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BELLATOR Interview PFL2021#09 Special クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:8月─その弐─ウェード ✖ジェンキンス「ハイブリット無限ループ」

【写真】 攻められ、返しがクリス・ウェードのハイブリットレスリング無限ループ(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年8月の一番、第二弾は8月27日に行われたPFL2021#09 からクリス・ウェード✖バッバ・ジェンキンス戦について語らおう。


──青木選手が選ぶ8月の一番、2試合目は何になりますか。

「ウェード✖ジェンキンスですね。前にウェードがアルマン・オスパノフに勝った時、僕はウェードが来ると言ったけど高島さんは『ウェードはジェンキンスに勝てないだろう』っていう見立てだったじゃないですか」

──二の句が継げないです……いや、あれには理由がありました。ウェードがUFC時代にルスタン・ハビロフ戦イスラム・マカチェフ戦というチェチェンやダゲスタン、カーフカスのレスラーにレスリングで負けていたからで。

「いや普通に考えて、あのロシア人はめっちゃ強いですよ(笑)。それにあの時MMAレスリングだからって、僕が話したじゃないですか。覚えていますか」

──もちろん、覚えています。

「で、まさにその展開になったなって」

──いやぁMMAレスリングだからこそ、コーカサスのレスラーに勝てなかったウェードが、フォークスタイルレスリングでNCAAを制し、2度ランナーアップだったジェンキンスに勝てないと思ったわけです。

「MMAレスリングはとにかく上にいれば勝ちです。バックを取らせても、落とせば良い。ウェードはそこで上を取り返している。エドゥアルド・タレスって覚えています? 亀カードの」

──ハイ。タートルガードで極めさせない。ポジションも譲らない。でも、上になってもスイープ・ポイントが取れない柔術家です。

「あれと同じですよ、ウェードは。柔術ではポイントにならないけど、MMAならOKじゃないですか。中井さんが昔、柔術はひっくり返して点が入るけど、MMAは起こったこと……上を取れば点数。バックから落としても、ブリッジ返しでも。それをずっと言っていて、概念を指導するのが上手かったなぁって思います。

もう佐山さんですよね、その辺りも。ウェードに関しては、そのMMAの概念に則した動きを綺麗にしっかりとやり遂げたことが凄いと思いました」

──それをスクランブルというのであれば、それこそフォークスタイルの覇者が強いという風に捉えていました。そこは柔道出身ながら裸でケージレスリングを進化させ、実践してきた青木選手の臭覚と、ただ結果論を並べている自分の差ですね。

「いやぁ……あのギロチンを引っかけてリバーサルしたり、何だかんだと上を取るのはMMAにおけるレスリングですからね。ただ、こんなことをいうとウェードを上げて落としているのかってなりますけど、体格というのもあると思います。

ウェードはライト級から落としてきたのが、合っていた。そしてハブロフやマカチェフと比較すると、ジェンキンスはパワーがなかった。それで、あのハイブリットのループができるというのはあるかなと」

──ハイブリットのループ……ですか。

「ほら、北岡さんの試合を無限ループって呼んでいたじゃないですか。あれの動き合うバージョン。北岡さんは自分が無限に攻め続けるけど、ウェードはそのハイブリットレスリング・バージョンです。お互いに攻めて、動き続ける。攻められているようで、実はウェードのペースなのかもしれないです。

そういう意味いうとウェードが本当に嫌な相手は、昔でいうとシャオリンのようなバックコントロールがしっかりと強い選手でしょうね。ピタッと止められてしまう」

──そのシャオリンと同門だったマルコ・ロウロがノヴァウニオンを離れた後、ウェードと同じロングアイランドMMAに所属していたのも興味深いです。

「あぁ、マルコ・ロウロがしっかりと教えていたということですね。柔術も根づいていて。対して、ジェンキンスは良い形で入れないと、その力も半減するような感じでしたね。それにウェードは打撃が伸びている。これ、決勝が楽しみです」

──モヴィッド・ハイブラエフ、強いですねぇ。

「でも今回の試合と同じで、ウェードは抜群に相性が良いんじゃないかと思います。ハイブラエフはブレンダン・ラウネーンを相手にコントロール以上はなかった。ただラウネーンの打撃が強かったというところを見ないといけないですけど」

──この試合もそうだし、PFLの決勝とかもっと多くの日本のMMAファンに見てほしいですね。

「あんまり視てないのかな。そういえばPFLとBellatorが重なった時、選手なんかも『Bellatorを視ていました』っていう人が多かったです。試合が今、良いのはPFLなんだけどなぁ。決勝も女子ライト級は乗れないけど、ウェルター級とフェザー級は抜群に面白いと思います」

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PFL PFL2021#09 Report クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ

【PFL2021#09】クリス・ウェードという名のケージレスリング。上を取り切り、ジェンキンスを支配し快勝

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.29-28
バッバ・ジェンキンス(米国)

いきなり跳びヒザを見せたジェンキンスが、シングルレッグに出てボディロロックからテイクダウンを奪う。スクランブルをさせないジェンキンスは、バックに回りワンフックへ。ウェードが立ち上がり、ジェンキンスのバックコントロールが続く。ジェンキンスは正対するとシングルレッグで再び倒す。

ウェードのマルセロチンに対し、ジェンキンスは背中を自らつけてスピンアウト。立ち上がったところでウェードがダブルレッグでケージに押し込む。ヒザ裏に腕を通しリバーサル狙いのジェンキンスだが、ウェードはヒザをつけてシングル持ち上げ、前方に落とすと足を捌いてリバーサルに成功する。

結果、上四方で抑えたウェードがバックを伺うと、ジェンキンスは前方に落としつつサイドバックへ。ここでウェードが見事なクレイドルで上を奪い切り、レッグドラックで抑えパンチを落とした。

