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【RIZIN DECADE】大晦日からRIZIN2025年の展望を柏木さんに訊く─02─「一度リセットが必要になるかも」

【写真】これだって日本を強くするため(C)MMAPLANET

RIZIN DECADE=大晦日から2025年のRIZINフライ級&フェザー級戦線の動向を柏木信吾氏に占ってもらったインタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

チャンピオン堀口恭司、扇久保博正という五輪3回出場のような長年のツートップに割り込もうとする神龍誠。その神龍を59キロ契約ながら大晦日に破ったホセ・トーレス、堀口のベルトに挑戦し濃密なMMAの攻防を見せたエンカジムーロ・ズールー、さらには11月の来日で勝利したトニー・ララミー&アリベク・カジャマトフと海外勢の充実が目立ってきた。

彼ら対抗しうる力を持ったフライ級ファイターはいるのか。そしてフライ級頂上決戦でトップに返り咲いたクレベル・コイケと、デビュー以来の無敗とフィニッシュ勝利を12に伸ばしたラシャブアリ・シェイドゥラエフを中心としたフライ級の動向は。

2025年の展望を語る氏は、日本の格闘技界の現状を理解した上でファイター、格闘家としての一番大切なモノは何なのか熱い言葉が続いた。切実、そして純度100パーセントの柏木節をお届けしよう。

<柏木信吾インタビューPart.01はコチラから>


──RIZINという大舞台で戦うことで、満足してしまうことがあるということですね。

「ハイ、そうなんです。でもアートを追い求めるって、そういうことなのかって思うんです。身近な存在でも、RIZINのスタッフであるデザイナーさんの仕事を見させてもらうと、完成形なんてないんです。『これで100パーセント』とかなくて。常にもっと上手くできると考えられていて。アレンジを加えて、より良い作品を創ろうとしています。ただ納期があるから、徹底的に追及をすることはできない」

──はい。作品でもあっても商品はそうなります。

「だからこそ、この世に出ている作品で満足をしているわけじゃない。納期があるから、ある程度で妥協をしている結果なんです。無限に時間があれば、永遠に一つの作品と向き合っているはずです。その意識を格闘家が持たなくて、どうするんだっていう話ですよ。

スポンサーがいて、月々に入ってくるお金の額も増えた。『なら、良いっかぁ』みたいな。知名度を上げて、YouTubeで食っていけるとか。そういう感覚になってしまうと、格闘家の本質から離れてくるのではないかと思います。いや、自分勝手なことを言っているのは理解していますよ。誰だって食っていかないといけないので」

──と同時に、食っていくための選択で強さを求める要素が減少してしまうなら、人々はその選手に魅せられることはないと思います。満たされて、以前のように求道的でなくなる。それは我々一般人のありようです。なぜ、人々はフィクションだろうが映画の主人公に魅せられるのか。泣いて、共感して。元気をもらうことができるのか。スクリーンのなかの主人公は、常人にはできないことをやってくれるからです。

「ハイ。強さを追求して、巨額の富を得る選手も存在しています。ジャパニーズMMAは、実力以外の部分……添加物を与えている。キャラ作りをして、演じてもらう。でも純粋に強さを求めている方が、やっぱり見入ってしまいます」

──とはいえ、演じきれれば立派なものかと。必要とされて、それをやり切る。選手も必要とされる方が幸せです。そこが榊原代表は非常に上手くないでしょうか(笑)。

「本当に人を輝かせることに、長けています。こういうとアレですけど、分不相応のモノでも分相応に見せることができます。それは日本の格闘技界の長けている部分だと思います。良いのか、悪いのかは別として」

──ある意味、良いことだと思います。求められた役割を全うし、ファイトマネーは既存のプロモーションより高い。そして人々に認知される。MMAをやってきて、報われたと思うことができる。ただし……。

「それで強さを求める姿勢が衰えるのは……というこうとですよね。良い生活ができるようなったことで、そこをはき違えてしまった選手はいるかと思います。そういうことがあると選手に対して、冷めてしまう。そこの部分は、そうですね。その点は選手も分かってほしいです。

それでいうとフライ級のストーリーは、軸に強さがある。堀口恭司が主人公なので。そこが大切なんです。軸となる人間が強くて本物だからこそ、遣り甲斐があります。だからこそ忖度なしに、強い奴らを呼ぶことができる。そこは凄く遣り甲斐があります」

──トニー・ララミー、アリベク・ガジャマトフと戦いたいという選手は現れましたか。

「ララミーはいます。ガジャマトフに関しては堀口選手、扇久保選手ですね。でもガジャマトフはまだ、分からないところも多いですよ」

──トップ2らしいです。そうなってくると、外国人対決も興味深くなってこないでしょうか。

「そこも堀口恭司に勝てるかもと、思われる外国人選手を連れてきてから……ですかね。ガジャマトフにはあと2試合、3試合はしてほしいです。それこそがストーリーじゃないかと」

──本当にカテゴリーとして、強さが軸にあることが浮き彫りになります。そうなると日本勢の強化、底上げが欠かせなくなってきます。

「面白い選手はいますよ。名前に言及するのは控えておきますが、少し成長を待ちたいという選手はいます」

──将来性でなく、現有勢力なら若松佑弥選手に和田竜光選手。藤田大和選手、そして伊藤盛一郎選手ですね。

「まぁONEと契約している選手は、ないものねだりになってしまいますからね。現実的でないことは、考えないように努めています。周囲を含めると思惑という言い方になってしまいますが、選手にはやりたいこともあるでしょうし。しょうがない部分はあります」

──では逆に現有勢力では?

