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AB LFA MMA o ONE UFC ゲイリー・トノン タン・カイ タン・リー ライアン・ホール 高橋遼伍

ONE166:セミファイナル・タン・カイ vs. タン・リー

フェザー級王座統一戦5分5R。

タン・カイは中国人男子ファイターとして初のMMA世界王者。高橋遼伍にもKO勝ちしている。22年8月にタン・リーの王座に挑戦し、カーフを効かせ、右でダウンを奪い判定勝ちして王座を獲得。昨年ダイレクトリマッチが組まれたが負傷欠場していて、1年半ぶりの試合となる。28歳。

元王者で現暫定王者ベトナムアメリカ人タン・リー。北米のフィーダーショーLFAからONEに参戦し、ONEでの6勝はすべてKO勝ち。マーチン・ニューウェンにKO勝ちすると、グラップラーのゲイリー・トノンに対しては、足関を狙ってきたところにパウンドを打ち込んでKO勝ち。しかし初防衛戦ではタン・カイ相手にスタンドで出ることが出来ずに判定負け。暫定王座決定戦では、ロシアのフレイマノフにテイクダウンを奪われたが、下から内ヒールを仕掛けて一本勝ちした。父から学んだテコンドーと、グラップラーUFCファイターのライアン・ホールから学んだグラップリングが武器。38歳。

タン・カイが間合いの外でステップしながら待ちの姿勢。タン・リーもなかなか出ていけない。1分程度で早くもレフェリーから注意が入る。タン・カイがボディストレート。タン・リーが出てきたところに右を入れた。圧を強めてきたタン・カイ。カーフ。またボディ。ケージ際まで詰めたタン・カイ。タン・リーがタックルで組み付こうとしたが切られた。タン・カイボディ、前蹴り。残り1分でレフェリーが止めて両者にイエローが出される。タン・リーのボディにパンチを合わせたタン・リー。タン・カイカーフ。タン・リーミドル。残り10秒でパンチで出て膝につなげるが、バックステップでかわしたタン・カイ。ゴング。

2R。プレッシャーをかけるタン・カイ。ボディや前蹴りなど単発の打撃を入れる。ワンツー。タン・リーケージ際をサークリング。タン・リータックル。切られる。タン・カイ前蹴り。前回も効果的だったカーフも入れる。手数は少ないものの、先に手を出しているのはタン・カイ。タン・リー関節蹴り・ミドル。タン・カイはまたボディ打ち。タン・カイがパンチを打って、タン・リーが出てきたところにカウンターをあわせる。タン・リーがパンチで出るがバックステップでかわされる。また出て連打を出すが下がってかわされる。ゴング。

3R。ミドルの連打を入れたタン・リー。タン・カイまたカーフ。またプレスするが、ギリギリのところで出ないでカウンター待ち。タン・カイが待ち構えているのでタン・リーも出られない。結果として見合いが続いている。飛び込んで左フック。さらに右を入れたタン・カイ。またレフェリーが両者にイエローを出す。再開。タン・カイがミドル・ワンツーを入れた。タン・リーが出たところにカウンターを狙う。左フックを狙ったタン・カイ。タン・カイミドル。右フック。タン・カイの飛び込んでの右がヒットしタン・リーダウン!パウンド連打!KO!

ずっと同じ展開が続いていたが、決着は一瞬。タン・カイが返り討ちにして王座統一。

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【UFC298】中村倫也と対戦、カルロス・ヴェラ「テコンドーは何よりも速く。ライアンの柔術は誰とも違う」

【写真】両者とも135.5ポンドで計量を終えている(C)MMAPLANET

明日17日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也と戦うカルロス・ヴェラ。
Text by Manabu Takashima

3週間前の代役オファーを受けたヴェラは、MMA界で最高のテコンドー使いのタン・リーの盟友で、MMA界随一の50/50ガードの使い手であるライアン・ホールの指導を過去7年に渡り受けてきた。ヴェラ曰く「多くの選手がリンヤとの対戦を避けてきた」なかで、彼がスクランブルで出場を決めたのは、長年のテコンドー歴と濃密なグラップリングの指導を受けたことにより、他の類を見ないMMAを成形してきたからだ。

立っても寝ても異端のヴェラが口にした中村倫也戦の自信とは。


──カルロス、ファイトウィークにインタビューを受けてもらってありがとうございます。

「実はジムに行って汗を流そうと思ってUberで移動中だけど、取材してくれて感謝しているよ」

──そんな時に……こちらこそ、感謝しています。今週末、UFCデビュー戦で中村倫也選手と戦いますが、今の気持ちを教えていただけますか。

「凄く調子は良いよ。もともとリンヤ・ナカムラと対戦予定だった選手が欠場になり、僕がこの試合を受けたのは3週間前だった。聞くところによると、リンヤが凄くデンジャラスな相手になるから多くの選手が対戦を嫌がったというんだ。そんな相手だからこそ、戦い甲斐があるってものだよ。普段からしっかりと練習をしているし、試合が決まってからも十分に準備をすることができた。あの時点で、十分に戦うことができるという確信があったからリンヤとの試合に合意したんだ」

──カルロスのバイオを見ると、エクアドル人となっていますが、英語にスパニッシュ訛りも余り感じられずアメリカン・アクセントですね。

「生まれたのはエクアドルだけど、子供の時にルイジアナ州ニューオリンズに移り住み、6年前からフルタイムのMMAファイターとしてワシントンDCで暮らしている。もう米国にやってきた30年になるよ」

──ニューオリンズでテコンドーの経験があり、しかもMMAファイターで現在は50/フィフティージムに所存しているということは、もうONE暫定世界フェザー級王者のタン・リーと関係していないわけがないですね?

