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45 Grachan Grachan76 MMA MMAPLANET o 徳弘拓馬 野尻定由

【Grachan76】組んで強し。野尻がスクランブル&オタツロックで徳弘に判定勝ちして連敗脱出

<バンタム級/5分2R+ExR>
野尻定由(日本)
Def.3-0
徳弘拓馬(日本)

徳弘が距離を詰めると、野尻が左フックを振るい左に回る。左ジャブを差した野尻が、左ハイを放った徳弘に組みつきドライブ。右腕を差し上げてケージに押し込む。レベルチェンジでシングルレッグに切り替えた野尻は、ハイクロッチで組むも崩せず。徳弘が差し返し、四つでドライブした。

ケージに押し込みながら左に崩した徳弘が、野尻にヒザを着かせる。立ち上がった野尻は投げの体勢に入るも、これを凌いだ徳弘がボディロックから小外でテイクダウンを奪った。ケージに背中を着いた野尻の左足を抑え、バックに回る徳弘。野尻を仰向けにさせてバックマウントを狙うも、野尻も粘る。右腕で強引に絞め上げる徳弘は、前に落とされてしまうが左腕を取った。

ボトムから十字で伸ばしにかかる徳弘を、野尻がケージに押しつけて耐える。左腕を抜いた野尻は、徳弘の足を捌きながらパウンドを落とし、サイドバックから連打を浴びせていく。野尻が立ち上がった徳弘のバックを抑えて初回を終えた。

最終回、サウスポーに構える野尻に対し、徳弘が右を伸ばした。右ローからオーソドックスにスイッチした野尻は、右を振るう徳弘に組みつき内股でテイクダウンを奪う。しかし徳弘がスイープからバックテイクへ。野尻もスクランブルに持ち込み、ダブルレッグからリフトして徳弘をマットに叩きつけた。

ケージに背中を着けた徳弘に対し、パス→バックマウントを狙う野尻。徳弘は野尻を振り落とそうとしたが、バックをキープされてしまう。そのまま野尻がボディトライアングル、オタツロックで固めて削る。反転してトップに回った徳弘と、野尻がスイープ&バックテイク、トップキープを展開して試合終了のホーンを聞いた。

裁定はフルマークで野尻のフルマーク判定勝ち。連敗を脱した野尻は「連勝できるように頑張ります!」と挨拶した。


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45 DEEP Grachan Grachan76 MAX MMA MMAPLANET o TSUNE YouTube パンクラス 久米鷹介 今村豊 伊藤空也 修斗 南友之輔 土屋諒太 大城正也 徳弘拓馬 日沖発 村元友太郎 田中智也 石橋佳大 藤谷敦史 野尻定由 野瀬翔平

【Grachan76】福岡大会で野尻定由と対戦、徳弘拓馬「南戦は自分が変わるキッカケになりました」

【写真】とにかく回答も丁寧な徳弘(C)SHOJIRO KAMEIKE

31日(日)、福岡市中央区のアクロス福岡イベントホールで開催されるGrachan76のメインで、徳弘拓馬が野尻定由と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在3連勝中でGrachanバンタム級3位の徳弘にとって、ベルト挑戦に向けて重要となる一戦を相手の地元で迎えることとなった。悔しい想いを抱くこととなった南友之輔戦から1年半、彼はどのように成長してきたのか。そんな徳弘が師・日沖発のペケーニョ戦、久米鷹介の引退、そして野尻戦とその先にあるベルトについて語る(※取材は8月中旬に行われた)。


――アウェイの地・福岡での試合を控える徳弘選手です。毎試合、名古屋以外で戦っていますが、ここで勝ったらグラチャン名古屋大会の開催を……。

「アハハハ。野尻選手に勝ったらベルト挑戦だけじゃなくて、名古屋大会をアピールしても良いかもしれないですね(笑)」

――昨年2月、ノーコンテストに終わった南戦以降は現在3連勝中でベルト挑戦も見えてきました。南戦を境として、徳弘選手の中で変化した部分はありますか。

「南選手との試合は、自分の中で大きいです。ファイターとして結果が残せず、自分の弱さが弱さが出た試合でした。今後もっと上に行くためには、その弱さを変えていかないといけない。自分が変わるキッカケとなったことは間違いないですね」

――南戦は徳弘選手が組もうとすると、その時すでに相手は目の前におらず、後ろに回られている場面もありました。つまり、それだけ差があった試合です。

「公式結果はノーコンテストですけど、それは南選手が計量オーバーだったためで、試合内容としては僕のTKO負けです。あの試合では『自分がやるべきことをやっていなかった』とは思っています。練習でやっていたこともあったのに、試合で出すことができずに終わってしまいました」

――やるべきことをやっていなかった、とは?

相手を捕まえたくても捕まえきれなかった南戦。あの悔しさがあるから今がある(C)SHOJIRO KAMEIKE

「一番は打撃ですね。自分の作戦としては組みが中心になるので、しっかりと打ちながら距離を詰める練習をしていました。でも試合になると自分が焦ってしまい、打撃を出せなかったです」

――確かに以降の3試合はある意味、答え合わせにもなりました。特に南戦に続く堀之内蒼斗戦では、同じ距離でも思いっきり飛び込み、組んでからスルッとバックに回ることができていて。

「堀之内選手との試合では、言い方は悪いかもしれないけど、『この相手に対して自分が打撃を出せず、南戦と同じように中途半端な組んでしまうようなら、もう辞めたほうが良い』って考えたんです」

――……。

「あの時点で堀之内選手は、まだプロデビューして2戦目ぐらいだったと思います。もしその相手に対してまた自分が焦ってしまうのなら――そう考えると、一番変わったのはメンタル面かもしれません」

――なるほど。試合内容でいえば、南戦以降はとても丁寧に打撃をやり込み、構えや重心から変わったような印象も受けます。

「そこまで構えは変えていませんが、とにかくジャブを突くことができるようになりました。練習の中でも自信がついてきたので、試合でもそういう印象を持ってもらえているのかもしれないです」

――それが日沖発stArt代表を師にもつ選手らしさ、と言えるかもしれません。ジャブひとつにしても、とにかく基本に忠実で。

「アハハハ、嬉しいです。自分はグラップリング寄りの選手だとは思いますけど、かといってサトシ選手やクレベル選手のように、突出した柔術の強さがあるわけではなくて。だから組みだけに頼っていてはいけない――と発先生からは、アマチュアの頃からずっと言われていました(苦笑)。ここ最近ようやく、発先生から頂いていたアドバイスを自分の中で消化して、試合の中で出すことができている実感はあります」

――その成果が、前回の田中智也戦で出たように思います。リーチが長く、ジャブもテイクダウンも、そして極めも強い。その田中選手に、まず如何にして自分の得意な形で組むことができるか。初回の序盤は、徳弘選手が右ストレートを中心に組み立てていました。

左ジャブが右ストレートを、その右がテイクダウンの強さを高めている。一つひとつ、コツコツと(C)GRACHAN

「田中選手の試合に向けて、打撃の距離やタイミングの練習をしていました。試合中には特に感じなかったのですが、結果的に練習の成果が出たんじゃないかと思っています」

――一方で初回はマウントを奪取されるなど、採点がラウンドマストであれば田中選手にポイントがついていたはずです。しかし2Rに入ると徳弘選手からテイクダウンして優位に進めました。

