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【ONE FN03】越えろ、Do Sportsの壁。ケイド・ルオトロ「サンビストはTDもレッグロックもできる」

【写真】ケイド・ルオトロがONEを舞台にグラップリングの歴史を変えることができるか(C)SATOSHI NARITA

22日(土・現地時間)、マレーシアはクアラルンプールのアシアタ・アリーナで開催されるONE Fight Night03「Lineker vs Andrade」でONEサブミッショングラップリング世界ライト級王座決定戦が組まれ、ケイド・ルオトロがウアリ・クルジェフと対戦する。

ケイドといえば9月に行われたADCC2022の77キロ級で4試合連続一本勝ちを飾り、19歳9カ月という最年少ADCC世界王者に輝いたばかり。今、最も注目されているグラップラーだ。

ADCCは前半がサブオンリー、後半からポイントという特殊なルールセットとなっているが、ONEはケージ使用のサブオンリーで極めが重視される。とはいえ、先のライト級王座決定戦=マイキー・ムスメシ✖クレベル・ソウザ戦のようにテイクダウンの攻防はスルーできるルールになっている。投げ、抑え、スクランブルというのはグラップリング競技の醍醐味の一つであり、ADCCでも勝負の行方を分けるキー・ファクターであった。

ルールの違いが、試合展開の違いを生むのは当然。それでもケイドの唯一無二のゴールは対戦相手を仕留めること。ルールによってプロセスが変化するが、ケイド自身はサンビストであり柔道家のクルジェフとの対戦を楽しみにしている。その理由こそ、グラップリングを見る側にとっても楽しめる要素となっている。

グラップリング=Do Sportsという壁を破るべき、世界最高のグラップラーの組み技、柔術論に注視してほしい。


──ADCCで世界一に輝いたグラップラーの多くが、暫らくは競技会から離れるかと思いますが(※88キロ級優勝のジャンカルロ・ボドニは10月23日開催のEBI=エディ・ブラボー・インビテーショナルに出場)、ケイドは10月23日にクアランプールで、ONEチャンピオンシップのサークルケージでサブミッショングラップリング世界ライト級王座を賭けてウアリ・クルジェフと対戦します。

「今回の対戦相手はサンボと柔道出身で、上半身への攻めが強力だ。うん、凄く楽しみだよ。サンビストはテイクダウンが強くて、レッグロックに秀でている。興味深いよ。テイクダウンとレッグロックって、ADCCのメイン・スタイルだからね」

──確かにその通りですね。

「ADCCにレスリングは必須だよ。レスリングを避けているようでは、絶対に勝てない。でもADCCに出ているレスラーの弱点はレッグロックなんだよ。サンビストは違うだろう? テイクダウンもレッグロックも強いクルジェフと、僕の戦いがどうなるのか。想像するだけでも、ワクワクしてくるよ」

──ムエタイやキックボクシング、MMAを見に来ているファンの前でのサブオンリーファイト、観客を満足させることを意識するとタップを奪うことが絶対です。そのような戦いを心掛けることで、ケイドはサブミッション・ファイターとして進化するのでしょうか。

「イエス、絶対的にね。ONEでの試合はサブミッションにフォーカスしている。ただし前回のシンヤ・アオキとの試合は、そこを意識する余りにミスが多かった。サブミッションを仕掛けすぎると、対戦相手のディフェンスへの意識は高まる。だから、あの試合は極めそこなってしまったんだ。僕はサブミッションに気持ちがいき過ぎていた。フィニッシュすることが、自分の役目だと思っていたんだ。決して僕自身のためじゃなくて、柔術のために必要だと考え過ぎていた」

──柔術のために? それはどういうことでしょうか。

「柔術は普及にもの凄く時間が掛かるスポーツだ。普通の人が視て楽しむことは、とても難しい。世界最高峰の黒帯の世界大会で、どれだけ退屈な試合が続くか。一般の人が見たら、10分間何も動きがない。ずっと同じことをしていると思われる。それが柔術の最高峰の戦いなんだ。

でもONEで戦う時はムエタイやMMAというエキサイティングなマーシャルアーツと見比べられる状況にあることを忘れてはいけない。だからこそ、次の試合でも必ずフィニッシュを狙うよ」

──観客がエキサイトするのは、サブオンリーかポイント制か、議論の余地があるかと思います。サブミッション決着は、ファンの求めるところでしょう。ただポイントがあれば、どちらが優勢なのか可視化できるという良さもあります。それにサブオンリーでは引き込みにより、テイクダウンの攻防がなくなることも多いです。

「テイクダウンの攻防がなくなるのは、僕の戦い方じゃない。僕はテイクダウンして、パス。そしてサブミットする。誰と対戦しても戦い方は変わらないよ。作戦も同じだ。テイクダウンが強い相手とレスリングで勝負する。そういう風に戦うことが、エキサイティングなんだ。そして素早くサブミッションを仕掛ける。もちろん、上手くいくかどうかは分からない。でも、僕のゴールは常にサブミッションだよ」

──柔術はポイントを取れば守って勝てます。ケイドは優勢でも、フィニッシュを狙うのですね。

「柔術ではサブミッションの前のポジションが重視される。そこがちょっと僕と違うところで。僕はポジションよりも、先にサブミッションを仕掛ける。ポジショニングを重視過ぎると、その先にあるサブミットするという意識が希薄になるからね。そして、守りのファイトになってしまう。

同様にサブミッションを意識し過ぎると、さっきも言ったように、相手が防御一辺倒になってしまって結果的には、エキサイティングな試合にならない」

──やはりグラップリングを観賞用スポーツとするのはハードルが高そうです。

「結果としてサブミットすれば良いんだよ。ただし、一つの技にトライしてタップを奪えないなら、違う技を仕掛けなければならない。ADCCでもノーポイントの時間帯からテイクダウンを取ってフィニッシュを狙った。でも一本を奪えないなら、ガードを取っても構わない。一つの技に拘ると、ポイント制だろうがサブオンリーだろうが、退屈な試合になってしまうんだ。

ミカ(ガルバォン)のガードからのアタックは同じことが繰り返されて退屈な試合になってしまう。僕はそういう戦いはしない。ミカがガードに固執すると、エキサイティングな試合にはならない。ガードが上手く機能しないなら、レッスルアップしてスタンドでレスリングをすれば良い。そういう風に戦い方を変えることで、グラップリングはエキサイティングなスポーツとして普及できるよ」

※ADCCを制した4試合、ステロイド・フリーの大会で「ナチュラルなのは僕とタイ(ルオトロ)、ロベルト・ヒメネスの3人だけ」(※注インタビュー中のケイドの発言)という爆発力とアイソメトリック・ストレングスの違い。2回戦のヒメネス戦、準決勝のPJ・パーチ戦、そして決勝のミカ・ガルバォン戦とJT・トレス論が聞かれたケイド・ルオトロのインタビューは、10月28日発売のFight & Life#93に掲載されます。

■放送予定
10月1日(土・日本時間)
午前9時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE Fight Night03対戦カード

<ONE世界バンタム級(※65.8キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ジョン・リネケル(ブラジル)
[挑戦者] ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界ライト級王座決定戦/3分5R>
レギン・アーセル(オランダ)
シンサムット・クリンミー(タイ)

<ムエタイ・フライ級ワールドGP決勝戦/3分3R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
シャミル・ガサノフ(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ジャレミー・ミアド(フィリピン)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONEサブミッショングラップリング世界ライト級(※77.1キロ)王座決定戦/12分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
ウアリ・クルジェフ(ロシア)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アミール・ナセリ(イラン)
内藤大樹(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
エイサー・テン・パウ(米国)
メヂ・ザッツプッツ(アルジェリア)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
ノエル・グホンジョン(フランス)

