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45 AB IMMAF LFA LFA200 MMA MMAPLANET o UFC YouTube アライジャ・ジョンズ アルフレッド・ウォーカー クリス・サイボーグ シャイアン・バワース シャノン・クラーク シャミドカン・マゴメドフ ハビエル・レイエス マイルズ・ジョンズ レリアン・ドゥグラス ヴァニウト・アントニス 河名マスト

【LFA200】UFCのないサタデーナイト(※現地時間)に、LFAが200回記念大会で3階級の王座統一戦

【写真】3つの統一戦、勝ち残った選手にUFCが与えるスポットも気になる(C)LFA

25 日(土・現地時間)、ミネソタ州プライヤーレイクのミスティックレイク・カジノホテルでLFA200「Jonhs vs Douglas」が開催される。2017年1月13日の第1回大会から、7年と13日でイベント数が200を迎えるLFA。つまり年間28イベントというハイペースで大会を行ってきたことになる。
Text Manabu Takashima

そんな記念すべきイベントらしく、今大会には過去に例がない3階級の王座統一戦が組まれ、計6人のベルトホルダーが登場する。3つのユニフィケーション・バウトの中でメインを張るのはフェザー級正規王者アライジャ・ジョンズと、暫定王者レリアン・ドゥグラスだ。


ベイビー・ジョンズことアライジャ・ジョンズは、元LFAバンタム級王者で現UFCのマイルズ・ジョンズの実弟だ。2022年8月に河名マストを下したことで日本のファンに名が通っているかもしれない。そのアライジャはアマMMAファイター時代にLFA01に出場(※結果はTKO負け)しており、この歴史的大会のヘッドライナーを務めるのにふさわしいといえる。

今年の2月にアルフレッド・ウォーカーとの王座決定戦で勝利したアライジャは、昨年12月にドゥグラスと統一戦を戦う予定だったが負傷欠場、両者の対戦は今大会にスライドされた。対するドゥグラスは昨年8月にハビエル・レイエスを左フックでKOし暫定王座を獲得している。

レスリング・ベースで、相手によっては徹底してテイクダウン狙いを貫くジョンズ。そんなねちっこい展開になるとドゥグラスがいかに遮断し、トレーニングパートナーのクリス・サイボーグと磨いた打撃を打ち込むことができるか。

女子フライ級王座統一戦は正規王者シャノン・クラークも、アライジャと小名育昨年2月ベルトを巻いている。しかし9月にコンテンダーシリーズで73秒TKO負けを喫し、今回が再起戦となる。同じ9月の終わり、シャイアン・バワースはクラークがUFCとサインしていれば、正規王者に昇格していた暫定王者ヴェロニカ・ボリソワを130秒で腕十字に切って落とし、暫定タイトルを獲得している。

カナダのカレッジ・サッカー・プレイヤーで、パワフルなファイトが信条の正規王者。暫定王者は高校時代にクロスカントリーと陸上出身でミネソタ州を代表するランナーで、ご当地ファイターということになる。

ウェルター級正規王者ヴァニウト・アントニスもコンテンダーシリーズで敗れ、世界最高峰を目指すためにLFAに戻ってきた選手だ。今年の3月に手にしたベルトを掛けて戦うシャミドカン・マゴメドフは、その1カ月前に暫定ベルトを腰に巻いているが、直後にTUFシーズン32に出演したことでLFAから離れていた。

そのマゴメドフはTUFで勝ち上がることができず、去年の10月にアルフォンソ・レイアを倒し暫定王座の防衛に成功している。

ところでアントニスが2つのベルトを掛けて戦うのは、今回が初めてではない。2022年12月に当時Conguerorウェルター級王者だった彼は、ライバル団体のFavela Kombatウェルター級チャンピオンで元UFCファイターのヴァンデル・オリヴェイラを破り、2団体のチャンピオンになった過去を持つ。

ダゲスタン出身、IMMAFと合体するまで世界最強のアマMMA組織だったWMMMAの世界王者だったマゴメドフはLFAでは無敗、4連勝中で3試合がフィニッシュ勝利というフィニッシャーだ。

既にショートノーティスでUFC出場リストに名前があるであおう6人のチャンピオン達。勝てば近づき、負けると遠ざかる世界最高峰を目指し、サバイバル・タイトル戦に挑む。現地ではUFCのライブ中継がない土曜日の夜にFight Passで全米に流れる──人生を賭けた戦いだ。

■視聴方法(予定)
1月26日(日・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS


■ LFA200メイン対戦カード

<LFAフェザー級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] アライジャ・ジョンズ(米国)
[暫定王者] レリアン・ドゥグラス(ブラジル)

<LFA女子フライ級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] シャノン・クラーウ(カナダ)
[暫定王者]シャイアン・バワース(米国)

<LFAウェルター級王座統一戦/5分5R>
[正規王者] ヴァニウト・アントニス(ブラジル)
[暫定王者] シャミドカン・マゴメドフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョーイ・ハート(米国)
クリス・ミクセン(米国)

<130ポンド契約/5分3R>
デヴォン・ロジェイ(カナダ)
エンリケ・パチェコ・パラ(チリ)

<ヘビー級/5分3R>
アルヴィン・ハインズ(米国)
マーク・カーリア(米国)

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45 AB Gladiator Gladiator029 MMA MMAPLANET NEXUS o YouTube   デマルケス・ジャクソン パン・ジェヒョク 八隅孝平 小森真誉 平田直樹 河名マスト 田中有 矢地祐介

【Gladiator029】新ライト級王者 小森真誉「『ロータスは強い』と八隅さんに言ってあげたかった」

【写真】日々指導してくれる八隅への想い、日々練習しているロータス世田谷への信頼感が小森にベルトを巻かせた(C)MMAPLANET

12日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されたGLADIATOR029のメインで田中有をパウンドアウトし、ライト級のベルトを巻いた小森真誉。
Text Manabu Takashima

八隅孝平に師事し、大道塾吉祥寺支部の飯村健一に手ほどきを受けたムエタイを消化したことで飛躍が期待されながら勝ち切れない。そのポテンシャルが試合で発揮できずに周囲をやきもきさせてきた小森が、ベルトを巻いた。しかしながら、スクランブルでの代役出場は普段戦う階級より1クラス重いモノ。

そのうえ前回の試合で敗れており、この挑戦は興行有りきのタイトル戦に必要なピースという見方をされていた。そして絶対的なアンダードッグと見られていた現実を跳ね返し、チャンピオンとなった小森にイベント終了直後に話を訊いた。


『なんでやねん』と普通に思いますよね

――タイトル奪取、おめでとうございます。

「ありがとうございます」

──MMAPLANETでは代役でタイトルマッチが決定した際、前回の試合はフェザー級で敗れている選手がベルトを掛けて戦うことに疑問を抱き、小森選手に事前取材をすることをせず申し訳ありませんでした。

「いや、分かります(笑)。というか、もう選手も含め格闘技関係者全員がそうだったと思います。田中選手のための試合で、相手を探しているということだとも理解していました。田中選手も本当にベルトが欲しいんだなって」

