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【UFN255】元世界王者エドワーズに圧巻の一本勝ちも、ブレイディは「赤ん坊としばらく過ごす」

<ウェルター級/5分5R>
ショーン・ブレイディ(米国)
Def.4R1分39秒by ギロチンチョーク
レオン・エドワーズ(英国)

タッチグラブがなかった両者。すぐにワンツーで仕掛けたブレイディに、エドワーズも応じる。ブレイディは右ミドル、左右のパンチを振るって前へ。間合いを取るエドワーズは左のカウンターを狙う。左ミドルのエドワーズに対し、近い距離で組んだブレイディがエルボーをかわして離れる。パンチを打とうという両者は、間があわず肩をぶつけてクリンチへ。離れたブレイディが右ミドル後にショートのコンビを入れる。構えを変えて、ショートの連打を繰り出すブレイディは組みの展開でヒザを受けて距離を取り直す。

右ミドルをキャッチしての右は惜しくも外れたエドワーズ。それでもステップイン止めてヒザをボディに突き刺していく。ブレイディはパンチを振って組む展開が増え、ケージにエドワーズを押し込、む。左を差し返したエドワーズがポジションを入れ替える。押し返してケージ中央に移動したが、ボディへのパンチから足払いででテイクダウンを決める。そのまま追撃はなかったが、ブレイディがトップで初回を戦い終えた。

2R、右を見せて即ダブルレッグで組んだブレイディがバックに回る。自ら尻もちをつき、寝技に持ち込むとロールからトップへ。エドワーズの動きに合わせて背中に回ったブレイディが、両足をフックする。ブレイディは細かいパンチを続け、徐々に力を込めていく。エドワーズはテンプルを殴られ、足を崩しにかかるがボディトライアングルは外れない。さらに鉄槌を入れるブレイディは、トップに切り替えてハーフでキムラを仕掛ける。腕を伸ばして切り抜けたエドワーズだったが、再びバックを取られて勢いのあるパンチを連打される。胸を合わせたところで上を取られるという同じ流れのなかで、ブレイディが完全にラウンドを支配した。

3R、ジャブから右ハイ、さらに右ミドルがパンチを振るって前へ。左のカウンターを入れたエドワーズはテイクダウン狙いを切ると、逆にテイクダウンを仕掛ける。スプロールから、がぶってスナップダウン&ギロチン狙いのブレイディ。背中をつけたエドワーズは、足を抜かれてマウントを取られる。背中を見せて、ハーフで潜ろうとしたエドワーズはパンチを連打されバックを許す。エドワーズにスクランブルをさせないブレイディは、引き込んできたところで盤石といっても過言でなくなったトップゲームを展開する。肩固めを狙いつつ、ワキ腹を殴りサイドバッグ。さらに両足をフックしてたブレイディは側頭部を殴りる。

エドワーズは、背中を伸ばされないようヒザ立ちへ。ブレイディがパンチ、鉄槌を続ける一方的な展開に。首を守って殴られるエドワーズは厳しいラウンドとなった。

4R、パンチの圧からダブルレッグを仕掛けたブレイディが、テイクダウンに成功する。ここからギロチンをセットし、マウントを奪取しエドワーズはたっぷした。元世界王者に対し、圧巻の組み技力を見せつけたブレイディは「俺はウェルター級では小さいとか言われているけど、198ポンドまで戻している。背が低いだけなんだ」と話し、子供が生まれたことを明かすと「この階級の誰とでも戦う。元世界王者を倒した。俺はトップ3に入るだろう。月曜日か火曜日にランク1位になる? 次はダナの与えてくれた試合を戦う。でも、しばらくベイビーと過ごしたい」と世界王座挑戦をなぜかアピールしなかった。


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【UFN255】ドスサントス戦へ、ロナー・カヴァナ「散打の試合に出るだけでなくウシュウの型も学んでいた」

【写真】漢民族には見えないが、やはりアジアの血が流れている顔立ちのカヴァナだ(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、英国はロンドンのO2アリーナでUFN255:UFN on ESPN+113「Edwards vs Brady」が開催される。
Text by Manabu Takashima

13試合中9試合に英国人ファイターが出場する今大会。そのなかの1人、フィリッピ・ドスサントスと戦うロナー・カヴァナは中国人ファイターとして紹介されることも多い。

中国を連想させることはない名前だが、彼の体には中国人の血が流れていた。ロンドンで、中国の伝統と価値観を身に着けたカヴァナに初インタビューを試みた。


126ポンドで計量を終えたカヴァナ(C)Zuffa/UFC

――ロンドン出身のロナーですが、中国人という風に紹介をされることもあります。姓名ともに中国風ではないのですが、ルーツに関して説明していただけないでしょうか。

「僕の母のファミリーは中国から香港に移り住み、香港で母は生まれた。そして、ロンドンにやってきたんだ。僕自身はロンドンで生まれたけど、中国文化のなかで育った。中国の文化は、僕の根幹をなしている。UFCとサインし、母の伝統や価値観とともに戦おうと思った。中国の旗の下で戦うことを嬉しく思っている」

──その中国文化の中に格闘技も含まれていたのでしょうか。

「もちろん、僕は8歳の時に武術(ウシュウ)散打を始めた。それが僕にとって初めてのマーシャルアーツの経験だった。散打の試合に出るだけでなく、ウシュウのフォーム(型)も学んでいたよ」

──型が何かに生きることはありましたか。

「アプローチ……う~ん、でもあんまり覚えていないのが本当のところだよ(笑)。ただ型を学んだことで規律が身に付き、集中力を養うことができたのは絶対だ。とにかく、覚えるのが大変だったからね。一つ一つの動き、流れが大切で。色々な動きが含まれていて、捻りやジャンプをすることで本健康な体を持つことができた。そういう部分で、型は今の僕にも役立っている」

──ところで英国で散打はポピュラーだったのでしょうか。

「ノー。練習する場所を探すのも大変だよ。ただ大会は人気があって、多くの人が出場していた。テイクダウンも打撃もあるアグレッシブなコンバットスポーツだから、やっておいて良かったよ。

僕自身は散打だけでなくテコンドーも習うようになり、それからキックボクシングを始めた。WKUではキッズ時代に5度の世界チャンピオンになっている。ただプロのキックで戦うことはなかった。キックのコーチ2人がMMAの指導もしていて、13歳の時からMMAの練習をするようになったから。14歳の時に、初めてアマチュアMMAを戦ったよ」

