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Black Combat Black Combat04 K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC YouTube イ・ジンセ オーディン シン・スンミン ホン·ジョンテ ライカ 根津優太

【Black Combat04】戦いに狂った男「クァンナム」×粘りが身上の「チンホン」――これがBlackCombat流

31日(土・現地時間)、韓国はインチョンのパラダイスシティホテルでBlack Combat04が開催される。

突如K-MMA界に新風を巻き起こしたBlack Combatの第4回大会の第4試合に組まれたシン·スンミンとホン·ジョンテのフェザー級戦を掘り下げることでBlack Combatの特性を探りたい。


キャリア10勝4敗、6つのKO勝ちを誇るシン·スンミンにはクァンナムというリングネームがある。対するホン·ジョンテのリングネームはチンホンだ。

さらにいえば Black Combatの彼らの押し出し方は戦いに狂った男「クァンナム」シン·スンミン×柔術黒帯――粘り強さが身上の「チンホン」ホン·ジョンテという風になる。

過去のK-MMA界になかった映像クオリティとYouTubeを最大限に生かした拡散の仕方で、新たなファンの獲得に成功していると――現在はMMAや格闘技のメディアから離れ、古流を追求する韓国格闘技メディアのパイオニア的な存在の人物は、一歩離れた位置から冷静にBlack Combatの在り方を考察している。

一方で現状メディアのなかには、彼らの方法論には慎重論を唱える者がいるのも事実だ。そのような声を封印するには、ケージの中のパフォーマンスの向上が欠かせない。Black CombatがMMAとしての質の向上を求めている姿勢が、シン·スンミンのように国内フェザー級のトップの1人で、Double GFCでフェザー級タイトル戦線で戦っていた選手の登用だ。

もともとホン·ジョンテはRoad FCのリアリティTVショー上がりで、根津優太と対戦経験のあるパク·ヒョングンと対戦予定だったが、ヒザの負傷による欠場を受け1週間のショートノーティスでオファーを受けた。

絶え間なく手を出すストライカーのシン・スンミンに対し、ホン·ジョンテは柔術家――MMAでは3連敗の後、3連勝を果たしBlack Combatのプロオーディンス2でギロチンやヒザ十字で相手を仕留め、同プロモーションで確かな地位を築き始めた。しかし、10月大会で今大会でフェザー級王座決定戦に出場するイ・ジンセに秒殺KO負けを喫し、再起戦を大晦日に戦うこととなった。

典型的なストライカー×グラップラーの一戦だが、シン·スンミンは「初回にギロチンで勝つ」と明言――インパクトを残し、次期フェザー級チャレンジャーに名乗りを挙げるという青写真を描いている。

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o   ゴードン・ライアン タイ・ルオトロ ニコラス・メレガリ ニック・ロドリゲス ファブリシオ・アンドレイ ブログ ホベルト・アブレウ ユーリ・シモエス ラクラン・ジャイルズ ヴィクトー・ウゴ

お蔵入り厳禁【ADCC2022】無差別級 古豪ユーリ・シモエスがスタンド磨いてオープンクラスを制す

【写真】いうとルオトロ兄弟や一部の新世代が特別で。シモエスの勝ち方こそ、ザADCC。ただしジェネラルに理解を求めることは難しい古典的グラップリングだ(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第22回は――お蔵入り厳禁、無差別級決勝戦の模様をお伝えしたい。


88キロ以下級の体格で快進撃を見せた19歳タイ・ルオトロを、ニコラス・メレガリが激闘の末にレフェリー判定で制して決勝進出を決めた無差別級。もう一つの準決勝を戦ったのは、ベテランのユーリ・シモエスとサイボーグことホベルト・アブレウだった。

シモエスは1回戦、前回大会の無差別級で重量級を次々と足関節で仕留める大活躍を見せたラクラン・ジャイルスと対戦。ジャイルスの下からの仕掛けに対し、腰を引いて丁寧に潰して延長に持ち込み――ペナルティを承知で引き込んだジャイルスの仕掛けを潰し続けて勝利した。

猛威を振るった技術はすぐに研究されるという、競技における技術進化の必然を改めて確認させられたジャイエルスの敗退だった。

シモエスの2回戦の相手は、最重量級準優勝を果たしたニック・ロドリゲス。両者は昨年3月のWNO大会でも対戦しており、その時は引き込んで下を選択したシモエスは、ロドリゲスにボディロックを作られパスを許して完敗している。その教訓を生かしてか、今回シモエスは気迫を全面に出してのスタンドレスリングでの勝負を選択。本戦、延長と両者決定的な場面こそ作れなかったものの、積極性で勝って勝ったシモエスがレフェリー判定を制してリベンジを果たした。

迎えた準決勝でシモエスを待っていたのは、やはり最重量級のサイボーグことホベルト・アブレウ。サイボーグは前戦にてヴィクトー・ウゴの巨体を足払いで崩してから引き倒し、ワキをすくって上を奪取する形でテイクダウンポイントを獲得して制しての準決勝進出だ。

ちなみにそのウゴの初戦の相手は、最軽量級のファブリシオ・アンドレイだった。この最重量級vs最軽量級の超体重差対決にて、序盤はダックアンダーからのテイクダウンを許す場面もあったウゴだが、終盤ファブリシオの側転パスに乗じて上を奪取。巨体を浴びせての肩固めで勝利した。

2013年の無差別級を制したサイボーグと、2015年の88キロ以下級、2017年の99キロ以下級を制覇したシモエス。ADCCレジェンド対決となった準決勝は、スタンドレスリングでお互い譲らぬ展開に。

