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【ONE FN06】スタンプとミックスファイト。立ち技無双、アニッサ・メクセン「MMAでもビックリさせる」

【写真】絶対的に立ち技の強さは頭抜けている。故にムエタイも楽しみだし、MMAも興味深い一戦になる(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、ONE Championshipの2023年のスタートを切るONE Fight Night06がタイはバンコクのインパクト・アリーナで開催される。

同大会ではアニッサ・メクセンがスタンプ・フェアテックスとフリースタイル=ミックスファイトを戦う。ムエタイとMMAを交互に戦う同ルールは昨年3月のDJ✖ロッタン以来、2度目の試みとなる。そんな一戦に挑む、メクセンにインタビューを試みた。

MMAファンには馴染がないメクセンだが、その経歴は驚くばかり。通算成績103勝5敗、WBCムエタイ世界王座、WPMFムエタイ世界王座、Gloryキックボクシング世界王座、ISKAキックボクシング世界王座を獲得しているばかりか、サバットで世界と欧州、母国フランスを制し、ボクシングでもフランス王者になっている。

(C)ONE

立ち技無双メクセンは間違いなく、世界最強女子といえる。

ムエタイでもキックでもそのルールに応じて、全ての局面をこなせ、倒せる力を持っているメクセン。ボクシンググローブでも、MMAグローブに共通して、左右の拳で倒せる彼女の強味は相手が姿勢を乱したところでの一撃だ。

そのために前に出て拳の届く距離で、攻撃を散らすことに長けている。そんな立ち技無双はムエタイルールはおろか、MMAでも絶対の自信を見せていた。その自信の裏付けとなるMMA転向秘話、自身の存在を軽視されている憤りが感じられるメクセンの声をお伝えしたい。


──スタンプ・フェアテックスとミックスファイトを戦います。今の心境を教えてください。

「凄く良い感じよ。キャンプも良かったし、2カ月この試合のために集中してきた。早く試合がしたい、待ち切れないわ」

──アニッサは立ち技ファイターとして、間違いなく世界のトップです。ただし、グラップリングに関しては誰もが技量を疑っているはずです。この試合が決まる前に柔術やレスリングなどの経験はありますか。

「私は6歳の時から柔道をやってきたし、2017年から1年半アルバカーキのジャクソン・ウィンクMMAで練習していたことがあるの。当時からMMA転向を考えていて、だから柔術とレスリングもトレーニングしていたわ」

──その後、5年を経てMMAを戦っていませんが……。

「MMAで戦おうと思っていたけど、私のキックやムエタイでの経験を警戒して誰も対戦を了承してくれなかったの。結果的にデビュー戦が纏まらないままだったから、Gloryと契約を更新してキックを続けることにしたのよ」

──つまりジャクソン・ウィンクMMAでの1年半のトレーニング経験があるので、スタンプとMMAルールで戦っても自信があると?

「もちろんよ。このルールに必要な練習は全てやってきたから。私は決して対戦相手を軽く見ることはないわ。だから毎日、ボロボロになるまで練習しているし。1日、1日がビッグファイトのような生活を送ってきているから」

──今回の試合はMMAではなく、ミックスファイトルールです。1Rがムエタイ、2RがMMA。それを2度繰り返す。では最初の4分間、ムエタイルールでスタンプと戦う際にアニッサのムエタイはどの点でスタンプより優れていると思いますか。

「全てよ。私はずっとムエタイを戦って来たから」

ブノワ・ゼディ・コーチ 我々は対戦相手を選んだことは一度もない。世界中の女子選手と戦ってきた。皆と戦ってきて、全員を倒してきたんだ。

──アニッサはムエタイだけでなくキック、K-1、そしてサバットとあらゆる立ち技の戦いをこなしており、その経験値は凄まじく打撃戦に関して引き出しが非常に多いと感じました。

ゼディ 彼女はボクシングだって戦っているよ(※2勝0敗)。

「私の動きは、どのルールにも対応できる。とにかくこのスポーツが好きだから、どのルールでも戦って来たし、そのためにはルールに合わせて動きや技がアジャストできないといけないから」

(C)ONE

──相手がバランスを失った時に的確にパンチを入れる攻撃が秀でていますね。

ゼディ それは我々はいつもフィニッシュするために戦っているからだよ。その機会を彼女は見逃さない。ジャッジに勝利の行方を委ねないために、常に前に出て攻撃する。アニッサがリングに上がるのは勝つためじゃない、相手をノックアウトするためだよ。

──スタンプはパンチの交換よりも、首相撲を好む傾向があると思います。一方で、アニッサはキックルールで殴り合い上等という戦いも見せてきました。

「私にとってスタンプはムエタイファイターとしては、特に秀でている点はない。ONEでムエタイは3勝1敗、キックは1勝1敗。あの子がムエタイとキックの世界王者だったなんて悪夢よ。そして、彼女はどの試合でも同じ動きをしているし。

ミドルキックと右のパンチが強いのは、どのタイ人ファイターも同じ。共通した特徴でしかないわ。典型的なムエタイファイターね。だから特に印象に残る選手ではなくて。首相撲に関しても、私はずっとずっと練習してきた。仮に彼女がクリンチゲームを仕掛けてきても問題ない。レスリングも同じことよ。何でもやってくれば良いわ。その全てに私は対応できるから」

──この試合はアニッサの名前を世界に轟かせるための一大デモンストレーションと考えていますか。

「もちろんよ。ONEチャンピオンシップですら、私が何者か理解していないわ。今3勝0敗でやりたいことがたくさんあるけど、何も実現しない。このファイトは私にとってチャレンジであると同時に、周囲からリスペクトされるための戦いでもあるの。だから絶対に負けないし、私がどのようなファイターかを証明してみせる」

──ムエタイでスタンプを仕留めるのか、MMAでの可能性を示したいのか。どちらでしょうか。

「1Rで終わらせたい。でも試合は試合、どうなるのかは分からない。例えMMAのラウンドになっても構わないわ。ビックリさせるから。まぁ、楽しみにしていて」

──分かりました!! ファイトはファイト、勝敗はつきもので勝者は1人です。アニッサはこの試合後、ONEの立ち技で世界王者を目指すのか。MMAに転向するのか、どちらの青写真を描いていますか。

