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【RIZIN LANDMARK06】渡辺彩華が振り返る─万智戦「修斗で2階級制覇し互いにベルトを巻いて再戦」

【写真】右目が大きく腫れていた渡辺(C)MMAPLANET

10月1日(日)に愛知県名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されたRIZIN LANDMARK06にて、渡辺彩華が万智に判定負けを喫した。
Text by Shojiro Kameike

渡辺にとってはMMAファイターを志すキッカケとなったRIZIN初出場――しかも地元・愛知県で開催された大会だった。敗れたものの激闘を展開した渡辺が試合を振り返るとともに、今後の目標について語ってくれた(※取材は10月16日に行われた)。


――リモートの画面が繋がった瞬間、驚きました。右目の腫れはどうしたのですか。

「右目の眼窩底骨折で入院、手術して昨日退院しました。このタイミングで取材というのは、MMAPLANETさんは持っていますよ。アハハハ」

――笑いごとでは……そんな時にインタビューを受けていただき、ありがとうございます。

「MMAPLANETさんだから、インタビューを受けることにしたんですよ! ……なんて、あえて言っておきます(笑)。万智戦の前から右目は負傷していました。実は試合前のインタビューの時も、右目の調子は良くなかったんです。さらに試合で3Rに左フックをもらってから二重に見えるようになったので、試合後に病院へ行くと『格闘技は引退しますか?』と聞かれて。私は続けたいから手術することになりました」

――えっ!? 驚くことが多すぎて、こちらも頭の中を整理できていません。

「まず試合の2カ月前から右目の異常は感じていて、治療はしていました。まだ万智戦が確定していなかったけど、なんとなく出場の話は来ていて――私としては『地元の愛知県で開催されるRIZINには絶対に出る』と決めていました。相手が誰でも、階級が違っていても関係ない。だから右目の負傷が悪化しないように、スパーリングや激しい練習はしていませんでした。でも、できる限りのことはやっていたので、別に悔いはないです。万智戦は、そんな状況でも頑張ったなぁっていう感じですね(笑)」

――今はそれだけ笑顔で語ることができるなら良かったです。ただ、RIZIN名古屋大会に対しては「負傷していても絶対に出る」という気持ちが大きかったのですね。

「はい。私が無名の頃から応援してくださっている方、スポンサーの方たちは地元の愛知県に多いんです。そういう方たちにできる最大の恩返しって何かといえば、今の私にとっては愛知県で大きなイベントに出場することであって。修斗のベルトを獲ったのが5月で、RIZIN LAMDMARKが10月――スケジュール上はうまくハマるなと考えていました」

――それだけの想いを持って挑んだ万智戦について振り返っていただきたいと思います。まず契約体重が普段のスーパーアトム級ではなくストロー級でしたが、調整には何か影響がありましたか。

「調整は何も問題なくて、試合内容も――今回が初めてMMAの試合になったと思います」

――今回が初めてのMMA、というのは?

「私って今まで、キックボクシングのような試合をしていたんですよ。とにかく殴って蹴ることが中心で。でも今回はストロー級の試合で、万智選手はストロー級の中でもフィジカルが強いほうじゃないですか。その選手に組まれても、意外に対応できたと思います。万智選手の得意なポジションに持ち込まれても冷静に対処できましたから。去年のプロデビュー戦で藤野恵実戦に負けた時よりは、自分の中では手応えを感じています。この1年で成長できているなって思いました」

――敗れたとはいえ渡辺選手のテイクダウンディフェンスや、寝かされても立ち上がる動きが目立っていました。あれほど組まれてもスルッと抜けて離れる、あるいは立ち上がる。それは今までも練習していたことなのか。あるいは万智戦に向けて練習してきたことだったのでしょうか。

「それほど練習で壁に押し込まれることがないんですよ。練習相手から打撃のプレッシャーを感じることが少ないので。もちろん練習だから、相手がテイクダウンのアクションを起こしても、一度こちらがカットしてしまえば続けないですし。

