カテゴリー
News UFC UFC249 ドミニク・クルーズ ブログ ヘンリー・セフード

【UFC249】UFC世界バンタム級選手権試合、前哨戦=舌戦はドミニク・クルーズがヘンリー・セフードを完封

Cruz【写真】前哨戦は冷静かつ引き出しの多いドミニクに凱歌が上がった(C)Zuffa/UFC

5日(火・現地時間)、9日(土・現地時間)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催されるUFC249のメディア・カンファレンスコールが行われ、トニー・ファーガソン、ジャスティン・ゲイジー、ヘンリー・セフード、ドミニク・クルーズの4名が出席した。

まずUFC世界バンタム級王座を賭けて戦うヘンリー・セフードとドミニク・クルーズが記者の質問に答える形でカンファレンス・コールは進んだが、セフードの挑発をまるで意に介さず、静かな口調でドミニクが追い込むという流れになった。以下、ドミニクの質疑応答から両者のやりとりを振り返りたい(※要約)。


「肩のリハビリが数カ月かかったけど、しっかりとトレーニングは積んできた。チームメイトのジェレミー・スティーブンスとカルヴィン・ケイターの試合があったから、ジョゼ・アルドの代役になることが決まる2週間前から凄くハードな練習をジェレミーとしていたんだ。こんな状態になっても、1人でいてもしっかりと調整はできるからね。6週間のキャンプをやったようなものだから、5Rを戦うだけの状態は十分に創ってきた。

無観客試合? 静かだってことは珍しい状況だけど、日本で試合をすると多くの観客がいても彼らは黙って試合を見ている。そういう感じで戦えるはずだ。それに今、ジムには人もやって来ないし、最小限の人数でやっている。ジムには最大で6人ぐらいしかいない。だからジムで戦うような感じだし、既にTUFでそういう状況は見てきた。それでもTUFではチームメイトが叫んでいたから状況はまるで同じじゃないけど、まぁ似たようなものだと思う」

「この試合は、僕にとって歴史を創る試合だ。このような状況で五輪金メダリストと戦う価値って何だろうか。今、この国では多くの人がコロナウィルスで亡くなっている。五輪金メダリストと戦う価値を問われても、モハメッド・アリは5年間刑務所に行く覚悟で、平和を願って金メダルを捨てた。僕にとって、この試合はまた違うチャンピオンと戦うというもの。今ベルトを持っている人間より、自分の方が優れていると証明したい。人、それぞれの価値観は違うからね。

3年振りの試合でも、準備を正しく行えば何の問題もない。トレーニングをすることは僕にとって人生の一部だし、ずっとエンジョイしてきた。この状況で初めて開催されるメジャーなスポーツイベントで戦う選手は勝つためにここに来ている。僕も自分がやってきたことを出す。楽しみでならないよ」

このように記者の質問に答えていたドミニクに対し、セフードが割込み「2Rで倒す」と挑発すると「OK、ヘンリー。クールなストーリーだ。すぐに自分が厳しい状況に置かれることが分かるから。言っておくよ、すぐに違いが分かる。本当にすぐに」と返答する。

ここからはセフードがエキサイトしていくも、ドミニクは何を言われても嫌味を返すという展開に。キレ気味のセフードが「お前、コディー・ガーブラントと戦った時にどうなった?」と啖呵を切るや、「そうだ。コディーはお前みたいにイージーじゃないんだよ」とピシャリ。

「お前は異次元のアニマルを知らないんだ」と食い下がるセフードに対し、「ベナビデスとの試合はどうだった? デメトリウスと戦った時は何が起こった?」と返す。「それは4年前だろう?  今は違う」というトリプルCだが、ドミニクは「僕とコディーの試合も3年前だ。もう過ぎたことを話し始めたのは、そっちじゃないか」と完全に理論武装ができている。

「王女様、トライしなよぉ」と趣向を変えて挑発するセフードだったが、「また繰り返しか。同じようなことを言っているだけだ」とクールに反応し、「その通りだ。お前はケガばっかりして、自分で自分を壊しているけどな」と言われても──「肩の手術をしてどうだった? 自分が脆くなったと思うのか? 本当にバカだな、自分に聞いてみると良いよ」と、ドミニクは一度足りともエキサイトすることなく、冷静にセフードを封じ込めた。

結局、ここで進行役が両者を制したが、この前哨戦は明らかにドミニクがイニシアチブを握っており、セフードを翻弄し続けた──といっても過言でない舌戦だった。

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・スティーブンス(米国)
カルヴィン・ケイター(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC249 ニコ・プライス ブログ ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】ニコ・プライス戦へ、ヴィセンチ・ルケ─02─「僕には柔術とルタリーブリもある」

Luque【写真】プライスは変則的ながら、前に出てくるファイター。ここは持ち味発揮の試合となるか。その距離とガードに注目してほしい(C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで行われるUFC249で、ニコ・プライスと対戦するヴィセンチ・ルケ・インタビュー後編。

