キング・グリーンらしい見事なパフォーマンスでフィニッシュ勝利😤#UFCMexico
— UFC Japan (@ufc_jp) March 1, 2026
📺 @UNEXT_fight & #UFCFightPass pic.twitter.com/rmsjdS93M9
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キング・グリーンらしい見事なパフォーマンスでフィニッシュ勝利😤#UFCMexico
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ジャスティン・ゲイジー 2.90
パディ・ピンブレット 1.43
ショーン・オマリー 1.49
ソン・ヤドン 2.70
ワルド・コルテス・アコスタ 1.28
デリック・ルイス 3.80
ナタリア・シウバ 1.24
ローズ・ナマユナス 4.20
アーノルド・アレン 3.25
ジェアン・シウヴァ 1.36
ウマル・ヌルマゴメドフ 1.07
デイヴソン・フィゲイレード 9.50
アテバ・グーティエ 1.11
アンドレイ・プリャエフ 7.00
ニキータ・クリロフ 2.30
モデスタス・ブカウスカス 1.65
アレックス・ペレス 2.70
チャールズ・ジョンソン 1.49
マイケル・ジョンソン 2.36
アレクサンダー・ヘルナンデス 1.62
ジョシュ・ホキット 1.41
デンゼル・フリーマン 3.00
リッキー・トゥルシオス 2.60
キャメロン・スマザーマン 1.52
アダム・フューギット 4.30
タイ・ミラー 1.24
2026年UFC開幕戦にして、パラマウント+移行後の初イベント。
セミに予定されていた女子バンタム級タイトルマッチ・ケイラ・ハリソン vs. アマンダ・ヌネスは、ハリソンが首のヘルニアで手術をしたため延期に。復帰までは半年ほどかかる見込み。ヌネスは2年半ぶりの復帰戦だったが、代役とは対戦せずに試合延期に。ここで調整試合を挟まなかったことが、半年後に吉と出るか凶と出るか。
メインは、イリア・トプリアの一時休業にともなって実施される、ライト級暫定王座決定戦。2度目の暫定王座挑戦となるゲイジーと、UFC7連勝で初のタイトル挑戦となるピンブレットとの対戦。
ゲイジーは14試合で14ボーナスと、UFC史上最高のボーナス獲得率を誇る激闘ファイター。
6年前の2020年に、当時の王者ハビブがコロナ禍により入国できなくなったことに伴い行われた暫定王座決定戦で、トニー・ファーガソンにKO勝ちして暫定王座を獲得。しかし、ハビブとの王座統一戦では三角絞めで一本負けし、正王座獲得はならなかった。その試合を最後にハビブが引退し、次いで王者となったチャールズ・オリベイラのタイトルに挑戦するも、またも一本負け。2023年にはダスティン・ポワリエに勝利しBMF王座を獲得するが、翌年のUFC300で行われたマックス・ホロウェイとの防衛戦で敗れて王座から陥落する。昨年は3月にラファエル・フィジエフに判定勝ちした1戦のみで、ゲイジーはタイトル挑戦をアピールしていた。タイトルに挑戦できない場合は引退も示唆しており、負ければ最後の試合になる可能性もある。
ピンブレットは2021年にUFCデビュー。当初よりUFCからはプッシュされ、3試合連続でフィニッシュ勝利したが、内容は危なっかしかった。4戦目で行われたジャレッド・ゴードン戦は、メディアのすべてがゴードンを支持する内容での判定勝ちで、これによってますます人気先行のイメージがついてしまう。6連敗中のファーガソンに勝って5連勝、ランカーの中では実力的に一枚落ちると見られていたキング・グリーンに勝ってランキング入りしたものの、まだコアなファンからは認められず。昨年4月の前戦でマイケル・チャンドラーに完勝したことで、ようやくランカーとしての実力を証明した。しかし、1位のアルマン・ツァルキャンを差し置いての挑戦には、またも物議を醸している。
強烈な打撃を武器にするゲイジーだが、近年は激闘のダメージもあり、以前のような圧倒的な攻撃力はない。ピンブレットはフィジカルを活かした極めの強さが武器。打撃は粗く、ディフェンスも甘いが勢いがある。31歳とイメージほどには若くはないが、UFCで倍のキャリアをすべてランカークラスと対戦してきたゲイジーと比べるとかなりフレッシュ。
