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DWCS2022#01 MMA MMAPLANET o UFC オジー・ディアス ジョセフ・パイファー ダナ・ホワイト ローラ・サンコ

【DWCS2022#01】パイファーがディアスをKO。ダナ、怒りのシメコメ「パイファーのような試合をしろ」

【写真】結果云々ではなく、ようやくコンテンダーシリーズの意味を理解したファイトをパイファーが見せた(C)Zuffa/UFC

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・パイファー(米国)
Def.2R1分39秒by KO
オジー・ディアス(米国)

間合いの測り合いから、パイファーが右ローを蹴る。ディアスの踏み込みにダブルレッグを決めたパイファーが、クローズドを割りつつ肩固めからパスガードを決める。反転して防いだディアスのバックを制したパイファーは、両足をフックしボディトライアングルを完成させる。RNC狙いからトップ&肩固めに移行しようとしたところで、ディアスがトップを取る。スクランブルでバックに回りかけたディアスだったが、前方に落とされそうになりパイファーがダブルレッグを仕掛ける。

ディアスが立ち上がり、スタンドに戻るとディアスのジャブに右を放ったパイファーが、逆に左ジャブを当てる。ディアスは右ハイから左ジャブ、ダブルレッグを仕掛けたところで初回が終わった。

2R、パイファーがワンツーに続き左ボディフックを決める。続いて右ローを蹴られたディアスは、前に出るところでローとジャブを受ける。それでも右ストレートを届かせたディアスが、右オーバーハンドを当てる。パイファーは前に出てジャブ、ディアスの左ボディフックに左フックを合わせてダウンを奪う。レフェリーが様子を見る間に、パウンドを2発打ちこみ勝負を決めた。

2020年コンテンダーシリーズ開幕戦、メインでズッファ首脳の望むKO勝ちがジョセフ・パイファーによって生まれた。

そしてダナ・ホワイトは「過去5年のキャリアは問わない。今夜、何をしたかだ。来週の火曜日、新しいメンバーが何を見せてくれるか。それだけなんだ。もしUFCと契約したいなら、ジョー・パイファーのような試合をしろ。ジョー・パイファーになれ。エキサイティングな試合をしろ。フィニッシュを狙え、勝利を目指せ。ジョー・パイファー、UFC入りだ」と過去に例がないほど不機嫌な様子でまくし立てる。

全く笑顔を見せることなく、そのままインタビュアーのローラ・サンコを前を去る。ダナにサンコが「ダナ、ジョー・パイファーは契約ということで大丈夫」と声を掛けると、TV画面から外れた「イエス」という言葉を聞かれた。


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Brave CF DWCS2022#01 MMA MMAPLANET o UFC アカーシオ・ドスサントス アントン・トゥルキャリ

【DWCS2022#01】スウェーデン発BRAVE CF経由トゥルキャリが、ドスサントスにコントール勝利

【写真】ドゥルキャリの組んでバック、テイクダウンでコントロールという流れが続いた(C)Zuffa/UFC

<ライトヘビー級/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
アカーシオ・ドスサントス(ブラジル)

試合直後、トゥルキャリの右ローに左ストレートを合わせたドスサントス。返しの右フックを振るい、トゥルキャリも思い切りハイを繰り出す。そのまま組んだトゥルキャリがボディロックでドスサントスを捕らえ、ワンフックでバックを制しテイクダウンに成功する。ドスサントスはすぐに立ち上がると、キムラクラッチへ。背中をとり、右腕を差し込むことでキムラを防いだトゥルキャリが再びボディロックで前方にテイクダウン、ドスサントスはここも即立ち上がる。

トゥルキャリがバックコントロール、ワンフックで攻め立て、テイクダウンからバックを制す。残り85秒、エルボーを側頭部に受けながら立ち上がったドスサントスに対し、トゥルキャリがRNCを狙いつつ、背中の飛び乗る。極まらないとみると、自ら着地したトゥルキャリは、ラウンド終了直前にスピニングバックフィストを見せた。

2R、左ストレートが伸びるドスサントスが、その左をローに合わせる。殴られる覚悟を持ってショートのコンビから、距離を詰めたトゥルキャリがテイクダウンからダースをセットしていく。パスに切り替えたトゥルキャリは、スクランブル立ち上がったドスサントスのバックを取る。胸を合わせたドスサントスが右フックを打ち込む。

トゥルキャリは怯まずヒザ蹴り、空振りになったが右ハイを蹴っていく。トゥルキャリのボディストレートに左を合わせていったドスサントスはワンツーで左フックをヒット。トゥルキャリは飛びヒザも当たらず、ワンツーを被弾する。残り80秒を切り、パンチを見せて組みついたトゥルキャリがバックに回り、自らマットに背中をつけるとボディトライアングルにドスサントスを捕らえる。ラウンド終了まで、そのまま支配した。

最終回、トゥルキャリが右フックを振るう。パンチの連打から組みという動きをここも成功させたトゥルキャリが、ボディロックテイクダウンからハーフで抑え、エルボーを落とす。足を下からすくいに行き、バックを伺ったドスサントスだが、最終的にトゥルキャリがマウントへ。体を捻り、マウントを解いたトゥルキャリは結局、ボディロックから背中に回る。残り45秒、倒されて背中を取られたドスサントスは、絞めこそ許さなかったが攻められたままタイムアップに。結果は9度のテイクダウン、とトップコントロールを続けたトゥルキャリの3-0の判定勝ちとなった。