「その通りだよ(笑)。4歳の時からタン・リーのお父さんであるタイ・リーが開いたムーンカレッジでテコンドーを習って来た。30年に渡りテコンドーを続け、多くの蹴りとコンビネーションが僕のファイトの根幹をなしている。

タイ・リーにテコンドーを習い、タン・リーとは長年の練習仲間であると同時に彼もまた僕の指導者の1人だ。もう兄弟のようなもので、MMAも同じ時に始めたんだ」

──50/フィフティーへの移籍はタン・リーがTUFで親密になったライアン・ホールのところで練習をするようになったからですか。

「TUFの収録が終わってタン・リーがルイジアナに戻って来た時、その前と比べると10倍は彼の柔術が良くなっていた。驚いて『何があったんだ?』って尋ねた。そうしたらタン・リーがワシントンDCでライアン・ホールと練習すべきだと。すぐにワシントンDCに向かったよ。ライアンはまるで魔法使いのようだった。素晴しい柔術家で、素晴らしい指導者、そして最高のMMAファイターだった。ライアンが僕のマーシャルアーツキャリアを変えてくれた。

僕とリンヤの試合から2週間後にタン・リーも王座統一戦でタン・カイと再戦する。僕自身、リンヤ・ナカムラという相手に自分を試す機会が巡ってきた。運命的なモノを感じるよ」

──タン・リーはライアン・ホールとの出会いのあとも、テコンドーを全面に出したファイトですが、カルロスはMMAでもそれこそ50/50から足関節やリバーサルを狙い、またギロチンでフィニッシュするなどグラップラーのような戦い振りを見せています。

「僕は今でもテコンドー・ファイターだよ。多くの選手が僕らのようなトリッキーな動きを嫌がる。なぜなら、僕らが戦う角度は凄く相手にフラストレーションを与えるからね。そして彼らの解決策は、組んでテイクダウンを狙うことになる。以前の僕なら、リンヤ・ナカムラと立ち技で戦うとしただろう。なんせ、彼はU23の世界チャンピオン・レスラーだからね。

とてもパワフルなレスラーで、しかもKOできる打撃力もある。僕が望む相手だ。パワフルな打撃とレスリングの持ち主が相手なら、移動とボクシングとキック、そして柔術と僕の力がフルに発揮できる。勿論、リンヤを軽視することはない。でもリンヤがテイクダウンを仕掛けてきても平気だ。グラウンドも今や僕の庭になった。立っても、寝ても、どちらでもリンヤと戦うことができる」

──中村選手はケージのなかで50/50を経験したことはないと思います。どれだけ自信を持って寝技を戦うことができるでしょうか。

「自信の根源は、トレーニングだ。打撃、柔術、レスリングを毎日練習してきた。もちろん、僕のレスリングはリンヤとは比べものにならないほど稚拙だ。彼はワールドクラスだからね。彼とレスリングでやり合おうとは思っていない。でもさっきも話したように、僕は4歳の時からテコンドーをやってきた。キックして動く、加えて7年間懸命に修得してきた柔術がある。

彼がどれだけグラウンドができるのか、分からない。彼のテイクダウンとコントロールは素晴らしいと皆が言っているけど。うん、そうだね……。重ねて言うと、僕はしっかりと練習を続けてきた。グラップリングもそうだし、打撃でも自信を持っている。リンヤは危険なファイターで、技術力の高さも、パワーも認めている。だからこそ、僕の特性を生かしたトリッキーなファイトで彼と戦う」

──距離と間合いが鍵を握って来そうです。

「同意するよ。距離は凄く重要になる。つまりはリズムとタイミングの勝負でもある。テコンドーのタイミングとフェイクは他の比べるものがないほど速い。ムエタイはパワフルだけど、遅い。テコンドーはパワフルで、ずば抜けて速い。リンヤがこの速さにどれだけ対応できるのか、とても興味深い。そして彼がテイクダウンを狙った瞬間から、僕の庭に足を踏み入れることになる。色々な仕掛けを用意しているよ。

まず打撃、そしてテイクダウンがくればゲームプラン#02だ。柔術ゲームを仕掛ける。ライアン・ホールに習った僕の柔術は普通の柔術ではない。色々と違った仕掛けがある。彼のこれまでの試合のグラウンドと同じようになることはない。テコンドーは何よりも速く。ライアンの柔術は誰とも違う。リンヤは凄く戦いづらくなるだろう」

──カルロス、練習前に本当にありがとうございました。日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本の皆、僕は心からリンヤのことを尊敬している。そして、ずっとK-1とPRIDEを見てきた。リンヤ・ナカムラには侍スピリッツが宿っている。僕にはエクアドルの先住民の魂がある。先住民には多くの戦士がいた。リンヤのなかのウォリアーと僕のなかにいるウォリアーが、ケージのなかで尊敬心と勇気を持って戦う。その結果、最高のアグレッシブな試合になるに間違いない」

■視聴方法(予定)
2月18日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■対戦カード

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アレックス・ヴォルカノフスキー(豪州)
[挑戦者] イリャ・トプリア(ドイツ)

<ミドル級/5分5R>
ロバート・ウティカー(豪州)
パウロ・コスタ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
イアン・ギャリー(アイルランド)

<バンタム級/5分3R>
マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
ヘンリー・セフード(米国)

<ミドル級/5分3R>
アンソニー・ヘルナンデス(米国)
ロマン・コピロフ(ロシア)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
マルコ・ホジェリオ・デリマ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
カルロス・ヴェラ(コロンビア)

<ウェルター級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
ブレジソン・ヒベイロ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジョシュ・クィンラン(米国)
ダニー・バーロウ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ヴァル・ウッドバーン(米国)
オーバン・エリオット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
アンドレア・リー(カナダ)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC298 YouTube タン・リー ライアン・ホール 中村倫也 風間敏臣

【UFC298】テコンドー&50/50=カルロス・ヴェラ戦へ、中村倫也「直感を信じて戦えば、問題ない相手」

【写真】楽しそうななかで、集中力が増したように感じられた中村倫也だった(C)MMAPLANET

いよいよ今週末17日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也がオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

MMAPLANETでは代役カルロス・ヴェラとの戦いが決定する以前に、中村倫也インタビューを行い日常からの取り組み、レスリング練習の利点などについて尋ねた。その取材からほどなくヴェラと戦うことができ待った中村に追加取材。ヴェラ戦に向けての、取り組みとそので得られた自信について話を訊いた。


──カルロス・ヴェラ戦が決まったのは、いつ頃でしょうか(※取材は1月30日に行われた)。

「前に取材をしてもらった前日に最初の相手のキャンセルがあり、あれから2週間後ぐらいですかね」

──スライドでなく、対戦相手が代わったということに関しては?

