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【Gladiator CS01】アン・ジェヨン戦へ─三上ヘンリー大智─01─「どれだけ無意識な状態に持って行けるか」

【写真】このルックスを人生が優位に運ぶように使わない。男前は、そんなことは考えないのだ (C)MMAPLANET

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、三上ヘンリー大智がアン・ジェヨンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

剣道界からは、消えた名選手と呼ばれ。銀幕デビューを果たし、POWNDSTORMやEXFIGHTでは黄色い声援を誰よりも集めていた甘いマスクの持ち主。取材中も彼の姿を視界にとらえた街往く女性が、そのまま目を奪われたように追い続ける。あるいは振り向いたままということが、続いた。それでもヘンリーは、その視線に気づかず──懸命に重心移動について、言葉を続ける。自身の持つルックスには無頓着で、武道精神をもって研ぎ澄まされた感覚でMMAを突き詰めようという姿勢を持つラスト侍に、今回の対戦や剣道との関わり、今後について尋ねた。


──16日にアン・ジェヨンと対戦が決まった三上選手です。このタイミングでGLADIATORの新機軸であるGLADIATOR CHALLENTER SERIESで戦うことを決めたのは?

「最初にやる予定だったイ・イサク選手が、若くて勢いのある5勝0敗の選手で凄くモチベーションが上がりました。この選手を倒すと、MMAファイターとしてもう少し認められるんじゃないかと思って」

──イ・イサクは5月から開始のTUFへの出演が決まり、出場が流れた。主催者もUFCへの道が開いた選手をここに縛ることはできないという判断をしたと聞いています。その結果、アン・ジェヨンと戦うこととなりました。

「あのあと候補として名前を頂いた選手のなかで、一番自分のなかで意味ある試合になると思った選手なのでお願いしたという形です」

──イ・イサクと戦っていたなら、三上選手がこれまで見せていなかったMMAファイターとしての完成度の高さが必要な戦いになったと思います。対して、アン・ジェヨンとはどのような意味のある試合になると考えられたのでしょうか。

「私自身のMMAの創り方のようなモノは変わらないのですが、テーマはちょっと変わったかなというのはあります。ストライカーとしてMMAをやらせてもらって、向うも自分のことをストライカーだと認識してくるでしょうし、変な話──打撃の勝負になるかなと思っています。そこでMMAのなかでのストライキング能力が試される試合という風に位置づけは変わったと思います。そこに向けてチャレンジングな試合、挑戦者として挑もうという気持ちです」

──イ・イサク戦がなくなった時、試合を断ろうと気持ちには?

「若干、『あぁ、マジかぁ』というのはありましたけど、一つひとつ勝たないといけないし。自分のなかではどんな相手とやってもかけがえのない財産になると思うので、試合ができる時にやらせてもらえることが一番喜ばしいことなので」

──ミドル級は国内で対戦相手が少ないですし、試合機会を逃したくないという気持ちも強かったのではないでしょうか。

「それが一番にあります。立ち技でも何でも色々な団体で戦わせてもらう立場でやっていますが、一番優先したいのはMMAの試合なので。これからは韓国人選手だったり、外国人選手と戦うことが多くなると思うので、一つひとつ受けたオファーはケガとかがなければ断らないようにしていきたいです」

──正直、これまでの試合で三上選手はそのポテンシャルを出し切れてない印象があります。デビュー戦はMMAの打撃に戸惑っていた。そして前回のチョン・ホチョル戦は組み主体の試合となりました。

「アハハハハ。まず、チョン・ホチョル戦を細かく分けると、1Rは本当に打撃で行こうと思っていました。ただ、がぶった時に『あれっ? これ寝技の展開でデキるかも』と思って。で、バックを取ろうとしたときに足が引っ掛かって下になってしまったんです。あの時は立つ意識は余りなくて。相手も力を凄く使っていたので、寝技である程度しのいで2R、3Rに賭けようと思っていました。

で2Rは自分のなかでは打撃でいって、相手がダウンをしたら立たせて打撃ではなくて、上を取ってトップで何かをする。ポイントを稼ぎ続ける。そういうゲームをやっていかないと今後、ストライキングが自分と同じぐらいだったり上の選手と戦った場合に話にならない。勝ち負けが懸かった大事な一戦ではあるけど、あそこはトップの状態で勝負に行くべきだと思いました。なので効いたのか、頭を振ってテイクダウンに来たところをがぶって上を取って終わらせました。だから自分のなかでは成長するために凄く良い試合だったと思っています」

──MMAに慣れた三上選手の打撃の威力が見られるかと期待していたので、その選択に驚かされました。ただし、そこを経験できたことは本当に良かったですね。では今、三上選手のMMAの打撃のレベルはどうなのかと考察した時に、12月9日のNOKC OUT UNLIMITEDという全局面打撃ルールというファイトを経験した。あの試合が得られるモノは何だったのでしょうか。

「MMAグローブで殺傷力のある展開のなかで、落ち着いて相手を見て自分の打撃を繰り出す──ストライカーとして、凄く良い経験ができました。ヘッドギアで固めて、ガチガチのスパーリングをするのとはわけが違うじゃないですか? 緊張感もあるし。心の揺れもある。そのなかで冷静に自分を保って戦えたのは、本当に良い経験になりました。だから今後もああいうオファーを頂けるのであれば、積極的に受けていきたいです」

──KNOCK OUT UNLIMITEDルールでの試合は三上選手の成長につながる?

「繋がると思います。打撃をやらないといけない。打撃って組み技とちょっと違う……勝負ごとって何でもそうだと思いますが、階級が重くなればなるほど運の強さが大きくなると思うんですよ。そこで腹を括って、自分の動きを出す。そこは何度も繰り返さないと、自分の自信につながらないと思います」

──やはり一発で勝負が決まると。

「それが重量級にはあります。そこは自分もやられた経験がありますし、すごく怖いと思っているところです」

──アマチュア時代のアンディ・コング戦のことかと思われますが、キャリアの汚点と言っても良い敗北でした。

「ただ、あれはあれで人々を勇気づけられるスパイスになったんじゃないかと思っています。今後頑張って色々な結果を出した時に、あの過去があったと他の人が知れば『俺もここで頑張り続ければ、何か良いことがあるんじゃないか』と思ってもらえるような選手になりたいですし。格闘技の天才で無敗で、強い。まぁ格好良いですけど、それって人に何を与えるのかと考えた時に『あの人は特別』って思われるだろうし。敗北を経験している人の言葉って凄く温かくて、私はそういう人間になりたい。だから色々とチャレンジして、負けても良いし……負けても良いという気持ちでは戦わないです。でも、負けてもチャレンジを続けて人に元気を与えられるファイターになりたいです」

──押忍。UNLIMITEDルールの試合を再び振り返って欲しいのですが、キックボクサーがあの展開になると、寝技でもガムシャラに殴るか、サッカーボールキックを思い切り狙うかと。一方で三上選手は非常に冷静にヒジ、鉄槌を落としてパウンドアウトしました。

「正直に言うと、あの試合の記憶はほとんどないです。それが自分の中の理想で。試合の記憶がない状態が、一番無意識で攻撃が出せるんじゃないかと。『これを出そう』という時点で、脳が余計なことを考えている。どれだけ自分を無意識な状態に持って行けるか。そのための日々の鍛錬だと思うので、そこのしっかりとした鍛錬が出た試合だったかと思います」

──試合全般でそうだったのですか。

「ハイ。スピニングバックフィストを食らったんですが、そこ以外はほとんど覚えていないです」

──ではスイッチしての左ミドルという素晴らしい攻撃も?

