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Report UFC UFC259 カーロス・アルバーグ ケネディ・ンゼチェクウ ブログ

【UFC259】ンゼチェクウ、理解不能なタフネスさ……。攻め続けたアルバーグが右フックで大逆転負け

<ライトヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(ナイジェリア)
Def.2R3分19秒by TKO
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)

左ローから右前蹴り、ボディストレート、さらに右ボディを入れ、さらにガードの上からハイキックをきかせたアルバーグ。蹴り足を掴まれ、倒されそうになっても前転からンゼチェクウを振りほどき、エルボー、ボディフック、さらに右ストレート、ボディアッパーからエルボー、ボディにヒザを突き刺す。

ガードを固めるンゼチェクウに対し、アルバーグは離れてジャブからローを効かせる。スイッチして左ミドル、前蹴りから左ジャブを伸ばすアルバーグに対し、ンゼチェクウもパンチを振るって前に出るが、両手首を掴まれエルボーを被弾する。近距離でのハイ、続いて右ストレートを入れたアルバーグだが、ンゼチェクウが左右のフックで反撃に出る。

下がるようになったアルバーグは左フックを被弾し、動きが止まる。攻め疲れもあるか、手数が減ったアルバーグだが右ローから左ハイを繰り出す。さらボディを効かせ、止まったンゼチェクウにヒザ蹴り、ボディアッパー、左右のフックを打ち込む。と、ンゼチェクウはフックで反撃に出て、アッパーから左を打ち込む。アルバーグもショートアッパーを返すも、ンゼチェクウが左ハイまで繰り出す。異様なタフネスぶりの見せたンゼチェクウが反撃を見せ、逆転の目もあることを示したが、ポイント的にはアルバーグのラウンドとなった。

2R、左ジャブから右ストレートのアルバーグだが、勢いは落ちている。それでも左ジャブ、左リードフックを入れたアルバーグに対し、ンゼチェクウはガードを固めローを蹴られる。左の伸ばしたンゼチェクウ、アルバーグはボディを殴り、ハイキックへ。ンゼチェクウは右フック、続いて左フックから右アッパーも、ミドルを受ける。

アイポークがあったとアピールしたンゼチェクウは、2度目のアピールでブレイクに。親指で右目を押されたンゼチェクウは、再開後にショートのコンビからヒザを受けても、左を打ち返す。蹴り、右ストレート、右ローと的確な攻撃を続けてなお、まるでダメージがないように前に出たンゼチェクウが、アルバーグの右フックに右フックを合わせる。腰から落ちたアルバーグは、パウンドの追撃で──これだけ攻めながら逆転TKO負けを喫した。


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Report UFC UFC259 ショーン・ブレイディ ジェイク・マシューズ ブログ

【UFC259】ギロチン軸のポジショニング、パンチ&極め。ブレイディがマシューズに肩固め──14連勝

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ(米国)
Def.3R3分28秒by 肩固め
ジェイク・マシューズ(豪州)

まず左ローを蹴ったブレイディ。間合いの測り合いが続き、マシューズがワンツーで前に出る。ブレイディも左フックで応え、マシューズが左ジャブを当てる。右ボディを入れたマシューズ、さらに左ボディを続ける。ブレイディも小刻みなステップからパンチを繰り出すが、ローに右を合わされ倒される。

すぐに起き上りつつリバーサルを決めたブレイディが、ギロチンを防いでサイドで抑える。ブレイディは枕で圧力を掛け、頭を抱えつつパンチを落とす。マシューズはハーフに戻したが、ギロチンの名手を相手にスクランブルに持ち込むのに躊躇が伺える。それでも右腕を抱えにいったが、ここは極め切れず初回が終わった。

2R、打撃の間合いで右クロスを当てたマシューズが、ジャブを被弾してもダブルジャブから右ストレートという得意のリズムで戦う。さらに左フックもカウンターで当てることができるマシューズだったが、組みへの意識が下がっていたかブレイディがダブルレッグで一気にテイクダウンを奪う。ケージ際で背中を譲って立ち上がろうとしたマシューズを殴り、座った状態でも左のパンチを入れバックでなく、やはりギロチン狙いかブレイディ正対していく。