「PPV大会に出られるのは、嬉しいです。それとデビュー戦はシンガポールだったので、本場のお客さんはまたエネルギー感が違うだろうし、凄く米国のお客さんの前で戦いたかったので。カルロス・ヴェラ選手には凄く感謝しています。

とにかく米国のアリーナで、満員のお客さんの前で早いうちに試合をしたかったです。シンガポールでも凄い盛り上がり方だったんですけど、米国だとまた違う感覚があるんじゃないかと。これから上がっていって、タイトルマッチとかになると米国のそういう状況での試合ばかりになってくるので。そういうファンの前で、自分の気持ちがどうなるのか。そのフィードバックを早めにしたいと思っていたので、ここで戦えて嬉しいです」

──懸命に対戦相手をUFCが探してくれたのではないかと。とはいえ、ヴェラの試合映像を視る限り──ピンキリでいえば、キリの類のUFCファイターであることは間違いないかと。

「映像を視た時、最初は皆がそういう印象を持つと思います。『えっ、近場にいって拳をぶん回せば良くない?』っていうのが第一印象としてありました。ただ練習仲間が、50/フィフティージムだとライアン・ホールに柔術を習っていて、タン・リーもいる。作戦を立てるのが上手いジムだから、自力の差をそういう点で誤魔化されないように──と。

そして、細かい対策を練るようになった段階で『ここが怖い』、『ここも怖い』、『ここもあるぞ』って思うようになって。ただ第一印象って大切で。その直感を信じて戦えば、問題ない相手だと思います」

──怖い点、つまり何を注意しないといけないのか?

「下からの仕掛けですね。足関節のエントリーを壁際でやられると、平場で大丈夫な対応ができなくなることがある。それとテイクダウンを狙った時のギロチンは、メチャクチャ練習して来ると思います。あとはカポエイラ特有の回し蹴りとか、関節蹴りですね。

でもKOできるような蹴りではないので、自分の立ち位置を確認している形ですね」

──あの足関節、風間敏臣戦前の練習が生きるのかと。

「風間選手とやる時も、野瀬(翔平)選手とやる時も、(アリアンドロ)カエタノとやる時もギロチンと足関節、下からの仕掛けをしのぐ練習をしてきたので。特別、そんなに焦ることはないです。試合前だけど、リラックスしています」

──足関節に対して、パウンドというのは?

「ガンガン入れていく展開にしようと思っています。う~ん、足関も仕掛けてくるか分からない。ぶっちゃけて、試合でもそんな上手いことやっていないので。でもやっぱりレスラーが相手のスクランブルで試合を受けたのだから、フィニッシュの一つの選択視にあると思って……仕掛けてくるかなって。う~ん、それでもTUFでは(ブラッド)カトーナに漬けられているので。それを自分ができないとも思えないです。

漬けて堅く勝ちに行こうと思えば、それができる相手で。さらにその上の課題を自分に課したいので、パウンドでダメージを与えて首を取るだとか。そういうことまで持っていくことができれば、一つステップアップできるかと思います」

──ギロチンのセットのし直し、アジャストは嫌でないですか。

「上半身が、がっちしタイプなのでアームインでもタイトになってくると思います。ギロチンはどう動くかを再確認して……今日も練習しました。でもスピードの差があるからなぁ……。エントリーが緩いのか、相手もあの場所で止まっていたのか。ジワジワと極めているんですよね。でも、俺だったらあの時間、あそこで止まらない。なので、あれも果たして……というのがあって。キャッチされた感じが緩いと感じ、その場にいるという罠にだけはハマらないように。とにかく先に足を跨いでいきます」

──UFCという場にきて、このヴェラの戦い方は一発こそあっても安定した結果を残せるスタイルではないと思います。

「そうですね」

──と同時にデビュー戦ということもあり、凄まじい集中力で挑んでくるのではないかという怖さもあります。

「ハイ……多分、そうですね。凄い集中力でピークを創ってくるんじゃないかと思っています。でも、バッチリです。大丈夫です。その自信もあります」

──世界中のファンに、何を見せたいですか。

「ちゃんとフィニッシュしきる姿を見せたいです。本当に見せたいです。前回の試合で、まだまだこういうMMAをしたいという課題がいっぱい見つかったんで。パウンドでしっかり削って、フィニッシュする。もしくはスタンドで決める可能性もプランとして全然あるので。中村、ついに本格的に自力をつけてきたなと思われる試合をしたいです」

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F1 MMA MMAPLANET o ONE   イリャ・フレイマノフ タン・カイ タン・リー ライアン・ホール ルンピニー

【ONE FF15】ノー打撃戦。フレイマノフのTDから足関節に移行したタン・リーが内ヒールで暫定王者に

<ONE暫定世界フェザー級(※70.3キロ)王座決定戦/5分5R>
タン・リー(米国)
Def.1R1分02秒by ヒールフック
イリャ・フレイマノフ(ロシア)

サウスポーに構えたリーが、遠い位置からから左ハイを入れる。近づいたフレイマノフは右を当て、一旦距離を取り直す。フレイマノフは前に出て来たリーに組みつき、ボディロックでテイクダウンを奪う。スクランブルでバックに回ったフレイマノフに対し、下になったリーが外ヒールを仕掛ける。カカトを持ち替えて50/50を組み、インバーティッドからストレートフックへ。足を抜こうと体を捻って立ち上がったフイマノフに対し、リーが内ヒールを極めてタップを奪った。