2R、サウスポーの構えから左ロー、オーソに戻して右ハイから後ろ回し蹴りを見せたウェードに対し、ジェンキンスが左ローを繰り出す。蹴りを多用するウェードに右を当てたジェンキンスがワンツーからダブルレッグへ。ボディロックにキムラ狙いのウェードが、がぶりからギロチンへスイッチする。さらにアナコンダに入ったウェードは下にならず、そのまま絞めていく。

腰をずらそうとするジェンキンスが、ヒザ立ちに。ギロチンにスイッチしたウェードは、ここもスピンアウトのジェンキンスのバックに回る。ワンフックでチョークに入ったウェードは、ジェンキンスの背中を伸ばしにかかる。ハーフと3/4マウント、そしてバックの中間にあるポジションでコントロールしたウェードが2Rも取った。

最終回、スイッチを繰り返すウェードがバック・ヒールキック、ジェンキンスは右を当てて組むとバックに回る。アンクルを取るウェードは、前方にジェンキンスを落とし足を捌きにかかる。結果、上を取りサイドで抑えたウェードがクルスフィックからパンチ、上四方に回りノースサウスチョークを狙う。

察知して動いた──いや、動かされたジェンキンスはバックを取られヒザを打たれる。ウェードは正対しダブルレッグへ。切ったジェンキンスがバックを伺う。ここで両足をフックしたジェンキンスだが、わきの下から後頭部を抱えたウェードが腰を上げて、前方に落としにかかる。背中をマットに着けるのは嫌がったジェンキンスだが、結果的にウェードにバックを取られる。

背中を伸ばされないよう、また腹ばいになるのも避けるジェンキンスは後方から殴られ、ケージを背負って前を向く。アームインギロチンで抱えたウェードは、背中を反って絞める。ジェンキンスはサムアップも、ウェードは左手のクラッチを解いて勝利をアピールし時間に。

ジャッジの1人が29-28をつけたが、ジェンキンスをドミネイトして完勝のウェードは「彼はD1オールアメリカンで、僕は州王者と皆に言われた。でも僕のD2のオールアメリカンなんだ。僕は世界中の誰ともレスリングできる。MMAでのスクランブルに僕のレスリングは使える。彼はクラシックならレスラーだから。フックヒールキックで、彼はダウン状態だったよね。145ポンドは最高だよ。あと一つ、レッツゴー!!」と話した。


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MMA PFL PFL2021#09   クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブレンダン・ラウネーン

【PFL2021#09】計量終了 ラウネーン「レガシーを残す」。ハイブラエフは亡き師ヌルマゴ父に勝利を誓う

【写真】結果を残しているラウネーン。ただし、実力未知数という評価はついて回っており、ハイブラエフ戦で力を示したいところだ (C)PFL

27日(金・現地時間)にフロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#09の計量が、26日(木・同)に行われた。

フェザー級とライトヘビー級のプレーオフ=準決勝が行われる同大会。100万ドルまであと2勝となった選手に計量オーバーはなかった。メインで戦うブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフは、セレモニアル・フェイスオフで互いに頷きながら視線を譲らず、握手をすることなく壇上でインタビューを受けた。


レギュラーシーズンでは1位、しかし掛け率ではアンダードックのラウネーンは「シェイモン・モラエス戦で何が起こったか。ハイブラエフは素晴らしいレスラーだ。でも、僕はグレートMMAファイターなんだ。明日はウォーになる。3R戦うことを恐れていない。3Rが必要なら3Rを戦う。秒殺も3R判定勝ちも僕のキャリアにはある。ただ100万ドルを手にするんだよ。僕はレガシーを残す。イギリスとアイルランドを代表して。レッツゴー!!」と話した。

対してハイブラエフは「レガシーを残すことは、僕にとっても重要だと思っている。僕らはアブドゥルマナプ(ヌルマゴメドフ)を失った。でも彼は今でもダゲスタンにとって欠かせない。MMAの世界でダゲスタンが如何に力を持っているかを示す」と今は亡き師に勝利を誓った。

打撃が強いウェルラウンダーのラウネーンの総合力が、レスリング主体とはいえKOパワーも一本を取る力を持つハイブラエフの破壊力と圧力を制御することができるのか。その辺りが鍵となる準決勝第2試合だ。

フェザー級、もう1つの準決勝はバッバ・ジェンキンスとクリス・ウェードの同い年アメリカン・レスラー対決だ。フェースオフで、上を向いて何やら呟くジェンキンスに対し、冷めた表情でウェードが何から話しかける。

その後、正面を向いてのフォトセッションからエキサイトし始めたジェンキンスは、インタビューで「クリス・ウェードが俺より少しばかり大きいのは確かだ。この数日間、さらに自分を大きく見せようとしてきたけど、中身は俺の方が大きいことを知っている。コイツ、今も『神様は俺を助けない』って言ったんだ。お前が俺の何を知っている? そんなことをいうのはマナーがなっていない」と激しい口調で対戦相手を罵倒した。

対してウェードは冷笑を浮かべながら、「彼はね、昨日も同じことをしていた。上を向いて空を眺めて、ステアダウンが終わらない。だから『何の助けにもならないよ』って伝えたんだ。明日はただ僕と彼だけがケージの中にいる。それだけだよ」とインタビュアーに向けて返答していたが、ここでジェンキンスの方に視線を送る。

そして「僕と君しかいないんだ。ドアが閉められ、鍵がかけられる。君は僕と立ち合うんだよ。ここまでの努力をぶつけるから、ちゃんと受け止めなよ。明日は僕の方をちゃんと見ろ」と伝える表情は、非常に硬いモノに変わっていた。

フォークスタイルレスリングで磨いたテイクダウン防御力と、ジャブや蹴りで突き放すファイトから、一転突破のダブルレッグ──これがNCAA D1を制し、2度ランナーアップとなっているジェンキンスのMMAだ。

対してウェードはインタビューで話していたようにグレコや柔道を取り入れたテイクダウンを仕掛ける。とはいえ、その攻撃力とジェンキンスの防御力では後者の方が上回るだろう。そうなると、ウェードは結果を残してきた打撃の有効活用が欠かせない。正統派のソレではないが、間隙を突くウェードの打撃が効果的な攻撃になり得るか。打撃へのカウンターのテイクダウンに秀でているジェンキンスとの、距離とタイミング合戦になる。