ゼディ アニッサが負けるわけがないよ(笑)。

「最初はジャネット・トッドの持つONEキックボクシング世界女子アトム級王座に挑戦したいと思っていたけど、全く実現しない。だから、今はこの試合に勝ってからどうするかは……まだ決まっていない状態ね」

──アニッサとしては立ち技を続けることと、MMAにチャレンジすることどちらに興味がありますか。

「う~ん、それは問題じゃないの。私はこの試合を戦い、人々から尊敬されるようになりたい。だから、この試合を受けたの。スタンプとのミックスファイトは、私が何者なのか──存在証明のファイトになるわ。

今後に関しては、ただ試合に勝つための試合はしたくない。ベルトを取るための試合がしたいわ。3年間も待ち続けてきたの。もう、こんなクレイジーな状態は我慢できないから」

──そのためにもスタンプとの試合、何を世界に見せたいですか。

「私がベストのチャンピオンだと、世界に見せつけるわ」

■放送予定
1月14日(土・日本時間)
午前10時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN06対戦カード

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
エカテリーナ・ヴァンダリエヴァ(ベラルーシ)

<150ポンド契約/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
佐藤将光(日本)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)

<ONEキックボクシング世界フライ級王座決定戦/3分5R>
スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] ガントゥルム・バヤンドォーレン(モンゴル)

<フリースタイル女子アトム級(※52.2キロ)/3分4R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アニッサ・メクセン(フランス)

<215ポンド契約/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ジルベウト・ガルバォン(ブラジル)

<キック・フライ級/3分3R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジドゥオ・イブ(中国)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
ゲイリー・トノン(米国)
ジョニー・ヌネス(米国)

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Black Combat Black Combat04 MMA MMAPLANET o イ・ソンハ キム・ジュンギュン

【Black Combat04】キム・ジュンギュンとの接戦を首相撲&TDで制したイ・ソンハが新ライト級王者に

【写真】新王者イ・ソンハは長いコンパスを生かした打撃とフィニッシュを狙い続ける組み技が魅力だ(C)MMAPLANET

12月31日(土・現地時間)に韓国はインチョンのパラダイスシティホテル内クラブ・クロマで開催された Black Combat04「The Era of New Kings」。

ブラックコンバットではLIVE配信を一切行わず、試合前から試合後までを編集した動画を大会後、数日を経て1日1試合というペースで公開している。6日(金)に同大会のコメインのBlack Combatライト級王座決定戦の動画がアップされたので、ここで試合レポートを掲載したい。


<Black Combatライト級王座決定戦/5分3R>
イ・ソンハ(韓国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
キム・ジュンギュン(韓国)

サウスポーのイ・ソンハに対し、キム・ジュンギュンが右ローと右ストレート。イ・ソンハが前に出て来た相手に組みつき、右腕を差し上げてケージに押し込むが、体勢を入れ替えられる。離れるイ・ソンハ。キム・ジュンギュンの強烈な右ローが当たる。イ・ソンハの蹴りもクリーンヒット。左ミドルをもらったキム・ジュンギュンも右ミドルを当てる。

両者、笑顔で向かい合うなか、イ・ソンハが蹴りを散らす。そしてシングルレッグでテイクダウンを狙うも、キム・ジュンギュンが体勢を入れ替えて相手をケージに押し込む。しかし差し返したイ・ソンハが小外刈りでキム・ジュンギュンに背中を着かせる。すぐにバックに回ったイ・ソンハはRNCへ。

耐えるキム・ジュンギュン。するとイ・ソンハはワンアームでもRNCを狙うが極まらず。肩固めに切り替えたイ・ソンハは、さらにマウントに移行するもキム・ジュンギュンが立ち上がる。スタンドに戻るとキム・ジュンギュンがプレッシャーをかけてラウンドを終えた。

2R、左フックで追うキム・ジュンギュンを、イ・ソンハが左ミドルで迎え撃つ。フェイントをかけあう両者。キム・ジュンギュンが右前蹴りを相手のボディに突き刺した。相手の左ミドルをキャッチしたキム・ジュンギュンが、そのままシングルレッグでテイクダウンを奪う。すぐさまバックに回ったキム・ジュンギュンが右腕を首に巻き付けRNCを狙うも、イ・ソンハがクラッチを外した。

マットに足を着き、イ・ソンハをケージに押し込むキム・ジュンギュン。しかしイ・ソンハも押し返す。イ・ソンハの左ローをキャッチしたキム・ジュンギュンが、再びグラウンドに持ち込む。ハーフガードのイ・ソンハのバックをうかがうキム・ジュンギュン。ケージに押し込み、相手に離れ際にパンチを当てる。キム・ジュンギュンの連打がヒット、グラついたイ・ソンハだが、ケージに押し込まれながら逆にテイクダウンを奪い、肩固めへ。これを凌がれるとバックを狙うイ・ソンハ。しかしキム・ジュンギュンが耐えきった。

最終回、キム・ジュンギュンの右ストレートがインサイドからヒット。連打を食らったイ・ソンハが、遠い距離から飛び込むもキム・ジュンギュンの足を触れず。明らかにペースが落ちたイ・ソンハだったが、ダブルレッグで組み、押し込んでテイクダウンを奪った。キム・ジュンギュンは下から左腕を取ってキムラへ。しかしイ・ソンハがクラッチを切ると、キム・ジュンギュンも立ち上がる。

イ・ソンハは相手をケージに押し込みヒザ蹴りを突き刺す。キム・ジュンギュンのパンチに対し、下がるイ・ソンハ。しかし首相撲で捕えてグラウンドに持ち込んだ。ハーフガードのキム・ジュンギュンに左ヒジを打ち込むイ・ソンハ。キム・ジュンギュンはフックガードに戻して立ち上がり、スタミナが切れたかイ・ソンハが追いきれない。

互いにジャブとローでけん制するなか、イ・ソンハが左ストレートを打ち込む。キム・ジュンギュンも右フックを繰り出すが、こちらも追い足がなくパンチがスローに。イ・ソンハが再び組みつくもグラウンドに持ち込むことはできない。首相撲に捉えられながら体勢を入れ替えるキム・ジュンギュン。最後は互いにパンチを振り合い、イ・ソンハがヒザ蹴りで飛び込み試合終了のゴングを聞いた。

