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ARAMI DEEP MMA ONE SARAMI Shooto2021#05   ブログ 中村未来

【Shooto2021#05】Sアトム級挑戦者決定戦へ、SARAMI「中村選手? 富山にいた頃の私に似ている」

【写真】またこの場で戦いたい──その気持ちが最も伝わってくるSARAMIだ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5のセミファイナルで、女子スーパーアトム級次期挑戦者決定戦として、SARAMIが中村未来と戦う。
Text by Shojiro Kameike

SARAMIは2019年からONE Warrior Seriesに参戦したが、コロナ禍で大会は継続されなかった。そんななか、昨年4月のRoad to ONEでの試合が流れ、11月に修斗に初出場し杉本恵を1R1分49秒、腕十字で下している。

そして今回、黒部三奈の持つベルトへの挑戦権を賭けた試合に挑む彼女は、今どのようなモチベーションで戦っているのか。中村戦を目前に控えたSARAMIに、中村未来について、そして修斗のベルトと王者・黒部三奈について訊いた。


――昨年11月、杉本恵選手に勝利し、修斗2戦目でスーパーアトム級次期挑戦者決定戦に臨むこととなりました。まずは修斗という舞台に上がった感想を教えてください。

「修斗に出て、どう……という気持ちはないですね。私は舞台を用意していただければ、そこで戦うだけなので。でも杉本選手に勝ったことで、ベルトに絡む試合が組まれました。そうして実力を評価してくれるのは良かったです」

――その杉本戦は、序盤からSARAMI選手が圧倒し、腕十字でフィニッシュしました。

「簡単に勝っちゃった……という感じですね」

――あの圧勝劇は、ご自身の中でも意外でしたか。

「自分でもビックリしました。もうちょっと攻防があってからの勝利になると予想していたので」

――試合前のインタビューでは、「実力差があったよねと言われる試合はしたい」と言われていました。結果、そう言われて然るべき内容だったと思います。

「今までやってきたことが、ようやく形になってきたのかなって思います。ONEウォリアー・シリーズの試合から杉本戦まで1年以上空きましたけど、その間も変わらずやってきました。今でも強くなっているって、自分の中でも実感があります」

――杉本戦を経て、修斗のベルトに絡むようになることは、想定していましたか。

「いえ、次が修斗のベルトに絡む試合になるとは思っていませんでした。正直……ONEのウォリアー・シリーズが復活してくれたらいいのにな、って。今でもそう思っています。だから修斗のベルトが欲しいとか、そういうことは考えていなかったんです」

――……。

「今は、戦う舞台がウォリアー・シリーズから修斗に変わっただけ。自分のやることは変わりません。どこで戦おうと、試合に勝つことしか考えていないですね」

――それだけ、ウォリアー・シリーズに懸ける想いが強かったことは分かります。

「DEEP JEWELSに出ている時は、とにかくそこで一番になりたいと思って試合をしていました。でもウォリアー・シリーズで海外の選手と戦ってから、気持ちが変わりました。そのウォリアー・シリーズが行われなくなり……どこに目標を置けばいいんだろうなって」

――修斗のベルトは、その目標になり得るのでしょうか。

「今そのベルトが、自分の近くまで来ましたからね。以前は、ベルトが欲しくて自分から近づいても、獲ることができませんでした。今回はベルトが自分に近寄ってきてくれていると思っています」

――ベルトへの挑戦権を賭けて戦う相手、中村未来選手のことを今まで意識したことはありますか。

「ウォリアー・シリーズが行われなくなってから、私もRoad to ONEに出る可能性があるし、そこで対戦することもあるんじゃないかとは思っていました」

――ファイターとしての中村選手の印象を教えてください。

「うーん……負けん気が強いですよね。富山にいた頃の私と似ている気がします」

――SARAMI選手と似ている……?

「負けん気が強くて、運動神経が良い。すると、それなりにはやれますよね」

――それなりに、ですか。

「まだトップ選手に勝っていないじゃないですか。私も富山にいた頃は、そうでしたから」

――SARAMI選手自身が、「それなりに」ではなくなったのは、いつ頃だと思っていますか。

「DEEPジュエルスのタイトルマッチで、黒部(三奈)さんと試合した頃ですね」

――2018年3月の試合ですから、プロデビューから約6年経って、その域に達しているわけですね。SARAMI選手と中村選手には、それだけキャリアの差があります。

「相手は強い選手だし、簡単に勝てるとは考えていません。でも、私とは全てのレベルが違うと思っています」

――なるほど。その黒部選手とはDEEPジュエルス時代に2戦して2敗という戦績です。今回、中村選手に勝てば3度目の対戦ということになりますね。

「……別にもう黒部さんとは試合しなくていいじゃん、という気持ちはありますよ(苦笑)」

――3回目はもういい、ということですか。

「日本人選手との試合よりは海外で戦いたいし、あるいは国内でも海外の選手と対戦したいという想いのほうが強いですね。でも、黒部さんに挑戦することになったら『今度は勝つ』という気持ちはあります」

――では今のSARAMI選手のモチベーションの中で、次はどんな試合をしたいですか。

「ちゃんと練習してきたことを出して、当たり前に勝つ。全てで上回りたいです」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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ARAMI MMA ONE SARAMI Shooto2021#05 中村未来 修斗