MMAファイターで数少ない至近距離、ガードを固めたタッチでないキックボクシングMMAを実践するルケは、フロント系のチョークも得意としている。

母国にある2つの土着コンバットスポーツを融合させたヴィセンチ・ルケの特徴だ。こんな時期の試合だからこそ、今戦えることを活かしたいというルケをもっと知って欲しい。

<ヴィセンチ・ルケ インタビューPart.01はコチラから>


──重ねてMMAではあの距離で戦い続ける選手はほとんどいません。

「ダメージのことを心配しているんだろうけど、それほどでもないよ。対戦相手の方がよりダメージを受けている。僕はベストを尽くしてきた」

──「これはMMAだから」というアドバイスもあったかと思います。

「確かにね。ちょっと危険だろうとは言われてきたよ。だかこそ、僕は接近戦ばかりでなく、ちゃんと距離を取って戦うスタイルもトレーニングしてきた。打っては外す。そこも十分にやっているよ。そうすることによって、自分の持つポテンシャルをより発揮できると信じている。特にね……前の試合が終わってから、真剣に取り組むようになったんだ」

──昨年11月にスティーブン・トンプソン戦では、距離を取るトンプソンに対し、詰めていくところでパンチを被弾することが多く、判定負けという結果になりました。

「トンプソンは距離を取るのが本当に上手くて、僕は詰めることができなかった。そして、彼は遠い位置から僕にパンチを当ててきた。距離を取ってくる相手に対し、どう戦うのか。いや、どう接近戦に持ち込むのかが、僕にとって課題になったんだ。だから、どちらの距離でも戦えるように練習を積んできた」

──実際に佐藤選手からは、練習ではできている。『でも試合だと、あの距離で殴り合っているんです』というようなコトを聞きました。

「アハハハ。どうして、そうなっちゃうんだよね。もう少し、頭を使う必要があるね(笑)。本当にトンプソン戦では学ぶべきことが多かった。あの試合から、自分の距離で戦えないなら、我慢する必要があることが理解できた。

自分の戦いができなくなった2R、ただ素早く動いて距離を詰めようとした。そしてトンプソンのカウンターの餌食になってしまった。我慢とフェイントで、相手を前に出せないといけない。成長した姿を試合で見せたいと思う」

──その接近戦ではテイクダウン・ディフェンスが重要です。

「そこはずっと、やってきたよ。ストライカーとして、僕は立って戦いたい。そして相手はテイクダウンを狙ってくることが多い。セハードMMAにはキューバ人のレスリング・コーチがいて、彼との練習でレスリングは以前より強くなったと思う。それに僕には柔術とルタリーブリもある。だから、すぐに姿勢を整えてダースやアナコンダ・チョークの態勢に入れるようにしている。対戦相手は簡単にテイクダウンを仕掛けられないはずだよ」

──アナコンダ・チョーク!! セハードMMAは柔術だけでなく、ルタリーブリも学ぶことができる珍しいジムですね。ヴィセンチがアナコンダで勝った時、これぞルタリーブリの真骨頂だと思いました。

「ルタリーブリは道着がないから、ノーギの蓄積が凄くありMMAに通じる部分が多いんだ。と同時に道着を着て柔術を練習することで、より繊細なテクニックを学ぶことが可能だ。この2つを融合することで、MMAにおける寝技の完成度はより高くなる。それに僕の柔術コーチはルタリーブリを学び、ルタリーブリのコーチは柔術を習っている。だから、セハードMMAでは柔術もルタリーブリも進化し、その両者からより良い寝技を指導してもらえるんだよ」

──まさにMMAですね。柔術✖ルタの抗争が遠い昔のようです。

「そうだよ。今は皆でトレーニングする時代なんだ」

──では、ニコ・プライスの印象を教えてください。2017年10月に戦いダースチョークで一本勝ちしています。

「確かに僕は勝っている。でも、関係ないよ。3年前の僕と今の僕は違う。ニコ・プライスだって、あの時とは違う。初めて戦うつもりだよ。ベストのニコ・プライスになってオクタゴンに上がって欲しい。そして、僕はベストのニコ・プライスに勝つ。とにかくアグレッシブな選手だから、僕も積極的に戦って、カウンターパンチを打ち込んで試合をモノにするよ」

──蹴り上げやボトムからの鉄槌で勝利するという、奇想天外な動きをどのように思っていますか。

「本当に変わっているね。彼がガードを取っても、一瞬たりとも気を抜くことはできない。危険な相手だよ。上を取っても、しっかりとガードを気にしないといけないね。

僕はチャンピオンになるために戦っているし、今はランクも13位だけど今年中にトップ5に入りたい。来年タイトルに挑戦するためにも、このタイミングで試合ができることを活かしたい。

この大会はとても困難な状況で大会は行われる。UFCが安全面に最大の注意を払ってね。ほとんどスポーツ界が動きを止めているなかで、勇気ある判断をしたんだ。だから、僕も試合を視てくれるファンに喜んでもらえるよう戦うよ」

──無観客試合に関しては、何か想うところはありますか。

「皆の声援が力になるから、残念だといえば残念だよ。でも状況に応じるしかないから。ファンがいないなかで試合っていうのは、ちょっとスパ―リングに似た雰囲気になるのかな。とにかく、ベストを尽くすよ」

──ヴィセンチ、今日は本当にありがとうございました。最後に日本のMMAファンに一言お願いします

「今日はインタビューをしてくれて、ありがとう。日本は格闘技の母国だし、ヴィヴィから聞いている素晴らしいファンにいつの日か会いたい。できれば、試合を戦うために日本を訪れたいと思っている。そして日本のことをもっと知りたい。応援ありがとう!」