裁定は、ジャッジ3者とも29-28でイ・ソンハの勝利を支持。ライト級のベルトを巻いたイ・ソンハは涙を流しながら周囲への感謝を述べた。さらにケージの中から、次の対戦相手となるパク・ジョンハンと会話する場面も。パク・ジョンハンもケージインし、イ・ソンハと額を付け合うとブラック代表が両者を分けた。

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Black Combat Black Combat04 DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o PRIDE ROAD FC UFC YouTube エメリヤーエンコ・ヒョードル ブラック ボクシング

【Black Combat04】謎が謎を呼ぶ、ブラック代表に訊く新しいK-MMA─01─「PRIDEとUFCの良さを」

【写真】ブラック代表にインタビューをする際、日本だけでなく韓国の関係者からも「どんな人物だったか教えてほしい」と尋ねられるぐらい──謎な人物だ。ブラック代表は、コーヒーにはミルクも砂糖もいれないでほしい……(C)MMAPLANET

12月31日(土・現地時間)に韓国はインチョンのパラダイスシティホテル内クラブ・クロマで開催された Black Combat04「The Era of New Kings」。

大晦日大会はイ・ビョンホンがPR大使を務めるパラダイスシティ内のクラブで開催された

YouTubeを駆使したオーディションと煽り番組。ライブ配信を行わない。これまでのK-MMA界、いやMMA界の常識を覆す新興プロモーション=ブラックコンバット。

DEEPとの対抗戦が現実味を増すなか──謎が謎を呼ぶ、噂のプロモーションのブラック代表に話を訊いた。新しいMMAの形は、実は温故知新な部分もある──今、我々が目にしているブラックコンバットはブラック代表とブラックコンバットの壮大なプロジェクトの第一歩でしかない。


──K-MMA界の新興勢力、そして謎だらけのBlack Combatの代表Blackさんです。大代表がブラックと名乗ること自体が異例です。本名や生年月日は公表しているのでしょうか。

「神秘的な存在でいたいので、そういうことは秘密にしています。別に記者さんに年齢や年を伝えても良いですが、それは記事にしないでください(笑)」

──なるほど。とはいえ韓国のSNSは、日本よりも誹謗中傷など怖い印象があるので、素性を暴かれるような投稿もあるのではないですか。

「もうメチャクチャ多いですよ(笑)。コメント欄も、そのような言葉で埋め尽くされます(笑)。今では外を出歩く時も、自分が何を話しているのか聞き耳をたてられているのが分かるので、もう口を開かないようにしています。それでも先日、済州島に旅行に行くとプライベートを楽しんでいる写真を撮られ、それがDMで届くような感じなんです」

クラブ・クロマは韓国随一の大箱クラブだ

──最悪ですね。

「もうしょうないです。そういう状況も楽しむようにしています」

──それだけブラックコンバットが浸透していることが分かるエピソードですが、そもそもブラック代表はなぜMMAイベントを開催するようになったのでしょうか。

「自分はYouTuberでした。ただMMAが好きなユーチューバーだったんです。MMAを分析し、UFCの動向を伝えるようなYouTubeをやっていました。ただ、同じようなことをしているユーチューバーも少なくなくて、他のユーチューバーから言いがかりをつけられました。その時、『格闘技のユーチューバー同士、ボクシングで決着をつけようや』というようなことを言われました(笑)。

でも自分たちはMMAを伝えているんだから、『ならMMAでやりましょうよ』と。このやりとりが盛り上がって、その流れで『大会を開こう』と考えるようになったんです。喧嘩を吹っかけていた人間はボクシングで戦うことを主張していたのですが、ならもう関係ない。自分の相手はその彼でもなくて良いので、MMAを戦うから誰でも戦うと対戦相手を募りました。そうしたらボクシングの国家代表だった人や、ムエタイの選手が応募をしてきました。その結果、最初の大会を開いた。それがブラックコンバットの始まりだったんです」

選手が使用したグローブ等がオークションにかけられ、ファイターの収入となる

──喧嘩を売られて、イベントが始まったということですか。

「そのイザコザがある前から、MMA大会を開きたいという気持ちはありました。あのやり合いが始まった時に、これは良い機会だと思ったんです。ただし、自分自身が選手として戦うつもりはなかったです(※ブラック代表はブラックコンバットのアマ部門フェザー級王者。ニックネームはゴッドファーザーで、アマMMA通算戦績は3勝0敗だ)。

でも自分が戦うことで、イベントが盛り上がるのであればやるしかないと思いました。結果、ボクシングの国家代表やムエタイの選手と戦って勝ちました。そしてアンダーグラウンド(=アマチュア部門)のベルトを持っています」

試合後のインタビューには、選手のスポンサーのアピールタイムも設けられている

──その時は『俺に勝ったら、〇〇〇万ウォンだ』みたいな煽り方をしたのですか。

「実際にはファイトマネーは支払いました」

──MMAのユーチューバーでも、ブラック代表はMMAなど格闘技歴があったわけですね。

「MMAが好きで、普通の一般会員で練習していました(笑)。ただ、それだけです。兵役に就くまでに1度だけアマチュアの試合に出ています。でも、MMA歴はそれだけです」

──MMAが好きな人はいても、実際に練習するようになる人はやはり競技特性上も限られていると思います。真のMMA好きだったのですね。

「人それぞれの人生、生き方がMMAに凄く似ています。MMAこそ人生だと魅力を感じたんです」

本計量後には、ケータリングで昼食がファイターと関係者にふるまわれた

──好きになったきっかけのMMA大会とは?