<キックボクシング・ヘビー級ワールドGP補欠戦/3分3R>
ラーデ・オバチッチ(セルビア)
ジヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

ONE162「Zhan vs Di Bella」

2022年10月21日(金・現地時間)
マレーシア クアラルンプール
アシアタ・アリーナ
ONE162「Zhan vs Di Bella」

■放送予定
10月21日(金・日本時間)
午後8時~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ) 選手権試合/3分5R>
チャン・ペイミエン(中国)
ジョン・ディベラ(カナダ)

<キック・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
イスラム・ムルタザエフ(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
ウインジソン・ハモス(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)
ムハマド・ブゥタサ(オランダ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジミー・ビエノ(フランス)
ニクラス・ラーセン(デンマーク)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
レアンドロ・イッサ(ブラジル)
アルテム・ビュラク(ロシア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)
ヨッカイカー・フェアテックス(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
チョーファー・トー・センティアノーイ(中国)
デニス・ピューリック(ボスニアヘルツェゴビナ)

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【ONE159】修斗王座返上→ボカン戦へ、箕輪ひろば「また僕らのようなトータルファイターの時代が来る」

【写真】全く揺るぎないMMAアイデンティティを持つ箕輪だった(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE159「De Ridder vs Bigdash」で箕輪ひろばがボカン・マスンヤネと戦う。

17日のサステイン後楽園ホール大会で世界ストロー級王座を返上したことが明らかとなった箕輪。キッズ修斗の普及をライフワークとする修斗LOVEにその心境を尋ね、改めてジャレッド・ブルックス戦の敗北と、ボカンとの一戦について話を訊いた。

そして箕輪ひろばは何があろうが、トータルファイトで世界一を目指すMMAファイターであることが再確認できた。


──日曜日の修斗でストロー級王座の返上が発表されました。

「返上することは、今回のマスンヤネ戦のオファーが来るまで考えていなかったです。正直、5月の後楽園ホール大会で防衛をしたいと思っていましたし。僕はONEで戦って修斗でも防衛戦を戦っていきたいという考え方だったので。修斗サイドは『そういう意志があるなら待つよ』ということでしたけど、ONEサイドは『まだブルックスに1度負けただけ。若い、これからの選手という意味合いでオファーを続けたい』と。修斗の防衛戦よりも、ONEを優先してほしいということでした」

──暗にタイトル戦線のトラックにいるのだから、修斗でリスクのある試合はしないでくれ。そういうことですね、ONEとすれば。ある意味、当然だといえます。特にパートナーシップは解消され、しかもパートナーシップが結ばれている時からグレーゾーンのある感じでしたしね。

「そこを確認していなかった僕が悪いんですけど……。僕は感情で動くから修斗のベルトも返上したくないし、ONEでも戦い続けたい。そういう我儘な意見を出させてもらいました。ただ僕の師匠である阿部(直之STF会長)さんは、マネージメントとしての判断として、どちらかに絞るべきだと。そのなかで『キッズたちの手本になりたくて戦っているのに、世界で戦えている状況でその道を閉ざす活動をして良いのか』と考えるようになりました。

なら自分の意志にはそぐわないかもしれないですけど、次に出てくる選手たちの気持ちもあると思うので──返上させてもらうという風に伝えさせてもらいました。でも発表はこの試合後だと思っていました(笑)」

──ではもう箕輪選手は修斗のベルトを持っていないのですね。

「僕がシンガポールに来る時までは家にありましたけど、後楽園ホール大会の時にジムの人が持っていったかもしれないです(笑)」

──とはいえMMAファイターとして箕輪選手は修斗の防衛戦をするためにONEという舞台から降りるという選択をすると、伝える側としてはガッカリですし。当然の選択ではないでしょうか。

「そうですね。正直、そういう選択はなかったです」

──そしてONEのタイトル戦線のトラックにいるということは、それだけ期待されているということで良かったとしか思えないです。

「ONEが修斗より良いから残るという風に捉えられると思いますが、僕は最初からジムの先輩の山上(幹臣。元修斗世界ストロー級王者)さんの背中を追っていて、海外で試合をして修斗の王者でもいたいと思い続けてきました。

でも、いつか選択しないといけない時は来ると覚悟していました。現段階では、海外で戦いたかったということです。間違いなくストロー級で世界最高峰なのは、ONEなので」

──ストロー級の選手がONEで戦いたいというのは、UFCで戦いたいというのと同意語ですしね。

「僕はそのつもりです。そして今回、ONEが僕をどういう風に評価してくれているのかも分かったので、まぁ良かったです」

──そんななかジャレッド・ブルックス戦に触れないわけにはいかないです。試合前に申し訳ありません(※取材は19日に行われた)。

「率直に強かったです。これがストロー級ナンバーワンかと思いました。同階級で、あの感じは体感したことはなかったです。フィジカル面も混みで、自分が想定しているよりも全ての面でプロフェッショナルでした。

テイクダウンというイメージがあるなかで、一発当てられてしまって。そこからはパンチなのか、組んでくるのか分からなくなっていました。カットもさせられて自分のなかではどうでもないつもりだったのですが、セコンドから『焦っていた』と指摘されました」

──猿田戦に続く完敗かと。

「猿田選手との試合は、僕が未熟でした。今回のジャレッド・ブルック戦は相手が1枚も2枚も上手でした」

──そのなか期待の表れが、ボカン・マスンヤネという厳しい相手が用意されました。

「前回負けているので、偉そうなことを言えないのですが、そう思われていることが申し訳ないです。ボカンが厳しいと思われるというのは、僕の力不足でした。実は1月の試合はもともとボカンと戦う予定だったのが、彼がシンガポールに来られないという状態だったのでジャレッド・ブルックスと戦うことになりました。

ただボカンも4月にブルックスに負けたから、どちらも一度下位の選手と戦ってからになるのかとは思っていました。だから5月の終わりに、ボカンとのオファーを貰った時は少し意外でしたね」

──ボカンにも尋ねたのですが、キッズから修斗を戦ってきた箕輪選手も含め、MMAから本格的に格闘技を始めた選手は打と倒と極の回転、融合で勝つということを良く口にします。その一方で、それこそボカンにとってのレスリングのように強いベースがある選手も打撃、柔術と穴を埋めて戦うウェルラウンダーです。そして現状、後者の方が優位に立っているようにも思えます。

「僕は完全に時代だと思います。柔術、レスリング、打撃が強い時代があって、僕らのようなトータルファイトが強い時代もありました。そこがまた一点集中型&+αの時代になっただけなので、僕らがまた平均値を上げて一点集中型+αに勝つようになるしかない。一点集中型はそれでは通用しなくなったので、+αが必要になったわけで。また僕らの時代が来る……来させないといけないです。それを僕らがやらないと。

それに一点集中型って、結局+αにしかなれないです」

──というのは?

