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JJ Globo Report SUG13 オースチン・ヴェンダーフォード ブログ リッチー・マルチネス

【SUG13】ブギーマン=リッチー・マルチネスは、ペイジ旦那=ヴェンダーフォードに延長一本負け

<5分1R>
オースチン・ヴェンダーフォード(米国)
Def.Overtime
リッチー・マルチネス(米国)

コンテンダーシリーズで勝利もUFCと契約できず、Bellatorで3連勝中のヴェンダーフォード。ペイジ・ヴァンザント夫人の姿は当然のようにコーナーにない。試合開始直後に引き込んだマルチネスはラバーガードから腕十字へ。2度前転をして腕を抜いたヴェンダーフォードが立ち上がる。

シッティングのマルチネスに対し、ヴェンダーフォードが側転パスガードを仕掛けるが決まらない。飛び込んだヴェンダーフォード、かわしたマルチネスの顔面に手が当たり両者が仕切り直す。立ちから一気にパスをヴェンダーフォードが狙うが、マルチネスは足を効かせ許さない。

グラップリングとしては、ヴェンダーフォードが寝技にいかず噛み合わない展開が続く。それでもヴェンダーフォードが足を掴み、マルチネスが首や肩を抑えにいくと立ち上がる。一瞬のオモプラッタ狙いも、思い切り頭を突っ込んで腕を抜いたヴェンダーフォードは、組ませない寝技を続けタイムアップに。

試合はEBI流のオーバータイムへ。マルチネスはスパイダーウェブを選択。5秒で腕を抜いたヴェンダーフォードはシートベルトポジションを選び、35秒間でマルチネスがエスケープに成功した。

続いてマルチネスもバックを選択するが、ヴェンダーフォードは僅か7秒で逃げる。ヴェンダーフォードは2度目のバックをチョイスし、胸を合わせにきたところで肩固めに移行してタップを奪う。ブギーマンが、まさかの延長一本負けを喫した。


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JJ Globo Report SUG13 ガブリエル・チェッコ ジェイク・エレンバーガー ブログ

【SUG13】アンダーグラウンド・サブミッションが無観客大会。チェッコがエレンバーガーを逆三角で破る

26日(日・現地時間)、Submission Underground 13がオレゴン州ポートランドにある──改装された──穀物サイロとされる場所で開催された。プレリミ7試合、メインカード3試合はファイターとレフェリー、そしてセコンドはおらずドクターと4人だけのフロアで、カメラも固定とオートで撮影という状況で行われた。

<5分1R>
ガブリエル・チェッコ(ブラジル)
Def.1分52秒by リバーストライアングル
ジェイク・エレンバーガー(米国)

MMAを引退して1年10カ月、エレンバーガーが現役時代だと1階級上のミドル級のチェッコと対戦。引き込んでから、後方回転気味に足を取りに行ったチェッコはトップを選択する。エレンバーガーが体を起こしてシングルへ。前転するように引き込んだチェッコはリバースハーフから足を抜かれそうになるが、背中をつけてラバーガードへ。足を組み変え、ミッションコントロールから右腕を伸ばしに掛かる。

クローズドに戻したチェッコは三角絞めへ。エレンバーガーの右腕は抜けており逆組みだけ極まらないように思われた。が、左腕の上から足を組まれたエレンバーガーは時計回りに移動しようとし、自らの肩で喉を圧迫されタップを強いられた。


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News other MMA PFL2020 ケイラ・ハリソン ジェイソン・ソアレス ジョニー・ケース ナタン・シュルチ バッバ・ジェンキンス ブログ マーチン・ヘルド モハメド・ウスマン ランス・パーマー レイ・クーパーIII ローリー・マクドナルド

【PFL2020】ロリマク=ウェルター、ヘルド&ケース=ライト、過去最高が期待されたシーズンが1年先延ばしに

Kayla Harrison【写真】ケイラ・ハリソンは「2020年は試合をしない」ことを明言した (C)PFL/RYAN LOCO

20日(月・現地時間)、PFLが5月21日(木・同)からスタートを切る予定だった2020年シーズンを2021年の春まで延期することを発表している。

レギュラーシーズン→プレーオフ→ファイナルというフォーマットを持つPFLは、ピーター・モーリー代表が「新型コロナウィルスの感染拡大を受け、シーズンフォーマットを重視するPFLでは今シーズンのスタートを2021年春に延期する。PFLではファイター、ファン、PFLの社員、パートナーの健康こそ第一かつ最大に優先させるべきだと考えている」と話している。