「伊藤裕樹選手が強くなっていると思います。と同時にイ・ジョンヒョンはフィニッシュしてほしかった。そこは正直な気持ちです。それでも毎試合、強くなっているように見えます。

でも……日本勢の強化は、やはりビジネスを成立させないと難しい。IMMAFの世界大会を開いたウズベキスタンなんて、大統領が出てきて選手を激励しているんですよ。もう国がMMAに投資している。政策として、MMA振興が存在しているという。レバノンも10年以上、国ぐるみでアマMMAに投資している。そりゃあ、これからどんどん強くなってきます。5歳の時からMMAの英才教育を受けている。あと5年もすればそういう選手がどんどん出てくるでしょうね。

だってIMMAFで優勝したらUFCで通用する。そこを目指しているわけで。そんなところに対抗していくには……。世界的に見ても、MMAはビジネスとして成り立たせるのが難しい。だって、あのBellatorが無くなってしまうんですよ。PFLもトーナメント戦になりました」

──ONEも立ち技に重きが置かれている。つまりUFC以外は……。

「金になっていないということですよね。そこを踏まえて、日本にはこれだけ団体があって、選手の試合機会も多い。格闘技が好きな人たちも本当に多い。そのなかでも、ビジネスとして成立させるファイトが必要で、強さが軸になっていることと剥離がある。それが現実で。

じゃあ、どうすれば日本人は強くなれるのか。これは書かれると拙いですが、今の世代では難しい。揃って厳しい結果とが続き、一度リセットが必要になるかもしれないです。それでも強い選手を呼んで、高いレベルの試合を見せていかないと。目指すところが下がれば、全てがレベルダウンしてしまいます。そのためにも高見、レベルの高い試合が見られる環境を創り続けたいです」

(C)RIZIN FF

──フライ級と並び、外国勢力の台頭が目立つのがフェザー級です。

その頂点が鈴木千裕選手から、クレベル・コイケ選手に代わりました。

「正直、鈴木千裕選手の方がストーリーや展開は創りやすいです。でも、こうなったらクレベルのシェイドゥラフ攻略が見たくなります(笑)。負けていないから、シェイドゥラフは間違いを犯したことがないという勢いで攻めることができます」

──その攻撃力を柔術家ならではの防御能力の高さで対抗できるのか。逆に攻めてばかり来たシェイドゥラフのディフェンス力はどうなのか。

「めちゃくちゃ楽しみですね」

(C)RIZIN FF

──実現の方は?

「まだカードとして弱いですよ。でも、クレベルとシェイドゥラエフ戦が実現するのは、団体として正しい選択だと思います」

──一方でダウトベックはYA-MAN選手に勝利しましたが、打撃戦でひるんだ感も見せました。

(C)RIZIN FF

「まぁ、あれだけ殴っても前に出てきて強振をしてくる相手にテイクダウンを仕掛けたくなるのは、理解できます。

この試合で株を上げたのはYA-MAN選手で、ダウトベックではなかったです。ただ、日本人選手がYA-MAN選手と戦った際、どれだけテイクダウンできるのかというのはあります。同時にYA-MAN選手も技術力を向上させないと。打たれ強さが武器になっている状態のままだと、長続きはしないと思うので。

あの試合を見て平本蓮選手、鈴木千裕選手なら勝てるなという風に思ったファンの人も多いじゃないでしょうか。そういう風にイメージできるダウトベックの戦い方でした。とはいっても最大限の期待から、若干落ちたというレベルで。ダウトベックもまだまだナンボでも、いけると思っています」

──押忍。フライ級もフェザー級も2025年はさらに面白くなりそうです。ここで、締めと行きたいのですが、一つ。3月30日に高松大会で、井上直樹選手と元谷友貴選手がベルトを掛けて戦うことが決まっているバンタム級戦線ですが。

「福田龍彌選手ですね」

──ハイ。打撃で芦澤竜誠選手に勝った。これは特筆すべき勝利かと。

(C)RIZIN FF

「圧巻ですね。

福田龍彌選手からすると、MMAを舐めるなよっていうことだったのでしょうね。あの勝利でMMAファイターは勇気をもらうことができたかと。と同時に福田戦を受けた芦澤選手。ダウトベックと戦ったYA-MAN選手。シェイドゥラエフと戦った久保選手。彼らの心の強さから、MMAファイターは学ぶべきモノがあると思います。

MMAファイターは全てが分かるからこそ、『こいつには勝てない』と総合的な判断をするわけじゃないですか。だからシェイドゥラエフとやりたくないだとか、ダウトベックとは戦いたくないって断る。そんな総合格闘家のメンタリティは、理解できます」

──冬の時代を経験して、RIZINという舞台では負ける姿を晒したくないとうことでしょうか。

「今のRIZINに満足しているのであれば。強い外国人選手なんて、『わざわざ呼んでほしくない』と言いたくなるのも分かります。でも、そういう選手の要望に応えていると日本自体が弱くなる。日本の格闘技のレベルを下がってしまいます。居心地の良さをRIZINにキープしてほしいなら、後輩たちも誰も勝てなくなってしまいます。

そんな冬の時代を経験している扇久保選手は、ガジャマトフとも戦うと言います。扇久保選手はUFCファイターになって然りの選手です。TUFでランナーアップ、準優勝でした。本来なら契約されるべき選手でした。彼自身も今UFCで戦ってもやれると思っているでしょうし。だから「ジョン・ドットソンと戦いたい」、「ガジャマトフ、全然やります」、「ララミー? 楽勝」みたいな感じで。それは絶対的な自信があるからこそ、口にできることです」

──もう、そうなるとフライ級GPの機運はいよいよ高まったと断言しても良いでしょうか。

「GPはやったほうが良いです。やるなら今年です。それにホセ・トーレスに続く感じの選手を招聘して、扇久保選手にΦ♪§⇔БXЖ∵ωな、なんて思っています」

──何かむにょむにょ言われていて、聞き取れなかったですが(笑)。それにしてもRIZINフライ級が楽しみで、MMAPLANETだけが許されている柏木さんの下ネタが出る暇もなかったです。

「本当ですね(笑)。もうMMAの話が楽し過ぎて、〇ン〇もおとなしいままですよ」

──ハハハハハハ。最後に無理やり突っ込んでくれて、そこもありがとうございます。

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45 MMA MMAPLANET o UAEW UAEW57 フアン・プエルタ ブログ 藤田大和

【UAEW57】藤田大和、マウントをエスケープするや─待っていましたとばかりにギロチンでプエルタを破る

<59キロ契約/5分3R>
藤田大和(日本)
Def.1R4分50秒by ギロチンチョーク
フアン・プエルタ(米国)

サウスポーのプエルタ、互いにインローを蹴り合うと藤田は左アウトローを蹴り込む。踏み込んで右ダブル、、左カーフ、右に回りながら右ローを入れ、続いて右ミドルを思い切り藤田は決める。姿勢を乱したプエルタは立ち上がりつつシングルに出ると、ケージに藤田を押し込みボディロックから、トップを奪取。一気にマウントを奪う。プエルタは藤田の頭を抱えて、右のパンチを打ちつける。藤田はブリッジをするが、頭の上にケージが有り返せない。右で殴られ、エルボーを落とされた藤田は一瞬、背中を向けて反転。見事にお胸を合わせてトップを奪取する。