「3点を強くするのは無理です。所詮一点集中に+αでは、2点まで。でも僕らバックボーンのない選手はMMAそのものを強くできる。一点集中型に勝つには、より強い一点集中型か、平均値を高くするかの2通りで。120点+60点+20点で200点に勝つには、130+60点+20点で210点にするよりも、70点✖3で210点にする僕らの方が早いです。

僕らは能力を伸ばすことができる部分が、それだけ残っている。でも一点集中型は、得意な部分を伸ばすことはもう難しいです。その集中している部分を削って、他に力を注げるなら強くなれるでしょうけど、そうでないとなかなか伸びない。120点あるものを121点、122点にするのは難しいです。70点が3つある人間が、それぞれを71点、72点にする方が早いです」

──面白いです!! そのためにブルックス戦のあとに何をしてきましたか。

「全体的な強化ですね。トータル面で負けたことは間違いないですけど、やってきたことは間違っていないと思いました。あの敗戦後は、寝技という部分ではTRI.Hスタジオで週に1度、上久保周哉選手や和田竜光選手と練習させてもらうようになりました。

2人とも凄く強いです。上手い寝技の選手はいますけど、上久保さんと和田選手は確実に強い寝技の選手です。チンチンされます。1階級や2階級上なら、寝技では何とかなると思っていました。でも、チンチンされました」

──石井逸人選手も、東京に来て2人の組み技の強さに驚いたと言っていました。極められまくったと。

「僕も逸人君も、どちらかと言うと上手い寝技をやっていたんだと思います。和田さんとか上久保選手は強い方に割り振っています。だから正直をいえば、練習をしていても面白くはないです。2人の動きにひたすらはめられている作業を繰り返しているので……自分が何をしているという風にはならない。

でも、2人と練習させてもらっていると確実に強くなれます。チンチンされたことを、ジムに戻ってどう防ぐことができるのかを試すことで。正直、前回の敗戦から今回までで……チンチンにされなくなったことはないのですが、チンチンのされ方が変わりました」

──アハハハ。良い表現です。

「チンチンさんにされて、自分にどんな穴があるのか分かります。何よりも僕のなかで上久保さんと和田選手は苦手なタイプなんです。アレックス・シウバの方が戦いやすいグラップリングで」

──なんとなく分かります。アレックスの場合は動けるので、より早く反応すれば箕輪選手のファイトになるということですね。でも上久保選手と和田選手は、タイトで動けなくしてくる。結果、2選手との練習がボカン対策になっていませんか。

「ブルックスに負けたので、ブルックス対策だったのですが、ボカン対策にも勿論なっています。ガッチリ来るタイプなので、上久保さんと和田選手との練習は本当に大きいです」

──シューターにこういうのはどうかと思うのですが、ハイブリッドレスリングにならないわけですね。

「ハイ。上久保さんが『全部、最先端の技術を使う必要はない』と言っていて。凄く参考になりました。最先端を知ることは間違っていないですけど、強さを追求するのとは違うと思います。やっぱり自分の強さを伸ばさないといけないので。何もブルックスにコントロールされたからといって、そこから下からの仕掛けで強くなる選手を目指すわけではないですし。そういうことじゃないっていうのを、明確に教えてもらえました」

──では改めて、ボカン戦への決意のほどをお願いします。

「前回の試合では期待を裏切ってしまったので、今回は信用を取り戻すまでには至らないかもしれないですが、もう1度見直してもらえるような試合にはしたいと思っています。最低で勝ち、そろそろ判定の泥試合でなくて、KOや一本が見たいはずなのでKO、一本を取りに行こうかと思います」

■放送予定
7月22日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

■ ONE159対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ONE Super Seriesムエタイ暫定世界女子アトム級王座決定戦/3分5R>
ジャネット・トッド(米国)
ララ・フェルナンデス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
箕輪ひろば(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ツオロンチャアシー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタワット(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シムサット・クリンミー(タイ)
リアム・ノーラン(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリエル・セクストン(コスタリカ)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジン・テホ(韓国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
セバー・バノ(インド)

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ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o ONE ONE159 アレックス・シウバ ジャレッド・ブルックス ジョシュア・パシオ ジン・テホ ダニエル・ウィリアムス チャンネル ボカン・マスンヤネ ライニア・デリダー リト・アディワン ヴァウミール・ダ・シウバ 箕輪ひろば

【ONE159】箕輪ひろばと再起戦対決、ボカン・マスンヤネ「ミノワはタイトル挑戦までの通過点でしかない」

【写真】終始、絶対の自信が伺えたボカン・マスンヤネ(C)BELLATOR

22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE159「De Ridder vs Bigdash」でボカン・マスンヤネが日本の箕輪ひろばと対戦する。

4月にジャレッド・ブルックスとの注目の一番を初回で落としたボカンは、再起を賭けて箕輪と戦う。その一戦を前に、心境を尋ねると──ブルックス戦前と変わらぬ自分の言葉が聞かれた。


──箕輪ひろば戦を金曜日に控えていますが、ジャレッド・ブルックス戦に関してまずは話を聞かせてください。

「どれだけしっかりと準備をしても、一つのミステイクでああなる。それがMMAということだね。何度も試合を見なおした。それ以外の部分で正しく動いていても、その1つのミスで全てが変わる。そういう試合だった。

ジャレッド・ブルックスはすぐに僕のバックを取った。とてもスマートな入り方だったよ。結局、そこからエスケープできずに終わってしまった」

──それがMMAですね。あの結果が何もボカンとジャレッドの力の差だとは思っていないです。と同時に、その一つのミステイクとは何だったのでしょうか。

「クリンチからヒザを狙った時に、投げを仕掛けられた。そこを耐えようとしたところでバックに回られた。あのとき、自分からテイクダウンにいくかと思いつつ、少し時間を置いてしまったんだ。その一瞬の迷いが、テイクダウンには入れず中途半端な態勢になり、バックを許してしまった」

──すぐに組んでくると思っていましたか。

「そうなることもあると準備はしていたよ。普段はもっと打撃を見せてからテイクダウンを狙うけど、僕のレスリング能力の高さを考えると、中途半端な打撃をすると命取りになる。だから、すぐに近づいてくるだろうとは思っていた。ただし、今言ったように僕はミスを犯してしまった」

──実際に初回で敗れましたが、仮にあの局面でならないと試合がどうなったのかという見方ができます。そこが箕輪選手のジャレッドとの試合の違いで。✖ジャレッド・ブルックスでボカンと箕輪選手を考えると、箕輪選手が不利だと思ってしまう要因もソコにあるかと。

「ジャレッドは完全にミノワをドミネイトしていたからね。彼はジャレッドのテイクダウンとトップコントロールに対応できていなかった。そして、僕のトップコントロールはジャレッド・ブルックスより上だ。今は説得力に欠けるかもしれないけど、テイクダウンもコントロールも僕の方が優れていることを今回の試合で証明するつもりだよ。

ミノワはリト・アディワン戦とアレックス・シウバ戦を見る限り、サブミッションからのエスケープは心得ているようだけど、ブルックス戦と同じように僕のテイクダウンやコントロールに抵抗できないだろう。あの試合以上に、もがき苦しむことになるに違いない」

──そこまで自信があってなお、気を付けないといけない攻撃がありますか。

「もちろんだ。右のパンチとヒザが良いよ。でも正直、それほど怖くない。打撃でも僕の方が速くて重いから」

──ところでMMAから格闘技を始めた選手は、万遍なく戦えてウェルラウンダー振りが武器になるとよく口にします。その一方で、何か一つ強いベースを持っている選手が穴を埋めて戦うと、タイプの違うウェルラウンダー対決となりベースのある選手の方が今は優勢のように思えます。その辺りはどのように考えていますか。

「その通りだと思うよ。MMA界を見渡してみても、レスリングが支配している。ウェルラウンドだと言っているファイターは、そのレスリング力に屈しているんだよ。そして、僕のレスリング力はミノワを勝つために、十分な力があると自信を持っているよ。

逆にいえば、自信しかないよ。体力、運動能力、敏捷性、あらゆる局面において対応力で僕は彼を上回っている。自分が世界チャンピオンになるに相応しい能力の持ち主だと自信を持っている。そして、その自分の優秀性を武器に戦うのがMMAであって、僕はそうやって戦ってきた。自分がベストだと示すために、最強の相手と戦いたい。ミノワはタイトル挑戦権を手にするための通過点でしかない」

