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【Pancrase351】新フェザー級KOP三宅輝砂「格闘技を始めた頃から、新しい何かを考えるのが好きでした」

【写真】取材は名古屋市中区新栄のZOOMERフィットネスジムにて(C)SHOJIRO KAMEIKE

2024年12月15日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されたPancrase351で、三宅輝砂が平田直樹をKOして空位のフェザー級KOPのベルトを巻いた
Text by Shojiro Kameike

当初は平田とキム・サンウォンの間でKOP王座決定戦が行われる予定だったが、キム・サンウォンはPFL出場が決まり欠場に。代わりに三宅が平田とベルトを争うこととなった。過去の実績でいえば平田が有利とみられた試合で、三宅は平田をわずか72秒――右ヒザ蹴りでマットに沈めている。あれから1カ月、名古屋の三宅を訪ね、衝撃の王座奪取劇の裏側で何が起こっていたのかを訊いた。そこには考え続けた末にベルトを巻いたファイターの姿があった。


こんなに簡単に勝っちゃうんだ……

――昨年はベルト奪取、おめでとうございます。

「ありがとうございます!」

――タイトルマッチは誰も予想できなかったであろう試合内容でした。試合直後、三宅選手も「実感がない」と仰っている動画がYouTubeにアップされています。

「そうなんです。勝った瞬間は『こんなに簡単に勝っちゃうんだ……』とビックリしました」

――その「簡単に」とは「楽に」という意味ではなく。

「はい。当たると思って出したヒザ蹴りではありますけど、倒れちゃった――僕自身が考えるよりもヒザ蹴りが効いた、という感覚で」

――あのヒザ蹴りは倒すためではなく、テイクダウンに来る相手への牽制だったのですか。

「はい。倒そうと思って出したヒザではなかったです」

――なるほど。今回のタイトルマッチは、PFL出場が決まったキム・サンウォンの代役として平田選手との王座決定戦に臨みました。

「このタイミングで僕がタイトルマッチに出場するとか、全く考えていなかったですね。本当にラッキーだなと思っていました」

――三宅選手のキャリアを考えると、タイトルマッチまでは上位ランカーともう1~2試合は必要ではないかと思っていました。

「実は12月大会って、もともと他の選手との試合が決まっていたんですよ。でも相手の負傷で試合が流れて。そうしたらキム・サンウォンのPFL出場が決まって、空いている者同士のタイトルマッチに――と言ったら良くないかもしれないですけど」

――三宅選手としても、もう1~2試合やって自分の実力を確かめたいと……。

「確かめたい、という気持ちはなかったですね。あの段階では『平田選手は強い。まだ自分は勝てない』と思っていて。正直、タイトルマッチが決まった時は『自分にはまだ早い』と考えていました」

――試合直後の動画ではベルトを抱えながら「防衛したくない。返上したい」とも仰っていました。

「あぁ、あれは――5分5R戦いたくないなって(苦笑)」

――アハハハ。

「これからは追われる立場か、って考えていなかった展開になりましたからね」

僕の左ジャブには秘密があって、まだ誰も気づいていない

――前回のインタビューから、三宅選手の試合内容も大きく変わってきたかと思います。まず2023年3月に中田大貴戦で敗れたあと、同年11月の櫻井裕康戦は新鋭同士の白熱した試合展開になりました。結果は三宅選手がRNCで一本勝ち。正直なところ三宅選手に対して、あれだけ白熱した試合展開を見せる印象がなかったです。

「アハハハ、あの試合から連勝が始まりましたね。技術的に何か大きく変わったわけではないんです。技術に関しては積み上げてきたものが大きかった、という感じで。

それよりはメンタル面の変化が大きいです。今までは持っているものを試合で出すことができなかった。でもメンタルで余裕が生まれたことで、練習通りの動きを出せるようになったと思います」

――櫻井戦の前までは、行ける時に行けないということもあったのですか。

「そもそも試合が好きじゃなくて。なるべく試合はやりたくなかったんですよ」

――えっ!? ではなぜプロになったのですか(笑)。

「プロになっちゃった、試合するしかないかなという感じでした。もともと格闘技は好きで、練習もクラスの指導をさせてもらうのも好きなんです。そんななかで試合に出る理由は、『自分の可能性を知りたい』というのが一つ。もう一つは練習している技術の証明をしたい、というものでした。練習している内容を証明するには、試合に出るしかないですから」

――メンタル面が変わったのは、何かキッカケがあったのでしょうか。

「特に大きなキッカケがあったわけじゃないけど、やるからには悔いを残したくない。応援してくれる人たちに喜んでもらいたい、と思いました」

――そうだったのですね。櫻井戦の次は昨年2月に大阪で名田英平選手をKOしました。あの大会ではメインとコメインともに左ジャブで削り続けて倒す、という珍しい展開でした。

名田戦は左ジャブで削り続けた末、左ボディで仕留めた。ジャブを効かせる秘密はーーぜひ試合を観て探してほしい(C)SHOJIRO KAMEIKE

「コメインの葛西和希選手も左ジャブで削っていましたね。あの時、僕の左ジャブには秘密があって――細かいことは言えないけど、まだ誰も気づいていないだろうなと思っています」

――左ジャブの秘密! それは名田戦の前に気づいたことですか。それとも以前からやっていたことが試合で出たということでしょうか。

「あの試合から打ち方を変えました。しかも試合直前に思い浮かんで(笑)」

――試合直前に! それは凄い。

「相手も分からないから、あれだけ当たったんじゃないですかね。自分でも試合中に『これはヤバい打ち方を見つけてしまった』と思っていました。でも直前に思いついたことを試合で出すことができたのも、やっぱり普段から左ジャブの練習をし続けたおかげです。

ボクシングはアマチュア出身の方に教わっていた時、練習相手に高校3冠の選手がいたんですよ。そこで伸びる左ジャブを教えてもらい、今はその応用でやっています」

――さらに右カーフも効かせるようになりました。この左ジャブと右カーフがあるおかげか、距離のつくり方から変わり、試合で安定した力を発揮できるようになったかと思います。

「カーフキックも昔から練習していたんです。左ジャブとの連携ができるようになって、より得意になっていきましたね。だから2024年はどんどん自分の気持ちも変わってきたし、プロ意識も芽生えてきたと思っています」

――昨年7月の石田陸也戦は左ジャブと右カーフ、つまり上下の攻撃があるからこそド真ん中に三日月蹴りが炸裂しました。

「あのカーフにも三日月蹴りにも秘密があるんですよ」

――秘密ばかりじゃないですか!