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■PFL2021#09計量結果

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン: 145.8ポンド(66.13キロ)
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス: 146ポンド(66.22キロ)
ラジャー・ストヤディノビッチ: 145.6ポンド(66.04キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー: 145.6ポンド(66.04キロ)
ジェシー・スターン: 144.6ポンド(65.58キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト: 145.8ポンド(66.13キロ)
ボビー・モフェット: 148.2ポンド(67.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス: 145.6ポンド(66.04キロ)
カール・ディートン3世: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム: 154.4ポンド(70.03キロ)
ブランドン・ジェンキンス: 156ポンド(70.76キロ)

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ABEMA MMA ONE PFL PFL2021#09 クリス・ウェード バッバ・ジェンキンス ブログ

【PFL2021#09】フェザー級SF出場、クリス・ウェード─02─「ダナ・ホワイトはレスラーが嫌い」

【写真】試合当日でも、相当にしぼれている感があるクリス・ウェードだ(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノで開催されるPFL2021#09で、バッバ・ジェンキンスと対戦するクリス・ウェード・インタビュー後編。

PFL2021年シーズン・プレーオフ、フェザー級準決勝を前に初めてウェードのインタビューをお紺った。フェザー級戦線で台風の目となったウェードは、独特なレスリング技術の持ち主ながら打撃を多用するスタイルで勝ち星を重ねている。

なぜ打撃を主武器に戦うことになったのか。そこには5勝2敗と大きく勝ち越しながら、契約を更新しなかったUFCとの決別が大きく関係していた。

<クリス・ウェード・インタビューPart.01はコチラから>


──フォークスタイル・レスリングを身につけたうえで、グレコや柔道と腕を差した状態での投げを身につけたということですね

「カレッジスタイルは子供の頃からやってきたけど、ずっと投げが好きだったんだよ。それにフリーやグレコの練習もしていたしね」

──その投げを多用し、またしっかりと上を取るリバーサルなどねちっこい展開の組技より、打撃を多用するスタイルに変化してきました。特にPFLで戦うようになってから、その傾向が強く見られます。

「UFCで5勝2敗という戦績だったにも拘わらず、契約更新の交渉は凄く難航した。まぁダナ・ホワイトはレスラーが嫌いで、グラップリングを多く使う選手は要らないんだと思ったよ。僕は勝つために全力で戦っていたけど、ああいう類の人たちを納得させることはできなかった。

対価として正しい評価を得られるのであれば、別にスタンドで殴り合ったって構わない。全く問題ないよ。でも、結局のところ僕はレスラーなんだ。相手を倒して、コントロールできる。相手がそれを許すわけさ。でも、多くの人はそんな戦い方はお気に召さないんだ。

大抵の人はレスリングではエキサイトしない。でも、レスリングほど支配力のあるマーシャルアーツはこの世にないんだよ。そしてレスラーは『退屈だ』という烙印を押される。でも、僕の運動神経をもってすれば別にキックボクシングで戦うことだってできる。なら、相手をボコボコにすれば良いんだろうって契約問題がこじれた時に考えるようになったんだ」

──フリーランスになった時に、日本、もしくはアジアのプロモーションと契約して日本人選手との試合が組まれないかと期待していました。打撃戦が好まれる傾向は、日本にもありますが、ケージレスリングを楽しめるファンの割合は米国より多いと思います。

「ONEに関しては、マネージャーとは話したよ。アジアで戦うことを視野に入れてね。米国のファンは血生臭い、決闘が見たいんだ。でも日本のファンはもっとMMAを見る目が肥えていて、ファイトIQが高いことも知っていた」

──少なくとも一生懸命戦っている選手にブーイングをすることはないと思います。個人的には青木真也選手や安藤晃司選手と戦えばどうなるのかと楽しみでした。

「シンヤ・アオキと戦えるようなことになっていたら、最高だっただろうね」

──ただクリスはPFLを選択しました。そして今、PFLのフェザー級の頂点に立つ可能性を持っています。

「その準備はできているよ。バッバに勝つ自信もある。痛めつけてフィニッシュしている自分の姿を想い描くことができるんだ。そうしたら、多くの人間がこう言うようになるだろう……『コイツは金になる』ってね(笑)。

ホントにここからだと思っている。バッバはNCAAでも優勝しているし、多くの栄光を手にしてきた。でも、今の彼に僕を止める力はない」

──アルマン・オスパノフにあの勝ち方をした時、クリス・ウェードは一皮むけたと感じました。アルマンが勝つと断言はしなかったですが、正直クリスにとって厳しい試合になるとは思っていました。それがレスリングでなく、ハイキックから追い打ちのパンチでKOです。

「あの試合は自信になったよ。

アルマンはコンバットサンボの世界チャンピオンで、KOアーチストでもある。スピードが速く、決定力もある相手だった。そのアルマンをKOできた。ならバッバだってKOできる。できない根拠がないだろう?」

──では決勝に進んだという仮定の話ですが、ブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフ、どちらと戦いたいですか。

「そうだね、イギリス人と戦いたいな。彼の方がMMA界全般で名前が知れ渡っているから。彼のファンも多い。そういう相手と戦いたい。ロシア人とはもう何度も戦ってきたからね。個人的な嗜好でいえば、スペシャリスト的な選手と戦いたいんだ。ブレンダンは打撃のスペシャリスト、特にローキックが素晴らしい。対してモヴィッドはオールラウンダーだ。スペシャリストのブレンダンに勝ちたい」

──こういうことを聞くべきじゃないかもしれないですが、100万ドルの使い道など考えることはありますか。

「少し、ワイフと話しているよ。家族と一緒に、ちょっと贅沢な欧州旅行をしたいね、と(笑)。家族の心にずっと残る時を刻みたいんだよね」

──クリス、良い感じですね。

「もちろん、少し贅沢をすると残りの優勝賞金は、投資をしたり有効活用するつもりだけどね(笑)。とにかく、そういう実用的なことの前に、家族と一緒に良い時間を過ごしたいと思っている」

