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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC320 ニコライ・ベレテンニコフ プナヘラ・ソリアーノ

【UFC320】決定打はないもののTD&トップキープを繰り返したソリアーノがベレテンニコフを判定で下す

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

サウスポーのソリアーノに対してベレテンニコフが関節蹴り。ソリアーノは左ミドルを蹴って、ベレテンニコフの右ミドルを蹴り終わりにダブルレッグに入る。ベレテンニコフはそれを切りながらヒザ蹴り、ソリアーノが立ち上がるとヒジも入れる。ソリアーノは再びダブルレッグに入って、ベレテンニコフを持ち上げるようにテイクダウンする。

ベレテンニコフはギロチンを狙うが、ソリアーノは頭を抜いて中腰の態勢でベレテンニコフをケージに押し込む。ソリアーノはベレテンニコフの右足を超えながら中腰の状態をキープ。右腕でベレテンニコフの左足を抱えつつ、空いている左手でパンチとヒジを入れ続ける。ベレテンニコフも左膝を入れるが距離を取りきれず、ソリアーノがパンチとヒジを入れる。これを続けるソリアーノだったが大きなダメージを与えるまでには至らなかった。

2R、ベレテンニコフが右の前蹴り。ソリアーノは右ジャブ・フック、左ストレートからダブルレッグに入る。ここでもベレテンニコフは左腕を巻いてギロチンを狙うが、ソリアーノが豪快にテイクダウンを奪う。ソリアーノはヴァンフルーチョークを狙いつつ、ベレテンニコフが左腕を差して立とうとするところを寝かせる。

1Rと同じようにソリアーノがベレテンニコフをケージに押し付けて、ベレテンニコフの右足を超えつつ中腰から左のパンチ・ヒジを落とす。ベレテンニコフも左腕を差して立ち上がるとソリアーノをテイクダウンしてバックへ。左腕を首に巻いてRNCを狙うが、ソリアーノは一度下になりつつ腕を外してスクランブルで上になる。ソリアーノはインサイドガードから体を起こしてパンチを入れ、ベレテンニコフが立ったところにダブルレッグに入る。

3R、ベレテンニコフが右のボディストレート。ソリアーノがシングルレッグに入ると、ベレテンニコフがケージに体を預けて左腕をソリアーノの首に巻く。ソリアーノはベレテンニコフの体を持ち上げてテイクダウンすると右手・前腕でベレテンニコフの顎を押して寝かせる。ベレテンニコフは全力でギロチンを極めようとするが、ソリアーノは頭を抜いてインサイドガードで上になる。ソリアーノは細かくボディにパンチを入れて上体を起こす。

ベレテンニコフの下からの仕掛けを外すと、右側に回ってパスガードする。ベレテンニコフがガードに戻したところでブレイクとなった。再開後、ベレテンニコフが右ストレートを打ち込み、ソリアーノのシングルレッグに左のギロチンを合わせるが極まらない。頭を抜いたソリアーノがパンチを落として試合終了となった。決定打こそなかったもののテイクダウン&トップキープを繰り返したソリアーノがベレテンニコフを判定で下した。


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【UFC320】グティエレス戦へ、バシャラット兄弟・弟ファリド「MMAグローブの危険性は、認識すべき」

【写真】話しぶりも佇まいも本当に冷静で、落ち着き払っている (C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガス近郊パラダイスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC320「Ankaraev vs Pereira 2」でファリド・バシャラットが、クリス・グティエレスと戦う。
text by Manabu Takashima

2歳上の兄ジャビッドとともに、UFCで戦う兄弟ファイターは戦火の母国を離れ、難民キャンプを経て英国に移り住んだ。そこで出会った格闘技を真剣に向き合うことで、「今」を掴んだ。

日本に住んでいては想像できない生い立ちこそ、彼らのMMAを戦う上での信条に通じている。


2歳の上のジャビッドの背中を見て、僕は成長した

──お兄さんのインタビューは何度かさせてもらったことがあり、ジャビッド目線で内戦状態のアゼルバイジャンを離れ、パキスタンでの難民キャンプを経て英国に移住というハードな人生を振り返ってもらいました。その人生があり、強い精神力を持てるようになったと。

「そこは僕も兄と同じだ。普通の子供たちが経験している普通の生活を求めることはまるでできなかった。あの経験が、今の僕の人格形成に大きく影響しているよ。自分の能力を最大限に伸ばす力をつけることができた。

英国に移ってからも当初は言葉が通じないから、家族そろって厳しい状況でもあった。父はちゃんとした仕事になかなかつけなくて、サラリーの安い仕事をいくつも兼業しないといけなかった。学校では言葉の違い、文化の違いで虐めもあった。でも、幸運なことに僕はジャビッドがいてくれた。そういう状況から抜け出すために、兄と一緒に向き合うことができたんだ。

2歳の上のジャビッドの背中を見て、僕は成長したようなものだしね。兄が間違った道を歩んでいたら、僕もそうなっていた。ジャビッドはいつも、正しい道を行くという重荷を背負っていた。そうしてくれたことで、僕らは今ここにいることができる」

――人生において師のような存在ですが、MMAファイターとしてはライバル視することはなかったですか。

「兄は僕にとっての模範だよ。間違ったことをすると正してくれる。ただジムでずっと一緒に練習してきたのだから、一番のライバルでもあるよ。悪い意味でなく、お互いを高め合うということでも。兄は僕にとって、常に一番の競争相手だからね」

――ファイトウィークにジャビッドのインタビューをした時にちょうどファリドがコンテンダーシリーズで試合がありました。ファリドの勝利を信じて疑っていなかったですが、ナーバスになっていたようにも思います。

「そこも僕と兄は同じで。自分の試合よりも、兄の試合の方が緊張する。自分が戦う時は、ケージのなかで自分をコントロールするだけだ。でもコーナーにいると、方向性をアドバイスするしかできない。それが凄く精神的に削られるんだよ」

僕らは部屋に戻ってもずっとMMAのことを一緒に考えることができる

――兄弟揃って同じ階級で戦うことは、アドバンテージになりますか。

「絶対だよ。僕らはサイズが同じで、ファイトスタイルもとても似ている。特にメンタルが同じだ。ジムだけでなく、家に戻ってもドリルを一緒にすることができる。これは凄いアドバンテージだと思っている。

誰もがジムでのトレーニング中は集中している。でも、僕らは部屋に戻ってもずっとMMAのことを一緒に考えることができる。試合をチェックして、技術を確認する。戦術的なことを話していると、シャドーが始まってしまうんだ(笑)」

――互いに対策練習をしていると、その対戦相手といつか自分が戦うことがあるかもしれないですし。

「実際、今回の相手のクリス・グティエレスは去年の8月にジャビッドと戦う予定だった。ジャビッドのケガで流れてしまったけど、それまで彼と戦うためにファイトキャンプを行った。だから、最初から僕はクリスのスタイルに明るかった。1年前にゲームプランは完成していたからね。そして1年後に再びクリスと戦うためにキャンプを行った。

ゲームプランは完璧だよ。ゲームプラン、準備が完全だから今回の試合は凄く自信を持っている。キャンプも順調に終えたし、自分が土曜日にどのようなパフォーマンスを見せることができるか凄く楽しみだ」

――では改めてクリス・グティエレスの印象を教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「堅実に経験を積み重ねてきたファイターだ。

打撃に関しては極めて危険な相手だけど、穴もある。しっかりとした打撃戦になると、打ち合いでは僕に分がある。彼の弱点も把握しているからね」

――バシャラット兄弟は揃って冷静で、自身をコントロールできます。同時に今のUFCではコンテンダーシリーズに代表されるKOするか、KOされるかというエキサイティングな戦いを求められ、ディフェンスが疎かになることもあります。確かに激しい試合は歓迎ですが、そこに高度な防御が伴ってほしいとも感じています。

「その通りだ。100パーセント合意するよ。戦ううえで、最も大切なのはディフェンスだ。オフェンスよりも、ディフェンスが重要で。そこを忘れると、勝てない。ダメージがないからこそ、ダメージを与えることができる。攻撃よりも守備が大切なのは全てのスポーツに当てはまることだけど、どういうキャリアを進むのかは個人の判断だよ。

エンターテイナーになって5万ドルのボーナスを狙うのか。ただ、それを繰り返すとアゴが壊れて終了だ。小さなMMAグローブの危険性は、認識すべきだろう。僕のスタイルはより技術的で、しっかりとした戦術に則している。それでも十分に危険なスポーツだから脳にダメージを受け、靭帯を傷つけることがある。僕もすでに経験した。だからこそ、身を守ることが大切だと思っている」

――その信条を持ったうえで、週末にはどのような試合をしたいと考えていますか。

「まずはバンタム級で僕がトップにあることを証明したい。そのためにクリス・グティエレスをドミネイトし、フィニッシュする。勝ってランク入りし、トップへの梯子を登り続けるだけだよ」

――ファリドは無敗で、ジャビッドはここ2連敗です。兄の敗北はファリドにも影響を与えますか。

「そうだね。全ては学びだ。勝っても負けても試合は、良いレッスンになる。MMAはフットボールやバスケットボールと違い一つのミスで、全てが上手く行っていたのにひっくり返されることがある。しかも体に痛みを伴って。

でも、そんなスポーツが好きで僕らはMMAを選んだ。どの大会、どの試合でも――僕ら2人の戦いの全てが良い経験になっている。特にメンタル面においてね。MMAは戦いだからね」

――ところでエクストリーム・クートゥアーから、ATTに練習環境を変えた理由を教えていただけますか。

「1年前からATTで練習しているけど、ジムを変えたのは練習に変化を求めたからだよ。エクストリーム・クートゥアーは素晴らしいジムだった。ただ、ジャビッドがクリスとの試合に向けてのファイトキャンプでは、全て自分たちでトレーニングパートナーの都合を尋ね、スケジューリングをしてきた。