右腕でワンアームギロチンを仕掛けたブレイディだが、マシューズは背中をつけて防ぐ。こうなると背中をつかせて殴るブレイディはギロチンとポジショニング、パウンドのスパイラルにマシューズを巻き込んでいく。首を取られないなら、殴られるという状況が続くマシューズは、マウントを奪われパンチで背中を見せる。さらに肩固めを狙いつつパンチを落としたブレイディが、2Rを完全に取った。

最終回、ワンツー、前蹴りで前に出るマシューズに対し、ブレイディがローを蹴る。ステップインに左フックを合わされ、マシューズがヒザをマットにつく。直ぐに臨戦態勢に戻ったマシューズに対し、ブレイディは攻め急がない。とテイクダウン狙いをスプロールしたマシューズをに待っていましたばかりにギロチンへ。

これを嫌がり背中を預けたマシューズは、ブレイディの重いパンチを後方から打たれる。ワンフックでマシューズを逃さないブレイディは、背中をつけたところで肩固めに入る。タイトな抑&絞めにマシューズは為すすべなくタップ。

ギロチン軸で見事なトランジッションとパウンド、そして極めを持つブレイディがデビュー以来の連勝を14に伸ばし、「ビッグネーム、トップ15と戦いたい。スタンドでも少し上だと思ってけど、グラウンドに持ち込めばイージーだよ」と自信にあふれる表情を浮かべ──フィラデルフィア訛りで語った。


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Report UFC UFC259 アマンダ・レモス ブログ リヴィア・ヘナタ・ソウザ

【UFC259】あのヘナタ・ソウザが文字通り何もできず撲殺される──アマンダ・レモス、恐るべし

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
Def.1R3分39秒by TKO
リヴィア・ヘナタ・ソウザ(ブラジル)

距離を取りながら一気に組もうとしたソウザ。離れたレモスは蹴りから左ジャブでプレッシャーを掛ける。レモスはジャブを続け、ワンツーを放つ。さらに強烈な勢いで右ローを蹴ると、右ミドルハイを肩口に入れる。続いて右ローを蹴られたソウザは、ケージを背負って動けない。

ここで右を打ち込みダウンを奪ったレモスは、ギロチンからハーフで殴り、もう一度頭を抱える。ここもリリースしてエルボーを入れたレモスに対し、ソウザは外ヒールへ。体を捻って、足を抜いたレモスが思い切りパウンドを打ちつける。立ち上がったソウザだが、ローを効かされ、ジャブをかわして左ジャブ。この一発でソウザが後方に倒れ、パウンドを入れたところでレフェリーが止めた。

あのヘナタ・ソウザが文字通り何もできず打撃を被弾し、ジャブからパウンドで仕留められる──衝撃的な敗北だった。

ソウザを爆殺したレモスは「彼女は素晴らしい選手だけど、ハードなトレーニングを積み研究してきた。ストロー級は凄く合っている5月でも6月でも、このまま戦っていきたい」と非常に静かに語った。


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Report UFC UFC259 アーロン・クルーズ ウロス・メディッチ ブログ

【UFC259】豊漁だったコンテンダーズシリーズ2020から、ウロス・メディッチがクルーズに圧勝

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ(セルビア)
Def.1R1分40秒 by TKO
アーロン・クルーズ(米国)

試合開始直後から左の蹴りで圧力を掛け、右フックを効かせたメディッチ。クルーズは組んでいくが、押し返しつつ左を打ち込む。後退しクルーズは、跳びヒザからのボディショットでダウン。殴られ続けるクルーズだがレフェリーは止めず、立ち上がり際にパンチで倒され、起き上るとワンツーを受けて頭から崩れる。

それでも止めないレフェリー、足を掴みにいったクルーズを潰してパウンドを続けたメディッチがセンセーショナルなUFC初勝利を手にした。

「ジョーとここで話せることが本当に嬉しい。何を話して良いか分からないぐらい感情が爆発している。UFCのように一か所に、これほどの多くの人が集まって大会を創っているなんて初めてだ。全てが僕に力を与えてくれた」とメディッチは興奮冷めやらない様子で言葉を続けた。コロナ禍のコンテンダーシリーズは数多くの契約者を生んだが、メディッチは特別なファイターになる──そんな期待を抱かされる勝利だった。


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Report UFC UFC259 トレヴィン・ジョーンズ ブログ マリオ・バウティスタ