プエルタはハイガード、ケージを蹴って腰を切っていく。腕を抜いた藤田は思い切りパウンドを落とすと、プエルタが草刈りから蹴り上げる。一瞬、尻もちをついた藤田に対し、プエルタは起ち上がってテイクダンへ。藤田は待ち受けていたかのようにギロチンに捕える。ケージを蹴ったプエルタの前転に、マウント&ギロチンの態勢に持ち込んだ藤田が反転するや、観念したようにプエルタがタップした。

勝利の大絶叫を挙げた藤田は、両手を挙げ観客の声援に応えた。


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45 MMA MMAPLANET UAEW UAEW57 フアン・プエルタ ブログ 藤田大和

【UAEW57】2025年も砂漠の国へ。ファン・プエルタと対戦する藤田大和「しっかりインパクトを残します」

【写真】写真は2024年12月上旬撮影。この直後、今年初戦の試合が決まるとは……(C)SHOJIRO KAMEIKE

17日(金・現地時間)にUAEはアブダビのSpace42アリーナで開催されるUAEW57で、藤田大和がファン・プエルタと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

昨年5月、UAEWフライ級王座決定戦でイアゴ・ヒベイロに敗れた藤田は、4カ月後にバトゥカン・バイスエフを下して再起を果たしている。MMAPLANETでは2024年12月初旬、バイスエフ戦の振り返りと2025年の展望についてインタビューを行っていた。その時点ではまだ次戦が決まっていなかったが、直後にUAEWから今年初戦のオファーがあったのは既報どおりだ。ここでは昨年末のインタビューと、今回現地入り直後のコメントをお届けしたい。


バイスエフ戦はギロチンが評価された

――今年9月のバイスエフ戦(※インタビューは12月9日に行われた)は、スプリットの判定勝ちでした。裁定が下った瞬間、意外そうな表情を浮かべていたね。

「正直、負けたと感じていました。こちらも完全に寝かされていたわけではないけど、自分もギロチンが判定に対して効果的だったという感覚もなくて。でもスプリットだと聞いた時点で、『これは勝ったかも』と思いました(笑)」

――試合映像では、ポイントまでは確認できませんでした。

「採点を確認すると、1Rと3Rは僕が取っていましたね。あとで山﨑(剛Me,We代表)さんがジャッジに訊いてみると、やはりギロチンを取りに行ったことを評価したそうです」

――ただ、ポイントの取り合いとしては自分が押されていると感じていた。チームとしてインターバルでは、どのような指示を出されていたのでしょうか。

「結構ケージに押し込まれて、自分が座った状態や、バックにつかれていることが多かったですよね。だから『もうちょっと行かないといけない』とは言われていました。自分自身でもそう思っていましたけど、ギロチンにこだわってしまったというか」

――トップをキープしているだけではコントロールとみなさない、という採点基準に変わったのか。こればかりは結果論になりますが、過去のUAEWの採点基準とも違ったように思います。

「ケージ際で押さえ込まれていても、下からコツコツ殴っているほうが判定で勝つという試合が、たまに日本でもあるじゃないですか。その採点基準は認識していました。ただ、自分も下から殴っていたわけでなくて……」

――一方、バイスエフもトップキープから殴ってきませんでした。

「そうですね。ポジションのキープは凄かったですけど、最後のほうは特にレフェリーもアクションを促していましたよね」

――ポイントは背中をマットに着かされているかどうか、でしょうか。藤田選手の場合、ケージに押し込まれても尻もちを着いている状態でケージに体を預けていました。

山﨑 藤田はあの状態からの展開が強いんです。だからバイスエフもピッタリとくっついたまま、特に殴りに来ることもなく、無理に背中を着かせに来ることもなかったんだと思います。

――反対に背中を着かされている側がコツコツ打撃を出していても、それで優位になると考えるのは難しいです。藤田選手としては、まず背中を着かされない。キープされても尻もちを着いた状態で、という意識は強かったのですか。

「はい。それは今回の試合だけじゃなく、MMAを始めた頃からシチュエーションを想定して練習していました。尻もちを着いた状態で、押し込まれたところから取りに行ったりとか。今までUAEWの試合では、その良さを出すことはできていたと思います。でもバイスエフは攻め方がタイトで、自分から展開をつくりづらい面はありました」

山﨑 前日のルールミーティングの前に、バイスエフがストレッチとか動いているところを見ていて、すごくタイトさがあったんです。体を小さくしたり、ピッタリとくっついてくるようなストレッチが多くて。これがケージ際の攻防で出て来るかな、とは考えていました。

――相手がタイトに攻めて来ると、スタミナが削られたりすることはなかったですか。

「スタミナを削られることがなかったです。動きがなかったので、むしろ座った状態で考えたり、呼吸を整えることができました」

――そのおかげか、最終回は開始早々から攻めていくことができました。

「インターバルの間に、もっと動きを出すように山﨑さんから言われました。そこで自分からテイクダウンを狙いに行ったり、バックを取られたところから足を狙ったりとか。それがギロチンに繋がったりしたので、良かったと思います」

一歩一歩、UFCを目指していきたい

――スクランブルの末に立ち上がって打撃戦を挑むことより、ギロチンのほうが優先度は高いのでしょうか。

「いえ、そういうことはないです。ギロチンは体が勝手に動いたという感じですね。今回は力まずに良い時の動きを思い出そうと考えていました。タイトルマッチの時は力み過ぎて、足も動いていなかったですし。だから打撃に関しては深くこだわっていなかったです。右カーフも警戒されまくっていましたからね(苦笑)」

――カーフキックを警戒されたことは、何か試合に影響を及ぼしましたか。

「特には――焦りとかもなかったですね。いずれ組んでくる、そこに合わせていこうと考えていました。自分から攻めるよりも相手を誘う、というのは良くないかもしれないですけど」

――ギロチンという武器があるからこそ、相手の動きを誘えるのではないですか。それはMMAファイターとしての幅が広がったことでもあると思います。

「ギロチンもそうですけど、いろいろ得意な部分は増えてきています。それを試したかったけど、やらせてもらえない部分はありました(苦笑)。ギロチンを狙った時も、深く入ったけど相手の体の力が強くて、足も組ませてもらえなかったです」