「覚えていないですっ!!」

──首相撲からのヒザも?

「覚えていないです」

──無心で本来の動きが出せるということなら、あの一連の攻撃が本来の三上選手の打撃なのですね。そうなると我々も欲張りなので、MMAであの攻撃が見たくなってしまいます。

「私はやっぱりトータルでやっていきたいとは思っていて。色々な道具を持っていて、場面・場面で使い分けることができるのが理想で。ただ下の展開に関していうと、柔術というのは積み重ねだと思うので、ずっとやってきた人とそこで勝負しようとなると凄く限定的になってしまいます。

だから色々な道具は持ちますが、道具を使う取捨選択が非常に大事になってきます。年齢的に考えても、取捨選択は大事になります。一つ一つを研ぎ澄まさせて、この場面でコレは絶対に勝てる。これは自信がないから、他の展開にしようとか。打倒極の全部で一つ自分のなかで必殺技を創りたいです。必殺の展開を創っていきたいとは思っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB Gladiator KTT MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC YouTube アラン・フィルポット アンソニー・ドリリッチ ウェズ・キャッパー クイラン・サーキルド ドン・マール・ファン パン・ジェヒョク ホン・ソンチャン ロッド・コスタ ロン・チュウ 河名マスト 猿飛流 竹中大地

【Eternal MMA82】タイトル戦は4→2階級のみ。KTTのRoad to UFCファイター=ホン・ソンチャンが出場

【写真】16日に河名マストを相手にGLADIATORフェザー級初防衛戦臨むパン・ジェヒョクと、激しいスパーリングを繰り広げていたホン・ソンチャン(C)MMAPLANET

10日(土・現地時間)、豪州・西オーストラリア州パースのHBFスタジアムでEternal MMA82が開催される。
Text by Manabu Takashima

豪州トップ・フィーダーショーのEternal MMAでは、次回3月大会に日本から猿飛流が出場することも決まっている。本来、猿飛流の挑戦を受けるアンソニー・ドリリッチも今大会に出場予定だったが、挑戦者及び代役挑戦者が負傷欠場となり、3月大会で猿飛流を迎えて防衛戦を行うことになった。


またウェルター級王座決定戦=アルディン・ベイツ✖ケイレブ・ライドアウトも中止となり、ベイツは3月2日(土・同)に同じく豪州フィーダーショーのツートップの一角HEX Fight Seriesに出場し、ジョナサン・ミカレフと同プロモーションのウェルター級王座決定戦(!!)を戦うことが決まっている。

(C)ETERNAL MNA

つまり4つのタイトル中2試合がなくなり、メインでライト級選手権試合=王者クイラン・サーキルド✖ドン・マール・ファンが組まれている。

コメインではバンタム級選手権試合=王者ロッド・コスタ✖ 挑戦者アラン・フィルポットの2つのタイトルマッチだけが実現することに。

(C)ETERNAL MMA

この4名のなかでフィルポットは来日経験があり、日本のファンの目に届く場所で戦ってきた選手だ。

そのフィルポット、2016年のVJT大阪大会に来日し竹中大地のRNCで敗れており、ONE Warrior Seriesで2勝2敗、さらにはEternalで1勝3敗ながら挑戦権が与えられた。

この2つのタイトル以上に日本のコアMMAファンにとってはライト級のレギュラーファイトの方が気になるかもしれない。それがウェズ・キャッパーXホン・ソンチャンだ。パースのご当地ファイターのキャッパーは勝つ時にフィニッシュ、負ける時は判定という4勝2敗の選手で、対するホン・ソンチャンはKTT所属でRoad to UFCライト級に出場も、初戦で優勝したロン・チュウに敗れている。

ホン・ソンチャンの再起戦が豪州=Eternalが組まれた。日本だけなく韓国と東アジアに急接近のEternal MMA、要注意が必要だろう。

■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)、
午後7時00分~UFC Fight Pass

■Eternal MMA82 対戦カード

<Eternal MMAライト級選手権試合/5分5R>
[王者]クイラン・サーキルド(豪州)
[挑戦者]ドン・マール・ファン(豪州)

<Eternal MMAバンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ロッド・コスタ(豪州)
[挑戦者]アラン・フィルポット(英国)

<女子フライ級/5分3R>
コートニー・マーチン(豪州)
アミナ・ハダヤ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
トビー・ミーチ(英国)
ダニエル・ミッチェル(豪州)

<ライト級/5分3R>
ウェズ・キャッパー(豪州)
ホン・ソンチャン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
カーン・ディアタ(豪州)
イ・ジョンファン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジュリアン・ジュスティアーノ(豪州)
マーワン・ラヒキ(豪州)

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45 DEEP Gladiator Gladiator Challenger Series01 MMA MMAPLANET o PRIDE Progress YouTube アン・ジェヨン グラント・ボクダノフ チェ・ドンフン チャンネル パンクラス パン・ジェヒョク プロレス 三上ヘンリー大智 修斗 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 濱村健 竹内稔 竹本啓哉

【Gladiator CS01】フライ級Tでチェ・ドンフンを迎え撃つ和田教良─01─「何も執着するものはなくなった」

【写真】和田教良、35歳。これが男の生き様だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝として和田教良が韓国のチェ・ドンフンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

現在は名古屋市千草区の今池で『ガイオジム』を運営している和田だが、もともとは京都出身だ。その和田が京都で格闘技を始め、名古屋市に拠点を移した経緯を訊くと――黒星先行から、2022年に入ると4勝2分と無敗を貫いている理由が明らかになった。


――2月16日にチェ・ドンフンと対戦する和田選手です。公式記録としては2012年5月のDEEP大阪大会でプロデビューしていると考えると、MMAキャリアも12年近いベテラン選手です。

「2012年5月……まぁ、そうみたいですね(苦笑)」

――「そうみたいですね」というのは?

「実は僕自身がよく分かっていないんです。あの時は、たまたまDEEP大阪大会に出たという感じで。当時の関西のMMA大会にはセミプロ枠もあったし、どの試合がプロデビュー戦なのか曖昧じゃないですか」

――確かに。和田選手がMMAを始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「最初は京都だったんですよ。京都で濱村健さんと深見智之さんに教わっていました」

――CMA京都成蹊館ですね。

「中学2年の時、成蹊館に通い始めました。昔からプロレスファンで」

――中学生の時ですか! 当時からMMAを……。

「その時は空手の練習が中心でした。まだMMAとかは全然意識しなかったです。でも中学を卒業したあと柔道をやりたくなって、受験もあったので成蹊館を退会しました。で、高校で柔道部に入り、高校卒業時に成蹊館へ戻ろうと思ったらジムがなくなっていたので、ピュアブレッド京都(現MIBURO)に入りました」

