RIZIN Landmark12 in KOBE
中島太一 vs 後藤丈治
試合の振り返り、萩原京平や宮川日向と共に過ごしたファイトキャンプについて、今後の展望など
カテゴリー: 宮川日向

【オープニングファイト第1試合 キック 女子51kg契約】
×みいちゃんレンジャージム(レンジャージム)
(判定0-3)
◯伊藤菜の花(VALIENTE)
1R、開始直後から伊藤のパンチが連続でヒット。左右の連打が顔面を捕えるとみいちゃんはダウン。立ち上がるとやはり伊藤のパンチの連打が止まらない。左ジャブに右ストレートが的確にヒットさせて攻勢のままラウンドを終えた。
2R、やはり伊藤の連打が止まらない。みいちゃんはダウンこそしないもののパンチを連続で被弾。手数の違いは圧倒的。伊藤はボディも打ち分けるなど攻め続けてラウンド終了。
3R、後がないみいちゃんはパンチを果敢に出すが伊藤は上手く捌くと左右の連打が止まらない。的確にパンチをヒットさせるとみいちゃんは鼻から出血。最後まで攻め手を緩めず試合終了。判定は伊藤に軍配。
【オープニングファイト第2試合 キック 63kg契約】
×元氣(楠誠会館)
(判定0-3)
◯林眞平(SOLARE)
開始直後から至近距離での激しい打ち合い。一進一退の攻防が続くが、次回が経つにつれて林のペース。2Rと3Rにパンチの交差からフックをヒットさせて2度のダウンを奪って試合終了。判定はもちろん林に軍配。
【オープニングファイト第3試合 MMA バンタム級(61kg)】
◯宮川日向(SMOKER GYM)
(1R TKO)
×MG眞介(reversal gym osaka anne)
1R、開始直後から近い距離でのスタンドの展開。宮川はリーチ差を活かしてパンチを当てる。さらに距離が詰まるとパンチの交差。流れから宮川の右フックがヒット。膝を突いてダウンした眞介を見てレフェリーが試合を止めた!
【オープニングファイト第4試合 キック 57kg契約】
◯赤平大治(VERTEX)
(判定3-0)
×翔磨(TEAM-ANOTHER)
1R、序盤から赤平が攻勢。積極的にパンチを出すと右ストレートがクリーンヒット。スローモーションのように翔磨はダウン。何とか立ち上がるか足元がおぼつかない。続行すると赤平は間合いを詰めて左右の連打。被弾した翔磨は2度目のダウン。これも立ち上がる。赤平は試合を決めるべく連打を振るうがタイムアップ。
2R、翔磨はダメージが回復したか落ち着いた試合運び。左の三日月蹴りを多用。これが赤平のボディを面白いようにエグる。赤平の動きが鈍ると翔磨はパンチもヒットさせる。ペースを握ったが三日月蹴りがローブローになって試合は中断。再開すると翔磨がまたも三日月を多用してラウンドを終えた。
3R、やはりプレスを掛けるのは翔磨。左の三日月蹴り、右のミドル、ボディを交えて果敢に手数を出す。赤平はカウンターでパンチを打ち返すが手数の差は圧倒的。翔磨はダウンを奪い返すべく最後まで手数を出し続けるが赤平はしっかりと逃げ切って試合終了。判定は1Rのダウンがモノを言って赤平に軍配。
【オープニングファイト第5試合 MMA 女子スーパーアトム級(49kg)】
◯NOEL(DELiGHTWORKS)
(2R 腕十字)
×海咲イルカ(リバーサルジム立川ALPHA)
1R、開始直後にNOELが胴タックルでケージに押し込む。だが海咲はケージを背にしてディフェンス。時間を掛けて身体が離れる。しかしNOELはすぐにタックルで組み付いてついにテイクダウン。NOELは強引に腕を狙うが海咲は腕を抜いて上になる。猪木アリ状態からパウンドを狙うがNOELは脚を利かせてカードを固めてラウンドを終えた。
2R、序盤はスタンドのボクシング勝負。NOELのパンチが的確にヒット。さらに胴タックルで組み付くと差し合い。NOELが投げを打つと海咲も切り返す。瀬戸際で上になったのはNOEL。マウントを取ると腕十字!これが極まると海咲はタップ!NOELが一本勝ち!
【第1試合 キック 51kg契約】
○KING陸斗(ROYAL KINGS)
(1R KO)
×水野夢斗(TEAM TEPPEN)
1R、18歳同士のスピーディーな立ち上がり。陸斗が果敢に前に出ると超アグレッシブにパンチを出す。連打が止まらない。右ストレートをヒットさせると水野はダウン。何とか立ち上がると陸斗は間合いを詰めて連打。最後は膝蹴りで2度目のダウンを奪う。これも立ち上がった水野。陸斗はすぐに前に出てパンチを当てる。背中を見せて逃げる水野を追いかけて押し倒すようにパンチでダウンを奪うとここで試合終了!
【第2試合 MMA フライ級(57kg)】
○トニー・ララミー(カナダ/マキシマム・トレーニングセンター)
(判定3-0)
×山内渉(FIGHT FARM)
山内が公式計量を0.3kgオーバー。イエローカード1枚(20%)減点で試合を開始。山内が勝つか引き分けの場合はノーコンテストとなる。
1R、ララミーが前に出るが山内はサークリングで距離を取る。なかなか距離が詰まらないとララミーはタックルでテイクダウンに成功。立ち上がる山内に組み付いて捕獲するとケージに押し込んでコントロール。この流れが終了まで続いてラウンドを終えた。
2R、開始直後のスタンドの展開。互いに激しく打ち合うがララミーが再びタックルでテイクダウンに成功。立ち上がった山内は足を掛けて逆にテイクダウンを狙うが上になったのはララミー。ポジショニングで優位に立つ。終盤にはマウントを取ってパウンドを放ってラウンド終了。
3R、パンチを振るって前に出る山内に対してララミーはカウンターのタックルでテイクダウンに成功。立ち上がりかけてもララミーはしっかりと組み付いて山内を完封。残り1分でスタンドに戻ったがララミーはすかさずタックルでテイクダウン。パウンドと膝で削って試合終了。判定はもちろんララミー。山内はいいところなく敗れた。
【写真】練習に関しては不真面目風で、真面目な鹿志村 (C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に開催が迫ってきた、RIZIN LANDMARK12。神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催される同大会では6月のRIZIN LANDMARK11=札幌大会に引き続き、鹿志村仁之介が出場し安井飛馬と対戦する。
Text by Manabu Takashima
RIZIN初陣では後藤丈治に後れを取った鹿志村は、9月のDEEP仁で中国のマジシャンに勝利し再度RIZINのケージに足を踏み入れる。柔術、極めの強さは絶対の鹿志村の課題は、MMAにその極め力をいかに落とし込むことだった。
当然、打撃の強化が必要になってくるなかで、柔道出身の安井と戦うことが決まった。キャリア的にはリスキーな相手との対戦に、「勝って自分をアップするための試合」と鹿志村は自信を口にした。
インタビューを通し、自信は鹿志村のMMA観が固まってきたからこそ得られるように感じられた。
根がそんなに真面目じゃないですし。練習の合間とかでも、別に自分を偽って『一生懸命です』って感じで無理はしたくない
――次戦まで1週間、もう最終の体重調整の段階に入っている感じでしょうか(※取材は26日に行われた)。
「明日まで普通にやる感じですね。明日までやって、水曜日ぐらいから抜いていこうかなと」
――先日、松嶋こよみ選手の取材でBattle Boxを訪れた際、鹿志村選手も打撃練習の日で。なかなか痛みに耐えるスパーになっていました。
「いやぁ、いつもあんな感じですよ(笑)。やられていますけど、アレはアレで必要な練習で。週に1回ぐらいは、ああいう目に合うのも(笑)。打撃だけで、あの動きを見ることができるようになりたいし、そうなれば組めるMMAになると全く話は違ってくるようになるので。そこをどういう風に考えて、打撃のスパーリングをするのか。僕は組みがあることをイメージして、受けているので」
――とはいえ練習中に悔しさを見せるとか、そういう風でなく『無理ィ』とかいって背中を見せてしまうのが面白かったです。
「アハハハハ。クソってなって前に出ても、余計やられるだけじゃないですか。そんなことで試合前にダメージを負ってもしょうがない。なら、流すことも大切で。こよみさんも、試合モードだしMMAグローブで危ないスパーリングは試合前にすべきじゃないですよ」
――確かにその通りです。しかも次戦に向けての対策練習でもないわけですし。
「そうですね。でも相手によって練習をガラリと変えることはないです。火曜日はいつも、ああいうやられる練習をしています(笑)」
――とはいえ良太郎トレーナーは鹿志村選手の打撃の成長を褒めていました。その辺り、打撃の進歩に関して自信を得ているということは?