【UFC259】右リードアッパー一閃、トレヴィン・ジョーンズがバウティスタをTKOし仕切り直しのUFC初勝利

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
Def.2R0分27秒by TKO
マリオ・バウティスタ(米国)

バウティスタが前蹴りから右ミドルハイ、サウスポーのジョーンズは左ローを見せる。右ハイを受けそうになったジョーンズは右ローを返す。ワンツーで前に出たバウティスタがクリンチへ。体を入れ替えたジョーンズのボディロックテイクダウンを耐えたバウティスタは左を差して、回っていく。もう一度ケージを背負わされながら、頭を胸につけて押し返して離れたバウティスタが右ミドルを入れ、ヒザから左をヒットさせる。

ジョーンズは左ローを蹴るが、拳の圧力はバウティスタが上だ。右に右を合わせ、左を続けるバウティスタはローにも右を合わせていく。ジョーンズは左オーバーハンドから組んでシングルへ、抜群のタイミングだったがバウティスタはここも切って初回が終わった。

2R、スイッチを織り交ぜるようになったバウティスタが、左ミドルを見せる。直ぐにオーソに戻したバウティスタは、ジョーンズの左から右フックを2発入れる。と、ジョーンズが右リードアッパーとバウティスタの右フックにカウンターで突き上げる。腰から崩れたバウティスタが、パウンドの追撃を落としたジョーンズがUFC初勝利を挙げた。

「過去5試合は全て20日以内のショートノーティスだったから、フルキャンプを行えたのは6試合ぶりなんだ。30時間前の試合の要請を受けて、勝利した試合を失った。マリファナも辞めた。足を最初に殺して、パワーパンチを入れる作戦だった。彼の動きが大きいから。足を蹴って、動きが落ちたらパンチで倒せば良いと思っていた」とジョーンズは勝利を振り返った。


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News UFC UFC259 アスカル・アスカロフ アマンダ・ヌネス アルジャメイン・ステーリング イスラエル・アデサニャ カイラ―・フィリップス カーロス・アルバーグ ケイシー・ケニー ショーン・ブレイディ ジョセフ・ベナビデス ソン・ヤードン トレヴィン・ジョーンズ ドミニク・クルーズ ピョートル・ヤン ブログ マリオ・バウティスタ ミーガン・アンダーソン ヤン・ブラボヴィッチ

【UFC259】計量終了 ジョーンズ、メディッチ、アルバーグ。アーリープレリミも注目カードがズラリ

【写真】上背でアデサニャが、ブラボヴィッチを上回っている?! (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」の計量が、5日(金・同)に行われた。

UFC世界ライトヘビー級選手権試合=王者 ヤン・ブラボヴィッチ✖チャレンジャーUFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニャ、UFC世界女子フェザー級選手権試合=王者アマンダ・ヌネス✖挑戦者ミーガン・アンダーソン、UFC世界バンタム級選手権試合=王者ピョートル・ヤン✖挑戦者アルジャメイン・ステーリングというトリプルクラウンに加え、メインカードからプレリミまで気になるカードが、並びに並んでいる今大会。


まずアーリー・プレリミの第1試合にトレヴィン・ジョーンズが出場する。

PXCからTOP FC、そしてACAを経てDEEPにも来日したグアムのジョーンズは、昨年に8月に劇的な大逆転KOでチムール・ワリエフという強豪を下しながら、マリファナの服用で勝利を取り消され今回が仕切り直しの一戦となる。

対するマリオ・バウティスタはCombate AmericasやLFAからUFCへステップアップ。コーリー・サンドハーゲンには敗れたものの、元DEEP王者キム・ジンス、元LFA王者マイルズ・ジョンズに勝利している実力者だ。ワリエフ戦同様に苦戦は避けられないジョーンズが、どのような戦いを見せるか。

アーリー・プレリミ第2試合に出場のウロス・メディッチは昨年8月にコンテンダーシリーズで見事なパウンドTKO勝ちを収め、ダナ・ホワイトに見初められたファイターだ。

KINGS MMAでハファエル・コルデイロに師事するセルビア人ファイターのメディッチ、どのようやUFCキャリアのスタートを切るのか。

メディッチと同様に昨年のコンテンダーシリーズから注目のデビューを果たすのが、カーロス・アルバーグだ。

アデサニャのトレーニング・パートナーのアルバーグは、NZのトップ・キックボクシング・プロモーションであるKing Of the Ringの8人制トーナメントを100キロと92キロ級で制している。アデサニャが86キロ級と100キロ級で3度頂点に立っているに続く、マルチ王者がアルバーグだった。