(C)RIZIN FF

ただ、試合では最初から万智選手が組んでくると思っていました。

でも遠い距離で攻めて来たことは誤算でしたね。もっと打撃を散らしながら距離を詰めてくると考えていたけど、遠い距離から左ミドルハイを出して、そこから組みに来たじゃないですか」

――万智選手の蹴りから試合が動きましたね。

「そうなんです。最初は私のパンチに合わせて組みに来ると思っていました。でも万智選手が左ミドルハイを出して、パンチよりも遠い距離から入ってくる。それは私の蹴りの距離でもあり、自分がパンチだけでなく蹴りを出しても入ってくるわけで――組みのプレッシャーがあって1R、2Rはやりづらかったです。

(C)RIZIN FF

もともと万智選手が私の蹴り足を狙っていることは分かっていました。

そこにプラス、私にとっては相手の打撃にも注意しなければいけなくなっていた。そのために私が不利な体勢で組まれてしまい、ケージに押し込まれてしまったということですね」

(C)RIZIN FF

――ケージ際での差し合いではブレイクが掛かりました。

あの状態はブレイク待ちだったのですか。それとも万智選手の組みから抜け出せずにいたらブレイクが掛かった、という状況だったのでしょうか。

「最初は抜け出したかったです。組んでいても、テイクダウンされるほどではないなと感じて。ただ、思っていたよりも万智選手のクラッチが強くて、『どうしようかな……』と考えていたところでした。何もしなかったら印象は悪くなってしまうので、私のほうからアクションは起こす。でもクラッチを切ることができない。だから最後はブレイク待ちでした。結局、1Rは私のやりたい距離で戦えていなかったです。ずっとやりづらさを感じていて――どうしようかな、とインターバル中に考えていました」

――いかにして状況を打開すべきなのか。インターバル中に結論は出たのですか。

「まず『組まれてはいけない』と、それだけでした。テイクダウンされることはないけど、組まれたらクラッチを切ることができないので。そうなると押し込まれて、自分が思っているような試合はできなくなってしまう。私にとって、こういう試合は初めてだったんですよ。打撃戦ではなく、組みの展開でやりたいことをやらせてもらっていない。『どうしよう?』という状態で2Rに入りました」

――2Rに入ると、万智選手が距離を変えてきたのではないですか。

「近い距離から組んでくるようになりました。とにかく、やりづらい。万智選手が目指すのは、寝かせて極めることだったと思うんです。そのために、まずは組む――ということにフォーカスしていて。そのフォーカスに対してブレがなかったんでしょうね。こちらの打撃には一切付き合わずに、とにかく組むという覚悟が強かったような気がします。万智選手って今までの試合を視ても、自分のやりたいことを押し通してくるタイプじゃないですか。1Rと2Rは、そういう万智選手の強さを感じました」

――2Rに入ると、渡辺選手が組まれても離れることができるようになり、徐々に自分の展開に引き込み始めていたのではないでしょうか。

「1Rよりは、だいぶ動けるようになっていました。相手の組みのプレッシャーとテイクダウンのレベルは1Rで把握したので、自分の中でも『これなら大丈夫』という安心感が生まれていたんですよ。だから少しずつ自分がやりたいことを出せていたのが、2Rの前半です。

(C)RIZIN FF

でも2Rの後半に、自分が蹴った時にタイミングが悪くて、そのままコケてしまいました。

もともと組みに関しては、万智選手が得意なのはバックテイクと、その後の展開ですよね。

(C)RIZIN FF

だから組まれてもバックに回られていなければ――という考えはありました。なのに2Rの最後で、上から踏みつけられるとか印象が悪い状態で終わってしまいましたよね」

――結果、2R終了後のインターバルでは……。

「3Rにフィニッシュするしかない、と思いました。修斗のチャンピオンとして出場して、こんなツマラナイ試合で負けたくないし……と」

――ご自身の中では「ツマラナイ試合」だと感じていたのですか。日本女子MMAの歴史を振り返ってみても、プロキャリア4~5戦目の女子選手が、あれだけのMMAを展開するとは考えていなかったです。それだけ予想をはるかに上回る展開でした。