──立ち技よりMMAの方が興味があったのですか。

「ノー。MMAはほとんど知らなかった。ただ、1度だけMMAの試合を見たことがあったぐらいで。それがロイ・ネルソンのファイトだったんだ。UFCの試合を見た思い出は、太ったファイターが勝って、ケージに駆け上がったぐらいで。他のことは余り覚えていなかった。いうとロイ・ネルソンが僕をMMAに導いてくれたのかもしれないね(笑)。

ただアマチュアの試合に出て、ずっとMMAを続けたいと思うようになったんだ。ちょっとバイオレンスなスポーツが、凄く自分に合っていた。それから本当に多くのことを学ばないとけなかったけどね。そうやってファイトを続けていると、人として成長できた。ならアマチュアだけでなく、プロになってMMAで生きていこうと思うようになった。母も凄く応援してくれたしね。19歳からプロの試合に出るようになり、今、ここにいる(微笑)」

──デビューの翌年にパンデミックが起こり、2年以上試合機会がなかったですが、Cage Warriorsからコンテンダーシリーズと勝ち続けました。このステップアップ方法は、計画通りだったのでしょうか。

「そういうプランが、あったことは確かだよ。フルタイムのMMAファイターになりたかったから。好きなことを続けるためにも自分のやるべきことをやり、ステップアップする。そこでも自分のやるべきことをやり、結果を残して先を目指していた」

ドスサントスは125ポンドでパスしている(C)Zuffa/UFC

──7連勝でUFCと契約。

ついに昨年11月にUFCデビューを果たしました。しかも特別行政区とはいえマカオ、中国で。

「会場の雰囲気は最高だったね。僕は中国にも香港にも、マカオにも住んだことはないし、訪れたのも初めてだった。でも会場中から声援が聞こえた。あんなに中国のファンが僕を応援してくれるとは思ってもいなかった。感動したよ。ケージの中に入ってしまえば、いつもと同じことをやるだけだったけどね。それでも本当にエキサイトしたし、ハッピーだった」

──今週末はロンドンというホームタウンで戦います。

「凄くワクワクしている。そしてマカオで戦った時と同じように、ロンドンで戦える自分を幸せに思う」

──では対戦相手フィリッピ・ドスサントスの印象を教えてください。

「良い対戦相手だよ。打撃が良いね。でも、僕はベストを目指している。ベストになるために、やるべきことをやる。打撃でも寝技でも、倒すことができると思っている。なるべく良い一発を入れるために、スタンドで戦いたい。レスリングも立ち技で戦うために使いたい。ただ、どの局面になっても集中力を保つこと。そこが一番大切になってくるはずだ。そうすればKOできるだろう。UFCで戦い続け、ランキングを駆け上がる力があることを証明したい」

──UFCフライ級には3人の日本人ファイターがいます。

「う~ん、実はあんまり彼らのことを知らないんだ。UFCもあまり視ないから(笑)。戦うことがあれば、打撃を使った良い試合をしたいと思う。何より、僕はずっと日本で試合がしたいと思ってきたんだ。中国で試合をした。ロンドンで戦う。次は日本だ。UFCが日本大会を開くなら、教えてほしい(笑)。日本のMMAにはRIZINというビッグプロモーションが存在している。でもUFCが日本にいくなら、ラインナップに自分の名前を並べてほしい。そのためにも、まずは土曜日の試合を日本のファンに楽しんでもらいたい。そして、その日が訪れるなら必ず日本で試合をしたいと思う」

■視聴方法(予定)
3月23日(日・日本時間)
午前2時00分~UFC FIGHT PASS
午前1時45分~U-NEXT

■UFN255対戦カード

<ウェルター級/5分5R>
レオン・エドワーズ(英国)
ショーン・ブレイディ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
グンナー・ネルソン(アイスランド)

<女子ストロー級/5分3R>
モリー・マッキャン(英国)
アレクシア・タイナーラ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ジョーダン・ブチェニック(英国)
クリス・ダンカン(英国)

<フェザー級/5分3R>
ナサニエル・ウッド(英国)
モーガン・シャリエール(フランス)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
クリス・パディーリャ(米国)

<フライ級/5分3R>
ロナー・カヴァナ(英国)
フィリッピ・ドスサントス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ミック・パーキン(英国)

<ミドル級/5分3R>
アンドレイ・プリエフ(ロシア)
クリスチャン・リロイ・ダンカン(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ショーナ・バノン(アイルランド)
プジャ・トマール(インド)

<バンタム級/5分3R>
キャオラン・ローラン(アイルランド)
ネイサン・フレッチャー(英国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

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【UFC308】展望  このスポーツの模範ロバート・ウィティカー×危険かつ情緒不安定カムザット・チマエフ

【写真】心技体の合計点。高いのどっちだ (C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにてUFC 308「Topuria vs. Holloway 」が行われる。新王者イリア・トプリアにBMF王者マックス・ホロウェイが挑戦するフェザー級タイトルマッチをメインとするこの大会のコメインは、元世界王者のロバート・ウィティカーとプロ無敗のカムザット・チマエフが激突する大注目のミドル級トップコンテンダーマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

ウィティカーは2017年の7月、ヨエル・ロメロとの5Rの激闘を制してミドル級暫定王者に就くと、同年末には当時の正規王者ジョルジュ・サンピエールのタイトル返上&引退を受けて正規王者に認定された。2019年10月にイスラエル・アデサニャに敗れて王座を失ったが、その後も常にミドル級トップ戦線で戦い続けている。

昨年7月には現王者のドリキュス・デュプレッシーに2RTKO負けを喫したものの、今年に入って2月にパウロ・コスタに判定3-0で快勝し、さらに6月にはUFC無敗のイクラム・アリスケロフと対戦。1R早々に必殺の飛び込んでの右ストレートを当てると、さらに右ハイ、そして右アッパーをスマッシュヒットして圧巻のKO勝利を飾っている。


対するチマエフはこれまでプロ13戦全勝。昨年10月には元ウェルター級王者のカマル・ウスマンに判定3-0で快勝し、UFC7連勝を飾った。ウィティカーとの試合は今年の6月に予定されていたが、チマエフの体調悪化により中止となり、上述のようにウィティカーは代役のアリスケロフに鮮烈な1RKO勝利。4ヶ月後の今回、両者の試合が改めて組まれた。

UFC王者✖BMF王者という豪華メインイベントに劣らぬ注目を集めているこの一戦。その理由は何よりもまず、チマエフが途轍もなく高い戦闘能力と心身の不安定さを併せ持つ、色々な意味で目の離せない存在であることだ。そしてウィティカーこそチマエフのキャリア上最強の相手であり、今回ついにその「底」が露呈する可能性が少なくないことだ。

