RIZIN 51
第14試合/ホベルト・サトシ・ソウザ vs 堀江圭功
第13試合/ ラジャブアリ・シェイドゥラエフ vs. ビクター・コレスニック
第12試合/ 扇久保博正 vs. アリベク・ガジャマトフ
第11試合/ 元谷友貴 vs. 神龍誠
第10試合/ リザーブマッチ 伊藤裕樹 vs. 山本アーセン
第9試合/ マレク・サモチュク vs. アレクサンダー・ソルダトキン
第8試合/佐藤将光 vs. ダニー・サバテロ
第7試合/梅野源治 vs. 芦澤竜誠
第6試合/高木凌 vs. 三宅輝砂
第5試合/矢地祐介 vs. 芳賀ビラル海
第4試合/鈴木博昭 vs. ファン・イェーロウ
第3試合/冨澤大智 vs. 平本丈
第2試合/金田一孝介 vs. チャートゥ・バンビロール
第1試合/大和哲也 vs. 奥山貴大
OPENING FIGHT第4試合/太田将吾 vs. Street♡★Bob洸助
OPENING FIGHT第3試合/山木麻弥 vs. 石坂空志
OPENING FIGHT第2試合/佐藤執斗 vs. 小林大介
OPENING FIGHT第1試合/YUHEI vs. 脇田仁
カテゴリー: 脇田仁
【SUPER RIZIN04】パトリッキー越えを果たすも、負傷でタイトル戦を逃した野村駿太が話していたこと――
【写真】インタビュー中は終始、野村は穏やかな表情だったが、口にすべきことはしっかりと言葉にしていた(C)TAKUMI NAKAMURA
7月27日の超RIZIN04でパトリッキー・フレイレを下し、リング上でホベルト・サトシ・ソウザとフェイスオフ。名古屋大会でライト級王座挑戦は決定的かと思われた野村駿太。
text by Manabu Takashima
しかしながら、パトリッキー戦で左目を負傷し王座挑戦の機会を失してしまった。明日、その名古屋大会でサトシは堀江圭功の挑戦をメインで受ける。MMAPLANETではタイトル挑戦が流れた野村を8月7日にインタビュー。サトシ戦への想い、パトリッキー越えで得た自信、ブレない目標について――敢えてこのタイミング――RIZINライト級選手権試合前夜に伝えておきたい。
2Rからはダブルビジョンで、パトリッキーが2人いて(苦笑)
――8月1日、RIZIN51の会見が開かれる。そのリリースを見た時に、会見出席者の名前に野村駿太という文字が見らなかった。「あぁパトリッキー戦でケガがあったのか」と……(※取材は8月7日に行われた)。
「リング上であのやりとりがあったのですが、控室に戻るときから目の具合はおかしかったです。会見の時も、一点だけを見るようにしていました。だから、あの時には『これは9月は無理だなぁ』という気持ちになっていました。
リングの上でサトシ選手を向き合った時は全く普通だったのですが、それは興奮していたからかで。
実際に試合を振り返ると、もう目はおかしかったです。1Rの終わりに跳びヒザから右フックが来て。その瞬間に自分は笑っていたんですよね。それは鮮明に覚えていて。きっと本能的に、目がいったと分かったんだと思います。だからインターバル中も目を冷やしてくださいと伝えていました」
――ではあの肉弾戦、近い距離で戦えたことが野村選手の成長だと勝手に思っていたのですが……実は、ああするしかなかったということですか。
「距離とタイミングは1Rで掌握できていたので、2Rで終わらせることができると思っていました。
もう、創り終えた感覚で。でも2Rからはダブルビジョンで、パトリッキーが2人いて(苦笑)。『あれ、パトリシオもリングに入ってきたのかって』(笑)」
――うまいですけど、笑えないですよ。ただ、痛い素振りは見せていなかったですよね。
「試合中は別に痛くはなかったです。
でも見えないから、初回にとれていたリズムは崩さないように、少し足を使って行く振りをして行かないというのを繰り返していました。そうしたら、だんだんと視界に靄がかかってきて。そうなると、右目だけを頼り戦いました。これで3Rに決めようと」
――それほどまでの状況だったのですね。しかし、片目で距離感って合うのですか。
「そこは自分のイメージ力を信じていました。パトリッキーが2人いると、どっちを狙えば良いのか分からないですが、1人になったので(笑)。もう距離ではなくて、来たら避ける。自分のリズムを大切にしていました。既に距離とタイミングは掌握できていたので。この掌握に関しては試合前から、世界中の誰と戦っても通用するという自信がありました。距離とタイミングを僕のように大事にしている人は、UFCのトップでもいないと思っています。
それでも一発で目がやられたわけで。当たった場所が違っていたらどうなっていたかと。やっぱりパトリッキーは強かったです。怖さとかなかったですけど、爪痕だけは残してきたなと思います」
ルイス・グスタボ戦とパトリッキー戦は、今後のために自分の技量を確認するために、組んでテイクダウンと近い距離の打撃を実戦で試したかった
――MMAでは長い距離が強い人は、近い距離が得意ではない。特に伝統派空手出身の選手が、近い距離を続けることは難しいいう印象でした。左目が見えなかったから、あの位置で戦ったかもしれないですが、あの距離での戦いは凄く印象的でした。
「目がこんな風になっていなければ、もっと近い距離で上手く戦えます。
だから3Rもやり合っているという感覚はなかったです。あの距離でも勝負をしないといけないので、今度のためにアレをやりました。それはあそこでも勝てるという確信があったからです。ルイス・グスタボ戦とパトリッキー戦は、今後のために自分の技量を確認するために、組んでテイクダウンと近い距離の打撃を実戦で試したかった。そして、実際にそう戦いました。
グスタボ戦のテイクダウンにしても、リスクがあるし『しない方が良かった』という風に言われもしました。でも、ずっと自分の得意なところで戦っていても何の意味もないです。もちろん試合は勝たないといけないから、そこまでの試合展開で『やれるな』と思えたからテイクダウンを仕掛けたわけですけど。それでやられるなら、自分はそれまでの技量しかないということです」
――結果、初出場のRIZINで試して勝ったことで、超RIZINでパトリッキー戦の機会を得た。そして今度は近い距離を試せることになりました。
「グスタボ戦で試してやることができたので、パトリッキー戦も練習で積んでいればやれると思って戦いました。そこをしないと、僕のなかでは全部がつながらないような気がして。それをすることで自分の得意な部分と、こうやって行きたいというのが噛み合ってくると思うので。
UFCに行って、いきなりあの連中と近い距離やテイクダウンの攻防をするって無理じゃないですか。それまでに実戦で、どこの距離でも戦えるようになっていないと。例えばUFCでも接近戦でできても、もともと僕が得意だった距離が苦手な選手もいるかもしれない。近い距離だけでなく、遠くでも戦えてテイクダウンもできる。
それぐらいでないとUFCでは勝つことはできないと思っています。だからグスタボやパトリッキーという相手に、実戦でやっておきたかった」
――そして、できた?
「……できていたスね(笑)。あの日の自分はちゃんとやってくれました」
本当に幸運だったのは、自分が強くために必要だった試合をすることができてきたことです
――RIZINに出るまで、対戦相手でストライカーは2戦目の宇佐美正パトリック選手だけでした。あの時と今では、打撃はどこが一番違っていますか。
「倒すことができる。あの時は、遠いところからしかできなかった。それでも打撃は当てることができていましたが、組まれると全然で。だからこそ、組み技の練習ばかりを積んできました」
――MMAを知れば、慎重になる。分かっていないことが多かった時の方がアグレッシブだったというケースも少なくないです。ただ野村選手は、それに当てはまらなかったわけですね。
「正直レスラーとの試合ばかり続いていた時と比べると、今の方が全然楽しいです。やっと今、格闘技をやっている感覚になれました。レスラーと戦い続けたことで、我慢を覚えることができましたね。組みの強化に専念し、自信が持てたから打撃も変わる。結果、好きなことがMMAでできるようになりました。先に宿題を終わらせたから、好きに遊びに行けるような感じですね(笑)。
本当に幸運だったのは、自分が強くために必要だった試合をすることができてきたことです。試合を通して、勝手に強くなっているような。毎試合、与えられた課題を克服してきたような」
――ではテイクダウンができたグスタボ戦、接近戦を戦ったパトリッキー戦で自信が得られましたね。
「パトリッキーに勝てたことで、ちょっと自分への期待値が上りました。正直、自分のことを疑っているので。なのでケガをしたことなんて、どうでも良いです。パトリッキーに勝ったことも大きいですが、自分がどこまでできるのかを感じられるようになったことが大きいです。
以前から石渡(伸太郎)さんと『こういうことができれば、良いよね』という風に話をしてきました。それが最近では『これができるようになったのか』と言ってもれるようになって」
――打撃が好きに使えるようになれば、組まれて切るということではなく組ませないMMAが可能になりませんか。
「そこは江藤(公洋)さんとの試合で、少し感じることができました。それこそBRAVEの練習で原口伸に組まれると、凄く厳しいです。そうされないよう伸との練習では、触れられないことに徹するようにしています」
――それは伸選手にとっても、良い練習になるのではないですか。
「僕と伸はストロングポイントが全く違うから、エゴとエゴのぶつかり合いになって一番しんどいスパーになります。試合前は互いによくないイメージをつけたくないですけど、僕らが強くなるためには欠かすといけない、そんな意識です。だから僕はテイクダウン有りのスパーリングの打撃の方が、キックのスパーよりも強いと思います
逆にロータスでの岩本(健汰)さんとの練習は触れられてからの練習です。それが、寝技でやられないようになるためなので」
サトシ選手に極められなかったら、UFCでも極められない
――もしかしてサトシ選手との試合を熱望したのは、実戦で彼の寝技を味わうためですか。
「そうッスね。本当に、そこに合致する人が日本にいてくれて。しかも世界最高レベルで。ベルトを軽んじるわけではないですけど、DEEPのベルトもレスラーの江藤さんを相手に自分のやってきたことの答え合わせをしたかった試合に付随したモノでした。