そういうトレーニング・スケジュールを自分たちで立てないといけないことで、トレーニング以外に頭を使う必要があった。ATTはそういうことをコーチが全てお膳立てしてくれて、僕らはトレーニングに集中できるんだ」

――なるほどです。では最後に日本のファンに一言お願いできますか。

「日本のファンの皆には、ぜひとも僕の試合をチェックしてもらいたい。何より僕はいつか日本に行って、マーシャルアーツに触れてみたい。僕の周りには日本人ファイターが多い。キョージさん、彼は今回のファイトキャンプを凄くサポートしてくれた。

僕らは常にジャパニーズ・ボーイズと練習している。ユーキ・モトヤはRIZINで勝ったばかりだ。キンタロー、ジュンタロー、リンヤも最高のトレーニングパートナーだよ」


■視聴方法(予定)
10月5日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

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45 AB AMMA MAX MMA MMAPLANET o UFC UFC320 YouTube ZFN02 アテバ・グーティエ アブス・マゴメドフ アレックス・ポアタン アレックス・ポアタン・ペレイラ アンドレ・ムニス イリー・プロハースカ イ・ジョンヨン エドマン・シャバジアン オースティン・ヴァンダーフォード クリス・グティエレス コリー・サンドハーゲン サラ ジョシュ・エメット ダナ・ホワイト ダニエル・サントス ニコライ・ベレテンニコフ パッチー・ミックス ファリド・バシャラット ブローガン・ウォーカー プナヘラ・ソリアーノ マゴメド・アンカラエフ マラブ・デヴァリシビリ メイシー・シェエソン ヤクブ・ヴィクワチ ヤナ・サントス ユ・ジュサン ユーゼフ・ザラル 河名マスト

【UFC320】初戦38秒KOのユ・ジュサンがオクタゴン二戦目へ。「試合が難しくなるとは思っていないです」

【写真】2試合連続PPV大会出場。UFC Koreaの広報によると、試合に向けて以外の――普段の――ユ・ジュサンは常に大人しく謙虚だそうだ(C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・センターで開催されるUFC320「Ankaraev vs Pereira 2」でユ・ジュサンがダニエル・サントスと対戦する。
text by Manabu Takashima

昨年12月にZFN02で河名マストを76秒でKOし、当初は会場に訪れる予定だったダナ・ホワイトに見初めらUFCと契約を果たしたユ・ジュサン。6月のデビュー戦ではジャカ・サラギを38秒でKOし、ボーナスも獲得した。

ブラジルのダニエル・サントスとオクタゴン二戦目を戦うユ・ジュサンにインタビューを試みると、いつも通り自信満々の言葉が続いた。


──ユ・ジュサン選手、今週末にUFC二戦目でダニエル・サントス戦を控えています。今の気持ちを教えてもらえますか。

「対戦相手が、何も特別なモノがないので凄く落ち着いています」

――7月のジャカ・サラギ戦は、28秒KO勝ち。ボーナスまで獲得した満点のUFC初戦となりました。

「UFCデビューでKO勝ちできたのは、嬉しかったです。UFCで勝利を手にできたことは、色々な想いあります。ただパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトは素晴らしいことは素晴らしいことですが、勝利と比較すると勝利の方が意味が大きいです」

――米国で最後の調整など、何か困難なことはなかったですか。

「それは大丈夫でした。しっかりと韓国で調整をすることができていたので。それに米国で練習経験もありますし、米国だからといって韓国でのトレーニングと大きく変わることはなかったです」

――UFCで勝ったことで、自分のことをUFCファイターだと胸を張って言えるようになりましたか。

「う~ん、確かにあの勝ち方は良かったですが、それで自分が『UFCファイターなんだぞ』という風にはならなかったです。UFC云々でなく、自分はファイターなので。ファイターとしてあるべき姿を追求したいと思っています。

コーチ、練習仲間、家族の方が自分よりハッピーだったみたいです。皆が少し興奮しているのが伝わってきました(笑)」

――ユ・ジュサン選手は距離の取り方が上手いですが、対戦相手との距離だけでなくケージとの距離なども含め空間把握能力が優れているように感じます。

「レンジ・コントロールは自分の戦いの鍵だと思っています。パンチを打ち込むタイミングも、ですね。これらの感覚はトレーニングで身に着いたモノではなくて……。もちろん、練習は必要ですが持って生まれたモノだと思います」

――では今回の対戦相手について「特別でない」と言われていましたが、改めて印象を教えていただけますか。

オフィシャル計量ではサントスと一触即発の場面も(C)Zuffa/UFC

「ハイ。特に気にしないといけないところもないので。

ダニエル・サントスとの試合が難しくなるとは思っていないです」

――いつも本当に自信満々ですが、その自信はどこから生まれてくるのでしょうか。

「試合に向けてハード・トレーニングを重ね、良い準備をしてきたことで自信を得ることができます。しっかりと準備ができると、落ち着くことができて集中力も増します。それも素晴らしいコーチと練習仲間のおかげです」

――ところでダニエル・サントスは前回の試合で、イ・ジョンヨン選手を破っています。同じ韓国人ファイターとして、この試合への想いが強くなることはありますか。

「正直なところ、それによってやる気が増すということはないです。ただ1つの試合、1人の対戦相手です」

――なるほどです。そのダニエル・サントスとイ・ジョンヨン選手との試合でサントスは打撃では劣勢でしたが、レスリングを交えてファイト・ジェネラルシップを握りました。

「イ・ジョンヨン選手はダニエル・サントス戦に向けての調整中にケガをしたと聞いています。あの時のイ・ジョンヨン選手は万全でなかったです。それにイ・ジョンヨン選手はアンラッキーでした。自分がダニエル・サントスと戦えば距離のコントロールで優っていますし、テイクダウンを狙われても色々と対抗手段を備えています。簡単にテイクダウンを許すことはないです」

――ダニエル・サントスはクリンチからの崩しなど。ムエタイ流の動きも見せていました。

「その印象はないです(笑)。特別な動きではありません。自分は彼のそういう動きを心配することはないですね」

――押忍。では土曜日にはどのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「この試合のために練習してきたことを出したいです。自分がどれだけダイナミックなファイトスタイルの持ち主か。皆が分かるような試合をします」

――では最後に日本のMMAファンにメッセージをお願いできますか。

「日本に自分のファンがいますか(笑)」

――河名マスト選手に勝った。そのことでコアファンは注目しているはずです。

「アリガトゴザイマス。アイシテル(笑)!!」


■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

The post 【UFC320】初戦38秒KOのユ・ジュサンがオクタゴン二戦目へ。「試合が難しくなるとは思っていないです」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AMMA MAX MMA MMAPLANET o UFC UFC320 YouTube   アテバ・グーティエ アブス・マゴメドフ アルジャメイン・ステーリング アレックス・ペレイラ アレックス・ポアタン アレックス・ポアタン・ペレイラ アンドレ・ムニス イリー・プロハースカ ウマル・ヌルマゴメドフ エドマン・シャバジアン オースティン・ヴァンダーフォード キック クリス・グティエレス コリー・サンドハーゲン ショーン・オマリー ジョシュ・エメット ソン・ヤードン ダニエル・サントス デイヴィソン・フィゲイレド ニコライ・ベレテンニコフ パッチー・ミックス ピョートル・ヤン ファリド・バシャラット フランキー・エドガー ブローガン・ウォーカー プナヘラ・ソリアーノ ボクシング マゴメド・アンカラエフ マラブ・デヴァリシビリ マルロン・モラエス マルロン・ヴェラ メイシー・シェエソン ヤクブ・ヴィクワチ ヤナ・サントス ユ・ジュサン ユーゼフ・ザラル ライアン・ホール ライカ

【UFC320】展望 デヴァリシビリ×サンドハーゲン 愉しむから強くなるのか。それとも穴ができるのか

【写真】この身長差。何かが起こるのか。それとも王者は隙を全く与えないのか(C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガス近郊のパラダイスのT-モバイルアリーナにて、UFC 320「Ankalaev vs Pereira 2」 が開催される。ライトヘビー級新王者マゴメド・アンカラエフに、前王者アレックス・ペレイラがダイレクト・リマッチを挑む重量級頂上対決をメインとする今大会のコメインは、圧倒的な強さを見せる王者マラブ・デヴァリシビリに、コリー・サンドハーゲンが挑むバンタム級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

デヴァリシビリは、昨年9月ラスベガスの球体建造物スフィアで行われた空前のメガイベント=ノーチェUFC 306のメインにて、当時の王者ショーン・オマリーのタイトルに挑戦。遠い距離から一瞬でオマリーの懐に飛び込むと、突進を止めずに倒し切るテイクダウンを何度も決め、そのまま強烈な圧力で上をキープし、判定3-0にて悲願の王座奪取に成功した。

新王者は今年1月、18戦全勝の戦績を誇る最強の挑戦者ウマル・ヌルマゴメドフとの初防衛戦に臨んだ。序盤はテイクダウンを切られバックを奪われる場面もあったがデヴァリシビリだが、なんら動じることなくテイクダウンを試み続けてウマルを疲弊させ、中盤から形成逆転。後半も全くペースを落とさず攻撃を続け、最終ラウンドに至っては10秒に3回テイクダウンに入り、その10秒後にもまた仕掛けるという場面まで見せた。

さらに強烈な右を当てた王者は、最後にダメ押しのテイクダウンも奪取して試合終了。途轍もない意志の力による日々の鍛錬の継続のみが可能とする超人的なスタミナをもって、UFCバンタム級史上最高のグラップリング戦を制したのだった。


