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【RIZIN TRIGGER03】計量終了 メインでグスタボと再戦、矢地祐介「雑にならないことを一番に考えて」

【写真】「海外勢と戦ってしっかりと勝ち切る。そしてベルトに絡んでいきたい」という矢地。インタビュー後の雑談のなかで、ヤッチくんチャンネルの達人シリーズで摔跤との交流に興味を持っていた(C)MMAPLANET

明日16日(土)に東京都調布市にある武蔵野の森総合スポーツプラザ・メインアリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03のメインイベントで矢地祐介がルイス・グスタボと戦う。

本日15日(金)には目黒区のウェスティンホテル東京で行われた計量ではグスタボが70.75キロ、矢地が70.95キロでクリアしている。

3年8カ月前にKO負けを喫した相手にリベンジの時──。矢地は古巣を離れ、組み技と打撃を基本から取り組みなおし、MMAを創り上げてきた。ロータス世田谷の八隅孝平代表、旧友・宮川峻との再会が矢地を深みのあるMMAファイターとして育成中にあるなかで、競技としてMMAの戦いを吸収することが楽しいと矢地は言い切る。

強烈な打撃のプレッシャーを持つグスタボ戦に関しても「俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです」と楽しむ姿勢を持ち続けていた。


──MMAPLANETでの矢地選手のインタビューは6年振りになります(※取材は4月6日に行われた)。

「えぇ、マジですか!!」

──パンクラスのクレベル・コイケ戦前、以来になります。

「ヤバい、久しぶりッスね(笑)」

──試合レポートは2019年12月のBellator日本大会の上迫博仁戦以来になるかと思います。ただ矢地選手に関しては勝ち負けがあっても、RIZINでのびのびと戦っている。良い戦場ができたと思って眺めさせていただいていました。

「あぁ、ありがとうございます」

──ある意味、PXCでアレックス・ヴォルカノフスキーと戦い、世界を知った。そして違う目標を持ってMMAを戦っている。その矢地選手が、ロータス世田谷で練習をするようになり、なんというのか雰囲気がまた違って来たのではないかと。

「今もRIZINに出て試合自体を楽しんでいます。ただ、もっとMMAを競技として捉えるようになりました。八隅さんに指導してもらうようになってから」

──そもそも、なぜ八隅さんに教えを請うようになったのでしょうか。

「それはKRAZYBEEを離れた後、同じメンバーで集まって練習したいねということになり、場所がなくてどこかを間借りしてやろうということになって。いくつか候補があったなかで、ロータスは寝技の練習に参加させてもらったことがあって、八隅さんは面識もあったから使わせてもらおうと。だから場所を借りるということで、ロータス世田谷を使用させてもらっていたんです」

──あくまでも自主練習をしていたと。

「ハイ。あとKRAZYBEEを抜けたメンバーと、出稽古に来ていた選手で練習していて……どのタイミングだったか……借りるようになってすぐ、去年の始めだったと思います。八隅さんが『ちょっと練習見ていて良い?』って言う感じで僕らの練習を最初から最後まで見てくれたんです。で、僕らは練習が終わると円になってその日の練習の感想を話すようにしていたんです。

その日も一通り参加選手が意見を出し終わった時に、八隅さんが『ちょっと俺からも一言良い?』と」

──へぇ、珍しい印象です。必要とされると応えてくれる八隅さんですが、自らそういう風に言い出すというのは。

「もう、見ていられなかったのかもしれないです。『こんなの練習じゃないよ。ただの筋トレだよ』っていうところから全体練習のダメだしがあり、それから個々のダメだしがあって。俺の場合は『矢地君、何がしたいの。どうやって勝ちたいの? 何がしたいのか全く分からない』ってハッキリ言われました。そんな風に1人ずつダメなところを指摘してくれたんです」

──いやぁ、ますます意外です。

「そのダメだしが、もう図星だったんです。そこで皆がハッとさせられてしまって」

──腹は立たなかったですか。

「腹は立ちました。腹は立ったし、悔しかったです。帰り道で、ちょっと涙ぐんじゃったぐらいで」

──えぇ、本当ですか!!!