だから、RIZINのライト級ではチャンピオンのサトシ選手が僕の好奇心を満たしてくれる相手なんです。本当にサトシ選手の強さを知りたい。触れたいし、超えたい。打撃のダメージは抜きにして、MMAグラップリングの展開のなかでサトシ選手に極められなかったら、UFCでも極められないと言っても良いぐらいの相手なので。王道のMMAから外れていて、あれだけ強いサトシ選手と戦いたいです。
サトシ選手と戦えるから、グラップリングに力を入れるわけじゃないんで。もう何年もロータスで揉まれてきました。朝早く起きて、2時間かけてロータスに通っていた。本当にちゃんとグラップリングをやってきて良かったと思っています。今度こそサトシ選手と戦うことになったら、火の中に飛び込むような気気持ちで向かっていきます」
――パトリッキー超えの対価はタイトル挑戦でなく、サトシ戦だと。
「それがRIZINで戦う理由です。実は佐伯(繁DEEP代表)さんからRIZINの話を頂いた時に『サトシ選手以外だったら行けます』って言ってしまったんですよね。そう言ってしまった自分が、嫌で。それって、違いますよね? 矛盾しているじゃないですか。一番強い人間がいるところで戦いたいのに、そんなこと言うなんて」
――いやぁ、筋が撮っていますね。ところで満員のさいたまスーパーアリーナで戦った収穫はありましたか。
「どれだけお客さんが入っていても、相手だけに集中できた。それが収穫ですね。もう、レフェリーの存在もほぼ見えていなかったです。あの環境でパトリッキーと戦わせてくれたRIZINに感謝しています」
30歳という年齢にモロにプレッシャーを感じているわけではないですが、やはりタイミングは大切にしたい
――目指すところは世界最高峰として、直近の平良達郎選手と中村倫也選手の勝利はどのように映りましたか。
「単純に日本人強いなって。フィジカルでも負けていないし、平良選手なんてフライ級なのにあんなにデカいのかって(笑)。倫也さんは顔つきが前と違っていて、膚の感じがメッチャ良くて『絶対勝つじゃん』と思いました。倫也さんからは、自分の得意じゃない場所で戦って強くなるという意識が凄く感じられます。強くなりたいから、試していますっていうところで倒している」
――野村選手と似ていますね。
「ハイ。伸びしろを創っている。今が集大成じゃないから」
――と同時にこの2試合で、RIZINで頑張って欲しいというファンも相当数いるかと思います。
「RIZINのおかげで、知名度が上がりました。さっきも言ったように、パトリッキーと戦わせてもらったことも含め感謝しかないです。そして、RIZINで戦い続けて欲しいという声があれば、それは嬉しいです。と同時に30歳という年齢にモロにプレッシャーを感じているわけではないですが、やはりタイミングは大切にしたい。
これまでもRIZINで戦う理由はサトシ選手という目標があったからで、『あと何試合だろう』と思っていました。それが次に戦えるところまできた。だから、そこはこれからとは別のところで感じる部分があります。とにかく9月には戦えなかったし、堀江選手が勝つこともあります。その結果が出るまでは、サトシ選手と戦うこと一択で。それからのことは、サトシ選手との試合が終わってから考えます」
――目の回復具合もありますが、現時点で次はどのように考えていますか。
「実は本当に名医の中の名医といわれる先生に、すぐに手術をしてもらって。本当だったから何カ月とかかるところ、すぐに練習も再開できそうなんです。もともと目の底でなくて、端の方に問題があって鼻の方に筋肉がよってしまって痛みを感じていたようで。眠れないぐらい、めちゃくちゃ痛かったのですが、そこを戻してもらったら痛みも全くなくて、腫れも収まっていたんです。今日、目の周囲が腫れているのはシャワーでつい鼻をかいでしまって……」
――えっ、それで空気が入ってしまったのですか!!
「そうなんです。それまでは。もう腫れも引いていたのに。次の受診の時には先生に怒られますね(笑)。だから、大晦日も大丈夫です。
9月の中旬ぐらいから普通に練習できると思います。それで名古屋大会が終わったら、ATTに行きます。堀口(恭司)選手がコンタクトを取ってくれていますし、堀口選手の試合が決まればサポートさせてもらえると嬉しいです。試合に向かう姿勢を見られるだけでも嬉しいですし。そこに触れるのも今後のためです」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】写真は総選挙の時のもの。インタビューは9日に行われ、元谷は本日のパブリック計量はリカバリーのために欠席している(C)TAKUMI NAKAMURA
明日28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51。フライ級GP準決勝で元谷友貴が神龍誠と対戦する。
text by Takumi Nakamura
GP開催を機にバンタム級からフライ級に階級を落とし、開幕戦でヒロヤと対戦した元谷。ヒロヤ戦では打撃・テイクダウン・トップ&バックコントロールで終始試合を支配し、貫禄の判定勝利を収めた。
準決勝進出をかけた総選挙では2度目の投票で神龍との対戦=準決勝進出が決定。フライ級のトップ日本人対決であると同時に、どちらがDEEPの最高傑作か?というテーマもある一戦を前に、元谷がフライ級での戦いとDEEPへの想いについて語ってくれた。
戦うことは意識してなかったし、一緒に練習したこともある
――フライ級GP一回戦は久々にフライ級まで体重を落としての試合でした。実際に動いてみて感想はいかがでしたか。
「ちょっと最初は『動けるかな?』という不安もあったんですけど、ちゃんと動けていたと思いますし、前回より今回の方がコンディションもよくなると思います」
――抽選会の時にバックステージでお会いした時、減量は問題ないと話していましたが、実際に減量はそこまで苦ではなかったのですか。
「早めに時間をかけて体重を落としていたので、バンタムの時よりもだいぶ余裕を持って落とすことができましたね。いつもより数キロ軽いかなくらいの感じでした」
――バンタム級と比べて動きに違いはありましたか。
「いざ試合になったら全然動けていましたし、自分的に違和感はなかったですね。練習中に普段よりちょっと軽くなってるなと感じたくらいです」
――フィニッシュは逃しましたが、逆に5分3Rフルに戦えてよかった部分もありますか。
「3R通してしっかり動けた感覚はありますね。フライ級でどれだけ動けるかを3Rフルで出来たのはよかったなと思います」
――対戦相手のヒロヤ選手についてはいかがでしたか。
「思ったよりも消極的だったのかなと思います。それはあっちも自分もなんですけど。ただもっとガンガン来ると思っていたので、ちょっと何をしたかったのか分からない感じでしたね。印象としては」
――元谷選手としては余裕を持ってヒロヤ選手の動きを見て戦うことが出来ましたか。
「そうですね。相手が何で来ようとしているのかをちゃんと見て、一発をポン!ともらって負けるようなことがないように意識して戦いました」
――それを踏まえてもフィニッシュして勝てなかったことは反省点ですか。
「本来だったら僕が極めて勝つぐらいの差はあると思っていたし、実際に戦っていてもそう思いました。だからしっかり勝負どころというか、どこで仕掛けるかの判断というか、そこをしっかりやっていけたらなと思いました」
――特に今回はGP準決勝の進出者が投票で決まるシステムだったので、一本・KO勝ちでアピールしたかった部分もあったと思います。
「フィニッシュできなかった時は試合が終わってやべえなと思いましたね(苦笑)。他の選手はフィニッシュして勝ったりしていたので、正直なところ選挙で当選するのは厳しいかなと思っていました」
――そして選挙当日、各選手に演説する時間が設けられました。あそこで話すことは入念に考えていたのですか。
「ある程度は、ですね。あまり難しいことは言わずに自分が誰と戦いたいかをシンプルに伝えようと思いました」
――戦いたい相手として神龍誠選手の名前を挙げましたが、神龍選手のことは意識していたのですか。
「もともと神龍選手と戦いたいというのもありましたし、神龍選手と見たいという声も多かったので、そういうところでも意識していました」
――選挙では最初の投票で落選となりましたが、どのような心境で二度目の投票を待っていたのですか。
「正直、最初の投票で受かるのは厳しいかなと思っていました。ただ二度目の投票に残ったメンバーを見たときに神龍選手と伊藤裕樹選手がいて、2人は試合したばかりだったので、それだったら自分に票が入るかもしれないと思って待ってました。ただやっぱり正式に当選した時はホッとしましたね」
――改めて対戦相手として神龍選手の印象は?
「僕の中ではすごく強い選手だと思っています。扇久保(博正)選手やホセ・トーレス選手とやった試合も全然引けを取らないというか、どっちに転がってもおかしくない、判定の好みでポイントがついた感じだったんで、本当に強い選手だと思います」
――元谷選手・神龍選手ともにDEEP出身ですが、実はDEEPを主戦場に戦っていた時期はかぶっていないんですよね。
「RIZINでも自分はバンタム級でやっていて、神龍選手がフライ級でやっていたんであまり被ることがなかったんですよね。だから戦うことは意識してなかったし、一緒に練習したこともあるんですよ。今回自分がフライ級に落としてグランプリに出ることになって(戦うことを)意識するようになりました」
――神龍選手はトータル的に戦うなかで極めの強さが目立つ選手ですが、その辺りはどう分析されていますか。
「最近まではあまり極めるイメージはなかったんですけど、ここ最近は極めの技も増えてきたし、極めだけじゃなくて打撃も良くなっていて、すごくレベルアップしているなと思います」
――では全局面で勝負して勝つという試合をイメージしていますか。
「そうですね。本当に総力戦、全部使って戦って勝てるようにって感じです」
――今回のフライ級GPは元谷選手にとって階級を変えての新たなチャレンジなのか。それとも絶対にここでベルトを獲ってフライ級で戦っていくきっかけにするのか。
「今は次の試合、神龍選手のことしか見てないですけど、しっかりベルトは獲りたいなと思います」
――RIZIN含めてフライ級という階級が盛り上がっていることをどう感じていますか。
「フライ級そのものが世界的にも盛り上がっていて、RIZINも盛り上がっていて凄くいい状況だと思っています。あとは自分がやってきたことをしっかり試合で出して、その結果としてチャンピオンになれるように、と思っています」
――RIZINのベルトそのものにも思い入れは?