が、気力&スタミナともに充実したシモエスが延長戦でダブルレッグを決め、2-0で改良した。こうしてシモエスは決勝進出。前日の99キロ以下級の二回戦にて、微妙なレフェリー判定の末に苦杯を舐めさせられたニコラス・メレガリ相手にリベンジのチャンスを得たのだった。

<無差別級決勝/20分1R・延長10分x2R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
本戦0-0 マイナスポイント1-2
ニコラス・メレガリ(ブラジル)

試合開始直後、気合十分のシモエスが前進。跳びついてメレガリの首を取って崩しにかかり、さらに勢いよく足を飛ばす。さらに前に出るシモエスは、右のフック掌打のような勢いでメレガリの頭に手を伸ばして、レフェリーから注意を受けた。

3分弱経過した時点で、シモエスは素早い小内刈りからのシングルに入り、メレガリの右足を抱える。片足立ちでそれを堪えたメレガリは、落ち着いた表情で引き込んでハーフガードに。まだ後半の加点時間帯に入っていないので、通常のADCCルールの試合ならば問題ない判断だ。

しかし決勝戦は引き込みのマイナスポイントは最初から付いてしまう。ここを失念していたのか、メレガリは引き込まずとも、シモエスのテイクダウンに身を任せる形で倒れれば無失点で下のポジションを取れただけに、なんともマイナスポイントとなった。

その後は上からパスを試みるシモエスと、下から足を効かせるメレガリの攻防が続く。6分少々経過したところで、立ち上がったシモエスの左足にデラヒーバで絡んだメレガリは、内側からシモエスの右足をすくって体勢を崩してからシットアップ。

見事に上のポジションを取ってみせたが、まだ加点時間帯ではないのでポイントは得られず。自ら引き込んでスイープを決めたのにポイントで負けているというのは、おそらくADCCの決勝以外ではあり得ない状況だろう。

とまれ、ここからはメレガリがトップから攻めるターンに。しきりに右のニースライスでプレッシャーをかけていったメレガリは、やがてハーフで胸を合わせてシモエスを抑え込み、枕を作ることに成功した。

そこから足を抜きにかかるメレガリ。シモエスは腕のフレームと足を利かせて一度距離を作ることに成功したが、メレガリはすぐに体重をかけてシモエスの体を二つ折りにし、後転を余儀なくさせて再びハーフ上のポジションに入った。

加点時間開始が近づいたところで、一旦上体を起こしてニースライスを試みるメレガリ。が、シモエスは左のニーシールドで防ぎ、さらにかついで来るメレガリの体を足で勢いよく押し返して立ち上がってみせた。ここでちょうど10分が経過し、加点時間帯が開始。シモエスはマイナスポイント一つ分有利な形で、得意分野であるスタンドからのリスタートに持ち込んだことになる。

ここから試合はスタンドレスリングの攻防に。シモエスは前に出て、腰高のメレガリの右足を取っては押してゆく。そのたびに片足立ちで耐えて、やがて足を振りほどくメレガリ。テイクダウンこそされないものの、展開が作れないまま時間が過ぎていった。

残り6分少々の時点で、このままでは埒が明かないと見たかメレガリが引き込み、2つ目のマイナスポイントを受けることに。得意のオープンガードから仕掛けたいメレガリだが、このままリードを保てば勝てるシモエスは低い姿勢で対応。浅く片足担ぎの形を作るなどしてメレガリの攻撃を防いでゆく。

その後もシモエスは腰を引いてメレガリに足を深く絡ませず、たまに立ち上がって横に動き、またニースライスを仕掛けてマイナスポイントを回避する。メレガリはたまにシモエスの片足を引き寄せるが、その度にシモエスはすぐに立ち上がって距離を取る。メレガリとしては思うように形が作れないなか、時間が過ぎていった。

残り1分。シモエスは低く入る両足担ぎと片足担ぎでメレガリに攻撃をさせない。メレガリがシッティングを試みると、すかさず上半身を浴びせて潰すシモエス。終了寸前にシモエスに一つマイナスポイントが入るが、時すでに遅し。

結局マイナスポイントが1つ少なかったシモエスが、階級別2回戦のリベンジを果たすとともに、2015年の88キロ以下級、2017年の99キロ以下級に続いて3階級制覇を果たした。メレガリとしては、序盤に犯した痛恨のミステイク──ADCC決勝戦のみ適用されるルールへの対応を間違えて引き込み、マイナスポイントをもらってしまったこと──が、最後まで響いた形となった。

戦前は大きく注目されていなかったベテラン、シモエスが執念の優勝。戦いぶりは決して派手ではなく、実際無差別級の4試合は全て僅差のポイントかレフェリー判定での勝利だ。しかし相手が誰であれ常に前に出続けた、その気迫とコンディショニングの充実ぶりは際立っていた。

またスタンドレスリングではニック・ロドリゲスにすらテイクダウンを許さず、トップでは安定したベースを保ち相手の仕掛けを遮断し、下になってもメレガリのプレッシャーに耐え、パスを許さずにスタンドに戻る粘り強さを見せる等、ポジショニングの全ての面で強さを発揮したことも勝因だろう。

次回大会のスーパーファイトで当たるゴードン・ライアンには、過去4戦4敗と圧倒的に分の悪いシモエス。彼らの初対決は、16年のEBI 6準決勝だ。その前年のADCCで世界の頂点に輝いていたシモエスは、当時まだ線の細かった若手のゴードンにOTでチョークを極められ、まさかの敗退を喫している。ゴードン・ライアンに初のジャイアントキリングを許し、大ブレイクのきっかけを作ったのがシモエスというわけだ。

