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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#07   キム・ソユル チャンネル パンクラス 中村未来 久遠 佐々木亮太 修斗 内藤頌貴 大竹陽 山内渉 後藤丈治 新井丈 清水清隆 澤田千優 石井逸人 藤井伸樹 須藤拓真 高岡宏気 齋藤奨司

【Shooto2022#07】引退試合で山内渉と対戦、清水清隆─01─「想い出づくりじゃない。絶対に勝つ」

【写真】清水のプロMMAキャリアは14年――愛犬と一緒に取材を受ける姿もベテランの風格か(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto 2022#07で、清水清隆が山内渉を相手に引退試合を行う。
Text by Shojiro Kameike

今年に入りMMA引退を発表した清水は、7月にパンクラスラストマッチを戦い、佐々木亮太をRNCで下した。そして迎える引退試合、対戦相手は現在の修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人、山内渉に決定している。引退試合でも、リアルなマッチメイクだ。そこに、清水にとっての戦いが現れている。


――引退試合を6日後に控えてのインタビューとなります(取材は11月21日に行われた)。

「はい、よろしくお願いしますっ!」

――前回のインタビューでは「いつまでもオッサンが上にいるよりも……」と語っていましたが、引退試合では修斗フライ級で最も勢いのある若手ファイターの1人と対戦することになりました。

「アハハハ、そのほうが面白いじゃないですか。同じぐらいの年齢やキャリアの選手と試合をするよりも――スリリングで。それで相手は4連勝で、ランキングも上がってきていて、しかも僕が手こずった内藤君(内藤頌貴、清水は2018年7月に対戦して判定勝ち)に、一方的な試合をしていますからね」

――今回の試合は清水選手から山内選手の個人名を挙げて、プロモーターサイドに希望を出したのでしょうか。

「いえ、勢いのある若手の試合がしたいと伝えて。そうしたら山内選手に決まりました。山内選手……山内君って、もともとTRIBEの会員さんだったんですよ」

――えっ、そうだったのですか。

「細かい時期は覚えていないんですけど、もう4~5年前になるのかなぁ。自分も何度かミットを受けたり、指導していたことがありました。すごく真面目で、真っ直ぐで、良い印象しかないです。遠いところからTRIBEに通っていて、熱意もありましたね。確か学業が忙しくなってTRIBEまで来るのが難しくなったという経緯だったと思います。プロデビューした時に、あぁ山内君だと思いましたよ」

――師弟というわけではありませんが、昔から知っているファイターと引退試合を行うことになったわけですね。

「本当に不思議な縁ですね。特に彼のような勢いのある若手が、僕と試合してくれるだけ、ありがたいです。自分は今、修斗では2連敗していて。そんな自分と試合をして、彼にメリットがあるのかどうか」

――それでも修斗フライ級の世界ランキングでは清水選手が3位、山内選手が5位と清水選手のほうが上です。修斗でよく組まれるベテランと若手の下剋上マッチ、という意味ではリアルタイムな試合なのだな、と思います。

「そうですね。確かに修斗では自分のほうがランキングも上だから、彼にメリットがないわけではないと思うので。それは良かったなと思います」

――その引退試合を前に、今年7月にはパンクラスのラストマッチで佐々木亮太選手をRNCで下しました。

「出来は悪くなかったです。MMAの試合が1年ぶりなので、もっと感覚が鈍っているかなと思っていました。そういう面での不具合はなかったですね」

――試合後に笑顔で涙を浮かべていました。笑顔だけでも、涙だけでもない。笑顔で涙を浮かべるのは、それだけ自分のやりたいことはできたのではないか、とも思いました。

「結果が出たので何よりでした。試合内容は、ちょっとテイクダウンのディフェンスに手こずったところはありましたね。そこの反応や反射は、100パーセント取り戻せてはいなかったかもしれないです。ギロチンに行くパターンもなくはないんですけど、自分がセコンドだったら、立てと言っていたと思います。ただ、そこで自分が劣勢になることはないと感じました」

――試合は清水選手が2Rで勝利。ただ、こちらは清水選手の言葉どおり、「清水清隆が1RでKO勝ち」と書く準備をしていたのですが……。

「……スミマセン(苦笑)」

――それは冗談ですが、そもそも1Rで仕留めようという試合の進め方ではなかったと思います。

「自分としても、そこまで攻め急ぎするつもりはなかったです。このラウンドは取ったな、と思ってから下になって、とにかくラウンドが終わるまで下から削っていって。あとはビッグヒットだけ受けないように――と考えていました」

――パンクラスのラストマッチだからといって、勝っても負けてもいいから派手な試合をしよう、とは考えていなかったわけですね。

「もちろんです。試合は想い出づくりじゃないから。絶対に勝つ、それだけですよ」

――確かに、そのとおりですね。

「今回の試合も同じです。想い出づくりの試合なんて、相手に失礼じゃないですか。長南(亮TRIBE代表)さん、コーチやチームメイト、そして応援してくれている人にも失礼で。