打撃の強さは絶対的。組みは未知数のアルバーグだけに、ハードヒッター=ケネディ・ンゼチェクウとは手の合う顔合わせといえるだろう。

さらにキャリア13勝0敗のショーン・ブレイディと豪州の親子鷹ジェイク・マシューズのウェルター級戦ら、他プロモーションならメインカードでもおかしくないカードがアーリー・プレリミから見られる。

プレリミではドミニク・クルーズ✖ケイシー・ケニー、ソン・ヤードン✖カイラー・フィリップスという2つのバンタム級戦と、ジョセフ・ベナビデス✖アスカル・アスカロフ、ホジェリオ・ボントリン✖カイ・カラフランスのフライ級マッチが組まれているが、アスカロフが今大会唯一の体重オーバーとなり、127ポンド契約マッチとなった。

WEC世代の生き残りベナビデスにとって、厳しくタフなアスケロフと背水の陣で戦うマッチアップだ。

群雄割拠のバンタム級の覇権争い、アデサニャがチャンプ・チャンプを目指すメインイベント。ここで注視したいのはアデサニャの体重がリミットより5ポンド近く軽いということ。ブラボヴィッチはリカバリーが見込まれるため、このライトヘビー級世界戦はパワー&瞬発力✖スピード&タイミングの争いとなりそうだ。

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ: 200.5ポンド(90.94キロ)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン: 144.5ポンド(65.54キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ: 156ポンド(70.76キロ)
ドリュー・ドパー: 156ポンド(70.76キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ: 206ポンド(93.44キロ)
アレクサンドル・ラキッチ: 206ポンド(93.44キロ)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ: 136ポンド(61.69キロ)
ケイシー・ケニー: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス: 136ポンド(61.69キロ)
ソン・ヤードン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
アスカル・アスカロフ: 127ポンド(57.6キロ)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ホジェリオ・ボントリン: 126ポンド(57.15キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125.5ポンド(56.92キロ)
ジョーダン・エスピノーサ: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)
ケネディ・ンゼチェクウ: 205ポンド(92.99キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジェイク・マシューズ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ: 116ポンド(52.62キロ)
アマンダ・レモス: 116ポンド(52.62キロ)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ: 156ポンド(70.76キロ)
アーロン・クルーズ: 155ポンド(70.31キロ)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ: 134.5ポンド(61.0キロ)
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)

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Interview UFC UFC259 カイラ―・フィリップス ソン・ヤードン ブログ

【UFC259】チーム・アルファメール在住ソン・ヤードン「ユライアのパッションに感じられるだけで──」

【写真】計量時のソン・ヤードン。下にあるZOOMインタビュー時の輪郭と比較すると、相当にハードな減量を行っていることが伺える (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」でソン・ヤードンが、カイラ―・フィリップスと対戦する。

オクタゴン6勝目(※1分0敗)を目指す──躍進、中国MMAパワーを象徴する23歳のファイターに、アルファメールの現状とともに今回の試合への意気込みを尋ねた。


──土曜日の夜にカイラ―・フィリップスと対戦します。今の調子はいかがですか。

「凄く調子は良いよ。なんたって10カ月も練習を続けてきたんだから」

──昨年5月にアジア人ファイターとしては、コロナ・パンデミック以降真っ先に試合が組まれたソン選手ですが、そこから試合間隔が空いてしまいました。

「他の試合のオファーもあったけど、相手のケガで試合が実現しなくて。発表される前の試合だったし、結果的にこうやって10カ月も試合の機会が巡ってくるのを待たないといけなくなってしまったんだよ。

COVID19は世界中の全ての人々に影響を及ぼした。MMAでも、この機会にチャンスを得た選手もいるし、失くした選手もいる。でもUFCはこの困難な状況で本当に素晴らしい仕事を成し遂げたと思っている。だから試合がなかったことに関してストレスは感じていたけど、そこは理解しないといけないって分かっていたよ」

