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【ONE FN13】タイ・ルオトロ、ダギから1試合で2度(?)タップを奪って快勝

<サブミッショングラップリング180ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def.2分37秒 by RNC
ザイード・フセイン・アサラナリエフ(トルコ)

上下に身体を揺らしてテイクダウンのフェイントを入れるルオトロ。アサラナリエフはルオトロの頭をとって組に行こうとする。ルオトロはわざとアサラナリエフに背中を見せ、内股からの足関節を狙うムーブを見せる。これを警戒してアサラネリエフはなかなか組みつけない。

そこにルオトロはアサラナリエフの左腕をオーバーフックにとって投げを狙い、アサラナリエフが踏ん張ったところで、自ら前転して左足に足関節へ。これが抜けるけどすぐに横三角を狙い、再びアサラナリエフの左足をとって外ヒールを極める。ここでアサラナリエフがルオトロの身体を叩いてタップの意思表示……と思いきや、試合は続行。すぐにルオトロがアサラナリエフのバックを取ってRNCを極め、改めてタップを奪った。試合後、ルオトロはグラップリングでの王座戦をアピールするとともに5万ドルのボーナスを獲得した。

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【ONE FN13】ラカイの新エースと対戦、遅れてきた草原のルーキー=エンフオルギル「少し緊張しています」

【写真】34歳のオルギル、既に非常に多くのことを経験してきたように見える(C)ONE

5日(日・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN13「Allazov vs Grigorian」のオープニングマッチでエンフオルギル・バートルフーが、ジャンロ・マーク・サンジャオと戦う。
Text by Manabu Takashima

大量離脱後にチームラカイのエースとしての自覚が芽生えたジャンロと、ジャダンバ・ナラントンガラグ門下のオルギルことエンフオルギル──一回り以上違う、ジャンロとの戦いの前に話を訊くと、やはりそこはモンゴル勢、非常に朴訥とした返答のオンパレードだった。


──土曜日の朝、ジャンロ・マーク・サンジャオとの試合が控えていますが、今、どのような気持ちですか。

「少し緊張はしていますが、もの凄く緊張しているわけではないです」

──オルギルは昨年のRoad to ONE Mongoliaで優勝してONEと契約、ONE FFで2連勝してから本戦デビューとなりました。同じルンピニーでの試合ですが、何か気持ちで違いはありますか。

「FFで2度戦った時は、それほど緊張はしなかったです。今回はONEの大きな大会になるので、皆の期待も大きいです。相手が期待の若手ということもあり、FFの時より少し緊張しています」

──その期待が大きいというジャンロは6勝0敗、全て1Rでフィニッシュしています。彼の実力をどのように評価していますか。

「全ての試合で1Rで勝っている強い相手です。自分にそのような経験がないので、自分にはない何か良いモノを持っているのでしょう。ただし、そういう強い選手と戦うので負けないようにしっかりと準備はしてきたつもりです」

──ではオルギルは、自身のどこがジャンロに勝っていると言えますか。

「そこは実際に肌を合わせたわけではないので、相手の実力がどのようなものが分からないのというのが正直なところです。試合が実際に始まって、初めて分かるモノかと思うので、今の段階では自分のどこが彼より優れているのかは答を持ち合わせていないです」

──ONE FF初戦の相手アドニス・セビジェーノはジャンロと同じチームラカイの選手でした。ラカイではオルギルのことを研究するのも2度目度のはずです。

「アドニスには判定勝ちをしましたが、もうジャンロは自分のことを理解しています。同時にジャンロはアドニスよりも自分の方が強いと思っているだろうし、苦も無く勝てると自信を持っているはずです。私としては負けているところはないと思っているので、頑張ります」

──4月と5月の試合の合間はタイで練習していましたが、今回は?

「今回に関してはモンゴルで準備をしてきました。ナラントンガラグ先生の下、チームメイト……若い選手たちと練習してきました。今、モンゴルは凄く良い季節ですし、しっかりと練習できたと思います」

──シャンダスMMA所属選手には日本のグラジで活躍するダギースレンがいて、ニャムジャルガルがRoad to UFCのワンマッチながら2大会連続で試合をします。彼らとオルギルと海外で戦う選手もいて、ジムには勢いがあるのではないでしょうか。

「チームの雰囲気は凄く良いです。今、海外で試合をしている選手だけでなく、将来は外国で戦いたくて練習をしている若い選手もいます。互いがパートナーとして力を出し、ナラントンガラグ先生も経験に基づいた指導をしてくれるので、チーム全体で強くなっています」

──FFより重要になる一戦かと思います。どのような試合を皆に見せたいですか。

「きっと激しい試合になると覚悟しています。ナラントンガラグ先生の指示をしっかりと訊いて、自分の持っているモノ全てを出して戦います」

──ニャムジャルガル、テムーレン、ダギースレンの活躍でモンゴル人ファイターに注目ししている日本のファンに一言お願いします。

「モンゴルの選手に興味を持ってくれて、感謝しています。良い試合をしたいと思うので、期待してください」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN13対戦カード

<ONEキックボクシング世界フェザー級選手権試合/3分5R>
[王者] チンギス・アラゾフ(アゼルバイジャン
[挑戦者] マラット・グリゴリアン(アルメニア)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者]ジャレッド・ブルックス(米国)

<キック・フェザー級/3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ダビット・キリア(ジョージア)

<135.5ポンド契約/5分3R>
ジョン・リネケル(ブラジル)
キム・ジェウン(韓国)

<118ポンド契約/3分3R>
スーパーガール・ジャルーンサックムエタイ(タイ)
ララ・フェルナンデス(スペイン)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)

<サブミッショングラップリング180ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
ザイード・フセイン・アサラネリエフ(トルコ)

<ムエタイ174ポンド契約/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ナウゼット・トルヒーリョ()

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ジャンロ・マーク・サンジャオ(フィリピン)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)