圧巻のテイクダウン波状攻撃と無類のコントロール力に加え、オマリーと打撃でも渡り合うスキルと度胸

6月にオマリーと再戦したデヴァリシビリは、前戦と異なり序盤から前に出て圧力をかけていった。前王者の一撃必殺の拳を怖がる様子など微塵も見せずに前進し、右を何度も当てた王者は、3Rに抑え込むことに成功。スクランブルを試みたオマリーを上からがぶり、RNCのようなグリップでその首を捕らえると、最後はノースサウスの形で絞め上げてタップを奪った。

圧巻のテイクダウン波状攻撃と無類のコントロール力に加え、オマリーと打撃でも渡り合うスキルと度胸を見せた上に、凄まじい極めの力まで見せつけての完勝。同階級にはもはや敵がいないのではないかと思わせるほどの強さを見せ、2度目の防衛に成功したドヴァリシビリだった。

対するサンドハーゲンは、キックボクシングをバックグラウンドに持ちつつ、多彩な極めも武器とするウェルラウンダー。今回が、UFC16試合目にして初の正規王座挑戦となる。過去には2020年6月、アルジャメイン・ステーリングとの挑戦者決定戦に挑むも1Rチョークで完敗。2021年にはピョートル・ヤンとの暫定王座決定戦を組まれるも、5R判定で惜敗している。

その後ソン・ヤードン、マルロン・ヴェラとのサバイバルマッチに勝利してランキング4位に付けたサンドハーゲンは、当時16戦全勝ですでにバンタム級最強と噂されていたが、上位ランカーたちがこぞって対戦を避けていたせいでランキング11位に留まっていたウマル・ヌルマゴメドフとの対戦を受諾。賞賛と同時に「なんと愚かな決断を…」という声も囁かれるなかで――。

「いいか、アンチどもは『なんでお前はそんな下位のランカーと戦うんだ』とか『お前はウマルにぶちのめされるぞ』とかホザきやがるが、(試合を受けたのには)二つ理由があるんだよ。一つ目。ウマルはグレートファイターで、俺は自分が実際に世界最強でないのに世界王者になろうなんて思ってねえんだ。ウマル戦は最高のチャレンジだ。二つ目の理由2 それは俺がビースト(獣)だからだ、クソ野郎どもが!」と、痺れるコメントを残したのだった。

その後ウマルの怪我による延期を経て、昨年8月に実現したこの試合。積極的に前に出たサンドハーゲンは、ウマルに幾度もテイクダウンを取られて背中に付かれてしまう。しかしその度に動き続けて脱出しスタンドで打撃を繰り出してゆき、ウマルも真っ向から応じる大激闘に。各ラウンドともきわめて僅差ではあるものの、どちらかを勝者とするなら組技で攻勢を取ったウマルか…という展開が続き、結局5R判定3-0でサンドハーゲンは敗れた。

評価が下がることはなかったものの、タイトル戦からはから遠のいてしまったに見えたサンドハーゲンだが、今年の5月には元フライ級王者のデイヴィソン・フィゲイレドと対戦。初回の足関節の仕掛けを巧みに凌いでパウンドで大ダメージを与えると、2Rは逆に50/50ポジションから足を絡めていった。上に留まろうとするフィゲイレドをサンドハーゲンが下からスピンして崩すと、フィゲイレドはヒザを負傷してタップ。

最後はアクシデント的な要素もあったが、MMA界屈指の50/50スペシャリストであるライアン・ホールと練習を重ねているが故の、足関節技術の知識と運用の確かさを見せつける完勝劇だった。

下馬評では圧倒的に3度目の防衛戦となるデヴァリシビリが有利

こうしてタイトル戦線に再び名乗りを上げたサンドハーゲンは、王者が1~3位ランカー全員を倒してしまっていることも幸いし、今回デヴァリシビリの持つ正規タイトルへの念願の初挑戦権を得た。「(以前に挑んだ挑戦者決定戦や暫定王座決定戦と比べても)今回は特別な試合だ。王者になることを毎日夢想しながら過ごしているよ。自分の全てのスキルを高め、キャンプでもきわめてハードに追い込んできた。単に派手な柔術の極めを持ったストライカーではなく、レスリングでもスーパーグットになれるよう準備している」と、過去最高に闘志を漲らせている挑戦者だ。

初対決となるこの試合だが、下馬評では圧倒的に3度目の防衛戦となるデヴァリシビリが有利と出ている。それは両者の戦績を比べても当然だ。王者は2018年の9月からUFC13連勝中にして、全ての試合を完勝している。対して挑戦者はその間4敗しており、近年の試合でも昨年ウマルに敗戦後、一つ白星を挙げただけだ。

戦闘スタイルを考えても、王者有利は否めない。超人的なスタミナでノンストップ・テイクダウン攻勢を5R続けることのできるデヴァリシビリに対し、サンドハーゲンは被テイクダウン率が高く、ウマル戦はもちろん、ストライカーのフィゲイレドにも2Rで2回テイクダウンを許している。倒されたところからのスクランブル&エスケープに長けている(それ故にテイクダウンを気にせずスタンドで前に行ける)挑戦者だが、王者の真骨頂は何度エスケープされても、試合が続く限り無限にテイクダウンに入り続け、やがて呑み込んでしまうことにある。

「今回は打撃の練習に力を入れているんだよ。ぜひノックアウトを狙いたいね」(デヴァリシビリ)

今回の試合でも、デヴァリシビリがテイクダウンを取るたびにサンドハーゲンがそれを振り解いては前進し、また王者がテイクダウンに入る…という攻防が延々と繰り返され、挑戦者は攻め手を封じられ続けるというのが大方の予想だろう。

「結局彼はテイクダウンに来ると思うし、ハードに戦う覚悟ができている」(サンドハーゲン)

もちろんその過程でサンドハーゲンが──かつてフランキー・エドガーを一瞬で沈めた飛びヒザや、マルロン・モラエスをなぎ倒したスピニングホイールキックのような──ビッグヒットを当てる可能性はある。

とはいっても、王者は致命的な被弾を回避してテイクダウンを奪うことにかけては天下一品だ。同時に他ならぬ王者自身の心の在り方が、予想を裏切る展開をもたらす可能性もあることにも留意したい。

デヴァリシビリは今回、従来ほどテイクダウンに頼らない戦いを予告している。曰く「コリーが僕のテイクダウンをディフェンスしてくるのは分かっている。だから今回は打撃の練習に力を入れているんだよ。ぜひノックアウトを狙いたいね」。

もっともそれを聞いたサンドハーゲンは「そりゃあ最悪のアイディアだ。頼むからそんなことはしてこないでくれよ(笑)。まあ結局彼はテイクダウンに来ると思うし、こっちはそれに対してものすごくハードに戦う覚悟ができている」と、あまり真に受けてはいない様子だ。

それでも王者がここ2試合において、今まで以上に相手と間合いを詰めて相手と打ち合う姿勢を見せているのは事実だ。本人も「王座を獲るまで、僕はスマートな(=勝利確率を最大化するような)戦い方をしてきた。オマリーとの最初の試合もそうだ。でも、最近はただ戦いをエンジョイするようになったんだ。だからウマル戦やオマリーとの2戦目は打撃でも勝負したんだよ」と話す。

勝利への最も確実な道をゆくのではなく、戦いを愉しむ──そんなマインドセットの変化により、ここ2試合のデヴァリシビリの強さはより際立ち、異様なまでの輝きを放った。前戦の2R終了時、オマリーの拳が顔面を掠める危険な距離に平然と踏み込んで猛攻をかけていたデヴァリシビリは満面の笑みをみせた。それは全身を駆け巡る戦いの悦びが、一切の恐怖心を凌駕してしまったかの如きだった。

あまりにも過剰な戦う心を持つ王者デヴァリシビリ。もし彼が今回、天下無敵のノンストップ・テイクダウン攻勢に飽き足らず、戦いの悦びに身を任せるが如く打ち合いに臨むなら…予想をはるかに超えるリスキーにしてスリリングな光景がオクタゴンに展開するだろう。


■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

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【UFC310】展望 アンカラエフ×ポアタンII。世にも奇妙な対面スマホ・トラッシュトーク合戦の行方は……

【写真】(C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガス近郊のパラダイスのT-モバイルアリーナにて、UFC 320「Ankalaev vs Pereira 2」 が開催される。コメインとして絶対王者マラブ・デヴァリシビリにコリー・サンドハーゲンが挑むバンタム級タイトルマッチが組まれている今大会のメインは、新王者マゴメド・アンカラエフに前王者にアレックス・ポアタン・ペレイラがダイレクト・リマッチを挑むライトヘビー級タイトル戦だ。
Text by Isamu Horiuchi

両者の初対決が行われたのは、今年3月のUFC 313だ。当時の王者ポアタン(石の拳)ことペレイラは、2023年末にイリー・プロハースカを2RTKOに下して2階級制覇を達成。昨年はジャマール・ヒル、プロハースカ、カリル・ラウントリーの3人を驚異的な破壊力の打撃で沈めて3連続防衛を果たし、UFC最大のメガスターの座に昇り詰めた。

そんなペレイラとは対照的に、日陰の道を行くことを余儀なくされてきたのがアンカラエフだ。元凶は2022年12月のヤン・ブラホヴィッチとの王座決定戦にまで遡る。終盤組技で圧倒し逆転勝利を挙げたかに見えたアンカラエフだったが、まさかのドロー判定で戴冠を逃してしまった。さらに地味な試合展開にダナ・ホワイト代表が激怒。不可解判定の犠牲者ともいえるアンカラエフに救済措置が施されることはなく、次の王座決定戦はグローバー・テイシェイラとジャマール・ヒルの間で行われた。

