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Interview Special クリス・ワイドマン ブログ ユライア・ホール 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:4月─その参─ホール✖ワイドマン「カーフ」からの「パウンド」

【写真】なぜ、このような凄惨なシーンが生まれたのか…… (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年4月の一番、第三弾は24日に行われたUFC261からユライア・ホール✖クリス・ワイドマン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年4月の一番、最後の試合をお願いします。

「ユライア・ホール×クリス・ワイドマンですね」

──目を背けてしまうフィニッシュになりました。

「まぁワイドマンですけど、あの蹴り方をよくするなって思います。あれってサッカーボールキックみたいに直線的に下から蹴り上げていて。やっぱり、あの蹴り方はまぁせんよねって。

日本でもする人がいますけど、摺り上げるように蹴るという……。あれは危ないです。危ない。基本を無視した蹴りです」

──チェックというか、カーフに対してホールも若干踏み込んだ。そこでスネとスネが当たり、蹴った方のワイドマンが骨折した。結果的にスネ受けをしたような形になりました。

「あの蹴り方は、もう運任せで。ホールが少し踏み込んでいないと、脹脛を蹴ることができて、効かしていたということなんでしょうけど。そんな危ない蹴り方をよくするなって思います」

──あの試合の後も、蹴り下ろすのは当然として、青木選手のいうところのサッカーボールキックのようなカーフローを蹴る選手は続いています。

「続いていますか……。外側を叩き蹴るってことなんでしょうけど、下からふわっと蹴ってあの受け方をされると折れますよ。それと相手のスタンスを見て、蹴り方を考えないと。ホールのように立ち気味だったら、チェックもされますしね」

──蹴りが飛んでくる方にスネを向ければ良いわけですしね。

「ハイ。その通りです。僕もアップライトで構えますけど、チェックできるし。そういう選手にはあの蹴りは出せなくなるはずです」

──ここまでMMAが進化して、28年の歴史にあってなお蹴りは言ってみると基本的な技術が伝わっていなかったということでしょうか。

「まぁ米国は、ムエタイ文化がある国じゃないですしね」

──もうこれは1970、1980年代からキックも空手もロー、下段なしルールが多かった歴史もあります。

「だからコリー・サンドヘーゲンとかは、キックボクシング文化で育っているから、ああいう蹴りは使わないです。スネなんか蹴らない」

──コロラド州デンバーはムエタイとキックが他より盛んで、サバキチャレンジという大会がメジャーで、二宮城光氏の円心会館空手も根づいています。

「サンドヘーゲンもそうだし、カーロス・コンディットも蹴らなかった。もちろんケニー・フロリアンも蹴らなかったじゃいないですか」

──ケンフロはボストンにあるシットヨートン・ジムでムエタイを学んでいましたね。

「彼らのように蹴りを習ってない──蹴りの文化がなかったからこそ、ワイドマンのような蹴りを使うのでしょうね。ATTにしてもモハメド・オワリがいた時なら、カーフを蹴らせていなかったかもしれないです」

──なるほどぉ、そうですね。

「堀口選手も蹴っていましたけど、あれはもうカーフ以前にカーフを蹴ることができる要因がありますからね。立ち位置として外を取れているので、結果的にカーフなだけで。構え、立ち位置、距離、間……です。

堀口選手はディスタンスとアングルに長けているので、あそこまで外して蹴ることができる。別に殴ることだってできますからね。その状態で、足を蹴っただけで。効いたから続けた。堀口選手のカーフはそういうことだと思います」

──堀口選手は1月にインタビューをさせていただいた時に、彼自身がカーフを蹴られても、スネ受けすれば良いだけだと言っていました。

「その通りです。なんで、アレを貰うんだよって思います。アレは良くわからないです。K-1とかキックだと、構えが前足重心で、爪先もボクシング的に内側を向いているから皆が使っているけど」

──言ってみれば、脹脛を最初から晒しているわけですね。

「そうです。だから今のK-1やキックは、カーフを蹴っているけど、MMAは色々な構えがあるわけで。そういう基本的なことを知っておかないといけないです。

距離とアングル、基本的なことを考えないとダメです。基本を知って、技のメリット、デメリットを知る。食材の良さと悪さを知らないと、料理ができないのと一緒ですよ」

──そうですね、毒を持つ生物はいるわけですし。何でもかんでも見様見真似で、美味しいぞって焼いて食べるわけにはいかないです。

「パンチだってどこを当てるか、どこで打つのか。そうやって殴っているわけだし。朝倉海✖堀口恭司でいえば、朝倉選手がボクシングに傾倒して、そういう構えになっていましたしね。よくあるパターンです。

それにボクシングに傾倒すると、僕はパウンドも弱くなると思います」

──というのは?