──ところでソン選手の母国、中国から新型コロナウィルスが発生しましたがサクラメントにいてご家族など心配ではなかったですか。

「そうだね、現実問題として中国に帰国すると長期間の隔離措置をとる必要があって僕は家族にはずっと会っていないんだ。そしてサクラメントでトレーニングに集中してきた。でも今では中国は最もコロナウィルスを抑え込んだ国だし、家族のことは心配していないよ」

──反対と言えば母国にいればより安全なのですが、50万人が命を落とした米国で濃厚接触のMMAのトレーニングを続けているわけですね。

「その通りだね(笑)。もし感染するようなことがあれば、僕の世代はそれほど重症化する恐れはないけど、医療費がどれだけ掛かってしまうのかっていう点は本当に心配だよ。僕の友人でも感染した者もいるしね。でも、予防対策をしながらトレーニングするしかない。それにサクラメントにいる中国人ファミリーが、凄く僕を助けてくれているから。何かあっても、僕は大丈夫だよ」

──ところで私たちも把握できないほど、チーム・アルファメールは出入りの激しい状況になっていますね。

「確かにチームを離れた選手がいるけど、僕にとってアルファメールは最高のチームだよ。重量級の選手はいないけど、これだけ自分のウェイトのファイターが揃っているジムは他にないからね。

それにさ、ファイターもそれぞれの生活がある。結婚したらまた状況も変わって来るし、しょうがないからチームを離れるしかない選手もいるしね。僕も人の出入りは本当に多くみてきた。人は一つの場所に一生いるってことはないだろうし。でも、僕にとっては最高のチームなんだ。

ユライアは海外からやってきた選手に対し、全く何の偏見も持たず公平に接してくれる。それに42歳になっているのに、今も毎日練習を続けているんだ。ユライアのパッションを間近で感じられるだけで、僕も頑張ることができる。本当にユライアだけでなく、他のコーチとの関係も家族のようなんだよ」

──ではカイラ―・フィリップスの印象を教えてください。

「髪の毛が多い(笑)。カラテ・スタイルのような打撃を使うよね。でも柔術も上手い。全ての局面において、良いファイターだと思うよ」

──テイクダウンをどれだけ防ぐことができるのかが、カギを握ってきそうです。

「実は以前にヒザのケガをして、レスリングのトレーニングはそれほど行えない時期があったんだ。でも、この2年間は徹底してレスリングの練習をしてきたから、そこは自信を持っているよ」

──同じ夜にバンタム級タイトル戦があります。勝利予想をしてもらえますか。

「アルジャメインが勝つと思う。グラップリング能力で、大きくピョートル・ヤンを上回っているからね。良い試合になると思うけど、アルジャメインがチャンピオンになるよ」

──群雄割拠、激しい生き残り合戦が繰り広げられているUFCバンタム級戦線ですが、現状でのソン選手のターゲットを教えてください。

「決して大きなゴールではないけど、今年中にトップ10になりたい」

──トップ10、トップ5の間違いじゃないですか。

「でも、君の言う通りUFCバンタム級は本当にコンペティティブだから。直近のゴールをトップ10に定めているんだ。もちろん、そこからトップ5を目指したいよ。でも、一歩一歩時間をかけてステップアップしていこうと思う」

──すでに中国人女子選手はジャン・ウェイリのように世界の頂点に立ったファイターがいます。ソン選手は成長著しい中国MMA界にあって、自分の果たすべき役割をどのように捉えていますか。

「まだ全てにおいて始まったばかりだよ。技術的にもまだまだ成長させないといけない。7年間戦ってきたけど、自分自身ではまだキャリアの長いニューファイターだと思っているよ(笑)」

──今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。僕はこれまで2度、日本に行ったことがあって。東京と横浜を尋ねて、本当に日本のことが好きなんだ。だから日本ファンにも今週末、僕の試合を楽しみにしてほしい」

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(米国)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン(豪州)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン(ロシア)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング(米国)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ(米国)
ドリュー・ドパー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ(ブラジル)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ(米国)
ケイシー・ケニー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
アスカル・アスカロフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ジョーダン・エスピノーサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ(米国)
ジェイク・マシューズ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ(ブラジル)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ(セルビア)
アーロン・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
マリオ・バウティスタ(米国)

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Interview UFC UFC259 ケイシー・ケニー ドミニク・クルーズ ブログ

【UFC259】ケニーを完全解析。ドミニク・クルーズ─02─「穴がなくなっている。判断力がカギを握る」

【写真】この雄姿、あと何度目にデキるか分からない。全ての瞬間を目に焼き付けたい (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」。