「米国留学中に見たUFCです。自分はお酒もたばこもやりません。趣味は映画鑑賞でした。そんな時に偶然MMAを見るようになり、UFCからPRIDEをチェックするようになりました。一番好きだった選手はエメリヤーエンコ・ヒョードルです。ヒョードルやミルコの時代からMMAが好きでした」

──さきほど一般会員でMMAの練習をしていたと言われていましたが、ブラックコンバットに出場している選手が所属しているジムに在籍していた可能性もあるのですね。

「ハイ。サビMMA、ボン柔術、ライフジムという3カ所で練習していて、試合前には3部練をしていました」

──過去の練習仲間は正体不明のブラック代表が、誰なのか分かっていると。

「ハイ(笑)。公式にブラックコンバットを始めて、まだ4カ月や半年なので回りの皆が驚いているのは事実です。『あの時のお前がなぁ』という声もありました。そこから2度戦い、勝ち星を得たことで以前の自分を知っている人も皆が認めてくれているように感じます。実際に『こういうことをやると思っていた』と言ってくれる人と、『全く想像もつかなかった』と言う人は半々ですね(笑)」

3階の100万ウォンのVIP席の観客は、直結した4階のジャグジーと温水プールを試合開始の2時間前から使用できる

──UFCやPRIDEが好きだったブラック代表にとって、K-MMAの大会はどのように映っていたのでしょうか。

「UFCやPRIDEが好きで、当然のように国内のMMAも見るようになりました。Road FCやTOP FCをずっと追ってきました。その当時から団体ごとに長所と短所があることを感じていましたね。今、ブラックコンバットはその良い部分だけを参考にしています」

──自分ならMMAを「このようにプロモートする」というアイデアを持ちながら、韓国の国内イベントを見てきたのですね。

「その通りです。今の時代に合わせて団体を運営していくというのもありますが、伝統的なMMA団体の在り方も良いところがあると思っています。その2つを混ぜて、ブラックコンバットをプロモートしていきたいと思っています。

韓国のMMA団体だけでなく、例えばPRIDEからはドラマチックなMMA、イベントの完成度の高さを学びました。UFCはランキング性があり、勝てば上に上がっていくというフォーマットがあります。どちらが良い悪いではなく、どちらも良いのでこの2つのMMAの有り方を採り入れたいと考えています。ドラマチックであり、競技性の高いモノをブラックコンバットは目指します」

──現状、優れた映像でYouTubeを媒介して、プロモーションをしている。ここが従来のイベントを明確な違いとなっています。

「MMA団体にこれまでになかった新しい映像を創ることは、ずっと興味を持っていました。そしてYouTubeを駆使してマーケティングの開拓に成功した団体はブラックコンバットが初めてです。一番の後発団体ですが、他の団体は既にブラックコンバットを模倣し始めています。ならば自分たちはここに留まらず、今は映画館を使ったパブリックビューイングを実施しようかと考えています。もちろんTV放送についても、アイデアはあります」

<この項、続く>

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LFA LFA149 MMA MMAPLANET o UFC   フィリッピ・ブニス 堀内佑馬

『LFA 149: Bunes vs. Horiuchi』堀内佑馬の計量ミスでフライ級タイトルマッチがノンタイトル戦に変更

1.6『LFA 149』でフェリペ・ブネス vs. 堀内佑馬のフライ級タイトルマッチ(2022年12月05日)

 こちらの続報。


 タイトル名にある通り、同大会のメインでは堀内佑馬がフィリッピ・ブニスとLFAフライ級王座を賭けて戦う予定だったが、計量失敗でブニスが勝った時のみ新王者が誕生とするという変則タイトルマッチに変更された。

 MMAPLANETでは計量後に堀内にインタビューを行う予定で、時間も決まっていたが、本人から「体重オーバーでタイトルマッチを戦えなくなってしまいました。このような状態でインタビューを受けることはできません。本当に申し訳ありません」というメッセージが届いていた。

 LFAのオフィシャル発表によると、ブニスは125ポンド丁度でクリアー。一方の堀内は126.6ポンドと1ポンドオーバー規約が用いられないタイトル戦を考えると1.6ポンド・オーバーということになる。

 なんとも残念。相手が試合を受けてくれたことに感謝して、ここは切り替えるしかないですね。


 なお、試合は午前11時からUFC Fight Passでライブ配信されます。続きを読む・・・
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LFA LFA149 MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC   フアン・プエルタ フィリッピ・ブニス 堀内佑馬

【LFA149】計量終了 堀内佑馬、痛恨の計量失敗でタイトル奪取は消滅──それでも、勝つしかない!!

【写真】相手は試合を望んだ。ならばぶちのめす対象でしかない。勝って、詫びれば良い(C)LFA

6日(金・現地時間)、コロラド州チャンドラーのヒラ・リバー・リゾート&カジノで開催されるLFA149「Bunes vs Horiuchi」の計量が5日(木・同)に行われた。

タイトル名にある通り、同大会のメインでは堀内佑馬がフィリッピ・ブニスとLFAフライ級王座を賭けて戦う予定だったが、計量失敗でブニスが勝った時のみ新王者が誕生とするという変則タイトルマッチに変更された。


MMAPLANETでは計量後に堀内にインタビューを行う予定で、時間も決まっていたが、本人から「体重オーバーでタイトルマッチを戦えなくなってしまいました。このような状態でインタビューを受けることはできません。本当に申し訳ありません」というメッセージが届いていた。

LFAのオフィシャル発表によると、ブニスは125ポンド丁度でクリアー。一方の堀内は126.6ポンドと1ポンドオーバー規約が用いられないタイトル戦を考えると1.6ポンド・オーバーということになる。

Road to UFC初戦敗退から、10月のフアン・プエルタ戦で逆転一本勝ちで得たMMAファイター人生を賭けた一番で、堀内は大きな失態を(いかなる状況だったかは差し置いて)おかしてしまったことになる。勝っても、ほぼUFCへステップアップという目論見が外れる痛恨の計量ミス……インタビューを受けられないという堀内の心情は痛いほど伝わってくる。

とはいえ、ここでUFC行きを諦めるわけにはいかない。計量失敗は事実だ。そして対戦相手は堀内のペナルティ分の報酬を受けて、タイトルマッチに挑む選択をした。タイトルマッチを戦わないという選択をした場合、堀内はブニスに陳謝の気持ちを持ち続けるしかない。

ただし、契約社会のMMA界にあって──ブニスは変則タイトル戦で、その分の報酬儲けて試合を受け入れた。ならば、もうイーブンだ。これ以上、失うモノをなくすために堀内は勝利を挙げることに集中し、躊躇なくブニスを仕留める。それがUFCへの道を閉ざさない唯一の方法だ。

■視聴方法(予定)
1月7日(土・日本時間)
午前11時~UFC Fight Pass

■LFA149対戦カード

<LFAフライ級王座決定/5分5R>
フィリッピ・ブニス(ブラジル)
堀内佑馬(日本)

<バンタム級/5分3R>
マーカス・マギー(米国)
ルシアノ・ラモス(アルゼンチン)

<ミドル級/5分3R>
エリック・フィンブレス(米国)
トニー・チャールス(米国)

<ライト級/5分3R>
セドリック・カタンバ(コンゴ民主共和国)
アダム・ガルシア(米国)