英語を話さず派手なアピールも好まない質実剛健な立ち居振る舞いも災いし、その後アンカラエフには下位ランカーとの試合ばかりが組まれてゆく。自分より実績の低い選手達が次々とタイトル戦に抜擢される中、腐ることなく2年間勝ち続けたアンカラエフがやっと手に入れたのが、7カ月前のペレイラ戦だったのだ。


ノートラッシュトークの前回の対戦に対し、奇妙な因縁が生まれた再戦

人気では天と地ほどの差があったものの、実力的にはきわめて拮抗した頂上決戦となった前戦。アンカラエフは、ペレイラの前足の外側に踏み込んでの左ストレートを有効に使って主導権を握り、2R終盤には一瞬ペレイラのヒザを落とすビッグショットを当てた。さらに後半は組みついて金網に押し付けてのダーディボクシングで巧みにポイントを稼ぎ、逆転を狙うペレイラにビッグヒットを許さないまま試合終了。

冷遇に次ぐ冷遇を乗り越えたアンカラエフが、現在UFC最大のドル箱王者を判定3-0で下し、悲願の初戴冠を果たしたのだった。

そこから7カ月の時間を置いてのダイレクト・リマッチとなった今回、実は両者の間には前回は見られなかった奇妙な遺恨が生まれている。ことの始まりは、アンカラエフの公式アカウントより投稿されるツイートの数々だ。以前からこのアカウントでは、(片言の英語すらほとんど話さず相手を挑発することもない)アンカラエフの普段の言動とは合致しない攻撃的な英語ツイートが投稿されており、本人ではなくマネジャーのアリ・アブデルアジズの仕業であることが半ば公然の事実扱いされていた。

そんなアンカラエフ公式アカウントは、戴冠後も時折挑発的なコメントを投稿。「逃げてばかりいる相手と戦うのはなかなか大変だったよ」、「奴はケージ側に押し付けられたと怒っているが、私は奴をKO寸前まで追い込んだ」、「UFCから6月にアレックスと再戦のオファーを受けて私は承諾したのに、向こうが断ったのだ」等、ペレイラに向けられたものが多かった。

当初はこれらを静観していた前王者ペレイラだが、徐々に怒りが蓄積していったようだ。今回の再戦が公式に発表されると「マネジャーの手によるものなのだろうが、奴の名の下で書かれているのだから奴にも責任がある」、「俺は逃げてなどいない。嘘を書く奴らは気に食わない」とメディアで反論を開始した。

そして先週、公式YouTubeアカウントにてペレイラは「アンカラエフは犬の糞の如き王者だ」という過激なタイトルの動画を投稿。そこでペレイラは、ともにベガスのUFC PIで練習をする両陣営のニアミスを避けるために、PIのスタッフが別の部屋にいるアンカラエフに「今はまだペレイラ達がラウンジにいるから出てこないで」と指示を出し、それを受けたアンカラエフは部屋に篭っていた(とスタッフの女の子が言っていた)という話をまくしたてた。

その上で「奴は俺らチームと鉢合わせするのを恐れて隠れているんだ。俺たちはプロだから、決してこんな場所で相手を襲ったりしないのに。マヌケ野郎のクソ王者が!」と、たとえそれが事実だとしても(単にUFC側の方針に素直に従っていただけの)アンカラエフ側からすればイチャモンとしか思えないであろう論法で罵倒した。

すると、アンカラエフ公式ツイッターも英語で「私が戦う予定の愚か者が、私が隠れているとか言ったようだが、私が奴にリマッチを与えてやるのだから、奴は大いに感謝すべきだ」と反撃に出た。

さらに数日後、ペレイラ陣営とアンカラエフ&コーチがUFC PIのラウンジで顔合わせ。お互いの言語を解さないので当初は会話が成り立たなかったが、やがてスマホの英語ーロシア語の翻訳機能(と、英語とポルトガル語を話すペレイラ側の若手選手による通訳)を介したやりとりが開始。かくて、恐るべき戦闘能力を持つ巨人二人が、小さなスマホに向かって背を丸めて言葉を吹き込んでは、それが相手の言葉に翻訳され、読んだ相手がスマホに向かって返答し、再翻訳されるのをおとなしく待ってから、再びスマホに向かって話す…というUFC史上もっともシュールなトラッシュトーク合戦(?)が幕を開けたのだった。ペレイラ陣営の動画チームによって録画されたその内容は……。

アンカラエフ 僕がいつ隠れたというのだ?

ペレイラ 女の子がそう言った。動画にも残っている

アンカラエフ その子が何を言おうと関係ない。僕はここにいるんだから。何か用があるのか?

ペレイラ 今更どうでもいい。コイツは言いたいことを言えばいい。今俺たちは戦えないんだから

アンカラエフ 僕は大丈夫だ。いつでも構わない。

ペレイラ お前のことはプロとして尊敬するが、10月4日にはぶん殴る。顔を引っ叩いてやる。

アンカラエフ 僕らは10月4日に戦うのだから、これ以上(罵倒の)言葉を交わす必要はないね。

ペレイラ 俺から何かを言ったことなどない。いろいろ言うのはコイツの方じゃないか。そして今こうやって面を突き合わせてみても、コイツはクソ野郎だ。

アンカラエフ なんの話をしているんだ? なんで僕が隠れていることになるんだ?

以上のように話はどうにも上手く転がらず。やがてアンカラエフが去ろうとすると、ペレイラは自身のキャッチフレーズである「Chama! (やるぞ!)」と一言。するとアンカラエフも「No Chama! Let’s go! 10月4日だ!」と返答してその場を後にした。

その後同日に撮られたメディアインタビューでは、アンカラエフは通訳を通して「今回僕は怒っている。ぶちのめしてやりたいし、その瞬間を待っている」、「最近までアレックスをリスペクトしていたけど、もうその気持ちは失せた。こちらが隠れているなどと嘘を吐く人間は尊敬できない」、「アレックスは世間で過大評価されていたと思う。でも僕は実際に戦って奴を体感し、倒した。今回は前回より楽に勝てる。フィニッシュするよ。向こうも戦い方を変えて僕に勝てるとは思っていないだろう。それをするには年寄りすぎる。僕と再戦するのは、ただ大金を稼ぎたいだけだと思う」と、以前とは比べ物にならない強い口調で前王者をこき下ろしてみせた。

有意義なものを何も生み出さなかったかに見えた人間凶器二人の珍妙なるスマホトークだったが、結果として、今まで柔和な髭面と言語の壁、そして本人の意志に構わず放言するマネジャーの影に隠れていたアンカラエフの「喧嘩上等」な一面を覚醒させたようだ。

ちなみにその後アンカラエフ公式アカウントは「ところで僕は、この2カ月は自分でツイートしているんだよ。チャットGPTとグーグル翻訳は最高だ!」と投稿。当然の如くファン達からは「嘘つけ、アリ!」というツッコミが殺到したのだった…。

ライトヘビー級最高峰の対戦はテイクダウンの攻防が与える影響、心理戦が鍵?!

とまれ、紛れもなく世界の重量級頂上決戦である今回の再戦、その鍵は前回同様にスタンドにおける距離の攻防にある。サウスポーのアンカラエフとオーソドックスのペレイラ。前回は、アンカラエフが世界中で恐れられているペレイラの前手=左拳を巧みに捌きつつ、その外側を取りながら踏み込む左ストレートを中心にプレッシャーをかけることに成功し、主導権を握ったことが大きな勝因となった。

その背後では、テイクダウンをめぐる心理的攻防が働いていたようだ。ペレイラは、前戦にていつもより手数が減ってしまったことについて尋ねられた際「相手はテイクダウンを狙ってきていたからね。それによって距離も変わってくるから、調整せざるを得なかった。もっとアグレッシブに戦うべきだったか? おそらくね」と語っている。

実際に試合を見返すと、アンカラエフはテイクダウンを予期させる上半身のフェイントを随所に見せている。そうやってペレイラを警戒させてストレートで圧をかけ、アンカラエフはペースを支配した。戴冠後に公式アカウントも「レスリングを使って打撃の突破口を開くのが、今回のゲームプランだったよ」と語っている。

ならばこの再戦の大きな見どころは、レスリングの練習を重ねているというペレイラが今回、どれほどアンカラエフのテイクダウンを恐れずに自らのストライキングゲームを貫くことができるのか、にあるだろう。


■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラエルド・マーシャート(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

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【UFC320】悪夢のUFC初陣から、再起へ。パッチー・ミックス「本来の戦いをしたい。それが一番重要」

【写真】誰よりも前回の敗戦が悔しかったのは、本人のはずだ(C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・センターで開催されるUFC320「Ankaraev vs Pereira 2」でパッチー・ミックスがUFC二戦目を戦う。
text by Manabu Takashima

20勝1敗、Bellator最後の世界バンタム級王者は13の一本勝ちと2つのKO勝ちを手にUFC参戦を果たした。今年で32歳、これからがピークのミックスは如何に世界最高峰で頂点に挑むのか。そんな期待はマリオ・バウティスタ戦でも事前の予想でフェイバリットだったことでも明らかだった。

しかし、ミックスはバウティスタの前に得意の組みを見せることなく劣勢の打撃戦を続け、判定負けを喫した。勝ち負けもそうだが、自身の強みで戦わなかった……戦えなかったことが、大きなショックを与えた。

そのミックスが再びオクタゴンに上がり、ヤクブ・ヴィクワチと相対する。前回の敗因は明白だというミックスにインタビューを行うと「UFCで戦うことは夢だった」と話し、だからこそ「ベストバージョンの自分でいたい」と真剣な表情で話した。