『負けちゃったけど良い試合だった』なんて言葉は、慰めにしかならないんですよね。勝って、みんなと喜びを共有する。僕が引退試合で、みんなに対してできる恩返しは、それだけです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■SHOOTO2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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ABEMA MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#07   キム・ソユル チャンネル フランキー・エドガー 中村未来 久遠 修斗 内藤頌貴 加藤ケンジ 大竹陽 小野島恒太 山内渉 後藤丈治 新井丈 清水清隆 澤田千優 石井逸人 藤井伸樹 須藤拓真 高岡宏気 齋藤奨司 齋藤翼

【Shooto2022#07】石井逸人に挑戦、Japanese Zombie藤井伸樹「エドガーのスタイルが好きです」

【写真】ジャパニーズゾンビか、和製エドガーか。とにかく根性入りまくりの藤井伸樹のファイトだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

27日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto 2022#07で、石井逸人の持つ環太平洋バンタム級王座に藤井伸樹が挑む。
Text by Shojiro Kameike

藤井にとっては今年1月の小野島恒太戦以来のベルト再挑戦となる。アゴの骨折により1年間の戦線離脱、そして小野島戦での敗北を経て、5月には齋藤翼を下して再起を果たした。課題はある、その課題を克服する方法は一つしかない。そんな藤井は、石井戦でも自分を貫き通す――フランキー・エドガーのように。


――試合を5日後に控えるなか(※取材は11月22日に行われた)、すでに追い込みは終わっている頃でしょうか。

「はい。もう追い込みは終わりまして、あとは調整だけです」

――長くバンタム級で戦ってきて、体重調整などに課題はないでしょうか。

「今のところ、ないですね。僕は普段から体重が増える体質でもなくて、バンタム級だと減量幅もそれほどではないです。以前はフライ級で戦ったこともありますけど、実際にやってみて自分にとってはバンタム級が適正なのかなと思いました」

――今年に入り、1月に小野島恒太選手との環太平洋王座決定戦に敗れ、5月には齋藤翼選手を下して、今回のベルト再挑戦を迎えます。まずは小野島戦については、どのような感想を持っていますか。

「小野島選手との試合については、相手のほうが上回っていて自分自身が弱かった。実力がなかったと思っています。相手に研究されていましたし、そういう状況を自分が打開できませんでした」

――次の齋藤戦で勝利したあと、藤井選手が「もっと良い試合ができるように」と仰っていました。藤井選手にとって、良い試合とはどのような試合を指しているのでしょうか。

「いつも一本やKOで勝ちたい気持ちはあります。前の試合は勝てたんですが、そういう勝ち方ができませんでした。テイクダウンやバックを奪っても、仕留めることができずに……まだ自分は技術が足りないなぁと。もっともっと技術を高めていかないと、これから上の選手に勝っていくことは難しいと感じています」

――もう一つ、「これから這い上がっていく」という言葉もありました。這い上がっていくとは、もっと落ちた選手が使う言葉だと思っていましたが、藤井選手の中で現在のポジションに対してはどのように考えていますか。

「やっぱり前回のタイトルマッチで負けたことが、すごく悔しかったです。あとは怪我で長期離脱していたこともあったので、いろんな想いが出てしまったと思います」

――藤井選手といえば常に相手に食らいついていく、ゾンビと呼ばれるようなファイトスタイルで知られています。それは打撃、テイクダウン、そしてグラウンドにおいても。そのファイトスタイルを変えようと考えたことはないですか。

「……うーん、特にそう考えたことはないですね。もちろん技術を向上させたいとは、常に思っています。でも自分のファイトスタイルを根本的に変えることは考えていないし、そもそも変えることは難しいんじゃないかと。やっぱり試合になれば、普段から自分がやってきていることしか出せないので」

――ちなみに、藤井選手にとって理想のファイター像はありますか。好きなMMAファイターなど……。

「今のアライアンスに入る前は、桜庭和志さんのジムで格闘技を始めたんですよ。アライアンスの高阪剛代表と桜庭さんを尊敬しています。あとは先日引退したフランク・エドガーですね。エドガーのスタイルが好きです」

――エドガーですか! どのようなところが好きなのでしょうか。

「やっぱり自分のスタイルを貫いてきたところが好きです。引退は残念ですけど、改めて考えても凄い選手だったなぁと思います」

――一番印象に残っているエドガーの試合を教えてください。

「グレイ・メイナードとの第3戦(2011年10月にKO勝ち)です。2試合目がその年の1月で、エドガーのドロー防衛を受けて3戦目が行われたじゃないですか。2試合目も3試合目も最初にダウンを奪われて、その後に盛り返して……3試合目は最後に相手をKOした姿が印象的でした。自分より大きな相手を倒すのは、凄いとしか言いようがないです。その次が日本大会で、自分も観戦に行きました」