──では、さらにその先のことを聞いてしまいますね。今のクリスはUFC時代より、試合内容でも評価をされるでしょうし、強さも再評価される。PFLでファイナルを制したあとのキャリアアップはどのように考えていますか。

「どうなるかな。楽しみにしてくれよ。アジアに行くこともあるから、その時はサポートをお願いするよ(笑)」

──クリス、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のMMAファンの皆が、僕のインスタグラムをフォローしてくれると嬉しいよ。僕はアジアのMMA社会を凄く尊敬している。アジアで色々な経験をしたいと思っているんだ。その日がやって来ることを願っている。そして日本やアジアのMMAファンと交流できることを楽しみしているよ」

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■ PFL2021#09対戦カード

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)

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【PFL2021#09】ベストNCAAレスラー=ジェンキンス戦へ、異彩クリス・ウェード─01─「腰を使う」

【写真】非常にリラックスしており、ファイトスタイルは泥臭いが会話はクールなクリス・ウェードだった(C)MMAPLANET

27日(金・現地時間)、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノでPFL2021#09が開催される。

プレーオフも3週目、最後の2階級=フェザー級とライトヘビー級のファイナルリストが決まる。そのフェザー級でシーズン前の予想を覆す活躍をしているのが、クリス・ウェードだ。

UFC時代から独特なレスリングを使い、ねちっこさでは右に出る者はいないというスタイルで、オクタゴンでも3勝2敗と勝ち越していた。その後、PFLに戦場を変えたウェードは2018年と2019年シーズンで、それぞれ4位&3位と連続でセミファイナリストのなり、契約を更新してきた。

迎えた2021年シーズン、ウェードはフェザー級に落としレギュラーシーズンは8P獲得──第2シードでプレーオフに進出を果たした。ジェンキンスはNCAA D-1を制したエリート・カレッジレスラーだ。対してウェードはD-3レスラー、何よりも同じフォークスタイル出身者同士とは思ないほど、両者のエスリングは違う。

日本で考えられている米国フォークスタイル・レスラーの概念とは違い、唯一無二の戦い方をするウェードに話を訊いた。


──金曜日にバッバ・ジェンキンスとPFL2021フェザー級プレーオフ=準決勝を戦います。今、どのような気分ですか。

「最高だよ。今は減量に集中していて、精神的にもファイトナイトを我慢して待っている感じだよ」

──デビュー10年目の今年から、145ポンドに落としました。フェザー級の体を作るのにも慣れましたか。

「そうだね、アジャストしている最中だ。今日、体重を測ったら155ポンドという以前の試合体重までは落ちている。ここから1日半、言うと大変な思いをするわけだけど、ファイトデーの状態を考えると、それだけ苦しむ価値はあるんだ」

──ところでレギュラーシーズンはニュージャージーで開催されましたが、プレーオフはフロリダです。フロリダは経済活動が再開され、コロナパンデミック以前のような雰囲気もあります。

「そうだね。でも、僕らはバブルの中にいてホテルから出ることは許されない。コーナーマンやコーチとの接触もしちゃいけないから、今もちょっとしたチャレンジングな気分になっているよ。

フロリダでは外を出歩いて、グロッサリーストアに行くことだって許されているのにね。ただ、隔離措置が短くなっていることは有難いことだよ」

──トレーニング・キャンプはいかがでしたか。

「ノーマルだよ。問題ない。僕らのホーム、ロングアイランドはもうロックダウンの類の政策は行われていないからね。ワクチン接種を終えて、普通の練習をすることができているよ。練習は全てロングアイランドでやっているし、50マイルも離れたNYに行くような用事もないしね(笑)」

──クリスはこれまで2度、ライト級時代にプレーオフを経験しています。そしてどちらも準決勝で敗れました。ただし、今回は4人制ワンナイトトーナメントでなく、準決勝1試合です。このフォーマットの変化をどのように捉えていますか。

「大歓迎だよ。4人制ワンナイト・プレーオフは体に与えるダメージが大きいし、特に2試合目はしっかりとした準備もできない。2018年に準決勝でナタン・シュルチと戦った時は準々決勝を終えてから試合まで2時間のインターバルがあった。でも2019年はクォーターファイナルを終えて、セミファイナルでロイック・ラジャポフと戦うためにケージに向かうまで50分しかなかった……。

あの状況は楽しくはないよね。なんというのかな。違いを見せるために、やり過ぎなフォーマットだった。だから、今年のようにプレーオフといっても1試合だけの方がずっと戦いやすい。いつものワンマッチと変わりなく戦うことができるからね」

──それなのにエルボーは使えないですよね。

「ノー、ヒジ攻撃は認められてない」

──ワンマッチで、決勝まで2カ月のインターバルがあるのに。

「下らない判断だよ(笑)。普通にMMAを戦わせてくれれば良いのに。エルボーでカットがあっても、どれだけファイナルに影響があるんだって(苦笑)。バカげているね。全く意味がないことだ。2カ月あればリカバリーできるからね。まぁ、決まっていることだからルールを守って戦うだけだけどね」

──そのワンマッチになったプレーオフでは、バッバ・ジェンキンスと戦いますが、彼は2連覇中のランス・パーマーを破りました。そして、そのランスはモヴィッド・ハイブラエフにも後れを取り、レギュラーシーズン敗退に終りました。クリスはランスの敗北をどのように見えていますか。

「ランスがバッバに敗れることは、ある程度想定内だったよ。レスリング時代の因縁もあってマッチアップされたけど、バッバはタフなファイターだし、互角の試合が予想された。つまり50パーセントはランスが負けるという試合だったんだ。

加えてスタイルマッチアップとして、バッバの方が有利だと僕は予想していた。だからといって、僕がバッバを恐れることはない。僕とランスはタイプが違うレスラーだからね。何よりも、今年のランスはもうモチベーションがなかった。PFLで戦い続けることがどうなのかっていうこともあっただろうし。だからランスがバッバに勝つ確率の方が低いと考えていたんだ」

