カテゴリー
Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o 山田哲也 竹内稔 鈴木真 須藤拓真

Overlooked【Level-G02】山田が竹内を僅差で下し、須藤は竹内にヒールを極めてライト級T準決勝へ

【写真】須藤の仕掛けと鈴木の対応の速さ--それを上回る須藤のフィニッシュ力だ(C)Level-G

イベントスケジュールが重なり見逃した試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。ここでは11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツセンターで開催されたLevel-G02から、ライト級初代王者決定トーナメントをレポートする。

Text by Shojiro Kameike

ケージで行われるサブオンリーの8人制ワンデー・トーナメント。ここでは1回戦第3試合の竹内稔×山田哲也、第4試合の鈴木真×須藤拓真の試合をお届けしたい。


<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
山田哲也(日本)
Def.3-0
竹内稔(日本)

両者が手四つで探り合うなか、竹内が前に出る。山田は後ろを向いてケージの位置を確認した。右腕を差し上げた竹内が山田をケージに押し込む。山田はケージに背中を着けながら竹内の両リストを掴んで、右腕を差し返して押し込んでいく。山田が小内刈りで竹内に腰を落とさせた。すぐに立ち上がった竹内を押し込む山田が、ボディロックからグラウンドに持ち込んだ。背中を着かされた竹内はバタフライガードからリバース・デラヒーバへ。左腕を差し上げてフックスイープを仕掛けるも山田が耐えた。

バタフライガードに戻した竹内が、ボトムから山田を揺さぶる。両腕を差し上げ、バタフライガードから山田の体を跳ね上げた竹内が、さらに山田の左腕に腕固めを狙う。山田が頭を押して腕を抜くと、竹内が下がりながら右腕を差して立ち上がる。山田は立ち上がった竹内をケージに押し込みながら、ボディロックから小外刈りで尻もちを着かせた。立ち上がる竹内、押し込む山田——ここで山田が離れた。竹内はケージを背負わせてシングルレッグで組み、ハイクロッチからダブルレッグに切り替えた。

シングルレッグに戻して、山田をケージに押し込みながら揺さぶるもテイクダウンはできず。ここで離れた竹内を押し込んだ山田が、さらにバックコントロールからグラウンドへ。竹内は山田の右腕を取ってキムラからリバーサルすることに成功した。すぐに腕を抜いて立ち上がる山田。竹内は右腕を差してケージへ押し込み、ツーオンワンでテイクダウンを奪った。バタフライガードの山田に対し、パスのアタックをかける竹内だが、山田がフックガードから立ち上がり、最後は小外刈りでテイクダウンを狙っていった。

僅差の内容だったが、裁定はジャッジ3者とも山田の勝利を支持。裁定を聞き驚くような表情を浮かべた山田が準決勝に進出した。

 

 

 
<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
須藤拓真(日本)
Def.1分34秒 by ヒールフック
鈴木真(日本)

須藤が低い体勢で構えた鈴木の左足にZハーフで絡む。鈴木はニースライスから須藤の左側へ飛び込むようにパスするが、すぐに正対した。鈴木は噛みつきパスへ。須藤も潜って鈴木の右足を狙うが、これは鈴木が須藤の両足を潰して防いだ。須藤は左足首を持ってコントロールしてくる鈴木に対し、リバース・デラヒーバからのキス・オブ・ザ・ドラゴンで、バックではなく鈴木の左足を抱える。さらにフィフティ・フィフティに近い形に持ち込むも、鈴木がバックを狙いに来たところで後転しトップへ。

鈴木は上半身を起こすも、すぐに須藤がKガードから左足に外ヒール。ヒザを抜く鈴木、組み直した須藤は鈴木の左足を抱えつつ、自身の右足で鈴木の右足を畳んで内ヒールで絞ると、鈴木が声を挙げたためかレフェリーが試合を止めた。

この勝利で須藤が準決勝に進出し、竹内を下した山田と対戦することとなった。

The post Overlooked【Level-G02】山田が竹内を僅差で下し、須藤は竹内にヒールを極めてライト級T準決勝へ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o キック 修斗 寒河江寿泰 峯岸零弥 平田直樹 遠藤雄介

Overlooked【Level-G02】ライト級T1回戦、トップからアタックし続けた峯岸と平田が準決勝に進む

【写真】第1試合の判定結果で、ボトムからのサブミッションよりもトップからのパスのアタックが評価される判定基準が理解できる(C)Level-G

イベントスケジュールが重なり見逃した試合をお伝えする──帳尻合わせ試合レポート。ここでは11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツセンターで開催されたLevel-G02から、ライト級初代王者決定トーナメントをレポートする。

Text by Shojiro Kameike

ケージで行われるサブオンリーの8人制ワンデー・トーナメント。ここでは1回戦第1試合の寒河江寿泰と峯岸零弥の柔術&グラップラー対決と、第2試合の平田直樹×元修斗環太平洋王者の遠藤雄介というMMAファイター対決をお届けしたい。


<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
峯岸零弥(日本)
Def.2-1
寒河江寿泰(日本)

開始早々、寒河江がシッティングガードに。手を伸ばした峯岸の両手首を掴み、引き込みながら右足を狙ったが、峯岸がすぐに離れた。次は峯岸の右手首を取って同じ形で挑んだが、これもグラウンドに引きずりこむことはできない。シッティングガードの寒河江とスタンドの峯岸が互いのリストを取りにいく。離れた峯岸が寒河江の頭を押さえながらパスを狙うと、寒河江はデラヒーバ気味の状態から峯岸の右足を触りにいくも、峯岸が離れる。

サークリングした峯岸がケージ中央で、寒河江のガードの中に入った。峯岸は寒河江の左足に対してニーカットを狙うも防がれれたため、立ち上がる。峯岸は再度ニーカットにチャレンジ。寒河江がリバース・デラヒーバから峯岸の右腕を掴むも、峯岸は離れてパスを仕掛け続ける。寒河江はデラヒーバから、パスしようとした峯岸の右腕にチョイ・バーを仕掛けた。峯岸が体を起こすと寒河江は腕十字へ。腕を抜いた峯岸がすぐさまパスを狙うも、寒河江も正対してシッティングガードに戻る。

ここでパスを狙った際に峯岸の左ヒザが寒河江の下腹部を捉えたか、試合は1分ほど中断された。再開後、峯岸が飛び込んでパスを狙ったが、寒河江もカウンターで峯岸の右腕に足を絡めていく。ケージ際で連続でパスを仕掛ける峯岸に対し、寒河江はZハーフで守る。峯岸は寒河江の右足を潰したが、一旦ケージ中央まで離れた。寒河江はシッティングガードのまま。峯岸が両足をすくい上げるなど、様々な方法にチャレンジするも寒河江のガードを超えることができない。