「フフフ、そうなんです」

――そうした秘密の技は、自分自身で思いつくのですか。それとも他の選手の試合から影響を受けるのでしょうか。

「自分で思いつきます。たとえば最初は左ジャブが当たらない。『当てたいな。どうやったら当たるんだろう?』と考えて、いろんな方法を思いついて何度も試していくんです。もちろん同じ当て方をしている選手もいたりはしますけど、それも自分で思いついたあとに分かるというか」

――三日月蹴りは何度も失敗していると、足の指を骨折しませんか。

「実は骨折しない蹴り方を思いついたんですよ。秘密ですけど、フフフ」

――まだまだ出していない秘密がありそうで、今後が楽しみです。

「そうですね。たぶん秘密が分かっても、次の試合までには新しい何かを思いついているでしょうし。良い感じで進んできているので嬉しいです」

――もともと格闘技だけでなく、考えること自体が好きですか。

「好きですね。それだけやっていたいぐらいです。試合には出ずに(笑)」

5Rの試合でも、できるだけ早く仕留めたい

――先ほど「試合に出たくない」と仰った気持ちが分かりました。とにかく格闘技を追求していく、武道家のような感覚ですね。

「そうかもしれないです。格闘技を始めた頃から、新しい何かを考えるのが好きでした」

――格闘技以外では?

「カメラが好きなんですけど、まずメッチャ調べてからカメラを買って。そこから構図や編集方法を調べたりするのが好きです」

――分かります。自分もこの仕事を始めた頃は、まずセンスを磨くよりもカメラの性能を学ぶことから始めました。

「そうじゃないと理解できないし、発展しないですよね。あとビリヤードが好きで、ビリヤードも動画を視て研究したりします。ジムの指導もそうです。自分が考えていることだけじゃなく他の選手の試合映像を視て、それをどう分かりやすく会員さんに説明できるのかを考える。すると自分の中に、他の選手の技を落とし込むこともできて」

――お話を聞いていて、試合時に仕留めに行くイメージとのギャップに驚きました。

「本当は根暗で気弱な人間なんです。アハハハ」

――それだけ考えることが好きだと、もう5R対策も考えているのではないですか。

「……、……、……そこはあまり考えずに」

――今「やっぱり5Rはやりたくない」という表情を浮かべましたね(笑)。

「アハハハ! 5Rの試合でも、できるだけ早く仕留めたいですね。やることは変わらないと思いますし。今の左ジャブが当たり続ければ、相手も2Rには耐えられなくなるでしょうし。平田戦も左ジャブさえ当たれば、いずれ相手も削れてくると考えていました」

――組みはNTT=寒天練習でも練習しているのですか。

「NTTと、週1回はstArtの練習に参加させてもらっています。タイトルマッチでは日沖さんの存在がメチャクチャ大きかったです。タイトルマッチが決まって、日沖(発stArt代表)さんに週1回のパーソナルトレーニングをお願いしたんですよ。そこで戦略を考えてもらったり、あとは特にメンタルのつくり方が勉強になりました。『やっぱり世界で戦ってきた人は凄いな』って思いました。僕の中では、そこで変わりましたね。前回の試合に向けてお願いしていたことですけど、また試合が決まればお願いしたいと思っています」

――なるほど。その次の試合というのは……。

「まだ発表されていないんですけど、○月に××と対戦することになるかもしれません。絶対に殺してやろうと思います」

――殺してやる、って……先ほどまでの冷静な語り口から、ギャップが凄すぎです(苦笑)。

「根暗で気弱だからこそ、ですよ(笑)。ただ××のことはマジで嫌いなので、絶対に殺してやります」

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45 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase349 中田大貴 石田陸也

【Pancrase349】中田大貴が左フック→右ストレートで石田陸也を1RKO「来年タイトルを獲る」

<フェザー級/5分3R>
中田大貴(日本)
Def.1R1分47秒by KO
石田陸也(日本)

石田が右の前蹴り、中田は右カーフを蹴る。石田は右アッパーと左フック、両者の右が交錯する。一瞬、組みの攻防になるが両者がすぐに離れる。右ローを蹴り合う両者。石田は左の前蹴りを見せて、左フックで飛び込む。中田はジャブをボディに振って右ロー、石田が右フックで前に出ると、中田が組みついてケージに押し込む。

石田は首相撲からヒザ蹴りを突き上げ、距離が離れると中田は右ロー。石田は左のヒジで前に出る。石田がインローとジャブ、中田は左ミドルを蹴って左ボディ、石田の右ローにジャブを合わせ、ワンツーで飛び込む。

石田は遠い間合いから前に出て左のヒザ蹴り、これを外した中田がジャブ、左フックから右ストレートを打ち抜くと、石田がその場に崩れ落ち、中田が見事なKO勝利を収めた。

試合後「2連敗していて、好きでやってきた格闘技なのに辞めようと思っていました。自分の試合を見て、諦めようなかな、投げ出そうかなと思っていた人が頑張ろう・踏ん張ろうと思ってくれたら何よりです。絶対来年タイトルを獲るんで見ていてください」とマイクアピールした。


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【TTFC10】6年10月振りの練馬大会で狩野優が、1年5カ月振りの再起戦。エフェ&阿部の相手は??!!

【写真】代理戦争MAXで名を挙げた中村京一郎のデビュー戦の相手を務めた狩野がケージに戻って来る (C)MMAPLANET

16(火)、TTMより8月16日(金)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE10のカードの発表があった。
Text by Manabu Takashima

コロナ禍の2020年12月の大阪(プロ修斗公式戦とのダブルヘッダーで、プロ修斗公式戦も3試合組まれた)大会以来、3年8カ月振りのTTFCの活動再開。Tribe Tokyo MMAのおひざ元である練馬での大会は2017年10月以来、実に6年10カ月振りとなる。


すでにメインでエフェヴィガ雄志が戦うことが明らかとなっている同大会だが、今回の発表ではエフェ以外の5試合が明らかとなった。

バンタム級が1試合、ライト級が2試合、そしてフェザー級が2試合という内訳の5試合中4試合にTTM所属ファイターの出場となる。

なかでも注目は狩野優の1年5カ月振りの再起戦だ。狩野はコロナ禍の2020年6月に無観客&配信大会で実施されたTTFC08でプロデビューを果たし、その後はPancrase、EX FIGHT、Pound Storm、DEEPでキャリアを積み、8勝2敗の好レコードで昨年3月にONE FFにイヴァン・パルシコフのヒザ十字に下った。

このとき、Road to UFC出場の話を進んでいたが強い相手との対戦を避けてもUFCでは通じないということで、未知のロシア人との戦いに挑んだという話を伝わっている。

あの敗北後も練習は続けていたが、人生において優先させるべきことにプライオリティを置き、長期間の実戦離脱となっていた。対する轟轟(とどろき・ごう)はWardogから修斗でキャリアを積み、3勝1敗1分の戦績を残している。

鹿志村仁之介、中田大貴、中川晧貴、名田英平、河名マスト、中村京一郎という実力者としのぎを削ってきた狩野とすれば2回戦から、キャリアの仕切り直しに挑むこととなるようなマッチアップといえる。また唐沢タツヤ、小森誉、岩倉優輝、グラップラー脇など、まさに長南亮人脈といえる選手が集まっている。

ここにエフェと阿部光太が揃い踏みすることになるが、気になるエフェの相手は東南アジア在住の元ONEファイターやモンゴル系の選手を打診しているという話は伝わっていたが、まとまらなかった模様だ。いずれにせよ、TTMだけでなくJ-MMAをリードするポテンシャルの持ち主=エフェが、どのような相手と戦うことになるのか正式発表が待たれる。