──ジェンキンスはNCAAレスラーとして、MMA界でもベストの1人です。ランス・パーマーを破るほどレスリングが強い。ただし今、クリスは『ランスとはタイプが違う』と言いました。

「そうだね」

──クリス・ウェードは、ランス・パーマーだけでなくMMA界を見ても似たスタイルのファイターはいないと思います。UFCで戦い始めた頃からヒップトス……首投げや払い腰を多用し、ダックアンダーから直接クレイドルに入ったシーンなど見たことなかったです。

「フフフフ。僕は他のレスラーとは違うからね」

──特にがぶられたりした時に、クリスはスクランブルで立って離れるのではく、ヒザをつきながら腕を伸ばしていてもレッスルアップして、リバーサル。上を取るという動きを見せてきました。

「アンオーソドックス・レスラーなんだ(笑)。投げが好きで。でもスクランブルだって好きだよ。ただし、今指摘されたように立って離れるんじゃなくて、スクランブルを使って相手を混乱させてトップを取りたいんだ。

ただ立ち上がるだけじゃないというのは、その通りで。上を取り、コントロールしてチョークで絞めあげる。アームロックやニーバーを仕掛けるために、スクランブルからトップを取る。だからバッバのレスリングとは、別物だよね。

バッバのレスリングはNCAAのそのものだ。僕は腰に乗せて、自分の得意なところで戦う。そうだね、バッバがフォークスタイル・レスリングを仕掛けてきたとき、僕は皆を驚かせることができる。金曜日の夜は、そんなシーンを見せることになると約束するよ。

バッバは伝統的に従ったレスリングの使い手だ。僕はそんなレスリングはしない」

──クリスはハイスクールやカレッジでレスリングをしている時から、あのようなユニークなスタイルのレスラーだったのでしょうか。

「少しだけね。でも高校やカレッジの頃は今、MMAで戦っているようなレスリングではなかった。このレスリングはサブミッションを仕掛けるためだから。今年戦った2試合で、僕は1度もシングルレッグやダブルレッグというシュートを使っていないんだ。それでも僕には投げがある。

柔道を取り入れ、トラディショナルなグレコローマンを取り入れているのが僕のレスリングだ。僕は腰を使う……腰を使った攻撃をしたいと思っているからね」

■視聴方法(予定)
8月28日(土・日本時間)
午前7時30分~Official Facebook

■ PFL2021#09対戦カード
<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

<フェザー級/5分3R>
シェイモン・モラエス(ブラジル)
ラジャー・ストヤディノビッチ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリス・カモージ(米国)
コリー・ヘンドリックス(米国)

<フェザー級/5分3R>
アントニー・ディジー(フランス)
ジェシー・スターン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジェイソン・ナイト(米国)
ボビー・モフェット(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フロレス(メキシコ)
カール・ディートン3世(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイコブ・キルボーム(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)

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【PFL2021】プレーオフ=準決勝の顔合わせと試合順決定。第一弾でマクドナルド✖ブラダボーイ!!

【写真】ウェルター級ではロリマク✖ブラダボーイが、準決勝で潰し合う(C)PFL

20日(火・現地時間)、PFLより8月に3週連続で開催されるプレーオフ大会の対戦カードが発表された。

PFLでは2018年と2019年シーズンは、ベスト8がワンデートーナメントで準々決勝と準決勝を戦い、大晦日に世界チャンピオンの称号と賞金100万ドルを賭けてファイナルが行われていた。対して今シーズンはベスト4が5分3Rの通常のMMAマッチとなる準決勝を経て、10月27日にベガスのマンダレイベイで決勝を戦うというフォーマットに変更させている。

開催地をレギュラーシーズンのニュージャージー州アトランティックシティのオーシャンカジノ・リゾートから、フロリダ州ハリウッドのセミノール・ハードロックホテル&カジノに移し、8月13日=ウェルター級&ライト級、19日=女子ライト級&ヘビー級、27日にフェザー級&ライトヘビー級のセミファイナルが実施される。


準決勝の組み合わせはレギュラーシーズンの1位✖4位、2位✖3位となることもレギュレーションで決まっている一方、レギュラーシーズンではイベントはフェザー級&ライト級、ウェルター級&ライトヘビー級、女子ライト級&ヘビー級という組み合わせになっていたが、階級のカップリングは見直されている。

恐らくは残った顔ぶれによって、組み変えられたと思われる。というのもライト級ではアンソニー・ペティス、マーチン・ヘルド、そしてナタン・シュルチ、フェザー級でランス・パーマー、ヘビー級でファブリシオ・ヴェウドゥムとモハメド・ウスマンという風に目玉選手が既に脱落。レギュラーシーズンは番狂わせで盛り上がった一方で、ベスト4の顔ぶれが良くいえば新鮮、悪くいえばバリュー不足に陥ってしまった。

結果、プレーオフの盛り上がるのか、否か。重責を担った第1戦のメインでウェルター級のローリー・マクドナルド✖レイ・クーパー3世が組まれた。ウェルター級は肝入りファイターの敗退がなく、そのうえでロリマクが思わぬ1勝1敗でランク2位、ブラダボーイが計量失敗で減点がありランク3位になったことで、プレーオフ髄一の注目の一番が実現することに。

この他、同じく第1戦ライト級でクレイ・コラード✖ハウシュ・マンフィオというペティス喰いを果たしたファイター対決、第3戦のフェザー級=クリス・ウェード✖バッハ・ジェンキンスなど、決勝で見てみたかった顔合わせが準決勝で実現する。

ちなみにプレーオフ出場24選手、その国籍の内訳は米国が7選手で最多、次いでブラジルの6選手、そしてロシアの3名と続き、残りは英国、アルゼンチン、ノルウェー、豪州、クロアチア、カナダ、タジキスタン、パラグアイが1選手ずつとなっている。

