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【ONE FF100】ストロー級王者ヂィンナン、アトム級でモン・ボーの組みに苦戦もバック奪取で判定勝ち

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
シィォン・ヂィンナン(中国)
Def.3-0
モン・ボー(中国)

ボーが左ジャブを突く。ガードを固めたヂィンナンも左を伸ばし、続けてワンツーを放つ。右から左ボディに繋げるボー。右ストレートから組みつき、ロープに押し込んでいくがヂィンナンが体勢を入れ替えた。しかしボーもコーナー際で差し返してヂィンナンを押し込む。右アンダーフックから投げを打ったボーが尻もちを着かせるも、ヂィンナンが半身から立ち上がった。クラウチングスタイルから左前蹴りを見せたヂィンナンが、左ボディジャブを突き刺す。

右カーフを蹴って距離を取るヂィンナン。組んだボーが右を打ち込んでから離れる。頭を振って距離を詰めるヂィンナンは、ボーにロープを背負わせてニータップで飛び込んだ。しかしボーが切り返してボディロックで組む。コーナー際でボーが押し続けるも、倒せずに離れた。リング中央でヂィンナンの右がボーの顔面をかすめる。組んできたボーに対し、投げを試みたヂィンナンだがテイクダウンできず初回を終えた。

ボーが左を伸ばすと、ヂィンナンは頭を振りながらパンチを伸ばす。左フックから右を伸ばしたヂィンナンに組みついたボーが、コーナーへドライブした。両腕を差し上げたボーが崩してグラウンドに持ち込んだ。右側へパスしたボー、ボディロックからバックに回るも、ヂィンナンに立たれる。正対しようとしたヂィンナンを、ボーが再びグラウンドに引きずりこむ。

ヂィンナンは右足でボーの腰骨を蹴りながら左足を上げていく。しかしボーは胸を合わせて、しっかりと押さえこむ。ボーが立ち上がると、ヂィンナンもスタンドに戻った。ヂィンナンはボーの右ローに右ストレートを合わせる。ボーはヂィンナンをコーナーに詰めて右ミドルを突き刺す。組み合いではボーが勝り、ヂィンナンをロープに押し込んでいく。右に回って離れたヂィンナンを追うボー。ヂィンナンの右をかわして、自身も右ストレートを打ち返した。

最終回、ボーが右ローを当てる。ヂィンナンの前進をかわしたボーがボディロックで組み、ロープあるいはコーナーに押し込んでいく。しかしボーが崩しにいった瞬間、ヂィンナンが体重をかけて押し倒した。下になったボーが右ヒジをヂィンナンの頭頂部に連打する。立ち上がろうとするボーのバックに回ったヂィンナンは、バックマウントを奪取してパンチを打ち込みRNCへ。ここは極まらずも、バックマウントをキープしてパンチで削る。

仰向けになったボーの首に右腕を回すも、ボーが上半身を起こした。立ち上がったボーをコーナーに押し込むヂィンナン。ボーが回って離れ、リング中央に戻る。差し合いからダブルレッグ、起き上がって右アンダーフックで押し込むボーだが、潰されて顔面にヒザ蹴りを受けた。スタンドに戻り、見合う両者にレフェリーが注意を与える。再開後、互いに右スピニングバックキックを見せた。打ち合いでボーは右ヒジを放つも当たらず、試合は判定にもちこまれた。

裁定はヂィンナンのユナニマス判定勝ち。序盤はボーの組みに苦戦したヂィンナンだが、最終回にバックマウントを奪取してRNCを狙い、逆転で勝利を収めた。ヂィンナンは今後もアトム級を主戦場とするのか。となればストロー級でヂィンナン戦を希望していた三浦彩佳の動向も気になるところだ。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE171   リトゥ・フォーガット 三浦彩佳

【ONE171】三浦彩佳。宣言通り?! アヤカロックでなくヒザ十字で、リトゥから一本勝ち。連続ボーナス!!

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
Def.1R2分24秒byヒザ十字
リトゥ・フォーガット(インド)

前に出ていく三浦に、リトゥはジャブの伸ばす。直後の三浦のダブルを切ったリトゥは、引き続きテイクダウン狙いを防いでパンチを見せる。必死に追いかけた三浦は、左腕をツーオンワンに取るもリトゥが離れる。リトゥは右オーバーハンドを入れ、続くシングルを切って離れる。三浦は左ハイからシングル。尻餅をついたリトゥの左足を取ると、立ち上がって殴られた直後にヒザ十字へ。ここから一度上を取った三浦は、もう一度ヒザ十字を取り直し即座にタップを奪った。

ケージに駆け上がり、込み上がる感情を抑えるように力強く右腕を高々と挙げた三浦は「いつもアヤカロック以外にあるんですよと言っていて、今回出ました。色々な技、まだまだあります。勝って言いたいことがあると言っていて。今、4連勝をしています。ストロー級でもアトムでもどちらでも良いと言っていたのですが、アトム級でタイトルマッチをしたいです。私は極めることができるし、面白い試合ができると思います。皆さん、タイトルマッチができるように応援お願いします」とインタビューに答えると、2試合連続ボーナスを告げられる。「もう泣いちゃう。いつも、自分の我儘を突き通して。それでも皆が応援してくれて。この5万ドルは本当に恩返しします」と、満面の笑みを見せた。


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【ONE171】カタールでリトゥ・フォーガットと対戦、三浦彩佳「今回はアヤカロックが出ないかも」

【写真】この時、バランスボールに乗っている三浦。コンディショニングに良いそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

20日(木・現地時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツアリーナで開催されるONE171「Qatar」で、三浦彩佳がインドのリトゥ・フォーガットと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

2024年1月の平田樹戦から三浦はONEアトム級で戦ってきた。当初は同ストロー級の試合にこだわりを見せていたが、現在はアトム級で3連勝中。インタビューでも意識の変化が感じられる。ランキングも同級3位につけ、ベルト挑戦も射程圏内に入ってきた。そんな三浦に訊く、ONE女子アトム級とリトゥ戦――そしてアヤカロックについて。


