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ADCC2022 MMA MMAPLANET o   カイナン・デュアルチ ハイサム・リダ ホベルト・アブレウ ルーズベルト・ソウザ

【ADCC2022】99キロ超級 ハイサムかく戦いけり、ADCC&ノーギワールズ優勝サイボーグから一本勝ち

【写真】昨年のWNOチャンピオンシップに続き、ハイサム・リダの名前は確実にワールドクラスになっている(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第16 回は最重量級=99キロ超級に出場したハイサム・リダの戦いを振り返りたい。


<+99キロ級1回戦/10分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. 1分15秒by 腕十字
ホベルト・アブレウ(ブラジル)

グラップリング最高峰の舞台であるADCC世界大会に初出場を果たしたハイサムの初戦の相手は、サイボーグことホベルト・アブレウ。13年に無差別級王座に輝いたのをはじめとして99キロ超級で銅メダルを2度、銀メダルと1度獲得するなど表彰台の常連になっている。昨年も含めノーギ・ワールズを7度も制するなど世界のトップで活躍する超大物だ。

ハイサムとしては2019年のカイナン・デュアルチ戦、昨年のヴィニシウス・フェレイラ戦に続く世界の重量級トップへのチャレンジとなる。首を取り合う両者。やがてハイサムがアームドラッグを狙うと、サイボーグはそれを横にスピンして切りながらダブルレッグでシュートイン。

が、ハイサムは一瞬で反応して右でサイボーグの左ワキを差して潰すと、そのまま左ワキをすくって電光石火の腕十字へ。

大歓声が沸き上がるなか、ハイサムはすぐにサイボーグのグリップを切りその太い腕を伸ばし切る──と同時にサイボーグがタップ。わずか1分15秒の出来事だった。

レジェンド、まさかの秒殺一本負け──そして最重量級とは思えないほどスピーディーかつダイナミックなフィニッシュに会場は爆発。興奮状態のハイサムは立ち上がって勝利をアピールし、一方のサイボーグは脱帽といった風情でマットに正座し、勝者に拍手を送った。

こうしてハイサムは、本人もおそらく一生涯忘れることがないほどの最高の形でADCC初戦を勝利した。

<99キロ級超級2回戦/10分1R・延長5分>
ルーズベルト・ソウザ(ブラジル)
本戦 2-0
ハイサム・リダ(ガーナ)

鮮烈な一本勝ちで一回戦を突破したハイサムの次戦の相手は、ルーズベルト・ソウザ。

初戦ではジョアオ・ガブリエル・ホシャと対戦し、投げられて下になりながらもその流れで足を取り、一瞬で強烈なヒザ十字を極めて見事な一本勝ち──ハイサム同様、レジェンドから見事な一本勝ちを果たしての2回戦進出だ。

試合開始後、スタンドの攻防を展開する両者。ソウザは両ワキを差そうと試みるが、ハイサムは差し返して距離を取る。

3分経過時、右手でソウザの頭を抱えたハイサムは、長い左腕を伸ばしてニータップを仕掛ける。ソウザの巨体を崩してみせたが、ソウザはすぐに立ち上がった。

加点開始まで残り45秒のところで、ソウザが座る。シッティングから足を絡めてハイサムの右足を狙うが、ハイサムも素早く反応し、ソウザの体を大きくまたぐようにして距離を取る。加点まで残り20秒の時点でソウザは立ち上がった。

やがて試合は加点時間帯に入り、しばらくスタンドでの攻防が続く。

残り3分半の時点にて、ソウザが突進。ボディロックを組むと場外際でハイサムを浴びせたおすことに成功する。ハイサムは倒れながらもバタフライでソウザを浮かせるが、重心の低いソウザはバランスをキープし、そのままハーフの体勢で背中をマットにつけさせ、ヘッド&アームコントロールを取ってポジションを固定。テイクダウンの2点を先制した。

下から上体を起こしてのリバーサルを仕掛けるハイサムだが、ソウザはバランスを保つ。するとハイサムはガードを閉じて足を四の字に組んだ。残り3分。動きを作りたいハイサムだが、ソウザの強固なベースは崩れない。

やがてハイサムがガードを開けたところでソウザが立ち上がると、同時にハイサムもスタンドに戻った。残り時間が少なくなるなか、ハイサムは右足を飛ばして小外や小内を仕掛けるが、ディフェンスモードに入り下がり気味のソウザを崩せない。結局ソウザがそのままリードを守り切り時間に。

2回戦で敗れてしまったとはいえ、初戦で超大物アブレウから今大会最高ともいえるハイライトリール・サブミッションフィニッシュ。ADCCデビュー戦にてその名を世界に轟かせたハイサムは、翌日の無差別級へのエントリーも決めた。

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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o カイナン・デュアルチ ケイド・ルオトロ ゴードン・ライアン ジオゴ・ヘイス ジャンカルロ・ボドニ ハイサム・リダ ホベルト・アブレウ ユーリ・シモエス 岩本健汰

【ADCC2022】66キロはジオゴ・ヘイス, 77キロはケイド。88キロがボドニ。KINGはゴードン・ライアン!!

