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Report UFC UFC259 ジョーダン・エスピノーサ ティム・エリオット ブログ

【UFC259】テイクダウンから完全にエスピノーザをコントロール。エリオットがフルマークの判定勝ち

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
Def.3-0:30-25.30-27.30-27
ジョーダン・エスピノーサ(米国)

短髪になったエリオットが、独特の構え&スイッチから組みに行くが、エスピノーサがいなす。左のオーバーハンドから2度パンチを繰り返したエリオットがクリンチ&ケージに押し込む。エスピノーサはヒザを入れて離れると、右ハイから左フックを当てる。続く右に組みついたエリオットがボディロック、右スネを入れて密着を防いだエスピノーサが離れて右をの伸ばす。

続く右ハイを避けながらキャッチしてテイクダウンしたエリオットが、シングルフックのバックを取り、襷懸けに。パンチに切り替え、絞めへの対応で背中マットにつけたエスピノーサが、ケージを利して立ち上がろうとする。エリオットは背中を再びつかせ、キムラを防ぐと逆にキムラを狙う。エスピノーサはここでも背中をマットにつけて防御し時間に。

2R開始と同時に距離を詰めたエリオットは、続く展開で初回と同じようにハイキックをダックでかわしテイクダウンを決める。足関スイープからスクランブル、スタンドに戻ったエスピノーサを即テイクダウンしたエリオットが、枕で圧を掛ける。パンチ、肩固めを仕掛け、パス狙い、背中越しに右手を取りに行くなど、詰将棋のようにエスピノーサを攻めるエリオットがスクランブルでバックを伺う。

前腕で鼻をこするように右腕を滑らせるエリオットは、エスピノーサの背中を伸ばさせる。エビで上を向きなおしたエスピノーサだが、背中越しに左腕を取られ、殴られて腹ばいの状態で背中を伸ばす。何とか亀に戻したエスピノーサだが、手首を掴む動きに呼応されクォーターマウントを許す。上を向いたエスピノーサは、上腕チョークで削られ──何やら言葉を交換したところで、攻め続けられた2Rをサバイブした。

最終回、左右のフックを振るって回るエスピノーサは跳びヒザをキャッチされ、細かいパンチの連打から、シングルレッグでテイクダウンを許す。レッグドラッグ気味に抑え、腰を切れないようにしたエリオット。必死に腰を押してエビで足を戻したエスピノーサ、エリオットは大量の流血が見られ、頭を抑えることでエスピノーサの顔面が返り血で真っ赤になっている。

エスピノーサは腕十字を防がれ、担ぎパスを許す。サイドで抑えたエリオットが、自らハーフい戻り、肩固めを狙う。ここは防いだエスピノーサだが、スクランブルに持ち込めず厳しい状態が続く。エルボー、パンチを落としたエリオットが最後にパンチを纏め、立ち上げってボディを踏みつけようとしたところでタイムアップを迎えた。

エリオットはフルマーク、ジャッジの1人が30-25をつける感傷を手にした。


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News UFC UFC ESPN13 カルヴィン・ケイター コディー・ステーマン ジミー・リベラ ダン・イゲ ティム・エリオット ヒカルド・ハモス ブログ

【UFC ESPN13】対戦カード ファイトアイランド発UFC欧州&中東合同イベントに気になる新顔?ズラリ

【写真】Brave CFからチュニジア人、スウェーデン人ファイターが。スペリオール・チャレンジからはノルウェー人選手、Titan FCからUFCにステップするギリシャ人選手はケージウォリアーズ出身のリトアニア人選手と対戦──そんな大会にティム・エリオットは5月30日にブランドン・ロイヴァルと戦ったばかりのティム・エリオットが出場する(C)Zuffa/UFC

2020年6月16日(木・現地時間)
UFC ESPN13「Kattar vs Ige」
UAE アブダビ
UFC Fight Island

■視聴方法(予定)
7月16日(木・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<フェザー級/5分5R>
カルヴィン・ケイター(米国)
ダン・イゲ(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ライアン・ベノイト(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジミー・リベラ(米国)
コディ・ステーマン(米国)

<女子フライ級/5分3R>
モリー・マクマン(英国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
ムニール・ラジズ(チュニジア)