ジェイソン・ソアレス(C)TITAN FC

ジェイソン・ソアレス(C)TITAN FC

2020年は女子ライト級、男子はフェザー級、ライト級、ウェルター級、ライトヘビー級、ヘビー級と2019年と同じクラスでシーズンが進められる予定だった。

女子ライト級はケイラ・ハリソン、シンディ・ダンドワ、フェザー級はランス・パーマー、バッバ・ジェンキンス、ジェイソン・ソアレス、ライト級はナタン・シュルチを筆頭にマーチン・ヘルド、ジョニー・ケース、ウェルター級ではブラダボーイことレイ・クーパー3世にローリー・マクドナルド、ヘビー級にカマル・ウスマンの弟モハメド・ウスマンらの出場が決まっていたシーズンは事実上1年間スライドされることとなった。

バッバ・ジェンキンス(C)BRAVE CF

バッバ・ジェンキンス(C)BRAVE CF

この間、ランディ・クートゥアーをホストに関連番組の放送を始めるようだが、モーリーは無観客のノンシーズン大会の開催に関しては、大いに興味を持ちながら「PFLはESPNを通じてファイトをファンに届けることに特化した大会だが、今はそのことについて話す時ではない」としている。

マーチン・ヘルド(C)ACA

マーチン・ヘルド(C)ACA

いずれにせよロリマクが参戦するウェルター級、パーマーの3連覇がかかったフェザー級には前Breve CFフェザー級王者ジェンキンス、Titan FCフェザー級王者フアレスという注目団体の王者が参戦し、ライト級にはケース&ヘルドと過去最高のメンバーといっても過言でないロースターが揃っていただけに、まる1年の延期は非常に残念。

せめて注目選手が勢ぞろいする前哨戦のようなワンマッチ大会を開催して欲しいものだが、この事態を受け、看板ファイターのハリソンはツイッターで「今年は戦うことはないことを皆と約束するわ」と呟いている。

また2021年には2020年シーズンを詰め込み、本来の2021年シーズンとともに2シーズンを実行するのかなども明らかとはなっていない。

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News ONE ONE Championship シィォン・ヂィンナン ジョシュア・パシオ スタンプ・フェアテックス ブログ リン・ホーチン 上久保周哉 和田竜光 山田哲也 若松佑弥 青木真也

【ONE】オフィシャルランキング完全版。上久保が4位で青木は5位。スタンプはMMAでランク外に

Stamp【写真】スタンプはムエタイで世界王者、キックは1位。しかしMMAでは5位に入らず(C)ONE

27日(月・現地時間)、ONE Championshipがムエタイ、キックボクシング、MMAのオフィシャルランキングを発表した。

MMAは男子がストロー級からライト級までと女子がアトム級とストロー級の7階級、ムエタイは男子がストロー級からフェザー級までで女子はアトム級と5階級、キックは男子がMMAと同様の5階級とキックも同様に男子はストロー級から5階級、女子はアトム級と計6階級となっている。


全階級で5位前の発表となった初のオフィシャルラキング、ムエタイのキックの重複は多いが、延べ人数でいえばタイ人が25人で一番多く、次いで日本と米国の11人。日本人選手は全てMMAで立ち技ではランクインはなかった。

続いて豪州はMMAではフェザー級王者のマーチン・ウェン、リース・マクラーレンがフライ級ランクに入っている。フィリピンは8名で立ち技は女子ムエタイのラズマ・アブバカーのみ、7人はMMAファイターでラカイは

【MMAストロー級】

ONE MMAの世界王者で最もアクティビティなパシオ

ONE MMAの世界王者で最もアクティビティなパシオ


C ジョシュア・パシオ(フィリピン)
1 猿田洋祐(日本)
2 内藤 のび太(日本)
3 レネ・カタラン(フィリピン)
4 アレックス・シウバ(ブラジル)
5 リト・エディワン(フィリピン)

【MMAフライ級】

若松がランク入り、和田竜光はランク外。マクラーレン戦が響くのか……

若松がランク入り、和田竜光はランク外。マクラーレン戦が響くのか……


C アンドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
1 デメトリウス・ジョンソン(米国)
2 ダニー・キンガド(フィリピン)
3 カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
4 若松佑弥(日本)
5 リース・マクラーレン(豪州)

【MMAバンタム級】

何と4位に入った上久保、ジョン・リネケル、ムイン・ガフロフより上だ(ONE)

何と4位に入った上久保、ジョン・リネケル、ムイン・ガフロフより上だ(ONE)


C ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
1 ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
2 佐藤将光(日本)
3 ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)
4 上久保周哉(日本)
5 竹中大地(日本)

【MMAフェザー級】

去年の5月から試合がない山田もランクイン。次期チャレンジャーと目されるタン・リーは3位

去年の5月から試合がない山田もランクイン。次期チャレンジャーと目されるタン・リーは3位


C マーティン・ウェン(豪州)
1 クリスチャン・リー(米国)
2 松嶋こよみ(日本)
3 タン・リー(米国)
4 山田哲也(日本)
5 ゲイリー・トノン(米国)

