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【RIZIN TRIGGER03】残念、破壊神=倉本一真と対戦予定の金太郎がぎっくり腰に。注目の一戦は中止決定

14日(木)、明後日16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03で、倉本一真と対戦予定だった金太郎の欠場をRIZINが発表した。

金太郎はぎっくり腰になり体が動かせない状態で、この注目の一戦は中止になることが決定。以下、リリースに寄せられていた金太郎のコメントだ。

金太郎
「試合2日前にケージに上がることが出来ない状況となり、試合を楽しみにしてくれていたファンの皆さん、試合を組んでいただいたRIZIN関係者の方々、本当に申し訳ございません。
そして何よりこの試合の向けて調整されていた倉本選手、倉本選手の関係者の方々、本当に申し訳ございません。
今朝起きた瞬間に、腰に激痛が走りギックリ腰になりました。今日東京に出発し、夜から減量の水抜きをする予定でしたが、体に力が全く入らず、一歩も動けない状態です。自分自身まだ考えがまとまらない状況ではありますが、今の気持ちとしては可能であれば1ヵ月後か2ヵ月後に試合を延期して頂き、倉本選手とは必ず戦いたいと思っております。
今回の件で、大会に関わる多くの方々にご迷惑をおかけしてしまい、本当に申し訳ございません」

ケージ&RIZINルール最強説のある倉本の真価が問われる一戦が直前でなくなったのは至極残念だが、金太郎の回復とスライドで実施されるのであれば、TRIGGER04──つまり金網での実現を望みたい。


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【RIZIN TRIGGER03】「柔術はMMAより面白い」ことを証明するための一歩。須藤拓真、渡部修斗戦へ

【写真】言いたいことを口にするが、決して無礼ではない。そこは断言します(C)MMAPLANET

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03に須藤拓真が出場し、渡部修斗と対戦する。

昨年9月の全日本ノーギ・エキスパート・フェザー級優勝、紫帯で黒帯を撃破したことで一躍注目されるようになった須藤はMMAも戦う三足の草鞋を履く──グラップラーだ。いや、本人は柔術家がグラップリングとMMAを戦っているという自論を持つ。

そしてMMA、柔術、グラップリングは別モノだとも断言しつつ、自らの柔術でその全てで結果を残してきた。本来、2月にMMAで主戦場とするNEXUSバンタム級のベルトに挑戦予定だったが、王者の欠場で延期に。そして決まったRIZIN TRIGGERでは彼が目指すベルトを返上した渡部との対戦が決まった。

自身の気持ちをオブラートに包むことなく、言葉にする須藤。「柔術はMMAより面白い」という発言に信ぴょう性を持たせるためにケージに足を踏み入れる。TRIGGERという舞台で、どのような須藤拓真柔術を見せることができるか。渡部戦とこれから、を尋ねた。


──2月13日にNEXUSバンタム級チャンピオン河村泰博選手に挑戦予定が、王者のコロナ陽性で延期に。年明けに録った須藤選手インタビューがお蔵入りとなってしまいました。

「本当に、そうですよね。ただタイトル挑戦はやる予定です。本当は5月8日大会でオファーを一度は貰ったのですが、4月30日の全日本ノーギに出場するつもりでいて。ケガをするリスクがあるから、5月は回避されることになりました。まぁ僕が全日本ノーギを優先するって言ったからなんですけど」

──アハハハ。それは山田代表も厳しいですね。ただ本来は2月に挑戦予定で、延期は須藤選手の責任ではないですしね。もちろん、コロナは致しかたないことで。

「まぁ、そういう気持ちは自分のなかで多少ありました。オミクロンで流れるのはしょうがないとしても、僕自身は減量もしていたし……でもしょうがないですよね。練習中のケガとは違いますしね。怒りのぶつけどころがなかったです。僕も練習しているから、次は僕が罹患するかもしれないですし」

──では現状、全日本ノーギの方は?

「出ます。TRIGGERの2週間後なので大丈夫です」

──あははは、最高です。とはいえTRIGGERでの対戦相手はNEXUSで目指す王座を返上した渡部修斗選手です。ちょっと、この辺りも気持ちとしては微妙ではないでしょうか。

「奇妙でしょうがないです。そうですね……ネクサス同士で、ネクサスがそれでOKなのかと思いました(笑)」

──パンクラス、修斗、DEEPの選手と戦いたかったと?

「どうせなら違う団体の人と戦いたいというのは正直、ありましたね。でも、そこまで相手に拘りはなかったです。ここで勝つと、この選手が返上したベルトに挑戦するというのはやはり奇妙な感覚ですけど(笑)」

──では渡部修斗という選手に対して、どれだけ価値がある相手だと捉えていますか。

「正直、別にどうとも思っていないです。RIZINでめっちゃ勝っているわけでもないし、何の印象もないです」

──渡部修斗選手に限らず、RIZINで試合をすることが、RIZINで強い選手に勝つことより優先されているように感じる選手は少なくないです。

「あぁ、RIZINに出たいという感じが凄く出ていますよね。僕は強い選手と戦いたい気持ちが大きいです。だから、この試合は落とせないです」

──そんななか渡部選手の印象を教えてください。

「印象……グラップリングは強いと思います。ただ、怖さはないのかなとは……思っています(笑)」

──MMAPLANETで非常に良くしてもらっている柏木さんの試合予想で、総合力で渡部選手というような記述がありました。握手をしながら刺すわけではないですが、アレは自分とは見方は違います。