トリプルクラウンが実現する今大会は、プレリミメインにドミニク・クルーズが出場し、ケイシー・ケニーと対戦する贅沢このうえないイベントとなっている。

今やドミニクは世界最高のファイターだけでなく、史上最強の名解説者としての地位を確立している。MMAの進化に伴った──ファンの目を養い、MMAをリードする立場となったドミニクらの努力の結晶こそ、対戦相手ケニーのような実力ある若い選手が大いなる台頭といえる。

そんなドミニクが、自らの試合を解析してくれた──MMAマニア垂涎のインタビュー後編を楽しんでほしい。

<ドミニク・クルーズ・インタビューPart.01はコチラから>


──ドミニクとDCのやり取りを耳にしていると、『あぁ2つのMMAの見方を解説してもらっている』と思えるようになったんです。

「それこそが、今のMMAが以前とは違うという点に尋ねられた回答になるんだ。このスポーツも10年、20年と歴史を重ね、ファイターの技術力も進化した。その進化と選手たちの努力を人々に理解してもらう解説が必要になってくる。ファンのMMAを見る目を養いたい。

それができるのが、僕やDC、ポール・フェルダーという選手たちの声だと思っている。選手たちが何をして、どう考えているのかを伝えることができるのは」

──そういう声を聞いて、MMAを始めたいと思う米国の子供たちは既に耳と頭でMMAを理解し始めて、実際に体を動かすので、それこそ成長のスピードが違うということですね。

「その通りだよ」

──そのようにMMAをリードする立場にあるドミニクですが、現役としてケイシー・ケニー戦について尋ねさせてください。彼の実力をどのように思っていますか。

「君はどう思う?」

──う~ん、一つ言えることはLFAの時などは柔道とレスリングをミックスしたテイクダウンとコントロールが強い選手だと思っていましたが、UFCでは圧倒的に打撃の強さを見せています。

「まさにその通りだよ、相当なウェルラウンダーだ(笑)。強力なグラップリングのバックグランドを持ち、打撃が強くなっている。

本当に若いニューカマーたちは、MMAで必要なことを何でも備えているんだ。スイッチして、レスリングと打撃を融合させ、相手のパンチを受けないスタイルを僕はクリエイトした。でも、今やそれが世界標準だ(笑)。誰もが、そんな戦いをしている。本当にMMAの進化は急激だよ。だからこそ、挑戦し甲斐があると思っている」

──ドミニクの戦い方を皆が理解しているということは、それだけドミニクにとっては攻略が難しくなっていることにならないでしょうか。

「オクタゴンに入れば、僕のアドバンテージは明らかになるよ。僕の戦いの理屈を皆は理解したとしても、僕と同じ動きはできない。今でも人とは違う戦い方ができる。と同時に対戦相手から穴がなくっているのも事実だよ。だからこそ、しっかりと観察する必要があるんだ。でも、そういう頭を使ったチェスマッチこそ、僕の得意とするところだからね。

キャリア16勝2敗1分。LFAで2階級制覇、暫定バンタム級王座を獲得した8日後の試合でUFCデビュー(C)Zuffa/UFC

ケイシー・ケニーはタフだ。

自分にパワーがあることを分かって戦いを組み立てている。それにさっきも言ったけど、グラップリングの技術力は相当高く、しかも成長過程にある。

打撃も同じように、見るたびに良くなっている。ただし、この階級でベストといえる領域には達していない。ケイシー・ケニーはどの局面でも強さを発揮できるタフなウェルラウンダーだからこそ、僕にとってこの試合を難しいものにする。それとサウスポーの時は、より警戒が必要だよ。

でも僕にはスピード、コンディションの良さ、そして判断力がある。ゲームプランに則して戦い、互いに動き続ける時、勝敗の行方を分けるのは正しい判断ができるかどうかだ。スマートさを争うチェスマッチになることは間違いない。つまり──この判断力という点がカギを握ることになるだろう」

──いやぁ……さすがのドミニク・クルーズです。素晴らしいアナライズに感謝します(笑)。ところでドミニクがケニーと戦う土曜日の夜は、バンタム級の世界戦があります。もし良かったら、勝利者予想をしてもらえないでしょうか。