【写真】タイが初日に姿を消すというなか、ケイドがADCC最年少世界王者に (C)SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて2022 ADCC World Championshipが開催された。

イベントの規模、試合レベル共に四半世紀を迎えようかというADCC世界大会の歴史において、また他のグラップリング・イベントと比較しても、過去最高のグラップリング・イベントとなった今大会。

そんななか日本でも特に注目された66キロ級ではジオゴ・ヘイスが優勝。77キロ級ではケイド・ルオトロがミカ・ガルバォンを足関節で下し頂点に。

88キロはノーマークだったといっても良いジャンカルロ・ボドニが、これが新時代のグラップリングだという戦い方を続けた。

結果、決勝でルーカス・バルボーサをRNCで仕留め優勝している。

99キロ級はカイナン・デュアルチ、99キロ超級はゴードン・ライアンがゴールドを獲得、ゴードンはスーパーファイトも制し文字通りグラップリング界のKINGに君臨。無差別級では古豪ユーリ・シモエスが復活を遂げる勝利を挙げている。

日本から出場した岩本健汰は初戦でJT・トレスと対戦し、非ポイントの時間帯から積極的に攻めるという戦い方を選択する。

岩本のテイクダウン狙いに序盤の5分間は倒れていたJTは5分以降と延長戦では、切ってバックを伺うという展開で大善戦の岩本をレフ判定でくだした。

ハイサム・リダは初戦でホベルト・アブレウを腕十字で破るジャイアントキリングを達成するも2回戦敗退。それでも多くの新しい力の台頭の象徴──その一員であることを大いに印象づけている。

※ADCCの詳細レポートは後日、掲載となります。


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MIKE MMA MMAPLANET UFC WNO13 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ デヴィッド・ガルモ ニック・ロドリゲス ハイサム・リダ ブリアナ・ステマリー ペドロ・マリーニョ マイキー・ムスメシ リーヴァイ・ジョーンズレアリー ロベルト・ヒメネス

【WNO13】ムンジの翌月にWNO王座防衛戦=マイキー・ムスメシ。ADCCへ、無名のピクスリーに注目!!

【写真】哲人であり、鉄人のマイキー・ムスメシ (C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

21日(金・現地時間)、WNOの2022年が始まる。テキサス州フリスコにあるUFC PIを彷彿させる設備を誇るスポーツ・アカデミー・アット・ザ・スターが舞台となるWNO13は、3つのタイトル戦を含み注目カードが揃っている。

WNOライトヘビー級王座決定戦=クレイグ・ジョーンズ×ペドロ・マリーニョ、当初WNOミドル級選手権試合と伝えられたタイ・ルオトロ×リーヴァイ・ジョーンズレアリーはウェルター級王座決定戦となり、WNO史上初のチャンプチャンプをルオトロが目指す。

さらに当初の予定ではジョン・カレスティンとワンマッチを戦うと発表されていたエステファン・マルチネスが、バンタム級王者マイキー・ムスメシに挑むこととなった。


その一方で残念なのがハイサム・リダの欠場だ。ジェイソン・カウチとライトヘビー級で戦う予定だったハイサムの代役を務めるのは、カルペディエムからアッセンブリー柔術に掛けて盟友デヴィッド・ガルモとなった。

昨年9月のミドル級トーナメントでロベルト・ヒメネスをヒールで下し一躍注目されるようになったカウチとガルモは普段から電話で話す仲らしく、友人対決となる。カウチが「アイツはチビだから」と言える関係でもあるが、「試合運びが上手い……でもレッグロックを少しでも早く極めるよ」とカウチは自信のほどを伺わせている。

ノーギワールズ・ルースター級優勝で2021年を飛躍の年としたマルチネスと急遽タイトル防衛戦を戦うこととなったマイキー。WNOのポッドキャストで「この一戦が組まれるべきだ」という声を聞き、主催者に「やるよ」とテキストを送り、世界戦が決定したという……。

「毎月のようにベストガイと戦って、自分を試したい」というマイキーは、12月にムンジアルで道着の世界イチに輝いたばかりだ。マルチネスはサブオンリーよりも、ノーギ柔術家というスタイルで、プレッシャーが強い。その攻めのスタイルにマイキーの防御&カウンター攻撃──極めでそれを可能にする能力が見られるのか、あるいはマルチネスが突破するのか要注目だ。

この他、ニッキー・ロドリゲスとプレリミ出場のマイケル・ピクスリー、レスリングで実績を残す新鋭グラップラーも見逃せない。とはいニック・ロッドは既にトップの1人、その力は誰もが認めるところだ。他方ピクスリーはまだ無名といっても過言でない。

柔術では青帯ながら、ノーギワールズではヘビー級で3位、そして無差別級を制したピクスリーはディヴィジョン2の184ポンド級NCAA王者だ。テイクダウンやスクランブルでのマルセロチンやダースの切れ味が抜群──のカウチの同門ピクスリー。ADCCイヤーのWNO13──今大会随一の青田買い候補だ。

■視聴方法(予定)
12月12日(土・日本時間)
午前10時00分~Flo Grappling

■ 対戦カード

<WNOライトヘビー級王座決定戦/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

<WNOウェルター級王座決定戦/15分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
リーヴァイ・ジョーンズレアリー(豪州)