――なるほど。まさに藤井選手も、序盤に攻め込まれても後半に蘇るファイトスタイルで……和製フランキーを目指しているということですか。

「いやぁ、それは恐れ多いです(苦笑)。でも、それだけ尊敬している選手ですね。自分も試合が盛り上がって、良い勝ち方ができたら嬉しいです」

――なるほど。話を戻しますが技術の向上という部分で、ここ2試合を踏まえて自分が取り入れなければいけないこと、向上させなければいけないものとは何なのでしょうか。

「技術の向上はもちろんですけど、その技術を身につけるためには、日ごろの練習が大事ですよね。そういった練習を毎日続けることが、もっと大事になってきます。そのためには体のケア、コンディションの自己管理とか。あとはメンタルの部分ですよね。いかにその試合に集中して、自分らしさを貫くか。自分がやってきたことを貫くかが、勝つためには大事だと思っています」

――練習を毎日続けるために……という意味では、小野島戦の前に1年のブランクがあったことの影響はありますか。昨年1月の加藤ケンジ戦でアゴを骨折し、戦線から長期離脱していました。

「難しいですね……、影響がないというわけではないです。それよりも自分に足りなかった部分があったのかなと思っています。自分の取り組み方に問題があったのかな、と。ただ、自分では分かりづらいですが、今年ようやく試合ができて、いろんなものを取り戻している時期かもしれないですね。それと、また新しく取り入れているものもあります」

――前回の齋藤戦では3ラウンドに、藤井選手がテイクダウンしてから相手に立たれました。そこで齋藤選手が打撃で詰めてきたところで、藤井選手は下がりながら守っています。

「あぁ、そうですね」

――あのような場面で以前なら、打ち合っていたと思います。それが下がって守るのか、と。

「アハハハ、分かります。打ち合ってしまう場面は多かったですね。前回の試合は無意識だったので、よく分かっていないですけど(苦笑)。以前は試合中に、熱くなることはないけど、慌てたり焦ったりする時がありました。自分が攻めている時も、攻められている時も、感覚に集中できていなくて」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
11月27日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■SHOOTO2022#07対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 石井逸人(日本)
[挑戦者] 藤井伸樹(日本)

<フライ級/5分3R>
清水清隆(日本)
山内渉(日本)

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
新井丈(日本)
大竹陽(日本)

<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
キム・ソユル(韓国)

<フライ級/5分3R>
内藤頌貴(日本)
高岡宏気(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
小生由紀(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
久遠(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝バンタム級/5分2R>
齋藤奨司(日本)
新井拓巳(日本)

<2022年度新人王決定T準決勝フライ級/5分2R>
須藤晃大(日本)
打威致(日本)

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ABEMA MMA MMAPLANET o Road to UFC Shooto Shooto2022#06 UFC   スソン チャンネル 久遠 修斗 内田タケル 加藤ケンジ 後藤丈治 新井丈 椿飛鳥 猿丸ジュンジ 草MAX 西川大和 論田愛空隆 関口祐冬 飯田健夫 齋藤翼

【Shooto2022#06】パラ千葉のフライ級ファイター達=内田タケル─02─「圧倒すること。圧倒的に勝てば」

【写真】あどけな過ぎるやろう──。MMAグローブをつけてケージで戦うことが、ピンとこない優しい表情の内田だ(C)MMAPLANET

明日19日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#06で、関口祐冬と対戦する内田タケル・インタビュー後編。

Road to UFCを経験してなお、明確に修斗フライ級王座を目標とする内田は、チャンピオンになってからも防衛戦を戦うことで経験を積みたいという。

パラエストラ千葉ネットにフライ級ファイター特集──10代最後の試合をタイトル挑戦の足掛かりとできるか。内田タケルに尋ねた。

<内田タケル・インタビューPart.01はコチラから>


鶴屋 それがルールですからね。

──では、一気にタイトルが近くなるかもしれない一戦の相手。関口選手の印象を教えてください。

「打投極ができて、奇抜な打撃……独特な打撃を使います。その打撃を気を付けないといけないです」

──内田選手はやはり組んでいくと?

「試合でも打撃を試したいのですが、どうしても組みが多くなってしまいます」

──修斗公式戦、Road to UFCと勝った試合は全て一本勝ですね。その一方で、目標とするUFCや北米では、組みができる選手がガツンガツンの打撃戦を繰り広げています。

「全部がデキることが大切だと思います。自分は極めは、これまで勝った試合は全部極めることができているので多少はあるかと……。でも打撃とテイクダウンはまだ欠けているので、穴埋めをしていきいたいです。

ただ関口選手はランキングで1位ですけど、自分の練習仲間たちの方が強い……と思っています。試合と練習は違いますが、怜とか杉山さんとか……もう単純に強くて。これだけのメンバーと厳しい練習をしているので、試合をするときも自信を持って挑むことができます」

──しかも平良選手も沖縄から合流しています。

「いやぁ、やっぱりフライ級のUFCファイターなので、凄く貴重な体験をさせてもらっています。だからこそ、次の試合は負けられないです。僕はここで、これだけの練習をしているので」

──どういう試合をすれば、タイトルを賭けた戦いに進めると考えていますか。

「圧倒することです。圧倒的に勝てば……ハイ」

──この試合後に急遽、Road to UFCに出られることになるとどうしますか。

「話があれば、行きたいです」

──と同時にコンテンダーシリーズは、意識していますか。平良選手も最初はコンテンダーシリーズを目標としていました。

「コンテンダーシリーズは……、……。そんな視野には入れていなかったです。まずは、しっかりと修斗のチャンピオンになりたいです。まだ5分✖3Rをフルで戦ったこともないので」

