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【UFN212】オクタゴン2戦目へ─02─岡田遼「負けちゃいけない相手」&平良達郎「フィニッシュしたい」

【写真】父は硬く、兄は緩い。平良は間を取って丁度良い。試合が楽しみだ(C)RYOTA MATSUNE

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFN212:UFN on ESPN+70「Grasso vs Araujo」でCJ・ヴェルガラと対戦する平良達郎と兄貴分・岡田遼の同時インタビュー後編。

UFC2戦目を迎えた平良の落ち着き具合を見て、岡田は人間的にも成長していることが感じられるという。その岡田にこの間のMMAファイターとしての成長と、対戦相手の分析をしてもらい、平良に改めて意気込みを尋ねた。

<平良達郎&岡田遼インタビューPart.01はコチラから>


──ファイトウィークも落ち着いている平良選手ですが、修斗の若手として台頭してきた時期から練習もしてきた岡田選手からしても、UFCファイターとなりさらに進化しているように感じられますか。

岡田 もちろんファイターとして、強くなっています。色々な部分で成長しています。それだけでなくUFCファイターになってから、自分で色々なことをやるようになっていますね。今回もラスベガスの酸素カプセルを自分で予約をいれて、自分で行くとか。1月に一緒にベガスに来た時は、そんなことは全くできる感じではなくて。人として逞しくなっているなと思いました。

──ということですが、平良選手。

平良 自分もその通りだと思います。

岡田 アハハハハ。謙遜するところかと思うんですけどね。でも選手として、まだまだ成長できる年齢ですし……僕が22歳で平良達郎のように11戦11勝だったら、もっと調子に乗って鼻高々になっていたと思います。達郎は自分を俯瞰して見ることができるんです。タイガームエタイに行って、首相撲を学んできたように、自分に足りないパーツを貪欲に吸収しようとしていますよね。

強くなりたいという想いは凄いです。正直、少し前まではスパーリングをしても『達郎、ここはまだまだこれからだな』という部分があったんです。やっていても、休める部分というか……この形にしておけば大丈夫というポイントが。それが段々となくなってきて、今は付け入る隙を見せなくなっています。

達郎はタイトな選手なんです。ただUFCで戦っていくにはタイトにしつつ、見切りもつけないといけない。8月の終わりにパラエストラ柏に達郎が来た時に、肌を合わせて感じたのは、どこか一つの局面が突出して強くなったというわけでなく、MMAで必要な動きにおいて隙間がなくなってきたことです。だから付け入るところがなくなってきて困っています。

以前は打撃とレスリングの繋ぎの部分で、間ができるところがありました。今はそういう部分でも、本当にタイトになってきています。MMAに必要な技術で構成したレーダーチャートで示せば、どこが伸びたということでなくレーダーチャート自体が大きくなってきています。

そういう状態にある達郎が、ムエタイの首相撲を求めたのも合点がいきます。さすがですね。そこがさきほども言ったように、自分のことを俯瞰して客観的に見ることができていることを表しています。

──そのように平良選手の成長を感じ取っている岡田選手から見て、対戦相手のCJ・ヴェルガラはどのようなファイターでしょうか。

岡田 う~ん、2試合ほどしかチェックしていないけど……言い方は悪くなってしまうのですが、『こいつ、何がしたいのかな?』っていう選手なんですよ。局面、局面で行き当たりばったりで試合を作っている選手に見えます。その辺りは松根さんも達郎も感じているところだと思うので、色々なパターンを想定しているでしょう。

──行き当たりばったりの選手の行動パターンを読むことは逆に難しくないでしょうか。

平良 戦い方は基本、打撃で前に出る。そこは変わらないと思います。勝った試合は後半に相手が疲れてペースで押し切っていたので、そういう部分は気を付けないといけないです。ただ、判定まで行けば疲れるのは当たり前ですし。寝技で一本を取る力もないので、どう攻めてくるのかは分かりやすい相手です。

岡田 まぁ負けないですし、負けちゃいけない相手です。

平良 僕自身ベルトを狙っているので、落とせない相手です。勝ったら勝ったで、自信がつく相手でもありますけど。

──ダナ・ホワイトが「UFCに欠けているのは日本人のスターだ」ということを発言し、日本人選手に期待をしている部分があると私などは受け取りました。あの言葉を受けて、平良選手はどのように感じましたか。

平良 僕が先頭に立って引っ張りたいという気持ちは余りないです。でも結果として引っ張っていくというか、結果を出してリードしていければ良いなと思っています。

──そのためにはどのような試合を土曜日にはしたいと思っていますか。

平良 シンプルにフィニッシュして勝ちたいです。

岡田 きっとデビュー戦よりも回りが見えてくると思うので、いつも通りの達郎のパフォーマンスを見せて良い試合をする。そしてフィニッシュをして、一緒に日本に帰りたいですね。

──では平良選手、日本で応援してくれるファンに一言お願いします。

平良 いつも応援してくれている皆さん、ありがとうございます。デビュー戦から5カ月が経ってのUFC第2戦ですが、あの試合から今日まで自分になりに「どうすれば強くなれるのか」というのを考えて日々を過ごしてきました。確実に成長していると、僕自身思っています。そこを試合で見せるので、早朝5時。早起きが必要ですけど、応援よろしくお願いします。

あと岡田さんは錦糸町にパーソナルジムのRYO OKADA TOKYO INSTITUTEを10月1日にオープンしたばかりで、今回はベガスに来てもらえないと思っていました。でもこんな大切な時期に来てくれたアニキに、本当に感謝しています。オープニングパーティが盛り上がるように、絶対に勝ちます!!