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DWCS2022#01 MMA MMAPLANET o UFC カレイオ・ロメロ デニス・ブズーキア

【DWCS2022#01】TD狙い、バナナスプリット&ツイスター。ロメロの攻撃を凌ぎ切ったブズーキアが判定勝ち

【写真】余力を残さないファイトで、ブズーキアがロメロに判定勝ちした(C)Zuffa/UFC

<フェザー級/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
カレイオ・ロメロ(米国)

ブズーキアが試合開始直後に二段蹴りを見せる。ロメロは左ハイを狙い尻もちをつく。すぐに立ち上がったロメロが左ミドルを入れる。打撃の交換からロメロがシングルレッグでケージにブズーキアを押し込む。右腕を差したロメロと、ウィザーで耐えるブズーキア。そのブズーキアの右足の甲に、ロメロの返り血がが見られる。ブズーキアはダブルレッグへの移行を耐え、体を入れ替える。しかし、ロメロがもう一度、押し込み返すと執拗にテイクダウンを狙う。しっかりと対応したブズーキアのキムラ狙いに対し、バックを狙うロメロだがウィザーで防がれる。結局、ラウンド終了までロメロはテイクダウンを奪えなかった。

2R、両者がミドルを見せ、ロメロが右カーフを蹴る。ブズーキアは左ジャブ、ロメロは右オーバーハンドをかわすが、左フックを被弾してダブルレッグへ。アンクルピックで崩し、バックを伺ったロメロだが、ブズーキアは譲らず。ラウンド中盤になると右ボディから右ミドルで、ロメロを動きを止めたブズーキアがヒザ蹴りを突き上げる。殴られてシングルに出たロメロの頭部をブズーキアが殴る。必死にケージに押し込むロメロが、一旦離れて再度ダブルレッグも倒しきれずラウンド終了を迎えた。

最終回、「終わらせろ」という指示をレイ・ロンゴから受けたブズーキアが右ボディストレート、左ジャブ、ローに右を合わせる。ロメロも手を出すが、疲れているのは明らかだ。ケージを背負ったロメロにブズーキアがパンチを纏める。右ハイを当て、組んだブズーキアが離れ際にスピニングバックエルボー、ロメロは左ハイを狙う。さらに左を当てたロメロだが、右を伸ばしてテイクダウンへ。切られるとがぶってバック、さらにヒザを抱えて寝転がると、ロメロはバナナスプリットへ。ロメロがここからツイスターに切り替えるも、ブズーキアが胸を合わせてトップを取り切る。ブリッジから立ち上がったロメロのシングルを切ったブリッジから立ち上がったが立ち上がり際に右ハイを蹴っていく。

ミドルを蹴り合いロメロが組んでケージにブズーキアを押し込む。ブズーキアの小手投げを防ぎ、がぶりからギロチンを仕掛けたロメロだが、すぐに頭を抜ける。最後に上を取ったブズーキアがパウンドを落とし、3-0の判定勝ちを手にした。


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DWCS2022#01 MMA MMAPLANET o UFC アレッサンドロ・コスタ キック フアン・アンドレス・ルナ

【DWCS2022#01】2022年コンテンダーシリーズ開幕戦は、NGファイトに。コスタがルナに2-1で勝利

【写真】この試合展開はコンテンダーシリースでは、NG(C)Zuffa/UFC

<フライ級/5分3R>
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)
Def.2-1:30-27.29-28.28-29
フアン・アンドレス・ルナ(エクアドル)

サウスポーのルナが、構えを変えつつ右ジャブを伸ばす。コスタはガードを固めて、右に回る。左ローを蹴ったコスタに対し、ルナは左ハイキックを繰り出す。ワイドスタンスで、大きく重心が低い構えのルナの前足をコスタが蹴っていく。とはいえコンテンダーシリーズとしは両者、手数が少ない。それでもルナが右オーバーハンドから、左ハイから右ハイを連続で見せる。コスタはリーチの差に、踏み込めない時間が続く。ローにワンツーを合わされたルナが、前に出てワンツーを返す。コスタは右ミドルを決め、続いて左ミドル、さらにワンツーの左フックを当てるなど、最後に跳びあがったところに前蹴りが急所に入ったが、コスタが初回をリードした。

2R、左ハイをまず見せたルナが左ジャブを伸ばし、コスタの右ハイをかわす。踏み込みで深くなったコスタが右ストレート、左フックを打っていく。両者揃って組み技を持っているが、ここまで打撃のみの試合が続く。と、クリンチでルナがヒザを入れて離れる。コスタは踏み込んで左オーバーハンドも、当たりは浅い。コスタがワンツー、ルナがフックを被せていく。そのルナは後ろ回し蹴り、二段蹴りと派手なキックを見せる。コスタも後ろ回し蹴りを繰り出して、左ハイで。蹴りが顔面をかすめたルナが、足が泳いだ振りを見せる。

しかし、直後に右アッパーに右フックを合わされたルナがダウン。と、直後にルナがスイープを決めてトップを取り返したが、この回はコスタのラウンドとなった。

最終回、右を受けそうになってバランスを崩したルナが、左ストレートをヒットさせる。ここでも両者、慎重な攻めに終始する。既にこの時点で、どちらが勝利を手にしようがUFCとの契約はないか──と思わざるを得ない試合展開に。ルナがテイクダウンを狙い、切ったコスタが右フックをヒットさせる。右の蹴りに、コスタ右をカウンターで当てる。