――では格闘技キャリアとしては、もう20年以上ということになるのですね。

「それがまた違っていて……僕って結構、精神的にブレがあるんですよ」

――精神的なブレとは、どういうことでしょうか。

「消防士になりたいと思って格闘技から離れ、試験勉強をしたけど結局は無理でした」

――ジェットコースターのような展開なので、一度整理させてください(苦笑)。まず中学卒業時に柔道をやりたくなった理由は何だったのでしょうか。

「その頃にはMMAに興味を持ち始めていて。当時はPRIDEで吉田秀彦選手や、吉田道場の選手が活躍していたじゃないですか。『柔道をやったらMMAでも強くなるんか!』と思いました。でも、いざ柔道を始めても僕は弱くて――部活動も『柔道をやっていた』と言えるほどじゃなかったです。柔道場の隅っこで足払いばかり練習したり、とか。MMAを始めてから投げ技が得意になりました(笑)」

――アハハハ。現在のファイトスタイルのベースは、間違いなく柔道部に入っていたおかげでしょう。

「そう思います。高校を卒業したあと、大学に入ったあとピュアブレッド京都に入会しました。ピュアブレッドにいたエダ塾長さんが消防士で、僕も消防士になりたいと考えたんですよ。消防士として働きながらプロのMMAファイターになって――という計画だったのですが、消防士の試験に落ちました。当時は僕もよく分かっていなくて、消防士になってからMMAでプロデビューしていたら、もっと大変だったでしょうけど。

消防士の試験に落ちたあと、その時にはピュアブレッド京都も今のMIBUROになっていて。ただ、僕は環境を変えたいと思ってパンクラス稲垣組へ行き、1年ぐらいお世話になりました。それが2013年ぐらいの話です」

――2013年ということは、もう試合に出始めていた頃ですね。

「プロデビューの時はMIBUROで、そのあとパンクラス稲垣組からアマ修斗に出るようになりました。2014年に全日本アマチュア修斗フェザー級(現バンタム級)で優勝し、修斗でプロ昇格したんです。だから僕の中では、プロデビュー戦って2016年12月の秋葉大樹戦(1R一本負け)やと思っています。あと僕のことを『超ベテラン選手』と書かれることも多いけど、そんなに試合もしていなくて」

――秋葉戦でプロデビューしたとすると、ここまでの戦績は7勝4敗2分です。2016年から8年間で13戦というのは、決して多くはありません。

「だから年齢的にはベテランですけど、試合数はベテランじゃないという(笑)。まず食い扶持を見つけてからプロMMAファイターになろうと思っていました」

――しかし消防士にはなれませんでした。かといってMMAの試合だけで食えるわけではない。当時はどうやって食いつないでいたのですか。

「大手ドラッグストアチェーンでアルバイトをしていました。それなりの稼ぎにはなっていて――僕、登録販売者の資格を持っているんですよ」

――登録販売者とは、ドラッグストアなどで医薬品を取り扱うことができる国家資格ですよね。

「はい。だから当時は時給も良かったです」

――和田選手はプロデビュー後も勝ち負けを繰り返すキャリアを送っていました。一方で登録販売者の資格を持ち、時給も良い。となると、MMAを続けるかどうか迷いませんでしたか。登録販売者の資格を生かして専業になれば、もっと稼ぎは増えるでしょう。

「迷うというか……結局は自分が何をしたいんか、よく分からなかったです。それは今も同じなんですけど(苦笑)」

――当時は京都、大阪で活動していた和田選手が、名古屋に拠点を移したキッカケは何だったのですか。

「食い扶持を探していたのも当時、名古屋にいる女性と遠距離恋愛をしていて、その女性と結婚したかったからなんです。結婚するためには、正業を持たないと難しい。それで名古屋に引っ越し、こちらで正社員として就職しました。でも就職した会社で働き始めると、最初に聞いていた条件と違っていたから数カ月で辞めて。また格闘技に携わりたいと思って、TSジムでトレーナーとして働き始めました。

指導は週1~2回ぐらいで、自分もまた試合に出たい気持ちが強くなったんです。そこでTSジムの選手練習に参加するようになり、春日井“寒天”たけしさんと知り合って、志村道場さんでも練習させてもらうようになりました」

――名古屋へ引っ越した後に会社を辞めて、ジムの指導も週1~2回ということは、収入は厳しくなかったですか。

「そこは登録販売者の資格を使って仕事をしていました」

――強い資格ですね! 一方、プロMMA選手としての活動に執着はしていなかったのでしょうか。

「当時は自分がプロ選手として、どうこうというのは考えていなかったです。試合に出ながら、指導で生計を立てていきたい。だけど自分のジム(ガイオジム)を立ち上げたあと、名古屋に来たキッカケだった彼女と結婚したけど離婚してしまって(苦笑)。

そこからです。もう何も執着するものはなくなった。自分には格闘技しかない、好きなことをして生きよう――そう考えると調子も良くなり、無敗で今に至っています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 Gladiator Gladiator Challenger Series01 Level-G LFA MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube アン・ジェヨン ガブリエル・シウバ グラント・ボクダノフ チェ・ドンフン チャンネル テムーレン・アルギルマー パン・ジェヒョク 三上ヘンリー大智 上久保周哉 和田教良 大嶋聡承 河名マスト 竹中大地 竹内稔 竹本啓哉

【Gladiator CS01】組み技=竹内~MMA=元UFC~組み技=竹内。竹本啓哉─01─「ずっとドキドキワクワク」

【写真】尊い。格闘家として、その言葉が一番今回の竹本に合っていると思う(C)SHOJIRO KAMEIKE

16日(金)、配信に特化して開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」で、竹本啓哉が竹内稔とPROGRESSフェザー級王座を賭けて戦う。
Text by Shojiro Kameike

昨年9月、竹本はテムーレン・アルギルマーを下し、GLADIATORバンタム級のベルトを奪還した。2024年初戦はMMAではなくPROGRESSフォークスタイルグラップリングの試合となることが1月25日に発表されている。しかし発表直後、竹本の試合については二転三転した経緯があった。

事の顛末はこうだ。同大会ではチケット発売がない関係で対戦カードの発表に時間をおくという形が用いられていたが、実は元UFCファイターで今回LFAから派遣されるガブリエル・シウバと、上久保周哉がバンタム級で対戦することが決まっていた。

ところが発表前に上久保が負傷し、シウバと戦えない状況に。そこでPROGRESS実行委員会が竹本にシウバとの対戦を打診したところ、竹本は『バンタム級契約ではなくキャッチウェイトなら』と、即快諾。64キロ契約マッチが組まれることが決まったものの──これも発表直前に、今度はなんとシウバが練習中の負傷により来日が不可能となってしまった。その結果、当初の予定どおり竹本×竹内というマッチアップで確定した。グラップリング~MMA~グラップリングという試合変更にも関わらず、竹本は全て合意したのだ。

MMAPLANETでは最初に竹内戦決定の情報を得たあと、1月中旬に名古屋で竹本のインタビューを行っていた。その後、試合が二転三転しながら竹内戦に落ち着いた2月上旬、竹本に再インタビューを依頼。このジェットコースターのような数時間を過ごした竹本からは、まさに誰とでも戦うという格闘技観が見えた。


――対戦カードは当初の発表どおり、竹内稔選手とのPROGRESS王座決定戦に落ちつきました。ただ、そこまでには紆余曲折がありました。まずガブリエル・シウバとの試合について聞いたのが、いつ頃だったのでしょうか(※取材は3日に行われた)。