【Shooto2021#05】SARAMI戦へ、中村未来─02─「しっかり修正した打撃を見せたいですね」

【写真】中村未来の打撃の強さは、殴られることを受け入れている強さのように思われる (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05で、スーパーアトム級王者・黒部三奈への挑戦権を賭けて、SARAMIと戦う中村未来インタビュー後編。

Road To ONEの平田樹戦を経て、MMAへの取り組み方が大きく変化したという中村は、5月の北野きゅう戦で既にその成果が出始めていたという。

その成果をさらに感じることができないと、次の試合は難しい。そんな女子スーパーアトム級王座への次期挑戦権を賭けて戦うSARAMI戦について訊いた。

<中村未来インタビューPart.01はコチラから>


――ここ最近はグラップリングの練習を増やしたとのことですが、5月の北野きゅう戦(2R TKO勝ち)では、以前よりも打撃が強くなっているように感じられました。

「ありがとうございます。北野選手も打撃で来るから、相性が良かったという面もあります。それと実は、平田戦の後から“倒せる打撃”を練習しています。相手にダメージを与えられる打撃ですね」

――倒せる打撃……これまでの打撃は、倒すことを目的としていなかったのですか。

「はい。今まで目指していたのは、スタンドで勝ってからグラウンドでパウンドアウトするという試合だったんです」

――それは意外です。てっきりKOを狙い続けているものだと思っていました。

「そうですよね。結果的に、打撃一辺倒になることも多かったですし(苦笑)」

――倒せる打撃を身につけるために、何か新しい練習に取り組んでいるのですか。

「フィジカルトレーニングです。今まであまりやってこなかったロードワークや、ダッシュを取り入れたりしています」

――その成果が早速、北野戦で出たということでしょうか。

パンチとエルボーの使い分け。しっかりと練習できている成果だろう

「成果は出ましたけど、まだまだです。いまだにパンチのコントロールが悪くて」

――パンチのコントロールとは?

「相手の急所にパンチを当てきることができないんです」

――そうだったのですか。確かに、北野戦のフィニッシュ直前の左ストレートは、ヒット音こそ大きかったものの、完全に相手のアゴを捉えているものではありませんでした。

「パンチを打つ時、特に強打を出す際に体がズレて前に出てしまいます。だから真正面で強いパンチを当てることができない時があって。今、そのクセを直しているところです。次の試合では、しっかり修正した打撃を見せたいですね」

――次の試合、女子スーパーアトム級次期挑戦者決定戦として、SARAMI選手と対戦することになりました。

「オファーが来た時は驚きました。挑戦者決定戦ですよね?」

――昨年の女子スーパーアトム級王座決定トーナメント以来となる、ベルトへの道です。

「あの時はプロデビューしたばかりで、ベルト云々よりも1試合1試合、経験を積むことに必死でした。今でもベルトを意識したことはなかったんですけど、このオファーが来たことで『ベルトが見えてきたのかなぁ』と思っています」

――自身が修斗のベルトを巻く姿を想像したりしますか。

「いやいや、まだソレはないです(苦笑)。こうした試合が組まれるのも、平田戦から注目していただいたおかげなのかな、とは思いますけど……」

――平田戦の影響はあるでしょう。敗れたとはいえ平田戦で知名度と評価を高めた中村選手が、今は狙われる立場になっているかもしれません。

「あ~、それは嬉しいです」

――……嬉しい!?

「はい。女子MMA全体で見たら、私の戦績はまだまだじゃないですか。それでも『中村未来に勝ったらオイシイ』という評価をしてもらえたら、嬉しいですね」

――『勝ったらオイシイ』という評価が嬉しい、という感覚も意外です。

「それで試合を組んでいただけるなら、ありがたいですよ」

――なるほど、そういうことですね。対戦相手のSARAMI選手には、どのような印象を持っていますか。

「私が格闘技を始めた頃からトップ選手でしたけど、SARAMI選手が修斗に出場することになって、いずれ戦うこともあるかと思っていました」

――平田選手と同じく、柔道がベースのMMAファイターです。

「私の中では、柔道の要素だけが目立っているわけではないですね。オールラウンダーで、強い相手です」

――SARAMI選手は修斗初戦で、中村選手が一度敗れている杉本恵選手に1R、腕十字で一本勝ちしています。

「私の杉本戦と比べてどう、というのは考えなかったですけど、とにかく強かったですね」

――先ほど『北野きゅう選手は相性が良かった』と言われましたが、オールラウンダーであるSARAMI選手との相性は、どうでしょうか。

「相性はそんなに悪くないと思います」

――おぉっ、どのような試合展開になると予想していますか。

「SARAMI選手が前に出てきて、そこで私が引いてしまうと、そのまま完全にSARAMI選手のペースになってしまいますよね。私はスピードを生かして、相手を下がらせてペースを握りたいです。まずは相手を下がらせることができるかどうかが、ポイントだと思います」

――この試合の先には、黒部三奈選手の持つベルトがあります。

「もちろん黒部選手のことも頭にはあります。でも、まずSARAMI選手に勝たないと、その先には行けないですよね。次の試合でSARAMI選手に勝って、黒部選手にたどり着きます」

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ARAMI MMA ONE SARAMI Shooto2021#05 中村未来 修斗 青木真也