「マウントを取られた時、相手のほうが息が上がっていたんです。その前の打撃の攻防で僕が打撃を効かせていたと思います。とにかく初回は極められないようにして、2Rに持ち込めば行けるという感じは受けました」

――そして田中選手を下したあと、同級王者の伊藤空也選手とランキング1位のTSUNE選手との対戦をアピールしています。結果として野尻選手と戦うことになりましたが……。

「いえいえ、マッチメイクはタイミングも関わってくるし、自分が名前を出したからといって難しい面があることも分かっています。といっても、あの場では自分よりランキングが上の選手の名前を出し、アピールするしかないと思いました」

――3連勝で今回の野尻戦に至るなかで、師である日沖発選手がペケーニョと対戦。7月には久米鷹介選手が引退と、徳弘選手の周囲でも様々な出来事がありました。まず徳弘選手にとっては、日沖選手の試合前の練習を見るのも久々だったのではないですか。

「僕がプロデビューしてからは初めてですね。やはり試合前の発先生は、普段と動きのキレも違っていて。その発先生を見ることができて嬉しかったです(笑)」

――アハハハ。

今年4月、師の日沖発がROMANでペケーニョに判定勝ち。大人になって改めて師の試合を見て嬉しい――という気持ちは分かる(C)SATOSHI NARITA

「ペケーニョ戦はセコンドにも就かせていただいて、自分も最大限のサポートをする。そう決めていました。でもやっぱり子供の頃から見ていた選手の試合を、セコンドとして一番近い場所から見ることができたのは嬉しかったです。その過程で――たとえば練習中、『昔はもっとコレができた』とか悔しい想いをしている場面があって」

――ブランクがあるために自分の動きが以前と違う。そんな自分に対して悔しく、怒りもあったのですね。それも日沖選手らしいところだと思います。

「そういう面はあったと思います。そんな発先生の試合に臨む姿勢を見て、自分もプロとして見習うべき部分がありました。

7月にはパンクラスにて久米鷹介の引退セレモニーが開催された。彼らの気持ちとともに、徳弘が羽ばたく(C)MATSUNAO KOKUBO

久米さんについても……自分の憧れで、小さい頃から見ていた選手が引退するというのは寂しいです。でも自分が久米さんに対してそう感じるように、誰かが僕に対しても同じような気持ちを持ってくれるような選手になりたいと思いました」

――さらにこの取材直前、村元友太郎選手がDEEPのベルトを巻きました。

「凄いKOでした! よく一緒に練習したり、いろいろ教えてくださっている先輩がベルトを巻いたのは嬉しいし、自分も頑張らないといけないです」

――今回の野尻戦をクリアすれば、またベルト挑戦も近づくでしょう。

「グラチャンに出場するからには、そこでベルトを巻かないといけないと思い続けてきました。まだまだ向上させていかないといけない部分も多いし、今のままでは厳しいことも分かっています。そういう面を一つひとつクリアして、ベルトに辿り着きたいです。

徳弘、野尻ともに前日計量をクリアしている(C)GRACHAN

野尻選手は修斗でキャリアのある選手です。アグレッシブな選手で、いろんな経験が強みになっていると思います。その相手にしっかりと勝って、もっと自分のことを知ってもらえたり、何かアピールできたら――今回も一本かKOしたいと思っていますし、そういう試合をすれば判定になっても勝つことができるので。しっかりフィニッシュしたいです」

■視聴方法(予定)
8月31日(日)午後1時30分~
GRACHAN放送局、GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan76 対戦カード
<バンタム級/5分2R+ExR>
徳弘拓馬(日本)
野尻定由(日本)

<ストロー級/5分2R+ExR>
大城正也(日本)
三笠貴大(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
マイティー村上(日本)
上野勇貴(日本)

<グラップリング フェザー級/5分2R>
野瀬翔平(日本)
石橋佳大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
樋口正広(日本)
藤谷敦史(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
中島唯翔(日本)
森渕俊太(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
明希(日本)
土屋諒太(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
辻郁也(日本)
吉田樹宏(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
福田侑飛(日本)
松本大知(日本)

<ストロー級/5分2R+ExR>
真生(日本)
尾崎蓮(日本)

<グラップリング フェザー級/5分1R>
池田貴一(日本)
今村豊(日本)

<アマチュア フェザー級/3分2R>
殿井唯人(日本)
佐藤修斗(日本)

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45 Grachan74 J-CAGE Report ブログ 徳弘拓馬 田中智也

【Grachan74】徳弘拓馬、2R終了間際の肩固めで田中智也に一本勝ち。TSUNE・伊藤空也に対戦アピール

<バンタム級/5分2R+ExR>
徳弘拓馬(日本)
Def.2R4分25秒 by 肩固め
田中智也(日本)

田中が左ミドルとインロー、右ロー。徳弘はそこが右ストレートを合わせる。徳弘が足を使いながら右ストレートとワンツー。田中が組みついてテイクダウンを奪うと、すぐに徳弘の左足を超えてハーフガードで抑え込む。田中は徳弘の上体をしっかり固め、右足を逆サイドに抜いてマウントへ。ここから徳弘の右脇を空けさせるようにして肩固めへ。徳弘はブリッジして逃げようとするが、田中が肩固めのクラッチを外してマウントをキープする。田中は体を起こしてパンチを落とすことなくマウントキープを続け、ラウンド終了となった。

2R、徳弘が軽快なステップを踏み、構えのスイッチも見せる。田中がインローを蹴ると、徳弘が右→左フックで飛び込む。ここで四つ組みの攻防になると徳弘が足をかけてテイクダウンを奪う。田中はクローズドガードで徳弘の動きを固めてブレイクとなる。スタンドでの再開後、徳弘が細かいフェイントから右カーフ、ジャブを突きながら田中の左ミドルにワンツーで飛び込む。

組んだ田中が投げでテイクダウンを仕掛けるが、徳弘がバックを狙いつつ、最終的に田中の左足を超える形でハーフガードでトップキープする。ここで徳弘が肩固めのクラッチを作り、足を抜いてマウントポジションになったところで田中がタップ。1Rは劣勢だった徳弘が逆転の一本勝ちを収めた。試合後、徳弘はセコンドの日沖発・久米鷹介と共に記念撮影に応じると「次はTSUNE選手か伊藤選手とやらせてください」とマイクアピールした。


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45 Grachan Grachan Herios MMA MMAPLANET o ONE RIZIN TSUNE UFC YouTube   キック ライカ ルンピニー ロクク・ダリ 伊藤空也 原口伸 堀口恭司 宮内拓海 小田魁斗 小谷 小谷直之 岸本篤史 徳弘拓馬 林RICE陽太 海外 田村ヒビキ 草訳駿介 道端正司 野尻定由 野瀬翔平 金井一将 長野将大 高橋孝徳

【Grachan Herios】道端正司とタイトル戦。元レンジャー部隊=小田魁斗「爆弾で爆破して、逃げるとか」

【写真】非常に興味深い話を訊くことができ、明日の試合がさらに興味深くなった (C)MMAPLANET

明日22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで小田魁斗が道端正司と暫定フライ級王座決定戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

キャリア5勝1敗、直近2試合はONE FFで勝ったもの。ONE本戦契約を目指すのではなく、Grachanに戻ってきた小田の真意とは。体力と精神的をギリギリまで追い込んできた小田の過去、誰もがパワフルだと認めるパワーの源を訊いた。


蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べる

(C)GRACHAN

──計量を終えて3時間ほど、どのような気持ちですか。

「計量で道端選手と向き合ったのですが、思っていた以上にリーチが長かったです。予想通り、プレッシャーの強さがありそうな選手でした。ストライカーという評判なのですが、体つきから組みもできそうですね」

──10月に九州に取材にいった際にマスタージャパン福岡での出稽古を見させていただいたのですが、とてもフライ級に見えないパワフルな動きが印象的でした。普段は何キロあるのですか。

「あの時は64キロぐらいです」

──えぇ? もっと大きく見えました。

「気を付けないでいると66キロぐらいまでなるのですが、そうなると動きが悪くなって。試合の時はリカバリーをして62キロほどなので、試合に近い体重で落とし過ぎないように64キロぐらいにしています。

皆、パワーがあるといってくれるのですが、自分ではそこに自信はないです(苦笑)」

──過去2戦、ONE FFでクーパー・ロイヤルとンゴク・ウオン・トランという2選手に勝っていますが、ONEでキャリアを積まずにGrachanに戻ってきたのは?