とはいえ、ボトムのままの寒河江に対して、峯岸がパスのアタックをかけ続けている。残り1分で寒河江はニーシールドの体勢となるが、サブミッションの体勢には至らず。噛みつきパスを続ける峯岸の右腕を取った寒河江がチョイ・バーへ。峯岸は頭を上げて逆側に回り、寒河江が右足を入れることができずタイプアップとなった。裁定はスプリットで峯岸の勝利に。

<ライト級初代王者決定トーナメント1回戦/7分1R>
平田直樹(日本)
Def.3-0
遠藤雄介(日本)

平田直樹が妹の樹を伴っての入場。遠藤は笑顔で平田と握手した。試合が始まると、低い体勢で構える遠藤に、平田が組みに行った。頭をつけて首を押さえ、いなすと遠藤が離れる。再度組むと、遠藤が平田の右腕に跳びつく。これは平田もディフェンスし、背中を着けた遠藤の右側にパスして、左腕を枕にして抑え込む。遠藤が平田の右足に絡みつけてハーフへ。平田は右腕を差し上げてクラッチした。ケージ際で平田のニースライスを防いだ遠藤はZハーフ気味のガードで守る。

遠藤が下からワキ差しを狙うも、平田は頭をつけてパスのアタックを続ける。平田の右足にガッチリと絡むハーフで守る遠藤は、右腕でも右足を抱えて潜りにいったものの、これも平田が遠藤のアゴをコントロールして潰した。再び右腕を差した平田がニースライスパスから一度ニーオンザベリーの体勢になる。しかし、すぐにハーフに戻して潜る遠藤。平田はこの動きを誘っていたか、右腕のギロチンで絞めあげる。これは極まらずも、パスからマウントを奪取した。

遠藤がケージキックからスクランブルに持ち込む。平田はがぶりからギロチンへ。遠藤が頭を抜き、立ち上がりながら平田をケージに押し込むも、平田が右腕を差し上げて押し込み返す。ここで平田が離れて、遠藤の首を触りながら小内刈りで尻もちを着かせた。遠藤はケージに背中を着けて立ち上がる。平田はバックコントロールからグラウンドに引きずりこんでパスしたが、遠藤のハーフに入って肩固めの体勢を整えていく。右肩を抜いた遠藤がZハーフ、平田も再びニースライスから肩固めを仕掛けたがフィニッシュには至らなかった。

裁定はユナニマスで平田の勝利に。トーナメント準決勝第1試合は、峯岸×平田の対決となった。

The post Overlooked【Level-G02】ライト級T1回戦、トップからアタックし続けた峯岸と平田が準決勝に進む first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
FINISH10 Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o 山田哲也 海外 白木アマゾン大輔 竹内稔 鈴木真 須藤拓真

【Level-G02】初戦で山田哲也と対戦する竹内稔―02―「がぶりの展開まで行けば、極めることができる」

【写真】今日、3度手が挙げられると竹内は公約を守ることができる(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02で、初代ライト級王座決定トーナメントに出場する竹内稔のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

トーナメント出場者の中でも大ベテランとなる竹内の得意技といえば、アナコンダチョークだ。1回戦でぶつかる山田哲也との体格差は大きいが、その相手にアナコンダを極めることができるか。あるいは別の技があるのか――さらにトーナメントについて、他の勝敗予想も訊いた。

<竹内稔インタビューPart.01はコチラから>


――今回のトーナメントはライト級で、Finish10の白木アマゾン大輔戦も73キロ契約の試合でした。それは竹内選手にとって適正階級なのでしょうか。

「いえ、適正ではないです。ADCCだと66キロ級に出ています。MMAだとフェザー級が適正だと思います。今は少し体が大きくなっているので、バンタム級に落とすのは難しいですね」

――そこで「MMAだと」という言葉が出て来るあたり、やはり竹内選手がMMAを引退していないことが伺えます。一方で、トーナメント1回戦で対戦する山田選手は、もともとウェルター級で戦っていました。かなり体格差があるのではないですか。

「どうなのでしょうね……。山田選手はずっと海外で戦っていて、練習をしたことのある選手も周りにはいなくて。実際どれくらいの体格差なのか、組んだらどれくらい力があるのか全く想像つきません。そこは気になるところです」

――出場者は各々の武器があり、だからこそ展開が読めないのが、このトーナメントの面白さだと思います。山田選手の武器といえば、あの体格が一つの武器ですよね。

「あの体格でライト級まで落として、前日計量とはいえ当日のコンディションがどうなるのか。僕の場合は、当日に3キロほど戻るぐらいです。それが通常体重で。当日は体重差が大きくなってしまうかもしれないですが、そこは仕方ないですね。僕としては、自分自身が一番良く動けるコンディションをつくれるかどうか。相手が山田選手だからといって、僕のほうが体重を増やしても、自分の動きが悪くなってしまいますからね」

――竹内選手がこの体格差で相手をどう仕留めるか、という点に興味が湧きます。

「ここまで身長が高い選手と試合をしたことも、練習したこともないですが、どう極めるかのイメージはすでに出来上がっています。それは試合を楽しみにしていてください(笑)。アマゾンさんとの試合も、自分のイメージしていたパターンにハマりました」

――おぉっ!! アマゾン戦はどのようなパターンを考えていたのですか。

「まずアマゾンさんが僕をケージに押し込むか。あるいは僕がアマゾンさんを押し込むか。その可能性でいえば、アマゾンさんが最近レスリングを強化していると聞いていました。だから、アマゾンさんのほうから押し込んでくる可能性が高いと思っていたんです」

――そして押し込んできたアマゾン選手をギロチンで捕え、アナコンダチョークに切り替えて仕留めたのですね。

「はい。自分の技がアマゾンさんにも通用するんだと分かって嬉しかったですし、自信にもなりました」

――竹内選手は、絶対にアナコンダチョークで極めたいというこだわりを持っているのでしょうか。

「いえいえ、そこまでではないです(苦笑)。ただ自分の中で一番極めやすい必勝パターンではあります。だからアナコンダチョークに頼ってしまうという感じですね」

――しかし、それだけの得意技だと警戒もされます。

「がぶりの展開まで行けば極めることができる――その自信はあります。防がれるかどうかより、がぶりの展開に自分がどう持ち込むかのほうがキーポイントですね。もちろんアナコンダを極められなかった場合の展開も決めています」