<ヘビー級/15分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
エルダー・クルーズ(ホンジュラス)

<女子フライ級/15分1R>
ブリアナ・ステマリー(カナダ)
トビー・アレキン(米国)

<ライトヘビー級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
デヴィッド・ガルモ(米国)

<WNOバンタム級選手権試合/15分1R>
[王者]マイキー・ムスメシ(米国)
[挑戦者]エステファン・マルチネス(米国)

<女子フライ級/15分1R>
ジェシカ・クレイン(米国)
アレクサ・ヤネス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マイケル・ピクスリー(米国)
キャメロン・リード(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジノ・モレリー(米国)
カモイ・アンダーソン(米国)

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MIKE MMA MMAPLANET WNO12 WNO13 アンディ・ヴェレラ オーランド・サンチェス クレイグ・ジョーンズ ジャンカルロ・ボドニ スティーブ・モウリー タイ・ルオトロ タリソン・ソアレス ニック・ロドリゲス ハイサム・リダ ハンター・コルヴィン ブリアナ・ステマリー ペドロ・マリーニョ リーヴァイ・ジョーンズレアリー ロベルト・ヒメネス ヴィニシウス・フェヘイラ

【WNO13】ハイサム・リダがジェイコブ・カウチと!! ニック・ロッド、コンバット2冠のステマリーも出場

【写真】ハイサムにとってもADCCイヤーが始まる (C)MIKE CALIMBAS

21日(金・現地時間)にテキサス州フリスコにあるスポーツ・アカデミー・アット・ザ・スターで開催されるWNO13の追加対戦カードが続々と発表されている。

WNOライトヘビー級王座決定戦=クレイグ・ジョーンズ×ペドロ・マリーニョ、WNOミドル級選手権試合=王者タイ・ルオトロ×挑戦者リーヴァイ・ジョーンズレアリーという2つのタイトル戦が組まれている同大会で、ハイサム・リダの出場とジェイコブ・カウチとの対戦が決まった。


ハイサムは9月のWNOヘビー級王座決定トーナメントでは初戦でティム・ブルックスに敗れたものの敗者復活戦に回りオーランド・サンチェス、ジャンカルロ・ボドニに勝利して3位入賞を果たした。

一躍世界中から注目を集める存在となったものの、その後はノーギワールズでは2回戦でヴィニシウス・フェヘイラに0‐7、SUGでアンディ・ヴェレラにOTで遅れを取るなど――ノーマークの存在でなくなった洗礼を浴びている。

(C)MIKE CALIMBAS

対するカウチはミドル級王座決定トーナメントに代役出場。

初戦で優勝候補のロベルト・ヒメネスをヒールで下したことで、ハイサムと同様に存在感を増したグラップラーだ。同トーナメントでは柔術の神の子ミカ・ガルバォンに敗れたが、連続参戦となったWNO12でハンター・コルヴィンをストレートアームバーで一蹴している。

ADCC北米予選では88キロ級に出場したカウチは、優勝したボドニに準決勝で遅れを取った。ボドニを軸に考えると、ハイサム有利という見方も成り立つもののグラップリングに三段論法は通じない。

ライトヘビー級で実施されるこのカード。ヒール、ストレートフットロックという尖端系から、三角絞め系の体のコアを制するサブミッションの持ち主に対し、ハイサムはスピードと反応、どちらも遅れを取ることができないタフファイトとなる。

またムンジアルではタリソン・ソアレスにエゼキエル・チョークで敗れたが、ノーギワールズ・ルースター級優勝& ADCC北米予選66キロ級3位とグラップリング界最軽量級のブレイクスルー・ファイター=エステファン・マルチネスが、バンタム級でジョン・カレスティンと戦う試合も見逃すことはできない。フィニッシュ率72パーセントを誇るマルチネスのパスガードとサブミッションに要・注目だ。

さらにFury Pro Gralling03でスティーブ・モウリーをRNCで一蹴したニック・ロッドことニック・ロドリゲスが、ADCC予選88キロ級準優勝のエルダー・クルーズと相対する一戦。加えて女子マッチではトビー・アレキンとコンバット柔術ストロー級及びバンタム級の世界王者ブリアナ・ステマリーのマッチアップと、粒揃いのカードが揃っている。

ADCCイヤーとなる2022年、WNOを追うことで世界の情勢が見えてくることは間違いない。

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BELLATOR LFA MMA UFC アンディ・ヴェレラ シンシア・カルヴィーロ ダニエラ・ケリー ハイサム・リダ ベンソン・ヘンダーソン ベン・サンダース ボビー・グリーン ロクサン・モダフェリ

【UFPI 01】Fight Passが冠の組み技大会。LFAやFury FCらのチーム戦。ベン・ヘンがスーパーファイトに

【写真】ヴェレラ、ケリー、ヘンダーソン。グラップリングになればクロスオーバーが見られるのは素晴らしい(C)WNO,BELLAOTR & SUG

11日(土・現地時間)、UFCが16日(木・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC Fight Pass Invitationalの第1回大会を開催することを発表している。

