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F1 MMA o UFC ビクター・ヘンリー ブレンダン・アレン ランディ・ブラウン

UFC on ESPN+69:ポストファイトボーナス/総評

ファイト・オブ・ザ・ナイト:ジョン・カスタネーダ vs. ダニエル・サント

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト:ギド・カネッティ、チェルシー・チャンドラー、ブレンダン・アレン、ジョアキム・シウバ

フィニッシュ続出のイベントだけに、ボーナスも増量でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトがいつもの倍の4人。メインカードでユサフも完勝していたが、さすがにレベルの違いがありすぎてボーナスの対象外に。

メインはダーンの極めがあるだけに最後までスリリングな展開に。最終ラウンドは終始一方的だったので10-8でもいいかと思ったが、メディアのジャッジも判断が割れている。

mmadecisions.com

最終ラウンド10-9と10-8がほぼ半々くらい(一部に2Rもダーンの10-8をつけて、46-47でダーン勝利にしているメディアも)。

ダーンがバックマウントで、もうちょっと強い打撃を入れられたら良かったか。女子ストロー級ではあれが限界かもしれない。ただ、どちらにせよ今のスタイルでは王者になるのは難しい。テイクダウンか打撃を大幅に強化しないと、王者クラスとやっても同じ展開になるのは見えている。

勝ったシャオナンも、生き残りはしたが、タイトル挑戦のチャンスが回ってくるかは微妙な内容だった。ローズ・ナマユナスあたりと挑戦者決定戦で対戦できればいいかもしれないが。

ランディ・ブラウン、ラオーニ・バルセロス、ブレンダン・アレンのもうすぐランキング入り組はいずれも完勝。特に、前回ビクター・ヘンリーに敗れたバルセロスが強さを見せていた。来週試合をするヘンリー( vs. ハファエル・アスンサオ戦)の評価も上がりそうな結果に。

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DEEP o UFC ビクター・ヘンリー

UFC on ESPN+69:第9試合・ラオーニ・バルセロス vs. トレヴィン・ジョーンズ

バンタム級

5度のレスリングブラジル王者で、オリンピックも目指していたバルセロス。柔術も黒帯。UFCデビューから5連勝していたが、ランカーとの対戦を前にティムール・ヴァリエフ、ビクター・ヘンリーに連敗。今年1月にジョーンズと対戦予定だったが、ジョーンズが欠場し、急遽ビクター・ヘンリーに変更となり、打たれても引かないヘンリー相手に先に失速し判定負けしている。

DEEPで大塚に勝ったジョーンズ。こちらはUFCデビュー戦でティムール・ヴァリエフと対戦し、ミドルでダウンを奪われるなど劣勢な展開から、2Rにパンチでダウンを奪い返しての逆転KO勝ち(試合後のマリファナ検出でノーコンテストに)。次戦で仕切り直しの勝利を手に入れたが、そこから2連敗中。

飛び込んで右を当てたバルセロス。前蹴り。バルセロスがタックル。ケージに押し込むが、膝を入れて離れた。またプレスしていくバルセロス。前蹴り。飛び込んで右をヒット。右ハイ。ジョーンズ手が出ない。ジョーンズのパンチは空振り。バルセロスシングルレッグへ。軸足を払ってテイクダウン。ハーフで押さえる。パウンド。ジョーンズ下からホールドするのみ。マウントに。エゼキエルチョーク。外れた。パウンド。下からしがみついて凌ぐジョーンズ。ホーン。

1Rバルセロス。

2R。バルセロス右ハイ。ジョーンズワンツーを出すが空振り。しかし手数が増えてきた。バルセロス飛び膝から組み付いてスタンドバック。正対したジョーンズ。離れ際に右フック。バルセロスがロー、ミドル、前蹴りをヒット。ジョーンズが出るところに右フックがヒット!ジョーンズ崩れた。ハーフで肘を落とすバルセロス。ジョーンズ手首をつかんでしのいでいる。肘を入れるバルセロス。サイドについた。ジョーンズうつ伏せになりタックルに入るが、バルセロスバックに回る。ハーフバックからパウンド。正対したがハーフから肘・パウンドを入れるバルセロス。ガードに戻すジョーンズになおもパウンド。強烈な肘。ホーン。