<160ポンド契約/5分3R>
プリンセトン・ジャクソン(米国)
クリス・ブラント(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ラウナ・サントス(ブラジル)
ヴァレスカ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ダニール・アドレアニ(ブラジル)
ヤン・テイシェイラ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジャナイナ・シウバ(ブラジル)
ナイヤラ・エミリ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
エジナルド・ジュニオール(ブラジル)
マルコ・ジニョーリ(ブラジル)

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BELLATOR LFA MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC ブライアン・バトル ヘンリー・フーフト 佐藤天 修斗

【ONE】2022年中に話が訊きたかったファイター。4人目、佐藤天―01―「身銭を削って生きている」

【写真】選手の選択肢はそれぞれあることを踏まえたうえでUFCが唯一の世界最高峰で、そこを目指す練習環境は米国にある。この自論は崩れない(C)KILLCLIF FC

2023年が始まり、MMAワールドでは本日6日(金・現地時間)に米国でLFAが開催され、アジアではONEのタイ大会=14日(土・同)のFIGHT NIGHT06からスタートを切る。日本の戦い初めは15日(日)、後楽園ホールの修斗公式戦だ。

そんな2023年のMMAに向け、『2022年中に話を訊いておきたい』勝者、敗者を6人リストアップしインタビューを行った。第4弾は世界最高峰との契約更新から2連敗、苦悩の時を過ごしたUFCウェルター級ファイター=佐藤天に話を訊いた。

フロリダ、キルクリフFCでの生活は不変である佐藤。契約したばかりのUFCファイターの生活環境まで言及してくれたうえで、彼からは強くなるために米国で生きることは普遍の原理と考えていることが伝わってきた。


──悔しい気持ちを抱えたまま、2022年が終わろうとしているかと思います。

「そうっスね。ハイ。一言でいえば残念で。やり残したことばかり、やってきたことを試合で出せなかった。その想いが一番強いです。悔しい1年になりました、本当に」

──8月のブライアン・バトル戦以降、どのような日々を過ごしてきました。

「まず1カ月ほど日本に帰国して。そこから練習に戻ったのですが、最初の1カ月ゆっくりと軽い動きから練習を再開しました。ここ2カ月は組み技、あとはドリル練習に重きを置いて年明けから試合に向けての練習をメインでやることになります」

──ではあまり打撃の練習はしてこなかったと?

「ハイ。初めてあんな風にKO負けしたので、コーチ性質も敏感になっていて。打撃のスパーリング自体は1カ月ぐらい前から再開したのですが、試合が決まっていない状態だから『年内は大きなグローブを使って、強度の高い練習は無しにしょう』と言われました。なので打撃も技術練習や基礎練習が中心でしたね」

──ヘンリー・フーフトたちはそれだけKO負けした時は、回復具合を気にしているのですね。

「ギルバート(ジルベウト・ドリーニョ・バーンズ)とも話をしたのですが、タイトル戦でウスマンにKO負けした後は半年間、打撃のスパーリングをしなかったと言っていました。次の試合ではチマエフにジャブを効かされたので、あの後もずっと脳に衝撃を与えないで練習をしていたようです。

試合が決まっていれば、スパーリングも再開します。でも、試合が無いようだったらコーチ達も『スパーはやらなくて良い』という方針ですね。それで他の練習メニューを指示されるので、ぶっちゃけ我慢しながらやっています(笑)」

──やはりスパーをしたくなるものですか。

「米国に戻って毎日練習に行くと、そうですね……(笑)。練習ができないというのは一番厳しいです。それでも、ジムに行くと見えてくることもたくさんあります。だからプラスになるように過ごしていましたけど……練習できないことは、気持ち的にキツイというのはあります。プラスになることは凄く多くても。でも練習をできる体は維持しているので、ここから試合に向けての練習にシフトしていけます」

──クリスマスとニューイヤー、UFCがクリスマス前から約1カ月のウィンターブレイクとなりました。そんななかキルクリフFCも里帰りをする選手たちが多くなかったでしょうか。

「もともと試合前にだけ来るという選手以外は、変わりないです(笑)。皆、練習を続けていますね。1年間で見ると、チーム全体の成績が2021年は2/3は勝っていたのが、2022年は6割ぐらいに勝率が下がりました。そういうところにコーチもシビアになっていて、年末も追い込みのメニューが用意されていました。気を引き締めていこうということだと思います。厳しい練習をしています」

──そんななか日本では話題になったBellatorが2019年の年間27イベントからコロナ禍で18大会となり、2023年はさらにイベント数が減るという話も伝わっています。薄っすらと景気後退のように感じられ、UFCの独創感が鮮明になっているような気がするのですが現地にいる佐藤選手から見るといかがですか。

「Bellatorのイベント数が減るというのは聞いています。以前からBellatorに出ているチームメイトからはUFCと比べると試合が決まるのが、遅い。プロモーションも短くなるという話も聞いているし。マーケティング的にもUFCが独創している感はあります。そういう点でもUFCとは差があるので、UFCを第一に目指すという選手が圧倒的に多いです。PFLで優勝したら100万ドルという魅力的な話があっても、やはり選手としてはUFCに出たいというのが多いです」

──キルクリフの所属選手でUFC、Bellator、PFL、そしてONEと契約している選手と、フィーダーショーで戦っている選手の割合はどのようになっていますか。

「正確な数字は分からないですけど4割から5割が大きな団体と契約していますかね。さっきも言ったようにキャンプの時だけ来る選手もいますし、全体の人数はちょっと分からないのですがUFCファイターは20数人います。Bellator、ONE、PFLを含めると30人以上になります。だから半数近くがそうで、他がフィーダーショーで戦っています。

最近、ロシアの選手が増えてきました。コンテンダーシリーズを狙っている選手や、アマチュア大会に出ている若い選手も凄く高いレベルの選手が来ています。だから練習的には凄く高いレベルを維持しています」

──ロシアや中央アジアでアマMMAを戦っている選手は国や企業からサポートを受けて、他に仕事をしない。いわばファイトマネーを得ていないプロですよね。

「アマチュアでプロ戦績のない選手のSNSのフォロワーが10万人とかなんですよ」

──!!