そのシモエスは、今や世界最強のグラップラーの名を欲しいままにするゴードンにどう挑むのか。両者の力関係が完全に入れ替わった現在、6年前の番狂わせとは比較にならないほどの世紀の大アップセットを、気迫のファイターシモエスは起こすことができるだろうか。

なお、3位決定戦はサイボーグが棄権したため、タイ・ルオトロが3位に。前回大会にて若干16歳で66キロ以下級に参戦し、ブルーノ・フラザト、パブロ・マントヴァーニという同門の先輩二人を倒して4位入賞したのに続いて、19歳の今回は88キロ以下級の体格で無差別級銅メダル。2大会続けての快挙達成となった。

■無差別級リザルト
優勝 ユーリ・シモエス(ブラジル)
準優勝 ニコラス・メレガリ(ブラジル)
3位 タイ・ルオトロ(米国)

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o   ジャンカルロ・ボドニ タイ・ルオトロ ニコラス・メレガリ ハイサム・リダ

お蔵入り厳禁【ADCC2022】無差別級 タイ・ルオトロ、今大会道着柔術最強メレガリ相手に奮闘の準決勝

【写真】体格差だけでなく、ノーギの慣れとファウンデーションの強さでタイを下したメレガリ(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第21回は――お蔵入り厳禁、今大会の出場者のなかで道着柔術最強といっても過言でないニコラス・メレガリとタイ・ルオトロが対戦した無差別級の準決勝の模様をお伝えしたい。


もう一方のブラケットを勝ち抜きタイとの準決勝まで上がってきたのは、99キロ以下級で3位入賞したニコラス・メレガリだ。

初戦はヴィニシウス・フェレイラ相手に下から足を取りにゆくと、勢いよくスピンして引き抜いたフェレイラが左ヒザを負傷してしまい棄権。メレガリが次に駒を進めた。二回戦でメレガリを待っていたのは、同門にして88キロ以下級を圧巻の強さで制したジャンカルロ・ボドニだ。

ボドニは初戦では、一年前のWNOチャンピオンシップの重量級3位決定戦で僅差で敗れているハイサム・リダと再戦。そのボドニ、ハイサムのオープンガードを丁寧に捌き、体を二つ折りにしてレッグドラッグから背後にまわる。

ハイサムの左腕を両手で掴んで動きを制した後、裏返して後ろ三角絞めをロックしたボドニ。最後は孤立した左腕を捻り上げ、4分少々で一本勝ち。最重量級のハイサムの動きを完全に封じたまま、詰将棋の如く一手ずつ進めて極めまで持っていくという、恐るべしとしか言いようがない技術の高さと圧巻の強さを見せつけた。

ボドニとの同門対決となったメレガリの2回戦。まず小外刈りを内股で切り返されてしまったメレガリだが、下から足を絡めて上を取ると、レッグドラッグからパスに成功。

加点時間帯に入ってからニアマウントからバックに回ってフックを入れ、さらにそれを入れ直す形でリードを6点に広げた。

その後エスケープに成功したボドニにスタンドでテイクダウンを仕掛けられると、あまり抵抗せず下になったメレガリは、得意のガードで残り時間をやり過ごしてチームメイト対決を制し、ルオトロとの注目の準決勝に駒を進めた。

<無差別級準決勝/10分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
Def ExR by Reff decision
タイ・ルオトロ(米国)

スタンドにて、お互い頭に手をかけてはいなし合う展開が続いた後、身長で勝るメレガリが小手に巻いての内股へ。綺麗にタイの体を舞わせたが、タイはヒザを入れて距離を取り、右腕でフレームを作り立ち上がった。

さらにスタンドの攻防が続くなか、メレガリがやや腰高のままタイの右足を掴みながら前に。と、今度はタイが小手からの内股でカウンター。メレガリの体を前に崩すと、次の瞬間必殺のダースチョークをロックオン。

場内の興奮が一気に高まるなか、腕が深く食い込み絶体絶命かと思われたメレガリだが、右腕を張って距離を作って脱出。そのまま体を預けて上を取るメレガリに対し、タイはバギーチョークを狙う。が、メレガリは大きな上半身を引いて逃れてみせた。

そこからしばらく、右でニースライスを仕掛けるメレガリのプレッシャーを、タイが下から耐える展開が続く。やがて試合が加点時間帯に入り、タイは両腕のフレームで距離を作り、さらに脇を差しながら立ち上がった。体格差のあるメレガリ相手に、さすがのスクランブル能力だ。

その後もスタンドで積極的にフェイントから仕掛け合う両者。やがてメレガリが前に出てボディロックを取ると、タイは小手投げでカウンター。が、これを耐えたメレガリはタイの背後にまわる。ここから高々とリフトしてグラウンドに持ち込もうとするメレガリだが、タイはすぐに立つ。

それでも背後に付き続けるメレガリ。タイが自ら前方に倒れてのスクランブルを試みると、巨体を浴びせてハーフネルソンからタイの体を返してフックを狙う。が、タイは一瞬早く体を翻して立ち上がってみせ、場内からは再び大きな歓声が上がった。

その後メレガリは、再びタイの右足に手を伸ばして抱えると、タイの軸足を豪快に刈ってのテイクダウン。スクランブルを試みるタイの背後に付く――や、タイは前転狙い。体重を浴びせてそれを許さないメレガリと、前転して足を取りたいタイの攻防が続く中で本戦が終了した。