2Rバルセロス。後が無いジョーンズだが、逆転を狙うだけの余力が残っているか。

3R。ジョーンズの打ち終わりにパンチを当てるバルセロス。手を出していくジョーンズ。しかしヒットがない。バルセロスワンツーからアッパーがヒット。効いた。ラッシュするバルセロス。ジョーンズシングルレッグ。しかし切られた。バルセロスボディブロー。ケージを背負ったジョーンズ、なんとかしのいでいる。バルセロスのボディストレートがヒット。バルセロスタックル。テイクダウンしマウント。返そうとするジョーンズだがサイドに移行。肘を入れるバルセロス。パウンドを打ち続ける。タイムアップ。

30-25、30-27×2の3-0でバルセロス勝利。

連敗ストップのバルセロス、ジョーンズにまったく見せ場を与えない完封勝利。

ジョーンズは力の差がある中で、攻め気になったところでテイクダウンを奪われるなど、何もさせてもらえなかった。

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BELLATOR Bellator286 DEEP o PFL UFC アダム・ボリッチ アレクセイ・オレイニク イリル・ラティフィ タバタ・ヒッチ ビクター・ヘンリー マッケンジー・ダーン ランディ・コスタ ランディ・ブラウン

UFC on ESPN+69:オッズ/予想と展望

マッケンジー・ダーン 1.44
ヤン・シャオナン 2.90
ランディ・ブラウン 1.31
フランシスコ・トリナウド 3.85
ラオーニ・バルセロス 1.44
トレヴィン・ジョーンズ 2.90
ソディック・ユサフ 1.11
ドン・シェイニス 7.25
ジョン・カスタネーダ 1.53
ダニエル・サント2.60
マイク・デイヴィス 1.56
ヴィチェスラフ・ボルシェフ 2.55
イリル・ラティフィ 1.57
アレクセイ・オレイニク 2.50
ジェシカ・ペネ 2.80
タバタ・ヒッチ 1.48
ジョアキム・シウバ 1.69
ジェシー・ロンソン 2.25
クリストフ・ヨトゥコ 1.83
ブレンダン・アレン 2.00
マキシム・グリシン 1.56
フィリップ・リンス 2.55
ユリア・ストリアレンコ 1.87
チェルシー・チャンドラー 1.95
ギド・カネッティ 3.40
ランディ・コスタ 1.35

メインは女子ストロー級ランカー対決。UFC7勝2敗のダーンと6勝2敗のシャオナンの対戦。

柔術世界王者ダーンは寝技の強さを武器に王座挑戦直前まで行ったが、マリーナ・ホドリゲス戦では1度だけグラウンドに持ち込んだ際は圧倒したものの極めることはできず、あとはスタンドの打撃で削られる展開で判定負け。

シャオナンはフィジカルを武器にUFCデビュー以来6連勝、ランキングを3位まで上げたが、テイクダウンされた後のリカバリーがないという弱点があり、現王者エスパルザにはテイクダウンで固められての肘連打でTKO負けし初黒星。さらに前戦はやはりマリーナ・ホドリゲスにスタンドの打撃で押される展開で判定負け。

両者ともに強味と弱味がはっきりしているスタイルで、寝技と打撃と異なる武器を持っている。ダーンがテイクダウンして極めるかどうかという試合。極められなければシャオナンの打撃に削られ判定負けする展開が見える。

ダーン一本勝ちと予想。

セミ前は前戦でDEEP王者ビクター・ヘンリーに敗れたラオーニ・バルセロスと、DEEPで大塚に一本勝ちしたトレヴィン・ジョーンズの対戦。

プレリムメインではUFC最年長・45歳のアレクセイ・オレイニクが78戦目を行う。

プレリムではタバサ・ヒッチ(UFC2勝1敗)とユリア・ストリアレンコ(UFC1勝4敗)のSEI✮ZA出身選手が揃い踏み。今回は両者ともにフェイバリット。

第3試合はPFL2019ベスト4のグリシン(2勝2敗) vs. 2019年優勝のリンス(1勝2敗)の対戦。

第1試合開始は今週末・10月2日の朝5時から。なお、同日にフェザー級タイトルマッチ・パトリシオ・フレイレ vs. アダム・ボリッチがメインのBellator286が行われ、バッティングしているが、11時開始のメインカードはかぶらない模様。