2020年7月、チマエフは(コロナ禍による米国入国規制に対応して開催された)アブダビのファイトアイランドことヤス島大会に登場し、ジョン・フィリップスとのミドル級戦において2Rダースチョークで圧勝して鮮烈なUFCデビューを飾った。

その10日後には同会場に行われた大会にも欠場選手の代打としてウェルター級戦=リース・マッキー戦に登場。1RパウンドによるTKOで相手を葬り去り、10日で2勝という(ワンデートーナメント廃止以降の)現代UFCにおける最短記録を──しかも2階級をまたいで──樹立してのけた。

さらにその2ヶ月後には再びミドル級戦に登場し、今度はわずか17秒でジェラルド・マーシャートからKO勝ちを収め、66日で3連勝という新たな現代UFC記録をも達成した。

結果以上に圧巻だったのがこの3戦の内容だ。最初の2戦は試合開始と同時に距離を詰めてテイクダウン。そのまま相手を逃さず強烈なパウンドや肘で削り、一方的に攻撃してフィニッシュした。3戦目も試合開始直後から前に出て、テイクダウンを警戒する相手を右ショート一発で昏倒させた。

問答無用のテイクダウン力と相手に何もさせない圧倒的コントロール力、さらに精度と破壊力を併せ持つ打撃まで備えた男が、試合開始と同時に様子見を一切せず相手に迫り、一片の躊躇もなくフルスロットルで攻撃し続け、最短距離で粉砕する──見る者全てを戦慄させる戦いを披露したチマエフは、当然のようにデビュー3連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト・ボーナスを受賞した。

その言動も超攻撃的な戦い方に相応しく、二戦目の勝利後には「俺は全ての相手を破壊する!」と絶叫し、三戦目の前には「お前の顔面を粉砕してやる」と相手を挑発すると、17秒でその通りに実行。こうしてチマエフは、UFCデビューから僅か2カ月にて世界で最も熱い注目を浴びる若手MMAファイターの座に駆け上がったのだった。

3カ月後の12月には早くもウェルター級トップランカーのレオン・エドワーズとの対戦が組まれたが、両者とも新型コロナウィルスに感染して試合は延期に。その後この試合は二度リスケジュールされたものの、チマエフの回復が遅れて実現せず。21年3月にチマエフは肺の合併症を理由にSNSで「もう終わりだと思う。みんながっかりすると思うけど、僕の心と体が僕に全てを語っている」と引退の意志を表明し、洗面台に吐いた血を写したショッキングな写真を投稿した。

が、チマエフを治療のためにベガスに呼んだデイナ・ホワイトUFC代表は、これは一時的な気持ちの揺れによるものと説明して引退を否定。実際やがて症状が改善したチマエフは、2021年10月にリー・ジンリャンと対戦した。以前同様、開始同時に距離を詰めて組みついてチマエフは、ジンリャンをリフトしたままケージの中を歩きながらケージサイドのホワイト代表に向かって「俺が王者だ! 全員殺してやる!」と叫んでからテイクダウン。そのまま強烈なパウンドとチョークを織り交ぜて一方的に攻撃し、3分過ぎにジンリャンを絞め落として破天荒極まりない復活を遂げた。

が、その後チマエフは2022年9月に大会目玉カードのニック・ディアス戦を体重超過で飛ばしてしまう。そこで急遽組まれたケヴィン・ホランド戦に圧勝すると、試合後のインタビューでは謝罪するどころか「ウェイトオーバーなんてどうでもいい! 俺は落とせたのに医者に止められたんだ!」と前代未聞の開き直りを見せた。

次戦の昨年10月の元ウェルター級王者のカマル・ウスマン戦は快勝。が、今年6月に予定されていたウィテカー戦は、キャンプ途中で原因不明の体調不良に襲われて回復せず、キャンセルを余儀なくされた。

比類なき戦闘能力とアグレッシブネス、その激しさを反映するが如き精神面健康面の脆さも併せ持ったチマエフは、「次にいつ試合するのか」、「どんな戦いを見せるのか」、「そもそも本当に試合をするのか」とさまざまな形でファンの興味を掻き立て続ける存在だ。

ちなみに近年チマエフは、米国入国に必要なビザが降りないとのことで、昨年のウスマン戦はアブダビ大会、6月に予定されていたウィティカー戦はサウジアラビアのリヤド大会、今回改めて組まれたウィティカー戦は再びアブダビでの試合となる。ビザが降りない理由は、(18歳でスウェーデンに移住した)チマエフの生まれ故郷であるチェチェン共和国の首長ラムザン・カディロフ──米国当局からは人権侵害に関与したとして入国禁止の制裁対象とされている──とチマエフがごく親しい間柄であるためだと報道されている。

実際カディロフの二人の息子にMMAを指導し、長男のデビュー戦ではセコンドに付いたチマエフは、現在も頻繁にSNSでカディロフと親しくしている写真を投稿している。当然ファンからは批判の声も挙がっているが、本人は気にかける様子もなく、冗談めかして「(ホワイト代表と親しい)ドナルド・トランプが大統領になってくれない限り、僕は米国に入国できずにUFCタイトルに挑戦できないかもしれない。でも気にしないさ。僕はどこでも戦うし、ベルトなき王者というだけだ」と語る。このような政治的事情も、チマエフの激しくも儚く、そして危なっかしいイメージを増幅させている。

そんなチマエフの前に今回立ちはだかるウィティカーは、全く対照的なイメージを纏っている。常に若者のロールモデル(模範)であることを心がけ地域貢献活動にも精を出し、対戦相手へのトラッシュトークなどは一切行なわず、誰からも好かれ尊敬される存在だ。チマエフも以前ウィティカー戦との対戦可能性について聞かれた際に「できれば別の選手とやりたいよ。ロバートは良い人間で尊敬している。もっと憎むことのできる相手と対戦して殴りたい。彼とはむしろ一緒に練習したい」と語っており、両者の間には遺恨らしきものは存在しない。

下馬評では無敗のチマエフ(ミドル級ランキングは13位)が現在ランキング3位のウィティカーより有利と出ているが、チマエフ危うしとの声も小さくない。

最大の疑問は、チマエフの一番の強みであるテイクダウン&コントロールが、ウィティカー相手にどこまで通用するかだ。ウィティカーは、これまでウェルターとミドルを行き来してきたチマエフがはじめて戦う真のミドル級の体格のトップランカーだ。2014年から10年間ミドル級で戦い続けており、ヨエル・ロメロをはじめとする何人もの強力なレスラーのテイクダウンを凌いで勝利した実績がある。

