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45 Grachan72 J-CAGE Report ブログ 大場慎之助 荒東“怪獣キラー”英貴

【Grachan72】大場をボディ攻撃で沈めた怪獣キラーがRIZIN再出場をアピール「どんなルールでも良い!」

【写真】狙ったクリーンテイクダウンは成らずも、しっかりと効かせて勝利(C)SHOJIRO KAMEIKE

<無差別級/5分2R₊ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
Def.2R3分06秒 by TKO
大場慎之助(日本)

ジワリジワリと距離を詰めて左ローを見せる荒東。リーチで上回る大場は左ジャブを合わせる。この左ジャブびために、なかなか荒東は詰め切ることができない。さらに大場は左ミドル、左の前蹴りを散らし、さらに左ジャブから右ローに繋げた。荒東が右クロスから右腕を大場の首に巻き付け、そのままケージに押し込む。

その右腕を差し上げた荒東は、左ボディを突き刺して削る。これが効いたか、大場の息遣いが粗くなるも、荒東は課題としていたテイクダウンに繋げることができず。大場が打ち合いからダブルレッグで飛び込むと、荒東はスプロールして鉄槌を打ち込んだが、粘られてグラウンドに持ち込まれ初回を終えた。

最終回、荒東がケージに押し込んでいくと、大場は首相撲からヒザを連打する。しかし荒東を止めることはできず。頭をおっつけてボディで削り続ける荒東が、遂に大場の足を抱え上げて崩し、テイクダウンを奪った。すぐさま大場はスクランブルへ。ケージに押し込まれた荒東が、右オーバーフックから左ヒザを大場のボディに突き出した。この一撃で大場はダウン。荒東は追撃のパウンドでレフェリーストップを呼び込んだ。

勝利した荒東は試合後、Grachan岩﨑ヒロユキ代表に向けて「どうしてもRIZINに出たい」とアピール。岩﨑代表は「どんなルールでも良ければ、話をしてみます」と回答したが、この流れがどんな展開を生むのだろうかーー


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Grachan72 J-CAGE News ブログ 大場慎之助 荒東“怪獣キラー”英貴 青木忠秀

【Grachan72】大阪大会から始まるグラチャンの2025年、メインはHeriosで中止の怪獣キラー×大場に

【写真】写真は2023年2月に怪獣キラーがベルトを巻いた時のもの。荒東にとっては2年ぶりのグラチャン&大阪での試合となる(C)SHOJIRO KAMEIKE

5日(日)、GRACHAN実行委員会より2月2日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGrachan72の対戦カードが発表された。昨年12月22日のGrachan Heriosで行われる予定であった荒東”怪獣キラー”英貴×大場慎之助が、今大会のメインにスライドされている。
Text by Shojiro Kameike


荒東×大場は当初、Grachan Heriosの第7試合(メインカード)でマッチアップされていた。荒東にとってはヘビー級トーナメントを制し、ベルトを獲得した2023年2月の大阪大会以来のグラチャン出場でもあった。しかし大会2日前、実行員会より大場がインフルエンザによる体調不良で欠場=試合の中止が発表されている。

一昨年10月にはRIZINで貴賢神にKO勝ちを収めるも、翌2024年7月にはフランスのヘキサゴンMMAで同ヘビー級王者プリンス・アウナラの右を受けてマットに沈んだ。Grachan Heriosの試合に向けたMMAPLANETのインタビューで、荒東は「世界との実力差を感じた。僕のキャリアも晩年で――」と発言していた。その一方で徹底したレスリング強化に取り組んでおり、柔道ベースである大場を相手に、どれだけ持ち味の打撃+新たに取り組んでいるレスリングを取り入れたMMAを展開するかは興味深い。

また、このインタビューで荒東は「グラップリングを教わっている岩﨑正寛(カルペディエム芦屋代表)さんに『関西のファイターは対策しすぎ』と言われました。『相手がどう対策してきても、自分の得意なところに持ち込んだら勝てる――そんな自分のスタイルを磨け』って岩﨑さんに言われて」と語っている。これは関西に限らず、戦略を重視しすぎているMMAファイターは決して少なくはない。もちろん戦略や対策は重要だが、自分自身のスキルアップが足りていないのではないか――という意見でもある。