あの試合が上手くいかなかった原因は、ハッキリしている

──パッチー、今週末にヤクブ・ヴィクワチとオクタゴン2戦目を戦います。今の気持ちを教えてください。

「調子は良いよ。今回はしっかりと自分の力を見せてフィニッシュしたいと思っている」

――「今回は」というパッチーの言葉にも表れているかと思いますが、6月のマリオ・バウティスタ戦の敗戦は下手をすると米国のUFCファンよりも、堀口恭司戦や元谷友貴戦を見てきた日本のファンの方がショックを受けたかもしれないです。

「あの試合が上手くいかなかった原因は、ハッキリしている。UFCと契約して短期間の減量で体重を落とし過ぎて、スタミナがなかった。契約をした時の体重は168ポンド(約76.2キロ)もあって、スーパー・スーパー・ビッグだったんだ。そして急激に落としたことで、ほとんど病人のようになっていた。もう見た目からして、体調が悪いことは明らかだったと思う。

日本で試合をした時は、しっかりと減量をして完璧な体調だった。だからこそ、今回は前回のようなことがないように体を創ってきた」

――今がピークにあるパッチーは、他のオーガナイゼーションからの移籍組のなかでも、UFCでタイトルコンテンダーになれるという期待も高かったかと思います。

「本当に前回の試合からは多くのことが学べた。とにかく、試合を決めた時からファイトまでミステイクの連続だった。それでも1Rごとに30近いに有効な打撃を入れていた……けど、僕はストライカーじゃない。グラップラーなんだ。ただ、それだけの有効打があったことは悪いことじゃない。あの試合でも良かった点はあった。もちろんダメだったところも大いにある。そこを洗い出し、前を向いてトレーニングをしてきたんだ。

今回はこれだけ体も切れているから、前回の試合とは違ってレスリングもグラップリングももっと見せることができる。それこそキョージ・ホリグチと戦った時、あのKOアーチストをテイクダウンできると思って戦っていた。対してマリオとの試合はテイクダウンはできるのかと自分を疑い、確信が持てなかった。

頭の位置も高い、肩の位置もテイクダウンに入れるような動きを取れなかった。決してマリオを実像以上に大きく見ていたわけじゃない。コンディションが悪かったからだ。

とはいってもマリオは本当に尊敬すべきファイターで、素晴らしいハードワーカーだったよ。僕はUFCで、そういうファイターと戦っていくのだから、最高の調子に持っていく必要があると自覚できた。今回の試合に向けて僕はベストバージョンのパッチー・ミックスでありたい。レスリングやグラップリングで削られない本来の戦いをしたい。それが僕のなかでは、一番重要なことなんだ」

今回の試合では実力を証明しないといけない

――試合までのファイトウィークのスケジュールもBellatorとUFCでは違うかと思います。その辺りは何か影響がありましたか。

「ノー、そこはなかった。なぜなら、RIZINのファイトウィークを経験していたからだ。RIZINのファイトウィークはメディアデーやパブリック計量も含めて、UFCに似ていた。そして、そういうファイトウィークはスーパークールだった。僕だけでなく、チームの皆にとっても素晴らしい経験になっている。

UFCで戦えることは、本当に嬉しかった。BellatorがPFLに買収され、全く試合が組まれなかった僕にショーン・シェルビーとダナ・ホワイトがUFCで戦う機会を与えてくれた。だからこそ、今回の試合では実力を証明しないといけない」

――改めてですが、MMAファイターとしてUFCで戦う意味とは?

「全てだよ。ずっとUFCで戦うことは夢だった。でも、戦うことだけじゃないと前回の試合で気づいた。UFCで戦って、勝つことが僕の夢だったんだ。土曜日の夜に、それを実現させるよ」

――では対戦相手ヴィクワチの印象を教えてください。

「アグレッシブなグラップラーだ。そういうファイターと戦えるのは嬉しいよ。本当に良いグラップラーで、僕のよう……ってことはない。それは言い過ぎだ。まぁグラップリング勝負を挑んでくるなら、それで構わない。絞め落とすから。その機会があれば、チョークを極める。

彼も勝利のほとんどがチョークだから、そういう戦いにしたいだろう。でも彼がそうやって勝てたのは、相手が僕のようなレベルになかったからだ。僕の過去7戦の相手(バウティスタ、マゴメド・マゴメドフ、セルジオ・ペティス、ラフェオン・スタッツ、堀口恭司。グラップリングでカイラット・アクメトフ)と、彼が戦ってきた相手は明らかに違う。

それにこれはMMAだ。グラップラー同士の対戦でも、打撃が決め手になることもある。さっきも言ったけど、前回の試合でも112の有効打を入れていたんだ。350の内、112が有効だった。今回はそんなに打撃を使うことなくテイクダウンして、グラウンドで戦おうとは思っているけど打撃も大切な局面になる。それに彼の試合を見る限りスタンドで戦うことも好んでいるようだ。なかなかイっているデンジャラスなファイターだよ(笑)」

――確かにアグレッシブで、荒々しいです。

「そういう試合をヤツが仕掛けてくるなら、大歓迎だ。でも、僕の方が安定していて技術力がある。ガンガンやってきても、しっかりと技術の差を見せて勝利を手にするつもりだよ」

――狙いは当然サブミットすることですね。

「チケットを買って会場に足を運んでいるファンが、短い試合を観たいと思っているのか。それは僕は分からない。でもTVを視ているファンや、ケージサイドに並んで座っているボス達はそれを望んでいるだろう。なら僕もボーナスが出るような戦いを見せるよ」

――今回こそはそういうパッチーが見られることを期待しています。では最後に日本のファンに一言お願いできます。

「イチバーン。パッチー・ミックスがナンバーワンだ」


■視聴方法(予定)
10月6日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■UFC320対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] マゴメド・アンカラエフ(ロシア)
[挑戦者]アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] マラブ・デヴァリシビリ(ジョージア)
[挑戦者] コリー・サンドハーゲン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
カリル・ラウントリー(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョシュ・エメット(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
アブス・マゴメドフ(ドイツ)

<ミドル級/5分3R>
アテバ・グーティエ(カメルーン)
トレストン・ヴァインズ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラエルド・マーシャート(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
アンドレ・ムニス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット(アフガニスタン)
クリス・グティエレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ダニエル・サントス(ブラジル)
ユ・ジュサン(韓国)

<女子バンタム級/5分3R>
メイシー・シェエソン(米国)
ヤナ・サントス(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
パッチー・ミックス(米国)
ヤクブ・ヴィクワチ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
プナヘラ・ソリアーノ(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<ウェルター級/5分3R>
ラムズ・ブラヒメジ(米国)
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)

<女子フライ級/5分3R>
ベロニカ・ハルディ(ベネズエラ)
ブローガン・ウォーカー(米国)

The post 【UFC320】悪夢のUFC初陣から、再起へ。パッチー・ミックス「本来の戦いをしたい。それが一番重要」 first appeared on MMAPLANET.
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45 BELLATOR MAX MMA MMAPLANET o PFL UFC UFC319 YouTube   アリビ・イジリス アレキサンダー・ヘルナンデス アーロン・ピコ イスラエル・アデサニャ エリック・ノーラン カマル・ウスマン カムザット・チマエフ カリーニ・シウバ キング・グリーン ショーン・ストリックランド ジェシカ・アンドラーデ ジェフ・ニール ジェラルド・マーシャート ジオニ・バルボーザ ジョセフ・モラレス ダナ・ホワイト チェイス・フーパー ティム・エリオット ディエゴ・フェヘイラ ドリキュス・デュプレッシー ニコライ・ベレテンニコフ ベイサングル・ススルカエフ マイケル・ペイジ ミハウ・オレキシェイジュク ライカ ルピタ・ゴディネス レローン・マーフィー ロバート・ウィティカー 朝倉海

【UFC319】展望 不自然な完璧デュプレッシー×隙がない精神不安定チマエフ。ススルカエフは5日で2試合

【写真】セレモニアル計量では、以前の空気感に戻っていた?!チマエフ(C)zuffa/UFC

16日(土・現地時間)、イリノイ州シカゴのユナイテッドセンターにて UFC 319「du Plessis vs Chimaev」 が開催される。

日本では圧倒的に注朝倉海×ティム・エリオットが注目を集めている同大会のメインイベントは、すでに2回防衛に成功している王者ドリキュス・デュプレッシーに、無敗の挑戦者カムザット・チマエフが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

今年11試合目となるUFCタイトル戦の中でも、この試合は世界のMMAファンからの期待度が最も高い試合の一つだ。その理由は、これまで王者のデュプレッシーと挑戦者チマエフのどちらも──それぞれ大きく異なる形で──その強さの底を見せていないことにある。

デュプレッシーは、2020年の10月にUFCデビューを果たして以来6連勝(5フィニッシュ)を経て、2024年1月にショーン・ストリックランドのミドル級タイトルに挑戦。激闘を判定2-1で制し、南アフリカ初のUFC王者となった。その後8月に元王者のイスラエル・アデサニャを4Rチョークで仕留めると、今年の2月にはストリックランドと再戦し、終始打撃でペースを支配して判定3-0で返り討ちにしている。


「人は私の戦い方を『醜い』とか言うけれど、私に言わせれば『効果的』なんだよ」(デュプレッシー)

その戦いぶりで目立つのは、名だたる強豪達を倒し続ける世界王者としては動きがぎこちなく、洗練度に欠けているように見えることだ。特に打撃のフォームやフットワークはお世辞にも綺麗とはいえず、スピードも感じさせない。かつて戦った(そして敗れた)ロバート・ウィティカーとイスラエル・アデサニャの元王者の二人も口を揃えて「実際に対峙して驚いたのは、とにかく動きが遅いことだ」と語っている。