<ミドル級/5分3R>
ジョン・フィリップス(英国)
カムザット・チマエフ(スウェーデン)

<バンタム級/5分3R>
ヒカルド・ハモス(ブラジル)
レローン・マーフィー(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)
アンドレアス・メケイリディス(ギリシャ)

<フェザー級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(英国)
クリス・フィッシュゴールド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
リアナ・ジョフア(ジョージア)
ディアナ・ベルビシャ(ルーマニア)

<バンタム級/5分3R>
アーロン・フィリップス(米国)
ジャック・ショア(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ホルヘ・ゴンザレス(メキシコ)
ケネス・バーリ(ノルウェー)

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Interview J-CAGE UFC UFC ESPN09 ティム・エリオット ブランドン・ロイヴァル ブログ 岡田遼

【Special】岡田遼が斬る、UFCプレリミ戦─02─ブランドン・ロイヴァル✖ティム・エリオット

【写真】ガツガツというより、やはりガチャガチャという印象。そのなかで極め切るロイヴァル……(C)Zuffa/UFC

今回より、正式スタートする新企画=修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。

第2回は5月30日(土)のUFC ESPN09で行われたフライ級戦=ブランドン・ロイヴァル✖ティム・エリオット戦について話してもらった。

<修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミ戦─01─ケイシー・ケニー✖ルイス・スモルカはコチラから>


──ティム・エリオットにブランドン・ロイヴァルが勝ってしまいましたね。

「ティム・エリオットが見たくて、あの試合を視たんです。でもロイヴァルが勝ってしまって……しかも、普通は勝てないスタイルですよね。すぐに下になり、亀になる」

──あれはエリオットが上手かったと思います。ロイヴァルはテイクダウンされると、背中をつけてクローズドやオモプラッタ、三角に入るので倒すと同時にハーフになっていて。

「あぁ、だから亀になっていたんですね。背中をつけて削られたくなくて。エリオットはテイクダウン後の動きを読んで、反応させないように倒していたんですね。いやぁ、凄いですね。それにしても今のMMAを考えると、ロイヴァルのような選択はできないですよ。現代MMAにあって、あの戦い方を迷いなく選択する勝負度胸……自分の技量に自信があるのでしょうね。コイツも本物だった思いました」

──ハーフで潜らせてもらえず、亀になっていた。ただし、初回の終わりごろからトップを奪う場面も出てきました。

「さすがにエリオットはアタックをし続けて、疲れていました。序盤のキレキレの動きと比べると、ラウンドの終盤はかなり落ちていたと思います。UFCファイターといえども疲れるんだなって。やっぱり、従来のような練習がやり込めていないのでしょうね。米国の方が締め付けも厳しいと思いますし。

ロイヴァルって、いつもあんな感じの試合なんですか」

──自分がチェックした試合はそうですね。下攻め、足をキャッチされるとプロレスの延髄斬りみたいな蹴りを出したり、そこで?というタイミングでスピニング系のパンチやエルボーを使います。

「動き続けている……スクランブルのなかで極めるっていうのは、日本では正直見られないですね。サブミッションに行く人はキチっと止めてから極める選手が多いです。いやぁ、ロイヴァルも凄いとしか言えなかったです」

──最後はマウントを取り、ロールして逃れて上を取ろうしたエリオットを肩固めで切って落としました。

「その前にエリオットがギロチンを仕掛けにいって、それで力をまた使って疲れたというのはあると思います。逆にロイヴァルは倒されて、疲れない戦法を採っていた。エネルギーゲージはかなり違っていましたね」

──まさに半日後に見られた岡田選手の試合と同じでしたね。

「ありがとうございます(笑)。ロイヴァルの最後の動きはRNCと肩固めのコンビネーションに応用のようで、それほど驚くべき流れではなくて、あの肩固めに驚きはなかったです。見たことがある動きなので。ただエリオットのスクランブルが、まだスピードがあったのに合わせた。あの速さは見事だったと思います。