――昨年から、ラズワン戦の中止はありながらも、以前と比べて定期的に試合が組まれるようになってきました。今回も昨年11月から3カ月後の試合となります。

「そうですね。ありがたい話ではあるのですが、『やっぱりストロー級ではないのかぁ』とは思っています」

――三浦選手はずっと「ONEストロー級で……」と希望していますが、今のONEを見ていると、どうしても女子については「アトム級のほうが面白い」と考えてしまいます。

「アハハハ、そうなんですよ(苦笑)。先月のモン・ボーと澤田(千優)さんの試合は本当に感動しました」

――三浦選手は2023年11月、モン・ボーをアヤカロックで下しました。そのモン・ボーは体も打撃も強いという自分の持ち味を生かせるようになってきたかと思います。

「完全にスタイルチェンジしましたね。構えが変わっていて――彼女は最近、本当にどん底にいたと思うんです。澤田さんとの試合では『この一戦に全てを賭ける!!』という気持ちが伝わってきました。しっかりと対策を講じていて」

――はい。

「ジムに行って『モン・ボーと澤田さんの試合、本当に感動した』と言ったら、『そのモン・ボーに自分は勝っていると言いたいんでしょ?』みたいな勘繰りをされました(苦笑)。アハハハ、本当に感動したんですから」

――同じ大会ではザンボアンガが暫定王者となりました。

三浦のターゲットとなったスタンプとザンボアンガ。王座統一戦はいつ?(C)ONE

「アトム級の選手は、いつか自分が対戦するだろうと想定しながら試合を視ています。ザンボアンガはすごく打撃が上手くなっていましたね。昔よりは上手くなっていたけど――私はいつでもザンボアンガと対戦したいです。今の自分だったら行ける、というのが正直な感想です」

――三浦選手は昨年11月にマカレナ・アラゴンをアヤカロック=スカーフホールド&アメリカーナで下しています。最初からアヤカロックを極めようと向かっていったのですか。

「いや、そんなことはないです。前回の試合は『右フックだけはもらわないように。そこだけ気をつけていればいいから』と言われていて。そうしたら最初に右フックを食らってしまいました。アハハハ。

アヤカロックについては、結果的にあの形になったという感じですね。普段からどの体勢からでも、何があってもアヤカロックを出せるようにドリルで反復しています。アラルゴン戦は下になった時点で『これは裏アヤカロックで行けるな』と思ったら、実際に一回掛かったんですよ。でも腕が伸びたのにタップしないから、『アレッ!?』と思って」

――さらに上から仕掛けた時も、一度凌がれました。

「相手も柔らかいなぁと思いつつ、3回目のアヤカロックで極まりました。最初の裏アヤカロックでもバキバキと音は聞こえていたので、痛かったと思いますよ。試合後に聞いたところによると、『脱臼して神経も切れたかも』ということでしたし」

――アヤカロックのフィニッシュについては、以前よりも自信と精度が高まっているようにも見えます。

「形に入ったら大丈夫なのと、防がれても何とか大丈夫という肌感覚はありますね。もし防いできたら削っていくし、掛からなかった時のパターンも想定して練習していますからね」

――ストロー級からアトム級に落としたことで、フィジカル的な面は影響していますか。ストロー級の時と比べたら掛けやすくなっている、とか。

以前は「こだわりすぎ」とも思われたアヤカロックだが、いまや首を抱えると期待してしまうほどのフィニッシュ技に(C)ONE

「影響はある――だろうとは思います。というのも、通常体重から軽くなったからこそ、私自身は考えることがあって。正月明けの練習で長南(亮TRIBE代表)さんを押さえ込んでいたら、長南さんからも『あれ? 前と違うな』と言われました。階級を落としたことで、自然と体の使い方が変わってきたんだろうと思います」

――なるほど。そして迎える2025年の初戦ですが、2月大会のオファーが来た時に「3月の日本大会じゃないのか」とは思わなかったですか。

「あぁ、それは――実は最初、1月大会でオファーが来ていたんですよ」

――1月大会とはザンボアンガの暫定王座決定戦、モン・ボー×澤田戦と同じ日に?

「いえ、野杁正明選手が出た大会(ONE170)のほうですね。私はOKしたんですけど、リトゥのほうが断ったらしくて。まぁ復帰戦で私と対戦したくはないだろうな、とは思いますけど。体重が落ちないのかな、とも思ったり」

――しかし改めて2月大会で組まれたわけですね。

「私としては、ありがたいです。今はステップアップのために、いろいろ課題を持って練習に取り組むことができています。一方で相手は1月の試合を断って、1カ月後に勝てると考えられるほど変わっているとは思えないし。ただ、その試合が日本大会じゃないんだぁ、とは感じましたよ。それは正直に。でも日本大会の内容が発表されたら、キックボクシング中心のマッチメイクだったので仕方ないです」

――リトゥはレスリングが強みの選手です。とはいえ2年5カ月振りのMMAで、どこまで調子を戻しているか。

「私は『戻しているだろう』と思って戦います。あとカタールのドーハって、インドの方がたくさん住んでいるそうなので、私にとってはアウェイと考えて試合に臨みます」

――2年5カ月前の印象になりますが、リトゥの場合、レスリングは強い。しかし寝技の精度はそれほど高くない。そのようなタイプは極めやすいですか。

「たとえばスタンプとの試合とかですよね。スタンプに下から極められていて。私自身、最近ONEでグラップラーとMMAを戦ったのは平田樹ちゃんぐらいなので、何とも言えないところはあります。どうなんでしょうね? ピュアなレスラーだったら極めやすいかもしれないけど――ただ押さえ込んでくるだけなら、スタンプみたいに下から極めやすいですし。……おっと、これ以上は対策になるから秘密です(笑)」

――アハハハ。

「今回はアヤカロックが出ないかもしれないぐらい、いろんなことを練習してきました。できることも増えています。次の試合はアヤカロックで終わるのか、それとも打ち込みでやってきたことが出るのか。どうなるかはお楽しみに、ですね」

――そうは言っても最後は、いつもどおりアヤカロックで勝ち、叫んで泣いているのでしょう。

「アハハハ! 言いたいことは、たくさんあります」

――毎試合、言いたいことがあるのですか。

「ありますよ。今回は試合後のマイクが欲しいです。澤田さんにタイトル挑戦のオファーが来ていたことも含めて――勝って、5万ドルのボーナスをもらい、言いたいことを言って日本に帰ります(笑)」