「自分の方が打撃は強いんじゃないかと思っています。渡部選手の打撃は見たことがないですし」

──キックボクシング歴4年ですから。12月に柏木さんの目の前で森山(壱政)選手の一発でダウンをしたことが、そういう印象を与えたのではないかと。

「あぁ、余り大きな口を叩くことはできないですね(笑)」

──そして足関節✖マジカルチョーク。ただ須藤選手が✖✖✖✖✖してしまえば。その展開は潰せるかと。

「そうなんです。そうすれば、別に平気です。その攻防にはならないです。そこから渡部選手が仕掛けてくれば、僕にとっては戦いやすくなります。ただし、そこも渡部選手は対策をこうじてくると思います。そのための練習もしているだろうし。そうなったら、打撃の勝負で良いかと。

仮に向うの得意な展開になっても、そこからパウンドを打ってくるのかなって。まぁ、打ってくれればその方が自分は戦いやすいです」

──ハーフガードから足関節の創りがあればそれは盛り上がります。が、タン・リーとゲイリー・トノンの例もあります。

「う~ん、米倉選手のプライベートを受けているようですけど、対処してくる相手を極められないと……足関節は極まらないですから。そこは大丈夫です。変に直前に練習してきたら、自信をもって付き合ってくれないかとも期待しています。やっていないと、逃げることに徹すると思うので。やり返せるっていう気持ちが、芽生えていて欲しいですね。

と同時に米国では足関節で勝っていた選手もスタイルチェンジしていますし。僕もここから変化していく必要があります。ただ僕は時代に即して足関節をしたんじゃなくて、好きだから練習してきただけなので。足関節だけでなく、柔術で勝負しても全然問題ないと思っています。

まぁ、ここを踏み台にしてというと失礼かもしれないですけど、勝って他の強い選手と戦いたいです。ただし、自分の力を過信せずにチョット謙虚に戦おうと思います(笑)」

──いや、笑っていますし。ところでX-TREME EBINAの柳澤哲裕代表は須藤選手のRIZIN TRIGGER出場で盛り上がっているのではないですか。

(C)お調子者?の師匠だが、須藤がダウンを喫した時の懸命な指示は──まるで別人だった

「喜んでいます。入場の時にアレやれ、これやれって。試合のことより、そこばかりです(笑)。でも道場の皆も盛り上がってくれて嬉しいですね」

──大舞台で緊張するということは? そこは渡部選手は経験済みです。

「毎試合、毎回のように緊張しているんで(苦笑)。ネクサスの会場でもメッチャ緊張していますし、観客のいない柔術のトーナメントでも緊張しています。どうしても緊張してしまうので、試合だっていう風にあまり気持ちをあげないようにしています。

試合直前まで道着を着た練習で女子選手の受け手になっています。いつも変わらず、このスタンスは一生変わらないと思います。それに会場でも試合前に気合を入れて大声出している選手とかいますけど、ああいうのを見ていると緊張してしまいます。この前の試合も実は試合の3分ぐらい前まで、柳澤さんと下らないしりとりをしていました(笑)」

──下らない話なら良いのですが……、しりとりって何ですか(笑)。

「アハハハ。しりとりをするのも、僕の緊張を解くとかではなく柳澤さんはただお茶らけているんだと思います(笑)」

──アハハハ。らしいです。ところで須藤選手は常々、柔術家としてMMAを戦うと言ってきましたが、RIZIN TRIGGERという大きな舞台で戦っても、その気持ちのままでしょうか。格闘家としての将来像に変化があって然りかと思いますが。

「MMAで上に行けるなら、上に行きたいです。柔術を見せるために。ただ柔術もノーギも出続けますし、MMAと柔術、グラップリングは別競技だけど自分がやっているのは同じことという考えは変わらないです。柔術をMMAで見せたいです。だから、今後はストライカーと戦いたいですね」

──須藤選手の試合を見て、柔術を始めた子が『ヒールはないのか』って思う。そんなケースが増えることを願っています。

「ありがとうございます。ホント、僕と同じようなところから柔術道場に通うようになり、柔術を楽しんでくれる人が増えれば嬉しいです。絶対に柔術はMMAより、面白いと思うので。柔術もMMAと同じような規模にしたいので、少しで柔術に興味を持ってもらえる面白いことができれば良いな──と思っています。でも打撃も練習しているから、満遍なく見せることができればと……。毎試合『打撃を見せる』と言って、そうなっていないですけど(笑)。倒されても行ける、そういう想いはあるので。殴り合って、最悪、寝転がります(笑)」

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 キック ルイス・グスタボ 海外 矢地祐介

【RIZIN TRIGGER03】メインで矢地祐介と対戦、ルイス・グスタボ「あのままで僕と戦うは危険極まりない」

【写真】写真は2018年8月に矢地に勝利し、控室に戻る時のグスタボ。当時は22歳、25歳になりキャリアピークに向かい動き出した(C)RIZIN FF

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03にルイス・グスタボが来日し、矢地祐介と対戦する。

ようやく外国人の入国制限が緩まり、RIZINに海外勢が来日──2日連続興行の1日目=TRIGGER03のメインを飾るシュートボクセの遺伝子を持つグスタボは、コロナ以降の2年間で1度も実戦を経験していない。