スタンドから再開された延長戦。タイはヒザを付いてのダブルレッグへ。深く入りそのままドライブを試みるが、メレガリは倒れず、右の前腕で距離を取って防いでみせた。これは体格差がものを言った。

さらにスタンドの攻防が続き、またしてもメレガリが長い手を伸ばしてタイの右足をキャッチ。そのまま前に出て体を預けて倒し、亀になったタイに背後から覆いかぶさってバックを狙う。が、タイはここもスピンして体をずらし、襷を作ろうとするメレガリの腕を自分の腕で押しのけながら正対してみせた。

下になりかけたメレガリは腕で距離を作って立つが、すかさず迫ったタイは背後からボディロック。が、メレガリは豪快に巨体を舞わせて前方にダイブ。体のグリップを切って立ち上がる。

その後の残り2分、お互いスタンドでフェイントをかけ、手や足を飛ばし合いシュートインを試みるなかで試合終了。激闘を繰り広げた両者を、場内は大歓声で称えた。

レフェリー判定はメレガリに。スタンドでのテイクダウン狙いからタイを亀にさせる場面を数回作ってみせて、背後からフックを狙う時間も長かったので妥当な裁定だろう。

一方、惜しくも敗れたタイ。大きな体格差のあるメレガリ相手に抑え込まれることなく、15分間最後までペースを落とさず動き続けたそのスタミナとスクランブル能力は、驚異としか言いようがない。2回戦のペナからの勝利も併せて、階級別初戦敗退のショックを払拭するに余りある活躍ぶりだった。

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Black Combat Black Combat04 DEEP K-MMA MMA MMAPLANET o イ・ジンセ ブログ ユ・スオン

【Black Combat04】K-MMA界の大晦日は、噂のブラックコンバット。最年少黒帯ユ・スヨンが4冠を目指す

【写真】寝技がしっかりとできる──そんな選手が実はK-MMAでも増えている (C)BLACK COMBAT

31日(土・現地時間)、韓国はインチョンのパラダイスシティホテルで噂のBlack Combatの第4回大会「The Era of New Kings」が開催される。

DEEPとの対抗戦や、K-MMA界の実力者とどんどん契約している。過去の大会と違い、映像で魅せてオーディションでジェネラル層の関心を得る──等々、色々な話が伝わってくるBlack Combatだが、今回のメインはフェザー級王座決定戦=ユ・スヨン✖イ・ジンセがマッチアップされている。


オーディションで名前を挙げた選手中心の今大会にあって、ユ・スオンはTOP FCでプロデビューし、柔術でも韓国柔術界史上最年少24歳で黒帯を獲得。日本ではパンクラスで大橋悠一を19秒KO、母国ではZEUS FCフェザー級王者に就くと、コロナ禍では中東UAEWにもチャレンジするなど9勝2敗というレコードを残している。

Black Combat初陣ではライト級王座決定戦でキム・ジョンギュンと161ポンド契約戦で戦い、寝技を圧倒的に支配し判定勝ち。さらにはカザフスタンのNEIZA FCでもフェザー級王者にもなり、今回は4本目のベルト獲得を目指し── Black Combatフェザー級王座に挑むこととなった。

対戦相手のイ・ジンセとは4年前にTOP FC時代に対戦し2-0の判定勝ちを収めている。前回の対戦時には打撃は強力な威力を誇るもののグラップリングで歯が立たなかったイ・ジンセは、その後の4年間にレスリングの強化に努めてきた。

そのイ・ジセはBlack Combatではプロオーディションのシーズン2で台頭、現ランク2位のホン・ジョン手を27秒KOし、タイトル&リベンジ戦の権利を得た。

大晦日、K-MMAのオオトリを務めるBlack Combat。そのベールが、いよいよはがされようとしている。

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Brave CF MMA MMAPLANET o キム・ジェウン キム・ジェヨン グスタヴォ・ウーリッツァー コ・ソクヒョン チェ・ハンギル パク・チャンビン ユ・ジュサン ライカ 清水俊一

【Angel’s FC22】大晦日イブ。フェザー級王座決定戦で、清水俊一が5戦目の強者ユ・ジュサンと対戦

【写真】キャリア的には72戦目と5戦目……ただしフィジカルとレスリング力ではユが清水を上回る (C)BRAVE CF & MMAPLANET

30日(金・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7AホールでAngel’s FCC22が開催される。

Double GFCとの共闘路線から、別々の道を歩むことになったAngel’s FCの2022年。その最終戦がソウルの北西、地下鉄で1時間ほどのベッドタウン=コヤンにある韓国最大級の展示・会場施設=キンテックスで行われる。


メインはDouble GFC王者キム・ハンスルとのダブルタイトル戦に敗れた元ウェルター級王者のコ・ソクヒョンが、ミドル級転向初戦でキム・ジェウンと同級王座決定に挑む。

10thPlanetの支部=チャンヤンMMA所属のキムはキャリア4勝4敗のグラップラーで、ADCC韓国大会などグラップリング大会で優勝経験がある。柔道家、投げでコンバットサンボ世界王者に輝いたコ・ソクヒョンは、MMAでもテイクダウンまでは力強く、そこからのフィニッシュ力は乏しいという印象がある。

寝技上等のキム・ジェヨンとしては投げられても、自らのフィールドに持ち込まれるのは都合が良く、この誰もが想像できる展開のなかでコ・ソクヒョンが、下からの対応をいかに捌いていけるのかに勝負は掛かっている。