「打撃だけにフォーカスして、打撃だけの練習という部分ではかなり良くなっているとは思います。それをMMAのなかでどう出すのか。そこの組みたてを常に意識しています」
――鹿志村選手は、そういう真剣な部分を過去の取材でもだしていなくて……。練習中も体を動かしていない時は、凄くメローだけと斜めからの自己表現をするというか。
「まぁ、練習に関しては真面目に取り組んでいますよ(笑)。でも根がそんなに真面目じゃないですし。練習の合間とかでも、別に自分を偽って『一生懸命です』って感じで無理はしたくないです。開き直るのとは違うけど、楽にいければ一番良いと思っています。自己表現……自己表現といわれると、それが僕のやり方なのかと」
――ところで前回のDEEPの試合前に「DEEPはDEEP。RIZINはRIZIN」と言っていましたが、では今回のRIZIN再出場は、どのような意識を持って挑むのでしょうか。
「ぶっちゃけ、変わらなくなってきましたね(笑)。RIZINだって意識したのは、初戦だけだったんだと気づきました。あの時はずっと見てきた舞台で戦うということで、色々な感情があって。RIZINを大きく見て、特別仕様のような感じになってしまっていました。結果、それがダメで。いつものように変わらずに戦おうと今回は思っています。
9月のDEEPでマジシャンに勝てたから、連勝狙いという気持ちで戦えるし。やっぱり、負けた後って負けられない意識が凄くあるんで。今の気持ちで入っていければ、良い状態で試合ができるはずです」
MMA選手が柔道を知らなさすぎるが故に、あのレベルの投げ技や寝技を食らってしまう
――対戦相手の安井選手も、まだRIZINレギュラーではない。いわばトライアウト中というか、鹿志村選手と同じポジションにいる選手かと。
「4勝0敗で、格上に立ち向かうという感じでもない。自分にとってはリスキーかもしれないけど、それもあんまり思わないし。勝手な理解だけど、僕のために組まれた試合だと思っています。
世間的に認知はされていて、無敗。でも、それほど実力があるわけじゃない。柔道ベースという部分でも、同じといえば同じで。俺を勝たせて、アップさせてくれるのって思っていますね」
――4勝0敗のなかで、鈴木博昭選手に勝っている。そこは注視すべきではないかと。
「柔道を大学までやっていた人のフィジカルとか、寝技の能力って他のMMA選手とは全く別物なんです。柔道独特のモノがあって。怪物君もそうですが、そういう相手にやられる時は、あのパターンです。下手な柔道技を食らって、トップをキープされる。
MMA選手が柔道を知らなさすぎるが故に、あのレベルの投げ技や寝技を食らってしまう。僕も柔道はやってきたので、それが分かるんですよ。想定内です。ビックリするような投げ技じゃない。でもあの程度の払い腰や巻き込み系の首投げ的な技を、柔道をやってきてない人はビックリして対処できない。それがハマったのが、怪物君との試合でした。たまたま打撃を凌げる形になって。
道着があるような組み方をしていても、通用しちゃっていたじゃないですか。怪物君がやってきたグラップリングは、ああいう投げ技はない。レスリングから始まって、壁に押し込まれるという練習をしてきたはずです。
しかもボンサイだから、柔術系で。だから寝技では極めさせないし、足も効かせることができてスクランブルには持ち込める。でも僕には、あの柔道は分かるので」
教えてもらったモノを自分の技にするには試す場所が必要
――鹿志村選手から見て、安井選手の寝技の精度は?
「高くはないです。全然高くない。ホント、白帯レベル」
――JTTで竹浦正起選手にグラップリングや柔術の指導を受けていると、そこはこの数カ月でも柔道のフィジカルと融合して強化されている可能性はないでしょうか。
「間に合わないんじゃないですか。グラップリングの強度がどこまで高いか分からないけど、教えてもらったモノを自分の技にするには試す場所が必要です。そういう練習相手がいるのかなって。相手のレベルが低いと、習った技をそのまま使えますけど。それを凌がれた時、次に何をするのか。次の手、その次の手、その次の次の手を考える必要がある練習ができているのか」
――そこが鹿志村選手との違いということでしょうか。
「ハイ。僕、やっていますから。ロータス世田谷に週に2度、3度と行っていて。そこに加えてイゴール(タナベ)のような柔術ベースの人達とも多く練習しているので。練習相手のレベルが、彼とは違うと思います。何より、ベースとして僕は寝技を10年はやっているので。柔道をやってきて、グラップリングに転向して2、3年ってヤツに俺とグラップリングの勝負ができるのかっていうと、『それは違うんじゃないの?』って思いますけどね。でも、彼は自信があるみたいで」
――組まずに突き放して、打撃でダメージポイントを取るとう策もあるかもしれないです。そうなると、組み技に持ち込むことは難しくなるかもしれないです。
「う~ん、付き合ってくれないなら、追い込むし。付き合ってくれるなら、その場で勝負をする。あんまり向うが何をしてくるのかは考えていないですね。後藤(丈治)選手と戦った時は、切られた時や打撃で詰められた時を考えていましたけど。今回の相手は、そんなに警戒するポイントが浮かばない。なら、これまで通りやる方が自分のMMAの精度が上がると思ってやってきました」
誰と戦っても初回で仕留める。そういう気持ちで入ります
――では、安井選手を相手にどのようなMMAを見せたいと思っていますか。
「ドーンとテイクダウンして、バッとバックを取って。バチっとバックチョークを極める」
――擬音語ばかりじゃないですか(笑)。
「アハハハハ。それしか考えていないですね。まぁ下にはなりたくないですけど、下になったら下になったでやりようがある。やっぱりピュア柔術、ピュア・グラップリングの練習をしないといけない。
それは週2、週3はやっています。後藤戦前はMMAグラップリングと立ち技だけ練習していて。そういう準備をしていると、下になった時に立つという選択しかなくて。変な形やタイミングでも立とうとしていました。練習で、そういう動きの癖がついちゃっていて。
下になったらなったで三角絞め、オモプラッタ、足関節を狙う。そこで柔術の怖さを相手に与えないと、MMAグラップリングが活きなくなってしまう。そういう意識を持つようになりました。やっぱりベースにあるモノに対して、実戦で自信を失うと何で勝負をすれば良いか分からなくなるので。
そうならないためにも、自分のルーツである柔術を大切にしないといけない。そこがあるから、トップで攻めることができるので」
――斜めからでない、良い話をありがとうございます(笑)。
「ハハハハハ。これを良い話にするために、勝たないと。勝って良い話だったとできるようにします。本当に勝つだけ。勝ち以外は、全部意味がない。良いスクランブルをしようと、負けは負け。MMAというスポーツは勝たない日の目を見ない。
だから勝ちに拘ります。相手のことを舐めてはいないし。相手がどうこうでなく、誰と戦っても初回で仕留める。そういう気持ちで入ります」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【写真】聖人を思わせるルックスのケラモフだ (C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12で、松嶋こよみと対戦するヴガール・ケラモフ。
Text by Takumi Nakamura
元フェザー級チャンピオンは昨年大晦日のライト級王座挑戦後、再びフェザー級の頂点返り咲きを狙い、7月に木村柊也に勝利。続いて非RIZIN日本人ファイタートップといえる松嶋と戦うことに。
国内では実力者として名が通ってきた松嶋に対し、ケラモフは「中庸なファイター」と言い切った。
キムラと戦った時は鼻を負傷していた。次の試合は、全く別のゲームプランがある。あの時とは違う戦いを見せるよ
――深夜零時、このような遅い時間にインタビューを受けていただきありがとうございます(※取材は日本時間、31日に午前0時から行われた)。
「いや、これから空港に向かうのでまだアゼルバイジャンにいるんだ。ほんと、すぐに家を出ないといけない」
――それは……なおさらありがとうございます。では日本に向かう直前ですが、ここまでの仕上がり具合はいかがでしょうか。
「しっかりと準備をすることができている。今、体重を落としているけど状態は凄く良い。この試合に勝つのは僕だよ」
――前回の木村柊也戦の勝利は、インフルエンザで調整不足という状態で組みに徹して得ることができました。ストライカーの木村選手が相手だったから故の選択だったのでしょうか。それともヴガールのファイティングスタイル自体に変化が生じているのでしょうか。
「キムラと戦った時は鼻を負傷していた。だから、少しでも早く試合を終わらせたくて、グラップリングで戦う選択をしたんだよ。次の試合は、全く別のゲームプランがある。あの時とは違う戦いを見せるよ」
マツシマはディフェンシブなファイターだ
――では対戦相手、松嶋選手の印象を教えてもらえますか。
「ごくごくスタンダードのファイターで、何かシリアスに考えないといけないところはまるでない。問題なく、倒すことができるだろう」
――松嶋選手は22戦のキャリアのなかでONEでは世界戦、Road to UFCなどで戦ってきており、日本のフェザー級ではトップの力を持つとされていますが、その彼のキャリアをもってしても中庸なファイターだと。
「確かにそういう意味では経験豊かなファイターだろう。ただし、自分の方がより経験を積んでいる。彼の試合映像もチェックしたし、どのように戦えば良いかは分かっている。そして、僕の方が優秀であることも確信している。