ヴァンダレイ・シウバのように日本の総合格闘技を征服するのが夢──と断言する彼は、1年4カ月振りに日本の土を踏み、その目標に向かい再び動き始めた。


──2019年の大晦日以来の来日が実現しました。今の気持ちを教えてください。

「日本に戻ってくることができて、本当にハッピーだよ。この2年間、本当にハードに練習してきた。メンタルも含め、あらゆる面で成長した。柔術もそうだし、新しい姿を日本のファンに見てほしい」

──外国人が来日できない間、RIZINで活躍していた外国人ファイターは新しい戦場を求めたケースも少なくありません。一方でルイスはこの2年間、他のプロモーションで試合をすることなくRIZINに戻ってきました。

「僕は日本のファンを愛しているし、RIZINで戦うことが本当に好きなんだ。だから他の大会で戦うことはなかった。僕の目標はRIZINでチャンピオンになること。ここを征服するんだ、ヴァンダレイ・シウバのようにね」

──とはいえ2年間、試合がないことで焦りはなかったですか。

「大丈夫だ。パンデミックがいつまで続くのか、誰も分からない。だから健康に過ごし、トレーニングをしっかりすることに重点を置いてきた。少しでも早く日本に戻って、試合ができるように常に準備していたよ」

──この2年間で、一番成長したのはどこでしょうか。

「全ての面で練習してきたし、全てで成長しているけど、柔術には特に力をいれてきたよ。今、僕はコンプリート・ファイターだ」

──今回の試合はケージで行われます。

「リングでもケージでも問題ないよ」

──ケージで戦う時は、さらにレスリングが重要になってくるかと思います。

「MMAを始めた時から、ケージで試合をしてきたから全く気にしていない。ケージでもこれまでRIZINで見せてきたリングとでの試合と同じように、変わらず戦えるよ」

──サッカーボールキック、グラウンドでのヒザがあると、リング以上に危ないシーンに出くわしそうです。

「RIZINで戦うようになってグラウンドでのヒザ、サッカーボールキックの練習を積んできた。ブラジルのジムにあるのもケージだ。ケージでグラウンド状態でのヒザ蹴り、サッカーボールキックがある状況は把握できている」

──おお、それは怖くて楽しみです。今回、矢地選手との再戦になりますが、この間の彼の活動をどのように捉えていますか。

「過去3試合を視た。何も特別なことはない。あのままの状態で僕と戦うのであれは、彼にとって危険極まりないことだよ」

──RIZINのキャリアアップのリスタートです。今後、どのような青写真を描いていますか。

「どの試合も大切だよ。この試合でも、そう。僕はRIZINのチャンピオンになる。そしてヴァンダレイ・シウバのようなレジェンドになる」

──では改めて、日本のファンに一言お願いします。

「日本の全てのファンを愛している。また日本のファンの皆の愛情を感じることができる──それが凄く嬉しい。日本で戦うことは、いつだって楽しみでしょうがない。皆の応援に感謝している」

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 キック ボクシング 修斗 倉本一真 加藤ケンジ 岡田遼 藤田大和 金太郎

【RIZIN TRIGGER03】金太郎戦へ。金網破壊神=倉本一真─02─「仕留める技はホントにたくさんあるので」

【写真】今週土曜日──どのようなエグさが、見られるか(C)RIZIN FF

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03で、金太郎と対戦する倉本一真のインタビュー後編。

前編に続き、倉本にケージの使い方について訊くと、新しい事実が次々と浮かび上がってきた。次の試合ではストライカーの金太郎を相手に、どんな壊し方を見せるのか。投神から掌神へ、そして破壊神へと進化する倉本一真のMMAは見逃せない。

<倉本一真インタビューPart.01はコチラから>


――相手がマットに背中を着けている状態で、倉本選手が立った状態からのパウンドを効かせている場面もありました。

「そういえば、ヒザの練習はしていないって言いましたけど、Me,Weでやっていました。ただ、それは対人じゃなくて人形相手なんですよ。そこでパウンドの練習もしています」

――人形というのは……。

「MMA用のダミー人形です。完全に人の形になっていて、投げたりパウンドを打ったりすることができるやつですね。昔のように真っ直ぐな状態ではなく、今のタイプは足も曲がるんですよ。それを使って息上げをやっています。

まずサンドバッグでパンチやキック、次に人形を使ってパウンドで息上げですね。そういうところでヒザの練習もやっています。相手が背中を着いて、僕が立っている状態からのパウンドも。……すみません、実は毎週やっていました(笑)」

――アハハハ、そのメニューを無酸素でやるのですか。

「息上げプラス、フルパワーでやります。毎週金曜日の午前にその練習があるので――明日ですね(※取材は7日(木)に行われた)」

――それだけハードな練習を行う前日の気持ちは……。

「金曜日の朝はキツいなぁ、と思っています(笑)。でも、それを乗り越えたら週末が待っているので。金曜日は夜も練習があるんですけど、その朝練が終われば一週間の終わりが見えてくるなって(笑)」

