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【ONE130】ロッタンとミックスファイトを戦うDJ「MMAでの経験をムエタイルールに持ち込む」

【写真】高度な格闘議論をご機嫌な様子で語ってくれたDJ(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、デメトリウス・ジョンソンがロッタン・シットムアンノンとムエタイ→MMA→ムエタイ→MMAというフリースタイル=ミックスファイト戦う。

一方が完全に得意とする分野で交互で戦う――ある意味、見世物的な要素が高い試合もDJにかかると高度な格闘術となる。ムエタイルールを戦うことで、よりDJのMMAファイター像が明白となる言葉が聞かれた。


――今はまだワシントン州ですか。

「そうだよ。日曜日にシンガポールへ向かうよ(※取材は3月19日に行われた)」

――フリースタイル=ミックスルールでロッタンと対戦します。非常にユニークな経験になりますね。

「昨日、最後のトレーニングセッションが終了したんだ。コーチのマット・ヒュームから『何も問題ない。サブミッションはOKだし、コンビネーションも抜群だ。スタミナも十分』と言われたよ」

――このルールセットでロッタンと戦うというオファーはいつあったのでしょうか。

「最初は11月だったと思う。12月に戦う予定だったけど、コロナで延期になったけどね。こういうルールで戦うのも楽しみだよ。ロッタンはムエタイのナンバーワン・ファイターだからね。その彼がMMAもある、ミックスファイトに挑んでくるのだから」

――この手のルールは見世物感がありますが、DJとロッタンが戦うということで興味深いです。

「キョージ・ホリグチがテンシンにキックルールで挑んだり、シンヤ・アオキがK-1ファイターとミックスルールで戦ったり、K-1からミルコ・クロコップがヴァンダレイ・シウバにMMAで戦ったこともあった。2つの分野のトップ選手が戦うというのは、凄くエンターテイメントなファイトのなかにも価値があるよね。

今回のムエタイとMMAが交互に行われる試合に、MMAのトップの1人である僕とムエタイのベストであるロッタンが戦うのも同じだ。ただムエタイ選手とMMAファイターが戦う場合、立っても寝ても戦えるMMAファイターが有利なのは当然のことだよ」

――今、例に上がったファイトは全て日本で行われてきたものです。今回の試合、米国のファンのリアクションはどのようなものなのでしょうか。

「米国のファンは『なせ?』と思っているだろうね。昨年4月にアドリアーノ・モライシュにグラウンドでのヒザでTKO負けしても、なぜ反則勝ちじゃないんだという風に捉えられていた。ONEでは有効なヒザ蹴りが、米国では反則と思われている。グラウンドでのヒザ蹴りですら、米国では馴染みのないものだから今回のスペシャルルールは、あまり理解されていない向きはあるよ。日本とは違うんだ。日本だとグラウンドでのニーに戸惑うファンはいないじゃないか」

――DJも言われたようにMMAファイターはMMAルールで戦えば絶対的に有利な試合だと思われます。だから先に立ち技のルールが用いられます。

「今回の試合は1R3分、3分×4R制というのがまずMMAと違う。もちろんMMAが最初にくれば最高だよ。グラウンドに持ち込んで早々にサブミットだってできるだろう。でも、同様にムエタイルールで僕は早々にKOされる可能性がある。どんなことだって起こりえるのが、このルールだ。そして僕はムエタイを取り入れてMMAを戦ってきた。その3分間も、逃げ回るわけじゃない」

――勝ち負けでなく、試合展開として2Rは予想がつきやすいです。ただ初回は分からない。厳格にムエタイルールが守られ、拳や蹴りの届く位置で常に手を出し合って戦うことを強要されると、本当に厳しくなります。逆にMMAの距離で戦うことができれば、DJが3分間を乗り切る可能性は高くなる。

「1R……そうだね、ロッタンがこれまでONEで戦ってきたムエタイの試合でも、対戦相手はウェスタン流というか、普段は真っ向勝負しているのにロッタンを相手にはそういう戦いはしなかった。ステップを踏み、距離を考えて動いていた。ONEはマーシャルアーツの価値を尊ぶ組織だ。ウェスタン・ムエタイというべき、立ち技戦を僕はロッタンに挑むつもりだ。

もともと角度とタイミングを重視するというのは、僕のMMAの一部だ。そうやってプレッシャーをかけてきた。その先にはテイクダウンがあるからね。MMAでの経験をムエタイルールに持ち込む。ロッタンが首相撲を仕掛けてきても、僕だって対応できる。過去10年、ずっと見せてきたようにね。これまで培ってきた技術を駆使して、僕はムエタイに対応する。そういう試合を世界に披露するんだ」

――いよいよ、どのようなムエタイになるのか予想がつかないのですが、とても楽しみになってきます。首相撲で対抗するって、相当にリスキーではないですか。

「凄くリスキーだよ。それは承知している。だって、そうしないならこのルールに挑む必要はないだろう。何も示さないのに戦う意味はない。ムエタイが3分、MMAが3分。1R3分の試合を最後に戦たったのはアマチュアの時だよ。MMAルールでも試合はスタンドから始まる。ロッタンはクリンチも使えるだろう。90秒の間にテイクダウンしてグラウンドに持ち込む。そう断言するよ。3分しかないからね。5分あれば2分間をスタンドで過ごしても構わない。でも3分だ、積極的なアタックし続ける。

ただし焦りは禁物だ。急がないことが大切になってくる。同時にロッタンもMMAルールで逃げ回ることはないだろう。テイクダウンをスプロールしようとして、戦ってくるはずだ。ムエタイからMMAに転じるとアングル、レンジとプレッシャーをかける。2人の取るべきスタンスが、ラウンドごとに変わるようになる。だから、この試合は面白いファイトになるんだ」

――ただ過去のミックスファイトルールでは、青木真也選手が初回のキックルールを生きのびた直後、MMAルールになりテイクダウンにヒザを合わされてKO負けということがありました。

「まず、あの頃のシンヤ・アオキは打撃ができていなかった。今はムエタイをもっと使えるようになっている。あの試合から学べることは……焦らないこと。初回、アオキは手を使わず料理しろと言われていたようなものだった。そして、2Rは手を使って良いと言われた。その瞬間、なんでもできると攻め気になった。2Rになってもラッシュはかけない。自分のゲームをすれば、それで良いんだ。プレッシャーをかけてからだよ、組んでグラウンドに持ち込むのは。シンヤはあの時、急ぎ過ぎていた」

――10周年記念大会にスペシャルルールで戦うDJですが、この大会以降は再びMMAのフィールドに戻りタイトルを目指すのでしょうか。それともスペシャルな存在として、何か特別な意味合いのある戦いに挑み続けることになりますか。

「MMAに戻るよ。僕はMMAを愛しているし、MMAの練習をすることが生きがいになっている。世の中にはベストボクサー、ベスト・ムエタイファイター、ベスト・キックボクサー、ベスト柔術家、ベストレスラーが存在するけど、それが一体化したときのレベルの高さには自分でも自信を持っている」

――もちろんです。そこにかけてDJほど、MMAをMMAとして多くの技術を融合できているファイターは今も稀です。

「ボクシングを使う局面なのか、ムエタイなのか。その判断が自然とでき、動きに連弩うできるかどうか。スパーリングでも自分の体が求める動きをしているんだ。だからムエタイを戦っていても、自然な反応で相手の動きを止めることができるはずだ。ブルース・リーがいった『Empty your mind, be formless, shapeless – like water』だよ」

――心を空にして、形をなくす。水のように――ですね。

「ブルース・リーの言っていることは、一つのスキルセットに固執するんじゃなくて、どんな状況でも適した手段をこうじろということだと思うんだ」

――ジークンドーでなく、それがDJのMMAコンセプトですね。ところでONEが開拓しようとするグラップリングシーンでマイキー・ムスメシと戦うようなことは考えていますか。

「マイキーはピュアグラップリングではモンスターだ。僕のグラップリングの腕前をチェックしたいんだね(笑)」

――ケージがあるなかで、DJはどのようなグラップリングを見せることができるのか。そこが凄く興味深いです。

「あぁ、なるほどねぇ。そういうことか、それならやる意味があるね。言いたいことは分かったよ。確かに興味深いね」

――ハイ。マイキーにMMAを戦ってほしいとは特に思わないですし。もちろん、興味深くはあるのですが……。ところでONE Xで行われる世界フライ級選手権試合、DJはどのように予想していますか。