「自分はRIZINに出てベルトを獲れてないんで。そこに対する思いは強いです」
――例えばフライ級に階級を下げたのもベルトを獲りたいからというのが理由の一つですか。
「階級を変えたのは3月にバンタム級のタイトルを獲れなくて、すぐにチャンスが回ってくるかと言われたら回ってこないと思ったんですね。それだったらフライ級の方がチャンスが回ってくる可能性があると思って、フライ級に落とすことを決めました。あとはバンタム級だと一通り選手とやっているので、やってみたいカードそのものが少ないんですよね。そういう意味でフライ級はやったことがない選手が多いので、新たな挑戦という部分でも自分がフライ級でどこまでいけるか楽しみです」
――ずっと格闘技を見てきたファンはDEEPを代表する選手同士の試合として注目している人も多いと思います。
「自分も神龍選手もずっとDEEPで戦ってきて、その2人で試合をしてフライ級ではどちらが強いかを見せたいですね」
――元谷選手は会見でコメントするときに「DEEPの元谷です」と自己紹介しますが、あれは自然にそう言うようになったのですか。
「自然というか、やっぱり僕はDEEPから来た選手だと思っているし、ずっとDEEPにはお世話になっているんで、DEEPの選手としてRIZINで勝ちたいと思っています」
――また一つの試合としても元谷選手と神龍選手の試合を楽しみにしているファンも多いと思います。そういった人たちにはどのような試合を見せたいですか。
「試合展開がどうなるにしても、お互い動いてフィニッシュを狙って攻めていくので、絶対に動きがある面白い試合になると思います。僕自身、今のところ前回よりも間違いなく仕上がりがいいので、必ずいい試合になると思います」
一回扇久保選手とやって負けているんで、その借りも返したいですが、今はどちらでもいいかなと
――神龍戦をクリアすれば決勝では扇久保選手とアリベク・ガジャマトフの勝者と対戦することになります。どちらとベルトを争いたいですか。
「自分は一回扇久保選手とやって負けているんで、その借りも返したいですが、今はどちらでもいいかなと思っています。神龍選手に勝って決勝までいって、同じく勝ち上がってきた方に勝ってGPで優勝したいです」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】日本キックボクシング界を代表するファイター、大和哲也が最後に選んだ道はMMAだった(C)SHOJIRO KAMEIKE
27日(土)、翌28日に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51のセレモニアル計量が、同中区のヒルトン名古屋で行われた。
Text by Shojiro Kameike
出場全選手が計量をクリア。神龍誠とフライ級GP準決勝を争う元谷友貴のみリカバリーのため、セレモニアル計量を欠席している。
現在RIZINではキックボクサーのMMA転向が増えているなか、今大会では名古屋在住のキックボクサー大和哲也が第1試合で、奥山貴大を相手に初MMAに挑む。梅野源治×芦澤竜誠も含めて、「キックボクサーのMMA」ではなく「MMAストライカー」としての試合が期待される。
ひと昔前、立ち技格闘技の選手がMMAに挑む際は、組まれないように距離を取ることが多かった。しかし距離を取るため、あるいは手を出した時に組まれることを警戒しすぎて、逆に得意の打撃を出すことができないまま試合を終えることも――。しかし梅野と芦澤はRIZINでMMAに挑戦するうえで、そんな「キックボクサーのMMA」とは違う試合ぶりを見せている。
芦澤は遠い距離を保ちながら、しっかりと左ジャブを突いて相手を懐に入れさせない。組んでくればテンカオで削る。対する梅野は逆に、自ら距離を詰めて手数を出すことで、対戦相手に組むチャンスを与えない。さらに組まれてダブルレッグで足を抱えられても、右オーバーフックで体勢を入れ替えることができる。これこそMMAストライカーにとって、一つの理想的な試合運びと言えるかもしれない。
本来、キックボクサーは首相撲という技術が持っている。特に梅野は過去、ムエタイで首相撲を鍛えるために、オリンピッククラスのグレコローマンレスラーと練習していた。そうしたベースが備わったうえでMMAに転向すれば、少なくとも組まれることに対して、極端な苦手意識を持つこともあるまい。そんなMMAストライカーとしての実力を、梅野と芦澤は成長させているだけに今回の対戦も楽しみだ。
そして計量前日に行われた試合前インタビューで、梅野が「MMAへの挑戦を応援したい。試合が終わったら一緒に練習もしたい」と語り、芦澤も「あの人はメチャクチャ強い。一撃があるから、寝技にビビらず行ったら先に当てるんじゃないか」と評価するのが大和哲也だ。
大和哲也は2010年、旧体制下のK-1 63キロ日本トーナメントに出場し、決勝で久保優太をKOして優勝。2014年には一度敗れているサゲッダーオ・ペットパヤタイを相手に、左ヒジで鼻骨骨折に追い込みWBCムエタイ世界スーパーライト級王座を獲得した。同日には梅野源治もWBCムエタイ世界スーパーフェザー級王者となっており、両者はまさに盟友といえる。試合翌日、格闘技専門誌の企画で組まれた対談では、お互いリスペクトの気持ちを口にしていた。
翌年3月には北米ムエタイの雄ケビン・ロスを同じくヒジ打ちで下して、LionFightとの2冠王に。その後はK-1に活動の場を移してベルトを巻くなど、まさに日本のキックボクシングを代表する選手だ。
RIZIN初参戦は2016年4月の第1回大会で、キックボクシングルールで山口裕人にTKO勝ちを収めている。その大和がまさかのMMA転向で再びRIZINに参戦するとは、正直驚かされた。ここまでキックボクシングの実績を持つ大和が、なぜ今MMAに挑戦するのか――その理由を大和は「今年でプロデビュー20周年。ラストキャリアで、自分の中でまだ何か燃え尽きていないものがあった。地元名古屋でRIZINが行われるタイミングでお願いし、(MMAに)挑戦したいと思った」と語る。
現在、大和は元谷友貴をはじめ強豪ファイターが参加する「寒天練」でMMAの練習を行っているという。とはいえ、やはり大和哲也といえば、かつて自身で「ヒジ哲」と呼んでいたほどのヒジ打ち。立ち技系格闘技シュートボクシングからMMAを戦う奥山貴大を相手に、そのヒジ打ちが見られるかも注目だ。
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51 計量結果
※試合前のインタビューを掲載している選手は、名前をクリックすると記事にリンクします

<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ:71.0キロ
[挑戦者]堀江圭功:70.95キロ

<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ:65.9キロ
[挑戦者]ビクター・コレスニック:65.85キロ

<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正:56.8キロ
アリベク・ガジャマトフ:57.0キロ

<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴:57.0キロ
神龍誠:57.0キロ

<フェザー級/5分3R>
高木凌:65.95キロ
三宅輝砂:65.95キロ

<フライ級/5分2R>
佐藤執斗:56.25キロ
小林大介:56.75キロ
【RIZIN51】佐藤将光戦前、ダニー・サバテロ「俺は日本で戦い続け日本で引退したい」
【写真】サバテロが獣になるのはリング上とケージの中のみ。身の内の優しさを出さないための武装が、サングラスとトラッシュトークだ(C)MMAPLANET
「世の中、本当に問題だらけだ。国家間では政治、宗教、戦争。家庭内ですら、人間関係など様々な問題がある。でも俺がリングの上で戦う15分間は、そんなことは一切忘れて楽しんでほしい。皆がそうなれるよう、俺も戦う」。明日28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51で佐藤将光と戦うダニー・サバテロの言葉だ。
text by Manabu Takashima
試合が発表された時から、佐藤をこき下ろし続けているサバテロだが、チームメイト、ファン、メディアにはその“良い人”ぶりは既に知れ渡っている。
止まらないトラッシュトークは、彼がファイトに向かう前の儀式のようなものだろう。そのイニシエーションを終えた時、ダニー・サバテロの優しさに溢れた言葉に出会うことができる。
イノウエ×フクダもチェックした。でも途中で視るのをやめてしまった
――ダニー、調子はいかがですか。
「最高だよ。試合も近づいてきて、あと3週間だ(※取材は8日に行われた)。ケガも大きな問題もなくトレーニングキャンプも終盤に入った。まぁケガをしても試合を欠場することなんてありえないけどな。俺は戦うことを愛しているから、カードに穴を空けるなんて考えられない。リングに上がり、目の前にいる相手をぶちのめすために日々を過ごしているのだから。
とにかく体調は最高だ。ショーコー・サトーと名古屋で戦うことが楽しみでならない。名古屋には行ったこともないし、街をふらついてみたい。でも、俺は観光するために名古屋に行くわけじゃない。バトルをしに行く。ショーコー・サトーをぶちのめす」
――5月に太田忍選手に勝利した時、タイトル挑戦の準備は整ったように感じていたかと思います。ただし、井上直樹選手は7月に福田龍彌選手と防衛戦を行いました。
「RIZINにとって、俺はバンタム級のラストピースなんだ。もちろんタイトルには、少しでも早く挑戦したかった。イノウエ×フクダもチェックした。イノウエは打撃と組みを組み合わせて戦うことができる。フクダはパワフルなストライカーだ。
でも途中で視るのをやめてしまった。2人とも俺のレベルに達していない。いずれにしても、イノウエがバンタム級のキングだ。俺はあいつを追いかけている。まぁ、タイトルに挑戦する日まで我慢する。そしてイノウエをドミネイトしてフィニッシュし、俺こそがベストだと証明する。
今回はRIZINがショーコー・サトーと戦えというのだから、全く問題はない。俺はアイツのことが好きじゃないから、楽しんで戦う。何より、この試合はナンバーワン・コンテンダー・ファイトになる。五輪シルバーメダリストのシノブ・オオタを完全粉砕して、自分が何者かを日本ファンに見せることができた。RIZINが15人相手を用意するなら、その15人全員に勝つ。駆け上がるだけだ。
そこでショーコー・サトーだ。ベルト獲得に向けて、とても良いシナリオになっている。とはいってもベルトはボーナスみたいなものだよ。俺のようにただ好きだから、MMAを戦い続けている人間にとっては。ショーコー・サトーは高いレベルのファイターで、キム・スーチョルにも勝っている。でも、俺はヤツをぶちのめしてベルトに近づく。