「アルジャメイン・ステーリングはグラップリングのスペシャリストで、打撃力をつけてきている。ステーリングはテイクダウンをするためでなく、テイクダウンを止められた時にどのような打撃を繰り出すことができるのか。ピョートル・ヤンに勝てるかどうかは、そこの想像力の有無に掛かっているだろうね」

──いやぁドミニクの試合を見ることができるのは、最高にハッピーなのですが、UFC世界バンタム級選手権試合はドミニクの解説が聞きたかったです。

「アハハハハ。これからも、ずっと解説はできるから。でも、試合に出続けることはできない。だから、この簡単ではない試合で自分を試したい。テストできることを、楽しみたいんだ。

僕のコメンテイターとしての仕事は、この試合が終わってからまた楽しんでもらって、土曜日の夜はファイターとしての僕を楽しんでほしい」

──了解しました。今日はインタビューを受けていただき、本当にありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。日本のMMAに関わる人達とファンの知識と広い心をリスペクトしている。そんな風にMMAを見てくれて、本当に感謝しているよ。サンキュー・ソー・マッチ」

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(米国)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン(豪州)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン(ロシア)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング(米国)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ(米国)
ドリュー・ドパー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ(ブラジル)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ(米国)
ケイシー・ケニー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
アスカル・アスカロフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ジョーダン・エスピノーサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ(米国)
ジェイク・マシューズ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ(ブラジル)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ(セルビア)
アーロン・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
マリオ・バウティスタ(米国)

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【UFC259】ケニー戦前のドミニク・クルーズ─01─「成長するスピードは僕らの時代とは比較にならない」

【写真】どうやらスマホを手に持って、Zoomインタビューに答えてくれていたようなドミニクだ(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」。

メインのUFC世界ライトヘビー級選手権試合=王者 ヤン・ブラボヴィッチにUFCC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニャが挑む一戦を筆頭に、UFC世界女子フェザー級選手権試合=王者アマンダ・ヌネス✖挑戦者ミーガン・アンダーソン、UFC世界バンタム級選手権試合=王者ピョートル・ヤン✖挑戦者アルジャメイン・ステーリングと3試合の世界戦を含む、15試合が組まれている同大会。

そのプレリミメインに元UFC世界バンタム級王者ドミニク・くるーズが出場し、LFA二階級王者からUFCに転じて5勝1敗のケイシー・ケニーと対戦する。35歳になったMMAに革命を起こした元王者、ガラスのヒザを持つ──世界をリードしてきたドミニクに、今回の試合と勝つ説業について話を訊いた。


──ドミニク・クルーズは唯一の無二の存在です。ただし、ここ10年は常に体調が不安要素であり続けました。

「過去2試合、僕は敗れている。そしてフィジカル・コンディションの面でいえば……決して良い状態ではなかった。コディー・ガーブラントと戦った時は肩を負傷しており、足の調子も良くなかった。あの年は3度の世界戦を戦い、少し厳しい1年だったからね。

言い訳でなく、体調面を尋ねられたから答えるんだけど、自分の肩のような気がしなかった。それにコディーは素晴らしい戦いをやってのけたしね。

ヘンリー・セフードと戦った時は3年半試合をしていない状態で、ショートノーティスの試合を受けた。そんなつもりはなかったけど、タイトル戦を戦ってみないかという要求にイエスと答えた。しかも、Covid19の感染拡大という普通ではない状況下でね。

あの試合から、僕はノンストップでトレーニングをしてきた。そして、全くケガがないんだ。試合前としては、本当に素晴らしい状態にある。ホント、こんなに良い体調でファイトできることが、とてつもなく嬉しいんだ。

ずっと体を気遣ってきた。今回は精神的にもケガのことを気にすることなく、戦いに集中できる状態で自分を試す戦いに臨むことができる。心身ともに素晴らしい状態で戦うことができてワクワクいているんだよ」

──フランキー・エドガーと並びステップやサークリング、相手を混乱させるスタイルでMMAに革命を起こしたドミニクですが、ここ数年のMMAの進化は凄まじいものがあります。WECからUFCで王座防衛戦を戦っていたころと比較し、今のMMAは何が一番違っていると考えていますか。

「技術的云々ではなく、今はMMAを戦う準備をするための設備、環境が以前とは全く違うということが一番に挙げられると思う。ジムの数も違うし、検索率市場になっている。つまりファイターになりたいと思う人間の数だけ、ファイターが生まれているんだ。