「えー、そうだったんですね。私としては『とにかく3Rは行くしかない』としか考えていなくて。『極められるもんなら極めてみろよ』と。そんな感じで私の気持ちがハイになった時、ファイターとして万智選手の気持ちと交錯したような気がするんですよ。だから私も『来いよ!』ってアピールしたり(笑)

私自身が『ここで行くしかない!』と思った時に、万智選手もテイクダウンに来ることができる覚悟があって――どんな状況になっても、自分のやりたいことを遂行できる。試合が終わって、万智選手に対して『やっぱり皆に評価される選手なんだな』って思いました」

――2-1で万智選手の勝利、という判定結果については?

「判定については妥当だと思いました。むしろ私につくんだと感じたぐらいで。私としては、1Rと2Rはツマラナイ試合でしたし。それでも評価してくれるジャッジがいて、ちょっと嬉しかったです(笑)」

――結果、ゴキブリ呼ばわりしていた万智選手とは気持ちが通じ合えたわけですね。

(C)RIZIN FF

「通じ合えましたけど、嫌いなのは変わらないです」

――えぇっ!?

「みんな試合前はいろいろ言っていても、試合をしたら『ありがとう』って仲良くなったりするじゃないですか。もちろん万智選手に対して『試合してくれて、ありがとう』という気持ちはあります。でも、嫌いなんですよ。試合前と印象は変わりましたけどね。もっとブッ飛んでいる子かと思っていたら、思っていたよりも人間で」

――思っていたよりも人間だった! 凄い表現ですね(苦笑)。

「ファイターとしての強さは感じました。意外と冷静に戦うタイプで、だから――再戦すれば勝てます。やっぱり私の中でラスボス感があるのは、藤野恵実さんで。藤野さんとの再戦までは無敗でいく、というのが私のシンデレラストーリーでした。でも組まれる相手がどんどん強くなっていくなかで、そう簡単にはいかないものだなって思いました」

――藤野選手にラスボス感があるのは、何となく分かります。

「最後に倒すべき相手は藤野さんというのは、万智選手に負けたあとも変わらないです。今、藤野さんは修斗の女子ストロー級インフィニティ・リーグに参戦しているじゃないですか。同じチームの杉本恵さんも出ていますけど、もし藤野さんが優勝したらストロー級で再戦して、勝って2階級制覇したいです」

――今後の修斗での展開にも注目ですね。では改めて万智戦を振り返って、どのような感想をお持ちですか。

「良い試合だったと言ってもらえるのは嬉しいです。お互いにまだ粗いところがあって、その粗さが噛み合ったというか。万智選手は次、DEEP JEWELSのストロー級タイトルマッチが決まっているじゃないですか(23日、松田亜莉紗との同ストロー級暫定王座決定戦に臨む)。そこでベルトを獲ってもらって、私も修斗で2階級制覇したあと――すぐじゃなくて何年かあとに、お互いにベルトを巻いた状態で再戦したいですね」

――それは夢が膨らむストーリーです。

「試合直後にも万智選手に言ったんですよ。『また試合してね』と言ったら、『もうやりたくないです!』って――いやいや、絶対に勝ち逃げさせませんよ。まぁ、再戦で私が勝ったら勝ち逃げしますけど(笑)。再戦で勝った直後に、マイクを握って『万智、仲良くしようぜ!』と言って、1勝1敗でも3度目の対決はしません」

――……実際は万智選手と仲良くなりたいのではないですか(笑)。

「SNSでは『この2人はMMAで出会っていなかったら、仲良くなっているよな』って書かれていました(笑)。いやいや、お互いにMMAやっていなかったら出会っていません!」

――だからこそ、そんな2人が出会えたことがMMAの奇跡なのだと思います。

「たぶん万智選手は、私のことを好きですよ。試合後にSNSでコメントすると、『IGLOOの練習で待っています!』とか送ってくるから、『行かない。嫌い』と返信して。あと試合でもクラッチがメチャクチャ強かったのは、私を抱きしめたかったからじゃないですか。人生で一番ギューッと抱きしめられましたもん。でもね、その気持ちは一方通行の恋で終わります。私は万智選手を嫌いだから!」