マツシマはディフェンシブなファイターだ。けれども弱点は見えている。僕は中庸なファイターじゃないからね。マツシマはスタミナがない。そんな相手だから、グラップリングでも打撃でも……あらゆる局面で自分の方が上回っている。どのような試合展開になっても、彼より自分の方が強く戦うことができる」
――自信満々ですね。
「今回の試合に限らず、どの試合でも自信を持って戦っているよ。自信があるから、試合に勝つことができるんだ。日本のファンは華麗で、豪快な勝利を楽しみにしてほしい」
――ところでRIZINフェザー級では王者ラジャブアリ・シェイドゥラエフが、ビクター・コレスニックの挑戦を受けました。日本でキルギス人王者とロシア人挑戦者という図式のタイトル戦が組まれたことをどのように捉えていますか。
「自分の狙いは今もRIZINフェザー級王座だ。だから、そういう流れがあることは良いことだと思っている。とはいっても王座挑戦権を得るのは、一番強いこと。それが絶対だ」
――ウガール、日本に向かう直前の慌ただしいなかインタビューを受けていただきありがとうございました。では最後に日本のファンに一言お願いできますか。
「皆にまた会えることをうれしく思っている。自分がベストであることを証明できる最高の戦いをする」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【RIZIN LANDMARK12】2年半ぶりのRIZIN=ズマガジー戦、雑賀“ヤン坊”達也「リスペクトしてぶっ飛ばす」
【写真】らしさが出るのは、間違いない。だからこそ、結果を残したい(C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12。同大会にはライト級キング・オブ・パンクラス=雑賀“ヤン坊”達也がヌルハン・ズマガジーと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
約2年半ぶりのRIZIN出場となるヤン坊は、この間にRoad to UFCワンマッチ出場を経験するなど海外&世界の頂点を視野に入れて戦ってきた。しかし交渉の難しさと不確定さは、試合間隔が空くという彼が一番嫌う事態を引き起こす。
35歳、諦められない気持ちと国内最高峰で戦うという選択の間で、心がブレる。ブレがあることで精神の安定を保つことができるというヤン坊は、応援してくれる人達の想い、パンクラスの看板を背負い――、RIZINで3度目の正直を目指す。
練習もしてないことで勝ったので、『俺、どこでも勝てるじゃん』って
──約2年半ぶりのRIZIN出場が決まりました。試合まで2カ月(※取材は9月5日の会見後に行われた)、随分と体が大きく見えます。
「今、85キロほどありますね。筋量がついたのと、ちょっとムチっとしています(笑)」
――そこから70キロまで減量ですか。
「もう今月で35歳になっちゃうんですけど、ちょっと体重を落とすのが辛くなってきました(笑)」
――ヤン坊選手が35歳!! 4月に21歳の天弥選手を相手に、ヒザ蹴りで逆転KO勝ち。正直、業界の空気はRoad to UFCベテランを新鋭が超えて突っ走る様を期待されていた感もある試合でした。
「そう思われていたんだろうなって(笑)。でも厳しい練習を積んでいたので、その成果が出た試合でした。僕は考えすぎるとダメなんだと、あの試合を通して確認できました。やっぱり考えすぎると、試合が上手くいかない場合は疲れてしまいます。
でも、それと真逆で4月の試合は自分の人生をぶつけたような感じでした。あそこで若くて上り調子の相手にKO負けするようなら、俺のキャリアも終わりだというプレッシャーも凄かったです。そのなかで初回に一発貰って。あの時は『うわぁ、やべぇ』となりましたね」
――そこを立て直すことができたのは?
「経験ですかね。これまでの経験に救われました。あそこを凌いで、天弥選手の方が焦り始めて。実は2Rは、彼のパンチが本当に速くて『避けることは無理』って、覚悟を決めて戦っていました。それこそ相手陣営だったのですが、大沢ケンジさんの『見えていれば効かない』の逆で、見えないんですよ」
――そこで貰う覚悟で、立ち合うと。それはヤン坊選手の質量に変化が出るかと思います。攻め力、威力が変わるかと。
「ハイ。もう、そこはメンタルです。とにかくパンチが見えないので(笑)」
――見えないパンチをもらう覚悟。それができるのは、生来持つ気持ちの強さではないでしょうか。
「もう見えないからしょうがないですよね。アハハハハ。でも基本はオデコで受けるようにしていました。別の箇所に当たることもあるのですが、クリーンヒットは余りなかったです。それでも、効くことは効きます(笑)。だからこそ、覚悟が決まっていないと怯んでしまいます」
――その気迫で、天弥選手の勢いが落ちたのでしょうか。
「そうですね。僕自身、Road to UFCのキ・ウォンビン戦で、いくら殴っても倒れない。すると気持ちというか、どんどん疲れてしまって。あの時の自分と同じなのか。気持ちでなく、疲れてきたという風に僕は考えていました。
組んできたときに『間違いない』と確信できました。ああなった時には『もらった』となりましたね」
――最後は見事なヒザ蹴りでした。
「アレは未だに、なぜ出たのか分かっていないです。全くヒザの練習もしていなかったので。ヒザなんて、危なくてできないじゃないですか(笑)。あの打ち合いのなかで、なぜか首を持っていて、『あッ、ヒザ』ってなったんです。当たった感触もなかったですけど、今もヒザに天弥選手の歯形が残っています」
――その歯をぶっ飛ばしたわけですから。
「でも、自分も化膿しちゃいましたね。狙ったわけじゃないので、予備動作もなかった。だから、あそこまで当たったのかと思います」
――無意識下の意識、普段やり続けて慣習化していることを意識せずに出す。それは練習で落とし込み続けてきたからこそ、可能になるわけで。練習をしていなかったヒザ蹴りが、出て決まるものなのですね。
「ボディはやっていても、顔にヒザって絶対に練習ではできないじゃないですか。だから不思議ですよね(笑)。『練習で見たことない』って長岡(弘樹DOBUITA代表)さんも言っていました(笑)。普通、練習してきたことを出して勝とうとするわけじゃないですか。でも、練習もしてないことで勝ったので、『俺、どこでも勝てるじゃん』って凄く自信になりました」
――では、ベルトを防衛した後のキャリアはどのように考えていたのでしょうか。
「今後を考えた時、とにかく僕は戦っていないと嫌なんですよ。そこでいうと海外は待つ期間が長くなる可能性が高い。それこそ2年前に海外の話があって、でも全然決まらなかった。結局、8カ月後にパンクラスで試合をしたのですが、あの間は本当に憂欝で、なんのために練習しているんだろうって。練習をするのは当たり前だけど、そこに試合という起爆材になるモノがないと虚しくなってくるんです。
物凄いストレスで。あの経験は、もう2度と繰り返したくない。それに応援してくださるスポンサーの方たちも『RIZINで戦う姿が見たい』と言ってくれて。自分も、そうやって支えてくださる人たちに恩返しをしていかないといけないと思うようになりました。
もちろん、チャンスがあれば海外も飛びつきたいです。ただ、自分もカウントダウンが始まっているので」
2年半前とはフィジカルも違うし、根性も違う
――海外もそうですが、ヤン坊選手としてはRIZINでやり残したこともあるかと。
「本当にそうです。やり残したというか、何一つ残せていない。それにココで勝てないのに、そっちに行って勝てんのかよと。Road to UFCでは日本人選手を無双しても、玄関で躓くような試合をしちゃって。心残りはそれこそ海外にもあるので、今回の試合が決まるまで結構悩みました」
――RIZINで勝ちあがるには、このルールで定期的に試合をして、しっかりと集中することも大切ではないかと。
「とりあえず、ココで勝たないと。それが今の気持ちです。海外でも日本のトップはRIZINだと認識されていて。でも、ソコで勝っていないヤツをどう使うんだって。自分自身、日本でやり残したことはRIZINで勝つことなんで」
――つまりは今もまだUFCが頭にあるということですか。
「う~ん、こないだコンテンダーシリーズで36歳の選手が契約をしたじゃないですか。ファイトスタイルが好きだとダナ・ホワイトが言って……。あれがあるから……。人がどれだけ悩んでいたのか、知ってんのかって……」
――あれは厳しいですね。ファイトスタイルは好きだけど、年齢でアウトだと言ってくれた方が……。
「スッキリしますね。僕もあと2、3年は頑張れると思うので、その間にチャンスがあればって……。ブレブレですけどね。でも、ブレてないと身がもたないんです。アハハハハ」
――では今回、色々と悩みながらも選んだRIZINでのファイト。この先に何を見ていますか。
「それはもちろん、名前のある選手と戦うことです。ぶっちゃけて今回もそうでした。ただXでヌルハン・ズマガジーが来日するみたいなことを見た時に、『あぁ、コイツとやることになりそうだ』と思いました(笑)。やっぱり僕って、扱いづらいところがあるんだろうなって自分でも思っていたので。
結果、ヌルハン・ズマガジー戦のオファーがきて、当然『やります』と答えました。前回のRIZINでは、アリ・アブドゥルカリコフにKO負けして。きっと、ヌルハン・ズマガジーも強い。なら、ちょうど良いやと思いました(笑)」
――やはりアリ・アブドゥルカリコフの右を払拭しないといけない?