「もともと自分はUFCやRIZINという目標を持っていて、田村(ヒビキ・カルペディエム福岡代表)さんからONE FFの話があると聞いて。岩﨑(ヒロユキGrachan代表)さんも『良い経験になるんじゃない』と快く送り出してくれました。

ただデビューからGrachanで戦ってきて、Grachanでチャンピオンになると言っていました。そこでファイトマネーが少し良いからと、フラフラして路線を変えるというのは筋が通っていないのは自分でも嫌で。ONE FFは海外で試合を積める。なかなかないチャンスなので、試合を受けさせてもらった硬いです。

あの後もONE FFからオファーは貰っていましたが、年末にGrachanのタイトルマッチという目標を持っていたので試合を断り、マッチング期間を終えるのを待っていました。

でもルンピニーで試合をさせてもらって、海外の雰囲気を知ることができました。それに相手はフィジカルが強くても淡泊だと感じたり……本当に良い経験ができました。

僕はバックボーンがなくて、MMAを始めて4年。本当に自信がなかったのですが、ONE FFで2勝して自分がやってきたことに間違いはなかったと思えました。周囲はレスリングやキックを小さなころからやってきているなかで、一つ一つ勝てて少しは良い方向に迎えているなと。まだ全然なんですけど、成長するために良い練習ができていると思えました」

──バックボーンがないということですが、なぜMMAを始めようと思ったのですか。

「実家が対馬で、4年間ほど陸上自衛隊にいました。元々RIZINで堀口恭司選手の試合が恰好良とか思っていて、ある日……ふと、いつ死ぬか分からないし好きなことがやりたい。MMAがやりたいと思って、上の人に『やりたいことがある』と伝えました。色々と手続きがあって、1年ほど自衛隊を辞めるまで時間が掛ったのですが、23歳でMMAを始めました」

──自衛官の勤務というか任務は口にできない人もいるかと思いますが、小田選手はどのような隊に所属していたのですか。

「僕はレンジャー部隊でした。災害や有事に備えて訓練をする」

──えっ、レンジャー部隊って映画で山の中でサバイバル訓練を受けて蛇の皮を剥いて食べたりしているのを視たことがあったのですが……。

「ハイ。自給自足で蛇だったり、鶏を捕まえて肋骨をへし折り、首を曲げて血を流して洗って食べるとか」

──ええ、本当に映画みたいなことをしているのですか……ではナイフで人を殺したりする訓練も?

「ナイフで……(苦笑)。まあ、ちょっとした特殊訓練みたいな。隠密で相手を倒す……とか。ナイフとかより、ダイナマイトとか爆弾で車両が通るところを爆破して逃げるとか」

──いや、立派な特殊工作員だったわけですね。

「アハハ、まあ、そうですね(笑)」

──凄まじい体力と精神力が必要になることは想像に難くないです。

「レンジャー訓練は3カ月あり、最後の1カ月に想定訓練(※行動訓練)というのがあります。1から9想定という風に訓練があり、最後は3夜4日の間、山間部を60、70キロの装具を担いで縦走するのですが、その時はバディと2人組みで冷凍弁当2食を2人で分けあって。水もほとんど飲めず、休憩時間も取れないという……アレでしたね。1想定の時は半日、2想定を2日と、徐々に延びていくんです」

※レンジャー訓練に合格する隊員は全陸上自衛隊員のなかで1割以下といわれている。

──レンジャー部隊は、小田選手がご自分で望んだわけですか。

「そうですね。軽く見ていました(笑)。21歳だったんですが、簡単な場所ではなかったです」

──ひょっとすると、水抜き減量に一番強いファイターかもしれないですね。

「アハハハハ。あの時を思い出すと水抜きは楽なはずですが、もう記憶の中のことなので辛いです(笑)」

「格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って」(田村ヒビキ)

──そしてMMAを始めたということですが、MMAレンジャーズジムでなくカルペディエムに入会したのですね。

「アッハハハハハハ。最初は東京に行こうと思ったのですが金銭的に無理だと思って。福岡で探している時にカルペディエム福岡を訪ねて、ドアを開けてすぐに階段があるのですが、そこに田村さんがいて。『プロになりたいです』って伝えて、体験練習をさせてもらったんです。

一旦、対馬に戻って福岡に出る準備をしている時に『プロになるなら、うちに来な』ってメールを貰って。それでカルペに決めました」

──きっと健康創りでも、「うちに来な」と田村代表はメールをしていたのではないでしょうか(笑)。

「アハハハハハ。深い考えはなくて、誘ってくれたんだと思います」

田村ヒビキ いやいやいや、これだけは口を挟ませてください。体験練習をして、格闘技経験がないのに魁斗の動きを見て『コイツ、強くなるな』って思いました。これはホンマです。普通はそういうことしないけど、魁斗には『おいで』と伝えました。

──レンジャー部隊で培った体力、精神力は役立ちましたか。

「精神的には生きます。追い込み期間の走り込みの時とかも、『あの時よりきついことはない』って思えますし。ただ体力的には自衛官を辞める手続き中に、体の使い方の重要性を教えてもらったことが大きいと思います。それまでは筋肉だけを鍛えれば、パワーがついて強くなると思っていたのですが、正しい使い方をしていると必要な筋肉がついてくる。

そういう考えで、ムーブメントのトレーニングを見様見まねでやり続けて。今ではパーソナルで、指導もしてもっています。自分で正しいのかどうかと思いながらやっていた時と違うのは大きいです」

──本当に興味深いバックグラウンドを持つ小田選手ですが、最初に話題になったように自分はマスタージャパン福岡の出稽古先で練習を見させてもらいました。普段から、出稽古は行っているのですか。

「ハイ。マスタージャパン福岡は野瀬翔平選手や野尻定由選手というスクランブルの速い選手がいて、凄く良い練習ができています。展開が速いので休めない。下で休むと負けという意識で、下になっても上を取り返すように動いています。野瀬さんは極め力もあるので、極められないようにしてやっています。