「国を挙げてサポートを受けているところはありますよね。こっちでも、毎日練習だけをしています」

──対してフィーダーショーに出ている他の選手たちは、どのような境遇なのですか。

「自分の前のルームメイトもUFCと契約しましたけど、2戦目が流れたのでウェイターをしながら練習しています。UFCと契約しても、バイトをしている選手はたくさんいます」

──佐藤選手の場合は、ファイト以外でお金を得ることはできないビザですよね。

「ハイ。だからサポートしてもらいつつ、身銭を削って生きている──ぐらいで。バイトをしないで練習できているのですが、それだけで生活自体はUFCと契約する前と大きく変わることはないです。ただし、ずっと練習していられるので恵まれていると思っています。好きなことやっているので」

<この項、続く>

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【PFL】ジェイク・ポールがファイター&ビジネスマンとして、PFLと契約。「PPV収益の半分を選手に還元」

【写真】10月29日にアンデウソン・シウバをボクシング8回戦で戦い、判定で下したジェイク・ポール。果たしてMMAではどのような相手と戦い、どれぐらい稼ぐことができるのか(C)ESTHER LIN/SHOWTIME

5日(木・現地時間)、PFLよりジェイク・ポールと2つの契約を交わしたことが発表された。

有名YouTuberからプロボクサーとなり、コロナ時代にMMAファイターとボクシングマッチをPPVとして実施し、米国の格闘業界を席巻しているジェイク・ポールがPFLと専属契約で2つの事項に合意した。


まず1つはPFLがスタートさせる PFL PPV Super Fights(以下PFL PPV SF)の最初の契約選手となり、MMAファイター人生のスタートを切ること。もう1つはジェイク・ポールとビジネスパートナーで元UFCのチーム・ファイナルシャル・オフィサーだったモースト・ヴァリューバブル・プロモーションズのナキーサ・ビアダリアンがPFL PPV SF Divisionを展開していくというものだ。

後者はPFLの従来のシリーズとは別にPPVショーを開き、収益の50パーセントをファイターが手にすることができるプラットフォームを確立させるというもの。彼らをしてファイターズ・ファーストで収益確保を目的とし、長期間に渡りファイターの擁護できるプランがPFL PPV SFだという。

「俺はボクシングのリングでポジティブな衝撃は無限大だということ証明してきた。それと同じことをMMAでやってみせる」とリリースにコメントを寄せているジェイク・ポールは、さらに「ハードワークと献身さは何でも可能性にすることをもう一度見せるために、PFLのスマートケージに足を踏み入れる。ケージの外では俺の情熱と調整力でPLFをスポーツとして進化させ、男女揃ってファイターを守る。短期間で多くのことを達成してきたPFLを俺は信じている。だから俺はPFLを選び、ファイターとビジネスマンの両面で専属パートナーになるんだ。PFLの選手、他のトップMMAファイターを招き、彼らや彼女達が過去に経験したことのないような報酬を受け取ることができるよう継続的にプロモートする」と言葉を続けている。

リリース以外で早くもPFLのYouTube動画でジェイク・ポールはネイト・ディアズに「最初はボクシング、2戦目はMMAで戦おう」と呼びかけている。過去にボクシングマッチでベン・アスクレン、タイロン・ウッドリー(✖2)、アンデウソン・シウバを破ってきたジェイク・ポールのMMAでの能力は如何ほどなのか。その彼が契約第1号となったPFL PPV SFは2023年には2度の開催、将来的により多くのPPVショーを開いていく予定とのことだ。

かつてダナ・ホワイトが袖にしたジェイク・ポールが、UFCと繋がりが公然の秘密といえるPFLへの登場──は、MMAの未来が大きく転換する最初の一歩となるのか。果たしてジェイク・ポールの根底にある「ポジティブなインパクト」がMMAにとってポジティブな未来となるのか。それともマネーがMMAのスポーツ性を破壊するのか、果たして。

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【Black Combat04】DEEP対抗戦で見たいっ!!緊急出場シン・スンミン、ホン・ジョンテを右ハイでKO!!

【写真】トルネード・ソンの弟子、シン・スンミンが鮮やかなKO勝ちを収めた(C)MMAPLANET

12月31日(土・現地時間)に韓国はインチョンのパラダイスシティホテル内クラブ・クロマで開催された Black Combat04「The Era of New Kings」。

ブラックコンバットではLIVE配信を一切行わず、試合前から試合後までを編集した動画を大会後、数日を経て1日1試合というペースで公開している。5日(木)に同大会の第4試合=シン・スンミン✖ホン・ジョンテの動画がアップされたので、ここで試合レポートを掲載したい。


<フェザー級/5分3R>
シン・スンミン(韓国)
Def.1R3分03秒 by KO
ホン・ジョンテ(韓国)

スクランブル出場で10日間に11キロ減量し、計量クリアの際に拍手が起こっていたシン・スンミンは、しっかりと体が戻っている。そのシン・スンミンが距離を詰めた。サークリングするホン・ジョンテ、シン・スンミンが左ミドル、左ロー、左ジャブと散らしていく。左ジャブのダブルを突いたシン・スンミンが右ショートをカウンターで当てる。ホン・ジョンテはケージを背負いながら右カーフを蹴り返す。

シン・スンミンの左ジャブがヒット。続いて左インローからワンツーを当てたシン・スンミンが、右回りのホン・ジョンテから右スピニングバックフィストでダウンを奪う。パウンドを被弾しながら立ち上がろうとしたホン・ジョンテに対し、シン・スンミンが右ヒザを突き刺そうとする。

件懸命に立ち上がったホン・ジョンテは、間合いを測ってパンチを伸ばすシン・スンミンの打撃戦に応じようとする。

ならばとシン・スンミンはローに右を合わせて2度目のダウンを奪う。ここは直ぐに立ち上がったホン・ジョンテが組んでケージに押し込んでいく。

ホン・ジョンテはボディロックから前方に崩しバックを伺うが、シン・スンミンは胸を合わせて立ち上がる。

右ミドルを当て、左フックからパンチをまとめたシン・スンミンは、足がもつれたホン・ジョンテに右ハイをクリーンヒットさせる。倒れ込んだホン・ジョンテに追撃の鉄槌を狙ったところで、レフェリーが両者の間に割って入り勝負は決した。

