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【UFC312】クリンチでエルボー一閃。テイシェイラがジャスティン・タファを35秒殺。豪州勢は4勝3敗1分

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
Def.1R0分35秒by TKO
ジャスティン・タファ(豪州)

長身のテイシェイラが前蹴り、右ハイを繰り出す。ここから組んで、ケージにタファを押し込むと左右のヒザ蹴りから右エルボー一閃。頭を抱えたタファがにヒザをもう一発蹴り込む。背中を向けて動かなくなったタファにパウンドの追撃を落としたテイシェイラが、UFCデビュー戦を秒殺で飾った。

「彼はトップだ。どうやって勝てるかを、考えてきた。彼には申し訳ないけど、今日は僕の日だった。彼はタフだ。ただテイクダウンを仕掛けると、頭が下がっているのが分かったんだ」とテイシェイラは話した。シドニーのPPV大会に出場した豪州勢は8人、4勝3敗1分けという結果だった。


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【UFC312】展望 デュプレッシー×ストリックランド=世界ミドル級選手権試合。頂点にある圧の掛け合い

【写真】圧の掛け合いは、圧の逃し合いに通じる。一体、どのような攻防が見られるのか (C)ETERNAL MMA

明日9日(日・現地時間)、豪州シドニーのクドスバンク・アリーナにて、UFC 312「 du Plessis vs Strickland 2」が行われる。王者ジャン・ウェイリ×タチアナ・スアレスの女子ストロー級タイトルマッチをコメインとする今大会のメインは、王者ドリキュス・デュプレッシーに前王者のショーン・ストリックランドが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

この試合は、約一年前の2024年1月、当時の新王者ストリックランドにデュプレッシーが挑んだ試合の再戦となる。その時には、両者が事前に通常のトラッシュトークの応酬を大きく逸脱した危ういやりとりを繰り広げ、試合も激闘の末に判定2-1でデュプレッシーが勝利し、南アフリカ人初のUFC王座に輝いた。

しかしながら、試合後にダナ・ホワイトUFC代表が「私は最終Rを取ったストリックランドの勝利だと思った」と発言したように、判定に関して識者たちの意見が割れる大接戦であり、再戦を望む声は当初から挙がっていた。その後、ストリックランドは6月の復帰戦でパウロ・コスタに判定こそ2-1だったものの完勝し、デュプレッシーも9月に元王者イスラエル・アデサニャを4Rチョークで仕留めて初防衛に成功。お互いが一勝を挙げた後、立場を入れ替えた両者のリマッチが実現する運びとなった。


尋常でない確執~紳士協定~技量のぶつけ合いへ

前回の試合前の両者の危険な因縁については、これまで当サイトでは紹介する機会を持てずにいる。一年以上前の話ではあるが、ここで振り返ってみたい。

端緒は2023年末、すでに対戦が決まっていた両者の記者会見に遡る。おそらく読者の多くがご存知の通り、ストリックランドは独特のダミ声で放送禁止用語を連発する…どころか、いわゆるポリティカル・コレクトネスの類も一切無視し、性差別、人種差別、LGBT蔑視と捉えられかねない言葉を次々とがなり立てる破天荒なキャラクターの持ち主だ。新王者となってもその姿勢はまったく変わらず、この日は試合後にコーチ達と祝福のキスをする習慣を持つデュプレッシーを、ゲイ関連のジョークで煽り続けた。

やがてストリックランドは楽しそうに「俺がお前をフィニッシュできないって? 心配するな! お前のコーチがいつものように控室でお前を(手や口で)フィニッシュしてくれるだろうからな!」と口撃を加速。ところが相手の心の傷の在処を察知し刺激することにおいては天下一品のデュプレッシーは、笑いながら「お前はなんでそんなに怒っているんだい? 昔父ちゃんにぶちのめされたからってか? お前の父ちゃんなんか俺とは比較にならんぞ。俺が本当の暴力ってもんをお前に見せてやるぜ!」と反撃に出た。