コメインに出場の青木は、昨年8月の大阪大会以来の出場に(C)Grachan

実はこの話の中で、今大会のコメインに出場する青木忠秀も話題に挙がっていた。青木が「自分自身のスキルアップが足りていない」という話ではない。野球出身のアスリートである青木は、その身体能力の高さと器用さゆえにMMAでもできることが多い分、自分の形を築き上げることが難しいのではないか。このままでは勿体ない……という記者の意見に対し、練習仲間でもある荒東は「青木は去年8月の試合(能登崇にヴァンフルーチョークで勝利)から、さらに伸びています。次の試合も期待してください」と太鼓判を押していた。

青木はこの大阪大会のコメインで、宇土冬真と対戦する。青木にとってはプロ6試合目――ここで持ち味のパンチに加え、能登戦で見せたグラウンド技術プラス、MMAファイターとしての完成度を見せつけるチャンスだろう。今大会は10試合が予定されている。

■Grachan72 視聴方法(予定)
午後12時30分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

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45 DWCS Grachan Grachan Herios MMA MMAPLANET o RIZIN ブログ プリンス・アウナラ 大場慎之助 荒東“怪獣キラー”英貴

【Grachan Herios】徹底的にレスリングを強化中、荒東“怪獣キラー”英貴「晩年の幕開けを飾ります!」

【写真】打撃+レスリング漬けの日々を送る荒東。総合格闘技スタジオSTYLEでは、福井裕士コーチの指導を受けている(C)Kaiju Killer

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、同無差別級王者の荒東“怪獣キラー”英貴が、ノンタイトル戦で大場慎之助と戦う。
Text by Shojiro Kameike

2023年2月にGrachan無差別級トーナメントを制してベルトを巻いた荒東は、続いて10月にRIZINで貴賢神に逆転KO勝ち。プロデビュー以来無敗街道を走っていた怪獣キラーだが、今年7月にはフランスでプリンス・アウナラの持つヘキサゴンMMAヘビー級王座に挑み、1RでKO負けを喫した。そんなMMA初黒星と、フランスでの戦いから考え抜いた自身のスタイルについて語る。


自分のスタイルーー打撃とレスリングにこだわろうと思っているんです

――フランスの試合から5カ月振りの試合となります。Grachanで戦うのは昨年2月以来です。昨年2月にGrachanのベルトを獲得し、RIZINに出場したあとフランスで戦うというのは、どのようなキャリアを考えていたのでしょうか。

「もともと海外志向が強いので、UFCに行けたら面白いとは思っていました。もちろん行くのは難しいけど、とにかくトライしてみたい。RTUで試合を組んでもらったりとか――そのあたりがダメだった時、4月にシュートボクシングのお話を頂いたんですよ(6月にSBで坂本優起に判定負け)。SBのあとは、以前から話があったフランスの試合のオファーを受けた、という流れですね」

――フランスでは1Rにアウナラの右を食らいダウン。その直後に右ヒジを連打され、レフェリーストップとなりました。

「あの試合はレベルの差を感じました。アイツは触らせてくれなかったです。殴りなら行けるやろうと思っていた自分が甘かったですね。殴るまでの緻密さが足りなくて」

――アウナラは中長距離を保ち、左右ストレートをコツコツと当て続けてきました。

「そこに凄く実力差を感じたので、もう喧嘩をするしかないと思いました。それも甘い――僕のアカンところですね。蹴り方も、手を出して蹴るのが当たり前やし、もうちょっと組んでから……。コレ、もうメチャクチャ言い訳してもいいですか」

――はい。

「試合前にチームで『相手に触るのは難しい』という話をしていて。だから真っ直ぐ入って追いかけることを考えすぎてしまったんですよ。そのために左右に動きながら、いろんなアングルから攻めるという――今までやってきたことを忘れてしまいました。新しくできることも増えたのは良かったけど、今までやってきたこととミックスさせるところまで頭が回っていなかったんです」