オッズはゲイジーがアンダードッグ。ピンブレットへの期待票の部分もあるかもしれない。
予想はゲイジーのKO勝ち。しかし3R以降にもつれるようだと、ピンブレットのフィジカルに押される展開になりそう。
セミは元祖人気先行ファイターのオマリーと、中国市場に向けた切り札的存在のソン・ヤドンとの対戦。ともに、現王者ピョートル・ヤンとは対戦経験がある。オマリーは当時下位ランカーながら、トップランカーのヤンに飛び級で挑戦。勝負にならないというネガティブな予想も多い中で健闘したが、結果はまさかの判定勝ち。ピンブレット同様、この判定勝ちで贔屓されている選手という印象が強くなってしまった。次戦でスターリングの王座に挑戦するとKO勝ちで王座を獲得。初防衛戦でかつて敗れたマルロン・ヴェラへのリベンジ戦で勝利したものの、ヴェラは当時下位ランカーで、相手を選んでいるという印象を持たれてしまう。2024年にはメラブ・ドバリシビリに敗れて王座から陥落。昨年6月のリマッチでも3R一本負け。この2連戦では、1戦目の5Rに前蹴りを効かせたのが唯一の見せ場で、あとはほぼドミネイトされていた。
ヤドンも当初はテイクダウンへの対処が弱点で、微妙な判定に助けられながらも、UFCデビューから6戦負けなしだったが、カイラー・フィリップスのテイクダウンに苦戦しUFC初黒星。コーリー・サンドヘイゲンには得意の打撃で圧される展開でTKO負け。しかし、このところは組みへの対処も向上しており、ヤン戦も敗れたが互角に近い内容だった。昨年2月の前戦は、元王者ヘンリー・セフード相手にパンチとカーフキックで押す展開から、3Rにヤドンのアイポークでセフードが続行不能となり、テクニカル判定での勝利。
オッズはオマリーがフェイバリット。ここ2年(メラブとしか対戦していないが)は良いところがないオマリーだが、メラブ相手の相性が悪すぎただけで、ヤンが相手だと組みを警戒しなくていい分、得意の打撃で実力を出し切れるか。ただ、昨年のメラブ戦では元気がなかったのが気がかり。
単純に打撃だけを比較すればオマリーが有利か。両者とも、組みの展開に行くことを考えているのかどうかによって、展開は変わってくる。
オマリー判定勝ちと予想。
プレリムでは昨年のUFCデビューから3連続KO勝ちのミドル級ファイター・グーティエが登場。過去3戦はいずれもUFC未勝利の相手で、圧勝したが実力の底が見えなかった。今回の相手・ロシアのプリャエフはUFC1勝1敗。もっとランキング手前の選手との対戦が見たかったが、上位からは対戦を避けられているのか。プリャエフは未勝利ではないものの、今回もグーティエの実力が測定できない試合になりそう。
第1試合開始は25日朝7時から。速報します。
<160ポンド契約/5分3R>
キング・グリーン(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29.
ランス・ギブソンJr(カナダ)
サウスポー&ノーガードで前に出ていくグリーン。ギブソンJrは距離を取りつつ、スイッチしながら強烈な左ローを蹴る。グリーンはギブソンJrのローに左ストレートや右フックを返すが、ギブソンJrは距離を取って左ハイを蹴る。グリーンはボディへのパンチやサイドキックを見せるが、ギブソンJrはぺ―スを乱されることなく左の前蹴りとハイキック。グリーンは左ストレートを伸ばし、そこから右ボディへ。
ギブソンJrは変わらずガードを上げてサークリングする。グリーンはボディへの右の前蹴り、関節蹴り、ミドルキックと蹴りを増やす。ギブソンJrが前に出ると右フックを合わせ、そこから左フックまで返す。ギブソンJrも首相撲に持ち込んでヒジを振るが当たらない。グリーンはテイクダウンのフェイントも見せて左ボディストレートにつなげる。
手数が減ったギブソンJrだが、オーソドックスに構えて飛び込むような右ストレートを放ち、スピングバックエルボーも狙う。ギブソンJrが首相撲に持ち込もうとするがグリーンが突き放し、ギブソンJrのパンチを空振りさせた。
