カテゴリー
K-1 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN34   アラテンヘイリ アンドレ・フィアーリョ ウィリアム・ナイト カイオ・ボハーリョ キック クリス・バーネット ジョーダン・ラヴィット スティーブン・トンプソン デミアン・マイア パット・サバティニ ベラル・モハメッド ボクシング マイラ・ブエノ・シウバ マルティン・ブダイ ラファ・ガルシア ヴィセンチ・ルケ

【UFC ESPN34】計量終了 持ち味が対照的なルケ×モハメッド。ヒール&チョークのサバティニに注目

【写真】噛み合うと打撃でルケ。テイクダウンでモハメッド。噛み合わないと……手数でルケ。押し込んでモハメッド(C)Zuffa/UFC

15日(金・現地時間)、16日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN 34「Luque vs Muhammad」の計量が行われた。

ウェルター級5位のヴィセンチ・ルケと同5位のベラル・モハメッドの一戦がメインとなった今大会、14試合=28人の出選手の全員が計量をクリアしている。


K-1の距離で戦え、テイクダウン&スクランブルでダースやアナコンダでフィニッシュ能力のあるルケに対し、ボクシング&エスリングのモハメッドの一戦は2016年11月以来、実に5年5カ月ぶりの再戦で、前回は僅か79秒でルケが勝利している。

その敗北以降のオクタゴン戦績が10勝1敗で、6連勝中のモハメッドは過去2戦でスティーブン・トンプソン、デミアン・マイアというタイトルコンテンダーに勝利している。一方のルケは4連勝中、やや遠めのレンジで戦うモハメッドとの距離を如何に詰めるか。前に出てくるファイターを得意としているルケだが、過去のパンチの距離はモハメッドのテイクダウンでの距離にもなる。

そしてルケは上記にあるように、キックのような重心で戦い、組まれるとフロント系チョークという手段に出る。この組まれたところでの対処が非常に大切になってくるルケ。簡単に倒されるようなことがあると、グライディングで削られて5Rの長丁場を乗り切れなくなる可能性もある。あるいはテイクダウンに入らせないほどの圧力をかけることができるか。その2点に注目のメインだ。

コンバットサンボで世界2位、ダニエル・グレイシーの黒帯パット・サバティニはオクタゴン4連勝を賭けてTJ・ララミーと対戦。ポジションを取ってのバックチョーク、抑え無用のヒールという2つのフィニッシュホールドを持つ。アグレッシブ・サブミッションが炸裂するか、楽しみなサバティニだ。

また日本、韓国、中東で活躍した踊れるヘビー級ファイター=クリス・バーネットがUFC2勝目を目指しコンテンダーシリーズ上がりのスロバキア人選手マルティン・ブダイと対戦する。

ブダイはケージに押し込み、顔面へのヒザ蹴り&エルボーという無慈悲な連携でUFCとのサインを勝ち取ったポーカーフェイスのファイターだ。巨漢ながらスピードのあるバーネットだが、打撃戦は劣性が否めない。何より、バーネットは自重で起こすスタミナ切れに気をつけたい。

■視聴方法(予定)
4月17日(日・日本時間)
午前6時30分~UFC FIGHT PASS

■UFC ESPN34

<ウェルター級/5分5R>
ヴィセンチ・ルケ: 171ポンド(77.56キロ)
ベラル・モハメッド: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ミドル級/5分3R>
カイオ・ボハーリョ186ポンド(84.37キロ)
ガジシ・オマルガジシエフ: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
アンドレ・フィアーリョ: 171ポンド(77.56キロ)
ミゲール・バエザ: 171ポンド(77.56キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ: 136ポンド(61.69キロ)
ウー・ヤナン: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティニ: 146ポンド(66.22キロ)
TJ・ララミー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ムニール・ラジズ: 171ポンド(77.56キロ)
アンジェ・ルーザ: 171ポンド(77.56キロ)

<ヘビー級/5分3R>
デヴィン・クラーク: 223ポンド(101.15キロ)
ウィリアム・ナイト: 251ポンド(113.85キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
リナ・ランズバーグ: 135.5ポンド(61.46キロ)
パニー・キアンザド: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ドラッカー・クローズ: 156ポンド(70.76キロ)
ブランドン・ジェンキンス: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ライト級/5分3R>
ラファ・ガルシア: 155ポンド(70.31キロ)
ジェシー・ロンソン: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ヘビー級/5分3R>
クリス・バーネット: 263.5ポンド(119.52キロ)
マルティン・ブダイ: 264.5ポンド(1119.97キロ)

<ライト級/5分3R>
トレイ・オグデン: 156ポンド(70.76キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 155.5ポンド(70.53キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
サム・ヒューズ: 115.5ポンド(52.38キロ)
イステラ・ヌネス: 114ポンド(51.7キロ)

<バンタム級/5分3R>
アラテンヘイリ: 135.5ポンド(61.46キロ)
ケヴィン・クルーム: 136ポンド(61.69キロ)

The post 【UFC ESPN34】計量終了 持ち味が対照的なルケ×モハメッド。ヒール&チョークのサバティニに注目 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
ABEMA MMA MMAPLANET o UFC UFN204 カミ・バルジニ グンナー・ネルソン ジルベウト・ドゥリーニョ パンクラス ヘンリー・フーフト ベラル・モハメッド 佐藤天

【UFN204】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(02)佐藤天「ラストじゃない。まだ、ある。まだ、あるので」

【写真】インタビュー中は非常に厳しい表情が続いたこともあって、最後は笑顔のリクエストをしました(C)MMAPLANET

3月19日(土・現地時間)、英国ロンドンのO2アリーナで開催されたUFN204:UFN on ESPN+62で佐藤天はグンナー・ネルソンに完敗を喫した

1年4カ月振りのオクタゴン。この日のために全てを費やしてきた、考え得るだけの努力をしてきた。そして、敗れた。

2022年、春~世界に立ち向かうJ-MMAファイター特集~。第2弾は、UFCという最高峰に拘り、全てを自己責任で生きる佐藤天に話を訊いた。


──正直に言わせていただくと、やるせない完敗でした。どれだけの想いがあって、人生の全てを賭けようがこのようなシビアな現実に直面する。そんな試合でした。

「凄く残念で、悔しい。それが率直な想いです。ただ、もちろん諦めていないので進んでいくしかない。ちょっとしたところで、大きく結果が変わる。それを実感しています。試合が終わってからなのでタラレバになるのですが、グンナー・ネルソンにバッククラブに入られると、過去もほとんどの選手が逃れることができていないです。だから、そこまでをどうするのか……という勝負でした。

最初のコンタクトにしても、肌を直接合わせた時の感覚は悪くなかったんですよね。実は予想していた試合展開は、もっとネルソンが圧を掛けてきてケージレスリングの展開になると思っていました。それが思った以上に自分が圧を掛けることができたことで、オクタゴン中央での戦いになりました。ネルソンがどういう風にクラッチしてくるかも予想できていて、そこでカウンターを打つとかできれば良かったのですが……決して、感覚的には試合開始直後から悪くなかったんです。