――それこそが三浦彩佳ワールドですね。

「まずはしっかり勝ち切ります。アヤカロックに限らず極め切る。リトゥ選手は根性がある選手なので、3Rもみくちゃになることも想定して練習しています。

日本大会がありますけど、その前に私の試合も視ていただけると嬉しいです。木曜日の深夜、皆さん夜更かししてください!」

■ONE171 視聴方法
2月20日(木)
午後23時00分~U-NEXT

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【ONE171】三浦彩佳と対戦、母になったインドの女虎リトゥ・フォーガット「出産を終えるともう別人」

【写真】女虎は、日本語だと女傑という意味にもなる。母になったリトゥに注目(C)MMAPLANET

20日(木・現地時間)にカタールはルサイルのルサイル・スポーツアリーナで開催されるONE171「Qatar」。昨年に続き、2度目のカタール大会でリトゥ・フォーガットが三浦彩佳と対戦する。
Text Manabu Takashima

男女差別に負けず、自らの娘を国際大会で優勝するレベルのレスラーに育てたマハヴィル・シン・フォーガット。インド映画「ダンガル きっと、つよくなる」の主人公一家の三女リトゥは、UFC23レスリング選手権でインド人女性初のシルバーメダリストに輝き、インド発の女子MMA王者を目指しMMEに転向した。

Evlove MMA所属から、バリへ。女子アトム級GPでは結晶でスタンプ・フェアテックスに敗れるも、キャリア3年で7勝2敗の成績を残していた。しかし2022年9月にティファニー・テオに敗れ2年以上、リトゥはMMA界から姿を消した。

そして2年5カ月振りに、実戦に戻るリトゥは米国にいた。母となって。


――リトゥ、お久しぶりです。

「本当に!! ようやくファイトに戻ることができて、とても嬉しいわ。そして、凄く燃えているわ。しっかりと準備をしているし、ドーハというインドの人々が多い場所での試合だから楽しみでしょうがなくて」

──2022年9月以来の実戦復帰なります。この間、Kumite 1 Leagueと契約というニュースが2年前に流れましたが、結果としてONEで2年5カ月ぶりの試合になります。ロングレイオフに終止符が打たれますね。

「これだけ試合から遠ざかっていたのは、前回の試合後に結婚をして子供ができたからなの」

──おお、そうなのですか。おめでとうございます。

「サンキュー!! この間は家族と一緒に過ごすことを第一にしていたから」

──赤ちゃんを産んだのは、いつだったのですか。

「2023年の4月よ。あっ、違った。2024年ね(笑)」

──去年、ですね(笑)。ということは、まだ10カ月しか経っていないわけですね。母になると、女性は強くなる。その一方で体の変化も確実にある。それが家内を通して私が経験してきたことですが、それらの点についてMMAの再び戦うことで何か感じられることはありましたか。

「妊娠期間中から見られた体の変化は、大きかったわ。そして、出産を終えるともう別人というか、生まれ変わったぐらい変化があった。でも出産後、2週間後には軽く体を動かし始めたわ。そうでないと、戦うことが難しくなると思ったから。徐々に強度を上げていき、戦う体に戻した。10月からファイトをするためのシリアスなトレーニングを再開し、4カ月が過ぎた。もう、十分にMMAを戦えるようになっているわ。

2年5カ月前よりも、自分が力強くなったと感じている。あの頃より、確実は強くなっているわ。次の試合ではベストバージョンのリトゥ・フォーガットを皆に見てもらえるはずよ。それにベイビーがいることが、今の私にとって最大のモチベーションになっていて。

子供ができるって、絶対的に人間的に強くなれる。心が、強くなる。そうでないと、母親の役目は果たせないから(笑)。妊娠と出産を通して、女は強くなる。私もそう。肉体的にも精神的にも、妊娠と出産を経験する前より強くなっていることは間違いないわ」

──休息前と同様に、今もバリでトレーニングをしているのですか。

「10月から2カ月、プーケットのタイガームエタイでトレーニングをして、今はワシントンDCで試合に向けて調整をしているわ」

──ワシントンDCですか。

「えぇ、Evolve MMA時代のヘッドコーチだったシアー・バハドゥルサダが開いたElevate MMA(※ワシントンDC近郊のフォールスチャーチに、2024年8月にオープン)で練習しているの」

──なるほど。今もEvolve時代の絆が残っていたというわけですね。

「イエス。シアーと私は、ずっと一緒にやってきたから。彼は誰よりも私の戦いが分かっている。指導するコーチ、指導を受けるファイターという関係だけでなく、ジム以外でも見守ってくれて、私にとってシアーはお兄ちゃんのような存在よ。それに彼はヒンドゥー語が話せて、意思の疎通が完璧なの。シアーは私のことを全て分かっているといっても過言でないの」

──赤ちゃんも一緒に寒い、東海岸へ?

「ノー。ベイビーは父とファミリーが見てくれているの。物凄く寂しいけど、今は次の試合に集中すべき時。それに父や家族に預けていると安心できるから。確かにここは寒いわ。氷点下の町で、トレーニングをするのは初めてよ(笑)。この気候に、慣れる必要はあった。でも、今は大丈夫よ」

──では気持ちも新たに、あらゆる環境が変わったなかで戦う三浦選手の印象を教えていただけますか。

「彼女は私が休んでいる間に、凄く経験を積んでいるわ。経験値はもともと私より上だったけど、この間にさらに試合を重ねて強くなっている。アヤカロックも印象深いし。柔道✕レスリング、興味深い戦いになるはず。レスリングをベースに、私のグラップリング能力は成長している。特にミウラとの試合はレスリングとグラウンドゲームで戦いたい。そして、皆に私たちのファイトを楽しんでもらいと思っている。

2年間でONE女子アトム級も変化があった。スタンプ・フェアテックスは凄く強くなっているし、暫定チャンピオンのデニス・ザンボアンガもそう。でも私のゴールは、MMAでチャンピオンになること。それは変わっていない。そのためにハードワークを繰り返している。

ただ、今はアヤカ・ミウラに勝つことだけに集中しているわ。以前と違うリトゥ・フォーガットの戦いを皆に見てもらいたい。インディアン・タイガレスのカムバック、準備はできているわ」

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE FN27 UFC YouTube アクバル・アブデュラエフ アリョーナ・ラソヒーナ アーロン・カナルテ エンフオルギル・バートルフー クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ サンジャル・ザキロフ ジャン・ウェイリ ジョン・リネケル スーブラック・トー・プラン49 タン・カイ ダンテ・リオン デニス・ザンボアンガ トミー・ランガカー ブラック モン・ボー ルンピニー 三浦彩佳 和田竜光 澤田千優