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【ONE FN13】マイキー・ムスメシに挑戦、ジャレッド・ブルックス「次はロッタンからベルトを奪う」

【写真】モンキーゴッドがマイキーとどのようなグラップリングを見せるのか。攻防が生まれるのか楽しみ (C)MMAPLANET

5日(日・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN13「Allazov vs Grigorian」のコメインでジャレッド・ブルックスが、マイキー・ムスメシの持つONEサブミッショングラップリング世界フライ級王座に挑戦する。

ブルックスといえばMMAの世界ストロー級王座に君臨しており、競技間を越えたチャンプチャンプ対決となる。過去にONEではミドル級王者のライニア・デリダーが、ノンタイトルでタイ・ルオトロと対戦し3-0で判定負けを喫しているが──ブルックスに勝機はあるのか。

MMAファイターでなく、マーシャルアーチストとしてあらゆる競技で戦えると豪語したブルックスの野望と自分への信頼感とは。


──まさかグラップリングマッチに出場するジャレッドをインタビューすることになるとは、マイキー・ムスメシ戦が発表になるまで思ってもいませんでした。

「半年間ずっとMMAの練習をしてきて、3週間前に急転直下という感じでサブミッショングラップリングの練習に切り替えた(※取材は7月25日に行われた)。でも、ずっとMMAのトレーニングをしてきたから体の調子は最高の状態を保っている。世界最高のグラップラーと戦うことに対して、体もそうだし、僕の柔術、マーシャルアーツに関しても超自信を持っているよ」

──つまり3週間前にオファーがあったわけですね。

「たった3週間前のオファーでもマイキーのような相手と戦えることは、素晴らしい機会だよ。それに歴代最高のグラップラーにとっても、僕はタフな相手になると信じている。何よりサブミッショングラップリングの世界王者と僕が戦うことは、ONEにとっても良いことだと思う。そういう貴重な試合を僕も望んできたからね」

──パウンドがあれば別でしょうが、パウンドなしでどのように戦うのか。サブミッショングラップリングでマイキーとやり合える自信の根拠はどこなのですか。

「どんなゲームにも勝機はある。だから、このチャンスに跳びついた。皆、僕はマイキーに敵わないと思っているだろう。だからこそ、自分が何者であるかを証明する絶好のチャンスだ。僕は誰も恐れない。どのマーシャルアーツの流儀で戦おうが何も怖いものはない」

──ところでグラップリングの試合にでたことは?

「柔術はあるけど、ノーギはない。でも、ずっとノーギの世界チャンピオンと練習してきた。それも体格でずっと僕より大きな相手と。もちろん、マイキー・ムスメシと同じだとは思っていないよ。でも、今回の試合ではこれまでMMAで見せてきたジャレッド・ブルックスとは違い──そんな僕の一面を見せたいと思っている」

──マイキーは柔術家として万能ファイターです。そして、彼のレッグロックはMMAファイター対して非常に危険かと思われます。MMAが本職のジャレッドにとって、リスキー過ぎませんか。

「いかなるファイトにもリスクは付きまとうよ。MMA──コンバットスポーツは骨を折り、失神し、命を落とすかもしれない戦いだ。それに足関節に関しては、僕は凄く足が小さいから、ニーラインを攻めることは簡単じゃないよ。

実はさ、ATTでタミ・ムスメシと練習していた時期があるんだ」

──えっ、そうなのですか!!

「そうマイキーのお姉さんとね。だから何だって話なんだけど、彼女とロールしていた。とにかく……だよ。この半年間、僕は試合がしたくてしょうがなかった。ずっと準備をしてきたんだ。一方でマイキーはマイキーで、彼のヒザ十字、ストレートフットロック、ヒールフックを怖がる連中ばかりで試合が成立しなかった。

僕はマイキーとの試合よりも、自分の人生の方を気にかけている。自分が如何に生きるのか。そのなかでマイキーの技が危険だから戦わないという気持ちよりも、この素晴らしいグラップラーと戦える機会を逃してならないという気持ちの方がずっと強い。ライアン・ゴードン、マルセリーニョ・ガウッシアと戦えと言われて、ノーと返答できるか? それならグラウンドワークなんて練習しなければ良いんだよ。

ジョシュア・パシオと戦ってから、試合をする機会がなかった。僕の階級の選手が、挑戦表明をしても。僕は毎月だって戦いたい。ストロー級の誰とだって戦う。試合をしないと、成長なんてできない。そして、僕と戦いたいとアピールしてきたストロー級……フライ級の選手だってそうだ。ヤツらはマイキーとの試合を断ったんだ。それで僕に挑戦したいなんて──。アイツらが僕と戦いたいといった口を塞いでやりたいよ。

だいたいデメトリウス・ジョンソンだって、マイキーとの試合を受けなかった。アドリアン・モライシュも、だ。僕は3週間前のオファーで、マイキー・ムスメシと顔を合わせる。皆に戦いを見てもらう。これは試合ではない、戦いだよ。マイキーが過去に経験していないサブミッショングラップリングマッチをやるつもりだ」

──それはどういう戦いになるのでしょうか。

「僕はマイキーより体力があって、スピードも全然上だ。そんな試合を彼は、過去に体験したことがない。だから、これまでONEで戦ってきたサブミッショングラップリングとは別種の戦いになるはずだ。マイキーは本当に素晴らしい技術を持っているけど、スローだ。Kガードからバックスイッチ、50/50──彼は80/20って呼んでいるよね。常にヒザに標準を定め、素晴らしい動きを見せてきた。でもね、僕のヒザが彼のベルトラインの外側にある場合では、そんな技術も無力だ。