またコメインでは日本の清水俊一が、フェザー級王座決定戦をユ・ジュサンと戦う。ユはプロボクサーのライセンスを保有しているストライカーだが、キム・ドンヒョン譲りのレスリング力も高いレベルにある。

ユ・ジュサンは4月にはBRAVE CF韓国大会で勝利し、9月には1月にGladiatorライト級王座に挑戦するグスタヴォ・ウーリッツァーにライト級マッチで判定勝ちを収めている。バンタム級で戦ってきた清水とは体格も違う。それ故に真っ向勝負は難しいとはいえ、清水は簡単に下にならない戦い──引き込むのであれば、ここ一番というタイミングで全力に極めに懸かるファイトを心掛けたい。

また第7試合にはコリアンゾンビMMA所属のチョ・ハンギルが出場し、新垣聖太と戦う。ハンギルは師匠譲りのゾンビファイターで、実際にキム・ドンキュウとの試合では前歯を3本へし折られても判定勝ちを手にしたブルファイターだ。この試合の勝者が、バンタム級王者ソン・ヨンジェとのタイトルマッチが有力視されている。

■AFC22対戦カード

<AFCミドル級王座決定戦/5分3R>
キム・ジェウン(韓国)
コ・ソクヒョン(韓国)

<AFCフェザー級王座決定戦/5分3R>
清水俊一(日本)
ユ・ジュサン(韓国)

<フライ級/5分2R>
パク・チャンビン(韓国)
キム・ジンミン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
新垣聖太(日本)
チェ・ハンギル(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
アジベク・ガフロフ(ロシア)
キム・ヨンウ(韓国)

<フライ級/5分2R>
チョ・ジュンゴン(韓国)
キム・テフン(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
キム・イゴル(韓国)
サルマン・カン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ペク・スンデ(韓国)
チェ・ジス(韓国)

<無差別級DIEDIE決戦/5分2R>
ジャン・スンヒョ(韓国)
ジャン・ドヒョン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
ソン・ヒョンジョン(韓国)
パク・ミンジェ(韓国)

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ABEMA Black Combat Double GFC15 K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC イ・スンジョン キム・ミョンフアン

【Double GFC15】キム・ミョンファンがイ・スンジョンにアメリカーナ極めヘビー級王者に

【写真】投げ、抑え込みが強かった(C)DOUBLE GFC

23日(金・現地時間)、韓国はソウルのサンボォンにあるDouble GFCオフィシャルジムでDouble GFC15が開催された。

18日のRoad FC、そして今大会、さらに30日のAngel FC、大晦日のBlack Combatと2022年のクライマックスに向かうK-MMA。ここでは同大会よりメインのDouble GFCヘビー級王座決定戦の模様をレポートしたい。


<Double GFCヘビー級王座決定戦/5分3R>
キム・ミョンフアン(韓国)
Def.2R3分38秒by アメリカーナ
イ・スンジョン(韓国)

キャリア5勝1敗のキムと4勝4敗のイ。最近のK-MMA界に多いキャリア10戦未満同士のタイトル戦だ。般若のタトゥーのイに、キムが右ローを蹴る。イは軽くジャブを見せ、様子見の中でライトな打撃戦が続く。キムがワンツーで前に出て、組みつくと左手で頭を抱えて投げを狙う。

倒されなかったイだが、一旦離れて同じ形で組まれると、今度は払い腰で投げられる。キムは抑えることができず、両者が立ち上がってスタンド戦へ。左を当てたキムが、ここも左手で頭を抱えて払い腰を決める。

袈裟で抑えるキムは。バックを許さず一瞬胸を合わせようとし、袈裟に戻る。左で抱えて右のパンチを打っていくキムは、イが腹ばいになって体を起こそうとすると無理せずスタンドへ。打撃からクリンチの攻防になるや、イはヒザ蹴りからボディショット、さらにアッパーを突き上げる。キムも前に出て、クリンチアッパーを入れて時間に。

2R、開始直後にパンチの応酬が見られ、イが左ジャブを当てる。キムもワンツーを打つが、純粋なパンチの交換ではイに軍配が挙がるか。と、ショートの左右のフックの連打で距離を詰めたキムが、左腕でイの頭を下げさせ、右腕を差しあげて体を振ってテイクダウンを決める。

ハーフで抑えたキムは足を抜いてパスガード、ここからアメリカーナへ。半身になって耐えたイは左腕を差すが胸を合わされスクランブルには持ち込めない。左の鉄槌、腹に右エルボーのキムが、しっかりとアメリカーナを極めタップを奪った。

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Black Combat K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC Road FC62 キック パク・シウ パク・シウォン ヨ・ジェウ

【Road FC62】ライト級王者パク・シウォンは淡々から段々と威力を高めヨ・ジェウに判定勝ち=王座防衛

【写真】(C)ROAD FC

18日(日・現地時間)、韓国はソウルのスイス・グランドホテル・コンベンションホールでRoad FC62が開催されている。

30日のAngel FC、大晦日のBlack Combatと2022年のクライマックスに向かうK-MMA、タイトルマッチ4試合が組まれた今大会より、ここではメインのライト級選手試合の模様をレポートしたい。


<Road FCライト級選手権試合/5分3R>
パク・シウォン(韓国)
Def.3-0
ヨ・ジェウ(韓国)