──私が個人的に耳にした話では、田中選手はデマルケス・ジャクソン戦がなくなり、相当に落胆しタイトルマッチでなくても……という気持ちだったと。いずれにせよ、このオファーがあり、勝算があるなら小森選手陣営は受けて当然だと思います。ただ、この試合をタイトルマッチとしたプロモーションサイドの決定に我々は首を傾げていました。

「そうなのですか……」

──これは個人的な話ですが、ロータス世田谷に取材にいくといつも練習をしている小森選手の姿を見させてもらっていました。そしてある基準を設けているMMAPLANETの取材対象になるところまで上がってきて欲しいと、勝手ながら思っていました。ですので、この形でないタイトル戦。あるいはノンタイトルなら、小森選手を試合前にインタビューしたかったです。

「そうですね……それはそうです。不本意という言い方は違うかもしれないですが、『なんでやねん』と普通に思いますよね。僕が他の選手がそういう風に挑戦しているなら、『意味が分からない』と感じただろうし。タイトルマッチに行くまでが難しいのに、この挑戦はそういう経緯が無かったことは確かです。ここで勝てば良いだけっていう……」

──そういう状況だったからこそ勝たないと本当に何でもない、ただ使われた選手になってしまっていました。この状況だからこそ、負けられないというプレッシャーはなかったですか。

「それはありました。負けて失うモノはないとは思ってはいましたけど、負けて良いと思って戦っているとは思われたくなくなかったです。『ライト級でなんで挑戦できるねん』とバカにされることもあったので、絶対に見返してやろうと。ライト級だからとか、言い訳が残る試合には絶対にしたくなかったです。

もちろん練習でやってきたことは自信があります。結果は出せていなかったですが、自分はもっと上の選手と練習をしているので……。一緒に練習をしている人は、自分のことを評価してくれて、『勝てる』と言ってくれていました。八隅(孝平ロータス世田谷代表)さんも、そう信じていつも送り出してくれていたのですが……。その期待に応えられず、結果を出せてこなかったです。なので、このチャンスが巡ってきたのだから、絶対に結果を残してやるという気持ちでした」

──ロータス世田谷勢、八隅さんの指導を受けている選手が12月に河名マスト選手、平田直樹選手、矢地祐介選手と魔の3連敗を喫しました。

「八隅さん、コーチ業を引退するとか考えていたみたいで……。今日の試合に勝って、『ロータスは強い』と八隅さんに言ってあげたかったです。それぐらいチームも落ちていて……。矢地さんはメチャクチャ強いです。それは練習をしている人は知っています。金原(正徳)さんも強さを認めています。平田君も練習通りにできていれば……」

──練習で強い人同士が、戦うのが試合だと思います。

「ハイ。そういう選手はたくさんいると思います。試合で結果を出さないと意味がないです。そうでないなら、練習をして楽しんで生活すれば良くて。結果を出さないと、興行にも呼ばれない。自分もいつの間にか練習の方が強いという風になってしまっていて……。

負けが続くと『八隅はダメだ』とか『ロータスって組み技は上手いかもしれないけど、MMAは実際どうなんだ。あの戦い方はどうなんだ』とか聞いたりしてて」

──本来は、『何言っているんだ?』って思いますよね。ただ結果がついてこないと……。

「別に八隅さんが悪いんじゃない。負けた選手の責任なんです」

──ずっと八隅さんの話になってしまっていますね。

「八隅さんの技術、やられているようでやられていない。その部分で時間を使ってダメだったこともありましたが、今回は……いや、もうちょっと早く切り返せればよかったです」

組手は通じると、最初に組んだ時に思いました

──初回は下になってポイント的には劣勢だったかと思います。それを2Rから挽回し、3Rはバックを制してパウンドアウトしました。

「1Rもテイクダウンされましたが、自分のなかでは『抑え込まれていない。もっと来い』という気持ちでした。逆にいうと田中選手は攻めている気持ちがしていなかったかもしれないです」

──バックに回らせなかった。そして、バックに回ろうという動きを使って逆にリバーサルができていました。

「組手は通じると、最初に組んだ時に思いました。フィニッシュしに来てくれれば、切り返す自信はありました。

八隅さんや岩本(健汰)君の技なんですけど。今回は自分よりデカい相手からトップを取るには、バックエスケープ。バックを攻めさせて落とすとか、そういう際の攻防が大切だと思っていました。それに首相撲で削ることができる。倒されても、動けば良い。実際に自分のなかで攻められたから、休むという場面はなかったです」

──半身から真後ろへ。その動きが完成する前に田中選手が、首を取りに来た時などは狙い目だったと?

「そうですね。八隅さんが『肩を入れろ』という指示をくれたのですが、あそこからハイクロッチで上を取り返すのは定番というか……。それにライト級でもこの組手は通じる。むしろ大きな相手の方が通じるのかと感じました」

──十分にライト級の大きさに見えました。

「そうですか? 実はこれまで3度、緊急オファーでライト級で戦っているのですが、一応全部勝てています。練習の方が強いから、減量しないでライト級で戦った方が良いと言ってくれる人も確かにいました。けど、けっこうビビっていました(笑)」

もうチョイ強いというのを見せていきたいです

──ライト級王者として、今後に関してはどのように考えていますか。団体潰しという声もありますが(笑)。

「アハハハハ。団体潰し……(笑)。せっかくベルトを取れたので、もう1回ライト級でやろうと思っています。もう1回というか……返上したら、意味不明になってしまうので。Gladiatorがどのような選手を指名してくれるのか、ですね」

──フェザー級王者パン・ジェヒョクから「過去にNEXUSで戦っている選手のベルトを狙いたい」という対戦表明がありました。

「なるほどスね。それはもう……パン・ジェヒョクが僕のライト級王座に挑戦したいということですね。そうしたら、僕もフェザー級王座が欲しいって言います(笑)。本当に強いことは分かっています。でも、強い選手が来ても戦えるように準備を続けたいと思います。もうチョイ強いというのを見せていきたいです」

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45 AB DEEP Gladiator Grachan HEAT MMA MMAPLANET NEXUS o RIZIN Road to UFC SASUKE UFC YouTube パンクラス ヘンリー・フーフト 上久保周哉 中村倫也 丸山数馬 修斗 内田タケル 原口伸 堀内佑馬 宇佐美正パトリック 小崎連 本野美樹 松井斗輝 松嶋こよみ 河名マスト 神田コウヤ 透暉鷹 野瀬翔平 雑賀ヤン坊達也 風間敏臣 鶴屋怜 鹿志村仁之介

【Banana Oil 2025─04─】”UFCを絶対の価値”とした場合、日本のベルトは「意味がない」を受け入れる

【写真】ベルトに意味がない──UFCで戦うために、武器にならないということ。武器になるのは、強さのみ(C)MMAPLANET

日本の現状をMMA界の名伯楽であり、頑強なリーダーシップを誇る──プロフェッショナルMMAファイター集団=キルクリフFCのヘンリー・フーフト総帥が取材中に発した2つのショッキングな言葉を紹介した。UFCを絶対の価値とした場合に、その強さを追求できる状況にない。それが日本のMMA界の現状であり、現実だ。
Text by Manabu Takashima