――判定の結果については異論もあるでしょう。しかし、まずは勝ったことで生き残りました。やはりUAEWのベルトに再挑戦したいですか。

「はい。僕はイアゴ・リベイロとリマッチをやりたいです。もうどんな選手かも分かっていますし、いつでも再戦したいですね」

――まだ次戦は決まっていないのでしょうか。

山﨑 年内か年始には試合したい、と伝えています。でもUAEWって急に試合が決まったりするんですよ。毎年1月には大会を開催しているので、可能性はあると思っています。1月のあとは3月にラマダンがあるようなので、ラマダンが終わって5月ぐらいになるのか……。2年ぐらい試合をしてきて、何となくUAEWの状況も分かってきました。UAEWで戦ってきて愛着もありますし、ベルトを獲りたいです。その先にUFCも見据えていますし、僕たちは一歩一歩その目標に近づいていきたいですね。

――UFCに向けて一歩一歩……昨日、同じフライ級で朝倉海選手がUFC初戦でベルトに挑みました。そのことについては何か思うところはありますか。

「やっぱりUFCの壁は高いですね」

――はい。

「初戦でベルト挑戦については――最初は『まさか!?』とは感じましたよ。でも僕は海君の強さも知っているから、別に変だとは思わなかったです。UFC側としてもパントージャがランカー全員に勝っていて、そんななかでフライ級を盛り上げるためには海君が挑戦することが良かったんでしょうし。

こちらは一歩一歩、UFCを目指してやっていきますけど、そのほうが凄いとかは思っていないです。それが美学――という考えもないですし。今、僕たちはUAEWが良いと思って、戦う場所として選びました。まずはそのUAEWでベルトを獲りたいですね」

強い相手を用意してもらいました

前述のとおり、このインタビューが行われたのは12月9日だった。山崎代表によれば2日後に大会出場のオファーが届いたという。年内に契約書にもサインをしたが、その後に対戦相手が変更となり、今年に入ってファン・プエルタと59キロ契約で対戦することが確定した。

そして藤田と山﨑代表は1月12日夜に日本を経ち、フライト→乗り継ぎ→フライト→車とハードな移動を経てアブダビのホテルに到着。翌日のプレスカンファレンス後、藤田に今回の試合について訊いた。

試合会場となるSpace42アリーナ(C)TAKESHI YAMAZAKI

――今回はハードな移動だったと聞いています。コンディションに影響はないですか。

「アハハハ。到着した時は眠かったですけど、もう長時間座っていた腰の感じや、寝不足気味なのは解消されました」

――12月のインタビュー時点では、次は年末か年始に試合をしたいと言っていました。その直後にオファーがあったそうですね。

「はい。そのタイミングで大会が開催されることが分かって、数日後に対戦相手の提示がありました。そのあと対戦相手が変わって『えっ!?』とは思いましたけど、それでも試合をしたい気持ちのほうが強くて。対戦相手の変更について動揺はなかったです」

――59キロ契約については?

59キロ契約のためか、いつもより頬がこけていない藤田(C)SHOJIRO KAMEIKE

「まぁ……相手も準備期間が短いので、仕方ないですね。僕もこの体重で試合をするのは初めてで、2キロがどう影響するのかは分からないです。ただ、2キロ分減量は楽です」

――最初に決まった相手はCFFCフライ級王者のプミー・ヌクータで、ヌクータの欠場が決まるとすぐに代替選手を見つけてくれた。それだけ藤田選手に出場してもらいたい、というプロモーター側の熱意や期待もうかがえます。

「スタッフの方も皆、『帰ってきてくれたね!』と歓迎してくれている雰囲気はあります。それとプレスカンファレンスでも、一般のお客さんが盛り上がってくれていて。僕が出た時に歓声が挙がっていたので、現地でも認知されているのかなと思いました」

プレスカンファレンスで対戦相手のプエルタと(C)UAEW

――では対戦相手、プエルタの印象を教えてください。

「今まで戦ってきたなかで一番実績のある選手です。当初の相手とは構えも何もかも違いますけど、気持ちの面では全然問題ないですね。1カ月前から試合に向けて準備できていたので」

――対戦相手がプエルタに正式決定したのが1月6日、対策練習ができる期間も短かったと思います。

「とりあえず相手の得意なところを頭に入れておいて――という感じですね。まぁ、やるしかないです。今回はいろいろあったけど、強い相手を用意してもらいました。一本かKOか、しっかりインパクトを残します!」

■UAEW57 視聴方法(予定)
1月18日(土・日本時間)
午前0時~ UFC Fight Pass

※前日の同時間帯にはUAEW56が開催される

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45 AB News UAEW UAEW57 フアン・プエルタ ブログ 藤田大和

【UAEW57】対戦相手が二転三転、藤田大和が59キロ契約で元Titan FC王者フアン・プエルタと対戦

【写真】砂漠に足跡は残してきた。北米フィーダーショー王者も、中央アジアやコーカサス勢と比較すると戦いやすいようにすら思える (C)UAEW

17日(金・現地時間)にUAEはアブダビのSpace42アリーナで開催されるUAEW57「Ali Alqaisi vs Vicente Vargas」に藤田大和が出場し、元Titan FCフライ級王者フアン・プエルタと対戦することが発表されている。
Text Manabu Takashima

中東のUFCへの登竜門=UAEW、2025年戦いの幕はラファ・ビーチにあるモダンな創りのスペース42で切って落とされる。収容人員3000人の同会場は、昨年10月にAIを活用した地理空間ソリューション企業バヤナットと衛星通信企業ヤーサットが合併して宇宙進出を目指すグローバル企業=スペース42がネーミングライツを獲得している。

化石燃料時代も転機を迎えるなか、とてつもなさを感じる中東の会場で藤田が昨年9月以来、4カ月振りに連勝を賭けた一戦に臨む。その藤田が所属するMe, Weの山﨑剛代表によると、UAEWからオファーがあったのは昨年12月10日と試合の約40日前だった。

5日後に名門セラ・ロンゴ所属でCFFCフライ級王者、キャリア8勝0敗のプミー・ヌクータが相手になること知らせが入り契約を済ませた。しかし、年が明けた3日にヌクータの欠場と代替選手と61キロ契約で対戦という再オファーがあったという。

61キロはほぼバンタム級、藤田陣営はさすがにこの申し出は固辞。翌日に相手はプエルタ、キャッチウェイトは59キロという話を持ち掛けられる。「試合はしたい。ただし58キロにならないか」という交渉の下、59キロ契約で1ポンド・オーバー規約はないという話でまとまった。

ファイトはケージが上がる前から、始まっている。そんなヒリヒリするやり取りのうえで決定した59キロ契約のフエルタ戦だが、計量失敗すら陣営は想定しているだろう。


藤田としてはどれだけ試合決定までドタバタがあったとして、UAEWフライ級の頂点を目指すうえで、絶対に落とせない試合だ。キャリア25勝9敗、Titan FCやCombateというラテンアメリカ色の強い米国MMAシーンでプエルタは戦績を積んできた。2021年にはコンテンダーシリーズで中国のシャン・チーファーにスプリット判定勝ちも、最終回に足を使って流したことでダナ・ホワイトはサインをしなかった。