そこから1度テイクダウンされてバックを取られた。戦い方をネルソンは変えてきました。フレキシブルに試合を創ってきました。リスクを最大限に減らして。自分は対照的に柔軟な対応ができなかったです。そうッスね……そういう細かいところの違いが、大きな差となって結果に表れました。それを実感させられた試合でした」

──圧力は掛けることができていた。でも、手が余りでなかった。特にテイクダウンを奪われてからは、ネルソンにテイクダウンがあるというのが念頭に来て、そこから頭で考え手数が減っていったようにも映りました。

「もちろんテイクダウンのプレッシャーもありましたが、ネルソンが凄く待っていました。試合の入り方として動きもメンタルも凄く良かったです。さっきも言った少しの違いを掴み切れなかったということがあったうえで、待たれたことで考えてしまったという部分はあります」

──あのスタンスでネルソンは、右の奥足で蹴りが届くのは戦い難かったかと。何よりテイクダウンを奪う時のパンチ。当たらなくても組めば良い打撃、当てる打撃の2つのパンチを持っていました。

「その見極めは凄く難しかったです。2Rの途中から打撃がかなり見えるようになってきました。合わせるタイミングとか計っていたのですが、その見極めだけは困難になっていきました。組む、打つ、モーションは慣れて見えてきたけど、その織り交ぜてくるのは全く同じ動作で。だから……考えるというよりも、考えさせられました。1回スイッチとかしたのですが、あんなの実際は意味がないです。でも、考えされた結果ああいうこともしていて」

──打つ手がなくなっていったような感じでしょうか。

「う~ん、それよりも何か……考えさせられることによって後手に回らされましたね」

──お互いが相手の動きを見て反応する。相手に動きを見せて反応させる。そんな神経戦のなかでネルソンが当て、組んでテイクダウンを決める。あれはMMAの技術を消化したうえで、彼がポイント空手の試合で積んできた経験。先の先、後の先、ダメージを与える競技ではないですが、心理戦のなかでどう踏み込んで当てるのかという競技をしてきたのが生きたのかと思いました。MMAとはそういう部分で、ポイント空手ですら生きるのかと。

「あぁ、そうですね。今からすれば、組みと打撃の見極めが難しいなら自分から組むこともできたと思います。組んだ時の感覚も悪くなかったので。ギルバート(ジルベウト・ドゥリーニョ)からも『別にパワーはない』と聞いていました。3Rに組んだ時も感触は悪くなかったです。そこでディフェンス有りきで考えてしまって出なかったというのは、絶対にあります。

上を目指している以上、ベラル・モハメッド戦と同じように悔しい負けです。凄く遠いバケモノとかでなくて、自分の持っているモノを生かして勝ってランキングを上げていっている選手に勝てていない。そこはもっと煮詰めていかないといけないです」

──それこそ佐藤選手が言われている、何か一つで局面が変わる。変えてくれという気持ちで2R、3Rと視ていて。そしてテイクダウンからバッククラブというなかで、制されて終わった。

「そういう場面で、柔軟性をつけないと……創り方も大事になってきますし。色々なところに注意を払って、頭を巡らせないといけない。そういう練習もしてきているのですが……」

──ここも結果論ですが、動きが良く圧を掛けられることができる。それでもテイクダウンは取られた。そういう時に自らケージを背負う位置を取るということは難しいのでしょうか。

「それも必要になってきますよね。ケージレスリングに突破口があるのであれば、金網の近くで戦って組みの展開に持ち込む。そういう判断もすべきだと思います」

──あの局面、逆転には打撃を当てること。だからといって、前に出ていくことが打開策になるのか。もちろん、負けているなら一か八かも必要な時もあるのでしょうが……。そこで究極の先手、あるいはカウンターの取り合いが行われている。だから無暗に打って出られない。特に相手が見て、待っているわけですし。

「そうッスね。どう手を出すか、どういう中身の攻めを繰り出せば良いのか。その中身を詰めていかないと、玉砕になります。片道の燃料で敵を目指すのは……違うというのが僕の考えです。漢を見せるとか、そういう次元の話ではないです。勝つために一つひとつ、正しい選択をしていかないといけない。

例えば僕が1回でもネルソンのダブルレッグを切れていれば、彼も消耗したはずです。そうしたら流れが変わったかもしれない。そういった面でも、創りが大切で。それができるよう積んでいかないといけないと本当に思っています。防戦一方で、判定までいって負けてしまったんですけど、動き、切れは以前よりずっと良くなっています。

僕はバックを取られているとパンクラス時代でも、UFCになってかも負けています。だから取らせないということもやってきました。そこは意識していて……、試合では機能しなかったですけど……。

でもネルソン戦がラストじゃない。まだ、ある。まだ、あるのでこの間に詰めていかないと……」

──ヘンリー・フーフトやカミ・バルジニ達、コーチ陣と試合に関して話はされましたか。

「ハイ。皆と話しました。ヘンリーは家に呼んでくれて、『間違いなく良くなっている。もう少し自信を持つことが大切で、細かいところもやっていこう』と言ってくれました。『練習中に、そんなにナイスでなくて良い。もちろんケガをさせたらダメだけど、自分の感覚を大切にするためにもっと我がままを通しても良い。少しぐらい当てても、そういうレベルで戦っているんだから、そこをしっかりとやっていこう。思っている以上に上とは近いところにいるんだ。手が届かないモノじゃない』とも。

カミやグレッグ(ジョーンズ)は『少しの部分、そこをリフィックスできなかった。そういう部分を詰めていこう』という話や『試合間隔が空いたことで、打撃の選手はちょっとした感覚が違ってくるから。その違いも分かったから、今度はちゃんとファイトキャンプをして、対戦相手の研究ができる早目のオファーで準備できるようにやっていこう』と言ってくれました。

今回は1年間、どういう相手がこようが試合を受けることができる。自分のコンディションを整え、穴を埋めるという準備をしてきました。今後はそれに加えて、しっかりと戦略を立てて試合に向かいたいです」

<この項、続く>

The post 【UFN204】世界に立ち向かうJ-MMAファイター(02)佐藤天「ラストじゃない。まだ、ある。まだ、あるので」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA UFN199 カマル・ウスマン キック スティーブン・トンプソン ベラル・モハメッド

【UFN199】最大5ポイント差、ベラル・モハメッドがワンダーボーイをTDから抑え込み続けて判定勝ち

<ウェルター級/5分3R>
ベラル・モハメッド(米国)
Def.3-0:30-25.30-26.30-26.
スティーブン・トンプソン(米国)

前に出てくるモハメッドに、トンプソンは右のサイドキックを使いながら回る。ケージを背負いながら、右サイドキックをモハメッドの顔面に当てるトンプソン。相手にケージを背負わせたモハメッドが、ダブルレッグからリフトアップするも、トンプソンは倒れない。スタンドに戻るとパンチの連打から右サイドキックを放つトンプソン。モハメッドが再びダブルレッグを仕掛けると、今後はトンプソンに尻もちを着かせることを成功した。しかしトンプソンも左のオーバーフックでバックには回らせない。