それでもデュプレッシーは、世界最高峰のストライカー達を前にしても強靭な身体と強固なガードを用いて下がらない。そして左右にスイッチしながら、不恰好ながら重い蹴りを織り交ぜた多彩な攻撃を繰り出し、彼らと渡り合う力を持つ。前述のコメントの後にウィティカーは、「でも、そう思ってたらいつの間にか奴のパンチをもらっていたんだよ」と苦笑した。アデサニャ戦においても、鋭い打撃を何度も被弾し消耗したかに見えたデュプレッシーは、そこで強引に距離を詰めて右を当て、逆転勝利に繋げてみせた。

また、少年時代の柔道やレスリングでも特に目立った実績を残していない王者は、スピードやキレのあるテイクダウンの使い手とは言い難い。かつては(打撃主体に戦う)ウィティカーに綺麗にダブルレッグを取られたこともある。が、立ち上がると無骨な大外刈りで投げ返し、ハーフ上から強烈なパウンドと肘を入れて大ダメージを与え、戦局を逆転してみせている。

「人は私の戦い方を『醜い』とか言うけれど、私に言わせれば『効果的』なんだよ。私の動きはぎこちないかもしれないけど、意図的にやっているんだ。みんながやっているような動きをしてもいずれ読まれて攻略されてしまうだろう」と語るデュプレッシー。決して華麗ではない打撃を当てる巧さ、不恰好でも相手を捻り倒す無類の身体の強さ、状況に応じて戦い方を変えるファイトIQの高さ、苦境に怯まない鋼鉄の精神力、仕止めどころを逃さない優れた勝負勘を持ち合わせていることは疑いようがない。

ライバル達やプロのコーチ達が揃って首をかしげるような動きをし、時にピンチに陥りながらも最後には必ず勝利を奪い取り、UFC無敗街道を征く王者。他に類を見ないその強さは、未だ解読困難で底が見えないままだ。

対するチマエフは、王者とは対照的にきわめて分かり易い形で強さを見せつけてきている。UFCデビューは王者と同じ2020年だ。7月のアブダビのヤス島大会でデビューすると、わずか2カ月で3試合に出場。その全ての試合において開始直後から一方的に攻撃を仕掛け、相手に何もさせずにフィニッシュしてみせた。3戦目のジェラルド・マーシャート戦に至っては、僅か17秒でのKO勝利。こうしてチマエフは、あっという間に世界で最も熱い注目を集める若手ファイターの座を勝ち取った。

その後コロナウィルス感染症に伴う合併症に苦しみ引退を表明する等、紆余曲折はあれどオクタゴン内で勝利を重ねたチマエフは、2023年10月のウェルター級元王者カマル・ウスマン戦でも1Rを一方的に支配し、3R判定2-0で勝利した。

さらに昨年10月には元ミドル級王者のロバート・ウィティカーと対戦。1R早々にテイクダウンを奪い背後に付くと、そのまま逃さず攻撃を続け、最後は顎の上から腕で絞め上げると歴戦の勇者ウィティカーが即座にタップ。下の前歯三本が完全に乖離して口の奥深くに押しやられてしまうという、戦慄的なまでの極め力を見せつけてチマエフは通算戦績を14戦全勝とした。誰の目にも一目瞭然の凄まじい強さを発揮し続け、底知れないのがチマエフだ。

凄まじい攻撃力と表裏一体のような形で、精神的な不安定さを露見させていたチマエフ

そんな両者によるミドル級頂上決戦は、試合開始後から一瞬たりとも見逃すことができない。試合が始まるや否や様子見など一切せずに相手に迫り、打撃のフェイントから素早くも深いダブルレッグを仕掛けるのがチマエフの常套手段だ。予期していた相手がいかに反応しようとも問答無用にドライブして相手を崩し、またワキをくぐって背中に回る。一旦バックに付いてしまうと、凄まじいコントロール力を発揮して決して相手を逃さず、強烈な打撃で相手を削り、やがて恐るべき締め力で相手の首を刈る、あるいは顔面ごと破壊する──。

この誰もが分かりきっているが、名だたる選手たちが防げずにいるチマエフの必殺パターンに、比類なき心身のタフネスを誇るデュプレッシーがどう立ち向かうのかが、この決戦の第一の見所となる。

念願の世界挑戦を前に、いつになく落ち着いた様子のチマエフは「まあこれまでウィティカーや(ダレン)ティルといった、打撃主体の選手がテイクダウンを取れたのだから、僕も彼からテイクダウンを取れると思うよ」と静かに自信を覗かせている。

それに対して、強豪レスラー達を招聘してチマエフのテイクダウンに備えてきた王者は、自分は今までの対戦相手とは全く違うと断言する。

「今までカムザットと戦った多くの選手は間違いを犯していた。『テイクダウンに気を付けなければ』って思いながら試合に臨み、向こうがテイクダウンを仕掛けてくるまで何もせず、結局テイクダウンされてしまう。それじゃダメだ。戦わなければいけないんだよ。カムザットは極めて優れたレスラーだ。だからテイクダウンに来るだろうし、おそらく私をテイクダウンするだろう。

でも私もテイクダウンを仕掛けるし、彼から取るかも知れないよ。私は彼に打撃を当てるだろうし、向こうもこちらを殴るだろう。私は、その全てをまったく恐れない。そうやって全ての試合を戦ってきたんだ。殴られるだろうし、テイクダウンも取られるだろう。問題はそこでどうするかってだけだ。向こうが得意な組技の準備は万全にやってきたけど、カムザットの戦いをするつもりなど全くない。私がするのはドリキュスの戦いだ。それはつまり、世界王者たることだよ」

これまでいかなる強敵の攻撃をも受け止め跳ね返してきた王者は、今回も揺るぎなき自信をもって挑戦者を正面から迎え撃ち、あらゆる状況下において王者に相応しい戦いを貫く覚悟を示している。そこにチマエフが、誰をも圧倒してきた桁外れの爆発力をもって襲いかかった時に、いったい何が起こるのか──MMAファンとしてこれほど胸躍る1Rはそうないだろう。

もし王者が序盤のチマエフの攻撃を耐え、その勢いを止めることができたなら、試合は次のフェーズへと移行する。チマエフがプロ全14戦においてフィニッシュできなかった試合は、2022年4月のジウべウト・バーンズ戦と前述のウスマン戦だ。両戦とも1Rの攻勢を凌がれたチマエフは、2R以降は攻撃のペースが落ち打撃を被弾する場面が見られた。それでも要所でテイクダウンに入ってピンチを凌ぎ、3R判定を勝ち取ったチマエフ。が、同じことを初めての5R戦において、(ウェルター級を主戦場とする)バーンズやウスマンより遥かに体格に勝るデュプレッシーに相手に同じことができるのか。

王者は、チマエフは5Rを戦う準備はできていないと推測する。

「彼は前回のウィテカー戦でも、5R制だからといって(1Rで仕留めるという)プランを変えたりはしなかった。だから今回も、おそらく5Rあることをあまり考えずに戦ってくるだろうね。でも考えるべきだよ。5Rは長いんだから。私はそこをまったく恐れていないよ。私はフルスピードで戦うことを厭わないし、疲れた状態でも一日中戦える。何度もやってきた。だから今回も終始フルスピードで戦おうじゃないか」

直近3回の世界王座戦の全てにて4または5Rを戦い、尽きぬスタミナと比類なき精神力で総力戦を競り勝って来たデュプレッシーが、長期戦に最大の勝機を見ていることは間違い無さそうだ。序盤を凌いだ王者が、強烈にしてなんとも予測しにくい形の圧力をかけてきた時、我々は今までに見たことのない形でチマエフの精神と肉体が試される姿を目撃できるだろう。

かつてはその凄まじい攻撃力と表裏一体のような形で、精神的な不安定さを露見させていたチマエフ。試合中や直後に「全員破壊してやる!」と叫び、新型コロナの合併症に苦しんだ時は吐血した写真とともに引退宣言を投稿し、計量オーバーを犯した時には「そんなことはどうでもいい!」と開き直っていた。それは本人が戦時下のチェチェンで生まれ「幼い頃は周りが戦争しているのは当たり前で、世界中どこもそんなものだと思っていた。戦争が終わった時は6歳で、食べるものもなく苦しい生活でみんな身を寄せ合って暮らしていたんだ」と語る境遇で幼少期を過ごしたことと無関係ではないだろう。

が、昨年のウィティカー戦あたりから、メディアの前でチマエフはきわめて穏和な雰囲気を漂わせはじめている。常に微笑み、かつては言葉の端端から感じられた棘がすっかり取れた静かな口調で話すチマエフに対して、「余計に怖い」という感想が多数聞かれるほどだ。

この心の変化について尋ねられた際、本人は「長くやっていれば仕事に慣れるってことさ。初めの頃は興奮しすぎてクレイジーなことをやっていた。でもそのうちくつろげるようになるし、冷静になるというだけだよ」とだけ語っている。

が、チマエフの落ち着きは単なる「慣れ」で片付けられるものではないかもしれない。彼は近年、チェチェンのホームタウンにて子供達のために格闘技ジムを設立した。MMAは子供達には危険すぎるからケージは設置せず、まずはレスリング等の格闘技の修練をさせる方針だという。

かつて、自身の驚異的な殺傷能力をももてあますほどの危うさと刹那的な雰囲気に満ちていた若者は、今や己の繁栄だけでなく、祖国の未来に自分の生きる意味を見出しはじめているようだ。その心の成熟ぶりは、全キャリアの中で最も過酷な戦いとなる可能性があるこの大一番にて、いかなる形で本人を助けるのだろうか。