──ばかりか、3Rも経験していないですよね。

「ハイ。判定まで行く戦いも経験したいので、修斗で戦っていくつもりです」

──修斗のチャンピオンになった時、世界で戦ううえでどれぐらいの力を身に着けることができているという風に考えていますか。

「UFCで戦うなら、まだ経験不足です。もっと経験を積みたいと思っています。なのでベルトを獲ったら、防衛戦を戦います。他の団体から修斗に来る人とも戦ってみたいです。それと……できれば外国人選手と試合を組んで欲しいというのもあります。Road to UFCで初めて外国人選手と戦って、フィジカルはやっぱり日本人選手とは違うモノを感じました。芯が太いというか……。同じ階級で、こんなに違うのかと。試合当日は、明らかにデカかったです」

──それでも初回で1本勝ちしました。

「日本人にはないフィジカルなので、そこで一本を取れたのは良い経験になりました」

──その経験を経て関口選手との試合では、どのような戦いを見せたいですか。

「いつも通り、極めを狙うような試合がしたいです」

■視聴方法(予定)
9月19日(月・祝)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2022#06 計量結果

<修斗世界ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] 猿丸ジュンジ:52.1キロ
[挑戦者] 新井丈:52.1キロ

<ウェルター級/5分3R>
西川大和:76.8キロ
草MAX:76.7キロ

<フライ級/5分3R>
関口祐冬:56.5キロ
内田タケル:57.5キロ

<バンタム級/5分3R>
後藤丈治:60.9キロ
加藤ケンジ:61.0キロ

<フェザー級/5分3R>
飯田健夫:65.7キロ
論田愛空隆:65.7キロ

<女子フライ級/5分3R>
ライカ:56.5キロ
杉本恵:56.3キロ

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼:61.3キロ→61.2キロ
スソン:61.1キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠:47.7キロ→47.5キロ
小生由紀:47.4キロ

<2022年度新人王決定T準決勝フェザー級/5分2R>
椿飛鳥:65.8キロ
工藤圭一郎:65.8キロ

<2022年度新人王決定T1回戦フライ級/5分2R>
須藤晃大:56.6キロ
大谷あっくんボンバー:56.6キロ

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o 中村未来 久遠 剛毅會 岩﨑達也 武術空手 海外 澤田千優

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。澤田千優✖久遠「重心→固定と安定の違い」

【写真】これからはこの態勢でパウンドを落とせるような機会は減ってくるかもしれないが、力強さは日本の女子MMAでは既にトップ級か。ちなみに撮影条件はシャッタースピード1/400秒。この速さだとスタンドはともかく、パウンドでは男子選手も拳がブレないで静止画のように写る選手は少なくない(C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た澤田千優✖久遠とは?!


──内弟子といえる澤田千優選手が久遠選手をRNCで破りました。

「見た目があんな感じで、場内からも『可愛い』なんて声が挙がっていましたね(笑)。実際、普通にしている分には強いレスラーにはちっとも見えないです。でもMMAの選手で、自ら弟子入りを私に志願してきたのは彼女が初めてです。

もちろんアニキ(リュウリュウ)の影響もあるかと思います。最初は打撃という一つの方法論で私の教えを受けたいということでした。彼女が私に求めているのは空手、打撃の技術ということですが、澤田千優には戦ううえで思想があります。私も打撃の技術を指導しつつ、そこを一番伝えたいわけで。何しろ打撃は全く経験がなかったわけですから。それでも手・足に質量はついてきています。それは彼女が1年以上に渡り型、移動と基本稽古を行ってきたからです。

ただし、そのついてきた質量をケージのなかで実用化しようとしても、そんなに簡単にいくものではない。打撃に関しては、その段階です。打撃に関してはその段階なのに、試合に出ないといけない。そこに本人もジレンマがあります。MMAファイターとして、試合の場に立ってしまって良いのかというレベルなのですが、アマチュアの試合にすぐに出て勝ってしまった。プロに昇格してオファーがあり、試合に出て勝ってしまうわけです。レスリング力で、MMAに勝ててしまう」

──思想がある利点はどこにあるのですか。

「思想がないと、技術は生きません。Aという技術があっても、戦いへの思想の違いでまるで別モノになります。その思想の部分で、澤田千優は私の指導を求めたのだと思っています。空手とは技術ではないので。だから彼女は私の指導を受けても、試合ではレスリングをすれば良いんです。今はMMAをやる必要はないです。レスリング力が抜けているので。ただし、あの外見とは合致しないのですが、性格的には本当にしっかりとしていて正々堂々としています。それは見事なほどです。筋を大切にします。腹が座って、筋を大切にするので社会人としてもの凄くバランスが取れています。

こういうとアレですが、試合で強い子っていうのはどうかしちゃっている子も多いわけです(笑)。どうかしているから強いとも言えますが、反対に彼女は真面目過ぎて、弾けられないところがありました。でもMMAファイターとして、澤田千優の形とは……空手の型とは違って、そういう形は何なのかと去年の中村未来戦の前から話していて。あの頃からロータス世田谷の八隅(孝平)さんのところで練習をさせてもらうようになっています。その形が今回、ようやく試合で出てきたように感じました」