【MMAライト級】

本来なら5月に王座挑戦が決まっていたラピクス。青木、フォラヤンら元世界王者はランク外──

本来なら5月に王座挑戦が決まっていたラピクス。青木、フォラヤンら元世界王者はランク外──


C クリスチャン・リー(米国)
1 ユーリ・ラピクス(モルドバ)
2 ダギ・アサラナリエフ(トルコ)
3 ピーター・バウシュト(オランダ)
4 ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
5 青木真也(日本)

【MMA女子アトム級】

リン・ホーチン……誰? 去年の3月にミャンマー大会で勝利もONEではこの1勝のみ。そしてスタンプはランク外……(C)ONE

リン・ホーチン……誰? 去年の3月にミャンマー大会で勝利もONEではこの1勝のみ。そしてスタンプはランク外……(C)ONE


C アンジェラ・リー(米国)
1 デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
2 モン・ボー(中国)
3 リン・ホーチン(中国)
4 山口芽生(日本)
5 ジナ・イニオン(フィリピン)

【MMA女子ストロー級】

アンジェラはアトムとともにランクインも、パンダはストロー級のみ

アンジェラはアトムとともにランクインも、パンダはストロー級のみ


C シィオン・ヂィンナン(中国)
1 ティファニー・テオ(シンガポール)
2 ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)
3 アンジェラ・リー(米国)
4 三浦彩佳(日本)
5 マイラ・マザール(ブラジル)

【ムエタイ・ストロー級】
C サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
1 ジョシュ・トナー(豪州)
2 ロッキー・オグデン(豪州)
3 ダレン・ローラン(フランス)
4 アンディ・ホーソン(英国)
5 ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

【ムエタイ・フライ級】
C ロッタン・シットムアンノン(タイ)
1 パンピャック・シットムアンノン(タイ)
2 スーパレック・キアトモー9(タイ)
3 ジョナサン・ハガディ(英国)
4 エリアス・マムーディ(アルジェリア)
5 ペッダム・ペッティンディー(タイ)

【ムエタイ・バンタム級】
C ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
1 センマニー・サティアンムエタイ(タイ)
2 ボボ・サッコ(フランス)
3 クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
4 アラヴェルディ・ラマザノフ(ロシア)
5 ムエンタイP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

【ムエタイ・フェザー級】
C ペットモラコット・ペッティンディー・アカデミー(タイ)
1 スーパーボーン・バンチャメーク(タイ)
2 ジャマル・ユスポフ(ロシア)
3 ジョー・ナタワット(タイ)
4 サミー・サナ(フランス)
5 ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)

【ムエタイ女子アトム級】
C スタンプ・フェアテックス(タイ)
1 ジャネット・トッド(米国)
2 アン・リーネ・フグスタード(ノルウェー)
3 アルマ・ユニク(豪州)
4 エカテリーナ・ヴァンダリエバ(ベラルーシ)
5 ラズマ・アブバカー(フィリピン)

【キックボクシング・ストロー級】
C サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
1 アステミル・ボルソフ(ロシア)
2 ワン・ジュンウァン(中国)
3 ロッキー・オグデン(豪州)
4 ジョシュ・トナー(豪州)
5 ダレン・ローラン(フランス)

【キックボクシング・フライ級】
C イリアス・エナッシ(オランダ)
1 ロッタン・シットムアンノン(タイ)
2 スーパレック・キアトモー9(タイ)
3 ヴァウテウ・ゴンカウベス(ブラジル)
4 パンピャック・シットムアンノン(タイ)
5 エリアス・マムーディ(アルジェリア)

【キックボクシング・バンタム級】
C アラヴェルディ・ラマザノフ(ロシア)
1 ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
2 センマニー・サティアンムエタイ(タイ)
3 ジャン・チェンロン(中国)
4 リアム・ハリソン(英国)
5 ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

【キックボクシング・フェザー級】
C 空位
1 ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
2 スーパーボーン・バンチャメーク(タイ)
3 ジョー・ナタワット(タイ)
4 タイフン・オズカン(オランダ)
5 ヨーセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)

【キックボクシング・ライト級】
C レギン・アーセル(オランダ)
1 ニキー・ホルツケン(オランダ)
2 ムスタファ・ハイダ(イタリア)
3 アンソニー・ジュングアニ(米国)
4 アンディ・サワー(オランダ)
5 エリオット・コプトン(豪州)