幼少期に父親から受けた虐待のトラウマの深刻さを常に訴えているストリックランドにとっては、完全に「一線」を踏み越えた言葉だ。ストリックランドが「ドリキュス!」と叫ぶも無視したデュプレッシーは「お前の子供時代の記憶の全てを思い出させてやるよ、試合の時にな! お前が寝ていたら父ちゃんがやって来てボコボコにされたこととかな!」と容赦なく追い討ちをかける。

ストリックランドが「殺すぞ、このpuxxy野郎が!」と声を荒らげると、デュプレッシーは甲高い声で「ヒャハハハハハハ! 怒った、怒った!」と机を叩いて嘲笑。さらに激昂したストリックランドが喚きたてるなか、もう十分と判断したダナ・ホワイトが強引に会見を終わらせた。

この危険極まりないやりとりの数日後、UFC296の会場にてストリックランドが後ろの席にいたデュプレッシーに襲いかかり、素手で殴りつけるという乱闘騒ぎが勃発。ただし、両者とも大きな怪我はないまま関係者に引き剥がされ、騒ぎはすぐに収まった(ちなみに元王者のロバート・ウィティカーはこの件について「ストリックランドの殴り方はなんかWWEっぽかったし、仕込みじゃないの?」という感想を吐露しており、どの程度本気のものだったかの判別は難しい)。

そして翌年1月のファイトウィークでは、事前にストリックランドがデュプレッシーに「もし、お前とコーチの関係について俺が言ったことが度を越していたなら、謝ろうじゃないか。でも、もしお前が再び俺の子供時代のことに触れやがったら、お前を刺し殺す。試合前にお前の人生を俺の人生もろとも滅茶苦茶にしてやる」という内容のDMを送っていたことが判明。

対してデュプレッシーも「俺はお前に何を言われようが一切動じないから、今後も俺のことを好きなように言ってくれて構わんよ。でも分かった。お前の子供時代のことについてはもう二度と触れないよ」と返信したと認めた。

最悪の事態を避け、ファイターとしての決着を望んだ両者の間で紳士協定が結ばれて実現したタイトルマッチは、互いにグローブタッチを交わすきわめてフェアな形で行われた。ストリックランドのジャブでデュプレッシーの左目が塞がりかけ、逆にストリックランドも4Rに左目の上から大流血する激闘の結果は、上述の通り判定2-1でデュプレッシーが勝利。試合後両者は健闘を称え合った。

圧の掛け合いを制するのは?

それから一年。再び対戦が決まった両者は、前回とはうってかわって危険な言動は控え、互いを強敵と認めた上で勝つことに集中した様子を見せている。再戦の勝敗の鍵は、前回の試合を経てどちらがより上手く戦い方を修正できるかとなるのが必然だ。特に両者とも、強靭な身体を武器にスタンドでプレッシャーをかけ相手を下がらせる戦いを本領とするだけに、圧の掛け合いをどちらが制するかが重要となるだろう。

その点で前戦の1Rに主導権を握ったのは右前蹴りで距離を取り、鋭い左ジャブを当ててゆく得意の戦い方を貫いたストリックランドの方だった。2023年10月にイスラエル・アデサニャをも翻弄した圧巻のペース支配力は、限りないスパーで磨き上げた自己流の防御技術に支えられている。初回デュプレッシーがパンチを打つたびに、ストリックランドはすかさず肩を上げた後傾姿勢を取り──頭を遠ざけつつ、両腕で巧みに捌いて被弾を避けていった。

デュプレッシーは後に「ショーンとイジー(アデサニャ)の試合を初めて見た時、イジーの調子が悪くてショーンにパンチを当てられないのかなと思ったよ。でもその後、自分がショーンと戦ってみてよく分かった。ショーンはディフェンスがものすごく巧みで、本当に当てるのが難しいんだ」と語っている。

デュプレッシーの非凡さは、ここですぐに対応し戦い方を変えてみせたことにある。「初回終了後、このジャブを貰い続けるわけにはいかないと思った」と語るデュプレッシーは最初の2Rはペースを抑えて3R以降からエンジンをかけてゆくという当初の予定を変更。2Rからガードをより高く上げて圧を強めた。時にジャブにガードを貫通され目を腫らしながらも、そのたびに前に出て打ち返していった。