あとはレンジャーズジムでも練習をさせてもらっていて。レンジャーズジムはストライカーが多いので、総合的力を試す場のような感じです」

──福岡で、首都圏に負けない練習ができているように感じます。

田村 実際、魁斗以外でも野瀬君、レンジャーズの子たちと福岡の選手は中央で結果を残していますからね。東京、大阪、名古屋というくくりはもうないですよ。

(C)GRACHAN

──では明日のタイトルマッチ。

さらなる上のステージを目指すためにどのような試合をしたいと思っていますか。

「自分は打撃、寝技、組みを全て混ぜるタイプなので、どっちの総合力が強いのかという勝負になると思います。回転の速い、パンチ、組みがゴチャゴチャになった厳しい試合になる覚悟でいます。そのなかでフィニッシュしたいです。自分は大事に戦うことが多かったのですが、試合を決めに行こうと思います!!」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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45 Eterna Eternal MMA85 Grachan Grachan Herios MMA MMAPLANET o TSUNE UFC YouTube パンクラス ロクク・ダリ ロッド・コスタ 伊藤空也 原口伸 宮内拓海 小田魁斗 小谷 小谷直之 岸本篤史 徳弘拓馬 林RICE陽太 海外 草訳駿介 道端正司 金井一将 長野将大 高橋孝徳

【Grachan Herios】TSUNEの持つ王座に挑戦。豪州Eternal王者・伊藤空也「機械的、圧倒的に勝つ」

【写真】豪州Eternal MMAで王座奪取に成功した伊藤。今回は2冠に向けた一戦でもある(C)TAKUMI NAKAMURA

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、伊藤空也が同バンタム級王者のTSUNEに挑む。
Text by Takumi Nakamura

伊藤は6月に豪州Eternal MMAに参戦し、ロッド・コスタにスプリット判定で勝利してバンタム級王座を獲得。今回のタイトルマッチはGrachan×ErernalMMAの王者対決という一戦にもなった。伊藤が目指すのは2冠王として2025年を迎え、Eternal MMA経由でUFC参戦の切符を掴むこと。そのためにもTSUNE戦では試合内容でも強さを見せることが必要だと語った。


――6.8ETERNAL MMA85でロッド・コスタにスプリット判定で勝利し、同団体のバンタム級王者となっての凱旋試合で、TSUNE選手の持つGrachanバンタム級王座に挑戦する形になりました。

「今年2月にTSUNEさんが手塚(基伸)さんに勝ってチャンピオンになって、その時点で自分とTSUNE選手がやる方向で決まっていて、今年はその前提で話を進めていたんですね。間にEtrnalMMAのタイトルマッチを挟む形になりましたが、TSUNE選手とやるのは分かっていたので、やっとその時が来たなって感じです」

──コスタ戦以降はどんなことを意識して練習してきましたか。

「前回は相手も柔術家だったので、ポジションを取られた時の対処、細かいところを練習していたんですね。だから今回は際の部分で自分がアタックできるぐらいの技、極め、オフェンス部分を意識してやってきました。元々自分は寝技が課題だったので、そこを改善して逆に寝技でも勝負できるぐらい、いろいろと武器やレパートリーを増やせるように、練習で作ってきた感じです」

──コスタ戦はスプリット判定で競り勝った試合で、あの試合で自信がついた部分もありますか。

「あの相手にしのぎ合えたという部分では少し自信がついたし、寝技でもそんなに危ない場面がなかったという部分でも自信がつきました」

──そこから次のステップに進むために必要なことの一つが寝技のアタックだ、と。

「組みの部分はそうですね。今のユニファイドルールはテイクダウンして削るよりも、フィニッシュする・アタックする部分が大事なので、そこを徹底的にやってきた感じです。言い方はあれですけど、相手をいじめてやっつけて、最後はしっかり仕留める。そこはMMAなので打撃以外のところでも自信がつけば、自分の戦力グラフはトータル的に大きくなるし、もっとバランスがいい選手になれると思っています」

──対戦相手のTSUNE選手にはどんな印象を持っていますか。

「ベテラン選手で、僕がプロデビューする時から名前は知っていました。パンクラスではタイトルマッチをやって、パンチが強い印象だったんですけど、その中で意外と一本勝ちも多い。パンチもできてグラウンド、どちらかと言うとディフェンスをしっかりして極めることが出来る、トータル的になんでもできる選手という印象ですね。

──先ほどお話していた今取り組んでいることが試される相手かもしれないですね、

「そうですね。今やっていることを全部出せる、そういう選手ですよね。しかもベテランでチャンピオンだし、胸を借りるつもりで全力でぶつかっていこうと思います」

──そのなかでもきっちりフィニッシュして勝ちたいと思いますか。

「僕は挑戦者側ですけど、海外でベルトを獲って、Eternal MMAのチャンピオンとして戦う試合なので、そう考えたら王者対決ですし、まずは絶対に負けられない。その中でも強さをしっかりと見せつける試合にしたいかなと。フィニッシュするのもそうですし、やっぱり全局面で圧倒して、次のチャンスにつなげるための圧倒的な試合を見せたいと思います。機械的に、しっかりと」

──機械的に、ですか。

「はい。やることをきっちりやるというか、自分に与えられた試合、仕事をきっちりクリアします」

──この試合に勝てばEternal MMAとGrachanの2冠王になります。来年はどんな試合をやっていきたいですか。

「Eternal MMAの防衛戦も来年すぐ決まりそうなので、ここで勝っても気持ちを切らさず、すぐ次の試合に向けて準備したいです。Eternal MMAで防衛を重ねていけば、もっと上のステップにいけると思うので、そこを見据えて試合結果だけじゃなく試合内容でも周囲に評価されるような試合をしたいです」

──Eternal MMAはUFC Fight Passで配信されている大会なので、Eternal MMAで勝ち続けていくことでUFCも見えてくると思います。

「もちろんそこは絶対に目指したいです。今年自分は28歳になったので、30歳までに何か形を作っていきたいと思います。UFCを目指すという意味では来年は勝負の1年になると思います」

――それでは2024年を締める、そして2025年につながる一戦に向けて意気込みを聞かせてください。

「今回の試合は久しぶりの日本での試合だし、勝って当たり前じゃないですけど、勝たなきゃいけないというか、次に向かうためにはここを落とすわけにはいきません。しっかり勝って来年自分の目標、夢に向かってさらに繋がるような試合をします」

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】年末決戦へ。TSUNE×高橋孝徳ー02ー「ベテランの生き様を見せますよ」

【写真】「まだまだ、これから」と語る2人。気合は十分だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosで、同バンタム級王者のTSUNEが伊藤空也を相手にベルトの初防衛戦を行う。TSUNEと同じMe,We所属の高橋孝徳は、原口伸と対戦する。そのTSUNEと高橋のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

伊藤は今年8月、豪州エターナルMMAでロッド・コスタを判定で下し、同バンタム級のベルトを獲得。原口は敗れたものの、Road to UFCで準決勝に進み、今回が国内復帰戦となる。そんなBRAVEジム勢に対し、Me,Weの1985年生まれコンビはどのような試合を見せるのか。後編はTSUNEについて、そして互いの試合について語る。

<TSUNE×高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――続いて高橋選手にとって、TSUNE選手はどのような存在なのか教えてください。

高橋 打撃も巧いけど、やっぱり本当に組みが強いです。特に「ケージ際の魔術師」といっても過言ではないぐらいで。いろんな人と練習してきましたけど、ケージ際の小技に関してTSUNEさんを上回る人はいないと思っています。

TSUNE アハハハ。

――練習相手としては、常に何をやってくるか分からないほどの小技を持っているのでしょうか。

高橋 まるで詰将棋のように「こう来たら、こう」と先の先があるんです。こちらが現状を理解できていない間に、どんどん先に回られています。そんなTSUNEさんに対して理屈で勝負したら、先を取られてしまう。だからってフィジカルで勝負しちゃうと、瞬発的に持っていかれてしまうんですよ。

――手塚基伸選手との2連戦は、そんなTSUNE選手の本領発揮だったわけですか。

高橋 本領発揮といえば本領発揮なんですけど――安全運転して勝ったな、という感じですよね。

TSUNE 安全運転!