どうなる――セレブ契約=ピコ、朝倉&MVP×生え抜き勢

なお今大会はBellator時代にその将来を大きく買われていたアーロン・ピコが、PFLを離れてオクタゴン初陣をレローン・マーフィーを相手に戦う。冒頭に書き記したように朝倉海がエリオットと、さらにマイケル・ペイジがジェフ・ニールと戦う。彼ら3人は最近のUFCではめっきり減ったVIP待遇契約の選手たちだ。コンテンダーシリーズやフィーダーショーから契約を勝ち取り、プレリミからキャリアを踏み始めるのがデフォルトとなっているUFCにおいて、セレブ契約――つまりベスト・オブ・ザ・レストの世界最高峰挑戦に対し、叩き上げファイター達が意地を見せることができるか。興味深い、メインカード3試合だ。

また今大会ではTUF20年記念シーズン=TUF33の決勝戦が行われる予定だったが、ウェルター級決勝のホドリゴ・セジナンド×ダニイル・ドンチェンコ戦は両者の負傷で延期され、フライ級ファイナルのアリビ・イジリス×ジョセフ・モラレスだけが実施される。

またキング・グリーンの負傷により、×ディエゴ・フェヘイラ戦がファイトウィークになって消滅。UFCでは火曜日のコンテンダーシリーズの秒殺KO勝ちで、ダナ・ホワイトが最大の賛辞を送ったベイサングル・ススルカエフが、エリック・ノーランと対戦することが4日前に決定している。

チマエフのチームメイトといして、キルクリフFCでトレーニングを積んできたとはいえ、インターバルは事実上3日での連戦は異例中の異例といえる。ムスタザ・タルハを僅か184秒で倒したハンズパワーが、本来はウェルター級でCFFCチャンピオンのノーランを相手を相手に爆発するのか。チマエフの再来というべきインパクトを残すことができる――この試合も注目したい。


■視聴方法(予定)
8月17日(日)
午前7時00分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時45分~U-NEXT

■UFC319対戦カード
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
[挑戦者]カムザット・チマエフ(UAE)

<フェザー級/5分3R>
レローン・マーフィー(英国)
アーロン・ピコ(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
マイケル・ペイジ(米国)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
朝倉海(日本)

<ミドル級/5分3R>
ベイサングル・ススルカエフ(ロシア)
エリック・ノーラン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ジェラエルド・マーシャート(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・ペドロ(アルゼンチン)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
チェイス・フーパー(米国)

<ライト級/5分3R>
エジソン・バルボーザ(ブラジル)
ドラッカー・クローズ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ジオニ・バルボーザ(ブラジル)

<TUFシーズン33フライ級決勝/5分3R>
アリビ・イジリス(カザフスタン)
ジョセフ・モラレス(米国)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC318 キック ニコライ・ベレテンニコフ フランシスコ・プラド

【UFC318】腕十字をスラムされたプラド。寝技は攻勢もヒザを受け続け、ベレテンニコフに1-2で敗れる

<ウェルター級/5分3R>
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)
Def.2-1:29-28.29-28.282-29
フランシスコ・プラド(アルゼンチン)

まず右ローを蹴ったプラドが、ベレテンニコフのローをキャッチしつつ右を打ってテイクダウンを奪う。枕で圧を掛けるプラドに対し、ベレテンニコフがギロチンをセットする。ハーフから足を抜いて上四方に回ったプラドは、もう一度ハーフに戻るが、ベレテンニコフの動きに合わせてバックへ。さらに自ら下になり、三角を狙う。ベレテンニコフは起き上がると腕十字に移行したプラドだが、スラムで顔面を痛打する。

ベレテンニコフはパウンドを纏め、プラドがクローズドを取る。スタンドに戻ったベレテンニコフは追ってきたプラドの腹にヒザを入れ、ボディショット。離れたプラドの顔面にヒザ蹴りを届かせると、追撃のヒザをボディに入れる。必死に組みついたプラドがバックに回るが、ベレテンニコフはキムラから正対してもう一発ボディにヒザ蹴りを突き上げた。

2R、プラドのローに右を合わせたベレテンニコフが右アッパー、続いてヒザを繰り出す。右ストレートから右フックで倒れたプラドが、すぐに立ち上がりダブルレッグへ。ベレテンニコフはヒザをボディに入れ、ケージに押し込まれもヒザを続ける。プラドはベレテンニコフを抱えようとするが、テイクダウンは奪えない。ベレテンニコフは離れて、右ストレート。頭で受けるが姿勢を乱したプラドは、スピニングバックキックに組んでバックを取るや後方にスープレックスで投げる。ハーフでトップのプラドはギロチンを枕で潰し、足を抜きにかかる。ベレテンニコフはギロチンを諦め、抑え込まれる。

マウント狙いのプラドをブリッジで返しつつスタンドに戻ったベレテンニコフがジャブを伸ばし、右ボディストレートを打ちこむ。プラドのショートフックのコンビで腹を殴る。ベレテンニコフは左ミドル、首相撲&ヒザ蹴りを見舞う。離れたプラドは右ストレートを被弾し、再びクリンチでヒザ蹴りを受ける。残り10秒でも前蹴りで腹を抉られた。

最終回、ベレテンニコフがジャブを当て、レベルチェンジからダブルへ。ケージを背負ったベレテンニコフはギロチンもリフトされるが、足を一本だけ着地させ内股で投げる。スクランブルに持ち込んだプラドは、エルボーを入れて離れるカーフを蹴る。首相撲を狙いのベレテンニコフにワンツー、さらに左ボディを入れたプラドが回転系の動きにバック奪取。前転したベレテンニコフだが、トップを取ったプラドがマウントを奪取する。勢いのあるパンチに背中を見せたベレテンニコフが、乗りすぎのプラドを前方に落とす。

試合がスタンドに戻ると、なぜかベレテンニコフがスピニングバックキックを繰り出す。プラドはここも背中を取るが、ベレテンニコフが河津掛けからテイクダウンを決める。すぐに両者はスタンドに戻ると、ベレテンニコフは動きが止まる。組みつき、バックからヒザを入れたプラドがシングルレッグへ。切ったベレテンニコフはケージを背負って、ギロチンから引き込む。枕で潰したプラドは頭を抜くと肩固めの機会を伺う。しかし、時間はなく上体を起こしたプラドがパウンドを落としてタイムアップを迎えた。

ジャッジの判断は割れ、ベレテンニコフがスプリット判定勝ちを手にした。


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45 AB K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC UFN UFN252 YouTube   アロンゾ・メニフィールド アンソニー・ヘルナンデス アンドレ・フィーリ イオン・クテレバ イボ・アスラン オースティン・ヴァンダーフォード キック ジアン・シウバ ジアン・マツモト ジャビッド・バシャラット ソン・ヤードン ドミニク・クルーズ ニコライ・ベレテンニコフ ニック・クレイン ヌルスルタン・ルジボエフ ハファエル・セルケイラ ブレンダン・アレン ヘンリー・セフード ボクシング メルシック・バダザリアン モデスタス・ブカウスカス ライカ リッキー・シモン ロブ・フォント 久保優太 食事

【UFN252】元K-1タイトル挑戦者メルシック・バダザリアン「スマートに、バカになって戦うのがMMA」

【写真】全く緊張感はない。非常に面白い感性の後主だった(C)MMAPLANET

22日(土・現地時間)、ワシントン州シアトルのクライメット・プレッジ・アリーナでUFN252:UFN on ESPN+110「Cejudo vs Son」が開催される。
Text Manabu Takashima

(C)Zuffa/UFC

ヘンリー・セフードとソン・ヤードンのバンタム級戦がメインの同大会。

ドミニク・クルーズが引退試合でロブ・フォントと戦う予定だったが、肩の負傷で最後の舞台に上がることを諦めた。

(C)Zuffa/UFC

プレリミでバンタム級の実力者対決=リッキー・シモン×ジャビッド・バシャラットが組まれているが、この興味深い試合がバラされることはなかった。

結果、16勝0敗のジアン・マツモトがドミニクの代役に抜擢されフォントと対戦することに。日系3世のマツモトは父方の祖父が日本人で、ブラジル人に移住してブラジル人の祖母を結婚。

(C)Zuffa/UFC

祖父が亡くなったあとも、祖母は白米とみそ汁の食事を続けていたという。

その日本の血が騒いだのか、計量には日の丸&必勝の鉢巻きを巻いて登壇している。

そんなか、メインカードに組まれたフェザー級戦=ジアン・シウバ×メルシック・バダザリアンも注目したい。バダザリアンはK-1で久保優太の持つベルトに挑戦したこともある、元キックボクサーだ。トップキックボクサーからMMAへの転向――コンテンダーシリーズを経てUFCまでステップアップを果たしたバダザリアンに、負傷からの復帰とキックとMMAの違い、そしてマツモト戦について尋ねると、ジョークなのか真剣に答えているのか分からなくなるような迷返答が続いた。

どうみても頭が切れるが、感性がやや逸脱している感のあるバダザリアン。非常に興味深いファイターだ。


――約1年半ぶりの試合となりますが、今の気持ちを教えてください。

「イイ感じだよ。ただ、いつもと変わらない。すぐにケージに戻っていたとしても、長い間待たないといけなかったとしても僕は変わらない。ただ、もう30歳を過ぎて2年間も試合がなかったから、20年代前半とは違ってキツいと感じることあった。でも、大丈夫だ。何があろうとも、大丈夫なように準備はできている」

――この間、ケガで試合も流れていますが、回復に時間が掛ったということでしょうか。

「まず拳を折った。それも指でなく中手骨の骨幹部だったから、なかなか大変で。拳が治ったと思ったら、次は肩だ。肩関節唇損傷で試合をキャンセルするしかなかった。その後も1カ月間も体調が悪くて、最初の数日は記憶がない。あんな風に長い間、病に臥せたことはなかった。そんなことが理由で3度も試合に出ることができなくて、これだけ実戦から遠ざかっていたんだ。