「ユーヤ・ワカマツのスキルセットは、フットワークを駆使パワーのあるパンチでKO勝ちを狙うものだ。ただしミキーニョも、立ち技に優れたウェルラウンダーだ。グラップリングにおいてはユーヤ・ワカマツをリードしている。スピードで上回るのはユーヤだけど……いや予想はできないよ。KOならユーヤ。サブミットならミキーニョだよ」

――DJ、興味深い話をありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本の皆のサポートに感謝しているよ。また皆に会いたいし、日本で試合がしたい。コロナ禍でもしっかりと健康に気をつけてほしい。日本で試合ができる機会が訪れるなら、いつだって戦うよ。いつでも、ね」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】平田樹と対戦、策士? ジヒン・ラズワン「彼女はエキサイティングな打ち合いはできない」

【写真】ZOOM取材でも、最後にこのキメ。平田樹は相当にイラつくだろう(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、平田樹と対戦するジヒン・ラズワン。

猫耳のヘッドフォンに象徴される可愛い子ちゃんキャラにイライラを隠せない平田に対し、彼女は相当なやり手、策士かもしれない──もしくは、自己ちゅうで勘違いをしているのか。

確実に平田をイラつかせる言葉をジヒン・ラズワンは言葉にし続けた。


──9日後に平田樹選手との試合が迫ってきました(※取材は3月17日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「もう準備はできているわ。ONEの10周年記念大会だし、アドレナリンが充満していて早々に仕上がっている感じね」

──ところで2月の山口V.V芽生選手との試合ですが、裁定が日本では問題視されました。つまり芽生選手の勝利ではなかったかと。私もそう思っていますし、平田選手もそう言っています。勝ち名乗りを受けるまで、ジヒン自身は裁定がどうなると思っていましたか。

「正直に言うと、私は勝っていると思っていたわ。いくら彼女がグラウンドでコントロールをしていても、結果的に私はエスケープできた。決して彼女がポジションをドミネイトできていたわけじゃないし、グラップリングマッチだったらメイが勝っていたでしょうけど、あの試合はMMAで私の方が打撃でダメージを与えていたから。

ジャッジは私の打撃、エスケープとメイのコントロールを総合的に判断して、私を勝者に選んだと思っている」

──エスケープが評価の対象になるのですかね。そこは私も再確認が必要です。

「いずれにせよ、彼女の方が私よりダメージを受けていたことは確かよ」

──う~ん、手数はジヒンの方が多かったことは絶対です。でもダメージはどうでしょうか……。ダメージがあれば、あんな風にテイクダウンできないのかと。

「実際、私は試合後も顔に傷がなかったわけで。2Rに右を被弾して、バランスを崩したけどあれはノックアウトじゃなかったわ。メイはノックアウトと感じているようだけど。私は彼女の攻撃からエスケープできて、ダメージはなかった。エスケープすることは大変だったし、でもデキた。私が判定勝ちした試合よ」

──裁定が論議の対象となった時に混同されがちですが、勝ったジヒンが非難されているわけでは決してないです。選手はベストを尽くして戦った。負けた選手が不満を感じた時、勝因を列挙すれば相手選手を非難するような形に見えてしまいますが。我々も自己裁定と違う時、そのズレをすり合わすために疑問点を確認している次第で。

「それは分かっているわ。あの結果は番狂わせだったし、多くの人が驚いたはず。でもファイトはファイト、私たち2人ともベストを尽くして戦ったから。それをジャッジがああいう風に判断した。それがファイトだから」

──ともあれ、芽生選手と互角の試合で判定勝ちした。その点はどのように思っていますか。自信になりましたか。

「彼女は私にとってレジェンドだし、このスポーツで多くのことを成し遂げてきた選手よ。ただ私はどの試合だって自分を信じて、自信をもって戦っているわ。それだけハードトレーニングをしているし、練習仲間、コーチ、自分を信じないと戦えないから。メイに勝ったから自信がついたわけでなく、自分に自信がないとメイと戦えなかった」

──素晴らしい考え方ですね。芽生選手との試合が2月11日、3月26日の平田選手との試合はいつ頃決まったのですか。

「もともとメイと戦った大会で、最初の相手はイツキだったし。その試合は実現しなくて……そうね、メイとの試合から2週間、3週間後かな。また話があって、合意したのは。10周年記念大会に出られることは、とてもエキサイティングなことよ」

──では平田選手の印象を教えてください。

「才能豊かで、とても強い。常に相手にダメージを与えようと戦っている選手ね」

──先日、日本で行われた記者会見にリモート参加しました。いかがでしたか。

「う~ん、日本語で進行していて私は何が起こっているのか理解できなかったから(笑)。でも参加できて良かったわ。ここまで日本でもONE Xが注目されているんだって感じられたから」

──なるほど(笑)。確かに平田選手が過激な言葉を吐いても、司会者が訳さないくださいというリードをしていましたからね。自分は『いや、通訳してよ』って思っていましたけど(笑)。

「アハハハハ。スポーツマンシップに基づいて、試合前にはダーティーワードは使うべきじゃないわ。どれだけ自信があっても、対戦相手をけなすべきじゃない」

──あの会見後の個別インタビューで、平田選手はジヒンと芽生選手との試合は「裁定はおかしいけど、試合はフィニッシュをするように戦わないといけない」という風に言っていました。つまり彼女はジヒンをフィニッシュすると。

「フフフ。彼女は私を極めることはできないわ。色んな人が判定になると、色んなことを言うけど──私はファイトキャンプでやってきたことを、試合でやり切ることができる。そうやって自信をもって戦うことができるから。

彼女の位置取り、パンチを打つタイミング、寝技になった時のコントロールの仕方。全てキャンプで頭に入れたから、彼女は自分が思うように戦うことはできない。決してイツキの思い通りにはならないわよ。

私はこれまでジナ・イニオンとデニス・ザンボアンガに負けたけど、フィニッシュされていないし。絶対に勝つなんて言えないけど、自分がどういう風に戦えるのかは理解しているつもりよ。イツキは私をフィニッシュできない」

──平田選手と戦ううえでジヒンのアドバンテージは何でしょうか。

「私の方がウェルラウダ―ということかな。打撃もできるし、グラウンドでも戦える。そうね、私は打撃だけで勝てるし、グラウンドだけでも勝てる。でも、イツキは投げて、背中をつかせないと勝てない。打撃も単発だし。彼女はスタンドでエキサイティングな打撃の交換はできないから」

──……。平田選手は会場にファンがいることがエネルギーになる選手です。今回、2年振りに多くのファンが戻ってくることをどのように思っていますか。

「ファンの前で戦って声援が聞こえてくると、よりワクワクするのは分かるわ。でも、観客のことよりもファイトに集中しないと。そういうことを考えること自体、戦うことにプレッシャーを感じている証拠ね。彼女はファンの支持を多く得ていることで、そこを考えないといけなくなっている。だからファンの存在も良し悪しかと思うわ」

──では会場にいる、いないに関わらずファンにどのような試合を見せたいですか。

「ベストを尽くすこと。全力で勝ちに行って、ジャッジが私を勝者にするのではなくて、私が勝っているからジャッジが私を選ぶ。そういう試合をするわ。2人とも相手の顔を殴りたいわけだし、きっとエキサイティングな試合になると思うわ」

──日本人選手と戦うジヒンですが、その日本のファンに一言頂けますか。

「コンニチワ。日本のファンの皆、ONEをサポートしてくれてありがとう。もちろん、皆がイツキ・ヒラタを応援することは分かっているわ。でも、とにかく私はベストを尽くすから、そこを見てね」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
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■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
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<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
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<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
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<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
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<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
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ライニア・デリダー(オランダ)
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<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
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<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
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<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
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<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
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<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
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<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
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【ONE130】半年ぶりの再起=ジヒン・ラズワン戦へ、平田樹「猫耳つけて。ふざけてんのかって」

【写真】ゴメンなさい──取材後に決めてくれた得意な方の角度の写真でなくて……(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、平田樹がジヒン・ラズワンと対戦する。

念願の女子アトム級ワールドGP出場し、初戦は突破したが準決勝を体調不良で欠場し爪痕を残すことができなかった。半年ぶりの試合が、ONE Xという大舞台。平田樹の覚悟──を訊いた。