ルールや競技フォーマットの詳細は発表されておらず、UFC Fight Passにもまだ配信予定のCGが確認できていないが、UFC APEXで行われる初のグラップリング大会はUFC Fight Pass所縁のプロモーション単位でチーム対抗戦が実施される模様だ。


そのチームとはLFA、CCFC(Cage Fury FC)、Fury FC、そしてFAC(James Krause’s Fighting Alliance Championship)で4つのプロモーション選抜で、各チームがUFCベテランのキャプテンに率いられ5✖5チーム戦で、優勝賞金2万5000ドルを賭けて勝ち抜き戦を戦う。

またUFC FPIではスーパーファイトも予定されており、UFCからはボビー・グリーンの出場が決まっている。またSUGでハイサム・リダにOTで勝利したアンディ・ヴェレラ、女子グラップリング界からHunter Proでロクサン・モダフェリに勝利し、Quintet Ultraではシンシア・カルヴィーロというUFCファイターを破っているダニエラ・ケリーも参戦する。

さらに現在ではBellatorファイターのベンソン・ヘンダーソン、今年の7月にXMMAという大会でラムジー・ニジェムを下しているベン・サンダースという元UFCファイターも同大会の出場リストに名を連ねている。

UFC Fight Passでは第1回UFC FPIに続き、19日(日・同)にはエディ・ブラボー率いる──豪華スーパーカードが組まれたCombat JJ World、さらに30日(日・同)のFury Pro 03とグラップリング・イベントの配信が目白押しだ。

SUG、Polarisと並び、北米でのグラップリングの盛り上がりが改めて感じられるUFC Fight Passの名が冠になった大会、そしてイベントの連続配信だ。

■視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午前7時15分~UFC FIGHT PASS

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MMA SUG28 アンディ・ヴェレラ ハイサム・リダ

【SUG28】これは番狂わせではない。SUGの洗礼、ハイサム・リダがOTでヴェレラのRNCに敗れる

【写真】OTでの勝利は番狂わせではなく、SUGルール下においてのPart of Gameということ。とはいえ本戦の意味合いがないような、SUGでも最近は見られない試合展開をヴェレラがやり切ったということか(C)SUG

<5分1R>
アンディ・ヴェレラ(米国)
Def.OT1R0分27秒by RNC
ハイサム・リダ(ガーナ)

序盤は立ちレスが続き、ケージに押し込まれたハイサムが押し返しジャンピンガードから下になる。クローズドでヴェレラを中に入れたハイサムは、ヒザを臀部に押し付けてくるヴェレラに対し、オープンを取り直し立ち上がる。再び立ちレスになると、テイクダウン狙いでもなく、ワキを許さない攻防を続けるヴェレラのダブルレッグの失敗にハイサムが引き込んでリバーサルを狙う。

ここでひっくり返られなかったヴェレラが立ちに戻り、ハイサムも急ぎ立ち上がる。残り70秒のスタンドでの再開、ヴェレラは案の定グラウンドを避け、良い形で下を続けることができなかったハイサムは、このまま立ちレスに付き合わされOTを迎えることに。

ここまではヴェレラは思い通りの試合運びができているか──。OT先攻のヴェレラがシートベルトから左腕をアゴの上から滑らせ、RNCクラッチを完成させると、ハイサムは27秒でタップを強いられた。

ハイサムもシートベルトを選び、バックから得意の腕十字という動きを見せる──が、ヴェレラがステップオーバーから腕を抜き勝利を決めて思い切りガッツポーズを取った。

ハイサムは3回終了時点で一死1&3塁から試合が再開されるようなSUG特有のゲームに敗れた。「戦略はそれほど使っていない。左腕は2度ほど痛みがあった。俺は皆が望む試合を戦うよ」と、勝者はチェール・ソネンのインタビューに答えた……。


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BELLATOR INVICTA MMA ONE SUG27 SUG28 UFC WNO Championships   アンディ・ヴェレラ カイル・チェンバース カイル・ベーム クリス・レンチオーニ ケビン・リー ジュリアナ・ミラー タラ・ラロサ ハイサム・リダ ビア・メスキータ メイソン・ファウラー リッチー・ブギーマン・マルチネス

【SUG28】ハイサム・リダがメイン登場!! ケビン・リー✖レンチオーニ&タラ・ラロサも

【写真】いよいよハイサムが全米級の活躍をするようになってきた!!(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

31日(日)、ポートランド州コーネリアスのコーチ・サーチ・シニでSUG28が開催され、ハイサム・リダが初出場でヘッドライナーの大役を担う。

ノーギワールズでメダルの獲得すらならなかったが、WNO Championshipsヘビー級3位という結果がUFCファイトパスでライブ配信されるケージグラップリング大会のメイン抜擢につながった。


ハイサムの相手アンディ・ヴェレラは今年の3月に石井慧を破り、4月にメイソン・ファウラーの持つSUGアブソリュート級王座挑戦経験もあるグラップラーだ。元MMAファイターでコンバット柔術や、グラップリングでも3CGやF2Wでも戦ってきた。