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45 F1 Pancrase345 Report キム・サンウォン ブログ 中田大貴

【Pancrase345】1Rは組み技・3Rは打撃でポイントを取ったサンウォンが中田から判定勝利を収める

【写真】3Rの打撃戦ではサンウォンがジャブ・右ストレートを的確に当てた(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分3R>
キム・サンウォン(韓国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28.
中田大貴(日本)

サンウォンが右カーフを蹴る。中田はガードを上げてサンウォンのカーフをカットしながら前進し、ジャブからパンチを顔とボディに打ち分ける。

サンウォンは中田の左フックにダブルレッグを合わせてテイクダウンし、中田はサンウォンの首を抱えてケージに体を預ける。

サンウォンは自分の両足で中田の足を束ねて寝かせながらバックにつく。中田は両足をフックさせずに脱出しようとするが、サンウォンはすぐに組んでスタンドバックへ。

中田の身体を持ち上げてテイクダウンして寝かせると、サイドからバック、マウント、そしてバックとポジションを変える。1Rはジャッジ3名とも10-9でサンウォンにポイントをつける。

2R、サンウォンが右の前蹴り、中田も右カーフを蹴り返す。サンウォンがジャブを突き、中田は左フックを当てる。組みついたサンウォンがダブルレッグの形でテイクダウンし、立ち上がる中田のバックにつく。

一旦離れたサンウォンが左のパンチを打って、再びダブルレッグへ。中田はギロチンを狙いつつ、サンウォンのテイクダウンをディフェンスする。サンウォンは中田のヒザ裏で両手をクラッチして尻餅をつかせるが、中田も腕を差し入れて離れる。

試合がスタンドに戻ると中田が右ストレート、左ボディと左フック、左ミドル。さらに左フックを当てて突進。首相撲からヒザ蹴りを突き上げ、組もうとするサンウォンの顔面にヒジを入れる。

サンウォンも必死にダブルレッグに入ってテイクダウンを狙い、スタンドで中田のバックにつく。終了間際、両者の距離が離れると中田が右ストレートを打つ。このラウンドはジャッジ3名とも10-9で中田を支持した。

3R、中田がジャブと左ミドル、右カーフを蹴る。サンウォンもジャブを突いてサークリングする。

中田はそこに右アッパーを突き上げるが、サンウォンも右ストレートを当てる。距離を取ってジャブと右カーフを蹴るサンウォン。中田もジャブを返してワンツーで前進するが、サンウォンの右ストレートが当たる。中田は右カーフを蹴って左ボディを当てる。

サンウォンはジャブを当てて組みつき、距離が離れるとワンツーを当てる。サンウォンが右ストレート、中田が右カーフ。両者の左フックが交錯する。

サンウォンが右ストレートを打つと、中田も右アッパーを変えす。ワンツーと右カーフのサンウォン。中田は右アッパーと左ボディを当てて前進。終了間際、サンウォンがワンツーから左フック。中田も左フックを打ち返して前に出る。

判定はジャッジ3名とも29-28でサンウォンとし、サンウォンが中田との一戦を制した。

試合後、サンウォンは「パンクラスにこのようなメインカードを組んでもらって感謝しています。メインということでプレッシャーもありましたが乗り越えることが出来ました。感謝している人は本当に多くて、あとでみなさんにそれを伝えたいと思います」とマイク。最後はアイ・ラブ・ジャパン!で締めた。


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【Pancrase345】メンタル乱降下のファイトウィーク、内藤由良「勝たないと何も始まらない」

【写真】スーツを脱げばカルバンクラインのカラダギィに対し、内藤はまさかのミーアキャット。実家でミーアキャットを飼っているそうだ (C)MMAPLANET

本日30日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるダルヘッダー夜の部= Pancrase345のメインで、内藤由良がアリ・カラダギィと対戦する。
Text by Manabu Takashima

2年3カ月振りの実戦となる内藤は、キルクリフFC所属のディラン・オサリバンと対戦予定だったが、水曜日の夜にオサリバンが入国できなかったことが発覚──急遽、カラダギィと戦うことが決まった。

J-MMA重量級期待の新鋭はUFCを目指し、海外でのステップアップを図るも決まりかけた試合がことごとく流れた。この間も練習仲間の間で語られる内藤の強さは伝わってきたが、やはりファイターは公衆の面前で強さを見せつける必要がある。紆余曲折がありながらも、その場に戻って来る内藤の話を計量直後に訊いた。


――オサリバン戦が無くなったと聞いたのは、いつ頃だったのでしょうか。

「水曜日の夜でした(苦笑)。ちょうど、パンクラスのオフィスに用事があって。『ロッキーが迎えに行っているから』という話も聞いていたんです。で、チケットを配って家でゴロゴロとしていたら、彼が入国できなかったという連絡がありました。

最悪、体重オーバーはあり得るとは思っていました。でも、ここまできて試合がなくなるとは……。もう99.99パーセント、試合はないと思っていました。国内で階級下の選手がやってくれるわけがないし。外国人が3日で来れるものでもない。もう水曜日の夜から木曜日の夜まで、死んでいました(苦笑)。何もやる気がおきなくて……計量の前日なら、心が折れて食べていたかもしれないですね(笑)。

だから、良く対戦相手を見つけてもらえて……凄く人に恵まれ、パンクラスに愛されていると思います。木曜日の夜に『見つかるかもしれない』、『やってくれると言っている選手がいる』という話があって、そこで気持ちを戻しました。

これから海外で戦っていくと、対戦相手が直前で代わるなんて普通にあると思うんです。そういう場合も気持ちを切らさない必要がある。その予行演習になるんだと言い聞かせていました。で、正式に金曜日の朝にアリ選手が試合に応じたという連絡がありました」

──2年3カ月振りの試合、チャンピオンといえどもキャリアは5試合。オサリバンは北米MMA育ちで、そのポテンシャルを見せつける試合になるという期待がありました。

「ハイ、絶対に噛ませ犬じゃないし。5勝1敗で全て1Rフィニッシュ、UFCを目指している30歳。年齢も近かったですし、自分も目指す道があるので必ず倒さないといけない。そういう相手だったので、めちゃくちゃやりたかったです」

──試合が決まってからの日々は、試合が確定しない時期と比べるといかがでしたか。

「やっぱり気持ちの入り方が違いました。相手が決まってから、あっと言う間にファイトウィークになるぐらい充実していましたね。生きているというか、『これだよ、これ』みたいな。何か、体の中から出てくるモノがありました」

──その成果をアリ・カラダギィ選手にぶつけるのみ……なのですが、キックやラウェイを戦っているUAEがベースのファイターだと聞きました。

「ハイ。中井(裕樹)先生と親交が深くて、柔術をやっていると。あとは合気道とか日本の武術にも傾倒していると聞いています。MMAはやったことがないみたいですけど」

──MMAファイターとしては全く分からないです。ただ、この期間で内藤選手との試合を受けて、計量にあの表情と装いで現れる。人として、相当な強さではないかと。

「確かにそうですね(笑)。ドバイに住んでいるって、バシッとしたスーツ姿でやってきて。格闘技をやる必要なんてない人なんじゃないですか。アハハハハ。これで俺に勝てば、パンクラスのチャンピオンに勝ったという泊がつきますし、腕試しをやってやろうという気持ちなのかもしれないです」