──対戦相手もようやく決まりました(※取材は3月2日に行われた)。

「先週ぐらいですかね。それまでは中国人選手のリン・ホーチンとやるって聞かされていました。あのビー・ニューウェンに勝って、リトゥ・フォーガットに負けている選手です(※リン・ホーチンは3月11日にキックルールに出場)。打撃の子だったので、ずっと打撃の練習をしていて『組めばいけんじゃね』みたいな感じでやっていて……。フォーガットに寝技で漬けられて負けたのが、ONEで唯一の負けなんで。だから、こういうタイプかと思ってやっていたら変更になりました。

でも、もとはと言えばあの子(※ジヒン・ラズワン)とやる話もあったので戻っただけですね」

──山口芽生選手に会見でアドバイスを求めたら、まさかの『人気のある方が勝つ』という発言が聞かれました(笑)。

「アハハハハ。でも控室で『頑張ってね』って言ってもらいました。あの試合は普通に芽生さんが勝ったと思っています。ただ、あの試合で極めないと勝てないのであれば、自分はしっかりと極めて勝つ……ということを示すことができればと思っています」

──ジヒンは芽生選手と寝技勝負に行かなかったですね。ジャブで戦うというような感じで。

「でも、あの子っていつもああいう試合ですよね。逆になぜ芽生さんが抑えてからパウンドとか少なかったことに関して、解説をしていても『なぜなんだろう?』とは感じていました。あの子は下から極めは狙うので、もっとやりようはあるなと思います。芽生さんは負けていないけど、負けになったのは取れなかったからで。自分は取らないといけないなって。お兄ちゃん(平田直樹)から極めるより、パウンドアウトの方が早いってアドバイス貰いました」

──今は直樹選手と対策を練っている感じでしょうか。

「KRAZYBEEのプロ練習に(佐藤)将光さんが来てくれて、スパーをさせてもらったりしています。将光さんもパウンドの方が早いと言ってくれました。将光さんはスパー中にも、色々と指導してくれて」

──これぞMMAという際や組み技のなかでの打撃など、参考になることも多くないですか。

「ハイ。色々と、本当に指導してくれます。それに結構、ガツンと言ってくれます。『体力ないから、もっとちゃんとやって』とか」

──将光選手らしいです。誰でも、しっかりというべきことを忖度なく言ってくれますよね。

「火曜日に週に一度だけなんですけど、相手選手のことも分かっていて。ポジションを変えながら、色々と教えてもらっています。あの子、引き込んでくるんで……しかも背中もつけているし、殴れますよね。殴ることを考えると、楽な相手です。あの距離から組んで来て引き込むのなら」

──下からの仕掛けも、いうと限定されています。

「そうですね。毎回、三角ですよね。そこが分かっているので、パウンド落とします。あとヒザもやりたいですね。ルールで許されている範囲で、過激なことしたいです。直樹もまだフルのスパーはできないので、その分見てくれていて。ヤツも結構ストレートに言うので。『これ、ダメ』、『あれ、ダメ』って。『こんな練習しなくても良い』とか(笑)」

──良いではないですか。遠慮なく言ってもらえるというのは。直樹選手の方が、明らかに寝技の知識も豊富ですし。

「そうなんですよ。柔術とか、寝技が上手くて。今回、セコンドにも就いてもらいます」

──アーセン選手は?

「アーセンは(高橋)遼伍さんのセコンドで行くので、向うで4人で練習もできます」

──あのう、ジヒンに関してですが……。今日の会見にリモートで参加していましたが、かわい子ちゃんタイプの雰囲気に、平田選手はイラついてなかったですか。

「なんか、今日も猫耳つけていて。ふざけてんのかと。ほんと、突っ込んでやろうかと思いましたよ。あのモニターに映った瞬間。『お前、普通にイヤフォンつけろよ』って」

──オッサンやヤロウは可愛いと思ってしまうんですよ(笑)。

「それはダメですねぇ(笑)。しかも『あの子は若いから』とか言って来たじゃないですか」

──ハイ。

「お前、1歳しか違わねぇだろうとか思っていたら『ぶっ殺します』って言っちゃっていました」

──アハハハハハ。

「若いとか関係ねぇだろう。あの一言で、ぶっ殺します──ですよ」

──でも普段から良い子ですよ。

「アハハハ。完全に向う派じゃないですか。でも、動物病院とかで働いているんですよね。それで猫のヘッドフォンって、ふざけてますよね」

──あまり言葉には出ていなかったですけど、そのような胸中だったのですね。

「実は記者会見は今も一番緊張するんですよね……」

──なるほど(笑)。では、仕上がり具合は?

「まぁまぁ順調に来ているんですけど、試合で出せないと順調ではないので。体的には問題ないですけどね。ちゃんと自分らしく派手な試合をしたいです」

──その自分らしい……派手な試合ですが、過去2戦は余りが派手ではなかったです。

「アハハハ。でも次は観客がいるので、違うんじゃないかなって」

──そうやって口にしてしまうと、思うようにいかないと焦って来ないですか。プレッシャーを掛け過ぎてしまって。

「自分に大きい期待をしてしまうと、それ以上にできないと落ち込んでしまいますね。以前は勝てば良いって逆に無心で戦っていたのに、ROAD TO ONEの時は内容に拘って、自分に期待し過ぎた分、自分が自分を裏切ったような気分になりました。派手な試合がしたいと口にして、デキなかった時は悔しいです」

──自分の想い通りにはいかないという風にならないですか。相手あってのことですし。

「そう思うんですけど、理想は高くいたいです。この大きな大会に選ばれたのだから、そこで一番目立ちたいですし。いつでも、自分を信じて期待していたいです。GPの初戦はトーナメント戦だったので『勝てば良い』という風に思って戦っていました。それだと、自分でも楽しくなかったです。

どういう風に勝つのか──とか、派手に──とか拘っていきたいです。やっぱり2年前のジャカルタの時のように『絶対に勝つ』って気持ちが入った時の試合が、自分でも一番面白かったですし。ただ、アレは何か理解不能なモノが自分のなかにもありました」

──あの試合で期待度が、グンと上昇したことは間違いないです。

「あの試合が毎回できれば、プロとして最高ですし。そうなれるよう、自分に期待していたいです」

──欠場、体調不良、GPの棄権と色々とあった半年間でした。そんななかで迎えた試合、改めて何を見せたいですか。

「やっぱり、期待されている以上のことはしたいです。意識すると難しくなるので、まずはいつも通りの……打撃、寝技ができればと。アーセンと直樹も『好きにやれば良い』と言ってくれていて、でも共通点として『判定じゃない』ということですね」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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【ONE130】アドリアーノ・モライシュに挑戦、若松佑弥「殺しに行くパンチへの耐久性は?」

【写真】珍しいツーピース姿の若松。今、シンガポールでどのような心境でいるのか(C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュに挑む若松佑弥。

5連勝、2つのKO勝ち。満を持しての世界戦に向け、若松がモライシュへのチャレンジ、そして──戦う恐怖について話してくれた。


──2月中旬のヴィジュアル撮影時は、全く普段と気持ちは変わりないということでしたが……会見を終えて(※取材は3月2日に行われた)、試合向けて精神的な部分で変化はありますか。

「少しなんですけど、ちょっとだけ現実味がわいてきたような感じはします。いつも試合前に記者会見があるので。かといって対面したわけでもないし、試合に影響することもなくて。別に焦る気持ちもないです。まだリラックスしています」

──若松選手は試合前、どのような心境になるタイプなのですか。

「本当に恐怖しかないです。本当に……負けることへの恐怖感しかないので、なるべく考えないようにしています。仙三選手に負けて、ONEの初戦でダニー・キンガトに負けて……そこから次に負けたらどうしようって思うようになりました。

シンガポールに入って……前の日とかなると、一番ピークになると思います。負けたらどうしよう……いや絶対勝つっていう繰り返しですね。で最後は『もう、どうでもいいや』って開き直ります」

──日本で試合をするときは、家族が傍にいます。シンガポールでは、そうではなないです。特にコロナ以降は。怖さは違いますか。

「試合前は1人の方が楽な部分は実はあります。自分のことだけに集中できるので。ただし、考えてしまう時間は長くなってしまうので……結構、しんどいです。最近は少しずつ克服できているのですが、高速で空港に向かう時とか、もうチョー行きたくないっていう気持ちになっています。以前は本当に日本を出るのが嫌でしょうがなかったです。

でも、それがあるから勝った時の嬉しさが半端なくて。本当にやり遂げたという気持ちが凄いです。『やってやった』という気持ちで帰国できます」

──そこまでだったとは想像していませんでした。

「いやぁ、本当に怖いです。怖いだけです。今はなるべく平常心でいようとは思っています。直前までリラックスして……勝ちたいけど、負けることもあるという風な精神状態でどちらかに大きく気持ちが傾くことなくやっています。

深呼吸して、試合が始まれば──『よしっ、勝つ』という風に集中力を高めて、一発も貰わないで戦おうと集中できます。そうできるのも家族がいるからです。1人で自分勝手にやっていたら、あの状況を乗り越えることできるのか今では分からないです。

でも俺は一家の大黒柱だから、あんなところで精神的に負けるわけにいかない。ここでやっていくのが俺の仕事だからって、平常心を保てるようにしています。試合前はもう、心の修行ですね」

──厳しい時に武蔵君のことを想うと、乗り越えられるということは?

