カテゴリー
BELLATOR MMA NEXUS o RIZIN UFC キム・スーチョル スパイク・カーライル ダン・イゲ ホジェリオ・ボントリン 伊藤裕樹 佐々木憂流迦 修斗 元谷友貴 山本健斗デリカット 山本琢也 山本空良 巌流島 摩嶋一整 斎藤 横山武司 竿本樹生 芦田崇宏

RIZIN.42:オッズ/予想と展望

いつも通りMMAの試合のみ。

ラマザン・テミロフ 1.25
浜本“キャット”雄大 3.75

征矢の代役で出場が決まった浜本。相手の初参戦テミロフはウズベキスタンカザフスタンでキャリアを積んだ未知の強豪。戦績だけでは判断できない部分もあるものの、NEXUSで王者浜本が対戦してきた相手とはレベルが違う。

テミロフKO勝ち。

山本琢也 1.91
横山武司 1.83

2021年10月にRIZINで白川に敗れてから、1年3ヶ月のブランク明けで修斗世界1位の山本健斗デリカットに2RKO勝ちした山本琢也が再登場。相手の横山はプロ4戦目となる昨年11月に山本空良のNEXUS王座に挑み、僅差の判定でタイトルを獲得した。柔術で全日本王者となり、モテるためにMMAを始めた異色のファイター。

MMAとしてのキャリアの差があり、横山は山本空良戦でも柔術の延長の技術がメインで、MMAに対応しきっていなかった。寝技に付き合わず、相手の良さを消す戦い方に専念された時に、横山にどういった引き出しがあるかに興味がある。

山本KO勝ち。

伊藤裕樹 1.22
山本アーセン 4.00

アーセンが今大会一番のアンダードッグ。最後に負けてから2年4ヶ月のブランク。ずっとトレーニングを続けてきたのだとしても(違うと思うが)、試合に出ずに強豪の伊藤に勝つレベルまで達しているとは思えない。

伊藤KO勝ち。

岸本篤史 2.40
ビクター・コレスニック 1.53

ロシアのコレスニックはロシアのM-1チャレンジで4勝2敗1分けだが、2敗の相手は今週末のUFCセミ前に出場し、ランカーのダン・イゲに挑戦するネイト・ランドワー。UFCのリサーチに引っかかる一歩手前の選手。が、本来はフェザーが主戦場で、今回は階級上のライトでの試合となる。

ボクサーの岸本とは打撃戦になるか。体格差の影響も気にかかるが。コレスニックKO勝ち。

佐々木憂流迦 1.44
ボイド・アレン 2.63

昨年10月、連敗中の矢地に塩漬けにされて敗れたアレン。本来より階級上の試合だったとはいえ、再度呼ぶほどの実力には思えなかった。安全策に徹してフィニッシュを狙わなかった矢地は勝手にも関わらず昨年末は巌流島送りとなり、ミックスルールで木村フィリップミノルにKO負けしている。

同じく連敗中の佐々木ではあるが、矢地の処遇を見ていればフィニッシュが必要なことはわかるはず。佐々木一本勝ち。

芦田崇宏 1.91
摩嶋一整 1.83

RIZIN0勝3敗の摩嶋だがフェイバリット。3敗の相手が斎藤・クレベル・金原とトップ相手というのがちゃんと評価されているか。RIZINでの試合は1Rは互角以上の内容でも、中盤失速してのフィニッシュ負け。今回はペース配分にも慎重になると思うが。

摩嶋判定勝ち。

ジョン・ドッドソン 1.95
竿本樹生 1.80

意外にも元UFCドッドソンがアンダードッグ。が、ドッドソンも所戦では圧勝したとはいえ、ピークは過ぎている。竿本が序盤に勢いで攻め込まれた時に飲み込まれず、組んでスローペースに持ち込めば、後半失速する可能性は十分ある。

竿本判定勝ち。

三浦孝太 -
YA-MAN -

この試合はオッズなし。MMAデビュー戦のYA-MANと、これが3戦目となるカズジュニア。これまでチャレンジマッチで3分3Rでしか戦ってこなかったカズジュニアだが、今回のルールは5分2Rというのが恣意的なものを感じる。3分3Rならいい勝負になると思うのだが。

三浦一本勝ち。

ホベルト・サトシ・ソウザ 1.29
スパイク・カーライル 3.40

カーライルはUFCデビュー戦で勝利した後、2連敗でリリースされたが、そこから5連続フィニッシュ勝利(すべて一本勝ち)。武田にもレスリングで圧される展開からギロチンでの逆転勝ち。前戦はBellatorでライト級デビュー戦となるA.J.マッキーに序盤からエンジン全開で攻めたがスタミナ切れ。しかしフィニッシュは許さなかった。サトシにとっては地味にグスタボよりも嫌な相手かもしれない。

サトシ1R一本勝ち。

井上直樹 2.30
フアン・アーチュレッタ 1.57

昨年大晦日、1年ぶりの試合で瀧澤に2Rアームロックで一本勝ちした井上。アーチュレッタはRIZINとの対抗戦で、キム・スーチョルからテイクダウンを奪い続けての判定勝ち(謎に1者スーチョルのアグレッシブを取ってスプリットとなったが)。

扇久保戦同様、テイクダウンで削られると厳しいか。アーチュレッタ判定勝ち。

朝倉海 1.44
元谷友貴 2.63

拳の負傷で長期欠場となり、一昨年大晦日以来1年半ぶりの試合となる朝倉海。その間、昨年1年で4試合し4連勝して、ようやく上位と対戦する場所まで戻ってきた元谷。前戦は元UFCのホジェリオ・ボントリンをフィニッシュしている。元谷の組みを朝倉が凌ぐ展開になり、元谷にも十分勝機があると見る。ただ、元谷のフィニッシュまではない。となると、一発でも効かせる打撃を入れれば、RIZINルールではそのダメージのみで判定を持っていかれる。

朝倉判定勝ち。

第1試合開始は6日14時開始。速報します。

カテゴリー
MMA o RIZIN スパイク・カーライル ベラトール ホベルト・サトシ・ソウザ 伊澤星花 伊藤裕樹 佐々木憂流迦 元谷友貴 山本琢也 征矢貴 横山武司 竿本樹生

【RIZIN】速報中!RIZIN.42対戦カード発表!