そのうえでSUG27度の歴史で10試合の出場経験があり、通算戦績は6勝4敗とケージグラップリング&OTの経験値は群を抜いている。とはいえ純粋に一本を取る技量ではハイサムがヴェレラに遅れを取ることはない。事前の掛け率でもハイサムは-415でヴェレラは+305と圧倒している。

ハイサムとしては5分という短時間、金網、何よりもOTという終着点があることを考慮し、この初チャレンジに挑まなければならない。そして、初物尽くしチャレンジを成功裏に終えると、見えてくるのはファウラーの持つベルトだ。

(C)Zuffa/UFC

また今大会ではUFCファイターのケビン・リーの出場も急遽決まった。

元Bellatorファイターで、AJ・アガザームに勝利しながら、その後ファイトの機会が与えられていないクリス・レンチオーニと対戦予定だったジョーダン・ホリーの欠場を受け、3日前のスクランブル発進にUFCライト級インターリムコンテンダーが同意した。

リーのベースはレスリング。ミシガン州のグランドバレー州立大時代の2年生の時にはレスリングクラブで37連勝を記録したが、MMAに専念するために大学を中退した過去を持つ。MMAではキャリア18勝のうち一本勝ちが8試合、うち7つの勝利がRNCというリー。

(C)BELLATOR

対するレンチオーニはSUGで3勝1敗、コンバット柔術でも勝利している。

パウンド有りとはいえアガザームのバックグラブを逃れ、Zハーフガードを潰すと、キムラの仕掛けにバックから3/4マウントを奪うなどグラップリングは1枚上手を行くか。あるいはレスリングでリーが試合を支配してしまうのか。両者の戦いでは、ケージを効果的に使ったサブミッション・レスリングおよびスクランブルというこれまでのグラップリングシーンでは見られなかった戦いが見られるかもしれない。

また10thPlanetのカイル・チェンバースとタナー・ウェイスグラムのマッチアップも決まっている。

ウェイスグラムはホベルト・ヒメネス、カイル・ベームに連敗中だけに、チェンバースはSUGの一線級であることを示す結果が必要だ。

(C)INVICTA FC

隆盛を究めつつあるグラップリング界にあって、独自路線をいくSUGらしいカード、ある意味、今大会のサプライズがテラ・ラロサの実戦復帰だ。

2002年にMMAデビュー、女子MMAのパイオニアは22勝5敗という戦績を誇りながら、UFCで戦うことなく2015年5月を最後に表舞台から離れていた。43歳になったラロサの相手はリッチー・ブギーマン・マルチネスがキラーの愛称で呼ぶジュリアナ・ミラーだ。

ミラーは10月の女子版コンバット柔術&EBI=メドゥーサのコンバット柔術女子バンタム級GP初戦であのビア・メスキータをOTのエスケープタイムながら破り、大番狂わせを起こした注目の選手だ。トーナメント自体は準決勝で、準優勝のニッキ・サリバンに敗れたが、OTの強さは立証済みといえる。

そんなミラーを相手に、ラロサは往年の重厚感あるサブミッション・グラップリングを披露できるか──非常に楽しみ一戦だ。

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MMA NOGI Worlds2021   クレイグ・ジョーンズ ジョセフ・ダーカイジング ディヴォンテ・ジョンソン ハイサム・リダ ヴィニシウス・フェヘイラ

【NOGI Worlds2021】ハイサム、無念。優勝候補─結果3位─のフェヘイラに0-7で2回戦負け

7日(木・現地時間)から10日(日・同)まで、テキサス州ダラス郊外ガーランドのカーティス・コーウェル・センターで、World IBJJF Jiu Jitsu NO-GI championship2021=ノーギワールズ2021が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ノーギグラップリングの大会としては、ADCC世界大会に次ぐ権威を持つこのトーナメントの黒帯アダルトスーパーヘビー級に、ハイサム・リダが参戦。

先日のWNOチャンピオンシップの黒帯の部で見事に3位入賞、世界のトップグラップラーの一角に食い込んできたハイサムの戦いをレポートしたい。


<スーパーへビー級1回戦/10分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def.3分10秒 by 三角絞め
シャビエル・シウバ(ポルトガル)

スタンドで前に出るハイサムに対し、体格で劣るシウバはフットワークで距離を取る。ときおりテイクダウンのフェイントを見せるシウバは、ダブルレッグを仕替けて押してゆくが、ハイサムは倒れずに場外へ。

スタンドから再開。足を飛ばすシウバだが、ハイサムはその首を掴みつつ、長い左手を伸ばしてのニータップでテイクダウンに成功、2-0と先制した。が、シウバもすぐに手足を効かせて距離を作り、レッスルアップして右足のシングルに移行する。しかし、懐の深いハイサムは倒すことはできず試合は再びスタンドの攻防に。

距離をとってテイクダウンのフェイントを見せるシウバが前に出ると、ハイサムは前に出てきたその右腕を両腕で掴み、アームドラッグから引き込みに。さらに下から右足を旋回させて仕掛けるが、シウバも腰を引いて回避する。