──その世界戦、王者ジョシュア・パシオ✖挑戦者ジャレッド・ブルックス戦が延期されました。

「驚いたよ。もし、確定しないならミノワに勝った僕に挑戦権が回ってくるかもしれない。準備もできている。そういう意味でも、今回の試合はちゃんと勝たないといけないと思っている」

──近いうちに実現するとすれば、どちらが勝つと予想していますか。

「正直に言えばジャレッド・ブルックスだ。やはりレスリング力が違う。ジョシュア・パシオは打撃こそ素晴らしいけど、厳しい戦いになるだろう。勝つのはジャレッド・ブルックスだ」

──つまりブルックスとの再戦は、世界戦になるということですね。

「そのつもりだよ。いつでも戦える。ミノワ戦を終えれば、僕にタイトルショットの機会が巡って来ることを期待している」

──では最後に日本のファンに一言、お願いします。

「皆の応援にいつも感謝している。今も日本のファンの皆から、メッセージが届くんだ。本当に嬉しいよ。前回の試合は自分のやるべきことができなかったから、自分が力を発揮して皆に喜んでもらえる試合を戦い続けようと思う」

■放送予定
7月22日(金・日本時間)
午後7時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後7時30分~ONE Supper App

■ ONE159対戦カード

<ONE世界ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] ライニア・デリダー(オランダ)
[挑戦者] ヴィタリー・ビクダシュ(ロシア)

<ONE Super Seriesムエタイ暫定世界女子アトム級王座決定戦/3分5R>
ジャネット・トッド(米国)
ララ・フェルナンデス(スペイン)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
箕輪ひろば(日本)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ムアンタイ・PK・センチャイ(タイ)
ウラジミール・クズミン(ロシア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ツオロンチャアシー(中国)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ジョー・ナタワット(タイ)
ジャマル・ユスポフ(ロシア)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シムサット・クリンミー(タイ)
リアム・ノーラン(中国)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリエル・セクストン(コスタリカ)
マラット・ガフロフ(ロシア)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ヴァウミール・ダ・シウバ(ブラジル)
ジン・テホ(韓国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リー・ビヴィンス(米国)
セバー・バノ(インド)

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DEEP F1 MMA o ONE ONE Championship ONE158   アレックス・シウバ カイラット・アクメトフ キック クォン・ウォンイル シェ・ウェイ ジェネリン・オルシム ジュリー・メザバルバ ボクシング マーカス・アルメイダ ヨッカイカー・フェアテックス リース・マクラーレン 和田竜光

『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』試合結果/ハイライト動画


第13試合 メインイベント ムエタイ フェザー級 3分3R
○タワンチャイ・PKセンチャイ(5位)
×ニコラス・ラーセン
2R 1’42” KO (左ストレート)
※タワンチャイがムエタイフェザー級・ペットモラコット・ペッティンディーアカデミーへの挑戦権獲得

第12試合 MMA バンタム級 5分3R
×クォン・ウォンイル(2位)
○ファブリシオ・アンドラージ(4位)
1R 1’02” KO (左三日月蹴り)

第11試合 MMA フライ級 5分3R
○リース・マクラーレン(5位)
×シェ・ウェイ
1R 3’42” 裸絞め

第10試合 MMA フライ級 5分3R
○カイラット・アクメトフ(2位、元王者)
×和田竜光(フリー/元DEEPフライ級王者)
判定3-0

第9試合 キックボクシング ヘビー級 3分3R
×ラーデ・オパチッチ
○グート・イノセンテ
1R 2’33” KO (左ボディストレート)

第8試合 MMA ストロー級 5分3R
○アレックス・シウバ(元王者)
×エイドリアン・マティス
1R 3’34” ヒールフック

第7試合 MMA フライ級 5分3R
×ヨッカイカー・フェアテックス
○グルダーシャン・マンガット
判定1-2

第6試合 キックボクシング ライト級 3分3R
×マルワーン・トゥートゥー
○コンスタンティン・ルス
判定0-3

第5試合 MMA ヘビー級 5分3R
○マーカス・アルメイダ
×サイモン・カーソン
1R 2’24” TKO (レフェリーストップ:グラウンドパンチ)

第4試合 MMA ヘビー級 5分3R
○オーディ・デラニー
×メフディー・バルギ
2R 2’22” アームロック

第3試合 MMA ヘビー級 5分3R
×デューク・ディディエ
○ジャスール・ミルザムハメドフ
判定1-2

第2試合 MMA アトム級 5分3R
○ジェネリン・オルシム
×ジュリー・メザバルバ
判定2-1

第1試合 MMA ライト級 5分3R
×キム・キョンロック
○エドソン・マルケス
判定0-3

 ONE Championshipが6月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE 158: Tawanchai vs. Larsen』の試合結果。和田竜光がカイラット・アクメトフに判定負けしています。


 タワンチャイ・PKセンチャイ vs. ニコラス・ラーセン ハイライト動画。


 ファブリシオ・アンドラージ vs. クォン・ウォンイル ハイライト動画。


 リース・マクラーレン vs. シェ・ウェイ ハイライト動画。続きを読む・・・
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【ONE158】アレックス・シウバ、オモプラッタ→ヒザ十字→内ヒールでマテイスから一本勝ち

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
Def.1R3分34秒by ヒールフック
アドリアン・マタイス(インドネシア)

ジャブから右、さらに荒いパンチを続けるマタイスに対し、シウバはテイクダウンを決める。直ぐに立ち上がったマタイスをボディロックで倒したシウバは、ブリッジにマウントを取る。暴れるマタイスは腕十字に立ち上がり、組んでから引き込んだシウバが巴十字へ。ここも腕を抜いたマタイスが、足関節狙いにパンチを落として試合はスタンドへ。

マタイスの跳びヒザに組みつき、テイクダウンもすぐブリッジで下にされたシウバは、ハーフからスイープを決めてマウントの態勢に。ブリッジに自ら下になり腕十字からオモプラッタ、殴られながらヒザ十字に入ったシウバが、内ヒールにスイッチしてタップを奪った。「前回の試合のことがあって、インターネットで色々と言われたけど、僕は皆を尊敬している。グラップリングは僕の長所、テイクダウンして少しでも速く勝ちたかったから。それほど良い試合じゃない。この試合はリマッチとは思っていない。2Rだったんだ」と話したシウバは、5万ドルのボーナス獲得に「5万ドル以上のモノをチャトリからもらっている。それがロイヤリティであり、フレンドシップだ。サンキュー・ボス」と言葉を続けた。


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【ONE158】計量終了 見逃せない『腹えぐり』対決ウォンイル✖アンドラジとシウバの柔術MMA

【写真】腹攻め、ヒザ✖左レバー、サウスポー✖オーソドックス。どのような結末が待っているか、クォン・ウォンイル✖アンドラジ(C)ONE

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158「Tawanchai vs Larsen」の計量及びハイドレーション結果が発表されている。

和田竜光✖カイラット・アクメトフ、リース・マクラーレン✖シェ・ウェイというフライ級、ヘビー級でブシェシャが出場するMMAファイト、バンタム級とストロー級でも楽しみな試合が組まれている。


コメインのバンタム級戦=ファブリシオ・アンドラジとクォン・ウォンイルの一戦はKO決着必至、しかも腹への攻撃がカギを握るマッチアップといる。

2020年7月、コロナ禍のタイ・ドメスティック大会でONEデビューを飾って以来、4連勝中で佐藤将光以外は全てフィニッシュ勝利のアンドラジ。対するクォン・ウォンイルは、その佐藤に加えて松嶋こよみ、そして今成正和と日本人選手には3タテを食らいながら、それ以外の6試合は全てKO勝ちを収めている。