「今から1週間前——最初の竹内戦の発表直後ですね。ずっとドキドキワクワクしていた1週間でした(笑)」

――対戦相手どころか試合のルール、競技そのものが変わる。にも関わらず「ドキドキワクワクしていた」と笑顔で語ることができるのですか。

「確かに、全部が変わってしまいましたからね(苦笑)。でも僕は今33歳で、どれだけ現役生活を続けられるか分かりません。そのなかで、『今後も元UFCファイターと対戦できる機会があるんだろうか?』と思って。だから契約体重など条件が多少厳しくても、僕は対戦したかったです。MMAを戦う者にとって日本国内で元UFCファイターと対戦できるというのは、それだけの価値がありますから」

――とはいえ、シウバとの対戦に至るまでは、ずっとPROGRESS用の練習をしていたわけですよね。つまり、打撃の練習をしていない。

「はい。逆にグラップリングの練習はしていましたから、急きょ鈴木社長とワタナベ(関羽マサノリ)と打撃の練習について話を詰めたんですよ」

――ちなみにグラップリングの試合前は、一切打撃の練習はしないのでしょうか。

「全く練習しないわけではないですが、考える比重は変わってきますよね。練習するとしても自分が指導しているクラスだったり、練習仲間が参加しているクラスには一緒に参加したりとか。でも自分のための打撃練習はしなくなります。選手練習でも、グラップリング重視の時しか参加していなくて。……だから試合用の打撃練習はゼロ、ということですね」

――そこで急きょ試合用の打撃練習について話を詰めたあと、今度はシウバが欠場という話を聞いた時は……。

「ひっくり返りました。気持ちだけではなく、物理的にひっくり返ったんですよ。そこから1~2分は立ち上がれませんでした」

――……。

「でも、ひとつ安心したことがあるんです。僕がシウバと対戦することになったら、竹内選手の試合はどうなるんだろうかと思っていました。『代わりに誰かとの試合が組まれるのかな?』とか」

――えっ、竹内選手の試合がなくなることを心配していたのですか。

「はい。シウバとの試合に切り替えたのは、僕が直談判したわけではないです。だから竹内選手の試合がなくなっても、僕のせいではないけど――心の中で引っかかっていて。竹内選手は試合がなくなることに対してOKだったのかなぁ、と考えていました」

――優しいのですね。

「いやいや、そういうことじゃないです(苦笑)」

――照れなくてもいいではないですか。

「というより、昔から『相手がどう考えているのだろうか』と気になるタイプでした。『グラップラー刃牙』に天内悠という、人の気持ちを読むことに長けている登場人物がいるんですよ。たとえば相手が薬を欲しいと思ったタイミングで、その薬を出してあげたりとか。

その天内悠のセリフに『格闘技も相手の心を読むことが重要だ』というニュアンスの言葉があって。僕の中で、そのセリフが心に残っていました。だから僕は試合中も相手の表情を読んで、相手が嫌がることをやるようにしています。逆にプライベートでも、『こう言ったほうが相手は喜ぶだろうな』と考えたり。それが完璧にできているわけではないですけど」

――とても大切なことだと思います。すると、もう一度自分が竹内選手と戦うことになった……つまり竹内選手の試合があると分かってホッとしたのではないでしょうか。

「ホッとした――のかなぁ。先日、3月3日にLevel-Gで峯岸零也選手と対戦することが発表されたじゃないですか。『もし2月16日の試合がなくなっても、3月3日に試合ができていたんだろうな。それは良かった』とは思いました」

――一方で竹本選手にとっては、このタイミングであればシウバとの対戦を断ることもあると思います。どれだけ自分自身が調整できるのか。たとえ憧れの試合であったとしても、負けては意味がないと躊躇して当然です。

「そこに躊躇はなかったです。何て言うのかな——最初に言ったように、あとどれくらい現役を続けられるか分からないです。引退する時は必ず来る。自分は引退する時に後悔したくないんですよ。

もし今後、勝ち続けて引退するとしますよね。でも、それでは自分がどれだけ強いのか分からない。なるべく負ける可能性がある相手と対戦して、自分の強さがどんなものか分かって辞めたいです。だから、できるだけ強い選手と、できる時に試合をしておきたい。今回のシウバとの試合を受けたのも、自分の強さを知りたいという理由からでした」

――それは竹中大地選手と上久保周哉選手がグラジに出場した時と同じ気持ちですか。

「そうですね。強い選手が出て来るのは楽しみですし、不安も心配もありません。そこは勝ち負けじゃないから。自分の強さを確認するために――強い人と試合するために、僕はグラジのベルトを取り戻したので。不安があるとすれば、体重のことぐらいですね。引退するまで計量オーバーしないかどうか心配し続けると思います」

――実は、その心配がありました。竹本選手は一度、タイトルマッチで計量オーバーからベルトを剥奪されています。そのベルトを奪還した時に、計量オーバーとベルト剥奪に対する負い目は晴れたとの発言をしていました。しかしこれだけ急な試合変更を受けたのは、竹本選手の中にまだ負い目が残っているのか、と。

「それはないです。単に自分の中で、もう二度と同じ目には遭いたくないと思っているだけで。計量オーバーって、オーバーしたほうも結構シンドイんですよ。試合前から、試合中も、試合が終わった後も……。

僕が試合変更を受け入れたのは、強い選手と対戦したいからです。チャンピオンとして、せっかくグラジが新しいことをやる、その第一弾大会で穴を空けるわけにもいかないですしね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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【Gladiator CS01】ボグダノフ✖オーシマキーのフォークスタイルグラップリング戦で、全5試合決定!!

【写真】中量級特有のテクニカル&ちょっとした重厚感が感じられる一戦になるか(C)MMAPLANET

5日(月)、GLADIATORより16日(金)に会場非公開で開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana II」でPROGRESSフォークスタイルグラップリング88キロ契約戦=グラント・ボクダノフ✖大嶋聡承が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

配信に特化した新機軸大会は、このグラップリングマッチで全5試合が出そろったこととなる。


先のONE日本大会の通訳の印象が強いボクダノフは、昨年のJBJJF全日本ブラジリアン柔術選手権アダルト黒帯ミドル級で優勝し、無差別でも準優勝している。ノーギでも2019年に全日本ノーギ選手権でアダルト・エキスパート・ミドル級優勝、2021年&2022年全日本ノーギ柔術選手権のアダルト黒帯ミドル級を連覇、MMAでもその組み技の強さを如何なく発揮している。

対してオーシマキーこと大嶋は、この試合の5日後に17歳を迎える紫帯の柔術家──いや、グラップラーだ。小学1年生で空手を始め、3年生になるとパンクラス大阪稲垣組でレスリングを学ぶようになり、中学1年で東京に引っ越してくると近所のフィジカルスペースで柔術を始める。

しかし直後にコロナ禍を迎え、大嶋はABEMAで青木真也✖世羅智茂、さらに岩本健汰✖世羅を視聴して足関競に興味を持つようになる。分散登校だったこともあり朝の7時からトイカツグラップリング東中野に通い、ノーギ柔術の先駆者といえる寒河江寿泰から、しっかりとその技術を学ぶと、師の師匠といえる今成正和の下でも練習を始めた。