──押忍、今日はありがとうございました。

平良 カミナリおじさん、今日はありがとうございました。

──完全に岡田選手が耳打ちして言わせているじゃないですか(笑)。

岡田 アハハハハ。失礼しました。

■視聴方法(予定)
10月16日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFC212対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アスカル・アルカロフ(ロシア)
ブランドン・ロイヴァル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)
ジョーダン・ライト(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミシャ・サークノフ(カナダ)
アロンゾ・メニフィールド(米国)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス(米国)
ブランドン・デイヴィス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
ヴィクター・ヘンリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ニック・マキシモフ(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジョアンデウソン・ブリト(ブラジル)
ルカス・アレッシャンドリ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(ベネズエラ)
サム・ヒューズ(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
平良達郎(日本)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ジャクソン(米国)
ピート・ロドリゲス(米国)

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【UFN212】オクタゴン2戦目=アスンソン戦へ、ビクター・ヘンリー「そんなことは全く関係ない」

【写真】1月にハオーニ・バルセロスを相手に番狂わせといっても良い勝利を挙げたビクター。このような見方があることが、彼のアスンソンに対する捉え方の要因になっているのだろう(C)Zuffa/UFC

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで行われるUFN212:UFN on ESPN+70「Grasso vs Araujo」にビクター・ヘンリーが出場し、ハファエル・アスンソンと対戦する。

1月のUFC初陣でハオーニ・バルセロスを破り、9カ月振りの第2戦でアスンソンというベテランと戦う。現状、4連敗のアスンソンに勝つことで上位進出が見込まれる試合だが、ヘンリーは対戦相手がそのような立場にあると考えることはないという。

自らのキャリアを振り返り、アスンソンが踏み台のように考えることはできないヘンリーから彼自身だけでなく師匠ジョシュ・バーネットと共に日本で積んだキャリアがあるからこそ──という言葉が聞かれた。


──UFCで2試合目となるハファエル・アスンソン戦を控えているビクターですが、1月のハオーニ・バルセロス戦との勝利から9カ月もインターバルが空きました。

「何か問題があったわけじゃないよ。ずっとジムで練習はしてきたし。まぁケガの回復に当てていた時期もあるけどね。UFCからは7月に試合をしないかと声を掛けてもらっていたけど、ちょっと首に問題があって見合わせたんだ。ケガをしている状態でファイトキャンプに突入したくなかったんだよ。それにチームメイトのファイトのサポートをしたり、そういうことでこれだけインターバルが空いたけど、この試合に向けてグッドシェイプで準備してきたことを強調させてもらうよ」

──長らく日本をベースに戦ってきましたが、UFCのファイトウィークはビクターにとって、新鮮だったのではないですか。

「UFCと日本のファイトウィークは凄く違うよ。UFCはファイトに必要な食事、サプリメントを提供してくれる。素晴らしいよね。それが良い面だ。一方で、時間の制約が厳しい。この時間にどこそこにいないといけない──ということが、とても多いんだ。日本は体重を落とすことさえ守れば、自分の時間を自由に過ごすことができる。ちゃんと戦えば、何も言われない。僕は日本で、自由を楽しんでいた。まぁUFCは何か気になることがあると、全てにおいて答が用意されている。そこはUFCの過ごし良さかな。

UFCはさ、色々な場所で数多くのイベントを開いているけど、日本の大会は日本だけのモノだから。そこに足を踏み入れるだけで、楽しいことだらけだった。当然なことだけど、米国で試合をすると常に米国のカルチャーの中にいるわけで。僕はそういう環境で育ってきたから慣れ親しんだ場所でしかない。その点、日本はいるだけで特別な空間だったんだよ。

日本で戦う機会を得られ、ファイティングスピリットが養われた。僕は日本人じゃないけど、相当に日本人的だと思っている」

──その通りだと思います。ではアスンソンの印象を教えてください。

「アスンソンはUFCでずっと長い間戦ってきているから、それだけ経験値も高い。レスリングができて、打撃ができるブラジリアン柔術の黒帯だ。アスンソンがファイトを仕掛けてくると、とてもデンジャラスなファイターになる。顔面を狙って殴って来るか。テイクダウンをして、UFCに残るためにずっと抑えようとしてくるのか。どちらの展開になっても、大丈夫なように準備をしてきたよ。

いずれにしても、アスンソンは自分の能力の全てを使って倒しに来るか、勝ちに来るだろうね」

──サバイブを目指したファイトと、当たって砕けろ的なファイト。どちらの準備もしているビクターですが、どのアスンソンで来て欲しいですか。

「もちりん、当たって砕けろ──だよ。彼がそうくれば、僕も自分の全てをぶつけることになる。でも、レスリングをして抑えてくると退屈な試合になってしまうね」

──プロモーターはエキサイトな試合を望みますが、サバイブしてくる相手とはそういう試合ができず評価にも影響する難しさがあります。

「その通りだ。プロモーターはエキサイティングな試合を求める。UFCだけでなく、全てのプロモーションがチケットを売るというビジネスを第一に考えているからね。そのビジネスがお金を生む。退屈な試合をすると、誰も見てくれない。RIZINで戦っている時も、僕は常にフィニッシュ・ボーナスを稼ごうと思っていた(笑)。出場フィーだけじゃなくて、もっとお金が欲しいからね。戦うだけより、フィニッシュしてより多くの収入を得る。それがプロフェッショナル・ファイターだろう?