クォン・ウォイルは現在3連勝中で直近の試合では昨年12月に元ONE世界バンタム級王者のケビン・ベリンゴンを左レバーショットでKO、ブルーノ・プッチとチェン・ルイを合わせた3者を左ボディ、もしくは左ボディを効かせて右ストレート問う流れで仕留めてきた。

対してアンドラジはテンカオだ。ハードパンチャーのリー・カイウェンには腹への左ヒザを効かせて、ハイキックから連打でレフェリーストップ、ジャレミー・ピカティウには右ストレートに左ヒザを合わせて一発KOを決めた。

両者ともエグイ腹攻めを見せているが、クォン・ウォンイルが3連続KOをしてきた選手は全てオーソドックで、今夜の相手のアンドラジはサウスポーで蹴り技を使うことを忘れてはならない。

テンカオだけでなく、左右の前蹴りを三日月気味に入れることができるアンドラジは、オーソの相手に対し左ボディも打ち込める。対して、クォン・ウォンイルはほぼ右ボディは見せていない。もちろん、それは相手がオーソドックスだったからでもあるが、やはり両者の相性を考えると蹴りを自在に使うアンドラジに分があるか。

そのうえでクォン・ウォイルの特徴として、フィニッシュは近距離のボクシングという共通点があるが、そこに至るまでの過程では、ダブルレッグからテイクダウンをしてグラウンドで削るケースや、蹴りを多く使う場合もあることが挙げられる。

つまり最終的にはボクシングの距離で戦うが、それまでには対戦相手に応じて臨機応変に組み立てることができるということだ。組みや寝技に関しては、彼よりも能力の劣る相手に使う限定バージョンであることは想像できるが、アンドラジを相手に蹴りを織り交ぜて、そのまま重心が変わることなくボディショットばかりか、顔面へのパンチを決めることができれば4連続KO勝ちも十分にあり得る──クォン・ウォンイルだ。

一方、タイトル挑戦が現実のモノとなっているアンドラジは、相手の得意とする打撃で勝ちに行くのか。あるいはムエタイ流のバックテイクから今やノヴァウニオンで学ぶグラップリングを披露するのか。その辺りも気になる試合といえる。

グラップリングという観点では、メインカード1試合目に出場するスロトー級のベテラン=アレックス・シウバが面白い。3月に2RKO負けを喫したアドリアン・マタイスとの再戦だが、デミアン・マイアが身を引いた今、MMAでブラジリアン柔術──いやガードワークの妙技を駆使するという点で、シウバはUFCフライ級のアラン・ナシメントと並んで双璧といえる。

かつては下からの腕十字こそ絶対的に強さを持っていたが、そこを凌がれるとじり貧になっていたシウバは、今や絶妙なリバーサルを駆使し、スクランンブルと柔術を合体させたうえで一本勝ちもコントロール勝ちもできるスタイルを構築してきた。

特にハーフガード&アンダーフックからのレッスルアップ&テイクダウン、ハーフバタフライ&ギロチンからのスイープは見事の一言だ。ここに腕十字という伝家の宝刀をシウバは融合させた。ストロー級最年長のチームメイト=デェダムロン・ソーアミュアイシルチョーク引退後、39歳の元世界チャンピオンの柔術MMAをしっかりと目に焼き付けておきたい。

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

■ONE158計量&ハイドレーション結果

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.08キロ/ 1. 0091
ニクラス・ラーセン:69.85キロ/ 1. 0083

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ:65.77キロ/ 1. 0248
クォン・ウォンイル:65.09キロ/ 1. 0044

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン:60.78キロ/ 1. 0107
シェ・ウェイ:キロ60.89/ 1. 0040

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ:61.0キロ/ 1. 0061
和田竜光:61.0キロ/ 1. 0053

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチッチ:111.92キロ/ 1. 0040
グト・イノセンチ:119.52キロ/ 1. 0057

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ:56.7キロ/ 1. 0244
アドリアン・マタイス:56.47キロ/ 1. 0214

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ヨッカイカー・フェアテックス:61.0キロ/ 1. 0091
グルダージャン・マンガット:61.0キロ/ 1. 0229

<キック・ライト級/3分3R>
マルワーン・トゥートゥー:77.11キロ/ 1. 0244
コンスタンティン・ルス:76.54キロ/ 1. 0103

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ:115.43キロ/ 1. 0099
サイモン・カーソン:105.46キロ/ 1. 0014

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
オーディ・デラニー:117.82キロ/ 1. 0036
メフディー・バルギ:115.09キロ/ 1. 0244

<ヘビー級(※120.2キロ)/5分3R>
デューク・ディディエ:105.57キロ/ 1. 0036
ジャスール・ミルザムハメドフ:118.38キロ/ 1. 0152

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ジェネリン・オルシム:52.05キロ/ 1. 0140
ジュリー・メザバルバ:52.05キロ/ 1. 0009

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
キム・ギョンロ:76.99キロ/ 1. 0152
エジソン・マルケス:76.88キロ/ 1. 0120

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【ONE158】アクメトフ戦前の和田竜光―02―「コントロールの有効性と凄さをケイドの試合で認めた」

【写真】ONEのグラップリング路線強化に関して、MMAに好影響が出ることを文句のつけようがなく論じた和田 (C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158でカイラット・アクメトフと戦う和田竜光インタビュー後編。

MMAにおいて、明白に打撃に比重を置いているONEにあって今春からグラップリングに力が入れられるようになった。その現状を和田は、MMAに好影響が出るのではないかと期待していた。

アクメトフとの大一番を前に、ここでは和田の論客振りを実感してほしい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


J-MMAファンの目が翌週のRoad to UFCに集中するなか、同じシンガポールで日本を代表するフライ級ファイターが28勝2敗、難攻不落のアクメトフと相対する。MMAならでは、その妙が幾重にも折り重なるような高度かつ心身ともにタフな一戦に向かう和田の心境とは。


──そんななかONE X以降、ONEはキック&ムエタイばかりかグラップリングへ相当に力が入っており、MMAはどうなっているんだ……という印象があります。

「今回もムエタイがメインですよね……」

──ケージでMMAは今やスタンダードで、目新しくない。特徴として立ち技や組み技があることでONEの存在感を強調しているのか……。そんななか今大会で和田選手の試合に加えて、ブシェシャやファブシリオ・アンドラジが出て、マクラーレンもいてアレックス・シウバやヨッカイカーも出場しています。MMA勢にインパクトを残して欲しいところです。

「グラップリングに力を入れることは、僕は『おっ、良いじゃん』ってなりました。そうするとグラップリングのことをしっかりと判断できる人間がONEに増えるということでしょうし、ファンも組み技が何かを理解できる環境が整う。

テイクダウンをする大変さが理解できるようになってくるんじゃないかと。そんなことはないかもしれないけど、勝手に期待しています(笑)。そういう風にプラスに思っています」

──おおっ、そういう捉え方をしましたか!!