「本当にそうですね。格闘技をやっていなければ、こんな想いをしないで済むことかもしれないですけど、きっと他のことをやっていても人生なんて順風満帆にいくことないはずです。陰陽というのか、良いことも悪いこともあってバランスをとって生きている。順風満帆に自分の目標を追い求めることが理想ですけど、人生はそんな甘いモノじゃないので割り切れるようになれました。

だから別に注目されなくても、俺は俺。自分のやるべきことをやり抜く。平常心で戦うことだけに集中しています」

──では王者アドリアーノ・モライシュをどのように捉えていますか。DJを相手に衝撃的なKO勝ちしました。ただし、それ以前にジェヘ・ユースタキオやカイラット・アクメトフと競り合いもありました。

「米国に行って分かったのですが、向うにはバンタム級からしかほとんど選手もいない。ONEは世界中から選手が集まっていて、薬でもやらない限りバケモノはいないと思っています。ONEのフライ級の強さには自信を持っています。メンタルも含め、全てが揃っているし誇りをもって戦っています。

ただし、僕自身でいえば天辺に立ったことがない人間だから、見る風景がアドリアーノとは違う。それだけが、僕に足りない部分だと思っています。それ以外だと僕の方がスピードもパワーもあるかもしれない。寝技は向うの方が上で……何より僕が見たことがない風景を見てきた。そういう経験を積んでいる点だけが──脅威ではないですけど、気を付けないといけない部分だと思います」

──ミキーニョは余り相手の攻撃を受けることがなく、戦える選手かと思います。

「ボクシングのテクニック、避ける反射神経を持ち合わせています。被弾しないのは、身体能力が高くて、目も良い。そこは向うも自信を持っているはずです。なら自分は平常心で一つ一つ当てられるか。一発勝負じゃない、詰めていく動きを磨いてきました。

あと『コイツを殴り倒す』というパンチを受けた時に、アドリアーノがどのような反応をするのか。技術じゃない、殺しに行くパンチへの耐久性を精神的にどれだけ持っているのか──そこは重要になってくるかと思います」

──一本を取るという部分で殺傷能力は高い。と同時に試合を纏めるのが上手い。若松選手も判定勝ちもできるようになってきました。そのなかで殺しに行く攻撃を前にしてミキーニョがどのような強度を持っているのか、ですね。

「そこは僕が彼の組み技に対して、どういう耐久力を持っているのかと同じですよね。試合になってみないと分からない。僕は殺しに行くつもりで殴りますけど、向うだってそういう気持ちで絞めてくる。打撃で始まるMMAで、それがデキることは凄いです。至難の業だと思います。でも、そういう気持ちで戦った時──有利なのは僕です」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] フィリッピ・ロボ(ブラジル)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
ニキー・ホルツケン(オランダ)
シムサット・クリンミー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
佐藤将光(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

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ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE130 UFC   アドリアーノ・モライシュ アミール・カーン アリス・アンダーソン アンジェラ・リー アンドレ・ガルバォン エドゥアルド・フォラヤン カイラット・アクメトフ カン・ジウォン キック ジヒン・ラズワン スタンプ・フェアテックス セルジオ・ペティス タン・カイ ダニエラ・ケリー ダニー・キンガド チャンネル デニス・ザンボアンガ デメトリウス・ジョンソン ハニ・ヤヒーラ ハム・ソヒ パッチー・ミックス フー・ヨン ボクシング マイキー・ムスメシ ライニア・デリダー リト・アディワン ロッタン・シットムアンノン 仙三 平田樹 澤田龍人 秋山成勲 若松佑弥 青木真也 高橋遼伍

【ONE130】若松佑弥の挑戦を受ける、アドリアーノ・モライシュ「ユーヤが挑戦者になるのはもっとも」

【写真】左は打撃コーチのカテウ・キビス、右は元UFCファイターでラオス系米国人のアンドレ・スークムタズ。この陣容で王座防衛戦に臨む (C)ONE

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ONE世界フライ級王者アドリアーノ・ミキーニョ・モライシュが若松佑弥の挑戦を受ける。

昨年4月にデメトリウス・ジョンソンを破った直後、ミキーニョは「ユーヤが次期チャレンジャー? カイラット・アクメトフと戦うべきだ」と言っていた。その言葉の真意とは……。さらにミックファイト、グラップリング出場はあるのかを尋ねた。


──ONEの歴史上、最大のイベントで若松選手の挑戦を受けるミキーニョです。今の気持ちを教えてください。

「今回の試合、過去に戦ってきた全てのファイトと同じで、ベストを尽くして戦う。そして2度目の王座防衛に成功する。僕の技術、新しいMMAの戦い方を披露し皆が喜ぶ試合にしたい。ONEにとって記念すべき大会に相応しいショーを見せるよ」

──DJを破った直後、若松選手に関しては『カイラット・アクメトフと戦うべきだ』とミキーニョは言っていました。

「イエス。ただユーヤは5連勝中のファイターだ。フィニッシュ率も高い。若くて期待の選手、何よりもハングリーだ。ONEは日本との結びつきも強い、アジアのプロモーションだし、ユーヤがチャレンジャーになるのはもっともだよ」

──あの時、カイラットと戦うべきだと言ったのは、もう少し若松選手の実力を確認しておきたかったということはありますか。

「う~ん、決してそうではないよ。僕が彼はカイラットと戦うべきだと言ったのは、両者のランキングが近くて、カイラットは元チャンピオンたからだよ。そういう意味で、2人は戦うべきだと思っていたんだ。ただ、僕は決められた相手と戦う。ユーヤがチャレンジャーになった。大歓迎だよ。あとは戦うだけだからね。アハハハ。誰だろうが、当てられた相手と戦うだけさ」

──前回の試合が1年前、3年で2試合しか戦っていないですが、試合勘が鈍るということないでしょうか。

「ノー。子供の頃から戦ってきた。戦いが僕の血になっている。試合がないからといって、それが問題になるようなことはないよ。戦うために僕は生まれてきたんだから。ファイターとして生まれてきたからには、いつだろうが、誰とでも戦う。その機会を得たから、今ここにいる。あとはベストを尽くすだけだよ」

──では若松選手の長所はどこだと考えていますか。

「パンチだ。これまで多くの対戦相手をKOしてきた。一番の武器はあのパンチだよ」

──12月のフー・ヨン戦は視ましたか。レスリングとグラップリングで判定勝ちを収めまいた。彼は実戦で、自分のグラップリング力を試してみたかったようです。彼の組み技の力をどのように評価していますか。

「そうだね……。う~ん……」

──正直にお願いします(笑)。

「白帯相手に、良いグラップリングを見せていたね(笑)。レスリングを知っている相手に、レスリングで勝負して勝った。良いモノを見せてもらったよ。ユーヤが僕をテイクダウンしてくるなら、楽しみだね。いくらでも組み技に付き合ってあげるから」

──試したかったのは分かりますが、ミキーニョに挑戦するまで隠す手もあったと思います。

「彼はファイターだ。そして僕はチャンピオンだ。僕のベルトを誰もが狙っている。皆の夢だ。ユーヤはユーヤのやるべきことをやれば良い。DJ、ダニー・キンガド、素晴らしいグラップリング能力の持ち主だけど、僕は彼らに勝っている。ユーヤが打撃と同じような組み技の力があっても、なんら問題視しないよ。あの試合を見て、彼はチャレンジャーに相応しいと逆に思ったよ」