前述のようにストリックランドは、相手のパンチに素早く後傾姿勢で反応し、巧みに腕で捌く。が、それは身体がディフェンス一辺倒になる瞬間でもある。デュプレッシーは、強烈なジャブを恐れぬ強靭な身体と精神をもってそこを突いた。スイッチも交えつつ段階的に踏み込みを深めてゆき2、3、4発と連打を放つことでストリックランドを下がらせ、その拳が顔面を掠める場面を創っていったのだ。

デュプレッシーは「イジーは手数ではなく、一発一発の打撃を高い精度で当ててゆくタイプだから、ショーンのディフェンスとはきわめて相性が悪かった。僕は手数を多く放つことで、ショーンに打撃を当てることができたんだよ」と語っている。洗練を極めたアデサニャの打撃を封じたストリックランドのディフェンスを、見た目ははるかに不恰好かつ武骨な連打でデュプレッシーは崩したのだ。

またデュプレッシーは、後傾するストリックランドのボディに拳もめり込ませ、パンチと見せかけて腰高の姿勢のストリックランドの懐に飛び込んでのテイクダウンも複数回決めている。こうしてデュプレッシーは、ストリックランドの強さを支える独特のディフェンスを逆に突破口として2~4ラウンドを取り、それが結果的に勝敗を決定付けることとなった。

戴冠を果たした現王者は、今回の再戦について「戦い方を変えなくてはならないのはショーンの方だよ。僕は前回と同じ戦い方をすればいい。ただし、より高い質で、よりクリーンに、より攻撃を精選し、忍耐強く戦うよ」と語っている。

手段を選ばぬ攻めとコンフォートゾーン

となれば再戦の見所の一つは、ストリックランドが前回とは異なるいかなる手段でデュプレッシーの圧力に対抗するかだ。もっとも本人は前戦終了直後から「負けたのは4Rにバッティングをもらって出血し、視界が塞がってしまったせいだ。それがなければ楽勝だった」と主張し続けており、戦術の改善の必要性は口にしようとしない(もっともデュプレッシーの方は、出血は自分がパンチを当てたからだと語っており、両者の主張は食い違っている)。

(C)Zuffa/UFC

その一方でストリックランドのヘッドコーチのエリック・ニックシックは「前戦を見直したところ、もっと上手くやれたのにと思える点がたくさんあったよ」と語る。

アルジャメイン・ステーリングやフランシス・ガヌーの世界制覇の功労者でもある名伯楽は、今回ストリックランドにどのような策を授けているのか。前回同様デュプレッシーが連打で前に出てきた時の対処は、いかなるモノか。

後傾気味に下がって捌くだけでなく、強烈なカウンターを放つ用意はあるのか。また前回何度も許したテイクダウンを、いかなる方法で回避するつもりなのか。さらに、前戦の最終局面でストリックランド自身が戦い方を変えて、反撃の狼煙を上げたことも覚えておきたい。残り1分あたりから両腕でガードを上げたストリックランドは、挑戦者が距離を詰めてくるたびに、後傾して守るのではなく左から右を思い切り振り回していった。

これが続けてヒットし、デュプレッシーが下がったところに飛び膝まで繰り出したストリックランドは、場内熱狂のなか最終Rを勝ち取ったのだった──2~4Rのビハインドを覆すには至らなかったが……。

(C)Zuffa/UFC

本人はこの場面について──。

「(元K-1ファイターであり、現在ストリックランドが練習するエクストリーム・クートゥアのトレーナーでもあった)レイ・セフォーとの会話を思い出したんだ。レイは俺に、試合で眼窩底を骨折した時にいかに戦ったかを話してくれた。あの最後の場面、出血で目が塞がっていた俺は『こんなとき、レイ・セフォーならどう戦うかな』って考えたんだよ。そこでガードを上げて、ただ当たることを願ってひたすらヘイメイカーを振り回したってわけだ」と語っている。