【Shooto2021#05】Sアトム級挑戦者決定戦=SARAMI戦へ、中村未来─01─「勝って評価されない平田選手」

【写真】2月の平田戦を経て、5月に北野きゅうに勝利──も勝ち名乗りを受けるときは、御覧の表情だった中村 (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05で、スーパーアトム級王者・黒部三奈への挑戦権を賭けて、中村未来がSARAMIと戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年2月、Road to ONE04のメインイベントで平田樹と対戦した中村は2RでTKO負け。平田樹のためのアンダードッグ――そのような見られ方をして当然の試合で敗れた中村だが、そこからMMAファイターとして新たな一歩を踏み出していた。


――今回、修斗女子スーパーアトム級次期挑戦者決定戦に出場する中村選手ですが、まず2月の平田樹戦での敗北については、どのように受け止めているのでしょうか。

「あの試合は私にとって、いろいろ変わるキッカケになった試合でした。そう考えると、やって良かったとは思いますけど、今考えると本当に悔しいですね(苦笑)」

――試合内容としては、平田選手が組み付いてきても、ケージ際ではアンダーフックやオーバーフックを効かせて倒れない。こかされても、すぐに立つ。そのような展開が続きました。

「試合の作戦は、こかされても立つことでした。その部分では、練習していたことが出せたかなと思っています。ここ最近、グラップリングの練習の割合が高くなっているんですよ。週でいうと、組みの練習が週に4回。特に壁レスは、しっかりやるようになりました」

――以前から打撃の練習に関する動画や写真がSNSなどにアップされていましたが、今は組みの練習のほうが多いのですか。

「はい。打撃は週に2回、ミットとスパーリングをやっています。それよりも組みの練習のほうが多くなっていますね」

――では、平田選手とのスクランブルや、テイクダウンされても立ち上がる展開では手応えがあったのですね。

「そうですね。グラップリングの部分では、そんなに大きな差はなかったと思います。ただ、最後の首投げは……」

――フィニッシュは、平田選手の必勝パターンにハマってしまいました。首投げから袈裟固め、そしてパウンドという一つのパターンです。

「あの首投げは、来ると分かっていても、やられてしまいましたね。もちろん対策はしてきていました。ただ、試合では組んできても首投げは出そうとしていなくて」

――あえて序盤は首投げを出していないようにも感じました。

「そうなんです。ケージに押し込まれている時も、『ここで首投げに来るかな?』と考えていたのですが、そんな素振りもなくて」

――中村選手ご自身のなかで、そこまでケージ際の攻防で劣っていないと感じられたのに、なぜあの首投げからの展開は防げなかったのでしょうか。

「首投げから抑え込まれるまでのスピードが、ものすごく速かったです。投げられた後のことも想定していて……ああしよう、こう立とうとか対策もあったのに、それを考えられる前に抑え込まれてしまいましたね」

――一方で、中村選手の左ストレートが平田選手の顔面を捉え、左ミドルも当たっていました。

「思ったより距離が近かったので、打撃はいけると思いました」

――結果は2RでTKO負けでしたが、試合後にABEMAの中継はご覧になりましたか。

「見ました。青木真也選手に評価していただいて、嬉しかったです。でも、それが悔しいっていう気持ちもあります」

――評価されたのが悔しい……というと?

「負けても評価していただけるだけマシ、そう言われるのは分かります。他には負けたうえに評価されない選手もいるわけですから。だけど、負けて評価されるより、勝っても評価されない平田選手というのが……やっぱり、そういう試合だったんだな、って思いますよね」

──……。

「あの試合は、私がアンダードッグでした。その立場を覆せなかったじゃないですか。だから勝ちたかったし、負けて悔しいです。今考えると」

――ただ、平田戦について「いろいろ変わるキッカケになった」と言われていました。試合後、どんなところが変わったのでしょうか。

「注目されている平田選手と試合をしたおかげで、『平田樹と試合をした人だよね』って声をかけられることが増えました。そこから応援してくれる方も増えたんです」

――なるほど。知名度は上がったわけですね。

「それで、このままじゃいけないと思ったんです。応援してくださる方のために、もっと強くならないといけないって。それで平田戦の後から、練習量を増やしました」

――選手としての生活も変わったのですか。

「仕事の出勤時間を減らして、練習量を増やしました。朝と夜で2部練ができるようにしたんです」

――えっ、中村選手はネイルサロンに勤務していますよね。出勤時間を減らすと給与面、ひいては生活費に関して影響は出ないのですか。

「朝の出勤を減らしただけなので、そこまで影響はないですね。ただ、お昼の仕事を減らすわけにはいかなかったですけど……」

――それでも、大きな変化ですね。

「平田選手は小さい頃から格闘技をやっているし、他の選手と比べても、私は格闘技経験が浅いじゃないですか。だから他の選手に追いつくためにも、もっともっと練習しないといけないと思ったんです」

<この項、続く>

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Bu et Sports de combat Interview ブログ 中村未来 岩﨑達也 平田樹

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。平田樹✖中村未来「やり取り&暴力の打撃」

【写真】練習通りの動きが出せなったと振り返っていた平田だが、練習通りできないのが試合である (C)MMAPLANET

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑氏とともに見てみたい。

武術的観点に立って見た──Road to ONE04における平田樹✖中村未来とは?!