速報します。

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UFC ビクター・ヘンリー ブラッド・カトーナ

UFC271:第7試合・カイラー・フィリップス vs. マルセロ・ロホ

バンタム級

フィリップスは無敗選手を集めたTUFで優勝したブラッド・カトーナに破れUFCとの契約ならず。その後、UFC参戦前のビクター・ヘンリーとローカルイベントで対戦しスプリット判定負けしたが、2020年3月にUFCと契約すると3連勝で、UFC6戦負けなしだったプロスペクトのソン・ヤドンからもテイクダウンを奪っていき黒星をつけランキング入りした。が、前戦はフライ級から上げてきたハウリアン・パイバと対戦し、1Rにパンチでダウンを奪うなど打撃で圧倒したが、2R以降消耗し、グラウンドで下になり判定負けした。

アルゼンチンのロホは昨年3月にUFCデビュー。コロナで欠場した選手の代役でラオーニ・バルセロスと対戦予定だったが、バルセロスもコロナで欠場し、階級上のフェザーでシャルル・ジョーダインと対戦。3Rにパンチでダウンし、ガス欠にもなり、最後はボディブローで嫌倒れしてKO負け。その後は昨年3度試合が組まれるが、すべて相手の都合により消滅。ローカルでも16勝6敗と戦績はきれいではなく、UFCレベルにあるかどうかもまだわからない。

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MMA UFC UFC270   ハオーニ・バルセロス ビクター・ヘンリー

ビクター・ヘンリー「楽な試合をするためにUFCに来たわけじゃない」「すぐにでも次の試合のオファーが欲しい」


 『UFC 270: Ngannou vs. Gane』で行われたUFCデビュー戦でハオーニ・バルセロスに判定勝ちしたビクター・ヘンリーが以下のコメント。

「僕はもう若手じゃない(現在34歳)。険しい道のりがある。楽な試合をするためにここにいるわけじゃない。この試合をやりたかった。UFCからは彼のビザの問題で試合が出来なくなるかもしれないと聞いていた。最初に中止された時には本当に動揺した(※12.18『UFC Fight Night 199: Lewis vs. Daukaus』で対戦予定だったものの新型コロナウイルスの陽性反応により直前で中止)。彼と対戦したかった」

「UFCで戦いたいというだけではなく、彼と戦いたかった。トップ15とかトップ10に入る選手だったので、彼と戦うことで自分の実力をみんなに証明したかった」

「ピザを食べ終わったら、すぐにでも次の試合のオファーが欲しいし、そしたら僕はそこにいるよ」
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【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。ビクター✖バルセロス「逆反射神経」

【写真】動き続けることで、バルセロスの意識が追いつかなくなるという戦いをしたビクター・ヘンリー (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たビクター・ヘンリー✖ハオーニ・バルセロスとは?!


──ビクター・ヘンリーとハオーニ・バルセロス、初回の中盤までハオーニが優勢でした。

「パンチ力がありましたね。ビクターは組みの選手というイメージがありましたが、終始打撃戦になりました」

──自分はボクシングが上手いわけでも、キックが卓越しているわけでもないビクターの打撃が、局面、局面で本職と同じような強さを持つUFCファイターに通用しないと実は思っていました。よく言われたMMAの打撃という感覚では、今や勝てないと。

「ビクターは構えが悪いです。立ちすぎていて。ほとんど自己流なんでしょうね」

──そういう自己流と発想力的なことでは、UFCでは勝てないという考えは違っていたのか……。

「確かに最初は質量的にもハオーニの方が高かったです。ただし、ハオーニは単発で狙い過ぎでした。対してビクターはエンドレスで動き続けています。良く、動きという言葉を使いますが、動きとはパンチのことだけではありません。ビクターの足を見てほしいです。動きというのは手数ではなく、足数なんです。どれだけ動き続けているのか。