■PFL2021プレーオフ対戦カード

PFL2021#09

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)

<フェザー級準決勝/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
アントニオ・カルロス・ジュニオール(ブラジル)

<ライトヘビー級準決勝/5分3R>
セザー・フェレイラ(ブラジル)
マールシン・ハムレット(ノルウェー)

PFL2021#08

<女子ライト級準決勝/5分3R>
ケイラ・ハリソン(米国)
ジャナ・ファビアン(豪州)

<ヘビー級準決勝/5分3R>
ブルーノ・カッペローザ(ブラジル)
ジャマル・ジョーンズ(米国)

<女子ライト級準決勝/5分3R>
ラリッサ・パシェコ(ブラジル)
テイラー・ゴールダード(米国)

<ヘビー級準決勝/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
アンテ・デリア(クロアチア)

PFL2021#07

<ウェルター級準決勝/5分3R>
ローリー・マクドナルド(カナダ)
レイ・クーパー3世(米国)

<ウェルター級準決勝/5分3R>
ジョアォン・セフェリーノ(ブラジル)
マゴメド・マゴメドケリモフ(ロシア)

<ライト級準決勝/5分3R>
ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)
アレックス・マルチネス(パラグアイ)

<ライト級準決勝/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
ハウシュ・マンフィオ(ブラジル)

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【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その壱─PFL後編=ロリマク✖チバウ「史上、例のない試合」

【写真】このチバウの無邪気が喜び方。そして後方でパフンピーニャが手を広げている姿も確認できる (C)PFL

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年6月の一番、第一弾は6月10日に行われたPFL2021#04 からクリス・ウェード✖アルマン・オスパノフ戦だった。この両者の試合から、シーズン制フォーマットを敷くPFLの“おかしさ”に話題が発展。後編では、消化試合、減量失敗という2つのポイントを軸に、さらにPFLについて言及してもらった。

<青木真也が選ぶ6月の一番─その壱─前編はコチラから>


──8月開催のプレーオフ、クリス・ウェード、ブレンダン・ラウネーン、モヴィッドハイブラエフ、バッバ・ジェンキンスの4名、この行方はどのようになると予測しますか。

「なんだかんだとウェードだと思います。完成度が高いし、オスパノフを相手にしっかりと勝てたのは大きいと思います」

──ジェンキンスのテイクダウン一点突破を阻止できますか。

「あぁ、ジェンキンスの評価が高い人っていますよね。ランス・パーマーにレスリングで勝つのだから、もう力はある。“ど”レスラーに、レスリングに勝つ。でも、ジェンキンスと比べると……ウェードかなぁと思います」

──なるほどぉ。では焙れた人材も優秀というなかで、PFL2021年シーズンで他に気になるファイターはいますか。

「それはローリー・マクドナルドです。しかもグレイゾン・チバウに負けちゃうんだから(笑)。あの試合はMMAにおいて例のない試合です。結果的にハッピーエンドで、勝った方も負けた方も損をしない」

──確かに、チバウは2Rまでにフィニッシュしないと、5Pを獲得できずプレーオフ進出はなかった。そしてロリマクは6P獲得していて試合前から決勝進出が決まっていました。つまりあの3Rは、MMAにおいて存在しなかった消化ラウンド。勝っても負けても何も状況が変わらないという5分間でした。

「MMAにはまずないですよね。負けても良い試合なんて。試合数が違うけど、野球とか敗戦処理ピッチャーがいるわけで、敗北こみのシーズンの戦い方をするけど。それと個人戦のMMAでは試合数も違うし、1敗の重みも違ってくるものだし。でも、それが今回のロリマクにはあった」

──感情は抜きにして、負けても損失はないというのは──それこそIFLのチーム戦で、勝利が確定しているあとに出てくる選手ぐらいだったかと。と同時に面白いなと思ったのが、勝ってもプレーオフ進出はないチバウがあれだけ喜んでいることなんですよね。

「面白いですよねぇ(笑)。ロリマクは流してフィニッシュにいかないし。チバウはセコンドのパフンピーニャと一緒に大喜びして(笑)」

──あの状況はサッカーの入れ替え戦で勝っても、他の試合の結果で昇格できない状況と同じで。普通は勝っても、お通夜です。

「1億円獲得が無くなった試合ですからね(笑)。ロリマクの足を引っ張ったわけでもない。PFLの価値観では敗退、優勝賞金もなし、終了です。でも、これまでのMMAの価値観が残っていて喜んでいる。ロリマクに勝って、その勲章で次の話があるかもしれないですしね。無邪気で良い感じでした(笑)」

──またPFLのフォーマットでは減量失敗はマイナス1Pで、勝ってもポイントにもならない。相手は自動的に3P獲得でボーナスを取らせないために戦う。勝ってもゲインはない。それがブラダボーイとニコライ・アレクサヒンの試合でした。そういう点において、PFLはここでもMMAで初めての状況を生み出しているかと。

ブラダボーイはボーナス点を与えないために3Rを戦い抜いた(C)PFL

「体重オーバーの試合は、やったもの勝ちがいくらでもありましたからね。

これも点数制で、新しい価値観が生まれました。ただし、リーグ戦を他でやっても二番煎じだし、じゃぁUFCのような選手層の厚さで。これができるかといえば絶対に無理です。どれだけの数のリーグを創らないといけないんだって(笑)。

PFLの規模というか、PFLはコレを狙っているから、こういう規模でやっている。それでも減量失敗は、やったもん勝ちではないという状況は何かしらの抑止力にはなるかもしれないですね」

──そのウェルター級はロリマク、ブラダボーイ、ジョアォ・セフェリーノ、そしてマゴメド・マゴメドカリモフの4人がプレーオフ進出です。

「ロリマクは、クーパー3世のような力で押し切っているタイプは苦手だとは思いますけど……でも、ロリマクのほうが強いと思います」

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【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その壱─ウェード✖オスパノフ「PFLの息吹き」