(C)Zuffa/UFC

コンテンダーシリーズですら勝ちに徹したスタイルこそ、プエルタの強味でもあり弱点でもある。

175センチのソップ型、テイクダウンからバックよりも組んでワキを潜ってのバックテイクを得意としている。ここから長い肢体を駆使して足をフックし、グラウンドへ。RNCという極めもあるが、そのままポジション・キープを躊躇なく選択する。この展開だけは、藤田も絶対的に避けたい。とはいえ、プエルタは長いリーチを誇るが、懐には入りやすい相手ともいえる。北米フィーダーショーの元チャンピオンもしっかりと仕留めることが求められる──それだけの相手とUAEWで鎬を削ってきた藤田だ。

なお同大会のメインはフェザー級、ヨルダンのアリ・アルカイシ×ヴィセンテ・ヴァルガスの一戦。この他、バンタム級でピーター・ダナソー×フロレンティノ・コロネルというタイ×フィリピンの東南アジア対決も組まれている。さらに中東は当然として、ロシア、中央アジア、コーカサス諸国、東欧、ブラジルとLFA以上にグローバルなマッチメイクが揃う。そんな砂漠のフィーダーショー、しっかりと注視しなければならないだろう

■視聴方法(予定)
1月18日(土・日本時間)
午前0時~UFC Fight Pass

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45 AB BELLATOR Brave CF LFA LFA196 MMA MMAPLANET o RENA UAEW UFC YouTube アコ アザット・マスクン イリョル・バフティヤル・ウルル カムエラ・カーク クリスチャン・ナティヴィダッド ケイシー・タナー ザック・マコウスキー ジアン・マツモト ジャコビー・ジョーンズ フィルカドベク・ヤクボフ ヘンリー・セフード ミカイアス・ウレーニャ ワルド・コルテスアコスタ 上久保周哉 松嶋こよみ 空手 藤田大 藤田大和

【LFA196】11秒KO初陣=ドミニカ人ウレーニャがメイン。UAEWで藤田と戦ったヤクボフも、出場!!

【写真】ウレーニャの左胸のハングルは、テコンドー。つまりはテコンドーベースということか(C)LFA

8日(金・現地時間)、アリゾナ州フェニックスのアリゾナファイナンシャル・シアターでLFA196「Tanner vs Urena」が開催される。8月に松嶋こよみ&上久保周哉とサイン(※1月大会参戦を念頭に、現在もビザ取得過程にある)したようにLFAはフィーダーショーでありながら、常にグローバル化を目指している。
Text by Manabu Takashima

今大会もメインカード7試合だけで、6カ国のファイターが戦う。ブラジル大会も実施しており、MMA王国からの出場はレギュラーといっても過言でない。そんななか今大会にもニカラグアやドミニカという中央アメリカ、カリブ諸国=ラテンアメリカ系だけでなくキルギス、ウズベキスタンのような中央アジアからも2選手が戦う。


メインでケイシー・タナーと戦うミカイアス・ウレーニャは、ドミニカ=カリビアン・ファイターだ。キャリア9勝2敗のウレーニャはTitan FCやCombateという他のフィーダーショーでキャリアを積み、今回がLFA2戦目となる。LFA初陣では強烈な右フックで僅か11秒でKO勝ちを決めているウレーニャは、そのLFAからUFCに巣立ったワルド・コルテスアコスタに続く2人目のドミニカ人LFA王者を目指し、そして2人目のドミニカ人ヘッドライナーとなる。

対するタナーの戦績は7勝1敗。唯一の敗北が去年のコンテンダーシリーズで、現UFCファイターで16勝0敗のジアン・マツモトに喫したものだ。

父が松濤館空手の指導者で、ヘンリー・セフードと練習を積むご当地ファイターは瞬足バックテイクからのRNCという武器を持つ。

メインカードで2試合が組まれたフライ級マッチはフラービオ・ジ・ケイロス×フィルカドベク・ヤクボフに注目したい。

前者はBRAVE CFでアザット・マスクンにこそKO負けをしているが、シーズンフォーマット時代のBellatorでバンタム級Tを制しているザック・マコウスキーを2分強でKOしている。後者はUAEWにおける藤田大和との戦いで日本のファンも名前を聞いたことがあるだろう。藤田にはギロチンで敗れたのの、その後はカラテ・コンバットを含め4連勝中。中東を経験したブラジル人とウズベキスタン人の戦いも見逃せない。

■視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午後12時00分~UFC FIGHT PASS

■ メイン対戦カード

<バンタム級/5分3R>
ケイシー・タナー(米国)
ミカイアス・ウレーニャ(ドミニカ)

<ライト級/5分3R>
カムエラ・カーク(米国)
エジニウソン・サントス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
フラービオ・ジ・ケイロス(ブラジル)
フィルカドベク・ヤクボフ(ウズベキスタン)

<フライ級/5分3R>
クリスチャン・ナティヴィダッド(米国)
デヴォン・ジャクソン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アリク・ロレンツ(米国)
ライアン・パーカー(米国)

<ライト級/5分3R>
ジャコビー・ジョーンズ(米国)
ゲイブリエル・ブラウン(米国)

<148.8ポンド契約/5分3R>
レオナルド・モラレス(ニカラグア)
イリョル・バフティヤル・ウルル(キルギス)

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【UAEW54】バトゥカン・バイスエフ戦へ、藤田大和「人間としての強さを問われる試合が続きます」

【写真】既に計量を終え、あとは試合を待つばかり(C)TAKESHI YAMAZ

本日28日(土・現地時間)にアラブ首長国連邦はアブダビ首長国のADNECマリーナ・ホールで開催されるUAE Warriors54で藤田大和がダゲスタンのバトゥカン・バイスエフと対戦する。
Text Manabu Takashima

5月のUAEWフライ級王座決定戦で敗れてなお、「UAEWで戦い続けたい」という発言も聞かれた藤田。日本ではなかった人間としての強さが問われる戦いに挑むに彼に、現地入りしてから話を訊いた。