また、この試合の中継でファイトアナリストとしてコメントをしていたディン・トーマスは「デュプレッシーが手段を選ばず勝ちに行っていたのに対し、ストリックランドは試合の大部分をスパーのような安全運転モードで戦ってしまっていた。自分に快適なゾーンの外に出ることがなかなかできなかったね」と評している。

この言葉に導かれて考えるなら、デュプレッシーの世界最高の圧を最後の最後で押し返したのは、──あのK-1レジェンドに触発されて──土壇場でついに自分の殻を破って解放されたストリックランドの戦う心だったということになる。

デュプレッシーとストリックランド。両者とも、その動きは見た目には洗練されているとは言い難い。にもかかわらず、独自にして驚くほど有効な戦いの技術と、強靭きわまりない肉体を練り上げ、ともにアデサニャという華麗な身体操作を究めた王者を打ち破ってみせた。そんな技術と肉体を操るのは、極限状況下でも勝利を求めて戦う心だ。力が拮抗した者同士の試合は、最終的には心と心のぶつかり合いとなる。

危険な因縁を乗り越え、互いを最大の好敵手として認め合った両雄による今回の再戦は、前回にも増した激闘が長丁場繰り広げられる可能性が高い。世界の頂点にある身体と技術、そして心の凌ぎ合いを心ゆくまで堪能したい。

■視聴方法(予定)
2月9日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時 30分~U-NEXT


■UFC312対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
[挑戦者] ショーン・ストリックランド(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] タチアナ・スアレス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジミー・クルート(豪州)
ホドウフォ・ベラート(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
ホドウフォ・ベラート(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
ガブリエル・サントス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ブルーナ・ブラジウ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アレクサンドル・トプリア(スペイン)
コルビー・シックネス(豪州)

<ライト級/5分3R>
コディ・スティール(米国)
ロン・チュウ(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
ジョナサン・ミカレフ(豪州)

<ライト級/5分3R>
クイラン・サルキルド(豪州)
アンガド・ビシュト(インド)

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【UFC312】パク・ヒョンソン「趣味で練習していた一般会員がKrushで戦って、痛みしか記憶にないです」

【写真】凄く若く見えるが、今年の11月で30歳になるパク・ヒョンソン。今回はモンゴルのニャムジャルガルと対戦するが、日本勢との試合もステップアップ過程であるかもしれない(C)MMAPLANET

9日(日・現地時間)に豪州はシドニーのクドスバンク・アリーナでUFC 312「Du Plessis vs Strickland 2 」が開催され、オープニングマッチで韓国のパク・ヒョンソンが、モンゴルのニャムジャルガル・トゥメンデムベレルと対戦する。
Text Manabu Takashima

Road to UFC2022フライ級トーナメントを制し、一昨年12月のUFC初陣でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得したパク・ソンヒョンだが、ヒザの負傷でそれ以降は実戦から離れていた。

実に14カ月振りのファイトを前にパク・ヒョンソンに話を訊くと、とんでもない試合を日本でしていたことが分かった。


――1年2カ月振りのファイト、オクタゴン2戦目を迎えます。ヒザの負傷で長期欠場をしていましたが、この間にも何度か日本にチームメイトの試合に帯同してやってきていましたね。

「ハイ。Gladiatorに出るチームメイトのセコンドと、あとは中村倫也選手と一緒に練習がしたくて、去年の夏に日本で1週間ほど行動を共にさせてもらいました。レスリングを教えてもらって、寝泊りも一緒にしていました。中村選手は本当によくしてくれました」

──つまり去年の夏には、もうヒザの状態は良くなっていたということですね。

「ヒザのケガから完治するのは、時間がかかりました。ただ、今はもう全く心配していません。現状では何も問題はないですが、実際のところは試合を戦ってみてないと分からないことだと思います。

試合に向けて不安がないかといえば、それはあります。でも、それを口にしても何も意味がないことです。だから長期欠場に関しては、気にしないようにしています。それにケガをしたことをネガティブに捉えるだけでなく、その期間に他の箇所を鍛えることができたという風に考えています。それがあって自信を失うこともなかったですし、成長できたと思います」