「それぐらい今までやってきたことをほぼ完全否定されました。そりゃあ悔しかったです。でも、何か気付かされることもあって。皆が僕と同じような想いでいて。その日の夜か、次の日ぐらいに自然発生的に『八隅さんに練習みてもらおう』となったんです」

──いやぁ、素晴らしい話ではないですか。

「まさに──『ですよね』ってことを言われて、皆に刺さっちゃって」

──なんどか参加選手の取材でロータスでの練習を見させてもらっていて、矢地選手が率先して八隅さんに意見を求めて練習している印象が強かったです。

「八隅さんはどのような状態でも、質問すると答えがあります。手札を持っているんです。そこで教えてもらって、また試して。それがうまく行く。その繰り返しで技術が身についていくのが面白くて。だから毎回『この時は?』、『この場合はどうすれば良いですか』って尋ねてしまうんです。

今は格闘技を始めた頃のように凄く楽しいです。どんどん戦闘アイテムをゲットしていく感覚で。能力が上がって、デキなかったことがデキるようになる感覚にハマっています」

──矢地選手はセンスのファイターで、自己流でも打撃は相当な風に見えました。ただし、自分のペースを失うと崩れる。また組み技は天性のモノで補えない。指導者がいないという欠点が、試合に表れていた。そこに八隅さんが表れたということですね。

「だから今と以前ではMMAの楽しさが違います。昔は生物としての強さというか、筋トレをガンガンやって、スパーリングで場数を踏む。それで良いと思っていました。でも試合では自分がうまくいかなかった時に……まぁ何もない。でも今は局面、局面で技術を出せる。ウェイトも一切やらなくなりました。その時間があるなら、技術を身につけたい。もう体はデキているから、技術を増やしたい。そこがモノを言うなって。これまでのことが無駄だとは思っていないですけど、今はMMAをそういう風に捉えています」

──ロータス以外に練習はどこで?

「打撃をリバーサルジム東京スタンドアウトで、トレーナーと週に2回、多い時は3回パーソナルでやっています。MMAの打撃ですね。マスとかはやりますけど、スパーリングはロータスの火曜と木曜日だけです。それと水曜日に青木さんとIGLOOのMMAグラップリングの練習をしている感じです」

──打撃はどなたと練習しているのですか。

「宮川峻と言って、高校時代の同級生なんですよ。佐藤天と俺と宮川──宮川もスタンドアウトの所属で修斗とTTFC、パンクラスで試合をしていたんです。でも全然結果が出なくて、ちょっと体のこともあって選手を続けることができなくなって。それでスタンドアウトでトレーナーになったんです。

で、フリーになったから友達だし打撃の練習がしたくて連絡をして。それも去年の初めからですね。取りあえずミットを持ってもらうことにしたら、宮川の指導が良くて(笑)。自分ができなくなったけど、MMAが大好きだから凄く色々と考えていて」

──なんだか、今日は良い話が聞かれますね。

「アハハハ。ただの同級生でなくて、仲が良かった。アイツも俺の試合を見て、色々と思うところはあったみたいで。でもジムも違うから、口出しはしていなかった。それがミットを持ってもらう関係になったから、親身になって色々と教えてくれて。『そもそも基礎、基本がなっていない』って(笑)」

──そこもダメだしがあったのですね。

「そうなんですよ(笑)。構え、ジャブの打ち方、足の使い方、全部です」

──自分はセンスがあると思っていたのですが、そのようなアドバイスがあったことを知ると、それまでの試合でよくパンチが相手に当たっていたなとなりますね(笑)。

「ホント、そうなんですよ。宮川は練習の映像を撮ってくれているんですけど、初回のミットとかシャドーとか今見ると、震えるぐらい下手くそで。本当にポテンシャルだけで戦っていたんだと思い知らされました。

だから宮川との打撃練習も凄く自分に合っていますし、八隅さんの組み技の練習と同じで、感覚ではなくて状況を理解して、必要な動きをするようになりました。

一つ一つの場面で、すべきことを決めて。その動きができるように練習しています。もちろん、すぐに何でもできるようにはならないですけど、デキることを増やしている状態ですね。それでも打撃も向上しているって感じています。で、試合が決まればどういう風に戦っていくのかを練って、そこを繰り返すような感じで」

──八隅さんと宮川さんの指導を受けて川名雄生戦、そして武田光司戦は手応えがありましたか。

「やってきたことは、それなりに出せていますから手応えを感じることはできました。2人の言っていることを守って練習していれば大丈夫だと。全てが良いタイミングだったと思います。ほら、いつだったかIGLOOで会った時に『道路案内で大原って書いているのを見ると、胸が痛くならないか』って冗談で言われたじゃないですか」