「そうですね。アブドゥルカリコフのパンチ力は凄まじかったです。本当に石で殴られたような感じで。ヌルハン・ズマガジーもきっとそうです。サウスポーで、あの左は絶対に強い。距離とタイミングを測る選手なので、(井上)直樹に色々とアドバイスを貰っています」
――距離を取るのか、乱打戦なのか。
「距離を詰めることができれば乱打戦、それはもう性格なので。距離を取れている時は、綺麗に戦います。僕も2年半前とはフィジカルも違うし、根性も違う。パンクラスのベルトを持っているので、負けるわけにはいかないです。負けるわけにいかないのは、毎試合そうなんですけど、今回は背負っているモノがあるので。
だから集大成じゃないけど、これまでの経験とか全てぶつけます。いうと、やっとRIZINという舞台に戻ってくることができたので。そういう気持ち、応援してくれる人達の想い、パンクラスの看板、背負っているものが多いだけ感謝の気持ちをファイトで見せたいです。感謝の気持ちを持って、相手のことをリスペクトしてぶっ飛ばします」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【写真】フライ級GPも大晦日の決勝を残すのみ。敗れた者たちは、すでに次を目指して動き始めている(C)RIZIN FF
9月28日(日)、愛知県名古屋市北区のIGアリーナでRIZIN51が開催された。当日はフライ級GP準決勝の2試合が行われたほか、リザーブマッチとして伊藤裕樹が山本アーセンと対戦し、判定負けを喫している。
Text by Shojiro Kameike
7月の1回戦ではエンカジムーロ・ズールーを下した伊藤だが、準決勝進出者を決める総選挙の結果により、リザーブマッチへ回ることに。勝者でありながらトーナメントを勝ち進むことができなかった伊藤の前に、リザーブマッチの相手として立ちふさがったのは、2023年5月に一度敗れているアーセンだった。
結果は伊藤の判定負け。初戦と同様、アーセンのレスリング力に屈した内容となった。試合後の会見で伊藤は落ち込み具合が強く、記者の質問に対しても言葉は少ない。ただ、1点だけ――伊藤がアーセンとの練習を示唆すると、アーセンも「戦友だから」とウェルカムの姿勢であった。ここから新しい動きが始まるのか。そんな伊藤にフライ級GPの振り返りと今後について訊いた(※取材は10月16日に行われた)。
ここでまたアーセンと対戦したというのは、もう一つさらにレベルアップする段階なんだろうなって思います
――頬やアゴのあたり、少しふっくらしましたね。
「ふっくらしました(笑)。これでも痩せたほうなんですよ」
――えっ、そうなのですか。
「今は72キロくらいで、酷い時は77キロまで増えていました。普段は70キロなんですけど……試合後、バカ食いしちゃいました。まぁ、ヤケ食いですね。アハハハ」
――アーセン戦後の会見では、神龍誠選手に敗れた時よりも落ち込んでいる印象を受けました。記者の質問に対して、ほぼ何も答えることができずに。
「まぁ、そうですね。自分が今までやってきたことは何だったのかな、と思うぐらいで。再戦なのに前回と同じような試合になってしまったので結構……、……会見の時は何も言えなかったです」
――試合内容については初戦と比較して、差が縮まっていたのか、それとも広がっていたのか。どのように感じていますか。
「縮まってもいないし、広がってもいないという感じでしたね。平行線上というか――お互い同じぐらいレベルアップしていたから、初戦と同じような展開になってしまって。
自分はテイクダウンに対する反応が上がっているけど、反応しても相手にまとめられてしまう。たとえばスプロールしてワキをすくいに行っても、逆に四つで両差しになって、自分の腕を束ねられたりする。うまくコントロールされてしまいました」
――伊藤選手にとってはアーセン選手が、そしてアーセン選手も伊藤選手が何をやりたいのは分かったうえで再戦に臨んでいる。そこで伊藤選手がアーセン選手のレスリング力を防ぎきれない。さらに言えば、MMAの実績では明らかに伊藤選手が上回っている。特にトニー・ララミーとズールーにあの勝ち方ができる伊藤選手が、アーセン選手のレスリング力に屈してしまう。それがMMAの面白さであり、怖さでもあるかと思います。
「それがね、まさにMMAって感じがしますよ。自分も反応できるようになったからこそ、そこで封じ込められてしまったので無力感があったというか。触られるまでは大丈夫なんです。でも触られてからのプレッシャーの掛け方がアーセンの良さで。そこで自分は捌ききれなかった。捌くための練習をしていたのに、その成果をうまく出せませんでしたね」
――組みの展開で聞きたい点が2つあります。まずテイクダウンされながらもスクランブルに持ち込む展開は、初戦よりも明らかに向上していたように見えました。ただ2R、伊藤選手がスクランブルからバックに回った時、離れてスタンドに戻るという選択肢はなかったのですか。
「バックに回ってから、そのまま足を入れてバックをキープしたかったんですよね。あの状態からスタンドに戻っても、ポジション的に自分のほうが悪くなってしまうので。サイドバックぐらいまで行っていれば、そこから立ち上がることもあったかもしれないです。結局は足が入らずに前へ落とされちゃって。あの展開は本当にもったいなかったです」
――伊藤選手がやりたい展開に対して、アーセン選手のほうが先回りしていましたか。
「というよりも正直、自分が『もっとやらなアカン、もっとやらなアカン』と焦っていましたよね」
――もう一つは3R開始直後、アーセン選手が組んできたところを差し返し、自分からコーナーに押し込んでいきました。あの場面では組みで勝負したかったのでしょうか。
「いえ、押し込んでから離して打撃で行くつもりでした。でも離そうとした瞬間、倒されそうな感じがあって、自分が剥がし切れなかったですね。無理に剥がそうとすると、そこからテイクダウンを狙ってきたりもしますし。理想としては、あの場面では完璧に剥がして打撃に持っていきたかったです」
――それだけコーナー際で、レスリングの駆け引きが行われていたのですね。
「そうですね。肩の入れ方で有利、不利が変わっちゃいますし」
――結果論とはいえ、この試合内容を「相性」という言葉で片づけてよいものなのかどうか。いろんな意味で……マッチメイクの面でいえば、「なぜここで神龍なのか」「なぜここでアーセンなのか」というタイミングで組まれてしまう。もちろんトップを目指すファイターであれば、誰が対戦相手でも勝たなければいけない。ただ、それでもここで一番苦手なタイプが来るかと。
「アハハハ、まぁまぁ――うん。タイプというか、『ここでアーセンが来るのか』って気持ちはありましたね」
――そのアーセン選手との再戦で、自身の中にあるレスリングの壁を越えることができなかった。伊藤選手とすれば、この内容と結果をどのように消化するのか。
「……、……感情は結構グチャグチャになりましたよ。選挙があって、リザーバーになって対戦相手は誰になるか分からない。それがアーセンになる……、……どう言えばいいのか難しいですよね」
――難しいとは思います。神龍戦から含めて今回のフライ級GPで、最もシンドイことをしてきたのが伊藤選手ですから。
「アハハハ、どうなんですかね。でも自分に起こることは、全て自分の責任だと考えていますから。その道を選択したのも自分だし、この試合をするって決めたのも自分であって。だからその部分に対して、自分がどうこう言うことはないです。
ただ、アーセンと最初に試合をした時も――RIZINで初めて負けた相手がアーセンで、そこからまた自分が強くなるための段階を上がってきました。ここでまたアーセンと対戦したというのは、もう一つさらにレベルアップする段階なんだろうなって思います。このままだとトップに通用しないことも分かっているし、もう一段階何か自分の中で新しいことを考えていくべき時期なんでしょうね」
自分に足りないものを徹底的に強化したいですね。もしかしたらファイトスタイルも変わるかもしれないです
――なるほど。自身が敗れたあとに行われたフライ級GP準決勝の2試合は、直視できましたか。
「視てはいました。そんなに頭には入ってこなかったけど……」
――では準決勝戦の感想を教えてください。
「扇久保さんとガジャマトフは、こうなるだろうなっていうイメージどおりの試合でした。
元谷さんと神龍の試合は当日のベストバウトかなって思います。元谷さんも前日計量はフラフラの状態でクリアして、神龍はコンディションも良さそうでした。だから『これは神龍が元谷さんを喰っちゃうのかな』と思っていたら、やっぱり元谷さんの試合の組み立てが巧くて。ポイントの取り方、1Rから3Rまでのギアの上がり方とか、経験を積んだMMAというものを見せてくれましたよね」
――それらの試合を視ながら、「もしも自分が準決勝に出ていたら……」という想いには駆られなかったですか。
「その時はそんな気持ちで見ることはできなかったけど、今は『ガジャマトフと戦ったら、どうなっていたんだろう』とか考えたりはします」
――試合から数日経って、そう考えることができるようになった。気持ちもスッキリしたためか、食べるだけ食べて肌ツヤもスッキリした気はします。