現地のカビブジムで汗を流す藤田

――もうお馴染みとなってきたアブダビでの試合です。前回タイトル戦に敗れた時ですら、ずっとUAEWで戦っていきたいという発言もありました。

「ハイ。今回もアブダビにやって来て、試合に集中できる環境が整っています。ここにくると、試合だなっていう感じがしてきます」

──とはいえ複数契約ではないと伺っています。

「ハイ、今回も単発契約です。複数契約をしたいと伝えたこともないですし、試合をして次のオファーを待つという形ですね。前回負けて、8月末にオファーがありました。1カ月前のオファーが普通で、タイトル戦の時はオファーがあってからも相手がなかなか決まらず3週間前に正式決定した形でした」

──UAEWから声が掛らないと、国内も含め他で戦おうかと考えることもありますか。

「いえ、今はUAEW一本で戦っていこうと思っています。声が掛るのを待つ形ですね。7月、9月と10月に大会があることは発表されていたので、オファーがあれば動けるように準備はしていました。負けてもダメージもなかったので、7月末の試合に出たいという気持ちはありました。早く試合がしたかったので。

そうやって考えると、今回は少し待つ期間が長かったと感じます。それでもUAEWはUFCに繋がりやすかったり、相手が強いし、環境も良いですからね」

──相手が強い。毎試合のように得体がしれない猛者との試合が用意されます。

「ハイ、こっちに来て……人間としての強さを問われる試合が続きます。日本にいると少し甘えがあるので、人間的に強いヤツと戦いたいと思っています」

──今回、ついにダゲスタン人との試合が組まれました。このオファーを受けた時、どのように感じましたか。

「まぁ、ロシアかって感じですね(笑)。また名前にVがつくのかって(笑)」

──ハハハハ。そこですか。今、RIZINに中央アジア旋風が起こりつつありますが、藤田選手は中東でその戦いに1人挑んでいます。

「精神修行ということではないですが、ここで戦ってしまうともう日本で戦っていた頃のようには戻れないですね(笑)」

──そこでバトゥカン・バイスエフ、どのような選手でしょうか。

「全部ができる選手ですで。打撃も早いですし。KO勝ちもあるし、極めている試合もある」

──これまで藤田選手がUAEWで戦ってきたから、さきほど申し上げた得体の知れなさは感じなくなりました。恐らく力もあって、持久力もある。強い。でも、そうでない選手はここにはいないな、と。

「まぁ、やってみないと分からないので。想定は高くしています。ロシア、ダゲスタンの選手なので脅威には感じています」

──コメインで組まれたことで、期待値の高さも感じます。

「今日の会見は(※取材は25日に行われた)、タイトルマッチほどではなかったですけどね。それでも本来は13試合中9試合目だったのが急にセミになりました。セミの試合がなくなって、他が繰り上がるのではなく自分の試合がそこになった……ことから、期待されているとは思います。

最初セミになったと聞いた時は、そこまで3試合がなくなったのかと思っていました。でも、そうでなくセミの代わりに自分の試合が組みこまれた感じだったので」

──ではその期待されたなかで再起戦ということもありますし、どのような試合がしたいと考えていますか。

「前回の試合の反省点を生かし、1戦目と2戦目で上手くいったことを思い出して、イメージを創ってきました。打撃だったり、寝技だったり、組みだったり。相手どうこうではなく、自分のスタイルを貫く感じです」

──ウェルラウンダーのバイスエフに対し、藤田選手が貫く自分のスタイルとは?

「打撃にしろ、寝技にしろ、僕が優位なところで戦う。そんな感じですね」

──距離的には?

「今回は近い距離は余り想定していないです。相手がステップを踏む感じで、長い距離のスピードがあるので。前の試合のような打ち合いにはならないと思います」

──勝手ながらキックボクシングということではなくて、蹴りを踏まえたボクシング。そのような藤田選手を見てみたいです。

「どうですかね(笑)。そうなれば、良いですね。ただ、それほどパンチに拘るということでなくて……。前回の試合で倒し切れなかったわけですし。倒し切ることができれば良かったと思いますが、ガスが続かなかったので……そうですね、振り過ぎないように。へへへへ」

──スタミナ配分にも注意が必要に?

「そこは大切ですね。使い過ぎないこと。でも、待ち過ぎない。受けに回り続けないことは意識しないといけないです」

──ダゲスタンの選手にとっては、アブダビはホームのようにも感じられます。ロシアと中東のムスリム・コネクションが存在していて。加えてタイトルコンテンダーを食ってやろうというバイスエフ軸の試合とも捉えることはできますし。

「そうならないようにします(笑)」

──押忍。では最後に深夜まで起きて、藤田選手の試合を視聴してくれるファンの人達に一言お願いします。

「極めるなり、倒すなり──しっかりと勝ってきます」

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【UAEW54】中央アジア、ブラジル──再起戦の藤田大和が、ついにダゲスタン戦士と対戦!!

【写真】キャリアの集大成ではないが、UAEWで戦ってきた集大成&必勝のファイトとなる藤田 (C)UAEW

28日(土・現地時間)にアラブ首長国連邦はアブダビ首長国のADNECマリーナ・ホールでUAE Warriors54が開催され、藤田大和がロシアのバトゥカン・バイスエフと対戦する。
Text Manabu Takashima

藤田にとっては5月に初代UAEWフライ級王座決定戦をイアゴ・ヒベイロと戦い、TKO負けを喫して以来の再起戦となる。


バイスエフは戦績7勝3敗、ダゲスタンのグロズヌイ在住ベクルート・ファイトクラブ所属の26歳だ。UAEWには初出場で、これまではACAとACBの人材育成大会=Young Eagleでキャリアを積んできた。

過去の試合映像を見ると、回転系の打撃も使い、テイクダウンからコントロールができて、柔術の技術も有している。レスリング withボクシングの全局面対応ファイターでなく、全局面で戦える選手といえる。

柔術は紫帯で道着の試合にも出てきたバイスエフは、レスリングとの融合という部分に強さを見せバック奪取かチョーク、テイクダウンに合わせたギロチンで一本勝ちもしている。当然、UAEWで戦う機会を得たのだから弱いはずはない。

それを承知のうえで、このスピードとパワーがあるウェルラウンダーはえげつない圧力や爆発力は持ち合わせてないようにも感じられる。短距離走を15分間繰り返すのではなく、中距離走ペースで体力の消耗を控えつつ、攻撃を繰り出す。

藤田としては、よりハイペースでしんどい試合を15分間続けるなかで、今回こそは蹴りも含めたボクシング──キックボクシングではなく、ボクシング&キックで削り、バイスエフのタイミングではない状態で組みに来させたい。

砂漠を選んで1年が過ぎウズベキスタン、カザフスタン、ブラジル人ファイターと激闘を繰り広げ、ついにダゲスタン戦士と戦うことになった藤田。ベルトは掛かっていない、ただし中東で戦ってきた意義を見せつける節目のファイトとなろう。

また今大会には昨年6月にGladiatorに来日し、竹本啓哉と戦ったジェイソン・マルガリョも出場。フェザー級でエジプト人ファイターのフセイン・サレムと戦うことが決まっている。

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【UAEW51】1年振りの実戦が中東、スソンがプロアマ35勝1敗のチョプロフと対戦。デリダーも出場!!