「ONEはムエタイをメインにしておけば良いという考えの人が多いから、MMAでも打撃への比重が高い。グラップリングに力を入れるなら、グラップリングへの評価が高まるかなって安直な考えです(笑)。

テイクダウンって大変じゃん。コントロールするって、凄いなぁって。ケイド・ルオトロが青木さんから一本は取っていないけど『ポジションを取ったことを評価したよね?』って。それで評価したけど、MMAだと極めていないと評価しないですよね。テイクダウンしただけでダメージは与えてない。でも、それを評価したということは、その有効性を理解しているということになるんで。

だからグラップリングが盛んになることで、MMAの評価も変ってくれればと」

──和田竜光流ONEの風刺ですね。いや、本当にそこに一貫性があれば日本のファンからもキレーごとと捉えられることもなくなって、ONEへの理解が深まると思います。

「しっかりとコントロールすることで、極めに通じるわけですし」

──別に休んでいるわけじゃないのに、「Go to Finish」はないだろうと。

「ハイ、その有効性と凄さをケイド・ルオトロの試合で認めたじゃないかって。MMAもそう思いませんか?とは言いたいです。グラップリングに力を入れるということは、そういうことでしょって。

あれだけグラップリングの価値を同じ大会のなかで見出して、MMAになるとその攻防への評価がないって、それは変だって思わないですか?ってなりますよね。ムエタイやキックで評価するところをMMAで評価しているんだったら、グラップリングで評価するところをMMAで評価してくれないとおかしい。ケイド・ルオトロと青木選手の試合を視て思いました。それで変わるか変わらないかは分からないですけど、そうなってくれれば良いなと思います」

──理論武装として100点です。そうでないとONEはそれぞれの競技に順位付けをしていることになります。バックコントロール、バックグラブを続けるのって楽じゃないんだぞってことですよね。

「ハイ。そう思います。本当にそうッスよ。それこそ、おたつロックなんてやっていますけど、アレ、足が疲れるんですよ。疲れた様子なんて見せないようにしていますけど(笑)。逃げる相手をコントロールするって大変で。もちろん、逃げようとする相手も大変で。それをパンチを一発も当ててないから評価しないと言われるのは……それがONEだとは理解しているんですけどね。

以前、ルールミーティングで『開始直後に一発パンチを当てられた方が、ダウンもせず10秒の時点でテイクダウンをする。そのまま抑え込み続けた。一発もパウンドを当ててない。でも4分50秒間抑えていた。どっちが勝ちますか』と質問したことがあります。そうしたら『パンチを当てた方が勝つ』という返答でした。

『あっ、なるほどね。本当にそういう判断なんだ』と分かりました。ONEとはそういう大会ですねと思って……」

──違うやんという裁定も時々ある(笑)。

「アハハハ。そうなんです。でも4分50秒間抑え込んで、削っている選手を支持するジャッジも絶対に出てくる。俺はそう思っています。ダウンじゃないですからね。結局はジャッジの主観だから、統一はできない。それでも、ONEとは一発のパンチなんだという認識でいます。ただしグラップリングを同時に組んで、コントロールを攻めと評価するならMMAも変ってくれないかなと」

──同時にグラップリングも動き続けないとイエローという北米グラップリング大会にはないシステムもあるのがONE流ですね。格闘技のルール、質は見る目によって変わってくると思います。

「あぁ……」

──寝技は面白くないよ、殴り合えって言うファンが多いと……やはりそうなる。だから主催者はお客さんの目でレギュレーションを固めていくと思っています。

「プロモーターは、お客さんが凄いと思うところを欲しがるのは確かですね。だからこそ、グラップリングの導入でONEのファンの組み技を見る目が変わってくれれば……ということになりますね。

ONEで組まれているグラップリングは相当にレベルが高いです。前回大会はMMAは少なかったけど、あの組み技の試合を視てグラップリングがONEで盛り上がることは、MMAにとっても良いことだと思いました」

──その影響はまだ出ないであろう今大会ですが、改めてカイラット・アクメトフ戦を戦ううえで、どのような意気込みでいるかをお願いします。

「シンプルに僕よりランクが上の選手ですし、僕が記録上は負けた選手に勝っている選手なのでやっぱり強いです。強いと思ったうえで挑むことができるので、ビックリすることはない。パンチを被弾し、テイクダウンを取られることもあるだろうけど、リカバリーして反撃に転じる場面を創って……向うにやり辛いと思わせる。その結果、ぐずぐずでも勝つ。それがプラン……ではなくて、イメージできています」

──強い相手を倒す、和田竜光。ひたすら期待しています。そのうえでJ-MMA界の目が、翌週に集中しているとは感じませんか。

「Road to UFCですね(笑)。UFCはUFCで素晴らしいです。ONEと契約しているけど、UFCが一番凄い大会で僕も出られるなら出たいです。ただし、やっていることは……ことフライ級に関していえば勝負できる選手はいると思っています。劣っているわけじゃない。

佑弥が行っても活躍できると思います。俺が行っても、それなりに活躍できる。アドリアーノが行ったら、チャンピオンになれるかもしれない。DJだって当然通用する。層でいうと違いはあっても、上の方の質でいえば同じで。やっていることは全然負けていない。

現にもう、古い話ですけど僕はカイ・カラフランスとやっていますし。世界チャンピオンになって、どんどん俺の株を上げろって思っています(笑)。だけど、僕と戦った時からカイ・カラフランスが爆発的に成長したわけじゃない。

ビックリするほど強くなっているとは思わないし、だからUFCに対する劣等感はなく、それ以上のことをやっているのでONEも楽しみに見て欲しいです」

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

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【ONE156】難敵、仕切り直しのバラルト戦へ。猿田洋祐「フィニッシュしてフェザーGP開催をアピール!!」

【写真】改めてストロー級でこの身長差は、まずないだろう……と思ってしまう(C)ONE

本日22日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE156「Reloaded」で猿田洋祐がグスタボ・バラルトと対戦する。

本来、両者の試合は2月11日に行われる予定だったが、現地入りした猿田がコロナ陽性となり流れた。王座返り咲きよりも、自身のキャリアをやり切るというマインドになった猿田は、盛り上がるONEストロー級戦線にあって強豪バラルトをフィニッシュし、ストロー級ワールドGPの開催をアピールすると断言した。


──前回インタビューをさせてもらった分が、実はお蔵入りになった状態で猿田洋祐選手インタビューTAKE2となります。2月11日のバラルト戦──オフィシャルの発表前に猿田選手がシンガポールに到着後、検査で陽性になったという情報が入り記事のアップを控えた次第でした。誰もが可能性がある世の中ですが……いやぁ、猿田選手の心境を察すると……。

「シンガポールに行くのに48時間前のPCRテストで陰性証明を取り、シンガポールの空港のPCR検査で陽性でした。まさかでしたね。日本でクリアできれば、試合はできると安心はしていました。検査後にスパーリングはしなかったのですが、ジムで少し動いたので……今回は、もう検査後は自宅で1人でいようと思います。奥さんは子供が生まれて大変なので、シンガポールに出る1週間ほど前から実家に戻っているので(※取材は4月12日行われた)。

あのときは特に症状もなくて擬陽性かなという気持ちもあったのですが、再テストで陰性なら試合はできるので……ずっとホテルの部屋から出られない状況でしたけど、体は動かしていました。体重も創って」

──体重も落としていたのですね。

「ハイ。練習はできなくても、試合はやってやろうと。検査の結果を待って計量はできる状況だったので。試合前日の再テストでも陽性だったので、もう戦うことはできなくなりました」

──ケガがコロナ以外の体調不良なら、試合がなくなると日本に戻れます。

「そこなんですよ。最初の検査から1週間ホテルの部屋から出ることができずに、そこから1週間はホテルの中は移動できましたが、外には出られない。最初の検査から2週間過ぎれば誰かにうつす確率はとても低くなるということでしが、陰性になるまで外に出ることはできなくて」

──いやぁ……辛いです。

「ハイ。試合を終えてすぐに帰国するつもりだったので、PCも持っていなかったですし。ただ部屋から出られるようになってからはセコンドの新井丈とは会えるようになりました」

──新井選手も陽性だったのですね。

「ハイ。だから彼とプールサイドで軽く打ち込みをした時は、久しぶりに人に触れて感動しました(笑)」

──アハハハ、それも分かります。

「2人とも症状がなかったわけですし、ただ僕の方が陰性になったのが1日早くて。自分が先に帰国することになって、いやぁ本当に申し訳なかったです(苦笑)。セコンドに来てくれて17日間ぐらい隔離されてしまったわけで。もう本当にこりごりですね」

──改めて2カ月遅れで対戦することになったバラルトの印象を教えてください。

「グレコの五輪レスラーですから、組み力が強くてテイクダウン能力が高い。背の低さが武器になっています。リーチが短くて打撃の距離も短いのですが、組みがあるので警戒していると右オーバーハンドを持っています。当たらなくても組みにくる。自分の体格を生かした戦い方をする選手だと思います」

──対して猿田選手のすべきことは?