──対して、内藤選手は……。

「もうリスクしかないですよね(苦笑)。負けるわけにいかないです。気を抜かないように、自分の得意なところで仕留めに行きます」

──そこですね。オサリバンが相手だとMMAファイターとしての成長や可能性を見せる試合になるはずでした。ただし、相手が代わってキックボクサーなら、もうベースとなる強い部分で勝つのみという試合が必要です。

「そうッスよね。いくら仲間内で評価されても、それが試合で発揮されるのか。本当に言われているような強さがあるのかっていう見方をされていると思います。そこを見せる試合が、ディラン選手とできると期待していました」

──この間、上を目指してなかなか上手くことは運ばなかったです。この試合後、その状況が劇的に変わることはないはず。そのなかで、今後のキャリアアップをどのように考えていますか。

「UFCを目指す中でUAEWなのか、LFAなのか。海外の目根―ジメントと契約していて、ここで勝てば6勝無敗になるのでゴリゴリに押してもらうしかないです。当然、コンテンダーシリーズに出るつもりでいます。その気は満々です。ミドル級だとRoad to UFCもないし、そこで引っ掛かるしかないと思っています。正規ルートなんてないし、何が正解とかもない。僕の階級だと、この島国からUFCに行くというのはそういうことで。日々、模索し続けないといけない。

とにかく明日の試合で勝つ。フィニッシュして勝つ。2年も試合をしていないので、勝たないと何も始まらない。ここで試合をするというのは、そういうことですし。これからのことは、また周囲と協力しあって……今年こそ、UFCに行かないといけないので──明日はしっかり勝ちますっ!!」

■Pancrase344&345視聴方法(予定)
6月30日(日)
午後12時00分~U-NEXT

■Pancrase345

<ミドル級/5分3R>
内藤由良(日本)
アリ・カラダギィ(UAE)

<フェザー級次期挑戦者決定戦/5分3R>
平田直樹(日本)
Ryo(日本)

<ライト級/5分3R>
西尾真輔(日本)
神谷大智(日本)

<フライ級/5分3R>
大塚智貴(日本)
山崎聖哉(日本)

<ウェルター級/5分3R>
渡邉ショーン(日本)
武者孝大郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
友寄龍太(日本)
さぶろう(日本)

■Pancrase344

<フェザー級/5分3R>
キム・サンウォン(韓国)
中田大貴(日本)

<フライ級/5分3R>
上田将年(日本)
眞藤源太(UAE)

<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
小森真誉(日本)

<フライ級/5分3R>
大野友哉(日本)
小林了平(日本)

<ネオブラットTフライ級準決勝/5分3R>
饒平名知靖(日本)
山崎蒼空(日本)

<バンタム級/5分3R>
渡邉泰斗(日本)
佐藤ゆうじ(日本)

<ストロー級/5分3R>
渋井宏行(日本)
日向優希(日本)

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45 Pancrase344 キム・サンウォン ブログ 中田大貴

【Pancrase344】勝負のキム・サンウォン戦へ、中田大貴「同じようなレベルで競っている。1段階超えて」

【写真】勝って、ケージのなかでティラノサウルスをやってほしい (C)TAKUMI NAKAMURA

30日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるダルヘッダー昼の部=Pancrase344で、中田大貴がキム・サンウォンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

3月のシュウジ・ヤマウチ戦はヤマウチの計量オーバーにより試合消滅、結果的に約1年ぶりの再起戦となった中田。この1年間で打撃・組技を一から磨き直し、韓国での練習を経て自分が目指すレべルがどこかを体感した。ランキング2位の強豪サンウォンとの一戦を目前にして「強い相手と戦って勝ちたいという気持ちは常にある。こういう相手と巡り会えたことは本当に嬉しい」と心境を明かした。


基本的なところをレベルアップさせるイメージで取り組んできました

──まず3月のパンクラス立川ステージガーデン大会、対戦相手のシュウジ・ヤマウチ選手の計量オーバーにより、試合そのものが消滅という形になりました。あの時のことを振り返っていただけますか。

「まず僕が計量をクリアして、相手が1.8キロオーバーだったんです。その時点では僕も大沢(ケンジ)さんもやる気だったんですよ。しょうがないねって感じで」

──ヤマウチ選手のオーバーの幅も試合が成立する範囲だったんですよね。

「そうですね。2キロ以内だったら試合が成立するんで。ただ1.8キロオーバーは危ないという意見もあったり、再計量の時に50~100グラムしか落ちてなくて、そもそも落とす気ないじゃんと思って(苦笑)。そういうこともあって当日計量の戻しを70.3キロにして、それを条件にしてもらえないかという交渉をしました」

――ようはリカバリーは1階級上までにしてくれということですね。

「そうです。そうしたら、もう体重を戻してリカバリーしてるから、それは無理だと。計量が終わって4~5時間以内の話だったんで、なんとかなるだろうと思いつつ(苦笑)、最終的には話がまとまらなかったです」

──試合がキャンセルになったあとはすぐ気持ちを切り替えられたのですか。

「1週間ぐらいは休んで、すぐに切り替えて練習を再開しました」

──結果的に昨年7月の高木凌戦(1R、TKO負け)から約1年間、試合が空く形になりましたが、この1年間で色んなことにトライしてきたと思います。もともと新しい練習をする時間が欲しいという考えはあったのですか。

「そうですね。あとはダメージですね。自分はコンスタントに試合をしていて、結構ダメージが溜まっているというか、毎回毎回顔が腫れるような試合だったので、一度ダメージを抜くじゃないですけど、頭を休ませて形もしっかり作り直したいと思いました。打撃、組み技、フィジカル、全部を見直した期間になったと思います」

――具体的にそれぞれどういう取り組みをしてきたのですか。まずは打撃から教えてください。

「もともと自分は打撃の基礎ができていなくて、ぶん回すだけでなんとかここまで来くることができてしまって、打撃のスキルがあまり伸びてないなと思ったんです。それでしっかりトレーナーについてもらって、打撃を教えてもらおうと。その時に出会ったのが良太郎さんで。良太郎さんとは髪の毛を切るところが同じで、そこのオーナーに『MMAの選手もたくさん指導しているから、練習を見てもらったら?』と言われて、一度良太郎さんにミットを持ってもらったんですよ。

その時に僕のMMAの形を崩さないように指導してもらって、脱力とか立ち位置とか本当に基本的なところを見直してくれて。それが自分的にすごくしっくり来たので、良太郎さんに練習を見てもらうことを決めました」

――MMAの選手が打撃を強化すると、打撃に特化した戦い方になってバランスが崩れることもありますが、それはないですか。

「はい。良太郎さんはMMAのことをものすごく研究されていますし、色んなタイプの選手を指導していて、それぞれみんな戦い方や特性が違うじゃないですか。だから良太郎さんは選手が持っている良さや個性を伸ばす力があるのかなと思います」