【写真】この一発が入れば、アゼルバイジャン人だって倒れるはず (C)MMAPLANET

イベント開始まで1時間を切ったが、27日(土・現地時間)にUAEはアブダビのADNECマリーナ・ホールでUAEW51が開催され、日本からスソンが出場。アゼルバイジャンのアサフ・チョプロフと対戦する。
Text by Manabu Takashima

スソンにとっては昨年7月23日以来、ほぼ1年振りの実戦は中東でコーカサスの猛者と対戦することとなった。


格闘技代理戦争シーズン01、アマ修斗、パウンド有りのトライアウトを経て2020年6月にTTFCでプロデビューを果たしたスソンは、POUNDSTORMで宇佐美秀メイソンから判定勝ちを収めるなど、修斗での3連勝を含め無敗の5連勝と結果を残してきた。

いかにステップアップをしていくのか、期待されたスソンだが修斗バンタム級戦線に姿を見せることはなく、ばかりかこの1年間は試合に出ていなかった。そんなスソンの周囲は国内外で試合をしており、彼もようやくUAEW挑戦という大きな一歩を踏み出すこととなった。

とはいえ、UAEWは藤田大和や吉野光という国内トップクラスの実力者が挑んできたガチで実力者が集まる舞台だ。対戦相手のチョプロフはプロ戦績では4勝0敗とスソンより少ないが、アマチュアは分かっているだけでも31勝1敗という驚異的なレコードを残している。

2022年にはIMMAF2021のジュニアを制し、その後もロシアを中心にアマで活躍を続け、昨年9月に満を持してプロへ。貯プロフもスソンと同様にUAEW初参戦となる。

スイッチヒッターでキックボクシングを駆使し、左ミドルは相当な力が感じられるチョプロフだが、首相撲とレスリングも既に融合しており、テイクダウン&スクランブルも強い。加えてパウンドには威力があり、極め力もある。

スソンとしては打の圧力で負けず──回転系の動きを、相手から目を逸らさずに交えて戦いたい。打撃にも自信をもっているから、いきなり組んでくることはないと思われるチョプロフだけに、スソンは初弾が大切。その拳を意識させる攻撃をまずは見せたい。

同大会のメインはUAEWライト級選手権試合で、チャンピオンは7勝0敗のアムル・マゴメドフ。ヌルマゴの弟子がカザフスタンのアリ・カブドゥラの挑戦を受ける。カブドゥラはONE FFで2勝を挙げているファイターだ。

ONE FFではなくONE本戦から……というよりも、ミドル級とライトヘビー級を制したライニア・デリダーがUAEWに戦場を移し、初戦を迎える。実に6年振りのONE以外での試合となったデリターと戦うマゴメドムラド・カサエフはトルコ人ファイターでキャリアは7勝1敗。彼もまたONE FFで戦っており、ルンピニーのリングで1勝1敗──アギラン・タニには一本負けを喫している。

そのタニもONEから前回大会からUAEW戦場を移しており、選手の意思かプロモーションの判断かは不明だが、デリダーようなトップどころの離脱はONEではMMAの試合数が減ったままであることと無関係ではないだろう。

■視聴方法(予定)
7月27日(土)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

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【UAEW50】ダウンを奪った藤田、乱打戦からTDを許しヒジの連打にTKO負け。ヒベイロがフライ級王者に

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)
Def.3R2分22秒by TKO
藤田大和(日本)

まず藤田が右カーフを蹴る。さらにカーフを続け、藤田はオーバーハンドのヒベイロに右ショートを当てる。藤田のカーフを嫌がったヒベイロが組んで来てケージに押し込む。早くも首を抱えた藤田だが、離れてカーフを蹴る。バランスを崩した藤田をダブルレッグで倒したヒベイロは、ボディロックからバックを伺う。ケージに寄りかかって背中を譲らない藤田は、細かいヒザを太腿やボディに受ける。

ヒベイロは藤田が立ち上がったところでボディロックテイクダウン。スクランブルにもシングルレッグから頭を胸に押し当てていく。藤田の左足を束ねて、顔面にパンチを入れるヒベイロ。残り50秒でバックに回ったヒベイロだが、藤田も懸命に正対しようと動く。半身の状態で完全にバックを与えずとも、胸を合わせることができなかった藤田は初回を落としたか。

2R、ヒベイロがローを蹴り、藤田はワンツーを放つ。ジャブからハイ、後ろ回し蹴りと矢次早に攻めようとするヒベイロだが、右ローに左を合わせた藤田がダウンを奪う。ハーフでパンチを落とされ、たまらず背中をつけたヒベイロに対し、藤田は鉄槌を連打する。スイープを潰されフルガードを取ったヒベイロが、一旦落ち着く。藤田もガードの中で過ごし、左のパンチを打っていく。ヒベイロはカンヌキで抱えると、レフェリーがブレイクを命じた。

藤田は前に出て右フック、ヒベイロもボディから右オーバーハンドを振るう。藤田が打ち合いに応じると、ヒベイロは一転組んでテイクダウン。スクランブルでバックを伺う。初回と同じ形になり、藤田は細かいパンチを受ける。そのまま前方におくって崩そうとしたヒベイロが、スクランブルでギロチンを仕掛けて下になる。左足を抜いて、垂直の形を創った藤田は逆にヴァンフルーチョークへ。フルガードに戻したヒベイロのギロチンは、さほどタイトにならず藤田がラウンドを取った。

3R、スピニングバックキックから跳びヒザを見せたヒベイロ。二段蹴りのように左ヒザをヒットされた藤田の足がもつれる、一瞬のクリンチから、足を止めての打ち合いになると、ヒベイロがヒザを織り交ぜ攻勢に出る。藤田もパンチが振るうが、勢いに巻き込まれたようにアッパー、左フック、スピニングバックエルボーと攻められる。と、ヒベイロはレベルチェンジからシングルレッグでテイクダウンを決める。ヒベイロがバックに回り、背中をつけた藤田に肩固めを狙う。ここからパンチに切り替えたヒベイロが、バックからパンチを連打する。