いずれにしても、僕自身はケイシー・ケニーとブランドン・ロイヴァルの試合を視て、『こうだよな』、『そうだよな』って思えて良い空気で試合に挑むことができました」

──では、これからもマニアックな人選でUFCの分析をお願いします。

「了解しました。今週のUFCも楽しみですよね。水垣さんが引退を発表した週にコディー・ガーブラント、アルジャメイン・ステーリング、エディ・ワインランドが出場するって……これは、もう運命ですよ。このバンタム級3試合も凄く楽しみです。でも、水垣さんはハニ・ヤヒーラに勝っているんですよねぇ、凄いなぁと思います」

──またヤヒーラですか(笑)。

「そこが今の僕の経験値なんで(笑)」

■UFC250計量結果

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス: 146ポンド(66.22キロ)
[挑戦者]フェリシア・スペンサー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング: 136ポンド(61.69キロ)
コリー・サンドハーゲン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ロッコ・マーチン: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 136ポンド(61.69キロ)
エディ・ワインランド: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145.5ポンド(66.0キロ)
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ステーマン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ブライアン・ケレハー: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
チャールズ・バード: 184.5ポンド(83.68キロ)
マキ・ピトロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ: 126ポンド(57.15キロ)
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド: 205ポンド(92.99キロ)
デビン・クラーク: 205.5ポンド(93.21キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
エヴァン・ダナム: 149.5ポンド( 67.81キロ)
エウベウ・バーンズ: 149.5ポンド( 67.81キロ)

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Report UFC UFC ESPN09 ティム・エリオット ブランドン・ロイヴァル ブログ

【UFC ESPN09】スクランブル戦の向う側。ガードからの極めでなく肩固めでロイヴァルがエリオットを下す

<フライ級/5分3R>
ブランドン・ロイヴァル(米国)
Def.2R3分18秒by 肩固め
ティム・エリオット(米国)

1週間前のオファーを受けて、UFCと契約を果たしたLFAフライ級王者ロイヴァル。スイッチを織り交ぜるエリオットが、ロイヴァルの蹴りをキャッチして早々にテイクダウンを決める。ガードを取らせず、パス狙いのエリオットに対し、ロイヴァルは亀からシングルを狙う。エリオットはバックに回り、スクランブルから即テイクダウン。バックを譲ったロイヴァルのキムラ→スイープ狙いを潰したスタンドに戻ったエリオットは、組んで小外刈りで崩してバックへ。胸を合わせにいくロイヴァルが離れて右ジャブ、左ローを蹴り込む。

続くテイクダウン狙いを切ったロイヴァルは、前蹴りでバランスを崩すもすぐに立ち上がる。殴って組むエリオットは、バックに回るとスタンドの状態で足をステップオーバーして腕十字へ。背中を向けたロイヴァルに対し、エリオットはスリークォーターネルソンから腹固めへ。肩に担いで前方にエリオットを落としたロイヴァルは、シングルを切りつつ鉄槌を打ち込む。スクランブルからキムラ狙いのエリオットに対し、ロイヴァルは得意の腕十字に切り替えたところでノンストップの初回が終わった。

2R、エリオットはローを多用し、頭を大きく振って組みに行く。ここで切られると引き込んだエリオットに対し、ロイヴァルは左足を抜いてハーフへ。肩固め狙いからトップをキープしたロイヴァルはギロチンも、足を抜いたエリオットがヴァンフルーへ。ロイヴァルは足を戻してフルガードを取ると、これを嫌がったエリオットが立ち上がる。

エルボーを入れたロイヴァルだが、スピニングバックフィストにダブルレッグを合わされ前転でかわそうとしバックを許す。胸を合わせに行くと、エリオットはギロチンへ。レッグドラッグの形で凌いだロイヴァルは、パスと同時にマウントを奪取する。ロイヴァルは背中を見せたエリオットの動きに合わせて横回転から上を取り、そのまま肩固めへ。自ら左足を掴んでエスケープを図ったエリオットだが間に合わずタップ。

ロイヴァルが金星といえる一本勝ちで、UFCデビューを飾ると「来週だって戦えるよ。動きは決して良くなかった。テイクダウンを狙ってくるのは分かっていたし、僕には意味はないよ。僕は人生を変えたい。明日、仕事に行かないといけないんだ」と話した。