名古屋での試合で日本の皆に、俺のMMAが如何に高度で、俺がどれだけ強いかを見てもらう。そうしたら大晦日に、さいたまスーパーアリーナという最高の場所でタイトルに挑戦することになるだろう」
俺がナイスガイなんて絶対に思ってほしくない。俺のことを嫌って、殺すつもりで俺の前に立て。俺も同じようにするから
――ところで何も因縁のない佐藤選手なのに、それだけ悪態をつく必要があるのでしょうか。
「いくつか理由がある。まず、ヤツはATTのチームメイトのジュンタロー(牛久絢太郎)に勝っている。彼のリベンジをする必要がある。俺はチームとチームメイトに忠誠心を持っている。この数年、チームに合流した日本人ファイターに対しても、同じ気持ちでいる。ATTの名の下、俺はヤツにリベンジする。
もう一つ、個人的な理由はショーコー・サトーが凄く良いヤツだからだ。俺は良いヤツが大嫌いだ。俺のようなバッドガイは、優等生が嫌いに決まっている。それは昔から変わらない。ショーコー・サトーは、ダニー・サバテロが異次元にいることが分かるはずだ。試合でもぶっ飛ばすけど、試合前からアイツをぶちのめしたい。
俺は対戦相手が大嫌いでならないんだ。皆が、ショーコー・サトーは良いヤツだという。フ〇ック・ヒム。大嫌いだ。そういうヤツは」
――アハハハハ。メチャクチャですね。それに日本のファンはダニーがナイスガイだと知っていますよ。
「俺はナイスガイだ。チームメイト、コーチには。家族、友人、ファンに対してもな。でもRIZINのリングで俺と戦うヤツに対しては、容赦しない。そして、対戦相手には俺がナイスガイなんて絶対に思ってほしくない。
俺のことを嫌って、殺すつもりで俺の前に立て。俺も同じようにするから。ベルトを俺から遠ざけようという相手だ。クソ食らえ。名古屋のファンの前でほえ面かくなよ。何がリングの外ではナイスガイだ。クソ野郎が」
ショーコー・サトーの能力は、どうすれば勝てるのかを見つけだすことだ
――……。ではMMAファイターとして、佐藤選手の印象を教えてください。
「50戦も戦うベテランだ。ただ、どこに強みを持っているのか分からない。きっとグラップラーでなく、ストライカーだろう。その打撃もパワーが感じられない。俺と同じでバンタム級では背が高い部類に入る。そして、接近戦でキックを多用する。トリッキーな動きも多いし、グラウンドではバギーチョークのようなくだらない技も仕掛けてくる。
MMAは小さなグローブを使って、一発で終わる状況で戦っている。だからこそ、俺はアグレッシブに自分の戦いをする。一つ一つの局面において、俺の方が上だ。スピードも瞬発力も俺の方がある。スタミナもヤツは俺には及ばない。グラップリングは当然、打撃でも俺がヤツを上回っている。パワーも、俺の方がある。試合数、数字の上の経験だけだ。アイツが俺より上をいっているのは。
きっと自分の方がスマートだと思い込んでいるだろう。でも、頭だって俺の方が良い。立ち技、寝技、どこでもヤツを倒せる。フルMMAを見せて、ファンが喜ぶ試合をした上で、如何に俺がヤツより優れているのかを見せつけて、この試合は俺が勝つ。いや10度戦えば、10度とも俺が勝つ」
――佐藤選手は最高のストライカーでも、最高のレスラーでも、最高の柔術家でもないです。ただし、彼のテクニックは小さな積み上げを重ね、凄く独特で熟練されたタイトな技術だと思います。
「ショーコー・サトーの能力は、どうすれば勝てるのかを見つけだすことだ。何か良いところがあるというわけじゃない。ただし、その能力は素晴らしいモノだ。なぜなのか、結果的に勝っているからだ。
ただし、彼がどのように勝ち筋を見つけてきても俺は違う道筋を立てて戦うことができる。確かにヤツはスタミナもある。ただし、俺はその力の使いどころが分かっている。なにより、反応という部分でヤツは若干遅い。
同時に、その反応の遅さがトリッキーな動きの源になっているようにも感じる。だからこそ、ヤツは10年以上もフィニッシュされたことがない。
タイトなのはディフェンス力だな。どれだけ相手のペースで戦わされてもフィニッシュは許さない。そんな相手だから、俺はフィニッシュすることを楽しみにしている。ショーコー・サトーのような戦いをする人間は、リスキーなポジションを取らない。そういう相手の動きは読みやすい。何より、俺と同レベルにないから、どのような局面でもドミネイトしてフィニッシュできる」
ヤツの大好きなダーティーボクシングで、俺の恐ろしさを見せてやることも可能だ
――前回は打撃で太田忍選手だけでなく、ファンも驚かされました。ただ、太田選手との試合はテイクダウンを警戒してレンジは近くなかったです。佐藤選手との試合では、あの距離の打撃が続くとは思えないですが。
「だから、俺は勝利へ道筋がいくつもあると言っているんだ。別にショートディスタンスでも、打撃を使う。だいたいオオタとの試合も、最初の数分間でレスリングでも勝てると分かった。だから、テイクダウンからグラップリングマッチで勝てた。でもファンが喜ぶ試合がしたくて、打撃で戦ったんだ。
ショーコー・サトー戦も同じだ。アイツは確かに接近して戦うことを好む。でも、それは相手が俺レベルではなかったからだ。あの距離で俺と戦おうとするなら、それこそ試合は一方的なモノになる。
そうは言ってもMMAは何が起こるか分からない戦いだ。ショーコー・サトーも。これまでとは違った戦いをしてくる可能性もある。例えアイツの戦い方が変わっても、俺はショートレンジでもロングレンジでも試合を支配できる。俺の方がスピードがあるから、自分の距離をキープできるんだ。ヤツの大好きなダーティーボクシングで、俺の恐ろしさを見せてやることも可能だ。
アイツがクリンチして殴ってくるなら、俺のニーとエルボーの餌食にしてやる。そして簡単にテイクダウンする。リーチの差に関係なく、接近戦はテイクダウンを簡単にする。誰もが俺とグラウンドで戦おうとはしない。ショーコー・サトーも同じに違いない。だからテイクダウンに対応できないことが分かると、距離を取ってくる。そうなるとショートレンジで戦うなんて無茶はしないだろう。
ただ、俺はロングレンジも得意としている。どの距離で戦うのか。そういう意味でもこの試合は本当にレベルが高く、テクニカルな戦いになる。ダニー・サバテロ・ショーに皆が夢中になる。IGアリーナを熱狂させる」
――ダニー、そのまくし立てる口調はBellator時代と変わりないですが、サングラスの奥は笑みを浮かべているように見えます。
「日本のファンの前で戦うことが楽しくてしょうがないんだ。どのインタビューでも『日本のファンは世界一』と口にしている。MMAが分かっているファンに、俺の技量を見て欲しい。MMAという戦いにあって、何がハイレベルか理解しているファンの前で試合をすることは最高だ。ただ、まだ日本のファンはほんの少ししかダニー・サバテロを見ていない。このまま、俺は日本で戦い続け日本で引退したい。日本という国が好きというだけでなく、日本で戦うことが大好きなんだよ。
最高の国で、美しいベルトがある世界一の大会RIZINで戦うのだから、13時間も飛行機に乗っても構わない。米国で戦うのも楽しかった。そこにファイト、MMAがあることで俺には十分だった。でも、日本で戦うことは少し特別感が加わるんだ。俺はプロフェッショナルだ。RIZINにだってモノ言うファイターでいたい。でも、そうする前に今は自己証明が先だ。一つ、一つ、与えられた試合で勝ち続ける。ショーコー・サトーも、その一人なんだ。
俺は最高のパフォーマンスをリング内外で見せる。世の中、本当に問題だらけだ。国家間では政治、宗教、戦争。家庭内ですら、人間関係など様々な問題がある。でも俺がリングの上で戦う15分間は、そんなことは一切忘れて楽しんでほしい。皆がそうなれるよう、俺も戦う。
皆がフィニッシュを望むなら、俺は絶対にショーコー・サトーをフィニッシュする。人生でどんな問題を抱えようが、俺が戦っている間、フィニッシュする瞬間は全てを忘れて楽しんでほしい」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■ RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】相当な覚悟を持って日々をすごしている扇久保だが、インタビュー中は実は非常に多くの笑顔が見られた(C)MMAPLANET
28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51で、アリベク・ガジャマトフとフライ級GP準決勝で対戦する扇久保博正インタビュー後編。
text by Manabu Takashima
総選挙=投票で生き残った。その結果、ガジャマトフとの生き残り合戦が待っている。なぜ扇久保がガマジャトフ戦に拘ったのか。どれだけ満ち足りたファイター人生を送ろうが、心のひだに見え隠れする自分の弱さ。ガジャマトフという恐怖を乗り越えること、それこそが扇久保にとってMMAファイター人生の集大成となる。
<扇久保博正インタビューPart.01はコチラから>
人間・扇久保博正として乗り越えることができなかった壁
――無事準決勝を戦るという安堵との引き換えが、あの怖い相手です。では改めてですが、なぜガジャマトフだったのでしょうか。
「これ、自分への挑戦なんですよ。これまでの僕のキャリアを振り返ると、まず1回目の堀口恭司戦。そして1回目の朝倉海戦。勢いでやる選手に、僕は弱い」
――岡嵜康悦戦で、あれだけの強さを見せた選手が堀口戦ではこうなるのか。リング上でプロはあの姿は見せてはいけないと正直、後楽園ホールで思いました。
「その通りです。朝倉戦も同じようなメンタルでした。飲まれている。ファイターとしてだけでなく、人間・扇久保博正として乗り越えることができなかった壁なんです。その壁を乗り越えるのって、同じシチュエーションで戦うしかないんです」
――つまり再戦で、何ができるかということではなくて。
「ハイ。だから確実にガジャマトフと戦えるのが、今回の試合で。それが自分を超えられるかという挑戦になる。正直、あの時と同じになるかもしれないという恐怖はなくはないです。なくはないですけど、絶対に乗り越えてやろうと思っています。言うと元谷選手も誠とも、一度戦っています。なら、どっちかと決勝で当たれば構わないので」
――それが扇久保博正のMMAファイター人生なのですね。
「UFCには行けなかったですけど、ほとんどのことをやり尽くしてきたんで。最後に何か心残りがあるとすれば、そこじゃないですか。『俺、大丈夫だった。乗り越えることができた』と自分を最後に取り戻して……まぁ引退とまでは言わないですけど。乗り越えて、先に進みたいと思います」
勝敗に関係なくやるって、簡単なんですよ。本当に楽です
――そこを乗り越えたとしても、試合には勝てないということもあるかと思います。ただトーナメントの準決勝ですから、試合にも勝たないと次がない状況です。自分に勝つことと、試合に勝つことのバランスというのは?