「日本人選手の5勝1敗は、米国では2勝1敗」

「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない」

前者に関しては、レスリング無き打撃戦の奨励という形が進む日本のMMAに危惧を覚えるものの、技術的に北米及び世界との差は存在しているのだから、厳しい現実でも受け入れやすい。対して、この後者に関しては……反論材料はいかようにも用意できる人が、J-MMA界には揃っているだろう。


UFCに絶対に価値を置きたくても、できない。それでは食えない。それが日本のMMA界だからだ。だからこそ、ここではヘンリーの言葉を受け入れて、日本のプロモーションのタイトル戦線の様子を眺めてみたい。

ヘンリーがいうように修斗、パンクラス、DEEPだけでなくRIZIN以外、日本のMMA王座はさらなる上の舞台を目指すための材料でしかない。強い選手が揃っている。待遇面が良い。そういう場に進むためのチケットだ。現状では上記の老舗プロモーションだけでなくGrachan、HEAT、Gladiator、NEXUSらのベルトは全て、次に進むための通行手形として存在している。

それらのベルトを巻いたファイターはRoad to UFCか、RIZINというネクストターゲットとなる名を挙げる。とはいえ、そのベルトがどれだけ「行きたい先」の評価の対象となっているのだろうか。地方大会のワンオフ、あるいはエクスクルーシブでないRIZINはともかく(だからこそ、待ち状態のファイターの心理は辛いのだが……)UFCは、Road to UFCにしても基本は他の選択肢はない。

2022年のRoad to UFCに出場した日本勢は堀内佑馬、野瀬翔平、風間敏臣、中村倫也、SASUKE、松嶋こよみ、宇佐美正パトリック(計量失敗で欠場)、鹿志村仁之介(ライト級で代替出場)、内田タケル(ワンマッチ出場)の9選手でタイトルホルダーは修斗フェザー級王者のSASUKEだけだった。

2023年の第2回は鶴屋怜、野瀬翔平、上久保周哉、SASUKE、神田コウヤ、丸山数馬、原口伸の8選手で鶴屋がパンクラス、SAUKEが修斗、神田がDEEPのチャンピオン、原口がGrachan王者としてトーナメントに挑んだ。

前回は松井斗輝(計量失敗で欠場)、透暉鷹、野瀬翔平、小崎連、河名マスト、原口伸、本野美樹、雑賀ヤン坊達也(ワンマッチ出場)の8選手中、透暉鷹とヤン坊がパンクラス、河名がGladiator、原口がGrachanと4選手がベルトを巻いていた。

Road to UFCはその出場基準自体があやふやで、他のタイトルホルダーが出場を撥ねられるケースはいくらでも見られる。それでも出場を狙ううえで、選手たちがタイトルを保持したくなるのは十分に理解できる。いうと……絶対ではないkが、Road to UFCへの出場権獲得には効用があるやもしれない。ただし、出場してしまえばあとは実力勝負だ。

3度のトーナメントでUFCと契約した日本人3選手中、ベルトを持っていたのは鶴屋怜1人だけだった。日本の各プロモーションのベルトを持つことで、8人トーナメントを勝ち抜く力を有しているという保証になるのか。それは否、だ。

ベルトとは強さの象徴だが、今や国内の各プロモーションの陣容と国際戦の減少を見ればチャンピオンになったからといってRoad to UFCを勝ち抜ける力がついたことにはならない。”UFCを絶対の価値とする”と、RIZIN以外のベルトは世界に挑戦できるだけ力を持ったことの証明とはならない。

前戦で負けた選手が、タイトル戦に出てくる。前回はノンタイトル戦で白黒がついているのに、ダイレクトリマッチでタイトルが賭けられる。タイトル戦出場選手が欠場となり、下の階級で連敗している選手にいきなりタイトル挑戦権が与えられる。ランキングはタイトル挑戦の優先権で、上がいなくなると必然的に挑戦権は回って来る。特にJ-MMAのフィーダーショー化が明確になった以降、王者がステップアップした場合、王者越えを果たしてベルトを巻く選手は相当に少なくなってきた。王座決定戦と暫定タイトル戦が、スパイラルを描くように組まれ続ける。

そのようなタイトルマッチを実施するために、組まれたタイトル戦に掛けられたベルトが強さの象徴となりうるわけがない。ヘンリーの「ベルトは無意味」という言葉の通りだ。

ヘンリーは実際、日本のMMA界に向けてのみこのように口にしたわけでない。「修斗、パンクラス、DEEPのタイトルはUFCで戦える力をつけるために、意味はない。それは米国のローカルショーでも同じことだ。〇〇〇だけ、その価値がある。それは〇〇〇でベルトを巻けるなら、UFCでも戦えるだけの力があると認められるからだ」と、ベルトでなくUFCで戦えるだけの力を有する経験が必要だと訴えていた。

くどいように書き記している”UFCを絶対の価値とする”ことがない選手にとって、ベルトは違う価値を持つ。経済的に生活が一変することがなく、未来を切り開くことにならなくても手にしたい。ベルトとは、日頃の努力が実を結んだことが目にできる結晶だ。ベルトを巻いて、応援してくれる人たちと喜びを分かち合いたい。最高に素敵なMMAを戦う理由になる。

プロモーションとしてもリスクのあるビジネスを成立させるうえで、タイトル戦が欠かせない要素なら組んで然りだ。

ただし、UFCとの契約を勝ち取るため、UFCで世界の頂点を目指すためにMMAを戦っているのであれば、必要なのは力かベルトか。何が必要なのか。

そこはもう自明の理なのだから、目的達成のために明確なビジョンを持ち、目的と手段を混同しないキャリアアップの青写真を描くのみ。この青写真がないと、限られた時間を無駄に使うことになる。同時にMMAPLANETは、メディアとして──UFCで戦う下準備になる戦い模様を届けていきたいと思っている次第です。

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45 MMA MMAPLANET o ZFN02 キック ユ・ジュサン 河名マスト

【ZFN02】RTUからの再起ならず。河名マスト、ユ・ジュサンの速攻&右ストレート→パウンドで散る

【写真】開始直後のスピニングバックキックに始まり、ジュサンが河名を完全に飲み込んだ(C)ZFN

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン(韓国)
Def.1R1分16秒 by TKO
河名マスト(日本)

いきなりジュサンがスピニングバックキックを河名のボディに突き刺す。そこから組みの攻防になるが両者離れる。試合がスタンドに戻るとジュサンはよそ見をしながら右ストレート。再び組みの展開になるが、ここも両者は離れる。ジュサンが鋭い右の前蹴り、ジュサンはジャブを突き差して右フック、河名はシングルレッグに入るが距離が遠い。