――そう思えるように練習スケジュールが組まれているのかもしれないですね。

「山﨑さん(剛リバーサルジムMe,We代表)のおかげで、良い練習をさせてもらっています。選手一人ひとりの個性を見て、練習させてくれるんです」

――先日、倉本選手が修斗ジム東京からMe,Weへ移籍することが発表されました。もともとMe,Weで練習し始めたのは、いつ頃のことなのでしょうか。

「僕が修斗で岡田遼選手に負けた(2020年5月にKO負け)後ですね。当時の自分は打撃が全然ダメで、岡田戦の後に藤田大和に相談したことがキッカケでした。

大和とは一緒に自衛隊体育学校にいた時期があるんです。僕はレスリング班、大和がボクシング班で。お互い自衛隊体育学校を離れてからも連絡は取り合っていたんですけど、岡田戦の後に『大和、パンチを教えてくれないか』と相談して、Me,Weに出稽古で行くことになりました。その時に山﨑さんがすごく良くしてくださったんですよ。いきなり出稽古で来た、こんなヤツに対して。それが2020年の6月ぐらいですね。そこから出稽古で、Me,Weにお世話になっていました」

――では、それまでの倉本選手というのは……。

「あの頃、僕はハーレーのカスタムショップで働いていたんですよ。仕事が終わるのが8時か9時ぐらいで、それから練習に行って。だから練習に行くのが週2回ぐらい……正直、1回も行っていない週もありました。仕事で疲れて、もうイイやって。

ずっとレスリングをやっていたし、センスで勝つこともできていて、ちょっと調子に乗っていたんです。でも、そろそろちゃんと練習しなきゃいけないと思って、ハーレーを辞めて鳶に転職したんですよ。鳶は午後5時には仕事を終えることができるので。でも現場は朝が早くて、それもまた疲れ果てて――結局、練習に行かないことがザラにありました。
僕がMMAを舐めていたんです。レスリングと空手をやっていたので、あとは組み技と打撃をつなぎ合わせるだけだろう、って……」

――……。

「修斗ジム東京で練習していた頃は、坂本(一弘)さんには、すごく良くしていただきました。僕がRIZINに出ることになった時も、すぐに坂本さんから連絡を頂いて、効くサッカーボールキックの蹴り方を教えていただいたんです。坂本さんから教えていただくことって、MMAの要所要所で使えるものが、すごく多かったですね」

――これは失礼な聞き方かもしれませんが、修斗時代に投げを多用していたのは、試合を盛り上げること以上に、フィニッシュするためには投げしか選択肢がなかった状態だったのでしょうか。

「そうなんです。あとは大振りのフックとか。根津さんと試合した時(2019年11月、根津優太にKO勝ち)は8回ぐらい投げたんですけど、あれは1回で仕留めたかったのに、何度投げても根津さんが起きて来る。会場も盛り上がっているから、投げ続けたいっていう気持ちもありました。でもそれ以上に、しっかり倒したいと思っていたし、それが当時の僕にできることだったんです」

――なるほど。

「どうやって相手を壊すか、どうやって仕留めるかは常に意識しています。ジムで『これって良くないですか?』って話をしていると、山﨑さんにも『また相手を壊すことばかり考えて……』と言われますね。(笑)。RIZINもIREも、故意に相手をケージに叩きつけるのは反則らしいんですけど」

――相手をケージに叩きつけてKO……そんなことを考えていたのですか!

「ケージに叩きつけはしないですけど、エグいことばかり考えています(笑)。まだまだ新しいケージの使い方はあると思うし、いろいろ考えるのが楽しいですね」

――今後も倉本選手がどんなケージの使い方を見せてくれるのか、楽しみです。

「どんどん強い相手と試合したいです。でも……まだRIZINではヒロ・ヤマニハに負けて、加藤ケンジ選手に勝っただけで、何も証明できていないんですよ。ちゃんと今回の金太郎戦で勝てば、認められるんじゃないかなと思います。RIZINのバンタム級トーナメントで、僕は1回戦負けだったじゃないですか。あの時トーナメントに出ていた選手とも対戦していきたいですね。金太郎選手もトーナメントに出ていた選手なので、それは嬉しいです」

――金太郎選手は、そのトーナメントで注目を浴びた選手です。ファイターとしての印象はいかがですか。

「パンチもハイキックもミドルも強い。打撃が強い選手ですよね。僕も、打撃でも負けないように進化してきました」

――金太郎戦では、どのように相手を仕留めたいと思いますか。

「どの技で最終的に仕留めるかは、試合だからやってみないと分からないです。ただ、スタンドでもグラウンドでも仕留める技はホントにたくさんあるので、自分でも楽しみですね」

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【RIZIN TRIGGER03】金太郎戦へ。投、掌、ヒザ=三種の神技=倉本一真─01─「完全にエグいのが入って」

【写真】Mr.TRIGGERへ、ケージのRIZINを牽引していく空気感すら倉本には漂い始めている。そういう意味でも、ストライカーとの対戦は非常に重要だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03で、倉本一真が金太郎と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

倉本は今年2月、RIZIN TRIGGER02で加藤ケンジを相手に、グラウンド状態でのヒザ蹴りでKO勝利を収めた。IRE06の寒河江寿泰で、ヒザ着き掌底で相手の顔面を破壊してKO勝ちした試合に続くインパクトであった。さらに倉本にとっては、2020年3月以来となるケージでの試合で、様々なケージを活用した技術も披露している。