――荒東選手の場合、これまではローから試合を組み立てて、パンチも右から左を返すといった組み立てが多かったです。しかしアウナラ戦は「ローを蹴る気がないのか?」と思ってしまうような展開でした。

「出入りを考えていたから、重心が違うのでローを蹴ることができなかったです。もうあれは二度とやりません(苦笑)。前回の試合は僕がカスでした。メチャクチャ、カスでしたね」

――カスかどうかはともかく、今の発言を「言い訳」と捉えることができている。反省点を明確に話すことができることで、次につながるのではないでしょうか。もう一つ不思議なのは、荒東選手の場合は自分より大きな相手との対戦が初めてではなかったです。にも関わらず、これまでと戦略が変わるのは……。

「アウナラは運動量が多かったです。日本にいるヘビー級は、ドシドシ歩いて動く選手が多くて。それなら僕も楽に触ることができますから」

――アウナラ戦のフィニッシュについても、相手のほうを見ずに頭を下げて、右ショートをテンプルに食らう。今までの試合であれば、まずあの体勢になかっただろうと思います。

「そうですね。ジリ貧になって、スイッチしてパンチを打つ――なんてことはなかったです。実力差が凄くて『アカン展開やな』という、嫌な気持ちが強くなっていました」

――加えて、荒東選手に限らず日本人選手が海外で戦う場合、とにかく研究しつくされている感は毎回あります。相手は「これをやれば勝てる」というところまで落とし込んでいて。

「それで言うと、グラップリングを教わっている岩﨑正寛(カルペディエム芦屋代表)さんに『関西のファイターは対策しすぎ』と言われました」

――対策しすぎ、ですか。

「対策なんかより、まず自分の芯を強くすること。『相手がどう対策してきても、自分の得意なところに持ち込んだら勝てる――そんな自分のスタイルを磨け』って岩﨑さんに言われて、今は打撃とレスリングにこだわろうと思っているんです」

――それは日沖発stArt代表が、透暉鷹選手がRTU準決勝で敗退した時に「まずは自分を見ないといけない」と仰っていたことに通じますね。

「うん、うん。分かります。僕も自分自身がもっと打撃とレスリングを混ぜていかないといけないと思ったんですよ。だから最近は11月にプーケットのバンタオMMAに行っていました。強いのがいて、一人は僕のパンチをガードで受けながら、どんどん距離を詰めてくる。あるいは背が高くて、足を使われて僕のパンチがあまり当たらなかった。改めて『殴りだけじゃ勝負でけへんな』と思いました」

『誰とやってんねん』とか言っているヤツを黙らせる試合をする

――レスリングは、国内でどのような練習を?

「まず一つは、総合格闘技スタジオSTYLEに福井裕士さんという方がいます。レスリングではフリースタイル125キロ級で全日本クラスの表彰台に立っていた方で。

今まで関西でレスリングを教わるとすれば、有元伸吾さんやったんですよ。でも有元さんは軽量級で、クラスに参加するのも中軽量級の人が多い。その中で重量級の僕やとできることと、できないことがあって……。それは有元さんの指導がどう、ということではなくて。マンツーマンじゃなくてクラスで有元さんに教わっている時も、その点は凄く気を遣わせていたと思います。一方で福井さんは重量級やから合うところも多いです」

――軽量級と重量級では動きも違いますし、さらに指導となると難しい面はあります。

「そのやり方で成功したのは、木下憂朔やと思うんです。軽量級の北方大地が教えて、ウェルター級でもその動きができるという。自分の練習でいうと、あとは金曜日に稲垣組で梶雅晴さんという方にもレスリングを教わっています。

梶さんは天理大の出身で、僕も天理大の練習に参加させもらったりしています。チーム吉鷹で打撃の練習をした翌日に天理大でレスリングやったら、もう歩けないぐらいヒザが痛くなって(苦笑)。10月から、そういう感じでレスリング漬けです」