【ONE FN27】身長差12センチ、澤田千優対戦──モン・ボー「もうワンパンチ・ファイターじゃない」

【写真】計量前夜、動いて汗をかいていたモン・ボー。澤田とともども計量&ハイドレーションもクリア。セレモニアル計量とファイトを残すのみ(C)MMAPLANET

明日11 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE Fight Night27「Tang vs Abdullaev」が開催され、モン・ボーが澤田千優と対戦する。

11年と2カ月前のMMAデビュー戦で、ともにプロMMA初陣だった現UFC世界ストロー級王者ジャン・ウェイリを倒しているモン・ボーは、女子MMA界屈指のハードパンチャーだ。しかし、打撃主体の母国でのMMAではカバーできていた弱点=組み技の完成度の低さは、ONEで戦うと彼女の強ささえもスポイルするようになった。

そして一昨年11月に三浦彩佳にアヤカロックを極められると、タイのパタヤに拠点を移したシンジャン・ファイトジムを離れてなんか、プーケットのタイガームエタイで汗を流すようになった。徹底的にレスリングと柔術の強化に取り組んだモン・ボーは、澤田との対戦を前に「弱い自分を乗り越えることができた」と、この1年を振り返る。

身長差は12センチ、長所がハッキリした対戦は澤田、そしてモン・ボーにとって──MMAファイターとしての完成度の高さが問われるタフファイトになりそうだ。


――1昨年の11月に三浦彩佳選手のアヤカロックで敗れて以来、実に14カ月ぶりの試合となりました。この間、これだけ試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「そうね、長い間試合をしてこなかったわ。ONEから試合出場の要請がなかったこともあるけど、自分の方から急いで試合をしようとは思っていなかったのも事実で。私にはまだ組み技、寝技に穴があったから。

この14カ月の間にレスリングと柔術の練習をしっかりと積んできた。そして、ONEが私の相手を見つけてオファーがあった。新しいモン・ボーを見せる時がやってきたのよ」

──その1年強の間、タイで練習していたのですか。

「そうね。タイガームエタイで1年間、練習してきた。日本人選手とも練習してきたわ。リョースケ・ホンダとか。その甲斐もあって、今ではグラップリングやレスリングにも自信が持てるようになった。もちろん、打撃に関しては自分の力は把握している。弱点を克服しただけでなく、長所を伸ばすことができた。その成長を今回の試合で見せたいと思う。

私は自分の力を把握している。グラップリングも今では悪くない。何より、自信がついたことが大きい。以前は寝技の展開になることを恐れていた。でも今ではそういう……弱かった自分を越えることができた。まずは自分自身に勝てたと思っているわ」

──女子アトム級の最強のパンチャーが、より強い拳を持つことになったのですね。

「私のパンチは、一発で相手を倒すことができるわ。でも、それだけじゃダメだった。今ではコンビネーションを使えるし、レスリングも柔術もできる。ウェルラウンディット・ファイターになった。全ての局面で、進化できたわ。もうワンパンチ・ファイターじゃない」

──成長を感じるなかで、ONE女子アトム級最強のレスラーである澤田選手と相対します。

「彼女の試合は、全てチェックしたわ。とても気持ちの強い選手ね。1度でもテイクダウンを決めると、そこから攻撃を止めることがない。どれだけパンチを顔面に被弾しても、絶対に諦めない。本当に強いファイターで。それだけの覚悟を持って、私も土曜日には戦うつもりでいるわ」

──公称では身長差は12センチです。このサイズの違いをどのように捉えていますか。

「確かに彼女は背が低いわ。でも、凄く力強い。私は背が高いけど細い。どうなるか、試合が始まってみないと……」

──背の低い選手が、テイクダウンを得意としている。その点はどのように対策を?

「もちろん対策練習はしてきたわ。でも、彼女のような体格で、彼女のように強い練習相手を見つけることは簡単じゃないから(笑)。それでも、しっかりと作戦を立てて練習はしてきた。それに私の方が、リーチがある。距離をコントロールして、自分の間合いで戦いたい。

ファイトはファイト。本当に次の1秒で何が起こるか分からない。でも、ファンにKOを見せたいと思う」

■放送予定
1月11日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE FN27対戦カード
<ONE世界フェザー級(※70.3キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]タン・カイ(中国)
[挑戦者] アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<ONE世界女子アトム級(※52.2キロ)暫定王者決定戦/5分5R>
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
コディ・ジェロム(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ランボーレック・チョーアッジャラブーン(タイ)
パルハム・ゲイラティ(イラン)

<サブミッショングラップリング・180ポンド契約/10分1R>
トミー・ランガカー(ノルウェー)
ダンテ・リオン(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
クラップダム・ソー・チョー・ピャッウータイ(タイ)
ジョン・リネケル(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
サンジャル・ザキロフ(ウズベキスタン)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アーロン・カナルテ(エクアドル)
エンフオルギル・バートルフー(モンゴル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
モン・ボー(中国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
スーブラック・トー・プラン49(タイ)
ドミトリー・コフトゥン(ロシア)

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE169 マカレナ・アラゴン 三浦彩佳

【ONE169】やはりアヤカロック=スカーフホールド&アメリカーナ! 三浦がアラゴンを撃破しボーナス獲得

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
Def.1R2分20秒 by スカーフホールド&アメリカーナ
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

開始早々、距離を詰めた三浦がシングルレッグへ。アラゴンが左腕を差し上げてグラウンドに持ち込んだ。袈裟固めに移行すると三浦が反転し、四点ポジションから立ち上がる。しかしアラゴンも立ち上がり際にヒザを突き刺す。三浦はガブられながらもアラゴンの左腕を巻き付け、さらに相手の首を抱える。そのままアラゴンの左腕を両脚で挟み、「リバース・アヤカロック」の形に。これは極まらなかったが、上になってアヤカロック=スカーフホールド&アメリカーナでさらにアラゴンの左腕を絞り上げる。一度は腕が外れるものの、再度セットアップしてタップを奪った。