そんな加藤戦で見せたケージ技術について訊くと、倉本の新たな強さが見えてきた。


――2月のTRIGGER02における加藤ケンジ戦では、グラウンドでのヒザ蹴りで加藤ケンジ選手をKOしました。

「一方的な試合にすることができたかな、という感じですね。ケージでの試合ということで、テンションが上がっていたのかなとも思います。何より今はしっかり練習できているので、その自信が一番大きかったです」

――前回のインタビューでは、グラウンド状態のヒザ蹴りがあるRIZINルールを生かしたいという言葉があり、加藤戦はまさにその言葉通りの試合となりました。

「僕はガブりが得意なので、ガブってヒザを打てたら試合を終わらせることができる。それぐらいの自信があります。ただ、グラウンド状態でのヒザ蹴りってスパーリングでは練習できないじゃないですか。国内でRIZINファイターとONEに出ている選手以外は、グラウンドでヒザ有りのルールで試合していないし、まず危ない技なので……」

――ということは、練習ではガブってからヒザ蹴りという、打ち込みのみということですか。

「そうですね。スパーリングではガブってからのヒザ蹴りでボコボコにすることはないですよね。練習の中では、ガブりの状態になれば型だけはやる、というぐらいですね」

――その状態で実戦に投入する場合、本当に試合の中で見せられるのかどうか、不安な面はないでしょうか。

「不安はなかったですね。ただ……サポーターなしで、ガブった状態から人の頭にヒザ蹴りを当てるというのは、こっちも結構痛いなっていう(笑)」

――アハハハ。でもその痛みは、自分自身もしっかりヒザの先端を相手に当てることができている証ですよね。

「そうなんです。自分のヒザが相手の脳天へ……お互いの固いところが当たるので」

――ただ加藤戦では、グラウンドで相手をめくり、半身にさせてから顔面にヒザを突き刺してKOしました。あのヒザ蹴りはインパクトが大きかったです。IREで、ヒザ突き掌底を入れた時のように。

「ヒザ蹴りを打った自分が言うのもアレですけど……痛そうですよね。3発入って、最後はすごいのが入りました。頭や脳天を蹴るのって自分も痛いんですよ。試合中に痛みを感じることはないんですけど。でも固いところ同士が当たるので、自分では効いている感じが分からない。しかも相手はブロックするから、すべてのヒザ蹴りが頭に当たるわけじゃないですし。

でも、めくった状態や横からだと、頭じゃなくて顔に当たるじゃないですか。しかもスライディング気味に入って。ああなると、効いているなっていうのは分かりました。完全にエグいのが入っているなって」

――そのヒザ蹴りも含めて、とても活き活きと試合しているように見えました。

「前回の試合は、自分の中で迷いもありませんでした。相手は打撃が強いことも分かっていて、反対に僕が今までダメだったのは、そういう打撃をもらってしまうことだったんですよね。でもダメなところを改善して、だいぶ不安要素もなくなってきています」

――スタンドでは、打撃戦をするというよりも、相手が打撃を出す前に先手を打ちながらテイクダウンに持ち込んでいました。

「レスリング時代からそうなんですけど、自分のペースで試合をすることが重要なんです。やっぱり受け手になったらダメなんですよ。相手に対して『自分のほうが上だから、ちょっと見ていこうかな』と思っていると、やられたりポイントを取られたりして……。それは昔から同じなんです。

だから僕は常に、自分のペースで試合をする。自分から動く。それが一番良いのかなって思います。もっと打撃のカウンター狙いとか、そういうテクニックがあればいいんですけど、今はまだそんな巧さもないので」

――もともとレスリングが、それだけ短い試合時間で常にアクションを促し続けるスポーツですよね。やはりそのリズムが染みついているのでしょうか。

「そうですね。レスリングはアクションしなければ相手にポイントが入ったりするぐらい、常に攻めていかないといけない競技ですから。攻めて、攻めて、攻めて――。もちろん打撃のカウンター技術も練習しているし、それが加わればもっと成長すると思います。今も成長し続けているので、本当に楽しいですね。自分には伸びしろしかないです」

――あと加藤戦で見せたケージの技術でいえば、相手が起き上がろうとしたところを上から抑え込むのではなく、両手で押してケージに背中を着かせてから抑え込みに行きましたよね。ケージを使って相手を立たせない技術といいますか。

「あぁ~、それは結構使っていますね。今回の試合が終わってから、やっぱりケージが向いているって、いろんなところで書いてもらっているんですよ。自分ではそこまで意識していないんですけど、そう言われると、確かに得意な展開ですね」

――そういった部分で、加藤戦では新しい倉本選手を見ることができたと思います。

「そうですね。今はどんどん新しい武器も増えているので」

――前回のインタビューでは、これまでの試合では余裕を持って試合をすることで、敗北を喫したことについても触れていました。加藤戦でのメンタル面は……。

「相手のことをナメたり、油断したりっていうことは全くなかったです。試合前にケガをすることもなかったし、自分のコンディションも良かったし、気持ちも整っていました。やっぱり前の試合で負けたことが、良い勉強になったなと思います」