それこそが僕が彼を仕留める第一歩となる。ただし、僕がこの試合でやるべきことはフィニッシュすることじゃない。まずは僕が歴史上最高のグラップラーとやりあえることを証明することだ。もちろん、やり合っていると極めるチャンスも生まれる。マイキーとのサブミッショングラップリング戦は、僕がマーシャルアーチストとしてどのような戦いにおいても優れていることを証明する戦いになる。

現時点では僕がアンダードッグだよ。なら戦って、証明するしかない。この試合で僕は勝てるかどうか分からない。でも、ジャレド・ブルックスがMMA以外のベルトを狙う姿勢を持っている意思表明と受け手ってほしい。マイキーのベルトに取り、次はロッタンからベルトを奪う」

──……。

「何を言っているだって思っただろう? いや、皆そうなんだ。でも、僕がイカれたヤツじゃないことをマイキーとの試合で分からせる。僕はMMAの世界チャンピオンで、サブミッショングラップリングでも、ムエタイでも世界チャンピオンになれる技量を持っている。

結果としてマイキーには勝てないかもしれないよ。それでもタイトル戦という真剣勝負に挑むことで、僕のグラップリング技術は格段に成長した。短期間でも、練習するだけなのとは比較にならないほど磨かれた。MMAファイターとして、非常に有益な時間を過ごせたよ。次にMMAを戦う時、この経験を経たジャレッド・ブルックスの姿を皆に披露できるだろう。

レスリング・ブルックスでなく、柔術ブルックスをね。もちろん、これからもパウンドしまくる。ただ、ずっと柔術もやってきた。今でもMMAで僕の柔術を見せて勝つことだって可能だ。これまでの試合では……MMAとして勝つために柔術でなくパウンドを選択してきただけで。だから皆はマイキーとの試合で僕をアンダードッグと予想した。でも、マイキーは怖くもなんともない、8歳からずっとやってきた僕のマーシャルアーツを見せる」

──ジャレッド、その言葉を聞くだけで楽しみになってきます。では最後に日本のファンに一言お願いします。

「日本で戦った経験がなければ僕はUFCファイターにも、ONEファイターにもなれなかった。僕はいつも……いつまでも日本の皆への感謝の気持ちを忘れない。アリガトウゴザイマス」

■放送予定
8月5日(土・日本時間)
午前9時00分~ABEMA格闘チャンネル

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o ONE タイ・ルオトロ タン・リー

ONE Fight Night12:セミファイナル・ゲイリー・トノン vs. シャミル・ガサノフ

フェザー級。トノン2位、ガサノフ5位。

昨年3月、タン・リーにタイトルに挑戦したトノンだが、足関を仕掛けたところにパウンドをもらってKO負け。その後はグラップリングマッチで新世代グラップラーのタイ・ルオトロにダースチョークで一本負けしたが、今年1月の再起戦ではジョニー・ムニョスに一本勝ち。31歳。

ガサノフは昨年10月のONEデビュー戦でかつてのランカー・キム・ジェウォンに1Rチョークで一本勝ち。その1試合のみでランキング入り。パンクラチオングラップリングのロシア王者。13戦全勝の27歳。

いきなりタックルに入ったトノン。首を抱えてがぶったガサノフ。トノン引き込むように下になるが、がぶりから頭部に膝を入れていくトノン。連打。トノンがぶられたまま立つ。また膝を入れるガザノフだが、トノン脇をくぐってバックに回る。背中に乗って四の字バックを狙うが、片足のフックを外したガサノフ。コーナーで正対しようとするガザノフ。ガサノフは両手でトノンの右腕を掴んでディフェンス。コーナーを背負って正対したガサノフ。しかしトノンボディロックからテイクダウン狙い。膠着気味。ボディに膝を入れるトノン。ホーン。

2R。トノンがミドル・前蹴りで出る。ガサノフタックル。テイクダウン。ガードを取るトノン。パスを狙いつつパウンドを入れハーフに。ディープハーフで潜ろうとするトノンだが、ガサノフ膝。立ったトノン。ガサノフバックに回るが、トノン前転して膝十字。けっこう深いがズレているのか?しかしうつ伏せで逃げようとしたガサノフタップ!

トノン必殺の足関でフィニッシュ。ガサノフはキャリア初黒星。

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F1 MMA MMAPLANET o ONE ONE FF10 タイ・ルオトロ ライニア・デリダー

【ONE FF10】負けて良い戦いはない。立ちレスに拘ったタイ・ルオトロ。受けて守るデリダーを3-0で下す

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def.3-0
ライニア・デリダー(オランダ)

計量時の体重差は約4.2キロほど、見た目ほど違いはないがフレームの差はハッキリしている両者。圧を掛けていくタイが、スナップダウン。シングルから上を攻めようとしたタイは、すぐに離れる。首相撲から離れたデリダーに対し、タイがツーオンワンからバックを伺う。ウィザー&胸を合わせて耐えたデリダーのテイクダウンを仕掛けるが、タイが切る。

アームドラッグでいなしシングルも、そのまま頭を下げることはないタイが、ケージ際で体を入れ替えるが、押し込むことはなく離れる。シングルを切られたタイがフェイクを仕掛けるも、デリダーは動じることなくドンと受けのファイトを展開する。

4分間立ちレスが続き、タイがシングルレッグからケージへ。デリダーは逆にバックを伺うが取れない。さらに1分が好き、デリダーがケージに押し込む。右腕をしっかりと差したデリダー、タイが切り返してボディロックへ。デリダーは上手投げも、倒せない。タイは頭を抱えて投げを狙ったデリダーのバックに回る。胸を合わせたデリダーに対し、タイが必至に組みに行く。

差し合いが続き、デリダーに注意が入る。ダブルレッグからドライブも倒せないタイは、逆にケージに押し込まれる。押し返したタイがケージに詰め、ボディロックから足を抱えにいく。小手で投げにいったデリダー、同体で前方に崩れかけすぐに立ち上がる。残り30秒、シングルのタイがギロチンのデリダーをテイクダウンする。スクランブルでタイがアームインギロチンもデリダーが体を起こして耐える。最後に引き込みから足関節を狙ったところで時間に。