レスリングの練習に余念のないウィティカーは「私はなかなかテイクダウンされないし、抑え付けるのも困難だよ」と自信を覗かせている。試合開始と同時に暴風雨のような攻撃を繰り出すチマエフは、これまで全ての相手から1R早々にテイクダウンを奪っている。が、仮に今回同じことをできたとしても、これまでのどの対戦相手よりも高い身体の出力を持つウィティカーをコントロールし続け、フィニッシュあるいは大ダメージを与えることができるのか。チマエフの攻撃力が最大値にある1Rの攻防こそ、一番の見どころだ。

もしウィティカーがチマエフの序盤の猛攻を凌いだ場合、ウィティカー有利説のもう一つの根拠=この試合が5R制だということが大きな意味を持ってくる。ウィティカーが何人ものミドル級トップ勢と5Rフルに戦い、制しているのに対して、チマエフはジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ戦とウスマン戦で3R判定の試合を二度経験しているのみ。この二戦ともに2R以降はノンストップラッシュを控えてペースを抑え、反撃をもらう場面もあった。試合が4、5Rに突入してもスタミナが残せるのか、フタを開けてみなければ分からない。

また、長期戦になればなるほどチマエフが距離を詰めてテイクダウンを取るのは困難となり、必然的にウィティカーが望むスタンドの攻防が多くなるだろう。そこでは近距離を得意とするチマエフの拳より、蹴りを多用して距離を保つウィティカーが、遠い間合いから一気にブリッツして(=飛び込んで)放つ必殺の右が炸裂する可能性が高い。チマエフも「もしロブがテイクダウンだけを警戒するのなら、僕のライトハンドでKOされる可能性もあるよ」と打撃戦にも自信を覗かせているが、どう出るか。

チマエフは前回の体調悪化を踏まえ、今回ロシアのコーカサス山中にある五輪選手用の訓練施設オゾン・ヴィレッジでキャンプを張った。世界レベルのレスラーやコーチ陣と練習を重ね、万全の調整ができた模様だ。試合前記者会見では、五分刈りではなく自然な短髪&眼鏡を着用して登場。今までのヤンチャなイメージから一変して、物静かにしてきわめて温厚な調子で受け答えをしたこと自体が反響を呼んでいる。

長年ミドル級世界トップに君臨する超実力者ウィティカーとの対戦で、底知れぬ強さを見せてきたチマエフの底が割れる日がついに来るのか、それとも予測不可能にして危険極まりない男チマエフがまたしても世界を震撼させるのか。興味は尽きない。

■視聴方法(予定)
10月26日(日・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月27日 午前3時~PPV
午後10時 30分~U-NEXT

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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:7月 エドワーズ×モハメッド「モハメッドの良さを伝えたい」

【写真】決して派手なスタイルではない。だからこそモハメッドの試合にはMMAの奥深さが詰まっている(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。
Text by Takumi Nakamura

大沢ケンジ、水垣偉弥、柏木信吾、良太郎というJ-MMA界の論客をMMAPLANET執筆陣がインタビュー。今回は水垣偉弥氏が選んだ2024年7月の一番──7月27日に行われたUFC 304「Edwards vs Muhammad 2」のレオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドについて語ろう。


――7月の一番として、レオン・エドワーズ×ベラル・モハメッドのUFC世界ウェルター級選手権試合を選んでもらいました。この試合を選んだ理由を教えてもらえますか。

「僕はモハメッドの地味強感が好きというか、彼はフィジカル的にすごく優れているわけでもないし、リーチが長かったり、なにか特徴があるわけでもない。バックボーンはレスリングですが、決してエリートレスラーというわけでもなくて、そういう選手がMMAファイターとしてUFCのトップ戦線で戦っている。しかもフィニッシュするのではなくて、5Rフルに使って戦って勝つというのが非常に僕好みですね。

今回はエドワーズ相手にモハメッドの良さがすごく出ていて、こういう試合をみなさんに伝えられたらなと思って選びました。おそらくもっと派手な試合、例えばエドワーズのKO勝ちを期待したファンの方も多いと思うんですけど、僕的には見たいものを見ることが出来た試合です」

――この取材前にモハメッドのプロフィールを調べたら、モハメッドは高校時代にレスリングをやっていたくらいの経歴なんですよね。それで開始早々にモハメッドがテイクダウンするという展開でスタートしました。

「まずそこがすごく驚きました。エドワーズのここ数戦を見て カマル・ウスマンやコルビー・コヴィントンといったテイクダウンが強い相手に対して(エドワーズは)はほとんどテイクダウンを許してないんですよ。そのエドワーズ相手にモハメッドは開始早々テイクダウンをとってるんですよね。その作り方もすごく上手いですし、この最初のテイクダウンが活きて、その後のラウンドも有利に試合を進めていくので、試合の作り方の上手さも感じました。

もちろん1個1個の格闘技の技術もバランスよく使うものは持ってるんですけど、それ意外の部分での試合巧者というか、相手の心理を読むというか。そういう心理戦がすごい上手いんじゃないかなと思います。それがまさに最初のテイクダウンで、あれはほぼファーストコンタクトに近いようなタイミングでのタックルでしたが、おそらくエドワーズはああいうタックルはが来るとは思っていなかったと思います」

――結果的に最初にモハメッドがテイクダウンを取ったことで、エドワーズはモハメッドのテイクダウンを警戒せざるをえなくなりましたよね。逆にモハメッドはテイクダウンだけでなく打撃でもいけると踏んだと思いますし、まさにあの一発目のテイクダウンが25分間の試合の流れを決めたと思います。

「そうなんですよ。エドワーズはいきなり予想外のタックルに入られて、焦ってテイクダウンを取られてしまった。 それで打撃・スタンド勝負でも、モハメッドは楽になったと思うんですよね。それで1Rの終わりぐらいにモハメッドが打撃をまとめるシーンがあるんですよ。あれはおそらくエドワーズがテイクダウンを警戒して自分の打撃ができなかったところに、モハメッドがパンチを当てて、明らかにエドワーズが嫌がったんです。

ここでモハメッドは打撃で攻めるんじゃなくて、もう一回タックルに入るんですよ。で、そこでもまた1発でテイクダウンを決めました。そういった試合運びの巧さというかクレバーさ。フィッシュを狙うファイターであれば、打撃であそこまで行けたら そのまま打撃で行くと思うんですよね。でもそこで自分がやることを明確にして、打撃からテイクダウンに切り替えることが出来る。相手が打撃を嫌がって意識が上に行ったら、タックルに行くという。そこをパっと切り替えられることの凄さですよね」