「勝敗に関係なくやるって、簡単なんですよ。本当に楽です。それは誰にでもできることで。でも僕は自分のMMAを心を折らずに、試合でやり切ることって本当に辛いです。それをガジャマトフのマシンガンのようなパンチのなかで、やり切ることができるか。できれば、試合も勝ちます。だから、勝つってことしか考えていないです」
――押忍。そのガジャマトフ、昨年11月に北方大地選手と戦った時はまだ「どんなモノだろう」という見方もできたかと思います。ただ征矢貴戦では組みという部分も見せて、実力者ぶりを満天下に示したかと。
「征矢とやる前の方が、怖さがありました。征矢との試合を見て、僕は攻略できると思いました」
――おおっ!! そこは作戦にも通じるので、インタビューでは触れないようにします。
「でも、やることは変わらないので。やり切れれば勝てる。征矢との試合をみて、そう感じました」
ホセ・トーレス戦でやったことをもっともっと丁寧しないといけない
――打撃、蹴りとパンチのなかでどういう風に自分の形で組むことができるか。
「そうですね。ホセ・トーレス戦でやったことをもっともっと丁寧しないといけないです。トーレスは前にのしのしと歩いてくるので、すぐに取れて。だから、それだけになってしまった。歩いてくる分、こっちもパンチが当たっていたはずなので。もっと当てていけば、ずっと楽に勝てていただろうなって」
――実際にガジャマトフと戦った征矢選手から、印象のようなモノは聞かれましたか。
「ハイ、1度聞きました。全てに対して、反応が良いと言っていましたね。あとは左をコンパクトに打ってくる。そしてフィジカルも強い。でも化け物かと思うようなフィジカルではなかったと」
――右前蹴りからの左のパンチでダウンを奪ったシーンが印象に残っています。蹴り足を前についてスイッチするのはなくて、戻してオーソのまま前手の左でダウンを奪った。それがタイミングでなく、ダメージなら嫌ですよね。
「そこは聞いていなかったです。ただ手首、拳も凄く硬そうで。バックステージで拳を合わせたのですが、『これで殴られたら痛いな』と(笑)。でも、そこを考えてもしょうがないですからね。試合の時に、どれだけ反応できるか」
――対策練習の方は?
「松井斗輝とやってきました」
――扇久保×ガジャマトフの5日前にパンクラスで山口怜臣選手と戦う?
「ハイ。身長とスタイルが、若干似ていることもあって。松井斗輝はオーソで、ストライカー。THE BLACKBELT JAPANはかなりサウスポーのレスリング系が多いので、そういう選手が少ないんですよ。ガジャマトフはスイッチして、三日月はありますけど基本はオーソなので」
正直、決勝のことは考えていないです。ここが勝負です。やり切ります。戦います。
――この試合こそ、RIZIN内でフライ級の価値を上げる戦いかと。
「ずっと言ってきたように、RIZINのフライ級を盛り上げるためにガジャマトフに勝って、決勝でも勝つ。そして、どんどん強い選手を日本に呼んでもらう。そういう強い外国人選手と戦うことで、フライ級を盛り上げていきたいので。
ここまでやってきて、このタイミングでガジャマトフ。最高だと思います。38歳、連戦はきついですけどね(笑)。やっぱり、もう若くない。トーナメントは得意だったのに、全然疲労が抜けないです。実はガジャマトフ戦が決まってから、まるまる1週間体調を崩してしまっていました」
――そうなのですかっ!!
「ホセ・トーレス戦が終わって、ケガもなくて調子が良かったからすぐに練習を再開して、全体練習にも出てしまって。真夏にあんなことをしたらダメでしたね(苦笑)。練習をし過ぎて、全然疲労が抜けなかったです。ただ取りようによってはまだ1カ月ある時点で良かったです。試合の4週間前にリセットできたのは、大きい。自分が今回の試合で勝つために良い流れになっていると思います。
それと5年振りの地方での試合で。ずっと、さいたまスーパーアリーナで戦ってきたから、少し不安を感じていたのですが……。IGアリーナだから全員が初めてだって(笑)」
――確かに(笑)。
「逆に新鮮な気持ちで戦えますね」
――38歳になって新鮮な気持ちになれるなんて、そうそうないですよね。
「ハイ。もう練習をしていても一回り以上、年下の選手ばかりになりましたしね」
――でも負けないぞ、と。
「それは現役である限り、思い続けています。同時にMMAという競技として、新陳代謝しないといけないという気落ちも出てきました。だからこそ、やり切らないといけないです」
――本来は扇久保選手にとって失礼に言いようかもしれないのですが、決勝よりもガジャマトフ戦こそ集大成ではないかと感じています。
「いや、その通りですよ。正直、決勝のことは考えていないです。ここが勝負です。やり切ります。戦います。あと3週間創って、やり切ります」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【RIZIN51】ベルト獲得から矢地祐介と対戦へ、芳賀ビラル海「…………何かブチギレたいですよね」
【写真】インタビューの受け答え、言葉選びも一つひとつ丁寧なビラル。確かに、このビラルがハジけた強さを披露するところは見たい(C)SHOJIRO KAMEIKE
28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51にて、芳賀ビラル海が矢地祐介と対戦する。
Text by Shojiro Kameike
愛知県豊橋市出身のビラルは今年5月にグラチャンのライト級王座を獲得。その4カ月後にRIZIN名古屋大会が開催されるというスケジュールについて、ビラルは「持っている」と笑顔を見せた。しかし、もちろんこれがゴールではない。グラチャンのベルト獲得、ベースである日本拳法、RIZIN出場と矢地戦——その先に目指す、格闘技観を語ってくれた。
ベルトを巻くことで、また一つ新しい自分になれたのかな、という感覚です
――今年5月にグラチャンのベルトを獲得し、続いて今回のRIZIN参戦となりました。
「ベルトを巻けたことは、もちろん嬉しいのですが……何というか、自分の中では『新しいステージが始まった』という感じですね」
――新しいステージ、というと?
「MMAを戦ううえで、何を目標にするか。どこをキャリアの終わりとするのか。それは選手によって異なると思います。UFCでベルトを獲りたいとか、RIZINで活躍したいという選手もいます。もちろん僕も最終的に、そういう舞台で試合ができたら結果的には嬉しいです。でも僕の中で格闘技を続ける目的は、今の自分や過去の自分よりも強くなること。自分自身をアップグレードすることなんですね。そのために――ベルトを巻くことで、また一つ新しい自分になれたのかな、という感覚です」
――ベルトを獲得した林RICE陽太戦は、前の自分よりも強い面を出すことができた試合でしたか。
「あの試合については――試合単体で考えると、他の試合と比較して自分の中では満足できていないです。その前のロクク・ダリ戦(今年3月に判定勝ち)のほうが気持ち良く戦えていました。気持ちも乗っていて、内容についても自分の中で良い部分がありました。
林RICE戦って実は、1Rに四つ組みからテイクダウンした時から、足の感覚がなくなっていたんですよ」
――えぇっ!?
「試合前から自分でも気づいていない負傷があり、試合中にさらに負傷が大きくなって。その時はアドレナリンが出ていて、踏み込むことはできました。でも足のフックを利かせられなくなっていたんです。
2Rにバックを奪った時も、腕が相手の首元まで入っていて『RNCを極められる』と思いました。でも足の感覚がないから、完全にロックすることができない。その後も『バックを奪っても外されてしまったら……』と考えてしまって」
――そうなると柔術ベースである林RICE選手に、グラウンドで逆転されてしまう可能性もあります。
「後半はリスクヘッジを考えて、手堅い試合になったかと思います。でも、いつも怪我がない状態で試合ができるわけではない。そう考えると負傷があるなかで勝ち切ることができたのは貴重な経験だったかな、と自分の中で消化しています」
――試合後、負傷した足は……。
「完全に治るには時間も掛かりましたけど、今は大丈夫です。RIZINのオファーが来た時には、もう練習は再開していました」
日本拳法は体幹を生かした組み方があって、その点はMMAを戦ううえでマッチしている
――ここ最近、芳賀ビラル海選手はもちろん木村柊也選手、そしてDEEPウェルター級王座を獲得した角野晃平選手と日本拳法出身選手の活躍が目立っています。
「あぁ、そうですよね」
――木村選手も角野選手も、MMAを戦ううえでベースに日本拳法がある。ビラル選手はどうですか。
「MMAを戦うなかで日本拳法を生かせていると思うのは、フィジカル面ですね」
――おぉ、打撃や距離感ではなくフィジカルですか。それは新しい一面です。
「ルールの制約は大きいですが、日本拳法も総合格闘技だと言われています。投げ技も打撃もあります。大きな防具を着けて、そのルールで戦うんですよね。これは相当フィジカルが鍛えられるというか、体幹の強い選手が多いかと思います。自分もその一人で」
――確かに日本拳法の防具は凄いですね。面、胴、グローブだけでなく股当も大きく、角野選手の取材時に拝見すると、まず防具を身に着けるだけでも大変そうでした。
「そうですね。しかも試合中に防具が取れてしまったら、防具脱落といって一本になりますし」
――注意や警告ではなく一本なのですか。
「はい。紐がほどけている程度であれば『すぐに直して』と言われて警告で済む場合もありますけど、グローブが抜けたり面が外れたりしたら一本です」
――あの防具を身に着けて、最高で1日何試合を戦うのでしょうか。
「自分は1日で6~7試合、戦ったことがあります。でも1試合が3分で2本先取のルールなので、そこまで疲労するというわけではないですね。ただ、準決勝や決勝になると延長戦も増えてきます。僕と木村柊也の試合も延長戦までやりました(※2019年の全日本個人選手権男子の部。ビラルと木村は決勝戦で激突し、延長戦で木村が2本先取で勝利している)。そうなると、かなり体力はロスしますね」
――3分で2本先取する瞬発力が必要で、かつ1日何試合も戦う体力も必要になる。プラス、技術面でMMAに生かしているものはありますか。木村選手も角野選手も、距離の取り方が一番だと言っていました。
「その通りですね。間合いの取り方が巧い選手は多いですし、僕も試合では間合いに対して凄く敏感だと思います。僕は今、中央大学の日本拳法部で短期のコーチをしていて。1カ月に数回、学生たちと一緒に防具を着けて練習しているのですが、最初は相手のパンチを食らってしまうんです。2~3Rやって、ようやく距離に慣れて自分のパンチも当てることができるようになります。
前蹴りについても拳法では、突蹴と揚蹴という蹴り方に分かれていて。キックボクシングとは異なる技術があるので、そういうものを上手く使い分けながら――実際に試合で出せているかといえば、拳法以外の技を使っているほうが多いかもしれないですけど(笑)」
――特にビラル選手の場合は日本拳法らしさといいますか、打撃に特化しているわけでもなく。
「木村選手や角野選手ほどではないですよね。でも打撃だけでなく、日本拳法らしい投げもあります。拳法だとグローブを着けているので首投げ、小手投げが多かったりします。柔道なら襟を取る、フリースタイルのレスリングなら足を取るように、日本拳法は体幹を生かした組み方があって。自分の場合、その点はMMAを戦ううえでマッチしているのかなと思います」
リングで試合をしたのは、アマチュアで1回だけなんですよ。楽しみでもありますし、しっかり対策はしないといけない
――試合の話に戻すと、グラチャンのベルトを巻いたあとにRIZIN名古屋大会への出場は想定していましたか。
「頭の中にはありました。自分は豊橋出身で、しかもベルトを獲ったあとの大会で――周りからも『RIZIN名古屋大会あるよね。地元が近いし、ワンチャンないかな?』と言われていて。僕自身は『出られたら良いですねぇ』と言っていましたけど、うまく繋がったなぁと思います」
――昨年からビラル選手の試合ぶりも安定しているように感じます。
「安定していますね。でも根底にあるのは、何とも言えないモヤモヤ感というか。
自分はまだやれる、もっとできる。そんな日々モヤモヤしている気持ちを一戦一戦、何とかしようと――もがいている感じです。それも少しずつは解消されているとは思いますが、一戦一戦クリアすればするほど、終わりがない気もしますよね」
――先ほどの話にもあったように、今の自分より強くなることに終わりはありません。100点という結果もないです。ただ、その中でも「これができたら100点」と言えるような目標はありますか。
「100点ですか。う~ん……、……、……何かブチギレたいですよね」
――ブチギレたい!?