高橋 これは手塚選手のことを悪く言っているわけではなくて。TSUNEさんは落ち着いて勝ちに行ける。浮き足立たず、しっかりとポイントを取りに行くことができる。タイトルマッチの3R目は流しに行こうとしたら巻き返されけど、それでも凌ぎきるという。

TSUNE それ、みんなに言われるよ(笑)。

高橋 3R目はそうなると思っていたんですよ。1、2を取ったら3は……。

TSUNE ――逃げるだろうな、って。これは性格的な問題で(苦笑)。前にタカタカに言われて「そうだな」と思ったんですけど、僕は良くも悪くも試合がスパーリングどおりらしいです。

高橋 そうですね。僕はまだキャリアが浅い頃、「実力を発揮できていない」と言われていました。反対にTSUNEさんは練習の内容を、そのまま試合で出せるから凄いと思っていましたね。

――ということは練習で調子が悪ければ、その調子の悪さが試合に出るのですか。

TSUNE たぶんそうだと思います(苦笑)。1、2を取ったら3は流す、ということをスパーでもやっているので――頑張っているフリをしながら。

高橋 人はそれを「ペース配分」と呼びます(笑)。

――アハハハ。伊藤選手は苦しい試合展開から後半盛り返し、エターナルMMAのベルトを巻いたファイターです。

TSUNE 厄介な相手ですよね……。3ラウンドのうち2は確実に取れると思っているし、今回はフィニッシュも狙いたいです。

――高橋選手が「絶対そんなわけない」と、怪しむ目つきで見ていますよ。

高橋 アハハハ! こうは言っていますけど、いつもTSUNEさんの場合は3つ全部取るつもりで、1つ取れない時のことも想定して戦っているんですよね。

TSUNE 今大会はタイトルマッチ以外、全て2ラウンド(延長あり)ですからね。そのラウンドの違いを全力で見せつけますよ。

――では伊藤選手の印象をお願いします。

TSUNE とにかく頑張る選手ですよね。フィジカルも強いと思うけど、僕が強いところが通用しないと勝負にならないので、倒して殴って絞めます!

高橋 伊藤選手は勢いが強いですよね。まだ20代だし、スタミナもあって。組みの部分ではTSUNEさんのほうが上だと思いますけど、終盤になっても頑張ることができる選手なので、そこは嫌ですね。

――高橋選手は、RTUから国内に復帰する原口選手と対戦します。

高橋 このタイミングで原口選手と対戦することになるとは、思ってもみませんでした。そもそも原口選手はもうグラチャンには出ないだろうと思っていたし、それが意外でしたよね。海外とかRIZINに行くのかな――と、その点は驚きがありました。

印象は――皆さんが思っている、そのままですよね。とにかくレスリング、組みが強いし、パウンドもしっかり打ってくる。ただ漬けるだけではなく、ちゃんとフィニッシュも狙ってくる。それをやらせないように自分が頑張る試合になるのかな、とは思います。

TSUNE 僕の試合もですけど、タカタカも同じぐらいシンドイ試合になると思います。でもそういう試合ほど、相手のほうはが評価を落としがちじゃないですか。

――……どういうことでしょうか。

TSUNE 原口選手はもともと評価が高くて、RTU帰りで――という選手の復帰戦が接戦になったりすることは多いです。相手が油断してくることはないでしょうけど、タカタカには全て出しきってほしいですね。絶対シンドイ試合になりますから。タカタカには1Rからガンガン行ってほしいです。

高橋 これは自分で言うのも何ですけど、原口選手のキャリアで僕と対戦するというのは、僕のことを何の問題もないと思っているんでしょう。逆の立場であれば、僕はそう思います。それぐらい実績の差はあるので。だから、そう思ってくれていてほしいです。その気持ちの中にチャンスがありますから。

――お二人は今回の試合で何を見せたいですか。

TSUNE 何を見せるか――とにかく無事に終わってほしいです(笑)。

高橋 そこで急に守りに入らないでください!

TSUNE 俺たち、まだやれるぞ――という試合を見せます!

高橋 そう、ベテランの生き様を見せますよ。

■Grachan Herios 視聴方法(予定)
午後14時00分~
GRACHAN放送局
GRACHAN公式YouTubeメンバーシップ

■Grachan Herios 対戦カード
<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
小田魁斗(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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【Grachan Herios】原口伸がRTUからの復帰戦。高橋孝徳を相手に、1年10カ月振りの国内ケージへ

【写真】写真は2023年2月のもの。1年10カ月振りに国内で戦う原口、その動向が最も気になるフェザー級ファイターの一人だ(C)MMAPLANET

18日(月)、GRACHAN実行委員会から12月22日(日)に東京都江東区のTFTホール1000で開催されるGrachan Heriosに元ライト級王者の原口伸が出場し、高橋孝徳と対戦することが発表されている。
Text by Shojiro Kameike

2年連続でRoad to UFCトーナメントにチャレンジした原口にとっては、2023年2月の小谷直之戦以来、1年10カ月振りの国内復帰戦に。今年のRTUからフェザー級に転向している原口は、そのまま国内でもフェザー級で戦う。


小谷戦のパウンドは衝撃的だった。この勢いを取り戻したい(C)MMAPLANET

2023年2月に小谷直之を1Rでパウンドアウトし、Grachanライト級王座を防衛した原口。同年5月からRTUに出場し、初戦ではインドネシアのウィンドリス・パティリマを、準決勝では韓国のパク・ジェヒョクを下すも、決勝では中国のロン・チュウにRNCで敗れている。翌年はフェザー級で再チャレンジしたが、初戦で韓国のホン・ジュンヨンに勝利したものの、準決勝で中国のチュウ・カンチエ戦で敗退した。

カンチエ戦は原口が勝っているという声も多かったが、負けは負け。原口はMMAPLANETのインタビューでも「納得はいかないが、いろんなことが吹っ切れた」と語り、国内プロモーション参戦も示唆していた。当然のことながら三度UFCを目指し、海外のフィーダーショー出場という道もあるなか、その動向が注目される原口が復帰の舞台として選んだのは、ホームグラウンドでもあるグラチャンだった。

11月7日に原口自身がXにて「みなさんが、んんーと唸るような試合が決まると思います」と投稿していたとおり、今回の復帰戦では様々な強豪がリストアップされている情報も入ってきていた。ここで対戦相手が高橋に決まったのは、今後のGrachanフェザー級でベルト挑戦も視野に入れてのことか。原口は今年9月にライト級王座を返上しており、かつGrachanではフェザー級の実績がないためノーランカーとなっている。ここで現在フェザー級3位の高橋を下してランクインし、小島勝司が返上した同級のベルトを狙うのだろうか。もちろん本人が語っているとおり、RIZINあるいは海外のフィーダーショーに出場する可能性もある。