――レスリングを重点的に練習し始めて、どのように変化してきましたか。

「たとえば、僕は壁レスで押し込むのは得意やったんです。受けて、体勢を入れ替えて反対に押し込むという展開は得意で。だけど、そこから倒すまでには至っていなかったです。でも今は壁レスでテイクダウンを奪うこともできるようになりました」

――なるほど。そのレスリング漬けの日々を経て、次の試合に臨みます。

「グラップリングか打撃か、っていえばグラップリングが得意なのかなっていう相手ですよね。SNSで『お前、誰と試合すんねん?』とか言われましたけど、国内でヘビー級の日本人選手を見つけるのは、なかなか難しいと思うんです」

――そうですね。現状、多くの日本人ヘビー級ファイターはRIZINに集まっています。

「そうなっちゃいますよね。だからまず、試合があることはありがたいです。僕のキャリアも晩年なんでね……」

――えぇっ!?

「それはもう――フランスであんな負け方をしていて、長く続けることは難しいと思いました。試合後もダメージが無かったわけでもないので」

――……。

「フランスの試合で、世界とは実力差があることは分かりました。RTUやDWCS、UFCに挑戦できる機会があるなら嬉しいですよ。挑戦してみたいけど、UFCに行けるとは思っていません。そんな僕でも、国内の防衛戦はもちろん海外のベルトに挑めるなら――良いチャンスがあれば、すぐに飛びつこうと思っています(笑)。

そのためにもこの復帰戦が大事になる、と吉鷹(弘)先生にも言われました。だから今回は『誰とやってんねん』とか言っているヤツを黙らせる試合をして、晩年の幕開けを飾ります!」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK06 北方大地 岩﨑ヒロユキ 海外 荒東“怪獣キラー”英貴 貴賢神

【RIZIN LANDMARK06】荒東“怪獣キラー”英貴が貴賢神戦を振り返る─02─「効かせるより、まとめる」

【写真】逆転KO、激勝で饒舌に(C)SHOJIRO KAMEIKE

10月1日(日)に愛知県名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されたRIZIN LANDMARK06にて、貴賢神にTKO勝ちした荒東“怪獣キラー”英貴の試合振り返りインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

格闘技、特にMMAにおけるレフェリーストップのタイミングについては、しばしば議論が巻き起こる。もちろんレフェリーが試合を止める理由は存在している。では荒東が考えた、「レフェリーに止めてもらう理由をつくる」とは――

<荒東“怪獣キラー”英貴インタビューPart.01はコチラから>


――そう考えるようになり、ご自身の中で出た結論とは……。

「要はパウンドを連打して、効いていてもまだ相手に動ける余裕があったら止めない。ああいう場面では『効かせる』というよりも『パンチをまとめる』ほうが正しいと思いました」

――なるほど! パウンドの連打が細かいほうが、相手は動けなくなる。すると動けない選手を見て、レフェリーが試合をストップすると。

「はい。それが『試合をストップする理由をつくる』ということやと思ったんです。自分の中でレフェリーストップに対する視点が変わったからこそ、貴賢神戦でも1Rの終盤にヒザをついたあと、ガードも固めながら足を動かしてストップされないようにすることができた気がしますね」

――そう聞くと、荒東選手がパンチをまとめてレフェリーストップを呼び込んだシーンが、より理解できます。効かせようと大きなパンチを出すのではなく細かくまとめて、試合をストップする理由をつくったわけですね。

「それはそうなんですけど、実は……」

――えっ、違うのですか。

「いやいや、そういうわけじゃないです。ただ、実は相手がガードを固めたところに右アッパーを突き上げるところまで狙っていました。そうしてキッチリ仕留めようと思っていたら『ここで止めるんかーい!』って(笑)」

――アハハハ。ご本人としてはストップではなく、完全にKOしたかったわけですね。

「でも勝つことができて、結果的にはOKです。1Rの終盤でいえば、ヒザを着いた僕に対して貴賢神選手は立ったまま殴るのではなく、ケージに押し込むかトップから抑え込んでパウンドをまとめていたら、レフェリーが試合を止めていたかもしれないです。僕は最後にまとめることができていた。それは経験の差やったと思いますね。まぁ、正直言うと――時間に助けられたというのもありますけどね。あのままラウンドが終了したので(苦笑)」