シウバは両足担ぎで攻撃に転じる。さらにハイサムの左足をヒザで潰しにかかるシウバだが、ハイサムはその左足を自由にして素早く三角絞めへ。足のロックを作った後に頭を押し下げると、シウバはあっさりタップ。ハイサムが見事に一本勝ちで初戦突破してみせた。

あっさり三角絞めに仕留められたシウバだが、ハイサムの長く強靭な足を制するのはそれだけ困難ということだろう。ハイサムとしては、積極的に攻撃を仕掛けてフィニッシュと、世界の舞台でもその持ち味を存分に発揮した会心の勝利だった。

<スーパーヘビー級準々決勝/10分1R>
ヴィニシウス・フェヘイラ(ブラジル)
Def. by 7-0
ハイサム・リダ(ガーナ)

見事な三角絞めで初戦を突破したハイサムを準々決勝で待っていたのは、優勝候補のヴィニシウス・フェヘイラ。2019年のADCC世界大会99キロ以下級にて準優勝に輝き、同年のノーギワールズの無差別級を制覇。まさに世界重量級のトップに君臨するグラップラーの一人だ。

対峙する両者。そのタンク型の体型ゆえに「トラクター」の異名を取るフェヘイラと、長身のハイサムの対称が際立っている。

開始早々座り込んだフェへイラに対し、素早くその足を捌いて右に動いてパスを仕掛けるハイサム。さらにハイサムは上から覆いかぶさるようにフェヘイラの背後を取ると、次の瞬間右腕を狙って腕十字に。フェへイラが背筋を伸ばしてポイントをずらすと、すぐにオモプラッタに移行するハイサムだが、フェへイラは立ち上がって腕を抜き、ハイサムのオープンガードの上になった。

開始早々嵐の如き攻撃を仕掛けたハイサムが、これでアドバンテージを獲得。が、同時に結果的に上になったフェへイラにも2点が与えられた。ハイサムが先日3位入賞を果たしたWNOならば、ジャッジに攻勢の印象を強く与えるこの攻防だが、IBJJFではこうしてフェヘイラがポイント先行となる。

ハイサムがクローズドガードを取ると、立ち上がるフェヘイラ。ハイサムはその両カカトを掴んでのスイープを狙うが、フェへイラは堪える。ここでハイサムが素早く距離をとって立つが、フェへイラがすかさずダブルレッグへ。今度はハイサムがそれをこらえて両者は場外へ。重量級の両者による、ダイナミックにしてスピードと迫力溢れる攻防だ。

試合はスタンドから再開。再びシッティングガードを取ったフェレイラは、ハイサムの右ヒザ裏を左腕で抱えて引き寄せ、得意のシングルレッグエックスの形を作る。さらに右足を引き寄せてバランスを崩されたハイサムだが、長い左足でフェへイラの頭を大きくステップオーバーし、逃れることに成功した。

が、フェへイラは再びハイサムの右足を抱えてシングルレッグエックスへ。今度はすぐ右足を取ったままレッスルアップにつなげ、ハイサムに背中を付けさせて上を奪取して4-0とリードを広げた。

左ヒザを入れてくるフェへイラに対し、ハイサムは右のニーシールドで守る。さらに右足を頭にかけてフェヘイラの左腕を狙うが、すかさずフェへイラはその足を押し除けて体重をかけてパスガード。サイドに付いて点差を7-0としてみせた。

下になったハイサムは、エビで距離を作り、前転してガードに戻すことに成功。が、ここで足がフェヘイラの足に当たってしまい、時間残り約半分の時点で試合が中断することに。

フェへイラが頭に包帯巻かれて再開。ハイサムが立ち、フェへイラ座って上下が入れ替わる。パスを仕掛けるハイサムだが、フェへイラの頭に手をかけたところで包帯が取れ、試合はまたしても中断。取れないように頭に包帯をぐるぐる巻きにされたフェヘイラは、まるで交通事故の被害者のような外見に。

再開後、左にパスを仕掛けるハイサムだったが、フェへイラも器用についてゆく。やがて上体を起こしてシッティングを取ったフェへイラに対し、ハイサムはそのワキに右腕をこじ入れてダース狙い。が、フェレイラは背中を付けて距離を取りながら、ディープハーフの体勢を作ってディフェンスする。チョークのグリップが解けると、フェヘイラは下から煽り、ハイサムの左足に絡んでのシングルレッグエックスを作る。

跳躍するようにそれを引き抜いたハイサムは、一気に左に動き、さらに大きく右に飛んでのバックを狙いへ。が、ここもフェへイラはマットに背中をつけて守る。ならばとハイサムが体を起こして別の攻撃を仕掛けようとしたところで、フェレイラは包帯が取れかけていることをアピール。試合は三たび中断された。

再開後、フェへイラは距離をとってシッティングへ。ハイサムは右のニースライスでの侵攻を試みるが、フェへイラは巧みにその右足を掴んで後方に煽り、クローズドガードに入った。

残り2分。攻撃したいハイサムが立つと、フェへイラは再びその右足を掴んでシングルレッグエックスに。それをハイサムが立って引き抜いたのに続き、フェへイラも立つ。ハイサムになかなか攻撃をさせない巧みなフェヘイラのインサイドワークだ。