──指導内容としては構えやスタンスなど基本的なことですか。

「そうですね。『力が入りすぎ』、『足がずれている』、『立ち位置が悪い』…本当にそういう基本的なこと、自分が意識の中から抜けがちになることをしつこく言ってもらっています。自分の場合は(肩に力が入っているジェスチャーで)力がこもりすぎるので、そこで力を抜いてリラックスするみたいな。あと打撃と組みの繋ぎ、テイクダウンからパウンドまで、良太郎さんにミットを持ってもらっています」

――組み技に関してはいかがでしょうか。

「NEVER QUITやロータス世田谷に行ってスパーリングを中心にやらせてもらいつつ、HEARTSで江藤(公洋)さんに組み技を見てもらっています。基本的に自分は殴って戦いたい意識があるんで、それをやるための動きというか。逃げやディフェンスを中心にしつつ、自分から一本を取る練習やイメージを作っています」

――打撃・組み技どちらも新しいことを覚えるというよりも、中田選手の戦い方を肉付けしてペースアップするような形ですか。

「そうです。基本的なところをレベルアップさせるイメージで取り組んできました」

──またこの期間に韓国でも練習したそうですが、現地ではどんな練習をしていたのですか。

「技術練というよりもスパーリング中心のメニューが多くて、もう少し技術練ができると期待してたんですけど、日本でやっていることと変わらないと言えば変わらなかったですね。ただその分、色んな選手と練習する機会が多くて、それが自分の中で一番大きな経験になりました。

例えばコリアンゾンビ(ジョン・チャンソン)のジムは一度のプロ練習に30~40人ぐらい参加するので、あれはいい経験になりました」

──韓国のMMAファイターはタフで打ち合うスタイルという印象が強いですが、そういう選手が多いのですか。

「そうですね。ガンガンスパーやって、筋トレやりまくってみたいな。それでいくと筋トレやコンディショニングへの意識がものすごく高かったですね。もともと身体が強いのもあると思うんですけど、筋トレやフィジカルを鍛えることが文化として根付いていて、そこを強化することが当たり前みたいな感じなんですよ。日本人は筋トレやフィジカルをやる人・やらない人がいると思うんですけど、韓国はそれがないですね。筋トレはやって当たり前、そういう感じでした」

──そのうえでどのような収穫があったのですか。

「自分自身はフィジカル負けすることもなかったですし、勝負していけるなと思う一方、通用するだけじゃなくて、頭一つ抜けないといけないなと思いました。UFCで戦っているチェ・スンウ選手とも練習したんですけど、彼はやっぱり他の選手よりも抜けているなって印象があったんです。だから自分もそのレベルを目指さないといけないなと。

今のパンクラスのフェザー級もランカーは同じようなレベルで競っているので、そこからさらに1段階超えてチャンピオンにならないと、そこから先の舞台には行けないんじゃないかなと思います」

──手応えがある、通用すると思っていても、一歩引いてみれば韓国でプロを目指す選手たちの平均的なところにいるということですよね。

「そうです。10回やって5回勝てる、じゃなくて、10回やって7回、8回、9回、10回勝てる。それぐらい頭一つ抜けないと、この格闘技界を生き残っていけないと感じています」

キム・サンウォンは全然UFCに出ていてもおかしくないレベル

──そして今大会では奇しくも韓国のキム・サンウォンと対戦することになりました。どんな印象を持っていますか。

「基本ストライカーよりの選手で、フィジカルが強い。組みも結構タイミング良くタックルやバックを取ってきたり、RNCも極めてくる選手だと思います。まさに韓国で練習してきた選手の中のハイレベルな選手の1人かなという印象ですね」

──個人的にサンウォンはランキングの数字以上の強さを持っている選手だと思います。

「そうですよね。全然UFCに出ていてもおかしくないレベル、ランカーまではいかないまでも、ランカー手前ぐらいにはいるレベルの選手だと思います。だからこそ今回サンウォン選手に勝ったら本当に大きいと思いますね。ただ、今の僕は負けが込んじゃっているので、ここで負けちゃうと負け数が多くなってきてどうしよう?みたいな感じになるので(苦笑)、ここは勝ちに行きたいと思います」

──いろんなマッチメイクの巡り合わせもあると思いますが、このタイミングでサンウォンと戦えることはモチベーションになっていますか。

「強い相手と戦って勝ちたいという気持ちは常にあるので、こういう相手と巡り会えたことは本当に嬉しいです」

──話せる範囲でどういう試合をイメージしていますか。

「やっぱりストライキングがポイントだと思います。相手は距離を取りながら、ドーン!とワンツーで倒しにきたり、自分が追いかけていったところでタックルに入ってきたり、そういうイメージを持っています。だから相手のやりたいことをやらせないで、自分のやりたいことを押し付ける、プレッシャーをしっかりかけていくみたいな。まあいつも通りなんですけど、そこの精度が上がっていて、倒すイメージを用意してきました」

──反省点や伸ばしたい点があっても、自分の中で「こういう戦いをして勝つ」という信念は崩れてないようですね。

「結局自分って別に運動神経も良くないし、小さい頃からスポーツも得意じゃなくて、格闘技が好きという気持ちや何をやっても恐れないという気持ちで、ここまでやってきました。他の選手みたいに身体能力が高いわけじゃないし、打撃のキレがあるわけでも組技が上手いわけでもないから、自分の強いところを相手に押し付けて勝っていく、勝負していくというのは絶対に変わらないです。

ここから勝ち上がっていくためにも、そこの信念はブレたらいけないなと思うし、その信念はしっかり大切にしながらドンドンドンドンいろんなことができるようになっていきたいなと思います」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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45 AB K-MMA KTT MMA MMAPLANET o Pancrase344 キム・サンウォン ブログ 中田大貴

【Pancrase344】中田大貴と対戦、キム・サンウォン「彼は炎。なら自分は水になって熱を冷まさせます」

【写真】今はしっかりと胡坐をかくこともできます (C)MMAPLANET

30日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるダルヘッダー昼の部=Pancrase344のメインで中田大貴とキム・サンウォンが戦う。KTT所属のK-MMAファイターは昨年のRoad to UFC準決勝敗退後、パンクラスでキャリアの再構築を選択した。
Text by Manabu Takashima

名田英平、高橋遼伍を下したパンクラス3戦目に挑むキム・サンウォンをKTTの壁を使わないレスリング──スタミナ強化の追い込み練習後にインタビュー。試合前はナーバスになるというパンクラスでの戦いに向け、揺るぎない自信をキム・サンウォンは見せていた。


イー・チャア戦は尾てい骨を折っていました

壁を使わないレスリング・スパー。5R×5Rを回すと、摺り上げやその場ジャンプなど地獄の追い込みが待っている

――パンクラスで3戦目。

もうその空気にも慣れましたか。

「歴史のあるプロモーションなので、いつも緊張しています。でも今回の試合はそれ以上にナーバスになっています」

──場慣れしてきたわけでなく?