グラップリングを究めるために通信制の高校に進学し、グラップリング三昧の生活を過ごしている。中学生──緑帯の時にコンバット柔術や、ヒール有りを既に経験し、大人顔負けの活躍をするようになった。

昨年11月のADCCアジア&オセニア予選88キロ級では2試合で勝利を収めるも、アイザック・ミッチェルにRNCで敗れ上位進出はならなかった。とはいえミッチェルは同級を制しており、大嶋がボグダノフと戦う翌朝にタイでタイ・ルオトロの持つONE世界サブミッショングラップリング・ウェルター級王座に挑戦する強豪だ。いってみればトーナメント枠、大嶋は2番目に力があった可能性もあるわけだ。

当然、5月にタイで開催される第二次アジア&オセアニア予選をターゲットとしている大嶋は、聞くところによると今回の試合もウェルター級(※77キロ)でのオファーを88キロに拘り、ボクダノフも了承して実現したという。

以下、リリースに寄せられていた両者のコメントだ。

グラント・ボグダノフ
「以前から興味深々でしたが、今回はついにGLADIATOR初参戦が決まりました。とてもわくわくしています。あまり他にない特別なグラップリングルールなので、面白い攻防、予想できない展開が生まれそうで、試合を見てくれる皆さんも楽しみにしていて欲しいです。

対戦を受けてくださった大嶋選手は私が好きな選手ですが、試合している最中だけは相手としてみます」

大嶋聡承
「今回Gladiator Challenger Seriesで試合をする場を作って頂きありがとうございます。国内トップ選手のグラント選手と試合できることをとても光栄に思います。

グラント選手とケージの攻防できるのがとても楽しみです。
覚悟と感謝を持って一本を取りに行きます。是非期待して下さい」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ(日本)
大嶋聡承(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB DREAM Gladiator Gladiator Challenger Series01 LFA MMA MMAPLANET o Progress UFC YouTube アン・ジェヨン エド・ソアレス キック チェ・ドンフン チャンネル パン・ジェヒョク ボクシング ライカ 三上ヘンリー大智 和田教良 岩﨑大河 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉

【Gladiator CS01】ラスト侍=三上ヘンリー大智が出場。キック29勝1敗のコリアンストライカーと対戦

【写真】この外見を生かさず、黙々と戦って生きようとする──野武士のようなヘンリーだ(C)MMAPLANET

1日(木)、GLADIATORより16日(金)に会場非公開で開催されるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana II」に三上ヘンリー大智が出場し、韓国のアン・ジェヨンと対戦することが発表された。
Text by Manabu Takashima

その端正な顔立ちと対照的に、山籠もりをする自然派。剣道の経験から、武道的なマインドを持つラスト侍が、エド・ソアレスLFA代表の前で韓国のストライカーを迎え撃つ。


剣道では東海大付属第四高(現札幌高等学校)時代に古川和男範士に「競技で勝つ剣道でなく、剣の道」を教わった三上は、中央大学在籍時に第64回全日本学生剣道選手権大会3位という結果を残し、キックボクシングの道へ。アマで16勝0敗14KOという戦績を残すと、プロでも4戦全勝と負け知らずのままMMAへの道を選択した。

格闘DREAMERS出演から、POUND STORMでプロデビューも岩﨑大河にテクニカル判定負けを喫したもののその後は3試合連続でフィニッシュ勝利を手にしている。また昨年12月にはKNOCK OUTのパウンド、サッカーボールキック、四点ヒザ、スタンプがグラウンド上体の相手に認められている全局面打撃OKのKNOCK OUT UNLMITEDでもKO勝ちを収めており、MMAの打撃という部分でも方向性を掴めてきているようにも感じられる。

対戦相手のアン・ジェヨン選手はMMA戦績は3勝5敗だが、プロキックでは29勝1敗のキャリアを誇り、2013年のインドア・アジアンゲームではキック81キロ級で金メダルを獲得すると、KBK85キロ、K-WANG90キロ、そしてWAKOの83キロ級で韓国王座を獲得している。

本来の相手は来日経験のある韓国人選手だったが、TUFへの出演が決まりGLADIATOR CHALLANGER SERIES側も「UFCへの道を閉ざすことなどできるわけがない」と欠場の申し入れ快く受け入れ、三上も対戦相手の変更に応じてアン・ジェヨンと戦うことがきまった──という話も伝わってくる。

MMAの間合いに戸惑い、敢えて組み勝負と、ケージの中ではその持ちうるポテンシャルを見せていない三上の打撃。果たして、アン・ジェヨン戦では打か、MMAで勝負なのか。非常に楽しみなマッチアップとなる。

なおリリースに寄せられた両者の意気込みは以下の通り。ある意味、アン・ジェヨンの張りきり具合が伝わってくるコメントとなっている。

三上ヘンリー大智
「厳しい戦いになるとは思いますが、全力で頑張ります!」

アン・ジェヨン
「GLADIATOR CHALLENGER SERIESという素晴らしい舞台で試合ができることを本当に光栄に思っています。関係者の皆様、誠にありがとうございます。

今回の対戦相手である三上選手が出演した「HiGH&LOW THE WORST X」も見ています。“鈴蘭最強の男”ラオウ役、かなり面白かったです。あの映画の中で見られたような華のある戦いをしましょう。この試合が終わると、鈴蘭最強の男の座は自分のモノとなります」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル


■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智(日本)
アン・ジェヨン(韓国)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB DEEP DEEP JEWELS GFC Gladiator K-MMA MMA MMAPLANET NavE o Progress Road to UFC UFC YouTube イ・スンチョル シン・ジェヒョク チェ・ドンフン チャンネル パンクラス パン・ジェヒョク ライカ 久保健太 修斗 和田教良 松田亜莉紗 河名マスト 澤田政輝 竹内稔 竹本啓哉

【Gladiator CS01】配信イベントで、フライ級王座決定T開戦=和田教良がチェ・ドンフンと対戦!!

【写真】MMAファイター人生を賭けて和田が、チェ・ドンフンに挑む(C)MMAPLANET

29日(月)、DEEPより3月17日(日)に大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01の対戦カードが発表されている。
Text by Manabu Takashima

DEEP JEWELSストロー級チャンピオン松田亜莉紗が、チャンピオンとして初めての試合をノンタイトルの3回戦、そして初の国際戦に挑むことが決まった。


グラジのフライ級のベルトは昨年3月にNavEを8秒でKOしたニャムジャルガル・トゥメンデムベレルがRoad to UFCと契約したために返上して以来、空位となっていた。

そんなフライ級タイトル戦線が再び動き始めたのが、昨年9月大会。元王者NavEがプログレスのグラップリングで再起戦に勝利すると和田教良が6年半振りにグラジに参戦を果たした。和田は12月大会に連続出場し、自身初の国際戦となったシン・ジェヒョク戦で完全ドミネイト勝利を収めた。

その12月大会には韓国からイ・スンチョル、チェ・ドンフンという若き実力者も出場し、それぞれが澤田政輝と久保健太をKOしている。グラジの最軽量級の頂点を巡る戦いの気運が高まりつつあるなか、今回の王座決定トーナメント開催という運びとなった。

和田はDEEPで2勝1敗、パンクラスで2勝2敗1分け、修斗で2勝2分、そしてGLADIATORで2勝1敗と日本の各プロモーションで結果を残しており、現在は2分を挟んで4連勝中と3年間負け知らずだ。