セコンドのライアン・ホールの前で極めた内ヒール──暫定王者は「チーム、父、ライアン・ホールがいてくれたからだ。彼がテイクダウンをしてきた。だから、こうなったんだ。テイクダウンしてくれよ、カモン。彼は危険すぎると皆が言い続けていることが、僕のモチベーションだったんだ。ルンピニーのファン、最高だよ」とインタビューで話す。

そしてボーナスに大興奮のタン・リーの前に正規王者タン・カイが現れると、「驚いた。こんなに短い時間で勝って。でも、僕は彼をKOできる」とコメント。対してタン・リーは「KOする?  ノックアウトするまでには色々なプロセスがある。そこに衝くべき隙も生まれるんだ。前回は判定だった。次は絶対にはフィニッシュするよ」と言葉を返した。


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o UFC アイリーン・アルダナ ダン・イゲ モフサル・エフロエフ ライアン・ホール

UFC on ESPN50:第9試合・ディエゴ・ロペス vs. ギャビン・タッカー

フェザー級

ロペスのUFC2戦目。今年5月に直前の代役でUFCとの契約を果たし、いきなりランキング10位のモフサル・エフロエフ相手に1R腕十字を極めかけ、3R終了間際には膝十字でこれもほぼ完全な形に入り追い込んだことで評価が上がった。メキシコ在住のブラジル人で、自身が経営するジムには6月にやはり代役で女子バンタム級タイトルに挑戦することになったアイリーン・アルダナもいる。28歳。

迎え撃つカナダのタッカーはUFC4勝2敗。柔術黒帯のグラップラーで、UFCでもチョークで2度勝利している。3連勝中だった前戦は、ライアン・ホールの代役としてランカーのダン・イゲと対戦するチャンスを得たが、わずか22秒でKO負けしてしまった。その後2度組まれた試合をいずれも欠場し、2年5ヶ月ぶりの試合となる。37歳。

ローを入れたタッカーだがローブローに。タイムストップ。再開。タッカーシングルレッグ。ロペス飛びつき三角で引き込んだ!肘を極めに行く。首を抜こうとするタッカーだががっちりクラッチして極めるロペス。そのまま後方に回転しつつ腕を逆向きに反らせるとタッカータップ!

久々の復帰戦とはいえ、4勝2敗のグラップラーから瞬時に極めてみせた。前戦の高評価に応える快勝。

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BELLATOR ECI06 MMA MMAPLANET o ONE YouTube エステヴァン・マルチネス キャメロン・メロット コール・アバテ ジオゴ・ヘイス ダナ・ホワイト デイヴィッド・テラオ ベラトール マイキー・ムスメシ マニー・ヴァスケス ライアン・ホール 高橋SUBMISSION雄己

【ECI06】身長149センチの猛者エステヴァン。D1AAレスラー、柔道&ノーギワールズ王者テラオに要注目!!

【写真】スーパーアグレッシブなエステヴァン・マルチネス。高橋はとんでもないグラップラーと相対することになるかもしれない(C)WNO/CLAYTON JONES

29日(土・現地時間)、ニューヨーク州シセロで開催されるEmerald City Invitational06のバンタム級トーナメント展望後編。
Text by Isamu Horiuchi

高橋Submission雄己が出場する32人制ワンデートーナメントには、日本では無名でもとんでもない力量を誇るグラップラーたちが参戦している。そんなECI06バンタム級T優勝候補筆頭と目されるのは、ベガス出身にしてZRチーム所属、21年のノーギワールズ最軽量級王者のエステヴァン・マルチネスだ。発表されている身長が4フィート11インチ(149.85センチ)と軽量級選手のなかでもことさら低く、太く低い手足を持つタンクのような選手だ。

<ECI06展望Part.01はコチラから>


戦い方はきわめてアグレッシブにしてダイナミック。スタンドでは積極的にダブルやシングル、ファイアーマンズキャリー、アームドラッグ等を繰り出し、たとえ潰されて下になっても簡単には抑え込ませず、動き続けてスクランブルでトップを取り返す力がある。

相手が下になれば側転、ニースライス、かつぎと矢継ぎ早にパスを仕掛け、上から滑り込んでのベリンボロでのバック取りや跳びつき三角、上からダイブしてのキムラやギロチンも狙う。リスクを厭わないスタイル故に相手にバランスを崩されることも多いが、持ち前の瞬発力と反応速度、ボディバランスと重心の低さをフル活用してトップをキープし攻撃を続け、相手を疲弊させてゆく。

ベイビーシャークが頭一つ大きいって──どういうこと?

何より特筆すべきは、体型も味方に付けての一本負けの少なさだ。

マイキー・ムスメシと対戦した際にも再三の足関節狙いを凌いで判定に持ち込んでおり、ジオゴ・ヘイスやコール・アバテといった、二回り大きい軽量級世界最高峰からも一本は許していない。6分という制限時間内にこの選手から一本を奪うのはきわめて困難だろう。

その上強烈なチョークを得意としていて、バックを奪われた状態からスピンして逃れる瞬発力にも長けているので、OTへの適性も悪くない。

階級上のキース・クレコリアンとのOT戦においては、四の字ロックを作ることができず3度連続で高速エスケープを許して敗れてはいるが──エステヴァンを誰が止めるのかが、この大会の第一の軸となりそうだ。

実は、このエステヴァンと一昨年の今大会フェザー級トーナメントにて対戦し、あと一歩のところまで追い詰めた選手がいる。20歳のキャメロン・メロットだ。

大会主催のエメラルドシティ柔術と同じヒカルド・アウメイダ・アソシエーション傘下にして、トム・デブラス率いるオーシャンカウンティ柔術所属。昨年のノーギワールズ紫帯ライトフェザー級3位と、帯色や実績では他のトップ選手には及ばないが、そのガードワークはまぎれもなく一級品だ。

前述のエステヴァン戦では、怒涛のアタックに対して下から足を効かせ続けてパスを許さず、逆に足を取りにゆく場面もあった。やがてクローズドから体をずらして見事にバックを奪うことに成功し、首に深く腕を食い込ませてあわや大金星かという場面まで作った。