河名は前後にステップし、ジュサンはジャブから右ストレートにつなげる。河名も左フックを返すが、ジュサンが右ローを蹴って右ストレートを打ち抜くと、河名がダウン。ジュサンが追撃のパウンドを連打し、レフェリーが試合を止めた。


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45 AB Black Combat GFC MMA MMAPLANET o ONE UFC ZFN02 キム・インソォン キム・ハンスル ジャン・イクファン ジャン・ユンソン ジョン・チャンソン チェ・ソンヒョク ドロブショク・ナホトフ ナンディンエルデン・キム・インソォン パク・チャンス ファン・インス ホン・ジュンヨン マテウス・カミーロ ユン・チャンミン ユ・ジュサン 中村大介 佐藤天 岩倉優輝 河名マスト 海外

【ZFN02】ユン・チャンミンと対戦、パク・チャンス「海外が国内かということで、自分を軽く見ている」

【写真】本計量から3時間以上経過していたモック計量では、そこまでリカバリーできているようには見えなかったが……。ケージインする時には、75キロまで戻っているのか(C)MMAPLANET

既に零時を回っており、本日14日(土・現地時間)に韓国はコヤンのキンテックス7AホールでZFN02が開催され、Double GFCフェザー&ライト級王者のパク・チャンスがユ・チャンミンと戦う。
text by Manabu Takashima

そのパク・チャンス、今年の1月にはBlack Combatで中村大介を破り、6月にはDouble GFCで岩倉優輝を倒してライト級のベルトを巻いている。そして今回はZFN初陣を戦う。いちプロモーションのチャンピオンが、1年で2つも他団体で戦う。プロモーション間の行き来は、なぜ可能なのか。そしてユン・チャンミン戦についてパク・チャンスをインタビューした。


――Double GFC二階級チャンピオンのパク・チャンス選手ですが、Black Combatに続きZFNにも出場となりました。一つの団たいのチャンピオンが複数のプロモーションに出場するというのは珍しい事例かと思います。

「Double GFCもBlack Combatも試合のオファーがなく、この間にZFNと交渉して戦うことを決めました」

――毎回、単発契約でプロモーションを行き来している形なのでしょうか。

「Black Combatとは単発契約で、Double GFCから了承を得て戦っていました。今回のZFNに関しては。Double GFCとZFNの両プロモーションを行き来することができる契約になっています。そういう団体間の取り決めがあるのですが、交渉は団体間の取り決めではなくて自分たちでやっています」

――なるほど、日本とはかなり事情が誓いますね。ところでZFNのどういう点に魅力を感じて出場を決めたのでしょうか。

「ジョン・チャンソンさんという韓国MMA界のレジェンドが取り仕切っているプロモーションであること。そしてユン・チャンミンという戦意を駆り立てられる選手が相手だったからです。ここで勝って、もっと強い選手と試合をしていきたいと思っています」

――その先にUFCを見ているということですか。

「今はユン・チャンミン選手に集中しています」

――日本のリアリティTVショー、格闘代理戦争で優勝してONEとの契約を勝ち取り、海外で戦ってきたユン・チャンミン選手のキャリアをどのような印象を持っていますか。

「そこはまるで興味がないです」

――その素っ気なさには、逆に何かあるのではないかと邪推してしまいます。

「まぁONEで戦っていたといっても、そこで対戦してきた相手は別に強くない。今回の試合では、完膚なきまで叩き潰して勝ちます。自分の力を信じています。それにユン・チャンミン選手はONEで戦ってきたので、66キロの体を創ることができるのか。初めての減量で、調子を落とすかもしれないです」

――ライト級王座も獲得しているパク・チャンス選手ですが、普段の体重は何キロほどなのですか。

「試合がない時は80キロぐらいですね。計量後のリカバリーでは、大体75キロまでは戻っています。ただBlack Combatで中村大介選手と戦った時は、蜂窩織炎で体調が悪くてリカバリーもほとんでなくて。70キロあるかないかでした。

今回は過去になかったほど体調も良く、準備も完全です。自分のキャリアは彼と違って、韓国国内で築いてきたものです。海外が国内かということで、自分のことを軽く見ている人たちもいるようです。だからこそUFC Fight Passを通して、自分の強さを世界に披露したいと思っています」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

■ メインカード計量結果

<81キロ契約/5分3R>
キム・ハンスル:81.1キロ
ファン・インス:81.5キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:66.5キロ
ユン・チャンミン:66.0キロ

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン:66.25キロ
河名マスト:66.05キロ

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン:77.2キロ
佐藤天:70.3キロ

<ライト級/5分3R>
ドロブショク・ナホトフ:70.65キロ
マテウス・カミーロ:70.3キロ

<71.5キロ契約/5分3R>
ナンディンエルデン・キム・インソォン:70.0キロ
ホン・ジュンヨン:71.7キロ

<フェザー級/5分3R>
ジャン・イクファン:66.2キロ
チェ・ソンヒョク:65.7キロ

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45 AB K-MMA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC YouTube ZFN02 キック キム・インソォン キム・ハンスル ジャン・イクファン ジャン・ユンソン ダナ・ホワイト チェ・ソンヒョク ドロブショク・ナホトフ ナンディンエルデン・キム・インソォン パク・チャンス ファン・インス ヘイナウド・エクソン ホン・ジュンヨン マテウス・カミーロ ユン・チャンミン ユ・ジュサン 佐藤天 倉本拓也 河名マスト 清水俊一

【ZFN03】河名マストと対戦、ユ・ジュサン「試合映像をチェックするたびに安心してしまって」

【写真】こんなに丁寧かつ、穏やかでいて辛辣。K-MMA界の慇懃無礼男だ(C)MMAPLANET

明日14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02で河名マストと対戦するのは、第1回大会でヘッドライナーを務めたユ・ジュサンだ。
text by Manabu Takashima

キャリア7勝0敗、負け知らずだが世界レベルで戦う力を持っているのかは不明だ。それでも河名に対して「楽勝できる」と歯牙にもかけない様子で断言した。

さらにLookin’ for a Fightだからといって特別なことをしないで、いつもように戦う姿勢を貫くユ・ジュサン。その言葉も全く気負いがなく、落ち着いた表情で口にしていた。心の底から自信があるのか。それとも根拠なき自信なのか。HEATフェザー級王座決定戦=倉本拓也戦前のインタビューの時とデジャブのような落ち着きよう。その倉本戦は、言葉の通りとなった。果たして、河名マストに対して同じことができるのか。明日、ハッキリする。


――パブリック計量と会見の終了直後にインタビューを受けていただいてありがとうございます。

「自分の方こそ、インタビューをしていただいて感謝しています」

――計量と会見がドッキングし、明日には対戦する選手と言葉を交換する。選手によってはとてもナーバスになるシチュエーションかと思うのですが、凄くリラックスしていましたね。

「前回大会は普通に計量だけでした。まぁ、これをやるのは嫌な相手の時はあると思います。でも、マスト選手なら問題ないです」

――というのは?