結果、初回の途中で前蹴りを受けたハオーニは失速しました。あの爪先が入る蹴りをビクターは練習でショーヘイ(ヤマモト。極真空手出身、CSWの同門)に食らっているんです。面白いモノで、食らっていると技を覚えるということがあります。

ハオーニは一発があるが故に狙い過ぎて、攻撃が単発でしたね。単発の強さと、軽いエンドレスでは試合が続けば後者が勝つ確率が高くなっていく。それが格闘技の試合です。そこで求められるのが、反射神経に対しての逆反射神経なんです」

──逆反射神経……ですか。それは?

「逆反射神経とは一般的な言葉ではないです。例えば刀で斬った、斬ったところで普通の神経は止まります。ただし、刀を振り落とした時にはもう切り返すことができるのは逆反射神経が働いているからなんです。ナイファンチでいえば、右の方向に移動した時に既に左側を注意している。つまり神経がいっているということになります。そういう風に逆反射神経が生きていると、最終的に神経の滞りがなくなります。そうでないと、動きが単発で神経が分断してしまいます。

技を出したあと、神経が分断されているとどうなるのか。例えば右のパンチを出したあとに意識が止まるから、隙ができてしまいます。左の逆反射神経が働いていないということですね」

──夫婦手ではないと。

「その通りです。右の突きを出した時、左の逆反射神経が働いていると夫婦手が機能しています。連動がかかっているということですね。そういう意味では参考になる試合でした。単発の攻撃は自分の意識が働いているから、相手も意識できる。対してビクターの動きは夫婦手でもないし、逆反射神経が働いているわけでもなく、イチ、ニ、サンと動けばイチだけ意識していて、二からあとは無意識なんです。だからハオーニも意識できないから被弾した。そういうことですね。決して殺傷力はない。あるのは前蹴りぐらいで。それがビクター・ヘンリーのMMAストライキングということですね。

と同時にビクターのあの動きに何かビジョンがあったかというと、そうでもなかったと思われます。効いてもそこを抉っていくことはなく、ひたすら散らして動き続ける。そうやって動き続けることでハオーニの判断力を奪う動きになっていたのでしょうね。ハオーニがついていけなくなった。嫌な攻撃だと思います」

──逆をいえば動きが止まると、ビクターは危ないということですか。

「だから2Rになって、初回の後半に攻撃を纏め過ぎたのか、動きが止まって危ない場面がありました。そこでいえば……意識という観点から、ウェービングやヘッドスリップというボクシングで、拳の攻撃に対して発達した防御を蹴りのある試合で使うと、危ういということに通じます。

ビクターの攻撃はステップ、足の動きからボクシングでも、キックボクシングでも空手でもない打撃です。そして彼のウェービングもノープランでした。マイク・タイソンはヘッドスリップから左のレバーを狙うというビジョンを持って、頭を外側に振っていました」

──でもビクターは違うわけですね。

「ハイ。ビクターは最終回にノービジョンで頭を振った時に、ハオーニの蹴りが飛んできたシーンがあり、そこから間がハオーニに変わりました。直後に左フックを貰っています。その後のスピニングバックフィストも危なかったです。あの時のようにハオーニも一発でなく、勢いに乗って連続攻撃を出した時など、確かに強い選手だと感じました。あの動きを奪えば、ビクターは打撃では有効な手立てはないかもしれないです。そういう時のために、今回の試合では見せなかったグラップリングがあるのでしょうね」

──トップUFCファイターのテイクダウン防御力、スクランブル能力、そして寝技も日本国内とは違う。だから、ビクターの次の試合が楽しみですね。そこが通じるのか。今回はそこを見せず、立ち技だけでハオーニに勝った。これは殊勲の勝利かと。