残り2分、カーフを嫌がるルナが左フックも距離が遠い。踏み込んで左オーバーハンドが空振りとなったルナが、後ろ回し蹴りもコスタが見る。ヘッドスリップでパンチ、テイクダウン狙いもスプロールしたコスタが、またもアッパーに右を合わせる。残り30秒で、シングルレッグを切られたルナは、逆転を賭けた攻撃はなくタイムアップに。

意外なほど両者がコンテンダーシリーズに必要がことを無視したファイトに終始した一戦は、コスタがスプリット判定勝ちを収めた。


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LFA MMA MMAPLANET o ONE ROAD FC Road to UFC SASUKE Special UFC イ・ジョンヨン イー・チャア パンクラス ホン・ジュンヨン マラット・ガフロフ マーチン・ウェン 堀内佑馬 松嶋こよみ 水垣偉弥

【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:6月:松嶋こよみ✖ホン・ジュンヨ「気持ちでも削りきった。完勝」

【写真】負けられないプレッシャーがあるなかでの、松嶋の精神力の強さを水垣氏は感じていた (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年6月の一番。9日に行われたRoad to UFC ASIA12022#02から松嶋こよみ×ホン・ジュンヨン戦について語らおう。


────水垣さんが選ぶ6月の1番は?

「こよみちゃんと✖ホン・ジュンヨンの試合ですね。6月は全体を通して、Road to UFCが一番響いた大会でしたし。そのなかでベストバウトが、この試合でした」

──松嶋選手はキャリア終盤の時期に、練習パートナーでもあったと思います。

「そうですね。3、4年ほどパンクラスイズム横浜の水曜日のプロ練習でやって。それとタケ(大宮司)さんとのフィジカルでも一緒でした。だから……やはり来るものがある試合でした。

年齢的にもRoad to UFCのなかで上の方ですし、これがラスチャンスかもしれない。本当に頑張って欲しいと思って視ていました。でも一緒に練習していた時と比較しても、全然強くなっていて。スイッチの使い方も巧かったです。特に打撃が変わっていました」

──松嶋選手自身は、技術的な部分は納得できていなかったようです。

「まぁ、相手がいるなかで何を出せるかは練習とは違ってくるところはありますしね。同時に相手が本当に斬りにくるからこそ、できることもあります。本気の相手に、本気で返す。これって試合でしかできないことで。だからこそ、試合に出ると強くなれます。

そこは試合でしか学べない。ある意味、練習量ではカバーできないものです。ただし、練習しないと出せない。練習をやってこそのメンタルの強さ勝負なんです」

──水垣さんは本番に強いメンタルの持ち主だったかと。

「そうですね。僕はミットもシャドーも綺麗に打てる選手ではなかったですし。同時に、あの試合ができて試合内容に不満を感じるというのは、どれだけこよみちゃんがやってきたことが厳しいことだったのかということですよね。

僕が見ていて組みもそうですが、打撃はさっきも言いましたが、スイッチの使い方が本当に上手かったです。常に奥手で力のあるパンチを出すことができるように戦っていたように見えました。

Road to UFCというトーナメントは、出場選手の賭けている気持ちは下手をするとUFC本戦よりも強いと思います。これは日本人選手だけでなく、韓国人選手もそうです」

──積んできたものが、日本人選手と韓国人選手は違うように感じました。

「ハイ、こよみちゃんと戦ったホン・ジュンヨンにしても、スプリット判定はないだろうとは思いますけど、本当に頑張っていましたよね。

ヒザでダウンをしているのに、立て直して。実力ではこよみちゃんが上だと試合前から思っていました。でも簡単にはいかない。それはホン・ジュンヨンが精神力の強い選手だからで。彼も後がない。若手でなくて、仕上がっている選手で。覚悟が決まっている者同士の試合でした。

そういう相手と戦って、こよみちゃんが気持ちでも負けなかった。試合後にホン・ジュンヨンはガクッときて、座り込んでいました。あの姿を見ると、内容的にも完勝だった。気持ちでも削りきったという印象を持ちました」

──ホントに賭けている気持ちがどれだけ強くとも、勝ち上がれるモノではないトーナメントで、ある意味相手の気持ちを折るという難しい作業をやってのけたわけですね。

「そうだと思います。堀内佑馬選手の敗北、SASUKE選手も負けてしまったわけですからね。厳しいトーナメントです。いやぁ、でも堀内選手はフライ級の優勝候補だと思っていたのですが……。

堀内選手に関しては、彼はずっとコンテンダーシリーズに近いファイトスタイルのLFAで戦ってきました。ガンガンやり合うのが、今の北米でステップアップする方法論で。そこで戦ってきたので、トップノイの前に出ずに、隙をついてくるスタイルは戦い難かったんじゃないかと思いましたね。

どちらかというと、のらりくらりの戦い方にアジャストできなかった。勝利+試合内容、米国でUFCと契約するにはガンガンやり合うことが欠かせないです。対してRoad to UFCは優勝が唯一の目標なわけですし、トップノイはしっかりと勝ちに徹していました」

──最終回、バックグラブで終わったことについてはどのように思いましたか。

「何かしら理由があったと思います。スタンドに戻っても挽回できないという気持ちもあったかもしれないですが、それでも一本や殴るにいくものですしね。それは堀内選手も当然やるべきことと理解しているに決まっています。それでも、出せなかったのは何か理由があったのだろうなと。だから、何があったか分からないので、あのままで終わったことも何も言えないです」

──それも試合だから、なのですね。では松嶋選手と次に戦うイー・チャア、つまりSASUKE選手に勝ったファイターに関しては、どのような印象を?