僕らがMMAを始め、WECで戦うようになった頃でさえMMAが許されていない地域はいくらでもあった。でも、今や世界中でどこに住んでいようが子供たちはMMAを目にすることができ、ネガティブな意見なんて耳に入ることがない。

そして凄く若いうちからMMAの一つの要素となるレスリング、柔道、柔術、キックボクシング、ムエタイを始めるだけでなく、全てをミックスしたMMAを学ぶことができる。

以前はMMAで戦うための準備する場所も限られ、対戦相手対策をするならトレーニング・パートナーを懸命に探す必要があった。

そんな練習仲間も生活するための仕事を持っていて、仕事を終えてからトレーニングするのが普通だった。でも、今は皆が練習だけしているんだよ。皆がいつでもジムに通えて、必要な練習はなんだってできる。

そして彼らはすぐに僕やフランキー・エドガー、デメトリウス・ジョンソン、チャック・リデル、ティト・オーティス、ランディ・クートゥアーが試行錯誤の上で身につけて、成果を残すことができた成功例を学ぶことが可能だ。そりゃあ成長するスピードは僕らの時代とは比較にならないだろう」

──ドミニク達がトライ&エラーで創り上げた強くなるための方程式を最初から学ぶことができるわけですね。それにファイトを視ると、ドミニク・クルーズのような素晴らしい解説者がMMAとは何たるものかをしっかりと説明してくれます。

「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいよ」

──アナリストという仕事をしているとドミニク自身も、どの階級のどのような選手の試合もチェックすることになります。今も自分の試合しか興味のない選手もいますし、自分の階級の試合しか見ない選手も多いかと思います。アナリストという仕事が、現役ファイターとしてのドミニク自身のアドバンテージになっていると感じることはありますか。

「時には違うこともあるけど、色々な面で役に立っているよ。色々な選手の試合を見て、ミスも見ることもある。そこで見たことに対して、考え過ぎて固まってしまうことも実際にはあるけど、アナリストの仕事で学んだことを、自分の試合に直結させるんじゃなくて、試合の準備期間なんかにゆっくりと試みてみるんだ。そうすることで、解説をすることで得た知識を自分の戦いに生かすことができる──こともある。

でもね、試合になればそんなことは考えず、自分の膨らんだ知識ではなく、自分ができる戦いをするんだ。頭でなく、体で戦うことが大切になってくる。アナリストとファイターと両立させるためには、スイッチのオン・オフは大切なカギを握ることになると思うよ」

──なるほどぉ。自分も以前は解説をしていたことがあるのですが、視聴者の耳障りをよくするために、一緒に解説している人と意見が違っても反論せず、そこを聞き入れて次の話題にいくということは少なくなかったです。それがドミニクはダニエル・コーミエーと一緒に中継するときなど、2人が自分の意見を曲げずに言い合いのようなやり取りが見られることがあり、凄く新鮮なんです。でも、空気を読む日本の中継ではこれはないなって(笑)。

「凄く楽しんでいるよ(笑)。DCはこのスポーツで最高のチャンピオンだ。それに解説者としての発言は、ただ自分のことをアピールするのではなくて、ファイターたちのことを分かってもらうために話すという責任がついて回る。だから、映像を見たり、本当に色々と勉強をして中継に向き合っているよ。

そして自分の意見には自信を持っている。自らも経験もそうだし、研究してきたモノに対する自分の考えを信じているからね。でもDCとは言い合っているわけじゃないんだ。時々、違う意見を述べ合っているだけで。ダニエル・コーミエーを言い負かそうなんて気は一切ないよ(笑)。彼は最高にスマートな相棒だからね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス(米国)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン(豪州)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン(ロシア)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング(米国)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ(米国)
ドリュー・ドパー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ(ブラジル)
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ(米国)
ケイシー・ケニー(米国)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス(米国)
アスカル・アスカロフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス(ニュージーランド)
ホジェリオ・ボントリン(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
ジョーダン・エスピノーサ(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ(米国)
ジェイク・マシューズ(豪州)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ(ブラジル)
アマンダ・レモス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ(セルビア)
アーロン・クルーズ(米国)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ(グアム)
マリオ・バウティスタ(米国)

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