──全く心配はしていないようですね。

「ファイターとしてユーヤのことを本当に尊敬している。グラップリングもできて、打撃は遥かに良い。チョークから身を守ることもできるし、戦いが分かっている。彼のことを認めているからこそ、僕は全力で叩き潰しにいく。本当に良い挑戦者だからね」

──若松選手と戦ううえでミキーニョのアドバンテージはどこにあると考えていますか。

「長身であること。ステップ、レスリング、そして柔術。打撃だってDJ戦で、僕の力を見せたつもりだ。どういう試合になるか、個人的にも興味深いよ」

──日本のメディアは常に堀口選手のことを尋ねると思います。私も、そうです。

「アハハハハハ、その通りだ」

──そんななか、この試合に向けて一緒に練習してきたでしょうが、堀口選手は若松選手のことをそれほど知っているとは思えないです。

「僕とキョージは毎日、一緒に練習してきた。互いに協力しあってきた。キョージはユーヤのことは知らないよ。キョージが僕にアドバイスをしてくれるのはユーヤとの試合に勝つためじゃない。僕がケージの中で、より良いファイターになるために助言してくれるんだ。より強い漢、強いサムライになるために──僕が、なりたい人間に近づくためにキョージはアドバイスをしてくれている」

──堀口選手がKO負け直前まで試合を支配していたセルジオ・ペティス戦から、学ことは多かったのではないですか。

「あの瞬間までキョージが試合をドミネイトしていた。だけど、ああいう結果になった。それこそMMAだよ。MMAはMMAなんだ。試合中は、一瞬でも気を抜いてはいけないことをキョージの敗北から改めて学んだよ」

──今回の試合で勝ち、堀口選手にしっかりとバトンを渡したいですね。

「パッチー・ミックスは背の高いグラップラーだ。だからたくさん、キョージと練習した。キョージの組み技での防御力は大したものだよ。僕らには優秀なチームメイトがたくさんいるから、あらゆるタイプのフトレーニングができる。このATTの環境が僕らを成長させてくれるんだ」

──ATTにまたBellator世界バンタム級のベルトが戻って来るでしょうか。

「キョージはチャンピオンに返り咲くよ。彼が望む決勝でセルジオ・ペティスとのリマッチに勝利してね」

──ところでONEではグラップリングを強化するようです。その一方でDJ×ロッタンのようにミックスファイトも今大会では組まれました。将来的にムエタイのレジェンドとフリースタイル・ルールの試合のオファーがあれば受けますか。

「全てはユーヤとの試合を終えてからだけど、興味深いね。ONEが求めるなら、やるよ。レッツゴー!! 大きな挑戦になる。僕はもうMMAのレジェンドと戦ってきたから、ムエタイのレジェンドと戦うことを恐れはしない」

──ではミキーニョが興味があるのか分からないですが、グラップリングに関して……。

(質問を遮って)「マイキー・ムスメシと戦いたい」

──そこです!! そこが聞きたかったです。

「ぜひとも、ムスメシとグラップリングファイトを戦いたい」

──マイキーは道着だけでなく、ノーギでも凄まじい強さを見せています。

「なら僕はダースチョーク、トライアングルをお見舞いする。彼には予期できない柔術のスキルを披露したいと思う。僕らのハニ・ヤヒーラBJJを、ね!!」

──ハニ・ヤヒーラBJJ!!!! 何ともワクワクする言葉です。

「僕らは一緒にハニ・ヤヒーラBJJを構築してきたんだ」

──いやぁ若松選手との試合後も、ミキーニョの動向から目が離せないですね。そんなミキーニョですが、今回の歴史的な大会でどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「ドリームカードが揃っている大会だ。そういう大会にあって、ボーナスを獲得するに値する試合がしたい。そのためにハードな練習を課してきた。ベストを尽くし、皆が喜んでくれる試合をする。僕の技術、柔術、ムエタイを駆使してね。試合が待ち切れないよ」

──ミキーニョ、今日はありがとうございました。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本の友人たち、ファンの皆には最高の席を確保して僕とユーヤのファイトをABEMA TVで視てほしい。皆が楽しめる試合をして、ベルトを守るよ」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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【Pancrase326】シーソーゲームの激闘――猿飛流がバックテイクで最終回を抑えて小川徹からベルト奪取

<フライ級KOPC/5分5R>
猿飛流(日本)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47.
小川徹(日本)

サウスポーの小川に対して半身で構える猿飛流。小川が距離を詰めると、猿飛流は右ミドルを放っていく。猿飛流はワンツー、小川は様子をうかがいながらローを放つ。猿飛流が前に出てきたところで左アッパーを合わせようとした小川。お互い距離を取り合いながら、猿飛流の右バックハウンドブローと小川の右フックが交錯した。小川が相手にケージを背負わせて、左ボディストレート。さらに左ボディを猿飛流のミゾオチに突き刺し、フォローの右フックでヒザを着かせた。猿飛流が距離を取ってサークリング、小川は左ストレートを相手の顔面に伸ばした。

猿飛流が左前蹴りを見せたところで、ここでも小川の左ボディが的確に猿飛流のミゾオチに当たる。右ロー、相手が出て来ると左で迎え撃つ小川。猿飛流の左サイドキックは届かない。残り10秒で小川がパンチから距離を詰め、足を滑らせながらダブルレッグで組みついた。初回はジャッジ3者とも10-9で小川のラウンドとした。

2R、猿飛流が蹴りの数を増やす。さらに猿飛流が前に出てきたところに、小川が右フックを合わせた。このパンチをもらいながらも組み付いた猿飛流が、そのまま小川をケージに押し込む。右腕を差し入れた猿飛流、小川も右腕を差し上げて体勢を入れ替える。猿飛流が離れて再びケージ中央へ。小川が飛び込みながら左ストレート、さらに左ハイから左ストレートにつなげていく。猿飛流は右ローから右ストレート、小川は距離を詰めて左ストレートを狙う。

距離が近くなったところで左ボディから右フックにつなげた小川。相手にパンチを合わせられた猿飛流がバランスを崩す。しかし猿飛流も伸びる右ストレートで応戦、さらに右バックスピンキックで小川を中に入れさせない。ここで小川は右フックから半身で飛び込み、組みついて相手をケージに押し込んだ。猿飛流が切り返し、ケージ際での差し合いに。残り20秒で小川が両腕を差し上げて押し込んでいったが、猿飛流が小川の首を左腕で抱える。最後は離れ際に右ヒジを当てた。ジャッジ2名が10-9で猿飛流、1名が小川と、このラウンドは割れている。

3R、小川がプレッシャーを強める。組んだところで引き離した小川。猿飛流は左の関節蹴りを当て、小川の左ミドルは捌く。猿飛流の蹴りに合わせて右フックを狙う小川、そのまま組み付くが猿飛流が有利な組み手になると離れる。猿飛流の右前蹴りに右フックを合わせた小川、しかし猿飛流はそのパンチに右フックを合わせた。左ジャブを突く猿飛流に対し、小川は左ミドルを見せるがブロックされる。距離が近くなると、小川の左ボディがヒット。小川が左ボディ、左ストレートへつなぐ。さらに左ボディを相手のミゾオチに突き刺した小川。猿飛流の左フックも小川の顔面を捉える。

このラウンドはジャッジ2名が小川、1名が猿飛流と割れている。

4R、猿飛流の右前蹴りをキャッチした小川だが、テイクダウンは狙わず、スタンドで左右のローを見せた。猿飛流が入ってくるところに右フックを合わせる小川、さらに左ボディから右フックにつなげる。猿飛流が遠い距離から飛び込むも、小川はバックステップでかわす。しかし猿飛流が追い込み、右を顔面に当てて小川に尻もちを着かせた。立ち上がり組みつこうとする小川、反対に猿飛流が離れてパンチで攻め立てる。そしてもみ合いから組んでテイクダウンを奪った猿飛流。ハーフガードの小川にパンチを落とすが、小川が立ち上がる。

立ち上がり、小川のバックに回った猿飛流。小川はスイッチから離れた。ケージ中央で探り合う両者、小川は左ボディを突き刺す。さらに猿飛流の左サイドキック左ストレートを合わせた小川、左を中心に攻め込みグラつかせた小川だが、猿飛流も打ち返して打撃戦に。最後は猿飛流の左ヒックがヒットした。