2R、グリーンが関節蹴りからワンツー、左ストレート、右の前蹴りを飛ばす。ギブソンJrが左ミドルを蹴ると、そこにグリーンが左フックを合わせる。バランスを崩したギブソンJrだがすぐに立ち上がり、ガードを上げて左ローやミドルを蹴る。グリーンはこれをかわしてストレートを顔とボディに打ち分ける。続くグリーンの右の前蹴りがローブローとなり、試合は一時中断となる。再開後、互いに左ハイを蹴り合い、ギブソンJrがグリーンをケージに押し込んでテイクダウンを奪う。
サイドポジションを取ったギブソンJrに対し、グリーンもすぐに亀になって立ち上がる。ギブソンJrはグリーンをケージに押し込んでヒザ蹴りを入れ、グリーンも後方のギブソンJrにヒジを入れ、ギブソンJrの両腕のクラッチを切って正対。最終的にグリーンが離れて試合は打撃戦に戻る。グリーンは右フックと前蹴り、ギブソンJrはガードを上げて左ミドルを蹴る。グリーンはサークリングするギブソンJrも右フックを打ち、右の三日月蹴りを狙う。残り10秒、グリーンが左ストレートで飛び込んで右フックまで返す。
3R、グリーンがジャブと右の関節蹴り、三日月蹴り、インローと手数を増やす。ギブソンJrはジャブのフェイントから左ミドルを蹴るが、グリーンにバックステップしてかわされる。ギブソンJrも大きくサークリングしてグリーンの攻撃を空振りさせるが反撃に転じることが出来ない。ギブソンJrが左ハイを蹴ると、グリーンはガードして自分の右手を振って効いていないとアピールする。
この状況が続く中、ギブソンJrがダブルレッグでテイクダウンを奪うが、下になったグリーンはすぐにギブソンJrの体を蹴り離して立ち上がる。試合がスタンドに戻るとグリーンが左ボディストレートから右フック、ギブソンJrも右フックを打ち返す。グリーンはノーガードで前に出続け右フックと右の前蹴り、ワンツー。グリーンがギブソンJrの左ミドルをすくってギブソンJrをこかすと、そのままグラウンドで上になる。
上四方に回ったグリーンは上体を起こしてパンチと鉄槌を落とし、ギブソンJrが亀になったところで試合終了となった。判定は2-1と割れてグリーンが勝利。グリーンが持ち前のノーガード戦法で大会4日前に急遽参戦が決まったギブソンJrから判定勝利を収めた。
【写真】Bellatorで活躍したアモソフがプレリミでUFCデビュー(C)PFL
13日(土・現地時間)、ネヴァダ州エンタープライズのUFC APEXでUFC on ESPN73「Royval vs Kape」が開催される。2025年、UFCの最終戦は2019年から6年間続いたESPN及びESPN +での配信最終イベントでもある。
Text by Manabu Takashima
既報の通り2026年度から7年間のUFCの独占放映権を77億ドル(約1兆1400億円)でパラマウントが獲得し、米国ではこれまでのPPV大会に当たるナンバーシリーズを含め、パラマウント+で全試合が中継されることとなる。
そんな歴史の転換期、節目となる大会のメインはフライ級のブランドン・ロイヴァル×マネル・ケイプの一戦だ。
UFCフライ級戦線は6日のUFC323で、ジョシュア・ヴァンが左ヒジ脱臼で試合続行不可能となったアレッシャンドリ・パントージャからベルトを奪取し、一足早く新たな局面を迎えている。
同日、平良達郎が元世界王者ブランドン・モレノに完勝しており、次期挑戦権を得たことがほぼ確実視されている。確実でなく確実視とするのは、今回のメインが残っているからだ。とはいえ恐らくは平良×モレノ戦でモレノが勝利したときのオプションがこの一戦だったと思われるのだが、果たして――。
UFC新時代到来を思い起こさせるのは、コメインのフェザー級戦だ。ランク15位のギガ・チカゼに挑むのは、オクタゴン3戦目のケヴィン・バジェホス、24歳のアルゼンチン人ファイターだ。
チカゼはUFCデビュー後に7連勝を達成し一躍トップ戦線入りを果たしたものの現在は2連敗中で、今年の3月にUFCデビューしたばかりのルーキーと相対することとなった。
GLORYで活躍した一流のキックボクサー=チカゼは、空手ベースのストライカーらしく遠い間合いで蹴りを駆使し、タイミングで戦う選手だ。一方、バジェホスはUFCメキシコで鍛え上げられたインファイトが売りのハードパンチャー。近距離化が目立つMMAにあってチカゼとバジェホスが、どのような距離で戦うことになるのか見ものだ。