【Fight Prediction】
Luque Prediction※ヴィセンチ・ルケ✖ニコ・プライスの──4月18日に行われる予定だった時点でも、試合予想はコチラから

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

カテゴリー
News UFC UFC249 アレクセイ・オレイニク アンソニー・ペティス カーラ・エスパルザ グレッグ・ハーディー サム・アルヴィー ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク ジャスティン・ゲイジー チャールズ・ロサ トニー・ファーガソン ドナルド・セラーニ ドミニク・クルーズ ニコ・プライス ファブリシオ・ヴェウドゥム フランシス・ガヌー ブライス・ミッチェル ブログ ヘンリー・セフード ミッシェレ・ウォーターソン ユライア・ホール ヨーガン・デ・カストロ ライアン・スポーン ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】出場選手の新型コロナウィルス及び、抗体検査の実施へ。バーチャル・メディアデーも

UFCPI【写真】写真は上海のUFCPIのオクタゴン (C)Zuffa/ UFC

4日(月・現地時間)、9日(土・同)にフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで決行されるUFC249の主治医がリングサイド主治医協会の代表と電話会談を行い、イベント中のリスク管理を話し合ったとESPNが報じている。

記事によると、UFCのジェフリー・デヴィッドソン医師はドナルド・ムッジ代表と出場選手に新型コロナウィルス感染のテストを行う方向で話し合いが行われたという。今大会においてフロリダ州ボクシング・コミッションのリングサイド・ドクターの主治医を務めることになっているムッジ氏は「今日の世界で、可能な限り安全性を高める。我々はニューノーマルの時代を生きている。最低限の人数で、ソーシャルディスタンスを念頭に置いて無観客試合を行う」と明言。

その結果かUFCではUFC パフォーマンス・インスティチュートから、UFCメディカルチームがUFC249に出場するファイターの検査を行う旨がファイターに伝えられ、抗体検査も含まれているという話を米国の大手MMAメディアであるMMAJANKIEが伝えている。

抗体検査とウィルス検査、これがUFCのニューノーマルとなるのか──。検査はどのタイミングで行われ、その結果はいつ出るのかなどは明らかになっていない。とはいえ、今回のUFCの事例は他のMMAプロモーション及び、コンバットスポーツにとって参考となることは間違いなく、またイベント再開に向けて協力する医師団の存在があることは日本とは、あまりにも状況が違うといえるだろう。

また今大会のメディアデーと試合後の会見は、バーチャルで行われ各国のメディアにはその通達もUFCから届けられている。

(C)Zuffa/UFC

(C)Zuffa/UFC

※UFC249に出場するファブリシオ・ヴェウドゥムのインタビューはコチラから

※同、ヴィセンチ・ルケ初インタビューはコチラから


カテゴリー
News UFC UFC249 アレクセイ・オレイニク アンソニー・ペティス カーラ・エスパルザ グレッグ・ハーディー サム・アルヴィー ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク ジャスティン・ゲイジー チャールズ・ロサ トニー・ファーガソン ドナルド・セラーニ ドミニク・クルーズ ニコ・プライス ファブリシオ・ヴェウドゥム フランシス・ガヌー ブライス・ミッチェル ブログ ヘンリー・セフード ミッシェレ・ウォーターソン ユライア・ホール ヨーガン・デ・カストロ ライアン・スポーン ヴィセンチ・ルケ

UFC249「Ferguson vs Gaethje」(5月9日)対戦カード──活動再開、UFC。ドミニク復活、全試合見逃せない

Cruz【写真】メインに負けず、注目の世界バンタム級選手権試合。名解説者ドミニク・クルーズが、3年5カ月振りにオクタゴンで戦う(C)Zuffa/UFC

2020年5月9日(土・現地時間)
UFC249「Ferguson vs Gaethje」
フロリダ州ジャクソンビル
ヴィアスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナ

■視聴方法(予定)
5月10日(日・日本時間)
午前7時~UFC FIGHT PASS Early Prelims
午前9時~UFC FIGHT PASS Prelims
午前11時~WOWOW ライブ

■対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC249 ニコ・プライス ブログ ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】ニコ・プライス戦へ、真っ向勝負漢=ヴィセンチ・ルケ─01─「K-1 MAXに出たかったんだ!!」

Vicente Luque【写真】MMAPLANETでは初登場となるヴィセンチ・ルケ。1991年11月生まれの28歳、今大会でも要注目の1人だ (C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで決行されるUFC249。

コロナウィルス感染拡大の2カ月を経て活動再開に踏み切ったUFCだが、今大会に出場する選手の多くが試合決定→延期→決定という不安定な時期を過ごしてきた。

ヴィセンチ・ルケもその一人だ。当初の予定では4月11日のポートランド大会でランディ・ブラウンと戦うはずだったが、同大会は無観客大会としてラスベガスのUFC APEXで行われるという報から一転して時期未定の延期に。

さらにファイトアイランズ、もしくはカリフォルニア州リムーアで開かれるという話があった4月18日大会におけるニコ・プライス戦が発表されるも、実現には至らなかった。そんな1カ月半を経て9日にプライスと戦うルケの心境と、MMAとしては少数派である接近戦ストライカーの変遷を訊いた。