対してチェ・ドンフンはキャリア3戦目でK-MMA界の実力派MMAイベントであるDouble GFCのフライ級チャンピオンになっている。過酷さが熾烈を極める韓国海軍出身の鉄の心を持ったイケメン男子は上に記したように昨年12月のグラジ初出場時に過去にKO負けのない久保を初回から打撃でリードし、魂の反撃を逆に粉砕してKO勝ちを収めている。

一見、グラップラー✖ストライカーのクラシカルなMMAマッチアップともいえるが、下のコメントにあるようチェ・ドンフンは自らを元はグラップラーだったと話しており、和田がMMAファイター人生を賭ける組み技の展開がどうなるのかも、楽しみだ。

と同時に、この他の3つの準々決勝がいつ、どのような顔合わせで実施されるのかも続報を待ちたい。なお、プレスリリースに寄せられた和田とチェ・ドンフンの今回の対戦に向けての意気込みは以下の通りだ。

和田教良
「フライ級王座決定トーナメントに出場させて頂き、ありがとうございます。ただし、正直なところチェ・ドンフン選手と試合ができるということで試合を受けさせてもらいました。この次のことは、考えていません。

最近、固い試合展開、いわゆるショッパイ試合ばかりしてしまい、オファーも減ったなかで元々の所属先のZOOMERの祖根代表の紹介で昨年の10月にGLADIATORで戦わせていただき、ありがたいことに2カ月スパンで試合を組んでもらえたことに感謝しています。

現役の間に国際戦を戦いたいと思っていたなか、前回大会でソレが実現できて、今回は対戦したいと願っていた選手と試合ができることは、ホンマにありがたいです。

チェ・ドンフン選手はイケメンで、強い選手だと思います。でも月並みになりますが、フィニッシュか結果的にドミネイトできるように励んでいきます」

チェ・ドンフン
「こんにちは! 今回、GLADIATORのフライ級トーナメントに出場する事になった、チェ・ドンフンです。まず、前回大会に引き続き再びチャンスを下さったGLADIATORのスタッフの皆さん、本当にありがとうございます。

トーナメント初戦の相手、和田選手はグラップリングが上手なタイプに見えました。自分はウェルラウンダーだと思われていますが、本来はグラップラーだということが証明できるチャンスだと思います。

和田選手は自分が成長するための相手として不足のない優れた選手だと思います。ただし試合映像を見ると、力づくに相手を抑えているように見えて、アレでは自分には通用しません。自分はパワーにも自信がるし、柔道の経験もあるので同じことを和田選手にやってやります。

凄く楽しみな試合なので万全の準備をして、コンディションが良くなかった12月の試合よりも素晴らしい試合をお見せすることを約束します」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良(日本)
チェ・ドンフン(韓国)

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45 AB Gladiator Gladiator022 KTT LFA MMA MMAPLANET o Progress Road to UFC UFC YouTube エド・ソアレス ダギースレン・チャグナードルジ チハヤフル・ズッキーニョス チャンネル ハ・ドンシン パン・ジェヒョク ユン・ダウォン 櫻井雄一郎 河名マスト 竹内稔 竹本啓哉 長谷川賢

【Gladiator CS01】グラジがLFAへ選手派遣。新イベント=バンに挑戦、河名マスト「NO UFC, NO MMA!!」

【写真】どちらが勝っていてもおかしくなかった前回の試合から7カ月、次はどうなる?(C)MMAPLANET

25日(水)、PROGRESS実行委員会より2月16日(金)に会場非公開でGladiator Challenger Series=Gladiator CS01「Bang vs KAWANA 2」を開催することが発表された。
Text by Manabu Takashima

同大会はウィークンドの夜に職場、帰路、居酒屋、ジム、自宅でMMAとグラップリングの試合を携帯、PC、タブレットで楽しむという趣旨の下、無観客&配信に特化したイベントになるという。

つまりライブの臨場感ではなく、忙しい平日の夜にルーティンの行動のなかで格闘技を楽しむという試みだ。プロモートはPROGRESSが行い、GLADIATORが協力と大阪のナンバーシリーズとは立場を入れ替えての大会となる。

そんなGLADIATOR CS──記念すべき第1回大会のメインは大会名にあるようにGladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受けるタイトル戦が組まれ、Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦=竹内稔✖竹本啓哉戦も決まった。


パン・ジェヒョクと河名は昨年6月のGladiator022で組まれたフェザー級王座決定トーナメント準決勝で対戦し、パンがスプリット判定勝ちしている。その後9月の023大会でダギースレン・チャグナードルジの計量失敗による、決勝不戦勝でパンはベルトを巻いた(※ダギースレンとはキャッチウェイトのノンタイトルで対戦し判定勝ち)。

一方、河名は9月にユン・ダォン、12月にチハヤフル・ズッキーニョスを下してリベンジと挑戦権を手にした。前回の試合ではテイクダウンに手間取った河名が、バンのパンチを被弾してポインドを失った形となったが、最終回には打撃戦で優勢に立つなど長所と短所が入れ替わったような接戦だった。

王者バンもKTTのハ・ドンシン代表から「上に行くなら、もっと自分から前に出ろ」と強い叱責を受けることもあり、この再戦は手の内を見せあったなかで、どれだけ相手の想定を上回る攻撃力を見せることができるのかが勝負となる。

竹内と竹本のフォークスタイルグラップリング王座決定戦は、ずばり如何に竹内がアナコンダに持ち込むか。

昨年11月のADCCアジア&オセアニア予選66キロ級で準優勝の竹内はトーナメントで挙げた5勝のうちアナコンダが4つ、残りの1試合はRNCでタップを奪っている。

誰もが仕掛けてくることが分かっている技で勝つ。まさにアナコンダチョークという必殺技を持つ竹内に対し、Gladiatorバンタム級王者の竹本は自らの勝ち筋、勝利の方程式がしっかりと見えている選手で、その実行力も高い。

勝利を手にするためなら膠着、掛け逃げ、何でもござれの組み技師が、竹内に正面から首を取られずに如何にバックに回る手段を考え、実行するのか──非常に興味深い顔合わせだ。

また今回のリリースではアジアのフィーダーショーを目指して活動しているGladiatorが、その枠を一歩広げLFAに春から選手を送り出すことが決まったという説明もあった。

同リリースではLFAのエド・ソアレス代表の「日本のファンの皆さん、LFAでは今春よりGladiatorで活躍したファイターをMMA界のNCAAである我々のプロモーションで戦う機会を与えることが可能となり、心より嬉しく思っています。この機会に世界中から世界のトップステージを目指し、ファイターが集まってくるLFAが日本のファンに認知されることを願っています。改めて、このような関係を結ぶことができGladiatorの櫻井雄一郎代表、PROGRESS実行委員会の長谷川賢氏に感謝します」というコメントも添えられている。

Road to UFCに出場する目標を持つ日本人ファイターにとって、新たなUFCへの道が開拓されるのか非常に興味深い発表だ。なお、今大会は全5~6試合が予定され、他カードの後日明らかにされるとのこと。そして、タイトル戦出場が決まった4選手のコメントは以下の通りだ。