「ポジティブなハジけ方といいますか。僕の場合、あまり怒りモードみたいなものはないんですよ。怒りモードになってしまうと、いろいろ見失ってしまうので。そのなかでも自分の中に、ハジけるような瞬間があったら良いとは思いますね。
抽象的な言い方にはなりますけど。今回はRIZINという環境が違うところで戦うので、そういう自分にも期待しています。試合は、これまで積み重ねた成果の確認だと思っています。そこに1パーセントでもプラスされるものを発見したいですね」
――足の負傷が治り、RIZIN出場が決まったなかで新しく取り組んでいるものはありますか。
「8月末、1週間ぐらい韓国のKTTに行きました。
もともと韓国へ練習しに行きたいと思っていて。ただRoad to UFCがあったので、RTUに選手を出しているジムは選手も少なくなっているだろうと思ったんですよ。KTTからはRTUに出ていなかったですよね。なので自分から先方に連絡して、試合をした縁でSASUKEさんもキム・サンウォン選手と連絡が取れて――KTTではGLADIATORでフェザー級王者になったパン・ジェヒョク選手とも練習することができました」
――KTT! あの補強は経験しましたか。
「あぁ、やりました。量がエゲつなくて、しばらく腕が上がらなかったです(苦笑)」
――アハハハ。RIZINに出場するうえで、ケージとリングの違いは意識しますか。
「リングで試合をしたのは、アマチュアで1回だけなんですよ。その時もリングを使った展開にはなっていなくて。マスタージャパンにリングがあるので、それを使って練習していますが――RIZINほど広いリングで試合をしたことはないので、楽しみでもありますし、しっかり対策はしないといけないですね」
――そう考えると、ほぼほほ壁のないマットとケージでしか試合をしたことがないわけで。
「そうなんですよ。最近はリングでテイクダウンを仕掛けられると、ロープに少しヒジを乗せる選手が多いじゃないですか。やりやすい部分もあるとは思います。ボディロックで組む時に腕が通ったり。そういった環境に慣れるには少し時間は掛かるだろうとは思います」
――そのRIZIN初戦で対戦する矢地選手の印象を教えてください。
「YouTubeチャンネルで減量方法を参考にしたりしています(笑)。それはともかく、皆さんも仰いますけど、最近は勢いが落ちているのかなとは感じていますね。だからこそ、しっかり勝たないといけない。決して気を抜ける相手ではないので、緊張感を持って臨みます」
――ベルト獲得とRIZIN出場、その後の展開については、どのように考えていますか。
「自分にとって良い試合が、成長できる試合があればどんどん取り組んでいきたいです。ここで矢地選手に勝つと大晦日出場もあるかもしれないよね、ということを言う人もいますし……。
もちろんグラチャンの防衛戦もありますが、RIZINにも強い選手が集まっています。まずは次の試合、しっかりと勝ちたいです」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】称えるのも、自信のある言葉を発する時も非常にフラットな語調。精神的にブレることがあるのだろうか……(C)MMAPLANET
28日(日)、名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51でRIZIN三戦目をフライ級GP準決勝で扇久保博正と戦うアリベク・ガジャマトフ。
text by Manabu Takashima
昨年11月の初来日、今年7月の2戦目とその攻撃的なスタイルと、格闘技本来の持つ強さで日本のファンの支持を集めつつあるガジャマトフは、総選挙では今回のGPで人生を変えるとアピールをした。
昨年度でロシアの平均年収は96万円ほど、彼が生まれ育ったダゲスタン共和国はロシアのなかでも5年ほど前までモスクワの1/3ほどしか収入がないというデータも見られる。優勝賞金2000万円は、日本でいえば1億円に相当する。つまり本当に人生を変えられる額。日本は彼にとって、黄金奥にジパングだった。
準決勝に残った4選手で最もハングリーで、最も戦闘意欲があり、誰よりも自信を持つガジャマトフに今回の試合に向けて話を訊いた。
対戦相手は誰でも構わなかった
――アリベク、約3週間後に名古屋でフライ級GP準決勝戦を扇久保選手と戦います。今の気持ちを教えてください(※取材は4日に行われた)。
「今回のグランプリのような戦いは、他の大会で見たことがない。抽選会に投票と非常に興味深い経験ができた。投票のために日本まで行くことは、決して嬉しいことではなかった。ばかりかストレスに感じていた。特にマネージャーの帯同はなく、1人で日本に行かないといけなかったからね。
実は1人で国外に出たのは、初めてだったんだ。でも、あの場に行かないとファイトの機会を失くすかもしれなかった。特に僕だけ日本人じゃなかったからね。結果的に1人で日本に行き、僕が自分自身の歴史を話したことでファンの支持を集めることができた。
とにかく落選しなくて良かったよ。それに日本のファンの想いが伝わってきたことは本当に嬉しかった。皆がどれだけバトルサイボーグに期待してくれているのかが分かった。対戦相手はフライ級では年がいっている。日本のファンはストライカーが好きなことも分かった。そして、僕は常に最高の打撃戦ができる」
――投票まで誰か戦いたい特定の相手はいましたか。
「対戦相手は誰でも構わなかった。1回戦はそうではなかったけど、準決勝に残った他の3選手は揃ってグラップラーだからね。皆、特に変わらない」
――先ほど言われた総選挙でのスピーチで、「生まれ育った村に住んでいては、人生を変える機会はなかった」という言葉が凄く印象的でした。
「僕が生まれ育ったカラブダクケント村は、共和国の首都マハチカラから車で1時間ほど離れた山間にある。大きなビルもない。小さな家が並んでいて、人口だけは2万人もいるんだ」
――2万人、それは山間の村とは思えない多さですね。
※カラブタクケント村はカラブダクケント地域の中心地でダゲスタン共和国最大の農村集落。19世紀後半までタルコフ・シャムハラ国の一部だったカラブタフケント公国の首都だった
「そうなんだ。でも、でも都会じゃない。自然豊かという点では、良い場所だよ。何か人気のあるスポーツやマーシャルアーツがあるわけでなく、皆が何か名前をあげようと思うと僕が通っていた場所で散打のトレーニングをするしかなかった。
村には散打のチャンピオンが多かった。コーチのマゴメドカミル・マゴメドフはMMAでも5勝0敗のレコードを持つ散打ファイターだ。彼はパンクラチオンのカスピ海杯の決勝でヴガール・ケラモフに勝っているんだ」
――散打との出会いも人生で大きな意味があったのではないですか。
「散打は金にならないよ。ロシア選手権や欧州選手権に出るにも費用が掛かった。中国の大会はお金になることもあるけど、ダゲスタンでは散打の世界チャンピオンだらけで注目を集めることもできない。
※ガジャマトフは2017年のダゲスタン・ユース選手権で銅メダル。2018年は準優勝。2021年のロシア選手権で優勝。その4カ月後にACA Young EagleでMMAデビューを飾った。
でもRIZINは違う。僕はRIZINで活躍する唯一のダゲスタンのファイターだ。そして、このGPの優勝賞金で僕の人生を変えることができる。散打とは異次元の話だよ」
――ところでGP初戦では組みの展開でも強さを見せました。どれだけ手応えを感じましたか。
「まだまだ自分の良さは見せることはできていない。なんせ日本で戦ったのはまだ2度目で、減量で相当に疲弊していた。体調が凄く悪かった。だから今回は10日前にプーケットに入り、Lions MMA Clubで最終調整を行う予定なんだ。日本とは2時間しか時差がないからね。
マルシオ・セザール(ノヴァウニオンの黒帯で、パンクラスに来日経験あり)がコーチで、UFCやACAで戦っているダゲスタン人ファイターが常にトレーニングしている。チェチェン人選手もいるし、スパーリング・パートナーに欠かすことはない。次の試合は過去2試合とは違うコンディションで戦えるから、別人のようなパフォーマンスを見てもらえるだろう」
オウギクボは57キロで戦うには年を取り過ぎている
――あの試合ができてなお、次は別人のように戦えると……。では改めて扇久保選手の印象を教えてください。
「フィジカルが強くて、技術もある。レスリングが出来てパンチも強い。経験が豊富だから、精神力も強いだろう。強いファイターだよ。でも、打撃でもレスリングでもやり合える。良い試合になるはずだ」
――特に気になる攻撃はありますか。
「テイクダウンに入るためのプレッシャーかな。本当に経験豊富でファイトIQが高い。ただ、オウギクボは57キロで戦うには年を取り過ぎている。打撃もレスリングの僕の方が上だ。何より僕の方がずっと若い。一番の敵は減量であって、オウギクボじゃない。コンディションさえ良ければ、何も問題ない。それを28日の試合で証明する。
日本は僕にとってはホームのような空気だ。今は皆が僕のことを知ってくれている。また日本のファンに会えることが楽しみだ。絶対に皆をガッカリさせない。最高の試合を披露するよ」
――ではもう一つの準決勝は元谷友貴選手と神龍誠選手、どちらが勝ちあがってくると予想していますか。
「今は自分の試合だけに集中している。自分の試合しか興味がない。もう一つの準決勝がどうなろうが、どうでも良い。興味もない。ただ勝った相手に決勝で勝つだけだよ」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】常に本音、それが神龍誠(C)TAKUMI NAKAMURA
28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51。フライ級GP準決勝で神龍誠が元谷友貴と対戦する。
text by Takumi Nakamura
GP開幕戦では山本アーセンをギロチンチンチョークで斬って落とした神龍。開幕戦の勝者による総選挙では2度目の投票で準決勝進出=元谷戦が決まる形となった。
選挙演説で神龍は不遇だったデビュー当時のエピソードを明かし、UFCフライ級に対するライバル心も打ち明けた。トラッシュトークや煽りではなく、自分の想いをそのまま言葉で表現する。常に本音で格闘技と向き合い続ける神龍が元谷戦、そしてフライ級GP優勝に向けた心境を語ってくれた。
