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ベガスで出稽古中の平良達郎─02─「一回りも二回りも強くならないと。ニュー・タツロー・タイラに」

【写真】空気感として、合っているという印象の平良達郎と米国、エクストリーム・クートゥアーだ(C)TATSURO TAIRA

MMAスポーツマネージメント会社=IRIDIUM SPORTS AGENCYと契約を締結した修斗世界フライ級チャンピオン平良達郎in ベガス・インタビュー後編。

エクストリーム・クートゥアーでの出稽古、3日目を終えた時点でJ-MMA界の至宝が何を感じたのか。そのファーストインプレッションを話してもらった。

<平良達郎インタビューPart.01はコチラから>


──そしてエクストリーム・クートゥアーでの出稽古が始まりました。平良選手の課題はレスリングという声が聞かれてきましたが、本音をいえばUFCに行けば柔術も打撃も平良選手と同等、そして凌駕する選手が揃っているかと思います。まだ練習の序盤ですが、どのように感じていますか。

「まだ3日間の経験ですが、第一印象として同じ階級の選手がデカいです。日本では僕はフライ級としては大きいと言われてきましたが、こっちでやっている選手は同じ階級かって思うぐらい大きいです。

スパーリングを通して、ちょっと……そうッスね。自分が通用する部分は通用するのですが、やられるときはやられますね」

──通用すると感じたところは?

「バックを取ることができれば、コントロールはできるかなと思います」

──では今後、上げていかないといけないと現時点で感じていることはどのような点でしょうか。

「ボディロックや差しだけではこの先、通用しないなかなって……。なのでシングルレッグとかもっと引き出しを増やさないといけないですね。そこは現時点で感じたことです。選手のことを知らないでUFCに行きたいと発言していた時と、自分の意識も変わりました」

──確かにUFCを意識しつつ、世界のフライ級の情勢を追えていない部分はありましたね。

「そういうことを知らずに、目先の目標としてUFC、UFCと言っていたかと思います。ただ、あの時も自分の実力を過信するということはなく、逆に自分の力を疑ってかかっていました。だからこそ、試合をする時に初めて海外へ行くのではなく、その前に練習をして肌で知る……空気に触れたいと言ってきました。なので、本当にこうやってエクストリーム・クートゥアーで練習できて良かったです。ラスベガスに来て良かったと思っています」

──また4週間後、エクストリーム・クートゥアーでの練習の成果を聞かせてください。

「ハイ。2月13日に帰国予定で、沖縄でなく千葉に暫らくいるのでよろしくお願いします」

──おお、楽しみにしています。ところで本場のハンバーガーはいかがですか。

「アハハハ。ハンバーガーはまだ食べていないッス」

──自他公認のハンバーガー好きの平良選手ですから、ぜひとも堪能してください。

「いやぁ……でも、こっちは食事が脂っこいですねぇ(苦笑)」

──沖縄の平良選手でも、そう感じるのですか!! 自分など沖縄に行った時はヘビーな定食とか多いなと感じているのですが。

「待ってください。沖縄のご飯はもう、そういうイメージじゃないですよ!! だからこっちに来て外で食べるより、岡田さんが創ってくれる親子丼の方がオイシイです」

──なるほど。でもカレールーは油脂だらけなので気を付けてください。岡田選手なら玉ねぎを2時間炒めて、トマトとガラムマサラとターメリック、コリアンダーとニンニク&ショウガでカレーを創ってくれるはずです。

「分かりました(笑)。そう、お願いします」

──実のあるベガス滞在になることを願っています。ではファンにここからのエクストリーム・クートゥアーでの出稽古、そしてUFC参戦に向けての意気込みを伝えていただけますか。

「ハイ。UFCに行きたい、UFCで戦いたいと言ってきましたが、一回り……二回り強くならないとただ出場するだけで勝っていけないです。ここで成長して、日本に戻って──これからどうなるか断言はできないですけど、日本と米国を行き来して練習していければと思っています。次に戦う時には、これまでの自分とは違う──ニュー・タツロー・タイラになっているようハードに練習してきます!!」

──達郎が前に来たのが、既にアメリカナイズされたということですね(笑)。

「ニュー・タツロー・タイラの方が格好良いかなぁって思って(笑)」

──Call me Tatsuとかより、ずっと良いと思います(笑)。では、帰国後の取材の方が宜しくお願いします。See you in千葉で(笑)。

岡田遼 あのう……お2人で帰国後の取材が固まっているようですが、帰国後は10日間の隔離が必要なので。そこをお忘れなく。

「アッ……」

──……。本当ですね。いや、さすがの岡田遼選手のご指摘、ありがとうございます!!