ルオトロ兄弟の目指す、エンターテイメント性のある組み技戦は実現できなかった。「ライニア、試合を受けてくれてありがとう。思ったより背が高かった。言い訳はしない、やりたいことができなかった。次? また大きな相手と戦いたい。それがいつもゴールだよ」とタイは息を切らして話した。


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【ONE FN10】MMA王者デリダー組み技戦、タイ・ルオトロ─02─「コンバット柔術ルール? 悪くない」

【写真】ナチュラルでも、こうなれる (C)ONE

既にイベントが開始されているONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦するタイ・ルオトロ・インタビュー後編。

若年層にも蔓延しつつあるステロイド使用に警鐘を鳴らしたタイ&ケイドのルオトロ兄弟がアグレッシブなグラップリングに関して熱弁を振るった。

<タイ・ルオトロ・インタビューPart.01はコチラから>


──と同時に参加型のグラップリングや柔術ですら、勝利を手にするために禁止薬物に手を染めるなか、タイやケイドたちはグラップリングがプロスポーツとしてよりメジャーになり、競技生活によって得るモノを増やそうと努力をしている。そして、そのような世界が実現するとより禁止薬物を使用する選手が増えることも容易に想像できます。

「だから、僕らのようなナチュラルな選手がジューサーを破ることで、子供達の手本になりたい。僕らが子供のとき、いつだって好きな選手はディアス兄弟だった。彼らは爆発力がもっともある選手じゃなかった。でも、ストロイドを打っている選手を相手に最高のパフォーマンスを見せていたから」

ケイド 今の柔術界はジュベニウでもステロイドを使用しているティーンがいる。僕らはステロイドを使わず、自分の力でもやれることを彼らに見せたいと思っている。

──ところで柔術家同士の対戦は両者が防御力に優れ、重厚な攻防になる一方で取られないことを第一に考える選手が多い。そのためにONEでは柔術家とMMAファイターやサンビストとの対戦を増やしているようにも見受けられます。柔術家同士の対戦が、一般受けするようなエキサイティングな試合になることは難しいでしょうか。

セレモニアル・フェイスオフでシングルレッグを仕掛けて、大笑いしたタイ。楽しんでいる

「柔術は退屈な試合にいくらでもある。

それは今言ったように守り重視だからだ。対してMMAファイターはより攻めてくる。今回の試合でもライニアは絶対に攻めてくるだろう。だから僕は彼をコールアウトしたんだ。観客の皆にとって、良い試合ができる相手だから。彼の攻めのプレッシャーのなかで、僕はベストを尽くして戦う」

──ケイド、6月にはトミー・ランガカーを相手にライト級王座の防衛戦が控えています。ランガカーもサンビストやMMAファイターと戦う時はアグレッシブに攻めるかと思います。その一方で、ケイドを相手になるとそのリスクを背負ってくるのか。

ケイド 僕らはいつだってフィニッシュして、エキサイティングな試合をしたいと心掛けている。だから、そこがいつも問題になってくるんだ。トミーは柔軟で強いガードファイターだ。マテウス・ガブリエル戦と似てくることも十分にある。でも、僕が一本勝ちを狙うことは間違いないよ。

──高い防御力を生かして攻める。それが一番の理想かと思いますが、前回のタミー・ムスメシとビア・バシリオ戦ではレフェリーが一瞬のスクートにブレイクを掛けるシーンが続きました。あれはあれでレフェリーが試合に介入し過ぎで、見ていて気持ちの良いモノではなかったです。

「座っている選手を立たせるのは、悪いことじゃないと思っている。僕らはアルティメット・スク―ティング・チャンピオンシップを戦っているわけじゃないから(笑)」

──アハハハ。

ケイド そうでしょ?(笑)。座って、何も起こらないモノを見たがる人はいない。

「確かにガードワークからは素晴らしい技が繰り出される。そこからアタックする場合はね。そういう美しい動きが見られるのは楽しいよ。でも、何をしないのならレフェリーが立たせることは問題ないと思う。なぜ、皆がガードを取るか。それはパスガードが難しいから。安全に戦いたいんだ」

ケイド だからガードって呼ばれているんだよ。

「多くの選手がガードを駆使し、時間とにらめっこという退屈極まりない試合をしようとする。テイクダウンでなく、座った選手を立たせるのは悪くない。ただし、そこに至るまでにレフェリーももう少し展開を見ても良いんじゃないかと思う」

──ハーフを取って足に触れているのに、ブレイクを命じたこともありました。そうやって立たされ続けるということは注意が入っているのと同じで。でも勝ったのはタミーだった。これはもう見ている人が戸惑うばかりです。なぜ、評価された動きをしているのにブレイクが入るのかと。

「それはそうだね。ガードから攻撃も柔術の醍醐味だから」

ケイド 攻めようとガードを一方が取り、また上の選手も攻めようとすることで攻防が生まれる。そうでない展開なら、ブレイクを命じるべきだよね。攻める気がないなら、立たせれば良い。

──ADCCでは逆にスクートした選手から、上の選手が3歩以上離れるとペナルティが与えられています。

「そうペナルティだ。MMAだと下になった選手が、ただ柔軟性を生かして防御に徹するなら──上の選手はパンチを落とせるよね。柔術はそれが許されない。だからさ、コンバット柔術のように下の選手が何もしないなら、掌底をバンバン入れてやれば良いんだよ(笑)。そうすれば、上の選手はもっと攻めやすくなる。僕らはエキサイティングな試合がしたいから、防御に徹せられるとイライラすることは確かだからね」

──ルオトロ兄弟はコンバット柔術の実現をチャトリに提言しますか(笑)。

「それは悪いアイデアじゃないよ(笑)」

ケイド ライニア・デリダーとコンバット柔術で戦えば良いんだよ(笑)。

──タイ、ケイド、いつもありがとうございます。最後に日本のファンに一言お願いします。

「モシモシ。アリガト。いつも、応援ありがとう」

ケイド アリガト。サヨナラ!!