C44849F9-E4A8-47F6-BE48-58B3D60466E7
5月6日に有明アリーナで開催されるRIZIN.42の対戦カード発表記者会見が行われました。

【ライト級(71.0kg)】
ホベルト・サトシ・ソウザ(ボンサイ柔術)
スパイク・カーライル(米国)

【バンタム級(61.0kg)】
朝倉 海(トライフォース赤坂)
元谷友貴(フリー)

【バンタム級(61.0kg)】
井上直樹(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
フアン・アーチュレッタ(米国)

【スーパーアトム級(49.0kg)】
伊澤星花(フリー)
山本美憂(KRAZY BEE/SPIKE22)

【フライ級(57.0kg)】
竿本樹生(BRAVE)
ジョン・ドッドソン(米国)

【フライ級(57.0kg)】
山本アーセン(KRAZY BEE/SPIKE22)
伊藤裕樹(ネックス)

【フライ級(57.0kg)】
征矢貴(パラエストラ松戸)
ラマザン・テミロフ(ウズベキスタン)

【フェザー級(66.0kg)カ
佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ファイトチーム)
ボイド・アレン(南アフリカ)

【フェザー級(66.0kg)】
山本琢也(パラエストラ千葉)
横山武司(Swells柔術ジム)

【フェザー級(66.0kg)】
三浦孝太(BRAVE)
YA-MAN(TARGET SHIBUYA)

注目はやはりバンタム級の2カード。RIZINで連勝を重ねてついに朝倉海にたどり着いた元谷。どうしても裏街道のイメージがつきまといますが、このビッグチャンスをモノにして突き抜けるか。朝倉は怪我からのブランクがあってどこまで動けるかに注目。

そして井上×アーチュレッタも勝負論満載。もし井上が勝ち切るような事があれば、RIZINバンタム級どころかベラトールの王座獲りも視界に入ってくる重要な一戦。

何気に面白いのは三浦とYA-MANのマッチメイク。寝技に持ち込んだら三浦があっさり極めそうですが、テイクダウンに手こずるようだと恐怖の時間。YA-MANの打撃が襲来します。身体も頑丈そうだし、気持ちの強さもMMA向き。MMA挑戦は楽しみでしかない。
カテゴリー
BELLATOR DEEP F1 K-1 MMA News o ONE ONE Championship RENA RIZIN UFC YouTube   クレア・ロペス チャンネル ニュース パンクラス ボクシング 修斗 山本空良 平本蓮 朝倉未来 榊原信行 横山武司 金原正徳

【格闘ニュース】芦澤竜誠がRIZIN榊原社長に呼び出される/金原正徳が2023年RIZINフェーザー級戦線を占う/RENAが階級を上げてアメリカ再挑戦【武尊、木村ミノル】

◆動画の説明
直近で話題となった格闘技系のニュースをまとめました

◆動画のもくじ
0:00 動画のもくじ
0:29  格闘ニュース「武尊「復帰戦がそろそろ発表になる」」
2:17  格闘ニュース「RENAが階級を上げてアメリカ再挑戦」
3:50  格闘ニュース「平本蓮の通訳プレシャスの正体が判明」
5:05  格闘ニュース「金原正徳が2023年RIZINフェーザー級戦線を占う」
7:28  格闘ニュース「木村ミノル? 梅野源治が計量オーバー選手に持論」
8:44  格闘ニュース「芦澤竜誠がRIZIN榊原社長に呼び出される」
10:22  格闘ニュース「朝倉未来とRIZIN榊原社長が対談」
11:19  格闘ニュース「ぱんちゃん璃奈の逮捕前に試合が組まれていた」
13:12  格闘ニュース「ブレイキングダウンのYUGOがDEEPに参戦」
14:20 エンディングムービー

◆動画の中で紹介している内容
鈴木真彦、クレア・ロペス、TMT、山本空良、クレベルコイケ
横山武司、木村フィリップミノル、榊原信行、谷川貞治

◆参考サイト



https://www.instagram.com/ren___k1/


https://news.yahoo.co.jp/articles/8709d9e3a1d9634d1a60a91562181485e72798d7

◆参考動画
武尊が嫉妬!?RISE・鈴木真彦とスパー対決!

【再アップ】ついに試合が決まりました!目標は全局面で圧倒!

RIZIN LANDMARK5 平本蓮 記者会見舞台裏

第九回 榊原社長に呼び出されました ゲスト:平本蓮

BREAKING DOWNのYUGOがDEEP参戦!対戦相手が決定!

▼SNS
Twitter https://twitter.com/fightnewsch

▼どんなチャンネル?
ほぼ毎日更新予定!
案内人のミライが
格闘技業界の最新のニュースをまとめて紹介します
扱う話題は
RIZIN、DEEP、修斗、パンクラス
UFC、ONE championship
Bellator、K-1、Krash
Knock-out、RISE、Breaking Down
ボクシングなどです
※すべてソースを基に制作しています
みなさんぜひコメントをどしどしお願いします

#朝倉未来 #平本蓮 #武尊 #木村ミノル #芦澤竜誠 #RIZIN42 #breakingdown #ブレイキングダウン #ぱんちゃん璃奈 #RIZIN #MMA #格闘技

カテゴリー
MMA MMAPLANET NEXUS29 o 山本喧一 山本空良 横山武司 相原雄一

【NEXUS29】フェザー級選手権試合、山本陣営の提訴にコミッションの回答は「裁定は正当。早期再戦要求」

【写真】MMAPLANETとしては最初から5分3Rで見たい試合です (C)MMAPLANET

17日(木)、NEXUSコミッショナー相原雄一氏の名の下、7日に開催されたNEXUS29で実施されたフェザー級選手権試合の裁定結果に関して、判定負けを喫した山本空良の所属ジムPODの山本喧一代表が行った提訴についての回答書がメディアにも送られてきた。

横山武司が山本を2R終了時点で2-0の判定で下し勝者=タイトル奪取となった一戦。NEXUSにとって初の後楽園ホール大会は通常通り2Rを戦い終え優劣がつかない場合は延長ラウンドが行われるラウンド規定であった一方で、会場の使用時間と試合数の関係から1、2Rで決着をつける方向で10-8判定を増やすという特別措置が取られていた。


横山と山本の試合は、1Rは足関節を仕掛ける横山の攻撃を凌いだ山本がボトムからのヒジ打ちを入れ、流血に追い込みドクターチェックが入るという展開となった。続く2Rは横山がトップでコントロールした時間が長く見られた。

両者アグレッシブに攻め、攻防が入れ替わる好勝負は結果的に19-18、19-19、20-18の2-0のマジョリティドローで横山に凱歌が挙がり、山本は王座陥落。この裁定に対し、山本代表は初回を10-9で横山につけた採点、2Rを10-8で横山とした採点を不服とし、理由の説明と再審議を求めた。