――竹内選手が1回戦をクリアした場合、次の準決勝は須藤拓真選手と鈴木真選手、どちらが上がってくると予想しますか。

「僕は真君が上がってくると思います。真君とは一緒に練習することもあって、すごくフィジカルが強いんです。須藤選手はもともとバンタム級ですから、試合当日はある程度の体重差が出て来るでしょうし」

――竹内選手も鈴木選手もカルペディエム所属であり、練習仲間と対戦することは気になりませんか。その意味ではアマゾン戦も同様なのですが……。

「真君はカルペディエム青山で、僕は三田ですから、あまり気にはならないですね」

――反対に同じカルペディエム内で、道場間のライバル心などはあるのでしょうか。

「アハハハ。そこまで深く考えたことはないです。僕はカルペディエムのスタッフではなく、月謝を払って通っている一般会員なので(笑)」

――最強の一般会員さんですね(笑)。トーナメントでもう一方の山は誰が上がってくると思いますか。

「おそらく峯岸さんですね。僕もそこまで柔術を見ているわけではないですが、峯岸さんはいろんな大会で優勝しています。昔から名前は知っていますし、キッズの頃から柔術をやっている選手ですから」

――対する寒河江選手は練習仲間だとお聞きしました。

「寒河江のことは10年前ぐらいから知っていて。僕が東中野のトイカツ道場へ練習に行っていた時に知り合いました。彼を見ていると足関節とか、すごく技術が進化しているなと思います。自分はもう追いつけないですね(笑)。その寒河江と峯岸選手が1回戦で試合するのは、すごく楽しみです」

――なるほど。では最後に、トーナメントへの意気込みをお願いします。

「全試合一本勝ちで優勝します!」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】初戦で山田哲也と対戦する竹内稔―02―「がぶりの展開まで行けば、極めることができる」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Interview Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o パンクラス 修斗 寒河江寿泰 平田直樹 竹内稔 遠藤雄介

【Level-G02】グラップリングT挑戦、平田直樹─02─「スクランブルとコントロール、そしてフィニッシュ」

【写真】あくまでメインはMMA。だからこそのグラップリング挑戦だ(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02で、初代ライト級王座決定トーナメントに出場する平田直樹のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

8人制のワンデー・トーナメント1回戦で、平田は元修斗環太平洋王者の遠藤雄介と対戦する。MMAのためのグラップリングという意識を持つ平田にとって、強豪が揃った今回のトーナメントは大きなチャレンジだ。その中で平田は自身のグラップリング力について、どのように考えているのか。このトーナメントで見せたい、自身の強みについて訊いた。

<平田直樹インタビューPart.01はコチラから>


――トーナメント出場者の中で、普段から絡みのある選手はいますか。

「カルペディエムの竹内稔さんとはロータスで練習したことがあります。寒河江寿泰さんもロータスに来られていますが、練習で組んだことはなくて。ロータスでお会いした時に、『今度のトーナメントは一緒に頑張りましょう』と挨拶しました」

――寒河江選手はグラップリングの練習時間に、平田選手はMMAの練習時間に来るため、その間にお会いする程度のようですね。

「そうなんです。もし一緒に練習していたとしても、殴り合うMMAとはまた意識が違ってきますね。僕の場合は」

――なるほど。1回戦の対戦相手、遠藤選手の修斗時代の試合を視たことはありますか。

「それが、ないんです。というより、まだ誰も試合映像を視ていないんですよ」

――このインタビューは6月8日、つまり試合の3日前に行っているのですが……。

「アハハハ。須藤選手のMMAの試合を視たことがあるぐらいで。遠藤さんに限らず、みんなの得意なところなどの情報は得ています」

――ちなみに遠藤選手の場合は、何が得意だと聞いていますか。

「跳びつき腕十字ですね。修斗時代にはクレイ・グィダに腕十字で勝っていて。やっぱり一発があるというか、強い武器を持っている選手は怖いと思います」

――相手が動きを止めたり、少しでも躊躇する時間があると極めに来る印象があります。

「僕はめちゃくちゃスクランブルして、7分間攻め続けます。その中で極めるチャンスがあれば取りに行きます。最初からサブミッションは狙うので、序盤に取れるかもしれないし、7分間攻め続けた末に極めるかもしれないですね。とにかく動きがある試合をしたいです」

――7分間攻め続けることを想定して、1日3試合を戦い抜くのは難しくありませんか。

「もちろん疲れるでしょうけど、スタミナも1日3試合はもつと思います。それ以上に、まずは1回戦を勝つことだけを考えています。これだけ名前のある選手が集まっているトーナメントですから、先々のことを考えていては1回戦をクリアすることはできないと思うので」

――では準々決勝に寒河江×峯岸のどちらが上がってくるか、という予想も立ててはいないのですか。

「予想はしていませんが、『峯岸選手は強い』と言う人もいるし、『寒河江選手が勝つ』という人もいます。だから1回戦の第1試合で、めちゃくちゃ注目されているんだろうなって思います。すごいマッチメイクですよね」

――ということは、もしかして試合当日まで出場選手の試合映像を視ることはないでしょうか。

「……視ないと思います」

――これは悪い意味ではなく、平田選手は今回のトーナメントを楽しもうとしていますね。むしろ知らない相手に、グラップリングで自分がどれだけできるのか。

「そういう気持ちはあります。MMAだったら勝ち負けに天と地ほどの差があり、1試合1試合しっかりと研究して臨みます。だからといって、決してグラップリングをナメているわけではなくて。むしろ強くて名前のある選手ばかりが出ているトーナメントですからね。ある程度の情報は得ながら、自分がどれだけできるのか。

たとえば練習でも全く組んだことのない、知らない選手とスパーリングすることもあるじゃないですか。試合でも相手が、今までと同じことをやってくる保証はどこにもなくて。だから知らない人たちばかりの環境の中で、僕がどれだけできるのかっていうチャレンジでもあるんです。何より、まずは1回戦を突破すること。1回戦で勝って他の選手とも試合できたらラッキー、というぐらいの意識でいます」

――現代グラップリングで足関節が多用されるなか、下になるとパウンドを受けるリスクがあるMMAでも足関節を極める選手が、また増えてきました。その意味では、MMAのためにグラップリングの試合を経験していても損はないと。

「はい。僕自身も高橋Submission君とか足関節が得意な選手と練習して、以前よりも足関節の対応についてはレベルアップしたと思います。とにかく自分とは違うタイプの選手と練習したり、試合をすることが楽しいです」