スクランブル発進で衝撃的な強さを見せつけたシン・スンミンは試合後、ブラック代表にメインの勝者=新フェザー級王者への挑戦をアピール。ブラック代表は「まずメインの敗者との対戦を」と条件提示。そこで勝てばベルト挑戦かというシン・スンミンは、2021年3月に先日のパンクラスで透暉鷹にスプリットで惜敗したパン・ジェヒョクにも勝利しており──可能であればDEEPとの対抗戦に出場し、その力を日本のファンの目に届きやすい舞台で披露してもらいたいものだ。


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MMA MMAPLANET o ONE RIZIN Road to UFC Special UFC URCC YouTube ショーン・オマリー マーク・ストリーグル

【Special】フィリンピンMMAを知る。まーく・ストリーグル─01─「ONEとUFC、有名になれるのは?」

【写真】ここまでしっかりとレスリングの練習が行われているMMAジムはフィリピンにはそうはないか。ちなみにストリーグルやラウンドワンMMAのメンバーはコンバットサンボの国家代表でもある (C)MMAPLANET

フィリピンMMA界の今──をプロモーター&マネージャー、ファイター、そして指導者の目を通して伝えたい。その第2弾は世田谷育ちの元ONE&UFCファイターのマーク・ストリーグルの登場と相成った。

東京、世田谷の有名インターナショナル・スクールから南カリフォルニアサンディエゴの大学に進学。日本でテコンドー、レスリングを学び和術慧舟會GODSで柔術のMMAの手ほどきを受けたストリーグル。アジア各国で戦い、LEGEND FC、PXCを経てONEへ。その後はUFCとの契約を目指し、実現させるも0勝2敗でリリースされた。

そのストリーグルはラウンドワンMMAを母国フィリピンで率い、選手育成と現役生活とプレイング・マネージャー的な活動をしている。日本を知り、北米を知り、アジアを知るストリーグルにフィリピンMMAの今を尋ねた。


──フィリピンに初めて取材に来た10年前に、ここマニラにあったアーヴィン・タグレが主宰するサブミッション・アカデミーでマークに初めてインタビューをさせてもらいました。正直、あの頃はもっとフィリピンのMMAは世界に進出できると期待していたのですが、決して簡単ではなかったです。その一方で、選手たちの技術、理解力はしっかりと上がっています。

10年前、2012年11月のマーク・ストリーグル

「イエス、あの頃と比べるとフィリピンのMMAシーンはすっかり変わったよ。

当時はフィリピンのMMA大会はURCCとPXCだった。そのPXCはなくなった。でもONEチャンピオンシップをはじめ、多くのプロモーションが活動している。当時とは全然違うよ」

──当時と比較してMMA人気の高さはどのようなものでしょうか。

「凄く人気があるよ。10年前よりずっと人気は上がっている。ONEのような大きな大会があり、フィリピンのローカルショーで最大のURCCは今も活動している。それだけでなく、フィーダーショー的な高いも凄く増えている」

──コロナの影響でMMA大会は少なくなったという意見も聞きましたが……。

「確かにCovidの影響で政府がとても厳しい感染対策を行っていた時期は、MMA大会は開けなかった。でも今ではオープンになり、多くの大会が行われるようになったよ。ONEの開催数も増えるだろうし、URCC Globalは明日もオカダ・カジノ(ニノイ・アキノ国際空港の西隣に位置するシーサイドト開発地域ある、全室にジャグジーを備えた高級ホテル・カジノリゾート)でイベントを開く(※取材は12月5日に行われた)。ヘッドラインは3✖3の試合なんだ」

──……なんとも悪趣味な。

(C)URCC

「アハハハハ。クレイジーだよ。チーム・フィリピン✖チーム・コリアっていうのが組まれていて」

──ノー。私は勘弁です。そういうのは……。

「アッハハハハハ。ただし、その試合以外のカードは良いんだ、そんなにクレイジーでなくて、ワイルドでもない試合で。これからの選手のファイトが多く組まれている。それにウィル・チョープが暫定ウェルター級王座決定戦に出場するよ(※結果はアーヴィン・チェンを破りベルトを巻いた)。

URCCを筆頭にUGB(Underground battle)やWFP(Warriors Fighting Promotion)、他にもグラスルーツのショーはたくさん行われている。そこで活躍してONEチャンピオンシップやURCCにステップアップするための大会がね」

──ファイトマネーで生活がしていけるのは、ONEの選手ぐらいでしょうか。

「5万ドルのボーナスを手にした選手は大丈夫だろうけど、それ以外の選手は仕事をしているだろう。年に2、3試合と戦える選手も大丈夫かな。でも年に1試合ぐらいの選手は仕事を持たないと生きていけないよ」

──現状、若い選手にとってUFCとONEどちらがメインゴールとなっているとマークは考えていますか。

「正直、彼らはそのどちらかに行きたいと思っていて、どちらかが絶対ということはないはずだ。UFCかONEを選ぶことはないよ。片方のプロモーションから声が掛かれば、若い選手たちはハッピーに違いない。フィリピンの若い選手にとってUFCとONEの2つがゴールだからね」

──とはいえONEはコロナを経てなお、フィリピンで大会を開いています。一方UFCは2015年に1度イベントを開き、2016年にショーがキャンセルされて以来マニラに戻ってきていません。

「それこそが、フィリピンにとって悲しい事実だよ。UFCは6月にシンガポールで大会を開いたけど、フィリピンだけでなくアジアで活発な活動をしていないから」

──UFCはRoad to UFCをアジアで開きました。

「凄く良いことだ」

──ただし、そこにフィリピンの有力な顔触れはいなかったです。アジアのパワーハウスから参加選手は1人でした。

「その通りだ。それもUFCがアジアではそれほどイベントを開いていないことが影響していると思う。ONEチャンピオンシップのようにね。ONEはいつもアジアでイベントを行っている。だからフィリピンのファイターもONEに興味を持っている。それでも、UFCでも戦いたいんだよ」

──UFCで戦う困難さを理解しているからこそ、ONEで戦いたいという気持ちも膨れ上げるのでしょうね。

「イエス、イエス、イエス」

──マークも知っての通り。

「ホント、身に染みて分かっているよ(笑)。アジア以外で戦う、米国のチームに合流して時差ボケを解消して戦わないといけない。正直、アジアの選手がUFCで戦うことは簡単じゃない」

──UFCが世界最高と分かっていても、日本では知名度がない。だから国内トップのRIZINで戦うという選択も当然のようにあります。RIZINで戦う方がUFCで戦うより有名になれるので。同じようにフィリピンではONEの選手の方が、UFCファイターより有名になれることはないですか。