スタンドでハイサムは足を飛ばしてから片足を取りにゆくハイサムだが、フェへイラは距離を取る。なんとか展開を作りたいハイサムは残り20秒で引き込み。そこから回転して足を狙うが、守りに徹したフェへイラに試合終了まで防がれてしまった。

序盤からダイナミックな攻撃を仕掛け、大いに持ち味を発揮したハイサム──特に開始早々の腕十字の仕掛けには、極めさせないことには定評のあるフェヘイラ──本日まで黒帯になってからの一本負けは、19年ADCC世界大会決勝のゴードン・ライアン戦のみだった──をもヒヤリとさせるものだった。

が、結果は0-7で完敗。ポジションを失っての仕掛けが即失点につながるIBJJFルール故にリードを許し、その後はフェヘイラの巧みなシッティングガードやシングルレッグエックスを攻略しきれず、点差を広げられてしまった。

果敢に極めを狙ってゆく今のハイサムのスタイルは、F2WやWNOには向いていてもIBJJFではどうしても不利となる。今後パスガードやスイープ等のポジション取りを磨いてゆくか、それともフェヘイラのような超強豪たちをもフィニッシュする強烈な極めを追求するか。新天地米国にて、その凄まじい潜在能力を開花させつつあるハイサムにこれからも注目していきたい。

ちなみにフェヘイラは次戦、現在クレイグ・ジョーンズらが主催のBチームで練習する米国の新鋭ジョセフ・ダーカイジングにバックを許し、そこからヒザ固めに移行されてまさかの一本負け。そのダーカイジングも決勝でディヴォンテ・ジョンソンに敗れて準優勝。世界の層の厚さを改めて感じさせる結果となった。

【スーパーヘビー級リザルト】
優勝 ディヴォンテ・ジョンソン(米国)
準優勝 ジョセフ・ダーカイジング(米国)
3位 エリオット・ケリー(ブラジル)&ヴィニシウス・フェヘイラ(ブラジル)

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【NOGI Worlds2021】WNOヘビー級T3位のハイサム・リダが、ノーギ柔術の頂点を目指す!!

【写真】IBJJFノーギで世界を摂ることができるか(C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

7日(木・現地時間)からテキサス州ダラス郊外のガーランドはカーティス・コーウェル・センターで開催中のWorld IBJJF Jiu Jitsu NO-GI championship2021=ノーギワールズ2021。

9日(土・同)に準々決勝と準決勝、10日(日・同)にファイナルが行われる黒帯スーパーヘビー級にハイサム・リダがエントリーしている。


9月25日&26日に行われたWNO Championshipsのヘビー級で3位に輝いたハイサムが、2週間のインターバルでノーギ柔術の頂点に挑む。

ハイサムの初戦の相手はシャビエル・シウバ、黒帯になって日が浅いポルトガル人柔術家で、サンディエゴではイゴール・タナベらと練習していたこともある新鋭だ。

ここをクリアすると、初戦をシードされた昨年のノーギワールズ・スーパーヘビー級優勝のヴィニシウス・フェヘイラが、待ち受けている。今大会の優勝候補筆頭といえるフェヘイラはシッティング&アンクルピックという師匠マルセリーニョ・ガウッシア仕込みの動きや、シングルレッグXから足関節、あるいは足を絡ませて横回転でスイープという動きを見せる。

ポイントゲームという部分でフェヘイラには巧さがあるが、俊敏性と爆発力と丁寧さを兼ね備えたハイサムは、真っ向から勝負に挑むことができるはずだ。ノーポイント制のF2Wなどでは芳しい結果が残せていないフェヘイラに対し、座り合いを避け、長い足を生かしたクローズドからの創ることができればハイサムの決勝進出の目は十分にある。

反対側のブロックは誰が勝ち上がって来るのか予想が難しいが、一番のビッグネームであるラファル・ロバトJrが2つかってファイナルでハイサムと相対する──それが日本のファン、そしてハイサムとってベストなストーリーラインであることは間違いない。

ノーポイント、アタック重視&ジャッジの裁定有りサブオンリー・グラップリングから、ヒールが解禁されたとはいえポイント制で、守りを固めることも比較的可能なノーギ柔術で、ハイサムがIBJJFメジャー制覇なるか、要注目だ。

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JJ Globo Report WNO Championships オーランド・サンチェス ジャンカルロ・ボドニ ハイサム・リダ ブログ

【WNO Championships】レポート─08─ヘビー級この一番。敗者復活戦勝ち抜き、ハイサムが3位入賞!!!!