■視聴方法(予定)
11月23日(木・祝)
午後12時15分~DEEP チャンネル-YouTube、サムライTV、U-NEXT

■DEEP JEWELS43対戦カード

<DEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦/5分3R>
松田亜莉紗(日本)
万智(日本)

<49キロ以下契約/5分3R>
須田萌里(日本)
彩綺(日本)

<フライ級/5分2R>
栗山葵(日本)
斎藤百瑚(日本)

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈(日本)
Te-a(日本)

<ミクロ級/5分2R>
NØRI(日本)
斎藤百瑚(日本)

<ミクロ級/5分2R>
山崎桃子(日本)
こゆき(日本)

<フライ級/5分2R>
奥富夕夏(日本)
谷山瞳(日本)

<バンタム級/5分2R>
MANA(日本)
細谷ちーこ(日本)

<無差別級/5分2R>
超弁慶(日本)
ぽちゃん Z(日本)

<グラップリング54キロ契約/5分1R>
横瀬優愛(日本)
あきぴ(日本)

<ミクロ級/5分2R>
ジャカ季美香(日本)
チャッキールビ(日本)

<アマ・50キロ契約/3分2R>
サラ(日本)
横瀬美愛(日本)

<アマ49キロ契約/3分2R>
須田美咲(日本)
槇原未来(日本)

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【DEEP JEWELS43】万智✖松田亜莉紗でストロー級暫定王座決定戦!!  これぞ、今のGirls J-MMA

【写真】上を取った時の頭の位置が、明白に違う両者。殴ることができる隙間、スぺースの有無。寝技、上下に関わらず組みの展開は、そこに注目したい(C)MMAPLANET

6日(金)、DEEPより11月23日(木・祝)に東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS43の対戦カード第一弾が発表されている。
Text by Manabu Takashima

10周年記念大会を終え、次の10年に向かう第一歩となる今大会のメインは、万智と松田亜莉紗の間で争われるDEEP JEWELS暫定ストロー級王座決定戦に決まった。


万智は1日のRIZIN LANDMARK06で修斗スーパーアトム級王者の渡辺彩華をスプリット判定で下したばかり。その万智にとってタイトル戦が行われる11月23日は、1年前のデビュー戦と同じ日時になる。その日は松田もプロ2戦目を戦っており、今回の暫定王座決定戦はキャリア4戦目の松田と5戦目の万智がプロ2年目でベルトを争う一戦──日本の女子MMAの急成長が顕著になった戦いとなる。

この両者、2021年12月にアマチュアルール55キロ契約で対戦しており、バックを取る場面が目立った松田が判定勝ちをしている。とはいえパウンド有りとなると、試合は別モノ。加えていえば、松田のパウンドの強さは日本女子ファイターのなかで群を抜いている。

元女子プロ野球トップ選手、身体能力と運動神経の高さとMMAの知識がなかったことで、ピュアMMAファイターとして急激に力をつけている松田。いってみるとアマで対戦した時は、柔道というストロングベースがMMAにとっては障害になっていた万智を、松田がMMA力で下した一戦だった。

対して今の万智は組みの強さを最大限に生かすMMAスタイルを構築中で、背中を簡単に許すことはまず考えられない。とはいえ、松田が持つパウンド、ダーティボクシングの強さは未体験、ここは練習で経験値を上げることができないパートだ。

一方で渡辺戦だけでなく、HIMEや韓国勢との国際戦を経ている万智はフィッシュを目指すスタイルで、ケージ・ジェネラルシップも考慮したファイトができている。絶対的な怖さがある松田と、徹底した組みの圧力を上げてきた万智。1年11カ月前と別人になった2人のタイトル戦は、世界のある階級としても要注目だ。