――今回のトーナメントもチャレンジの意味合いが強いと思いますが、優勝賞金の使い道は考えていないですか。

「次のMMAの試合(7月9日、パンクラスで糸川義人と対戦)が終わったら、休養兼合宿で沖縄に行こうと考えています。その費用に充てたいです」

――やはり練習費用に使いたいのですね。

「今はどこかに遊びに行きたいとか、そういう気持ちはないんです(笑)。MMAの試合はパンクラスが2~3カ月に一度——7月の試合のあとは、9月と12月にも出たいです。その間にグラップリングだけでなく柔術の試合もやりたいと思っています」

――それは楽しみです。あくまでMMAのためのグラップリングという意識を持っているなかで、ご自身のグラップリング力はどんなところが成長していると思いますか。

「スクランブルとコントロールです。相手の先を読んで動き、自分は動き続けることができる。抑え込んで、ジワジワと攻めながら最後に極めることができる。そのグラップリング力はパウンドのあるMMAでも生きてくると思いますし、グラップリングが強ければスタンドの打撃も生かせるようになる。今回のグラップリング戦では、そのスクランブルとコントロール、そしてフィニッシュを狙っていきます」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】グラップリングT挑戦、平田直樹─02─「スクランブルとコントロール、そしてフィニッシュ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Interview Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o UFC 今成正和 修斗 寒河江寿泰 山田哲也 峯岸零弥 平田直樹 海外 竹内稔 遠藤雄介 鈴木真 須藤拓真

【Level-G02】強豪揃いのライト級T優勝へ。寒河江寿泰─02─「自分の中で変えてきたものがハマっている」

【写真】スタンドレスリングも含めて、寒河江が「自分の中で変えてきたもの」とは何なのか――試合が気になる(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02で、初代ライト級王座決定トーナメントに出場する寒河江寿泰のインタビュー後編。
Text by Shojro Kameike

寒河江にとっては柔術家の峯岸零弥との1回戦をクリアした場合、次は平田直樹×遠藤雄介という新旧MMAファイター対決の勝者と対戦することになる。さらにもう一方の山は、本当に誰が上がってくるのか予想できない――そんなトーナメント出場選手の解説もしてくれた。

<寒河江寿泰インタビューPart.01はコチラから>


――今回は8人制のワンデー・トーナメントです。優勝を目指すうえで1回戦の峯岸選手以外に気になる選手、気になる試合はありますか。

「それが――みんな気になりますよね(笑)。それだけの選手が出場するので。今まで組んだことがあるのは、須藤拓真さんと竹内稔です。竹内さんはよく練習で組んでいますし、須藤さんは以前、ノーギの試合で負けています(2021年7月、JBJJF全日本ノーギ選手権の2回戦で須藤がポイント勝利)。須藤さんとは練習でも組んだことがあるので、1回戦でこの2人とは対戦したくないかな、とは考えていました。

峯岸零弥さんと鈴木真さんは柔術が強い選手で、鈴木さんとは練習で組んだことがあります。最近は一緒に練習することはなかったので、組んだことがないという意味では気になる選手です」

――あとは遠藤雄介選手と平田直樹選手。ともに現役、あるいは元MMAファイターであり、準決勝で当たる可能性のある選手ですね。

「平田選手は今週もロータスで会いました(笑)。でも確か今まで組んだことはないです。私はロータスでグラップリングの練習に参加していて、それが終わった頃に平田選手がMMA練習の時間に来るんですよ。だから平田選手の練習を見ること自体もなくて。会った時に挨拶して、お話するぐらいです」

――対する遠藤選手については?

「ネット上に落ちていたグラップリングの試合を視ました。跳びつき腕十字で勝っていた試合です」

――遠藤選手は修斗時代、後にUFCファイターとなるクレイ・グィダを腕十字で下したこともあります。あの時は跳びつきではなかったですが、三角からリフトされたところを腕十字に切り替えて極めました。

「凄いですよねぇ。ただ、遠藤さんの試合はそのグラップリング1試合しか視ることができていないんです。組んだこともなくて分からないことが多く、申し訳ないですが平田選手が上がってくるんじゃないかと予想しています」

――ワンデー・トーナメントの場合、出場選手全員をチェックするのですか。

「全員に関して対策を組むわけではないですが、やはり全員のスタイルや得意なところ、気をつけたいところは情報を得ます。それよりもトーナメントの場合は、『今回はコレで行こう』と自分のやるべきことを決めて、それを実行していくことのほうが大きいですね」

――では決勝戦に進んだ場合、一方の山から須藤選手、鈴木真選手、山田哲也選手、そして竹内選手の中で誰が上がってくると思いますか。

「難しいですね……。須藤さんが上がってきてくれれば、ノーギの時のリベンジをしたいです。竹内さんもロータスで一緒に練習したり、ウチのプロ練にも参加してくれているので、決勝で対戦できれば良いなと思っています。あと興味でいえば、山田選手ですね。本当に一度も組んだことがないし、とにかくサイズが大きいので、そういう選手に挑んでみたいという気持ちは大きいですね。誰が上がってくるか、という質問に対する答えになっていなくて申し訳ないですけど……」

――いえいえ。他の出場選手についても紹介していただいて、ありがとうございます。

「本当に出場選手のタイプが各々違いすぎて、誰が勝ち上がってくるのか全く読めないです。それだけ面白いトーナメントだと思います。でも、自分も最近の中では特に仕上がりが良いんですよ。これまでが良くなかったというわけではないけど、自分の中で変えてきたものがあって、それがうまくハマッてきています。このトーナメントで勝つイメージも、しっかり出来上がっていますね」

――なるほど。トーナメントの優勝賞金10万円の使い道は考えていますか。

「海外の練習や遠征の資金にしたいとは思っていますけど……実は最近、自転車を盗まれてしまったんですよ(苦笑)」

――えっ!?