──ヴィセンチ、初めまして。今回はインタビューの機会を与えてもらいありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。日本に行ってみたいとずっと思ってきたし、インタビューをしてもらって嬉しいよ」

──5月9日、紆余曲折がありフロリダでニコ・プライスと戦うことが決定しました。ジェットコースターのように感情の起伏があった1カ月半を過ごしてきたのではないでしょうか。

「色々大変だったよ。とにかく試合が決まり、変更されるという繰り返しだったから。最初は4月11日にランディ・ブラウンと対戦する予定だったけど、イベントがキャンセルされて、18日にどこかで誰かと戦うことが決まり、フロリダへ向かった。そして、対戦相手がニコ・プレイスに決まった。なぜランディ・ブラウンでなくなったのか、理由も分からないけどけど、プライス戦が唯一の選択肢なら僕は戦うよ。

とにかく試合がしたかった。だから、いつでも戦える準備はしていたんだ。本音を言えば、なかなか辛かったよ。でも、試合のオファーがあれば、対戦相手が誰だろうが試合を受けるという想いだけは持ち続け、コンディションの維持に努めていた。だからオファーがあれば、戦うだけさ。でもサンフォードMMA(Hardknocks365)で4月18日の試合に向けてトレーニングをしていたけど、結局大会は延期になったからブラジルに戻ってきたんだ」

──えっ、ヴィセンチは今ブラジルにいるのですか。

「そうだよ。家族をブラジリアに残していたからね。5月9日にUFC249が開かれることがで決まり、そのままブラジルで調整しているんだ。来週、またフロリダへまた向かうよ」

──それは……想像を絶するハードさですね。現状、ブラジルのコロナ感染は米国に次ぐ状況で、しかも外出自粛がままならない状況だと聞いています。

「コロナウィルスの厳しい状況にだからこそ、家族と長い期間離れていることはできない。一緒に生きているんだから」

──人としての判断ですね。ただし、体調管理は厳しくないですか。

「現状で可能な限りベストコンディションを維持している。このチャレンジに対し、ベストを尽くすだけさ」

──今はセハードMMAで準備をしているのですか。

「ジムでは練習できないから家でデキることをして、外を走りスタミナトレーニングをしている。コーチが指示してくれた運動をして、体調を維持しているよ。気持ちの面も全く問題ない。あとは戦うだけだ」

──今回、まだまだUFCの真っ向勝負男=ヴィセンチ・ルケのことを知らない我々、日本のファンにヴィセンチとはどのようなファイターなのかを尋ねさせてもらって良いでしょうか。

「もちろんだよ。何でも聞いておくれ」

──ヴィセンチは米国生まれのブラジリアンだそうですね。

「僕はチリ人の父と、ブラジル人の母の間で米国で生まれたんだ。6歳の時、母と一緒にブラジリアにやってきて、ずっとこの街で暮らしている。父は今も米国にいるよ」

──だから英語もスペイン語も話せるのですね。

「米国にいる間、友達とは英語で話し、家の中では父とはスペイン語、母とはポルトガル語で話していたから、自然と3ヵ国語が話せるようになったんだ」

──格闘技を始めたきっかけは?

「3歳の時に母に連れられて、空手を始めたのが格闘技との出会いだよ。彼女は空手の黒帯を巻いていたんだ」

──お母さんが、ですか!!

「そうなんだ(笑)。剛柔流の。子供の頃は空手に夢中になっていた。それから15歳でムエタイを始め、試合にもでるようになった。16歳になって柔術の練習をするようになり、17歳からMMAで戦っているよ。最初の試合はブラジリアで戦い、MMAではなくヴァーリトゥードだったね。PRIDEみたいに顔面踏み付けも許されていたから(笑)」

──28歳ながら、ユニファイド以前のルールを経験しているのですね。それは貴重な経験です。ところで、なぜムエタイや柔術を学び、MMAファイターを志したのですか。

「僕はK-1が大好きで、同時にヴァンダレイ・シウバとマウリシオ・ショーグンのPRIDEでの戦いを見て育った。いつか、彼らのように戦いたいとずっと思っていたんだ。そして、友達が先にムエタイの練習を始め、僕もすぐに続いた。半年後に初めて試合に出て、これこそ僕のやりたいことだと分かった。それからの人生は格闘技に邁進しようってね。

15歳でムエタイを始めた時のも、今も所属しているセハードMMAだよ。フロリダでブラックジリアンズを経てハードノックス、サンフォードMMAでも練習しているけど、ずっとセハードMMAの所属だよ」

──日本のファンにとってセハードMMAといえば、ヴィヴィアニ・アロージョです。彼女のパンクラスの活躍で、我々はセハードMMAを知ることになりました。

「ヴィヴィからは日本のことをたくさん聞いたよ。ヴィヴィにとって日本で試合ができることはとても大切なことだった。だから、しっかりと対策を練り練習をした。ブラジルに戻ってきたヴィヴィは、もう日本のことが大好きになっていたよ。パンクラスという団体の待遇だけでなく、日本の人たちのMMAへの想いが素晴らしかったって。