サウスポーの王者パク・シウォンが距離を詰め、ヨ・ジェウがケージを背負う。ここかあら様子見の両者パク・シウォンが右ジャブを打っていった。挑戦者は左ローを蹴り、左に回って左オーバーハンドも空振りに。パク・シウォンは左フックから左ローを蹴る。ハイキックを狙ったヨ・ジェウに対し、パク・シウォンは左前蹴りから左ハイを蹴っていく。両者とも、軽い打撃を続けるなかでパク・シウォンが左内回し蹴りを繰り出す。

踏込みに左ミドルを受けたヨ・ジェウが右ミドルを返し、続く左ミドルにダブルレッグを合わせる。頭を押し、スイッチ狙いのパク・シウォンがスクランブルに持ち込み、試合はスタンドに戻った。

飛び込んで右フック、ダブルレッグをスプロールしたパク・シウォンはがぶって細かいパンチを連打する。ヨ・ジェウはヒザをかわしながら立ち上がる。パク・シウォンが左ミドルに右ジャブ、そして左ローを決める。淡々とした打撃の交換で初回は終わった。

2R、ヨ・ジェウが右ミドルから組んでケージにパク・シウォンを押し込むが、逆にヒザをボディに受け、ボディロックから体を振られてテイクダウンを許す。ケージを背負って座った状態のヨ・ジェウがレッスルアップ。左腕を差して立ち上がる。パク・シウォンはヨ・ジェウを金網を押し込みボディブロー、ヒザも腹に突き刺す。続いて肩パンチのパク・シウォンのペースで試合が静かに進む。

太腿に鉄槌攻撃を見せたパク・シウォンだが、ここでブレイクが掛かる。残り2分20秒を切り、ジャブからローの王者にヨ・ジェウが右フックを振るうも届かない。右ローからワンツーを効かせたパク・シウォンは攻め急がずハイ、そしてローを狙う。逆に勢いのあるパンチを振るいつつヨ・ジェウが前に出る。パク・シウォンはダブルレッグ狙いも切られケージ際に押し込む。2度、3度と体を入れ替えヒザをボディに突き上げたパク・シウォンが、ヨ・ジェウのダブルレッグをがぶる。離れたヨ・ジェウの右ローが当たったところで2Rが終わった。

最終回、まずはハグをした両者。パク・シウォンが左ストレートから左ロー、さらにダブルレッグでテイクダウンを奪う。ケージを背負って立ち上がったヨ・ジェウは、体を入れ替えてもヒザをボディに受ける。レベルチェンジでダブルレッグ狙いのヨ・ジェウを切って押し込み返す。

ボディへの連打から離れたパク・シウォンがロー、左フック、右ストレート、左ミドルに左ストレートと攻め込む。左右のフックを打ち合い、跳びヒザを見せたチャンピオンが左ストレートと、打撃で挑戦者を圧倒する。さらに左フックを当てて、左に回るパク・シウォンは右ミドルを蹴られる。

ヨ・ジェウは組みを選択するが、バックに回れない。離れたパク・シウォンがテンカオ、左ストレート、そして左ショートと一方的に攻める。

ヨ・ジェウの選択は、ここもテイクダウン狙いしかなく、バックへ。胸を合わせたパク・シウォンはボディロック&小外刈りでテイクダウン、スクランブルでバックに回る。シングルからリバーサル狙いにギロチンを合わせに行ったパク・シウォンは、これが極まらず下になる。最後の10秒はスタンドに戻って勢いのあるパンチを見せあったが、時間に。ヨ・ジェウは追い込まれたところで2度ほど打ち合いに応じるも、どちらも打ち負けて判定でもパク・シウォンが3-0で文句なしの勝利を手にした。ベルトの初防衛に成功したパク・シウィンは通算戦績を8勝0敗とした。

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DEEP DEEP112 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o 上迫博仁 五明宏人 伊藤裕樹 北岡悟 大原樹里 宇田悠斗 小金翔 本田良介 江藤公洋 神田コウヤ 福田龍彌 鈴木琢仁 阿部大治 高野優樹

【DEEP112】続く、北岡悟のファイティングロード。2月11日大会で、高野優樹と対戦決定!!

【写真】北岡と向き合うのは、『嫌』だろう。気後れするのも分かる(C)MMAPLANET

26日(月)、DEEPより2023年2月11日(土)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP112 IMPACTで北岡悟✖高野優樹のライト級マッチが組まれることが発表されている。

福田龍彌、伊藤裕樹、本田良介、宇田悠斗が勝ち残っているDEEPフライ級GP準決勝、ウェルター級選手権試合=チャンピオン阿部大治✖チャレンジャー鈴木慎吾、フェザー級暫定王座決定戦=神田コウヤ✖五明宏人という2つのタイトル戦などが既に決定している2023年DEEPの戦い初めに、北岡が加わることとなった。


北岡の2022年は上迫博仁、江藤公洋に連敗、2020年7月の小金翔戦のドローを挟み、黒星は連続で7つ並んでいる。とはいえ上迫戦は上迫の負傷も影響していたが、江藤戦も含め2021年の大原樹里、鈴木琢仁戦に連続KO負けを喫した時とは違い、決定的な一発を被弾することなく逆に手数と気迫で上回る場面も見せている。

もちろん、北岡本人はそんな評価のされ方など望むわけもないだろうが、同世代や先輩ファイターから江藤戦の気迫には称賛の声も送られていたのも事実だ。42歳、限界まで鍛えられた肉体とそこに宿るファイティングスプリットに向き合うと、精神的に圧されるという場面が上迫や江藤には見られた。その点で、高野は北岡の圧にどのように向かうことができるのか。