――それも勝負のうちです! 2Rに入ると、荒東選手の三日月蹴りが入り始めましたね。

「以前から吉鷹先生には『お前は三日月を蹴れ』と言われていて、それは実践していました。貴賢神戦でも最初から三日月蹴りはトライしていたけど、距離が合わなくて。でも2Rになると――相手は190センチ以上あって、ボディが開いているから三日月蹴りがズボズボ入りましたね。三日月蹴りで揺さぶってからの左ミドルも効いていたと思いますし。でもこれは申し訳ないんですけど……2Rのことは、あまり覚えていないんです。僕も2Rは必死すぎて。とにかくシバき倒すことしか考えていませんでした」

――それだけ焦るか、余裕はなくなっていたのでしょうか。

「焦りというよりは『ここで喧嘩せんかったら、俺は何のために試合しとるんや』と思っていました。あんな展開のまま判定まで行ったら、絶対に勝てないじゃないですか。とにかく自分がやれることを全部やる。まず顔面に当てて効かせる、そのために何をすべきか――と必死でした。三日月蹴りを出したのも、そこまで深くは考えていなくて。ただ、当たっている感覚はあったから『よし、このまま攻める』という気持ちは強くなりましたよね。

あとは、とにかく攻撃に緩急をつけることだけは意識していました。ずっと貴賢神選手は距離を取ろうとしていたので、自分は遠い距離から細かく打つ。そうやって相手に休ませず、距離を詰めていこうとは考えていました」

――ここ最近の荒東選手の試合といえば、ローで崩して右で決めるという展開が多かったと思います。貴賢神戦では、そこにボディ攻撃が加わりました。

「もっともっとボディブローを練習せなアカンな、って思いました。練習でもミット打ちでは『ボディへの攻撃が巧い』と言われていたんです。でもスパーになると、相手は体格が小さいからボディを攻めることが少なくなっていて。とはいえ今回の試合で、苦しい時に攻撃が顔面に集中するのではなく、そのボディ攻撃が出た。『今まで積み上げてきたことは意味があったんやな』と実感しましたね。あとはセコンドの北方大地さんも、試合中に『ボディ! ボディ行け!』と言ってくれていたので、北方さんにも助けてもらいました」

――貴賢神戦で気になったのがもう一つ、2R中盤に荒東選手がテイクダウンを奪ったところです。

「実はグラップリングを教えてもらっているカルペディエム芦屋の岩﨑宏寛さんからは、ずっと『シングルレッグで入ればいいやん。取れるよ』と言われていました。実はクラッチが逆だったんですけどね(苦笑)」

――えぇっ!?

「それでも押して、引いて、押して――で倒すことができていましたよね。あとで試合映像を視て『俺って天才ちゃうかな』と思いました(笑)」

――よほど激闘と勝利が嬉しいのか、少しずつ自慢が増えてきていますね(笑)。

「アハハハ! でもテイクダウンしたのに、自分が殴りに行きすぎて。あと相手は立ってからバテているのは分かっていたので、僕がもう1回テイクダウンに行ったら良かったかもしれないですね。それはメッチャ反省しています」

――ここで反省も!

「あの場面で緩急というか、テイクダウンも混ぜて相手の気を散らすことができていれば、もっとパンチも当たったでしょうし。とにかく今後の課題も見えたし、いろんな意味で最高の試合でした。貴賢神選手も成長していたし、やっぱり良い原石だっていうことも証明できたんじゃないですか」

――結果、MMA無敗ロードを守ることができました。ここまで10戦全勝で、次の目標はありますか。

「やっぱり海外で試合がしたいです。グラチャン代表の岩﨑ヒロユキさんにも、海外で試合をしたいという話をしています。僕もキャリアは10戦ですけど35歳という年齢もあって、そろそろ勝負したいですね」

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Grachan MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK06 パンクラス 北方大地 瓜田幸造 荒東“怪獣キラー”英貴 貴賢神