ケージ際で、ヒザを着きながらパンチを出し合う両者。トンプソンが切り返してモハメッドをケージに押し込むと、モハメッドも体勢を入れ替える。トンプソンは右腕を差し上げてモハメッドをケージに押し返し、パンチを突き上げる。ここでケージ際を脱したモハメッドが、ダブルレッグでトンプソンに尻もちを着かせた。ケージに背中を着けるトンプソンを、ボディロックで固めるモハメッドは、立ち上がる相手をリフトアップからグラウンドに引きづりこむ。そしてバックマウントからパンチを連打するモハメッド。トンプソンの動きが止まるが、レフェリーは試合を止めなかった。

2R、距離を取って左ストレートを放つトンプソン。さらに右サイドキックをモハメッドのボディに突き刺す。サークリングするトンプソンに対し、ガードを高く上げて距離を詰めていくモハメッドが、またもダブルレッグへ。トンプソンは一度尻もちを着いたが、すぐに立ち上がった。左腕を差し上げ、右腕を足の間に入れてクラッチしてから、リフトアップでテイクダウンしたモハメッド。ハーフガードのトンプソンに対し、パンチを落としながら、相手の右腕にアームロックを狙う。

トンプソンの頭をケージに押し込みながら、相手の右腕を伸ばすモハメッドだったが、これは極まらず。再びモハメッドがアームロックを狙いにいくなか、トンプソンが徐々に体を起こして位置をずらしていく。モハメッドもクラッチを切って右腕を伸ばしにいきながら、パスガードに成功。ここで腕は諦め、パンチとヒジを落として削っていく。ハーフガードに戻したトンプソンの顔面に、モハメッドが右ヒジを連打してラウンド終了のホーンを聞いた。

最終回、開始早々モハメッドがトンプソンのパンチをかわしてボディロックからテイクダウンを狙う。右のオーバーフックでディフェンスするトンプソンに対し、モハメッドはダブルに切り替えて尻もちを着かせた。ケージに背中を着けて上半身を起こしているトンプソンから、マウントを奪いに行くモハメッド。パンチをもらいながらトンプソンも立ち上がるが、モハメッドも逃さず両ワキを差し上げて相手をケージに押し込む。するとトンプソンが切り返してトップを奪ったが、モハメッドもレッスルアップからトンプソンを追い、再びグラウンドに持ち込んだ。

ハーフガードから相手を抱え込むトンプソンに対し、コツコツとパンチを当てるモハメッド。さらにパスしてサイド、ニーオンザベリーから左ヒジを落としていく。トンプソンもハーフに戻すが、抑え込みから逃れることはできず。最後までモハメッドがパンチとヒジを落とし続けた。

ジャッジ1人が5ポイント差、他2人も4ポイント差をつけるユナニマス判定で勝利したモハメッドは、世界ウェルター級王者カマル・ウスマンへの挑戦をアピールした。


The post 【UFN199】最大5ポイント差、ベラル・モハメッドがワンダーボーイをTDから抑え込み続けて判定勝ち first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
BELLATOR DEEP MMA RIZIN UFC UFN199   アマンダ・レモス アンドレ・イーウェル スティーブン・トンプソン ダスティン・ストーツフス ダレン・エルキンス デリック・ルイス ハオーニ・バルセロス ビクター・ヘンリー ベラル・モハメッド ボクシング マテウス・ガムロ 中島太一 海外

【UFN199】オクタゴン初陣、バルセロス戦前のビクター・ヘンリー「日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

【写真】ビクターからは溢れんばかりの日本への想いが伝わってきた (C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」にビクター・ヘンリーが出場し、ハオーニ・バルセロスと対戦する。

キャリア25戦のうち、日本で12度戦ってきたビクター。2014年のGRANDSLAM旗揚げ戦の所英男戦から、パンクラス、DEEP、そしてRIZINを舞台に上田将勝、中島太一、石渡伸太郎、アラン・ヤマニハ、大塚隆史、元谷友貴、金原正徳とJ-MMA界のトップ・バンタム級ファイターと激闘を繰り広げてきたビクターのUFC出場には、外国人選手が戦えないコロナ禍の日本の状況があった。

そこに届いたUFCのオファー、ビクター・ヘンリーは日本総合格闘技界を代表してオクタゴンに足を踏み入れる。


──ビクター、お久しぶりです。

「Long time no see you、、、Too long time……。本当に久しぶり、久しぶり過ぎるよ。ありがとう、僕のことを取り上げてくれて」

──いえいえ、当然のことです。それにしても突然のUFC出場には、正直驚きました。

「日本で起こっていること……日本の実情が全てだよ。日本で戦うことが困難な状態がずっと続いてきた。今も続いている。日本では米国人ファイターが戦えない状況が当たり前になってしまった。それでも僕は戦い続けないといけない。そんな時にUFCがチャンスをくれた。だから今、ここにいるんだ」

──日本でもDEEPの佐伯代表は『隔離措置がなくなればビクターを呼びたい』と、いつも言っていました。RIZINのバンタム級GPのルースターに当然のようにビクターはリストされていたでしょう。ただし、パンデミックがそれを許さなかったです。

「サエキサンが日本で戦う機会を与えてくれたことは、本当に感謝している。でもパンデミックが起こり、隔離措置が取られる限り日本では戦えない──本当に辛かった。家に戻れない、そんな気持ちだったよ」

──11月に労働ビザを持っている外国人は短期の隔離で来日することが可能になった途端に、オミクロン株が発生し新規の入国が認めらなくなるなど、かつてない厳格な水際対策を日本政府を採ることになりました。ただ、それ以前にVJTにチリ人選手が来日したり、RIZINも大晦日には海外の選手を招聘する予定だったでしょうし、またビクターが日本に来られるという期待もあったのですが……。

「大晦日に関して、僕のところには何か連絡があったわけではなかった。僕は日本で成功し、それを日本のファンが見続けてくれたファイターだ。でもソファに座って、ただ待つだけというわけにはいかない。何か行動を起こす必要があるんだ。皆、1年間そういう状態で待ち続けたからね。でも、もう動かないと。それでも、いつだって僕にとって日本がホームだというのは変わりないよ」

──Parus FC、LXFで試合をしたことが、ビクターが日本で戦いたいという意思表示をしているのだと感じていました。

「その通りだよ。だからUFCと契約したからといって、僕はルーツを忘れることにはならない。日本での経験、日本で養った技術、そして日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」

──ビクターがどれだけ日本を愛していようが、世界最大のプロモーションで戦うチャンスを得たことはファイターとして絶対的に良いことです。UFCからオファーがあった時、どのような気持ちになりましたか。

「ちょうど、腹がいっぱいになるまでヤキニクを食べていたんだ(笑)。『2週間で体重を落とせるか』ってことだった。答えは『Let’s do it』、それしかないよ。しっかりと体重を落として戦う。それが闘魂ってものだろう。

『8週間必要だ』とか『準備期間がない』ってオファーを断るのは、好きじゃない。僕は世界中で、いつでも戦ってきた。それが日本で学んだ気構えだよ。戦う機会を得れば、そこに行って戦う。それだけのことじゃないか。UFCからオファーがあった。なら、戦う。日本のMMAファン、日本のMMA界とともにね」