ただでさえバンタム級からフェザー級で戦ってきた高野がフィジカルの差が明らかな状態で、気持ちで引くと勝ち目はない。コンバットスポーツにおいて、フィジカルの差は年齢差よりも、絶対だ。この点でも優位に立つ北岡、それだけに後がない戦いともいえる──が、果たして。

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ABEMA IMMAF MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 UFC   パンクラス ボクシング ライカ 山口怜臣 岡田嵐

【IMMAF & Pancrase330】アマパン王者・岡田にザッツMMAで快勝。山口怜臣「総合力を上げて」

【写真】唯一無二、山口怜臣の来年32月のIMMAF世界大会、そして3月以降の動向も要注目だ (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されたPANCRASE330。そのオープニングマッチ第1試合のアマMMAバンタム級戦で山口怜臣が岡田嵐を判定3-0で下した。

IMMAF制覇からプロを目指し、タイのプーケットを拠点するJ-MMA界唯一無二の存在といえる山口が、WTFITFテコンドーのジュニア部門で日本代表のキャプテンを務め、今年のアマチュアパンクラス・バンタム級全日本王者=岡田と対戦した。


<アマMMAバンタム級/3分3R>
山口怜臣(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
岡田嵐士(日本)

IMMAF制覇からプロを目指し、タイのプーケットを拠点するJ-MMA界唯一無二の存在山口が、WTFテコンドーのジュニア部門で日本代表のキャプテンを務め、今年のアマチュアパンクラス・バンタム級全日本王者=岡田と対戦。序盤の打撃戦では左ストレートを被弾する場面も見られた。

山口は組んで、岡田をケージに押し込むと払い腰で投げてからはしっかりとパウンドで削り初回をリードした。

2Rも山口は、初回と同じように払い腰でテイクダウンを決め、立たれても倒し直してリードを広げた。

最終回は、山口も自分の距離で戦いお左ストレート右フックから右ハイという攻撃を見せるも、山口はここもケージに押し込んでテイクダウン&パウンドで3-0の判定勝ちを収めた。

しっかりと勝つ、総合力で勝負して文句なしの勝利を収めた山口の試合直後の声をお伝えしたい。


──日本でのファイトはいつ以来になりますか。

「5年振りです(笑)。今回はタイガームエタイとALIVEで試合の準備はさせていただいて、鈴木(陽一)社長にマンツーだけでなく、ALIVEの仲間も協力してくれて凄く良いキャンプが日本でもできました」

──そのパンクラスでのアマMMAマッチ、なぜこのタイミングで日本で試合をしようと。

「11月に行われたIMMAFのアジア大会は自分のコーチが時期的な問題があって、行くことがデキなく出場を辞退せざるをえなかったです。そういった時にパンクラスの代表でありJMMAFの福井(幸和)代表に『今年のアマチュア・パンクラスの全日本チャンピオンと試合をさせてください』と提案させていただき、このような舞台で戦わせてもらった形です」

──では、この試合のために帰国したということですか。

「ハイ。これがなければ帰国していないです」

──なるほどっ! では、今日の試合のデキに関してはどのように自己評価していますか。

「プランとしては自分もボクシングに自信があったので、パンチで前に出て当てていくというモノでした。ただ岡田選手のバックステップ、距離の取り方が凄く上手で、思うように近い距離で戦うことができなかったです。蹴りとパンチを散らされて、パンチも被弾しましたし。そこでプランB、多少距離が合わなくても誤魔化して組んでいこうと作戦を変えました。組んだ時の感覚で投げることができると思ったし、そこからテイクダウンしてトップゲームで戦いました」

──試合中にアジャストしたのですね。素晴しいです。IMMAFでは1日1試合、多くて2試合が3日や4日ほど続くというトーナメント戦です。今日のようにワンマッチだと、戦い方もアジャストしたのでしょうか。

「ハイ、IMMAFはワンマッチでないので、自分のスタイルも完璧に仕留めきるというよりも、取りこぼさず勝つという戦い方をしてしまいます。見方によっては塩試合に映ってしまうからもしれないですが、ここは下の選手が動かないとリスクを冒してフィニッシュにいく気は正直なかったです」

──アマチュアのIMMAFで勝ち抜くために、見ている人を喜ばすという考えは必要ないと思います。勝負に徹し切れば。と同時にプロになると、大舞台へ行く選手のキャリアの序盤は抜群にフィニッシュ率が高い。それも事実です。

「良く言えば今日の試合でも、勝ちに徹したと言えます。反面、自分のなかでは打撃にしても極めにしても、フルコンタクト空手という競技からMMAに転じた影響なのか『勝てるな』と思えば、その戦いを続けるという部分は確かにあります。そこには自分がフィニッシュする力、技量がない。現時点では、そこは足りていない部分です」

──来年2月12日の週にセルビアのベオグラードで2022 IMMAFの世界大会が開催されます。コロナ以降、その年の年末まで世界大会が開けずスライドして翌年にという形が続いていますが、怜臣選手も勿論ターゲットはそこに?