【キックボクシング女子アトム級】
C ジャネット・トッド(米国)
1 スタンプ・フェアテックス(タイ)
2 アルマ・ユニク(豪州)
3 カイティン・チュアン(台湾)
4 アン・リーネ・フグスタード(米国)
5エカテリーナ・ヴァンダリエバ(ベラルーシ)

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News ONE ONE Championship ブログ

【ONE】ONEがMMA7階級、キックボクシング6階級、ムエタイ5階級のオフィシャルランキングを発表

ONE【写真】ONEがオフィシャルラキングを制定した──(C)ONE

27日(月・現地時間)、ONE Championshipがムエタイ、キックボクシング、MMAのオフィシャルランキングを発表した。

MMAは男子がストロー級からライト級までと女子がアトム級とストロー級の7階級、ムエタイは男子がストロー級からフェザー級までで女子はアトム級と5階級、キックは男子がMMAと同様の5階級とキックも同様に男子はすとろーきゅうから5階級、女子はアトム級と計6階級となっている。

ONEオフィシャルMMAランキングは以下の通りだ。


【MMAストロー級】
C ジョシュア・パシオ(フィリピン)
1 猿田洋祐(日本)
2 内藤 のび太(日本)
3 レネ・カタラン(フィリピン)
4 アレックス・シウバ(ブラジル)
5 リト・エディワン(フィリピン)

【MMAフライ級】
C アンドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
1 デメトリウス・ジョンソン(米国)
2 ダニー・キンガド(フィリピン)
3 カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
4 若松佑弥(日本)
5 リース・マクラーレン(豪州)

【MMAバンタム級】
C ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)
1 ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
2 佐藤将光(日本)
3 ユサップ・サーデュラエフ(ロシア)
4 上久保周哉(日本)
5 竹中大地(日本)

【MMAフェザー級】
C マーティン・ウェン(豪州)
1 クリスチャン・リー(米国)
2 松嶋こよみ(日本)
3 タン・リー(米国)
4 山田哲也(日本)
5 ゲイリー・トノン(米国)

【MMAライト級】
C クリスチャン・リー
1 ユーリ・ラピクス(モルドバ)
2 ダギ・アサラナリエフ(トルコ)
3 ピーター・バウシュト(オランダ)
4 ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)
5 青木真也(日本)

【MMA女子アトム級】
C アンジェラ・リー(米国)
1 デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
2 モン・ボー(中国)
3 リン・ホーチン(中国)
4 山口芽生(日本)
5 ジナ・イニオン(フィリピン)

【女子ストロー級】
C シィオン・ヂィンナン(中国)
1 ティファニー・テオ(シンガポール)
2 ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)
3 アンジェラ・リー(米国)
4 三浦彩佳(日本)
5 マイラ・マザール(ブラジル)

※完全版は後程アップします

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE WEC44 アントニオ・バヌエロス ブログ 大沢ケンジ

【Fighter’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる大沢ケンジの声 on 2009年11月18日

Osawa【写真】10年5カ月前、MMAPLANETにおける唯一の現役時代の大沢ケンジ・インタビュー(C)ABEMA&MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送されている。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第15回は2009年11月20日公開、11月18日(現地時間)に現地取材した── WEC44アントニオ・バヌエロスと戦った直後──大沢ケンジのあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――非常に惜しい試合と言いたくなる内容だったのですが。

「2Rは良かったですね。まぁ、1Rも前蹴りが変なタイミングで足をついてしまったところにパンチを喰らったんですけど、最初の2Rはフェイントが上手く機能していたと思います」

――その機能していた1Rにパンチを受けて、尻持ちをついたり、下を向いて次の一手を受けてしまったのは痛かったですね。


「後ろに倒れたのは、足が揃っていたんでしょうね。打ち終わりに右だったと思います。でも、ああいう風に突っ込んでくるのは、体の勢いがあるので、戦っている最中はダウンをしても、気をつけておけば問題ないな、平気だなっていうのがあったんです。やるべきことをやっていようと」

――そして2Rは完全に試合を支配することができた。しかし、3Rは距離を詰められて、攻め返すことができなかったです。

「前に出てしまうと、何かただの打ち合いになってしまうかなって。そこは礒野さんと話をしていたんですが、前蹴りを続けていればよかったのに、左ミドルと左ジャブが入るから、コツコツ当てればボディで倒せるかなって考え違いしてしまったんです。あそこでもう一回、前蹴りでさがらせて戦っていれば、結果も変わっていたかもしれないです」

――この一戦は負けられないといっていた試合で敗れてしまったことについては?