執念でエスケープを果たしたエステヴァンの粘りの前に試合がOTにもつれ込むと、レフェリーから優勢と判断されて先攻後攻の選択権を与えられたのはメロットの方だった。結局OTの第2ターンでチョークを極められて敗退したが、見る側が──仮定の話をしても仕方ないとは知りつつも──「もしEBIルールでなければ…」と思ってしまうほどの大健闘だった。

このメロットのような、まだ世界的には無名だが大きな可能性を秘めた若手選手を見つけるのも、このトーナメントの見所だろう。

さらに他競技でも実績を挙げている選手として、ライアン・ホールの50/50柔術所属のデイヴィッド・テラオにも注目したい。「スタンフォード」というとても賢そうなミドルネームを持つこの日系人選手は、ワシントンDCにあるアメリカン大学在学中の16年に、NCAA Division 1のオールアメリカンに輝いている。

さらに柔道でもハワイ州の高校王者であり、現在も米国チームの一員としてIJF主催の国際試合で活躍中。昨年チュジニアで行われたアフリカンオープンでは4試合を勝利して準優勝、さらに今年キューバで行われたパンアメリカンシニア(21歳以上)オープン大会では、4試合中3試合を一本勝ちで優勝に輝いている。

グラップリングでは、色帯時代には三角絞めや足関節で敗れる姿も見られたが、着実に戦績を伸ばしてゆき21年ノーギワールズの茶帯ライトフェザー級で優勝。

決勝は自らシッティングガードを取り、一瞬で相手を引き込む三角絞めで攻め込んだ。終盤は逆転を期した相手が下からワキを差して上を取りに来たところをウィザーからの内股で防ぎ、逆に小内刈りと相手の足を内からすくう合わせ技で倒して上をキープするという──レスリング&柔道の技術を存分に活かしての勝利だった。

なお、大会後に師のホールから黒帯を授与されたことを受けてテラオは、日本人である祖父が教えてくれたという「arigatai」という言葉を用いて、今まで格闘技で出会った人々に感謝の気持ちを表現している。

黒帯取得後も柔道と並んでIBJJF系の大会に精力的に出場しており、昨年12月のノーギワールズでは初戦を突破して準決勝で世界柔術準優勝のカーロス・アルベルトと対戦。残り数秒で三角に捕まるまでポイント0-0、アドバンテージ2-3の好勝負を展開し銅メダルを獲得している。

テラオのようなレスリングや柔道の強力なバックグラウンドを持つ選手が、細かい技術への対応を身に付けた時には脅威と化すのは間違いない。それがサブミッションオンリーという舞台で、他の柔術グラップリングベースの選手たちとどのような化学反応を見せるのか。またOTとなった時に、テラオが柔道で培った極めをいかに活かすのかもきわめて興味深い。

もう一人知名度のある選手として、マニー・ヴァスケスも注目したい。現在サウスカロライナ州の10th planet グリーンヴィル支部を主催するヴァスケスは、もともとはBellatorやダナ・ホワイト・コンテンダーシリーズ(1stシーズン、第1週&第1試合に出場しジョビー・サンチェスに敗れる)にも出場した実績のあるMMAファイターだ。

18年5月までに12勝3敗の戦績を残しており、19年2月にはベラトール215で元王者のエドゥアウド・ダンタスとのキャリア最大の大勝負が予定されていたが、詳細未発表の負傷を原因に欠場。以降2年以上戦線から遠ざかっていたが、21年5月にコンバテ・グローバルで復帰戦が決まった際、実は悪性リンパ腫(がん)の治療を行なっていたことを明かした。

過酷な抗がん剤治療を乗り越えて臨んだこの試合に惜しくも判定1-2で敗れた後は、グラップリングに専念している。

MMA出身者らしくトップからの圧力で相手の攻撃を封じてゆく戦い方を信条とするヴァスケスは、昨年9月に行われたEBI形式の大会Midwest Finishers 9を制覇。決勝戦でも本戦で終始トップを維持する安定感のある戦いを見せ、OTでバックから極めた後にエスケープを果たしての優勝だった。

またその前の月には、今大会優勝候補筆頭のエステヴァン・マルチネスともワンマッチで対戦しており、敗れたものの最後まで極めさせず判定に持ち込んだ。後半はパスを許してバックも奪われてしまい、組技の地力はエステヴァンが勝っていることを印象付ける内容ではあったものの10th planet勢が研究を重ねるOTが採用されている今大会で再戦が実現した場合、どうなるかは分からない。

以前EBIでジョー・ソトがジョアオ・ミヤオをOTで下したことがあるように、MMA畑のファイターはOTへの適性が高いことが多い。

以上紹介した以外にも、さまざまなメンバーが顔を揃えたこのトーナメント。エントリー選手たちの所属道場を見るだけでも、アトス、AOJ、ヘンゾ系列、デイジー・フレッシュことペディゴ・サブミッション・ファイティング、ATT、10th planet各支部、普段はセルフディフェンスを中心に練習を行なっているホイス・グレイシー系列道場等、豪華絢爛にして百花繚乱、米国グラップリングシーンの裾野の広さが窺われる。この中にあって、今成柔術のバナーを背負って単身日本から乗り込む高橋が快進撃を見せてくれるなら、これほど痛快なことはない。

選手としてだけでなく、常に日本の業界全体の将来を視野に入れて活動する高橋。その彼が北米の最先端と触れ合うこの大会から、何を感じて何を持ち帰るのか。結果がどうあろうと、今後の日本のグラップリング界に少なからぬ影響を与えてほしいものだ。

■視聴方法(予定)
4月30日(日・日本時間)
午前6時00分~Flo Grappling

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC X-1   イスラム・マカチェフ ウマル・ヌルマゴメドフ セルジオ・ペティス ティム・エリオット パッチー・ミックス ベラトール マゴメド・マゴメドフ ライアン・ホール ラフェオン・スタッツ 元谷友貴 堀口恭司