パン・ジェヒョク
「皆さん。明けましておめでとうございます。Gladiatorフェザー級チャンピオンのパン・ジェヒョクです。防衛戦を用意して下さった関係者の皆さん、いつもありがとうございます。初防衛戦でもあり、いつも以上に抜かりないようしっかり準備します。一度拳を交えた相手ですが自分の防衛戦ですし、今回こそしっかりとフィニッシュ、仕留めるようにします。

マスト選手は優れているレスラーですが、最近は打撃も自信を持っています。自分としは注意する局面が増えましたが、チャンピオンらしく打撃、レスリンク、寝技の全てで圧倒できるようハードトレーニングを積んでいますので、期待して下さい。

今年も勝ち続けるように頑張りますので、宜しくお願い致します」

河名マスト
「フェザー級王座決定トーナメントの敗北で、ROAD to Road to UFCという道は絶たれたと思っていたところから、もう一度ベルトを巻くチャンスに巡り合えた自分は持っていると思います。

ユン・ダウォン戦、チハヤフル戦で試合の中で自分自身の中にある恐怖との向き合い方、乗り越えることができました。今回の試合では変わった自分、変わらない自分の両方を見せられると思います。

パン選手は人間性も、ファイトスタイルも気持ちの良い選手だと思います。だからこそ、2人で良いものを創るのではなく、自分の強みをぶつけ続け、嫌がらせを続けることができればと思います。やりたいことをやって、フィニッシュして、ベルトを巻き、Road to UFCへ。

No UFC、No MMA!!僕のROAD to Road to UFCは、まだ終わっていないです!!」

竹本啓哉
「MMAファイターとしてGLADIATORのベルトを巻いた僕と、昨年グラップリングで大活躍されていた竹内選手とが試合する舞台として、MMAとグラップリングの交差点であるPROGRESSの王座決定戦は相応しいと思います。

今年の僕の目標は、GLADIATORのベルトの価値を周知することなのですが、この王座決定戦はグラップリング界隈にも周知するのにうってつけの試合だと思います。しっかり備えていきます。ご期待下さい!」

竹内稔
「今回、初出場でProgressフェザー王座決定戦でGLADIATOR王者の竹本選手と戦えることを光栄に思います。国内ではグラップリングのタイトルを制定している団体は他にはなく、初めての経験なので王座を賭けて試合をできることが楽しみです。
判定ではなく、一本勝ちで王座を獲得したいと思います」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01対戦カード

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク(韓国)
[挑戦者]河名マスト(日本)

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉(日本)
竹内稔(日本)

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45 AB Black Combat Black Combat10 DEEP GFC Gladiator KOMA MMA MMAPLANET NAIZA FC56 o ROAD FC Road to UFC UFC YouTube イ・ソンハ キック キム・ジュンギュン キム・ソンウン キム・ミンウ シン・スンミン ダスタン・アマンゲルジ チャンネル パク・シユン パク・チャンス パン・ジェヒョク ユ・スヨン 中村大介 伊澤星花 大原樹理 山本聖悟 青井人 須田萌里 駒杵嵩大

【Black Combat10】パク・シユン×須田萌里& 駒杵もフライ級王座挑戦。キム・ミンウ×ユ・スヨン決行!!

【写真】パク・シユンの二冠が続くのか、DEEP×Black Combatがさらなる混迷に向かうのか――要注目だ(C)MMAPLANET & DEEP

1日(月・現地時間)、Black CombatがオフィシャルYouTubeチャンネルで20日(土・同)にソウル・ソンブク区にある高麗大学校(コリョ・テハッキョ)ファジョン体育館(チェユックァン)で開催される Black Combat10の対戦カードを発表した。
Text by Manabu Takashima

昨年2月の韓国における対抗戦、9月の東京での対抗戦を経て通常興行でもDEEPとの交流が続くBlack Combatだが、今大会では日本から山本聖悟、中村大介、大原樹理、そして須田萌里と駒杵嵩大が出場し、須田と駒杵はタイトル挑戦となる。


(C)DEEP

駒杵は9月の対抗戦で対戦したキム・ソンウンに挑戦することとなった。

キム・ソンウンは11月大会でイ・カンナムとの王座決定戦で勝利しベルトを巻いたが、9月の一戦を見る限り両者の間には力の差が感じられた。とはいえ母国で8000人の観客が入る舞台での初防衛戦だ。キム・ソンウンがあの時と同じファイターとは捉えない方が良いかもしれない。

一方、須田は対抗戦で大島沙緒理を破りBlack CombatとDEEPの二冠王となったパク・シユンの持つBlack Combat女子アトム級王座にチャレンジする。MMAPLANETのインタビューでパク・シユン……というよりも指導者のパク・テヒョク氏が伊澤星花に対して絶対の自信を持っていたが、今回はホームで須田の挑戦を受けることに。

関節技にずば抜けた強さを見せる大島に対し、直接対決という部分でなく――×パク・シユン戦を念頭に比較すると、須田は打撃の成長が顕著で、よりウェルラウンダーとして戦える。寝技にしても思考、動きともにフレキシブルな須田だけに、パク・テヒョク氏が言うところの戦略に振り幅が持てる。

日本人選手がBlack Combatのベルトを手にし、韓国人選手がDEEPのベルトを腰に巻くという逆転現象も起こるかもしれないBlack Combat女子アトム級選手権試合だ。

今やDEEPよりもBlack Combatを主戦場にしようかという熱の大原は公言通り11月に続き、連続出場を果たす。対戦相手もイ・ファンスン戦での勝利後、ケージの中で挑発してきたキム・ジュンギュンでなく希望通りパク・ジョンホンと相対する――予定だったが、ヒザの負傷で欠場しファン・ドユンと戦うことが決まった。。

本来ランキング1位の大原と2位のパク・ジョンホンのマッチアップは事実上の次期挑戦者決定戦と思われたが、リアリティ番組で注目されているとはいえファン・ドユンは格下の相手だ。今回の試合結果いかんで大原は、対抗戦で完敗を喫したイ・ソンハの持つBlack Combatライト級王座に大きく近づくことができるのか――。

山本はバンタム級でイ・ソンウォンと、中村はフェザー級でパク・チャンスとの対戦も決まった。この2カード、注目は中村の相手パク・チャンスだ。4月のフェザー級王座決定戦で、パク・チャンスは姿勢を乱して倒れたところにシン・スンミンのサッカーボールキックからパウンドアウトで敗れた。

しかしDouble GFC暫定フェザー級王座決定戦で現Gladiatorフェザー級王者パン・ジェヒョクに勝っているパク・チャンスは、MMAの王道的なスタイルを貫けばシン・スンミンを上回る実力者とも考えられる。

中村×パク・チャンスなど、タイトル戦線で鍵を握る選手が日本勢の相手を務める、完全ガチのマッチメイクはBlack CombatではDEEP勢はワンオフでなく、レギュラーという認識があるようだ。そのフェザー級戦線、同大会ではたシン・スンミンはソン・ユチャンとの初防衛戦が控えている。キム・ソンウンと同様に対抗戦で青井人に遅れを取り、DEEP勢に2つ目の白星を献上しているだけに再起戦でチャンピオンの意地を見せたいところだろう。