──あぁ、ありました(苦笑)。酷い言いぐさで、田村一聖選手からアイコンタクトで止めてくれと……。

「あれ、本当に厳しい時で。俺は負けないと学習できないタイプで、負けて色々と学んできたけど、大原(樹理)戦の負けで、本当にお先真っ暗になっていて」

──そんなときに……失礼なことを言ってしまって……。

「いえ良いんですよ。あのとき、逆にスプリットで勝っていたら八隅さんや宮川と練習していなかったかもしれないので。でも今でもIGLOOに行くときとか、ロータスに行くときでも『大原』っていう字が道路案内にあるんですよ。

その度に思い出します。それぐらい悔しい負けで。いつか清算しないといけない相手です。ただし、あの負けがあったから他のトレーナーに教えを請いに行くという決断ができたと思っています」

──そんな矢地選手のロータスでの練習を見ていると、ケージでの試合が見たくなっていました。だから個人的には願ったり適ったりのTRIGGER出場なのですが、RIZIN本戦はリングでTRIGGERは一つ下の舞台という位置づけです。そのTRIGGERで戦うことをどのように捉えていますか。

「ケージの方が練習とギャップがないので、全く心配はないです。ただ翌日にナンバーシリーズがあって、TRIGGERって聞かされた時は『マジで?』と思いました。でも自分の立場も状況も分かっています。RIZINに今、何が必要かも長い間主戦場にしてきたから理解しているつもりです。そのうえでTRIGGERでもメインで、念願だった相手と戦うことができる。なら構わない──かなと」

──今回のTRIGGERはカードが充実しています。

「そこも納得している理由の一つです。それにケージだし、最初に感じたことは一切ないです」

──3年8カ月前、6連勝と調子が良かった矢地選手にストップをかけたグスタボとの再戦です。あの敗北から厳しい状況がスタートした因縁の相手でもあります。

「まぁ、あの時に調子が良かったというのも、いつかボロが出る戦い方で。マインドもそうだし、技術的にもそのレベルでしかなかったです。組み技、寝技、打撃、全てがもう一度繰り返すことができない……感覚でやっていましたから。それである程度のところまで何とかなっていた。だから、連敗とか厳しい期間があって今がある。それで良かったんだと思っています」

──だからこそ勝負です。個人的に大晦日のサトシ選手との試合の負けは、もうしょうがない。あそこは矢地選手のこの間の練習の成果を確認する俎上に挙がらないと考えています。試合が決定した成り立ちを考えると。

「俺もそう思っています。もちろん、勝てるチャンスがあると思って受けた試合で。試合を受けたんだから、何も言い訳はできないですけど飛び級過ぎて。もっともっと順序立てて対戦したかったです。

それで今回、グスタボと戦える。あの頃の俺は何もできていなかった。今から映像を見返すと『いつまで、そういうことをしているの?』、『何がしたいの?』としか思わないでしょうね。相手のことを見ていないし、見えないし」

──思い切り振っているけど、怖がっているようにも見えました。

「ビビりもありました。何よりプレッシャーをかけてくる相手の対処方法を全く知らなかった。何も考えないで戦っていましたからね」

──個人的にグスタボが粗いまま。変に上手くなっておらず、あのままで戦って欲しいという気持ちも実はあります。

「俺がどう変わったか、一番分かりますよね。でもMMAで来てくれた方が、俺は戦いやすいです。粗いといってもあの攻撃力、突進力は威力があるので。今だったら、それを逆手にとって有利に戦う自信もありますけど……試合で、あの突進力は嫌でしょうがないですからね」

──そういう意味では宮川さんと身につけつつある打撃、八隅さんとやってきた組みがあれば、そこにテイクダウンという展開も前回のように蹴られながら足を掴むのではない形で見られるのではないかと。矢地選手自身はどのような試合をしたいと考えていますか。

「もちろん、今までやってきたことを全部見せたいという気持ちもあるんですけど、雑にならないこと。そこを一番に考えています。あんまり言いたくないけど、プランはあります。テーマはMMAで勝つということです。あれだけ粗い相手に冷静に立ち回ることができるのか──そこは試合にならないと分からないので。

俺が何も変わっていないのか。あるいは冷静に戦えるのか、そこは自分でも楽しみです。その楽しみ、期待感は大きいです。今やっていることをしっかりと出せば、勝てると思っているので。2年間、試合をしていないからグスタボがどうなっているのか分からないですけど、そこに関して俺も強くなっている自信はあるので」