(C)GOKIKAI

「組み、寝技は疲れる。そういう意識が、もう多くの選手にありますね。それにしてもエンドレスの恐ろしさを見ました。ビクター自身が意識していないから、相手にその意識が伝わらない。実はビクターとはLAに訪れた際に交流があって、常に明るくて元気で永遠に話し続けている人間なんです。

練習も同じで動き続けている。止まることを知らない。エネルギーが途切れることがないのではないかと、そういうエンドレスさが試合にも出ましたね。普段、練習、試合、全てマッチしているエンドレス。同じ人間とは思えない、理解不能のエネルギッシュさです。きっと、ビクターは止まれない。站椿なんてやらせると、ダメになってしまうのでしょうね(笑)」

──確かに(笑)。

「あの足の動きをずっと普段からやっている。普段の生活のまま戦っていると言えます」

──なるほど。エンドレスなビクターから、逆反射神経、そして夫婦手と非常に興味深かったです。しかし、全てに神経を届かせる。やることが多いMMAファイターは本当に大変ですね。

「仰る通り、ごもっともです。キックボクシングやムエタイで左ミドルから左ストレートという連動が成立するのは、そこにダブルレッグやシングルレッグという足を取ってのテイクダウンがないからです。組みへの反射神経を使わなくて良いから、恐れることもなく使えます。ビクターは自分も組む、相手も組んでくるという中での連打なので、言い方は悪いけどおっかなびっくりな連続技でした。これこそMMAらしいエンドレスですね。そういう世界で……UFCで勝つには、我々は逆反射神経まで含めて稽古しないといけないですね」

──ビクターのMMAのエンドレス、つまりはMMA特有の打撃がUFCで通じた。ビクターと互角にやり合える日本人選手も、彼の勝利を見て日本からでもやれるという風に思えたのではないでしょうか。

「ビクターは基本的に質量が低いです。だから日本人選手と手が合った。ビクターがなぜハオーニに勝てたかは考える材料としても、ビクターとやりあえるから自分たちもハオーニとやり合えるとは考えない方が良いと思います。日本人選手の課題は、そこではないはずです」

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RIZIN UFC UFC270 ビクター・ヘンリー 修斗

【UFC】ビクター・ヘンリー UFC初陣を判定勝ち!

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昨日、カリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されたUFC270。プレリミナリーファイトに日本でもお馴染みのビクター・ヘンリーが出場しました。UFCでコンスタントに勝利を重ねるラオニ・バルセロスと対戦。なんとなんと下馬評を覆して3-0の判定でUFCデビュー戦を勝利で飾りました。

石渡伸太郎引退興行に向かう電車内で動画を見ましたが、打たれても怯まず前に出てパンチと前蹴りで有効打を重ねるヘンリーらしさ全開。パンチを被弾する場面はあったものの、最後まで手数は止まらずに判定を制しました。

日本で試合をしている時からパンチはよくもらってグラつく危なっかしさはありましたが、とにかく打たれ強い。そしてスタミナが切れそうで切れない。いわゆるゾンビ系のタフさが多くの逆転劇を生んできましたが、それがUFCでの勝利に繋がったのを見て嬉しくて仕方がありませんでした。

そんなUFC初陣から数時間後。ヘンリーと2015年に5ラウンドに渡って激闘を繰り広げた石渡伸太郎が引退試合を迎えるというのも運命のいたずらか。感慨に浸りながら石渡の試合を見届け帰宅すると思いがけない奇跡が。
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会場で配布されたパンフレットを見ていると、裏面に顔面を腫らしながらも笑顔で肩を組む石渡とヘンリーの写真が掲載されているじゃありませんか。これは偶然か、必然か。

石渡の試合は修斗から戦極、パンクラス、RIZINまで数あれど、その中からヘンリーの写真を選んだセンスには脱帽するばかり。この日を予期していたかのような巡り合わせに年甲斐もなく興奮してしまいました。

現役を引退して指導者として第一歩を踏み出した石渡。戦いの舞台を世界最高峰のUFCに移して初勝利を挙げたヘンリー。どちらも上々のスタート。2022年、将来ある2人の選手に幸あれ。まだまだこれからです。
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【UFC270】ファイト・オブ・ザ・ナイト確定!? ビクター・ヘンリーがバルセロスに殴り勝ちUFC初陣飾る