「う~ん、もうちょっとガッカリですね。これでリリースされる覚悟はあります。リリースされたら、う~ん、ちょっと考えるところですね」

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Ironheart Crown Special The Fight Must Go On エリック・ムーン ステファン・ボナー ブログ ミゲール・トーレス

【The Fight Must Go On】イベントプログラム・シリーズ─04─2004年6月5日、Ironheart Crown@ハモンド

IHC【写真】ホイス・グレイシーの道着を掴んでアッパーを入れたキース・ハックニーの教え子ギディオン・レイとミレティッチMMAのジェイソン・ブラックがメインで戦った(C) MMAPLANET

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第28弾はMMAPLANET夜明け前のイベントプログラム・シリーズ……その第4回として2004年6月5日、IRONHEART CROWN(IHC)のパンフレットを捲ってみたい。


IHCはハワイのヘウソン・グレイシーの下で柔術を学んでいたエリック・ムーンが、ドクターとして勤務にしていたイリノイ州シカゴで興したMMA大会だ。第1回大会は1999年11月、2001年までは本業の過密勤務のなか年に1度のペースが行われていた。最初の2回はイリノイ州がパウンド有りのファイトを認めなかったため、グラウンドでは打撃なしのKOKやZSTルールのようなルールが使用されていた。

IHC03第3回からシカゴ市の東隣、インディア州ハモンドを開催地としパウンド有りに移行する。

2002年10月の第5回大会よりUSA修斗の認可を受けてプロ修斗公式戦を組むようになり、修斗アメリカス王座決定トーナメント及び王座決定戦を組むなど、中西部のプロ修斗公式戦を担うようになっていった。

IHC02ここでパンフを紹介する2004年6月大会でも10試合のプロ修斗公式戦が組まれ、後にミゲール・トーレス、ステファン・ボナーというMMAに名を残すファイターが出場している。

この他、テリー・マーチン、アントニオ・カルバーリョ、メインで戦ったジェイソン・ブラック✖ギディオン・レイと6人の同大会出場選手がUFCにステップアップを果たしている。

この後、来日も果たしたアントニオ・カルバーリョ

この後、来日も果たしたアントニオ・カルバーリョ

IHCはシカゴや中西部勢が主流であったが、修斗公式戦を組むようになり日本で戦うチャンスを得るために主催者にコンタクトを取るファイターも見られ、前述したカルバーリョはカナダのオンタリオから、対するクリス・アレンはコロラド州デンバーから遠征してきた。

ムーンは本職でないが故に、自らの理想を追求するためにビジネスを度外視た部分もあり、そんな彼のパッションがこのようなローカルに関係のない高水準のカードのマッチアップに通じている。

その試合で勝利したカルバーリョは、ムーンの熱意を背に受けたようにIHCに続き、カナダ・バンクーバーで修斗の試合を組むようになったWEFを経て来日を実現させる。佐藤ルミナと日沖発に勝利したカルバーリョは、GCMのCAGE FORCEやカナダで一時期、比較的に規模の大きな大会を開いていたSCORE Fighting SeriesからUFCに辿り着いた。

一方、クリス・アレンはドウェイン・ラドウィックの同門で、コロラドのRING OF FIREでK-1ルールでも活躍していた打撃系MMAファイターだ。彼はカルバーリョとは対照的に、メジャー進出を逃しROFで2010年にキャリアを終えている。ROFはアレン以外にアルヴィン・ロビンソン、そしてドナルド・セラーニを輩出したロッキーマウンテンのフィーダーショーで、プロモーターとマネージャーを兼ねていたスヴェン・ビーンはセラーニをケージフォースに来日させ、今では北米最大のフィーダーショー=LFAの副社長を務めている。

修斗グローブが新鮮なボナー

修斗グローブが新鮮なボナー

2005年にTUFによりUFCがメインストリームに闊歩するようになる前年、2006年12月のZuffaによるWECの買収=フェザー級以下のメジャー化プロジェクト開始まで2年半。

来るべき時がくれば花を咲かせ、実をつける以前、そんな時代の到来を夢見た関係者たちが、全米各地で見られ、日本も絡めたうえでIHCもまた、当時のMMAシーンを象徴するイベントともいえる。

後列右端がムーン。共同プロモーターのブラウリオ・コラルが何やら耳打ち。ムーンの方を見ているのが、キース・ハックニー。中腰の背広姿はコンバット・ドーのボブ・シュマー、ホゼ・トーレスを育てた。後列左端がエクストリーム・チャレンジのモンテ・コックス、前列は右端がHnHのジェフ・オズボーン、ジェンス・パルバー、ジェフ・カーラン、そしてカーウソン・グレイシーJr

後列右端がムーン。共同プロモーターのブラウリオ・コラルが何やら耳打ち。ムーンの方を見ているのが、キース・ハックニー。中腰の背広姿はコンバット・ドーのボブ・シュマー、ホゼ・トーレスを育てた。後列左端がエクストリーム・チャレンジのモンテ・コックス、前列は右端がHnHのジェフ・オズボーン、ジェンス・パルバー、ジェフ・カーラン、そしてカーウソン・グレイシーJr