「気を付けないといけないことはたくさんあります。ただ、前回の試合で色々とやろうと戦略を立てて上手くいなかったので、今回は考えずに。もう、たくさんやってきたので。試合では何をやるのかを意識せずに真っ向勝負してやろうと思います。

雑にやるわけじゃないです。時間をかけて、戦略も立ててやってきたので。自然に出るものだろうと思っています。それが出ないようであれば、練習が足らなかったということで。自分を信じて戦います」

──2月に話を伺ったとき、チャンピオン云々より自分をやり切る。そのフェーズに入っているということを猿田選手は言われていました。

「2月との違いは、あれからストロー級の試合がたくさん組まれたことですよね。凄く面白いことになっています。ちょっとずつ、新しい世代やランキングに入っていない選手が強くなってきています。そういう選手たちと戦ってみたいという気持ちが強くなりました。

なので今回勝てば、ストローGPの開催をアピールしたいと思います」

──おお、それは面白いですね!!

「ストロー級GPはONEにしかできないグランプリです。世界中から強い選手が集まって、アレックス・シウバが負けたり、箕輪選手も負けてしまいました。デェダムロンは引退し、1年後には今のランキングが総入れ替えになっている可能性もあります」

──そういうなかで今大会はストロー級の品評会の様相を呈しています。

「他の試合より圧倒的な強さや良いモノを見せることができれば、自分の発言が通る可能性が出てきます。簡単じゃないのは分かっていますけど……彼をKOすることは難しい。そのなかで、しっかりとフィニッシュすれば良いアピールになり、自分の強さを証明することになります。なので、ここでしっかりと勝ってグランプリを戦いたいという気持ちを伝えます」

──その発言、猿田洋祐の最終章宣言のように聞こえます。

「そうですね……それを自分のゴールにしたいという気持ちが強いです。バラルトはアグレッシブな試合をします。激しい試合をしたいのではなく、激しい試合になります」

──本来は気にしないで良い部分ですが、頭突きが怖いです。

「そこは頭を下げて攻めてくることを想定して練習してきたので、頭が試合中に当たることはないと思っています」

■放送予定
4月22日(金・日本時間)
午後5時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時~ONE Supper App

■ONE156対戦カード

<ONEキックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<ONEムエタイ世界女子ストロー級王座決定戦/3分5R>
スミラ・サンデル(スウェーデン)
ジャッキー・ブンタン(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
リアム・ハリソン(英国)
ムアンタイ・PK・センチャイ(豪州)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
ソン・ミンジョン(韓国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
川原波輝(日本)
ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
猿田洋祐(日本)
グスタボ・バラルト(キューバ)

<キック・ライトヘビー級/3分3R>
アンドレイ・ストイカ(ルーマニア)
ヤンニス・ストフォリディス(ギリシャ)

<ムエタイ・女子ストロー級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
マリー・ルーメット(エストニア)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ウインジソン・ハモス(ブラジル)
ウ・ソンフン(韓国)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
ダヤニ・ソウザ(ブラジル)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アブラォン・アモリン(ブラジル)
パク・デソン(韓国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
アギラン・タニ(マレーシア)
ジン・テホ(韓国)

<グラップリング・143ポンド(64.86キロ)契約/15分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
今成正和(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ケアヌ・スッバ(マレーシア)
ジェームス・ヤン(米国)

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『ONE: Lights Out』試合結果/ハイライト動画


▼ONE世界フェザー級(※70.3kg)選手権試合 5分5R
〇タン・リー(米国)王者 69.35kg, 1.0053
[1R 0分56秒 KO] ※パウンド
×ゲイリー・トノン(米国)挑戦者 70.30kg, 1.0095
※タン・リーが王座防衛

▼ONE世界バンタム級(※65.8kg)選手権試合 5分5R
×ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)王者 65.60kg, 1.0144
[2R KO] ※左フック
〇ジョン・リネカー(ブラジル)挑戦者 65.0kg, 1.0087
※リネカーが新王者に

▼第8試合 フェザー級(※70.3kg)5分3R
〇マーチン・ニューイェン(豪州)70.25kg, 1.0152
[3R 2分18秒 TKO]
×キリル・ゴロベッツ(ウクライナ)70.10kg, 1.0018

▼第7試合 キック・ヘビー級 3分3R
イスマエル・ロント(オランダ)123.80kg, 1.0040
イラジ・アジズプール(イラン)119.50kg, 1.0214

▼第6試合 ストロー級(※56.7kg)5分3R
×アレックス・シウバ(ブラジル)56.60kg, 1.0044
[2R 0分05秒 TKO] ※右ストレート→パウンド
〇エイドリアン・マティス(インドネシア)56.60kg, 1.0044

▼第5試合 キック・ストロー級 3分3R
×ジョシュ・トナー(豪州)56.70kg, 1.0248
[2R 2分11秒 KO] ※左フック
〇ジャン・ペイメン(中国)56.20kg, 1.0036

▼第4試合 フライ級(※61.2kg)5分3R
〇エコ・ロニ・サプトラ(インドネシア)61.20kg, 1.0183
[1R 1分34秒 リアネイキドチョーク]
×チャン・ロタナ(カンボジア)61.05kg, 1.0027

▼第3試合 ムエタイ女子ストロー級 3分3R
〇イマン・バーロウ(英国)56.70kg, 1.0009
[1R 1分39秒 TKO] ※右ヒジ
×ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)56.25kg, 1.0195

▼第2試合 ムエタイ 79kg級契約 3分3R
〇リアム・ノーラン(英国)78.85kg, 1.0005
[1R 1分02秒 TKO] ※左ヒザ
×キム・キョンロック(韓国)79.55kg, 1.0160

▼第1試合 キック女子ストロー級 3分3R
〇リン・ホーチン(中国)56.25kg, 1.0124
[判定3-0]
×ミラグロス・ロペス(アルゼンチン)55.45kg, 1.0061


【ONE129】離れ際の打撃が冴えるマーチン・ウェンが、左ボディでゴロベッツの心を折ってTKO勝ち(MMAPLANET)

【ONE129】ビビアーノ陥落――ジョン・リネケルが打ち合いから左フックでKO、世界バンタム級王者に(MMAPLANET)

【ONE129】トノンのヒールフックに右一閃、タン・リーが秒殺KOで世界フェザー級王座を初防衛(MMAPLANET)

 ONE Championshipが3月11日にシンガポール・インドアスタジアムで開催した『ONE: Lights Out』の試合結果。メインイベントのフェザー級タイトルマッチはタン・リーがゲイリー・トノンに1R KO勝ちし王座防衛。セミファイナルのバンタム級タイトルマッチはジョン・リネカーがビビアーノ・フェルナンデスに2R KO勝ちし新チャンピオンとなっています。


 タン・リー vs. ゲイリー・トノン ハイライト動画。


 ビビアーノ・フェルナンデス vs. ジョン・リネカー ハイライト動画。


 マーチン・ニューイェン vs. キリル・ゴロベッツ ハイライト動画。続きを読む・・・
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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。ブルックス✖箕輪ひろば「打・投・極の回転」

【写真】心が折れない、その強さは尊いモノだと思いたいのだが…… (C)ONE

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たジャレッド・ブルックス✖箕輪ひろばとは?!