ジャッジは3者とも10-9で猿飛流につけた。これでポイントはイーブンに。

最終回、小川のボディブローを嫌がるそぶりを見せた猿飛流。しかし猿飛流の右前蹴りも小川の顔面を捉える。猿飛流の口から大量の出血が見られるも、猿飛流はダブルレッグで小川に尻もちを着かせた。立ち上が小川のバックに回った猿飛流、小川の太ももにヒザを突き刺して削っていく。さらに猿飛流の右ヒザが小川の顔面に届く。ここで小川は猿飛流のクラッチを切り、スイッチして猿飛流に尻もちを着かせるも、猿飛流も切り返して相手をケージに押し込んだ。さらに小川も切り返すなど、ケージ際でスクランブルの展開が繰り広げられる。

残り1分30秒で相手をケージに押し込んでいるのは猿飛流だ。スイッチを狙う小川は、猿飛流の顔面に左ヒジを叩きつけるも、猿飛流はボディロックのまま押し込み続ける。そしてグラウンドに持ち込んだ猿飛流がバックマウントへ。完全にバックマウントを奪った猿飛流が小川の顔面にパンチを打ち込み、試合終了のホーンを聞いた。

シーソーゲームの末、最終ラウンドを抑えた猿飛流が判定勝ち。猿飛流がフライ級KOPに輝いた。
激闘を終えて疲労困憊の猿飛流は「まだ夢の中にいるみたいで信じられない。小川さんが強すぎて、1Rで心が折れてしまいました(苦笑)。途中で何十回も心が折れた。でも他の何を捨てても仙三さんが巻いていたベルトが欲しかった」と喜びを語った。


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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE ONE X ONE130   アドリアーノ・モライシュ アミール・カーン アリス・アンダーソン アンジェラ・リー アンドレ・ガルバォン エドゥアルド・フォラヤン カン・ジウォン キック ジヒン・ラズワン スタンプ・フェアテックス タン・カイ ダニエラ・ケリー チャンネル デニス・ザンボアンガ デメトリウス・ジョンソン ハム・ソヒ ボクシング ライニア・デリダー リト・アディワン ロッタン・シットムアンノン 仙三 平田樹 澤田龍人 秋山成勲 若松佑弥 青木真也 高橋遼伍

【ONE130】デニス・ザンボアンガと再戦へ、ハム・ソヒ「楽しんで戦う。それが本来のハム・ソヒ」

【写真】勝敗はついてくるもの。だからこそハム・ソヒらしさをあの舞台で見せてほしい (C)MMAPLANET

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ハム・ソヒがデニス・ザンボアンガとの再戦に挑む。

昨年9月に女子アトム級ワールドGP初戦でサンボアンガに判定したハム・ソヒだが、その判定が論議の対象となった。加えて準決勝=スタンプ・フェアテックス戦は負傷で欠場を強いられた。

因縁の相手との再戦を前に、ハム・ソヒにインタビューを試みた。ハム・ソヒが我々の知るハム・ソヒであり続けるために、彼女はサークルケージでの戦いを楽しむと言い切った。


――重症化の恐れが少ないとはいえ、韓国ではコロナの陽性者が1日に30万以上という状態になっており、練習などに影響は出ていないでしょうか。

「ホントに凄く多くの人が感染しています。実際、ジムの仲間も数多く陽性になっているので、凄く用心しています。ただし、練習をしないわけにはいきません。感染対策をしっかりとしたうえで、今は全体練習を行わなくなりヘッドコーチ、トレーニングパートナーと限られた人数で練習をしています。

とにかくこれまでの試合前と比較しても、しっかりと準備し、しっかりと練習してきました。心身ともに最高の状態です。自信も凄くあります。一つだけ心配なのは試合までにコロナで陽性にならないこと。それだけです」

──この状況も本当に長くなりました。精神的にストレスは、それでもなかったのですね。

「こういうことは人類が経験してこなかったことです。最初はこんなに長引くとは思っていなかったですよね。でも、もうこれだけ続いているんだから、この現状に合わせるしかないと思うようにしました。制限のある生活、繰り返されるテスト。それが普通なんだと。以前はこうだったと考えると、ストレスになってしまいますからね」

──素晴らしいです。ところでGP優勝を目標にONEとサインをしたハム・ソヒ選手ですが、ケガで準決勝を欠場し目標を果たせなかったです。欠場が決まった時は、どのような気持ちになりましたか。

「ケガをした時は『どうしよう?』、『どうすべきかな』と凄く動揺していました。でも少し時間が経つと、もう起こってしまったことだと考えるようになって。きっと、私が勝負を賭けるのは、このタイミングじゃなかったんだと思えるようになりました。時間が過ぎると共に平静さを取り戻し、『さぁ、次に向かおう』っていう気持ちになっていきました」

──9月のデニス・ザンボアンガ戦ですが、判定問題以上にハム・ソヒ選手の動きの悪さが気になりました。あれはハム・ソヒではない。どこかケガでもしていたのでしょうか。

「ケガはしていなかったです。ただハイドレーションテストにパスしたのが、試合当日の朝だったことが影響したんじゃないかと思います。リカバリーの時間が十分ではなかったです。試合中、そのことが頭に残っていて『力を使いたくない』という気持ちがずっとありました。体調が100パーセントじゃない、頭のなかがそういう風になっていて。

だから積極的に動けていなかったですよね。自分の力を出し切って戦うということができていなかったので。それとGPトーナメントなので、『ケガをしちゃいけない。準決勝がすぐにあるから』という精神状態だったことも大きく影響していたかと思います。結果、あのような試合展開になってしまいました」

──今回の試合でもハイドレーション、計量に不安はないですか。

「あの大変だった経験が生きています(笑)。もう、絶対に大丈夫です」

──韓国料理はショッパイですよね(笑)。

「私、韓国料理は好きじゃないんです(笑)」

──えっ!!! あんなに美味しいのに!!

「アハハハハ。とにかく、もうハイドレーションは大丈夫です。体重ももう問題ないです」

──日本のファンも100パーセントのハム・ソヒをONEという舞台で見せてほしいと思っているに違いないです。

「前回の試合は、本来の力を出せなかったです。ただ、そこに関しては何も言うことはありません。26日、ケージのなかで証明します」

──押忍、力強い言葉です。

「ハム・ソヒを見せます。今のハム・ソヒ、これまでの全ての経験を生かした動きをして、自分の動きができなかった前回の試合の印象を払拭してみせます」

──デニスとの再戦に集中しないといけない状況なのは百も承知ですが、メインのONE世界女子アトム級選手権試合の予想をしていただけないでしょうか。

「……」

──そんな顔をせずに、ぜひ(笑)。

「正直に言うと……スタンプの最近の成長ぶりは目を見張るモノがありますよね。だからスタンプが案外、一方的に勝つのではないかと。ただアンジェラ・リーにもきっと、彼女がチャンピオンであり続けている何かを持っているはずです。そういう部分をアンジェラ・リーは試合中に見せるでしょうし……。

う~ん、難しいですね。スタンプが楽勝しそうだけど、アンジェラが何か決定的なことをするかもしれない。予想は難しいです」

──とはいえ、その勝者がハム・ソヒ選手のターゲットになります。

「ベルトを巻くためにONEで戦うことを決めました。唯一の理由が、チャンピオンになるためです。ただ戦うためにONEに来たんじゃありません。ここでベストになり、チャンピンになることしか考えていないです。ベルトを奪う。それしか考えていないです」

──カムサハムニダ。ハム・ソヒ選手、最後に日本のファンに一言お願いします。

「本当に日本の皆に分かって欲しいのですが、私は今も心の底から日本で戦いたいです。でもコロナ危機、パンデミックがあってそれがなりませんでした。それでも最終的には絶対に日本で試合をします。その日が来るまで、ハム・ソヒ本来の力を出せるようサークルケージでベストを尽くします。

と同時にファイトを楽しみたいと思っています。戦うことが楽しい、それが本当のハム・ソヒだと日本のファンの皆さんは理解してくれていると思います。引き続き、応援よろしくお願いします。カムサハムニダ、アリガトウ」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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【ONE130】フリースタイル戦でDJと戦うロッタン「MMAになっても、DJはいつものように動けない」

【写真】MMAルール前、DJは戦うのか、逃げるのか。MMAルール、ロッタンは戦うのか、守るのか (C)ONE

26日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE130「ONE X」で、ロッタン・シットムアンノンがフリースタイル・フライ級3分4Rマッチでデメトリウス・ジョンソンと戦う。

ムエタイ→MMA→ムエタイ→MMAというミックスルールの異種格闘技戦は、MMAになればDJが一本勝ちするという読みが大半をしているだろう。そんななかロッタンにZOOMインタビューを試みた。

そこにはただ明るいだけでなく、しっかりと戦局を分析し──自身の勝算をロッタンは叶った。


――ドクターと一緒にいるということで取材が1時間遅れましたが、何か問題でも生じたのでしょうか。

「そんなことないよ。全く大丈夫。ハードトレーニングを続けているので、ボディをチェックしてもらっていただけだよ」

──それは良かったです。ところでDJとのフリースタイル戦が10日後に迫ってきました。12月5日に戦う予定だったのが、大会の延期で3カ月準備期間が増えました。

「練習する時間が増えたことは良かったよ。ただし、いつ戦おうがMMAレジェンドと戦うことに変わりはないからね。3カ月延びようが、3年延びようがそこは変わりない。でも、より良い準備はこの間にできたことは間違いないよ」

──この3カ月、集中していたのはムエタイ、それともMMAですか。

「どっちもだよ。MMAもムエタイもやってきた」

──MMAルールでDJをやり合うことに関して、自信のほどは?