「どういう状況であろうが、あんな風にSASUKE選手をテイクダウンできるのだから強いです。僕はSASUKE選手の方が強いと思っていたので、あのテイクダウンからイニシアチブを握るのだから強い選手だと思います。

SASUKE選手云々でなく、こよみちゃんがあの場で精神的に踏ん張れたのは、やはりONEで相当に強い選手と戦ってきたことが理由の一つに挙げられると思います。ホン・ジュンヨンも強い選手ですけど、ONEで戦ってきたマラット・ガフロフやマーチン・ウェンと戦ってきた経験があるので、そこは精神的も大きかったはずです。

僕がWECからUFCに契約が移管されたときに、バンタム級のファイターが増えて、その分WECよりも正直楽な相手が増えました。WECで戦ってきた時の経験が、そこで精神的に余裕を与えてくれたのは確かです」

──後楽園ホール、ディファ有明レベルからWEC初戦のシカゴ・UICパビリオンでのファイトに緊張することは?

「楽しくてしょうがなかったです。あの夜のことは一生忘れることはないと思います。会場はミゲール・トーレスの地元で、もの凄いブーイングのなか入場中にファンにドンって突き飛ばされて(笑)。もう、本当に楽しかったですね。『やるしかない』って。

でも、Road to UFCって違いますよね。僕がWECに挑戦した時は、若くて前しか向いていない。負けてどうだとか一切考えていなかったです。でも、こよみちゃんにとってRoad to UFCって負けたら終わり、人生が懸かった瀬戸際の試合です。いうと僕がUFCをリリースされて、また戻るためにACBを選んだ時と同じで。

あのときは、僕自身負けられないというプレッシャーを感じていました。そういう状況で、あのパフォーマンスをこよみちゃんはやってのけた。だから次のイー・チャアは当然として、決勝の相手は恐らく元Road FC王者のイ・ジョンヨンだと思いますが、こよみちゃんが出し切ることができるなら、あの猛者を相手にしても6-4で有利だと思っています」

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Brave CF LFA MMA MMAPLANET o UFC アンソレス・ルナ・マルティネティ アントン・トゥルキャリ オジー・ディアス ジョセフ・パイファー ダスティン・ストーツフス 河名マスト 田中路教

【DWCS2022#01】コンテンダーS開幕戦。LFA王者&BRAVE CF3連勝。そして拷問技のマルティネティ!!

【写真】ミドル級王者オジー・ディアスの出場で田中路教、河名マストが来週末の大会に出場するLFAの質が分かる──試合に?!(C)LFA

26日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで今年のダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズが幕を開ける。UFC直轄の登竜門対決は、今年も1イベント=5試合のフォーマットで毎週火曜日に実施される。

しかし、その第1週はバンタム級の注目株ファリド・バシャラットの対戦相手ウィリアン・ソウザが計量失敗で試合が中止となり、4試合スタートとなる。


メインはミドル級オジー・ディアス✖ジョセフ・パイファー、ディアスはコンテンダーシリーズに欠かせないLFAのミドル級チャンピオンだ。対するジョセフ・パイファーは2020年のコンテンダーシリーズに出場し、現UFCファイターのダスティン・ストーツフスのテイクダウン狙いを防ごうと右手をマットについた際にヒジを脱臼し、一度は夢破れた選手だ。

(C)Zuffa/UFC

わが身に何が起こったのか──呆然とした表情が今も印象に残るパイファーがセカンドチャンスをモノにできるか。

コメインでアカーシオ・ドスサントスと戦うアントン・トゥルキャリは世界のMMA界が動きを止めた2022年、UFCに続き国際大会を再開させたBRAV CFのスウェーデン月間の第1戦と最終戦、3週間で2勝し存在感を露わにした。その後は2021年4月の50回記念大会ではコンスタンティン・ソルダトフをスピニングバックフィストで13秒KO勝ちを収めたことで、さらに注目度を上げた。その後、コンテンダーシリーズへの出場をトゥルキャチは決めていたが、負傷欠場に。それだけに今年に賭ける想いは強いはずだ。

またアレッサンドロ・コスタと対戦するエクアドルのアンソレス・ルナ・マルティネティも──一段階上がった舞台で、これまでのような動きができるのかという点で、非常に楽しみな選手だ。

キャリア12勝0敗、8試合がフィニッシュ勝利でRNCを5度極めている。マルティネティのグラップリングは、そんな幹の部分でなく枝の部分が見ていて楽しいモノだ。

バックグラブから足をフックして反転、カーフスライサー。果てはバックグラブから足のフックを片足に切りかえ、もう一方の足をスロエフストレッチ気味に取り、対戦相手の態勢がおむつを替えている際中の赤ん坊のようになる──仕掛けられた方は、たまったものではない攻めもできる。

さらにスロエフストレッチで抱えた足に内ヒールという拷問技などは、まるでリアル・ルチャリブレの関節技だ。エクアドルからメキシコとステップアップしてきたマルティネティの拷問技がコンテンダーシリーズでも披露されるか、第1試合から要注目だ。