──日本のファンもUFCで戦うビクターを応援し続けるはずです。UFC初陣に専念しないといけないビクターですが、一つこの試合と関係ない質問をさせてください。

「構わないよ」

──RIZINバンタム級GPはフォローしてきましたか。

「もちろん。バンタム級の戦いは常に注意を払っている。いつ僕と戦うことになるか分からないからね。バンタム級GPも、誰が勝ち残るのか注意して見てきた。ホリグチのBellatorの試合も視たよ。タイミングが合致すれば、誰とだって戦うことになる。

ホリグチが契約期間を終えて、またUFCと契約するかなんて分からない。でも、バンタム級のコレといった選手の試合は常にチェックしている。カイ、彼のことも見てきた。力をつけている。オギクボの試合もね。彼らとはUFCで戦うこともあるかもしれないだろうね」

──ではGPで、誰が優勝すると思っていますか。

「ナオキ・イノウエだ。彼はどの局面でも戦える。ソウゴウカクトウカとして、たくさんの勝ち方ができて、より完成度が高い。カイはパワフルだ。KOできる力がある。ただ、レスリングと柔術はどうなんだろう? オギクボも強い。でもカイと戦った時に見えた課題を克服できているのか。

イノウエは武器が多く、リーチも長い。素晴らしい柔術ゲーム、キャッチレスリングの技術を備えている。イノウエが本命だよ」

──なるほど。ありがとうございます。とはいえ土曜日に戦うハオーニ・バルセロスは井上選手に負けないウェルラウンディット・ファイターです。

「ハオーニはパワフルだよ。フェザー級から落としてきた選手だからね。試合の時は相当大きくなっているだろう。ボクシングでプレッシャーを掛けて、ベースのレスリングも強い。ただ、グラウンドに持ち込んできたら僕にとっては都合が良いよ。ただし、僕はイージーファイトなんてしたくないんだ。

ハオーニが全能力を使って、僕と戦うことを望んでいる。僕と相対したハオーニは、きっと驚くだろう。彼だけじゃない、次の試合で世界を驚かせる」

──北米MMAファイターとは違ったファイト・フィロソフィーを持つビクターだからこそ、UFCでの戦いが楽しみです。

「任せてくれ。いつだってしてきたように、見ている人が驚く戦いをする。多くのファイターが、ただ勝つためにたかっている。そんなのは本当の意味で、ファイトじゃない。日本の戦い方を見せるよ」

──ビクター、ありがとうございました。ずっとビクターを見てきた日本のファンに一言お願いします。

「皆のことが恋しい。ホント、皆を愛している。日本に戻る日が楽しみでならないし、ゴーゴーカレーが食べたくてしょうがないよ!!」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

The post 【UFN199】オクタゴン初陣、バルセロス戦前のビクター・ヘンリー「日本の皆の心を僕はUFCに持ち込む」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA UFC UFN199 スティーブン・トンプソン ブログ ベラル・モハメッド

【UFN199】「コブラカイ?」&「スクールとジム」。モハメッド戦前のワンダーボーイにカラテ論を訊く

【写真】まさにジェントルマンキックの天才らしく、非常に紳士的な受け答えだったワンダーボーイ(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN199:UFN on ESPN+57「Lewis vs Daukaus」が開催される。

同大会のコメインでスティーブン・ワンダーボーイ・トンプソンが、ベラル・モハメッドと対戦する。幼少期からアメリカン・カラテで活躍し、アメリカンキックボクシング=ジェントルマンキックではプロ&アマ通算58勝0敗だったトンプソンは、かつてGSPが最高のストライカーと認め、その技術を吸収することでMMAの完成度を高めたほど距離のコントロールに長けている。

独特の構え、サイドキックを多用するスタイルは父から教わったファミリーのカラテだ。そのカラテ、マーシャルアーツと共に生きるトンプソンは、他とは一線を画したMMAファイター──いやMMAを戦うマーシャルアーチストであった。


──インタビューの機会を頂き、ありがとうございます。ベラル・モハメッド戦を控え、今の気持ちを教えてください。

「トレーニングキャンプは最高だったし、体重も順調に落ちている。最高の状態だよ。ベラル・モハメッドはとてもタフな対戦相手で、どの局面でも優れている。打撃も強くて、レスリングも上手い。柔術だってできる。ただし、どんな試合展開になろうともしっかりと準備してきたから問題ないよ」

──スティーブンはアメリカン・カラテをベースに戦うファイターですが、空手には多くのスタイルがあります。伝統的な空手出身のMMAファイターは多くが、距離とタイミングの取り方がボクサーやキックボクサーと違うという共通点があります。

(C)Zuffa/UFC

「そうだね、極真、松濤館、アメリカン・スタイルを含め色々なカラテが存在する。

そしてレンジとタイミングこそ、僕がカラテから取り入れている一番重要な部分だよ。僕はトラディショナル・マーシャルアーツの中で育ったけど、MMAではいつもリョート・マチダを追っていた。彼こそ伝統的なカラテのスタイリストだからね。

UFCでは今も多くの人が、カラテを軽視している。カラテは使えないって言う人間もいる。でも、リョート・マチダはカラテがMMAで有効なことを示した。そしてボクシングやキックボクシングのレンジで戦う選手たちは、カラテのレンジだと攻撃が当たらないと思っている。でもリョートがそうだったように、カラテ家はこのギャップを速攻で埋めることができるんだ。レンジのマネージメントが僕らのファイトの肝だよ」

──確かに遠い距離からの出入りをし、また相手を誘い出すことも手です。と同時にMMAでは接近戦で戦い続ける展開もあります。遠い距離から踏み込むとカラテのステップですが、パンチはボクシング風になることも少なくないです。下半身はカラテで踏み込み、上半身にボクシングの捻り効果で殴るというような。

(C)Zuffa/UFC

「MMAを戦う上で、僕の主武器はカラテだ。

ただし、MMAを戦うなら他のスタイルも学必要がある。カラテで距離をつめ、エルボーやニーを使うこともある。ローキックはカラテの一部だ。そのすべてを使うのが、僕らのスタイルだよ。ボクシングとキックボクシングのトレーニングをして、対戦相手によって近い距離で戦う必要性もあるからね。

僕は子供の頃から父にトラディショナル・マーシャルアーツを習い、今も父と一緒にカラテ・スクールで指導している。僕にはカラテは欠かせないものだけど、MMAを戦ううえではキックやボクシングを知る必要がある。そこで下半身と上半身の体の使い方を融合させることができるんだ」

──そのカラテ道場ですが、コロナ禍で経営に影響が出ることはなかったですか。

「きっと地域差があるんだろうけど、サウスカロライナでは最初の感染拡大から8週間ほど、スクールを閉める必要があった。でも、それ以降は厳格なロックダウンはなかった。今では以前と変わりない活動をすることができている。実際、パンデミックで外に出られない時期もあったせいか、以前より多くの人がスクールにやってきてカラテの練習をしているんだ。僕もスクールでの指導をビギナークラスから、プロクラスまで受け持っている」