――またモハメッドは上(打撃)と下(テイクダウン)の散らしが絶妙ですよね。

「僕もモハメッドのテイクダウンの何がいいのかを考えて、僕は理由が2つあると思うんですよ。まず1つは位置取りですよね。モハメッドはたまにスイッチを使いながら、 ナチュラルに相手にケージを背負わせるんですよ。それで相手のバックステップを殺しておいて、パンチかタックルの2択にして、パンチを散らしてタックルって入っていますよね。あともう1つは左手=前手の使い方がすごく上手いです。ジャブだけじゃなく、アッパーも打ったり、左のパンチを散らすことができる。その2つの要素がモハメッドの試合の作りにすごく関係している気がします」

――エドワーズからすると知らないうちにケージに詰められていて、打撃を散らされてテイクダウンに入られていたわけですね。

「おそらく打撃の1発はそんなにないと思うんですよね。いざ打てば強いかもしれないですけど、そういう打ち方をしていない。相手としては(モハメッドのパンチを受けて)これなら大丈夫かなと自然にステップしていたら、いつの間にかケージを背負っていって『あっ!』と思った時には、目の前で左のパンチを散らされている。今度はそれを鬱陶しいなと思ったら、タックルに入られているみたいな。そういう作りが完成されている気がします」

――技術的なところで言えば、股下で腕をクラッチして相手を持ち上げるテイクダウンが目立っていました。

「僕はあれをクレイ・グイダ・スローと呼んでいるんですよ。クレイ・グイダがネイト・ディアスを投げた時の技があれだったので(笑)」

――確かにクレイ・グイダがやっているイメージがあります(笑)。

「ハイクロッチから股下でクラッチして持ち上げる技なんですけど、あれはサクラバアームロック(キムラロック)を取られた時のカウンターでやると有効なんですよね」

――モハメッドはバックを取った時でも、すぐに両足フックせずにレスリング的なコントロールで上手く時間を使っていました。

「時間の使い方もすごい上手いですよね。バックキープはしつつも、あまりそこには固執せず。下になったシーンもありましたけど、基本的にはもう1回上を取りに行っている。あの辺りのポジションコントロールも、いい意味でフィニッシュにこだわりすぎていない。 本人もインタビューで言っているように、ドミネイトして制圧して強さを見せることが好きなんでしょうね。僕もそういう戦い方は好きですね」

――しかもそういった試合運びをエドワーズにやったことがすごいと思います。

「エドワーズはウスマンやコビントンのテイクダウンを切って、逆にテイクダウンするぐらいの選手なので、このレスリング力で、あの打撃があったら、なかなか崩せる選手はいないだろうなと思っていたところで、モハメッドが開始早々にテイクダウンを取って。モハメッドがMMAというものを見せてくれた感じがして、すごくよかったです」

――年齢的にも36歳での王座戴冠でした。

「階級がウェルター級なので、軽量級よりも多少は競技寿命が長いと思うのですが、身体能力に頼った戦い方ではないですよね。反射神経や瞬発力に頼らず、試合運びや駆け引きを武器として戦ってる選手なので、基本的な技術プラス試合作りが上手いですよね。その試合作りで言うと、3Rにエドワーズにバックを取られた時点で、僕はモハメッドがラウンドを捨てたような印象があるんですよ。このラウンドを取られてもいいから、体力回復にあてよう、みたいな。だから僕は5Rこそモハメッドの良さが出る気がしています」

――ポイントを計算できるからこそ、そういった戦い方もできる、と。

「3Rも最初はモハメッドが攻めに行って、スクランブルの攻防でバックを取られちゃって、その瞬間に、フィニッシュさえされなければいいやと思ったんじゃないのかなと。僕は見ていてそう感じていて、そういったラウンドを捨てる潔さもいいなと思いました。

例えなハビブ(・ヌルマゴメドフ)の過去の試合を見てみると、試合中に休むんですよね。1・2Rを明確に取ったら3Rは休む、みたいな。ただハビブの場合はポジションを許して休むのではなくて、攻めのテンションを一旦落ち着けて休むみたいな戦法で。モハメッドの場合は先に攻めたんだけど、守勢に回る展開になって、そこで休むことを選択したように見えました。そこでの切り替えの良さというか、すごくクレバーだなと思いましたね」

――なるほど。3Rはサブミッションさえ凌いで休めればいいという判断だったんですね。

「僕はそう思いました。バックを取られて相手に首を絞められたり、うつ伏せで潰されてしまうとダメですが、モハメッドのようにエドワーズを下にして、自分が天井を見ているような状態でバックを取られている分には強い打撃をもらうことはないと思うんです。

だからダメージもそんなに受けないし、サブミッションだけ気をつけていれば意外に疲れないのかなと。もちろん寝技が超一流の相手にバックを許して休むのは危険ですけど、エドワーズからはそういった危険を感じなかったと思うんですよね。だから一本を取られないようにディフェンスして、休もうという感覚もあったのではないかと思います」

――少し話題はずれますが5Rにモハマッドがバックを取っていて、最後の最後にエドワーズが正対して肘で流血させたじゃないですか。ああいう展開でエドワーズにポイントが入ることもありえそうですね。

「それはあると思います、ダメージ重視の視点でいくと」

――バックを取られて相手に攻めさせないで守るというのも戦法の一つとしてありえるのかなと思いました。

「自分と相手の技量を比べて極められない自信があって、ポイント的にもリードしているという、非常に限定されたシチュエーションにはなりますけど、5Rマッチであればそういう選択もありなのかもしれません。

もちろんモハメッドがバックを取られた状態から粘るのが得意だったのかもしれないし、その辺も含めて自分が持ってる引き出しと使い方、それを完全に熟知して戦っていると思います。ずば抜けて特別なものを持った選手ではないけれど、自分が持っている引き出しをどう使えばいいかを分かっている。だから勝つ。そういう選手なんだと思います。僕もそういう戦い方をしたかったので、モハメッドにはすごく惹かれますね」

――今のUFCチャンピオンの顔ぶれを見ると、また新たな個性を持ったチャンピオンが誕生しましたよね。

「ぶっちゃけ人気は出ないと思うんですよ(笑)。PPVが売れなくて、ダナ・ホワイトがキレる姿を想像しちゃいますけど、間違いなく通好みの選手ではあるので。MMA好きはチェックすべき試合、選手だと思います」