ここまで色々なことが重なるって、他のUFCファイターでも例がないんじゃないかな。3度も試合をキャンセルしないといけないなんてね(笑)。まぁ、調べれば他にもいるかもしれないけど、僕の身にはそういうことが起こっていたんだ。僕のキャリアを振り返ると、以前からハードなことが多かった。肩もそうだし、とにかくケガを繰り返してきた。もっと試合期間も短く、どんどん試合をしたかったけど、結局は正反対のキャリアの積み方だった」

――今週末に試合がある(※取材は18日に行われた)ということで、もう全快と思って問題ないでしょうか。準備の方はいかがですか。

「僕に準備は要らない。常にトレーニングを続けてきたから、試合のために特別なことをする必要はない。試合前で何が問題かといえばトレーニングでなく、減量だ。アスリートだから、常にグッドシェイプを保っている。だから2カ月や3カ月でなく、さらに長い時間を掛けて体重を落とす。試合に向けて、減量と少し良いスパーリングを増やせば、何も問題なく戦うことができる」

――その辺りの調整方法も試合数が多いキックを経験してきたことが関係していそうですね。そもそもキックからMMAに転じた理由を教えていただけますか。

「キックではK-1、武林風など世界のトップステージで戦ってきた。でも……なんだろう……。なぜMMAを戦おうと思ったんだろう? 自分でも分からないな。コーチから『その柔軟性があれば、MMAでも打撃を使えるだろう』と言われて。それでやり始めたのかな? まあ大した理由じゃない。今もUFCでキャリアを終えると、サッカーをやろうと思っているしね」

――……。K-1でタイトルを賭けて戦った久保優太選手も、MMAに転向しました。凄く興味深いです。

「ユータ・クボは偉大なファイターだ。きっと良い人間だと思う。でも、ユータ・クボがMMAを戦っていることは知らなかった。実際、他のUFCファイターのこともあまり知らないんだ(笑)。彼はMMAで上手くやれているの?」

――大晦日は敗れましたが、RIZINでの最近の活躍は素晴らしいです。打撃の精度が、生粋のMMAファイターと段違いという風にも見えます。

「MMAだけを戦っているんだな。凄いな。ところで君って、今、日本からインタビューをしているの? 日本人だからクボのことをそんなに知っているのかな」

――えっ? 今は取材の都合で米国にいますが、普段は東京で仕事をしています。

「そうなんだ(笑)。クボはグッドファイターだ。グレートファイター。でも彼と試合をした時、本当に僕は最悪のコンディションだった。試合直前まで、ロッカールームで眠っていて。そのままリングに上がると、彼にそっくりな人間が横に立っているじゃないか。目を疑ったよ。でも、アレってクボの兄弟だったのかな?」

――きっと弟の久保賢司さんだと思います。

「そういうことか。体調が悪かったし、『なぜクボが2人いるんだ?』って不思議な感覚だった。俺はどうにかしてしまったのかって(笑)」

――ハハハハハ。

「それほどのもんだったから、試合の時は全くエネルギーがなくて。あんな風になってしまったんだ」

――なるほどです。ところで今回の対戦相手であるジアン・シウバに関して、どのような印象を持っていますか。

(C)Zuffa/UFC

「対戦相手の印象? 

分からない。今回の対戦相手のことは全く知らない。ただ、顔は分かった」

――シウバの試合もチェックしていないのですか。

「しないよ。対戦相手の映像なんてチャックしたことがない。頭では考えるけど、そんなことまではしないんだ」

――本当ですか(苦笑)? ともあれ、土曜日の夜はどのような試合をしたいと思っていますか。

「僕が?」

――もちろんです。

「質の高い打撃戦かな。自分らしく戦いたい」

――その打撃もキックからMMAに変わったことで、アジャストが必要だったと思います。

「もちろんだ。そうしないといけない。テイクダウン・ディフェンスが加わるんだから。テイクダウンを切って、戦う。それだけだよ。そして、アナコンダでも極めてやれば良いんだ。アハハハハ。でも、僕の人生はずっと打撃と共にあった。僕は真正ストライカーだ。相手を倒すために、戦う。それがテイクダウンだというファイターもいる。そういうヤツとUFCデビュー戦で戦い、ハイキックでKOした(笑)。

キックボクシングは相手と向き合って、そしてぶっ飛ばせば良かった。MMAは距離が長い。いかに意表をつくのか。それがMMAの戦い方だ。頭の良さが問われるんだ。まぁ、そこが戦っていて楽しいところなんだよ。スマートに戦わないといけないのに、バカにならないと戦えない。頭の線が切れていないと。でも、しっかりとMMAを理解して頭脳戦を戦い抜かないとダメなんだ。それがミックストマーシャルアーツ。全てが含まれた戦いだ。思いきり頭を下げたヤツが、バックエルボーで相手を倒す戦いなんだよ。いかに驚かせることができるのか。意表をつくのがMMAだ」

――もっと色々と尋ねたくなるメルシックですが、約束の時間が来てしまいました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「ファン? それともファイターに?」

――ファンに、です(笑)。お願いします。

「2度、日本に行ったことがある。凄く良い場所だった。試合でなくても、ただ訪れたいと今も思う。日本の文化を始め、あらゆることが良かった。街も人も、一歩進んでいるっていう感じで。それがナチュラルで、タクシードライバーからもそういうことが伝わってきた。まぁ、正しいかどうかは分からないんだけどね(笑)。僕はそう感じたんだ。そうだね、日本のファンの皆に僕の試合を見て欲しい。アリガトーゴザイマス」

■視聴方法(予定)
2月23日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時45分~U-NEXT


■UFN252対戦カード

<バンタム級/5分5R>
ヘンリー・セフード(米国)
ソン・ヤードン(中国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
アンソニー・ヘルナンデス(米国)

<140ポンド契約/5分3R>
ロブ・フォント(米国)
ジアン・マツモト(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジアン・シウバ(ブラジル)
メルシック・バダザリアン(アルメニア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
ジュリアス・ウォーカー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イオン・クテレバ(モルドバ)
イボ・アスラン(トルコ)

<フェザー級/5分3R>
アンドレ・フィーリ(米国)
メルキザエル・コスタ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
ニック・クレイン(米国)
マンスール・アブドゥルマリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
ジャビッド・バシャラット(アフガニスタン)

<ウェルター級/5分3R>
オースティン・ヴァンダーフォード(米国)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
エリック・マコニコー(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
モデスタス・ブカウスカス(リトアニア)
ハファエル・セルケイラ(ブラジル)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN61 ダニー・バーロウ ニコライ・ベレテンニコフ

【UFC ESPN61】バーロウがベレテンニコフにスプリット判定で勝利。デビューから無傷の9連勝

<ウェルター級/5分3R>
ダニー・バーロウ(米国)
Def.2-1:29-28.28-29.29-28
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)

1R、サウスポーのバーロウが足への前蹴り。ベレテンニコフもインローを蹴り返し、右のボディストレートを打つ。バーロウは右のアウトカーフと左ミドル、ベレテンニコフが右のスイングフックを狙うと、バーロウが左のヒザ蹴りを合わせる。ベレテンニコフが右の三日月蹴りを蹴ると、今度はバーロウが左のパンチを狙う。

距離が離れるとバーロウが左ストレート、ベレテンニコフは右の三日月蹴り。前に出るバーロウがインローを蹴ると、ベレテンニコフが右ストレートで飛び込む。ベレテンニコフはバーロウの左ストレートに合わせて四つで組むがテイクダウンできない。試合がスタンドに戻るとバーロウが左から右ストレート、ベレテンニコフは右ストレートを返す。

ベレテンニコフが右の三日月蹴り、バーロウは右ローと左の2段蹴り、左ミドル、右フック。ベレテンニコフが組みつくと、バーロウが四つから足をかけてテイクダウンを狙うが、ベレテンニコフは倒れない。ベレテンニコフが右ストレートから組みつき、バーロウがテイクダウンを狙ったところでラウンド終了となった。

2R、バーロウがサークリングし、ベレテンニコフが前に出て右の前蹴りを当てる。バーロウは左ハイからスーパーマンパンチを見せる。ベレテンニコフは左フックで飛び込んで右ミドル、ジャブで前に出ていく。バーロウもジャブを返し、左ストレートからパンチをまとめる。

ベレテンニコフも右を返して、バーロウの左ストレートに合わせて組みついてケージに押し込むが、バーロウが態勢を入れ替える。ここでベレテンニコフのヒザ蹴りがローブローと判断される。バーロウにインターバルが与えられて、同じ状態から再開となる。バーロウがテイクダウンを仕掛けるが、ベレテンニコフは倒れない。

ベレテンニコフは前に出て右ボディストレート、バーロウがスイッチすると左フックから右ストレートで飛び込む。バーロウがワンツー、ベレテンニコフも右を返して右の前蹴り、終了間際に右ストレートを当てた。

3R、ベレテンニコフがジャブと左フック。バーロウが左のカーフを蹴る。ベレテンニコフは右フックを見せ、ジャブを突くバーロウに右ボディストレートを返す。ベレテンニコフが組みつき、バーロウがケージに押し込むとベレテンニコフがスタンドでギロチンを狙う。

距離が離れるとベレテンニコフが右の三日月蹴り、バーロウは構えをスイッチしながら細かくジャブを当てる。ベレテンニコフは前に出て右ストレート。バーロウはジャブを突くが、ベレテンニコフがワンツー、右ストレートで前進する。さらにベレテンニコフは左フックも当て、右ストレートを振って前に出る。

ベレテンニコフはこの右をフェイントにして左フック、バーロウはジャブを返すが、ベレテンニコフの前進が目立つ。バーロウが左ミドル、左ストレートを当てて距離を取る。ベレテンニコフが右ミドルと右ストレートを繰り出し、試合終了。判定は2-1と割れてバーロウが勝利し、デビューから無傷の9連勝となった。


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