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【Bloom FC05】「誰かのためでなく、自分のために戦います」漢・上田将年が原点回帰のイ・ギュヒョン戦

【写真】ワクワクが伝わってくる上田将年、38歳 (C)MMAPLANET

11月2日(日)に福岡市中央区のアクロス福岡でBoom FC05が開催され、メインで上田将年が韓国のイ・ギュヒョンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

熱血漢。九州男児、漢・上田将年は今年の1月にBreakthrough Combatで前Black Combatフライ級王者イ・ジョンヨンを相手に、その熱血漢らしからぬ手が出ない、前に出ないファイトに終始し判定で敗れた

勝敗が絶対のMMAにあって、勝ち負けでなく上田らしさがまるで見えなかった試合。その絶対の要因は、戦術としてイ・ジョンヨンが一枚上だったことである一方で、敗因でなく自分らしい戦いができなかった理由は、上田の身の内に隠れていた。

あれから10カ月、自分のために戦うと言い切る上田将年がいた。


ドロドロの試合をします』といつも言っていて。でも、それって試合前から判定有りきで

――約1年振りに地元福岡で、Bloom FCのメインを戦う上田選手です。試合としては2月に今はなきBreakthrough Combatのイ・ジュンヨン戦以来、約8カ月振りのファイトとなります。そして、そのイ・ジュンヨン戦は本当に納得がいかないファイトだったのではないでしょうか。

「本当にその通りですね……。正直、あの試合はメチャクチャ自信をもって臨みました。それが全く作戦というかプランが外れてしまったこともあったのですが、試合後も1カ月間は練習ができなくて。その間に自分の何がいけなかったのか、ずっと考えていました」

――プランが外れたといことですが、元々の作戦というのは?

「圧を掛けて、打撃で削ること。それも喧嘩四つになるのでジャブを余り使わず、三日月や削って。それから右を使う」

――喧嘩四つ?

「自分がチェックしていたイ・ジュンヨン選手の試合は、全てサウスポーだったんです。でも、試合が始まってプレスを掛けるとオーソで構えていて。セコンドの原田(惟紘)さんも、『サウスポーになるから』という風な指示で。

僕も『アレ?』と思いつつ、右手が前になるのを待っていました。でも、全然サウスポーにならない。そしてカーフを蹴られる。まぁ、このカーフは大丈夫だと最初は思いました。それが3発目ぐらいで、一気に効かされてしまって。2Rも、いつサウスポーになるんだと待っていたけど、ならない。加えて彼も積極的に前に出てくることはなくて、待ちの姿勢でカーフを蹴ってくる。

最終回になって、もう攻めないといけないと切り替えた時にはカーフのダメージが蓄積し、踏ん張りがきかなくなって前に出ることができなくなっていました」

――う~ん……。

「試合後、イ・ジュンヨン選手と話をしたのですが、凄く自分のことを研究していたことが分かりました。パンクラスの自分の試合でカーフの受け方が悪かったのを見て、オーソドックスで構えてカーフを蹴る。そういう風に創ってきたそうです。彼は『こんな戦い方をしてゴメンなさい』と言っていましたけど、完全に向うの作戦勝ちでした。してやられました……と同時に何を試合でやるのか、決めすぎていましたね」

――ハイ、相手あり気だと居着いてしまいます。

「完全にソレにつきました。自分から行くということでなく、相手がサウスポーでこう来るから、ココを狙うというような。待ちの待ちになっていました。ここで自分は、どう思いよったのか。見たくない試合映像をチェックして、ずっと考えて書き出していました。このメンタルで、俺は次も戦えるのかって」

――う~ん……。にしても、ですよ。キャリア14年、これまでにいくらでもオーソと戦ってきたわけでないですか。それなのに、アジャストできないというのは正直、残念です。上田将年は、そんなファイターじゃないだろうと。

「そこなんですよ。実はこのままじゃダメだと思って、メンタルコーチングに興味があったので、自分を変えようと4月からメンタルコーチに就いてもらうことしました。

自分のなかで、どこかメンタル・コーチをつけるのはメンタルが弱い選手がすること――そんな風に思っていた時期もあったのですが、いざコーチングをしてもらうと第3者を通して、自分と対話できるようになりました。

ここ最近の自分は『ドロドロの試合をします』といつも言っていて。でも、それって試合前から判定有りきで、『俺はこういう戦い方しかできないから』と過去の試合結果や経験値で自分を勝手に作り上げてしまっていました。

何より格闘技の本質である倒す・倒されるというゴールに向かっていない。メンタル・コーチングを受けている時に、自分が何も背負っていなかった頃、デビュー直後、パンクラスで『東京で戦うぞ』と思っていた時は、格闘技の本質を理解して倒しに行っていた。倒せない時はドロドロの試合になったけど、勝つことができていました」

――ドロドロはプロセスなのに、それが目的になってしまっていたと。

「ハイ。ドロドロを格闘技の本質だと見立ててしまっていたと、気づきました。過去の試合を見るとパンクラスで戦い始めた時。リルデシ(リマ・ディアス)と戦った時。小川(徹)さんとの1戦目に2Rでガス欠を起こして、3Rにボコボコにされた時。杉山(廣平)選手と戦った時。あの頃って、ゴールを目指し勝ちに行っていました。

それをドロドロの試合をすると言うようになってからは、以前は攻めていたところで『3Rまで行くから、ここでスタミナをロスできない』という思考で待ってしまうようになりました。ただ相手が攻めてくれる試合が続くと、そこも分かっていなかったです。でもイ・ジュンヨンも待ちの姿勢だったから、自分が行っていないことが浮き彫りになって……」

――なるほどです。相手がモンゴルのツェルマー・オトゴンバヤルやフィリピンのアリエル・オリバースだと、対応していることで待ちの姿勢という風に見えなかったです。だからこそイ・ジュンヨン戦はワーストバウトだと思いました。

「僕も試合が終わってから、原田さんに『俺、やってしまって。終わりです』って落ち込みましたね。だから、自分を変えないといけないと思ったんです。あんな試合を応援してくれる人たちに見せちゃいけないし、37歳までやってきた自分にさせちゃいけないと」

――そこでメンタル・コーチングを採り入れた。良い機会になったかと。とろで先ほど試合後は1カ月練習ができなかったと言われていたのは、カーフのダメージがあったからですか。

「そうですね。ペチペチという感じの蹴りだったのですが、ずっと同じところを蹴られてしまって。そのダメージは相当でした。病院で診てもらうと1カ月は練習しないようにと。なので4月に練習を再開しました」

『上田さん、受けるつもりでしょ。でも、この状況でオトゴンバートルと戦っても、勝負論がない』と言われて……

――そこから7カ月空いたのは?

「実は8月の終わりにオトゴンバートル・ボルドバートル戦という話が長谷川(賢)さんからありました」

――開催が未発表で、幻のまま終わった8月の新宿イベントですね。

「あぁ、それだと思います。最初は相手は決まっていなくて、『探します』ということだったので8月に照準を合わせていました。それでオトゴンバートルという話が来て、『ちょっと考えさせてください』と。で、回りに相談させてもらったなかでずっと自分を見てくれていた高校の後輩から、『上田さん、受けるつもりでしょ。でも、この状況でオトゴンバートルと戦っても、勝負論がない』と言われて……。

その後輩が言うのは、前の試合でBlack Combatの前チャンピオンに勝っていれば、あの強いモンゴルの若い選手と戦うことに格闘技ファンは喜ぶカードになる。でも、しょっぱい試合で負けた上田さんとゴリゴリのオトゴンバートルの試合を見たいかと言われたら……、もうどうなるのか。分かっとうやんと。

『逃げる、逃げじゃないじゃない。今じゃない』と言われてしまったんですよね。もう『その通りなんよ』って、自分も返事して。どういう気持ちで今、オトゴンバートルと戦えるのかと。それをそのままハセケンさんに話させてもらいました。『そうですよね。2月に勝っていれば』とハセケンさんも、分かってくれましたね。