「最近はビタミンも摂るようにしているので(笑)」
――アハハハ、大切なことです。
「今は来年に向けて一旦リセットして、また次の目標に向かって頑張ろうという気持ちです。だから来年の試合に向けてのプランは考えているような感じですね」
――来年、ですか。多くのファイターは同じ状況であれば、大晦日に復帰したいと考えるでしょう。
「もしオファーが来たら、その時に考えますけど――自分の中では、こんな状態で試合をしてもファンの皆さんに申し訳ないと思っています。ちゃんと強くなった状態で復帰するのが一番なのかな、って。そのほうがファンの皆さんも楽しみにしてくれると思うし。今年はもう4試合やったから、ちょっと休ませてください(苦笑)」
――そんななか試合後に「アーセンのところへ練習に行ったほうが良いかな」という発言があり、アーセン選手もウェルカムの姿勢を示していました。
「はい。もうアーセンとは連絡を取っています。彼とは戦友で、僕に足りないものをアーセンは持っているので、そういうのも教えてもらいたいっていう気持ちはありますね。あとはタイミング次第です」
――神龍選手もATTで練習することが決まり、新たに動き出しています。
「そうですね。個々の目標に向かって」
――最後に一つ訊かせてください。大晦日のGP決勝は、どうなると予想していますか。
「いや、それがもう本当に分からないです。これはムズいっすよ(苦笑)」
――そこを何とか……。
「……6:4ですね。『扇久保さん、やっぱり強いよな』という展開になるのが6。4は『元谷さん、このパンチを効かせるのヤバイ!』という感じで勝つ、というぐらいで。いやぁ、予想はムズいっす。この2人の試合なら、5分5Rで見たいぐらいで。
あくまで欲を言えば、ではありますけど。でもそれが扇久保さんと元谷さん――世界に通じるレベルのファイターということでしょうし」
――予想ありがとうございます。では改めて、伊藤選手の2026年の抱負をお願いします。
「一旦リセットして、自分に足りないものを徹底的に強化したいですね。もしかしたらファイトスタイルも変わるかもしれないです」
――えっ!? レスリングスタイルの伊藤選手も見てみたいです。しかしストライカーのほうが注目されやすいなか、ファイトスタイルを変えることは怖くはないですか。
「僕の中では自分を応援してくれる人たちに、負ける姿を見せるほうが嫌なんですよ。やっぱり僕が負けることで悲しんだり、『元気がなくなった』とかってコメントを見たりもするし。そうなるぐらいなら、今は勝ちたい気持ちのほうが強いので。スタイルチェンジがどうなるか分からないけど、また新しい僕の中に面白さを見つけてくれたら嬉しいです」
■RIZIN LANDMARK12 視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12 対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【写真】後藤とRIZINバンタム級戦線に対して――は、アグレッシブな発言が聞かれた中島だ (C)TAKUMI NAKAMURA
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12にて、中島太一が後藤丈治と対戦する。
Text by Takumi Nakamura
2025年の中島が好調だ。約1年ぶりのMMAとなったDEEP4月大会でのハルク大城戦ではジャブと右カーフでダメージを蓄積させ、大城の左脛裂傷によるTKO勝利。6月のRIZIN札幌大会ではCOROを左フックからのパウンドで沈めた。
今大会で中島は同じ札幌大会で勝利し、連勝中の後藤と対戦。タイトル戦線への浮上を目論むライバルでもある後藤に対し、中島は「僕と後藤選手は今まで戦ってきた相手もくぐってきた修羅場も違う。歴史の差を見せる」と語る。
綺麗に戦うことがあまり意味ないなと思い始めて
──今年はハルク大城戦、CORO戦と2連勝中です。ご自身ではこの2試合を振り返っていかがですか。
「連勝とかそういうことは全く意識していないんですけど、ここ2試合ちゃんとフィニッシュできているのは、RIZINに来てから倒すイメージを持って練習していることが大きいと思います」
──それは自分の中の意識を変えたのか、それとも練習方法そのものを変えたのですか。
「意識を変えると行動も変わると言うじゃないですか。そういう感じで意識を変えて、こういう練習をした方がいい、もっとこうした方がいいと思って、ドンドンドンドン練習も変えていった感じですね。すごく単純なことなんですけど、サンドバッグでも倒すイメージで思いっきり打ち込むとか、相手の顎を打ちぬくイメージで殴るとか、カーフキックだったら相手をイメージして1発で倒すイメージを持って蹴るとか、本当に意識の問題ですね。でもそこの意識を変えて、よりそれがスパーリングや試合に活きるようになった感じです」
──倒す殺気を持つというか、意識を変えただけでも戦い方が変わったわけですね。
「変わりましたし、今までの自分は綺麗に戦うことを目指していたんですよ。それだと相手に怖さを与えられないのですが、倒そうとしすぎると自分のスタイルと上手く噛み合わないなと思っていて。でもMMA、格闘技はそこが本当に大事な部分だと実感していて、自分もそこを磨いていく必要があると思うようになりました」
──中島選手は昨年4月にキム・スーチョルにKO負けしていて、まさにあの試合はスーチョルの勢いや倒す気迫が中島選手のテクニックやスキルを上回っていたように思いました。中島選手もそういったものは感じましたか。
「少なからずあったと思います。自分は練習でのテクニックではあまり負けないと思うんですけど、試合になるとああやって上手くないけど突っ込んで当てる方が勝つことがある。試合はそれが大事だし、綺麗に戦うことがあまり意味ないなと思い始めていて、それで自分の戦い方も変わってきていますね」
──ハルク戦はジャブでハルク選手の目尻を切り裂いたり、ワンツーでぐらつかせたりする場面もありましたが、あれも一発一発を効かせるつもりで打ったのですか。
「そうですね。あの試合は相性も良かったですし、僕が組んでいけばもっと圧倒できたと思うんですけど、そこに行く前に仕留められた感じですね」
──続くCORO戦は左フックからのKO勝ちでしたが、あの試合のフィニッシュは倒すつもりで打ったパンチだったのですか。
「実はあれはたまたまなんですよ。というのも試合前に青木(真也)さんと散々勝負に行くぞと話をしていたのに、実際に試合が始まると下がるという(笑)。結果的にCORO選手が出て来てくれたから得意のカウンターが当てられたというだけで。勝ち方は良かったかもしれないですが、別にあれがやりたかったってわけじゃないので、結果オーライという感じですかね」
──中島選手としてはもっと一方的に自分から攻める試合をイメージしていたのですか。
「それを青木さんにも言われていて、自分もそこを意識してやっているんですけど、僕のスタイルに合っているのかな?という疑問もあったんです。やっぱりボディワークで相手の打撃を避けて、ジャブを打って、カーフを効かせて、というのが自分のスタイルなんで。だから青木さんや第三者に言われたことと自分の得意なことをミックスしてレベルを上げられればいいんですけど……そこは日々の練習で確かめながらやっている感じですね」
──試行錯誤している段階だと思いますが、試合で倒す感覚を掴めたことは大きかったのではないですか。
「そうですね。久しぶりのTKO、KO勝ちだったので。まだ自分でもKOできるんだという自信もついたし、それをまた練習で精度を高めることが出来ているので、いい循環で出来ていると思います」
――そして今大会では後藤選手と対戦が決まりました。今年3戦目になります。
「去年はRIZINで試合をすることにこだわりすぎて、スーチョル戦1試合しかできなかったんですけど、今年はそれを反省して『機会があれば試合をやらせて欲しい』と周りにお願いしていたんですね。それで今年3試合目が決まって、コンスタントに試合できて嬉しいですね」
──RIZINで試合するこだわりを捨てたら、結果的に2試合連続でRIZINで試合が決まるというのも不思議なものですね。
「そこは僕が4月にDEEPでハルク選手と試合をして勝てたこと、RIZINでチャンスをもらったCORO戦で勝てたことが大きいと思います」
まあやっつけるだけ
──さて今大会対戦する後藤選手ですが、今まで対戦相手として意識していたことはありますか。
「今まで接点がほとんどなくて、僕がかなり昔にTRIBE TOKYO MMAに練習に行って、そこで手合わせはしていると思う……くらいですね。前回同じRIZIN札幌大会に出ていて、そこで勝った者同士でやる可能性はあると思っていました。でも正直僕の方が上だと思っているし、もうちょい上位陣というか名前のある選手と組んでくれると思っていたんですけど、色々と試合を断られたりしたみたいで、最終的に後藤選手に落ち着いた感じですね。だからまあやっつけるだけですね」
──一人の対戦相手として後藤選手の印象は?