WEC世界バンタム級王者として凱旋したトーレス

WEC世界バンタム級王者として凱旋したトーレス

IHCはイリノイ州でMMAが認められるようになった後、2008年11月にイリノイ大学シカゴ校=UICパビリオンで最後の大会を行い、ムーンはMMAから勇退し医療に専念。既に修斗公式戦でなくなっていた最後のIHCのメインにはハファエル・アスンソンが出場、第5試合ではリカルド・ラモスが判定勝ちを収めている。

翌2009年4月に所も同じUPIパビリオンにWECが進出し、メインでミゲール・トーレスがWEC世界バンタム級王座防衛戦を──この大会が開かれた2004年に全日本アマ修斗で優勝し、翌年プロとなった水垣偉弥を相手に行っている。

さらにはアスンソン、ジェフ・カーランというIHC卒業生が全米にライブ中継されたイベントで戦った。

MMAがまだ世の認知を受けていない頃から、エリック・ムーンをはじめIHCに関係していたファイターやコーチ、関係者の夢見ていた世界は、ここに結実したといっても過言でないだろう。

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE ブログ 藤野恵実

【Fighter’s Diary con on that day 特別編】「試合がない日々」を生きる藤野恵実がBBAになった、日。

Emi-Fujino【写真】この頃になると、随分と失礼な問に対して、藤野は堂々とやりとりしてくれるようになっています (C)ABEMA & MMAPLANET

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第14回は再び、藤野恵実の登場と相なった。今や「BBAなめんな」という彼女の名刺代わりの言葉が初めて聞かれた共同会見を再録──2018年5月8日公開、同日にシャロン・ジェイコブセン戦に向けての公開練習──藤野恵実がBBAになった日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

淑女座りも披露。「籐の椅子を持ってきてほし」と言った──ということはない

淑女座りも披露。「籐の椅子を持ってきてほし」と言った──ということはない

──久しぶりのパンクラスですが、どのような心境ですか。

「前に出たのが5年前の5月で、ちょうど5年ぶりなんです。そこから殆ど海外だったので戻って来られて嬉しいという気持ちがあります」

──インヴィクタに上がっている選手が相手ですが、この先を意識して戦うことをありますか。

「今はこの試合だけを考えていたいので、まずは今回きちんと勝つこと。先は結果次第でついてくるものだと思っています」

──ジェイコブセンの印象を教えてください。

「自分と似ているタイプですね。レスラーですけど、ケージに押しこんで削って来る。勢いもフィジカルもある相手なので、同じ土俵でどっちが強いのかが勝負になると思います」

──レスリングで実績があるようですが、スキル的にも手強いと思っていますか。

キャリア5勝2敗、インヴィクタで3勝1敗のジェイコブセン(C)INVICTA FC

キャリア5勝2敗、インヴィクタで3勝1敗のジェイコブセン(C)INVICTA FC

「自分からテイクダウンを狙うつもりです。もうディフェンスよりも、自分から攻めないと勝てないと思うので」

──試合展開としては、そういう部分の勝負になってきそうですか。

「向うのテイクダウンをディフェンスするよりも、自分から積極的に攻めていきたいと思っています」

──対戦相手がエイミー・モンテネグロから変更されましたが、その辺りの影響はありませんでしたか。

「いつもことなので。ROAD FCなんて4度ほど代わったりして……(笑)。代わらないことがあんまりなかったので、何とも思わないです」

──元の相手の方が戦いやすかったという気持ちはないでしょうか。

「そうですね(苦笑)。ちょっと、あります。でも強い相手と戦いたいという希望を持っていたので、分かりやすく強い方が良いかと思います」

──非常にタフで、打撃を受けても勝負を諦めない選手です。

藤野のいう通り、本当に気が強そうな対戦相手だ(C)INVICTA FC

藤野のいう通り、本当に気が強そうな対戦相手だ(C)INVICTA FC

「タフな試合になることは想定しています。どっちがタフなのかという戦いになると思います。フィジカルも気持ちも強くて対戦相手として申し分ないので、面白い相手を連れてきてくれた坂本(靖。パンクラス・マッチメイカー)さんに感謝しています」

──それはモンテネグロよりも、ジェイコブセンの方が強いという認識でいるということですか。

「それは前の相手に失礼になるので(笑)。でも実績的にも映像を見ても、代わった相手の方が強いと思っています。パンクラスさんのグッドジョブです。あと何試合戦うことができるのか分からないので、弱い相手を連れてこられても別に楽しくもないので。せっかくなら強い相手を呼んでもらえる方がありがたいです」