「これは松嶋(こよみ)選手と話していたんですけど、ボクシングのパンチはパウンドに応用できないよねって。ボクシングは普通に考えて、体を使って、コンビネーションがあってのパンチなので」

──移動で出すパワーですね。対して、パウンドはその場で出る力です。

「ハイ、そうだと思っています。だからこそ、実はグラウンドのパンチは空手の突きなんじゃないかと。近い距離でインパクトがある。Fight&Lifeの対談で岩﨑達也さんが言われていた、置くという話に通じているんだと思います」

──エルボーをそうじゃないですか。ムエタイのヒジ打ちとは違います、グラウンドでのヒジは。

「ハイ。ムエタイのエルボーって、点で当ててスッと抜けていく。それをグラウンドのヒジでやると、回ってしまいそうで」

──頭より向うにヒジを持っていくことはできないし、バランスを崩すということですね。

「だからヒジも置く感じですよね。僕も勉強した結果、前腕のヒジよりの部分で当てるだけで良いって思うようになったんです。それって置くだけなんですよね。

パンチに関して言うと、グラウンドでのパンチはバックコントロールから殴る時以外は、ボクシング的な体の使い方はない──そう思います」

──振ったら、姿勢が乱れて返される恐れがでますし、頭を動かして殴るというのは、グレイシー柔術がマウントパンチを世に出した時には、なかった打ち方ですね。よく手打ちとか言われていましたが……。カーフ論から、パウンド論、ボクシングを接点に両者の非常に興味深い話を聞かせてもらえました。

「試し割りとか、寸勁とかそういうことかもしれないですね。力の伝え方で。その瞬間、ストンと置いている。その場で力を出す、そういうことなんじゃないかって松嶋選手と話していました」

──その場の力が出るということですね。青木選手の組み力と、空手の論理が融合すると──またMMAは進化しそうで楽しみです。

「そこは松嶋選手の方が進んでいますよ。彼に話を聞いてみてください。きっとそういうことだと思うんです。ただし……練習で本気で打つことができない……。試合だと実感がないから分からない──けど、多分そうだと思うという話を2人でしていたんです」

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Report UFC UFC261 クリス・ワイドマン ブログ ユライア・ホール

【UFC261】直視できない──ワイドマン、カーフをチェックされスネを骨折。ホールがTKO勝ち

<ミドル級/5分3R>
ユライア・ホール(米国)
Def.1R0分17秒by TKO
クリス・ワイドマン(米国)

左ジャブを伸ばすワイドマンが、右ローを蹴る。ホールがチェックすると、目を背けたくなる方向を爪先が向き、後方に倒れこむ。すぐにタンカがオクタゴンに持ち込まれる。完全にスネが折れたワイドマン。勝者ホールは複雑な表情を浮かべながら、「ワイドマンをリスペクトするのみだ。彼は初めて僕に黒星をつけた相手で……良い試合がしたかった。ホントに気の毒だ。この試合を見ている彼の家族が、大丈夫なことを願っている。彼が回復したら、ランキングには関係ない、僕は戦う」と話した。

後だしジャンケンだが──勝利への近道、負傷へのリスク。防御を含めた技術力が上がると、カーフは常用の技ではなくなるのかもしれない。


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UFC Result UFN ESPN+32 UFN174 クリス・ワイドマン ダレン・スチュアート デリック・ルイス ブログ

【UFN174】試合結果 オレイニクをパウンドアウト、デリック・ルイスがヘビー級最多『11』KO勝ち

【写真】ここぞ──という時のルイスのスピードと破壊力は半端ない(C)Zuffa/UFC

8日(土・現地時間)、UFN174:UFN on ESPN+32「Lewis vs Oeinik」がネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催された。