「言葉では言い表すのは難しいのですが、なんとなくそんな風になってしまっています」

──Road to UFCを経験していても、緊張してしまうものなのですね。

「パンクラスの試合を会場で見ていると、実力者が多いです。なのでRoad to UFCの経験も、それほど自信にはならないです。パンクラスで戦っていると、初心に戻ることができるからこそ、試合に向けてまた緊張をするようになったのかと思います」

──対戦相手も名田英平選手、高橋遼伍選手とマニアがニヤリとするようなファイターとの対戦でした。

「ハードな相手か、ぬるい相手か。自分はハードな選手と試合をしてきたと思いますが、それも上を目指す限り遅かれ早かれ戦うことになっていた選手たちだと思ってきました。なので対戦が決まった相手に集中するだけだという気持ちで戦ってきました」

レスリング、補強のあとはMMAスパー。出来上がっていました

──その2試合のパフォーマンス、どれほど手応えを感じることができていますか。

「反省することが多い2試合でした。決して満足できるような戦いはできていません。だからこそ、貴重な経験になりました。逆をいえば、そういう試合を経験できたことで凄く自信になったので、満足していると考えることもできますね」

──では次に戦う中田選手の印象を教えてください。

「凄くアグレッシブで、タフなファイターです。そして基本を大切にしている。自分も基本を重視しているので、どちらの基礎がより強固なのかが試される試合になると思います」

──中田選手はガンガンと出てくる選手ですが、距離を保つ選手とどちらが戦いやすいですか。

「自分の戦いをどれだけできるか。常にそれが課題になっています。なので、相手がどのように攻めてくるかは深く考えたことはないです」

──圧という部分ではRoad to UFC準決勝のイー・チャア戦は、彼の圧力に下ったように見えた試合でした。1回戦でSASUKE選手をカウンターで倒した時とは、まるで別人のようでもありました。中田選手と戦ううえで、あの試合が活きてくることはあるのでしょうか。

「言いわけになってしまいますが、準決勝のイー・チャア戦の直前に尾てい骨を折ってしまって、本来のパンチは打てなかったです。2日間、座ることも不可能でした。トイレも大変でした(笑)。いずれにせよ、イー・チャアに負けて失った自信をパンクラスで取り戻すことができました。緊張はしているのですが、次の試合も問題ないと自信は持っています。

以前は対戦相手が体調不良だったり、ケガをしていないかという間違った期待をすることもありました。でも今では、中田選手には万全を期して、最高の状態で試合当日を迎えてほしいと思っています。そういう風に思えるようになった時に、試合は相手選手云々ではなく自分の力を出し切るモノだと考えることができるようになったんです」

──なるほどぉ!! 今、パンクラスでキャリアを積んでいる先に何を見ていますか。

「これまでの自分のキャリアは関係なく、新たにパンクラスでキャリアを築いていこうと思って参戦しました。プロとしてメジャーの舞台を目指すのは当然です。今はパンクラスで強い選手と戦い勝利を手にし続けることで、その道が開かれると思っています。同時に今主戦場としているパンクラスのトップを目指すことは当然のことです。ベルトは獲りたいですが、とにかく目の前にある試合に集中して結果を残すことです。

実はパンクラス初戦で勝利した後、すぐに王座挑戦の機会が巡って来ると考えていました。でも、そうでなかった時に自分のなかで焦らず、落ち着いていこうという気持ちが芽生えました。なので先ほどから言って来たように、目の前にある試合に集中しようと思っています」

──タイトル戦を目指し、中田選手とどのような試合をしないといけないという気持ちでしょうか。

「中田選手は殴られて、殴るという炎のような熱い選手です。彼がそうであるならば、自分は水になります。その熱さを冷ましてあげようと思います」

■視聴方法(予定)
6月30日(日)
午後12時00分~U-NEXT

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45 AB MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase344 RYO キム・サンウォン ギレルメ・ナカガワ クレベル・コイケ パンクラス 中村京一郎 中田大貴 佐藤天 佐藤藏ノ介 内藤由良 原田惟紘 平田直樹 諸石一砂

【Pancrase344】九州MMA男児に『NO』なし。原田惟紘がギレルメ・チャイ・ナカガワと対戦!!

【写真】ギレルメが原田と対戦。受けた原田も要注目のバンタム級マッチだ(C)MMAPLANET

4日(火)、Pancraseより30(日)に東京都港区のニューピアホールで行われるダブルヘッダー=Pancrase344&345の昼の部344大会にギレルメ・ナカガワが出場し、原田惟紘と対戦することが発表されている。
Text by Manabu Takashima

原田は当初、同大会でランク10位の谷内晴柾と対戦予定だったが、谷内の負傷で中止となっていた。5年7カ月ぶりのパンクラス再戦が宙に浮いた原田だったが、先の格闘代理戦争―MAX―にクレベル・コイケ→ホベルト・サトシを監督したギレルメと相対することに。


昨年のIBJJFアジア茶帯ライトフェザー級3位、アマMMAで10戦10勝という振り込みで代理戦争に挑んだギレルメは、初戦でTHE BLACK BELT JAPANの諸石一砂を40秒腕十字で斬って落とすも、準決勝で優勝した中村京一郎を相手に3R2分14秒で左ストレートから連打でキャンバスに沈んだ。

しかし、得意の組みを切られ、ボディショットを打ち抜かれるなど劣勢から、右でダウンを奪った追い詰められた時の気持ちの強さでインパクトを残していた。そのギレルメは5月の決勝大会にもワンマッチに出場し、見事なストレートフットロックで佐藤藏ノ介を76秒で一蹴している。

優勝こそ逃したが、絶対的な強さを誇る柔術力と、気持ちが折れない荒々しい打撃――そしてクレベルがいうとことのチャイ(シャイ)で寡黙なキャラも相まって今後のキャリアの積み方に注目が集まっていたギレルメが適正体重=バンタム級でパンクラス参戦。結果として3月から4カ月連続でMMAを戦うこととなった。

代理戦争は3分×3Rの参考マッチ、今回は5分×3RとなりフルパワーMMAもペース配分が必要となってくる。対してMMAの中に柔術を落とし込んだ原田が、大注目株といえどもルーキーとの試合を受けたのは、やはり北九州在住で中央で試合をするために相手を選ぶことはない――というMMAファイター人生の指針を貫いたといえよう。

なお同大会では中田大貴×キム・サンウォンが組まれ、夜の部345大会では内藤由良が佐藤天推薦のディラン・オサリバンと対戦するなど国際戦が2試合、さらに5月25日大会から延期のフェザー級の次期挑戦者決定戦=平田直樹×Ryoがスライドで組まれた30日のパンクラス。漢気などではない、それが地方在住ベテランの習性といえる原田の意地が、ギレルメを相手に爆発するのか。ギレルメが静かに猛攻を仕掛けて、新たな一歩を踏み出すのか。要注目の一戦が、加わった。

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45 AB LFA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase343 Pancrase346 Road to UFC RYO UFC YouTube   キム・サンウォン パンクラス ムハンマド・サロハイディノフ 上田将年 中田大貴 伊藤盛一郎 内藤由良 原田惟紘 海外 神谷大智 西尾真輔