──Road to UFC、UFCデビュー戦で印象的なパフォーマンスを見せていたパク・ヒョンソン選手ですが、まだ日本のファンは知らないことだらけです。まず格闘技歴を教えていただけないでしょうか。

「高校の時に趣味程度でムエタイを始めました。2、3年ほど練習をし、それから兵役に行く2、3カ月前にMMAを始めました。兵役を終え、本格的にMMAのトレーニングを行い24歳になってアマチュアから試合に出始めました」

──趣味程度でムエタイを始めたということですが、2014年にKrushに出場して卜部弘嵩選手を戦っています……。高校生が趣味で練習していて、Krushに来日したということですか!!

「そうなんです。趣味で練習している一般会員でした。Krushがどういう舞台なのか、相手がどういう選手なのか何も分からないまま日本に送り込まれました」

──Krushは新生K-1の活動開始まで、日本のキックボクシング大会のトップという印象がありました。そして、卜部選手は60キロ級のベルトも巻いていました。

「そういうことを一切、知らなかったんです。本当にめちゃくちゃでした。今でも、どういうつもりだったのかと怒りを感じています」

──それでも判定まで行ったとは、大健闘といえば大健闘だったわけですね。

「そういってもらえることはありがたいですが、ただ痛かったという記憶しかないです(苦笑)。鼻、目など骨を折って、最悪の思い出ですね……」

──格闘技として、一般会員がプロのチャンピオンと戦って骨折する。それは……あってはいけないことです。そのような経験を経て、プロMMAファイターを目指したのは?

「何か好きなことをやりたかったからです。軍隊での生活は非常に厳しかったのですが、その厳しさに向き合うことが自分に合っていると感じたんです。そしてMMAファイターになろうと決めました」

──最初からMMAストーリーに所属していたのですか。

「ハイ。ムエタイは地元のジムで、MMAストーリーではなかったです。Road FCフェザー級王者のチェ・ムギョム選手、それにキム・ミンウ選手という凄くアグレッシブなファイターが所属していたので、MMAストーリーでプロになりたいと思い入門しました。思った通り、最高の練習ができるジムでした」

──両者とも独立をしましたが、今でも練習をすることはあるのですか。

「2人とも自分のジムを開きはしましたが、MMAストーリーを離れたわけではないです。自分のホームタウンにジムを創っただけで、今もMMAストーリーの一員です。今も時々ですが、集まって練習もしています」

──では対戦相手ニャムジャルガルの印象を教えて下さい。

「アグレッシブでタフなファイターです。パンチ力がありますね。あのパンチは警戒が必要です。ただし、自分の能力は彼を上回っています。彼が得意とするエリアで戦わず、自分の試合をします。そこで自分の武器を使います」

──どのような試合をしたいと考えていますか。

「まず勝つことが大切です。そして、自分の良さを見せることができれば、と考えています」

──ところでUFCフライ級には3人の日本人ファイターがいます。彼らのことはどのように分析していますか。

「平選手はウェルラウンディット・ファイターで、どの局面でも良い試合ができます。日本人3選手のなかで、平選手がベストだと思います。気持ちも強いですよね。同じイベントで戦ったことがあるのですが、凄いオーラを感じました。

朝倉選手はずっと以前から知っています。RIZINのチャンピオンだったので。凄く良い目をしていて、肉体的能力が高いです。ただフライ級よりバンタム級の方が合っていると思います。またバンタム級に戻って戦ってほしいです。

鶴屋選手はレスリングや柔術の練習を、凄く小さなころからやっていたんですよね。グラップリングが強い選手ですね」

──いやぁ、よく3人のことを把握しているのですね。

「中村倫也選手もそうですが、自分は日本人選手のことが好きで、ずっと見てきたので」

──日本と韓国はあらゆるスポーツでライバルですが、UFCでは同じアジア人として、その強さを一緒に見せてほしいと思います。

「自分は反日感情を持ったことは一度もないです。東京に行って、中村倫也選手と一緒に過ごさせてもらったときも、本当に彼の良さや日本の人たちの親切な部分に触れさせてもらいました。日本に嫌な思いを抱いたことは全くないし、中村倫也選手のことが大好きです。なので、そういう選手が韓国にいることを日本のファンの皆さんにも知ってもらって、自分のことを覚えてほしいです」