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News UFC UFC ESPN09 ジルベウト・ドゥリーニョ タイロン・ウッドリー ティム・エリオット ブランドン・ロイヴァル ブログ マッケンジー・ダーン

【UFN ESPN09】計量終了 全選手がマスク着用で計量。ブラジル国旗マスクのドリーニョが、力強いポーズ

29日(金・現地時間)、30日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN09「Woodley vs Burns」の計量が行われた。

真っ先に計量を済ませたのがメインに登場するタイロン・ウッドリー、そのウッドリーから最後にスケールに乗ったケイシー・ケニーまで、22人の選手の全員がマスクを着用していた。


折り返しの12人目に体重を計ったジルベウト・ドリーニョ・バーンズは、ブラジル国旗模様のマスクをつけ、パスするとガッツポーズ。現状、もっとも厳しい状況下にある母国への想いが伝わってくるようなポージングだった。

ラスト2で登場したマッケンジー・ダーンもしっかりと体重を落としており、ハナ・サイファース戦に臨む。なおライト級でルーズベルト・ロバーツと対戦するブロック・ウィーバーが、2.5ポンドオーバーで唯一の計量失敗となっている。

出場全選手の計量結果は以下の通りだ。

■UFC ESPN09計量結果

<ウェルター級/5分5R>
タイロン・ウッドリー: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ブラコイ・イワノフ: 255.5ポンド(115.89キロ)
アウグスト・サカイ: 259.5ポンド(117.7キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ゲイブリル・グリーン: 170.5ポンド(77.34キロ)
ダニエル・ロドリゲス: 170ポンド(77.11キロ)

<ライト級/5分3R>
ルーズベルト・ロバーツ: 156ポンド(70.76キロ)
ブロック・ウィーバー: 157.5ポンド(71.44キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン: 115.5ポンド(52.38キロ)
ハナ・サイファース: 115.5ポンド(52.38キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン: 126ポンド(57.15キロ)
アントニーナ・シェフチェンコ: 125.5ポンド(56.92キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
ビリー・クゥアンティロ: 149.5ポンド( 67.81キロ)
スパイク・カーライル: 150ポンド(68.03 キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジャマハル・ヒル: 205.5ポンド(93.21キロ)
クリジソン・アブレウ: 206ポンド(93.44キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 126ポンド(57.15キロ)
ブランドン・ロイヴァル: 125.5ポンド(56.92キロ)

<バンタム級/5分3R>
ケイシー・ケニー: 136ポンド(61.69キロ)
ルイス・スモルカ: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス: 145.5ポンド(66.0キロ)
ヴィンス・モラレス: 145.5ポンド(66.0キロ)

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Preview UFC UFC ESPN09 ティム・エリオット ブランドン・ロイヴァル ブログ

【UFC ESPN09】スクランブルの果てに何がある? LFAフライ級王者ロイヴァルがエリオットとデビュー戦

【写真】ガードから相手の上半身を4つの技で回すダイヤモンド・コンビネーション を武器に、ブランドン・ロイヴァルは世界最高峰を勝ち残ることができるか(C)LFA

30日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC ESPN09「Woodley vs Burns」が開催される。ラスベガスに戻ったUFC、そのメインは大会名にあるようにタイロン・ウッドリー✖ジルベウト・ドリーニョ・バーンズのウェルター級戦だ。

前UFC世界ウェルター級王者ウッドリーが再起戦で、ウェルター級転向後は破竹の3連勝中のドゥリーニョと対戦する今大会。当初の予定はプレリミとともにメインカードもESPN+で配信予定だったが、メインはESPNでライブ中継されることが決まった。


そのメインカードはウッドリー✖ドゥリーニョを筆頭にブラゴイ・イワノフ✖アウグスト・サカイのヘビー級=ブルガリア✖ブラジル対決や、マッケンジー・ダーンのママとして2戦目=ハナ・サイファース戦など5試合が用意されている。

さらにプレリミは6試合で、全11試合のラインナップのなかからプレリミで組まれたフライ級の一戦=ティム・エリオット✖ブランドン・ロイヴァル戦に注目したい。チャンピオンのUFC進出率が6割以上、コンテンダーシリーズを経た場合と合わせると96パーセントのチャンピオンがUFC、Bellator、ONE、PFLといったメジャーにステップアップを果たしているLFAから、フライ級王者ロイヴァルがUFCデビュー戦を行う。