どんなに強い相手と戦っても、僕が目指すところはフィニッシュさ。それはアスンソン戦も変わりないよ。アスンソンがテイクダウンからコントロールを狙っても、それを避けてエキサイティングな試合をする。ただ、打撃戦だから面白い試合になるってことはない。距離を取って、ジャブだけっていう退屈な試合はいくらでもあったからね」

──確かにその通りですね。

「多くの選手が今、戦っている試合ではなく次、次、次っていう思考があるんだ。だからあんな試合をしてしまうんだよ。ファイターは相手を倒すために、戦わなければならないのに」

──まさにビクター・ヘンリーのファイト・アイデンティティですね。ところでアスンソンは今やステッピングボード的なポジションにあり、彼に勝てばより上の位置で戦うことができる目安のようになっています。そのようなアスンソン戦、ビクターにとってUFCでのキャリアップを考えると、どのような意味を持つ試合になるのでしょうか。

「僕はアンダードッグに慣れているからね。この試合でアスンソンがそういうポジションになるかどうかも意識していなかった。僕こそ、ステッピングストーンという役割を強いられてきたから。だから、僕は対戦相手をそういう風に思いたくないんだ。アスンソンがそういう役割になっているとも思いたくないし、UFCにどういう思惑があろうが……例えば『40歳のアスンソンを35歳のヴィクター・ヘンリーがぶっ飛ばすのか』なんて風に組まれることがあるかもしれないけど、そんなことは全く関係ない。目の前にいる対戦相手と戦うだけだから。そして、ファイトマネーを手にするんだ」

──フィニッシュを目指すと既に断言しているビクターですが、土曜日はどのような試合をファンに見せたいですか。

「UFC初戦とは全く違った姿を見せたい。日本のファンは僕の打撃、レスリングの進化を見てくれていた。KOする姿、チョークアウトする姿、レスリングを見続けてくれていたよね。日本のファンが見てきた、米国で戦っているファイターとは一味違うファイターだということを試合で示したい」

──では恒例になっている言葉もありますが、日本のファンに一言お願いします。

「恒例になっている(笑)。そうだね、日本の皆のことを愛している。日本でゴリラカレーをまた食べたい。皆、ゴーゴーカレーで一緒に食べよう!!」

──ゴーゴーカレーがLAのリトルトーキョーに出店してほしいですね。

「そうなれば、毎日通うよ。ところで、イノキ・メモリアルには行くのかい?」

──? そういうものがあるのでしょうか。私はMMAの記者なので畑違いですから、訪れることはないと思います。

「そうなのかい。世界中のコンバット・アスリートは繋がっている。サブミッション・レスリングとプロレスリングにも繋がりがある。僕自身、イノキ・サンを直接知っているわけでないし、年を重ねている人はいつか亡くなるものだと思っている。でもイノキ・サンはジョシュ(バーネット)の恩人だから。

イノキさんがジョシュのキャリアをサポートして、今のジョシュがある。そうジョシュが言っているんだ。今の僕があるのはジョシュのおかげだ。恩人の恩人は僕にとっても恩人だ。だから、ジョシュと12月ぐらいに日本を訪れようと思っているんだ。そういえば、今年の8月にジーン・ラベールも亡くなったよ」

──ハイ。

「彼もイノキ・サンのようにオールドスクールのレスラーだった。ジーンもイノキ・サンと同様にジョシュに大きな影響を与えた人物だからね。ジーンからはロンダ・ラウジーもインスパイアされていた。まあ、この世代の人々が亡くなる……しょうがないけど、悲しいことだよ。でも僕だっていずれそういう世代になる。だから、僕らもジーンやイノキ・サンのように次の世代に火を灯す存在でありたいね」

■視聴方法(予定)
10月16日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN212対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
アレクサ・グラッソ(メキシコ)
ヴィヴィアニ・アロージョ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
カブ・スワンソン(米国)

<フライ級/5分3R>
アスカル・アルカロフ(ロシア)
ブランドン・ロイヴァル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)
ジョーダン・ライト(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
ミシャ・サークノフ(カナダ)
アロンゾ・メニフィールド(米国)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス(米国)
ブランドン・デイヴィス(米国)

<バンタム級/5分3R>
ハファエル・アスンソン(ブラジル)
ビクター・ヘンリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ニック・マキシモフ(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<フェザー級/5分3R>
ジョアンデウソン・ブリト(ブラジル)
ルカス・アレッシャンドリ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ピエラ・ロドリゲス(ベネズエラ)
サム・ヒューズ(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
平良達郎(日本)

<ウェルター級/5分3R>
マイク・ジャクソン(米国)
ピート・ロドリゲス(米国)