【Bellator295】スタッツ✖ミックス展望 Part.02。バックテイクとギロチン、カギを握る2つの攻防

【写真】(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催され、メインでバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。
Text by Isamu Horiuchi

スタッツ✖ミックス、考察。後編はミックスが自分を貫くファイトを心掛けるのに対し、スタッツはミックス対策を練るという両陣営の違いを予想される2つの局面から紐解いていきたい。

バックテイクとギロチン、攻めるミックスと守るスタッツ。その前段階があるとして、鍵となる攻防へ両者はどのように取り組んでいるのか。

<ラフェオン・スタッツ✖パトリック・ミックス考察Part.01はコチラから>


ちなみにミックスは、筆者に自分の戦い方を説明する際「(誰が相手でも)細かいゲームプランは考えずに、ただ舞台に上がって相手を追いかけて捕まえるんだ。“let the chips fall”しながら、ね」と語ってくれた。

辞書には「結果がどうなろうとも」「人がなんと言おうと」等と載っているこの表現だが、もう少し深く調べると「木こりは木を切り倒すことに専念すればよく、その際に舞い落ちる小さなかけら(chips)は気にすべきではない」という教えが由来となっているようだ。

多少の打撃をもらうこと等は気にせず、自分の決めた戦い方を貫き──前に出て、相手を捕まえて極めにいく。堀口戦でもマゴメドフ戦でも功を奏したこの戦法を貫くつもりのミックスと、ミックスという相手への特別な対策を準備するスタッツという対照も面白い。

仮に試合が寝技に持ち込まれたならば、主にバックコントロールからの極めを狙うミックスに対し、エスケープを図るスタッツという攻防となる可能性が高い。ミックスは「サバテーロ戦を見る限り、奴は寝技の攻防でいくつもミスを犯していた。僕ならフィニッシュできると思う場面が20回はあった」と語る。

事実、ミックスはバックテイクで堀口恭司を下している(C)BELLATOR

具体的にスタッツの寝技の弱点について尋ねると「簡単にバックを許すし、自分が背中を付けた時に亀の如く何もできない」と答えてくれた。

実際スタッツは、サバテーロ戦で何度も背中を見せて立ち上がる場面を見せていた。同時にそこから前転を多用してのスクランブルを駆使し、完全コントロールは一度も許さずに試合を終えている。

だが寝技師ミックスは、この種のエスケープを試みる相手を抑え込む練習を普段から何万回と繰り返していることだろう。実際ミックスは、1階級下のフライ級とはいえMMA屈指のスクランブラーであるティム・エリオットとグラップリング戦を戦った際、エリオットの前転に完全対応して上をキープしてサイドポジションを取り、フィニッシュにつなげている。

バックコントロールに絶対の自信を持つミックスに対して、前述のようにライアン・ホールら一流柔術家の門を叩いてミックス対策をするスタッツの「アメイジング・ゲームプラン」とはどのようなものなのだろうか。

ミックスは「奴がサバテーロ戦からわずか数ヶ月で弱点を補強できるとは思えない」と語るが、スタッツはどのようにこの予想を超えるつもりなのか。

両者のグラウンド戦でもう一つ鍵となるのが、ミックス得意のギロチンチョークをめぐる攻防であることは間違いない。

2019年大晦日の元谷友貴戦において、トランジションの最中に瞬時にギロチンに入り仕留めたのは日本のファンにも印象深いところだ。堀口戦やマゴメドフ戦では下から体勢をひっくり返す強力なスイープとしてこの技を使ったミックスは、前述のエリオットとのグラップリング戦では、上から仕掛けてマウントの体勢から絞め上げて極めている。

下、上、スクランブルと文字通りどんな体勢でも極めることのできる、まさに必殺技だ。そんなミックスでも、ラスベガスで一緒に練習するUFCライト級王者イスラム・マカチェフ、バンタム級で無敗を誇るウマル・ヌルマゴメドフといった超弩級のダゲスタン・レスラーたちの圧倒的な押さえ込みの前にはギロチンを極められないと語る。

一昨年の夏、やはりダゲスタン出身のマゴメド・マゴメドフと大スクランブル戦を制して「アメリカン・レスリングは常にダゲスタンに勝るぜ!」と大見栄を切ったスタッツが、寝技でミックスの必殺技を封じるほどのトップからの圧力を発揮できるかどうかもこの試合の着目点だ。

ちなみに両者は、GP1回戦前にミックスが所属するエクストリーム・クートゥアの同じマットで顔を合わせることもあったとのこと。

この時のエピソードとしてスタッツは「あいつが俺のことを睨みつけているように思えたんで、こっちから話しかけたことがあったんだよ。『なあ、俺についてなんか気に入らないことがあんのかい? だったら今この場で解決しようじゃないか』ってね。そうしたらパッチーは『いやいや兄弟、俺は睨んでなんかいないぜ』って感じだった。後から考えると、パッチーは普段からそういう目つきをしているだけなんだろうね(笑)」と語っている。

すでに対戦の可能性があったことで一緒に練習をすることは控えたが、お互いにリスペクトの念を持っているようだ。それだけに準決勝のスタッツ✖サバテーロのような事前の派手なトラッシュトーク合戦こそ見られないが、強豪揃いのGPを勝ち上がってきた両者による──サークルケージ内バンタム級最高峰の戦いであることに変わりはない。

ちなみに両者と対戦経験のあるアルチュレタは、ミックスに勝利しスタッツにはKOされたにもかかわらず「パッチーが極めるよ、間違いない」と予想している。

この試合の勝者はGP優勝のベルト、暫定王者のベルトとともに賞金100万ドルを手にする。さらに6月に予定されている正規王者セルジオ・ペティスとフェザー級から階級を下げて3階級制覇を狙うパトリシオ・ピットブルとのタイトルマッチの勝者とのバンタム級王座統一戦が待っているだろう。