──ここ数年、タイトルというものに拘りを持って来ましたが、それはパンクラスでも変わりませんか。

「まず勝たないと何も言えないので、そこからです。これに勝ったら、ちょっと言います。チャンスをくれって。まだ1回も勝っていないので、今ソレを言っても説得力がないです」

──国内で今、女子の試合が盛んに行われていますが、海外でずっと体を張ってきた自身の試合と他の選手の違いをどのように捉えていますか。

「えぇ……(苦笑)。まぁ女子は幅が広くて、比較的誰でも出やすいのでレベルの差があるんですけど……普通に女子も男子も関係なく、MMAの試合として見てもらいたいので、それなりにレベルの高い試合をしたいと思っています」

──盟友の浜崎朱加選手がRIZINで勝利し、V.V Mei選手は藤野選手の前日にONEで戦います。そのなかで最後に戦うことに関して、どのような気持ちですか。

「ホント、若手にはババァ追い越してみろよって思っているので。浜ちゃんも言っていたのですが、誰も挑戦してこないのはぬるいなって本当に思っています。名前を出せよって、これだけいるんだから。それもあって皆、日本に対戦相手がいなくて外に出ていったわけじゃないですか。

女子の格闘技と言っているんだったら、喧嘩でも売ってこいと思っています。浜ちゃんの試合は凄くレベルが高くて、一本取れなかったけど地上波で流してもらったのは嬉しかったです。強いな、浜崎朱加と思ったので。

Vはこれからですけど、前回の試合もあの時のベストファイトぐらいになっているので、やっぱりそういう試合を私達はできるし、皆で見せていきたいと思っています。どこまで持つかも分からないですけど、下の子たちでは手が届かない場所、レベルで戦いたいです」

──改めて、この試合でどういった姿を見せたいですか。

「ババァ舐めんなよって。やってきた量も誰にも負けないと思っているので。それを試合で出したいです。氷河期からやってきた怨念みたいなものを皆、持っているので。良い所だけ持っていくなよ、トントンって(笑)」

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ABEMA Fighter's Diary Interview J-CAGE WSOF ブログ 藤野恵実

【Fighters’s Diary con on that day】「試合がない日々」を生きる藤野恵実の声 on 2014年6月19日

Fujino【写真】この頃のMMAPLANETは国内女子MMAとは距離があり、藤野恵美をまるで弄ることができていない頃です(C)ABEMA & WSOF

全世界を巻き込む新型コロナウィルス感染拡大の影響は当然のように日本の格闘家たちの人生にも影響が出ている。試合がない、大会が開かれない、練習場所の確保も困難だ。

そんな今、格闘技を愛する全ての人へ──ABEMA格闘CH が公式YouTubeチャンネルで Fighter’s Diary Ep.03が25日(土)より、アップされている。

完結編=第3弾でクローズアップされた格闘家は那須川天心、山本美憂、松嶋こよみ、和田竜光、大沢ケンジ&上迫博之、藤野恵実の7人だ。

Fighter'sDiaryFighter’s Diaryは3週に渡り、3つのエピソードで総勢16人の格闘家たちの声をYouTubeで伝え、26日(日)午後7時より、ABEMA格闘CHにて Fighter’s Diary完全版が放送される。

そんなFighter’s Diaryでは「試合がない日々」を格闘家たちはどう生きるのか? ──という今の声を集めた。MMAPLANETでは、タイアップ企画ならぬボーディング企画を提案。MMAファイター達が今を発せられるようになった原点を探る上で、あの日の彼らや彼女達の声=on that dayとして、MMAPLANETインタビュー初登場時の声を紹介したい。

題してFighter’s Diary con on that day、第13回は2014年6月20日公開、6月19日(現地時間)に国際電話で取材が行われた──待望のWSOF初戦=ジェシカ・アギラー戦を翌日に控えた──藤野恵実のあの日の声をお届けしよう。


<リードを含めた完全版はコチラから>

――いろいろとドタバタがあったWSOF参戦ですが、試合を直前に控え、現在の意気込みを聞かせてください。

「やれることはやってきたので、今は普段通り穏やかな気持ちです」

――この半年、どのようにモチベーションを持たせたのでしょうか。

「試合があることは信じていたので、私がやるべきことは練習のみだと思っていました。いつでも戦える準備をしていただけです」

――では現在の体調は?

「今までで一番ベストです」

――3月にVV.Mei選手のセコンドとしてフィリピンで海外大会を経験しました。そこで学んだこと、そしてWSOFの対応はいかがでしょうか。

「日本よりMMAや選手に対するリスペクトがあり、すごく盛り上がっていると感じています。より試合に集中できる環境が与えられています」

――ジェジカ・アギラーの印象は?