■視聴方法(予定)
4月16日(土)
午後2時~Exciting RIZIN
午後2時~LINE LIVE-VIEWING
午後2時~Fnstream/StreamPass
午後2時~スカパー!
午後2時~U-NEXT
午後2時~Streaming+
午後2時~SPOOX
午後2時~dTV

■ RIZIN TRIGGER03計量結果

<ライト級/5分3R>
ルイス・グスタボ:70.75キロ
矢地祐介:70.95キロ

<無差別級/5分3R>
関根シュレック秀樹:115.05キロ
貴賢神:133.45キロ

<フェザー級/5分3R>
金原正徳:65.8キロ
摩嶋一整:65.9キロ

<フライ級/5分3R>
征矢貴:57.0キロ
中務修良:56.4キロ

<バンタム級/3分3R>
渡部修斗:60.95キロ
須藤拓真:60.9キロ

<ライト級/5分3R>
雑賀ヤン坊達也:70.9キロ
江藤公洋:70.75キロ

<ライト級(※72キロ契約)/5分3R>
グラント・ボグダノフ:71.95キロ
泉武志:72.0キロ

<キック63.5キロ契約/3分3R>
大谷翔司:63.5キロ
力也:63.4キロ

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『RIZIN TRIGGER 3rd』公開計量動画




 『RIZIN TRIGGER 3rd』公開計量動画です。

第9試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg契約)
ルイス・グスタボ(70.75kg) vs. 矢地祐介(70.95kg)

第8試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg契約)
金太郎 vs. 倉本一真(金太郎のぎっくり腰により中止)

第7試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(無差別級kg契約)
関根“シュレック”秀樹(115.05kg)vs. 貴賢神(133.45kg)

第6試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg契約)
金原正徳(65.80kg) vs. 摩嶋一整(65.90kg)

第5試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(57.0kg契約)
征矢貴(57.00kg)vs. 中務修良(56.40kg)

第4試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg契約)
渡部修斗(60.95kg)vs. 須藤拓真(60.90kg)

第3試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg契約)
雑賀“ヤン坊”達也(70.90kg) vs. 江藤公洋(70.75kg)

第2試合 RIZIN MMAルール:5分 3R(72.0kg契約)
グラント・ボグダノフ(71.95kg)vs. 泉武志(72.00kg)

第1試合 RIZIN キックボクシングルール:3分 3R(63.5kg契約)
大谷翔司(63.50kg)vs. 力也(63.40kg)
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【RIZIN_TRIGGER3】摩嶋一整と対戦する金原正徳「ドロドロの15分間のMMAの試合をやっていくつもりで仕上げて来ました」

スクリーンショット (3788)

222: 実況厳禁@名無しの格闘家 2022/04/14(木) 08:47:05.48 ID:We9Q0ph2a
金原のインタビューからは対マシマに対しての警戒感とか緊張感が無いんだよな。
世間のマシマ評を笑ってる感じ。
 2022年4月16日(土)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ『SPASHAN presents RIZIN TRIGGER 3rd』に出場する、全選手の個別インタビューが14日(木)都内にて行われた。

第6試合のフェザー級(66kg)5分3Rで摩嶋一整(毛利道場)と対戦する金原正徳(リバーサルジム立川ALPHA)がインタビューに答えた。(全文は以下リンク先参照)

https://news.yahoo.co.jp/articles/6eb3730f6fe84b93cd16aaabbb2a41cab047c9b5


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【RIZIN TRIGGER03】日本随一のケージの使い手、金原正徳戦へ。摩嶋一整「森戸さんと週1で柔術を」

【写真】金原戦、摩嶋に問われるのはケージレスリングの攻撃力以上に防御力だ(C)SHOJIRO KANEHARA

16日(土)に東京都調布市の武蔵野の森アリーナにて開催されるRIZIN TRIGGER03で、摩嶋一整が金原正徳と対戦する。

摩嶋といえば2014年8月からMMAで12連勝を収め、そのうち判定勝利は1試合のみというレコードを持つファイターだ。そのなかには、クンルン・ファイト豪州大会やレベルFCといった海外での勝ち星も含まれている。