──キャリア4戦目にして、初めてのメイン。そして、思い通りの試合ができなく試合後に涙を見せた平田選手でした。

「一流選手あるあるかと思いました。強いのは圧倒的に強い、可能性も持っている。でも、上手く戦えなかった。その要因を試合にだけ求めてはいけないです。普段の自分、普段の練習を今一度、見つめ直す。

ああいう試合になったのは、中村選手の立ち上がりが何よりも良かったからです。パンチからロー、ローからパンチ、あの攻撃をもっとやりきれば倒しきれないまでも、文句なしの判定勝ちできるぐらいの試合を中村選手はできていたかもしれないです。

ただし、それが出来なかったのも事実です。組んで倒された。そして、ここから中村選手がまた柔術を使って粘ることができた。平田選手は自分のリズムで戦えない状況が増えていきました。私は寝技のことは理解が乏しいですが、一度倒したときにもう立たせないという動きが身についていないと、仮に倒してから抑える技術があったとしても、すぐに立つような攻防が体に入ってしまうような気がします。

最近、男子のMMAでもいわゆるスクランブルという展開になると、疲れるのを嫌がってか上を取った選手もしっかりと抑えない。立って、寝てという試合になることが多いですが、それは練習でも意識レベルがそこになっているのだろうと思いました。抑えようとした結果、立つのではなく。立つモノとして稽古をしていると、試合もそうなる。

私も松嶋こよみと大塚隆史のレスリングのスパーを見ていて、なぜそこで粘れないのか──ということがあって、次は絶対に取らせないで動けというと──動けるんです。でも、疲れますよ。ただし、稽古というのはそういうことで。できないことをできるまでやる。できないから、次の展開というのはトレーニングということになります」

──そこが平田選手も見られたと。では、懸命に取り組んできた打撃が出せなかったことに関しては、どのように見られましたか。

「その一生懸命やってきたことで、MMAとしての攻撃のバランスが崩れた。そういう時期でもあるのでしょうが、彼女の中でまだ整理ができていない。ボクシングのパンチというのは、やり取りのパンチです。自分が打つ、相手が打つ。かわす、ガードする。かわされる、ガードされる。そういう繰り返し、やり取りの打撃です。そこに突き詰めた技術がありますが、同時に暴力の打撃ではない」

──暴力の打撃、ですか。

「ハイ。対して、平田選手は去年の2月のインドネシアの大会で、自分より打撃だけなら上の選手に組みと荒いけど暴力の打撃で間を制し、質力の高い攻撃を仕掛けることができていました。MMAは暴力の打撃だけでどうにもならないので、やり取りの打撃が必要になってきます。ただ、そこに寄り過ぎていると、やり取りで中村選手が先手を取られ、その経験に乏しい平田選手はやり取りができなく、また暴力の打撃もだせなくなったように感じました。

組技ベースの選手の打撃に、打撃の選手が打撃でやられるということは、これまでもMMAではいくらでもありました。それはやり取りの打撃が暴力の打撃にやられるということです。チャド・メンデスだとか、ユライア・フェイバーだとか。あれは暴力の打撃ですよ。昔でいえばヴァンダレイ・シウバが、ミルコ・クロコップにパンチをあれだけ入れた。

平田選手は暴力の打撃という良さが、この間の試合では出せなくなった。それも成長過程にあるということでしょうね。そこを整理できるための指導力が、今の彼女には必要で。あの選手に何もかも負荷がかかるのは、大変ですよ。

中村選手は大健闘しました。ただし、結果的には良さが出せなかった平田選手が、自分が採りたくなかった手段でTKO勝ちした──というのが事実です。それだけの力の持ち主、ホントにONEじゃなくてUFCだろうっていう可能性を持っている選手が、これだけ興行という面にも関係しているのは、もう大変なことですよ。だけど、それを乗り越えていってほしいですね。

なんというのか、小麦なのか、米なのか、とうもろこしなのか。その素材の良さを生かした調理方法があるように、彼女の素材の良さは何なのか、それを考えた指導と育成が重要です。ジムを変わったという記事を読みましたが、大沢ケンジさんも大役を仰せつかって大変ですけど、そこを築いていってほしいです。彼ならケツを叩いて、追い込む指導を平田選手にできると思います。

それと平田選手のメンタル面として、今回の試合に関しては──必要なのは反省でなく、研究です。素材、才能は疲弊します。だから、しっかりと自分を磨き続けてほしいです」

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04  アドリアーノ・モライシュ ブログ 中村未来 平田樹

【Road to ONE04】「気持ちが今はどうにも整理できないです」試合後、会見前。控室で平田樹が語ったこと

【写真】終始うつむいていた平田に、カメラ目線を要求。21歳、大人のビジネスに組み込まれたスポーツ競技で過去に例のないキャリアを積んでいる彼女への要求は高く、風当たりも強い。だからこそ、勝って落ち込む(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されたRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、中村未来にTKO勝ちした平田樹だが、自らのパフォーマンスに納得ができず──リング上で笑顔はなく、控室では涙に暮れた。

プロとして気持ちを幾分整理させ共同記者会見に臨んだ平田が、その直前に控室で見せた──整理をつけようとする過程の言葉をお伝えしたい。


──どうですか、試合を終えて30分ほど経ちましたが。

「最悪の最悪です。『えっ?  試合した』ぐらいの気持ちです。疲れていないし、やることもやっていないし──って言う感じですね」

──勝って反省できるのだし、こういう経験があって良いのではないでしょうか。

「いやぁ……せっかく、これだけ時間があって……練習もしたのに……。ジムも変わって、でも試合をすれば『結局、これか』みたいのがめっちゃ大きいから……」

──首投げ、柔道に頼った。それで今の自分が見えた試合になった。簡単じゃないということが、実戦で勝って分かった。良しとしようというのは、年寄りの考えかもしれないですけどね。