【Pancrase344. 345&346】7/21伊藤盛一郎が防衛戦。6/30内藤由良出場&リッチザウルスはサンウォンと

【写真】存在感をアピールするために変顔をリクエストすると、「変顔はできないですけど、物真似ならできます」とティラノザウルスの物真似をしてくれた中田──会見場が一気に氷河時代に……(C)MMAPLANET

13日(月)、東京都新宿区のサンエービルで25日(土)に港区のニューピアホールで開かれるPancrase343出場5選手が出席した会見第一部に続き、6月30(日)に同所にて開催されるPancrase344&344に出場する内藤由良、キム・サンウォン戦が決まった中田大貴、そして直接対決となる西尾真輔と神谷大智に加え、7月21日(日)に立川市の立川ステージガーデン大会=Pancrase346でムハンマド・サロハイディノフの挑戦を受けるフライ級KOP伊藤盛一郎が出席した会見第2部が行われた。
Text by Manabu Takashima

ここでは出席した5選手の会見冒頭における挨拶とMMAPLANETの質問への返答に特化して、同会見の模様をお伝えしたい(要約)。

神谷大智
「自分のやるべきことをしっかりとやって、勝ちたいと思います」

西尾真輔
「今回、勝つと負けるのとじゃ凄く違ってくると思うので。今回は泥臭くても、何が何でも勝っていきたいと思います」

中田大貴
「前回の試合、キャンセルになっちゃってどうしようかと思っていたら、パンクラスの方からゴツイ相手を用意していただいたので自分の全てを出してぶつかって行こうと思います」

内藤由良
「チャンピオンになってから2年振りの試合になるんですけど、世界で戦っていく準備等々──紆余曲折、色々とあった2年でした。最後にパンクラスで試合をしてから、今年中にはUFCに参戦できるようにやっていきたいと思います。まず第一ステップとして、相手はまだ誰になるのか分からないのですが、しっかりと倒して、しっかりと今年は世界に向かっていきたいと思います」

伊藤盛一郎
「パンクラスさんがまた強い海外の選手を連れてきて、今ランキング1位にとても強い選手がいるんですけど、ぶちのめしたい。勝って今後、皆に違う舞台で試合を見たいと言ってもらえるような試合で勝って盛り上げていきたいと思います」


──伊藤選手と内藤選手、前回の試合から目指していたところがあったかと思いますが、結果としてこのタイミングでパンクラスで再び戦うことになった。そこへの意気込みの方をお願いします。

伊藤 前回の試合が終わってチャンピオンになってから、自分もRoad to UFCにエントリーして──通らなかったのですけど、チャンピオンになってから世界へという違う道が見えてきて。今回、海外の選手とやれるんで。この試合が自分の実力を試す良い場なのかと。ここで負けているようじゃ、Road to UFCに行ってもダメだっただろうし。世界に出て行っても、どうせ勝てないと思うので。ここでしっかりと勝って、グランドスラムから世界で戦っていける選手になりたいです。

内藤 パンクラスは想い入れのある団体でもあるし、前回の試合が終わってから海外のマネージメントとは契約をさせてもらいました。でもなかなか試合の機会……例えばLFAとかUAW Warriorsだったりだとか。あの辺との掛け合いとかもあったんですけど、決まっていた試合がなくなったり、色々と様々な問題があって……。これから世界に出ていくには、どうしようかなと考えた時に、とにかく試合をしないと。格闘家なので試合をしないと始まらないので、何か1つアクションを起こすとして、さまざまな色んな声があるなか、最後はパンクラスでやらせてくれるということだったので。ここでしっかりと勝って、世界に向かいたいと思います。

──中田選手、会見の第一部でフェザー級挑戦者決定戦を戦う2選手がいました。そこを見て、ご自身の現状とこの試合に向けての気持ちを教えていただけますか。

中田 ちょっと前と比べると、大分ランキングも落ちちゃって(笑)。試合も1年振りになっちゃって、悔しい想いをしているんで。平田選手とRyo選手の試合ももちろん注目していますし、とにかく今は勝ちたいという気持ちが強いです。ずっと苦しい気持ちでいたので、まずは勝ちたいです。

──神谷選手、BRAVEジムの先輩と後輩には他競技で実績を伸している選手達が一気にステップアップを果たすような形で試合をしています。対して神谷選手は、パンクラスでコツコツとキャリアを積んできました。派手な後輩たちと、ご自身のキャリアの積み方の違いをどのように捉えていますか。

神谷 ジムの後輩たちは派手にKOしたり、派手に勝ったり、色々と魅せ方もありますけど、強さも持っているので。そこは僕も羨ましいと思います。対して、自分は地道に勝っていてレコードは良いかもしれないですけど、魅せ方としてはアマチュアというか、まだダメだという面もあると思います。でも自分は自分なので。先輩として後輩たちに強いところを見せていく、回りの人たちにもこの戦い方でも違う意味で華があるよう魅せていけるような選手になっていきたいです。

また6月30日のニューピア大会は上田将年×眞藤源太のフライ級戦、谷内晴柾×原田惟紘のバンタム級戦など他4試合も明らかとなっている。上田&原田、筑豊パンクラシストの揃い踏みとなる。

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45 K-1 MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase341 PRIDE RIZIN YouTube キック ゴイチ・ヤマウチ シュウジ・ヤマウチ パンクラス フェルナンド ベラトール ボクシング 中田大貴 久米鷹介 鈴木陽一 雑賀ヤン坊達也

【Pancrase341】中田大貴と対戦、碧南在住シュウジ・ヤマウチ「日本で王者になるために帰ってきた」

【写真】取材が行われた2月26日は、まだ少しふっくらとしていた。通訳は碧南市に住むシュウジの叔母さんが務めてくれた。ありがとうございます(C)SHOJIRO KAMEIKE

31日(日)に東京都立川市の立川ステージガーデンで開催されるPANCRASE341にて、シュウジ・ヤマウチが中田大貴と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

ellatorで活躍するゴイチ・ヤマウチの従兄弟であるシュウジは、愛知県碧南市で生まれた。5歳の時にブラジルへ渡った後、柔術とキックボクシングを始め、MMAを戦うようになる。日本初戦となった2022年12月の雑賀ヤン坊達也戦では、TKO負けを喫したものの、序盤は組みで雑賀を苦しめている。そんなシュウジが名古屋市のALIVEで久米鷹介と練習しているという。なんとシュウジは日本で戦うために、碧南市に帰ってきていたのだった。


――今日はALIVEで久米選手との練習を取材させていただきました。ALIVEで練習し始めたのは、いつ頃でしょうか。

「初めてALIVEに来たのは去年の11月だったと思う。キッカケは名古屋の柔術大会会場で、叔父がスズキさん(鈴木陽一ALIVE社長)に声をかけたんだ。ベラトールにゴイチが出た時、同じ大会にカトウさん(加藤久輝)に出ていて、叔父もスズキさんのことも知っていたからね。その時にはもう僕が日本に来ることは決まっていて、叔父がスズキさんに『シュウジが日本に来たら、また挨拶しに伺います』と伝えたと聞いている。それがキッカケで、僕もALIVEで練習させてもらうようになったんだ」