ヴィヴィがいつもそんな風に日本のことを話しているから、僕ももっと日本に興味を持ち、より好きな国になったんだ。とにかくヴィヴィは日本のことを褒めちぎっていたよ」

──その話を聞くと、日本のファンもただただ嬉しい限りだと思います。ところでヴィセンチの試合を見ていると、ファンが喜ぶ殴り合いを毎回のように繰り広げています。MMAというロングレンジの競技で、まるでキックボクシングのように拳の届く距離で、相手の正面に立ち、しかも小さなMMAグローブでブロッキングを駆使する。非常に珍しいスタイルです。

「それこそ、僕がムエタイを始めてから一貫して追求してきた戦い方だよ。小さなグローブをつけて、ブロッキングを使ってきた。前腕やヒジで上手く顔を守れるようにね。しっかりとディフェンスし、素早く相手を殴ることができる距離で戦うのが好きなんだ。相手のパンチをブロックして、自分が殴り返す。そういう風に戦うために膨大な練習をしてきたんだよ」

──かなりリスキーではないですか。MMAグローブでは。

「その通り。確かにリスキーだよ。でも僕は子供の頃からK-1を視るのが大好きで、K-1ファイターになりたいって思っていたんだよ」

──そうなのですかっ!!

「でも、ヘビー級にはなれないって気付いた。だから、K-1ではなくK-1 MAXで戦いたいと思うようになった。結果、MMAファイターになったけど、ムエタイやキックボクシングをしっかりと身につけて、ケージのなかでもあの頃に夢見た戦いを実践しているんだ」

<この項、続く>

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールズ・ロサ(米国)

カテゴリー
Interview UFC UFC249 アレクセイ・オレイニク ファブリシオ・ヴェウドゥム ブログ

【UFC249】世界が注目する5月9日大会で、オレイニクと対戦──ヴェウドゥム「戦うのは、あと3回だ」

Werdum【写真】2018年3月以来の実戦復帰となるヴェウドゥム。最後の勝利は2017年の11月だ (C)Zuffa/UFC

5月9日、フロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFC249が開催される。

1カ月半ぶりで活動再開となるUFCでは、この間に予定されていた大会をシャッフルし、アンダーカードからこれでもかというカードを揃えてきた。

そんななか元世界ヘビー級王者ファブリシオ・ヴェウドゥムが、プレリミでアレクセイ・オレイニクと対戦する。

2018年5月にUSADAの検査で禁止薬物トレンボロンの用正反応が出て2年間の出場停止処分が下ったヴェウドゥムは、この間に42歳を迎えている。

対戦相手のオレイニクも同じ42歳で、柔術とは違うサブミッション・マスターだ。新型コロナウィルス感染拡大、感染者100万人を超えた米国で、活動再開となったUFCで戦うヴェウドゥムに現在の体調、この試合に向けての気持ちを尋ねた。


──5月9日にアレクセイ・オレイニクと対戦します。今の調子は?

「新型コロナウィルスの問題が発生して、最初の大会で戦えることを凄く嬉しく思っている。コーチのハファエル・コルデイロ、柔術のコーチで友人であるフーベン・シャーレス・コブリーニャとしっかりと調整してきた」

──調整はKINGS MMMAで行っているのですか。

「いや、今はビッグベアーにいるよ」

──ビッグベアーということは高地トレーニングですね。

「そうだよ。標高2000メートルで良いスタミナトレーニングができる。基本的にコルデイロとコブリーニャからはオンラインで指導を受けるんだ。でもLAから車で2時間半ほどかかるにも関わらず、彼らがビッグベアーまでやって来てくれることもあるんだ。

僕はここにも家があるからね。普通にこっちで調整している。2014年から2015年にかけて、メキシコで高地トレーニングを行いチャンピオンになれた。2カ月半ほど滞在してね。今は頻繁にレッドベアーに来られるし、今回は1カ月半前から生活のベースをこっちに移している。

今や僕には高地トレーニングは欠かせないモノになっているからね」

──もう完全に体が標高2000メートルに順応しているのでは?

「そうだよ。そのためにここに住んでいるんだ。それにビッグベアーでは感染者が出ていなくて、安心して過ごすことができる」

──基本的にスパーリング・パートナーはおらず、1人で練習しているということですか。

「いや、弟のフィリッピ・ベルドゥムが家族と一緒に来ているから、彼にずっと練習を手伝ってもらっている。それに今日も2時間半、山登りをした。ここでジョギングをするだけでも、凄く良いトレーニングになる。2年振りの試合が待ちきれない」

──この試合はUFC250として、ブラジルで行われる予定でしたが、もともとカリフォルニアから現地へ向かうことになっていたのですか。

「そうだね、もう米国に住むようになって12年だし。年に何回かはブラジルを訪れるけど、ブラジルで試合があっても調整をするのはカリフォルニアだよ。今回はブラジルのUFC250 からフロリダのUFC249に大会は変わったけど、日時は同じだし──絶対に大会が行われると思ってビッグベアーで調整してきた。

ブラジルよりも米国の方が状況は良くなっているからね。ダナ・ホワイトとUFCは本当に素晴らしい仕事をやっているよ。大会もきっと成功するだろう。ブラジルの状況はより困難だけど、それは世界中の皆が向き合っている問題だからね。