「僕はいつだって自信を持っている。キャリア全体を通じて、自信がなかったことなんてない。ファイターでいるためには、自信が一番大切になってくるからね。誰と戦っても勝てると思ってきた」

──それがDJとMMAで戦っても変わりないと?

「DJは絶対に寝技に持ち込もうとする。絶対だよ。そこはコーチ陣と徹底して準備してきた。あまり寝技になることはないと思う。テイクダウンされないよう戦うから」

──……。そうなると、ケージを使ってテイクダウン防御を試みるということでしょうか。

「あらゆる状況を想定して練習してきた。スプロール、アングルを研究してね。特にケージ中央でテイクダウンを防ぎ、如何に打撃を入れるかという部分に注意を払って来たよ。ただし、僕の方からケージを背負って戦おうとは思ない。ケージを使われた方が、テイクダウンを取られやすいと考えているから。それが僕らのチームがDJを研究して出した結論だよ。ケージ際は危ない」

──なるほどぉ。ところでムエタイでは足を掴むことを許されていないです。ただし、MMAは可能になります。本来、ムエタイはどのような状況でも攻撃が許されていたマーシャルアーツで、それがスポーツとして普及し今のルールが用いられるようになりました。古の何でも有り時代のムエタイのように、足を取って来る相手にロッタンのヒザは有効でしょうか。

「首相撲が僕のMMAを助けてくれることは確かだよ。ただし、ヒザ蹴りは危ない。リスクが高くなる。そのタイミングで足を掴まれ、テイクダウンを許してしまう。もちろん有効な場面もあるし、そうなれば使うよ。DJのスピードを考えると、安易に使えない。それなら首相撲から崩しの方が有効になるはずだよ」

──ではタイナーはどうでしょうか。ケージに押し込んでヒザとか蹴り込めると、もう浪漫ですね。

「それもタイミング次第、実際に練習でタイナーを使うことがある。そうやって相手を壁に押し込むんだ。まぁ足を掴んで引き上げる機会が、DJを相手にあるかどうかだよね。使えるなら、使うよ」

──実は今回の試合、MMAルールのラウンドよりも、ムエタイ・ルールの時の方がどういう試合展開になるのか予想がつきません。本来、ムエタイは足や拳が届く距離で向き合って、打撃を出し合う競技です。その距離に絶対にいないといけない、正面から打撃を交換し合わないといけないのか。あるいはある程度、MMAのように遠い距離を取ることが許されるのか。

「そんな質問をする必要ないよ。1R、僕は当然アグレッシブに戦う。DJが逃げ回ろうが、立ち向かってこようが僕は思い切り攻めるだけだよ。DJはシンガポールのファンは、彼が僕を極めるシーンが見られると言っているけど、それができないよう初回に攻めまくる」

──試合が2Rを迎えることはない?

「初回にKO勝ちするとは言い切れない。その機会があればKOを狙うし、ダメージを与えることは絶対だよ。でもケージは広くて、きっと逃げ回るDJを捕まえるのは大変になるだろう。ただし、そういう試合をしていると初回が終わる時には彼は疲れている。それにいくらかダメージを与えることもできているはずだ。

そうなると、DJはMMAルールになったからといっていつものように動きことはできなくなっているだろう」

──このフリースタイル・ルールを経験してから、MMAを戦うことを想定していますか。

「この試合を戦うことで、様々な可能性が広がることになるだろうね。もし、コトが上手く運べばフルMMAルールの試合に挑むことになると思う」

──では26日にどのような試合をファンに見せたいと考えていますか。

「前回の試合から1年近く、戦うことができなかった。今回のルールの試合はONEの歴史のなかでも初めて行われる試合だ。MMAを戦ったことがない僕にとって、MMAの伝説的なファイターと戦える最高の機会になる。DJはMMAのフライ級で世界のトップ、僕はムエタイのフライ級で世界のトップ。この試合は伝説になるよ、KOで終わろうがサブミッションで決着がつこうが。

だから、絶対にこの試合を見逃して欲しくない。そしてONE Xのなかで一番良い試合にしたい。僕とDJの試合を見たファンが、この戦いを一生忘れられなくなる。そんな戦いを皆に見せたいんだ。そのためにONEはこの試合を組んだ。それに個人的に僕はDJの試合をずっと見てきた。彼が素晴らしくハイレベルなファイターだからだ。まさか、彼と戦うことができるとは思ってもいなかった。今からワクワクが止まらないんだ。今すぐにでも、DJと戦いたいよ」

──あと、このインタビューの動画を撮っているABEMAスタッフから質問がありました。この試合とは関係ないのですが、那須川天心×武尊戦の予想をお願いできますか。

※純粋立ち技ですので──この質問への返答はABEMAで確認ください──Stay tuned for Coming Up ABEMA’s Program !!!──

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後1時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/12分1R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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【ONE130】ルオトロ兄弟、マイキーらグラップリング路線、異種格闘技路線がONEの第3&4の軸となる?!

【写真】ルオトロ兄弟、マイキー、ゴードン・ライアンがONEのサークルケージでレギュラーとなるのか(C)ONE & FLOGRAPPLING

17日(木)、26日(土・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアセンターで開催されるONE130「ONE X」に向け、日本のメディアとリモート会見を行った。

MMAPLANETではONE Xでダニエラ・ケリー×山口V.V芽生、そしてライニア・デリダー×アンドレ・ガルバォンという2試合が組まれたグラップリング戦と、フリースタイルと呼ばれるようになったミックスファイトに関してチャトリに尋ねた。

マーカス・ブシェシャ・アルメイダ、ユーリ・シモエス、ガルバォン、ゴードン・ライアン、デニエラ・ケリー、マキシー・ムスメシ、タイ&ケイドのルオトロ兄弟とサインアップを進めてきたONEのグラップリング部門の勝利をチャトリはどのように考えているのか。


──マイキー・ムスメシ、ルオトロ兄弟、そしてONE Xに出場するアンドレ・ガルバォンと多くのグラップラーとサインを進めて来ました。一般ファンの理解を得ることは簡単ではないグラップリングマッチをONE Xだけでなく、今後もONEは組んでいくということでしょうか。

「ONEはマーシャルアーツの本家で、私は常に全てのマーシャルアーツを一つの世界的プラットフォームの傘下で実施していきたいと考えている。既にONEは視聴者エンゲージ数で世界最大のマーシャルアーツプロモーションになっており、MMAにはデメトリウス・ジョンソン、キックではジョルジオ・ペトロシアンやスーパーボン、ムエタイにはノンオー、タワンチャイ、ロッタン、その他大勢のオールタイム・グレーテストがロースターにいる。

そしてグラップリングではゴードン・ライアン、アンドレ・ガルバォンらがいる。全ての分野の世界最高峰の選手が揃っている。それがONEなんだ。そしてファンも本当のベストの選手達の試合を見たいはずだ。

と同時に、これらの競技間をアスリート達が行き来できる。スタンプ・フェアテックスはムエタイとキックの世界王者だったけど、今はMMAの世界王座を目指している。今、ONEのアスリートは自由に柔軟性を持って競技に臨むことが可能になっている。サブミッション・グラップリングに専念したい選手もいれば、サブミッション・グラップリングとMMAで世界王座を目指す選手もいる。それを我々のプラットフォームは可能にしているんだ。世界を代表する選手が試合をする。それが私にとってもっとも大切なことなんだ。だからONE Xには日本の最高の選手が揃って出場する。