──レスリングは当然として、スタンドの打撃と比較してパウンドは勢いがありました。

「まだ立っている状態では、重心が創れないのでしょうね。しかも相手は久遠選手ですから、そこで上回れるわけがないですからね」

──振りかぶらないで、滑らせるように入れたパウンドが得に良かったです。

「ヒジで打つ突きになっていた。あれは基本稽古をやってきたからですね。拳(ケン)に質量が備わってきています。空手はある程度の威力まで、稽古で培うことは可能です。決して、パンチ力は持って生まれたモノだけでは決まらないです。あの子は愚直に基本稽古をやっていますから。型と移動稽古をしている。あのパウンドの威力をスタンドで出せるようにしていきたいですね」

──型や移動をしっかりとすれば、重心が浮かない。そのような感じはするような気がします。前はともかく、後ろに移動する時もブレない。

「それは、そのための稽古だからです。空手が一番苦手なのは、実は移動なんです。移動した力で打つのではなく、剛毅會が武術空手として追及しているのは近い距離で、自分で養成した威力を当てることです。空手は護身術なので、遠くにいる相手をぶん殴るようにはできていません。大半は自分の腕が伸びた距離まで、そこで如何に迎撃するかという技であり、相手にしっかりとダメージを与えるモノです。

蹴りも自分のカカトに力が入った状態より、遠い距離を攻撃することはなかったです。自分の足の長さ以上の蹴りなど本当はなかった。結果、MMAを戦うと追いかけることが苦手になります。型にも距離の詰め方のノウハウがない。そこがMMAに武術を生かすうえで、最も苦心した点です。澤田千優は基本をやっているので、定位置の質量はついてきています。

この重心にしてもですね、重心を重心として、腰を低くして創ると……それはもう重心ではないんです。姿勢が乱れない、駒が回るように流動体としての重心がある。だから固定でなくて、安定なんです。腰を落として創る重心は、建物のように固定されている重心になってしまいます。動くなかで生じる重心というのは、基本稽古で養えることです。

後ろ向きだが、2Rの構え。この後、左に合わせて一発でテイクダウンを決めた

またMMAの重心移動と、レスリングの重心移動は全く違います。澤田千優は中村戦も今回の試合も、2Rになると重心が変わります。

1Rはテイクダウンにいこうが、パンチを出そうが軽いです。だから右を被弾しました。2Rになると固定した重心でなく、体が機能した重心になっています。そうなると顔つきも変って(笑)。こうなると今回はテイクダウンを選択しましたが、突きを出してもなかなか良かったはずです」

──平たい言葉ですが、澤田千優選手は今後に期待の存在になります。

「想定している戦いをどこにしているのか。彼女が目標としているところへいくために、もう底辺の大会から海外をドサ回りさせても良いのですが……アトム級だと試合がないというのも問題ですね。

レスリングをあれだけやってきたので、精神的に成熟しています。あとは自分が目指すところへどれだけ邁進できるか。MMAに価値に持って、稽古に臨んでいるのでこのまま真っ直ぐ進んで欲しいですね」

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MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2022#03 ブログ 久遠 澤田千優

【Shooto2022#03】澤田千優が久遠をドミネイト。テイクダウンから削って最後はRNCで仕留める

【写真】試合を経験するごとにMMAとしての完成度が高まっている(C)MMAPLANET

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
澤田千優(日本)
Def.2R by RNC
久遠(日本)

サウスポーの澤田が前に出る。久遠は牽制の右ローと右前蹴り。澤田は久遠にケージを背負わせ、そのまま組みついてボディロックからテイクダウンを奪った。フルガードの久遠に対し、右ヒジと右パウンドを落とす澤田。久遠は下から足を利かせ、腕十字や三角を狙っていく。ポスチャーを保って久遠の仕掛けを防ぎながら、澤田がパンチを落としていく。左ストレートを上下に散らす澤田。そのままケージに押し込んで左右の鉄槌やパンチを叩き落としていく。

久遠は澤田の左腕を取って腕十字を狙うも、これを外した澤田が立ち上がる。久遠も柔術立ちでスタンドに戻るも、すぐに澤田が再びグラウンドに持ち込んだ。サイドからパンチとヒジを打ち込んでいく澤田。久遠はハーフガードに戻した。しかし、しっかりと抑え込んだ澤田が左右のヒジを当てていく。相手の左腕を巻き込んだ澤田が、袈裟固めからパンチを落とし続ける。残り10秒でマウントを奪い、そのままエルボーを落として初回を終えた。

最終回、澤田のシングルレッグをスプロールした久遠だが、右ハイをキャッチされてグラウンドへ。スクランブルに持ち込むも、澤田がバックマウントへ。そして右腕を久遠の首に回し、RNCでタップを奪った。

勝ち点3を加えて合計5点となった澤田が、インフィニティリーグでトップに躍り出た。


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【Shooto2022#03】久遠と対戦──澤田千優「レスリングと空手が結びついて動きやすくなっています」