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【RTU ASIA2022】福岡から世界へ。野瀬翔平─01─「そう簡単にいかないということを想定をして」

【写真】インタビューにも徐々に慣れてきた感がある野瀬(C)MMAPLANET

6月10日(金・現地時間)、シンガポールはカレンのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるRoad to UFC ASIA Episode04で元UFCファイター=ウリジブレンと戦う野瀬翔兵。

Road to UFC出場が正式発表された2日後に、野瀬は闘裸男27で修斗公式戦を戦った。なぜ、何かあったら取り返しがつかない試合に臨んだのか。今回の出場選手で、唯一の地方在住ファイターにRoad to UFC出場に向けて、どのような心境でいるのかを訊いた。


(C)TORAO

──Road to UFC出場の野瀬選手、UFC契約を賭けた戦いに挑みます。

出場が正式発表されてから2日後に闘裸男に出場し、藤川智史選手と試合をしましたね。

「僕が先生からRoad to UFCに出場できると聞いたのは、1カ月前ぐらいでした(※取材は5月25日に行われた)。その前から話はあったようですが、弘中(邦佳)先生からは聞いていなかったです
弘中 UFCの方のリストには入れてもらっている感じで、その間は伝えていなかったです。4週間ぐらい前に出場できることが決まったので伝えました。

──では藤川選手との試合、どのような気持ちで戦っていたのですか。

「絶対に勝たないといけないのは当たり前で。打撃でダウンでもしたら、脳のダメージでRoad to UFCに出られなくなるので……。それに判定でギリギリで勝っても、誰もが『行っても無駄だろう』って思うので、しっかりと差を見せて勝たないといけないと思っていました」

──UFC行きのチャンスを考えると、欠場させてほしいという風に主催者に伝えることはできなかったのでしょうか。

「先生とも相談をしたのですが、この試合に出ることでトーナメントがなくなるなら欠場したいという気持ちはありました」

──選手としては当然です。闘裸男の福岡大会、コロナで2年連続中止になりようやく開催されることになった。関係者の努力は相当のモノだったとしても、選手個人の将来を考えると……。弘中さん、その辺りはどのように考えておられたのですか。

弘中 野瀬の試合はこの話の前から決まっていて、出られるかどうか分からない状況の時に多くの会員さんがチケットを買ってくれていました。そして出られることが決まっても正式発表がないから、コレを理由に欠場とも言えない状況で。僕もケガなら、試合に出させることは絶対にしないですが、ここまで山本(陽一TNS代表)さんが努力してきた初の福岡大会で『デカい大会に出ることが決まったので、ハイ、サヨナラ』なんて人間的に……自分も義理があるので言えないです。

もう一つは野瀬の目の前で言うコトじゃないかもしれないですけど、野瀬がUFCに進むのであれば、これから2、3年掛けて修斗のチャンピオンになってからだという腹積もりでいました。だから今回は当然、試合は勝つつもりで挑みますが、現状の日本においてアジアの将来性のある選手と戦う経験ができる。そういう貴重な経験を詰めるという目的もあります。ここで転んでも彼は将来的にUFCに行く力をつけて、契約する機会に恵まれると信じているので。

それに藤川選手に負けているようでは、Road to UFCに出て勝てるわけがない。だから普通に勝ってからシンガポールへ行こうと。そうでないとUFCで戦える力なんてないという風に僕は思っていました。

──師匠との信頼関係にヒビが入ることはなかったですか(笑)。

「全然、そんなことないです。その通りだと思いました」

──近しい人もその判断を支持してくれましたか。

「誰も知らなかったです。正式発表がないから、伝えることもできなくて。会員さんやチームメイトが知ったのも試合の2日前だったので」

弘中 僕と荒牧(誠マスタージャパン福岡メインインストラクター)、本人の3人しか知らなかったです。

──なるほどぉ。しかし、色々と考える期間になり……結果として75秒の秒殺でミッションクリア。晴れてRoad to UFCに集中できたわけですね。

「試合に勝った時は『ヨッシャー』って喜ぶんですけど、今回は『良かったぁ』というホッとした気持ちしかなかったです。どこもケガがないかとか、そこばかり気になって」

──試合に勝っても、気を抜く暇もなかったのではないですか。

「ハイ。次の日、月曜日から普通に追い込み練習を始めました」

──とはいえ『ここで負けても、まだこれからがある』という言葉が弘中さんから聞かれましたか、野瀬選手のなかにも良い経験になるという考えがあるのでしょうか。

「もちろん、今までやってきた選手より強いので良い経験になるとは思います。でも、優勝するつもりで出ます。優勝してUFCに行きます」

──対戦相手は中国人元UFCファイターのウリジブレンです。どのような印象を持っていますか。

「う~ん……勝てない相手ではないです。でも楽に勝てる相手でもない。ピンチもあるけど、極めるチャンスもあると思います」

──正直、もっと自信のある言葉が聞かれるかと思っていました。

「フフフ。そんなに甘くないです。ここ最近はポンポンと極めることができていて、そうなったらそうなるかと思います。でも、そうはならない。そう簡単にいかないということを想定をして練習をしています」