結論としてコミッションの判断は、採点は正当。試合結果は変更しない。両者の早期の再戦を求めるというものだった。

3人のジャッジの見解はそれぞれ以下の通りだ(要約)。

1Rは10-9で山本、2Rを10-8で横山=19-18で横山としたジャッジA。

「初回は積極性、エリアコントロールの横山に対し、外傷としての裂傷を負わせたダメージを評価し山本」

「2Rは大半がグラウンドの攻防となり、上から横山のパンチやエルボーの攻撃が1Rの山本の攻撃を上回っていたので10-8で横山」

1Rは10-9で山本、2Rは10-9で横山=19-19のイーブンとしたジャッジB

「初回は寝技の優勢の横山だがキャッチに至らず、ヒジ打ちをダメージと評価し10-9で山本」

「2Rは横山がグラウンドで攻勢。最終局面の腕十字をニアフィニッシュと判断し10-9で横山」

1Rを10-9で横山、2Rを10-9で横山=20-18で横山としたジャッジC

「初回は山本のヒジ打ちと横山のパウンドの評価を同等とし、積極性、エリアコントロールで上回った横山が10-9 でラウンドを取った」

「2Rに大半を占めた寝技の攻防でテイクダウン、ポジション、腕十字で攻勢だった横山の10-9となった」

コミッションはこれらの裁定理由と試合映像を確認した結果、三者三様であったとしてもルールに逸脱したものではないと判断。とはいえタイトルマッチに関しては通常のルールで行うべきだったとして、早期の両者の再戦を山田峻平代表に要望するとのこと。

ジャッジの判断が分かれるからこそ複数性が採られ、それぞれの判断が異なるのは問題ない。気になったのはジャッジAの初回の山本の攻勢よりも、2Rの横山の攻勢の方が明確で10-8としたという判断だ。この裁定理由だとラウンド毎の判断で構成されるラウンド・バイ・ラウンド方針ではなく、試合全般を通して裁定される勝者選択方式の定義が用いられているのでないだろうか

ジャッジA型の裁定方法で統一されているのであれば、他のジャッジ──特に今回のケースでいえば初回を山本、2Rを横山としたジャッジBも1Rと2Rでどちらがより攻勢であったかという判断の下、2Rを判断しなければならない。

さらにいえば初回の裁定は既に10-9 とつけられており、そこを基準にしてしまうと──仮に2Rの横山の攻勢点よりも初回の山本の攻勢点が上回っていた場合、2Rをどのように数値化すれば良いのか。10-10ではドローになるので10-9.5で横山とし、合計19.5-19で山本の勝利となるのか。そうであれば0.5P刻みの裁定方針を採る必要が出てくる。

上記のような特別ルールが用いられることが、試合前日のルールミーティングで選手に伝えられるというのは、競技性の面で看過できない。この点はイベントの開催が決定した時点──もしくはこの方針が決まった時点で何よりも早く選手サイド、そして試合の行方を追って楽しむファンにも伝えるべきであったかと思われる(この決定がなされたのが、試合前日であれば──それも競技性が軽んじられている)。

今回の裁定は、結論が出た。何よりNEXUSが月曜日の夜であっても後楽園ホール進出を果たしことは、日本のMMA界にとって無条件で良いことだ。そのなかで見えた課題──特別措置が採られるのであれば早期の連絡&裁定方針の統一化を徹底し、通常大会の活性化と再び後楽園ホール大会の実現を願ってやまない。

The post 【NEXUS29】フェザー級選手権試合、山本陣営の提訴にコミッションの回答は「裁定は正当。早期再戦要求」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP MMA MMAPLANET NEXUS29 o ONE RIZIN UFC   山本空良 横山武司 雅駿介 鹿志村仁之介

【NEXUS29】山本空良を下し新フェザー級王者に。横山武司「柔術の方が楽しい」& 「MMAはパート」

【写真】インタビュー中に頭のカットの応急処置が必要となり。なんだか可愛らしい姿で控室に戻ってきた横山(C)MMAPLANET

7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたNEXUS29のメインで山本空良に競り勝ち横山武司がフェザーのベルトを巻いた。

試合後も大量ではないが、流血は続いていた。リングドクターによると、2Rにもっと出血量が多いと試合は止められていただろう──とのこと。つまり、延長があるとその点においても危なかったことになる

現役柔術家だけでなく、父と兄と一緒に柔術アカデミーを営む横山は勝利者インタビューで今後の進路についてアピールをすることはなかった。

格闘家としての目標を「柔術ジムの繁栄、柔術業界の繁栄」とベルトを手にしてなお言い切った横山。試合後、頭の傷の応急手当を受けたNEXUSフェザー級チャンピオンが語ったこととは……。


──ドローだと延長ラウンドがあるのが、ネクサスです。2R終了時点で、ポイントはどのようになっていると考えていましたか。

「全然、分かんなかったです。僕、MMAでは取れないと負けて良いやっていう気持ちでやっているんで。あのまま延長って言われたら、僕はあんまり動けないから負けるだろうなぁみたいな──結構、緩い気持ちでやっています」

──19-19はあり得ると思いました。延長がないとどちらかにつけないといけないのでしょうが。

「そうですね。なんか、どうやったらポイントがつくのとかちゃんと考えてMMAをやっていないので。『ドローって言われたら、俺、どうしよう?』ぐらいでしたね」

──初回にヒジから流血があった。あれがダメージと取られるのかどうか。

「ぜっんぜん、痛くないですよ。血が出たのかって思ったぐらいで」

──なるほど。2Rは組みの展開で試合を優勢に進めました。そこはやはり自信を持って戦うことができていましたか。

「相手が足関に来てくれたから、そこはやられる気がしていなくて。『あぁ、良かった。寝技の攻防をやってくれるんだ』って。離れられて打撃の方が嫌だったので。もう、疲れちゃったスね(笑)。道着がないと疲れちゃうッスね」

──では、逆に横山選手が足関節を取り切れなかった初回の攻防についてはどのように思われていますか。

「あぁ、アレは思ったより相手のディフェンスが上手かったスね。ただ……腕十字にしても、道着がないと僕も寝技の精度がめっちゃ落ちるなと思いました。今後もMMAは負けない限りは続けようとかなと思うので、もうちょっとグラップリング用の寝技もモノにできないかなって感じました」

──寝技の展開で、あれだけスムーズにパンチが出せてポジショニング奪取と融合できているのは、そこを頭において組み技の練習を積んできたということでしょうか。

「う~ん、あんまりMMAをしっかりと想定した練習はしていないので。もしMMAを続けるのであれば、もう少しMMAの練習をしないといけないですね。でも長くは続けないMMAの練習をそんなにしても勿体ないので。自分の人生に上手く生かせるように、格闘技とは付き合っていこうと思います」

──そこですっ!! 今、RIZIN以外のプロモーションではタイトルを獲った選手が『〇〇〇で戦いたい』と宣言するのが、J-MMAの慣わしになっています。それがなかった横山選手は新鮮でした。

「いやぁ、全くないですね。MMAは何となく友達が喜ぶからやっているけど、やっぱりパートタイムでやっていることなので」

──とはいえRIZINで活躍している山本空良選手を下して、ベルトを巻いたわけですし。声が掛かることがあるかと思われますが。

「まぁRIZINは1回、2回は出ようかと思います。MMAを始めた時から、友達のためとチヤホヤされたくてやっただけなので。UFCとかONEは全く目指していなくて、地元の友達とかはRIZINに出るのを一番喜ぶので……負けたら辞めようとは思っていたけど、勝ったら必然と声が掛かると思うから。まぁ1回か2回、負けるまではお金も貰えるし、続けようかなってぐらいだけど。うん、柔術の方が楽しいです」

──では柔術も含め、格闘家として横山選手の目指すところは。

「柔術ジムの繁栄、柔術業界の繁栄ですね」

──……(苦笑)。では競技者としてムンジアルやADCCで勝つということではなくて?