【RIZIN LANDMARK06】荒東“怪獣キラー”英貴が貴賢神戦を振り返る─01─「試合をストップする理由とは」

【写真】貴賢神戦直後、怪獣キラーポーズ!?(C)MMAPLANET

10月1日(日)に愛知県名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催されたRIZIN LANDMARK06にて、荒東“怪獣キラー”英貴が貴賢神にTKO勝ちを収めた。
Text by Shojiro Kameike

GRACHAN王者としてRIZINに参戦した荒東は、貴賢神のパンチに大苦戦する。1R終盤にはストップされてもおかしくない状況に陥りながら、2Rに逆転KO勝ちしたのだった。予想以上の貴賢神の成長とともに、なぜ貴賢神のラッシュでレフェリーは試合を止めず、2Rには荒東がレフェリーストップを呼び込むことができたのか。荒東本人は試合を振り返りながら語る。


――大激闘&大逆転KO勝ちを収めた貴賢神戦を振りかえっていただきたいと思います。

「あの日は盛り上がりましたね! でも素人受けは僕の試合が一番やったと思いますけどね(笑)」

――アハハハ。「素人受け」という言葉が出ましたが、そう考えられる要因としては「打ちつ打たれつ」の展開になったことも大きいでしょう。つまりご自身も打たれているわけです。

「自分が打たれたことは良くないし、やっぱり選手としてはサクッと倒して勝ちたいですよ。『シロウト受け』というのも、あの試合内容に対して周りの人たちが喜んでくれていて――自分から『あの試合、良かったやろ?』とは絶対に言えません。それに試合前のインタビューで言っていたじゃないですか」

――打撃の練習ではディフェンスに注意しているということですね。

「はい。僕が殴られるような話はしていなくて。ディフェンスの技術が云々と言っておいて、結果的にブサイクな試合してもうたなぁと思っています(苦笑)」

――では、序盤に貴賢神選手のパンチをもらってしまった要因は何だったのでしょうか。

「まず貴賢神選手が巧くなっていましたよね。特にジャブが巧くて。これは僕の勝手な印象ですけど、ジャブが巧い人って手ではなく、肩甲骨を動かすじゃないですか。それで貴賢神選手もジャブがしなっていたし、しっかり打ち分けることができていたと思います。『今までの試合では、そんなの出来てなかったやん!』と思いました。今まで何やったんやって(笑)」

――確かに貴賢神選手の成長が目立つ試合でした。

「試合後のインタビューも、みんな主語が『貴賢神選手が――』でね。『もっと僕のことを褒めてよ!』と思いました。アハハハ」

――あれだけ左ジャブが伸びて来ると、荒東選手としては中に入りづらかったですか。

「日本のヘビー級で、あれだけ左の使い方が巧い選手は少ないですよね。でも左ジャブ自体は見えていたし、当たる前提で前に出ました。それより左アッパーを入れてきたんですよね。僕が左ジャブに対してガードすると、空いたところに下から左アッパーを入れてきて……。結果論ですけど、自分も左手でジャブを受けながら、右手でアッパーに対するディフェンスしたほうが良かったなと思いました」

――前回のインタビュー時に、吉鷹弘さんが貴賢神選手について「右のパンチは強いし、伸びて来る」と仰っていました。その右を生かすために、左を鍛えてきたのかもしれません。

「やっぱりジャブはあくまでジャブなので、絶対に最後は右を狙ってくる。その右を食らわずに自分の右を当てるために、吉鷹先生のミットで練習していて。吉鷹先生のミットのおかげで、左をもらいながらも自信を持って前に出ることができました」

――激しい打撃戦の結果、ダメージはいかがでしたか。
「翌日には顔の腫れは引きましたけど、首は痛かったです。自分としては首の力で耐えていたんでしょうね。貴賢神選手は拳が大きいので、パンチの衝撃も大きかったんだと思います」