総選挙は本当にドキドキしていましたね。マジで落ちたらどうしよう?と考えることも多かったので
――まずはフライ級GPの一回戦、山本アーセン戦から振り返っていただけますか。
「僕自身は良くなっていたんじゃないですかね。まぁ、アーセン選手の強さを感じる前に終わっちゃったというのが正直なところです」
――ああいった短期決着は最初からイメージされていたのですか。
「そうですね。アーセン選手を調子に乗らせる前に終わらせたかったんで。アーセン選手は後半になればなるほどギアが上がってくるタイプだと思っていたので、序盤で極めるというのは作戦通りでした」
――試合そのものは短い時間でしたが、あの試合で得た手応えはありますか。
「特にあの試合に向けて(練習した)というのはなくて、いつも通り、自分を強くする作業をずっと続けてきた感じですね」
――さて今回のフライ級GPは選挙で準決勝進出者が決まるという、これまでにない形でした。開幕戦が終わってから選挙当日までどのような心境で過ごしていましたか。
「総選挙は本当にドキドキしていましたね。マジで落ちたらどうしよう?と考えることも多かったので」
――神龍選手は物事をはっきり言うので、ファンとアンチが分かれるタイプだと思います。僕はそれがプロとしての魅力だと思っているのですが、選挙となると話は別です。神龍選手のキャラクターがどう転ぶのか当日まで分からなかった部分があります。
「それは僕もありました。僕の嫌いな層が集まったら、僕は落とされるだろうなと(苦笑)。もっと言うなら伊藤裕樹ファンは絶対僕のことを落としたいじゃないですか。そういうのもあって当日まで変な緊張がありましたね」
――選挙当日は各選手に演説の時間が設けられました。あの演説内容は入念に準備していたのですか。
「言うことをちゃんと考えて原稿にしていました。本当は内容を暗記して、紙を読まずに行きたかったんですけどね」
僕は実力で勝負してここまで来たという自負はありますよ
――僕は2023年8月にライター復帰してから神龍選手を取材するようになり、RIZINで活躍している神龍選手しか知らず、デビュー当初から注目されてきた選手だと思っていました。あの日の演説を聞いていると決してそうではなかったんですよね。
「めちゃめちゃ苦労人だと思いますよ、僕は。それこそ僕は15歳でプロデビューして、その年齢ではずば抜けて強かったと思うんですよ。それこそ『天才高校生』と謳われるような。客観的に見てもそのくらい強かったと思うし、今の時代だったらすぐに注目されていたと思います。でも当時はそういう状況ではなくて、試合に勝ってもそこで終わり。特にファンが増えることもなく、注目が集まることもなかったです。
金銭的にもデビュー当初はファイトマネーが数万円の世界で、同世代の選手は学校に行きながら格闘技をやっているから、それでもよかったんでしょうけど、僕は高校に行かずに格闘技をやっていたから……やっぱりしんどいですよね(苦笑)。試合で勝ってもちやほやされるわけでもなく、生活するためにはバイトしなきゃいけない。むしろ練習を休んでバイトしている方が稼げるような状況だったし、強くなりたくてバイトを削って練習時間を増やすとお金がなくなる、みたいな。頑張って格闘技を続けていましたが、将来どうなるんだろう?という不安はなくならなかったですね」
――RIZINは2015年大晦日旗揚げで神龍選手は2016年デビューなので、RIZINという舞台こそあったもののフライ級選手がそこで食っていけるようになる未来が見えていたわけではないですよね。
「そうですね。デビュー当初は、プロを舐めているわけじゃないですけど、すぐに上手くいく姿を想像するじゃないですか。俺は15歳でデビューして、試合にも勝ち続けているから、すぐRIZINにも出て有名になれるんだろうなって。だから余計に現実とのギャップを感じていたかもしれないです」
――しかも神龍選手は初めてのタイトルマッチ、DEEPでの和田竜光戦(2018年4月)では判定負けしているんですよね。
「負けていますね。あそこで初めて挫折を味わって、俺って1番になれない人間なのかなって思いましたよ(苦笑)。結局プロデビューしてからRIZINに出るまで4年くらいかかったし、RIZINが主戦場なるまで6年くらいかかったんです。だからポッと出でRIZINに出ている選手に対するジェラシーはありましたよね」
――神龍選手は紆余曲折を経てRIZINで戦っているのですね。
「だから逆に僕は実力で勝負してここまで来たという自負はありますよ。キャラ先行のポッと出とは違うし、結局そういう選手は自然に消えていくじゃないですか。なんだかんだでこの業界、最後は強さだと思っているので、自分の強さを信じて戦い続けるという信念はずっと変わらないです」
――選挙の結果、準決勝の対戦相手は元谷選手に決まりました。今まで元谷選手と対戦することは意識していましたか。
「いや、なかったですね。それこそ僕がデビューした時はもうトップにいたし、途中から元谷さんがバンタム級に上げたじゃないですか。僕がバンタム級に上げることはないと思っていたんで、あまり対戦相手として考えたことはなかったですね。それもあって元谷さんとは練習したこともありますし」
――時期的には神龍選手がデビューした頃、すでに元谷選手はDEEPチャンピオンになってRIZINにも出ていたので、DEEPを主戦場にしていた時期がかぶっているわけでもないのですね。
「そうですね。今回のGPが決まるまで、フライ級で被っていた時期もあまりなかったと思います」
どちらが真のDEEP最高傑作なのか。そこはお客さんも楽しめると思います
――対戦相手として見て、元谷選手の印象は?
「独特なリズムがありますよね。感性で戦っているというか。だからみんなやりづらいのかなと思います」
――確かに練習で身につくものとは違う、元谷選手独特の動きを感じます。
「絶対そうですね。考え方とかも含めて、普通の選手とは違う感じがあります」
――サブミッションを極める時も、ここでこの技にいくのかと驚くこともあります。
「ちょっと他の選手と違いますよね。技も結構独特じゃないですか。フロントチョークにしても形が特殊というか」
――例えば感覚的に動くという部分で、自分と元谷選手が似ていると思うことはありますか。
「違うタイプではあると思うんですけど、戦い方が独特という意味では似ているのかもしれないです」
――元谷戦に向けて、特別に力を入れて練習をしてきたことはありますか。
「何か一つで勝負するというのではなくて、全部で勝負しようと思っています。MMAがそういうものだと思っているし、本当に全部できるようにしようと思って練習しています」
――元谷選手をフィニッシュするパターンはある程度イメージできていますか。
「いつもそこは何パターンか考えていて、試合までに色々とイメトレしていますね。最低のパターン、通常のパターン、最高のパターンみたいな」
――神龍選手は試合前に最悪のパターンも想定されるのですか。
「その方が楽というか、いざそうなった時にギャップが生まれないんで。僕はイメージトレーニングの段階で、最悪に苦しんでいる姿、スタミナもボロボロで鼻も折れて…みたいな想定をすることもあります」
――ただ劣勢になる展開だけでなく、そこまで具体的にイメージされるんですね。
「はい。僕がそれをやろうと思ったのが、CFFCで試合をした時に試合中に右目尻をカットして流血しちゃったんですよ。それで2Rは血のカーテンみたいな感じで右目がほぼ見えなくて、めちゃくちゃテンパったんです。あの時は結果的に一本勝ちできたんですけど、ああいう経験をしてからは試合中に焦る状況をできるだけなくしたくて、最悪のパターンもイメトレするようにしています」
――ずっとMMAやDEEPを見ているファンにとっては元谷選手と神龍選手の試合は思い入れがあるものだと思います。神龍選手も元谷選手と戦うことに特別な想いはありますか。
「そこは元谷さんも言っていることですよね。確か元谷さんがDEEP王者の最年少記録を持っていて、僕がそれを塗り替えたんですよね。そういう意味では同じ時代にDEEPで戦っていたらうどうなっていたんだろう?と思うし、今ここで実現するのも興味深いですよね」
――もし同じ時代にDEEPで戦っていたら間違いなくライバルになっていたでしょうね。
「ですよね。元谷さんもDEEPの最高傑作みたいに言われていて、僕にもそういうあだ名があったりするので、どちらが真のDEEP最高傑作なのか。そこはお客さんも楽しめると思います」
――今は準決勝に勝つことに集中していると思いますが、決勝では扇久保博正選手とアリベク・ガジャマトフのどちらと戦いたいですか。
「やっぱりそこは扇久保にリベンジしたいですね。去年7月に扇久保にああいう負け方をして、ずっと大きい舞台で借りを返したいと思っていて。お互い勝ち上がれば大晦日、GP決勝、タイトルマッチで戦うわけじゃないですか。借りを返すには最高の舞台だと思います。そのためにもまずは次の元谷戦を乗り越えます」
平良選手からしたらまだ僕は眼中にないかもしれないけど、いつかはやってやるぞと思っている
――もう一つお聞きしたかったのが、選挙の演説時のコメントでUFCと平良達郎選手のことに触れた場面がありました。選挙が平良選手の試合直後ということもあったと思うのですが、同じ階級の選手として平良選手にはライバル心はありますか。
「同じMMAファイターとして悔しいですよね。年齢も平良選手は一つしか変わらないのに、あれだけ注目される舞台で試合をして(フライ級日本人)“最強”って言われているじゃないですか。平良選手からしたらまだ僕は眼中にないかもしれないけど、いつかはやってやるぞと思っているし、僕はもうずっと燃えていますね」
――現時点で2人が戦うことはないと思いますが、フライ級GPでの結果や勝ち方という部分で「神龍の方が強いんじゃないのか」と思わせるような試合にしたいですか。
「彼はすでに世界のトップにいるわけで、何よりもまず僕は日本でトップに立たないといけない。どんな形になるかは分からないですが、僕と彼が戦うことになったら、日本格闘技界がめちゃくちゃ盛り上がることになると思います。だからその時が来るまで、お互いの価値を高めようぜって感じです」