しかし2020年からRIZINに参戦したものの、斎藤裕とクレベル・コイケを相手に2連敗を喫していた。その摩嶋は今では所属する毛利道場だけでなく森戸新士がヘッドインストラクターを務めるレオス柔術アカデミーで出稽古を行うようになったという。3年振りのケージでの試合となる金原戦に向け、摩嶋に話を訊いた。


――摩嶋選手は今もずっと、山口県内のみで練習しているそうですね。

「はい、ずっと山口県内だけですね。仕事もあるので。昼は工場のプラントの中で、配管やタンクのメンテナンスをやっています」

――平日であれば、どのようなスケジュールで1日を過ごしているのですか。

「仕事が朝8時から、定時であれば17時には終わります。ジムの練習は20時から22時ぐらいまでですね。その間に子供の世話があって」

――今、お子さんのお話を出した瞬間、幸せそうな表情になりました。

「アハハハ、そうですか。3歳の娘と0歳の息子がいるんですが、朝は起きて自分の支度をしてから、子供を起こして支度させて。保育園に連れて行ってから、自分の仕事に向かうんです。仕事が終わってからは、子供をお風呂に入れてから練習に行って……毎日が楽しいです。子供をお風呂に入れたあと、そのまま一緒に寝てしまいたいなぁと思うこともありますけど(苦笑)」

――ご結婚されたのは、いつ頃なのでしょうか。

「25歳の時なので、5年ぐらい前ですね。娘は田村一聖選手と対戦(2019年5月、肩固めで一本勝ち)する前ぐらいに生まれました」

――結婚前と、結婚してからお子さんが生まれた後では、ファイターとしての気持ちに何か変化はありましたか。

「気持ちは、今のほうが充実しています。今の生活のほうが賑やかで楽しいですし。でも身体的にはキツくなっていますね」

――毎日そのようなサイクルで生活していると、疲労もたまり続けるのではないかと思います。そこで、どう折り合いをつけているのか……。

「もともと練習する回数は、プロ選手の中でも少ないと思うんですよ。だから、もう自分が頑張るしかないですよね。他の選手が、どれだけ練習しているか分からないですけど、僕は多くても週4回ぐらいしかジムに行くことができないので」

――週4回……ずっと、そのスケジュールは変わらないのでしょうか。

「変わらないですね。ただ、今は岩国の森戸さんのところで、週1回ぐらい柔術を習っています」

――森戸新士選手のレオス柔術アカデミーですか。

「はい。僕はクレベル戦まで、柔術の黒帯選手と練習したことが、ほとんどなかったんです。柔術は週1回、ジムの柔術クラスに参加するぐらいで、そこまでガッチリと柔術を教わったこともなくて。でも同じ山口県内に、同じ年代で日本一の柔術家がいるのに練習しないのは勿体ないと思って、森戸さんと練習させてもらうようになりました」

――クレベル・コイケ戦が昨年3月に行われているので、それ以降ということですね。

「クレベル戦の前から、ちょくちょくレオスには行っていたんですよ。でも最近は毎週土曜日、仕事がなければ必ず行っています。おかげで全然違いますね」

――どのようなところが一番違いますか。

「僕はずっと柔道をやっていたんですけど、柔術はずっと寝技で、腕もパンパンになるし、練習では一番疲れるなと思いました。アハハハ、それぐらい凄かったです。柔道もやっていたから、正直ソコソコやれるだろうと思っていたんですよ。でも、やっぱり柔術の黒帯が相手となると……技とか全然知らなくて。森戸さんと練習し始めて、こんな状態ではクレベルに負けるよな、って思いました(苦笑)」

――ちなみに、LEOSへの移動時間は……。

「車で1時間ぐらいですね」

――以前のインタビューで、パラエストラ広島の神田T-800周一選手も、車で1時間かけてLEOSへ行っていると仰っていました。

「そもそも森戸さん自身が、住んでいるところから1時間かけて岩国へ来ているので、皆がそんな感じですね」

――なるほど。LEOSでは、どのような練習メンバーが集まっているのでしょうか。

「森戸さんとジムの会員さん――岩国にいる米兵の方たちが中心です。あとは出稽古で、黒帯の柔術家やプロMMA選手が来ています。おかげでグラップリングや柔術の面は充実しています」