「そこはね、もう選手個人がどれだけソーシャルメディアを活用するかだよ。今のディジタル世代にとっては、個人の個別のマーケティングにかかって来る。日本でもアサクラ・ブラザースはYouTubeのコンテンツであそこまで有名になっているじゃないか。彼らが有名になったのはYouTubeで活動しているから。

実際に僕が自分のブランドを確立できているのも、ソーシャルメディアで積極的に活用しているからでもあるんだ。YouTube、Facebook、TikTok、Instagramでしっかりと活動している。UFCもそうだろう。ショーン・オマリーのようにね。もう10年前じゃないんだ。ファイターはエンターテイメントとして、自分自身で自分を売りださないといけない。これまであったコンテンツから飛び出して、人々に自分を知ってもらう。練習だけをやっていれば良い時代ではないんだよ。日々を自分で伝えていく。そこがハマれば、自分のブランドはより大きくなる」

──そこばかりが注目されて、実力不足に陥ると業界はおかしくならないですか。

「そりゃあダメだよ(笑)。ちゃんと練習して、ソーシャルメディアも活用するんだ。バランスを取らないとね。どちらかに偏っているのは良くない。練習に専念して、ソーシャルメディアを一切にやらない。それでも良いだろう、試合に勝てばね。でも、試合に負けると誰もその選手のことは知らないままだ。ソーシャルメディアを駆使して、自分でファンを開拓しないと誰もその選手に興味を抱かない。ファンがいない選手になるよ。

トレーニングをベリー・ベリーハードに行い、自分をソーシャルメディアで売り込む。そのバランスを取ること。若い選手がソーシャルメディアで自分を売り込むことばかり考えて、ファイターとして技術が備わっていない状況に陥ると、どううやって戦えば良いのか。その一方で、YouTubeボクサーに見ても分かるように、スキルに関係なく人々は彼らの試合をチェックしているからね」

<この項、続く>

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【Gladiator020】中川皓貴とフェザー級王座決定戦。チョ・ソンビン─01─「大阪といえば世界の台所」

【写真】180センチの公称が低く感じられるチョ・ソンビン。ここまで長いリーチの選手と中川は対戦経験はないだろう(C)MMAPLANET

1月22日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR020に元UFCファイターで、PFLと契約するチョ・ソンビンが出場し中川皓貴とGladiatorフェザー級王座を懸けて戦う。

チョ・ソンビンのプロMMAデビューは大阪のACF、そしてWARDOGという関西インディ・シーンから中国のクンルンファイト、母国・韓国のTOP FCで活躍しUFCにステップアップを果たした。そのTOP FCではRoad to UFCで松嶋こよみと激闘を繰り広げたホン・ジュンヨンと暫定フェザー級王座を懸けて戦い、ACF&Wardogに続きベルトを腰に巻いている。

3冠となり挑んだUFCでは1敗でリリースの憂き目にあうが、PFLと契約。2021年シーズンに初戦で悔しい敗北を喫し以来の実戦が、今回のタイトル戦となる。大阪という思い出の地で挑むグラジの王座──今も契約中のPFLからは絶対勝利の条件を付きつけられてなお、チョ・ソンビンは今回の戦いを挑む選択をした。


──22日にグラジで中川選手とフェザー級王座決定戦を戦います。今の心境を教えてください。

「久しぶりの実戦になるので、過去一番に集中して準備をしているところです」

──前回の試合が2021年4月のPFLにおけるタイラー・ダイヤモンド戦です。1年9カ月振りの試合ですね。何が原因でこの間試合は行われなかったのですか。

「去年の4月にPFLでバッバ・ジェンキンスと戦う予定でしたが、ケガをしてキャンセルになりました。あの試合の後も2度オファーがあったにも関わらず、戦う状態にはなくて試合ができませんでした」

──現状、PFLとの契約はどのようになっているのでしょうか。既にフリーランスになっているのですか。

「PFLとの契約は今も残っています。2023年シーズンに出る話もありますが、PFLがグラジエイターで戦うことを許可してくれました。PFLが認めてくれたので、このタイミングで日本で試合ができることになったんです」

──PFLは快くOKをくれたのでしょうか。

「実はPFLからはグラジエイターがどのようなプロモーションかと尋ねられました。そして『この試合で負けるようなことがあれば、4月からの新シーズンに向けて良くない影響が出る覚悟はしてほしい』と言われています(苦笑)」

──えっ!! そのようなことを言われてまで、グラジエイターで戦うことにしたのですか。リスクがあり過ぎて、オファーを受けないという選択もあったと思います。

「自分がMMAデビュー戦を戦ったのは、日本でした(※2014年12月31日のACF07。A-Toys Challenge Fight。ACFフェザー級王座決定戦で上野友暉を1R1分29秒RNCで下す)。日本のMMAには愛情を持っています。と同時に今回の試合で負けるとは思っていないです。絶対に負けない自信があります。だから、この試合を戦うと決めました」

──ACFとWardogで戦ってきた。そして今回の試合も大阪が開催地です。その点について思うところはありますか。

「まずデビューを果たした街、大阪に帰ることができて嬉しいです。大阪といえば世界の台所、美味しいモノがたくさんあります。大阪で食事を楽しむためにも、必ず勝ちます」

──次回大会は2部制になっていて、Wardogとの合同興行になっています。

「最初は知らなかったです。ただ、Wardogに関係している永井(明広)さんにバンテージを巻くのをお願いしたら、自分が出る大会の前にWardogがあることを知りました。駆け出しの頃にお世話になったWardogで今戦っている選手達、いわば後輩である彼らがどのような試合をするのか。とても興味深いです」

──Wardogからクンルンファイト、Top FCを経てUFCと契約。あの時はWardogからUFCファイターが生まれたと、素直に驚かされました。ただしUFCでは不本意ながら1試合でリリースに。そこに関しては、どのように思っていますか。

「今からしても悔しさでいっぱいです。UFCは自分にとっても夢の舞台でした。実際に戦っている時は気付いていなかったのですが、あとからすれば相当に緊張してしまっていました。自分の本来の動きが、全くできなかったです。自分にとってあのUFCの試合は、悔しさしか残っていないです」

<この項、続く>

■ Gladiator019対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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