■視聴方法(予定)
7月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

<ミドル級/5分3R>
オジー・ディアス(米国)
ジョセフ・パイファー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)
アカーシオ・ドスサントス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
デニス・ブズキア(米国)
カレイオ・ロメロ(米国)

<フライ級/5分3R>
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)
アンソレス・ルナ・マルティネティ(エクアドル)

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BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL RIZIN Special UFC UFC275 イリー・プロハースカ ブルーノ・カッペローザ ワジム・ネムコフ 柏木信吾 石井慧

【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:6月:プロハースカ✖テイシェイラ「ダラウェイに勝った時…」

【写真】死力を尽くした激闘。UFC世界ライトヘビー級王者をいかに見出し、日本に招聘したのかを柏木さんが話してくれた (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年6月の一番。12日に行われたUFC275よりイリー・プロハースカ✖クローバー・テイシェイラ戦について語らおう。


──柏木さんが選んだ6月の一番は?

「ここはイリーとテイシェイラの試合で行かせてください」

──それはもう思い入れタップリのイリー・プロハースカですし、ぜひともお願いします。

「これはもう……実は僕、この試合が行われた時、ラスベガスにいたんです。メイウェザーの会見前で土曜日の夜だし、関係者の人たちと会食をしていたんです。で、テーブルの下で携帯を使ってUFCをずっとチェックしていました(苦笑)」

──アハハハハ。

「もう早く帰りたくてしょうがなくて。でも、その夕食中にテイシェイラとプロハースカの試合の時間が来てしまって。やべぇ、どうしようって……。で、仕事の話中だったのに手を挙げて『スミマセン。メチャクチャ勝手なことを言って良いですか? 今、RIZINで育った選手がUFCでトップになるかどうかというタイトル戦を戦います。皆さん、良ければ一緒に視ないですか?』って」

──それ言っちゃったのですか(笑)。

「もう言うしかなくて(苦笑)。で、ベガスのカジノにあるステーキハウスで皆で視たんです」

──おお、良い話です。やはり、ここは見逃せるわけがないですよね。

「皆も『良いよ、視ようよ』ってなってくれて(笑)」

──私も正直、UFCのPPV大会で日本の専門メディアが写真撮影をできるなんて──もう14年振りとか、15年振りでした。そこであの激闘をケージサイドで撮ることができて、改めてUFCの凄まじさを思い知った次第です。

「豪華なラインナップのメインに相応しい試合でした。まさに泥試合で(笑)。

UFC、最高峰のトップ中のトップがあの泥試合を見せてくれた。凄まじいですよね。P4Pではないです、2人とも。でも、あれこそMMAだっていう全ての要素を視ることができた試合でした。

イリーのことを知らない、いちカジュアルファンが視てもあの試合は面白かったはずです」

──そのイリーを発掘し、RIZINからUFCに飛び立たせた。それが柏木さんであって。そもそも、イリーを発掘したきっかけはどういうことだったのでしょうか。

「2015年のRIZIN旗揚げの際に世界各国から選手を集めようということになり、当時協力してくれたプロモーターの推薦選手がいました。8人トーナメントをするなかで、7人はアッサリと決まりました。そして残りの1人を探している時に、ガツンとイリーがいたんです。

GFCというチェコの大会を視聴して……。今はもうヘビー級って世界的に手薄で、少しでも名前のあるファイターはいずれかのプロモーションと契約をしています。でも、当時はフリーランスの実力者が結構いました。

実はイリーだけでなく、色々な選手をチェックして。最初に目についたのがアレクサンドル・ラキッチだったんです」

──おお、オーストリア人で現UFCファイターですね。

「ハイ。その時、ラキッチはヒザを負傷していて手術をする直前だったんです。だから試合ができなくて。で、その次に当たったのがイオン・クテレバでした」

──おお、クテレバもUFCライトヘビー級で活躍中のモルドバ人選手です。いやぁ、本当に目の付け所が確かです。

「いや、結構色々な選手に声を掛けたんですよ。やはりヨーロッパに良い選手が多いなと思っていて。それが試合をチェックしていたら、いたんです。メチャクチャ良い戦績を持っているチェコ人ファイターが。

イリーを見つけた時は『こんな選手、埋もれていたんだ』って素直に嬉しかったです。で、すぐにコンタクトを取り、迷う間もなく契約書を送りました。もうトントン拍子に決まりましたね」

──初来日ではヘビー級時トーナメント決勝でキング・モーに敗れはしましたが、リベンジしてライトヘビー級王座奪取。イリーの挙げた11勝1敗という素晴らしい成績は柏木さんにとって期待通り、それとも期待以上だったのでしょうか。

「僕の中では期待通りというか……申し訳なかったです。彼が求める相手を連れてくることができなかったので。石井慧、ワジム・ネムコフに勝って、キング・モーには負けたけど、リベンジも含めその後は負け無しでした。

そうですね……ちょっと違っていましたね。強さを求める姿勢からして。だから、変な意味で対戦相手を選ぶんです。『もっと強いヤツはいないのか』と。僕のなかでは、別の意味での悩みでした。

実際、対戦相手を選ぶ選手が少なくないです。その中で、イリーだけは全く違うベクトルで厳しい要求をしてくる。それがイリーであり、イリーのチームでした。相手の名前を伝えると、いつも『もうチョット強い相手はいないのか?』という返答なんです。