――確かに派手さはないかもしれませんが、例えば選手サイドからすると参考になる点が多い選手かもしれませんね。

「この企画でも以前話したことですが、教科書にしていい選手としちゃいけない選手がいて、ショーン・オマリートやコナー・マクレガーを真似するのは相当難しいと思うんです。そういう選手に憧れる気持ちは分かりますが、僕のような凡人が(笑)憧れる選手、見本とする選手は今回のムハマッドだったり、僕は結構ベンソン・ヘンダーソン戦い方が好きだったんですけど、そういう真似できる可能性がある選手を見るべきだと思いますね」

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MMA o UFC UFC304   レオン・エドワーズ

『UFC 304』レオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマド2を見たファイター・関係者の反応



 『UFC 304: Edwards vs. Muhammad 2』レオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマド2を見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC304 ベラル・モハメッド レオン・エドワーズ

【UFC304】全ラウンドでTD奪ったモハメッド。逆転狙うエドワーズを振り切り、僅差の判定で勝ちで初戴冠

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
ベラル・モハメッド(米国)
Def.3-0:49-46.48-47.48-47
レオン・エドワーズ(英国)

サウスポーのエドワーズが右ジャブを伸ばす。距離を詰めたモハメッドは、スイッチしてダブルレッグで飛び込み、リフトアップして背中を着かせた。トップを奪ったモハメッドに、場内からブーイングが飛ぶ。下から両腕を差し上げて抱え込むエドワーズが立ち上がり、ケージまで下がり切り返した。頭をおっつけ、ダブルレッグに切り替えるも切られる。モハメッドが離れると、エドワーズは離れ際に左ヒジを見せた。

再びプレスをかけていくモハメッドのボディに、エドワーズが左ヒザを突き刺す。左に回ったモハメッドの顔面に、エドワーズが左ストレートを伸ばす。ショートレンジのパンチを狙うモハメッドだが、エドワーズにクリンチで凌がれてしまう。エドワーズが左ストレートでモハメッドのアゴを跳ね上げた。エドワーズにケージを背負わせたモハメッドは、パンチを上下に散らしながらダブルレッグで組み、またもリフトアップからグラウンドに持ち込み削っていった。

2R、開始早々から両者が至近距離からパンチを繰り出す。エドワーズは下がってローを見せるも、モハメッドのパンチを受けてしまう。右ストレートからレベルチェンジしニータップで組んだモハメッドが、粘るエドワーズをグラウンドに持ち込む。バックに回ったモハメッドも足を差し入れることはできず、エドワーズが立ち上がった。しかしモハメッドはバックをキープし、リフトしてテイクダウンした。すかさずバックマウントを奪取したモハメッドに対し、エドワーズも立ち上がる。

ヒザを突き上げてバックから引き倒すモハメッド。立ち上がるエドワーズに対し、ハイクロッチに組み替えてリフトアップからバックマウントを狙う。バックコントロールを続けるモハメッドに場内からブーイングが飛ぶ。残り1分で立ち上がったエドワーズが正対した。切り返して右腕を差し上げたエドワーズが、グラウンドに持ち込みバックへ。モハメッドはケージに背中を着けて正対する。立ち上がるモハメッド、エドワーズは左足を差し入れてラウンドを終えた。

3R、左ハイを放つエドワーズをケージまで追い込んだモハメッドが、ダブルレッグからグラウンドへ。エドワーズはバックに回って左足を差し入れる。モハメッドの足を開いて倒したエドワーズが、バックマウントを奪取して左腕を首に回した。モダメッドのディフェンスに対し、四の字フックで固めたエドワーズは体を起こしたモハメッドのバックから離れない。そのままバックをキープし続けた。

4R、モハメッドがエドワーズにケージを背負わせた。左ハイから右に回ったエドワーズを追いかけるモハメッド。ガードを固めるエドワーズに対し左アッパー、右ボディストレートを当てたモハメッドが、ボディロックで組みバックに回る。四の字フックで固めたモハメッドは、オタツロックからパンチで削り続ける。残り30秒で反転したエドワーズがトップへ。さらにバックに回ってラウンドを終了のホーンを聞いた。

最終回、モハメッドが左ジャブを突くと、エドワーズも左ストレートを返す。エドワーズは左ハイから左ボディ。モハメッドはニータップをスプロールされるも、エドワーズをケージに追い込みパンチを浴びせる。ボディロックで組んだエドワーズがバックに回る。グラウンドに引きずりこんだモハメッドが四の字フックからパンチで削っていく。しかしまたもモハメッドは、トップを奪われてしまう。エドワーズが左ヒジでエドワーズの額を切り裂いた。大出血のモハメッドはボトムからしがみつき、試合終了まで凌いだ。

裁定は全ラウンドでテイクダウンを奪ったエドワーズが、毎回盛り返したエドワーズを振り切り判定勝ち。2021年3月の初戦はサミングによりノーコンテストとなったが、今回はエドワーズが勝利するとともに初めてベルトを巻いた。


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45 Preview UFC UFC304 ブログ ベラル・モハメッド レオン・エドワーズ

【UFC304】展望 この惑星で一番の地味強決定戦。ミドル級王者エドワーズ✖モハメッド=制空権✖突破力

【写真】MMAの軸となる攻防が、25分間続く──かもしれない世界の頂上争いだ(C)MMAPLANET

27日(土・現地時間)、英国・マンチェスターのコープライブにてUFC 304「Edwards vs Muhammad 2」が行われる。アーリープレリムにムハマド・モカエフ×マネル・ケイプという注目のフライ級ランキング戦、そしてコメインに王者トム・アスピナルがカーティス・ブレイズの挑戦を受ける暫定ヘビー級タイトル戦を従えた今大会のメインイベントは、地元英国出身の王者レオン・エドワーズがベラル・モハメッド相手に3度目の防衛戦を行うウェルター級タイトル戦だ。
Text by Isamu Horiuchi

エドワーズは、 2022年8月のUFC 278にて当時絶対王者として君臨していたカマル・ウスマンに挑戦。王者のテイクダウン&コントールの前に劣勢を強いられる展開のなか、最終5R残り約1分のところで左ストレートからの左ハイ一閃。ウスマンは昏倒し、まさに世界を震撼させる大逆転劇となった。

直後に感涙とともにエドワーズがオクタゴンで発した「誰もが俺には無理だと言った。人生でずっと虐げられてきたんだ! でも今の俺を見ろ! 今の俺を見ろ! 俺を見ろ!」という魂の叫びは、鮮烈なKOシーンとともにUFC史上に残る名場面だ。