壮大なストーリーラインを制して、真のベラトールバンタム級王者となった者には、現在RIZINにおいて朝倉海、元谷友貴、アルチュレタ、井上直樹の四選手の間で争われているバンタム級王座に就いた者との王者同士のスーパーファイトの道が見えてくる。

実際ミックスは「次の二試合でGPベルト、暫定ベルト、正規ベルトの3本を取った後、日本でRIZIN王者と戦う」ことを今後の目標と語ってくれた。日本のファンにも大注目の、バンタム級GP決勝戦だ。

■視聴方法(予定)
4月23日(日)
午前8時30分~ U-NEXT

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BELLATOR Bellator295 MMA MMAPLANET o イルマレイ・マクファーレン セルジオ・ペティス ダニー・サバテーロ パッチー・ミックス フアン・アルチュレタ マゴメド・マゴメドフ ライアン・ホール ラフェオン・スタッツ 堀口恭司 渡辺華奈 菊入正行

【Bellator295】壮大なバンタム級タイトル戦線絵巻、GP決勝戦スタッツ✖ミックス展望 Part.01!!

【写真】テイクダウンかギロチンか。スクランブルかバックテイクか。いよいよ!!(C)BELLATOR

22日(土・現地時間)、ハワイ州ホノルルのニール・S・ブレイズデル・アリーナにて、Bellator 2daysの後半戦=Bellator295「Stots vs Mix」が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

日本から堀口恭司がレイ・ボーグ、渡辺華奈がイルマレイ・マクファーレン、そしてBellator初陣となる菊入正行がアレクセイ・シュルケヴィッチと戦う同大会。メインはバンタム級ワールドGP決勝戦にして暫定バンタム級選手権試合=暫定王者ラフェオン・スタッツ✖挑戦者パッチー・ミックスがマッチアップされている。


昨年4月のGP一回戦、スタッツは当初ルーファスポーツ同門の正規王者セルジオ・ペティスに挑戦する予定だった。が、ペティスの負傷により対戦相手はフアン・アルチュレタに。

ここでスタッツは3Rに左ハイでダウンを奪い、ヒジを連打してKO勝利し暫定王座に就いた。続く12月の準決勝の相手は、堀口恭司のチームメイトであるダニー・サバテーロ。試合前のトラッシュトーク合戦で大いに盛り上がったこの試合では、サバテーロに再三テイクダウンを奪われるもスクランブルして凌ぎ続けたスタッツが、スタンドの打撃で攻勢点を取って5R判定2-1で辛勝し、決勝に駒を進めている。

対する寝技師ミックスは、昨年4月のGP初戦で堀口恭司と対戦。強烈な打撃をかいくぐって組みついてのバックコントロールで1Rと3Rを制し、迎えた5Rにもテイクダウンからバックを取ることに成功した。

その後堀口に正対されてしまうも、すぐに下からのギロチンを仕掛けて上を取り返し、値千金の判定勝利を挙げたのだった。続く準決勝のマゴメド・マゴメドフ戦でも、テイクダウンをことごとくギロチンで切り返して試合を支配。

2Rにはそこから両掌を合わせて締めるマッケンジー・チンに移行し、圧巻の一本勝ちを収めている。

ここまでの両者の勝ち上がり方を見る限り、寝技に持ち込み極めを狙いたいミックスと、持ち前のレスリング力を活かしたスクランブルでこれを凌ぎ、スタンド勝負を挑みたいスタッツという、いわゆるクラシカルMMA=寝技✖打撃の構図が浮かび上がる。

実際にスタッツはこのような展開を想定しているようだ。現在地元テキサスでイーヴス・エドワーズのコーチングの元で調整を進めるスタッツは、黒帯柔術家たちと練習を積んでミックスの寝技への対策にも余念がないとのこと。

コーリー・サンドハーゲンと一緒にライアン・ホールの道場に出稽古に行ったとも語っている。

「奴の勝利への道は分かっている。テイクダウンからバックを奪ってチョークを狙ってくるはずだ。だがこっちはそれに対してアメイジング・ゲームプランを用意している。プレッシャーをかけ続けてフィニッシュするか、奴がボロボロに擦り切れるまで5R圧倒してやるよ」と語るスタッツは、さらにルックスを関してトラッシュトークを展開。

「パッチーよ、お前の戦い方自体にはあまり穴はないかもしれないけどな、その口の真ん中にはでっかい穴が開いているじゃないか。そこに俺の拳をブチ込んでやるからな!」と、ミックスの前歯の隙間を揶揄する軽い口撃も繰り出すスタッツは、打撃勝負に自信を覗かせている。

対するミックスは自分の武器は寝技だけではないと強調する。GP前からエクストリーム・クートゥアのネイト・ペティットを打撃コーチに迎え、パッドワークを積んできたことで打撃の制度が飛躍的に向上したとのことだ。

実際にGP初戦では堀口の打撃に圧倒されることもなく5R渡り合い、さらに準決勝でもマゴメドフと立ち技でも互角以上の戦いをみせた。

「僕はグラップリングと同じくらい打撃もできる」と語るミックスは、3月にインタビューした筆者の「あなたのギロチンの切れ味を考えると、スタッツはテイクダウンを仕掛けてこないのではないか」との質問に、はっきりと「ノー」と答え「僕がスタンドで打撃を当ててダメージを与えるから、おそらく奴はテイクダウンを狙わざるを得なくなるだろう」と予告している。

実際に試合がスタンドから開始される以上、まず打撃の攻防でどちらが主導権を握るかが注目点なのは間違いないことだ。寝技の攻防を恐れないミックスはいつものように前進し、上背の利も生かして圧力をかけてゆくことだろう。

対するスタッツはサバテーロ戦で多用した右ジャブやフットワークを用いて距離を保つことができるのか。それともミックスが距離を詰めて組みつくことに成功するのか。またミックスが予告したように、スタッツが自らテイクダウンを仕掛ける場面は来るのだろうか。お互いサウスポーであることがどう影響するかも興味深い。