「ムンジアル、アブダビはもの凄く出たいです。だから、もの凄く頑張らないといけないと思っていますけど、MMAに出ながらデキるもんじゃないんで。取りあえずMMAで勝っている以上は、国内で回りのためにも頑張る方が利口なのかなって思います。お金も貰えますし」

──ムンジアルに出ようと思えばポイントを稼ぐために、遠征資金も必要になってきますしね。

「そうッスね。RIZINとかで戦えば、国内で柔術をやるよりもお金になるんで。金もらってから、どうしようかなって。取りあえず負けるまではMMAを続けないといけないのかなって思っています」

──ところで12日のDEEPで盟友の鹿志村仁之介選手がバンタム級初陣で雅駿介選手と対戦します。

「あぁ、まぁこんな感じで一緒にチャラくMMAをやっていますけど、次は鹿志村君──絶対に勝ちますよ」

The post 【NEXUS29】山本空良を下し新フェザー級王者に。横山武司「柔術の方が楽しい」& 「MMAはパート」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET NEXUS29 o 山本空良 横山武司

【NEXSUS29】記念大会に相応しいメインは横山武司がが山本空良に辛勝、フライの浜本と共に新王者に

【写真】 マイクで語る新バンタム級チャンピオン横山武司(C)MMAPLANET

7日(月)に東京都文京区の後楽園ホールでNEXUS29が開催された。

ネクサスにとって初の後楽園ホール大会レポート最終回、2つのタイトル戦の模様をお届けしたい。


<NEXUSフライ級王座決定戦/5分2R+ExR>
浜本”キャット”雄大(日本)
Def.2R2分54秒
平井総一朗(日本)

する取り左ローを蹴る浜本、そのローのタイミングで平井がダブルレッグを仕掛けてテイクダウンを奪う。バタフライガードから頭を固められてもシングルレッグで平本が起き上ろうとする。スクランブルで背中を譲って立ち上がった浜本は、胸を合わせて離れる。

浜本は近い距離で右エルボー、ここから首相撲に入るタイミングで平井がボディロックテイクダウンを決める。

背中をつけると同時に得意のスイープからスクランブルに持ち込んだ浜本だったが、ケージに押し込まれウィザーも右足を抱えられて倒される。浜本はすぐに起き上るも、平井が背中に飛び乗り寝技に持ち込み背中をマットにつけさせられる。ここもスクランブルに持ち込み、浜本がヒザをボディに突き刺す。

嫌がって離れた平井のボディを叩き、左フックを浜本が決める。平井はここでも首相撲狙いを大外刈り投げる。しかし、腹ばいなってしまい体を起こした浜本がバックへ。

とらせず立ち上がった平井だったが、右ストレートを被弾してダウン。ハーフの平井は潜ろうとして鉄槌を落とされ、懸命にZハーフからハーフバタフライで正面でガードを取る。浜本はや前のめりポスチャーながら、鋭い右のパウンドを落とし初回が終わった。

2R、打撃の間合いから平井は組んですぐに引き込むが、このタイミングで浜本がマウントを奪う。殴られながらも平井が背中を向けてスクランブルを狙うと、浜本ががぶって立たせない。

再び下になった平井のニーシールドはヒザの位置が腹に近くスペースを創ることができない。

浜本は右のパウンドを打ちつけ。背中を見せた平井を殴り続けると、レフェリーが試合をストップ。平本がその腰にフライ級のベルトを巻いた。

<NEXUSフェザー級選手権試合/5分2R+ExR>
横山武司(日本)
Def.2-1:20-18.19-18.19-19
山本空良(日本)

開始直後はサウスポーの横山とオーソドックスの山本が、前手ではたき合う。ここからチャレンジャー横山が左ハイを蹴り、チャンピオン山本は左ミドルから右ローを返す。右ミドルをキャッチされそうになり、右フックを振って離れた山本は左ローを蹴られ、左ハイをブロックする。

さらに左ミドルを続けた横山は、山本が距離を取ると左足を取りながらロールして足関節へ。山本がヒザを曲げて対処してきたところで、後方回転から上を取った横山がもう左足を取ってサドルから内ヒールへ。

山本は鉄槌を落とすと、腹ばいになろうとした横山の足を捌く。横山はここでトップを選択しスイープを完成、山本の足首を掴んで上攻めに転じようとするが、エルボーを頭頂部に受ける。

横山が頭を上げると、山本が内掛けから内ヒールを仕掛ける。横山は絡んで足を解除しつつ、山本の右足に両足を絡めつつ、反転してここも上を取る。山本は前転してヒザ十字を狙うが、潰されて背中をマットにつける。

足を束ねてコントロールしようとした横山は、下からエルボーを連続で打たれて、頭部をカットする。立ち上がった横山は、草刈りスイープに尻もちをつかされるが、残っている足を抱えてヒザ十字→トーホールドを極めにかかる。

一度はヒザを畳んだチャンピオンだが、横山がもう一度伸ばしに掛かる。山本はこれも防いで立ち上がる。横山も続こうとしたが、引き込みなおすと、レフェリーがブレイクを命じドクターチェックが入る。

横山はこの時、頭部をメルセデスのスリーポインテッドスターのように三又でカットしており、相当な流血が見られた。

それでも試合は続行され、シッティングで詰め寄る横山に顔を蹴ってこいと挑発した山本がパウンドを狙ってガードの中に飛び込んだところで初回が終わった。

2R、距離を取る山本に対し、横山は後ろ回し蹴りで牽制する。さらに蹴りを多用すると、ケージを背負った山本に組みつく。山本はここでギロチンから引き込むが、そのタイミングで足を抜きに掛かっていた横山に対し、正対するために尻もちをついた状態で金網を背負う。