「何でも出来て綺麗に戦う、イケメンで頭のいいファイターだな。そんな印象じゃないですかね」
──中島選手としては力の差を見せる試合にする、そうしなきゃいけないというところが自分に課しているテーマですか。
「そうですね。でも後藤選手もちゃんと勝っているし、勢いに乗っている部分もあるので、そこは全く油断もしていないですし、しっかり対戦相手として捉えていて、ちゃんと対策もしています。相手のやりたいことは分かっているんで、その対策と自分の強い部分をぶつける練習をやっているので、後藤選手の心を折りたいですね」
──心を折る、ですか。
「はい。後藤選手にもう止めてくれって思わせたいです。僕と後藤選手は今まで戦ってきた相手もくぐってきた修羅場も違うんで、一緒にすんじゃねえよという気持ちです。実力差やレベルの差があるとは言いませんが、俺とお前とじゃ歴史が違うよというところを試合を通して見せたいです」
今までチヤホヤされていた上位陣と呼ばれている人たちとはやりたい
──今年は日本人選手と試合が続いていますけど、ここからは外国人選手との対戦やタイトル挑戦も見据えていきたいですか。
「RIZINは結果だけでなく、勝ち方も問われると思うので。佐藤将光選手に勝ったダニー・サバテロ選手がすぐタイトルに挑戦しないのであれば、彼とやりたいですね。僕だったら勝てると思うので」
──今名前が挙がったサバテロをはじめ、安藤達也選手も連勝中だったり、今のRIZINバンタム級を中島選手はどう見ていますか。
「どちらかと言えば僕もRIZINバンタム級に新しく入って来た側だと思うので、今までチヤホヤされていた上位陣と呼ばれている人たちとはやりたいです。それ以外では安藤選手や福田龍彌選手にも興味があるし、結局全員倒さないとタイトルには行けないと思うんで、片っ端からやっていきたいです」
──ちなみに今回の試合に向けて青木選手からは何か言われていますか。
「いや、別に(笑)。作戦とかそういうものは基本的に全部自分で考えているんで。で、セコンドに人たちに『今回はこういう風に行くんで、こういう指示を下さい』というのを伝える感じです。青木さんや八隅(孝平)さんもそこは知っている感じなので、特に何かを言われることはないですね。試合当日に僕のモチベーションを上げてくれる感じです」
──そこも含めて中島選手本人とチーム全体がいい形で回っているのではないですか。
「そうですね。今はしっかり勝って存在を示さないと先がないと思っているし、僕は本当にいつ終わりが来るか分からない年齢にもなってきているので。でも僕はまだまだ上に行きたいし、若者、下から来るヤツらなんかに負けないし、席は譲らないぞという気持ちですね。そういう意味でも歴史の差を見せます」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【写真】ある意味、その真価がもっとも問われる場で戦うことになった(C)MMAPLANET
11月3日(月・祝)に神戸市中央区のジーライオンアリーナ神戸で開催されるRIZIN LANDMARK12にて、松嶋こよみがヴガール・ケラモフと対戦する。
Text by Takumi Nakamura
UFC参戦を目指して様々な団体で試合を重ね、LFAとの契約を果たした松嶋。しかしビザの問題でLFAで戦うことが出来ずにいたが、国内で試合することを決意。8月のKNOCK OUT出場を経て、LFAから許可を受ける形でRIZINへの参戦、そしてケラモフとの対戦が決まった。
「自分でジムをやり始めたこともあって、ただ待っているだけじゃ何も変わらない。(チャンスを)待つぐらいだったら、自分から色んなことをやろうと気持ちが変わった」と、新たなキャリアを歩き出す松嶋に話を訊いた。
契約やオファーの内容を考えると、ものすごくありがたい
――RIZIN初参戦が発表され、周りの反響はいかがでしたか。
「日本国内ではRIZINが一番みんなが認知している大会なので、色んな人から連絡をもらって反響は大きかったです」
――やはり驚いたというリアクションが一番多かったですか。
「そうですね。一番驚いていたのが両親で、RIZINに出ることを報告したら『びっくりした!』と言っていました」
――松嶋選手はUFCを目指してキャリアを積んできて、このタイミングでRIZINという舞台を選んだ一番の決め手は何だったのでしょうか。
「RIZINを選んだというよりは、RIZINからオファーをいただいて、参戦させてもらうことになった感じですね。僕はLFAと契約していて、その契約上、RIZINに出られるのかどうかを確認したところOKが出たので出ることになりました」
――これまでRIZINからオファーが来ることはあったのですか。
「何度か来ました。ただそのタイミングで他の団体と契約していたり、Road to UFCのチャンスを待っていたり、それがあってお断りする形になっていました」
――松嶋選手のキャリアにおいて様々なタイミングが重ねって、RIZINと交わることになってわけですね。
「僕自身全くRIZINに出たくないとかそういう気持ちはなかったし、タイミングで決まった感じかなと思います」
――松嶋選手は過去にRIZIN参戦について否定的な発言をしたことがあり、それが一人歩きしてSNSで「なんでRIZINに出るの?」という声も目にします。ただ選手の考えは状況によって変わるものですし、契約的な縛りがなく、戦いたいと感じる相手のオファーがはまればRIZINに出ることもあったわけですよね。
「そうですね。それこそ強い相手とやれるならとはずっと思っていましたし、今回RIZINに出ることになったのも、1試合契約でマッチング期間がない…だったり、そこも含めて契約のことがクリアになったんで出ることを決めました」
――そういった意味では今回のオファーは相手も含めて、松嶋選手の意思を尊重してくれるようなものだったということですよね。
「契約やオファーの内容を考えると、ものすごくありがたい内容だなと思っていて、かなり僕に寄ってくれてるい部分も感じたんで、結構即答で『やります』と答えました」
――その中でも僕はケラモフという相手に一番ピンと来たのではないかと思うのですが、松嶋選手としてはいかがでしょうか。
「それこそ過去にケラモフ戦のオファーをもらったこともあったので、今こうしてケラモフとやれることはすごくありがたいなと思います」
――8月にKNOCK OUTのUNLIMITEDルールの試合を経験していますが、純MMAとは異なる試合を経験したことで得られたものはありますか。
「UNLIMITEDルールをやったおかげで、色んな発想が生まれやすくなったかなと思います。例えば下からの蹴り上げは、普段の練習でもやれるものですが、危ないので実際には試合でしかやらないじゃないですか。そういう普段の練習ではやれない技をUNLIMITEDルールの中ではやれたので、それは次の試合や今後の試合に活きると思います」
――特にUNLIMITEDルールは相手を仕留める、KOすることを求められるルールです。
「KOしたり、倒し切ったりすることは、おそらくみんなが僕にやってくれよと思っていたことだと思います。ただ逆に倒して勝てなかったことで、試合中に『あんまり上手くいってないな』と感じるような、自分の動きが悪かった時のイメージも出来たんです。だから次の試合に向けて、上手くいかない時にどうすればやり直せるかを練習できるようになったかなと思います」
――ある意味、判定まで戦ったことがプラスになっていますか。
「1年試合していないブランクもあった中で、3分3Rとはいえ、フルラウンドちゃんとやりきれて、色々試せたことはすごく良い経験になりました」
全体のレベルを上げるのではなく、自分の強みがここだというのを全部出し切ろうとしている
――対戦相手としてのケラモフの印象には、どのような印象を持っていますか。
「ここ数年、RIZINやパンクラスに中央アジアやコーカサス系の強い選手がいっぱい出てきた中で、その筆頭的な選手だと思います。身体能力がすごく高い感じがある半面、それぞれの技が細かくて精密ではないと思うので、その部分では良い勝負ができるかなと思います」
――来日当初と比べてケラモフが進化していると感じる部分はありますか。
「レベルが上がっているというよりは、自分の型を決めているのかな、と。全体のレベルを上げるのではなく、自分の強みがここだというのを全部出し切ろうとしている感じがします」
――前回の木村柊也戦もケラモフが苦戦した内容ではありますが、そのなかでも自分のスタイルを貫き続けるケラモフの地力の強さを感じる試合でした。
「相手の良いところを出させないという意味ではそうですよね。あの試合のケラモフは木村選手のスタイルを消そうとしているのが見えたし、あれを最後までやるのはしんどいことですが、ケラモフはそれをやりきれる選手じゃないですか。だから僕とやる時もしんどい試合になるのかなと思います」
――しんどい試合になることも想定した上で、松嶋選手はどのような準備・練習を続けていますか。
「組みの部分ではケラモフの得意技を意識した動きだったり、自分がテイクダウンされた後の行動だったり、そこを打ち込みで多くやっています。打撃の部分ではどれだけケラモフの距離にならないかを意識してやっていますね」
――松嶋選手の話を聞いていると、トータル的に戦いつつ、どこで自分の得意な展開に持っていくかが重要な試合になると感じました。
「ケラモフは全局面でちゃんと勝負しないと、勝てない相手だと思います。組みを譲ったら多分負けるだろうから、レスリングでもグラップリングでも勝負しなきゃいけない。もちろん自分の強みである打撃の鋭さでも勝負はしますが、それだけじゃなくてトータルで戦えたらなと思います」
散々『松嶋は弱い』とか言われていますけど(苦笑)、そういう声を一蹴できるよう
――今回の試合は本当にたくさんの人が楽しみにしていると思います。どのような試合を見せたいですか。
「RIZINファンの人には初めて自分の試合を見てもらえると思いますし、散々『松嶋は弱い』とか言われていますけど(苦笑)、そういう声を一蹴できるように、僕が自分の強いところを見せて勝ちたいと思います」
――今後の試合に関しては、基本的にLFAとの契約が第一だと思いますが、機会があればRIZINでも試合をしたいと思っていますか。
「今回のような1試合契約で出場できるであれば、今後もRIZINでもKNOCK OUTでも試合をやりたいと思っています。もちろんLFAという軸はぶらさず、その中でできることを色々とやりたいです」
――今年の松嶋選手はUNLIMITEDルールへの挑戦やRIZIN参戦など、変化の多い一年になりましたね。
「それこそ自分でジムをやり始めたこともあって、ただ待っているだけじゃ何も変わらないと思ったんですよ。僕が試合をしなかったらジムのことも知られないまま終わってしまうわけだし、それも含めて踏ん切りがついたというか。(チャンスを)待つぐらいだったら、自分から色んなことをやろうっていう、気持ちの面で変わった部分はあります」
――それでは最後にファンの皆さんに向けてメッセージをいただけますか。
「相手は強いケラモフなので、しんどい試合にはなると思うんですけど、自分の強みをしっかり活かして最後まで諦めず戦おうと思うので、応援よろしくお願いします」
■視聴方法(予定)
11月3日(月・祝)
午前11時30分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!