いずれにしても注目は、原口のスタイルチェンジだ。前回のインタビューで、RTUの判定を受けて「ああいう判定になるなら、もうレスリングやコントロールに固執する必要はない。打撃でもガンガン行くし、寝技でもガンガン極めに行く」と語っている。国内随一のテイクダウン&パウンダーである原口が、新たな武器を見せることができるかどうか。

相手を封じ込めるグラップリングとムエタイの融合が持ち味の高橋(C)GRACHAN

今回の復帰戦でも、過去の実績でいえば原口の圧倒的優位は動かない。とはいえ、原口がガンガン行こうとすればするほど、高橋のファイトスタイルは厄介なものになるだろう。高橋のスタイルはムエタイ&グラップリング――相手を捌くだけでなく自ら首相撲と寝技で相手を潰していく高橋に対し、原口がフィニッシュを焦るようなことがあると、気づけば高橋の型にハメられているという展開も考えられる。

現在、Grachanフェザー級ランキングでは1位が中村京一郎、2位が黒井海成となっている。原口が高橋を下した場合、黒井は同じBRAVE所属であるだけに対戦は考えられない。となれば――今後の展開が楽しみになる、原口のGrachanフェザー級への出場だ。

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] TSUNE(日本)
[挑戦者] 伊藤空也(日本)

<Grachanライト級選手権試合/5分3R>
[王者] 林RICE陽太(日本)
[挑戦者] ロクク・ダリ(コンゴ民主共和国)

<フェザー級/5分2R+ExR>
原口伸(日本)
高橋孝徳(日本)

<Grachanフライ級暫定王者決定戦/5分3R>
道端正司(日本)
TBA

<無差別級/5分2R+ExR>
荒東”怪獣キラー”英貴(日本)
大場慎之助(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
岸本篤史(日本)
大道翔貴(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
小谷直之(日本)
草訳駿介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
宮内拓海(日本)
小林大介(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
金井一将(日本)
長野将大(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
長谷川卓也(日本)
徳弘拓馬(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
鈴木嵐士(日本)
二之宮徳昭(日本)

<フライ級/5分2R+ExR>
水谷健人(日本)
上田麟(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Road to UFC Road to UFC2024 UFC YouTube キム・キュソン チィルイイースー・バールガン パンクラス 修斗 徳弘拓馬 日沖発 海外 透暉鷹

【Road to UFC2024 Ep05】日沖発、透暉鷹の準決勝敗退を語る「まずは自分を見ないといけない」

【写真】日沖自身がUFCで戦っていたからこそ言えることがある(C)SHOJIRO KAMEIKE

8月23日(金・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたRoad to UFC2024 Ep05 =Road to UFC Season03 Semi Finalsにて、バンタム級準決勝で透暉鷹が中国のチィルイイースー・バールガンに判定で敗れた。
Text by Shojiro Kameike

透暉鷹にとってはフェザー級からバンタム級に転向し、パンクラスKOPで2階級制覇を果たして挑んだUFCへの道——初戦は韓国のキム・キュソンを下して準決勝に進出したが、笑顔はなし。さらにバールガン戦は1Rを取りながらも、2Rと3Rを押さえられて判定負けを喫した

国内の戦いで見せていたような動きを出せなかった。そんな印象もある準決勝戦について、透暉鷹のトレーナー&セコンドを務めた日沖発stArt代表に話を聞くと、厳しい言葉も訊かれた。その内容は透暉鷹だけでなく、日本MMA全体の問題であるようにも感じられる。


相手も『この展開をやりきる』という意志が強かった。厳しいことを言うと――

――今年のRTUは準決勝で日本人選手が全滅という結果に終わりました。この結果を振り返る企画として、透暉鷹選手の試合についてはセコンドを務めた日沖さんにお聞きします(※取材は9月3日に行われた)。

「よろしくお願いします。僕は試合をした本人ではないし、所属ジムの人間ではないので、なかなか言えないこともありますが……」

――いえ、その立場にいる日沖さんにこそお聞きしたいことがあります。まず日沖さんは8月18日に、徳弘拓馬選手のセコンドとしてグラチャン大阪大会に来ていました。その直後、透暉鷹選手とともにラスベガス入りしたのでしょうか。

「いえ。グラチャンの試合が終わって、少し経ってから計量当日に着きました。2泊3日でラスベガスに(苦笑)」

――試合としては、透暉鷹選手はこれまで国内の試合ではドミネイトして勝つことが多かったです。しかしバールガン戦で徐々にペースをひっくり返されて逆転の判定負けを喫したことが、意外で予想外な面もありました。

「僕は『厳しいシーンがあってもおかしくない』とは思っていました。まず透暉鷹とバールガン選手は似たようなタイプで――自分から打って、そして上を取りに行く。そういった場合は特に、自分の強いところを先にぶつけてペースを握らないといけません。でも先に、相手にペースを取られてしまうと、今回のような試合展開になることはあり得ます」

――それは1Rと2R、開始早々に相手の右をもらってしまった点でしょうか。

「あれは相手の作戦だったでしょうね。透暉鷹が後ろ重心になっている時に、右ストレートを被せるという。

1Rは右を受けたあとにトップを取ったので、ポイントも押さえたと思いました。最初にもらった右のダメージを後半まで引きずったわけでもなくて。ラウンドが終わってみるとペースを取られたのは1分間だけで、残り4分はハーフ、がぶり、バックと透暉鷹が支配していましたから。

2Rも微妙ではありますけど、透暉鷹のほうが先にやるべきことができていた時もあったんです。テイクダウンも奪っていましたし。でも、それ以外はケージに押し込まれたりするなど、後手に回ってラウンドを取られてしまいました」

――1Rに透暉鷹選手がバックに回られた時は、セコンド陣としては「切り返すことができる」と考えていましたか。

「はい。透暉鷹はバックエスケープ、つまりバックを取られかけたところから、上を取り返すのは得意なんですよ。でも『あまりバックエスケープはやるな』と言っていました」

――確実に逃れることができるとしても、一瞬バックを取られかけるのは印象が良くない。

「そうなんですよ。確かにガードからめくるスイープよりは、バックエスケープのほうが上を取りやすいです。尻もち着きから後ろを見せてサイドバックを取らせてから、相手が足のフックを入れてきたところを前に落とす。そのほうが体幹やフィジカルを生かしやすいし、やられたほうにも『惜しいところまで行ったけど攻め切れなかった』という心理が生まれたりしますからね。

対して、スイープは技術的にも難しい面があるし、まず自分の背中がマットに着いているので、スコアでも不利になります。そのスイープに時間を掛けるのはコスパが悪いというか……。とはいえ、バックエスケープも最初にバックを奪われかけているわけで。透暉鷹には『まずバックを取らせないように』と言っていました」

――透暉鷹選手がスイープの技術を持っていないわけがない。ただ、持っている技術の中から何を選ぶか。展開の速度が増す一方のUFCあるいはUFCを目指す戦いで、いかに速く選択し、正確に実行できるか……。

「3Rはラバーガードからオモプラッタを狙っていました。でも現在のMMAなら、あそこでもっと殴っておいたほうが良かったですね。今の採点だと殴った数が多いことは採点に影響しますから、下からでも殴るのは大事なところではあります。