<この項、続く>

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER03 VTJ ブログ 摩嶋一整 金原正徳

【RIZIN TRIGGER03】日本随一のケージの使い手、金原正徳戦へ。摩嶋一整「森戸さんと週1で柔術を」

【写真】金原戦、摩嶋に問われるのはケージレスリングの攻撃力以上に防御力だ(C)SHOJIRO KANEHARA

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03で、摩嶋一整が金原正徳と対戦する。

摩嶋といえば2014年8月からMMAで12連勝を収め、そのうち判定勝利は1試合のみというレコードを持つファイターだ。そのなかには、クンルン・ファイト豪州大会やレベルFCといった海外での勝ち星も含まれている。

しかし2020年からRIZINに参戦したものの、斎藤裕とクレベル・コイケを相手に2連敗を喫していた。その摩嶋は今では所属する毛利道場だけでなく森戸新士がヘッドインストラクターを務めるレオス柔術アカデミーで出稽古を行うようになったという。3年振りのケージでの試合となる金原戦に向け、摩嶋に話を訊いた。


――摩嶋選手は今もずっと、山口県内のみで練習しているそうですね。

「はい、ずっと山口県内だけですね。仕事もあるので。昼は工場のプラントの中で、配管やタンクのメンテナンスをやっています」

――平日であれば、どのようなスケジュールで1日を過ごしているのですか。

「仕事が朝8時から、定時であれば17時には終わります。ジムの練習は20時から22時ぐらいまでですね。その間に子供の世話があって」

――今、お子さんのお話を出した瞬間、幸せそうな表情になりました。

「アハハハ、そうですか。3歳の娘と0歳の息子がいるんですが、朝は起きて自分の支度をしてから、子供を起こして支度させて。保育園に連れて行ってから、自分の仕事に向かうんです。仕事が終わってからは、子供をお風呂に入れてから練習に行って……毎日が楽しいです。子供をお風呂に入れたあと、そのまま一緒に寝てしまいたいなぁと思うこともありますけど(苦笑)」

――ご結婚されたのは、いつ頃なのでしょうか。

「25歳の時なので、5年ぐらい前ですね。娘は田村一聖選手と対戦(2019年5月、肩固めで一本勝ち)する前ぐらいに生まれました」

――結婚前と、結婚してからお子さんが生まれた後では、ファイターとしての気持ちに何か変化はありましたか。

「気持ちは、今のほうが充実しています。今の生活のほうが賑やかで楽しいですし。でも身体的にはキツくなっていますね」

――毎日そのようなサイクルで生活していると、疲労もたまり続けるのではないかと思います。そこで、どう折り合いをつけているのか……。

「もともと練習する回数は、プロ選手の中でも少ないと思うんですよ。だから、もう自分が頑張るしかないですよね。他の選手が、どれだけ練習しているか分からないですけど、僕は多くても週4回ぐらいしかジムに行くことができないので」

――週4回……ずっと、そのスケジュールは変わらないのでしょうか。

「変わらないですね。ただ、今は岩国の森戸さんのところで、週1回ぐらい柔術を習っています」

――森戸新士選手のレオス柔術アカデミーですか。

「はい。僕はクレベル戦まで、柔術の黒帯選手と練習したことが、ほとんどなかったんです。柔術は週1回、ジムの柔術クラスに参加するぐらいで、そこまでガッチリと柔術を教わったこともなくて。でも同じ山口県内に、同じ年代で日本一の柔術家がいるのに練習しないのは勿体ないと思って、森戸さんと練習させてもらうようになりました」

――クレベル・コイケ戦が昨年3月に行われているので、それ以降ということですね。

「クレベル戦の前から、ちょくちょくレオスには行っていたんですよ。でも最近は毎週土曜日、仕事がなければ必ず行っています。おかげで全然違いますね」

――どのようなところが一番違いますか。

「僕はずっと柔道をやっていたんですけど、柔術はずっと寝技で、腕もパンパンになるし、練習では一番疲れるなと思いました。アハハハ、それぐらい凄かったです。柔道もやっていたから、正直ソコソコやれるだろうと思っていたんですよ。でも、やっぱり柔術の黒帯が相手となると……技とか全然知らなくて。森戸さんと練習し始めて、こんな状態ではクレベルに負けるよな、って思いました(苦笑)」

――ちなみに、LEOSへの移動時間は……。

「車で1時間ぐらいですね」

――以前のインタビューで、パラエストラ広島の神田T-800周一選手も、車で1時間かけてLEOSへ行っていると仰っていました。

「そもそも森戸さん自身が、住んでいるところから1時間かけて岩国へ来ているので、皆がそんな感じですね」

――なるほど。LEOSでは、どのような練習メンバーが集まっているのでしょうか。

「森戸さんとジムの会員さん――岩国にいる米兵の方たちが中心です。あとは出稽古で、黒帯の柔術家やプロMMA選手が来ています。おかげでグラップリングや柔術の面は充実しています」

――これも以前、LEOSでも練習している藤井章太選手にお聞きしたのですが、米兵の会員さんの中にはレスリングの州王者もいるとか……。

「みんな力はヤバいです。なかにはテクニックのある選手もいるし、荒っぽい選手もいます。まずデカい人たちばかりで……みんな、90~100キロぐらいあるんじゃないですか? 100キロを超えている選手もいますよ。LEOSの会員はほとんど外国人の方で。それも米軍基地がある岩国市ならではですよね。そういう人たちとグラップリングをやっていると、学ぶこともたくさんあって楽しいです」