――試合の作戦としては、相手のパンチに右を被せることと、右ローで崩していくことだったのでしょうか。

「そうです。でも逃げ足が速くて、右を蹴ることができなかったですね。貴賢神選手は正面で構えてくれるのではなく、ずっと距離を取っていたじゃないですか。だから僕は左ミドルから入りました。相手の足を止めて、もっと足に重心を残しておいてくれないと、右ローを蹴っても意味がないので。離れる相手に右ローを打って、自分の足が流れた時に左ジャブを合わされたら最悪ですからね」

――1Rの中盤以降、荒東選手から距離を詰めることができていました。あの時点で手応えはありました。

「いや、そんな余裕はなかったです。試合後の顔を見ても、貴賢神選手はダメージが無さそうだったじゃないですか。僕のほうもパンチの手応えがなくて。貴賢神選手も身長が高いし、後ろ重心だから届いていなかったかもしれない。距離を詰めることができたとはいえ、もっと殴っておきたかったです。もちろん相手からも前に出てきてくれたほうが、接点を作れるのでコチラとしては良かったですけどね。でもそうしないのが相手の巧さというか、僕にとってやりづらかったことは間違いないです」

――あの時点で、何か試合展開を変えたかったのですか。

「ああいう時に変えるのは、オフェンス面ではなくディフェンス面ですね。まず一発目をもらわないようにすること。細かくは言えませんが、今はパンクラス稲垣組の北方大地さんと一緒に、ディフェンスからオフェンスに繋げる新しい形を作っています」

――なるほど。そして今回の試合において最大のポイントとなる、1Rの終盤ですが……。

「あれは効きました。効いたぁ~」

――右ストレートを受けた荒東選手がヒザを着き、ガードは固めつつも貴賢神選手の連打を受けたシーンです。あのシーンは最大のピンチではなかったですか。

「あれは僕が攻め急いで、ガードが下がったところで右ストレートをブチ抜かれてヒザが落ちたんですね。あのパンチは天晴れでした。ただ、僕がヒザを着いたあとの展開は天晴やなかったけど……」

――あの連打を受けているシーンは、レフェリーストップが入るのではとも思いました。

「ガードを固めてパンチを受けながらも、立とうと足を動かしていたんですよ。ああやって足を動かしているのを見たら止めない、と思っています。と同時に、貴賢神選手は『レフェリーに止めてもらう理由をつくる』ということができていませんでした」

――レフェリーに止めてもらう理由……、どういうことでしょうか。

「去年の5月に、グラチャンで瓜田幸造さんに判定勝ちしたじゃないですか。あの時、バックヒジを受けたあとに右フックを入れて、ダウンした瓜田さんにパウンドを連打してもストップしてもらえなかったんですよ。そのあと、瓜田戦を視ていた他のレフェリーの方と話す機会があって。『あれはストップにならないんですか?』と聞いたら、『あのパウンド連打は、試合をストップする理由として弱いかもしれない』と言われました。で、僕も『試合をストップする理由とは?』って考えるようになりました」

<この項、続く>

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o RIZIN YouTube   アラン“ヒロ”ヤマニハ キック ヒロヤ ブラック ボクシング 中村優作 佐藤将光 太田忍 後藤丈治 所英男 荒東“怪獣キラー”英貴 貴賢神

『RIZIN LANDMARK 6』所英男 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ、太田忍 vs. 佐藤将光 等5試合フルファイト動画

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 10月1日にドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)で開催された『RIZIN LANDMARK 6 in NAGOYA』のうち、5試合のフルファイト動画がアップされています。




 所英男 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ




 太田忍 vs. 佐藤将光




 中村優作 vs. ヒロヤ




 貴賢神 vs.荒東“怪獣キラー”英貴




 後藤丈治 vs. 日比野“エビ中”純也続きを読む・・・
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ANIMAL☆KOJI BELLATOR o RIZIN UFC YouTube   アラン“ヒロ”ヤマニハ イゴール・タナベ スダリオ剛 ストラッサー起一 チャンネル トップノイ・キウラム ヒロヤ ビクター・コレスニック ホジェリオ・ボントリン 中村優作 井上雄策 伊藤裕樹 佐藤将光 太田忍 後藤丈治 所英男 村元友太郎 渡慶次幸平 荒東“怪獣キラー”英貴 貴賢神 高木凌