キムラを抜けられ背中を譲ったままの藤田はエルボーを打たれ、正面を向いても連続でヒジを落とされる。ヒベイロがギロチンから後方回転、上を取るとエルボーを打ち続けレフェイーが試合を止めた。

藤田はUAEW初黒星、無念のタイトル奪取失敗。初代UAEWフライ級のベルトはイアゴ・ヒベイロの腰に巻かれた。


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【UAEW50】藤田大和の挑戦以外も、見所タップリ。フィアーリョが再登場、アギラン・タニが初陣

【写真】ソルディとアギランが、砂漠のMMAに挑戦 (C)UAEW

藤田大和がイアゴ・ヒベイロとフライ級王座決定戦を戦うUAE Warriors50が、19日(土・現地時間)にアラブ首長国連邦 アブダビ首長国、ADNECマリーナ・ホールで開催される。
Text by Manabu Takashima

PFL MENAという中東&マグレブのイスラム社会に特化したMMA大会がスタートし、バーレーンのBRAVE CFは独自のグローバル展開を続けるなか、UAEWは中東の独特な風土と経済力を背景にしつつ、UFCを頂点としたMMAヒエラルキーにあって重要なフィーダーショーかつ、インターナショナル・イベントを展開している。


今大会はまさにUAEWの特徴と魅力が詰まったイベントといえる。藤田が戦うフライ級タイトル戦以外にフェザー級とウェルター級の2階級でもベルトが懸かった試合がマッチアップされた。

メインのUAEWフェザー級選手権試合は、ヨルダン人王者アリ・アルカイシにスウェーデンのサムエル・バークが挑むというもの。UFCベテランでDESERT FORCE、BRAVE CFと砂漠のMMAをリードしてきたアルカイシは、UAEWではアラビアと二つのベルトを巻く。

チャレンジャーのバークはCage WarriorsとOKTAGONという欧州内ビッグショーで戦ってきたキャリア9勝2敗のストライカーで、スウェーデンの国内キック王者でもあった。いわばメインはご当地ファイターがイベントを締めるという形になっている。

コメインのUAEWウェルター級王座決定戦はロシアのシェフバン・アルハソフとアゼルバイジャンのタフィル・アブデュラエフが激突する。アブダビといえばヌルマゴとの強いパイプがあるのは周知の事実、アルハソフはそのフルマゴ軍団のエース候補のダゲスタン・ファイターだ。対するアブデュラエフはこれが2度目のタイトル挑戦となる。

アルハソフは8勝0敗、アブデュラエフは16勝2敗で共にコンバットサンボがベースとなっているガチンコ対決だ。

タイトル戦以外にもアンドレ・フィアーリョ、エミリアーノ・ソルディ、アギラン・タニらの出場にも注目が集まる。UAEWからUFCにステップアップをしたフィアーリョは最高峰で2勝5敗と結果を残せず、再生の場にUAEWを選んだ。とはいえ対戦相手のジェコンギル・ジュマエフは戦績10勝4敗のウズベキスタン人ファイターで、ライト級王座挑戦に失敗し階級を上げての再起戦となる。フィアーリョにとって、生易しいファイトとはならない。

カザフのディヤール・ニュルゴウスキと戦うエミリアーノ・ソルディはフィアーリョとキルクリフCFのチームメイトで、PFL2019ライトヘビー級を制したミリオンダラー・ファイター。対するニュルゴウスキは2年振りのファイトとなるが、両者揃って計量に失敗しており、特に後者は4.7ポンドのオーバーとなっている。

キャリア12勝7敗のマレーシア人柔術黒帯のタニは、ONE日本大会で岡見勇信と対戦し、かつてはベン・アスクレンの持つONE世界ウェルター級王座に挑戦したこともあり、ある意味日本で馴染のある選手といえる。

これがONE以外での初めてのファイトとなるタニは、当初はヨルダン人選手のイマンシャピ・ムクタロフとの試合が決まっていたが、欠場により代役のアリベク・スレイマノフと戦うことに。

このスレイマノフはプロMMAは4勝0敗ながらアマチュアで24勝1敗のレコードを持つ実力者だ。アマからプロへと過去5年間負け知らず──15連勝中のスレイマノフとのファイト、アギラン・タニの苦戦は必至か。

この他、プレリミでもフィリピン=アリエル・オリヴェロス×ブラジル=ルーカス・ペレイラのバンタム級戦。女子124ポンド契約体重戦のスウェーデン=エリン・オウバリ×キルギス=アネリア・タクタゴノワなど、国際色豊かなカードが揃っている。

実にスウェーデン、ポルトガル、ロシア、ウクライナ、ジョージア、アゼルバイジャン、ヨルダン、レバノン、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、マレーシア、フィリピン、日本、アルゼンチン、ブラジル──16カ国から22人のファイターが集結する砂漠のMMAの祭典といえるUAEW50、開幕まであと2時間だ。

■視聴方法(予定)
5月18日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■UAEW50対戦カード

<UAEWフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アリ・アルカイシ(ヨルダン)
[挑戦者] サムエル・バーク(スウェーデン)

<UAEWウェルター級王座決定戦/5分5R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
タフィル・アブデュラエフ(アゼルバイジャン)

<UAEWフライ級王座決定戦/5分5R>
藤田大和(日本)
イアゴ・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェコンギル・ジュマエフ(ウズベキスタン)
アンドレ・フィアーリョ(ポルトガル)

<ライトヘビー級/5分3R>
エミリアーノ・ソルディ(アルゼンチン)
ディヤール・ニュルゴウスキ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
アリベク・スレイマノフ(ロシア)
アギラン・タニ(マレーシア)

<163ポンド契約/5分3R>
ニカ・クプラヴィシヴィリ(ジョージア)
ウラジスラフ・ルドネフ(ウクライナ)

<194ポンド契約/5分3R>
モハメド・オシイリ(レバノン)
マムルジョン・ハミドフ(ウズベキスタン)

<ライト級/5分3R>
ズバイル・ズバイロフ(ロシア)
アブダラ・ホツハエフ(タジキスタン)

<バンタム級/5分3R>
アリエル・オリヴェロス(フィリピン)
ルーカス・ペレイラ(ブラジル)

<124ポンド契約/5分3R>
エリン・オウバリ(スウェーデン)
アネリア・タクタゴノワ(キルギス)

<ライトヘビー級/5分3R>
ウユビイ・アミスハノフ(ロシア)
シミク・マフメドフ(キルギス)

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