒザを抱えて口頭でタップの意思表示。やはり内ヒールでマガリャエスはヒザを壊していたようだ。