<バンタム級/5分3R>
ビクター・ヘンリー(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)

前蹴りのヘンリーに、右を伸ばしたバルセロスが、ステップインに左を被せていく。ヘンリーも右を入れ、右ローを蹴る。さらに左ミドルを蹴ったヘンリーは、ワンツーを被弾してもローに右を合わせる。バルセロスのコンビを受けたヘンリーが、蹴りの後に右フックも打たれる。さらに左ミドルにフックを決められたヘンリーは、コンパクトで力強いバルセロスの攻撃に圧される。それでも左フックを当てたヘンリーは、真っ向から打撃戦に応じ右を当てる。手数が減ったバルセロスに左から右をヘンリーがヒットさせる。バルセロスも手を出すが、動きがドタバタしてきたか。

バルセロスは左を当てる。振りが大きくなったバルセロスに対し、ヘンリーは左のフェイクから右ストレートを打ち込む。ここで蹴り足を掴んでテイクダウンしたバルセロスが、寝技には移行しない。立ち上がったヘンリーはアッパーを入れ、ボディをまとめてヒザを顔面に突き上げる。序盤、劣勢だったヘンリーだが、完全にラウンドを取ったばかりか、フィニッシュに近い状況までバルセロスを追い込んだ。

2R、バルセロスがスピードを戻しているか、いつまで続くか。ヘンリーはペースを譲らないように細かいパンチから蹴りを繰り出すも、バルセロスがアッパーを返す。1分が過ぎ、やはり手数が減ったバルセロスに対し、ヘンリーはジャブを被弾しても前に出る。バルセロスもワンツーをヒットさせ、ヘンリーが追いかける状況で被弾する数が増える。近い距離で威力が増したバルセロスは、右フックを2発受けてもジャブを返す。

フックにワンツーのバルセロス、ヘンリーも打ち返し前蹴りを多用する。エルボーを入れたヘンリーは、最後の1分でダブルレッグからバックを許すも、すぐに正対して離れることに成功する。接近戦で蹴りも交えて戦う両者。バルセロスをハイキックをスウェイでかわしたヘンリーだが、イーブンに持ち込まれた可能性もある。

最終回、変わらず近距離で打撃戦を繰り広げる両者。ヘンリーがヒザをボディに入れ、バルセロスが右ローを蹴っていく。手数、精度、動きと拮抗した勝負を続ける両者、下がることなくケージ中央で殴り合い、バルセロスのダブルレッグをヘンリーが切る。打撃戦は続き、ヘンリーがボディを決める。手数を勝るようになったヘンリーが、精度でもリードして、パンチを繰り出すバルセロスの動きが落ちる。

軸が乱れながら右を振るったバルセロスだが、ヘンリーはここで組みを選択する冷静さを見せ、バックに回る。後方から蹴り、スタンプ、引き倒すようテイクダウンを狙うヘンリーのバックコントロールが続く。胸を合わせることができないバルセロスは、クラッチをはがしに向き合う。首相撲&ヒザ蹴りのヘンリー、左フックを入れたバルセロスが、右を当てフックを連打する。

残り30秒、ケージ中央を取ったバルセロスが、右ミドルハイ。最後まで打ち合い、蹴りあった両者は、タイムアップとともに正座して称えあった。

結果、フルマークで判定勝ちしたヘンリーは「ショートノーティス? ファイトはファイト、マーシャルアーツはマーシャルアーツ。常に最高のマーシャルアーチストとして準備をしておかないといけない。2週間前、コーチのジョシュ・バーネットから試合をやるか聞かれた。トップ15なら、いつだって戦う。34歳だけど、つねにベストになるようトライしている」とマイクで話した。


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UFC270:第6試合・ラオーニ・バルセロス vs. ビクター・ヘンリー