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

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【ONE FN10】米国デビュー、アジアの顔スタンプ・フェアテックス「しっかり踊って、打撃も見せる」

【写真】アジアン・グッドシェイプなスタンプに対し、アンダーソンのバキバキさがアメリカン (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」でスタンプ・フェアテックスが、アリス・アンダーソンと対戦する。

アジア在住アジア人MMAファイターとして、今大会唯一のメインカード出場となるスタンプ。いわば米国路線で、アジアの顔として活躍するスタンプは米国デビューに向け、相当にダンスに力を入れていることが伺えた。


今回はいつにも増して「マイペンライ」さが目立っていたスタンプ

──アリス・アンダーソンと今週土曜日に対戦します。今の気持ちを教えてください(※取材は1日に行われた)。

「ONE初の米国大会で戦うこと、米国で初めて試合をすることが凄く嬉しいわ」

──アジアの時間帯から、時差の大きな米国での試合に向けてコンディションの方はいかがですか。

「標高の高いデンバーに慣れるために、4月9日にやってきて。試合まで1カ月をデンバーで過ごしてきたけど、最初の1週間は時差ボケが大変だった。一晩中眠ることができなかったり。それに息もすぐに切れて、練習に慣れるのが大変だった。そこも2週目から徐々に大丈夫になってきて、今では普段と変わりなく練習できるようになったわ」

──試合前、最後の調整をデンバーで行ってきたということですが、どのジムで練習してきたのでしょうか。

「イーストン・ハイ・アルティトゥードMMAで練習させてもらって。UFCファイターも多くいて、私に必要な技術なんかを指導してもらった。スパーの相手が、私に何が必要かも指導してくれた。レスリングに関してテイクダウンはできないけど、私も懸命にやれば倒されなくなったし。レスリングに対応できるという自信がついた」

──食事の方はどうですか。体重を落とすには、米国は糖質が多い食事が溢れていますが。

「スーパーマーケットで買い物をして、自炊していたから問題なかったわ。この1カ月はトレーニングとスーパー、ダンスの練習、そして料理の連続で1日が終わった感じだった(笑)」

──アハハハ。ところで前回の試合はミックスファイトで戦う予定から、スーパーガールとキックボクシング戦に急遽変わりました。2年5カ月振りの立ち技のみの試合を戦ってみて、どのような想いでいましたか。

「私はアトム級で、彼女はストロー級だから違いはあったけど、練習でずっとムエタイを続けているから問題はなかった。ただ急にルールも相手も変って、少しナーバスにはなっていたけど。ムエタイのトレーナーもいないなかで勝てたので、私にとっては凄く意味のある試合になったわ」

──ところでタイではローマ・ルックンブンミー、ジヒン・ラズワンと一緒の写真をSNSにアップしていましたね。両者とタイを出るまでは練習していたということでしょうか。

「今回の試合のため、2人はフェアテックスに来て私をサポートしてくれた。ローマは10日間、ジヒンとは1カ月一緒に練習をし、練習以外の時間でも彼女たちのトレーナーも交えて色々と話すことができて凄く良かった」

──UFCのローマとONEのスタンプの合体は、タイMMA界のドリームタッグです。

「ローマは経験豊かだし、学ぶべき点も多かった。指導者が違うから別のテクニックを持っていて。私の方が少し小さいけど、本当に良い練習ができたわ」

──米国で戦うことでもアドバイスがありましたか。

「米国で戦うことに関してアドバイスはしてもらっていないけど、戦い方についてはフットワークをもっと使った方が良い、動きを止めないでというアドバイスをしてもらった。あっ、それと米国は税金が高いから大変だって教えてくれた(笑)」

──アハハハハ。ではアリス・アンダーソンの印象を教えてください。

「身長が高くて、リーチも長い。グラウンドでも戦えて腕十字が得意ね」

──スタンプは、どこにアドバンテージがあると考えていますか。

「ダンスよ。私の方がずっと上手く踊れるから(笑)」

──……(苦笑)。

「それは冗談で。背が高く、リーチも長い彼女と戦うには打撃に代わる攻撃も考えているわ。スタンプ・フェアテックスとは何者なのか。米国のファンに覚えてもらえるよう、しっかりとダンスを踊って(笑)、打撃のスキルを見てもらう。米国だけでなく、タイのファンも絶対にガッカリさせたくないので。ダンスの練習もしっかりとやってきたから」」

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■ONE FN10対戦カード

<ONE世界フライ級 (※61.2キロ)選手権試合/5分5R>
[王者] デメトリウス・ジョンソン(米国)
[挑戦者] アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者]ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] エドガル・タバレス(メキシコ)

<ONEサブミッショングラップリング世界フライ級(※61.2キロ)選手権試合/12分1R>
[王者] マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者] オサマ・アルマルワイ(イエメン)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
スタンプ・フェアテックス(タイ)
アリス・アンダーソン(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ロベルト・ソルディッチ(クロアチア)
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)

<<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
セイジ・ノースカット(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<ミドル級(※93.0キロ)/5分3R>
オンラ・ンサン(ミャンマー)
ファン・ロン(中国)

<サブミッショングラップリング・ミドル級(※93.0キロ)選手権試合/10分1R>
ライニア・デリダー(オランダ)
タイ・ルオトロ(米国)

<ムエタイ131ポンド契約/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ディアンドラ・マーティン(豪州)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)
リース・マクラーレン(豪州)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ローウェン・タイナネス(米国)
オク・レユン(韓国)

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【ONE FN10】デリダーと異種組み技戦、タイ・ルオトロ─01─「禁止薬物に頼らなくても、頂点に立てる」