クメサンハムニダと

――では久米鷹介選手と一緒に練習した感想を教えてください。

「すごく強い。打撃も、グラップリングも――とにかく強いんだ(笑)。最高の練習パートナーだよ。碧南市からALIVEまでは車で1時間以上かかる。特に夜は渋滞もあるから、もっと長いドライブになることもある。それだけ時間をかけてもALIVEに来て、クメさんと練習することには大きな価値があると思っている」

――日本にいる間は、生まれ育った碧南市に滞在しているのですか。

「いや、今は日本に住んでいるよ」

――えっ!? 雑賀選手と対戦した時は、ブラジルから来日していましたよね。

「去年の9月、日本に移住したんだ。日本でMMAの試合をすること、そしてチャンピオンになることが小さい頃からの夢であり、目標だった。まず2022年にパンクラスで、その夢を叶えるチャンスをもらうことができた。ただ、試合のたびにブラジルから来ると、プロモーター側にとっては航空チケットなど金銭面でネックになることは多いよね」

――はい。そのとおりですが……。

「僕は日系ブラジル人3世だ。5歳まで碧南市で育ち、今も日本に親戚が住んでいる。だから日本に移住して、親戚たちと生活しながら日本で戦うことを決めたんだよ。ブラジルでも試合のチャンスはあるだろう。でも僕は、どうしても日本で試合をしたかった。日本でMMAのチャンピオンになる――子供の頃に抱いた夢が、ずっと頭の中から離れなかった」

――では現在、日本でどのような生活を送っているのでしょうか。

「生まれ育った碧南市で親戚と一緒に暮らしている。仕事は碧南市の隣、西尾市にあるオガワジムでキックボクシングとMMAのインストラクター、コーチをしているよ」

――生まれ育った街で親戚の方と生活するので、ブラジルのご家族は安心でしょう。一方でブラジルのチームメイトからは、シュウジ選手が日本へ行くことについて残念がる声は聞かれませんでしたか。

「チームメイトたちも応援してくれている。みんな、僕の夢を知っていたからね。日本に住んでいたほうが試合も組まれやすいし、そのぶんチャンピオンに近づくことができることを理解してくれているよ。それとチームメイトは僕が日本で頑張ることを、自分たちの可能性の一つとして考えている。僕が日本でチャンピオンになれば、ブラジルの仲間たちも同じように日本で試合をすることができるかもしれない。そのためにも僕は日本で戦うんだ」

――もし雑賀選手に勝っていたら、ブラジル在住でも日本のMMA団体からオファーがあったと思いますか。あるいは、勝っていても日本に来ることになっていたでしょうか。

「前回の試合結果は関係ない。もともと日本でMMAを戦うという夢があったし、それはずっと変わらないからね。もしサイガに勝っていても日本に移住していたと思う。前回、日本の空港に降り立った瞬間に、子供の頃の夢が一気に蘇ってきたんだ。その時に僕は『絶対に日本でチャンピオンになる。そのためにまた日本に来る』と心に誓ったよ。

初めてPRIDEを見た時から今でも、僕の中ではずっと日本の格闘技が一番なんだ。それは自分が生まれた国だから――という以上に、僕の中で変わらない想いだ」

――なるほど。もともとシュウジ選手が柔術を始めたのは何歳の時なのですか。

「僕が10歳の時だった。柔術はクリチーバのアカデミア・アリーナで、フェルナンド・ヴィエイラから教わったんだ。もともと叔父たちがグレイシー・ファミリーやPRIDEの大ファンでね。彼らの影響で僕とゴイチも格闘技が好きになり、柔術をやってみたいと思うようになった。

綺麗なフォームの左ハイ

14歳になってキックボクシングも始めてから、K-1 MAXも視るようになったよ。

僕は魔裟斗のファンなんだ。彼のファイトスタイルが大好きで。魔裟斗だけでなく、当時のK-1 WORLD MAXに出ていたファイターのことは、みんな大好きだったね。素晴らしいファイターばかりで、彼らのテクニックをずっと視てきた」

――14歳の時からキックボクシングをやっていて、MMAよりもキックボクシングをやりたいという気持ちはなかったのですか。

「もともとMMAをやりたかったから、柔術だけじゃなくキックボクシングも学んだんだ。最初はキックボクシングと柔術を組み合わせたものがMMAだと思っていたからね(笑)。キックのキャリアはアマチュアを含めて28勝1敗で、最後の試合は2012年だったかな。もちろん勝っているよ」

――そのキャリアを知ると、日本のK-1やキックボクシング団体からもオファーが来るかもしれないですね。

「アハハハ。またキックボクシングの試合もやってみたいね」

――では前回の雑賀戦の内容と結果について、今はどう捉えていますか。

「あの試合はサイガが勝った。彼が勝利のチャンスを掴んだ。それだけだよ」

――何か敗因は……。

「自分はもっと良い試合ができたと思う。彼はライト級で、僕は本来フェザー級で――いや、この話はやめよう(苦笑)」

――階級差、体格差は敗因の一つだと思いますか。

「まぁ、負けは負けだよ。敗者が言えるのは、勝者への『おめでとう』だけさ」

――素晴らしい言葉です。雑賀戦については、これ以上は聞かないことにします。ただ、今回はフェザー級戦であり、シュウジ選手にとってはフェザー級がベストということですね。

「自分としてはフェザー級が最適な階級だと思っている。だけど前回はライト級での試合だったことを負けた理由にはしたくない。僕はライト級での試合オファーを受け、しっかりと練習した末に負けたんだからね」

――むしろフェザー級のシュウジ選手がライト級1位であった雑賀選手を、あそこまで追い詰めただけに本来の階級での試合が楽しみです。

「おぉ、ありがとう。次の対戦相手はランキング6位だ。一つひとつ勝って、チャンピオンになるよ」

――その中田選手について、ファイターとしての印象を教えてください。

「良い選手だね。でも試合を視てみると、自分のほうが上だと感じている。トップからでも、ボトムになっても自分のほうが強い。とにかく良い試合になることは間違いないよ。そして僕は、いずれ必ず日本でチャンピオンになる」

――ではシュウジ選手にとって、MMAを戦ううえで最終的なゴールは何なのでしょうか。パンクラスでチャンピオンになった後は……。

「う~ん、これは言っていいのかな?」

――ぜひとも、言いたいことは言ってください。

「パンクラスのチャンピオンになり、そのベルトを持ってRIZINに出たい。そしてRIZINのチャンピオンにもなりたいんだ」

――今なぜ、RIZINの名前を出すことを躊躇したのでしょうか。

「今回はパンクラスで戦うわけだから、そこで他のプロモーションの名前を出すのも……ね。だけど一番は――先のことばかりを考えていると、目の前にある次の試合にも勝つことはできない。まずはナカダに勝ち、一つひとつステップを踏んで、ゆくゆくは日本でチャンピオンになる。僕は、そのために日本に帰ってきたんだ」

■視聴方法(予定)
2024年3月31日(日)
午後1時00分~ U-NEXT 、PANCRASE YouTube メンバーシップ

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