<この項続く>

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MMA o UFC ライアン・ホール

UFC on ESPN+72:第9試合・ダリック・ミナー vs. シャイラン・ヌアダンビク

フェザー級。プレリムメインに組まれていたカードだが、パリジャン vs. シャーマンの消滅によりメインカード昇格。

26勝中、一本勝ちが22もあるミナー。特にギロチンでの勝利が多い。しかし逆に一本負けも多い。前戦はトップグラップラーのライアン・ホールと対戦したが、組みを避けて打撃勝負したものの、グラウンドでホールに攻められる展開で判定負け。UFC2勝3敗。

最近契約した中国人ファイターは微妙な選手が多いが、このヌアダンビクも微妙。レスリングがバックボーンで、マクレガーを見てMMAに転向し、2016年から2020年までの5年間に45戦もしていたが、相手のレベルが低く参考にならず。UFCデビュー戦は距離を取られてパンチを貰い続け判定負け。2戦目はテイクダウンからの押さえ込みで判定勝ち。前戦はUFC2勝2敗のT.J.ブラウン相手に接戦となったが、打撃で攻め判定勝ちで連勝。

ローを蹴るミナー。ヌアダンビクは距離を詰めてパンチを入れる。ミナー左ミドル。打ち終わりに膝を押さえて下がる。痛めたか。距離を詰めたヌアダンビク。飛び膝。倒れたミナーの上になるとハーフから肘連打。ミナー打たれるのみでレフェリー止めた。

ミナー、ミドルを入れた際に膝を負傷した模様。

ヌアダンビクはアクシデント的ではあるが、これで3連勝に。

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MIKE MMA o UFC   キム・ジヨン グンナー・ネルソン ジェイ・ハーバート ジャマール・ヒル ダン・フッカー マクワン・アミルカーニ ライアン・ホール ルピタ・ゴディネス 佐藤天

『UFC Fight Night 204: Volkov vs. Aspinall』の対戦カードを紹介

ダン・フッカーがフェザー級復帰、3.19 UFC ロンドン大会でアーノルド・アーレンと対戦(2022年01月25日)

ロシアのウクライナ侵攻による3.19 UFC ロンドン大会の対戦カード変更の可能性についてアレクサンダー・ヴォルコフのマネージャーとデイナ・ホワイトがコメント(2022年03月02日)

3.19『UFC Fight Night 204』クラウディオ・シウバ負傷欠場により佐藤天がグンナー・ネルソンと対戦(2022年03月08日)

 こちらの続報。3月19日にイングランド・ロンドンのThe O2アリーナで開催する『UFC Fight Night 204: Volkov vs. Aspinall』で未紹介だった対戦カードを紹介します。

 なお、ロシアのウクライナ侵攻によりアレクサンダー・ヴォルコフ、シャミル・アブドゥラヒモフ、セルゲイ・パブロビッチ、ティムール・ヴァリエフの4人のロシア人ファイターの出場が危ぶまれていましたが、予定通り出場するようです。


Twee Flyweight gevechten toegevoegd aan beoogde “UFC London” card op 19 maart(MMA DNA)

 モリー・マッカン vs. ルアナ・カロリーナの女子フライ級マッチが行われるとのこと。

 マッカンは昨年9月の『UFC Fight Night 191: Brunson vs. Till』でキム・ジヨンに判定勝ちして以来の試合。カロリーナは昨年10月の『UFC Fight Night 195: Ladd vs. Dumont』でルピタ・ゴディネスに判定勝ちして以来の試合で2連勝中。


Mike Davis isn't facing Jai Herbert at UFC London because 'it just doesn't make sense to take the fight'(MMAJunkie)

 ジェイ・ハーバート vs. マイク・デイビスのライト級マッチが予定されていましたが、デイビスが欠場し代わりにイリア・トプリアがハーバートと対戦するとのこと。デイビスはロンドンで試合をした場合の課税の問題や、前回アブダビでメイソン・ジョーンズに判定勝ちしたものの体調が芳しくなかったことから欠場を決めたそうです。

 ハーバートは昨年10月の『UFC Fight Night 196: Costa vs. Vettori』でカーマ・ワーシーに1R TKO勝ちして以来の試合。トプリアは昨年7月の『UFC 264: Poirier vs. McGregor 3』でライアン・ホールに1R KO勝ちして以来の試合で戦績11勝0敗(UFC戦績3勝0敗)。1月の『UFC 270: Ngannou vs. Gane』でチャールズ・ジョーデインと対戦予定でしたが減量中の体調不良によるドクターストップで中止されていました。現在フェザー級ランキング15位。今回はショートノーティスということもありライト級ですが、本格的にライト級に転向するかもしれません。


UFC adds Makwan Amirkhani vs. Mike Grundy to March 19 lineup(MMAJunkie)

 マイク・グランディ vs. マクワン・アミルカーニのフェザー級マッチが行われるとのこと。

 グランディは昨年5月の『UFC 262: Oliveira vs. Chandler』でランド・ヴァンナータに判定負けして以来の試合で2連敗中。アミルカーニは昨年10月の『UFC 267: Blachowicz vs. Teixeira』でリローン・マーフィーに2R KO負けして以来の試合で3連敗中。

 両者は2020年3月のロンドン大会で対戦予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で大会中止となっていました。今回は2年越しの仕切り直しマッチとなります。


Paul Craig vs. Nikita Krylov set for UFC London card in March(MMAJunkie)

 ニキタ・クリロフ vs. ポール・クレイグのライトヘビー級マッチが行われるとのこと。

 クリロフは昨年2月の『UFC Fight Night 186: Rozenstruik vs. Gane』でマゴメド・アンカラエフに判定負けして以来の試合。現在ライトヘビー級ランキング9位。クレイグは昨年6月の『UFC 263: Adesanya vs. Vettori 2』でジャマール・ヒルに1R TKO勝ちして以来の試合で3連勝中。昨年9月の『UFC Fight Night 191』でアレクサンダー・グスタフソンと対戦予定でしたがグスタフソンの負傷により中止されていました。現在ライトヘビー級ランキング11位。続きを読む・・・