■視聴方法(予定)
2月9日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時 30分~U-NEXT


■UFC312対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
[挑戦者] ショーン・ストリックランド(米国)

<UFC世界女子ストロー級選手権試合/5分5R>
[王者] ジャン・ウェイリ(中国)
[挑戦者] タチアナ・スアレス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
ジャスティン・タファ(豪州)

<ライトヘビー級/5分3R>
ジミー・クルート(豪州)
ホドウフォ・ベラート(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ジェイク・マシューズ(豪州)
ホドウフォ・ベラート(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
ガブリエル・サントス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
トム・ノーラン(豪州)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ブルーナ・ブラジウ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アレクサンドル・トプリア(スペイン)
コルビー・シックネス(豪州)

<ライト級/5分3R>
コディ・スティール(米国)
ロン・チュウ(中国)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
ジョナサン・ミカレフ(豪州)

<ライト級/5分3R>
クイラン・サルキルド(豪州)
アンガド・ビシュト(インド)

<フライ級/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ニャムジャルガル・トゥメンデムベレル(モンゴル)

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MMA o RIZIN Road to UFC UFC YouTube その他 アレックス・ペレス アンソニー・スミス クレイ・グイダ ジョシュア・ヴァン タティアナ・スアレス タリソン・テイシェイラ チェイス・フーパー ドミニク・レイエス ニック・ディアス ブランドン・モレノ マックス・グリフィン マネル・ケイプ モフサル・エフロエフ ランディ・ブラウン 中村倫也 佐々木憂流迦 堀口恭司 平良達郎 朝倉海 木下憂朔 風間敏臣 魅津希 鶴屋怜

UFC 310:朝倉海 アルティメットメディアデー Presented by U-NEXT

概要欄
UFC® 310:ムハマッド vs. ラフモノフ
日本時間:2024年12月8日(日)
会場:T-Mobileアリーナ(アメリカ・ネバダ州ラスベガス)
配信:U-NEXT / UFC Fight Pass

世界最高峰の総合格闘技(MMA)団体であるUFC®(Ultimate Fighting Championship)が日本時間12月8日(日)に開催を予定しているUFC® 310のセミメインイベントにて、UFCフライ級王者アレシャンドレ・パントージャが、UFCデビューを飾る朝倉海を相手に3度目の防衛戦に挑みます。

2023年7月に開催したUFC 290で、当時のUFCフライ級王者ブランドン・モレノを下してUFCフライ級王座を獲得したアレシャンドレ・パントージャ(28勝5敗、ブラジル/アハイアウ・ド・カボ)は、以降の1年間でブランドン・ロイバルとスティーブ・エルセグを退けて王座防衛に成功しました。パントージャはサブミッションで10勝、ノックアウトで8勝、第1ラウンドフィニッシュ10回を記録しており、モレノ(3戦)、アレックス・ペレス、マネル・ケイプ、佐々木憂流迦、カイ・カラ・フランスら強豪に勝利しています。

UFCデビュー戦がタイトルマッチという歴史的な一戦に挑む朝倉海(あさくら・かい、21勝4敗、愛知県)は、現在、日本で最も有名なMMAアスリートであり、10年以上のMMA経験を持つ実績あるノックアウトアーティストと称されています。朝倉のベーススタイルは打撃とグラップリングを包括する日本の空手、禅道会。UFC参戦までに2連勝を収めており、日本のRIZIN FFでは過去12試合中9試合でメインイベントまたはセミメインイベントを務めています。最近では2023年12月にフアン・アーチュレッタを破ってRIZIN FFバンタム級王座を獲得した経歴を誇ります。また、これまでに朝倉はマネル・ケイプ、堀口恭司、佐々木憂流迦らを下してきました。