【写真】いつも笑顔のタイとケイドのルオトロ兄弟。ステロイド問題を語る時も、試合前のようなシリアスな様子では軽快が言葉を続けた (C)MMAPLANET

5日(金・現地時間)、コロラド州ブルームフィールドの1stバンク・センターで開催されるONE FN10「Johnson vs Moraes 3」。ONEにとって初開催となる米国でのイベントでは、全11試合&メインカード9試合中2試合のサブミッション・グラップリングマッチが組まれた。

2003年1月22日生まれ、20歳になったばかりのタイ・ルオトロが、そのうちの1試合でONE世界ミドル級王者ライニア・デリターと対戦する。昨年、ブラジリアン柔術世界大会=ムンジアル黒帯ミドル級で準優勝、ADCC世界大会では無差別級で銅メダルを獲得した。

その後、タイを破ってムンジを制した柔術の神の子ことミカ・ガルバォンが、禁止薬物使用で金メダルを剝奪され、タイは19歳にしてムンジの金、アブダビの銅メダルを獲得するという快挙を達成することとなった。

そんなタイがデリダー戦だけでなく、ステロイド問題を語り、今後のONEグラップリングシーンに言及した。


──タイ、隣にケイドも見えますが、もうコロラドに入っているのですか(※取材は4月27日に行われた)。

「そうだよ。米国でショーが行われるのは最高だけど、コロラドは僕らが慣れ親しんだカリフォルニアと海抜が違うから、早目に入る必要があったんだ。ここに来るまでも可能な限り標高の高いところで練習してきたけど、しっかりとアクアメーション・プロセスをコロラドにやって来る前、そして着いてからも消化し、体はもう海抜1600メートルにほぼ慣れたよ。サンディエゴから数日前にやってきて、デンバーの郊外で山を走ってロッキー・バルボアがドラゴと戦う前のような準備をしてきた(笑)。だから日に日に動くのが楽になった。5月6日には、自分がどれだけ動けるのか凄く楽しみなんだ」

──今大会、ONEにとって初めての米国でのショーで9試合のメインカードのうち、グラップリングの試合が2試合組まれたことをどのように思っていますか。

「柔術にとって最高の機会になると思う。MMAだけでなくムエタイ、キックボクシングにグラップリングも組まれたショーは、これまで米国にはなかった。米国のスポーツ界にとって、大きな1日になるはずだよ。特にグラップリングマッチがこういう舞台で実施されることは、柔術界の皆にとって本当に素晴らしいことだよ」

──ADCC2022以降、正直をいえばあのトーナメントが頭抜けていたのか、以前の規模のトーナメントは続いていますが、グラップリングのビッグファイトは決して増えていないように感じます。Amazon Videoのプライムタイムショーで戦うことで、グラップリングをジェネラル層にアピールする絶好の機会ではないでしょうか。

「それこそが、僕がマットに上がる目的だから。誰かが僕の試合を見て、影響を受けてくれると嬉しい。少しでもインスパイアしてほしいと思っている。今回はレイニア・デリダーという大きな相手に、僕がどのようなパフォーマンスを見せることができるか。純粋に技術を武器に彼と戦って、世界中で視ている人に楽しんでもらいたい。それが僕のモチベーションになっているんだ」

──タイ、ADCCでは無差別級で銅メダルを獲得しました。今回、205ポンドでの試合になりますが、技術で戦うにしても体重差はどのように考えていますか。今もタイのベストな階級は170ポンドではないかと思ってしまうのですが。

「実は今回に試合に関して、今そうやって205ポンドだって効かされるまで、正確な階級のことは気にしていなかった(笑)。僕も今では普段から大体185ポンドぐらいはあるけど、今回は相手が大きいから190ポンドぐらいにしてきた。過去最重量になっている。でも195ポンドまで増やすことはない。ちゃんとシェイプして、最高のタイ・ルオトロとしてケージに上がりたいからね。だから205ポンドより重くなるなんてことはありえないから、リミットを気にしていなかったんだ(笑)」

──ハハハハ。それ以上重くならないから、リミットは関係ないと。

「全く気にしていなかった。ちゃんと契約書に目を通さないとね(笑)。これまでも自分より大きな相手とばかり戦ってきたから、接戦になることも試合を落とすこともある。でも、そういう戦いが好きなんだ」

──では柔術ベースのオランダ人MMA世界王者のサブミッション・グラップリングのスキルをどのように考えていますか。MMAファイター✖グラップラーという構図が成り立つファイトですが。

「僕は人生の全てを柔術と共に過ごしてきた。だから、僕の方がアドバンテージがある。でもライニアはタフな相手だよ。MMAの試合でも柔術を使って勝ってきた。彼は優れた柔術家で、この試合に向けてジョン・ダナハーのところでキャンプを行っていた。良い準備ができているだろうし、何よりも最高の作戦を授けられているに違いない。でも、さっきも言ったように僕の人生は柔術と共にある。どれだけ彼が高いレベルの技術を有していても、一本勝ちする」

──それにしても第1回UFCが行われた土地で、30年後にタイが大きな相手と柔術を武器に戦う。何とも言えないマッチアップです。

「MMAでは自分より大きな相手と戦うのは、もう危険だ。柔術マッチは技術で体格差を埋めることができる。それが柔術の素晴らしさだよ。体格差を生かしたゲームプランをライニアは実行しようとするだろう。でも、彼は遂行できない。その途中で、僕が彼を仕留めるからね」

──ADCC2022後にケイドのインタビューをした時に、「ADCCでステロイドを使っていないのはケイドとタイ、そしてロベルト・ヒメネスだけだ」と言っていました。

ケイド そう、その通りだよ(笑)。

──そして先日、ミカ・ガルバォンが禁止薬物使用で昨年のムンジアル優勝を取り消され、タイが晴れて世界王者に輝きました。今やMMAの方が検査が多く、ナチュラルなファイターがグラップリングよりも多いかと思う次第です。