そこで他の対戦相手の話もありましたけど、自分はやりたかったけどまとまらなかったです。結果、大会自体もなくなって……。もう8月になっていたので、11月にBloom FCがあると(奥宮)ハントさんから聞いていて。ここでしっかりと創って11月に戦えば、年に2回戦ったことになる。そこで、このタイミングで戦うことを決めました」

――地元福岡での試合は仕切り直しの場として、相応しいような気もします。

「そうですね。そこは大きいです。ハントさんも色々なところに足を伸ばして海外とのコネクションを増やしてくれています。地方の大会ながら、これだけ海外の選手を招聘してくれる。これは本当に凄いことだと思っています。

そういう大会ですし、自分のなかで仕切り直しという部分では創りやすいというのはあります」

10日間ほどカザフスタンの方に練習に

――もう、ここまでの話で上田選手が次の試合で何を見せたいと思っているのか。それは分かってきますが、本人の口からお願いします。

「もう、ドロドロにはしません(笑)。1Rにアームロックで捻り上げて勝ちます。ドロドロになろうとも、攻める気持ちを持ち続けます。それが、僕のなかの正解であって。練習もフィニッシュを狙うようにして。失敗してもゴールを目指す。そういう練習を意識してというよりも、自然にできるようになってきました。

あと、自分のなかで刺激を受けて自信にもなったことがありまして」

――おお、それはどういったことでしょうか。

「実は先月、10日間ほどカザフスタンの方に練習に行っていたんです」

――えっ?

「11月9日にネオブラのフライ級決勝で戦う柴山鷹成という選手が同じチーム(=G-Force)にいまして。鷹成のお父さんが、昔から自分のサポートをしてくれていて。そのお父さんがカザフスタンでビジネスをしているんことで、鷹成は年に1度ほどカザフスタンで練習をしてきたんですよ。

(C)MASATOSHI UEDA

で、9月に行くと聞いて。

海外での練習って、僕がやり残したことの一つだったので。そのお父さんに相談させてもらって、アルマトイのダル・チームに行ってきました」

――ダル・チームといえばアス・アルバマエフやシャクハト・ラクモノフが母国にいるときは練習をしているジムではないですか!!

(C)MASATOSHI UEDA

「ハイ。

アルマバエフは一緒に練習はしていないですけど、ジムにいました」

――にしても、思い切った行動です。

「あと2年で40歳、このタイミングじゃないと中央アジアで練習なんて行けなくなるかもしれないと思って。行くなら、今しかないと」

――素晴らしいですね。

「そこでNAIZA FCの元チャンピオンだとか、連勝中だっていうバリバリの連中と到着翌日から選手練で一緒にやらせてもらいました。ダル・チームでフライ級の選手と練習をしていて、通用する部分と通用しない部分が明確になって。

本当に地力はあります。でも、技の精度は自分らの方がある。崩してからの仕掛けというベクトルが、凄い力でやってきます。でもスイッチやアームロックで返すことができました。それも20代の選手達を相手に。『俺、やれるやん』って。『鷹成、俺らやれるやん!!』って(笑)」

――精神的なステロイドを投入してしまいましたね(笑)。

「いやぁ、もう凄い高揚感でした(笑)でも、通用しないところがある。まるでバックをはがすことができなくて。バックコントロール中心で、殴って削るという戦い方に封じ込まれるとか。そうやってコントロールされても、通じた部分があることで自信になりました。『まだ俺やれるね。頑張れるね』と。何より向うからスパーリングの相手をしてくれって言われて。

(C)MASATOSHI UEDA

それが嬉しかったです。

カザフスタンの連中とやりやって、仲間になって。凄く充実した練習があって、試合がもう決まっていることでメンタル的も良い状態でした。本当に、カザフスタンに行って良かったです。格闘技をやっていて良かったと思いました。あの経験をしてきたことで、本当に次の試合に楽しみでならないんです」

ゴールを目指す、一本を取りに行く。倒しに行きます

――充実しまくりの上田選手ですが、改めてイ・ギュヒョン戦への意気込みをお願いします。

「今回は誰かのためでなく、自分のために戦います。ここ数年、応援してくれる人のため。若い選手ために手本になるよう戦うとか。いつの間にか、自分自身のために戦ってあげていないと思いました。

そう思うようになった……刺激を貰ったのが、春日井たけしの復活インタビューでした。『この男、熱いな』って。アレを読み、メンタル・コーチから指導を受けて……誰かのためでなく、自分のために戦おうと。こんなに長い間、格闘技を続けているのはやっぱり楽しいから。自分が楽しいから。自分がコレしかないと思っているから。コレが生きがいだと自分が思っているから。

だからこそ今回は自分のため……相手も関係ないです。強い弱いでもない。自分がやると決めたことを徹底してやる。それが今回の自分のテーマです。ゴールを目指す、一本を取りに行く。倒しに行きます」


■Bloom FC05対戦カード

<フライ級/5分3R>
上田将年(日本)
イ・ギュヒョン(韓国)

<58キロ契約/5分3R>
岡本瞬(日本)
ハ・テグン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
中尾あづき(日本)
キム・ヨンジ(韓国)

<フェザー級/5分2R>
柿原”PR”昇汰(日本)
パク・ジョンジュン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
永留惇平(日本)
パク・ソンヒョン(韓国)

<フライ級/5分2R>
堺龍平(日本)
荒木凌(日本)

<ストロー級/5分2R>
佐野光輝(日本)
竹下里弘(日本)

<フェザー級/5分2R>
がんばるマン林(日本)
深町拓海(日本)

<キック 59キロ契約/3分2R>
田上健太(日本)
まこと(日本)

<ストロー級/5分2R>
Takumi(日本)
下田博龍(日本)

<フライ級/5分2R>
岡田臣祐(日本)
三坂崇禮(日本)

<バンタム級/5分2R>
久保智大(日本)
桑原伶(日本)

<フライ級/5分2R>
大塚翔太(日本)
南優人(日本)

<フェザー級/5分2R>
古賀輝哉(日本)
野口士雄(日本)

<キック70.8キロ契約/3分2R>
戸高尚輝(日本)
小田宏樹(日本)

<キック63キロ契約/3分2R>
高尾海音(日本)
山本涼也(日本)

<グラップリング58キロ契約/5分1R>
脇元凛音(日本)
川口奏(日本)

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45 DEEP DEEP127 MAX MMA MMAPLANET o 寒天マン 春日井たけし 魚井フルスイング

【DEEP127】フルスイングをかわしてTD&コントロール。春日井が魚井をフルマークで下す

【写真】魚井のガードポジションの強さも見られたが、春日井がしっかりと勝ち切った(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分2R>
春日井“寒天”たけし(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18.
魚井フルスイング(日本)

サウスポーの魚井に対し、春日井が左ジャブを突いてケージを背負わせる。左ハイから右に回った魚井が左右フックを振るう。組んだ春日井がドライブし、四つから小外刈りで倒した。春日井はパウンドを連打。魚井の左足をまたぎ、ハーフの相手のボディを叩く。

右ヒジ、鉄槌、ボディと手数が多い春日井。魚井は下から春日井を抱えて、ディフェンスからクローズドガードへ。しかし春日井の手は止まらず。腰を上げて足を捌きにいくが、魚井も足を利かせる。魚井が腰骨に足裏をあてると、春日井は一度立ち上がるも、やはりガードの中に戻った。そのままトップキープ&コツコツとパウンドを落として初回を終えた。

最終回、左右に動いて左ジャブを突く春日井に対し、魚井はフルスイングを見せる。春日井はダッキングでかわすと、右ボディからダブルレッグでテイクダウン。魚井はギロチン、そしてシングルのネルソンへ。ここから展開がなく、ブレイクが掛かった。