仰るとおり、透暉鷹はスイープも含めてガードからの展開もできます。しかし、どうしてもトップキープのほうがフィジカルの強さを生かすことができますし……」

――結果、1Rは右を受けてから取り返した。なのに2R以降は取り返すことができなかったのが意外だったんです。

「相手も『この展開をやりきる』という意志が強かったですよね。厳しいことを言うと、透暉鷹の弱さが出てしまいました」

――透暉鷹選手の弱さ、ですか。これも正直なところ、2R以降は透暉鷹選手の表情を見ていると、少し気持ちの面で押されていないかという印象を受けました。

「あぁ、なるほど。そうですよね……うん、……そうですね」

――今まで経験したことのない展開になり、焦りが生じてしまうのも当然かと思います。そこでインターバルの間など、セコンドとしてはどんな指示を出していたのでしょうかか。

「僕は2Rが終わって、インターバルの時に『1-1だから、このラウンドを取らないと勝てないぞ』とは言いました。本人もそれは理解していたはずです。でも最終ラウンドは、悪いシナリオに近い展開になってしまいましたね。

透暉鷹も最終ラウンドを取りに行こうとしていました。ただ、MMAの場合は2Rを取ったほうが3Rも取るという傾向は多いと思うんです。ラウンドごとではなく試合全体で考えた場合、徐々にペースを取られていく展開だと2Rからの10分はバテていくことも含めて。よほど相手よりスタミナ面で上回っていれば、2Rを取られても3Rを一気に取りにいくことも考えられます。今回の試合に関しては、そこは少し厳しかったです」

――なるほど。

「これは違う話かもしれませんが、たとえば1Rと2Rを取られていて『このままだと判定で負けるから3Rはフィニッシュを狙えよ』というアドバイスって、よく聞かれますよね。でも、その状態から3Rに逆転勝ちするのはレアケースだと思うんです。

10分間ドミネイトされている選手が、もしも最後の5分もし最後の5分……いや、残り3分や2分で逆転できるなら、最初から行ってペースを取っているはずで。やられている選手が最後に逆転できるのは、相手がバテたか、あるいは何か魔が差したのか。そういうことがないと難しくなります。実際、僕がセコンドについている試合で、逆転を狙っても相手のセコンドはポイントで勝っているから、『そのまま殴らせておけ』と指示していたこともありますし」

――となれば、3R制では1Rと2Rをどう取るかが重要になってきます。しかし透暉鷹選手が2Rと3Rを取ることはできなかった。バールガンは今まで戦ってきた相手とレベルが違ったと思いますか。

「レベルは上だったと思います。ただ、それよりも『今までの相手とはタイプが違った』という気持ちのほうが強いです。そう考えると、経験の差はあるかもしれません」

日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけない

――試合後、透暉鷹陣営としては、どのような話をしたのでしょうか。

「う~ん……、相手のことよりも透暉鷹本人のことですよね。本人には伝えましたが、もっとベストコンディションをつくることを考えたり、UFCに向けてもっと厳しくやる部分が必要だったと伝えました」

――それはRTUの試合に向けて練習が足りなかった、ということですか。

「いえ、練習はしっかり頑張るんです。でも日常生活から含めて、UFCを目指すならもっと厳しく考えておかないといけないと思います」

――「ベストコンディションをつくること」とは、ウェイトのことでしょうか。

「いろいろ要因はありますが、まずウェイトについて言えば『ベストコンディションをつくれないなら、階級を戻したほうが良い』とは伝えました。透暉鷹の体格を考えると、バンタム級が適正かとは思います。でもそれって、周りを見ているということなんですよ」

――というと?

「周りと比べて自分は体格が小さいから階級を落とす。それはそれで重要だと思います。でも、まずは自分を見ないといけないわけで。自分にとってベストの状態をつくることができないのであれば、やはり階級についてはもう一度考えなければいけないですね」

――「まずは自分を見ないといけない」とは、とても重要な言葉です。ファイターからすると、来年もRTUが開催されるとすれば、どのようにRTUにフォーカスしながら過ごすかも重要になってくるのではないでしょうか。

「やはり日本と海外では勝手が違う部分あって、自分をつくり切れなかった。いろんな基準やレギュレーションが違うなかで、海外慣れも必要だと思いました。来年もRTUが開催されるとは限らないし、開催されても透暉鷹が選ばれるかどうか……」

――日沖さんの場合、修斗と戦極のベルトを巻いてからUFCとの契約に至りました。その前にカナダTKOの経験があったからこそ、とも思います。

「そうですね。TKOのベルトを巻いたあと、すぐにWECの話が来ましたから。日本と海外では単純に競技人口が違うし、そうなると強い選手が出て来る確率も高くなる。今後ますます日本の状況は厳しくなると思います。

僕も試合に対して言い訳じみたことも言いたくはないし、彼自身もそんな言い訳は言っていません。今回の経験が今後に生きるかどうか、それは彼次第です。

本人とISHITSUNA MMAの林代表は『もう一度RTUに挑戦したい』と言っています。僕としては『現実を考えると、UFCは遠のいてしまった』と伝えました。まずその現実的な厳しさを彼がどう受け止めるか、ですよね。受け止めたうえで頑張るというのであれば、僕も引き続き透暉鷹をサポートしていきたいです」

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45 Grachan Grachan67 MMA MMAPLANET o 南友之輔 徳弘拓馬

【Grachan67】計量オーバーの南が右ストレートで徳弘を流血に追い込み、1R0分46秒——ノーコンテストに

【写真】計量オーバーはともかく、スプロールから即これだけの距離を取りつつ、相手の後ろに回れる南のスピードは脅威というほかない(C)SHOJIRO KAMEIKE

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
– 徳弘拓馬(日本)
NC
– 南友之輔(日本)

前日計量で南が450グラムオーバーとなったが、徳弘が試合出場を了承したため(南にイエローカード1枚が提示された状態で試合スタートとなる(※ルール上、対戦相手が了承しない場合は試合不成立ではなく、計量オーバーした選手の負け)。また、徳弘が勝利した場合のみ公式記録となり、南が勝利した場合はノーコンテストに。

距離を取る南に対し、徳弘がダブルレッグで飛び込む。しかし南はスプロールして徳弘を突き放す。なおもダブルレッグでテイクダウンを狙う徳弘だが、南は下がりながらも右ストレートを当てる。セコンドの日沖からも距離の遠さについて声が飛んだ。ワイドスタンスでさらに距離を取った南。徳弘は距離を詰めてからダブルレッグで入り、ヒザ裏に手をかけるも南がオーバーフックから投げ返した。

ここで徳弘の右目下が腫れ上がり、流血も見られる。南の右ストレートでカットしたようだ。ドクターチェックの末、徳弘は「やれる! やれる!!」とアピールするも、試合はここでストップとなった。試合タイムは1分0分46秒——南が勝利したため、試合はノーコンテストに。ただ、南のテイクダウンディフェンンスとカウンターの当て勘は流石といえる試合内容であったことは間違いない。


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45 AB Gladiator Grachan67 Interview J-CAGE ブログ 南友之輔 徳弘拓馬

【Special】J-MMA2023─2024、プロ3戦目は計量失敗。南友之輔が語っていたこと「最後は右で倒す」

【写真】450グラムオーバー。計量失敗はルールかつモラル違反だ。とはいえ、これで勝ってノーコンテストだと選手は応援してくれる人のために戦う──あるいは、興行に迷惑を掛けないためのみに戦うのか。試合が成立すれば、イエローカードは残したとしても勝った場合は勝利という風にならないものか……(C)SHOJIRO KAMEIKE

2024年も早くも1カ月が過ぎ、MMAPLANETでは2023年に気になった選手をピックアップ──過ぎ去った1年を振り返り、こらからの1年について話してもらった。
Text by Manabu Takashima