「公正に戦うために検査を実施しても、実際のところはいたちごっこだよ。僕もケイドもワールド前にUSADAのテストを受けた。できればONEもスポンサーシップを受けて、毎月アスリートのテストをしてほしい。そうすることで、僕らのやっていることは次世代に受け継がれるはずだから。

テストに3000ドルも掛かるから、なかなかこのスポーツ全体で実施することは難しい。その結果、これだけ多くのジューサーが世の中に溢れることになる。ステロイド問題はMMAや柔術だけでなく、全てのコンバットスポーツに蔓延している。いやコンバットスポーツだけでなく、ほぼ五輪正式競技も含め全スポーツがステロイドに汚染されているはずだ」

ケイド そうだよ、皆がやっている。

「でも僕もケイドも禁止薬物に頼らなくても、一つのスポーツの頂点に立てることをADCCとワールドで示した。僕らは長く競技生活を送りたいし、引退後もヘルシーでいるために柔術に取り組んでいる。16歳や17歳という若い選手は、絶対にそんな物質に頼るべきじゃない。これから長い人生が待っているのに、だから……18歳でそんなモノに手を染めると、報いを受けて未来が決定づけられてしまうよ(笑)」

<この項、続く>

■放送予定
5月6日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

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ONE Fight Night6:第2試合・ゲイリー・トノン vs. ジョニー・ヌネス

フェザー級。トノンはランキング2位。

トップグラップラーのトノンはMMA6連勝で昨年3月にタン・リーのタイトルに挑戦したが、引き込んで攻めようとしたところを凌がれてパウンドアウトされKO負けでMMA初黒星。5月には新世代グラップラーのタイ・ルオトロとグラップリングマッチで対戦したが、ダースチョークで一本負けした。

WSOF・TUF・Bellatorに参戦経験のあるヌネス。2019年のONEデビュー戦で徳留に判定負け。今回はそれ以来3年以上のブランク明けとなる。妻は元UFC王者のミーシャ・テイト

組んでいったヌネス。ケージに押し込む。押し込んで膝。強引に首投げを狙ったが、首を抜かれてスタンドバックを取られる。顔面に膝を入れたヌネス。トノンバックを取られた体勢からキムラで前転。上になる。サイドからキムラ。タップアウト。

序盤攻勢だったヌネスだが、トノンあっさりと極めた。

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お蔵入り厳禁【ADCC2022】無差別級 古豪ユーリ・シモエスがスタンド磨いてオープンクラスを制す

【写真】いうとルオトロ兄弟や一部の新世代が特別で。シモエスの勝ち方こそ、ザADCC。ただしジェネラルに理解を求めることは難しい古典的グラップリングだ(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第22回は――お蔵入り厳禁、無差別級決勝戦の模様をお伝えしたい。


88キロ以下級の体格で快進撃を見せた19歳タイ・ルオトロを、ニコラス・メレガリが激闘の末にレフェリー判定で制して決勝進出を決めた無差別級。もう一つの準決勝を戦ったのは、ベテランのユーリ・シモエスとサイボーグことホベルト・アブレウだった。

シモエスは1回戦、前回大会の無差別級で重量級を次々と足関節で仕留める大活躍を見せたラクラン・ジャイルスと対戦。ジャイルスの下からの仕掛けに対し、腰を引いて丁寧に潰して延長に持ち込み――ペナルティを承知で引き込んだジャイルスの仕掛けを潰し続けて勝利した。

猛威を振るった技術はすぐに研究されるという、競技における技術進化の必然を改めて確認させられたジャイエルスの敗退だった。

シモエスの2回戦の相手は、最重量級準優勝を果たしたニック・ロドリゲス。両者は昨年3月のWNO大会でも対戦しており、その時は引き込んで下を選択したシモエスは、ロドリゲスにボディロックを作られパスを許して完敗している。その教訓を生かしてか、今回シモエスは気迫を全面に出してのスタンドレスリングでの勝負を選択。本戦、延長と両者決定的な場面こそ作れなかったものの、積極性で勝って勝ったシモエスがレフェリー判定を制してリベンジを果たした。

迎えた準決勝でシモエスを待っていたのは、やはり最重量級のサイボーグことホベルト・アブレウ。サイボーグは前戦にてヴィクトー・ウゴの巨体を足払いで崩してから引き倒し、ワキをすくって上を奪取する形でテイクダウンポイントを獲得して制しての準決勝進出だ。

ちなみにそのウゴの初戦の相手は、最軽量級のファブリシオ・アンドレイだった。この最重量級vs最軽量級の超体重差対決にて、序盤はダックアンダーからのテイクダウンを許す場面もあったウゴだが、終盤ファブリシオの側転パスに乗じて上を奪取。巨体を浴びせての肩固めで勝利した。

2013年の無差別級を制したサイボーグと、2015年の88キロ以下級、2017年の99キロ以下級を制覇したシモエス。ADCCレジェンド対決となった準決勝は、スタンドレスリングでお互い譲らぬ展開に。

が、気力&スタミナともに充実したシモエスが延長戦でダブルレッグを決め、2-0で改良した。こうしてシモエスは決勝進出。前日の99キロ以下級の二回戦にて、微妙なレフェリー判定の末に苦杯を舐めさせられたニコラス・メレガリ相手にリベンジのチャンスを得たのだった。

<無差別級決勝/20分1R・延長10分x2R>
ユーリ・シモエス(ブラジル)
本戦0-0 マイナスポイント1-2
ニコラス・メレガリ(ブラジル)

試合開始直後、気合十分のシモエスが前進。跳びついてメレガリの首を取って崩しにかかり、さらに勢いよく足を飛ばす。さらに前に出るシモエスは、右のフック掌打のような勢いでメレガリの頭に手を伸ばして、レフェリーから注意を受けた。