スタンドで再開後、距離を詰めた魚井に組みついた春日井は、右腕を差し上げてケージに押し込む。ボディとヒザで削る春日井。魚井は右に逃れようとするも、春日井が右アンダーフックで捕らえている。しかし春日井から離れてケージ中央に戻った。魚井の左オーバーハンドがヒット。春日井は飛び込み、ニータップでヒザを着かせる。

ツーオンワンから立ち上がった魚井が体勢を入れ替えて離れた。左フルスイングをかわされた魚井がバランスを崩す。すかさずトップを奪った春日井は、ハーフの魚井に鉄槌を落とす。魚井はボトムからKガードに。春日井が右足をストレートフットロックで抱えたところで、試合終了のゴングが鳴った。

裁定は春日井が3-0の判定勝ち。寒天マンではなく春日井たけしとしては3年4カ月振りの復帰戦を勝利で飾った。


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45 AB AMMA Breakthrough DEEP DEEP JEWELS DEEP127 HEAT HEAT50 MAX MMA MMAPLANET NARIAGARI o RIZIN RYO YouTube   キック ストラッサー起一 チェ・ハンギ チャンネル ボクシング 三宅輝砂 中務修良 五明宏人 佐藤洋一郎 修斗 力也 大島沙緒里 寒天マン 春日井たけし 木下カラテ 杉山空 村田卓実 濱口奏琉 相本宗輝 石塚雄馬 笹晋久 近藤有己 関鉄矢 青木真也 須田萌里 魚井フルスイング

【DEEP127】Fight &Life#110より。魚井と対戦、春日井”寒天”たけし「俺、マジで自分のこと好きだもん」

【写真】インタビューから40日、昨日の計量でしっかりと創り込まれてきた春日井を見ることができた(C)MMAPLANET

現在、発売中のFight&Life vol.110に、本日15日(月・祝)に開催されるDEEP127で魚井フルスイングと対戦する春日井”寒天”たけしのインタビューが掲載されている。
Text by Manabu Takashima

2023年5月7日、HEAT50における笹晋久戦で現役引退を発表した春日井が3年4カ月振りの復帰戦を行う。この間、寒天ファイトスプリットで、中部地方のプロ練習を率いセコンドとして活動をしてきた。寒天マンの活躍とともに、現役引退式を戦うまえでの自分と、今の自分――その心境の違いを語った。


寒天マンは寒天マンですよ

――9月15日、DEEPで魚井フルスイング選手と対戦。2022年5月に、笹晋久選手との引退試合をして以来となる春日井たけし選手の実戦となります。

「僕の中では2021年10月に今成(正和)さんに負けた試合で正直、最後で良いと思っていました。ただお世話になってきたHEATの50回記念大会で、引退試合をするのが筋だと思ったんです」

――あの時は、本当に区切りにしようと思っていたのですか。

「もちろんです。だって本当は引退試合すらしたくなかったです。今成さんとの試合で、格闘家としての自分は斬られたつもりでいたので。笹選手との試合は、HEATの記念大会だから無理くりでもやるという気持ちでした。ケジメをつけるために、やって良かったと思います」

――その後、いつごろからか寒天マンというファイターが現れてNARIAGRIで試合をしています。

「寒天マンはNARIAGARIで1R制のキックを4 試合、5 分2RのMMAを2試合やっています。トップを狙った人間が、それを諦めた。でも格闘技が好きで、もっと楽しくやりたいという気持ちで試合をしていたようです。

――それでまた痛い想いを?

「僕は引退前から、そして引退後も『なぜ、練習の時のような動きができないんだ』とメンタル面の研究をしていたんです。2割ほどはゾーンに入ったかのような感覚で試合ができていましたが、8割はそうでなかった。あれだけ練習したのに試合が終わると『もっと、アレをやれば良かった』、『もっとチャレンジすべきだった』という風に思っていました。そこを考えると、追い詰めすぎていたなっていうのがあって。トップを目指すことを止めたので、負けても良いというよりも、勝ちにこだわらない。でも自分の実力を出し切ると勝利に近づく。引退したらどうなるのか、それを訓練として寒天マンはやっていたようです」

――トップを目指さない。ケジメをつけた。だから寒天マンとして、戦っていたということですか。

「寒天マンは寒天マンですよ」

――……。キックだけでなく、ついにはマスクをかぶって5分2RのMMAも2試合戦いました。あとタッグマッチも出ていませんでしたか。

「2023年の1月ですね。あれは3分1Rで。でも真剣勝負。三宅輝砂と組んで、三宅が1回戦と準決勝は全部戦ってくれて(笑)。決勝はトム・サントスが相手のチームにいて、三宅が『トム・サントスは怖いです』とかいって寒天マンが戦ったんですよ。サントスはデカいし寒天マンも怖がっていましたよ」

――HEATフライ級&バンタム級王者と、ライト級王者が戦ったと。

「フライ級とバンタム級のチャンピオンは僕ですよ。寒天マンではなくて」

――……。勝利に縛られない。でも、怖いことはする。あまり、その心理状態が分からないです。

「怖いと思うところから逃げると、成長しないです。それは人生のどんなことでも言えます。格闘技はそこに加えて、体が動くときしかできない。だから今やっているわけです。そういう機会から逃げると、成長できないですよ。僕、人前で話すことが増えたのですが、本当に最初の頃はぎこちなくて。メモしたことを一言一句違わずに読む。百人とか五百人の前で話すのは本当に緊張していました」

――ハイ。

「でも、何度もやっているとカンペもなしで、スラスラ話せるようになって。それは場数を踏んだから。格闘技も場数は部分もあります。成長したいから、試合という負荷をかけるんです。失敗することもあるけど、それが経験になります」

―今年の2月には寒天マン選手は、BreakthRough Combatでチェ・ハンギと戦いドローでした。あの時はマスク無しで戦っていました。

「マスクがダメだったからです。あの時は試合の10日前に欠場した選手がいて。代役を探して欲しいと連絡を貰いました。でも、僕の周囲にはいなくて。その時に、自分が出るしかないと思ったんですよ。別に追い込み練習をしているわけじゃないけど、常にある一定レベルの練習を続けてきたので、体は動くという自信があった。あのタイキングで試合を受けたのも、自分の成長のためです。あの試合はマスクなしでしたけど、寒天マン君から教わったことは凄く多いです」

――もう寒天マンの位置づけが非常に難しくなってきましたが、何を学んだのでしょうか。

「1Rのキックの試合でも、畑違いの試合をして。相手も大きいんですよ。それでも寒天マンは勝ったわけです。トップでないけど、キックボクサーにキックボクシングで勝ったことで、自分の実力に自信を持つことができました。俺には実力がある。実力者だから、そう簡単には負けないぞと。でも、勝ちにも拘っていない」

格闘技って人生を豊かにするツールなんですよ。絶対に死んだらダメで。人生は格闘技が全てじゃない

――この間、プロ練習を率いるようになりました。プロ選手をリードするようになって、ファイター春日井たけしに与えた影響はありますか。

「練習会を仕切って、セコンドにも就いています。メンタル面とか、自分が感じたモノをシェアしています。次の試合に関しては、自分は実験台です。このような精神で、こういう調整をして出た結果がコレです――と、皆に報告したいんですよ。復帰戦とDEEPさんは言ってくれていますけど、魚井戦はメンタルトーレニングです。そこでした経験を若い選手に伝えて、生かして欲しい。必ずしも、正しいとは言えないかもしれないけど、チームの皆に参考にしてほしいんです」

――指導者として戦うのか。何か目標を持ったプロ格闘家として試合に出るのか。あるいは春日井選手のなかで、この2つは同じことなのか。

「興行に出るわけだし、チケットを買ったお客さんの前で戦うので、もちろん仕上げていきます。でも、スポンサーもつけずに真っ新なショーツで戦います。スポンサーをすると言ってくれる人がいてくれて、凄く嬉しかったです。「なら試合を見に来て欲しい」と伝えました。そうしたら高いチケットをたくさん買ってくれましたよ」

――つまりは……。

「それでも応援してくれるというなら、若い選手をサポートしてほしいと。俺が試合をするのはメンタルトーレニングで、自分のためだから。ただ、俺の試合は見て欲しい。この舞台を用意してくれた佐伯(繁DEEP代表)さんの顔を立てたいと思ったし」

――トレーニングだから、金銭的な部分は求めないということですか。

「いえ、僕も子供もできたし。次の試合が終わって、まだ続けようと思っているなら生活のためにもお金は稼がないといけないと思っています。お金がないと若い子の応援もできないですし、お金が欲しくないわけじゃないです。お金は欲しいです。ただ、今回はスポンサードよりも、試合を見て欲しい」

――では、これからも試合に出続けていく予定で?