──スティーブンは初心者クラスから、プロクラスまで全てに参加して指導を行っていると聞いたことがあります。

「僕はずっと初心者の人たちとスパーリングを続けているけど、本当に彼らから学ぶことだらけなんだ。皆が違う動きをする。そんな皆に対応することで、コントロール力がつくんだ。ヘッドムーブ、頭の動きは有効だろうかだとか。距離のマネージメント、一つ一つの技の確認を数多くのスパーリングで行うことで、僕の戦い方はずっと良くなる。

ハイレベルなプロファイターとのスパーリングでは、実は狙い通りの動きができないことも多い。何よりプロファイターの多くが、試合が決まると練習量を増やす傾向にある。僕もファイトキャンプを行うけど、普段からスクールで生徒たちと練習をしている。ハイレベルな選手だけでなく、経験の多い生徒、そして初心者とあらゆる人々と常日頃から練習をすることで、僕のスタイルは出来上がっているんだ。

毎日練習すること。カラテの稽古は僕の人生だ、ライフスタイルなんだ。毎日、成長するためにトレーニングをする。肉体的、精神的、頭脳的、全てにおいて自分を成長させたいんだ。

マーシャルアーチストとは日々、成長すること。日々、鍛錬すること。ただタイトルにフォーカスして、練習をすることではないと思っている。自分を毎日、成長させることで試合も成功を収めるというリータンがあるんだ」

──ファイターではなく、スティーブンはマーシャルアーチストなのですね。ところでカラテの指導も人生の一部であるスティーブンにとって、映画カラテキッドのその後を描いたコブラカイというNetflixのドラマをどのように思っていますか。

「コブラカイ? どういうことだい?」

─高校生たちの抗争やカラテが使われることをどのように思いますか。TVドラマとしては良いのですが、カラテが暴力に見える描写が多くスティーブンのような人はどのようにうつのかと……。スミマセン、下らない質問で。

「いや、そんなことはないよ。カラテに注目が集まることは、嬉しいよ。実際にコブラカイを視たから僕のスクールにカラテを習い来た生徒もいる。そして、彼らは直ちにマーシャルアーツは、あんな風に喧嘩の道具に使うモノではないことを学ぶんだ。

マーシャルアーツとは規律、尊敬心、倫理、自制を学ぶモノだ。間違った理由のために使う道具ではない。僕たちは戦いの道具を指導しているわけじゃないだよ。それがスクールやアカデミーと、ジムの大きな違いだ。僕らはトラディショナル・マーシャルアーツを指導している」

──日本の武道の教えですね。使わないために学ぶ。

「だから僕は一度、日本に行ってトラディショナル・マーシャルアーツのスクールで学びたいと思っているんだ。それが僕の夢なんだよ。僕にマーシャルアーツを教えてくれた父は66歳になった。スパーリングはもうやっていない。でも、毎日スクールにやってきて型をやっている。僕も型は大好きなんだ」

──そうなのですか!!

「子供の頃からマーシャルアーツの練習をして成長してきたけど、ずっと型は好きじゃなかった。なぜ、型をする必要があるのか、全く分かっていなかった。分かろうともしなかったよ。今では型があることで、マーシャルアーツの稽古は完全になると思うようになった。

型をやることで、体の不具合を知ることができる。型をすることで肉体、精神、頭脳の状態を良くできる。父がそれを実践しているんだ」

──スティーブン、余りにも興味深くて試合のことを聞く時間がなくなってしまいましたが、ワンダーボーイのマーシャルアーツ論を伺うことができて良かったです。

「こういう話をインタビューですることができて、光栄だよ。こちらこそ、ありがとう。そして土曜日の僕の試合を、日本のファンの皆に見てもらえると嬉しいよ」

■視聴方法(予定)
12月19日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN199対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
クリストファー・ダカウス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
スティーブン・トンプソン(米国)
ベラル・モハメッド(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
アマンダ・レモス(ブラジル)
アンジェラ・ヒル(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
リッキー・シモン(米国)

<ライト級/5分3R>
ディエゴ・フェヘイラ(ブラジル)
マテウス・ガムロ(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
ダレン・エルキンス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラウド・マーシャート(米国)
ダスティン・ストーツフス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハオーニ・バルセロス(ブラジル)
ヴィクター・ヘンリー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(米国)
ハリー・ハンサカー(米国)

<女子フライ級/5分3R>
シジャラ・ユーバンクス(米国)
メリッサ・ガト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
アンドレ・イーウェル(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
ラケル・ペニントン(米国)
メイシー・シェエソン(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ドンテイル・メイス(米国)
ジョシュ・パリジャン(米国)

<ライト級/5分3R>
マット・セイレス(米国)
ジョーダン・ラヴィット(米国)

The post 【UFN199】「コブラカイ?」&「スクールとジム」。モハメッド戦前のワンダーボーイにカラテ論を訊く first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
MMA Special UFC UFC263 デミアン・マイア ネイト・ディアス ベラル・モハメッド レオン・エドワーズ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その弐─モハメッド✖マイア後編「ネイトには乗れない」

【写真】マイアのMMAファイター人生と比較して、青木はネイト・ディアスには乗れないという発言をした(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年6月の一番、第ニ弾は12日に行われたUFC263よりベラル・モハメッド✖デミアン・アイア戦について、ネイト・ディアス論を経て──引き続き語らおう。

<青木真也が選ぶ6月の一番─その弐─前編はコチラから>


──NCを挟んで5連勝中、通算で10勝3敗という戦績なのですね……モハメッドは。

「そこに43歳のデミアン・マイアが組まれる。これはちょっと凄いッスね」

──レジェンドファイトでないですし。

「デミアン・マイアが、この歳でこういう試合が組まれることはビジネスとしてタレント性が落ちるということなんですかね?」

──あぁ、だから逆にレジェンドファイトではないと。そういえばUFCは歳を重ねたからレジェンドファイト枠ということでもないような気がしますね。

「スター性、チケットの売り上げ、PPV売り上げという部分でトップではないから、レジェンドファイトにならないという見方はできますよ」

──なるほど、そういうことですね。

「だから鎬を削るファイトになるのかなって」

──そう考えると、レジェンドファイトとはどういうものなのでしょうね。青木選手はネイト・ディアスとレオン・エドワーズの試合とか、どう思いましたか。

「ワンツー入れて客がわくんだから、ネイトは絶対もう辞めないじゃんって思いました(笑)」

──アハハハハ。

「負けてもワンツーを届かせると、ファンが喜ぶ」

──この試合は世界戦でもメインイベントでもなく5分✖5Rでした。メインだから5回戦というのが、そもそも論としておかしな話ですが、それでなくても5回戦になる。ネイトの知名度がそうさせるっていうのは、異常な世界です(笑)。

「そうなるのは、ワンツー当てるだけで褒められる選手だからですよ(笑)。だからデミアン・マイアには、そのタレント性がないということですよね。そこまではないから、勝負論のあるカードを組まれる。まだ、やれる──という試合が組まれています」

──ネイトは勝とうが負けようが安泰で、デミアンの場合は彼に勝った選手が、その功績を持っていく。そういう試合で。

「だから勝負論のある現役なんです。マイアはこの試合の内容でMMAを続けるどうかって言っているけど、ネイト・ディアスは少し間を空けて、またやるわけじゃないですか。そういうのは、僕はあんま乗れないですよね」