「アハハハ。海外へ行くどころか、自転車がないと近所の移動も困るので、まずは自転車を買います!」

――海外というお話ですが、寒河江選手にとって海外でサブオンリーのプロイベントがあることは、選手生活に対して大きな影響を与えているのでしょうか。

「私にとっては大きなモチベーションですね。メタモリスやポラリスのような、サブオンリーの大会に憧れて、グラップリングをやっています。今成柔術に所属しているのも、やっぱり今成正和さんの一本を取りにいくスタイルが好きだからなんですよ。

グラップリングにはADCCやIBJJFノーギもあるし、本当に強い選手はポイント制でもサブオンリーでも強いです。でも、それも選択肢であって。プロのサブオンリーのようにトップ選手が戦っていて、演出とかもカッコイイというのは、グラップリングをやっている者にとっては大きなモチベーションになります。グラップリングが普及していくためには大切だし、ありがたいと思っています。

日本でもグラップリングが普及して、日本のイベントにも海外の強豪選手が来てくれたら嬉しいですね。まずは私も今回のトーナメントで優勝して、自転車を買ってから海外の大会にも出られるように頑張ります」

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】強豪揃いのライト級T優勝へ。寒河江寿泰─02─「自分の中で変えてきたものがハマっている」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
FINISH10 Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o コンバット柔術 修斗 山田哲也 白木アマゾン大輔 竹内稔 越智晴雄

【Level-G02】グラップリングマッチ歴+10年。竹内稔―01―「今は単にMMAの試合に出ていないだけ」

【写真】ここに来て注目を集める格闘家人生、継続は力なり(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02では、8人制ワンデー・トーナメントで初代ライト級王座が争われる。その1回戦で、竹内稔が山田哲也と対戦する。
Text by Shojro Kameike

今年3月のFinish10で白木アマゾン大輔をアナコンダチョークで下している竹内。すでにグラップリングマッチのキャリアは10年を超え、さらにプロ修斗のリングでもギロチンやアナコンダチョークを極め続けていた。代名詞のアナコンダチョーク再び――今大会の出場メンバーの中でもベテランとなった、竹内にアナコンダチョークとグラップリングについて訊く。


――竹内選手は2011年に修斗でプロデビューする以前から、修斗グラップリングなどの大会でアナコンダチョークを武器に活躍されていました。そして今年3月のFinish10で白木アマゾン大輔選手をアナコンダチョークで破った際、当時の記憶が蘇りました。

「アハハハ、ありがとうございます。アナコンダチョークは修斗時代から使っていて、もう10年以上になりますね」

――竹内選手がプロMMAを戦っていたのは、2011年2月のデビュー戦から2012年1月のTheギロチン戦までの1年間でした。それだけ短かったのは何か理由があったのですか。

「仕事をしながらプロのリングで戦っていて、この状態はキツいなという気持ちがありました。それでグラップリングなら気軽に出られるかなと思い、グラップリングをメインにしたという感じですね」

――もともとMMAをやりたくてグラップリングに移行したのか、それともグラップリングをやっていてMMAを始めたのか。どちらのパターンだったのでしょうか。

「最初はMMAをやりたくてパラエストラ東京に入りました。そこでたまに柔術をやったりとか、ジムとしてグラップリングの練習が多かったので、自然と僕もグラップリングをやり始めました」

――そのなかで「仕事をしながらプロのリングで戦うのはキツい」と感じ始めたのは、何時頃だったのですか。

「最後のほうは結構ショートノーティスで試合をしていて。そこまで練習ができていない状態で試合して、Theギロチン戦で負けて――自分の中で『もういいかな』という気持ちになりました。でも、別にMMAを引退したわけじゃないんですよ(苦笑)」

――えっ!? それは失礼いたしました。いつかどこかで、またMMAを戦おうという気持ちをお持ちなのですね。

「そうなんです。今は単にMMAの試合に出ていないだけという状態で。MMAを引退したとは言ったことはないですね。またチャンスがあれば出たいと思っています」

――今回のLevel-Gはサブオンリー・グラップリングですが、そうなるとコンバット柔術にも興味がわきませんか。

「はい。オファーがあるなら、ぜひやってみたいですね」

――それは楽しみです。話を戻すと、竹内選手が修斗グラップリングなどでアナコンダチョークを使っていた頃、まだ日本にはそれほどアナコンダを得意とする選手は少なかったように思います。そのなかで、なぜ竹内選手は得意技としていったのでしょうか。

「うーん、なぜでしょうね……。いつの間にか、という感じです。誰かから習ったという記憶もないですし。たまたま練習で『これは使いやすいな』と思って、それが形になっていったのだと思います。

確かパラエストラ東京では上田将勝さんが、アナコンダチョークやネルソンなど首系の技が得意で。越智晴雄は今もギロチンで勝っていますよね。当時はその2人とよく練習していました」

――上田さんのアナコンダも懐かしいです。一方、柔術はやっていなかったのですか。

「柔術は今のカルペディエムに入ってからですね。やっぱり長く格闘技を続けるには、柔術が一番向いているじゃないですか。それと当時は青帯だったので、黒帯が欲しいと思いました。ちゃんと技術を学んで、黒帯を巻きたかったんです」

――なるほど。それだけ長くグラップリングを戦ってきた竹内選手の目には、現在のグラップリング界はどのように映っていますか。

「随分と変わりましたね。米国ではグラップリングの賞金マッチが行われたりしていて。当時はそういうイベントはなくて」

――グラップリングの世界的イベントは、ADCCのみだったと思います。また、世界的にもMMAファイターがグラップリングもやるというケースが多い時代でした。そのなかで竹内選手は、グラップリングでの目標は何だったのでしょうか。

「柔術は黒帯を取ること、グラップリングではADCCのアジア予選で優勝して、世界大会に出ることが目標でした」

――ではADCCのようにポイント制の大会以外に、今回のLevel-Gのようにサブオンリーの大会が増えてきたことについては、いかがですか。

「ケージ、ポイントなし、サブオンリーというルールは僕に合っていると思います。ADCCはマットでポイント制の大会ですが、グラップリングの種類もいろいろあるなかで、僕としては今回のルールで試合をしたいです。もともとそれほどポイントを得て勝つタイプではないですし、一本勝ちが評価されるルールは好きですね。もちろん他のルールも出ますけど」

――ご自身が修斗で試合をしていた頃にはなかったケージで戦う。そのケージに対する意識も強いですか。

「いや、ケージに対して特に強い想いがあるというわけではないんです。単にケージ、壁際の動きが染みついているといいますか。パラエストラ東京って広さ的に、練習していると自然と壁を背負ってしまうんですよね。今はロータスにも練習に行かせてもらっていますが、基本的に練習では壁際になることが多くて。それだけ壁ありで練習しているほうが多いので、試合でもケージがあったほうが良いです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】グラップリングマッチ歴+10年。竹内稔―01―「今は単にMMAの試合に出ていないだけ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o パンクラス 修斗 平田直樹 渡辺謙明 遠藤雄介

【Level-G02】パンクラス~Level G~パンクラス、平田直樹─01─「練習メニューはほとんど変わらない」

【写真】MMAとケージは、繋がっていても別モノ。そこでどこまで強さを見せるのかが、平田直樹にとってMMAでの強さを見せることになる(C)SHOJIRO KAMEIKE

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02では、8人制のライト級初代王者決定ワンデー・トーナメントが行われる。そこに平田直樹が出場し、1回戦で元修斗環太平洋王者の遠藤雄介と対戦することとなった。
Text by Shojro Kameike