なお同大会では2回戦で49キロ契約=須田萌里✖彩綺、フライ級で栗山葵✖斎藤ももこ、49.5キロ契約で青野ひかる✖サダエ☆マヌーフ、ミクロ級の山崎桃子✖こゆきが組まれている。9月のデビュー戦でパンクラスではタイトル挑戦までいったNØRIにスプリットで惜敗した斎藤が、キャリア4年の栗山と2戦目で戦いマッチアップも、今の女子J-MMAを象徴する一戦といえる。

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DEEP DEEP OSAKA IMPACT2023#02 MMA MMAPLANET o 上荷大夢 中本龍平 八尋大輝 古瀬美月 山﨑鼓大 松場貴志 松岡ハヤト 松田亜莉紗 濱口奏琉 瀧口脩生 牧野滉風 谷岡祐樹 飴山聖也

【DEEP OSAKA IMPACT2023#02】松岡ハヤト戦へ、松場貴志─02─「メインディッシュにふさわしい試合を」

【写真】このノリから試合になると変わる。やはりファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#02のメインで、松岡ハヤトと対戦する松場貴志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

これまで試合によってムラがあったという松場。インタビューでも答えにムラがないわけではない。話が進むにつて、相変わらずの松場ワールドが展開される。とはいえ初のメイン出場は本当に嬉しそうな松場の、次の試合へのムラムラ具合をお届けしたい。

<松場貴志インタビューPart.01はコチラから>


――リングアナウンサーさんの話はさておき、次の対戦相手である松岡ハヤト選手の印象を教えてください。

「ちゃんと研究していますよ」

――ですから、研究した結果を……。

「試合映像から研究して、キングジム神戸の小西さんとはハンバーグをこねるように対策を練ってきました。パラエストラ加古川の堂垣さんとは、つみれをこねるように作戦を練ってきましたよ」

――ハンバーグとつみれで、こね方がどう違うのか教えていただけますか。

「ハンバーグはいろいろと入れなきゃいけないんです。臭みを消すために。つみれは--どうなんだろう?」

――間違いなくハンバーグ、つみれを両方ともつくったことがなさそうですね。

「アハハハ」

――キングジムとパラエストラ加古川で練習している内容は異なるのでしょうか。

「どのジムでも練習している内容は変わらないと思います。大切なのは、チームメイトやセコンド陣とのコミュニケーションじゃないですか。どれだけ細かいコミュニケーションを取れているかであって」

――「そろそろ試合のムラがなくなりそう」と仰っていましたが、今はそれだけチームメイトやセコンド陣とコミュニケーションを取ることができている証ではないですか。

「そうですね。パラエストラ加古川に移籍した頃は、少しだけど緊張していたかもしれないです。でも、それよりワクワクしているほうが大きくて。楽しい環境だからこそ、今もしっかりとコミュニケーションが取れているんだと思います」

――ジム移籍とDEEP出場が重なりながら、大阪大会のメインまで昇りつめました。

「本当にありがたいことです。これからも大阪大会でメインに出続けることになれば、あのリングアナウンスを受けることができるんですねぇ」

――その話は、もう大丈夫です(苦笑)。

「こんな他の団体から来た僕をメインで使ってくれるなんて、DEEPに対して愛しかないですよ」

――急に真面目モードになっても困りますが、今後DEEPではどのような展開を考えていますか。やはりDEEPフライ級のベルトを目指すのでしょうか。

「今後のことはまだ分からないですけど……、いま考えているのは、とりあえず自分の武器を磨くことだけですね」

――では次の松岡戦は、どのような試合を見せて勝ちたいですか。

「これは相手どうこうではなく、自分の問題で。あとは大阪大会のメインということもあるので、コース料理のメインディッシュのような試合をしたいです。例えるなら――」

――例えるのですね(苦笑)。

「僕が学生の頃、部活で疲れて帰宅すると、晩ごはんがイワシフライと大根の煮物だったんです。僕は肉が食べたいのに――それこそ牛肉なんか出たことがなくて」

――……。

「そんなおかずでは、白ごはんが進むわけがないんです。お母さんには申し訳ないけど、僕は分厚いステーキを想像しながら唾液を出して、その唾液で白ごはんを食べていました。今回の大阪大会に来てくれる人たちには、そんな想いをさせたくない」