右足が胡坐の形でマットにつき自由が利かないチャンピオンは、左足ヒザ裏から下半身をリフトされ、背中をつかされる。

当時に頭を抜かれると、ハーフから潜って足関節狙いの山本に対し、横山は左足を畳んで座る。

ニーシールドの山本の下からのパンチを効かされた感もあったチャレンジャーは、枕で圧を掛けて潜りを潰すと、足をすくおうとしたままで顔面ががら空きの山本を殴っていく。

さらにエルボーを打ち、足を振り上げ、手を伸ばして隙間を創ろうとする山本から、横山はヒザを滑らせて、マウント。背中を見せた山本のワキをすくい、肩固めを仕掛けつつマウントに移行する。シザースを耐えた横山は、ハイマウントから腕十字を仕掛ける。

相当にタイトに見えたが、ヒジを抜いた山本に対し、横山はハイガードから三角にトライする。尻もちをつき、胸を張って防いだ山本が足関節へ。反転して逃れた横山にヒザ十字を仕掛けた山本は、結果的に取ろうとした足を畳まれ、自らの左足をレッグドラッグ的に潰される。

パスガードを決め、サイドを取った横山はタイムアップと同時に、左手を挙げて勝利をアピールした。結果、20-18、19-18、19-19のマジョリティ判定で横山の右手が挙げられた。

新チャンピオンはベルトを肩に掛け、しゃがみこむと幼少期に空手を始め格闘技の道に導いてくれた父への感謝の言葉と、結婚することをマイクで話し──その父・横山和忠、兄・横山大鋳の黒帯3人で勝利を喜んだ。その一方で敗れた山本陣営はカットでドクターチェックがあった初回を取れていないとする20-18のスコアに対して、不服があることを隠そうとはしなかった。

後楽園ホール大会を実現させたネクサス。ネクスト・サクセスを目指すうえでもタイトル戦は5分3Rを用いる──それだけ成長していることは、間違いない。


The post 【NEXSUS29】記念大会に相応しいメインは横山武司がが山本空良に辛勝、フライの浜本と共に新王者に first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
LFA LFA138 MMA MMAPLANET NEXUS29 o RIZIN Road to UFC UFC   アライジャ・ジョンズ ジェイク・ウィルキンス 中村倫也 寿希也 山本空良 島村裕 松嶋こよみ 横山武司 河名マスト

【NEXUS29】河名マスト・シーズン02開始=寿希也戦へ。「改めてNEXUSから駆け上がりたい」

【写真】組みに対する自信が、打撃への不安を大いに凌駕している河名(C)MMAPLANET

本日 7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS29で河名マストが、寿希也と対戦する。

8月5日のLFA138でアライジャ・ジョンズに敗れた河名が、4カ月ぶりにケージインする。仕切り直しの舞台はデビュー戦を行ったNEXUS――記念すべき初の後楽園ホール大会だ。

ジョンズ戦までをフェイズ01とした河名は、プロMMAファイター人生シーズン2のスタートを迎える一戦に向け、口調こそ穏やかだが寿希也に負けないほど、自信に満ち溢れていた。


――8月のLFAにおけるアライジャ・ジョンズ戦で黒星。試合前にジョンズ戦までがフェイズ01でレスリングで勝つというMMAから、その後はフェイズ2に入るという話をされていました。その後、何か変化したところはありますか。

「大きく変わったところはないと思いますけど、これまではとにかく抑えて固めることしかできなかったので、試合でもそれを徹底してやっていました。今は抑え込みだけでなく極めに行ったり叩いたりだとか。抑え込みのなかでのバリエーションを増やすというか、ただ上に乗っているだけじゃないぞということをやってきたというのはあります。

もちろん入るところも打撃を出しながら組む、相手の打撃をかわして組むとかもやってきました。それほど攻撃手段が増えたわけではないですけど、もともとあったテイクダウンだけというのよりは増えました(笑)」

――入り方も磨いてきたと。

「そうですね。レスリングにつなげるため。当てるためでなく組むためのパンチ、組むための足の動きとか意識してやるようにしています」

――ジョンズ戦で被弾しても、凄まじい根性で打ち返した。そういう打撃ではないと?

「アレはアレで、貰っても大丈夫というのが自分にあったので。試合のなかで、気持ちを変化させることができて……『もらっても大丈夫』というとアレですけど。そういうパンチでした。今はディフェンスをしながらも組むことを主体にパンチを出す。パンチも狙っていると当たらないと思うので、組むためのパンチが当たればそれはそれで良いと考えています」

――ではLFAを経て、再びNEXUSで試合をしようと思ったのはなぜでしょうか。

「僕自身、これまでと同じで国内でどこかにこだわりがあるというわけではなく、八隅(孝平)さんに話があればトライするというのがフェイズ01でした。そしてフェイズ02のスタートも、改めてNEXUSから駆け上がりたいというのがあります」

――対戦相手の寿希也選手の印象を教えてください。

「ホントに試合を見たままで。柔道が強いけど、打撃が好きな選手です」

――怖いもの知らずにも感じます。

「ワンツーとカーフを上手く組み合わせていて。でも、グラウンドでの対処の仕方は付け入る隙があると思います。山本空良選手にもバックの四の字フックを叩きつけようとして。そこでチョークを取られた。あの経験をして、怖いもの知らずからどう変わったのか。低く見積もるつもりはないです」

――気を付けるべき攻撃は?

「やっぱり打撃じゃないでしょうか。あっちとしては打撃をやりたいと思うので。LFAの僕の試合を視ているのなら、テイクダウンを切って打撃を出していれば勝てると思っているでしょう。それを遂行しようとするはずです」

――組み技主体の選手は、その強さで試合の優劣が決まることがままあるかと思います。寿希也選手と組み技勝負になれば、純粋な組み技力が勝負になるのかと。

「アッチとすれば触られたくないかと思います。僕は触れば勝てる。彼の柔道の組み技は意識はしていないです。怖くはないので」

――ではいかに組めるのか。そこが勝負になると。

「ハイ。成長の跡を見せるためには、殴られないで組むところを見せたいですけど5分2Rですし、一発打たれても組んでドミネイトすれば……怖さはないです」

――ところで先日のRoad to UFCで盟友の中村倫也選手は勝利しましたが、松嶋こよみ選手が判定負けを喫しました。2人の試合から、何か想うところはありましたか。

「倫也に関しては能力的にも、取り組み的にもあのトーナメントは行けると思っているので、この間の試合に関しては100パーセント勝てる……安心して見ていられました。こよみさんに関しては、あれだけの取り組みをしていても、あの判定になっちゃうのかと。あの負けは悔しいですけど、あそこまでやっている人なので、これから運が味方することもあるかもしれない。そういう風に思わないと、僕としてはつらいです。そうでも思ないと、あの負けに納得できないというのはあります」