【写真】 取材後、「レスリングで勝ちなさい。ただし澤田千優のレスリングにはパンチと蹴りがある」と岩﨑氏がいえば、AACCの阿部裕幸代表が「それが古代のパンクラチオン」と言葉を続けた(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#03で、澤田千優が久遠と対戦する。

キッズから高校、大学とレスリングで活躍し、兄・龍人の後を追ってMMAに転じた澤田千優。プロ3戦目を前に、MMAファイターとして打撃の成長のために取り組む剛毅會空手の稽古後に、初インタビューを試みた。


――千優選手がアマ修斗で勝った時に、お兄さんの龍人選手が「大学も出ているのだし、MMAなどせずに普通に働いてほしい」と言っていました。千優選手はなぜMMAをしようと思ったのですか。

「大学を卒業してからMMAをしたくなったわけではなくて、中学の時からなんです。AACCでずっと身近に藤井(恵)さんや(浜崎)朱加さん、勿論りゅうりゅうがいたから……というのはあります」

──りゅうりゅうというのは、龍人選手のことですね。

「ハイ。上にもお兄ちゃんがいて……真ん中のおにいちゃんのことはりゅうりゅうって呼んでいます」

──……なるほど。そして龍人選手の影響もあり中学の時から、MMAはしたかったと。

「ハイ。高校に進学せずにMMAをやりたいと両親に伝えたら『バカなことを言わないで。勉強ができないんだから、レスリングで高校に行きなさい』と説得されました。それにMMAでトップにいくには、レスリングでしっかりと頑張られないと中途半端になっちゃうから、レスリングで行けるところまで行こうと思ってレスリングの方に進みました。

でも節目になるとMMAがやりたくなって。『MMAをしたいから大学には進みません』と言った時も家族会議をして、やっぱり『レスリングで行けるところも行くべき』という風に説得されました。そこまでやり切ったら、私もMMAでレスリングを生かしきれるんじゃないかなって思いました」

──結果、レスラー人生で全日本2位、全日本学生2位、社会人優勝、アジアジュニア2位など輝かしい結果を残しています。

「でも大学を卒業してからは就職して……。今も働いているところなんですけど、『やっぱりMMAをやりたいんだよね』って一番上のお兄ちゃんに相談したら『今からでも遅くないじゃない?』って言われて。もちろん、りゅうりゅうは反対しているので、そのことも伝えても『アイツのことなんて放っておけ。自分の人生だし、関係ないよ。他に誰が反対している?』と言ってもらえたので頑張ろうって思いました」

──大学までレスリングを続けているとMMAに転じても運動神経と体力、それとレスリングの技術だけでそこそこ行けることはなかったですか。

「それこそレスリングを軸に戦うと、アマ修斗で勝てました。でも、もっと強い人達と練習しているので、そんなに甘くないことは自分でも理解しています。りゅうりゅうがやられていたり、他のレスリング上がりの人も練習でやられているのを見ているので。レスリングだけじゃ勝てないから、岩﨑先生に打撃を習うようになりました(苦笑)。

レスリングはこのままキープで良いので、MMAができるようになりたいです。打撃は全く知識がないですし、見様見真似でやると何も理解できない。だから、ちゃんと教えてくれる人が私には必要だと思って……。でも一から学ぶ……腑に落ちるというか、納得できる伝え方をしてもらえないと全然身にならなくて」

──ボクシングやキックボクシングを習うことが主流だと思いますが、そこで剛毅會の空手を習おうと思ったのは? サンチンをやっていると白い目で見られることもあるかと思います。

「先生が時々、教えてくれてことが腑に落ちて。先生に教われば間違いないかなと思いました。空手を学ぶことは全く抵抗なかったです。一番近くにいる先生でしたし」

──効果の程を何も疑うことなく?

「ハイ」

──なるほど、それは身に付きやすいですね。他の打撃の経験がある方が、岩﨑空手は素直には入ってこないかと思うところもあるので。

「先生はレスリングも好きなので、レスリングの動きでアドバイスをしてくれたり、そこはとても入ってきやすいです」

──腑に落ちて、身についているという実感はありますか。

「拳(ケン)の強さとか、体重の乗せ方という部分で感じられます。レスリングと空手は似ていないんですけど、結びついて動きやすくなっています」

──去年の11月の中村未来戦での左の突きを見た時に、あれっ……剛毅會空手だと思いました。

「あの時はもう指導を受けていました(笑)。あれは観客席から『止まれ』、『手だけ伸ばせ』って先生の声が聞こえて。『動くな』と。その声に従っただけなんですけど、あとから『基本稽古をやっていないと出ない動きだから』と説明してもらいました。

その後に下がって打つというのを教わったのですが、あの時は止まって打つことを稽古していました。その止まって打つのから、距離を取って少し下がって打てるようになってきまいた。きっと他の打撃を知らないので、体に入りやすかったと思います。

それにやっていると、レスリングと空手が近くなってきたような気がします。距離感は違うのですが、私はボクシングとかキックのように打撃を打とうとすると、重心が上がってフワフワしてしまうんです。『フワフワ』するなって先生に指摘されます。その時はテイクダウンもダメで、蹴りもダメなんです。

でもレスリングでテイクダウンに入れる構えだと、空手の突きがスッと出て。足もパッと強いのが出せて……『あっ、こういうことだ』と身に入ってきました」

──対戦相手の久遠選手、あの優秀なストライカーを相手にMMAで戦ううえで自信の方は?