――レオス柔術アカデミーでは、道着の練習が中心なのですか。それとも道着のないグラップリングを行っているのでしょうか。

「両方やりますね」

――それは競技としてのブラジリアン柔術ではなく、MMAを意識した組み技の練習なのでしょうか。

「MMAのための練習もやっています。森戸さんはケージのグラップリングにも出たじゃないですか(今年1月、GLADIATORで行われたプログレス提供試合で、濱村健に三角絞めで一本勝ち)。ジムでも壁レスをやっていますし、メチャクチャ強いです。そのままMMAをやれるんじゃないかっていうぐらいで(笑)。

もともと毛利道場でも壁レスやケージレスリングの練習もやっていました。でも、森戸さんレベルの選手と組む機会はなかったので。今はレオスで森戸さんと、ケージレスリングをガンガンやっています」

――金原戦は2019年5月の田村一聖戦以来、3年ぶりとなるケージでの試合です。

「僕はケージのほうが好きですね。感覚的にもやりやすいし、技術的にもリングだとロープから出ないように――という意識が入っちゃいますよね。それだと押し込む技術が使えずに、やりにくさが出てきますから」

――摩嶋選手は、これまでケージでの試合経験も多いですからね。

「最初はVTJのジャックナイフ・ツネオ戦(2014年6月、判定負け)ですね。その頃からケージを意識してやってきました」

――それだけケージを意識したキャリアを積んできている場合、試合舞台がリングになると、どのように感じるのでしょうか。

「最初は、そんなの関係ないと思っていたんですよ。でもやってみると違います。テイクダウンする時もロープに引っかかると面倒だし、組んでもロープ際から中央へ戻される時には間が出来てしまうので。そういう間が空くと面倒くさいですよね」

――そこで今回、3年ぶりにケージで戦えるというのは……。

「久々なので嬉しいですね。しかも相手が、有名な金原選手です。2連敗していても強豪選手を当ててもらえるのは、まだ僕にも期待を持ってくれているのだと思います。僕もそういう有名選手とは試合でしか会えないから、常にそういう選手と戦って、刺激をもらいたいです」

――金原選手の印象を教えてください。

「金原選手は、打撃でKOすることもできるし、寝技で極めることもできる。今、39歳ですよね? それで前回は芦田選手をKOしていて、強いなぁと思っています。凄い選手です。

僕もRIZINに出始めてからは、もしかしたら金原選手と対戦することもあるのかな、と思っていました。でも、もともとは単に格闘技を見ていただけの人間なので……自分がテレビで見ていた選手と対戦することになったら、オォッと思いますよね。地方にいると、そういう有名選手を見ることがないので。僕、東京の会場で知っている選手を見るだけで興奮しますから(笑)」

――試合を9日後に控えていますが(※取材は4月7日に行われた)、かなりリラックスしているように感じます。

「いつもこんな感じですね。あまり緊張することはないです。もちろん練習や試合に対しては緊張感を持っていますけど、結局は開き直っちゃうので」

――そのようななかで金原戦では、どのような試合をしたいと思いますか。

「やっぱり自分は極めるか、極められるかの試合をしたいです。判定は嫌なので。今回はケージの試合ですし、ケージで戦う自分の魅力や強さを発揮したいですね」

――摩嶋選手のキャリアを振り返ると、これまで判定勝利は1度のみですね。

「田中半蔵選手との試合(2016年9月)、その1回だけですね。柔道の頃から、判定になったら負けと思えって指導されていたんですよ。それが身についているのだと思います。試合では常に極めに行かなきゃって」

――ただ、先ほど言われたとおり金原選手は打撃でKOすることもできるし、寝技で極めることもできる相手です。その金原選手を相手に一本勝ちを狙い続けるのは、リスクではないですか。

「やられたらやられたで、仕方ないです。前の試合も、クレベルが柔術で黒帯を巻いていて、海外のプロモーションの王者であることも分かっていました。それでも極めに行きましたし、結果的に極められても仕方ないと思っています。それが自分の戦い方ですから、僕は極めるか極められるかの勝負をします」

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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:3月:ボリッチ✖ブーネルからのグスタボ✖矢地祐介

【写真】「その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかった」という印象を矢地に持っていた柏木さんだからこそ、今の矢地に期待したいこととは…… (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年3月の一番。12日に行われたBELLATOR276より、アダム・ボリッチ✖マス・ブーネル──からのRIZIN TRIGGER03のメイン=ルイス・グスタボ✖矢地祐介戦について語らおう。

<月刊、柏木信吾のこの一番:3月:アダム・ボリッチ✖マス・ブーネルPart.01はコチラから>


──柏木さんのお気に入りアダム・ボリッチがマス・ブーネルを破りました。とはいえ15日にBellatorはAJ・マッキーJrとパトリシオ・フレイレのダイレクトリマッチの世界戦を組んでいます。マッチメイカーとしての柏木さんにお伺いしますが、一本決着だったタイトル戦だったにも関わらず、ダイレクトリマッチが組まれるというのは?