それが私にとって大切なこと。彼らが世界的なステージで戦うことが、ね。最高峰の世界タイトルを彼らが狙える環境を提供することは私にとっても非常に重要なことなんだよ。

それぞれの分野のワールドベストの選手達が、それぞれの分野で最高の試合をすることで、ファンがそれぞれのストーリーを楽しめる。そういう他に例のない機会を提供できると思っている。世界最高峰の戦い、ワクワクするような試合をマーシャルアーツの本家として、ファンに提供していきたい」

──チャトリさんの言ったように選手たちの異なったルールの挑戦がONEのダイナミズムでもありますが、今回フリースタイルという名のミックスファイトマッチを実現させます。将来的にこの混合ルールでもタイトルを制定していることは考えていますか。

「ロッタン×DJのようなスペシャルルールの試合を組む機会が増える可能性は高い。ただ今回が初めての試みだけど、この試合は世界中から注目を集めている。凄くバズっているんだ。これだけの最高に高いレベルでこの手の戦いは行われたことはないからね。また組むことになるのか、とにかくロッタン×DJを見てみよう」

■放送予定
3月26日(土・日本時間)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時00分~ABEMA PPV ONLINE LIVE

■ONE130 「ONE X」対戦カード

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アンジェラ・リー(米国)
[挑戦者]スタンプ・フェアテックス(タイ)

<フリースタイル・フライ級(※61.2キロ)/3分4R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
デメトリウス・ジョンソン(米国)

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
[挑戦者] 若松佑弥(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
秋山成勲(日本)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
エドゥアルド・フォラヤン(フィリピン)
ウェイン・パー(豪州)

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者]スーパーボン・シンハマウィーン(タイ)
[挑戦者]マラット・グレゴリアン(アルメニア)

<ムエタイ世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] ノンオー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
[挑戦者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)

<ONEキックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
【王者】カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)
【挑戦者】秋元皓貴(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
ジヒン・ラズワン(マレーシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
キジュ・ジェウン(韓国)
タン・カイ(中国)

<キック・フェザー級ワールドGP決勝/3分5R>
チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ)

<グラップリング・ミドル級 (※93.0キロ)/15分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
アンドレ・ガルバォン(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレミー・ミアド(フィリピン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アミール・カーン(シンガポール)
高橋遼伍(日本)

<ヘビー級(※70.3キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
ポール・エリオット(英国)

<グラップリング女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
山口V.V芽生(日本)
ダニエラ・ケリー(米国)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
澤田龍人(日本)
仙三(日本)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アシャ・ロカ(インド)
アリス・アンダーソン(米国)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Pancrase326 仙三 小川徹 猿飛流

【Pancrase326】猿飛流を相手に2度目の防衛戦、小川徹の意外なる遍歴―01―「全てはMMAをやるため」

【写真】意外な素顔が、どんどんと明らかになっていった小川 (C)SHOJIRO KAMEIKE

21日(月・祝)、東京都新宿区のベルサール高田馬場で開催されるPANCRASE326で、フライ級キング・オブ・パンクラシストの小川徹が、猿飛流を相手にベルトの2度目の防衛戦を行う。

昨年開催された暫定フライ級KOP決定トーナメントを制した小川が、暫定ながらベルトを腰に巻いた。その後、ONEに出場している正規王者の仙三が王座を返上し、小川のベルトから暫定の2文字が取れている。
そんな小川はこれまで、異色ともいえるキャリアを歩んできた。空手→自衛隊→グラフィックデザイン会社経営――インタビュー前編では、紆余曲折すぎるキャリアについて語ってもらった。全てはMMAのために。


――今回はまず、これまでのキャリアについてお聞きしたいのですが、どこから聞いていいのか……キャリアが異色すぎます。

「アハハハ、何でも聞いてください!」

――まず空手を始めたのは、いつ頃のことでしょうか。

「幼稚園の先生が空手の先生でもあって、それで幼稚園の時から空手に触れるようになり、実際に道場へ通うようになったのは小学3年生の時です」

――流派は?

「松濤館ですね。県大会で優勝して全国大会出場というのが一番大きな実績です」

――なるほど、松濤館だったのですね。それで現在の小川選手のファイトスタイルが理解できました。

「ありがとうございます。子供の頃から空手以外のスポーツはやっていませんでした」

――その空手が東京オリンピックの種目に決まった時は……。

「嬉しかったですね。ただ、五輪種目に決まったのは僕が高校生か高校卒業するぐらいのタイミングで、しかも実際に行われるのは10年後ぐらいでしたから。その時点で小学生や中学生の子たちが、20代半ばでオリンピックに出るような年齢設定だったので、自分が出たいとかオリンピックを目指すという気持ちはなかったです」

――その後、高校を卒業して自衛隊に入ったのですか。

「はい。大学からの誘いもあったんですけど、高校の時からMMAをやりたかったんです。当時はKIDさんがHERO’Sで活躍していて、それを見ながら『打撃だけでは本当の強さじゃないな』と感じていました。強さを求めて空手をやっていたんですけど、ここがゴールじゃないなと思って」

――MMAをやりたいと思ったのに、高校卒業は自衛隊に入ったのですか。

「それが……実は高校卒業後に少しだけ地元のMMAの道場に通いっていました。でもアルバイトしながら練習するという環境で、MMAのトップに立つ自信がなかったんです(苦笑)。それで東京に出てから、お金を貯める目的もあって自衛隊に入りました」

――結果、自衛隊には7年間も在籍したのですよね? お金を貯める目的にしては、長かったのではないですか。

「アハハハ。自衛隊に入ってみると、すごく楽しかったんです(笑)。自衛隊の中にレンジャーという課程があって、自衛隊に入ったからにはレンジャーの資格を取りたいと思ったんですけど、階級的になかなか行けるチャンスがなく……。でも入隊してから4、5年経ってからレンジャー課程に進むことができました。それが終わった頃には僕も24歳になっていたので、そろそろMMAに行かないと間に合わないなと思って」

――ただ、小川選手の戦績を見ると、2009年にケージフォースのアマチュアマッチに出場していますよね。これは自衛隊にいる時のことですか。

「はい……自衛隊にいた時です(苦笑)。一応、上司には話をしていたんですが、もっと上のほうには秘密になっていたと思います」

――当時MMAの練習はしていたのですか。

「これも今までインタビューとかでは言っていないんですけど――自衛隊の練馬駐屯地に配属されている時、高田浩也さんが代表をされていた時の和術慧舟會RJWに入会していました。当時のRJWは、和光にあったA-3の中のクラスみたいな形で、そこで週1回ぐらい練習していたんです」

――次のアマチュア出場が2012年なので、その間に自衛隊から離れてMMAに専念したということですね。一方で、グラフィックデザイナーとしても活動していたというのは……。

「僕自身、デザインの仕事をやるとは全く予想していなかったです。自衛隊を辞める時に相談していた先輩がグラフィックデザインや名刺を作っている会社その事務所に居候させてもらっていました。居候させてもらっているからには、何か手伝いたいと思って。まずは自分の名刺を作ってみようと考えて、デザインを始めました。それまでパソコンを触ったこともなかったんですけど……」

――そのような状態から、ご自身のデザイン制作会社を立ち上げるまでに!?

「最初は、先輩のパソコンを借りて、電源を消す時にいきなり電源ボタンを押して怒られるぐらいでした(笑)。当時は自衛隊にいて貯金もできていたので、練習しながら少し時間もあったんです。その間に自分の名刺を作っていたら、知り合いの方から『俺の名刺も作ってよ』とお仕事を頂くようになり……。そうしたら意外とデザインの仕事にハマっていって」

――自衛隊でレンジャーの資格を取り、グラフィックデザインという手に職をつけ、それでもプロMMAファイターになろうという想いは消えなかったのですか。格闘技は、プロデビューしてもファイトマネーだけで生活することは難しい状態が続きます。それよりは身につけた資格や技術で食っていこうとは……。

「いや、逆ですね。格闘技だけで食っていくのは難しいことが分かっていたから、生活を安定させるためにデザインの仕事を始めたんです。自衛隊に入ったのも、デザインの仕事を始めたのも、全てはMMAをやるためでした」

<この項、続く>

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