「まだ分からないです、試合が終わるまで。続けていけるのであれば、続けて行こうと思います」

――今回、DEEPで戦おうと思ったのは? 志村道場に移籍しHEATを本拠とするまで、キャリアの序盤はDEEPで過ごしていた印象が強いです。

「デビューは修斗でしたが、そのあとはDEEPを主戦場にさせてもらっていました。初代フライ級王座決定トーナメント(2012年3月~7月)に出させてもらって。1回戦(※対村田卓実)は勝ったけど、準決勝をケガで欠場しました。準決勝と決勝が同じ日にあって、優勝したのは元谷(友貴)君でした」

――その元谷選手はATTから帰国した際は春日井選手と練習をし、セコンドにも就いています。

「アイツは僕のモチベーションなんです。試合をして勝ったこともあるけど、僕がケガで試合ができない時期に彼は一気に昇りつめた。僕自身は焦って東京に行こうと考えたけど、仕事とか色々あって。結果的に志村道場に拾ってもらいました。元谷君なら、強くなるために東京に出ていたと思います。僕は決断できなくて。でも、頑張って元谷君のところまで行くぞという気持ちでした。そういう気持ちをくれた選手なんです、元谷君は」

――つまり元谷選手がRIZINと共に主戦場にしている場所だから、DEEPで戦うと?

「俺も男だから、やっぱり負けたくない。もっと食らいつきたい。練習でも、そうなんです。そのタイミングで元谷君に相談して、佐伯さんをつないでもらいました。中途半端な形でDEEPに出なくなっていたので。そういうこともあって、DEEPなんですよ。あとDEEPでは1試合だけ負けていて、それが15年前の後楽園ホール大会だったんです。だから、後楽園ホールにこだわったのもあります」

――対戦相手はフルスイング魚井選手です。

「僕、魚井選手とやるけど相手は関係なくて、自分との戦いです。今成さんの時とは、気持ちが全く違っています。勝ちにこだわってしまうと、昔の春日井たけしに戻ってしまうので。それに若い頃は戦って死んでも良いとか、そういう気持ちでいました。今も若い選手がそういうことを言いますよね」

――ハイ。

「格闘技って人生を豊かにするツールなんですよ。絶対に死んだらダメで。人生は格闘技が全てじゃない。そこが引退試合をする前と、今回の試合の違いです。格闘技が全てじゃない。俺にはやれることがいっぱいある。同時に格闘技があって、俺みたいな人間が何とかやってこられた。格闘技に豊かにしてもらったんです。でも、もう何年も続けられるものじゃない。それに格闘技って、普通の人間じゃできないですよ。一対一で殴り合うって、凄いことです。そのなかでもMMAは究極の格闘技で。そんな凄いことをやっているんだから、もっと自信を持ってほしいと練習仲間のとのグループで言っています」

――簡単に使いたくない言葉ですが、春日井選手が試合で見せるモノは生き様なのでしょうね。

「そこに関してはファンの人にも見て欲しいけど、一番は仲間に見て欲しいです。青木真也選手が言っていたのですが、『生き様を見せると言っている選手ほど、試合しか見せていない』と。『勝った試合しか、YouTubeをアップしないだろう』と。俺、負けると挙げていなかったです。次の試合は負けても、アップします。リアルを見せる。それが生き様を見せるということで」

自己愛がある人間は、メンタルが強いです。自分を愛していないと、他の人を助けようとか……人のことを構っていられない

――春日井選手が試合で仲間に見せる生き様。その生き様は日々の姿勢から見えるモノかと。春日井選手は何を皆に見せたいと思っているのでしょうか。

「それこそ、皆に一番してほしいことで。僕が試合で見せる。それは……やり切るということです。俺は引退して、未練があった。だから復帰しました。現役時代に未練たらたらで『ああしとけば良かったなぁ』と言っているヤツに、教えて欲しいかってことなんです。俺だったら、そんなネチネチしたヤツに教わりたくないです。俺は、やり切るためにやるんです。さっきも言ったけど、子供もできたじゃないですか」

――ハイ。

「格闘技じゃなくて構わないです。でも、人生において全力でやり抜きたいというモノを見つけて欲しくて。やり切って欲しい。失敗しても構わないから」

――それをお子さんだけでなく、教え子や仲間にも求めていると。

「じゃないと、良いモノは生まれない。実はALIVEで少しだけ一緒に練習をしていた子が、34歳とか35歳になって、また格闘技をやりたいと一緒にここで練習するようになりました。3回、4回と試合に出て。この前の試合で負けて、『もう区切りをつけます』と」

――やり切ったわけですね。

「ハイ。(村元)友太郎も、(山口)怜臣も。他の練習仲間も、やり切って欲しいです。これだけの究極のスポーツをやり切れば、自信がつかないわけがない。そうすれば、それからの人生やっていけますよ。そのメンタルになれますよ。高島さん、メンタルが強い人の共通点ってなんだと思いますか」

――う~ん、他の人は分からないですが、我が身を振り返って強くなれたと思うのは、他人に何を言われても気にしなくなってからかと。

「それはなぜですか?」

――ずっと、コレをやり続けてきたからじゃないでしょうか。

「そう、それが自信なんですよ。自分に自信がある。愛があるんです。自己愛がある人間は、メンタルが強いです。自分を愛していないと、他の人を助けようとか……人のことを構っていられない。だから俺、マジで自分のことが好きなんです。自己愛は引退してからの方が増えました。自分が尊く思えます。37歳になって、40近いのに体が頑張ってくれている」

――いやぁ試合に出ることで、あの頃の春日井たけしが戻ってきた。話を伺っていて、本当に思います。

「選手を助けてくれる人たちもそうですよ。想いだけでなくて、お金があるからそれができます。愛も同じです。生活が安定するのは、経済力。メンタルが強くて、安定しているのは自己愛です。俺は今、寝る前に『本当に今日もありがとね』って自分を抱きしめています。俺、マジで自分のこと好きだもん。可愛いもん、自分のこと。尊い、長生きしてほしい。過去の戦績とか関係ないです。デビュー戦のつもりで……自分をもっと好きになるために、9月15日はやりきります」

■視聴方法(予定)
9月15日(月・祝)
午後5時30分~U-NEXT、DEEP/DEEP JEWELS YouTubeチャンネル メンバーシップ

■DEEP127計量結果

<ウェルター級/5分3R>
佐藤洋一郎:77.50キロ
ストラッサー起一:77.40キロ

<フェザー級/5分3R>
木下カラテ:66.40キロ→66.25キロ
相本宗輝:66.10キロ

<フェザー級/5分3R>
五明宏人:66.25キロ
関鉄矢:66.15キロ

<女子アトム級/5分3R>
大島沙緒里:47.70キロ
須田萌里:47.80キロ

<58.5キロ契約/5分2R>
力也:58.35キロ
濱口奏琉:58.45キロ

<73キロ契約/5分2R>
郷野聡寛:71.70キロ
近藤有己:72.15キロ

<バンタム級/5分2R>
魚井フルスイング:61.40キロ
春日井“寒天”たけし:61.70キロ

<ストロー級/5分2R>
中務修良:52.55キロ
杉山空:52.35キロ

<ライト級/5分2R>
石塚雄馬:70.65キロ
ケンシロウ:70.80キロ

<フェザー級/5分2R>
高橋正親:66.10キロ
佐々木耀:65.70キロ

<フェザー級/5分2R>
平石光一:66.15キロ
菊川イサム:65.75キロ

<アマチュア フライ級/3分2R>
RYOTA:56.95キロ
佐藤照栄:56.85キロ

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45 Breakthrough Breakthrought Combat03 MMA MMAPLANET o キック チェ・ハンギ 寒天マン 春日井たけし