──UFCの3試合を視る限り、この選手に負けていてはUFC云々ではないということになる。そのようなパフォーマンスだと自分は感じています。

「その通りだと思います。あの選手に負けるようでは『お前はUFCレベルじゃない』と言われたようなモノなので、しっかりと勝たないといけない相手です。ここで負けるとUFCという言葉を口に出すこともできないと思っています」

──チート・ヴェラに負けるのは致し方ない。そしてジョナサン・マルチネスも今は3連勝中でオクタゴン7勝3敗の選手です。ただロランド・ディに負けた試合にしても、核となる武器がないというか。掴みどころがない。中国人ファイター特有のパワフルさや空振りでも怖いパンチというモノが見られない選手かと。

「ハイ。コレが強いというのはないです。どうなんだろうなぁっていう感じの選手です。瞬発力もあまり感じられないです。ただUFC以後の試合を視ることができなくて、最近の3年間の試合をチェックできていないので──あの時より強いと思って戦います。

とにかく相手に合わせずに自分のやるべきことをやり続けます。組みは自分の方が絶対に強いと思いますし、打撃も怖がることなく組める時に組んで、極める時に極める。相手に合わせないで戦いたいです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
Episode01
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
6月9日(木・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS
Episode03
6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
6月10日(金・日本時間)
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

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MMA MMAPLANET o ROAD FC UFC UFN206   ケトレン・ヴィエイラ サンチアゴ・ポンジニビョ ジャイルトン・アルメイダ ジョセフ・ホームズ ジョナサン・マルチネス タバタ・ヒッチ チェイス・フーパー チディ・ンジョグアニ パク・ジュンヨン パーカー・ポーター フィリッピ・コラレス ホーリー・ホルム ポリアナ・ヴィアナ ミシェウ・ペレイラ ヴィンス・モラレス

【UFN206】計量終了 なるかランキング入り、四次元MMA封印のペレイラがポンジニビョと対戦

【写真】身長差はごらんの通り。ポンジニビョに懐に跳び込まれた時のペレイラのヒザ、テイクダウンがカギとなるか(C)MMAPLANET

20 日(金・現地時間)、21日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN206:UFN on ESPN+64「Holm vs Vieira」の計量が行われた。

メインは女子バンタム級の1戦でランキング2位のホーリー・ホルムに5位のケトレン・ヴィエイラが挑む。


11試合、22選手中ヘッドライナー以外でランカーはコメインのウェルター級に出場するサンチアゴ・ポンジニビョだけだ。群雄割拠のウェルター級で14位のポンジニビョと対戦するミシェウ・ペレイラはHEATとRoad FCという日韓のプロモーションで活躍してきた四次元MMAファイターだ。

ペレイラはオクタゴン4連勝中、ディエゴ・サンチェス戦では勝利を決定的にしながらグラウンド・ニーで反則負けに──実質5連勝と目を見張る戦績を残している。

さすがにダブルレッグで肩に抱え上げてショータイムスラムやバック宙、前宙、さらにはコークスクリューでパスを狙うという立体的かつスタミナをロスする技は息をひそめているが、スイッチをしつつ伸びのあるストレート、遠近両用のヒザ蹴り、さらにテイクダウンを織り交ぜたウェルラウンダーとして、実力者ぶりを発揮してきた。

対してポンジニビョはテクニカルではないが、パワフルなストライカーで右カーフ、そして右オーバーハンドとストレートはKOパワーを有している。

互いに動きが多く、アグレッシブ。相手の攻撃に対する耐久力はポンジニビョで、スタミナロスに耐える精神力はペレイラに分があるか。打撃の削り合いが予想されるポンジニビョ×ペレイラは、判定までもつれ込めばファイト・オブ・ザ・ナイト級の激闘になることが予想される。

■視聴方法(予定)
5月22日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN206計量結果

<女子級バンタム/5分5R>
ホーリー・ホルム: 135.5ポンド(61.46キロ)
ケトレン・ヴィエイラ: 136ポンド(61.69キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミシェウ・ペレイラ: 170ポンド(77.11キロ)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ: 185ポンド(83.91キロ)
ドゥスコ・トドロビッチ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ヴィアナ: 116ポンド(52.62キロ)
タバタ・ヒッチ: 115ポンド(52.16キロ)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダーソン: 186ポンド(84.37キロ)
パク・ジュンヨン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・ホームズ: 185ポンド(83.91キロ)
アレン・アメドフスキー: 186ポンド(84.37キロ)

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター: 265 ポンド(120.2キロ)
ジャイルトン・アルメイダ: 224ポンド(101.6キロ)

<ライト級/5分3R>
オマル・モラレス: 155.5ポンド(70.53キロ)
ウロス・メディッチ: 156ポンド(70.76キロ)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス: 135.5ポンド(61.46キロ)
ヴィンス・モラレス: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145ポンド(65.77キロ)
フィリッピ・コラレス: 145ポンド(65.77キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード: 115ポンド(52.16キロ)
サム・ヒューズ: 115.5ポンド(52.38キロ)

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【UFN206】ポリアナ・ヴィアナと対戦、タバタ・ヒッチ「自分の足で歩いて生きていけると日本で学んだ」

【写真】日本の思い出を本当に懐かしそうに話してくれたタバタ (C)MMAPLANET

21日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN206:UFN on ESPN+64「Holm vs Vieira」が開催される。