ロイヴァルは6月23日のダナ・ホワイト・チューズデーナイト・コンテンダーシリーズ2020で同じLFAで戦うジェローム・リヴェラと対戦が決まっていたが、このタイミングでUFCと契約を果たすこととなった。

対戦相手はTUF24決勝で扇久保博正を破り優勝し、そのままデメトリウス・ジョンソンに挑戦を経験しているエリオットだ。いってみればTitan FCからTUFを経てUFCに戻ったエリオットが、LFAからコンテンダーシリーズを経ずにオクタゴンにやってきたロイヴァルを迎え撃つ形だ。

ロイヴァルの強みは、そのアグレッシブな極め中心のファイトにある。スクランブル全盛のMMAにあって、ロイヴァルは下になることを厭わない。むしろテイクダウンを狙われると自ら下を選択するのがロイヴァルというファイターだ。背中をマットにつけるやいなや。オモプラッタやゴゴプラッタを仕掛けており、ここが外されても深く足を差し入れて腕十字、あるいは真正面から三角絞めと、行きつくしまを与えず一本を狙う。

このゴゴ、もしくはオモからの三角か腕十字という流れは自由に行き来することができ、、最終的に相手の右腕を腕十字で狙うことが多い。またオモプラッタからは足関節に移行するという選択肢もロイヴァルは持っている。

対してエリオットはスイッチ多用の組むための打撃から、徹底してシングルレッグやダブルレッグでテイクダウンを奪う。そしてスクランブルゲームからのバック奪取、あるいはギロチンでフィニッシュを狙いつつ、相手を削っていく。

これまでのロイヴァルならば、組まれても耐えることなく下を選択し、上に挙げた四つの技からなるダイヤモンド・コンビネーションで極めを即座に狙っていくだろう。ただし、彼が戦うのは世界の最高峰UFCだ。最終的に彼の狙いが右腕への腕十字であれば、エリオットはテイクダウンにし成功しても、右腕のヒジを外側に貼り、伸ばされないという対策は練って来るだろう。

下からの仕掛けを凌がれ、担ぎパスやハーフを許す展開に追い込まれると、ロイヴァルは苦しくなる。そこでも足を戻して、ディープハーフから上を取り返したり、スクランブルに持ち込む方法で、エリオットをどれだけ削ることができるか。ロイヴァルの下での消耗が、上から攻めるエリオットより少なければ、スタンドに戻って左ローでエリオットの前足を殺すという戦い方もある。

その結果、エリオットの踏み込みが甘くなれば組み力、テイクダウン能力は落ちる。そうなるとヒザ蹴りやヒジに加え、スピニングバックエルボーという飛び道具という武器が英ヴァルにはある。エリオットとしては打撃を見せてテイクダウン、そこからポジション&バックチョークかスクランブルでギロチン、タップを奪えなくても削り続けること。ロイヴァルとしては、相手の虚をつくほど動ける間の一本。ここを凌がれると、3Rを考えた選択肢があるのか。

スクランブルゲームの先にあるのは、エリオットのドミネイトか──それともスクランブルの終着点として、ロイヴァルがサブミッションで仕留めることが可能になるのか。最初のロイヴァルの仕掛けの是非で、試合の流れを占うことができそうだ。

■UFC ESPN09対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
タイロン・ウッドリー(米国)
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ブラコイ・イワノフ(ブルガリア)
アウグスト・サカイ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ゲイブリエル・グリーン(米国)
ダニエル・ロドリゲス(米国)

<ライト級/5分3R>
ルーズベルト・ロバーツ(米国)
ブロック・ウィーバー(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
マッケンジー・ダーン(米国)
ハナ・サイファース(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン(米国)
アントニーナ・シェフチェンコ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
ビリー・クゥアンティロ(米国)
スパイク・カーライル(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジャマハル・ヒル(米国)
クリジソン・アブレウ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ブランドン・ロイヴァル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ケイシー・ケニー(米国)
ルイス・スモルカ(米国)

<バンタム級/5分3R>
クリス・グティエレス(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)