【Breakthrought Combat03】急遽参戦の寒天マン×ハンギ、ラウンドを取り合う形で2Rドローに終わる

【写真】ブランクと急遽参戦を感じさせない動きを見せた寒天マン。2R制では差がつかずにドローとなった(C)MMAPLANET

<フェザー級/5分2R>
チェ・ハンギ(韓国)
Def.0-0:19-19.19-19.19-19.
寒天マン(日本)

マスクを脱いで、ケージに上がった春日井たけし似の寒天マンが細かいステップからジャブと右ストレート、ハンギもジャブを返して右を伸ばす。さらにハンギは右カーフにつなげる。寒天マンもジャブ、左ミドル、右ストレートと細かく打撃を繰り出す。ハンギはじりじりとプレッシャーをかけて右カーフ。寒天マンは下がりながらもジャブと右フックを狙う。

寒天マンはボディへの右ストレートも見せ、ハンギのジャブに左フックを返す。寒天マンの右フックが当たってか、ハンギは左目尻から出血する。お互いのパンチで距離が詰まると、ここでバッティングが起こって試合が一時中断となる。ここで左目尻の出血がひどくなったハンギにドクターチェックが入る。

再開後、寒天マンはボディへのジャブと前に出ながらの右フック。ハンギはジャブに右ストレートを打ちおろすが、寒天マンがそこにダブルレッグを合わせて組みつく。四つの攻防になるとハンギが寒天を押し込んでテイクダウンを仕掛けてバックへ。寒天マンも正対し、両者離れて試合がスタンドに戻る。寒天マンがジャブ、ハンギがプレッシャーをかけて右ストレートを打ち込む。ハンギが右ローと右の飛びヒザ蹴りのフェイント、右ストレート。寒天マンが組みついてケージまで押し込む。

2R、寒天マンが右ストレートから前に出る。ハンギが右アッパーを狙うが、寒天マンがダブルレッグでハンギをケージまで押し込んで尻餅をつかせるが、ハンギはトップキープさせずに立ち上がる。四つ組みの攻防になるとハンギが寒天マンをケージまで押し込んで離れる。スタンドではハンギが前に出て左ミドル、ジャブから右ストレートにつなげる。

寒天マンはダブルレッグで組みついてハンギをケージまで押し込む。しかしここもハンギが寒天マンをケージに押し込み返して離れる。再び試合がスタンドに戻り、ハンギがジャブと右の飛びヒザ蹴り。組みの攻防になるがハンギが離れて右ハイキック、ジャブを細かく当てる。寒天マンが右フックを振って組みつくと、ハンギがスタンドでバックに回ってグラウンドへ。ハンギは両足フックしてバックキープするが、寒天マンが正対して上のポジションを取り返す。

背中を見せて立ち上がろうとするハンギのバックについた寒天マン。RNCを狙いに行くが、ハンギは寒天マンを前に落とすようにして上のポジションを取り返し、最後はハンギがバック→サイドポジションで突飛キープして試合終了となった。判定はジャッジ3名とも19-19とし、試合はドローに終わった。


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45 Breakthrough Breakthrough Combat03 HEAT MMA MMAPLANET NARIAGARI o Progress YouTube イ・ジュンヨン エリック・メネギン キック グラント・ボクダノフ チェ・ハンギ チャンネル トレント・ガーダム パンクラス 上田将年 中島太一 大脇征吾 寒天マン 山口怜臣 山崎蒼空 春日井たけし 熊崎夏暉 神龍誠 竹内稔 竹本啓哉 笹晋久 透暉鷹 長谷川賢 須藤拓真

【Breakthrough Combat03】チェ・ハンギと対戦、寒天マン「これは僕のメンタルトレーニングです」

【写真】インタビュー中に熱くなってきた寒天マンは、徐々に設定を忘れていきました。それも寒天マンらしさだと思います(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(水)、無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03で、寒天マンが韓国のチェ・ハンギと対戦する。
Text Shojiro Kameike

当初チェ・ハンギと対戦予定であった熊崎夏暉が練習中の負傷により欠場し、春日井たけしではなく寒天マンがチェ・ハンギと戦うことになったことは既報どおりだ。春日井は2022年5月のHEATで引退マッチを行った春日井が、その後「寒天マン」として戦ってきた理由とは? さらにチェ・ハンギとの対戦、今後の目標について語り尽くしてくれた。


自分が実際にやっていなかったら選手から信用してもらえない

――今回は寒天マンとして出場するということで、寒天マン選手にお聞きします。

「はい。春日井たけしと寒天マンは別人ですから」

――……まずは今回、ショートノーティスで試合を受けた時の心境から教えてください。

「これは試合というより、僕の個人的なメンタルトレーニングなんですよ」

――メンタルトレーニング、というと?

「マジで試合はしたくないです。でも『試合しないと何も始まらないな』と思って。NARIAGARIの時もそうですが、僕は引退して――いや、僕の友達である春日井さんの意見なんですけどね」

――はい。

「試合は怖いものだし、緊張するし、今まで大怪我もしてきました。でも傷が癒えてきた時に、体が動くうちは動かしたいという気持ちはありました。それと僕は現役の時から、ずっとメンタルトレーニングを勉強してきて、今はスポーツのメンタルトレーニングに関する資格も持っています。今回の試合は自分自身のメンタルトレーニングです。僕のトレーニングのために出ます」

――あくまで友人である春日井選手のお話ですが、現役を引退したあとケージに戻りたいという気持ちを持つ時もあったのですか。

「ありました。でも正直、今はその気持ちが全くないです。僕は自分の身の程を知っているんですよ。寒天練(NAGOYA TOP TEAM=NTT)に強い選手がたくさん来てくれているなか、僕は自分を追い込むような練習はしていません。僕は練習の回し役として、声は出していますけど。

寒天練で僕はもう勝てないです。『自分の強さはこれぐらいだな』って、自分の身の程を知っているから、現役復帰とかは考えていないですね」

――そんななかでNARIAGARIに春日井たけしではなく寒天マンとして出場した理由は……。いろいろな設定を崩すようで申し訳ないですが。

「それも僕のメンタルトレーニングです。格闘技ってメンタルスポーツなんですよ。今まで、いろんなメンタルトレーナーの本を読んできました。野球、水泳、テニス選手などのメンタルトレーナーさんの経験が書かれていて、実績を出されている方々の本を読んで勉強しています。そのなかで共通しているのは、トレーナー自身がそのスポーツをやっているのかどうか。僕は野球選手の気持ちは分かりません。でも格闘家の気持ちは分かる。格闘家には、自分と同じような悩みを持っている選手が多くて。だから現役を引退しても、絶対に選手の気持ちは忘れない。

2022年5月の引退マッチでは笹晋久とドローだった春日井。ではなく寒天マンが出場します(C)MMAPLANET

ただ、セコンドとして口では何とでも言えるけど、自分が実際にやっていなかったら選手から信用してもらえない。次の試合は、僕が自分自身を実験台にします。僕は口で何とでも言うし、自分でも体験したいんですよ。自分ができないことを、セコンドとして選手に言いたくないから」

――……。

「だから次の試合は、僕の個人的なメンタルトレーニングなんです。自分自身を成長させたくて。自分に不快感を与えて、そこから逃げてしまったら成長には繋がらない。不快感から脱するために戦い、乗り越えたら――結果が勝ちでも負けでも――絶対に経験値を得ることができる。

嫌なことから逃げていては、成長はないです。今回も長谷川賢さんから連絡が来たけど、僕たちの練習仲間の中から出場選手が見つかりませんでした。本来、それで終わればいい。でもそこで終わってしまったら現状維持なんですよ。俺は逃げたくなくて、自分が出ることにしました。でも条件は言いました。この期間でバンタム級には落とせないし、相手がその条件を飲んでくれるなら……。自分は逃げていない。これは本当に自分との戦いです」

――プロモーターサイドからは、マスクを着けて試合はできないという条件が出ました。

「はい。そこにこだわりはないです。僕もマスクを着けたまま試合はしたくないので」

――えぇっ!?