──自分、シュガー・レイ・レナードの終盤はタイトル奪取→返上、また違うタイトル戦という大一番ばかりを戦い、ひたすら戦い続けていたトーマス・ハーンズの方が格好良いと思っていたんです。そういう点でもデミアン・マイアは格好良いですよね。

「レナードのことが透けて見えてしまったんですね。高島さんはそう思っても、ファンの人気はレナードなんですよね?」

──そうだったと思います。

「そうなるんですよね。でもワンツー当てているネイト・ディアスより、シングルレッグを懸命に狙うマイアの方が格好良いですよね。やっぱ、そうなんだよな。今回のマイアは色々と深いです」

──そのデミアンがMMAを引退したら、グラップリングや柔術を戦いたい。並行してはできないということを言っていました。

「練習にレスラーを呼んだり、柔術家がMMAに集中するために凄く試行錯誤していたように思います。ミッシェル・ニコリニがマイアのところで練習したりして、強い柔術家がMMAで戦いやすくなる練習環境を創れていたのでしょうね。でも、MMAを引退してから、グラップリングやりますかね。好きそうですけどね。

とにかくUFCで戦い続けてきたのは、格好良いですよ。だいたいマイアなんてTシャツを着てMMAを戦っていた世代なんですから。滑り止めだって(笑)。もしかしたら、PRIDEに来るんじゃないかって。

そういう人がUFCで2007年から14年間もやってきた。バケモノだと思います。本当に格好良かったです。僕らのようなグラップラーは、凄く影響を受けました。試合もそうだし、練習の動画からなんかも。まだ終わりとは明言していないと思いますけど、お疲れ様でした──感はありますね」

The post 【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その弐─モハメッド✖マイア後編「ネイトには乗れない」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Interview Special デミアン・マイア ブログ ベラル・モハメッド 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その弐─モハメッド✖マイア「勝った時だけMMAを使うな」

【写真】デミアン・マイアを本当にリスペクトしているからの青木の柔術界への苦言だ(C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年6月の一番、第ニ弾は12日に行われたUFC263よりベラル・モハメッド✖デミアン・アイア戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年6月の一番、2試合目をお願いします。

「ベラル・モハメッド✖デミアン・アイアです。この試合が組まれたUFCの直後にRIZINがあって。サトシ・ソウザとクレベルが三角絞めで勝ったら、日本の柔術の人たちが『柔術だぁ!!』、『三角だぁ』って、わいていたんです」

──自分のところにもSNSで、そういう喜びの声が凄く届きました。

「喜んでいましたよね(笑)。でもデミアン・マイアに触れない。マイアは内容も完敗だったけど、柔術家として凄く気合の入った生き方をしているのに。ベン・アスクレンに勝った時に『オモプラッタでスイープだぁ』、『柔術だぁ!!』ってわいていた柔術界隈の人たちは、モハメッド✖マイアには触れない。

日本の柔術家の人って、MMAで柔術っぽいモノが見られると『柔術最高』って言いたいんだなって思いました(笑)」

──自分は北米MMAで下になって勝つことの難しさは理解はしているつもりで、下でなくても柔術的な動きが見られると嬉しいです。それは足関節も同じだし、カポエイラでも首相撲でも、空手でも同じです。キックボクシング&レスリングでないMMAの王道から外れた技術が見られると。

「はい、分かります。だからデミアン・マイアが負けた時も見ているじゃないですか?」

──はい。

「でも勝った時だけ盛り上がるのは、都合良いよなって思います。都合良くMMAを見ているなって」

──ボンサイ柔術の人々が、喝采するのは良いですよねぇ。柔術の先生が勝って、『柔術最高じゃん。俺たちの先生、最強だよ』って。負けたら、彼らは落ち込むわけですから。

「はい、はい、はい。でも、MMAで勝った時だけ『柔術っ!!』って喜ぶ柔術家は都合が良い。だから僕は『日本はMMAができないヤツが柔術をやっているじゃん』って言ってきたんです」

──懐かしい、もう4年も前に論議した件ですね。柔術は柔術、MMAはMMMA。その青木選手の言い分に真向から反論させてもらった身ですが、『都合良い』という青木選手の言い分は分かります。MMAの試合で蹴りで決着がついて『キックぅ!!』、アッパーで決着がついて『ボクシングぅ!!』とわくキックボクサーやボクサーがいないのは、MMAと自分たちの競技を別物として見ているからでしょうし。

「そうですよね!! だったら負けた試合も見て、触れろって。勝った時だけMMAを使うなって」

──三角絞めの解析をYouTubeでやるぐらいの商魂があったほうが、ただ喝采しているより好きです。

「デミアン・マイアに触れろ。ムンジアルとか柔術の試合でわかないし。柔術同士では柔術最高ってならないで、MMAで勝った時にソレをMMAをやっていない柔術家が言うなら、僕は『MMAできないから』って言います。高島さんは柔術とMMAは別だっていうけど、『お前ら一緒くたにして見てんじゃん』ってなりますよ。」

──WNOやEUGとかのグラップリング・シーンより、MMAでわくのは……都合が良い。

「結局のところ、ちゃんと格闘技を見てない。だってレベルでいったら、絶対に違うわけじゃないですか。デミアン・マイアがやってきたことって……。

あとデミアン・マイアのモハメッド戦で興味深かったのは、モハメッドは佐藤天が2年近く前に戦った相手なんです。間モハメッド✖マイア戦が終わって僕、佐藤天に連絡しちゃったんですよ。『あの時に勝っていたら──デミアン・マイア戦があったかもしれなかったんだ』って。もちろん、あの後モハメッドは連勝しています。でも、それは佐藤天にもあり得るわけだし。

彼はそういう風に勝っていると、デミアン・マイアと戦うことができる環境にあるんですよね。僕たちのようなグラップリング寄りの柔術が好きな人間からすると、デミアン・マイアとできるって凄いことだし。それを想像するだけで、ドキドキしちゃったんです」

──想像するだけで(笑)。

「そうなんです(笑)。そんな混沌とした中で、佐藤天は頑張っている。だから佐藤天がインタビューで話している内容が、真実味を増してくるんですよね。そうやって佐藤天はリアルな中にいるのと、日本は違うなって……僕は思いました」

──別物になりつつありますね。いや、もうなっているのでしょうね。

「佐藤天が何をやっているのか。そういうことだと思います。平たい言葉ですけど、夢がある。モハメッドはアブダビ筋に押されているのはあるかもしれないですけど、まぁそこも含めて夢があります」

──そのモハメッドですが、最初にシングルレッグで尻もちをつかされて、バックを譲ることなく立ち上がっていました。デミアン・マイアの壁レスを遮断したことで、その後のテイクダウン防御もあったと思います。

「それをどれだけの人間ができるのか。でも、最初のアレ以外は取れてないから、マイアも落ちてはいるんですよね。なんだかんだといってベラル・モハメッドは強いし、UFCのランキングから零れそうな選手は強いということですね」

<この項、続く>

The post 【Special】月刊、青木真也のこの一番:6月─その弐─モハメッド✖マイア「勝った時だけMMAを使うな」 first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
UFC Result UFC263 イスラエル・アデサニャ テレンス・マッキニー ブランドン・モレノ ブログ ベラル・モハメッド レオン・エドワーズ