岡田 それで僕も試合をするので、また取材お願いします(笑)」

──またまたさすがです(笑)。了解しました。

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イリディアムと契約、ベガスで出稽古中の平良達郎─01─「明確に一歩近づいた。本当に嬉しいです」

【写真】ベガスで行動を共にする岡田は3月のプロ修斗で安藤達也とバンタム級王座防衛戦が控えている。平良インタビューの間、岡田は夕食になるカレーを創ってくれていたそうだ (C)MMAPLANET

MMAスポーツマネージメント会社=IRIDIUM SPORTS AGENCYと契約を締結した修斗世界フライ級チャンピオン平良達郎

現在は姉妹ジムの先輩である岡田遼とラスベガスのエクストリーム・クートゥアーで出稽古を行っている。その平良にある意味、画期的──そして新しい時代の突入を感じさせる米国のマネージメント会社との契約でUFCと交渉に入る選択をした理由、その背景を尋ねた。


──11月5日、VTJのアルフレイド・ムアイアド戦で勝利した時点で今後についてはどのように考えていましたか。

「そろそろUFCに挑戦できるのかなって思ったり……でもムアイアドに勝っても、そこまで評価されないかなとは考えていました。ならもっと強い選手と手合わせをしないといけない。その2つの想いでいました。

あの時はまだオミクロン株の感染が国内で広まっていなかったので、引き続き外国人選手を修斗が呼べるという空気だったので、3月に強い外国人選手と試合を組んでもらいたいと思っていました。そこで勝ってUFCからオファーがくれば嬉しいし、そうでなくてもコンテンダーシリーズに挑戦できればと」

──これまで日本人選手がUFCや海外に挑戦するとなると、日本人の代理人を立てるか、団体間の繋がりで交渉してもらうということが大半で。もしくは日本の会社とマネージメント契約を結ぶという形で、今回の平良選手のようにイリディアムのような米国のマネージメント・カンパニーと契約という例は、日本在住の選手では記憶にありません。あっ、あと山田哲也選手はカザフスタン人のマネージャーを就けていたことがあったかと……。

「カザフスタン人ですか、凄いですね(笑)。VTJの前からカナダ在住の日本人の方が松根さんと連絡を取り合っていて、僕を応援してくれるようになっていました。その方が米国のマネージメント会社という道もあるんじゃないかということで、VTJ後に映像をイリディアムだけでなく、コナー・マクレガーが契約しているパラダイムとか複数のマネージメント会社やプロモーションに送ってくださったんです。

正直、どういう反応があるのか試しにという感じではありました。そこで取りあえず当たりをつけていれば、次の試合で勝った時に本格的に話せるというぐらいで。そうしたらイリディアムから、その日にうちに返答が来たそうです。

パラダイムも熱心に話をしてくれたようなのですが、それはアジア担当のエージェントの人との話でそこからトップに話を持っていくという状況でした。他は興味ある……というぐらいの返答のなかで、イリディアムでは代表のジャイソン・ハウスさんが、すぐに話したいと言ってくれて。僕としては全く予想もしていない展開でした。

そしてZOOMでジェイソンさんと話をさせていただいて、もう家族ような雰囲気になり、凄く熱が伝わってきたので一緒に頑張りたいと率直に思いまいした。

そうですね……松根さんと話して、イリディアムと契約しようと決めさせてもらった形です。イリディアムはブランドン・モレノが契約しているように、軽量級の選手に強いというのも大きかったです」

──いやぁワクワクする展開ですね。

「UFCと契約するには、どうすれば良いのか本当に分からなかったです。だから、イリディアムと一緒にやっていくことで明確に一歩近づいた。それが本当に嬉しいです。実際、こういうやりとりは松根さんがしてくれていて、そのたびに状況を説明してくれるという感じでした。松根さんは僕が色々と悩むことがないように、本当に負担をかけないようにしてくれて。『お前は大人の世界のことは、気にするな』と言ってくれていました」

──今だから言えますが、松根選手は自分のようなライターにも海外の事情はどうなのかとか、他のプロモーションの状況まで尋ねてきていました。そして、修斗とも気まずい関係にならないよう気配りをして。『平良が一番やりたい方向に進ませてやりたい』と、実直に色々なことを乗り越えているようでした。

「色々と仕事を増やしてしまって、無理させてしまっているかなとは思っていたのですが…………そこまでだったのですね。ただ何をどういう風にしてくれているのかは分かっていなかったですが、自分のために懸命になってくれていることは感じてはいました。イリディアムとのマネージメント契約もしましたし、あとは用意された試合で結果を残して、UFCと契約するだけです」

──自分たちも分かっていないのですが、イリディアムと契約するだけでP1ビザなど取得できるのでしょうか。

「そこは僕も余り分かっていないのですが、松根さんによるとジェイソンさんが『イリディアムとの契約でもビザは取れるけど、UFCを通して申請した方が早い』と言っていたそうで、でそういう風にしようということになっています。ジェイソンさんが、すぐにUFCのマッチメイカーのミック・メイナードという人と話をしてくれたようです」

──では今回の渡米はESTAでの入国なのですね。

「ハイ。仮にこの間にUFCからショートノーティスでオファーがあっても、短期滞在ビザを取って試合には出られるということですが、今は練習に集中しています」

──本当に近づいてきていますね。

「現状はコンテンダーシリーズに出ようと思っています。ショートノーティスの出場もあるかもと松根さんとも話していて、いつでも試合に出られる状態にしつつ──コンテンダーシリーズは問題なく出場できるとジェイソンさんから聞いているので」

<この項、続く>

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