今大会ではLFAを経てUFCと契約を果たしたタバタ・ヒッチがポリアナ・ヴィアナと対戦する。日本の道着着用カスタマイズMMA、SEI☆ZAを拠点に活動していたタバタに日本での日々を振り返ってもらった。


――タバタ、UFC3戦目となるポリアナ・ヴィアナ戦が今週末に迫ってきました(※取材は16日(火・同)に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「試合が楽しみでしょうがないわ。ポリアナのようにUFCで4年も戦っている選手と戦う機会を得ることができて嬉しい。しっかりと準備してきたわ」

──LFAでタイトル挑戦目前というところで、フライ級でマノン・フィオホと戦うことに同意しUFCと契約をしました。

「ホントにクレイジーよね。試合の3日前にサインして。マノンは今やタイトル・コンテンダーだし、どれだけの力を持っているのかも理解していたわ。1階級上の彼女の武器に私が苦労することも分かってサインしたの。UFCは私の夢だったし、あそこで断って後悔するようなことをしたくなかった。毎日練習していて、体調に問題はなかったから。

実際、そうなったけど……あの試合で負けても、そこからUFCのストロー級で戦うことができる。このストロー級での戦いが私にとって本当の勝負ね」

──ではヴィアナの印象を教えてください。

「柔術ベースで、ハイレベルのグラップラーよね。打撃も良いところがあるけど、やっぱり寝技が強い選手。下になることもいとわない。でも、私もそういう展開は望むところよ。この試合はMMAだけど、柔術ゲームになるかもね」

──そんなヴィアナ戦、やはり柔術がポイントになると踏んで準備してきたのでしょうか。

「そうね。今はカリフォルニアに住んでいて、色々なところで練習しているけどメインジムはパラゴン柔術ベンチュラよ。それとブラックハウスのムエタイ・セッションで準備してきたわ。

日本を離れてノーギワールドに出場して紫帯ミドル級で優勝した時、フランジーニャ(ヒカルド・ミラー。パラゴン柔術総帥)が私をパラゴンに誘ってくれて、それから彼の家で居候をさせてもって私は米国に拠点を創ることがデキたの。全てはフランジーニャのおかげよ」

──フランジーニャはもともとアリアンシの柔術家ですが、タバタもアリアンシ系のアカデミー出身で縁があったのでしょうか。

「いいえ、私はマルコス・バルボーザ柔術系のアカデミー出身だから、フランジーニャはそういうことに関係なく私のサポートをしてくれたの」

──そんなタバタはなぜ、2017年にSEI☆ZAで来日したのですか。

「私がブラジルでムエタイを練習していたジムの指導者ムニ・アドリアーノに、コンタクトがあって。川崎に約1年間住むことになったの」

──日本とブラジル、全く文化も習慣も違います。戸惑うことばかりだったのではないですか。

「そうね、言葉もできないし。本当に大変だった。ネパール人女性2人(ラジーナ・ビスタとラダ・マナンダー)と、リトアニアからやってきたユリア・ストレアレンコと共同生活をして。それでも川崎に住んでいるブラジリアン・ファミリーと知り合ったし、何よりユリアの存在が大きかった。彼女は英語を話せたから、私に英語を教えてくれて。ユリアが米国で試合がある時は、私はいつもコーナーに就いているの。昨日も電話で話したし、ほとんど毎日のようにユリアとは話をしているわ(笑)」

──川崎でリトアニア人の親友ができるって、最高ですね。

「本当にMMAのおかげね。格闘技の本分よ。確かにコミュケーションを取るのは大変だったけど、日本は最高だったわ。本当に美しい国で。サムライの国で積むことがデキた経験は、私の大きな財産になっているわ。なんといっても食事が素晴らしくて。日本の一番好きなところは、ご飯かな(笑)」

──好物は何でしたか。

「ラーメンよ(笑)」

──ラーメン……アスリートがダメじゃないですか。

「分かっているわ(笑)。でも、SEI☆ZAはほとんど無差別級だったし、私はたくさん食べて体を大きくしないといけなかったから。本当にラーメンは美味しかった(笑)」

──ラーメンをすするのって、難しくなかったですか。

「あの食べ方は、私たちの国だと最悪のマナーだけど。日本の人は美味しいモノを食べる時は、音を出すのよね(笑)」

──和食の麺類のみですけど(笑)。

「本当に私の常識からはかけ離れていたわ(笑)。絶対に日本以外では、しちゃだめよ。でも日本ではそうしないといけないって思って、音を出してラーメンを食べていたわ(笑)。それにフィッシュマーケットを訪れるのも大好きだった。SEI☆ZEのチームメイトとは家族のような関係になって、普段の生活から練習まで互いに助け合い、泣いて、笑って本当に濃密な時を過ごせたわ」

──先ごろ引退した小見川道大さんは、現役生活最後の試合前にタバタとユリアがUFCで頑張っていることが凄くモチベーションになると言っていました。

「おお、アイ・ラブ・オミガワさん。オミガワさんは凄く豪快で楽しい人、でも心遣いができる優しい人で。随分と夕食も御馳走になったわ。私とユリアは引退するオミガワさんにビデオレターを送って、感謝の気持ちを伝えたの。オミガワさんと初めて会ったのは巌流島を見に行った時で。彼はジムに招待してくれて柔道だけでなくMMAの指導もしてくれたわ。そしてオミガワさんの助けがあって、私は講道館の黒帯を巻くことができたの。