J-MMA2023-2024、第二十弾は伝統派空手からMMAに転向、プロ初年度を2連勝で終えた南友之輔に話を訊いた。

本日4日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGrachan67で徳弘拓馬と対する南だが、なんと本計量で650グラムオーバーに。再計量でもリミットから450グラム上回り──徳弘陣営が試合を受けるも、イエロースタートで南が勝った場合はノーコンテストになる。プロ3戦目で思わぬ失態も、勝ってノーコンテストになる試合を実のあるモノにしなければならない。そんな南が語っていた──2024年の目標と、徳弘戦でやるべき戦いとは。

■2023年南友之輔戦績

9月30日 GLADIATOR023
〇 1R3分19秒 by KO 小松祐貴(日本)

12月9日 GLADIATOR024
〇 3-0 健太エスペランサ(日本)


──MMAデビューイヤー、プロ2試合で2勝を挙げました。この2試合のパフォーマンスをどのように自己判断していますか。

「何も分からない状態で戦ったのですが、1試合目は思っていたような展開になりました。たまたまじゃないかという風にも捉えられていたところもあるので、2試合目が大切でしたけど倒せなかった。そこは悔しかったです。勝つのは大前提なので、倒して評価を確かなモノにしたかったです。

結果もそうですけど、動きも倒そうと思えば思うほど動きが大きくなって雑になっていき、思ったような試合にならなかったです。普段なら取られないところで、腕十字に入られたり……ああいうところは経験不足です。経験不足は当たり前なんですけど……まだ2戦目という風に見られているなかで、2戦目とは思われないような試合がしたかったです」

──組まれて思うように攻めることができなかった。勝てて経験ができたのも良かったかと思います。MMAが戦えたわけで。

「そういう考え方をすると──自分では納得できないですけど、良い経験になったのかもしれないですね。試合になれば組みの展開に持ち込まれてしまうんやなって。練習であまりテイクダウンをされなくなっているので、ああいう展開になることがほぼなくて。それでも実戦で、あの展開を経験できたことは大きいです。より自分のことを見つめ直そうと思えました」

──試合で組まないと勝てないという覚悟を持つ選手の、組みは練習とは違いましたか。

「違いました……ね。ただ、倒そうという意識が大きくなると、相手への意識も減って。練習では取られないように距離設定をしているのに……。それにテイクダウン狙いを切っても、そこでパウンドを落としに行って腕十字の形に入られた。練習なら、立たせて打撃という選択ができていたのに……。

パウンドもあんな風には練習では打てないので、あれで取られそうになったことも踏まえて、『シンプルな寝技の能力をあげないといけないな』と宮田(和幸)先生にも言われました。

右がバレていて、その右では倒れない。ボクシングのように3分✖12Rあれば、どこかで当たることもあるでしょうけど5分✖2Rじゃ、警戒されるとなかなか当てることができない。だからこそ、左を使うのと、上下に散らすこと。それと蹴りとのバランスを考えないといけないです。そうやって最後は右で倒すようにならないと」

──しっかり自己分析ができているかと。

「どうッスかね。自分の試合映像も他の人の試合映像も一緒で、視る時は客観視しています」

──警戒されても決める選手は決める。それは今、南選手が言われたように一発に頼らないで組み立てがあるということですね。

「僕は空手ベースで、飛び込みなんで。普通の人とチョット違うじゃないですか。動く瞬間に下がられると、当たらない。その動きを注意されると、多分当たらないと思います。自分がされると、下がってブロックしますからね。だからこそ飛び込んでからも細かく入れて、また右へという風に動くことができれば良いのですが……」

──空手時代も突きの選手だった?

「ハイ。僕は小さいので大きな選手に蹴っても、なかなか決まらないですし。でもMMAでは技のレパートリーが多い方が良いですし、そこに蹴りを加えるとパンチの精度も上がるかなとは考えています」

──当ててポイントというノンコンの蹴りと、ダメージを与えるためのMMAの蹴りは違ってきませんか。

「空手は当てないように蹴りますけど、見えていると当てないように蹴っている蹴りも避けられます。だから技が交錯した後での蹴りだとか、決まるわけで。そうやって考えると空手の蹴りもMMAの蹴りもそんなに大きな違いはないかと思います」

──デビュー戦後、2024年にはGLADIATORでタイトルを取る宣言していましたが……

「ハイ、その気持ちは変わっていないです」

──ただ2024年になって最初の試合はGRACHANになりました。

「本当は僕、8月のGRACHANでデビュー戦を戦う予定だったのですが、ケガで出られなくて。迷惑をかけたので、大阪大会やし……人としてGRACHANに出ないといけないです」

──そのような精神状況だと、対戦相手にフォーカスできないような状況にも陥りやすいかと。

「正直、試合に向けて今後のこととか全然考えていなくて。この試合に勝って、将来が大きく変化することはないですから。なのでデビュー戦の時と同じような気持ちで戦います」

──では徳弘拓馬戦、どのような試合を皆に見せたいですか。

「絶対にテイクダウンに来て、極めやパウンドを狙ってくると思います。テイクダウンされなかったら、されなかったでスタンドで戦う。まぁテイクダウンされる気はしないんですけど、下にされることもあると思うので前回と同じ轍を踏まないようにしたいです。グラウンドでも自分からアクションを起こしてスクランブルに持ち込み、スタンドで綺麗に倒せたら良いなって思うし。逆に上を取ってパウンドアウトも良いなって。

もっと遊び心のある──ここまでの2戦と違う、一発狙いではない面白い打撃を見せたいと思います」

──では最後に改めて2024年の目標は、どこに置いていますか。

「グラジのベルトを獲ることです。ベルトを獲るために倒さないといけない相手がテムーレン(アルギルマー※前バンタム級王者)なら、テムーレンと戦って。それが竹中(大地)選手だったとしても、ベルトを獲るために倒さないといけない相手なら倒します。そこに日本人とか外国人だっていうのは関係ないです。グラジでしっかりと勝ってベルトを獲らないと、次に進めないので。それにはベルトを獲って実績を積むこと。色々考えるよりも、そこやと思っています。今年中にグラジのベルトを巻きます」


■視聴方法(予定)
2月4日(日)
午後0時30分~ GRACHAN放送局

■ Grahan67計量結果

<Grachanバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]手塚基伸(61.2キロ)
[挑戦者]TSUNE(61.2キロ)

<Grachanフライ級選手権試合/5分3R>
[王者]松場貴志(56.7キロ)
[挑戦者]御代川敏志(56.7キロ)

<ライト級/5分2R+Ex1R>
林”RICE”陽太(70.1キロ)
大道翔貴(70.1キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
徳弘拓馬(61.4キロ)
南友之輔(62.3キロ → 再計量 62.1キロ)
※南が計量オーバー。徳弘が試合出場に合意し、試合では南にはイエローカード1枚が提示され、南が勝利した場合は試合結果がノーコンテストとなる

<フェザー級/5分2R+Ex1R>
八木匠(66.1キロ)
櫻庭泰裕(64.5キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
今村豊(61.2キロ)
堀之内蒼斗(61.2キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
有田一貴(61.6キロ)
秋田良隆(61.6キロ)

<バンタム級/5分2R+Ex1R>
村上晴紀(60.4キロ)
木下竜馬(61.3キロ)

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