勝利した三浦は「ナメなんな!」を雄たけびを挙げ、リングアナウンサーと抱き合うと恒例の涙顔に。「相手は柔道で凄い戦績を持っていて、私は柔道は全然戦績を残せていません。でも今日はMMAで、アヤカロックを決めて『私の技だぞ』と照明できて良かったです」と喜びを語る。そんな三浦に5万ドルのファイトボーナスを与えられ、「いつも満足のいく試合じゃないし、試合もキャンセルされて――今日はアヤカロックで5万ドルをもらえて嬉しいです。長南さん、視ていますか? 今日はジムのボスが来られなくて、彼氏のアーセンとトレーナーの堀江さんが来てくれました。5万ドルは皆のために使います」と、さらに喜びを爆発させた。


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45 o ONE ニュース マカレナ・アラゴン ルンピニー 三浦彩佳 平田樹

【ONE】速報中!ONE 169 三浦彩佳× マカレナ・アラゴン

IMG_3098
ロッタンの計量失敗というバッドニュースもありましたが、今日はONEのナンバーシリーズONE 169: Malykhin vs. Reug Reugがタイのルンピニースタジアムで開催されます。日本人ファンの注目はやはり三浦彩佳。最近は平田樹との日本人対決を制して波に乗るかと思いきや、試合のキャンセルが続いて今回に至りました。アルゼンチンの新鋭マカレナ・アラゴンを相手に勝ち切る事が出来るか。U-NEXTを観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【ONEアトム級】
◯三浦彩佳(日本)
(1R アヤカロック)
×マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)
1R、開始直後に組み付いた三浦。しかしアラゴンの腰は重い。逆に投げてテイクダウンに成功。組み技の強さを見せる。三浦も下から組み付いてリバースを狙うがアラゴンが堪える展開。押し切ってリバースすると得意の袈裟固め!腕も極めて絞め上げるとアラゴンはタップ!三浦が完勝です!
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【ONE169】三階級制覇、無敗&判定勝ち無し=マレキンに挑む、セネガル相撲出身ログログ

【写真】インスペクターも含め、怪獣総進撃のようだ(C)ONE

明日9 日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE169が開催される。日本から三浦彩佳が出場する同大会。ONEムエタイ世界フライ級王座の防衛戦を行う予定だったロッタン・シットムアンノンが制限時間内に計量をパスできず、王座剥奪。キャッチ戦となった変則世界戦は、ジェイコブ・スミスが勝利した場合のみ王者に認定されることとなった。
Text by Manabu Takashima

トリプルクラウンがダブルクラウンとなったイベントのメインはONE世界ヘビー級選手権試合=王者アナトリ―・マリキン×挑戦者ウマウ・ケニ・ログログの一戦だ。ミドル&ライトヘビー&ヘビー級の三冠王者にとって、ヘビー級王座の初防衛戦となる。


マレキンはこれで2022年2月の暫定ヘビー級王座決定戦から、同年12月のライトヘビー級王座挑戦。昨年6月のヘビー級王座統一戦。そして今年3月のミドル級王座挑戦を経ての王座防衛戦で、5試合連続の世界戦となる。

ONE独自の階級により、北米階級ではヘビー級に相当する選手がライトヘビー級で戦える背景もある3階級制覇とはいえ、腰に巻き、両肩に掛けるベルトの数よりもマレキンの偉業はその圧巻の試合内容といえるだろう。

4試合の世界戦はおろか、ONEで戦った6試合の全てがフィニッシュ勝利。キャリア全般においても、敗北も判定勝ちも一度としてない。

対するログログはMMA二戦目からONEで戦い、通算戦績は5勝1敗。前回の試合ではムエタイ初陣をKO勝ちで飾っている。ONE特有のマルチウェイトカテゴリー、マルチスタイルが融合したMMAヘビー級のベルトに挑むこととなったログログのベースは、ルッ・セネガル=セネガル相撲だ。

セネガル相撲といえば、先月14日に第1回大会が実施されたROMANにゲイ・ババカールが出場し、僅か18秒で水口清吾をパウンドアウトしている。

ナチュラルにパンチを出せ、被弾しても怯まないレスラー。それがセネガル相撲勢といえる。殴ることが許されたレスリングだけに、MMAでいえばダーティーボクシングがクリーンファイトとなり彼らのDNAに組み込まれている。過去の試合からいえば序盤のテイクダウン能力の高さは、マレキンも警戒が必要だろう。とはいえ距離を取ったキックボクシングをされると、距離の詰め方とスタミナ配分には課題も残る。

グラップリングといえば攻めより、防御力の方が高いか。マーカス・アルメイダ・ブシェシャに極めさせなかったのは、ともに疲労困憊でグダグダのファイトであったとはいえ特筆すべきことだろう。

MMAファイターとしての完成度の高さでは、チャンピオン。そしてフィニッシュ力もマレキンだが、序盤の瞬発力ではログログも負けていない。加えて、そこから試合が長引くと……マレキンも持久戦には未知数な部分が残っている。とはいえログログのスタイルからも、試合がチャンピオンシップラウンドまで続く可能性は低い。

同時に短時間のファイトではマレキン有利だが、ログログも序盤にだからこそ発揮でいる一発を有しているかもしれない──そんな王者有利なヘビー級の頂点争いといえるだろう。

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級変則選手権試合135.5ポンド契約/3分5R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE169 RIZIN UFC YouTube   アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マリキン アニッサ・メクセン アフメド・ムジタバ アミール・アリアックバリ アレッシャンドリ・パントージャ ウマウ・ケニ・ログログ キック ケイド・ルオトロ ゴントーラニー・ソー・ソンマイ サムエー・ガイヤーンハーダオ ダニー・キンガド ボクシング マカレナ・アラゴン マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ルンピニー ロッタン・シットムアンノン ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳 朝倉海

【ONE169】1年半振りの実戦=アドリアーノ・モライシュがONEの現状&ATT同門パントージャ×朝倉海を語る

【写真】もう11年も太平洋、時には赤道を越えて、赤道付近まで戻るという遠征をしてきたアドリアーノだからこそ──という言葉が訊かれた(C)MMAPLANET

9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169で元ONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュが、昨年5月のDJ戦以来18カ月振りとなる戦線復帰でダニー・キンガドと戦う。
Text by Manabu Takashima

1年半振りの試合に向け、ONEでの現役生活も11年を数えるようになった元世界チャンピオンは、ここ数年のONEの変化を敏感に感じ取り、気持ちが途切れたこともあったと振り返る。

しかし、今年の6月の長女の誕生とともにやる気を取り戻したアドリアーノの心境とは。そしてATTチームメイト、アレッシャンドリ・パントージャと朝倉海のUFC世界フライ級選手権試合に関して、チームメイトとして見立てとは?