「マスクを着けていると周りは見にくいし、マスクの中はすごく痒いし――こんなのを着けて試合していたら危ないですよ。NARIAGARIの試合もキツかったです。ただ、それも『マスクを着けた状態でも自分は試合ができるのか』というメンタルトレーニングでした。

実戦から退いて3年、もうすぐ4年が経ちます。体力は落ちたけど、メンタルが挙がってきたんじゃないかと思っています。あ、寒天マンと春日井たけしは別人ですからね」

――……はい。試合が決まり、対戦相手の試合映像はすぐに視たのでしょうか。

「オーソドックスかサウスポーか、どんな感じの選手か確認したぐらいですね。そこじゃないんですよね。今回は自分との勝負だから、自分に集中する。必要以上に相手の映像は視ないし、研究もしません。

たとえば実力が拮抗しているトップ選手同士の対戦で、戦略によって少しでも展開が変わってくる試合であれば、相手の研究はしないといけない。昔の自分なら、今回も研究し尽くしているでしょうね。不安だから。もちろん今も不安です。大怪我するかもしれない。でも、そういうことじゃないんです。ここでまた研究し尽くしたら、昔の自分に戻ってしまう。それは成長に繋がらない」

――ということは今回の試合に勝って、その後……という流れもないわけですね。

「ない、ないです。自分にはやりたいことがあって、次の目標が決まっています。ただ今は、体が動くうちは動かしたい。あと10年、20年経って『あの時やっておけばよかったな』とは思いたくなくて」

メンタルトレーニングの勉強をしてきて、今は日本の教育に興味がある

――やりたいこと、というのは?

「ずっとメンタルトレーニングの勉強をしてきて、今は日本の教育に興味があるんです。メンタルトレーニングと教育には通じるところがあると思っていて。

今も子供たちの指導をやっている中で、僕自身が気づかされることは多いです。かといって僕が何も知らないのに教育について語るのは、おかしいじゃないですか。だから今、教育に関する勉強するための資料を取り寄せているところです」

――試合の話から逸れてしまいますが、格闘技とメンタルトレーニング、そして子供たちの教育との繋がりは興味深いです。

「僕自身、格闘技を通じて成長させてもらいました。こうしてマスクを被ったり、急なオファーを受けたりしても、格闘技をナメている気持ちなんて一切ない。格闘技って1対1で戦うことにより、人を成長させてくれるもので。他のスポーツにはない力が格闘技にはあると思っています

僕は格闘技を始める前、ずっと自分に自信がなかったです。もともとスポーツは苦手でした。走ることも、つらいことも苦手で。だけど、そんな自分が格闘技なら自分を追い込めました。格闘技と出会って、格闘技で成り上がってやると決めた。不快感と戦いながら格闘技で成長し、今はこうして格闘技一本に絞ることができています。

……ちょっと試合とは関係ない話になっちゃうけど、いいですか」

――もちろんです。

「ウチのジム(HEAT24中川店 寒天FIGHT SPIRIT)では週イチでバク転クラスを設けているんですよ。先日、名古屋に引っ越したばかりの方から問い合わせを頂いて。『息子がバク転をやってみたいから体験させてください』と。でもクラスの前日に親御さんから『体験をキャンセルしたい』という連絡があったんですよね。

引っ越したばかりで息子さんは新しい学校に馴染めず、友達もいなくて、それほど学校に行けていなかったらしいです。学校に行けていないのにバク転クラスに行くのも変だから、体験をキャンセルしたいということでした。

僕はその話を聞いて、それは違うんじゃないかと思ったんです。バク転クラスは、その子自身が参加したいと言ったわけですよね。子供の『挑戦したい』という気持ちを、大人が奪ってはいけない。だから親御さんに伝えました。『体験に来てください。ジムに入るかどうかは関係ないです。挑戦したいという息子さんの気持ちを尊重してほしい』と」

――なるほど。

「学校と同じように、クラスに参加しても初めて会う子ばかりですよ。でもその子は、バク転クラスに来たいと言った。もしかしたらバク転クラスに通って、いろいろ経験することで学校に行けるようになるかもしれない。

で、その子は翌日に来てくれたんですよ。僕も本当に嬉しくて、『よく来てくれた!』とメチャクチャ褒めました。格闘技を通じて挑戦する機会は得られる。別に格闘技でなくてもいい。僕は格闘技しかできないから、さらに教育について勉強して、子供たちに伝えていきたいと考えています。それが僕の第二の人生でやりたいことなんです」

――次の試合は、寒天選手が第二の人生への壁をぶち壊すための試合なのですね。

「そうです。勝とうが負けようが、僕は逃げずに挑戦することで、間違いなく成長します。次の試合は僕のメンタルトレーニングであって、スポンサーもつけません。自分のトレーニングだと言っているのにスポンサーを募集していたら、『何それ!?』となるでしょう。

試合をするにあたって長谷川さんから提示されたファイトマネーは、引退した選手には勿体ないぐらいの金額でした。その気持ちが嬉しかったです。だけど、お金以上のものを――自分の試合を視て『春日井、良かったな。勇気をもらった』と思ってくれる人がいたら、メチャクチャ嬉しいですね」

奥さんからは『体が動くうちは稼げ』と(笑)

――MMAを戦うことに対して、ご家族は心配していませんか。

「……奥さんからは『出ろ!』と言われました。『体が動くうちは稼げ』と(笑)」

――アハハハ。

「NARIAGARIだってキックのトーナメントなのに、奥さんが聞いて『出ない理由はないでしょ』と言われて、急いでエントリーしましたから。あれは奥さんがケツを叩いてくれなかったら、出ていなかったです。しかも言われたのがエントリー締め切りの前日で、『これは試合に出ろ、ってことなんだ』と思いました」

――素敵なお話です。もう1点、お聞きしたいことがあります。同じ大会ではトレント・ガーダム×竹本啓哉という、寒天練に参加しているファイター同士の試合が行われます。

「まさか試合することになるとは思っていなかったけど、僕たちは格闘家ですからね。特にお互い勝ち上がった結果の試合なら、やったほうが良いですよ。たとえばパンクラスのタイトルマッチで透暉鷹と山口怜臣が対戦することになったら、やったほうが良い。格闘家なんだから。僕としてはトレントと竹本君のどちらを応援するということはなくというのはないけど、当日トレントには志村道場の選手がつくので、僕も戦うだけです。

竹本君は試合が決まったら、寒天練のグループLINEから一旦抜けました。それが彼の決意だと思うし、その意志を尊重したい。竹本君もトレントも試合ではベストを尽くして、後腐れなく、また寒天練に戻ってきてほしいですね」

■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat03対戦カード

<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)

<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)

<バンタム級/5分3R>
チェ・ハンギ(韓国)
寒天マン(日本)

<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)

<Progress60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)

<Progressフェザー級/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)

<Progress87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二宮寛斗(日本)

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45 AB Breakthrough Breakthrough Combat03 HEAT MMA MMAPLANET NARIAGARI o Progress チェ・ハンギ ブログ 寒天マン 春日井たけし

【Breakthrough Combat03】残念、熊崎夏暉が負傷欠場。春日井たけし、いや寒天マンがスクランブル出場!!