――その例えは、晩ごはんを用意してくれていたお母さんに失礼だと思います。個人的には、お母さんがつくってくれたイワシフライのほうが……。

「いやいやいや。冷凍ものを揚げただけのイワシフライじゃダメですよ。特に学生時代は無理! だから見ただけでヨダレが出るような、白ごはんをかきこみたくなるような試合を用意しておきます!」

――そこまで言っておきながら、試合当日はイワシフライを出さないですよね。イワシフライのような試合がどういうものかは分かりませんが。

「それは絶対にないです。ちゃんと400グラムの牛肉をご用意します」

――ありがとうございました。インタビューは以上です。

「え!? 次の試合への意気込みとかは聞かないんですか?」

――……では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「ありがとうございます。7月30日は、メインディッシュにふさわしい試合をします。そして皆さんが大好きな分厚いステーキのような熱々の試合をして、松場貴志の勝利者インタビューというフライドポテトを添えさせていただきます」

――フライドポテトはメインディッシュの添え物であり、試合後ならデザートで良いのではないでしょうか。

「いや、完全に決まりましたね! 皆さん、次の試合はよろしくお願いします」

■視聴方法(予定)
7月30日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■DEEP Osaka Impact2023#02対戦カード

<フライ級/5分3R>
松場貴志(日本)
松岡ハヤト(日本)

<バンタム級/5分3R>
中本龍平(日本)
谷岡祐樹(日本)

<フェザー級/5分3R>
瀧口脩生
前薗渓

<バンタム級/5分3R>
MG 眞介(日本)
牧野滉風(日本)

<フライ級/5分2R>
濱口奏琉(日本)
マルザヘンペーソク(日本)

<ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗(日本)
谷山瞳(日本)

<アトム級/5分2R>
古瀬美月(日本)
浪速亭☆爆美(日本)

<バンタム級/5分2R>
中務太陽(日本)
上田祐樹(日本)

<メガトン級/5分2R>
江畑秀範(日本)
土井淳(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
上荷大夢(日本)

<ウェルター級/5分2R>
山田聖真(日本)
角野晃平(日本)

<バンタム級/5分2R>
八尋大輝(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
加藤瑠偉(日本)
上谷章(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
綿谷誠(日本)

<フェザー級/5分2R>
田中壱季(日本)
今村滉(日本)

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ARAMI DEEP DEEP JEWELS DEEP JEWELS41 HIME K-MMA MMA MMAPLANET o ROAD FC YouTube キム・ユジョン ハム・ソヒ パク・シウ パク・ジョンウン 万智 伊澤星花 大島沙緒里 本野美樹 松田亜莉紗 藤野恵実 須田萌里

【DEEP JEWELS41】J-女子MMA界の未来、須田萌里と万智がK-女子MMAファイターと対戦

【写真】この揃い踏みは〇〇過ぎる──とか、〇〇美女とか、そういう枕詞は必要ない。 (C)MATSUNAO KOKUBO&MMAPLANET

10日(月)、DEEPより5月28日(日)に東京都港区のニューピアホールでDEEP JEWELS41の開催とカードの発表が行われている。

そして3回戦では49キロ契約マッチ=須田萌里✖パク・ジョンウン、ストロー級では万智✖キム・ユジョンがマッチアップされた。


若い力の台頭が目立つJEWELSで、象徴的な活躍をしている2選手が韓国勢を迎え撃つことが決まった。

2004年7月生まれの須田は、なんとチビウルフことパク・ジョンウン──ハム・ソヒに次ぐK-MMA界アトム級の強豪と対戦する。

2015年5月、18歳の時に藤野恵実を相手にプロデビューを果たしたキム・ジョンウンはキャリアで優る日本勢との対戦、層の薄さが影響して早々に女王=ハム・ソヒへの挑戦を実現させた。その結果、戦績的にはザッツK-MMAというべき8勝7敗1分で決して綺麗でレコードではない。