「昨日挨拶をしたら、すごく良い方でした。すべてに強いオールラウンダーなので、試合できるのが楽しみです」

――彼女と戦うことで、必要だと思い磨いてきた部分はありますか。

「5ラウンド戦うことを一番に考えて練習してきました。普段の練習にフルラウンド戦えるスタミナをつけるよう練習しました」

――では、ジェシカと戦ううえで、藤野選手のアドバンテージはどこだと考えていますか。

「それは……やってみないとわからないです」

――では、最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「自分らしく自分勝手にやりたいことだけやります。応援よろしくお願いします!」

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Interview J-CAGE ONE other MMA Road to ONE02 ブログ 宮田和幸 田中路教

【Road to ONE02】田中路教─03─最初で最後のグラップリング戦の理由。「負けたくないんで、他の練習が」

Nori【写真】柔軟性のないまま、突っ走るしかない(C)MMAPLANET

17日(日)に開催されたRoad to ONE02で宮田和幸とグラップリングマッチを戦い10分間時間切れとなった田中路教インタビュー最終回。

グラップリングマッチを終え、MMAファイター田中にとって打撃なしの組みの重要性、そして未だに終着点が見えないコロナ感染拡大のなか、LFAでの活動をどのように捉えているのかを尋ねた。

<田中路教インタビューPart.02はコチラから>


──スクランブルにはならなくても、MMAに生きるグラップリングになったのですね。

「グラップリングの試合をして、自分の不器用さが浮き彫りになったと思います(苦笑)」

──田中選手の最大の特徴である、経験しないと分からないという流れですねか(笑)。

「一つのことにしか、なかなか集中ができないんで(笑)」

──ただ、SNSで『これが最初で最後のグラップリングマッチ』という話がありましたが、『これが最後の日本での試合』とはならないのですか。

「まぁLFAと契約は結べましたが、その契約書をもってビザの申請に行くのに、今は受け付けてもらえない状況ですからね。これがいつまで続くのか分からないので、あの試合が日本で最後の試合になるかというのは断言できなかったです。ただ、グラップリングの試合をもうすることはないと思います」

──MMAのためになったのに、なぜグラップリングに出るつもりはないのはどういうことでしょうか。

「純粋グラップリングの技術は、僕に必要です。それはもう絶対なんです。でも、グラップリングの試合があると、練習もそこに集中してしまって……他の練習が疎かになることが今回の試合で分かりました。

やっぱり、負けたくないんで完全にグラップリングの試合のための練習ばかりになって」

──えぇ? では打撃やMMAの練習はその間はしなかったということですか。

「試合が決まったころはやっていたんです。でも、打撃のミット打ちとかやっていても、本当に集中できないことが分かって……。グラップリングの試合で勝ちたいから、打撃の練習をすることを体が拒否してしまっているような感じで(苦笑)。

MMAの練習でもパウンドも打つことができなくて……。止まってしまうんですよ」

──なんともまぁ、本末転倒じゃないですか。

「本当に……。だから、本気でグラップリングの技術を向上させるつもりはあっても、グラップリングの試合に出ることはMMAファイターである限り、止めようと思います。

練習に関しては続けます。グラップリングも打撃も僕はもって一つの局面を深堀りする必要があります。グラップリングに関しては嶋田君もそうだし、八隅(孝平)さんにセコンドについてもらって、その指示にしても凄く知識が深くて。

八隅さんのアドバイスがなければ、どんな試合になっていたか。八隅さんはきっと宮田さんがどう動くのか、全て見えていたと思います。嶋田君も1回、動画を見ただけメチャクチャ細かく指摘しれくれました。2人に比べると、僕のグラップリングの知識は全然で。結局のどれだけ自分が近視眼的にMMAをやっていたのかが分かりました。

だからこそ、この時期にグラップリングの試合ができたのはベストでした。今、MMAの練習を試合モードでしている選手なんて世界にほぼいない。そのなかで組み技でも実戦に向かうという日々を送れたのは大きいです」

──LFAの活動再開も、ビザの申請がいつから再開するのも見えないなか、今後はどのように過ごしていこうと考えていますか。

「やれることをやるしかないです。現状を見て……ここからコロナの感染が続き、格闘家だけでなく社会が疲弊してくると思います。活動を続けられなくなるプロモーションも出てくるだろうし。

結果的にファイターの需要が少なくなっていくかもしれない。なので、いつ、どこで、誰とでも戦える選手が求められる時代になる。僕自身ももっと覚悟が必要です。いつでも戦える心身状態にしておかないといけないです。

ただし、人に迷惑をかける行動はできない。そこは頭において、最大限に気を付けていきます」