【写真】恐怖を克服することが、強さに通じる。春日井いや、寒天マンらしい出場理由だ(C)MMAPLANET

17日(月)、Progress実行委員会より2月26日(水)に無観客&配信大会として開催されるBreakthrough Combat03の対戦カードの変更と、新たに出場するファイターの発表があった。
Text Manabu Takashima

チェ・ハンギと対戦予定だった熊崎夏暉が練習中の負傷で欠場。「今回、Breakthrough Combat03への出場を予定しておりましたが、右足首を負傷したため、残念ながら欠場することとなりました。対戦相手のチェ・ハンギ選手、並びにBreakthrough Combatの関係者の皆様には、多大なご迷惑をおかけしますことをお詫び申し上げます。一日でも早く回復し、より強くなって戻ってきますので、今後とも応援のほどよろしくお願い申し上げます」とプレスリリースに欠場のコメントを寄せた熊崎。

キャリア5戦目で迎えた国際戦に燃えていただけに、残念な欠場となる。ともあれ焦りは禁物、盟友・南友之輔と共に万全の態勢を整えて再起に向かってほしい。そんな熊崎の欠場を受けて、チェ・ハンギと戦うことになったのは春日井たけしこと寒天マン、だ!!


リリースによると熊崎の欠場を受け、長谷川賢Progress実行委員が関係各所に声を掛けたものの3月から5月と国内大会のカード編成が進むなかで、ショートノーティスで国際戦を承諾する出場できる選手は、なかなか現れなかった。

長谷川の打診先には寒天ファイトスピリットジムで東海地域のファイターのプロ練習をリードする春日井も含まれていたが、春日井自身から「目星をつけていた選手は戦うことができなかったので、僕が戦います」という返答があったという。

今大会でイ・ジュンヨンと対戦する上田将年が、昨年10月のBloom FCに出場した経緯を思い出させる漢気出場だが、試合まで10日という状況で春日井は「バンタム級の体を創れない。フェザー級で2R制なら出られます」という条件は提示したという。つまりは、しっかりと勝つつもりでチェ・ハンギと相対するということだ。

春日井は2022年5月のHEATで現役引退マッチを行った一方で、現役バリバリの選手たちとトレーニングを続けており、マスクをつけて寒天マンとして実戦の場に復帰。グラップリングやNariagariのキック、MMAを引き続き戦ってきた。自分の弱さを克服するために強さを追求した春日井らしい出場理由がありながら今回のプロMMAマッチ出場も、あくまでも寒天マンとして一面を強調する姿勢を貫いている模様だ。

それでもProgress実行委員会からは、マスクの使用だけは認められなかったが、Breakthrough Combatで初めてMMAで5分✕2R戦が実施されることになった。このフェザー級及び2回戦への変更も、通常体重が70キロ弱のチェ・ハンギは「とにかく日本で試合がしたい」とい二つ返事で了承し、晴れてチェ・ハンギ✕寒天マンが正式決定となった。

以下、リリースにあったチェ・ハンギ戦に向けての寒天マンの決意表明だ。

寒天マン
「試合がしたくて、試合をするんじゃない。試合が怖くてやめた人間だし、緊張するし、大怪我するかもしれない。だから戦うんです! 身体が動かせるうちは。自分に試合という名の不快感を与えて、それを脱しようとする事で成長出来ると信じているので! レベルアップするには、戦いの場に立たないといけない。自分との勝負! 相手の映像をみて研究なんて必要ない! 試合当日は今、出来るベストパフォーマンスを出せるようにやり切ります!」


■視聴方法(予定)
2月26日(水)
午後6時30分~THE 1 TV YouTubeチャンネル

■Breakthrough Combat03対戦カード

<Progressフェザー王座決定戦/5分3R>
竹内稔(日本)
須藤拓真(日本)

<フライ級/5分3R>
イ・ジュンヨン(韓国)
上田将年(日本)

<バンタム級/5分3R>
トレント・ガーダム(豪州)
竹本啓哉(日本)

<フェザー級/5分2R>
チェ・ハンギ(韓国)
寒天マン(日本)

<フライ級/5分3R>
ベ・ジョンウ(韓国)
山崎蒼空(日本)

<Progress 60キロ契約/5分2R>
神龍誠(日本)
エリック・メネギン(ブラジル)

<Progress68キロ契約/5分2R>
大脇征吾(日本)
中島太一(日本)

<Progress 87.5キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(米国)
二ノ宮寛斗(日本)

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HEAT48 Interview J-CAGE ブログ 志村民雄 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】1年9カ月ぶりの本拠地。志村民雄代表に訊く─01─「HEATのMMAは日本人選手ありきでない」

【写真】2019年7月以来の名古屋でのイベント開催。ジェロム・レバンバ、現UAE Warriors出場中のキム・ギョンピョ、そしてパク・ジョンウンという顔ぶれ。これがHEATらしさだ (C)MMAPLANET

25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48。昨年は1月と9月に東京で大会を開催したが、地元・名古屋ではコロナの影響で2019年7月以来、実に1年10カ月振りのイベントとなる。

MMAとキックをケージで行うという独自性を持ち、同時にブラジル、韓国と実力者を招聘してきたHEATを率いる志村民雄代表に地元・名古屋大会への意気込み、これからを尋ねた。


──ようやく名古屋でHEATを開催できます。

「久しぶりに名古屋で大会があるということで、皆さん喜んでくれていますね。チケットも完売で、非常に嬉しいです。

MMAPLANETさんには申し訳ないですけど、MMAの試合が非常に少なくなってしまいました。マックス・ホロウェイのジムで強い選手を見つけたので、ずっと呼びたいと思っていたのが、今回もコロナの影響でビザが下りなかったです。

こればかりはどうしようもなかったです。HEATのMMAは日本人選手ありきでなくやってきたことで元ライト級王者のオク・レユンが今度、ONEでエディ・アルバレスと戦いますし、ライトヘビー級王者だったチョン・ダウン、ヘビー級王者アラン・ボドウはUFCで戦っています」

──ミシェウ・ペレイラも今やUFCで確固たる地位を築きつつありますしね。HEATからメジャー進出、それは国籍に問わずして志村館長が実力者を招聘してきたという事実があります。あまり届かないというジレンマもありますが……(苦笑)。

「それでも、僕は海外の選手だろうが強い人間同士の試合が見たいんです。MMAはそういうつもりでやってきました。それとヘビー級ですね。

春日井なんか王座防衛戦を予定していたのが、挑戦者が来日できなくて。ホント、強い選手だったんですよ。でも、そこでRIZINから声が掛かって、アイツがああいう舞台で戦えるということは良かったかと思っています。

アイツも運がなくて……、それでも才能でなくて努力でやってきた。扇久保選手と再戦できますけど、春日井自身が変わろうとしていますよね。何とか変わろうとしています。元々気が小さいところがあり、もの凄く緊張しぃです。

まぁ勝ちにこだわるのは悪いことではないのですが、あまりにも相手を叩きのめそうという気概がないときは私もどやしつけたりしたんです。負けたくないという気持ちも分かるのですがね。

そういう部分でも、色々と乗り越えるために人としてどうかという言動をしたり、そうやって戦ってきたのが……今は、落ち着いてきました。でも、勝手ながら扇久保選手との試合は勝ちに拘れと言っています(笑)」

──アハハハハ。その春日井選手とともに出場予定だった石井慧選手の試合もギリギリのタイミングでなくなってしまいました。

「石井選手に関しては試合を成立させるためなら、体重差があったり、実力差がある試合なら組めたかもしれないです。でも、それはHEATではやりたくはないという気持ちがありました。

ハワイの選手がこられなくなって、色々と対戦相手を探したのですが、今回は組めなくなりました。お客さんはチケットを買ってくれて、スポンサーさんもずっと応援してくれていて、見る目は肥えていますからね。だから、今回は試合を組まない方向になりました。石井選手に見合う相手を見つけることができなかった。そういうことです」