「自分の相手にはならないからです(笑)。楽勝できる相手だからプレッシャーもないので」

――凄い自信ですね。

「マスト選手の武器は、グレコローマンレスリングです。でも、それだけです。ワンツールで。試合映像をチェックするたびに安心してしまって。このままでは油断をしてしまうので、試合を視るのもやめました」

――……。実は2年前の12月30日のAngel’s FCを取材していて、ユ・ジュサン選手は清水俊一選手とフェザー級王座決定戦で戦った時、試合後に立てないほど足にダメージがありました。聞くと試合前に負傷していたということで。でも試合中に足関節を仕掛けられてもまるで痛みを顔に出していなかったです。相当に気合の入った選手だと感じました。

「痛みを顔に出さない。それは上手くできていたと思います(笑)。実はZFNの第1回大会のヘイナウド・エクソン戦前も練習中にカーフキックを蹴られ、骨にがひびが入っていました。まぁ殴り合って、手術しないといけなくなったら手術をすれば良いという気持ちで戦いました。

でも明日の試合は、我慢強さでない自分の強さをお見せしたいと思っています」

――リモートですが、Lookin’ for a Fightということで自ずと求められていることは分かります。そのなかで、ダナ・ホワイトのお眼鏡にかなうためにライバルになりそうな選手は誰だと考えていますか。

「正直、そういうことは気にしていないです。なるようになるだけで。なれば、良いなぐらいの感覚です(笑)。だから明日の試合もこれまで通り、自分ができることを全て出して勝つだけです。

自分はもともと勝ち続けて、直接UFCと契約したいと考えていました。でもRoad to UFCが出来てしまって、そういうステップアップは難しくなりました。ついていなかったです。

だからLookin’ for a Fightで戦う機会が巡ってきたのは、ラッキーといえばラッキーです。でも別に明日の試合で、何かが変わるとかは期待していないです。このまま勝ち続けていれば、いずれはUFCと契約できるので。明日の試合も、そんな未来に近づくための一歩になれば良いです。

インパクトを残すためにわざわざ危険を冒す必要は、まだないです。このタイミングじゃない。安定した強さを見せる自信はあるので、よろしくお願いします」

――ユ・ジュサン選手の言葉を聞いていると、UFCと契約することでなく、UFCと契約したあとを見据えているように思えます。

「その通りです(笑)。自信はあります」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

■ メインカード計量結果

<81キロ契約/5分3R>
キム・ハンスル:81.1キロ
ファン・インス:81.5キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:66.5キロ
ユン・チャンミン:66.0キロ

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン:66.25キロ
河名マスト:66.05キロ

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン:77.2キロ
佐藤天:70.3キロ

<ライト級/5分3R>
ドロブショク・ナホトフ:70.65キロ
マテウス・カミーロ:70.3キロ

<71.5キロ契約/5分3R>
ナンディンエルデン・キム・インソォン:70.0キロ
ホン・ジュンヨン:71.7キロ

<フェザー級/5分3R>
ジャン・イクファン:66.2キロ
チェ・ソンヒョク:65.7キロ

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【ZFN02】計量&記者会見の融合。佐藤天&河名マスト、計量パス――そして堂々の英語で会見を乗り切る

【写真】赤コーナーも青コーナーもUFCへの道が閉ざされないように勝つのみ (C)MMAPLANET

明日14日(土・現地時間)に韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02のパブリック計量&記者会見が、13日(金・同)にキンポ市のホテル・マリナベイ・ソウル・アラで行われた。
Text Manabu Takashima

午前11時20分から始まった計量では、アンダーカード出場選手が一通りスケールに乗り、フェイオフを終える、そしてアンダーカード最後の試合に出場するチェ・ジェフンとヤン・ジェグンの両者が席につき、司会者の代表質問に答える形で会見が実施された。

メインカード出場選手はスケール、代表質問、記者の質疑応答、フェイスオフという流れをカード単位で続ける(しかも休憩が途中で入る)という珍しいスタイルの公開計量&会見が見られた。


メインカード第3試合のライト級戦に出場するタジキスタンのドロブショク・ナホトフはUFC308の公開会見のファンの質問時間に、ダナ・ホワイトにUFC出場をアピールし今大会の試合出場とLookin’ for a Fightを実現させた張本人だ。

ブラジルのマテウス・カミーロとのマッチアップは、他のカードとは明らかに色合いが違い、興味深いものとなった。

続いて赤コーナーから佐藤天が登場、英語で「UFCの最後の方は良い試合を見せることはできなかったので、ここで良いパフォーマンスをダナ・ホワイトに見てもらって、UFCに戻りたいと思っている。フィニッシュを狙っているけど、彼は良いファイター。でも自分を信じている。韓国人選手は日本人選手よりUFCで成功している。ここにいるコリアンゾンビのように。でも日本人選手も負けていない。と同時に日本のMMA界は韓国のMMAのことをしっかりと認識しないといけないと思っている」とコメントした。

河名マストは青コーナー・ファイターとして、今大会に挑む。ユ・ジュサン戦を前にして、彼もまた英語で「ダナが試合を見ているのは、凄く嬉しい。RTUの決勝のつもりで戦う。これまで韓国の選手と何度も試合をしてきたけど、タフでパワフル、常に難しい試合だった。韓国での試合は初めてでもケンチャナヨ。ノープロブレム。自分のスタイル、レスリングを貫きたい。これまで対得した韓国人選手で印象深いのはパン・ジェヒョク選手。距離の取り方などが巧みで5分間、常に前に出る練習を繰り返すことで成長できた」と司会者の質問に答える。

さらに質疑応答では青コーナーで戦うこと、UFCと契約することに挑戦し続けることを問われ、「この試合はユ・ジュサン選手をステップアップさせるためのものだと理解しています。でもケージのなかでコーナーは関係ないです。僕だけの特別なステップアップの場にします。レスリングをやってきて、目標は五輪でした。MMAで世界のベストファイターが揃っているのはUFCです。だからUFCで戦いたい」と話した。

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

■ メインカード計量結果

<81キロ契約/5分3R>
キム・ハンスル:81.1キロ
ファン・インス:81.5キロ

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス:66.5キロ
ユン・チャンミン:66.0キロ

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン:66.25キロ
河名マスト:66.05キロ

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン:77.2キロ
佐藤天:70.3キロ

<ライト級/5分3R>
ドロブショク・ナホトフ:70.65キロ
マテウス・カミーロ:70.3キロ

<71.5キロ契約/5分3R>
ナンディンエルデン・キム・インソォン:70.0キロ
ホン・ジュンヨン:71.7キロ

<フェザー級/5分3R>
ジャン・イクファン:66.2キロ
チェ・ソンヒョク:65.7キロ

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【ZFN02】代理戦争→ONEでキャリアを積んだユ・チャンミン「完勝できる。河名マスト? 眼中にない」

【写真】カンナムにあるTeam HAVAS。チーム・スタンガン解散後、チームメイトがイ・ジョンウォンが創ったジムに合流した(C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02に佐藤天が出場し、ジャン・ユンソンと戦う。
text by Manabu Takashima