メインのヘビー級戦で初回は通好みなグラップリングを披露したアレクセイ・オレイニクをデリック・ルイスが右フックからパウンドで2R早々に倒し、UFCヘビー級の歴史で最多となる11度目のKO勝ちとなった。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=ダレン・スチュアート、ケビン・ホランド、アンドリュー・サンチェス、ジャスティン・ジェインズ

UFN174:UFN on ESPN+32「Lewis vs Oeinik」
<ヘビー級/5分5R>
○デリック・ルイス(米国)2R0分21秒
TKO
詳細はコチラ
×アレクセイ・オレイニク(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
○クリス・ワイドマン(米国)3R
判定
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×オマリ・アクメドフ(ロシア)
<ミドル級/5分3R>
○ダレン・スチュアート(英国)1R3分41秒
ギロチンチョーク
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×マキ・ピトロ(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
○ヤナ・クニツカヤ(ロシア)3R
判定
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×ユリア・ストレアレンコ(リトアニア)
<158ポンド契約/5分3R>
○ベニール・ダリューシュ(米国)1R4分38秒
KO
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×スコット・ホルツマン(米国)
< 174.5ポンド契約/5分3R>
○ティム・ミーンズ(米国)3R
判定
×ロウレアノ・スタルポリ(アルゼンチン)
<ミドル級/5分3R>
○ケビン・ホランド(米国)3R0分32秒
KO
×ホアキン・バックリー(米国)
<ライト級/5分3R>
○ナスラ・ハクパレス(ドイツ)3R
判定
×アレックス・ムニョス(米国)
<ミドル級/5分3R>
○アンドリュー・サンチェス(米国)1R4分17秒
TKO
×ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
○ギャヴィン・タッカー(カナダ)3R1分43秒
RNC
×ジャスティン・ジェインズ(米国)
<フェザー級/5分3R>
○ユーゼフ・ザラル(米国)3R
判定
×ピーター・バレット(米国)
<バンタム級/5分3R>
○アーウィン・リヴェラ(メキシコ)3R
判定
×アリ・アル・カイシ(ヨルダン)
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Report UFC UFN ESPN+32 UFN174 オマリ・アクメドフ クリス・ワイドマン ブログ

【UFN174】2Rを失ったワイドマンが、3Rを圧倒しアクメドフからしっかりと判定を勝ち取る

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン(米国)
Def.3-0:29-27.29-27.29-28
オマリ・アクメドフ(ロシア)

ワイドマンのシングルレッグを切ったアクメドフ、右にタイミングを合わせたワイドマンが組んでいくがテイクダウンは奪えない。3度のトライとなったシングルレッグでアクメドフをケージに押し込んだワイドマンだったが、胸を合わせた状態で押し返される。離れたワイドマンは左フックを当てるとアクメドフもボディフックを入れ、左フックから右を打っていく。

アクメドフはここでテイクダウンを狙い、がぶったワイドマンが離れる。直後のシングルレッグから軸足を払ったワイドマンがテイクダウンを決め、クレイドルもアクメドフが立ち上がる。そのアクメドフをケージに詰めシングルで尻もちをつかせ、腰を寄せて背中つかせたワイドマンがハーフで抑える。枕で圧を掛け、足を抜きに行ったワイドマンだが残り時間が少なくなるとエルボーに切り替えた。

2R、ワイドマンの前蹴りにワンツーを放ったアクメドフが、左を当てると組みついてテイクダウンを決める。スクランブルでバックから殴るアクメドフは、再びシングルへ。自ら離れたアクメドフがシングルレッグで姿勢を乱したが、ボディフックを打ち込む。続くテイクダウン狙いを切ったワイドマンのシングルをアクメドフも防ぐ。ワイドマンはすぐにダブルレッグを仕掛け、ケージ際でシングルにスイッチもアクメドフも倒れない。

左右のフックから左ジャブを当て、シングルを切るアクメドフは左ボディからヒザ蹴り、左ジャブを差して、左ボディフック、そしてダブルレッグを決める。ハーフから潜ろうとしたワイドマンは、立ち上がったアクメドフを蹴り上げる。寝技に固執せずスタンドに戻ったアクメドフが左ボディフック、さらに左ジャブを当てる。蹴り足を掴まれ倒れたワイドマンは、立ち上がりながらもパンチを受けシングルレッグで倒される。これほど簡単に倒される姿は珍しいワイドマン、スタミナの消耗を考えてテイクダウン防御をしないような戦い方でラウンドを失った。