それでもレスリングを消化する以前とはいえ、パク・シウに判定勝ちし、他の選手が育って来るのを待つように組まれた日韓での過去5戦は4勝1敗と大きく勝ち越している。

シン・ユリには思わぬスプリット判定負けで、Road FCアトム級王座を獲得することはできなかったが、韓国国内最強の選手であることは間違いない。

今年で19歳になる須田も、この年齢にしては8勝4敗という試合数をこなし、また大島沙緒里や本野美樹という国内トップと既に拳を交えている。打撃の成長もハッキリ認められ、寝技も技術的には申し分ない。

特に組みではパク・ジョンウンを十分に仕留める力を持っているであろう須田だが、やはり気になるのはフィジカルか。最近の日本の女子選手の急成長の裏には格闘技だけでなく他競技の経験が生き、体ができているという背景がある。

パク・ジョンウンはフレームだけでなく、体の力が須田を上回っているとみて良い。その違いが打撃の質、回転力の差に繋がり、組みでも須田の技術を跳ね返す可能性がある。それゆえにパク・ジョンウンと伍することができ、一発勝負の関節技でなく攻防のなかで、ポジションをとってから極めることができれば、須田は早くも日本のトップに限りなく近づいていることを示すことができる。そんな一戦となる。

対してストロー級3回戦でキム・ユジョンとのマッチアップに臨む万智は、國學院大栃木高時代にケガとコロナに泣かされた柔道家人生に見切りをつけ、MMAに転じた。今回はプロ3戦目=19歳と358日で初の国際戦を戦う。

昨年11月のプロ初戦でARAMIから判定勝ち、今年2月の2戦目でHIMEをRNCで下した万智は柔道ベースで、体ができているスーパールーキーだ。

HIMEとARAMIを下したことで、アトム級と違い層が薄いストロー級では──同じ2022年デビュー組、キャリア2戦目で長野美香を破った松田亜莉紗と並び、遥かなる頂=伊澤星花の背中を遠くに眺めるという位置に既に立っている感もある。

それゆえDEEPも国際戦を万智に用意した。対戦相手となる、MMA版20世紀のキミ=キム・ユジョンはモディファイドMMAのARCとRoad FCで3勝1敗という戦績を残しており、うち2試合はRNCで一本勝ちを収めている。

サウスポーの構えから果敢に打撃を打ち込み、クリンチ&テイクダウンも力強いパク・ユジョン。彼女を相手にしてなお、万智がマット運動をしているように躍動感あふれる動きで、運動量の面で上回り続けて勝利をするようだと……今後は日本最高峰の舞台で欧米系の対戦相手を用意してもらうしか、万智が日本で強くなる道はなくなってしまうかもしれない。

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 MMA MMAPLANET o 松田亜莉紗

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】松田亜莉紗、仕留めきれずも強烈パウンドで純玲に判定勝利

【写真】とにかくパウンドが強烈(C)SHOJIRO KAMEIKE

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18
純玲(日本)

左ローにワンツーを合わせる純玲。松田は右前蹴り、右ローを見せ右オーバーハンドへ。これは空振りとなったが、勢いがある。左リードを当てた純玲が右ミドルを蹴る。ワンツーで前に出る純玲に対し、松田が右を振ってダブルレッグでテイクダウンを決める。右足を抜いてハーフで抑えた松田は、バタフライガードに戻されると、左足を抜いて左のパウンドへ。背中を見せて立ち上がる純玲をそのまま殴り、バックを制した松田が両足をフック。左右のパウンドを落とすも、前方に落とされそうになる。

足を延ばしバックをキープした松田が、ここも勢いのある左を振り落とす。背中を伸ばし、四の字フック、パームトゥパームでRNC、残り10秒でRNグリップに切り替えたが純玲が耐えきった。

2R、ワンツーからハイの純玲。距離を取った松田はハイをガードする。純玲は右ミドルを入れ、松田はなかなかステップインできない。それでも右フックのタイミングで組んで、シングルレッグでテイクダウンを奪った松田は立った状態でパウンドを落とす。足関狙いは体を捩じって抜き、アームロックを腕を抜いた松田はマウントからパウンドへ。

