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【UFC ESPN36】ルーキーにオクタゴンは甘くない。ナシメントがハードリーを組みと寝技で完封

<フライ級/5分3R>
アラン・ナシメント(ブラジル)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ジェイク・ハードリー(英国)

サウスポーのハードリーに右ミドルハイをナシメントが見せる。前蹴り、ローを繰り出すナシメントは、ハードリーの左の蹴りをキャッチしてテイクダウンを奪う。ハードリーはゴゴプラッタからオモプラッタでスイープ。ナシメントはカウンターのヒールへ。ヒザを畳んで防いだハードリーに対し、ナシメントが下から鉄槌で殴っていく。ここから腹ばいになって足を取り続けるナシメントが、前転して外掛けストレートフットロックからロールしてスイープに成功する。

見事な動きを見せたナシメントは、足を抜きに掛かり左のパンチを落とす。クローズドガードを取ったハードリーは望まない試合展開となっているか。ナシメントは左足をぬき掛かると、潜りを通して枕でプレッシャーを掛け、最後にハードリーがシングルに出たが時間に。ナシメントのラウンドとなった。

2R、跳びヒザ、前蹴り、右ローから右ハイと蹴り技を多用するナシメントは、ケージを背負うとダブルレッグを決める。ゴゴプラッタを潰されたハードリーはヒップエスケープからスクランブルを伺うが、ナシメントが許さない。ボディにヒザを入れ、スクランブルではバック奪取を狙うナシメントの動きに、ハードリーはガードを強いられる。

ナシメントが左足を抜き、Zハーフを潰して上体を固めにかかる。ハードリーは左腕を差してスイープ狙いに反応される。バタフライガードから煽りにも、しっかりとしたポスチャーで抑えるナシメントのペースで試合が進む。ついに背中を譲って立ち上がったハードリーが、胸をわせてポジションを入れ替えたが──残り20秒を切っており、反撃はないばかりか逆に押し込み返されてしまった。

最終回、右ジャブを伸ばし前にでたハードリーは、テイクダウン狙いにマルセロチンをセットしていく。引き込んだ防いだナシメントは、潜りからレッスルアップを狙いつつ、足関&スイープへ。肩を固めて防御したハードリーが、半身のナシメントの上体を起こしバックを伺う。ナシメントが前方に落とし、シングルにはダースチョークの態勢に入る。

腹ばいからスクランブル狙いのハードリーだが、シングルをがぶったナシメントがアンクルピックにも足を抜いて試合がスタンドに戻る。続くナシメントのダブルに、またもマルセロチンに入ったハードリーは、引き込まれてもクラッチを解かない。しかし、窮屈な姿勢でスイープを許し、頭を抜いたナシメントが左のパンチを落とす。

ナシメントは上を取ったままタイムアップを迎え、フルマークの判定勝ちを収めた。試合前のインタビューでガードを取るスタイルを10年前と評したハードリーだが、その寝技の強さの前に敗れた……。


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【UFC ESPN36】平良と同日デビュー、ジェイク・ハードリー「ダナが間違ってなかったことを証明する」

【写真】戦績8勝0敗、25歳ながら驚くほどUFCデビュー前でも落ち着き払っていた(C)Zuffa/UFC

14日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN36「Blachowicz vs Rakic」で、ジェイク・ハードリーがアラン・ナシメントとUFC初陣を戦う。

奇しくも平良達郎と同日デビューを戦う英国のフライ級ファイターは戦績8勝0敗と平良よりも実戦経験が少ない。それでいて南アフリカのEFCワールドワイドとCage Warriorsでフライ級王者になり、Bellatorも経験──コンテンダーシリーズを経てUFCに辿り着いた。

豪州のHEX FSと修斗でチャンピオンになる間に、ONEで1勝を挙げているようなキャリアの積み方だ。自身のキャリアアップ方法からくる自分への信頼感の強さは半端ない。今後、平良と拳をかわす可能性も十分にあるハードリーに初インタビューを試みた。


──土曜日にアラン・ナシメントと戦うジェイク(※取材は5月11日に行われた)、本来3月の母国ロンドン大会で迎える予定だったUFCデビュー戦がいよいよ実現しますね。

「確かにロンドンでデビューできなかったことは残念だったけど、あの時の体調では減量をやり切ることはできなかった。ベストの状態で戦うためには致し方ないし、その分今回の試合に向けてはしっかりと調整してきたから自信を持って戦うことができるよ。

それにベガスはコンテンダーシリーズの時にやってきて、PIは慣れ親しんだ環境だ。コンテンダーシリーズの時と、同じように調整できているしベガスはまるで第2のホームのようだよ」

──そのコンテンダーシリーズですが、試合は2RでRNCを極めてミッチ・ラポーソを破りましたが、計量失敗でした。北米MMAは日本とは違い、計量に失敗してもファイトマネーの一部を対戦相手に譲渡し、キャッチウェイト戦で実施されれば良いという空気があります。ただし、コンテンダーシリーズは一発勝負のトライアウト大会です。計量失敗はUFCとの契約に向けて、相当にネガティブな印象を与えたかと感じました。

「あの時はとんでもないことをしでかしたと、本当に落ち込んだよ。試合は一方的に勝てた。でも、指摘された通り計量で失敗していたから契約することは諦めていた。でも、パフォーマンスを評価されたのか、ダナ・ホワイトは僕を選んでくれたんだ。

人生の逆転劇のように感じた。夢が実現したんだ。人生の大半をUFCファイターになるために費やしてきたから、本当に嬉しかったよ。あれ以上にハッピーなことは人生で起こっていない」