──ジャレッド・ブルックスに挑んだ箕輪選手が、完敗を喫しました。

「ブルックスは打も組みも、全てにおいて質量が高かったです。向き合った段階で、箕輪選手は腰が引けてしまっていたように見えました。貰う前から引けていた。だから、最初のパンチを貰ったと思います。

腰が入っていない打撃は、相手の攻撃を受けた時にケガをすることが多いです。MMAは打撃でなくても組みが強いと勝てるので、そういう選手が強い打撃を受けてケガをするという例を見てきました。下手でも本気でぶん殴ろうと思うと、質量は上がります。そうすると体の強度も違ってくることもあるんじゃないかと思います。そこは分かっていないですが。

及び腰の打撃を使うぐらいなら、昔のグレイシーのように打撃を打つことを排除して戦った方が良いというぐらいに思います。組みに自信をもっていれば、組めば良い。そこで組まれたくない相手なら質量が下がります。本気で打ちこもうとしてくる相手に、中途半端にキックボクシングをするのは本当に危険です」

──……。

「ブルックスは、レスラーはこう戦いなさいという理想形の試合をしました。基本、余計なことをしないで上を取って殴り続ける。なるべく正確に。そうなると質量が高いままです」

──そこなんです。箕輪選手が敗れたタイミングなので、彼個人のことと思われてしまうかもしれないですが、彼だけでなく……修斗の選手は打・投・極の回転という言葉を口にします。修斗勢でないと総合力ですね。ボクシングとレスリングで対戦相手が上だと予想できた場合、打撃とテイクダウンで遅れを取る選手が打・投・極……あるいは総合力の回転で勝てるのか。そこには疑問を感じてきました。

「なるほど、そういうことですか。打・投・極が回転して勝てるのか、勝てる相手もいますし、勝てない相手もいます。佐山聡先生は修斗の理念と言っていましたね、打・投・極を。理想として存在しています。ただ私の考える格闘技は、全てが結果論です。勝つためにどうすれば良いのか。

つまり打・投・極が回転できなくても、勝てば良いです。それが格闘技です。回転して勝てるのであれば、回転させて勝てば良い。打・投・極の回転は勝つための手段です。打・投・極を回転させることが目的ではありません。修斗は回転させて勝たないといけない競技ということであれば、そうならのでしょうが」

──そういうことではないですよね。裁定基準にしても。

「今回の試合で、ブルックスの何が良かったかというと上体が浮かない状態で、パウンドを打っていたことです。どうしても打とうとすると浮くのが、彼にはない。そして、嫌なところからヒジを打っていました。箕輪選手が立ち上がろうとすると倒しに掛かり。下にいると殴る。あれこそ打倒極の回転ではないかと。立ち上がり際にヒザで顔面を狙うだとか。あの攻撃には唸りました。

そしてラスト30秒になると、ギロチンを狙って引き込む。途中でもRNCも狙っていて、取り切れないと抑えて殴る。ブルックスは勝つために、打倒極を使っていました。それは私があの試合を見た結果、結果論として感じたことです。ブルックス自身は、回転させようと思っていなかったでしょう。勝てば良いので。回転させる必要がなければ、回転せずに戦っていたはずです」

──箕輪選手はリト・アディワン、アレックス・シウバに連勝していたこともあり、ONEでやる力があると……修斗の世界チャンピオンになったからONEで戦うという路線は危険だと感じていた自分は、この2試合でそういう風に思えるようになっていました。

「箕輪選手にとってブルックスは、北米が来た──ということではないでしょうか。何よりアディワンに勝った、シウバに勝った。その勝利がブルックスに勝つことに、どういう法則性があるのか。修斗のチャンピンになったけど、ONEでやれる力があるかどうか分からないという見方は正直で、正しいと思います。強さなんて、分からないです。分かる人にしか。

そういうなかで力を見極めるには、法則性を持ってモノゴトを見る必要があります。組み技に課題がある選手に組み技で勝った。それをAというパターンとして、Aで勝った。対して組み技に強い選手に打撃でいく、Bというパターンでは勝てなかった。Aというパターンで勝てて、Bというパターンで負けたけど、AとBで見られたCということを出せば勝てるのではないか。そういうモノの見方をすることが大切じゃないかと、自分では思っています。だから箕輪選手に関しては、アディワン戦の勝利とシウバ戦の勝利が、ブルックス戦と繋がっていなかったように感じます」

──あれだけ劣勢でも、諦めずに戦い続けた。箕輪選手の頑張りが、これからに繋がって来ることに期待したいです。

「あのう……そういう考えは危険です」

──えっ、どういうことでしょうか。

「体を張って頑張る戦い方は、それで良い相手もいますが、一発で倒されてダメージが残ることもありますからね。箕輪選手は本当に頑張って、心が折れるようなこともなかったです。でも、危ない貰い方をしていたのは確かです」

──その根性が練習で生きるということはないですか。練習で頑張れない選手が、それこそ上のレベルと選手とはやっていけないのではないでしょうか。

「それはそうです。そうなのですが、強い気持ちを創ることを練習する目的にすることはないようにしてほしいです。これは全ての格闘技を戦う選手に言いたいです。

箕輪選手、凄く心の根の良い人間なんだと思います。その良さがあるから、金的を食らってもっと休めば良いのに、早々に試合の再開に応じる。5分間、休みましょうって──人間的に問題のある連中とやってきた自分は思います。良い人も、試合でマイナスに働くなら勝つためには必要ないです。

と同時に最後の最後まで諦めないから、あの急所蹴り以降の箕輪選手の攻めは良かったです。逆にブルックスは、あの急所蹴りの中断で何か途切れた。そうでなくても、2Rからは疲れて失速していましたが、あそこでプッツンと気持ちが途切れ持続しなかったように映りました。

あそこで箕輪選手が自分から打ちに行く打撃ではなくて、合わせる打撃を使っていた。それは試合の序盤も同じでした。結果、腰の引いた打撃だったので後の先を取りに行って、先の先を取られた。ただし最後の20秒は後の先が取れそうでした。それはブルックスに緊張感がもう欠如していたからです。実は間としてブルックスは危なかったです。

だから、攻略の糸口はあります。頑張ろう、ホントは怖いけど何としてもやるんだっていう打撃でなくて、怖いからビビッて打撃をする。その方が良いかもしれないです。ビビっていると、相手は安心から慢心して突っ込んできます。それだって強い相手を攻略する手ですしね。頑張ろう、頑張れる強さがある箕輪選手だからこそ、ネガティブな戦いをしても功を奏することもあるかもしれない。頑張りは立派で、本当に人として大好きになってしまうような選手ですが、戦いは別に弱気を見せても勝てば良いので」

──一生懸命やることは良いことか思うのですが……。

「格闘技を戦ううえで良いかどうか、それは勝つために何をするかです。一生懸命やっている、頑張っている。それは終わってから、周囲がする評価です。これは箕輪選手がそうかは分からないので、私の教え子に対して思うことですが、『頑張った』と振り返るのではなくて『ダメだ。これじゃダメだ』、『まだ穴がある』という気持ちでいてほしいです。それを見た人は『頑張っている』、『努力している』と思いますから」

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