背中を見せた純玲に、左のパンチを入れボディトライアングルから鉄槌の松田だが胸を合わされ下に。体を抱えながら、立ち上がった松田がここもシングルでテイクダウンを決める。パウンドからパスガード、マウント→バックマウントで背中を伸ばしに掛かる松田は、両足をキープして強烈な勢いでパウンドを続ける。

暴れる純玲が立ち上がろうとするが、自ら背中をつけて四の字フックで殴った松田が3-0の判定勝ちを手にした。


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DEEP DEEP Osaka Impact2023#01 DEEPフライ級GP MMA MMAPLANET o ONE   サダエ☆マヌーフ ハンセン玲雄 パンクラス 中本龍平 山﨑鼓大 岩本達彦 平松翔 村上彩 松場貴志 松田亜莉紗 牧野滉風 谷岡祐樹

【DEEP OSAKA IMPACT2023#01】計量終了 ケツバット・パウンド=松田。再起の岩本& 松場も注目!!

【写真】この2回戦、2試合も要注目(C)DEEP

本日2日(日)、大阪市住吉区の住吉区民センターで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2023#01の計量が、1日(土)に大阪市浪速区のパンクラス大阪で行われている。

メインで対戦する平松翔✖谷岡祐樹を始め、14試合=28選手が計量に臨み──多湖力翔が遅れて&木村総一郎が再計量となったが、全員が無事パスしている。


2022年はパンクラス・フェザー級挑戦者決定トーナメント決勝戦で敗れ、新天地DEEPでも一本負けと試練の1年だった岩本達彦。再起をかけて戦う相手は、活動停止したZSTから3年3カ月振りの実戦復帰の古根川充だ。

増田拓真✖牧野滉風が、後者の体調不良で中止となり、両者の一戦はコメインに昇格した。

DEEPフライ級GP準々決勝敗退、今や地元と言っても良い関西で再起戦を迎える松場貴志は、2回戦で早坂優瑠と対戦する。

同じく2回戦ではサダエ☆マヌーフ✖村上彩と共に組まれた女子マッチ=松田亜莉紗✖純玲──決して層が厚くないストロー級で、プロ3戦目ながら国内トップ級のパウンドを持つ松田とデビュー戦の純玲も要注目だ。

そんなDEEP大阪、春の陣は2時間後にスタートする。

■視聴方法(予定)
4月1日(日)
午後2時00分~ツイキャス

■ DEEP Osaka Impact2023#01計量結果

<バンタム級/5分3R>
平松翔:61.65キロ
谷岡祐樹:61.5キロ

<フェザー級/5分3R>
岩本達彦:66.2キロ
古根川充:66.05キロ

<バンタム級/5分3R>
中本龍平:61.4キロ
上荷大夢:61.4キロ

<フライ級/5分2R>
松場貴志:57.2キロ
早坂優瑠:56.8キロ

<バンタム級/5分2R>
MG 眞介:61.0キロ
山本哲也:61.7キロ

<女子アトム級/5分2R>
サダエ☆マヌーフ:48.1キロ
村上彩:47.9キロ

<女子ストロー級/5分2R>
松田亜莉紗:52.4キロ
純玲:51.6キロ

<バンタム級/5分2R>
瀧口脩生:66.2キロ
ハンセン玲雄:66.2キロ

<フェザー級/5分3R>
前薗渓:66.0キロ
佐藤勇駿:65.0キロ

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大:61.5キロ
田中壱季:60.85キロ

<ストロー級/5分2R>
多湖力翔:52.55キロ
亮馬:52.55キロ

<バンタム級/5分2R>
キャプテン禎:61.25キロ
木村総一郎:62.25キロ→61.7キロ

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔:61.15キロ
千種純平:60.9キロ

<フェザー級/5分2R>
森田敢流:65.5キロ
入江一輝:66.0キロ

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