──そのなかでMMAでは志村道場から倉本拓也選手とユン・テスン選手が出場し、それぞれZOMER所属の三宅輝砂選手と橋上壮馬選手と対戦します。祖根寿麻選手の教え子がHEATに出場というのは個人的に嬉しいです。

「名古屋の選手を出してあげたいです。今、日本の格闘技界は那須川天心✖武尊という対決に向けて動いていますが、ホントにこの2人以外にスーパースターがいない。ここがこけたら未来はどうなるという状況だと僕は思っているんです。

だからHEATとしても若い選手を育てないといけない。そういう意味でも、名古屋の選手にチャンスを与えたいと思っています。アビラル(ヒマラヤンチーター)とか伸びてきていますけど、もっともっと強くしないといけない。

やはりブラジル人選手や韓国人選手はUFCやONEに行っているのに、日本人も世界に送り出さないといけない。そういう部分で次回大会からはキックもMMAグローブでやろうと思います。

ONEがウチと同じようにキックとMMAをケージでやっていますが、やはりケージキックの特徴を生かすにはMMAグローブ着用かと。嫌がる選手もいますが、ここはやっていこうと思います。

それと今回はイゴール・タナベとアンディ・コングというグラップリングの試合を組むことになりました。ケージでグラップリング、決着がつかないと米国で多いオーバータイム方針を採用します。ここも今回の見所だと思っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
4月25日(日)
午後2時30分~TIGET

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HEAT48 J-CAGE News ピエール・ザグダン ブログ 春日井たけし

【HEAT48】春日井の挑戦者がレイアロハから流浪のフレンチファイター=ピエール・ザグダンに

【写真】春日井に挑戦することとなったダグザン。3月5日より米国からの入国の際は現地でPCR検査陰性証明書を取得し、提出することが必須となっている。さらに入国時のPCR検査と2週間の自主隔離も必要だ(C)BELLATOR

17日(水)、4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT48に出場する春日井たけしの対戦相手が変更されることが明らかとなった。

1年9カ月振りの地元名古屋でのイベント開催となる同大会。HEATバンタム級チャンピオン春日井はハワイのグレイシー・テクニックスからの刺客シャイデン・レイアロハの挑戦を受けるという発表があったが、レイアロハに代わりピエール・ダグザンが挑戦者となった。


レイアロハの欠場理由は不明だが、彼の同門が代替出場となる。ダグザンはハワイ在住ながら生まれはヴェルサイユというフレンチMMAファイターだ。どのような経由でグレイシー・テクニックス所属となったかは不明だが、MMAデビューは今から9年前──インドのSuper Fight Leagueだった。

日本からミノワマンが出場した同大会の第2試合でインドのチャイタニャ・ガバリに判定勝ちを収めている。

その後はインドだけでなく中国で戦った後にカリフォルニア、そしてアラスカFCでの試合を経てハワイのローカルショー=ディスティニーMMAで戦うようになった。以後、X-1やBellatorのホノルル大会でキャリアを積み、戦績は5勝4敗だ。

流浪のMMAファイター人生を送ってきたザグダンだが、その戦いぶりは打撃戦で組みつき、テイクダウンからパウンド&柔術で攻めるという極めて基本に忠実なファイトスタイルだといえる。とはいえ荒っぽいファイターを相手にソリッドな試合ができるのは強い気持ちがあってこそ。

春日井としては自分と同じフィールドで勝負してくるだけに、遅れを取ることは許されない2年7カ月振りの国際戦となる。またHEATからの情報によると、石井慧の対戦相手もほぼ決定しており、近々に正式発表がある模様だ。

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HEAT48 J-CAGE News シャイデン・レイアロハ ブログ 春日井たけし 石井慧

【HEAT48】名古屋で1年9カ月振りのHEAT開催。春日井がハワイの猛者と防衛戦、石井慧も出場

【写真】一昨年7月に手にしたHEATバンタム級の王座初防衛に挑むことが決まった春日井たけし。昨年10月のパンクラス以来の試合となる(C)MMAPLANET

8日(月)、HEATより4月25(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場でHEAT48が開催されることが発表された。

新型コロナウィルス感染拡大前の昨年1月にニューピアホールでリング大会、9月は東京タワー下のスターライスタワーでケージ大会を開いたHEATが、お膝元の名古屋で2019年7月以来、実に1年9カ月振りの大会を開く。


HEATらしくMMAとキックの混合大会となり、現状ではHEATバンタム級チャンピオンの春日井たけしが、王座防衛戦でハワイのグレイシー・テクニックスからシャイデン・レイアロハの挑戦を受ける一戦が決定。さらにMMAで石井慧、キックでは鈴木万李弥の出場が確定している。

レイアロハは1994年3月生まれ、キャリア7勝2敗のファイターだ。地元ハワイのX-1、Bellatorホノルル大会、そして2017年にはコンテンダーシリーズにも出場している。日本人では修斗の関口祐冬との対戦経験があり、判定勝ちを収めている。

マックス・ホロウェイのチームメイトは、グレイシー・テクニックス所属らしく、下になってもしっかりとスイープでトップを取り返し、パスからポジション奪取、スクランブルでバックを制してフィニッシュという柔術的な動きを習得している。

加えてハワイアン・ファイター特有の気の強さと打撃の威力もあり、長身&リーチの長さを考えると春日井にとってはタフな初防衛戦の相手となることが予想される。

石井も国際戦が予定されているが、HEATが強い韓国ルートからの来日も含め、この辺りはコロナ禍のビザ取得および、隔離措置など1カ月以上先の状況は読めないのが現状だ。名古屋でHEATが通常規模の大会を限定有観客によって開くのは、地域格闘技によって嬉しい限りだが、二の矢、三の矢まで準備する必要があるかもしれない。

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J-CAGE Pancrase319 Report TSUNE ブログ 春日井たけし

【Pancrase319】計算通り? 3Rをガードで過ごした春日井がスプリットでTSUNEに競り勝つ

【写真】最終回は敢えて下で過ごしたか?(C)KEISUKE TAKAZAWA

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
春日井たけし(日本)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
TSUNE(日本)

まず右ローを蹴った春日井、続いて左ローを入れる。サウスポーのTSUNEは慎重な立ち上がりで左のタイミングを計り、ストレートを伸ばす。春日井は常に左ジャブを見せ、TSUNEの左オーバーハンドに反応する。春日井は右ストレートから右ロー。打って動く春日井に対し、TSUNEは右リードフックも空振りに。と、ジャブに左ストレートを合わせたTSUNEが左ボディで前に出る。春日井が左ジャブを届かせる。残り20秒でダブルレッグから組んだTSUNEがテイクダウン&トップ奪取も、ジャッジの支持は1人しか得られず、春日井が初回をリードした。

2R、ここも右ローを走らせる春日井、そのローが急所に入る一幕も。TSUNEは左ミドル、春日井が右ローを返す。切れのある右ローを続ける春日井に対し、TSUNEが組んでケージに押し込む。体を入れ替えた春日井のテイクダウン狙いを潰してトップを取ったTSUNEに対し、春日井はハーフからバタフライガードを取り、クローズドに。さらに春日井は背中をケージにつけて立ち上がるも、TSUNEはボディロックから小外掛けを仕掛ける。耐えて逆にボディロックテイクダウンからバックを取り、両足をフックした春日井がRNCを仕掛けたところでラウンドが終わり、この回は3票をまとめた。

最終回、TSUNEが左ストレート。組みのフェイクから右を伸ばした春日井は、真っすぐ組んできたTSUNEに両足をついて対処し、首を抱えられるシーンも。立ち上がり際にパンチをまとめたTSUNE、左ハイは空振りになる。直後にTSUNEがテイクダウンを決めるが、コントロールでは逆転勝ちはできない。

春日井もポイント状況を理解したようなガードワークを続け、TSUNEの頭を引きよせて大きなパンチを許さないまま、時間の経過を待った。結果、スプリット判定で春日井の右手が挙げられた。


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