「ハイ。そうですね。今日の試合ではフィニッシュはできなかったとはいえ、相手のスタイルに合わせて封じこめ完勝できたと思っています。これがIMMAFの場合だと、今日はレスラー、明日はストライカーということが普通にあります。だからこそ、総合力を上げて5試合をしっかり勝ち抜くということを意識して、タイガームエタイで練習していきたいと思います」

──怜臣選手以外に、世界大会に挑戦する日本人選手は出て来そうですか。

「それが僕も余り分かっていなくて……。だから、こういう風にインタビューをして頂いたり、パンクラスで試合をすることで露出する機会も増えたので、IMMAFの認知度が少しでも日本で上がれば嬉しいです。そういう人が増えれば、もっと盛り上がりますし、レベルの底上げになると思います」

──では世界大会以降も含めて、2023年の目標を教えてください。

「世界大会の金メダルは絶対です。それが終わった後にプロに行くと宣言している通り、まだ確定事項ではないですが、自分のなかで候補もあります。そこも公にデキる日を楽しみにしてほしいです」

──かつて世界大会ジュニアの部で覇権を争ったムハメド・モカエフ選手が、すでにUFCで3連勝です。刺激されるのではないですか。

「コロナ禍で選んだ選択肢として、僕はアマチュアを続けることでした。彼はプロとして強い選手と戦っていくことを選びました。かつてのライバルと言われることもありますが、この2年で彼がやってきたこと──しっかりとした相手と戦ってUFCと契約し、UFCでも負け無しです。ここに関しては、素直に今の僕は言及できるレベルにないと思っています」

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ABEMA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase330 Road to UFC UFC パンクラス 修斗 海外 猿飛流 鶴屋怜

【Pancrase330】新フライ級KOP、鶴屋怜「またイチから見直して、やっていこうと思います」

【写真】イベント終了後、応援団への挨拶を終えたばかりの鶴屋怜 (C)MMAPLANET

25日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されたPANCRASE330。同大会のメインで猿飛流を破り、鶴屋怜がフライ級KOPの座に就いた

デビューから1年10カ月、キャリア6戦目で日本の老舗MMAプロモーションの頂点に立った鶴屋は勝ち名乗りを受ける前から涙を流した。若さの象徴、自信しかないように見えた鶴屋の意外な涙。その理由と、こらからについて試合後に話を訊いた。


──20歳のタイトル奪取、涙を見せたのは意外でした。

「ちょっと想定外の展開になってしまって……焦ってしまったのもあるし、小さい頃から修斗やパンクラスと見て育ってきたので……。UFCという目標があって、も国内のベルトも大きな目標でした。なので、ちょっと涙が出てしまいました。それにここで負けていたらUFCなんてないし。格闘技で生活できなくなりるので自分を追い込んでいる部分もあったので」

──本物だという期待感が高まると、アンチの声も出てきます。そういう声は気になっていましたか。

「最終的に勝てれば良い。そう思っていました」

──では想定外の展開というのは?

「組んでバックを取ってからのスロエフ・ストレッチなんですけど、練習なら毎回ほぼ極まります。実際、試合中も極まったと思っていました。結果どこか精神的に『よっしゃ』となって、気を抜いてしまった部分があります。でも猿飛流選手は元器械体操の選手だからか、体が柔軟でした。あれで焦ってしまいましたね」

──焦っていましたね。首投げを強引に仕掛けて、決まらない場面もありました。

「首投げからVクロスで勝ちたいっていうのもあったんです……(苦笑)」

──お父さんの必殺パターンを。それは……。

「欲を持ちすぎてしまったスね。インターバルで、お父さんからも『落ち着け。お前、興奮しているんだよ』って言われて。でも『絶対、勝つから』って伝えて2Rに向かいました。後で見返さないと分からないんですけど、右が当たったのか……ああいう形になれたので。でも打撃も大切だって、身をもって思うことができました。課題も増えたし、まぁ……良い試合、良い経験になりました」

──1R終盤はケージに押し込んだ形で、ヒザをボディに何発が食らっていました。

「食らっちゃいましたけど、ヒザでダウンをすることはないと思っていました。2Rから行くつもりだったので、あそこは攻める気持ちはなかったです」

──ジャッジ1人が9-10と猿飛流選手のラウンドとしました。

「まぁ、猿飛流選手に入ってもしょうがないです。お父さんも『想定外のことが起きるのも1Rだから』と言ってくれて。猿飛流選手もチャンピオンだし、意地があったはずです。正直、舐めてはいないんだけど簡単に勝てると想定していたので……この試合の経験をこれからに生かしたいと思います。

扇久保(博正)さんからも『最初から行き過ぎると疲れるから』って、毎試合注意されていました。それで勝てていたんで、自分では構わないと思っていたのですが、先輩たちに注意されていたことがやっと理解できました」

──反省点のある試合。課題を見つかったタイトル戦を終えて、改めてUFCに向けてどのような気持ちでいますか。

「ホント、練習を基準に『俺、強いんじゃないか』って思ってしまっていたんですけど、試合だとそういうわけにはいかないです。これまでの試合は、ほぼ同じパターンで勝つことができたとはいえ、これからは通用しなくなります。UFCなんて言うと、もっと強いヤツらだらけです。なので、しっかりと見つかった課題を克服していかないとダメだなと思います。

打撃も自分のなかでは力を入れてやってきたつもりだったんですけど、もっと見つめ合っていかないとダメですね」

──反省しきりですが、キャリア1年10カ月でパンクラスの頂点に立ちました。2023年への意気込みをお願いします。

「ハイ。6戦0敗、6フィニッシュしているので来年は海外に絡んでいきたいです」

──1カ月ほど前から2023年開催のRoad to UFCに向けて、各階級で出場選手のリクルートが始まっているようですね。

「僕はRoad to UFCではなくて、本戦かコンテンダーシリーズに絡んでいきたいと思っています。でも、そんな上手くはいかないので1試合、1試合勝ち抜いていきます。とにかく今日の試合で見つかった課題が多すぎるので、年が明けたらすぐに練習したいです。またイチから見直して、やっていこうと思います」

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