■RIZIN LANDMARK12対戦カード
<フェザー級/5分3R>
秋元強真(日本)
萩原京平(日本)
<RIZIN女子スーパーアトム級選手権試合/5分3R>
[王者] 伊澤星花(日本)
[挑戦者] 大島沙緒里(日本)
<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
松嶋こよみ(日本)
<フェザー級/5分3R>
摩嶋一整(日本)
木村柊也(日本)
<50キロ契約/5分3R>
ケイト・ロータス(日本)
イ・ボミ(韓国)
<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
桜庭大世(日本)
<バンタム級/5分3R>
中島太一(日本)
後藤丈治(日本)
<ヘビー級/5分3R>
貴賢神(日本)
MAX吉田(日本)
<62キロ契約/5分3R>
金太郎(韓国)
リ・ユンフォン(中国)
<ライト級/5分3R>
雑賀“ヤン坊”達也(韓国)
ヌルハン・ズマガジー(カザフスタン)
<バンタム級/5分3R>
鹿志村仁之介(日本)
安井飛馬(日本)
<ライト級/5分3R>
キ・ウォンビン(韓国)
キャプテン☆アフリカ(日本)
<フライ級/5分3R>
トニー・ララミー(カナダ)
山内渉(日本)
<キックボクシング51キロ契約/3分3R>
KING陸斗(日本)
水野夢斗(日本)
<OP女子スーパーアトム級/5分2R>
NOEL(日本)
海咲イルカ(日本)
<OPキックボクシング57キロ契約/3分3R>
赤平大治(日本)
翔磨(日本)
<OPバンタム級/5分2R>
宮川日向(日本)
MG眞介(日本)
<OPキックボクシング63キロ契約/3分3R>
元氣(日本)
林眞平(日本)
<OPキックボクシング51キロ契約/3分3R>
みいちゃんレンジャージム(日本)
伊藤菜の花(日本)
【写真】しっかりと体重を落としてきたマヨッキ。かなり創られていそうだ(C)MMAPLANET
14日(日)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE11で石井逸人と戦うカイル・マヨッキ。
Text by Takumi Nakamura
豪州、ブリスベンから北に1600キロも離れた人口8000人の村で育ったマヨッキは、1歳下の弟と共にMMAファイター、いやUFCファイターになるためにトレーニングを積んできた。リアリティTVショーでスカラーシップを得て、ニュージーランドの名門シティ・キックボクシング在籍となったプロMMA4戦4勝のファイターは、MMA界のパワーハウス=オーストララジアン(豪州&ニュージーランド)の強さを知るのに格好の選手だ。
今年からオーストララジアン勢がRoad to UFCに参戦し、あの日の出を見る勢いだった中国勢をその他大勢に追いやった。しかも、トップどころはUFCと契約し、第2グループがContender Seriesから最高峰を目指すなかで、Road to UFCで結果を残している。オーストララジアン勢の力はいかほどなのか。
試合経験数で絶対的な差のある石井戦を前に、マヨッキをインタビューすると絶対的な自信が感じられた。
僕はピュアMMAファイターだよ
――2週間後にTTFC11で石井逸人選手と戦います(※取材は1日に行われた)。今の気持ちを教えてください。
「しっかりトレーニングができ、良い感じだよ。体重も上手く落ちている。日本には良い状態で行けそうだ。そして良い試合ができるだろう」
――冬のニュージーランドから、残暑厳しい日本にやってきます。
「そうだね。オークランドは寒くて、雨が降っている。東京はどうなの?」
――2日前は40度近くありました。
「イエイ、イエイ。最高じゃないか。僕が棲んでいる豪州のイニスフェールもそんな村だから、故郷に戻るようなものだから大丈夫だ」
――つまりカイルは豪州人で、ニュージーランドのシティ・キックボクシングで練習しているということですか。
「そうだよ。11年前、小さな頃から弟のブローディと一緒に柔術を始めて、一緒にファイトをしてきた。ボクシング、ムエタイも練習し、多くの時間は柔術の練習をして少しMMAをやっていた感じかな。MMAファイターになるために柔術に時間を割いていたんだ。だから僕はピュアMMAファイターだよ」
――子供の頃からMMAの練習をしてきた。その目標はどこに置いていたのですか。
「もちろん、UFCを目指していた。このスポーツで食っていけるようになりたいと思っていた。豪州のMMAでは、UFCファイターになる以外はフルタイムで戦うことは難しい。だから練習をしているほとんどの人間にとって、UFCがゴールだ。それはニュージーランドも同じだよ」
――戦い続けるには、UFC一択しか将来がないことがオーストララジアンの選手を強くしているのでしょうか。
「それ以外の機会がないからね」
――ニュージーランドのシティ・キックボクシングで練習するようになったのは?