「もっと……やりたいことがあったのに……でも、出せないってことは何かが違うんだろうし。もっと練習します」

──プロ4戦目です。誰にもないキャリアの積み方をし、逆風も強い。でも、それは平田樹が乗り越えるしかない。

「4戦しかしていない……う~~~~~~ん、ダメですね。はい……。せっかくメインでやらせてもらったのに、ダメだった……。試合をしたのに、試合をしていないような。この気持ちが、今はどうにも整理できないです。

この経験をGPで生かせば良いって、皆が言ってくれました。でも……やっぱり納得できないし。練習してきたことが出せれば、打撃だってあんなんじゃないし。

寝技にいくにしても、違う入り方をしたかったです。全然、ダメですね。初めてです──試合が終わって、ダメだったという想いがここまで強いのは……いう感じです」

──ともあれ試合は終わりました。次に向けての日々が始まります。

「練習はしていたけど、なぜ試合で出せなかったのか。もっとやられることを覚えるじゃないですけど、ここまでやられてこなかった怖さというか、『ここで負けちゃいけない』という気持ちがここまで大きかったんだって気付きました。

う~ん、練習だけでなくメンタル……。気持ちでは、負けていないつもりだったけど、何かが欠けていることが分かりました。行けない、出ていない……。でも勝つ自信はあるから。そこのバランスが取れていないことが今日の試合で分かったんで」

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J-CAGE ONE Report Road to ONE04 ブログ 中村未来 平田樹 未分類

【Road to ONE04】初の女子メイン、試合内容に不満も・・・平田樹が得意の形で中村未来をパウンドアウト

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
Def.2R2分34秒 by TKO
中村未来(日本)

サウスポーの中村が左ストレートを放ったところに、平田は右ロー。さらに組み付いて中村をケージに押し込む。中村は右ヒザを打ち、左に動いて離れる。距離ができるとパンチをヒットさせる中村。平田も右を振りながら中村にケージを背負わせる。四つから投げを打とうとした平田、これを防がれると、シングルに切り替えてテイクダウンを狙う。中村は平田のクラッチを外してディフェンス。しかし平田はテイクダウンを奪う。中村は下から足関節を狙うが、平田はすぐに防いでサイドへ。中村がブリッジすると首を取る。

両者立ち上がり、平田はギロチンから投げを打つが、中村は倒されずバックを狙う。ともに離れてケージ中央へ。打撃を放ちながら組み付いた平田は、またもケージ際へ。残り30秒、平田がダブルでトップを奪う。ハーフガードの中村の顔面にパンチを落としていった。

2R、距離を詰める平田に、中村は左ストレートのダブル。平田はダブルレッグでテイクダウンに成功する。相手をケージに押し込めて、パンチを落とす平田。しかし中村も平田を蹴り離して立ち上がる。平田はすぐさま中村をケージに押し込み、ダブルからシングルに切り替え、テイクダウンを狙うが、中村も倒れない。肩パンチを打ち合う両者、ここで平田が首投げでグランドに持ち込む。そして袈裟固めで抑え込みながらパンチを連打し、レフェリーストップを呼び込んだ。


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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04   ブログ 中村未来 平田樹

【Road to ONE04】「皆でひっくり返してやろうぜって。5年もいらない。『すぐ』だから」──平田樹

【写真】大会4日前、PCR検査後に余裕の笑顔を浮かべる平田樹(C)MMAPLANET

今日22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」のメイン=中村未来戦が控える平田樹

5年後の日本の格闘技界を考えた大会のメインを任された平田は、自然と敢えてなのか。あくまでも中村は眼中にないという発言に終始した。それが、これからのJ-MMAを創っていく人間の役目であるように。


(自らマスクを外して)「自分、痩せました?」

──そう堂々と切り出すということは、順調に体重が落とせているってことですね(笑)。

「アハハハ。あと900グラムです。もう体形はバッチリです」

──体形ですか(笑)。ではMMAの仕上がりの方は?

「もう1週間前から調整だけです。それまでの練習でもビー・ニューウェン対策から続いているサウスポー相手の動きをしてきたので、去年の秋から継続して良い練習ができています」

──クレイジービーではパク・シウ選手とも練習をしていますね。

「強いですね。打撃が強いです。多分、寝技より打撃が強い」

──多分ではないような……。ところで今回はメインイベントです。

「何だろう……凄いこと、メインって一番注目されるし。初めての体験だから。でも、いつも通りの試合をすれば、メインに相応しい試合はできると思います。久しぶり、1年振りの試合なんで楽しみです」

──実は緊張している、とかないですか。

「いえ、日本で戦えて嬉しい気持ちが大きいです。終われば家に帰ることもできるし。気持ち的に楽です」

──これまでONEでの3試合。「平田樹はどうなんだろうか?」、3試合目は「あの打撃には危ないんじゃないか」という空気のなかでの試合でしたが、今回は来るべきアトム級GPへ向け、勝利がデフォルトという状況です。空気的には勝って然りというものです。

「それだけ圧勝できると期待してもらっていることは良いことだし、思われている以上の試合をします」

──自分より名前のある選手、自分よりも格上の選手に挑戦していきたいというのが選手の本音だと思います。そのなかで4戦目にして、受けて立つ試合になりました。

「圧勝は当然なんで、内容でも今までよりMMAをして勝ちたいと思います。アトム級GPが正式発表されないという状況で、自分にとってはGPが一番大きな目的なので。GPまで勝ち続けることが、GPで勝つことに通じると思うので。