UFCをリリースされ1年7カ月振りのファイトは、韓国となった。現在4連敗中、16勝3敗だったレコードは16勝7敗になっている。対戦相手は5勝1敗のコリアン・ヤングプロスペクト。自身のキャリアを上書きしようとする対戦相手、その師匠が開くイベントでのファイトだ。それが現実だと受け入れつつ、佐藤天は今も変わらぬ目標に向かい歩を進めている。


――計量前日にインタビューというのは御法度ともいえるのですが、ありがとうございます。

「いえ、自分も日本のメディアの方には話を訊いてほしかったですし。減量も凄く順調で、もう2キロほどでリミットなので大丈夫です」

――それにしても、これまでONEフェザー級で戦っていたので、これほど頬がこけたチャンミン選手を見るのは初めてです。

「格闘代理戦争以来ですね(笑)。しっかりと食事面も管理し3週間でここまで落とせました。ONEの一階級上のフェザー級よりも、このリミットで戦うことがベストだと感じています」

――2日後にはパク・チャンスと対戦します。ONE FFのキリル・ゴロベタス戦以来、1年9カ月振りのファイトです。このブランク、戦っていたプロモーションがONEということで日本ファンも概ね事情が想像がつくかと思います。

「この間は本当に厳しかったです。試合ができなくてストレスがたまり、2度も帯状疱疹ができて。体重も81キロまで増えてしまいました。正直、熱量が下がった時期もありました。でもMMMAが大好きで辞めようと思ったことはないです。そしてチームHAVASの皆のサポートで、ここまで戻ってくることができました」

――他のプロモーションと交渉ができるようになってから、今回の試合までどれぐらい時間があったのでしょうか。

「2カ月です」

――海外、韓国国内でもRoad FC、Black Combatなど他に選択肢もあったかと思いますが、ZFNと契約したのは?

「UFCで戦いたいからです。そうなると一番近いのはZFNです。コンテンダーシリーズからチームメイトのコ・ソクヒョン選手もUFCとサインしましたし、チームの皆がUFCを目指しています」

――UFCには30歳の壁があると言われています。そこは気にならなかったですか、

「それこそコ・ソクヒョン選手は自分よりも1歳年上で、31歳でUFCと契約をしました。力があれば、UFCへの道は開くと思っています。次の試合もリモートになったとはいえ、Lookin’ for a Fightですし。格闘代理戦争のように、特別な機会を生かすことには慣れているので」

――プロデビュー以来、初めて韓国での試合になります。

「本当に楽です。飛行機に乗る必要もないし、パッキングもしなくて良い。サウナの温度を心配しなくて済むし、食事も好きなモノを選ぶことができます。夜は家で寝て、全く違うファイトウィークを過ごせています。

母国で戦うことは、素直に嬉しいです。対戦相手のパク・チャンス選手はDouble GFCのライト級とフェザー級のチャンピオンですが、自分も海外で戦ってきたキャリアに自信を持っています。韓国国内でベルトを獲った者か、海外で戦ってきた者か。自分たちのキャリアが問われる対戦なので、燃えています」

――日本のリアリティTVショーで優勝し、ONEとは好条件でデビュー。韓国のファンから意地悪な見方をすると、お手並み拝見という感じで見られることもあるのでは?

「最初は軽く見られていましたが、ONE FFで最後に勝ったキリル・ゴロベタスがウクライナ人ファイターで12勝2敗の強豪だったことで、評価もひっくり返りました。ゴロベタス戦前の予想では、自分の勝率は8パーセントだけだったんです(笑)。

それにパク・チャンス選手のように韓国だけで戦って来たら、自分のように大きな会場で大観衆の前で試合をした経験はないはずです。なんせ自分のプロデビュー戦は両国国技館で、デメトリウス・ジョンソンの前座だったんですよ。そういう大舞台で戦った経験値は自分の方が上です。

だから母国のファンの前で、全局面で圧倒することができるはずです。ブラフでなく、本音です。パク・チャンス選手に完勝できる自信があります。この1年9カ月の苦労があった上で、成長した姿を見てもらう絶好の機会だと捉えています」

――では同じフェザー級の一戦、Angel’s FC & HEATフェザー級王者ユ・ジュサンとRoad to UFC出場の河名マスト選手の試合はLookin’ for a Fightというオーディション的な側面があるなかで気にならないですか。

「ユ・ジュサン選手はチーム・スタンガン時代のチームメイトですが、特に気にならないです。あと河名マスト選手は……これはLookin’ for a Fightですよ。彼が自分のスタイルで戦うなら、その時点で眼中にないです」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

■ZFN02メイン対戦カード

<81キロ契約/5分3R>
キム・ハンスル(韓国)
ファン・インス(韓国)

<フェザー級/5分3R>
パク・チャンス(韓国)
ユン・チャンミン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ユ・ジュサン(韓国)
河名マスト(日本)

<ウェルター級/5分3R>
ジャン・ユンソン(韓国)
佐藤天(日本)

<ライト級/5分3R>
ドロブショク・ナホトフ(タジキスタン)
マテウス・カミーロ(ブラジル)

<71.5キロ契約/5分3R>
ナンディンエルデン・キム・インソォン(韓国)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジャン・イクファン(韓国)
チェ・ソンヒョク(韓国)

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【Road to UFC & ZFN02】UFCを目指すファイターへ。河名マストを通して、八隅孝平の提唱

【写真】厳しい内容だからこそ、このタイミングで記事を掲載させてもらいました (C)MMAPLANET

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7Aホールで開催されるZFN02で河名マストがユ・ジュサンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

Road to UFC準決勝で敗れた河名について、MMAPLANETでは指導者でありコーナーマンを務める八隅孝平ロータス世田谷代表に話を訊いていた。河名に対して相当に厳しい意見が聞かれたが、八隅はそれを「全国のファイターに向けて言いたいことです」と記事にすることを承諾してくれた。

透暉鷹のコーナーを務めた日沖発stArt JAPN代表の言葉と同様に、八隅孝平の言葉も胸に刻んで欲しい。



「僕はもともとUFCは中国に投資して、Road to UFCは中国人を雇用するためのトーナメントだと僕は捉えていました。そして、中国人選手も力をつけています。その結果が河名君も含めて、日本人選手の惨敗になったと思います。元々人口があって、パイが大きいなかで篩に掛けて残った選手がRoad to UFCに出てきているわけですし。

河名君はMMAファイターとして何もなかったところから、形になりました。それは一緒に練習している選手たちの協力があってのことです。でも、シェ・ビンはトーナメント出場選手のなかで最強だと思っていたし、試合前から僕自身は『ヤバいぞ』という感じでした。5月の1回戦で受けたダメージも残っていたし、アバラを痛めたこともあって練習は1カ月ぐらいしかできていなかったです。