平田は4月30日にパンクラスで渡辺謙明を下し、続いて今回のLevel-G出場と7月9日のパンクラス出場も決定している。わずか2カ月で3大会——トーナメントで決勝に進めば、計5試合も戦うことに。なかなかハードなスケジュールで、平田がグラップリング戦に臨む理由とは。


――4月30日にパンクラスで勝利し、7月にもMMAの試合を控えるなか、6月11日に8人制のグラップリングトーメントに臨みます。これだけタイトなスケジュールの中で、グラップリングの試合に出ようと思った理由から教えていただけますか。

「普段からグラップリングの練習はしっかりやっていて、70キロということで減量の心配もないので、出てみたいと思いました」

――正直なところ、打撃のあるMMAよりも怪我のリスクは低いかもしれませんが、出場メンバーを見ても足関節で負傷してしまう恐れもあります。MMAをメインに戦っている平田選手にとって、このスケジュールはリスクが高いのではないかと……。

「もちろん怪我のリスクはあります。でも最後にグラップリングの試合に出たのが2年前のクインテッドで、ずっとグラップリングの試合もやりたいと思っていました。それとコンスタントに試合をすることで、コンディションも整えすいですし、モチベーションも高く練習に臨むこともできます。特にグラップリングに対して、自分で考えながら練習することができました。そういう意味では、まだ始まっていないけど――大会に参加できて良かったと思います」

――クインテッド以降に米国での試合を経て、自身のグラップリング力がどれだけのものなのか確認したいという気持ちがあったのでしょうか。

「はい、それも理由の一つですね。少しずつではあるけどグラップリングが強くなっているという実感が、自分の中にはあります。一緒に練習している人たちからも『強くなっている』と言われていて。それが練習の中だけではなく、本当に試合でも通用するのか。実際に試合をしてみないと分からないこともありますから。僕としては、すごく試合が楽しみです」

――ではグラップリング大会の中でもLevel-Gを選択したのは、ケージグラップリングであることが理由の一つですか。

「いえ、それが……試合が決まった時はケージでやることを知らなかったんです(苦笑)」

――えっ……。

「数日前、高橋Submission君に『リングとケージ、どっちですか?』と聞いて『ケージです』と教えてもらいました。ケージでの試合だから面白そうです」

――周囲の方々も、その時点まで知らなかったのですか。

「そうですね。僕から『ケージでやるみたいです』と伝えても、『そうなんだね』ぐらいでした。ケージとリングで使う技術も変わってはきますが、やることは変わらないというか――今回はサブミッションを極めることがテーマなので。もちろんケージと知ってからは、ケージを使った技術から極めることを意識しています」

――なるほど。まず4月30日の渡辺戦では負傷もなく、今回のグラップリングに挑めるということですね。

「試合後は問題なかったですね。実は試合前に指を痛めていて」

――そうだったのですか!?

「練習でも強くミットを打たないようにしていました。試合ではそれほど打撃を出すこともなく、すぐに組んでフィニッシュできて。試合後は指の様子を見て、問題なかったので2日後には練習に復帰しました」

――……渡辺戦では相手の左ジャブを右手でパーリングしたり、さらに右クロスも出していました。その時点では問題なかったのですか。

「アドレナリンのおかげか、試合中に痛みはなかったです。ただ、心配なのでマウントを取ってもパウンドを出さずに、スムーズに肩固めを極めることができて良かったです。あの時点でLevel-Gに出ることも決まっていましたし、とにかくノーダメージで勝とうと考えていました」

――久しぶりの日本での試合、初めてとなるパンクラスという舞台で勝利したことについては、いかがでしたか。

「連敗中でしたし、勝ったことについては素直に嬉しかったです。日本での試合は2年ぶりで、応援してくれている人たちもいました。その人たちに向けて、フィニッシュして勝てたというのが一番大きいですね」

――連敗しており、久々の日本での試合でありながら怪我もしている。試合前に、いつもより緊張することはなかったのでしょうか。

「緊張感はありました。でもしっかり練習できていましたし、怪我をしていても試合になれば打つしかない。逆に指を負傷していたからこそ、丁寧に組んでフィニッシュしに行こうと考えることができたと思います。そこで自分の気持ちも中途半端だと、ポジション的にパウンドで行こうと考えたかもしれないし、指の負傷が悪化した可能性もありましたよね」

――平田選手としては今後、MMAとグラップリングを並行してやっていきたいのですか。

「両方やりたいです。割合としてはMMAのほうが多くはなりますけど、グラップリングも好きなので。両方やるとしても、練習メニューはほとんど変わらないですし。今も普段のMMAの練習スケジュールでやってきました。そのなかでグラップリング練習の際に、今回のトーナメントのことを考える割合は増えていました」

――つまり、MMAの一つの要素としてのグラップリングを向上させることが目的ということですね。だとすれば、1回戦で遠藤雄介選手のような元MMAファイターではなく、純グラップラーや柔術家と対戦したくはなかったですか。

「僕としては、誰と対戦したいとか希望はなかったです。出場が決まった時は他に誰が出るか知らず、出場者が発表されたら強い選手ばかりで。この中に僕がいて良いのかな、って思うぐらいです(笑)。だから気楽——というわけじゃないけど、強い選手ばかりの中で自分がどれだけやれるのか。今は試合が楽しみで、ワクワクしています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】パンクラス~Level G~パンクラス、平田直樹─01─「練習メニューはほとんど変わらない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
FINISH10 Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o 上久保周哉 世羅智茂 今成正和 八隅孝平 寒河江寿泰 峯岸零弥 森戸新士 金原正徳

【Level-G02】ライト級T初戦で峯岸零弥と対戦、寒河江寿泰─01─「強い人と対戦できるのが嬉しい」

【写真】体格差があっても、技術力で超えることを示すのもグラップリング発展の道(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02では、8人制のライト級初代王者決定ワンデー・トーナメントが開催される。1回戦第1試合では、寒河江寿泰が峯岸零弥と対戦することとなった。
Text by Shojro Kameike

柔術家として、グラップリングで活躍する寒河江。昨年11月のLevel-G旗揚げ大会で、世羅智茂に敗れた。続く今年3月のFinish10でも森戸新士に退けられている。どちらも自身より階級が上の選手との対戦となったが、今回のトーナメントもライト級——寒河江がグラップリングで上の階級の選手と戦う理由、そしてトーナメント戦について訊いた。