これまでは8割柔道みたいな試合をしてきたので打撃、レスリングを織り交ぜて試す試合──ではないですけど、練習してきたことを出せれば良いなと思います」

──この間に内山高志さんにボクシングの指導を受けるようになりました。

「ボクシングを初めて練習して、本当に色々と勉強できました。ただ内山さんにはボクシングに拘るなと言われています。『練習通りやっていれば大丈夫だ』とも言ってもらって。でも打撃で倒したいというのは、変わらず持っています。できれば良いなって」

──打撃戦になると、ファイターズ・ハイのような状態になりそうですね。

「そうですね、打撃の方が自分的にも楽しいです。見てくれる人も打撃の方が楽しい人が多いだろうし。打撃戦ができれば良いですね」

──中村選手も打撃戦を望むのではないでしょうか。

「相手のことより、自分の試合だから。自分がやりたいようにやれればと思っています(笑)。ONE本戦でも自分がやってきたことを試したいし、今の自分がどれだけできるのか試す試合がしたいです。だから『もう終わっちゃったの?』ってお客さんに思われるような試合で全然良いです。

ONEの本戦じゃないし、サッと終わって晩御飯を食べに行きたいです」

──中村選手は捨て身の覚悟で来ると思います。

「う~ん、特に何とも思わないです。どれだけ大差があるかを見せつけたいです」

──差ではなくて、大差なのですね。

「何もできない──ぐらいの試合にしたいです。この試合、チャトリさんとか視ていると思うので、『この期間、何をしていたんだ』とも思われたくないし。大会も試合もなくなったからこそ、めっちゃ練習できたので。

しっかりと練習してきて、それを試合で出したんだよというのをONEの人達に見せたいです。ホント、ここじゃなくて次の向けての試合にしたいので」

──それがアトム級GPだと思いますが、先日スタンプ・フェアテックスがアリョーナ・ラソヒーナに終了7秒前にギロチンで一本負けという試合がありました。

「スタンプ選手は打撃が強いから、打撃でやれば良かったのに。下手に試そうじゃないけど、MMAができるところをアピールしにいって。ああいうことはしないほうが良いんじゃないかなって思いました」

──……。あのう、それって……。

「アハハハハ。自分が今、言っていたことですよね(笑)。だからぁ、スタンプ選手のことを話していて、アレって自分で言っていたことじゃんって(笑)。やっぱり拘り過ぎない方が良いですよね。

スタンプ選手も絶対に打撃で倒せるのに……。極まっているか分からないギロチンでタップして。やろうとしているけど、寝技は経験不足でした。だから自分も打撃で行きすぎたら、一発でやられることもあり得ます。

それでも拘り過ぎなければ。いつも通りリラックスして試合ができるように心がけたいです。ボクシングをやっていても、前傾姿勢になるわけじゃないですし。ステップを踏んで、出入りをしての打撃をしたいです」

──今回の大会は5年後の日本の格闘技界のためというテーマがあり、若い選手が集まっています。

「私たち若い人間が、上の人をグイグイ追い抜いていかないといけない時なんで。皆でひっくり返してやろうぜっていう気持ちです。でも5年もいらないでしょ。『すぐ』だから」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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Interview J-CAGE ONE Road to ONE04 ブログ 中村未来 平田樹 未分類

【Road to ONE04】平田樹戦へ、中村未来─02─「人生を賭けて真面目に取り組んできたことってない」

【写真】色々なモノを持っていても、格闘家として欠けている選手は存在する。中村は色々なモノはまだ持てていないかもしれないが、格闘家として大切なモノは確実に持っている(C)TSP

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、平田樹と戦う中村未来インタビュー後編。

幼少期から柔道、高校卒業にMMAに転じ、まさに天職といえるファイター稼業で生きる平田に対し、中村はダイエット目的でマルス・ジムに入門、格闘技歴3年というファイターだ。

そんな中村をABEMA TVにTHE WONDERが追った。ここではMMAファイター中村未来の生い立ちと、平田戦に賭ける気持ちを尋ねた。

「会社も腕を折って、ギブスしていて普通」とサラリといってしまう──その身の内にちょっとした狂気を抱えた格闘家・中村未来が今夜、その狂気と勇気を武器に平田樹と相対する。

<中村未来インタビューPart.01はコチラから>


──そもそも中村選手がMMAを始めた理由は何だったのですか。

「今、所属しているマルス・ジムに3年ぐらい前に入門しました。ボクササイズをダイエット感覚でするために」

──それがなぜ、パウンド有りを戦うまでになってしまったのですか。

「そんなつもりはなかったんですけど、1度乗せられて柔術の試合に出てしまって。そうしたら──もう楽しくて、楽しくて」

──既にエクササイズから本格的な練習をするように変わっていたのですね。

「ジムに入って半年ぐらい経ってから、すこしずつプロの練習に混ざるようになり、その頃に柔術の試合に出ました」

──健康維持、ダイエット目的から実際に試合が出たいという人はマルス・ジムでは多いのでしょうか。

「多いかもしれないですね(笑)」

マルス・ジム平大門代表 みんな、嫌がっているよ(笑)。さっき言っていた前に出るというのも、彼女──阿呆なんです。行くなと言っても直らない(笑)。でも、そういう所も大切かと思っています。