【写真】プレーオフが4人となり、PFLのシーズンフォーマットの面白さが世に浸透し始めた?! (C)PFL

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年6月の一番、第一弾は6月10日に行われたPFL2021#04 からクリス・ウェード✖アルマン・オスパノフ戦、そしてPFLについて語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年6月の一番、最初の試合をお願いします。

「クリス・ウェード✖アルマン・オスパノフです」

──おおPFLのフェザー級の一戦ですね。

「PFL自体がすごく良い大会になっていますね、今。フェザー級に落としたウェードが勝ちましたけど、スイングした良い試合でしたね。まぁウェードが良かったという話になるのですが」

──UFC時代のフォークスタイルと柔術を融合したグラップリングで興味深い試合をしていた選手ですが、突き抜けることはできなかったです。

「はい。ただ、ああいうスタイルの選手はなかなかいなかったですし、打撃もできないわけではなかった。今回の試合では蹴ることもできていました。フィニッシュはパンチになっているのですが、その前のハイで決まっていました」

──はい、あの一撃でオスパノフが背中を見せてから殴られてKO負けです。

「ミドルが顔に入った形でしたよね」

──私はウェードはオスパノフの打撃に圧されると予想していたので、意外な試合展開と結末でした。

「ですよね。僕もオスパノフは強いと思っていました。ACAでも期待の選手で。だいたい、ブラックタイガーに勝っていますからね」

──ブラックタイガー? ローローボール・マーク・ロコ……ではないですよね。

「……ラスル・ミルザエフです……ACAの」

──あぁ、ディエゴ・ヌネスやトニーニョ・フリアに勝っている選手ですね。

「はい。でもシャミル・シャフブラトフには負けていて。そのミルザエフに勝って……。カザフスタン大会、ホームタウンで勝ったからどうなんだというのもあったけど、期待値の高い選手でした。

結果、ACAでも良い試合はするけど勝ち切れてはいなかったですけどね。スタートダッシュ系で、攻撃は良いけど、攻撃儲けるからそういう風になる選手だと思います」

──それでもウェードに勝つと思っていたのですが、結果としてTKO負け。やはりUFCのレベルは……とオウム返しになってしまいます。ただ環境としてUFCをリリースされても100万ドルが目指せるプロモーションがある素晴らしさを感じます。

「1億円が懸かっているから、凌ぎ合いがあります。リーグ戦ではないけど2試合のレギュラーマッチから、4人トーナメントのプレーオフというフォーマットがはまってきて競技的に一番面白いと思って見ています」

──プレーオフが8人より、4人になりサバイバル感が相当に増して試合単位でなく、階級として興味が惹かれます。

「そうですね、落ちる選手が増えるから。しかもプロモーターが誰を落としたいのか、相当に透けてきて。でも、その通りにならない」

──ライト級でアンソニー・ペティス、ヘビー級でファブリシオ・ヴェウドゥムを押していたのにどちらも消えた。1993年、伝説のK-1第1回GPでピーター・アーツとモーリス・スミスに如何に佐竹雅昭が絡むのかと思われたら……。

「ブランコ・シカティックとアーネスト・ホーストが残って、ホーストが優勝(笑)。そういう面白さがありますね。ペティスだけなくて、マーチン・ヘルドもそうだし。それにライト級では2連覇中のナタン・シュルチ、フェザー級でもランス・パーマーも消えている」

──3連覇を目指したパーマーのレギュラーシーズン敗退はセンセーショナルでした。パーマーが消え、ウェードが残ったフェザー級はブレンダン・ラウネーンと共にパーマーを破ったモヴィッドハイブラエフとバッバ・ジェンキンスが残ることになりました。

「メインストリームから外れた第3世界のMMAっぽさが最高に面白くて」

──ラウネーンはBAMMAからACB、コンテンダーシリーズでも勝利している英国人で。ハイブラエフはONEで大きく注目された時期がありました。そしてジェンキンスは前BRAVE CFフェザー級チャンピオンです。

「そういう世界観に元UFCファイターが絡むことで、そっち側の選手たちの力がどれほどなのか。答え合わせができる。そこがPFLを最高に面白いモノにしています」

──まさにオスパノフがウェードに敗れたように。

「PFLは、これから伸びていく息吹きのようなモノを感じますね。ACBからACAとロシアが面白かったのが、トップどころがUFCやBellatorに流れ一段落ついた。そういうなかで、中央アジアやダゲスタンなんかのロシアも絡んでACA的なところも包括していて、PFLをより面白くしています」

──凄く気に入っている感が伝わってきます。

「まぁウェルター級までなんですけどね。ライトヘビー級とヘビー級は世界的に見ても絶対数に違いがあって。もう限られているから、UFCから零れるとこうなっちゃうのかなっていうのはありますよね。

やっぱり世界的な規模でいえばバンタム級からウェルター級までですよね。だからUFCの仕事からあぶれたなかからでも、これだけ良い選手が集まる」

──逆にライトヘビー級とかでなくバンタム級が見てみたいですね。

「でも、そこが米国のビジネスなんでしょうね」

<この項、続く>

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【PFL2021#06】ランス・パーマー、レスリングで後れを取り──ハイブラエフに敗れシーズン終幕

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ランス・パーマー(米国)

得点0のツータイム・ワールドチャンピオン=パーマーに対し、まずハイブラエフが右後ろ回し蹴りを繰り出す。静かな立ち上がりの中で右ローを入れたハイブラエフが、右前蹴りを突き刺す。パーマーは左ハイから右ロー、右を伸ばし組んでいったハイブラエフだが、バランスくを崩すとすぐに離れる。直後に右ハイを見せるなど、パーマーに入らせないハイブラエフが再び右前蹴りを入れる。

続くステップインに左を合わせたパーマーは、姿勢を乱して立ち上がったハイブラエフをケージに押し込む。自ら離れたパーマーが左フック、右で迎え撃つハイブラエフとスリリングがやり取りが繰り広げられる。跳び右ハイを放ったハイブラエフ、続いて左フックを当てる。ローから後ろ回し蹴りをハイブラエフが見せたところで初回が終わった。