――取り組みということを口にされましたが、では河名選手の取り組み方は彼らと比較して、どのように自己評価できますか。

「それを考えると、彼ら2人が自分自身に課しているモノにはまだ追いつけていないとお思います。考え方の違いもあるかと思いますけど……キツイ時にその状態を乗り越えて練習するのか、キツイ時にはリセットして次の練習に新しい体と気持ちでリフレッシュして取り組むのか。そういう風に考えると、僕は後者です。前者のキツイ時に厳しい練習を課すという点においては、まだまだだと思います」

――仮に試合で厳しい場面になった時、その考え方の差が影響を及ぼすと思いますか。

「もちろん1回、1回の練習の一つ一つの場面が、試合でも起こると思います。でも練習の頑張りと試合中の頑張りは別物だと思っています」

――ならば中村選手や松嶋選手と比較する必要はないかと。

「そうですね。やるべきことはやっているので」

――NEXUSで戦う。2023年に向けて、キャリアップはどのように考えていますか。

「もう1回、米国にトライするためのキャリアを積みなおします」

――ではRIZINのケージ大会へのオファーがあると?

「八隅さんと話し合います(笑)。それはどこの団体からのオファーも同じです。僕が米国で戦うには、どの道が一番の近道かということを話し合いながら試合を決めて行こうと思います」

――米国への再挑戦、時期的にはいつ頃を想定していますか。

「夏ぐらいですかね。もう1回、LFAで今年と同じような時期に挑戦したいです。だからそういう風に考えていると、日本で戦うのも契約期間などを考える必要はあるかと思います」

――LFAを経験したことで、何か得るモノはありましたか。

「もちろん完敗を喫したのは事実です。圧倒的にやられました。でもLFAでタイトル挑戦経験もあり、UFCと契約できるかも知れない選手と戦って――あそこは手が届かない場所ではないと自分のなかで思えました。そう考えると、あそこをゴールにしてはいけないと思うし。乗り越えていくためにも、自分自身に期待して実現させたいです」

――そこを考えると、今回の試合はどのような戦いをしないといけないと思っていますか。

「この試合は河名マストのMMAシーズン2の始まりなので、シーズン2をより充実したモノにするために必ず圧倒し、ボコボコにしてレスリングで勝ちます。ぶっちぎって圧倒的に勝ちます」

■ NEXUS29対戦カード

<NEXUSフェザー級選手権試合/5分2R+ExR>
[王者] 山本空良(日本)
[挑戦者] 横山武司(日本)

<NEXUSフライ級王座決定戦/5分2R+ExR>
浜本”キャット”雄大(日本)
平井総一朗(日本)

<バンタム級次期挑戦者決定戦/5分2R+ExR>
咲間”不良先輩”ヒロト(日本)
森永ユキト(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
寿希也(日本)
河名マスト(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ジェイク・ウィルキンス(米国)
キム・ハンオル(韓国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
島村裕(日本)
栁川唯人(日本)

<ストロー級/5分2R+ExR>
木内“SKINNY ZOMBIE”崇雅(日本)
楠美貴嗣(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
中桐涼輔(日本)
岡元飛龍(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
堀友彦(日本)
大谷啓元(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
大石真丈(日本)
小倉卓也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
岩松哲也(日本)
秋山佑史(日本)

The post 【NEXUS29】河名マスト・シーズン02開始=寿希也戦へ。「改めてNEXUSから駆け上がりたい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
DEEP LFA MMA MMAPLANET NEXUS29 o ONE RIZIN RIZIN TRIGGER01 UFC キック パンクラス ベラトール 修斗 寿希也 山本空良 横山武司 河名マスト 海外 鈴木千裕

【NEXUS29】横山武司を迎え撃つフェザー級王者、山本空良─02─「柔術家の寝技をMMAで圧倒する」

【写真】写真は約11カ月前のRIZIN TRIGGER01での計量のもの。今回の試合は、あれから数えて7戦目となる山本空良(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS29で、横山武司を挑戦者に迎えてフェザー級王座の防衛戦を行う山本空良のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

すでにRIZINでレギュラー選手のポジションを獲得している山本が語る、NEXUSへの愛。そして横山武司を迎え撃つ、MMAファイターとしての心情とは。

<山本空良インタビューPart.01はコチラから>


――2021年にNEXUSフェザー級王座を獲得し、Road to ONEを経てRIZINに参戦します。しかしその初戦で、鈴木千裕選手に判定負けを喫しました。初めての大舞台での黒星でしたが、あの敗戦についてはどのように考えていますか。

「あの試合は、自分のキャリアにおいて一番のミスというか……。自分は試合前に打撃を練習していて、キックボクサーに打撃で勝つと自分にとっても大きな自信になると考えていました。それで負けてしまったのは、ダメなことだったと思います。でもあの試合から、打撃に対する恐怖心もなくなったんですよね。

鈴木選手は打撃が強いし、メチャクチャ速くて。これは海外の選手と同じぐらいのスピードがあるんじゃないか、と思いました。それを感じることができて、負けたにせよ自分の成長を感じることができた試合です。だから、やって良かったなと思います」

――キックボクサーに打撃で勝つ、あるいは柔術家に寝技で勝つ。それはそれで格闘技のロマンだとは思います。しかし……。

「そういうのはありますよね(苦笑)。でも、これはMMAなので。今はUFCファイターのように技術のレパートリーを増やしてきました。もともと自分の技術は精度が低いところもあったので、その精度を高めています。
やっぱりMMAは戦いの自由度が高いと思うんですよ。だから自分も、もっと自由に、いろんな戦いの幅を広げていて。だから今は、MMAが楽しいって思えるような練習ができています」

――そうしてRIZINに出場するなか、今年5月にはNEXUSフェザー級王座の防衛戦を行い、寿希也選手をRNCで下しています。そして次の横山戦が2度目の防衛戦となるわけですが、今の山本選手にとってNEXUSに出場は、どのような意味を持つのでしょうか。

「感謝の気持ちが大きいです。自分はもともとZSTに出ていて、そのZSTが活動しなくなりました。それで、どこに出るか――と考えていて。その時にNEXUSで1試合したあと、すぐに王者決定トーナメントは出せてもらいました。自分を救ってくれて、育ててくれた。だからNEXUSのベルトを持ち続けるのは自分の感謝の気持ちだし、NEXUSも盛り上がるために自分をいくらでも使ってほしいです。

自分なんかが出場して、NEXUSが盛り上がるかどうかは分からないです。でもRIZINで活躍して、NEXUSにも出る。そうやって一緒に成長してきたいと思っています」