勝てば、GSPに並ぶ王者エドワーズ

新王者は、昨年3月のUFC 286でウスマンと再戦。今度はテイクダウン防御に何度も成功して打撃を当て、2-0の判定勝利で堂々の初防衛に成功した。さらに昨年12月のUFC 296では、暴言王コルビー・コヴィントンと対戦。終始距離を支配してテイクダウンを許さず、3-0の判定で完勝して二度目の防衛を果たした。

この試合後インタビューでもエドワーズは「俺にとってすごく感情的な試合だった。奴は俺の父が殺されたことをエンターテインメントに使いやがった!(※) あの後俺は怒りのあまり号泣し、感情を沈めるのに苦労したんだ。奴は優れた選手だけど、汚い人間だ」と生々しい感情を吐露した。

(※試合前記者会見の言い合いにてコヴィントンは、13歳の頃に父親を射殺されて失っているエドワーズに対し「お前を地獄の7丁目に引きずり込んでやる。そこでお前の父親に一緒に挨拶しようじゃないか」と発言。激怒したエドワーズは次の瞬間ペットボトルを思い切りコヴィントンに投げつけた)

試合ぶりは理詰めで堅実。普段は派手な言動もなく、ボソボソと聞き取りにくい独特の話し方をすることもあり、あまり注目を集めない王者エドワーズだが、試合後に溢れる感情をぶつけるように吐き出すその言葉には、多くの人の心を揺さぶる力がある。

ここまで(一つのNCを挟んで)ウェルター級で11連勝中。今回の試合に勝てば、伝説の王者GSPが残したUFC同級12連勝の記録に並ぶことになる。

対する挑戦者モハメッドも、この5年間負けなしだ。2022年10月のUFC 280ではデビュー以来15戦全勝のショーン・ブレイディのテイクダウンを切ってはスタンドで強烈な圧力をかけ続けて2Rに強烈な右をヒット。そのまま畳み掛けて見事なTKO勝利を挙げている。昨年5月のUFC 288ではタイトル挑戦経験もあるジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズと対戦。スタンドの圧力と手数で終始上回って3-0で勝利し、こちらも王者同様に「一つのNC」を挟んで9連勝目を記録。今回満を持してのタイトル挑戦となった。

両者の連勝に挟まれる「一つのNC」こそ、2021年5月の二人の初対戦によるものだ。この時モハメッドは、カムザット・チマエフの代打として試合3週間前のオファーを受諾し、初のメインイベントに臨んだ。

同病相憐だったはず?──王者に対する、挑戦者モハメッドの複雑な心境

が、試合はエドワーズが初回から終始距離を支配。なかなか前に出られないモハメッドにガードの上から強烈な左ハイをヒットさせてぐらつかせ、その後も左を中心にプレッシャーを掛けて続けて試合を優位に進めた。しかし続く2R開始早々、左ハイを出す際に伸ばしたエドワーズの左手の指先がモハメッドの目に痛烈にヒット。完全に視界を失い、生涯初のビッグチャンスを失う悔しさにモハメッドが泣き叫ぶなか、無情のNCが告げられた。

試合後、(意図的ではない)反則決着については遺憾の意を示したエドワーズだが、モハメッドとの決着戦については「1Rは自分が圧倒していたし、どちらが上かはすでに証明した」と興味を示さず。その後ネイト・ディアスとのビッグファイトを制し、絶対王者ウスマンへの挑戦を実現。前述の通りの大番狂わせを演じて世界の頂点に立ち、その後二度の防衛に成功して現在に至る。

この件をいつまでも引きずっているのがモハメッドだ。エドワーズに対する敵愾心を隠そうとしないモハメッドは、その理由を改めて聞かれると

「奴と俺は、これまでタイトルに向けて非常に似た道を巡ってきた。お互い誰からもリスペクトされず、なかなかチャンスを与えられないまま戦い続けた。そんな俺は(エドワーズとの初対戦で)初めてメインイベントのチャンスを提示された。だからショートノーティスで試合を受けた。そこで奴は反則を犯し、俺のチャンスを奪った。なのに奴は俺とのリマッチを受けなかった。『どうせ自分が勝っていた』とか言いやがって。俺はその後も連勝を続けたのに、奴もそのコーチも俺のことを認めず、別の相手との試合を選び続けたんだ」と語っている。

アイポークへの恨み節もさることながら、いくら勝ち星を重ねても十分な評価を得られなかったことへの不本意さ、何より同病相憐れむ──ではないが、自身と同じように「地味強」だったのに頂点を制したエドワーズへの複雑な感情が入り混じった、リアルにして強い思いがそこにある。

この試合の下馬評は、王者エドワーズ有利の声が大きい。3年前の両者の対戦においてエドワーズが明らかに優勢だったこと、そしてエドワーズがここ2戦、モハメッド以上に強力なレスリングベースを持つ──ウスマンとコヴィントンのテイクダウンを見事に防いで完勝していることを踏まえれば、自然な評価だ。

特に近年のエドワーズが見せる空間の支配力は圧巻だ。巧みなスイッチや横へのステップで優位な角度を作っては、鋭く強烈無比な左の蹴りとパンチを繰り出し、それまでウェルター級のツートップだったウスマン、コヴィントンを寄せ付けなかった。

よって、この試合の最初の見どころはモハメッドが、3年前には全く突破できなかったエドワーズの制空圏をいかに切り崩し、圧力をかけてゆくことができるかだ。

モハメッドの真骨頂は、洗練を極めたエドワーズの足捌きと比べると遥かに無骨ながらも、巧みにスイッチを駆使して相手の逃げ道を塞ぎつつ、前に出て手数を繰り出し、相手を追いつめてゆくところにある。

もしモハメッドがスタンドでエドワーズに圧力をかけて下がらせることができれば、いずれテイクダウンに入るチャンスが出てくる。金網際のテイクダウンディフェンスの上達も著しいエドワーズだが、下がらされ守勢を余儀なくされる展開が続けば体力は徐々に消耗してゆくだろう。

そうなった時に、それまで圧倒していたネイト・ディアス戦で試合終了直前に攻め込まれた時の、またウスマンに挑戦した際に4Rまで試合を支配されていた際の、相手に気力で圧されて覇気のないエドワーズが再び顔を出す可能性は否めない。

対するモハメッドは、全ラウンドを通して止まらず前に出続ける体力と意志の力では誰にも負けないと自負を持っている。

「3年間ずっと奴のことを研究してきた」と語り、親しくするカビブ・ヌルマゴメドフからも作戦を授けられたというモハメッド。どのような方法で距離感の達人エドワーズとの間合いを制するつもりなのか、刮目したい。