この大会は歴史に残る大切なイベントになる。そんななかで試合ができることが、嬉しくてしょうがないんだ」

──それでも調整は通常の試合と違い、難しくなかったですか。

「そりゃあ、いつも通りとはいかないよね。でも新型コロナウィルスは僕だけでなく、世界中の皆にとって脅威になっている。さっきもいったけど、弟が本当によくサポートしてくれているんだ。それにコブリーニャとハファエル・コルデイロの指導を直接受けられるのは週に一度でも、オンラインがしっかりと機能している。これまでやってきた蓄積が、僕らにはあるからね」

──この状況でUFCがイベントを開くことは賛否両論あると思いますが、ファブリシオ自身が何か批判を受けたことはないですか。

「ファイターは誰だって試合を戦いたいはずだ。そして、この困難な時期に試合ができることは幸運でしかない。2年間、試合から遠ざかっているから本当にオクタゴンが恋しかった。色々と言われるかもしれないけど、ファイトは僕とって仕事だ。今はコロナウィルスのことを恐れるようなことはない。とにかく戦って勝ちたいんだ」

──ご家族の反応はどうでしたか。

「問題ないよ。妻は僕がMMAで戦う前からの付き合いで、誰よりも理解してくれている。娘も試合が見たいと言っているしね。人と距離をとり、手洗いを頻繁にするなどコロナ対策はやってきたからね。それに常にマスクをつけている。家族、マイ・ワイフは僕が何をすべきか分かっているよ」

僕とUFCの契約は残り2試合。そして、自分のなかではあと3試合戦えば、もう十分だと思っている。逆にいえば3試合は必ず戦いたい。ひょっとすると4試合かもしれない。そこは、まだ自分でも考えがまとまっていないんだ」

──UFCとの契約が残り2試合で、もう3回か4回戦いたいということは、UFCとの契約更新を考えているのでしょうか。

「う~ん、そうなればUFCで戦うし、ひょっとすると違う選択があるかもしれない。まだ、そこも分からない。今、42歳でUFCの世界チャンピオンにもなれた。ムンジアルで優勝し、ADCCでも世界一になった。本当に自分のキャリアには満足している。なすべきことは、全てやってきた。だから、もうそれ以上多くを戦おうとは思っていないんだ」

──ただ2年間は決して短くないブランクです。

「出場停止期間中も欠かさずトレーニングを続けてきた。復帰が決まってからは、強度を上げてフィジカルトレーニングにも時間を費やしてきたよ。ビッグベアーで生活することで、本当にコンディションは良くなっている」

──では対戦相手のオレイニクの印象を教えてください。

「良いファイターで、同い年なんだよね。キャリア70線以上で一本勝ちも多い(※72戦58勝13敗1分。46の一本勝ち)。油断せず、注意深く戦う必要がある相手だよ。僕のことを悪くいって試合を盛り上げるようなこともないし、トラッシュトークをしない良いヤツだと思っている。映像を見ていると、家族思いのようだし。オレイニクと戦えて嬉しいよ」

──ファブリシオ、今日はありがとうございました。

「こちらこそ、インタビューしてくれて日本ファンに僕の言葉が伝わることを感謝しているよ。今でも日本のことが大好きだ。本当に日本が恋しい。日本で戦ったことは最高の思い出になっている。PRIDE、PRIDE、PRIDE!!(笑)。何より日本のファンからは、他の口とは違うファイターへのリスペクトが感じられた。日本で試合をして、一度たりともブーイングされたことがない。ブーイング自体を見たことがなかった。最高のファン達だよ。

いつの日か、家族を日本に連れていきたいと思っている。僕は10度か11度は日本に行っているけど、ワイフや娘と一緒だったことはないんだ。家族に日本の美味しい食事を食べさせてやりたい。そして、美しい街を歩き、最高の人々と触れ合いたい。日本には良い印象しかないよ。アリガトゴザイマス。押忍」

カテゴリー
News UFC UFC249 アレクセイ・オレイニク ジャスティン・ゲイジー ジャルジーニョ・ホーゼンストライク ダナ・ホワイト トニー・ファーガソン ドミニク・クルーズ ファブリシオ・ヴェウドゥム フランシス・ガヌー ブログ ヘンリー・セフード ホナウド・ジャカレ ユライア・ホール ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】UFC、ジャクソンビル市、フロリダ州ボクシングコミッション、三位一体でPPVショー復活

UFC249【写真】ガヌー✖ホーゼンストライク、セラーニ✖ペティス、ファーガソン✖ゲイジー、セフード✖ドミニク、ヴェウドゥム✖オレイニクand more !!! (C)Zuffa/UFCC

24日(金・現地時間)、UFCが5月9日(土・同)にUFC249をフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで開催をオフィシャル・プレスリリースで行った。

さらには13日(水)、16日(土)と8日間で3つの無観客大会が開かれることに関して、ダナ・ホワイトは「ファンに素晴らしい試合を提供することが待ちきれない。この最高のカードを実現できるよう会場使用を認めてくれたカリー市長(レニー・カニー=ジャクソンビル市長)、ヴィスタ―・ベテランズ・メモリアル・アリーナ、フロリダ州ボクシング・コミッションのパトリック・カニンガム事務局長、メディアパートナーのESPNならびにESPN+、そしてファンに多大なる感謝の言葉を伝えたい。私のチームは準備ができているし、ファイターも連続大会で戦いに戻れることに開かれることにエキサイトしているんだ」とリリースにコメントを寄せている。