もう僕の立場からすると2017年から2018年になると、UFCとBellatorだけでなくPFLまで出てきているので、上の方の選手はほぼほぼフリーじゃないから対戦相手を見つけるのが本当に難しくて」

──その通りですね。それでもブルーノ・カッペローザ、ブランドン・ホールジー、ファビオ・マルドナド、そしてCB・ダラウェイという面々を招聘しています。ケージだったら、事前取材からしっかりとしたい選手ばかりです。

「ホント、そこを分かってくれる人が記事を書いてくれないし……」

──スミマセン(苦笑)。そして、プロハースカは全員を倒してしまいました。

「一蹴しちゃいましたよね。ダラウェイを2分も掛からずKOしちゃうんですよ。誰もが納得してくれたと思いますけど、僕のなかではもう無理でした。あれ以上の相手は呼べない。あそこで僕は白旗を挙げました。

だから変な話ですけど、ミック・メイナードに話を振りました。もうUFCだろうって……RIZINに留めてもイリーのためにならない」

──あぁ、業界が柏木さんみたいな人たちばかりなら……と思ってしまいますよ。

「いえいえ。でもミックもYES. YESと2度、しかも全て大文字で返答してきました(笑)」

<この項、続く>

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BELLATOR Brave CF BRAVE CF60 MMA MMAPLANET o PFL UFC ザック・マコウスキー ショーン・センテーラ ハイル・コートルツァ ミハイル・コートルツァ ルアン・サンチアゴ ルカス・マルチンス 修斗

【BRAVE CF60】砂漠のMMA王国の底力。大会6日前に開催地がブラジルからバーレーンに1万2千キロ移動

【写真】カザフのアズ・アルマバエフがザック・マコウスキーと対戦、修斗ブラジル王者も米国フライ級のパイオニアと対戦。フライ級マッチが見逃せない(C)PFL

30日(土・現地時間)、BRAVE CF60がバーレーンの首都マナマ郊外のイサシティのハリファ・ナショナルスタジアムでBRAVE CFが開催される。

元UFCファイターで元BRACE CFライト級王者ルカス・マルチンスがエンヒッキ・メルケスと戦うなど、今大会は全8試合で10人ものブラジリアンが出場する。

というのも本来、ブラジルはゴイアス州の州都ゴイアニアで開催予定だったが──プレスリリースによると──不測の事態が発生し24日にBRAVE CFの本拠地バーレーンに場所を移して開かれることが決まった。


どのような不測の事態であるかはプレスリリースでは触れられていないが、「BRAVE CFのプライオリティは選手にある。今回の開催地の変更で、16人のファイターが収入を得て、マーシャルアーチストとしての輝きを放つ機会を得られる」とモハメド・シャヒド代表は話している。

確かに収入を得られることは間違いない。だが、MMAファイターとして光り輝けるかは本人次第。そのチャンスを失うことがなかった選手たち。

なかでもコメインにも元ライト級王者ルアン・サンチアゴが出場し、モルドバの中軽量級トップ選手のミハイル・コートルツァもBRAVE CFらしいブラジル✖東欧のマッチアップだ。

さらにフライ級ではカザフスタンのM-1暫定フライ級王者アズ・アルマバエフが元Bellator世界バンタム級王者ザック・マコウスキー、修斗ブラジル・フライ級王者エジウセ・アウベス✖ショーン・センテーラと戦うフライ級の2試合はワールドクラスで注目の対戦といえる。

何よりも発表はイベント開催の6日前、実際にはブラジル開催を諦めバーレーン開催に動き出してから2週間で、イベントを丸ごと1万2000キロ移動させていますパワー、これこそ砂漠のMMAキングダム=BRAVE CFの底力といえよう。

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【Shooto→?】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(12)西川大和─01─「Road to UFCは興味無かった」

【写真】J-MMA界の天上天下唯我独尊……的な存在になっていくのか(C)MMAPLANET

昨年9月に18歳9カ月で修斗世界ライト級のベルトを巻いた西川大和は、早くから最終目標はUFC、その前にONEで実力をつけるという発言をしていた。

そのうえでRIZINで戦うことも視野に入れていることを3月と6月の試合後に明言もした。修斗ではウェルター級で戦い、ストラッサー起一との対決もマイクでアピールした。そんな若い修斗チャンピオンは、今、何を考えているのか。

2022年、夏~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第12弾は、戦いもステップアップの仕方も──そして生き方も独特な西川大和に話を訊いた。


──修斗世界ライト級チャンピオンになり10カ月、その後はVTJと修斗公式戦ではウェルター級で2試合を戦ってきました。現状、ライト級王者として活動──防衛戦を行っていないですが、西川選手は修斗のベルトを持つことをどのように考えていますか。

「海外で名のある大会で試合をするなら、国内でチャンピオンになっていることが最低条件だと思います。でも、それだけを頼りにしても海外で戦うことはできない。だからこそ自分より大きな選手と試合をして、これまでやってきたことがどこまで通用するのかを確認しています。結果を残すことができれば、自分のやってきた練習に自信を持てるようになりますし。