朝倉の参戦により、UFCロースターに名を連ねる日本人選手はフライ級ランキング5位の平良達郎、女子ストロー級の魅津希、ウェルター級の木下憂朔、ROAD TO UFCシーズン1バンタム級ファイナリストの中村倫也と風間敏臣、ROAD TO UFCシーズン2フライ級優勝者である鶴屋怜の7名となります。

対戦カード一覧(予定)
【メインイベント】
ウェルター級タイトルマッチ
ベラル・ムハメド vs. シャフカト・ラフモノフ

【セミメインイベント】
フライ級タイトルマッチ
アレシャンドレ・パントージャ vs. 朝倉海

【その他カード:順不同】
ヘビー級:シリル・ガーン vs. アレクサンドル・ボルコフ
ウェルター級:ビセンテ・ルーケ vs. ニック・ディアス
フェザー級:モフサル・エフロエフ vs. アルジャメイン・スターリング
ウェルター級:ランディ・ブラウン vs. ブライアン・バトル
ヘビー級:タリソン・テイシェイラ vs. ルーカス・ブジェスキー
女子ストロー級:タティアナ・スアレス vs. ビルナ・ジャンジロバ
フライ級:コーディ・ダーデン vs. ジョシュア・ヴァン
ライト級:クレイ・グイダ vs. チェイス・フーパー
ウェルター級:マイケル・キエーザ vs. マックス・グリフィン
ライトヘビー級:アンソニー・スミス vs. ドミニク・レイエス

※対戦カードおよび試合順、試合数は事前の予告なしに変更となる場合がございます。

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DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep06 JAM MMA MMAPLANET o UFC   アテバ・グーティエ アフマッド・ハッサンザダ アライジャ・スミス タリソン・テイシェイラ 内藤由良

『Dana White’s Contender Series 72』試合結果/ハイライト動画




・Elijah Smith def. Aaron Tau via unanimous decision (29-28, 29-28, 29-28)
・Tallison Teixeira def. Arthur Lopes via knockout (punches) – Round 1, 1:57
・Benjamin Bennett def. Joey Hart via split decision (28-29, 29-28, 29-28)
・Ateba Gautier def. Yura Naito via TKO (punches) – Round 2, 4:00
・Ahmad Hassanzada def. Dylan Mantello via submission (rear-naked choke) – Round 3, 2:14

【DWCS S08 Ep06】まるで、あの日の脱出劇のような逆転劇。ハッサンザダがマンテーロをRNCで破る(MMAPLANET)

【DWCS S08 Ep06】グーティエにTDを切られパウンドアウトされた内藤由良、完敗=J-MMAの惨敗(MMAPLANET)

【DWCS S08 Ep06】どちらが倒れるか。間を取ったロピスに右ストレート一閃。テイシェイラがKO勝ち(MMAPLANET)

【DWCS S08 Ep06】仕留めにいってガスアウト、タウの猛攻を耐えたスミスがグーティエら4人とUFCへ(MMAPLANET)

 9月17日にネバダ州ラスベガスのUFC APEXで開催された『Dana White's Contender Series 72』の試合結果。日本から参戦の内藤由良はアテバ・グーティエに2R TKO負けしています。アライジャ・スミス、タリソン・テイシェイラ、アテバ・グーティエ、アフマッド・ハッサンザダの4名がUFCとの契約を勝ち取っています。以下、ハイライト動画です。続きを読む・・・
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【DWCS S08 Ep06】仕留めにいってガスアウト、タウの猛攻を耐えたスミスがグーティエら4人とUFCへ

<バンタム級/5分3R>
アライジャ・スミス(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
アーロン・タウ(ニュージーランド)

スミスのカーフをかわしたタウは、ワンツーをガードして笑顔を浮かべる。オーバーハンドからカーフを続けるスミスも、タウのリードフックに対応する。ワンツーを入れ、タウの反応を見た感もあるスミスが、右ストレートを伸ばす。タウの右にジャブを合わせ、右に繋げるスミスが優位に立つ。ワンツーに組まれても、腰に乗せて投げたスミスがスクランブルでキムラクラッチから後方回転。タウも素早く対応して立ち上がるが、打撃戦では自分の距離で戦えていない。