フロリダ州では──生活するうえで欠かせないビジネス──として、既に13日(月・同)にWWEが無観客で開催が認められライブ中継が行われている。

そのフロリダ州で北端にあるジャクソンビルは、人口80万を超え市単体ではフロリダ最大の都市である。広域都市圏では140万程度でマイアミ、タンパ、オーランド周辺に続く都市圏が構築されている。米国4大スポーツではNFLのジャクソンビル・ジャガーズが本拠地としており、

今回のリリースには2015年からこの職にあるレニー・カリー市長のコメントもあり、「段階的な景気回復に向けて行動する中で、ヴィスタ―・ベテランズ・メモリアル・アリーナでUFCを開催することを誇りに思う。UFCは名高いエンターテインメントブランドであり、ジャクソンビル市の会場を使用するにあたり安全かつ賢明な計画を提示してくれた。ESPNとESPN+によって、我々の街からUFCが全米に中継されることに興奮している。ジャクソンビル市が他の都市や地域に先駆け、世界規模の国際的なスポーツエンターテインメントを手掛ける団体のイベントを開始し続けられることを光栄に思う」と話している。

またコミッションのパトリック・カニンガムが「フロリダはUFCがサンシャイン・ステートにやってくることを歓迎する。5月9日、13日、16日に開催されるイベントを認可する準備をしている。健康と安全面で実施要項書により、今回のイベントを可能にした一人ひとり、個人の安全と健康を確実にしていく。この3日間のUFCイベント移行もフロリダは今後もUFCが同州でのイベントを開けるよう、引き続きUFCと強力な関係を構築していく」とコメントするなど、今大会がフロリダ州の強力なバックアップがあることがリリースでは強調されていた。

世界女子フェザー級選手権試合=アマンダ・ヌネス✖フェリシア・スペンサーこそ、今大会では組まれていないが、現状に考えられうる最高のラインナップになったことは間違いない。また13日と16日のイベントも追って対戦カードがアナウンスされるとのことだ。

■UFC249対戦カード

<UFC暫定世界王座決定戦/5分5R>
トニー・ファーガソン(米国)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ヘンリー・セフード(米国)
[挑戦者]ドミニク・クルーズ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
フランシス・ガヌー(カメルーン)
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク(スリナム)

<ウェルター級/5分3R>
ドナルド・セラーニ(米国)
アンソニー・ペティス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
グレッグ・ハーディー(米国)
ヨーガン・デ・カストロ(米国)

<ヘビー級/5分3R>
アレクセイ・オレイニク(ロシア)
ファブリシオ・ヴェウドゥム(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
サム・アルヴィー(米国)
ライアン・スポーン(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
カーラ・エスパルザ(米国)
ミッシェレ・ウォーターソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホナウド・ジャカレ(ブラジル)
ユライア・ホール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ニコ・プライス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ブライス・ミッチェル(米国)
チャールス・ロサ(米国)

カテゴリー
News UFC UFC249 ブログ

【UFC249】5月9日(土)大会はフロリダ州ジャクソンビルで開催。13日(水)、16日(土)と3連戦で!!

24日(金・現地時間)、UFCが5月9日(土・同)に開催することを明言していた大会が、UFC249としてフロリダ州ジャクソンビルのヴィスター・ベテランズ・メモリアル・アリーナで行われることをついに発表した。

日本でも本日午前3時20分にUFCから、同3時21分にUFC アジアから同件についてプレスリリースがあり、同6時30過ぎにはUFC日本広報窓口もこれに続き──9日以降に同所で13日(水)、16日(土)と1週間で3大会が開かれることなどを明らかとしている。

※詳細は後程アップします。


カテゴリー
News UFC UFC249 ブログ

【UFC249】ついにUFCが──UFC249の延期を発表!!!

9日(木・現地時間)、UFCがホームページ上においてUFC249の延期を発表した。

日本語サイトにおける説明は以下のようになっている。

「UFCはUFC 249開催に向けて万全の準備を進めていたものの、ESPNより新型コロナウィルス(COVID-19)感染拡大を考慮し、別途通知があるまで当該イベントならびに以後の試合を延期するよう要請がありました。UFCは可能な限り早いタイミングで完全なるライブイベントを再開できることを楽しみにしています」


カテゴリー
Preview UFC UFC249 ニコ・プライス ブログ ヴィセンチ・ルケ

【UFC249】必見!! ヴィセンチ・ルケのK-1 MMA✖奇想天外MMA=ニコ・プライス=フィニッシュ絶対対決

Luque【写真】相手の拳が届く距離で戦うルケ (C) Zuffa/UFC

18日(土・現地時間)に開催されるUFC249で、ボーナス獲得必至のウェルター級マッチ=ヴィセンチ・ルケ✖ニコ・プライス戦が組まれている。

ルケ、プライス共に4月11日に予定されていたポートランド大会で、前者がランディ・ブラウン、後者はムスリム・サリコフ戦が決まっていたが、新型コロナウィルス感染拡大の影響で大会が延期されるという境遇にあった。


MMAPLANETでの佐藤天インタビューにもあったように、ルケはブラジルから試合も未確定な状況で急遽呼び寄せられ、今回の試合が決定した。これはプライスも同じシチュエーションだったことは想像に難くない。