【RIZIN RANDMARK6 振返り解説】疑惑の判定続出⁉️判定について切り込みました!あの選手の成長も凄かった‼️

最後までご視聴ありがとうございました。
また次回の動画でお会いしましょう。

▼ 荒東中の怪獣キラーチャンネル(勝利おめでとう)
https://youtube.com/@kaijukiller.channel?si=nJIpmxmicfETidCH

※各SNSの登録も宜しくお願いします。
▼ストラッサー起一ホームページ
https://profile.gifter.fan/strasserkiichi.html
▼ストラッサー起一Instagram
https://www.instagram.com/kiichi_kunimoto/?hl=ja
▼ストラッサー起一Twitter
https://twitter.com/StrasserKiichi?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
▼スポンサー様 紹介
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▼StrasserKiichi Official Store(ここでTシャツ買えます)
https://strasser.base.shop

ストラッサー起一経歴【主戦場】
2014〜2017  UFC(アメリカ)
2017〜2019  RIZIN(日本)
2019〜2020  Bellator(アメリカ)
2021〜. RIZIN(日本)

—-目次—-
0:00 オープニング
2:04. 所英男 vs. アラン“ヒロ”ヤマニハ
8:47. 太田忍 vs. 佐藤将光
14:47. スダリオ剛 vs. イム・ドンファン
18:01 伊藤裕樹 vs. トップノイ・キウラム
23:50. 中村優作 vs. ヒロヤ
28:43. イゴール・タナベ vs. ANIMAL☆KOJI
31:07. 貴賢神 vs. 荒東“怪獣キラー”英貴
37:15. 村元友太郎 vs. ホジェリオ・ボントリン
38:13. ビクター・コレスニック vs. 高木凌
39:40. 渡慶次幸平 vs. 井上雄策
40:58. 後藤丈治 vs. 日比野“エビ中”純也

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MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN LANDMARK06 キック 荒東“怪獣キラー”英貴 貴賢神

【RIZIN LANDMARK06】MMA無敗&RIZIN初参戦の荒東、1Rのピンチを乗り越えて逆転TKO勝ち

<ヘビー級/5分3R>
荒東“怪獣キラー”英貴(日本)
Def.2R4分55秒 by TKO
貴賢神(日本)

貴賢神がジャブ・左フック、この左を上手く使って荒東を近づけさせない。荒東もインロー・左ミドルを蹴って、右フックで前に出ていく。貴賢神は右アッパー・右フック、ボディにパンチを振って右のカーフキックを蹴る。貴賢神はジャブを顔とボディに打ち分ける。

荒東はジャブに右フックをかぶせ、右カーフキック。じりじりと距離を詰めて左ボディからパンチをまとめる。終盤、貴賢神が前に出る荒東に右ストレート。これで荒東がケージを背にして尻餅をつく。ここで貴賢神はパンチ、ヒジ、ヒザをまとめるが、荒東はガードを固めてラウンド終了を待つ。

2R、貴賢神が右ストレート、荒東も右フック・左インローとミドルを蹴る。貴賢神も下がりながら左ミドル・右のカーフキック、ジャブを突くが、そこに荒井が右フックを合わせる。ここで荒東はシングルッグで貴賢神をテイクダウン。貴賢神が亀になるとパンチを連打し、貴賢神が立ち上がったところに右ストレートと左ミドルを入れる。

貴賢神はジャブと右ストレート、荒東は右フックで貴賢神を下がらせる。貴賢神は口が開いてスタミナのロスが目立つ。荒東はインロー・右ロー・左ミドルと蹴りを見せ、距離が詰まると右フック。左ミドルと左ボディでボディを削り、ケージを背負う貴賢神にパンチをまとめると、貴賢神が横を向いてガード一辺倒になり、レフェリーが試合をストップした。

これでMMA戦績を10戦10勝とした荒東は「俺勝ったよ!貴賢神選手、強なったよ!なんか色々言うてたけど、俺が本物じゃい!またこれからも応援してください!」と絶叫した。


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