「今、教えてもらっていることを出せたら間違いはない。間違ったことを教えてもらっているのではないので、間違ったことはしない。そういう自信はあります。もちろん、勝つんですけど。間違っていない自信はあるので、そこを如何に試合で出せるか。

MMAの経験値が違うので、何をしてくるのか分からない怖さはありますが、試合の経験数は自分もレスリングをずっとしてきたので……。MMAは2試合しかやっていないので、それでも緊張してしまうと思うけど、教えてもらったことがちゃんと出せれば間違いはないという自信はあります」

──ところで下らない質問ですが、龍人選手をライバル視していますか。

「舐められたくないというのはあります。誰も言わないけど、りゅうりゅうが一番格好良いと思っていて大好きだし。だから舐められたくないし、負けたくない。格好良いところを見せたいです。りゅうりゅうに恥ずかしくない戦績を残したいと思っています。

まだ認めてもらえていないというのを感じているので、もっと頑張らないといけないと思います」

──では最後に、次の試合でどのようなMMAを見せたいと思っているか意気込みの方をお願いします。

「まだ3戦目で、MMAというには不十分ですけど、やっていることをしっかりと出して──少しでも前の試合より成長したなと思えるように頑張ります」

■視聴方法(予定)
5月22日(日)
午後5時50分~ Twit Casting LIVE
             
■Shooto2022#03

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 小野島恒太:61.2キロ
[挑戦者] 石井逸人:61.2キロ

<ストロー級/5分3R>
新井丈:52.2キロ
黒澤亮平:52.2キロ

<バンタム級/5分3R>
藤井伸樹:60.9キロ
齋藤翼:61.25キロ→61.2キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠:47.6キロ
澤田千優:47.4キロ

<ストロー級/5分2R>
木内“SKINNYZOMBIE”崇雅:52.2キロ
阿部マサトシ:52.2キロ

<バンタム級/5分2R>
榎本明:61.1キロ
ガッツ天斗:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
大竹陽:56.7キロ
須藤晃大:56.7キロ

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇:61.2キロ
川北晏生:61.2キロ

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Interview J-CAGE Shooto2022#03 ブログ 久遠 澤田千優

【Shooto2022#03】澤田千優と対戦、久遠「次の試合が最後じゃない。1年後に完全に距離感を掴めるよう」

【写真】これだけ自己分析ができているのだから、格闘IQは相当に高いはず (C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2022#03で、渡辺久江改め久遠が澤田千優と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2002年にスマックガールでプロデビューした久遠は、2007年のゲンカーム・ルークチャオポーカム戦を最後に、MMAから離れていた。2010年にはキックボクシングやシュートボクシングのリングに立ったものの、2011年から再び戦いの舞台から姿を消すことに。2016年にはMMAに復帰し、WSOF CGとVTJで2試合を戦ってから6年――キックボクシングの試合を経て修斗に出場した久遠に空白の5年と現在、そして今後について訊いた。

なお、本日21日(土)行われた計量前に杉本恵と対戦予定だった須恵樹季が、体調不良で搬送され女子ストロー級2回戦は中止となった。


――試合を5日後に控えた久遠選手です(※取材は5月17日に行われた)。

「どうも! お久しぶりです!!」

――格闘技ファンにとっても、渡辺久江改め久遠選手のインタビューは久々となるかと思います。久遠選手は昨年キックボクシングの試合で復帰し、今年に入ってケージでMMAの試合を行いました。MMAとしては2016年6月のVTJ(イ・イェジとドロー)から昨年まで、この5年間は何をされていたのでしょうか。

「VTJのあとも試合が決まっていたんですけど、実はその時に妊娠していることが分かって。出産したあと……ご察しのとおり離婚して、ドタバタしていました。実家に戻ってから落ち着いてきたので、何をしようかと考えたら、私には格闘技しかなかったということです」

――そうだったのですか。昨年11月にで久遠選手の修斗出場が発表されたとき、お子さんを連れられていたので驚きました。

「アハハハ。格闘技については、まだできるっていう気持ちが強かったので。だから何をするにしても、まずは格闘技をやってから考えようと」

――お子さんが生まれるまでは、格闘技の試合を見ることはあったのでしょうか。

「一切見ていなかったです。見ていると、格闘技をやりたくなっちゃうんですよね。すると、もどかしさというか、羨ましさというか……。今はRIZINに女子選手が出ているじゃないですか──父は格闘技が好きなので、テレビで見ているんですよ。すると私の目にも入ってくるし、知り合いからも連絡が来るわけです。そうやって格闘技界に関する情報は入ってくるんだけど、自分から見ることはなかったです」