――寒河江選手は現在、柔術よりもプロのグラップリング大会出場がメインとなっています。それだけ選手としての軸はグラップリングに置いているということですか。

「そうですね。以前MMAPLANETさんに取材していただいた時は、『ギもノーギも、そんなに変わらない』と言いました。根は同じものですし、今もその考えは変わっていません。ただ、今はどちらが軸なのかといえば――柔術も指導をしていますが、選手としてはノーギを中心に動いています」

――ここ数年で日本でもプログラップリング大会が増えてきました。ケージのMMA興行でもグラップリングマッチが組まれることもあります。現在のようにグラップリング大会が増えている状況については、どのように考えていますか。

「私が柔術を始めた頃は、ここまでになるとは想像していなかったです。福島で柔術を始めて、その頃は隔日でMMAのクラスと柔術のクラスが行われていました。ノーギを練習するとなれば、柔術クラスの時にギを脱いで練習してもらうか、MMAクラスでグラップリングの時だけ加わるという感じで」

――特にアマチュアではなく、プロのグラップリング興行が増えるとは想像できていなかったのではないですか。

「はい。以前はグラップリングで大きなイベントがあるとすれば、ADCCの予選ぐらいでした。それもプロの大会ではないですしね。プロの興行が増えるということは、興味を持ってくれている人が増えているということで。そして試合を見てグラップリングをやってみたいと思う人が増えてくれる。それはすごく嬉しいです。

もともと私が指導をしていたトイカツ道場には、ノーギをやる人が多かったです。現在は今成柔術でも指導をしていて、ギとノーギを比べても同じぐらいの人数がクラスに参加しています。もちろんノーギだけをやる人もいるので、認知が上がっているように感じますね」

――ただ、ひと口にグラップリングといってもサブオンリーからポイント制まで様々なルールがあります。やはり寒河江選手にとっては、Level-Gのようなサブオンリーのほうが得意なのでしょうか。

「今はLevel-Gのルールに合わせて練習しています。でもその前は、やっぱり全局面で強くならないといけないと思って、レスリングやポジショニングを強化していました。トップからパスする、下からスイープする、あるいは抑え込むとか。ただ今回はサブオンリーなので、サブミッションを極めることに重きを置いています。今成正和さんや、ロータス世田谷の八隅孝平さんにも『調子が良くなっている』と言ってもらえています」

――そんななかで出場することになったLevel-Gのライト級トーナメントですが、契約体重は前日計量で70キロです。寒河江選手にとっては体重差が大きくないですか。

「頑張って増やしても69キロで、練習や指導が終わると68キロまで落ちることもありますからね。出場選手の中で通常体重は一番小さいと思います」

――Finish10の森戸新士戦もライト級契約でした。プロの試合に出る際は体重差や階級差は考慮しないのでしょうか。

「もちろん自分の適性階級で試合をしたいという気持ちはあります。でも強い人と対戦できるのが嬉しいんですよ。強い人に勝ちたいっていう気持ちのほうが大きくて。たとえ階級が上でも、強い相手とのオファーが来たら『試合したい!』という気持ちになっちゃいますよね。そんな相手と戦えるチャンスを逃すのは、もったいない。だからオファーが来れば受けるようにしています」

――では森戸戦の内容については、どのように考えていますか。

「あの時はレスリングを強化していて、序盤は練習していたことが出せたと思います。でも、だんだんと自分が削れて動けなくなってきて。一番は森戸選手のパスが巧かったです。圧をかけられパスされてしまい、最後は横三角を極められてしまいました」

――寒河江選手にとって、同じグラップリングでもマットとケージの違いは影響するのでしょうか。

「もちろんマットとケージでは試合内容も変わってきますが、私の場合は金原正徳さんと壁レスの練習をしたり、ロータス世田谷では上久保周哉選手にケージに押し付けられたりしているので(笑)」

――ケージレスリングの練習相手としては強い存在ですね。

「ケージグラップリングであっても、私のほうから相手をケージに押し込んでどうこうとは考えていないです。同時に私がケージに押し付けられても、ヤバい展開になることはないと思っています。私自身、ケージの試合も初めてではないですし。そこは相手の出方次第ですね。ケージとはいえ、そんなに狭いわけじゃないですから。自分が追い詰められれば下がることはできないけど、相手が下がってくれていれば自分も下がる距離はありますし。私はマットと比べてケージがどう、とは考えていないです」

――なるほど。1回戦の峯岸選手は柔術家です。ケージグラップリング+サブオンリーの試合で、どのような展開になるか楽しみですね。

「峯岸さんがケージを使って何かしてくるとは考えにくいです。ただ周りに金網が張られているだけで、やっていることは柔術と変わらないという展開になるかもしれないですね。峯岸さんは柔術が強い。柔術が強いというのは腕十字や三角、パスやガードが強いアグレッシブな選手です。僕としては相手のクローズドガードに入らない、跳びつかれてもサブミッションを取られないように戦いたいです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】ライト級T初戦で峯岸零弥と対戦、寒河江寿泰─01─「強い人と対戦できるのが嬉しい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
FINISH10 Level-G Level-G02 MMA MMAPLANET o 上久保周哉 世羅智茂 今成正和 八隅孝平 寒河江寿泰 峯岸零弥 森戸新士 金原正徳

【Level-G02】ライト級T初戦で峯岸零弥と対戦、寒河江寿泰─01─「強い人と対戦できるのが嬉しい」

【写真】体格差があっても、技術力で超えることを示すのもグラップリング発展の道(C)MMAPLANET

11日(日)、東京都新宿区のGENスポーツアカデミーで開催されるLevel-G02では、8人制のライト級初代王者決定ワンデー・トーナメントが開催される。1回戦第1試合では、寒河江寿泰が峯岸零弥と対戦することとなった。
Text by Shojro Kameike

柔術家として、グラップリングで活躍する寒河江。昨年11月のLevel-G旗揚げ大会で、世羅智茂に敗れた。続く今年3月のFinish10でも森戸新士に退けられている。どちらも自身より階級が上の選手との対戦となったが、今回のトーナメントもライト級——寒河江がグラップリングで上の階級の選手と戦う理由、そしてトーナメント戦について訊いた。


――寒河江選手は現在、柔術よりもプロのグラップリング大会出場がメインとなっています。それだけ選手としての軸はグラップリングに置いているということですか。

「そうですね。以前MMAPLANETさんに取材していただいた時は、『ギもノーギも、そんなに変わらない』と言いました。根は同じものですし、今もその考えは変わっていません。ただ、今はどちらが軸なのかといえば――柔術も指導をしていますが、選手としてはノーギを中心に動いています」