厳しい言い方をすると、そもそも練習量が足りていないです。ここに来れば、真面目に練習はしています。でも来ない日がある。

Road to UFCは最終的なゴールに向かうための戦いに過ぎないのに、出場できることでちょっと達成感を持ってしまったのか。僕はこれからUFCに向かう選手のために、敢えて言わせてもらうし、記事にしてください。Road to UFCに引っ掛かるのも大変だけど、そこではUFCでやっていけのか試されているだけです。僕は正直、勝ち上がるのは80パーセントぐらい厳しいと思っていました。河名君のクラッチ、そして一発の強さは信用しています。でも、それはMMAとしてギャンブル性が高い。

その一発がいきなり当たったけど、相手も必死だし終わっていなかったです。でも河名君は左を振って、右を当てようというパンチを続けました。要はスキルがない。距離を詰めることができないし、隙だらけで。あれは初っ端だから当たったけど……細かい事を言うと、河名君はずっと右に回り続けました。シェ・ビンはケージを背負いたくないから、同じように回って距離は詰められないし、組むこともできない。

試合後に『組めると思わなかったでしょ?  自分の感じたことが全てだから。それが全て。一発当たったけど、立たれたあとにもう一回組んで制圧し続ける。それを練習の時から想っておかないと』と話しました。

練習不足です。でも、俺も当たったら行けると信じていました。組みにかなかったのではなくて、組めなかったんです。当たらなくても手を振ることが、ディフェンスになる。フォームも気にするなと伝えていました。なので彼の実力は出た。練習通りです。あそこで勝ち切って、決勝も勝って本戦に出たいなら、練習量は絶対に足りていない。投資が足りていないです。UFCを目指すなら足りない。

UFCはドーピング検査もあり、減量中のケアもとことんやってくれます。そんなところ、ないですよ。でも、もう大人なんですよ。何でも言えるわけじゃないし、キッズ・レスリングに来ている子供じゃない。自分で分かって、もっとやらないと。それでも話はしました。本人は『そうですね』みたいな感じでした(笑)。

それに河名君に関しては、レスリングで使い切っていた部分があります。それもあって、無理から押し付けるような練習をさせることもなかったです。やはり、体は疲弊してケガもするので。そういうことが度々あると、やはり歪になってしまいますね。

厳しい言い方をすると、本気度が足らない。国内にはRoad to UFCが始ったことで、UFCが近くなったという空気があります。厳しさは変わらないです。機会ができただけで。勝つのは簡単ではない。言うと中村倫也選手は特別です。平良達郎選手にしても、その姿勢は凄まじくて。

河名君はスタイル的にもGladiatorの頃から、資源を減らして戦うタイプになってしまいました。殴られても組むという。それを続けると、資源が枯渇するので心配です。それでも河名君は、まだ目指すという姿勢を持っていて。グラジのベルトには拘りをもっていないので、返上させてもらうこといしました。

僕は1度防衛をして、また発言権を得たかったのですが、本人は海外で戦っていきたいという気持ちが強くて。とはいっても確率的にUFCに行くのは相当に困難になりました。それでもMMAをやっていくなら、ファイトマネーの額も考えないといけないし。働きながら続ける選択もあります。仕事を持っていても、強くなれます。それで強い人なんて、いくらでもいるので。

いずれにせよ、僕として再スタートは来年の3月からと思っていたんです。グラジでのタイトなスケジュールは、Road to UFCに引っ掛かるためのもので。そこからの蓄積があるので、やはりダメージの回復が必要で。12月ぐらいまで休んで、1月と2月で創って3月から試合という風に考えていたのですが、マネージメントからZFNの話があって。期限も切られているオファーでした。

河名君から相談されて、本音をいえば早い。しかも向うからきたオファーで『こいつなら勝てる』とマッチメイクだと思います。対戦相手を売るため、星稼ぎの試合。それでも本人は戦うというので、しっかりと休む時間を設けて。それから2カ月ほどで創る。限られた時間ですが、やるって決めたらやるしかないです。生活もありますし。

その間で形を作りなおすこと。当たれば倒すというスタイルでは、練習をしていることが生きていない。組み伏せることが目的なのに、当てに行くようになっていた。そこを修正するのと、組み自体も精度を上げる。もっとMMAへの理解をさせる。やるのは本人ですが、もっと練習をしようと。それも練習を再開するときの調子によりますけどね。やると決めたので、やらせます。

やるならやる。UFCを目指すのであれば、それだけのことをやる。これは全国のファイターに向けて、言いたいです」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

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【ZFN02】RTUからの再起。ユ・ジュサンと対戦する河名マスト「UFCへの道はまだ終わっていない」

【写真】RTU準決勝敗退に終わった河名だが、UFCを目指すという想いは変わらない(C)TAKUMI NAKAMURA

14日(土・現地時間)、韓国はコヤンのキンテックス7AホールでZFN02が開催され、河名マストがユ・ジュサンと対戦する。
text by Takumi Nakamura

8月のRoad to UFC準決勝でシェ・ビンに敗れ、今シーズンでのRTUからUFC参戦という道が断たれた河名。再起の場に選んだのはジョン・チャンソンが主宰し、UFC Fight Passでの生中継されるZFNだった。年齢的にも決して残されたチャンスが多くはない河名は、それを自分でも理解したうえで「僕のUFCへの道はまだ終わっていません」と語った。


――8月のRTU準決勝以来の試合が決まりました。まず復帰戦は年内にやりたいという希望があったのですか。

「そうですね。ダメージもあったので、 八隅(孝平)さん的には年越したぐらいに試合を組んでもらうかということだったのですが、マネージャーから『12月にZFNがあるけどどう?』と話を振られて、僕としては一刻も早く今年の汚れは今年のうちに落としておきたくて、試合を組んでもらいたかったという感じでした」

――RTUが準決勝敗退に終わり、RTUからUFC本戦を目指すという道が断たれてしまい、次はどんな舞台で試合をするか。そこを考えている時期だったと思います。そのなかでZFNという選択をしたのはどういった心境からですか。

「以前、DWCSでダナ・ホワイトが2年連続出た選手に『お前は去年の方が良かった。俺は30歳までの選手じゃないと契約しないって言ってるだろう。それなのに今回のパフォーマンスはなんだ!』と言っているのを見て、明確に定められているわけではないですが、やはり30歳というのがUFCと契約する上で一つの足切りラインだと感じました。で、僕は今年30歳になる年で、来年は31歳になっている。だったらこの1年はもう少しもがこうと思い、とにかくUFCに出るための道を探して、ZFNに出るという選択をしました」

――ただシェ・ビン戦がKO負けということで、ダメージを含めたコンディション面での不安はなかったですか。

「それはありました。普段の試合だったら大体1カ月ほど休んで練習を再開するのですが、今回はダメージもあったので約2カ月はフルで休んでから再開したので。あとは初めてのKO負けで、なんて言うんですかね、 3Rフルにやって力を出し切ったけどやられたという負け方ではないじゃないですか。どこか不完全燃焼的なところもあったので、そこはもう早く試合したいという気持ちでした」