──アドリアーノ、お久しぶりです。調子はいかがですか。

「本当に久しぶりだよね。今は計量にむけて、体重の調整に入っているけど調子は上々だよ。この間もトレーニングを欠かすことはなかった。そして、家族と一緒の時間を過ごした。チームメイト、家族、皆が支えてくれて今を迎えている。凄くワクワクしているよ」

──その久しぶりというのも今回は18カ月振りの試合だから、ということもあります。ここまで試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「ノー。ずっとONEに試合がしたいと伝えていたけど、今回まで実現しなかっただけだ」

──この2年ほど、ONEは明らかにキックやムエタイ、そしてサブミッショングラップリングに力を入れています。アドリアーノにもキックやグラップリングの試合のオファーはなかったのでしょうか。

「そこは……ちょっとね、ビックリさせられているよ。MMAは打撃とグラップリングの複合競技だ。そのMMAの根幹を引き裂いて、MMAファイターにどちらかの試合をさせようというのは……。僕らは打撃は打撃、組み技は組み技ということでストライキングやグラップリングのトレーニングをしているわけじゃない。

それでも僕はプロとして、契約下にあるのだからONEのために戦いたいと思っている。短期間でなく長い目で見てONEとやってきたのだから、僕は僕の役割を果たし金を稼ぐんだ(笑)」

──プロモーションとして必要なのでしょうが、世界的に見てネームバリューのあるMMAファイターを他競技に投入し、本職に敗れる姿を見るのは悲しいことです。

「MMAファンは悲しむよ。個人的にキックやムエタイの試合を見ることも好きだけど、戦うならMMAだ。MMAを戦うために、練習してきたのだから」

──そんななか9月にDJが引退を発表しました。彼がいなくなったことはONEで現役生活を全うしているアドリアーノの気持ちの部分に影響を与えないですか。

「3度目の試合が勝ち負けに関係なく、内容が良くなかった。だから、DJと戦う機会が永遠に失われたことは残念に思う。特に僕は試合にも負けたし、もっと積極的なアクションのある戦いをDJともう1度繰り広げたかったよ。

と同時にDJが全てをやり切って、引退を決意したことを祝福したい。全てをやり切ったレジェンドが、身を引く決意をした。その決断をリスペクトしているし、DJが決めたことだから正しいタイミングだったと思っている。でも、僕がベルトを取り戻すとDJも戻って来るんじゃないかな(笑)」

──なるほどです(笑)。DJと同様に、アドリアーノもMMAファイターとしてやり切ったと感じる年齢になりつつあると思います。DJが去った今、どのようなモチベーションを持って戦いの場に戻ってきたのでしょうか。

「そこはDJの引退云々でなく、6月に娘が生まれたことが一番大きいね」

──おお、それはおめでとうございます。

「ありがとう。彼女の誕生が、過去になかったモチベーションを僕に与えてくれた。実は試合がしたいと思っても、なかなかその機会が与えられないできた間は、もうどうでも良いやという投げやりな気持ちになることもあった。

ONEのMMAのなかでも、特にフライ級の試合は少ないと感じていたし。タイトル戦線も動かない。そりゃあ、やる気が削がれたよ。でも、娘が生まれて僕の心に再び火がついた。まだ契約が残っている。なら、やってやろうという気持ちになったんだ。

肉体的にも衰えはないし、そこに精神が融合すると今の僕は20代の時と何ら変わりない。大きなケガもないし、手術をしたこともない。同時に35歳になって、あと何年戦うことができるのか自分でも分からない。でも少なくとも契約が満了になるまでは、強い気持ちを持って戦い続けることができる。なにより、今回の試合でも娘が僕の力の根源になっていることは間違いないよ」

──娘さんがパパは何をやっているのかを理解できるようになるまで、アドリアーノには戦い続けてほしいです。

「そうだね。彼女が誇ることができる父でいたい。そうなるためにも、僕は気持ちを込めて戦い続ける」

──そのようななか7年前に戦ったダニー・キンガドと戦うことに関しては、何か想うところはありますか。

「そこに関しては、良い試合が組まれたと思っているよ。

2017年11月10日、ONE世界フライ級 王者だったアドリアーノは、1R4分45秒にRNCでキンガドを破り王座防衛に成功している

僕もダニーも7年前とは別人だ。お互いが成長してきた。ダニーは今も変わらずパワフルなパンチとキックを使う。何よりグラップリング面での成長は目を見張るものがある。

それでも、僕の方がまだ彼の前を行っている。技術的に僕の方が上だし、しっかりとフィニッシュしたい」

──ではリングでの試合をどのように考えていますか。

「リングとケージで、MMAが違うスポーツになるとは思っていない。でもアジャストが必要なのは絶対だ。ケージコントロールができないことは、大きい。それでもコーナーも使えるし、僕の戦いがものすごく変わることはない。リングでやれることをやるだけだよ。

レフェリーが試合を止めて、頭を中央に回す。パンチとキックが加わっただけで、その流れは柔術で十分に経験してきたからね(笑)」

──押忍。試合を今週末に控えて、そこに集中しているアドリアーノですが、一つチームメイトに関して質問をさせてください。

「パントージャのことだね(笑)」

──ハイ。12月に朝倉海選手の挑戦を受けます。朝倉選手とアドリアーノは、身長がほぼ同じ。パントージャの対策練習のパートナーだったのではないかと。

「パントージャとは、本当に多くの練習を繰り返してきたよ。キャンプ中も僕が彼を助けて、彼が僕を助けてくれた。パントージャは、次の試合に向けてめちゃくちゃ気持ちが入っている。

そうだね……カイ・アサクラはとても良い試合を日本でしてきた。ただし、それをラスベガスで再現できるかといえば疑問は残る。それに彼にとって、125ポンドで戦うのはいつ以来になるのか?」

──7年半振りかと思います。

「だろう? それは大変だよ。対してパントージャにとって、ラスベガスはホームのようなものだ。減量も問題ないだろう。グラップリングに関しては、絶対的な差が存在している。カイ・アサクラは125ポンドに落として、5Rを戦い切ることができるのか──お手並み拝見だよ。簡単なことじゃないはずだ。そこに関してパントージャはアドバンテージを持っている。UFCの世界戦、ラスベガスで戦う感覚を体が覚えているからね。