──ところでジェイクは英国のローカルショーから4戦目に南アフリカのFECワールドワイドに遠征して、現地のトップファイターであるズールを破り同プロモーションのフライ級王座を獲得しています。母国でなく海外のプロモーションをステップアップの場としたのはなぜですか。

「あの時、英国で対戦相手が見つからなかったんだ。国内ナンバーワンのCAGE WARRIORSで戦う機会を伺っていたけど、難しかった。だからアフリカ最大のMMAプロモーションであるEFCにアプローチを掛けたんだ。そうするとフライ級チャンピオンのズールに挑戦できる機会を得た。

向うはEFCのトップでTUFベテラン、こっちはプロ4戦目だ。舐められていたと思う」

──リスキーだとは考えていなかったですか。

「試合機会に全く恵まれていなかったから、戦うしかない。勝てば良いことだから。相手のホームタウンで戦うことは、まぁ判定では不利になることは多いよね。でも、自分の力に自信があった。考えると、今回のベガスでの試合はあれ以来の遠征になるよ。あっ、国外での試合はアイルランドもあったね」

──Bellatorのダブリン大会ですね。あのときは世界で2番目のプロモーションと複数契約を結ぶことはなかったのですね。

「Bellatorにはフライ級王座が認定されていないからね」

──あっ、そうでした。失礼しました。

「だから1試合契約で戦った。でもファイトマネーはそれまでのような200や300ポンドと違い良い条件で試合ができた。そしてブレイン・オドリスコールにRNCで勝ちを収め、バンタム級での契約の話がきたんだ。でも、Cage Warriorsからフライ級でのオファーがあったから、そっちを選んだんだよ」

──結果、2戦目でフライ級王者となりコンテンダーシリーズ出場、ついにUFCデビューです。対戦相手アラン・ナシメントの印象を教えてください。

「スピードがあって、柔術や打撃が良い選手だ。レスリングもできて、どの場所でも戦えるね。強い相手にもスプリットで負けだし、タフな良い対戦相手だよ」

──ウランベコフ戦はスプリットで負けましたが、ナシメントが勝っているようにも見えた接戦でした。アームロックかスイープ、フットロックからリバーサル、腕十字からもフラワースイープを決めるなど関節技とリバーサルのコンビネーションが光っていました。

「その通りだ。でも、ジャッジはガードからのコントロールを評価しなかったね。UFCや米国ではああいう風にガードから攻める選手が本当に少なくなった。10年前ならもっとジャッジが理解を示し、勝っていたかもしれないけど。ただ極め切れなかったし、攻撃に転じるまでの時間は膠着気味のファイトで、試合を動かしていなかった。ならスコアでは勝てないよ。ガードポジションを取り過ぎていた。ただ、あのガードゲームは危険だし、十分に注意を払うよ。

それでも立ち技、レスリングは当然として、グラウンドでも僕にアドバンテージがある。それに彼は僕をテイクダウンすることはできないよ。柔術では良いけど、下になれば僕はエルボーも打てるし、まぁ問題ないだろう。しっかり勝って、ダナ・ホワイトがコンテンダーシリーズで下した判断が間違っていなかったことを証明するよ」

──平良達郎選手の契約で、UFCフライ級戦線が日本のファンから注目されています。ところで同じ英国籍を持つムハマド・モカエフについて、どのような印象を持っていますか。

「気にしていないよ。ちょっとUFCとの契約は早いだろう。あのキッドがデビュー戦で戦ったコディー・ダーデンは僕が思うにUFCフライ級で最弱の選手だ。モカエフは僕のように十分な実績を残さずUFCとサインした。僕はEFCフライ級王者になり、ベラトールで勝ち、Cage Warriorsフライ級王者になりながら、コンテンダーシリーズを戦ってUFCに来たんだ。あのキッドと比較されたくはないよ」

──なるほどぉ。では平良達郎選手のことは認識していますか。

「正直、余り知らない。PIで見たけど、本当に若いね。でも10勝0敗なんだから、良い選手なんだろうね。これからしっかりと見させてもらうよ」

■視聴方法(予定)
5月15日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ヤン・ブラボヴィッチ: 205.5ポンド(93.21キロ)
アレクサンドル・ラキッチ: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ライアン・スパーン: 205ポンド(92.99キロ)
イオン・クテレバ: 206ポンド(93.44キロ)

<バンタム級/5分3R>
ルイス・スモルカ: 136ポンド(61.69キロ)
デイヴィー・グラント: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・チューケイギアン: 125.5ポンド(56.92キロ)
アマンダ・ヒーバス: 125.5ポンド(56.92キロ)

<ライト級/5分3R>
フランク・カマチョ: 155ポンド(70.31キロ)
マニュエル・トーレス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<フライ級/5分3R>
ジェイク・ハードリー: 125.5ポンド(56.92キロ)
アラン・ナシメント: 125.5ポンド(56.92キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ: 125ポンド(56.7キロ)
アンドレ・リー: 125ポンド(56.7キロ)

<ライト級/5分3R>
マイケル・ジョンソン: 155ポンド(70.31キロ)
アラン・パトリッキ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ: 115ポンド(52.16キロ)
アンジェラ・ヒル: 115.5ポンド(52.38キロ)

<フライ級/5分3R>
平良達郎: 125ポンド(56.7キロ)
カーロス・キャンデラリオ: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ニック・マキシモフ: 184.5ポンド(83.68キロ)
アンドレ・ペトロスキ: 185ポンド(83.91キロ)

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