私の父は柔道をやっていて日本に行くことが夢だった。その父に代わって日本に行き、黒帯になれたことを誇りに思っているわ。父も私を誇りに思ってくれているはず。それまでずっと家族と一緒に生活してきて、1人で日本に行って1年近くを過ごしてことで私は自信を手にすることができたの。

どこに行っても人間は生きていけるんだってことに、ね。誰も知らない国で、自分の足で歩いて生きていけることを日本で学べたわ。結局、理由も聞かされずSEI☆ZAが活動停止になり、もう日本に住むことができなくなって……実は沖縄でMMAを戦うという選択もあったけど、地球の逆側に戻って米国でまずは柔術家として活動しMMAを戦おうって決めたの。

でもSEI☆ZAでの経験は本当に役立っているわ。何よりSEI☆ZAからはユリアと私、2人のUFCファイターが生まれたんだもの、ね。日本の日々があったから、私もユリアも今があると思っているわ」

──素晴らしいです。ポリアナ・ヴィアナ戦後は、どのようにキャリアアップを狙っていますか。

「ポリアナとの試合でUFCの信頼を勝ち取り、今年中にランキング入りを果たしたい。そのためにポリアナ戦では打撃を見せて、一本勝ちかKO勝ちしないとね」

──タバタ、今日はありがとうございました。では日本のファンにメッセージをお願いします。

「今も日本のファンから応援のメッセージが届いて、とても嬉しくて。少しでも早く日本で試合がしたいと思っているわ。日本で教わった気持ち……リスペクトをもって戦って、皆が喜んでくれるような試合になるようベストを尽くすわ。アリガトウゴザイマス」

■視聴方法(予定)
5月22日(日・日本時間)
午前5時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN206対戦カード

<女子級バンタム/5分5R>
ホーリー・ホルム(米国)
ケトレン・ヴィエイラ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビオ(アルゼンチン)
ミシェウ・ペレイラ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
ドゥスコ・トドロビッチ(セルビア)

<女子ストロー級/5分3R>
ポリアナ・ヴィアナ(ブラジル)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<ミドル級/5分3R>
エリク・アンダーソン(米国)
パク・ジュンヨン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
ジョセフ・ホームズ(米国)
アレン・アメドフスキー(マケドニア)

<ヘビー級/5分3R>
パーカー・ポーター(米国)
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
オマル・モラレス(ベネズエラ)
ウロス・メディッチ(セルビア)

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
ヴィンス・モラレス(米国)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー(米国)
フィリッピ・コラレス(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
エリース・リード(米国)
サム・ヒューズ(米国)

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LFA MMA MMAPLANET o UFC UFN202   アルマン・ツァルキャン アルメン・ペトロシアン イグナシオ・バハモンデス イスラム・マカチェフ カーロス・ヘルナンデス キム・ジヨン グレゴリー・ホドリゲス シャオ・ロン ジョシアニ・ヌネス ジョナサン・マルチネス フェレス・ジアム ボビー・グリーン ラミズ・ブラヒメジ ラモーナ・パスカル ヴィクター・アルタミラノ 平良達郎

【UFN202】計量終了 第1試合に──平良の第2戦が戦うこともある元LFA王者アルタミラノ登場

【写真】アルタミラノとヘルナンデス、どちらかが平良の相手になることは十分にあり得る(C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN202:UFN on ESPN+60「Makhachev vs Green」の計量が行われた。

メインはヌルマゴが現役を退いた後、イーグル軍団を引っ張るイスラム・マカチェフがオクタゴン10連勝(※戦績は10勝1敗、2戦目にアドリアーノ・マルチンスにKO負けを喫している)を賭けて、160ポンド契約でボビー・グリーンと対戦する。

当初、ライト級でベニール・ダリューシュと戦う予定だったマカチェフ、ダリューシュの負傷欠場で勝って挑戦権獲得という筋書きは修正が必要になるかもしれにが、近い距離での打撃戦を許さないテイクダウン能力が、グリーンを相手に炸裂するか要注目だ。


今大会は韓国のキム・ジヨン、中国のシャオ・ロン、香港からはラモーナ・パスカルと東アジア所縁のファイターが3人もラインナップに含まれている。

しかし、ライト級のドミクル・クルーズ・スタイルの継承者イグナシオ・バハモンデスと戦うシャオ・ロンが160ポンドと大幅に計量オーバーに。ファイトマネーを40パーセントを没収され、キャッチウェイト戦を戦う機会を得ている。

この他、LFA~UFCショートノーティス・コンビといえるグレゴリー・ホドリゲス&トレンス・マッキニーが揃い踏みする。ホドリゲスはオクタゴン3連勝、マッキニーはLFA時代から5試合連続の初回フィニッシュ記録を伸ばすべきケージに足を踏み入れる。

そんなか日本のファンにとって要注目なのが、第1試合に出場するヴィクター・アルタミラノだ。LFAフライ級王者からコンテンダーシリーズを経てUFCデビュー戦を迎えるアルタミラノに対し、対戦相手のカーロス・ヘルナンデスも昨年のコンテンダーシリーズからのステップアップファイターだ。