――分かりました。それでは最後にファンの皆さんにメッセージをお願いします。
「今回は特に相手を煽ったりもせず、純粋な試合だけで魅せようと思います。最高の、最高峰のMMAの試合を見てください」
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN51対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)
【写真】ガジャマトフ戦に賭ける気持ちが伝わってくる――引き締まった表情の扇久保(C)MMAPLANET
28日(日)に名古屋市北区のIGアリーナで開催されるRIZIN51。同大会ではRIZIN World GP2025フライ級T準決勝が実施され、扇久保博正がアリベク・ガジャマトフと対戦する。
text by Takumi Nakamura
MMAとしてリングジェネラルシップを握り、ダメージを負うような攻撃されない戦い――完成度の高いファイトを扇久保は、その結果としてホセ・トーレスに勝利した。と同時にジェネラルファンに伝わり辛いファイトをしたことで、総選挙という投票制で弾かれることを危惧していた。
結果として、対戦場ベースの投票でガジャマトフ戦が決定。初戦で圧倒的な破壊力を見せた新鋭との対戦を望んだことが、扇久保に有利に働いたか。とすれば、それは扇久保の歩んできたMMA人生がファイターとして正解だったことを意味する。
扇久保博正インタビュー前編は、まず無関係ではない2人のUFCファイターについて話を訊き、総選挙まで葛藤を尋ねた。
準決勝を戦えないんじゃないかというストレスで、結構ヤバかった
――RIZIN World GP2025フライ級T準決勝のアリベク・ガジャマトフ戦について伺う前に、1回戦後に行われたUFCフライ級の2試合について尋ねさせて下さい。
「ハイ」
――まず8月2日に平良達郎選手が、アミール・アルバジの代役パク・ヒョンソンをしっかりと仕留めて一本勝ちしました。
「いや、強いなっていう一言だけですね。試合前に色々とあって、かなりリスクのある相手と戦ってあの勝ち方ができた。精神的にも強くなっています。僕は何かあると、本当に真正面から受けとめて精神的に崩れてしまう。でも、平良君はそこを乗り越えることができる。
どういう風にアクシデントを受け止めているのか。本人に聞いてみないと分からないですけど、そこを乗り越えられることが彼の強さだと思います」
――もう一つ、朝倉海選手のティム・エリオット戦の負けはどのように見ましたか。
「武器の種類の違い。数の違いが明白だったかと。朝倉選手は打撃に偏っていた。身体能力で組み技を凌いでいたのが、それができない戦いでした」
――ただRIZINの時は、そこが露呈しなかったです。
「フライ級とバンタム級の違いもあるかと思います。RIZINではほとんどフライ級で戦っていないですからね。打撃の破壊力、ステップがバンタム級の時とは違うという気がしなくはないです」
――階級が違うからでしょうか。組まれたくない、倒されたくないという気持ちがパントージャ戦で、大きくなっているようにも見受けられました。遠い位置から力を込めた攻撃が多くなったと思います。TRIBEで練習することで、より寝技を警戒するようになり怖くなったのかとも感じました。
「怖くなったというか、自信がなくなったのかもしれないですね。ファイターって自信がめちゃくちゃ大切なので。そこがなくなると、一気にテストステロンがなくなってしまいます。それは僕が経験してきたことです(笑)。
確かに打撃は粗くなっているとは思います。ティム・エリオット戦は一発狙いに見えましたね。エリオットはあれだけ動く選手なので、動かせておけば自然と疲れてきます。それを朝倉選手も強振しているので疲れていった。本来は細かく入れて戦うことができる選手だから、ローとかボディジャブとか当てなくて良いので軽く出しておけばとは良かったのになぁとは思います。
あとケージとリングの違いですかね。リングだと打撃系の選手はコーナーに追い込むことができます。四角と八角だとステップの踏み方も全然変わってきますしね」
――TUF24のチームメイトで、決勝を戦った相手が勝利して嬉しいという気持ちは?
「嬉しいとかはなかったです。正直、ここは朝倉選手が勝った方が日本のMMAも盛り上がるので」
――日本の夢を潰すのは2度目ですね(笑)。
「それ読みましたよ、インタビューで(笑)」
投票で落とされるとMMAファイター人生を否定されることになります
――ハハハハ。朝倉選手の敗北の3日後に「RIZIN WORLD GP 2025 FLY WEIGHT TOURNAMENT 2nd ROUND総選挙」がありました。1回戦で勝った翌日、鶴屋怜選手の取材でTHE BLACKBELT JAPANを訪れた際、扇久保選手がジムに勝利の報告にたまたま来られて。あの時、選挙で落とされるかもと気にされていました。
「そこはもうずっと気にしていました(笑)。準決勝を戦えないんじゃないかというストレスで、結構ヤバかったですね」
――MMAとしてホセ・トーレスにあの勝ち方として、「あれ以上どうすれば良いんだ」とは言いたくなるのですが。
「僕とすれば、投票で落とされるとMMAファイター人生を否定されることになりますしね(苦笑)。完全否定ですよ。しんどい選挙でしたね。だから落ちてもイイや――ではないですけど、落ちた時のことも考えていました。それぐらいのメンタルでいないと、やっていけなかったですね」
――選ばれなかった時は、リザーブマッチを戦うという気持ちになれたのですか。
「それは決まっていることなので、落とされればリザーブマッチを戦うつもりでした。9月には試合が絶対にあるというつもりで過ごしていました」
――いやぁメンタル、強くないですか。
「そうなんスかね(笑)。でも、投票で落とされたら補欠戦で勝って『優勝した選手、俺とやれ』と言おうと決めていました」
――なるほどっ!! 負けていないわけですしね。
「そうじゃないと、あの日々は過ごせないですよ」
――1回戦は抽選会。今回は選挙。試合があることは決まっていても、対戦相手が決まっていない。今回はその期間は2週間ほどだったかもしれないですが、どういう風な練習をしてきましたか。
「ガジャマトフと戦うつもりで調整をしていました(笑)。ずっと彼と戦うことを考えていたので」
――そして、実現すると。あの対戦カード・ベースで投票されるというのは、選手たちはいつ知らされたのですか。
「あの場ですよ。壇上で鈴木アナが話した時です。控室でも知らされていなかったです。鈴木アナの話まで本当に知らなかった(笑)。あの時は結構、ガジャマトフもナーバスになっていましたね」
――それこそ対戦カード・ベースでないと、1人だけ日本人でない。怖いですよ。
「ダゲスタンに行って、僕以外はダゲスタン人だと想像をするとゾッとしますね(苦笑)」
――結果、格闘技としてのファンや識者の良心が守られた結果となりました。伊藤選手は本当に気の毒ですが、準決勝として最良の2試合になったと思います。でも、やっぱりスポーツとしてはおかしい。おかしいけど選挙と投票があり、普通に決まって発表するよりも注目されることになる。
「僕はRIZINのそういうことも全て受け入れています」
――結果、日本で最も強い選手が集まってくる大会が行われているわけですしね。いずれにせよ、対戦カード・ベースになったことでガジャマトフと戦いたいという本心が優位に働くことになったかと。
「それで自分が優位になったとは、鈴木アナの説明を聞いても思わなかったです。ただ、他の選手の演説を聞いて『これ、選ばれるかも』と思いました。僕と元谷君しか、誰と戦いたいと口にしなかったので。伊藤選手と誠は言わなかった。逆に『言わないんだ』と思って、これはいけるかもっていう気持ちになりましたね」
――1位で抜けた時の気持ちは?
「本当に良かったと思いましたね。安堵し、同時に『本当にガジャマトフ戦が決まった』と気が引き締まりました」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
9月28日(日)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■対戦カード
<RIZINライト級選手権試合/5分3R>
[王者]ホベルト・サトシ・ソウザ(ブラジル)
[挑戦者]堀江圭功(日本)
<フェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]ラジャブアリ・シェイドゥラエフ(キルギス)
[挑戦者]ビクター・コレスニック(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
扇久保博正(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級T準決勝/5分3R>
元谷友貴(日本)
神龍誠(日本)
<RIZIN WORLD GP2025フライ級Tリザーブマッチ/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
山本アーセン(日本)
<RIZIN WORLD GP2025ヘビー級T決勝/5分3R>
マレク・サモチュク(ポーランド)
アレクサンダー・ソルダトキン(ロシア)
<バンタム級/5分3R>
佐藤将光(日本)
ダニー・サバテロ(米国)
<バンタム級/5分3R>
梅野源治(日本)
芦澤竜誠(日本)
<フェザー級/5分3R>
高木凌(日本)
三宅輝砂(日本)
<ライト級/5分3R>
矢地祐介(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
ファン・イェーロウ(中国)
<フライ級/5分3R>
冨澤大智(日本)
平本丈(日本)
<フェザー級/5分3R>
大和哲也(日本)
奥山貴大(日本)
<100キロ契約/5分3R>
金田一孝介(日本)
チャートゥ・バンビロール(セネガル)
<ライト級/5分2R>
太田将吾(日本)
Street♡★Bob洸助(日本)
<バンタム級/5分2R>
山木麻弥(日本)
石坂空志(日本)
<フライ級/5分2R>
佐藤執斗(日本)
小林大介(日本)
<フェザー級/5分2R>
YUHEI(日本)
脇田仁(日本)


