【UFC263】試合結果 アデサニャ防衛。フライ級はモレノが新王者に。マッキニー07秒初陣V

【写真】メキシコ生まれメキシコ育ちのメキシコ人として、初めてUFCの頂点に立ったブランドン・モレノ(C)Zuffa/UFC

12日(土・現地時間)、アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナで有観客大会としてUFC263「Adesanya vs Vettori 2」が開催された。

メインのUFC世界ミドル級選手権試合は王者イスラエル・アデサニャが、マーヴィン・ヴェットーリを相手に完勝で防衛に成功。UFC初のイタリア人世界王者の誕生とはならなかった。

一方で、コメインのUFC世界フライ級選手権試合ではブランドン・モレノが前回の挑戦ではドローだったデイヴィソン・フィゲイレドを打から組みで圧倒し、最後はRNCを決めて新チャンピオンに輝いた。

注目のウェルター級の2試合はレオン・エドワーズが、最後の1分以外はネイト・ディアスをほぼほぼ完封している。またベラル・モハメッドは許したテイクダウンは1度のみで、デミアン・マイアに柔術をさせず完勝。マイアの動向が気になるところだ。

プレリミでは8日前にLFAで試合をしたばかりのテレンス・マッキニーが、UFC初陣でマット・フレヴォラを07秒で衝撃のTKO勝ちを収めている。

ファイト・オブ・ザ・ナイト=ブラッド・リデル✖ドリュー・ドパー
パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ブランドン・モレノ、ポール・クレイグ

UFC263「Adesanya vs Vettori 2」
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
○イスラエル・アデサニャ(ニュージーランド)5R
判定
詳細はコチラ
×マーヴィン・ヴェットーリ(イタリア)
<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
○ブランドン・モレノ(メキシコ)3R2分26秒
RNC
詳細はコチラ
×デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)
<ウェルター級/5分5R>
○レオン・エドワーズ(英国)5R
判定
詳細はコチラ
×ネイト・ディアス(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ベラル・モハメッド(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×デミアン・マイア(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
○ポール・クレイグ(米国)1R1分59秒
TKO
×ジャマハル・ヒル(米国)
<ライト級/5分3R>
○ブラッド・リデル(ニュージーランド)3R
判定
詳細はコチラ
×ドリュー・ドバー(米国)
<ライトヘビー級/5分3R>
○エリク・アンダース(米国)3R
判定
×ダレン・スチュアート(英国)
<女子フライ級/5分3R>
○ローレン・マーフィー(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×ジョアン・カルダーウッド(英国)
<フェザー級/5分3R>
○モフサル・エフロエフ(ロシア)3R
判定
詳細はコチラ
×ハキーム・ダラドゥ(カナダ)
<女子バンタム級/5分3R>
○パニー・キアンザド(スウェーデン)3R
判定
×アレクシス・デイヴィス(カナダ)
<ライト級/5分3R>
○テレンス・マッキニー(米国)1R0分07秒
TKO
詳細はコチラ
×マット・フレヴォラ(米国)
<フェザー級/5分3R>
○スティーブン・パターソン(米国)3R
判定
×チェイス・フーパー(米国)
<ライト級/5分3R>
○フェレス・ジアム(フランス)3R
判定
×ルイジ・ヴェンドラミニ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
○カルロス・フィリッピ(ブラジル)3R
判定
×ジェイク・コリアー(米国)

The post 【UFC263】試合結果 アデサニャ防衛。フライ級はモレノが新王者に。マッキニー07秒初陣V first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Report UFC UFC263 デミアン・マイア ブログ ベラル・モハメッド

【UFC263】15分間、トライすること数知れず。テイクダウンは1度。デミアン・マイアがモハメッドに敗れる

<ウェルター級/5分3R>
ベラル・モハメッド(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
デミアン・マイア(ブラジル)

サウスポーのマイアに対し、モハメッドが右を伸ばす。ダブルを切られたマイアが左を当てる。モハメッドも右を打ち、スイッチしながら間合いを図る。マイアはシングルに出てケージにドライブ。ダブルレッグで切り替えて、テイクダウンに成功する。立ち上がったモハメッドにシングルを続けるが、モハメッドが足を抜く。

直後のテイクダウン狙いをスプロールしたモハメッドは、続くシングルもケージを背にして防御する。ここも足を抜いたモハメッドは左フックをヒット。徹底してシングルを狙うマイアがレッグリフト、頭を腰につけて押し込むもモハメッドはケージを背にして耐える。右腕を差して離れたモハメッドだが、押し込み続けたマイアのラウンドとなったか。

2R、モハメッドがジャブを伸ばし、構えを変える。汗が目立つマイアはシングルも、足をホールドできないで離れる。それでも右フックを当て、左ストレートからダブルレッグ、シングルへ移行するマイア。テイクダウン防御を念頭に、打撃は単発のモハメッドだがマイアの被弾する数が増えてくる。

左ストレートを当て、オーソに構えを変えて左ジャブを伸ばすモハメッドは、シングルを切る。残り1分を切り、シングルでドライブしたマイアは肩を押し込み、頭をつけていくがモハメッドがエルボーを入れ時間となった。

最終回、最初のシングルで足を抜かれ、ヒザをマットに着けて低い姿勢で組みに行ったマイアだが、モハメッドが距離を取る。テイクダウンが命綱のマイアは、頭の位置が動かなくなると右を2発被弾する。それでもシングルに出て、モハメッドが足を抜くという展開が見られ、特にモハメッドが攻撃で試合を支配しているわけではない。

テイクダウンを切って、パンチを当てて加点するモハメッドが1Rの最初の組み以外は全てシングルを切り続ける。それでもマイアは残り1分を切り、ケージにシングルで押し込んでいく。一旦しゃがみ込み、体を起こしてケージに押し込め続けたマイアだが、テイクダウンは奪えずタイムアップに。

ケージ中央で両手を上げ、真上を見つめたマイアの脳裏に何がよぎっているか。0-3で敗れたマイアは、拳にキスをしてモハメッドとハグをした。


The post 【UFC263】15分間、トライすること数知れず。テイクダウンは1度。デミアン・マイアがモハメッドに敗れる first appeared on MMAPLANET.