――これも以前、LEOSでも練習している藤井章太選手にお聞きしたのですが、米兵の会員さんの中にはレスリングの州王者もいるとか……。

「みんな力はヤバいです。なかにはテクニックのある選手もいるし、荒っぽい選手もいます。まずデカい人たちばかりで……みんな、90~100キロぐらいあるんじゃないですか? 100キロを超えている選手もいますよ。LEOSの会員はほとんど外国人の方で。それも米軍基地がある岩国市ならではですよね。そういう人たちとグラップリングをやっていると、学ぶこともたくさんあって楽しいです」

――レオス柔術アカデミーでは、道着の練習が中心なのですか。それとも道着のないグラップリングを行っているのでしょうか。

「両方やりますね」

――それは競技としてのブラジリアン柔術ではなく、MMAを意識した組み技の練習なのでしょうか。

「MMAのための練習もやっています。森戸さんはケージのグラップリングにも出たじゃないですか(今年1月、GLADIATORで行われたプログレス提供試合で、濱村健に三角絞めで一本勝ち)。ジムでも壁レスをやっていますし、メチャクチャ強いです。そのままMMAをやれるんじゃないかっていうぐらいで(笑)。

もともと毛利道場でも壁レスやケージレスリングの練習もやっていました。でも、森戸さんレベルの選手と組む機会はなかったので。今はレオスで森戸さんと、ケージレスリングをガンガンやっています」

――金原戦は2019年5月の田村一聖戦以来、3年ぶりとなるケージでの試合です。

「僕はケージのほうが好きですね。感覚的にもやりやすいし、技術的にもリングだとロープから出ないように――という意識が入っちゃいますよね。それだと押し込む技術が使えずに、やりにくさが出てきますから」

――摩嶋選手は、これまでケージでの試合経験も多いですからね。

「最初はVTJのジャックナイフ・ツネオ戦(2014年6月、判定負け)ですね。その頃からケージを意識してやってきました」

――それだけケージを意識したキャリアを積んできている場合、試合舞台がリングになると、どのように感じるのでしょうか。

「最初は、そんなの関係ないと思っていたんですよ。でもやってみると違います。テイクダウンする時もロープに引っかかると面倒だし、組んでもロープ際から中央へ戻される時には間が出来てしまうので。そういう間が空くと面倒くさいですよね」

――そこで今回、3年ぶりにケージで戦えるというのは……。

「久々なので嬉しいですね。しかも相手が、有名な金原選手です。2連敗していても強豪選手を当ててもらえるのは、まだ僕にも期待を持ってくれているのだと思います。僕もそういう有名選手とは試合でしか会えないから、常にそういう選手と戦って、刺激をもらいたいです」

――金原選手の印象を教えてください。

「金原選手は、打撃でKOすることもできるし、寝技で極めることもできる。今、39歳ですよね? それで前回は芦田選手をKOしていて、強いなぁと思っています。凄い選手です。

僕もRIZINに出始めてからは、もしかしたら金原選手と対戦することもあるのかな、と思っていました。でも、もともとは単に格闘技を見ていただけの人間なので……自分がテレビで見ていた選手と対戦することになったら、オォッと思いますよね。地方にいると、そういう有名選手を見ることがないので。僕、東京の会場で知っている選手を見るだけで興奮しますから(笑)」

――試合を9日後に控えていますが(※取材は4月7日に行われた)、かなりリラックスしているように感じます。

「いつもこんな感じですね。あまり緊張することはないです。もちろん練習や試合に対しては緊張感を持っていますけど、結局は開き直っちゃうので」

――そのようななかで金原戦では、どのような試合をしたいと思いますか。

「やっぱり自分は極めるか、極められるかの試合をしたいです。判定は嫌なので。今回はケージの試合ですし、ケージで戦う自分の魅力や強さを発揮したいですね」

――摩嶋選手のキャリアを振り返ると、これまで判定勝利は1度のみですね。

「田中半蔵選手との試合(2016年9月)、その1回だけですね。柔道の頃から、判定になったら負けと思えって指導されていたんですよ。それが身についているのだと思います。試合では常に極めに行かなきゃって」

――ただ、先ほど言われたとおり金原選手は打撃でKOすることもできるし、寝技で極めることもできる相手です。その金原選手を相手に一本勝ちを狙い続けるのは、リスクではないですか。

「やられたらやられたで、仕方ないです。前の試合も、クレベルが柔術で黒帯を巻いていて、海外のプロモーションの王者であることも分かっていました。それでも極めに行きましたし、結果的に極められても仕方ないと思っています。それが自分の戦い方ですから、僕は極めるか極められるかの勝負をします」

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