そんなフェザー級選手権試合を第7試合に追いやり、キム・ミンウ×ユ・スヨンのフェザー級戦がメインで組まれている。元Road FCバンタム級王者で韓国一の猛者と目されながらRoad to UFCでは計量失敗で敗退。階級を上げてBlack Combatで戦うキム・ミンウと、Black Combatでライト級&フェザー級、さらにバンタム級と3階級を制したユ・スヨンの一戦は、PPV級のスーパーファイトといえる。

(C)DEEP

気になるのはユ・スヨンのコンディションだ。

ユ・スヨンは昨年12月21日のNAIZA FC56でダスタン・アマンゲルジにTKO負けを喫してから、インターバルは僅か1カ月でキム・ミンウという実力差と対峙することになる。ボディを効かされての負けではあったが、メンタル面と肉体の消耗度を考えるとキム・ミンウ有利と見るのが妥当か。

いずれにせよ、アジアを代表するファイター同士の対戦はDEEP勢が絡まなくても日本のMMAファンにとっても必見といえる。

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ISAO MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase340 YouTube   イーブ・ランジュ パンクラス パン・ジェヒョク ベラトール 日沖発 河村泰博 海外 透暉鷹

【Pancrase340】12・24を読む ベルトを賭けたバンタム級転向初戦、透暉鷹─01─「練習の質も上がった」

【写真】取材は12月16日に行われた。試合1週間前、初のバンタム級に向けてコンディションは良さそうだ(C) SHOJIRO KAMEIKE

24日(日)、横浜市中区の横浜武道館で開催されるPANCRASE340で、元フェザー級暫定KOPの透暉鷹が空位のバンタム級王座を賭けて河村泰博と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

パンクラスに年間MVPの制度があれば、間違いなく2022年は透暉鷹の年だった。3試合連続フィニッシュで暫定フェザー級KOPとなり、初の国際戦となった年末のパン・ジェヒョクは大苦戦となったものの判定勝ちを収めている。4戦全勝で迎える2023年は――なんと今回の試合が初戦となった。かねてよりバンタム級転向の話は出ていたものの、なぜ試合間隔が1年も空いたのか。そして階級変更の経緯と、バンタム級で目指すものを訊いた。


――MMAPLANETでは1年振りのインタビューとなります。

「どうも、ご無沙汰しています!」

――次はバンタム級転向第1戦となります。すでに減量に入っているかと思いますが、1年前にフェザー級での試合を控えていた時と顔つきが変わらないような……。

(C)1年前の透暉鷹

「今回は長い時間をかけて落としているので、減量も順調ですね」

――そもそもバンタム級に転向しようと思った理由から教えてください。

「やっぱりフレームを考えた場合、フェザー級だと海外の選手と比べて僕は小さいじゃないですか。海外の試合を目指すならバンタム級でやっていかないといけない、と思っていました。stArt JAPANで練習させていただいている日沖発さんからも『フレームを考えたらバンタム級じゃないか』とは言われていて。ただ、同時に『適正階級は人それぞれだから、まずは1回やってみてから考えたほうが良い』という話をしていました」

――そのように考え始めたのは、いつ頃でしょうか。

「しっかり考え始めたのは手術してからですね。いろいろと考え直す時間ができて、そこから食事の内容を見直したり――」

――え!? 手術というのは……。

「去年12月のパン・ジェヒョク戦が終わったあと、関節ネズミ(関節内遊離体)の除去手術をしたんです。実は以前から両ヒジに関節ネズミがあり、練習はできるけど、ふとした時にヒジが曲がったりとか――特に試合前は痛みが出ていました。お医者さんとも相談した結果、『両ヒジの関節ネズミが悪化しているので手術したほうが良い』と言われて。まず関節ネズミをしっかり治してから、海外の試合に向けて練習しようと決めたんですよ」

――そうだったのですね。手術をしたのは今年に入ってからですか。

「今年の2月に片方のヒジを手術して、もう一方は3月ですね。一度に両ヒジを手術してしまうと生活に支障をきたしてしまうので、3週間ぐらい空けて片ヒジずつ手術しました」

――3月に手術を終え、練習を再開するまでには時間が掛かりましたか。

「スパーリングを再開したのは、7月か8月ぐらいだったと思います。それまでは走ったり、何かできることをやっているという状態でしたね」

――それだけ練習の間隔が空いてしまうと筋量も落ちてしまったのではないでしょうか。

「筋肉も体力も落ちました。体を動かしていないから太ってしまいましたし。でも5月から管理栄養士さんと相談しながら、いろいろ食事の内容を変えながら身体をつくっていくと、体重も落ちていったんですよ。すると体が軽いほうが、練習の質も上がってきて」

――その時点ではバンタム級に落とすことを念頭に体重を落としていたわけですね。

「はい。通常体重もフェザー級で試合をしている時より3~4キロは落としました。もともとフェザー級の時は通常が74キロぐらいで。そこから3~4キロというのも、ちょうどフェザー級とバンタム級の差ぐらいですね」

――なるほど。ではフェザー級暫定王座の防衛戦、あるいは正規王者であったISAO選手との統一戦も、バンタム級転向により視野からは外れたということですか。

「今年に入ってから、まず海外で試合をしたかったんですよ。でもバンタム級初戦が海外となったら、減量やリカバリーも大変になってくるので。だから日本で――できればパンクラスで、バンタム級の試合を経験したいと思いました。でもISAO選手とのフェザー級王座統一戦はやりたかったです。ISAO選手に勝ってこそ、パンクラスのベルトを巻く価値があると思っていたので」

――ISAO選手がベラトールと契約し、ベルトを返上したために統一戦は実現しませんでした。そのISAO選手がベラトール再挑戦の1試合目で、イーブ・ランジュに敗れたことについて何か思うところはありますか。

「どうなんでしょうね……。僕がバンタム級転向を決めたあとの試合でしたし、統一戦でISAO選手と戦いたかった時とは、視ている感覚も違いました。だから対戦したい相手とかではなく一人の選手として視た場合でも、特に気にはしていないです。ISAO選手が負けたから世界との差が――なんて考えはなく、そもそも自分自身と世界の間に差があるので」

――他の誰がどう、ではなくご自身のことを客観的に考えることができているのですね。

「やっぱり世界のトップと戦うには、まだ実力が足りないです。そこは冷静に見ています。まだまだ経験が足りないし、やらないといけないことも多いので。でもそれは、自分の中に伸びしろがあるんだと思っています」

――現時点で、世界で戦うために何を伸ばさなければいけないと思いますか。

「一番はストライキングです。ずっと打撃の向上については取り組んできていて、次の試合も打撃がカギになってくると思います。特に打撃からテイクダウンするまでの距離感やタイミングといったところですね」

――距離感の面では、1年前のパン・ジェヒョク戦は相手の距離感に惑わされた末の判定勝利でした。

「やりにくい相手でしたね。相性という面では、すごく相性の悪い相手でした。試合をして『強いなぁ』と感じていましたし、そのあとグラジエイターのチャンピオンになっても驚きはしなかったです。自分も試合ではスタンドでペースを掴めず、手数を出せない。かといってパン・ジェヒョク選手は腰が重いので、なかなかテイクダウンもできない。でも海外に行けば、そういう選手はたくさんいる。だから、そんな時に自分がどうすれば良いのかっていう練習もやっています」

<この項、続く>

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