最終回開始直後に左フックを被弾したワイドマンはシングルからクリンチ、ヒザを受けて離れる。直後にダブルレッグで尻もちをつかせスクランブルでバックに回ると、足を払って崩し、ワンフックで背中に乗る。フックしたのと逆の方の足をとり、バナナスプリットで出たワイドマンは、もう一度背中に回り両足をフックする。

上を向いたアクメドフはマウントを許し、肩固めを仕掛けられるもワイドマンは自ら技を解く。アクメドフはここが動きどころだが、息を整え終わったワイドマンがパンチを落とす。腰を押しに行ったアクメドフは、顔面ががら空きになったところでエルボーを被弾し背中を見せる。すぐに上を向きなしたアクメドフに対し、マウントを続けるワイドマンは再び肩固めを狙いつつ抑え込みを続ける。極めより抑えを重視するワイドマンは、リリースしてエルボーの連打へ。亀になったアクメドフに後方からパンチを入れて勝利を決定的とした3Rを戦い抜き、判定勝ちした。


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News UFC UFN ESPN+32 UFN174 アレクセイ・オレイニク クリス・ワイドマン ティム・ミーンズ デリック・ルイス ブログ ホアキン・バックリー

【UFN174】計量終了 メインはルイスとヴェウドゥム破ったオレイニク。ワイドマンは生き残り戦

【写真】スタミナが鍵、特にオレニクはいかにつかれずグラウンドに持ち込むことができるか (C)Zuffa/UFC

7日(金・現地時間)、8日(土・同)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN174:UFN on ESPN+32「Lewis vs Oeinik」の計量が行われている。

メインカード・オープニングのライト級でスコット・ホルツマンと戦うベニール・ダルーシュが3ポンドオーバー、プレリミ・メインでティム・ミーンズと対戦するロウレアノ・スタルポリは 4.5ポンドの超過となり、ともに20パーセントのファイトマネーの没収でキャッチ戦を戦うこととなった。


今大会のメインはヘビー級でデリック・ルイスが、5月にファブリシオ・ヴェルドゥムを破ったアレクセイ・オレイニクと戦い、セミでは連敗中のクリス・ワイドマンがライトヘビー級からミドル級に戻し、逆に5連勝中のオマリ・アクメドフと生き残りを賭けた厳しい試合が用意されている。

なおケビン・ホランドと対戦するホアキン・バックリーは、7月31日のLFAで勝利したばかり。8日間のインターバルでオクタゴン・デビューを迎えることとなった。またオープニングファイトではBrave CFからUFC初陣を向けるヨルダン人ファイターのアリ・アルカイシは、Titan FCバンタム級王者から2戦目の初勝利を目指すアーウィン・リヴェラと対戦。北米と中東&欧州フィーターショーからのUFCデビューが続く。

■UFN174対戦カード

<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス: 265 ポンド(120.2キロ)
アレクセイ・オレイニク: 227ポンド(102.96キロ)

<ミドル級/5分3R>
クリス・ワイドマン: 186ポンド(84.37キロ)
オマリ・アクメドフ: 185.75ポンド(84.25キロ)

<ミドル級/5分3R>
ダレン・スチュアート: 186ポンド(84.37キロ)
マキ・ピロト: 186ポンド(84.37キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ヤナ・クニスカヤ: 136ポンド(61.69キロ)
ユニア・ストレアレンコ: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ライト級/5分3R>
ベニール・ダルーシュ: 158ポンド(71.66キロ)
スコット・ホルツマン: 156ポンド(70.76キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ティム・ミーンズ: 171ポンド(77.56キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 174.5ポンド(79.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ケビン・ホランド: 183.5ポンド(83.23キロ)
ホアキン・バックリー: 185ポンド(83.91キロ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス: 156ポンド(70.76キロ)
アレックス・ムニョス: 156ポンド(70.76キロ)

<ミドル級/5分3R>
アンドリュー・サンチェス: 185.5ポンド(84.14キロ)
ウェリントン・トゥルマン: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジャスティン・ジェインズ: 146ポンド(66.22キロ)
ギャヴィン・タッカー: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ピーター・バレット: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
アリ・アルカイシ: 136ポンド(61.69キロ)
アーウィン・リヴェラ: 136ポンド(61.69キロ)