UFCデビュー戦で、UFC世界王座に挑戦できるなんて人生最大のチャンスをカイ・アサクラは手にした。だから、その状況を楽しんでほしい。そんな機会を得られる選手は、今やいない。それに勝てば、確か日本人で初のUFC世界チャンピオンになるんだよね?」

──ハイ。その通りです。

「そりゃあ、日本のMMA界にとっても凄く良いことじゃないか。皆がカイ・アサクラに期待しているのも分かるよ」

──初陣がタイトル戦というのは、国内でも様々な反応がありました。ただ、UFCが日本で盛り上がるために朝倉海選手への期待は相当に高まっています。

「小さいことに拘っていちゃダメだ。でも、本当にカイ・アサクラにとっては過去に経験したことがないようなタフな戦いになるだろう。時差、気候の違い、全てがファイトに影響してくる。本当にカイ・アサクラはRIZINで良い試合をしてきた。ただし、日本で戦っていた時のようなパフォーマンスを米国で発揮できるとは限らない。どうなるか、だね」

──そうはいってもアドリアーノ自身がかつてはブラジルから、今はフロリダから朝倉選手以上の長旅と時差、気候の違いを乗り越えて東南アジアで戦っているではないですか。そして、能力通りの力を発揮している。なら、朝倉選手も可能だということですよね?

「本当だ。メェ~ン、痛いところをついてくるね(笑)。僕らはファイターだ、世界のどこにいようが、しっかりと戦わないといけない。そうだね、どういう戦いになるのか見届けようじゃないか。一つだけ言えるのは、パントージャは本当にタフだということ。

彼はチャンピオンのマインドセットを備えて、戦っている。彼の武器、拳、蹴りは他にないモノだ。グラップリングも日々進化している。カイ・アサクラにとって、本当に手強い相手になる。それは断言させてもらうよ」

──ONEのメディアデーに関わらず、UFC世界戦について話していただきありがとうございます。では、アドリアーノの18カ月振りのファイト。期待しています。

「本当に長い間、待ち続けた。僕はまたフライ級王者になる。そしてONEフライ級タイトル戦線を活発化させるよ。日本のファンにも、期待してほしい。いつも、応援ありがとう」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
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■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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45 AB ADCC2022 CJI MMA MMAPLANET o ONE ONE169 UFC YouTube   アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マリキン アニッサ・メクセン アフメド・ムジタバ アミール・アリアックバリ アンドリュー・タケット アンドレ・ガルバォン ウマウ・ケニ・ログログ キック ケイド・ルオトロ ゴントーラニー・ソー・ソンマイ サムエー・ガイヤーンハーダオ ダニー・キンガド ボクシング マカレナ・アラゴン マーカス・ブシェシャ・アルメイダ リーヴァイ・ジョーンズレアリー ルンピニー ロッタン・シットムアンノン ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳

【ONE169】2度目のMMAへ。ケイド・ルオトロ「次にやってくる波は、失われた柔術の技だよ。それが……」

【写真】緊張しているようには、感じられたなかったケイド。インタビューでは、それを見せないだけかもしれないが──とにかく興味深い話が聞かれた(C)ONE

9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169でケイト・ルオトロが2度目のMMAに挑む。
Text by Manabu Takashima

アフメド・ムジタバと相対するケイドは、8月にCJIを制し100万ドルを獲得。ADCC2022の優勝に続き、この惑星で一番のグラップラーであることを示した。グラップラーが競技で食っていける時代を突き進むケイドが、1億5000万円を獲得した3カ月後にMMAを戦う理由とは。

そして意外な師弟関係にあるエリック・パーソンについて尋ねた。


僕は頭のネジが外れてしまっている

──今週末、アフメド・ムジタバと2度目のMMAを戦います。今の気持ちを教えてください。

「凄くワクワクしているけど、少し緊張しているかな」

──ナーバスになっているというのは?

「いつだって試合前は、ある程度はナーバスになるものだよ。そしてMMAだから、柔術の時よりも緊張の度合いは強い。それでも、楽しみな気持ちの方が大きいけどね」

──もちろん今はムジタバ戦に集中しないといけないのですが、CJI優勝を振り返ってもらえないでしょうか。前回のADCCに続き、CJIの優勝はケイドが改めて世界一のグラップラーであることが証明されました。

「本当に特別な時だったよ。ADCC2022から今年のCJIまで、自分をさらに高めてきた。ただ、これまでのトーナメントで優勝した時のような清々しい気持ちにはなれなかったのも事実だ」

──えっ?

「ONEではタイもベルトを持っている。WNOもそうだ。2人でベルトを巻いた。CJIではタイは不運にもヒザの負傷に見舞われて、決勝まで一緒に進むことがならなかった。確かに100万ドルを手にできたことは、凄いよ。本当に素晴らしいトーナメントだったしね。そこで最高の選手たちに勝つことができた。アメージングな経験になったよ。ただ、タイと優勝をシェアしたかった……」

──ADCCとは違い、同じ階級に出場をしました。決勝に両者が揃って進んでいれば、最後の1試合は行われなかったわけですね。

「そうだね。ファイナルはタイとシェアするつもりだったよ。ただ、タイが2回戦で負ったヒザのケガは酷くて、次の試合に進めなかった。最悪だよ。技術的にタイは僕と比べても……いや、この階級の誰よりも優れているんだ。でも、それが競技の怖いところで、最高の選手が色々なことが要因となって、勝ち上がれるわけじゃない」

──タイの負傷は残念でした。と同時にCJIではアンドリュー・タケットとの準決勝戦、リーヴァイ・ジョーンズレアリー決勝戦など、ケイドや若い選手がグラップリングを観賞用スポーツに昇華させたともいえます。

「そうだね。CJIのルールが、大きく後押ししてくれた。そして、参加選手の多くがただ柔術を戦うだけでなく、エキサイティングな攻防を仕掛けることの大切さを理解していた。退屈な柔術の試合をしていても、生きていくにはアカデミーを開いて指導をしないといけない。

でも柔術を戦って生きていくには、エキサイティングな試合をすることは欠かせない。皆、そういう試合を楽しみにしているのだから。アンドリュー・タケット、そして僕も相当にエキサイティングなファイターだ。その2人が戦ったのだから、試合はああいう風になるよ(笑)」

──CJIはグラップラーが競技生活で、生きていける道筋を創りました。そして100万ドルを手にしたケイドが、3カ月もしないうちにMMAを戦うというのは?