3分弱経過した時点で、シモエスは素早い小内刈りからのシングルに入り、メレガリの右足を抱える。片足立ちでそれを堪えたメレガリは、落ち着いた表情で引き込んでハーフガードに。まだ後半の加点時間帯に入っていないので、通常のADCCルールの試合ならば問題ない判断だ。

しかし決勝戦は引き込みのマイナスポイントは最初から付いてしまう。ここを失念していたのか、メレガリは引き込まずとも、シモエスのテイクダウンに身を任せる形で倒れれば無失点で下のポジションを取れただけに、なんともマイナスポイントとなった。

その後は上からパスを試みるシモエスと、下から足を効かせるメレガリの攻防が続く。6分少々経過したところで、立ち上がったシモエスの左足にデラヒーバで絡んだメレガリは、内側からシモエスの右足をすくって体勢を崩してからシットアップ。

見事に上のポジションを取ってみせたが、まだ加点時間帯ではないのでポイントは得られず。自ら引き込んでスイープを決めたのにポイントで負けているというのは、おそらくADCCの決勝以外ではあり得ない状況だろう。

とまれ、ここからはメレガリがトップから攻めるターンに。しきりに右のニースライスでプレッシャーをかけていったメレガリは、やがてハーフで胸を合わせてシモエスを抑え込み、枕を作ることに成功した。

そこから足を抜きにかかるメレガリ。シモエスは腕のフレームと足を利かせて一度距離を作ることに成功したが、メレガリはすぐに体重をかけてシモエスの体を二つ折りにし、後転を余儀なくさせて再びハーフ上のポジションに入った。

加点時間開始が近づいたところで、一旦上体を起こしてニースライスを試みるメレガリ。が、シモエスは左のニーシールドで防ぎ、さらにかついで来るメレガリの体を足で勢いよく押し返して立ち上がってみせた。ここでちょうど10分が経過し、加点時間帯が開始。シモエスはマイナスポイント一つ分有利な形で、得意分野であるスタンドからのリスタートに持ち込んだことになる。

ここから試合はスタンドレスリングの攻防に。シモエスは前に出て、腰高のメレガリの右足を取っては押してゆく。そのたびに片足立ちで耐えて、やがて足を振りほどくメレガリ。テイクダウンこそされないものの、展開が作れないまま時間が過ぎていった。

残り6分少々の時点で、このままでは埒が明かないと見たかメレガリが引き込み、2つ目のマイナスポイントを受けることに。得意のオープンガードから仕掛けたいメレガリだが、このままリードを保てば勝てるシモエスは低い姿勢で対応。浅く片足担ぎの形を作るなどしてメレガリの攻撃を防いでゆく。

その後もシモエスは腰を引いてメレガリに足を深く絡ませず、たまに立ち上がって横に動き、またニースライスを仕掛けてマイナスポイントを回避する。メレガリはたまにシモエスの片足を引き寄せるが、その度にシモエスはすぐに立ち上がって距離を取る。メレガリとしては思うように形が作れないなか、時間が過ぎていった。

残り1分。シモエスは低く入る両足担ぎと片足担ぎでメレガリに攻撃をさせない。メレガリがシッティングを試みると、すかさず上半身を浴びせて潰すシモエス。終了寸前にシモエスに一つマイナスポイントが入るが、時すでに遅し。

結局マイナスポイントが1つ少なかったシモエスが、階級別2回戦のリベンジを果たすとともに、2015年の88キロ以下級、2017年の99キロ以下級に続いて3階級制覇を果たした。メレガリとしては、序盤に犯した痛恨のミステイク──ADCC決勝戦のみ適用されるルールへの対応を間違えて引き込み、マイナスポイントをもらってしまったこと──が、最後まで響いた形となった。

戦前は大きく注目されていなかったベテラン、シモエスが執念の優勝。戦いぶりは決して派手ではなく、実際無差別級の4試合は全て僅差のポイントかレフェリー判定での勝利だ。しかし相手が誰であれ常に前に出続けた、その気迫とコンディショニングの充実ぶりは際立っていた。

またスタンドレスリングではニック・ロドリゲスにすらテイクダウンを許さず、トップでは安定したベースを保ち相手の仕掛けを遮断し、下になってもメレガリのプレッシャーに耐え、パスを許さずにスタンドに戻る粘り強さを見せる等、ポジショニングの全ての面で強さを発揮したことも勝因だろう。

次回大会のスーパーファイトで当たるゴードン・ライアンには、過去4戦4敗と圧倒的に分の悪いシモエス。彼らの初対決は、16年のEBI 6準決勝だ。その前年のADCCで世界の頂点に輝いていたシモエスは、当時まだ線の細かった若手のゴードンにOTでチョークを極められ、まさかの敗退を喫している。ゴードン・ライアンに初のジャイアントキリングを許し、大ブレイクのきっかけを作ったのがシモエスというわけだ。

そのシモエスは、今や世界最強のグラップラーの名を欲しいままにするゴードンにどう挑むのか。両者の力関係が完全に入れ替わった現在、6年前の番狂わせとは比較にならないほどの世紀の大アップセットを、気迫のファイターシモエスは起こすことができるだろうか。

なお、3位決定戦はサイボーグが棄権したため、タイ・ルオトロが3位に。前回大会にて若干16歳で66キロ以下級に参戦し、ブルーノ・フラザト、パブロ・マントヴァーニという同門の先輩二人を倒して4位入賞したのに続いて、19歳の今回は88キロ以下級の体格で無差別級銅メダル。2大会続けての快挙達成となった。

■無差別級リザルト
優勝 ユーリ・シモエス(ブラジル)
準優勝 ニコラス・メレガリ(ブラジル)
3位 タイ・ルオトロ(米国)

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