──アハハハ。仰る通りですね。エクササイズのクラスの横で、試合志向の選手が追い込みをしていると引かれるという光景は目にしたことがあります。

「私の場合は選手の人達の練習を見て、対人練習がしてみたいと思ったんです。ミットだけでなく、人とやりたいという気持ちになりプロ練に混ざり始めたんです」

──おぉ。それまでに格闘技歴は何かあったのですか。そう思わせるようなモノが。

「一切ないです。スポーツは小学生の時に剣道をやっていて、中学生のときにちょこっとバスケットをやったぐらいです」

──なるほど、では初めて人と練習し、顔を殴ったり、腕を極めたり、首を絞める経験をしたわけですね。

「そうですね(笑)。本当に初めてですね。全く日常になくて、夢中でやっていました。少しでも早くジムにいって、新しいコトを習いたくて。寝技も考えずにポンポン動けるようになりたい、打撃を当てるようになりたいと思っていました」

──それまでMMAをTVで視聴したりしたことはあったのですか。

「一切なかったです。でも練習をすると楽しかったです。最初のころはケガをしたりすると、周囲には止められましたけど、私は平気でした。生活自体が凄く充実していると思います。会社も腕を折って、ギブスしていて普通みたいな感じになっていって(笑)。

ケガをした翌日から休まずに働いていたので、心配はされました。だからといって怒られるようなことはなかったです」

──私は大昔に目尻を切り、指を骨折したり、靭帯を切って会社へ行くと営業部長から「何をやっているんだ」と渋い顔をされたことはあります(笑)。中村選手はネイルという接客業ですが、問題はなかったですか。

「お客さんも長い付き合いの方が多いので、最初のうちに『DVとかでなくて、格闘技なんです』って説明していて──」

──アハハハハ。

「そう説明したうえやっていたので、逆に心配されました」

──指のケガなど仕事に差し支えることは?

「意外と腕を骨折しても、ネイルの施術をできる角度というのがあるんです。『割と行けるな』って(笑)」

──初めて話をさせていただいたのですが、中村選手──かなりイっていますね。

「性格的に格闘技に向いていると思います(笑)」

──緊張は当然するとは思うのですが、戦うこと恐怖を感じることは?

「恐怖はないです。緊張はしますけど。昂っている感じですね」

──対して平田樹選手は子供の頃から柔道で人と競い合い、今や打撃を上達させてパンチを当てることが楽しみでしょうがないという様子です。そして代理戦争から、ONEで海外デビューという他にないキャリアの積み方をしてきました。そんな相手に中村未来選手の3年間をどうぶつけたいですか。

「経験とか小さい時から積み上げてきたモノというのは私にはないですし、実力は全然彼女の方が上だと思います。ケージの中に入った時に、勝つには実力以上のモノを出すしかないです。

気持ちじゃないですけど、気合で普段の持っているモノ以上を出してやっつけたいと思います。気持ちで負けたら勝てるところがなくなってしまうので。

格闘技歴は全然短いですけど、こんなに人生を賭けて真面目に取り組んできたことってないんです。なんで自分がやりたいと思ったことを後悔ないようにぶつけます」

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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【Road to ONE04】氷点下の熱気、平田樹戦へ──中村未来─01─「チャンスをもらったからには存在感を」

【写真】この光景を見ても、生活基盤が首都圏に住む人間と違うことが分かる。零時過ぎまで練習をする生活、彼女が気持ちで平田樹に負けることはないような気がする(C)TSP

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTで開催されるRoad to ONE04「Young Guns」のメインで、平田樹と戦う中村未来。

5年後の日本の格闘技界を考える──というテーマを持った今大会の象徴といえる平田の相手に抜擢されたというのは綺麗ごとで、スバリ中村は国内で戦う平田のために用意された噛ませ犬だ。

そんな中村をABEMA TVのTHE WONDERが追った。ここではMMAファイター中村未来の生い立ちと、平田戦に賭ける気持ちを尋ねた。


──試合前、お昼は仕事をされているそうですが、練習は夜が中心ですか。

「夜の8時から9時頃の間に初めて、12時過ぎまで3時間から4時間ぐらいを週に6日間行っています」

──仕事を終えてから、4時間もですか!!

「試合前だからといって増やすということはないです。仕事が休みの時は、早く来てもう少し長くやっています」

──ネイルサロンで働かれていると聞きました。

「ハイ、お客様にネイルを施す施術の仕事をしています。お店が朝の10時から夜の8時までで、早番と遅番がある形なので仕事を終えてから練習しています」

──う~ん、それはハードですね……。

「週に4日か5日なので、仕事もコロナの影響を受けた去年とは違い、少しスタッフやお客さんは減った感じですけど、ほぼ戻ってきている感じです」

──北海道はコロナの第3派を上手く収めた印象があります。

「私は生活自体が職場と練習と家という3カ所を回っているだけなのですが、ジムと仕事以外で人と接触することはないようにしていました」

──中村選手は昨年は1年間で4試合、コロナ後も3試合を戦いましたが、ご家族や周囲の反応はいかがでしたか。

「実家からは、試合後には暫らくは寄らないようにと言われました(笑)。普段は会ってはくれていましたけど、それでも長居はしないようにと──結構、ズバッと言われていました(笑)」

──アハハハ。そんな2020年は、どのようなキャリアを積めたと思いましたか。

「負けた試合もありましたけど、それも含めて成長できたと思います。もともとがイ・イェジ選手の代役でトーナメントに出場できて、コロナの影響があったことでチャンスをもらえました。