「MMAを戦う理由……、それはCJIが生まれる前からMMAを戦うことを決めていたからだよ。ただし、CJIは本当にタフなトーナメントで体を酷使し過ぎてしまった。ケガも多くて、9月のデンバー大会には出場できなかった。体調はかなり戻せたけど、部分的にはヘルシーでない箇所もある。今週末のファイトが、今年最後の試合になる。タイと一緒に体の回復に努めて、来年はもっと強くなって戻って来るつもりだよ」

──ケイドやタイのグラップリング戦を見るのが楽しみなのは、100パーセントのリアルファイトでシリアスな戦いにあっても、2人も楽しく戦っているように映るからです。その一方で殴りに来る相手と戦うMMAで、ケイドは楽しむという気持ちがあるのでしょうか。

「MMAと柔術は違うね(笑)。正直、それでも楽しもうと思っているよ。その恐怖を楽しむような感覚があるんだ。サーフィンで、とてつもないビッグウェイブに挑む時のようにね。そして、海に投げ出されるとサメが回りにいる。そういう危険な状況を欲している自分がいるんだよ」

──命綱なしにクライミングに挑むようなモノですか。

「それっ!! その通りだよ。MMAって、僕にとってそれに等しいんだ。相手は僕を失神させようと殴って来るんだけど、僕は頭のネジが外れてしまっているのか……そこをエンジョイしているんだ」

──そんなMMAを戦う時に、コーナーにエリック・パーソンの姿が見られました。UFCの前から日本で、30年以上前に戦っていたエリックはいわばオールドスクール・ガイです。もちろん今のMMAに適応していますが、彼の指導をケイドが受けているのが凄く不思議で興味深いです。

左にエリック。右にタイ。6月のMMA初戦のケイド陣営(C)ONE

「エリックは日本に30回以上行っていると言っているし、そうか……顔見知りなんだね。

凄いや、それって!! 僕がエリックに初めて会ったのは、5年ぐらい前かな。まだガキの頃だよ。当時の僕にとって、プロフェッサー・アンドレ・ガルバォンこそが最高であり、唯一絶対的な指導者だった。

でもエリックって、別モノなんだよ。彼は柔術も学んでいるけど、それこそ柔術が失ってしまったモノを持ち続けている。シュートレスリング、キャッチレスリングには僕らが目にしなかった技術が存在していた。

技術の変遷って、サークルじゃないか。ADCCでもレスリングが全盛で誰もがレスリングに懸命になっている時期があった。その前はレッグロックの時代だ。皆がレッグロッグを学ぶ必要があった。で、僕が想うには次にやってくる波は、失われた柔術の技術だ。それがエリック・パーソンのシュートレスリング、キャッチレスリングに残っている技術なんだよ」

──もの凄く興味深いですね。

「レッグロックを見てみようよ。昔のテクニックだ。ダーティーだと忌み嫌われて、誰もが忘れていた。でも、今では絶対に欠かせない技術になっている。20年の年月を経て、エディ・カミングスがレッグロックを極めまくり、その重要性を皆が再確認した。

エリック・パーソンが見せてくれたテクニックは、僕が見たことがないものだった。殺しの術というのか、もの凄く興味深いモノだったんだ。加えてエリック・パーソンはMMAの経験も豊富でパンチ、キックも含めて知識の宝庫といえる。何もかも知り抜いているよ。

なによりも人として最高なんだよ。本当のナイスガイで、このスポーツで出会ったことがない人間性の持ち主だ。そんなエリックだから、彼の教えを受けることを決めたんだよ」

エリックは聖水で僕の体を清めてくれ、十字を切り、オイルを焚いて……

──いやぁ、ケイドがそんな風にエリックのことを話してくれると、こっちまで嬉しくなってしまいますね。

「エリックって、一度見たことを写真に収めるように忘れることがないんだよ。本当に凄まじい知識量を誇っている。100万にも及ぶ技術を、シェアしてくれるんだ。彼のMMAの技術、知識、そして重ねて言うけど素晴らしい人間性が僕を助けてくれる。

実はあまり言ってこなかったけどMMAデビュー戦の前夜、僕はものすごく体調が悪化していたんだ。凄く寒気がして、血を吐きだすぐらいで」

──えぇ、そうだったのですか!!

「寒くて寒くて。父もどうして良いか分からなくて。咳が酷くて、息苦しくもあった。でも真夜中にエリックが部屋に来てくれた。エリックは聖水で僕の体を清めてくれ、十字を切り、オイルを焚いてマッサージを1時間もしてくれた。すると体の毒素が洗い出されたみたいになって、もう別人かのように回復したんだ。マーシャルアーチストだけでなく、彼はヒーラー(宇宙や生命のエネルギーを活用して、人々を癒す人物)なんだ」

──その話、皆が訝しく思うかもしれないですが……。今日は時間がなくて、私の話をすることはできないのですが、実はカリフォルニアで体調不良に陥った自分は、エリックに同じ癒されたことがあります。いやか、いつの日かケイドとエリックの対談をさせて欲しいです。

「おお、そうなんだ!! 絶対、その取材をやろうよ!!」

──ハイ。ただ今日は試合前のメディアデーで、時間も限りがあります。なので……2度目のMMAファイトでケイドは、何を見せたいのか話してもらえますか(笑)。

「まずベストを尽くすこと。キックもパンチも使うよ。そして、最後は僕のルーツ……柔術を駆使してフィニッシュする。対戦相手はレスラーで、柔術も茶帯か紫帯で危険な相手だ。KO勝ちもできるしね。テイクダウンの距離もグラップリングとMMAでは違ってくる。でも、僕だって打撃とグラップリングの融合を目指して練習してきた。しっかりと、仕留めるよ」

──さきほど、年内は今回の試合が最後になると言っていました。では2025年はどのような目標を持っているのでしょうか。

「来年はよりMMAに集中して、戦績を積み重ねていきたい。ただ柔術家としても、ONEのベルトを保持続ける。そしてADCCやCJIのような機会があれば、頂点を目指すつもりだ。それでもMMAで戦績を増やすことに、より集中したいと思っている」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

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<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
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<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
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