バンタム級

UFC5勝1敗だがランカーとの対戦もまだ組まれないバルセロス。レスリングでオリンピックを目指したものの果たせず、MMAに転向。この時25歳。遅いMMAデビューだったが、修斗ブラジルでフェザー級タイトルを獲得すると、2013年にアメリカ進出。RFAでタイトルを獲得し、2017年にUFCと契約した。UFCではデビュー戦でいきなりKO勝ち、2戦目はテイクダウンからパウンドで削り最後はチョークでフィニッシュ。2試合連続でボーナスを獲得すると、その勢いで5連勝。しかし前戦ではティムール・ヴァリエフに2Rはパンチで2度ダウンを奪う場面があったが、手数が少なく判定負けで連勝ストップしている。昨年12月に、DEEPで大塚に勝利しているトレヴィン・ジョーンズと対戦予定だったがジョーンズが欠場。DEEPERの尻拭いはDEEPERがするということか、試合2週間前に現DEEPバンタム級王者ビクター・ヘンリーのUFCデビューが急遽決まった。

ヘンリーはDEEPで大塚に勝利すると、2戦目で元谷の持つ王座に挑戦。2Rにハイキックでダウンを奪ってからのパウンドでKO寸前まで追い込むが、3Rに失速し、マウントを取られてピンチとなったもののしのぎきってスプリット判定勝ち。そのままRIZINにも参戦すると、トレント・ガーダム、金原正徳に連勝している。UFC初参戦に向けた日本へのインタビューでは、さかんにゴーゴーカレー愛を主張していた。しかし計量後の新型コロナウイルス検査で陽性となり試合は当日に消滅。今大会に延期となったが、減量するだけで精一杯だった前回に比べて準備期間があるだけに、ヘンリーにとっては良かった部分もある。

お互い飛び込んでのパンチを狙う。フットワークしつつ飛び込むタイミングを伺う両者。ミドルを入れるヘンリーにバルセロスアッパー。お互いローにパンチを返す。バルセロスパンチの3連打。カーフキック。ちょっと嫌がったヘンリー。四つに組んだヘンリーだが無理せず放す。ヘンリーのミドルにまたパンチを入れるバルセロス。アッパーもヒット。顔面の被弾が多いヘンリー。それでも積極的に打撃を出していく。ヘンリーパンチで出る。右がヒット。下がるバルセロス。ヘンリー攻めるがバルセロスも3連打を入れた。ヘンリーどんどん出る。ヘンリーもパンチが当たるようになってきた。バルセロス。蹴りをキャッチしたバルセロス。軸足を払って倒したが、グラウンドに入らず立たせた。ヘンリー打撃で攻める。バルセロス圧されている。終盤ヘンリーがパンチを打ち込みホーン。

1R後半盛り返したヘンリーのラウンドか。序盤はパンチを貰っていたヘンリーだが、もらっても下がらず打ち合って押し切った。

2R。カーフキックを入れるバルセロス。ヘンリーパンチを返す。バルセロス3連打、さらにアッパーも入るが、ヘンリー下がらず出ていく。ヘンリーの左右のパンチがヒット。バルセロスはジャブ。ジャブを入れるバルセロスにヘンリーはボディブロー、前蹴り。カーフ聞くを蹴るバルセロス。連打を入れたバルセロスがタックルに入るが切ったヘンリー。だいぶスタミナを消耗する展開だがヘンリーは動きが落ちていない。右がヒット。また右。バルセロスは連打をまとめる。バルセロスタックルに。こらえたヘンリーだがバックに回る。しかしすぐに正対。バック肘を入れて離れるバルセロス。打ち合いから前蹴りを入れるヘンリー。ホーン。

2Rは互角だがややヘンリーか。

3R。両者下がらず打ち合い。ミドル・テンカオを入れるヘンリー。バルセロス連打からカーフキック。ヘンリー下がらず出る。バルセロスタックルのフェイントからアッパー。バルセロスタックル。切ったヘンリー。出ていくヘンリー。手を止めない。バルセロス逃げ気味のタックルだがヘンリー受け止めた。バルセロススタミナ切れでスローダウン。逆に組んでバックに回ったヘンリー。バックキープし膝を入れていくヘンリーに、バルセロスはただこらえるだけ。ようやく正対したバルセロス。ヘンリー放して伊達汽船になるが、余力は完全にヘンリー。しかしバルセロス最後の力でパンチからハイ。ちょっとぐらついたヘンリーだが立て直す。タイムアップ。