――お知り合いから「RIZINに出ないの?」といったような連絡が来るのですか。

「それもあるし、あとは『久江ちゃんは、もう無理だよね』、『RENAって、チョー強くない?』とか。全然見ていないからって答えるんですけど、ちょっと見てみると、私もやれると思ったりして。そうなると余計に――格闘技したい、羨ましいって妬みの感情も生まれちゃうので、一切見ないようにしていました」

――久遠選手がプロデビューした2002年から、一度試合から遠ざかる2007年までは、地上波放送でMMAの試合が流れても、そこで女子の試合が行われることはありませんでした。なかには地上波テレビ局が、女子選手が殴り合う試合を放送したくないという方針だったという話も聞いています。その時代を経て、地上波でも女子の試合が流れるような現状については、どのように感じていますか。

「海外については裾野が広がったじゃないですか。日本だと浜崎さん? ……申し訳ないんですけど、あまりよく知らなくて」

――浜崎朱加選手がインヴィクタ世界後無休王座を獲得したのが2015年です。久遠選手にとっては、まったく絡んだことのない世代ですよね。

「そう考えると行き着くのは、私の甘さなんですよ。もっと自分が格闘技を追い求めていたら、その間も続けていたでしょうし、海外にも興味を持っていたかもしれない。時代は動いていたのに、私は動いていなかったわけで。でも今は、私の階級も海外で試合が行われているじゃないですか。選手も増えて、カッコいい選手も多いし。逆に国内は、私が出ていたスマックガールと同じ道を辿っているようにしか見えなくて」

――えっ、どういうことでしょうか。

「MMAをやっていない選手が、いきなりMMAをやって注目される。MMA選手×キックボクシング選手の試合をMMAでやるとか。それは地上波で放送されるか、されていないかの違いも大きいとは思うけど……。そういうのを見ていると、私もまだ戦えるんじゃないかなって。海外でも試合がしたいです。ただ、年をとって殴り合いはしたくない(笑)」

――1月の加藤春奈戦では、相手の左ジャブをもらって口から出血していましたが……。

「あの時ね、完全に試合勘がなくなっていて、なぜこんなにパンチをもらうのかなって自分でも思っていたんですよ。でも次の試合は、そんなことはないと思う。この間のキックの試合(3月に宮城でKARENと対戦してドロー)は、ちゃんと戦えていたから」

――加藤戦では、相手のパンチに対して反応できていない面がありました。その原因が試合勘だったとすれば、この4カ月で解消できたということですか。

「私の中では重心の問題で、動けるスタンスと動けないスタンスがあるんですよ。正直、今もそこは100パーセントにはなっていないです。まだ試合の緊張感が影響すると、ちょっとブレていたりするけど、ガッチリ合ったら昔以上に良いパンチや良い蹴りを打てる状態にはなっているので。

それに、次の試合が最後じゃないから。口から血を流そうが、目の上がパックリ切れようが、次の試合は勝てばいい。試合をこなしていって、1年後には完全に距離感を掴めるようになっていればいいかなって。

それでも……千優ちゃんって呼んじゃうけど、千優ちゃんをKOできると思っていますよ。そこで距離感が合わなかったらどうしよう、とか考えても仕方ないから。試合中にビビったら、完全に相手に飲まれて悪い展開になっちゃうし」

――距離感でいえば、ケージでレスリングベースの選手と対戦するのは、今回の澤田戦が初めてではないですか。

「そうなんですよ。ケージで戦ったのも、2016年のWSOF GCとVTJだけでしたからね。でも相手のタイプは気にしていなくて。今、そんな対策ができるような練習環境じゃないから」

――今はどのような環境で練習しているのですか。

「所属しているキックボクシングジム(ZERO)で打撃をやっていて、ねわざワールド宇都宮で柔術の練習に参加させてもらったりしています。コロナ禍じゃなければ東京に行って練習したいんですけど……。ただ、そういう出稽古じゃなく、日常的に練習したくて。今はチケットを売ったり、ツイキャス中継を買ってもらって入ってきたお金を、生活環境と練習環境に費やしたいですね」

――2010年ごろまでの久遠選手を考えると、当時とは全く違う環境にあるのですね。

「当時は一切何も考えていなかった。子供が生まれるまで、その日暮らしだったから。今は子供のためにも、チケットが売れるような選手にならなきゃいけないので。あとはルンピニーとか海外の試合にも出たいし」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
5月22日(日)
午後5時50分~ Twit Casting LIVE
             
■Shooto2022#03

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 小野島恒太:61.2キロ
[挑戦者] 石井逸人:61.2キロ

<ストロー級/5分3R>
新井丈:52.2キロ
黒澤亮平:52.2キロ

<バンタム級/5分3R>
藤井伸樹:60.9キロ
齋藤翼:61.25キロ→61.2キロ

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
久遠:47.6キロ
澤田千優:47.4キロ

<ストロー級/5分2R>
木内“SKINNYZOMBIE”崇雅:52.2キロ
阿部マサトシ:52.2キロ

<バンタム級/5分2R>
榎本明:61.1キロ
ガッツ天斗:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
大竹陽:56.7キロ
須藤晃大:56.7キロ

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇:61.2キロ
川北晏生:61.2キロ

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