逆にワンツーからダブルレッグとMMAで優勢のスミスはパスから、潜ってきたタウに鉄槌とヒジを落として初回を取った。

2R、ガードを固めたタウだが、ワンツーを被弾する。スミスはジャブを続け、タウのパンチをかわしてカーフを入れる。スイッチも見せるスミスのフェイクに反応が大きくなったタウは、組まれてシングルレッグに頭を抱えるように対応して、バックに回る。胸を合わせたスミスは、ボディロックテイクダウンを耐えて離れ──ジャブを伸ばす。一気のダブルレッグからテイクダウン。そのままサイドを取ったスミスは足を取りつつ、バックを伺うタウの動き、続くディープハーフからのレッスルアップに反応して、アナコンダチョークをセットする。上体を起こしたタウに対し、スミスはギロチンにスイッチする。

ここも起き上って耐えたタウは、ワンツーに左を振るう。スミスはサークリングも、左を打たれる。続くダブルは遠く切られたスミスは、フィニッシュ狙いでスタミナをロスしたか。圧を高め前に出てパンチを振るうタウは、バランスを崩しながら強振を続けた。

最終回、まずジャブを当てたスミス。しかし、シャープさには欠けている。タウは飛び込んでワンツーフック、右ボディショットから左を当てる。さらに左ボディストレートを当て、ハイをかわしてジャブも避ける。ボディを殴られ、やや腕が下がったスミスは左ストレートを被弾する。タウは左リードフックを当て、右ストレートを伸ばす。下がるスミスは右フックから左、続いてボディを打たれ反撃に出られない。

ガードを固めるスミスを殴るタウは、スミスの反撃で殴られても「もっと来い」と挑発する。ダブルを切られ、下になったスミスをスタンドで待ち受けたタウがボディから顔面とコンビネーションを決める。ダブルレッグでテイクダウンに失敗しガスアウト状態のスミスもワンツーで前に出るが、ボディを殴られガードが下がる。そこに左フックを入れるタウも、打ち疲れてきたか。

スミスが最後の頑張りを見せて連打で前へ。それを上回るパンチの勢いを見せたタウは、ダブルレッグも切って足を止めての打ち合いで試合を締めた。立ち上がって拍手を送るダナ・ホワイト──結果はジャッジ3者とも初回と2Rが優勢だったスミスを支持した。

運命の時、アフマッド・ハッサンザダに関しては「ショーン・シェルビーが求めた」とサインを伝えると、満面の笑みを浮かべて「UFCで何ができるか。友よ、明るい未来が待っている」とアテバ・グーティエを迎え入れる。

しかしジョーイ・ハートをスプリットで下したベンジャミン・ベネットは、契約ができず。「ベイビー、こっちに来い」とタリソン・テイシェイラもUFC昇格を伝えると、激闘を制したショートノーティス出場のスミスを称えて契約を宣言した。


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45 DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep06 MMA MMAPLANET o アルトゥル・ロピス キック タリソン・テイシェイラ

【DWCS S08 Ep06】どちらが倒れるか。間を取ったロピスに右ストレート一閃。テイシェイラがKO勝ち

<ヘビー級/5分3R>
タリソン・テイシェイラ(ブラジル)
Def.1R1分57秒by KO
アルトゥル・ロピス(ブラジル)

開始直後にジャブから右ローで、ロピスの姿勢を乱させたテイシェイラがパンチでいきなり攻勢を握る。殴られても、リーチの差も構わず右を伸ばし、左を合わせたロピスが連続で右をヒットさせる。さらにジャブをヘッドムーブでかわし、逆にワンツーを当てていくロピス。テイシェイラもはキックを狙い、圧を掛け直す。クリンチの攻防でヒザを入れ、離れたロピスに右ストレートを打ち込んでダウンを奪ったテイシェイラが鉄槌で試合を決めた。


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