――RIZINの試合数が増えても、NEXUSのベルトを返上することは頭の中になかったわけですね。

「はい、返上はないです。今年はNEXUSに出るのが2回目で、これが年1回になることはあるかもしれません」

――最初の話に戻ってしまうかもしれませんが、このRIZINの試合ペースで、さらにNEXUSにも年2回出場していることが驚きです。

「アハハハ。実は7月のケラモフ戦のあと、9月にRIZINでもう1試合してから、今回のタイトルマッチに臨みたいと思っていたんです。ただ、9月はもうマッチメイクの枠がなくて。10月の福岡大会はどうですか、というお話を頂いたんですけど、それだとNEXUSのタイトルマッチが近いので、お断りさせていただきました」

――1年に何試合するつもりだったのですか……。

「もうちょっと休みたいなぁ、と思う時もあります。でも試合に向かうことが好きなので。今回もNEXUSにとっては2022年の締めの大会で、そのメインでタイトルマッチをやらせてもらえることは、すごく嬉しいです。僕はNEXUSの顔になりたいので。

もうNEXUSの顔になっている、って言われることもあります。それなら、もっともっと大きな存在になりたい。僕が活躍することで、NEXUSのファイターがもっとRIZINに呼ばれるようになったら嬉しいですね。目標はNEXUSを修斗、DEEP、パンクラスと並ぶプロモーションにすることです」

――おぉっ!! ただ、その試合サイクルだと、どうしてもリングとケージの違いという部分は出てこないですか。

「そうですよね(笑)。やっぱりケージのほうが好きです。リングで戦うのは良いですし、リングにも良いところはあります。でもパウンドを打たれている相手が、パウンドを避けているうちにリングから落ちてしまったりとか。そういう安全面でも、ケージのほうが良いんじゃないかとは思っていますね」

――それと山本選手がRIZIN TRIGGERで新居すぐる選手をKOした試合を見ても、足さばきがケージ用のものになっているように思います。ケージ際をつたうように下がりながら、相手が追いかけて来たところに右ストレートを合わせて倒すという……。

「ありがとうございます。自分は偉そうなことを言える立場ではないのですが、リングで戦っているRIZINの選手が、ベラトールのケージで戦う時はどうなるのかな、って思います。リングに慣れていると、どれだけキャリアがあっても、ケージの感覚を取り戻すのは難しいのではないかと。

その点ではクレベル×パトリッキーが、大晦日の次にベラトールのケージでどうなるか――ですよね。クレベルもKSWではケージで試合をしていて、今はずっとリングじゃないですか。大晦日もケージで見たかったんですよね……。ベラトールの選手に関して、ケージ際の戦い方が好きなので」

――では次の試合で、ベラトール流のケージ技術を楽しみにしています。NEXUSの話に戻りますが、現在のフェザー級の動きについて気になるところはありますか。特に今大会では、前回の防衛戦で下している寿希也選手が、LFAでも試合をした河名マスト選手と対戦します。

「いろんな選手の名前を聞くのですが、まだ戦績が浅い選手ばかりで。まだ自分を倒すような選手はいないと思っています。ただ、河名選手はグレコの実績があるので、試合したいですね。

自分はアグォン戦やケラモフ戦を見ても、やっぱりレスリング力が足りないと思います。だから河名選手のようにレスリングが強い選手と、どんどん組んでいきたいですね。だから今回、横山選手に勝つことができれば、次は河名選手と対戦したいです」

――今回の対戦戦相手である、横山選手もまだMMAキャリアは3戦です。これまで横山選手のことを相手として意識したことはありますか。

「正直、意識したことはなかったです。もちろん寝技が強い選手という印象はありますし、あれだけ寝技の展開が速い選手も珍しいとは思います。ただ、まだMMAは3試合しかしていない。だから柔術家の寝技を、MMAとしてMMAの動きで圧倒します」

――先ほどの言葉通り、MMAとして勝つと。

「はい。相手は寝技の展開が速いといっても、MMA全体のスピードは自分のほうが速いと思っています。どんどんスクランブルを仕掛けて、寝技に持ち込ませないようにしたり、自分のポジションを取っていったり、とか。スピード、スタミナ、そしてMMA力は自分のほうが上です」

――では最後に、次の試合に向けての意気込みをお願いします。

「今年は試合が多くて、山本空良に成長が見られないと言う人も多いと思います。でも、ケラモフ戦以降、メチャクチャ練習してきました。圧倒的な差を見せつけて、NEXUSのチャンピオンが最強であることを証明します。よろしくお願いいたします!」

The post 【NEXUS29】横山武司を迎え撃つフェザー級王者、山本空良─02─「柔術家の寝技をMMAで圧倒する」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA MMAPLANET NEXUS29 o RIZIN UFC YouTube チャンネル 寿希也 山本空良 横山武司 西川大和

【NEXUS29】フェザー級王座防衛戦、山本空良─01─「やっぱり試合数が多いですかね(笑)」

【写真】凄いマイクから、真っ直ぐな擦れていない言葉が多く聞かれた(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(月)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるNEXUS29のメインでは、フェザー級王者の山本空良が横山武司を相手にベルトの防衛戦を行う。
Text by Shojiro Kameike

山本喧一POD会長を父に持つ山本空良は、昨年4月にNEXUSフェザー級王座を獲得。今年5月には寿希也をKOし、王座の初防衛に成功している。RIZINの試合も含め、ここまで1年間で7試合をこなしている山本だが、それだけのハイペースで戦う理由とは。


――今回はZoomインタビューとなりましたが、マイクとヘッドホンが豪華ですね。

「これは会長がYouTubeの動画撮影で使っているものなんです(笑)」

――山本選手ご自身は、YouTubeはおろかSNS全般やっていないですよね。それは何か理由があるのでしょうか。

「恥ずかしいというか、なんか嫌なんですよね」

――現在、日本格闘技界では選手の多くがSNSで自身をアピールしていますし、プロモーターサイドからSNSでのアピールを求められることがあるとも聞きます。もちろん山本選手の年代であれば、SNSを利用している友人も多いでしょうし、YouTuberも人気かと思います。そのような状況下で、山本選手はSNSを活用しようとは考えてないのですか。

「いつかSNSはやろうと思っています。でもYouTubeは分からないですね。何て言うんだろう? 堀口(恭司)選手ぐらい有名になってから、YouTubeチャンネルを始めたほうが良いのかなと。自分はYouTubeに専念したいわけじゃなくて、MMAに専念したいので。だからある程度、格闘技で有名になってから予備でYouTubeを始める――それぐらいならアリじゃないかなと思っています」

――なるほど。

「僕は会長の時代の格闘家が好きで。今見てもあの時代は、息を飲むような試合が多かったと思います。そういう試合をやりたい。エンターテインメントなんですけど、それは面白い、楽しいってことじゃなくて、みんなに格闘技の緊張感が伝わる試合をしたいです」