――ここ数年で日本でもプログラップリング大会が増えてきました。ケージのMMA興行でもグラップリングマッチが組まれることもあります。現在のようにグラップリング大会が増えている状況については、どのように考えていますか。

「私が柔術を始めた頃は、ここまでになるとは想像していなかったです。福島で柔術を始めて、その頃は隔日でMMAのクラスと柔術のクラスが行われていました。ノーギを練習するとなれば、柔術クラスの時にギを脱いで練習してもらうか、MMAクラスでグラップリングの時だけ加わるという感じで」

――特にアマチュアではなく、プロのグラップリング興行が増えるとは想像できていなかったのではないですか。

「はい。以前はグラップリングで大きなイベントがあるとすれば、ADCCの予選ぐらいでした。それもプロの大会ではないですしね。プロの興行が増えるということは、興味を持ってくれている人が増えているということで。そして試合を見てグラップリングをやってみたいと思う人が増えてくれる。それはすごく嬉しいです。

もともと私が指導をしていたトイカツ道場には、ノーギをやる人が多かったです。現在は今成柔術でも指導をしていて、ギとノーギを比べても同じぐらいの人数がクラスに参加しています。もちろんノーギだけをやる人もいるので、認知が上がっているように感じますね」

――ただ、ひと口にグラップリングといってもサブオンリーからポイント制まで様々なルールがあります。やはり寒河江選手にとっては、Level-Gのようなサブオンリーのほうが得意なのでしょうか。

「今はLevel-Gのルールに合わせて練習しています。でもその前は、やっぱり全局面で強くならないといけないと思って、レスリングやポジショニングを強化していました。トップからパスする、下からスイープする、あるいは抑え込むとか。ただ今回はサブオンリーなので、サブミッションを極めることに重きを置いています。今成正和さんや、ロータス世田谷の八隅孝平さんにも『調子が良くなっている』と言ってもらえています」

――そんななかで出場することになったLevel-Gのライト級トーナメントですが、契約体重は前日計量で70キロです。寒河江選手にとっては体重差が大きくないですか。

「頑張って増やしても69キロで、練習や指導が終わると68キロまで落ちることもありますからね。出場選手の中で通常体重は一番小さいと思います」

――Finish10の森戸新士戦もライト級契約でした。プロの試合に出る際は体重差や階級差は考慮しないのでしょうか。

「もちろん自分の適性階級で試合をしたいという気持ちはあります。でも強い人と対戦できるのが嬉しいんですよ。強い人に勝ちたいっていう気持ちのほうが大きくて。たとえ階級が上でも、強い相手とのオファーが来たら『試合したい!』という気持ちになっちゃいますよね。そんな相手と戦えるチャンスを逃すのは、もったいない。だからオファーが来れば受けるようにしています」

――では森戸戦の内容については、どのように考えていますか。

「あの時はレスリングを強化していて、序盤は練習していたことが出せたと思います。でも、だんだんと自分が削れて動けなくなってきて。一番は森戸選手のパスが巧かったです。圧をかけられパスされてしまい、最後は横三角を極められてしまいました」

――寒河江選手にとって、同じグラップリングでもマットとケージの違いは影響するのでしょうか。

「もちろんマットとケージでは試合内容も変わってきますが、私の場合は金原正徳さんと壁レスの練習をしたり、ロータス世田谷では上久保周哉選手にケージに押し付けられたりしているので(笑)」

――ケージレスリングの練習相手としては強い存在ですね。

「ケージグラップリングであっても、私のほうから相手をケージに押し込んでどうこうとは考えていないです。同時に私がケージに押し付けられても、ヤバい展開になることはないと思っています。私自身、ケージの試合も初めてではないですし。そこは相手の出方次第ですね。ケージとはいえ、そんなに狭いわけじゃないですから。自分が追い詰められれば下がることはできないけど、相手が下がってくれていれば自分も下がる距離はありますし。私はマットと比べてケージがどう、とは考えていないです」

――なるほど。1回戦の峯岸選手は柔術家です。ケージグラップリング+サブオンリーの試合で、どのような展開になるか楽しみですね。

「峯岸さんがケージを使って何かしてくるとは考えにくいです。ただ周りに金網が張られているだけで、やっていることは柔術と変わらないという展開になるかもしれないですね。峯岸さんは柔術が強い。柔術が強いというのは腕十字や三角、パスやガードが強いアグレッシブな選手です。僕としては相手のクローズドガードに入らない、跳びつかれてもサブミッションを取られないように戦いたいです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月11日(日)
午後2時55分~ Twit Casting LIVE

The post 【Level-G02】ライト級T初戦で峯岸零弥と対戦、寒河江寿泰─01─「強い人と対戦できるのが嬉しい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
Level-G MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase335 RYO パンクラス 中田大貴 住村竜市朗 名田英平 平田直樹 田中路教 笹晋久 草MAX 須藤拓真 高木凌

【Pancrase335/336】7月昼夜興行、攻めるパンクラス。田中路教、平田直樹、住村竜市朗出場

【写真】それぞれの決意の下、楽しみなファイターの出場発表が続く (C)MMAPLANET

7月9日(土)に東京都港区のニューピアホールで開催されるPancrase335及び336で組まれたカードの発表が続いており、ここでは現状を纏めておきたい。

まず9日に出場選手として早々にその名がリリースされたのが田中路教。田中は4月30日の立川大会の限定出場という形のパンクラス参戦だったが、米国のビザの更新を待つ間も、戦いたいという意思とパンクラスのオファーが合致し、継続参戦となった。前回はパンクラス初陣の笹晋久を完封した田中だが、この特別出場感のある参戦でパンクラス側がどのような相手を用意するのか気になるところだ。

そして最新カードとしては立川大会でプレリミ出場だった平田直樹が18(木)未明にあり、対戦相手は2022年ネオブラ優勝で、現在フェザー級ランク2位の糸川義人に決まった。


6月11日には須藤拓真らと共にLevel-Gのライト級8人トーナメントを戦うことが決まっている平田が、足踏みを踏んだ分エンジン全開でグラップリングとMMAに挑む2023年初夏となる。

また昨日17日(水)には住村竜市朗の参戦もいよいよ公となった。昨年来、パンクラスを最後の場として現役生活を送ることを内々には話していた住村は、最短距離でベルトを獲る位置――を得るために、草MAXと相対する。

この他、中田大貴×高木凌、名田英平×Ryoのフェザー級マッチなどが7試合が確定している2部興行、他の対戦カードとともに振り分けも気になるところだ。

The post 【Pancrase335/336】7月昼夜興行、攻めるパンクラス。田中路教、平田直樹、住村竜市朗出場 first appeared on MMAPLANET.