三者フルマークでヘンリーがUFCデビュー戦勝利。

序盤はパンチを貰う場面もあったが、引かずに打ち合い、バルセロスが先に失速してそのまま押し切った。初戦でランカーに近いバルセロスを破ったのは大きい。

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【UFC270】計量終了 穏やかガヌー×にこやかガンヌ。ピースフルなモレノと1人で興奮フィゲイレド

【写真】非常に穏やかな表情だったガヌーとガンヌ (C) Zuffa/UFC

21日(金・現地時間)、22日(土・同)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC 270「N’Gannou vs Gane」の計量が行われた。

UFC世界ヘビー級王座統一戦=正規王者フランシス・ガヌー×シリル・ガンヌ、UFC世界フライ級選手権試合は=王者ブランドン・モレノと挑戦者デイヴィソン・フィゲイレドという2つの世界戦が組まれた今大会。

計量日となりホドウフォ・ヴィエイラのメディカルイシューでウェリントン・トゥルマン戦、イリャ・トプリアの減量に伴う体調悪化でシャルル・ジョーダン戦が中止となった。


メインで戦う2人のヘビー級チャンピオン――正規王者ガヌーは体重計の上でワカンダ・フォーエバーのポージングを見せ、ガンヌに歩み寄り笑顔を浮かべる。ガンヌも笑って、グータッチと終始穏やかなフェイスオフとなった。

「クレイジーだよ。たった3年、MMAを戦ってフランシスコと戦う。待ちきれない」と言う暫定王者に対し、ガヌーは「タイトルを防衛して、自分がチャンピオンであることを皆の心に刻むことが大切で、爆発的なKOで成し遂げる」と非常に落ち着いた様子で話した。

またコ・メインでフライ級王座に挑戦するフィゲイレドは計量台の上で「アイム・ベスト」と叫ぶと、フェイスオフで中指を立て、何度も距離を詰めダナ・ホワイトに制止される。「OK。アイム・カムバック。アーイム・カムバック。4カ月、この試合のために凄くし来た。ベルトを大切に持っていてほしい。俺のベルトを」と元世界王者は話し、またもモレノに詰め寄る仕草を見せて、大きなブーイングを受けた。

一方、チャンピオンには大きなメヒコ・チャントが送られ、「皆が僕の応援をしてくれていて、凄く幸せだ。平穏を見つけ、習得する。それがスポーツで、人生を生きるということだから。ビバ・メヒコ」と話した。

■視聴方法(予定)
1月23日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC270 計量結果

<UFC世界ヘビー級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] フランシス・ガヌー: 257ポンド(116.57キロ)
[暫定王者] シリル・ガンヌ: 247ポンド(112.03キロ)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ブランドン・モレノ: 124ポンド(56.25キロ)
[挑戦者] デイヴィソン・フィゲイレド: 124ポンド(56.25キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ステーマン: 135.5ポンド(61.46キロ)
サイド・ヌルマゴメドフ: 136ポンド(61.69キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ミシェウ・ペレイラ: 170ポンド(77.11キロ)
アンドレ・フィアーリョ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス: 135ポンド(61.24キロ)
ビクター・ヘンリー: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マイケル・モラレス: 170ポンド(77.11キロ)
トレヴィン・ジレス: 170ポンド(77.11キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ジャック・デラ・マダレナ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ピート・ロドリゲス: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
トニー・グレーブリー: 135.5ポンド(61.46キロ)
サイモン・オリヴェイラ: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ: 154.5ポンド(70.08キロ)
ヘナロ・ヴァルデス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴァネッサ・デモパウロス: 115.5ポンド(52.38キロ)
シルヴァナ・ゴメス・フアレス: 115.5ポンド(52.38キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス: 125ポンド(56.7キロ)
ケイ・ハンセン: 125ポンド(56.7キロ)

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