それでもUFCが今大会で両者の試合をマッチアップした理由も、明白だ。ルケはパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト獲得2回、ファイト・オブ・ザ・ナイトを3度手にしている選手で、プライスはパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを4度手にしている。つまりはフィニッシュ必至のガチガチあるいはガチャガチャファイトが期待されているカードだ。

チリ人の父とブラジル人の母を持ち、米国ニュージャージーで生まれたルケは、両親の離婚後ブラジリアで育ち、英語、スペイン語、ポルトガル語を使いこなすバイリンガルで、SNSの動画でも英語やスペイン語でファンにメッセージを送ることも珍しくない。

ブラジリアの名門セハードMMAとフロリダのスタンフォードMMA(ハードノックス)の2カ所で練習しているルケは、MMAにあってもK-1ような距離で殴る蹴るができるファイターだ。ガードは高く顔面を守り、頭を振るよりも小さなMMAグローブでブロックをし、ボディは殴らせる──ヘンリー・フーフトが提唱する、ややリスクは高まるが負けないよりも倒すことに比重を置くダッチ・キックボクシングMMAの実践者だ。

MMAでも中間距離以内の打ち合いが大歓迎される状況になりつつあるなか、真正面&近場に立つ必要がなかったMMAファイターは、接近戦の防御に課題を残していることも少なくない。遠いレンジからの打撃を効かせて、中に入るために一方的に攻勢になるのが、MMAにおける接近戦だからだ。

ただし、ルケの場合は最初から強い圧力をかけて、相手のパンチが届く距離に居続けるという稀なスタイルで、右のパンチがめっぽう強い。もう一つのフーフトの指導ならではと思われる特徴は、ローやハイなど蹴りを使う場合につま先が上を向いていることが多い点が挙げられる。

蹴り足がキャッチされ、テイクダウンという流れがあるMMAでは──つま先を上げる蹴りを使う選手は、キックが未成熟と思われてきた。つま先を上に向けることで角度がつき、キャッチされると際にフックになるという理由もあるが、それ以上にこのフォームで蹴りを使うと重心が高くなり、よりバランスを崩しやすくなるからだ。よって、従来のMMAでは蹴りが使えるファイターほど、彼のような蹴りを見せることはなかった。

フーフトによると、この蹴りは軸足に力を入れて、蹴り足は力を入れないことで反動を利用し威力を得ることができるとのこと。ルケとはスタンフォードMMAのチームメイトで、ONE2階級王者のオンラ・ンサンもこの主の蹴りが使うが、勢いで重心が高くなることをチャラにしているようにも見える。

ンサン以上にルケにとってこの蹴りが有効なのは、近距離でのファイトで北米MMAファイターはまだ蹴りへの対応は進んでおらず、組んで倒すという流れが多くなることだ。これは打撃を効かせて嫌がってテイクダウンを狙ってくる相手にも共通するが、ルケが育ったセハードMMAは柔術だけでなく、ルタリーブリも学べるアカデミーで、彼はルタ・スペシャルといえるアナコンダ・チョークや、アームイン&クローズドガードというクラシカル=長年かけて磨き上げられてきたフロント系チョークの使い手でもある。

ダッチ・キックボクシング&ルタリーブリの融合が、ルケのK-1MMAを可能にした。故にルケは、昨年11月に対戦したスティーブン・トンプソンのロングレンジで手数の多い戦いにはしてやられたという見方も成り立つ。

ただし、ボーナス獲得ばかりか勝っても負けてもフィニッシュ決着のプライスは、トンプソンのようなファイトはまずしてこない。ルケにとっても、リスクが高くなろうが、自分のファイトができる相手といえる。このところ5試合で3勝2敗、決して勝率は高くないプライスだが、勝った3試合は揃ってKO勝ち。

Zuffa/UFC

Zuffa/UFC

その勝ち方も、独創性に溢れている。昨年10月のジェイムス・ヴィック戦では上から殴ってくる相手の顔面をカカトで蹴り抜いたアップキック=蹴り上げでKO勝ち。

2018年7月のランディ・ブラウン戦では、ガードからの腕十字に失敗しながら、足を抱えてブラウンを制して、下からの鉄槌の連打で失神に追い込んでいる。

プライスの奇想天外ファイトは、アラン・ジョバーン戦でも見られた。フィニッシュブローといえる右フックを効かせたプライスは、後方によろめいたジョバーンがマットに手や足の裏以外の部分が着く前に右の顔面を蹴り抜き、KOしている。この一瞬の勝利を見逃さない強さは、プライスが持つ格闘センスの表れといえるだろう。

ただし、隙を見せないファイターの前では──ジェフ・ニールにはガードを取りながら殴られ、アブドゥル・ラザクには打撃戦のなかでバランスを崩して立ち上がったところに一発を被弾して敗れている。相手の隙をつくのに長けている一方で、自らも隙があるプライスは安定度が欠け、勝っても負けても劇的な勝負になるという特徴がズッファの信頼を得る要因になっているに違いない。

そんなリスク承知の近距離戦を戦うルケと、奇想天外なプライスのファイト。地力でいえばルケであることは間違いなく、5度戦えばルケの4勝1敗というぐらいの差はあるはず。ただし、その1勝を導く力に長けているプライスだけに、何が起こるか分からない。どんでん返しも、ルケの圧勝もある試合になるだろう。