「人情的に分からないでもないです。人情ですね、理屈ではなくて。やはりパトリシオ・フレイレがベラトールに果たしてきた貢献度は高いです。タイトルを失う試合までずっと勝っていて、固定ファンもついている。そういう部分も考慮すると、スコットなりのリスペクトだと僕は思います。

あとは一本負けですけど、地力で負けた試合でもなかった。言ってしまえば事故系の負け方でした。完膚なきまで負けたわけでもない。一発入ってからギロチンですしね。まぁ左ハイを一発当てたマッキーが素晴らしいのですが、あれが当たっていなかったら──どうなっていたんだろうという風に、プロモーターやマッチメイカー目線でも言える試合でした」

──マッキーのモチベーションはどうでしょうか? 一度、タップを奪っている相手です。

「マッキーもビッグネームのパトリシオともう1試合やって、ファイトマネーも高くなる。だからモチベーションは上がると思いますよ」

──それは明快で良いですね……という再戦をキーワードに、ここは16日のRIZIN TRIGGER03に関してですが、ついに国際戦が組まれます。

「あぁ、そういう流れですか(笑)。ありがとうございます。ついに来ましたね。MMAPLANETで高島さんとお話をするきっかけになったTRIGGERですが、ついに外国人選手の試合……国際戦を組めます。あの時は2人ぐらい呼びたいと言っていましたけど、色々と事情もあって今回はまずルイス・グスタボと矢地選手の再戦ですね」

──正直2試合、見たかったです。

「2人ぐらい──ですから、僕が口にして活字になったのは。グレーですけど、僕は嘘を言っていないですよ(笑)」

──アハハハ。柏木さんの口から説明していただくと、ルイス・グスタボとはどのようなファイターでしょうか。

「良い意味で昔のシュートボクセを引き継いでいる選手です。悪くいえば、まだ粗い。当時のシュートボクセの選手が、今通用するかと言えばクエスチョンじゃないですか?」

──トーマス・アルメイダをより荒くしたような。ただ、そのアルメイダも柏木さんの言われているように、UFCで序盤は4連勝したのですが、最終的に4連敗で5勝5敗となりリリースとなりました。

「でも、魅力的な部分を持っている。見ている人が楽しめる戦いをします。遠いところからパンチを振りまわし、遠近両方でヒザを使います。巧い選手は苦手ですが、その尖がっている部分が魅力的ですね。そんな魅力を最大限に生かすためにもレスリングをすれば良いなと思っていたのですが、この2年間は試合がなくずっとトレーニングを積んできたので、どこをどう強化してきたのか。そこが見ものです」

──そこで矢地選手と再戦を組んだ故というのは?

「今回、RIZIN35のカードを見てもらうと分かるようにリベンジがテーマで……ソウザ選手とジョニー・ケースもそうですし、本来は大晦日で考えていたモノが、新規ビザ申請は受け付けないという外国人選手が入国できない状況になりました。岸田首相が発表した時に、まさに米国に発つ直前で……。

『嘘でしょ!!』っていう心境でした。外国人選手も当然、大晦日に向けてコミットしていて、時間もお金も掛けてトレーニングをしてきた。その選手たちが入国できるようになったのであれば、まず同じテーマで試合を組む。『だから少し待っていて』という連絡をして、ようやく状況が整いリブッキングしたという形ですね」

──つまりはリベンジマッチを組みたかったけど、できなかった。そのリベンジでもあるのですね。

「そうなんです。そういうなかでTRIGGERとの連日興行を打つ。グスタボも矢地選手も前回の試合で──それぞれGPとタイトル戦という大勝負ですが、負けてしまっているので。TRIGGERで再起を図るという形でメインになりました」

──いやぁ、ありがとうございます。矢地選手の試合、ケージで見たかったので。

「これまで本能に任せて戦っていたのが、八隅さんの指導を受けるようになり、組み立ててスマートに戦えるようになった。そういう評判ですよね。もともとポテンシャルの高い選手だったけど、その実力の出し方が分からなかった。導き方が分からなかったというか……導く人がいなかったのだと思います。導くシステムになかったのでしょうね」

──矢地選手自身も、人の良さというか……ファイターとして、甘い部分もありました。

「天真爛漫ですよね。良い感じで。人として凄く良くて、このままおじいちゃんになって欲しいというか(笑)」

──ただし、彼の良さがMMAでは巧く機能していなかった。それが八隅さんのコーチングで変わってきたと。最近では、荒々しさもあると聞きます。

「ほぉ。そういう面が出てきたのですか。それは楽しみです。緩急がつけられるようになったのですね!!」

──そのような戦いを、グスタボを相手にしてデキるのか。日本人相手にデキる戦いが、外国人選手を相手にしてもデキるのか。これは永遠のテーマです。

「そうですね。変に考え込まず、思い切りの良さと爆発力がある選手なので。そこは大切にしてほしいです。贅沢な話ですけど、自分の良いところを全て出して融合して欲しいですね」

──ではグスタボ✖矢地、生か映像がどちらでファンに楽しんで欲しい試合ですか。

「この試合は生です。この試合は生でやらないと……じゃない、生で見ないと勿体ない試合です!!」

──とりあえず自発的な発言ですし、そのまま書かせていただきます(笑)。

「やるじゃないですよ。見ないと、ですよ(笑)」

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