デビュー直後の無名な状態で大きなチャンスをもらえて、有難かったです」

──そして2021年はRoad to ONE、平田樹戦から始まります。フォーを受けた時は、どのような気持ちになりましたか。

「ビックリしました。まさか、平田樹選手と戦えるのかと。単純に嬉しかったです」

──噛ませ犬としてのオファーという見方は十分に成り立ちます。

「そうですね(笑)。平田選手の知名度があって注目されるわけですが、チャンスをもらったからにはしっかりと自分の存在感を示すことができるように頑張ります」

──ではファイター平田樹の印象を教えてください。

「平田選手は柔道のバックボーンがあって、デビュー戦から海外で活躍して強い選手だと思います」

──対して、どのような試合をしたいと考えていますか。

「私は打撃が得意なので、打撃で圧倒していければと思います」

──中村選手は打撃が得意な故に、行きすぎる面があるように試合では見受けられました。

「そうなんです、突っ込んじゃうんです。とにかく練習中、試合中も距離を取れと言われています。その練習は徹底してきました。本当はもっと距離を取って上手く戦いたいのですが、試合になると冷静さを失ってしまう部分があって。性格ですかね(笑)。『行っちゃえ』って感じになってしまいます」

──なるほど。ところで女子との練習は、普段から積むことができているのでしょうか。

「今はジムに3人いて、MMAに興味がある人、キックから転向してMMAをやるという人がいます。ただ練習は男子選手とやることが多いです」

──男子選手と練習するなら、絶対的に気持ちで負けることはできないですね。

「そうですね、勢いで行っちゃうところはありますね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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【Road to ONE04】「ガキには未来しかない」5年後のJ-MMAのために。Road to ONEがYoung Guns大会

【写真】ONE本戦契約中の平田、Warrior Seriesと契約している吉野、修斗から安芸、バラエティに富んだ若い力が揃うイベントとなりそうだ (C)MMAPLANET

テーマは「ガキには、未来しかない」──2日(火)、ONE Championshipより22日(月)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-EASTでRoad to ONE04「Young Guns」が開催されることが発表され、メインに平田樹が出場することが明らかとなった。

2019年9月に修斗✖パンクラス対抗戦、昨年4月は緊急事態宣言下での無観客&会場非公開の配信大会、そして9月はONE国際大会再開プレ大会的に青木真也がメインで戦うというイベントをRoad to ONEは開いてきた。

今回は5年後の日本の格闘技界を考える──ということをメインテーマに、10代と20代の選手が中心となったYoung Guns大会が行われることになった。


当初、MMAでの参戦は許可が下りないためキックボクシングで若松佑弥が出場という話も聞かれたが、彼の出場がなくなったことは次戦が決まったと捉えて良いはず。ここはONE本隊のアナウンスを待ちたい。

そんな同大会のメインを任されるのは、昨年2月のONEジャカルタ大会以降、試合がなかなか確定しなかった平田樹となった。さらにイベントテーマも彼女が豊富のなかで話した『ガキには、未来しかない!』というもの。

コロナ禍下においてMMAイベントの開催数、試合数とも減少傾向にあり、その影響を多く受けているのが若くキャリアの少ない選手たちだ。結果、今大会はONEという冠を抱く一方でONEへの路という面ではなく、平田の言葉にあるように日本のMMAの未来を見据えたマッチメイクとなった。

18歳の田上こゆるが、35歳のリトルと対戦

ONE WARRIOR契約下の長田拓也、吉野光。

修斗勢では四国は徳島の安芸柊冬、関西発ティーンエイジ・シューターの田上こゆる、奇天烈。

2021年の大会開催の発表がないパンクラスを主戦場にしている小川徹、前田浩平、リトル、岩本達彦らの参戦も決まった。

若手、地方、再生、TTFC的なテイストが詰まったRoad to ONE第4弾に向け、メインで戦う両選手の今回の試合に向けて抱負は以下の通りだ。

平田樹
「ONE本戦での試合を待ち望んでいましたが、何度か決まりかけたカードが流れたりして、気がつけば1年の間隔が空きました。先々の見通しが不透明な中で、日本で、東京で戦える……と聞き、迷わず志願しました。試合することを許可してくれたチャトリCEO、マット・ヒュームさんに感謝しています。そして試合のない時期もずっと声援を送ってくれるファンの皆さん、お待たせしました。2月22日は、圧倒的な試合をします。『ガキには、未来しかない!』」

中村未来
「平田選手は柔道というしっかりとしたバックボーンがあって、気持ちも強く全てにおいて勢いのある選手だと思います。

試合を受けてくれてありがたいのですが、自分は失うものがないので、得意の打撃で、全力で倒しに行くので、よろしくお願いします」

また今大会は選手、セコンドのみならず運営スタッフ及び放送関係者の全てがPCR検査を行い陰性状態であることを確認したうえで、午後8時終了予定の有観客興行として行われる一方で、中継スタッフ等も都内の別スタジオからのリモート中継を導入するなど、感染予防対策に関して最新かつ実験的な視察も含めた大会運営となるとのことだ。

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

■ Road to ONE04対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中拳治(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
奇天烈(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

The post 【Road to ONE04】「ガキには未来しかない」5年後のJ-MMAのために。Road to ONEがYoung Guns大会 first appeared on MMAPLANET.