――格闘技の緊張感を伝えるためには、1試合1試合の濃度も問われるかと思います。その濃度を今の試合ペースで保つことはできているのでしょうか。

「アハハハ! やっぱり試合数が多いですかね(笑)。確かに現代MMAでは考えられない試合数と試合のペースだとは思います。それは頑丈な体を頂いたからこそですね(笑)。大きな怪我もないですし。そう言われると、この試合数だと1試合1試合が軽く見られてしまうこともあるかもしれないです。実際、自分が毎試合マックスの状態で出ることができていないんじゃないかっていう声もあります」

――……。

「そう考えたら試合数を減らしたほうが良いのかもしれないけど、まだ一昨日22歳になったばかりですからね(※取材は10月31日に行われた)。若いうちに、これだけ試合ができるのは良いことだと思っています。

30歳ぐらいになると、1年に2試合ぐらいが限界になるかもしれない。それなら今のうちに経験を積んで、だんだん減らしていったほうが良いのかなと考えています。これだけ試合をやらせてもらっているからこそ、自分も成長できていると思うので。

今は日本でもテレビでMMAを見る機会が増えてきて、そのぶん新しい選手も出てきているじゃないですか。するとチャンスをもらえない選手も増えてくる。そのなかで僕はチャンスを頂くことができているので、それは自分のキャリアにとって大きいです」

――では1試合ごとのパフォーマンスはご自身の中で合格点を出せているのでしょうか。

「1試合ごとのモチベーションは保つことができていると思います。ただ、カイル・アグォン戦(7月2日に判定勝ち)とヴガール・ケラモフ戦(同月31日、判定負け)は、どちらもテイクダウンが強い相手で、どちらも倒されまくりました。

アグォン戦でテイクダウンされた反省をケラモフ戦に生かすことはできていなかったですよね。試合間隔が短いこともあって。そういう面では、『山本空良は自分を酷使しすぎだ』っていう辛口の意見もありました。

でも自分としては、アグォン戦はダメージがなくて。それにカラモフ選手って、自分が対戦したいと言っても、そう簡単に組んでもらえる相手じゃない。だから僕自身は対戦出来て良かったですし、自分の100パーセントを出せていなかったとしても、良い経験になったと思っています」

――その中でも、試合の中で行くべきところと守るべきところの切り替えが、より明確になってきています。以前はいわゆるアグレッシブにKOや一本を狙い続けることが多かったのに対し、今は試合運びの変化――冷静に戦うことができているように見えます。

「試合運びについては、相手のレベルが上がると、まず自分にダメージがあることを見せてはいけない。それは相手も同じですよね。だから去年ぐらいは、自分が相手のダメージを測ることができませんでした。でも今は、セコンドの声がよく聞こえるようになって。セコンドの『行け!』あるいは『今は行くな!』という指示に対して、すぐ体が反応できるようになってきています。

以前は試合の入場時から興奮してしまっていたんですよ(笑)。それが経験を積んだことで、試合中は冷静に戦うことができるようになりました。その冷静さが、試合運びに繋がっているんじゃないかと思います」

――昨年と今年を比べて、練習方法などには変化があったのでしょうか。

「変わったとしたら会長が相手の研究をして、それに基づいた指示をくれるようになったことですね。僕は今まで、試合前に相手の研究をすることがなかったんですよ」

――相手を研究しなくても勝てた、と。

「アハハハ、そんなことは言っていません! たとえば強い選手って、実力の差がある相手には基礎能力だけで勝てるじゃないですか。ウチのジムの方針は、まずその基礎能力を高めようというものなんです」

――それも若い時にしかできない経験ですよね。しかし昨今のMMAでは1つの黒星が以降のキャリアを左右することもあり、選手サイドがマッチメイクに慎重になるケースも無いわけではありません。

「無敗で米国に行ったほうが、ファイトマネーも上がっていくかもしれないです。でも無敗じゃないからって、チャンピオンになれないわけじゃない。負けてもいつか最強になれるなら――UFCのチャンピオンになれるのなら、僕は試合をして経験を積みたいです」

――幼少の頃から練習仲間でありライバルでもあった西川大和選手が……試合は無くなってしまいましたが、そのUFCと契約したと発表された時の心境はいかがでしたか。

「悔しいとか羨ましいとかっていう気持ちは全くなくて、まず嬉しかったです。正直、大和が行けるなら自分もUFCに行けるんじゃないかって思いました(笑)。それは冗談ですけど、最近は日本からUFCと契約する選手も増えてきているので、いつか自分もその流れに乗りたいです」

<この項、続く>

The post 【NEXUS29】フェザー級王座防衛戦、山本空良─01─「やっぱり試合数が多いですかね(笑)」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
LFA MMA MMAPLANET NEXUS29 o ブログ 寿希也 山本空良 平井総一郎 横山武司 河名マスト 浜本キャット雄大

【NEXUS29】初後楽園はフェザー級T=山本空良✖横山武司、そして寿希也✖河名マストも決定!!!

【写真】 MMAファイターとして完成度の高さを競う一戦となる(C)MMAPLANET

5日(月・現地時間)、NEXUSから11月7日(月)に開催される初の後楽園ホール大会のカード第一弾が発表された。

全階級のタイトルマッチ実施が宣言されていた同大会、まずはフェザー級選手権試合でチャンプ山本空良✖チャレンジャー横山武司戦がアナウンスされた一方で、フライ級王者の橋本薫太が王座を返上──浜本キャット雄大と平井総一郎の間で新チャンピオンが決定する。


バンタム級では挑戦者決定戦=咲間”不良先輩”ヒロト×森永ユキトも決まっているなか、フェザー級5分✖2Rで寿希也✖河名マストの一戦も明らかとなっている。

8月にLFAに挑むもアライジャ・ジョンズに完敗を喫した河名は、LFAとは単発契約で敗れてなおLFAからの評価は高く今後の参戦もあるなかで、まずは国内で仕切り直すことになったようだ。前回の試合までは打撃を抜きし、レスリング力のみでMMAを戦ってきた河名。デビューイヤーを終えキャリア2年目は、MMAファイターとしてウェルラウダ―仕様に仕上げていく第2章のスタートだ。

一方の寿希也は柔道出身で、打撃が切れるファイター。彼もまたフェザー級王者に挑戦したが、山本空良に敗れ仕切り直しの一戦に。この試合を前にしてマスタージャパンでのトレーニングにも参加、彼もまたMMAファイターとして一皮剥けようとしている。そんな寿希也✖河名はタイトルマッチに負けず劣らず、要注目のマッチアップだ。

The post 【NEXUS29】初後楽園はフェザー級T=山本空良✖横山武司、そして寿希也✖河名マストも決定!!! first appeared on MMAPLANET.