カテゴリー
Interview MMA UFC UFC263   デミアン・マイア ベラル・モハメッド

【UFC263】ベラル・モハメッド戦へ、デミアン・マイア─02─「柔術と共に生きる。それは僕の使命」

【写真】1年8カ月振りの勝利を手にすることができるか。それともMMAで戦う最後の雄姿となるのか(C)MMAPLANET

12日(土・現地時間)、アリゾナ州グレンデールのヒラ・リバー・アリーナで開催されるUFC263「Adesanya vs Vettori 2」でベラル・モハメッドと戦うデミアン・マイア・インタビュー後編。

マイアの口から、この試合のパフォーマンス如何で今後のことを決めるという発言が訊かれた。この言葉はこれまで通り戦えるという自信を持ち続けていることの裏返しでもある。

43歳、デミアン・マイアが戦い続けることができる理由と、対戦相手モハマッドの印象──そして、盟友ジャカレ・ソウザの敗北について尋ねた。

<デミアン・マイア・インタビューPart.01はコチラから>


──デミアンは人としてフレッシュさを保つ人生を送っているのですね。と同時に柔術、グラップリング、MMAと達成感があり、戦い続けることにモチベーションを保つことを難しく感じることはないですか。

「僕がモチベーションを維持できるのは、何よりも練習することが好きだということが挙げられる。練習が試合より好きなんだ。練習はいつも学びがあり、上達が伴う。学ぶことがあるのは喜びだよ。それにジムで練習をすることだって、UFCの試合に負けないぐらいビッグチャレンジなんだ。ただ楽しいから練習するんじゃない。チャレンジしているから、練習で上達することができる。

自分の限界を超える──そんなチャレンジをトレーニングの度に繰り返す。だからこそ練習するたびに学ぶことができる。それが僕のモチベーションになっている。

試合のための練習は短期間で成果が求められる。試合がない時のトレーニングは、時間を置いて上達するもの。それは一生追及できるモノだよ。達成感の話になったけど、練習で得られる達成感は、試合で得らえるモノより大きいよ」

──なるほどぉ。そのような考え方もあるのですね。

「それと……やはり柔術の旗の下で戦うことは、僕にとっては大きなモチベーションになっているよ。柔術と共に生きる。そんな生き方を僕は信じている。それは僕の使命でもあるんだ」

──柔術家として戦うデミアンにとって、ベラルはどのようなファイターでしょうか。

「ベラル・モハメッドは本当にタフだ。レスリング出身だけど、今やストライカーのようだ。何より、スタミナが十分にあり15分間アグレッシブに戦い続けることができる。

特別テクニカルではない。でも、彼の一番の武器はメンタルの強さ。そして勝利を欲する気持ちが彼を強くしている」

──そんなベラル・モハメッドを相手に、デミアン・マイアは43歳にしては素晴らしいという評価でなく。年齢に関係なくデミアン・マイアは素晴らしいという試合を見せてほしいです。

「もちろんだよ。試合前に何をいってもしょうがないことは分かっているけど、本当に心身ともに絶好調なんだ。以前と変わらず戦えると思っているから、オクタゴンに向かう。そして、実際にはどうなるか。どう感じるかで、今後のことを決める。良くないなと感じると、戦うのを辞める時だよ」

──勝手ながら、もっとデミアンの試合を見続けたいです。

「アハハハ、ありがとう。例えMMAから足を洗う時がきても、柔術とグラップリングの試合には出ようと思っている。以前、韓国でスパイダー柔術トーナメントを観戦した時、本当に素晴らしいと思った。ああいう試合に出ていくつもりだよ」

──パンデミックにより、米国ではグラップリングの大会が本当に盛んになりました。

「そうだね、WNOなど凄く良いイベントだし。ブラジルでもグラップリングは盛んになっているよ」

──ドゥリーニョはMMAとグラップリング、柔術を並行して戦っています。

「MMAを戦っている間は、MMAに専念したい。柔術やグラップリングの試合に出るのは、MMAキャリアを終えてからだと考えている。MMAとグラップリングや柔術を同時に戦いたいとは思わないんだ。2つも一緒にできない。今、やるべきことにフォーカスしたいんだ」

──デミアン、いつも生きていくうえで糧になるような話をしていただき本当にありがとうございます。

「僕の方こそ、日本のファンに僕の声を届けてくれて感謝しているよ。僕にとって初めての大きな旅は2003年に日本でコラル・チャレンジに出た時だった。あれから1度も日本を訪れていないけど、最高の思い出になっている。

日本の文化、人々が大好きだ。絶対にまた日本へ行ってセミナーを開いたり、日本の皆との時間を持ちたい。僕のマーシャルアーツのルーツは日本にある。次に日本に行くときは東京だけでなく、京都や他の街も訪れたい。また日本の皆に会える日を楽しみにしているよ」

──2003年、日本に一緒に来たジャカレが5月の試合で、アンドレ・ムニスにショッキングな敗北を喫しました。最後にあの試合について、デミアンがどう思っているのか教えてもらえますか。

「試合は視ていないんだ。でも、戦い続けている人間の全てに起こりうることだよ。どういう敗北があっても、ジャカレが最高のファイターの1人であることは変わりない。MMAを長い間戦っていると、そんなこともある。ジャカレが今後、どうするのかは僕には分からないけど、ジャカレは未来永劫最高のファイターであることは変わらない。

そんな彼だってミスをする。人間は誰だってミスをするんだ。あの負けで彼が終わるとは、これっぽっちも思っていない。そして、一つの負けで彼の実績は、何一つとして傷つくことはない。なにより僕の彼への尊敬の念は変わることはない。ジャカレはこのスポーツの永遠のアイドル、ヒーローであり続けるよ」

■視聴方法(予定)
6月13日(日・日本時間)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOWプライム

■UFC263計量結果

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] イスラエル・アデサニャ: 183.5ポンド(83.23キロ)
[挑戦者] マーヴィン・ヴェットーリ: 184.5ポンド(83.68キロ)

<UFC世界フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] デイヴィソン・フィゲイレド: 125ポンド(56.7キロ)
[挑戦者] ブランドン・モレノ: 125ポンド(56.7キロ)

<ウェルター級/5分5R>
レオン・エドワーズ: 170.4ポンド(77.29キロ)
ネイト・ディアス: 170ポンド(77.11キロ)

<ウェルター級/5分3R>
デミアン・マイア: 170.4ポンド(77.29キロ)
ベラル・モハメッド: 170.4ポンド(77.29キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ポール・クレイグ: 204.5ポンド(92.76キロ)
ジャマハル・ヒル: 205.5ポンド(93.21キロ)

<ライト級/5分3R>
ドリュー・ドバー: 154ポンド(69.85キロ)
ブラッド・リデル: 155ポンド(70.31キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
エリク・アンダース: 205ポンド(92.99キロ)
ダレン・スチュアート: 204.5ポンド(92.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ローレン・マーフィー: 125.5ポンド(56.92キロ)
ジョアン・カルダーウッド: 125ポンド(56.7キロ)

<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ: 145.5ポンド(66.0キロ)
モフサル・エフロエフ: 145.5ポンド(66.0キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
パニー・キアンザド: 135.5ポンド(61.46キロ)
アレクシス・デイヴィス: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ライト級/5分3R>
マット・フレヴォラ: 155ポンド(70.31キロ)
テレンス・マッキニー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<フェザー級/5分3R>
スティーブン・パターソン: 148.5ポンド(67.35キロ)
チェイス・フーパー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<ライト級/5分3R>
フェレス・ジアム: 156ポンド(70.76キロ)
ルイジ・ヴェンドラミニ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ヘビー級/5分3R>
カルロス・フィリッピ: 262.5ポンド(119.06キロ)
ジェイク・コリアー: 264.5ポンド(119.97キロ)

The post 【UFC263】ベラル・モハメッド戦へ、デミアン・マイア─02─「柔術と共に生きる。それは僕の使命」 first appeared on MMAPLANET.