2R、この回で勝利しないとプレーオフ進出がなくなるパーマーだが、右ローから組まれてテイクダウンを許してしまう。足を束ねて左フックを打つハイブラエフはスクランブルでバックに回る。スイッチを潰し、バックを維持するハイブラエフがリフトアップからスラム。さらに足を払ってレスリングでパーマーを削っていく。再度、スイッチを潰されたパーマーは、一旦背中をマットにつけると即スクランブルへ。

ハイブラエフのバックコントロールが続き、いよいよ追い込まれたパーマー──プレーオフ進出へ残された時間は2分を切る。キムラを狙うパーマーをハイブラエフがリリースする。パーマーは左ストレートを当て、左ミドルへ。ハイブラエフは距離をコントロールしつつ、右ロー、右フックを打っていく。さらにパーマーの左ストレートにヒザを合わせていったハイブラエフは、左フックにも後ろ回し蹴りを見せ時間に。パーマーの3連覇は潰えた。

最終回、従来のMMAにはない消化ラウンド=5分間をパーマーはどのような気持ちで戦い切ることができるのか。ハイブラエフはステップインに左を合わせ、パーマーも目の前の勝利を取りにジャブから左を見せる。さらに左リードフックからジャブもハイブラエフのカウンターの右、続く左を被弾する。勢いのある右ミドルを蹴ったハイブラエフがワンツーからスリーとフックを連打。カウンターの左、ステップジャブと攻勢のハイブラエフが、続いてワンツーを当てる。

ガードの上からのハイキック、続くシングルとディフェンスしたパーマーだが、自ら攻めるには至らない。ハイブラエフはスピニングバックキックを腹に決め、スピニングバックフィストも繰り出す。残り20秒で意地の左ストレートを打ち込んだパーマーだが、ハイブラエフが飛び込んで左を当て──最後は足を使いタイムアップに。パーマーはハイブラエフの肩を抱き、敗北を受け入れているような表情を浮かべた。

判定勝ちのハイブラエフはブレンダン・ラウネーン、クリス・ウェード、バッバ・ジェンキンスともにプレイオフ進出を決めた。


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【PFL2021#04】試合結果 ライト級でシュルチ、ヘルドが脱落濃厚。ペティスは2週間後に仕切り直し

【写真】2度の五輪金メダリスト、ボクシングで成功を収めているがまるで気取ったところがなく、MMAソサイエティに溶け込んでいたシールズ。次戦が楽しみになる(C)PFL

10日(木・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティ
オーシャン・カジノリゾートのPFL2021#04で開催された。

メインで五輪金メダル2度獲得、ボクシング世界8冠のクラレッサ・シールズが、ブリトニー・エルキンにマウントを奪われ寝技の洗礼をうけながら、逆転のTKO勝ちを収めた今大会はライト級とフェザー級でシーズン最終戦が組まれた。

しかし、アンソニー・ペティスが直前に欠場となり、不戦敗ではなく2週間後のPFL2021#06で、対戦相手をハウシュ・ウマンフィオに変更され組まれることに。またフェザー級ではランス・パーマーとモヴィッド・ハイブラエフもシャッフルされて、2週間後に対戦することが決まった。

このため今大会でプレーオフ進出4名は確定せず、現時点で獲得ポイントがOPのペティスとパーマーにも、チャンスは残されている。ちなみにPFLのオフィシャルサイトでは、ライト級でクレイ・コラードが2試合連続判定勝ちながら9Pで1位となっているが、ここではESPN発表ランキングに倣い、6Pの2位とした。

また太字の選手がプレーオフ進出決定。実線で名前が消されたファイターはシーズン敗退が決まっている。

【フェザー級ランキング】
1位 9P ブレンダン・ラウネーン
2位 8P クリス・ウェード
3位 6P バッバ・ジェンキンス
4位 5P シェイモン・モラエス
5位 3P モヴィッド・ハイブラエフ
6位 3P タイラー・ダイヤモンド
7位 0P ランス・パーマー
8位 0P ボビー・モフェット
9位 0P アルマン・オスパノフ
10位 0P ジェシー・スターン

【ライト級ランキング】
1位 6P ロイック・ラジャポフ
2位 6P クレイ・コラード
3位 3P ハウシュ・マンフィオ
4位 3P アレックス・マルチネス
5位 3P ナタン・シュルチ
6位 3P マーチン・ヘルド
7位 3P アクメト・アリエフ
8位 2P オリヴィエ・オバメルシェ
9位 0P アンソニー・ペティス
10位 0P ジョイルトン・ラターバッバ

PFL2021#04
<女子ライト級/5分3R>
○クラレッサ・シールズ(米国)3R1分44秒
TKO
詳細はコチラ
×ブリトニー・エルキン(米国)
<159.4ポンド契約/5分3R>
○カシアス・クレイ・コラード(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ジョイルトン・ラターバッバ(ドイツ)
<フェザー級/5分3R>
○バッバ・ジェンキンス(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ボビー・モフェット(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ブレンダン・ラウネーン(英国)3R
判定
詳細はコチラ
×タイラー・ダイヤモンド(米国)
<ライト級/5分3R>
○ナタン・シュルチ(ブラジル)3R
判定
詳細はコチラ
×アレックス・マルチネス(ペルー)
<ライト級/5分3R>
○オリヴィエ・オバメルシェ(カナダ)3R
判定
詳細はコチラ
×マーチン・ヘルド(ポーランド)
<ライト級/5分3R>
○ロイック・ラジャポフ(タジキスタン)1R0分27秒
KO
詳細はコチラ
×アクメト・アリエフ(ロシア)
<146.8ポンド契約/5分3R>
○シェイモン・モラエス(ブラジル)2R4分59秒
キムラ・アームロック
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×ジェシー・スターン(米国)
<フェザー級/5分3R>
○クリス・ウェード(米国)2R2分18秒
TKO
詳細はコチラ
×アルマン・オスパノフ(カザフスタン)

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