国内の大会のベルトは通過点という言われ方をします。確かに通過点です。UFCやONEで試合をしている人たちは、その通過点のベルトを手にして戦っています。つまり、そのベルトを認定している団体がなければ海外で戦うことはできなかったかもしれない。そういう意味で、僕は修斗に感謝しながら通過点という見方をしています。それ以前に今、マネージメントをしてくださっている方との出会いがあります」

──そこの感謝の気持ちもあって6月5日には修斗・札幌大会に出場したのですか。

「地元で試合をすると、応援してくれる人も多いし、家から会場に向かうというリラックス感を一度感じてみたかったです。ホテルから戦いに臨むと、もう緊張してしまって(笑)。どれだけ寝技ができても、試合はどうなるか分からないです。打撃が良いと言ってもらえても、一発貰うことはあります。そういうことを考えると、本当に怖くて。でも、家から会場に向かうと気持ちが楽でした。

札幌での試合は実は2度目なんです。地元で支えてくれる方への恩返しと、本気で世界を目指している本物の選手がどういうモノなのか、札幌で活動している選手たちに見せたいという気持ちもありました。生で試合を見てもらえると、受ける印象が違うと思います。

ホントのことを言っちゃうと、他の試合と僕の試合は枠が違う。レベルが違いました。回りの選手の試合、全部で12、13試合あったなかでキックと僕の試合だけ他とレベルが違いました。それは東京で本当に強い選手と戦ってきたのと、地元でずっとやってきた選手との違いでもあるので。僕の試合を見てもらうことで、『俺も東京にいって戦うんだ』と思ってもらえると嬉しいです」

──そのような想いがあった西川選手が札幌で試合をしていてから、4日後や5日後にシンガポールでRoad to UFCが開催されました。目標であるUFCとの契約を賭けた戦いが繰り広げられたことに関してどのような想いでいましたか。

「Road to UFCに関しては全く興味なかったです。早く行くのか、遅く行くのかの違い。僕がすぐにUFCではなくて、なぜ今はONEで戦いたいのか。やはり順序というモノがあると思います。15歳からプロでやってきて、そこで培ってきた技術にしても、段階を踏んで使い分けて行かないと、飛び級では通用しなくなります。

だからRoad to UFCへのオファーが来ても、断っていたと思います。もちろん、もうUFCで勝てる技量があるなら構いません。でも現状、日本では国際戦の経験が積めない。そういうなかで米国、ロシア、ブラジルの選手と戦う前に東南アジア、アジアの選手とONEで競い合う必要があると思っています。ボクシングだったら、それ普通です。僕はそういう風に段階を踏まずに、レベルに不相応な試合を組まれても、その先に繋がらなかったり、それこそケガをしたり、心を折られたりするだけだと思っています。

出る分には『凄いなぁ』とは皆のことは思っていました。それこそ修斗で戦っていた中村倫也君も出ていましたし。凄いなとは……僕は嫉妬とかしない人なので」

──是非ではなく、SNSのご家族の発言などでワクチンを接種しないことはファンも理解していると思います。ところがONEにしても、両想いでありながらシンガポールに入国するのに予防接種証明書が必要で、戦えない現実が今はあります。

「これはチャンスだと思っています。北海道でやっていて、しっかりと身になっていないテクニックや心構えがあったので、そこをしっかりと創れる良い機会になりました。北海道で試合をしたことで、スポンサーの方の目にも止まったという話も伝わってきています。そうなると、現状も変って来る期間だと思います。

それにタイは陰性証明書で入国できるようになったと聞いています。強さと人間の成長って正比例するモノなので──この僕の心構えを理解してくれるのは、海外の人だと思っています。そういう意味では日本の人たちと離れて、向うで練習するつもりです。試合がデキなくても、日本人が向うに行って練習をするのってプレッシャー的には試合をするようなもので。そういう意味で試合の代わりになるはずです」

──ところで修斗の3月大会、そして6月の札幌大会でRIZIN出場、特に札幌ではストラッサー起一選手との対戦を名指しでアピールしました。

「オファーを頂ければ、出たいと思って発言しました。ただし、若いなりに考えて──生意気を言うようですけど、日本の格闘技自体に間違っている部分があると思っているし、言いたいこともあります」

──もし、良ければ言ってしまってください。

「MMAもPRIDEの全盛期に連盟や協会を創るべきでした。現状はただ単にプロモーションのビジネスのために、選手は使われている面があると僕は思っています。本当にMMAとして確立させたいとか、世に出したいというのであればPRIDEやHERO’Sの時点で協会を創っておけば良かったんじゃないかなって。

皆、ブームが去って格闘技人気が下がるとか、試合を視なくなる人が増えるとか想像できなかったのでしょうね。RIZINについても、2度、3度と続けばPRIDEのようになると思っていた人もいるでしょうし。ただ世の中はそんなに甘くないですよ。そこの辺りをちゃんとしないといけないと思っちゃいますよね、正直。

ストラッサー起一選手の名前を出させてもらったのは、ONEで戦うことが決まらないから。なら、現状で自分にとって必要な試合は国内のウェルター級トップ選手と戦うことだと思っているからです」

<この項、続く>

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o UFC キック ジェイミー・マラーキー ブログ マイケル・ジョンソン 剛毅會 岩﨑達也 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。マラーキー✖ジョンソン「呼吸に合った戦い」

【写真】マラーキーは前に出て、ハイを蹴っていったが…… (C)Zuffa/UFC

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たジェイミー・マラーキー✖マイケル・ジョンソン戦とは?!