LFA時代は纏まりはあるもののコレといった強さを見せることはなかったアルタミラノだが、コンテンダーシリーズで一進一退の攻防で、前に出る姿勢と折れない心の持ち主であるこを世に示した。

アルタミラノは平良達郎のUFC初戦の相手カーロス・キャンデミラノと、コンテンダーシリーズで対戦し競り勝っている。ガチャガチャな動きにある軸は、気持ちの強さ。平良と対戦することも十分にあり得るアルタミラノの試合──見逃すことはできない。

■視聴方法(予定)
2月27日(日・日本時間)
午前6時00分~UFC FIGHT PASS

■UFN202計量結果

<160ポンド契約/5分5R>
イスラム・マカチェフ: 160ポンド(72.57キロ)
ボビー・グリーン: 158ポンド(71.66キロ)

<ミドル級/5分3R>
ミシャ・サークノフ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ウェリントン・トゥルマン: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フライ級/5分3R>
プリシラ・カショエイラ: 125ポンド(56.7キロ)
キム・ジヨン: 126ポンド(57.15キロ)

<ライト級/5分3R>
アルマン・ツァルキャン: 156ポンド(70.76キロ)
ヨエル・アルバレス: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)
アルメン・ペトロシアン: 186ポンド(84.37キロ)

<ライト級/5分3R>
イグナシオ・バハモンデス: 154.5ポンド(70.08キロ)
シャオ・ロン: 160ポンド(72.57キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス: 145.5ポンド(66.0キロ)
ラモーナ・パスカル: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
テランス・マッキニー: 156ポンド(70.76キロ)
フェレス・ジアム: 155ポンド(70.31キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・ペレス: 144.5ポンド(65.54キロ)
ジョナサン・マルチネス: 144ポンド(65.31キロ

<ウェルター級/5分3R>
ラミズ・ブラヒメジ: 170.5ポンド(77.34キロ)
マイケル・ギルモア: 170.5ポンド(77.34キロ)

<フライ級/5分3R>
ヴィクター・アルタミラノ: 123ポンド(55.79キロ)
カルロス・ヘルナンデス: 125ポンド(56.7キロ)

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MMA UFC UFN196 ジョナサン・マルチネス ズヴァイアド・ラジシュビリ ブログ

【UFN196】学士ファイター=ズヴァイアド・ラジシュビリ、UFC初戦でマルチネスに14戦目の初黒星

<バンタム級/5分3R>
ジョナサン・マルチネス(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.292-8
ズヴァイアド・ラジシュビリ(ジョージア)

マルチネスが左ローを2発入れ、ワンツーに左を合わせようとする。左ローを続けるマルチネスに組みついたラジシュビリがシングルでケージに押し込む。アンクルピックを切ったマルチネスに対し、ラジシュビリは大内刈りから右腕を差しあげる。ダブルレッグもマルチネスが耐え、ラジシュビリは離れ際に左を当てる。姿勢を乱したマルチネスだが、すぐに立ち上がり左ローを続ける。三日月、ローと左で蹴るマルチネスは左右のローから右ミドルを返すラジシュビリに、左ミドルを蹴っていく。

左カーフを蹴られ右フックを見せたラジシュビリが右ミドル、そして右ストレートを伸ばす。ラジシュビリは右前蹴り、右ストレートと打撃戦を続ける。それでもマルチネスは右ジャブから左ストレート、最後にテンカオを繰り出した。

2R、マルチネスの右手を叩き、右前蹴り、右ストレートを繰り出すラジシュビリが右ローを蹴られる。外から蹴られると、内側からローを返したラジシュビリが踏み込んで右ミドルを蹴り、蹴り足を掴んでアッパーを繰り出す。ラジシュビリの前進に左エルボーを狙ったマルチネスは腹への蹴りをやや効かされたか。左ローから右を振るったラジシュビリが目を気にする。

マルチネスの左ハイをブロックして右を見せたラジシュビリが、右前蹴り、そして左ローを蹴る。右ミドル&右のラジシュビリ、マルチネスも右を返し、左のカウンターを当てる。左三日月を入れたマルチネスが左ハイを狙い、ラジシュビリがガードをしたところで時間となった。

最終回、マルチネスが右カーフを2発。右を被弾するも、すぐに左を打ち返したマルチネスが左カーフを入れる。ラジシュビリはローを返し、右ミドルも2Rに続き組みにはいかない。左ミドルを蹴ったラジシュビリだが、左ストレートを被弾する。続いて右ジャブを当てたマルチネスは左フックにダブルレッグを合わされたが、しっかりとスプロールする。

このダブルを切られたラジシュビリは勢いが落ちたか、右ジャブ&エルボーを被弾し距離を詰められなくなる。動いてジャブを伸ばし、ローと腹と蹴りで距離を支配するマルチネスは、3Rはほぼラジシュビリを完封しワンツーを打ち込む。左前蹴り、ハイとラジシュビリを入れさせなかったマルチネスは試合終了とともに笑顔を見せ、ラジシュビリは観念したように拍手を送った。

初回にフラッシュ気味のダウンを奪ったが、2Rと3Rと間を制されたラジシュビリはUFCデビュー戦で初黒星を喫した。


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