――八隅さんからは年明けの復帰を勧められていて、そこは自分の意思を押し通したところですか。

「そうですね。僕自身も年内にオファーがくるとは思っていなかったので、強制的に休む時間を作ることができるなと思っていたところに、ZFNの話が飛んできたんで。試合のオファーがあるからには受けたいなということは伝えました」

――改めてシェ・ビン戦のKO負けはどこに敗因があったと思いますか。

「シェ・ビン自体がフレームも大きかったし、そう簡単にテイクダウンできるとは思っていなくて。そんな気持ちの中で試合が始まって、試合序盤で一発でいいパンチが当たったんですね。思いっきりパンチを振りましたけど、僕自身は当たって倒れると思って振ってないんで、当てた自分が1番『うわ!当たっちゃった!』みたいな感じで、当てて倒す心の準備ができてなかったんです。だからパンチを当てて効かせたんだけど、逆に『どうしよう?』という気持ちの迷いが生まれてしまいました。そこで(スタンドで)体が開いてしまったり、テイクダウンに行くことができずに立ち会った結果、 相手の1番得意な形でパンチをもらってしまいました」

――ある意味、先にパンチのクリーンヒットがあった故に色々な狂いが生じてしまった、と。

「これまでは自分がやるべきことが1つ定まっていて、それをやるしかないと決めて戦っていたのに、パンチが当たったことで他の要素が入ってきて、 選択肢が増えたから迷ってしまうという」

――例えばパンチが当たったとしても、そこは無視して組みに行こうっていうマインドにはなれなかったですか。

「そうですね。パンチも先に当たったし、思ったよりもシェ・ビンのパンチも早くないと感じて…」

――KOできそうな予感があったのですか。

「なんか(パンチが)当たるなって。ただそれでエラーが起きた感じですね。体の動きと頭の動きがずれて、やるべきことが1つに固まっていませんでした」

――KO負けのダメージもあったと思いますが、試合後は率直にどんな心境でしたか。

「本当にもう…何もかもなくなった、何もねえなって感じでした」

――大きな喪失感や虚無感というか。

「実際試合が終わって意識が戻って我に返ったのが、ストレッチャーに乗せられて、救急車に乗る直前くらいからなんです。その時にUFCのスタッフから『今どこいるか分かりますか?』と聞かれて『RTUの試合で、アジアのどこかです』みたいなことは答えたのですが、対戦相手が誰で、どんな試合だったかは全く分からなくて。その状況のまま病院に行って色々と検査を受けているなかで、だんだんと記憶が戻ってきました。検査結果は異常なく、KOされた瞬間以外の記憶はあるのですが、改めて自分が負けたということだったり、負けた実感や喪失感が出てきましたね」

――練習を休んでいた期間はどんなことを考えて過ごしていましたか。

「これが挫折か…って感じですよね(苦笑)。まさに大きな挫折だなっていう。打ちひしがれた感覚は確実に自分の中にあったので、そこをどう乗り越えるかじゃないですけど、どうやって次にステップを踏んでいくのかっていうところで、試合が終わって色んな人たちとお会いして、自分がインタビュアーみたいな感じで『今までの人生の中で味わった一番大きな挫折はなんですか?』とか『挫折を味わったときにどう乗り越えましたか?』と質問して、みなさんから人生経験を聞かせてもらっていました。僕にとっては大きな挫折でしたが、みんなもそういう挫折を味わってるし、悲劇のヒーローなんていないじゃないですか。 結局やるしかない、やるしかないよなと思って戻ってきました」

――コンディション的な不安はあるにせよ、年内に試合オファーが来たことは気持ちを前向きにするきっかけになったかもしれませんね。

「それは間違いないです。僕らファイターの仕事は試合をすることだし、自分のことを必要としてくれる場所がある、仕事が来るんだったら『やるでしょ!』という感じでした」

――この試合に向けてはどんなことを意識して練習してきましたか。

「原点回帰というか、あの試合は自分に迷いが出たことが敗因だったと思うので、じゃあ俺は試合で何がしたいんだ?と考えたら、 とにかく組んで組み伏せて殴るのか、押さえて1本取るのか。そこにとにかく進んでいくことだと思うので、そこにフォーカスして練習してきました」

――ファイターとして出来ることが増えても、自分がやるべきことを明確にする、と。

「そうです。確かにMMAは上手になってるのかもしれないけど、上手になることが強くなることじゃないんだなというのは改めて感じました」

――対戦相手のユ・ジュサンにはどんな印象を持っていますか。

「テコンドーっぽいというか、前後のステップが早くて、相手を誘い出して誘い出して、 前手で仕留めてくる感じの選手だと思います。あとは組みに関しても、自分が攻める側の組み手に自信があるから、スクランブルもちゃんとやってるなという印象でした。ガードを下げて足さばきで動く感じなので、そこも含めて相手のペースを崩していこうと思います」

――先ほどの話にもつながりますが、河名選手としては組みを混ぜて削り勝ちたいですか。

「特に相手の試合の雰囲気を見てると、なんか 自分に自信がある感じというか。俺はどこでも勝負してやるぜっていうのは見て取れるので、 組み手を受けてくれたら、そこはめちゃくちゃチャンスですよね。もし組み手を切ってこられたら、それはそれでこいつやるじゃんとは思いますね」

――RTU敗退後、再びUFCを目指す戦いが始まります。ここからどんな試合を見せていきたいですか。

「改めて自分のやるべきこと、やらなきゃいけないことをとにかく突き通して、ぶつけて、なおかつ決着つけて勝ちたいと思います。今回はダナも試合を見に来るという話なので」(※取材後、韓国の非常戒厳令のためダナの訪韓見送りが発表された)

――それはUFC出場を目指す選手たちにとっては大きいですね。

「ダナが来るというのは試合が決まった後に聞いたんですけど。団体側からしたら無敗のジュサンをプッシュして、RTUに出したり、ZFN自体を大きくして、そのままダイレクトでUFCに送り出したいと思うんですよ。彼はそのくらいのタレントだと思うので。でもそうはいかないよ、というのをぶつけたいと思います。僕はRTUでソン・ヨンジェを倒して、今回の相手も韓国内では推されてる期待の選手だと思うので、そんな選手をやっつけたら、またそこで自分の株も上がると思います」

――今回の試合も含めて、ここからはUFCにつながる試合を選択していきたいですか。

「そうですね。特にこの1年は数字として30歳という一つの条件・ラインがあるので、だったらUFCにいく可能性がある間に勝負したいです。毎年RTUに出る年齢の条件みたいな話も出るし、若い選手の方が今後の可能性が高いのはもちろん理解したうえで、自分が出来る期間でUFCに向けて最短ルート・最善のルートを選んで戦っていきたいです」

――それではUFCへ向けて最終発する河名選手からファンのみなさんにメッセージをいただけますか。

「僕のUFCへの道はまだ終わっていません。マイ・ライフ・イズ・リベンジ。必ずUFCまで到達します」

■視聴方法(予定)
12月14日(土・日本時間)
午後6時30分~UFC Fight Pass

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