──ジェイミー・マラーキー✖マイケル・ジョンソンの1戦、サウスポーで相手の中心を取るのに長けたジョンソンに対し、ヘッドスリップやウェービングを多用していました。

「まずサウスポーのマイケル・ジョンソンが左に回っている点に注目したいです。この回り方をすると、逆だと怒られることが多いですよね。サウスポーの選手が、オーソの選手を相手にすると右に回って……左を当てるために外を取る。

その方が当たりやすいからもしれないです。ただし、相手の構えを念頭に置いている時点で、武術的には相手の間になってしまいます。相手を軸にした戦い方ですね。そして、どの状況でも右回りが得策なのかなどは考えが及ばず、そういう思考になることがあるのではないかと思います。

外を取る……結果、何を取っているのかということです。その場所を取ることが大切なのか。右ストレートをかわして、左を当てたい。そのために右に避けても、それは相手の右ストレートの間です。だから右に回るのか、左に回るのかではなくて相手のエネルギーが高い状態では、どちらに動いても危ないです。

私が素手、相手が石ころを掴んでいたら──右に回ろうが、左に回ろうが危ない。だから攻撃されないために動くというのであれば、右でも左でもなく、相手の質量が下がる状態にしなければいけないということです。それは相手が石ロコを持つなら、こっちはそれ以上の石ころを持つ状態にするのです」

──それが武術だと。そして、武術と関係ないであろうジョンソンは左に回っていたということですね。

「ワンツーからスリーまで、ダメだと言われる方に回って当てています。相手が来るのに、その場で養成した力をぶつけていますね。その攻撃でダウンも取りました。一方で、マラーキーの方がリーチがあるのに、近づけないと攻撃できていなかったです」

──それでもジョンソンが打撃戦で圧されてしまったのは?

「ジョンソンは防御がボクシング対応でした。あの構えではパンチを防げても、蹴りが入ります。ハイキックを食らって危ない場面があっても、ハイキック対応の防御でなくパンチに反応し続けていました。あの戦い方では少し以前、ボクシングとレスリングが合体したMMAの時代なら勝ち続けることができたかもしれない。

ただし、MMAは今では蹴りが増えています。そこに対応しないまま戦っていました。逆にマラーキーは蹴りが良かった。蹴りの選手で、首相撲も使っていました」

──……。しかし、その蹴りの選手であるマラーキーが……。ウェービングやヘッドスリップというボクシングの動きを見せていました。

「近づくためにです。マラーキーはあと数センチ後ろから蹴っていると、KOできていたかもしれないのに。ハイキックの距離が近すぎました。それでもボクシング対応のジョンソンには、その蹴りがほぼほぼ入っていたということになります。つまりマラーキーは彼の本来のリーチとパワーが生きた戦い方ではなかったです。自分の体格と言いますか、呼吸にあった戦い方を身につけないと、リーチだとか体を生かした戦いができなくなります。

良く似たケースが、世界中にあると思います。先日、とある日本を代表する柔術家のガールフレンドさんと会って話す機会がありました。オランダ人女性で、やはり骨格は日本の女子選手と違います。その体格はいわばダッチキックボクシングができる体なんです。ただし、ちょっと打ってもらうとそうじゃない。それはあくまでも日本人のキックボクシングになっていました。

オランダ人と日本人では呼吸が違います。その呼吸に合わせた打撃が存在しています。だから彼女には彼女の呼吸にあった打撃を稽古してほしいです」

──今MMAは接近戦が増えて、接近戦を制した選手が勝つという空気感もあります。

「あれだけ近くで打撃戦が増えると、テイクダウンを狙うという選択肢から除外されつつあるようにも感じました。まあ前に出て、自分のパンチや蹴りが効果的なら出るべきです。ただし大切なことは前に出ることではなくて、どこにいれば効果的な攻撃を出すことができるのかを知ることかと思います。

もう四半世紀以上も昔の話ですが、ソ連では地下でフルコンタクト空手の稽古が行われていました。西側はヨーロッパの技術が伝えられ、東側は日本の練習が伝承されていました。結果、ロシアになってからも東側の選手の方が戦いやすかったです。それはロシア、スラブ系の人たちに日本人の呼吸の空手を指導した結果だと思います。東の方は英国の影響が大きい空手をしていました。つまり欧州の呼吸だったんです。

最後はパワーでやられるということはありましたが、欧州で名前を挙げた選手が日本での稽古が増えると、組みし易くなるということが往々にしてありました。やはり民族、人種として体の特徴、感性と言うモノが存在しており。武器を使わない格闘技、武術はその特徴、感性……つまり呼吸を大切にした方が良いというのが私の考えです。

マラーキーはあれだけ足が上がるのに、なぜウェービングやヘッドスリップを使って距離を詰めて、窮屈な態勢で蹴りを使っていたのか。それは、そういう練習をしてきたからなので。

いずれにせよ、初回はジョンソン、2Rはマラーキー、最後はマラーキーだったという試合でしたが、の両者揃って最後の5分は自分が勝っているというような心境で戦っていたように見えました。ホントは、ここを取らないと負けるという状況であったのに。

つまりは普段の練習ですよね。そりゃあUFCで戦う選手だから、普段から凄くハードな練習をしているでしょう。だからこそ、相手も皆同じだけやっているんだという自覚を持ち、そこで勝つためには何が必要かを見つめる必要は全選手が持っていると思います」

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