ところで今大会は、王者エドワーズにとってはウスマンとの初防衛戦に続く母国凱旋マッチだ。家族や友人が見守る中、地元の期待を背負っての試合となるだけに負けられないという意識は強いだろう。

対する挑戦者は、戴冠を果たして自分のルーツであるパレスチナの旗を掲げることを至上の目標としている。実際に最近ガザで爆撃を受けて重傷を負い、母親を失ったパレスチナ人の幼い少年と父親を米国に呼び、家族同然に面倒を見ている姿が共感を呼んでいるモハメッドは「日々苦しんでいる彼らの戦いと比べたら、俺らファイターの戦いなどなんでもない。自分が勝つことで、せめて彼らに何らかの形の勝利を捧げることができればと思う。そのために全てを賭けて戦う。スタミナも全て使い果たす」と話す。

派手なパーソナリティも大きな話題性もないが、実力で世界最高峰の舞台に上り詰めた両者の戦いが、この21世紀の国際社会の現実の中で行われているという事実は、我々格闘技好きも改めて留意しておきたいところだ。

■視聴方法(予定)
7月28日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC304対戦カード

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]レオン・エドワーズ(英国)
[挑戦者] ベラル・モハメッド(米国)

<UFC世界暫定ヘビー級選手権試合/5分5R>
[暫定王者]トム・アスピナル(英国)
[挑戦者] カーティス・ブレイズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ボビー・グリーン(米国)
パディ・ピンブレット(英国)

<ミドル級/5分3R>
クリスチャン・レロイ・ダンカン(英国)
グレゴリー・ホドリゲス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
クリスチャン・アレン(英国)
ギガ・チカゼ(ジョージア)

<フェザー級/5分3R>
ナサニエル・ウッド(英国)
ダニエル・ピネダ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
モリー・マッキャン(英国)
ブルーナ・ブラジル(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
キャオラン・ローラン(アイルランド)
ジェイク・ハードリー(英国)

<ライトヘビー級/5分3R>
モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)
マルチン・プラチニオ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
オーバン・エリオット(英国)
プレストン・パーソンズ(米国)

<フライ級/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
マネル・ケイプ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
サム・パターソン(英国)
キーファー・クロスビー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ミック・パーキン(米国)
ウーカシュ・プジェスキ(ポーランド)

<女子ストロー級/5分3R>
ショーナ・バノン(アイルランド)
アリチェ・アルデラン(ルーマニア)

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45 AB F1 MMA o UFC UFC Fight Night   コルビー・コヴィントン レオン・エドワーズ

7.27『UFC 304』のメインイベントはレオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマドのウェルター級タイトルマッチ/両者は3年4ヶ月ぶりの再戦

UFC 2024 TOPPS CHROME HOBBY


 UFCが7月27日にイングランド・マンチェスターのコープ・ライブで開催する『UFC 304』のメインイベントがレオン・エドワーズ vs. ベラル・ムハマドのウェルター級タイトルマッチになることをデイナ・ホワイトが発表。

 エドワーズは12月の『UFC 296: Edwards vs. Covington』でコルビー・コヴィントンに判定勝ちして以来の試合で1つの無効試合を挟んで12連勝中。今回が3度目の防衛戦。この「1つの無効試合」というのが2021年3月の『UFC Fight Night 187: Edwards vs. Muhammad』で行われたベラル・ムハマド戦でした。この時はエドワーズのアイポークによりムハマドが続行不能となりノーコンテストとなっています。

 ムハマドは昨年5月の『UFC 288: Sterling vs. Cejudo』でギルバート・バーンズに判定勝ちして以来1年2ヶ月ぶりの試合で1つの無効試合を挟んで9連勝中。現在UFCウェルター級ランキング2位。続きを読む・・・
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AB MMA o ONE UFC UFC296   コルビー・コヴィントン レオン・エドワーズ

『UFC 296』レオン・エドワーズ vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者の反応

悪口を言う人はなぜ、悪口を言うか?(プレジデント2021年 10/15号)


 『UFC 296: Edwards vs. Covington』レオン・エドワーズ vs. コルビー・コヴィントンを見たファイター・関係者のSNSでの反応。続きを読む・・・
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AB MMA o ONE UFC UFC296   コルビー・コヴィントン レオン・エドワーズ

『UFC 296』コルビー・コヴィントン、レオン・エドワーズに判定負けも「人生で一番イージーな試合だった」「ノーダメージだし勝ったと思ってた」

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 『UFC 296: Edwards vs. Covington』でコルビー・コヴィントンに判定勝ちしウェルター級王座2度目の防衛に成功したレオン・エドワーズが以下のコメント。

「この試合は俺にとってとてもエモーショナルなものだった。アイツは俺の父親の死をエンターテインメントとして利用していた。殺人事件をエンターテインメントとして利用したんだ。落ち着いて集中して試合に臨むには多くのことが必要だった」

「記者会見の後、バックステージに戻ると怒りで涙があふれていた。父親の死をネタにするのは許せない。今でも胸が張り裂けそうだ。彼は俺の父は地獄で焼かれるべきだとも言っていた」

「俺の方が優秀なアスリートだということは分かっていた。トレーニングキャンプの間、みんな彼のスタミナについて言及していたし、一度距離をコントロールすれば、スタミナ勝負できると思っていた。テクニックと距離感で対抗し、彼をシャットダウンできた」


 レオン・エドワーズは13歳の時に父親を亡くしています。


 コルビー・コヴィントンは以下のコメント。

「長いブランクがあったから、そのことも多少は影響したかもしれない」

「良い気分だよ。触られた感じはしなかった。イージーファイトだった。傷ひとつない。来年早々には試合に出たい。ここからは学ぶだけだ。初心に戻るつもりだ。この2年間、オクタゴンから遠ざかっていて、みんなに避けられ、試合も決裂し、レオンは母国イギリスで試合をしようとしなかった。こっちはいつでも、どこでも、誰とでもやるつもりだった」

「もっと強くなって戻ってくる。俺は35歳と若い。この試合ではダメージを受けていない。人生で一番イージーな試合だった。勝ったと思ってた。全ては見方の違いだな。もっと強くなって戻ってくる。(観客のブーイングに対し)どうせお前らは金欠のクソ野郎どもだ、くたばれ」


 ラスベガスのT-モバイル・アリーナに来ている時点で観客はそれなりに裕福だと思いますけどね。続きを読む・・・