「僕と弟はリアリティTVショーのトライアルのような番組で合格し、1年間スカラーシップを得てシティ・キックボクシングで練習できることになったんだ。その期日が過ぎても、ファイトキャンプのたびにニュージーランドに来ている。故郷の村でキャンプをするのと、全然違うからね。
シティ・キックボクシングではUFCファイター、Contender Series、Road to UFCファイターが周囲にいる。この環境が僕を成長させてくれるんだ」
――そんなカイルは5戦目で、日本で試合をします。
「アマチュアでもっと戦ってきた。サイトにあるよりも、多い。10戦以上、アマでやってきたよ。ボクシング、柔術でも戦ってきたからファイトの経験は十分にあると思っている」
――それだけアマチュアや他競技で経験を積んできたと。そんなカイルは、MMAファイターとして自分の長所はどこだと思っていますか。
「基本的に柔術、グラウンドゲームが秀でていると思う。だけどレスリングとスタンドの打撃もずっと練習してきたし、打撃も武器になっているはずだ。それでも一番得意なところは柔術、グラウンドゲームだね」
――打撃戦ができるグラップラーというわけですね。
「MMAの進化は凄まじい。打撃ができないとグラップラーは勝てない。どのエリアでも戦えないとね。拳が届く距離にいれば、テイクダウンには入りやすいわけだからね。まぁMMAにはいろんな局面があって、遠い距離から組んで倒すのもその一部だ。実際、僕もアマチュアの頃はそうやって勝てた試合もあった。でも、それだけじゃ今は難しい。テイクダウン・ディフェンスのレベルが上がっている。なら接近戦で打撃ができないと。そこのディフェンス力が上ったら、将来UFCやMMAはどうなるんだろうね」
――自然とディフェンス力も上がってくるのは絶対ですしね。そんななか今回、プロキャリアで6倍ほどの経験がある石井逸人選手と戦います。
「さっきも言ったように柔術、ボクシング、それにムエタイでも若い頃から戦ってきたし、経験は十分に積んできたと思っている。確かにプロになったのは去年だ。でも、それから5試合という数を戦ってきた。既に彼とやり合えるだけの力は身に着けている。
対戦相手はグラップリングが強い。柔術、もしくはその代わりに柔道ができる。テイクダウンも良いね。僕とは手が合う、良いファイトができるだろう」
Road to UFCは一つのオプションだ
――64キロ契約、通常より2キロほど余分に体重を落とさないといけないです。
「フェザー級で僕は小さくて、対戦相手はいつも僕より少し大きい。フェザー級に落とすのは難しくないから、64キロまで問題なく落とせると思う」
――ではこの試合後のキャリアをどのように考えていますか。UFCを目標にするにしても、今年からオーストララジアン勢はRoad to UFCにも出場できるようになりました。
「UFCに行くにはコンテンダーシリーズだと考えていた。でも、とにかく経験を積むことが重要で。この試合後も、可能な限り多くの試合に出続けたい。チームメイトのアーロン・タウとローレンス・ルイがRoad to UFCの決勝に残っている。Road to UFCは一つのオプションだ。3試合を戦ってUFCへ行くのは、コンテンダーシリーズからすぐにUFCと契約するよりも経験が積める。
経験豊富な相手と戦うことは、次のレベルに進むために本当に良い機会になる。だからこのタイミングで、日本でこういう機会を得られたことは凄く良かった。次に進む好材料になる。試合だけでなく、遠く離れたところで試合をする。減量も含めて、絶対にこれからに生きてくるはずだ。過去イチ大変な試合になると思っているけど、だからこそ楽しみなんだよ」
――Road to UFCを目指している日本人ファイターも、カイルことを注目するようになるでしょうね。では、今回のTTFCでの石井戦、どのようなファイトをしたいと考えていますか。
「僕の技術を見て欲しい。そして皆に喜んでもらえる試合をして、キーラン・ジョブリンと一緒にオーストララジアンが如何に優れているか見せたい」
■視聴方法(予定)
9月14日(金)
午後3時40分~ツイキャスLIVE
■TTFC計量結果
<ライト級/5分3R>
エフェヴィガ雄志:70.25キロ
キーラン・ジョブリン:70.60キロ
<64キロ契約/5分3R>
石井逸人:64.35キロ
カイル・マヨッキ:64.2キロ
<バンタム級/5分2R+Ex>
阿部光太:77.50キロ
シオネ・ヴェイコソ:77.3キロ
<バンタム級/5分2R+Ex>
上田直毅:61.55キロ
宮川日向:61.55キロ
<バンタム級/5分2R+Ex>
榎本明:61.5キロ
小山敬司:61.45キロ
<バンタム級/5分2R+Ex>
藤田ムネノリ:61.6キロ
千種純平:61.3キロ
<フェザー級/5分2R+Ex>
シャ・ランディ:65.95キロ
石田裕星:65.15キロ
<フライ級/5分2R+Ex>
和田教良:56.9キロ
柿沼和敬:56.85キロ
<フェザー級/5分2R+Ex>
河坂修斗:66.05キロ
武本行平:65.5キロ
<フェザー級/5分2R+Ex>
テヘラン・カトウ:65.9キロ
谷知哉:65.3キロ
【写真】左端が遠藤氏、ジョブリン、マヨッキ、ボーガン・アンダーソンCKBコーチ。右端はかつてCKBで練習しEternal MMA出場経験もある松山瑞穂 (C)BROGAN ANDERSON
明日14日(日)、東京都練馬区のココネリ・ホールで開催されるTribe Tokyo Fight Challenge 11の計量が同区TRIBE TOKYO MMAで行われた。
Text by Manabu Takashima
ニュージーランドの名門シティ・キックボクシングからキーラン・ジョブリンとカイル・マヨッキ、豪州からシオネ・ヴェイコソが来日している今大会。そんな豪州&ニュージーランド=オーストララジアンMMAファイター――ジョブリンと7年、ダン・フッカーとは10年以上、アーロン・タウは5年に渡ってフィジカルコーチを務めている遠藤誠氏の姿が計量会場で見られた。
オークランド在住、現在は日本とニュージーランドを行き来しているストレングス&コンディショニング・コーチであり、MMAフィットネス・アナリストの遠藤氏にシティ・キックボクシングを始めとするニュージーランドのMMA事情を計量会場で伺った。
UFCに絶対の価値があるパワーハウス、キウイMMAの現状とは?!
遠藤誠
「ニュージーランドのMMAファイター達のゴールは、UFC一択です。シティ・キックボクシングの所属選手たちも、そうです。コンテンダーシリーズだけでなく、Road to UFCにも出場できるようになったので、ジムの選手たちも活気づいていますね。試合に出る選手も多く、今は特にUFCの豪州バース大会が控えていますし。
8月にはRoad to UFCでアーロン・タウとローレンス・ルイ、コンテンダーシリーズでキャム・ロウストンが勝ち。TTFCで2選手が戦うということで皆、元気よくやっています。
トップでなかった2番手、3番手にあった選手たちが上に上ってきている状況で、凄く雰囲気も良いです。そのなかでキーランは特別ですね。ACAやONE Warrior Seriesに出場していたのに30歳を過ぎても現役を続け、HEX FSのチャンピオンになった。そういう選手はほとんどいないです。
特にニュージーランドは本当にUFC一色です。メディア的にもラグビーのオールブラックスの人気選手とイスラエル・アデサニャのようなUFCファイターが肩を並べて談笑する。それが画になるという風な認識ですね。Road to UFCで勝ち残っている選手も一般紙に載るようになっています。ラグビーがあって、UFCがある。MMAや格闘技ということでなくUFCですね。UFCしかないから、強い選手が残っているという見方ができると思います。
正直、ニュージーランドの若い選手はRIZINに目をやるということはほぼないと思います。ただ豪州は違います。PPVの実況が豪州人のマイケル・シャベロで、解説もダミアン・ブラウン。ニュージーランドより、RIZINが選手の視界に入っているかと思います。
PFLオセアニアに関しては、興味を持つ選手もいます。ただ豪州やシドニーでは動き出しているようですが、ニュージーランドではまだ大きな動きは見られないですね。一方で豪州とニュージーランドの行き来は頻繁です。実際に今回来日しているカイルは豪州の選手ですが、シティ・キックボクシングが行ったリアリティTVショーのようなトライアウトで合格して、ニュージーランドで練習をするようになりました。
アーロン・タウもダン・フッカーが行った、その手の企画でシティ・キックボクシングに所属するようになった選手です。
ニュージーランドのShuriken FSで結果を残し、豪州のEternal MMAやHEX FSで勝ち残ってUFCを目指すのが王道といいましょうか。ただニュージーランドと豪州は隣国ではあっても2000キロ以上離れています。飛行機代や宿泊費も用意されてニュージーランドの選手は遠征をしています。Shurikenに出ている選手たちが目指す場所は、やはりUFCですね。
豪州やニュージーランドはラグビーが人気スポーツで競技人口も多いです。そのなかで小さな選手は越えられない壁があります。移民の国でもあるので、小柄なアジア系のプレイヤーは、ラグビーを続けることができないです。ただし、ラグビーという激しいぶつかり合いのスポーツで鍛えてきた選手が、その身体能力を生かそうとMMAに転じることも多くなってきました。
ニュージーランドでは軽犯罪、痴話喧嘩からの暴力沙汰は凄く多いです。何かれば体で解決する。それは小学校や中学校でも同じですね。血の気が多い。まさにアーロン・タウはそういうところから出てきた選手です。
それと英語圏なので、UFCがあれば構わない。何も自分たちの国に大きな対抗団体を創ろうという風にはならないです。そのなかでダン・フッカーなんかは、自分の格闘技観を持っている珍しい選手ですね。武道を基幹としたファイトの世界を創っていこうとしています。
日本でも活躍していたジェイソン信長(ジェイソン・サティー※日本に住んでいた1990年代後半から2000年代中盤にかけK-1やキックボクシングで活躍した)は、まさに今日が開催日なのですがArsenal-Xという大会を開いています。
1Rがボクシング、2RはK-1、3Rがムエタイというルールと、1Rがキック、2RがMMA、3Rがムエタイという2つのルールの大会です。アデサニャやカーロス・アルバーグが育ったKING of The RINGというK-1ルールのイベントから、ハイブリッド・ファイト・シリーズと名乗るArsenal-Xを始め、それこそアーロン・タウはそのルールでチャンピオンでした。
UFC一色のなかで、ジェイソン信長はこの大会を開きTV中継もあります。若い子たちのMMAへの興味は本当に高くなっているので、ニュージーランドのMMA選手は強くなっていくと思います」
■視聴方法(予定)
9月14日(日)
午後3時40分~ツイキャスLIVE
■TTFC計量結果
The post 【TTFC11】計量終了 ダン・フッカーのフィジカルコーチ=遠藤誠氏にNZのMMAの今を訊いた in 計量会場 first appeared on MMAPLANET.






