【写真】今回のトーナメントで3位は、世界で3位と捉えて良いはずだ (C)MIKE CALIMBAS/FLOGRAPPLING

9月25&26日(土&日・現地時間)にテキサス州オースチンのパーマー・イベンツセンターで開催されたWho’s Number One Championships。ライト級、ミドル級とヘビー級、女子はストロー級及びヘビー級で賞金3万ドルとチャンピオンベルトを賭けた2days 8人制トーナメント──は2021年グラップリング界の最大のイベントとなった。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー第8回はヘビー級のこの一番──ハイサム・リダの3位決定戦、✖ジャンカルロ・ボドニ戦の模様をお伝えしたい。


トーナメント1回戦でスプリッグスの足関節に敗れたハイサムだが、敗者復活戦の初戦でオーランド・サンチェスと対戦。サンチェスは、かつてその特殊体型を活かし、決して下にならない戦いぶりでADCC世界大会を制した大物だ。

序盤はハイサムが下から攻めあぐねる場面も見られた。が、ハイサムは中盤にオープンガードから足を絡めて足関を狙いつつスイープを決めると、スクランブルで背中を見せたサンチェスのバックを奪い足を一本フックさせる。

(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

ここで場外となったが、同体で再開となり強烈なネッククランクを極めて6分52秒で一本勝ち。

元ADCC世界王者から値千金の勝利を得たハイサムは、3位の座を賭けてジャンカルロ・ボドニと対戦することとなった。ボドニはもともとベウナウド・ファリアに教えを受けたアリアンシの新黒帯だが、最近ジョン・ダナハーとゴードン・ライアンが結成したニューウェーブ柔術の新メンバーとなった。今年のパンノーギヘビー級決勝では、昨年の決勝で敗れたルーカス・バルボーザを相手にレフェリー判定で下し雪辱を果たすとともにパンノーギの挑戦に立っている。体重が軽いとはいえ、実績ではハイサムを上回る選手だ。

ボドニは1回戦でマイケル・ファウラーに敗れたものの、負傷リタイアで準決勝進出へ。ここでもカイナン・デュアルチに敗れ、さらには敗者復活戦もカイル・ベームが棄権したため白星がないまま3決へ。

<ヘビー級3位決定戦/15分1R>
ハイサム・リダ(ガーナ)
Def. 2-1
ジャンカルロ・ボドニ(米国)

試合開始後に引き込んだボドニに対し、ハイサムも素早く横にパスを仕掛けるが、ボドニもハイサムの右足に内側から絡める。

さらにハイサムは軽快な動きから右にパス、対してボドニは足を効かせてフレームを張って守る。

ならばとハイサムは長いリーチを伸ばして上からダイビングキムラ狙い。が、ここもボドイは防御。序盤から両者の持ち味が発揮されている。

その後もボドニはハイサムの右足に絡ませると、そのまま立ち上がってのシングルレッグへ。するとハイサムは自らクローズドに引き込んで三角狙いへ。

ボドニが両腕をこじ入れて防ぎ、続いてハイサムは足をきかせてボドニを浮かせる。

さらにハイサムは内回転でボドニの右足を引き出して抱えると、そのまま立ち上がってのテイクダウンを狙うが、ボドニも素早く足を抜いた。ハイサムのダイナミックな動きと、足関節とレッスルアップというダナハー派の影響を受けたボドニのテクニカルな仕掛けが噛み合った攻防だ。

その後立ち技の攻防になると、ハイサムは足車でテイクダウンに成功する。

その後もボドニは足を絡めてスイープやストレートレッグロックを仕掛けるが、ハイサムはうまく対処してゆく。

途中ボドニに何度かシットアップを許す場面もあったハイサムだが、その度に下から長い足を利かせ、またフットロックを仕掛けて距離を取ることに成功させた。

残り5分を切ると、リードを許している状態のボドニは、シッティングから素早くハイサムの右足を掴んでレスリングアップを狙う。が、ハイサムは小手投げで切り返して崩してからガードに飛びつく。

立ち上がってハイサムのガードを開けたボドニは、その両足首を掴んでスタックパスを仕掛けてから、下に飛び込んでクラブライドを狙う。

が、ハイサムはしっかりと背中をマットにつけてバックを許さず。やがて離れることに成功した。

またしても引き込んだボドニはハイサムをクローズドガードに入れ、両者は膠着。残り1分のところで、上から防御に徹していたハイサムにペナルティが与えられた(ペナルティは3回受けると反則負けだが、判定に直接加算されることはない)。

立ち上がってボドニのガードを開かせたハイサムは、軽快な動きでボドニの足を捌きにかかる。それを防いだボドニはシッティングから前進し、最後の望みをかけてハイサムの右足に外掛けで絡む。が、長いリーチを誇るハイサムが立ち上がってボドニの足の絡みを押し下げたところで試合終了。両者が持ち味を発揮した15分の熱戦が終了した。

判定は2-1でハイサムに。敗者復活を2試合勝ち抜いて、大舞台で堂々の3位入賞となった。内容面を見ても、1回戦はスプリッグスにテイクダウンもパスを許さず、敗者復活一回戦は難攻不落のサンチェスのバランスを見事に崩しての一本勝ち。3決では、ダナハー派の流れを汲むボドニの仕掛けにうまく対処した上で、自らの持ち味であるダイナミックな動きを活かして競り勝っての勝利。北米グラップリングの最先端に対応しつつ、自身の強みを大いに発揮するという天晴れな戦いぶりだった。

ファウラーとベームという強豪二人が途中棄権という幸運に恵まれた面はあったものの、世界最高峰のグラップリング大会での3位入賞。このWNOチャンピオンシップの舞台は、ハイサム・リダが真の意味で世界の重量級トップグラップラーの仲間入りを果たした、記念すべきものとなった。

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