また同大会ではヤーソラフ・アモソフが、特にプッシュされることなくプレリミでデビューするというUFCの異次元ぶりが垣間見られる。3度のコンバットサンボ世界王者からMMAに転じ、19連勝でBellatorと契約。7戦目でドゥグラス・リマを破り、デビュー以来の連勝を26としたアモソフは世界で最も注目されたファイターであったことは間違いない。
その後、アモソフはウクライナ紛争が起こると一時的にグローブを外し、銃を持つ選択をした。2023年2月に復帰し、この間に暫定王者となったローガン・ストーリーとの王座統一戦で勝利し、キャリア27連勝というカビブ・ヌルメゴメドフに次ぐ記録を達成した。
この無敗記録は同年11月にジェイソン・ジャクソンにテイクダウンを切られアッパーでKOされて途絶え、アモソフは昨年9月にPFL傘下のBellatorを離れた。そして今年の3月にCFFCでUFC、Bellator、PFLで9勝7敗のカーティス・ミランダ―を初回アナコンダチョークで一蹴し、再起していた。
アモソフをその他大勢のようにサラリとオクタゴン・デビューさせる一方で、対戦相手は歴戦の猛者ニール・マグニーを用意するあたりは世界最高峰UFCならでは。贅沢なプレリミマッチといえるだろう。
またアモソフのようにサークルケージで頂点に立ったわけではないが、確かな存在感を示していたランス・ギブソンJrもキング・グリーンを相手にUFC初陣を迎える。
父ランス・ギブソンはマット・ヒュームの教え子で90年代からMMAファイターとして活躍し、修斗にも来日経験がある。ギブソンSrはUFCでも1勝1敗、今大会でランディ&ライアンのクートゥアー親子、ギルバート&アライジャのスミス親子に続く3組目、そしてカナダ人初の親子鷹UFCファイターが誕生する(ギブソンJrの義母は元Bellator世界フェザー級王者のジュリア・バッド)。
さらにプレリム・フェザー級でジョアンデウソン・ブリトを相手にオクタゴン・デビューするアイザック・トムソンも注目したい。10代でアルファメールで練習するために母国・豪州を離れたトムソンは、19歳8か月で待望のLFAデビューを迎えるが、初黒星を喫してしまう。その後もタイトル挑戦目前の一戦を落とすなど順風満帆ではないキャリアながら、9勝2敗のレコードでUFCとサインした。
直近の試合は、10月のLFA219。トムソンは10勝1敗のウズベキスタン人ファイター=アクバルジョン・イスロンボエフのTD&コントロールを耐え、打撃を入れて辛くもスプリット判定勝ちを収めた。コンテンダーシリーズ・ファイトとは対照的な試合内容ながら、ステップアップできたトムソンがUFCではどのようなファイトを披露するか、注視したい。
注視したいという点では、トムソンがUFC Fight Pass時代のLFAから最後にUFCステップアップを果たしたファイターになる可能性があることだ。冒頭にあるようにパラマウントが放映権を得たUFCでは、Fight Passでも動きが見られる。
元々、米国ではESPNとESPN+で中継されていたUFC各大会。Fight PassではFight Passプレリミのみが視聴できる状態だった。それが2026年からは全てパラマウント+に移行する。この変化に伴い、ブラジルではUFC Fight Passが今年の大晦日で閉鎖され、豪州もこれに追随するという話も伝わってくる。
当然、後釜はパラマウント+になるわけだが、LFAは米国に次ぎブラジル市場を開拓し、年間20ものイベントをFight Passで中継してきた。そのLFAとFight Passの契約が今年いっぱいで満了となった。LFA以外でもカナダのUnified MMAとSamourai MMA、メキシコのLUX Fight LeagueとUAEのUAEWのUFC Fight Passでの配信も今年限りとなる。
パラマウント+が、フィーダーショーの配信をする可能性はゼロとはいえないが、MMA全般に注力するとは思えない。
UFCは世界中で放映権ビジネスを展開しており、その国々で視聴状況は違っている。日本ではパラマウント+はアマプラ、Leminoなどから追加料金を支払って接続できるサブスクだが、UFCはU-NEXTが2031年までの放映権を手にしたばかりだ。これまでU-NEXTでと同時にFight Passでも視聴可能だったが、2026年からはどうなるのか。いずれにせよ、世界のフィーダーショーを支えてきた感のあるUFC Fight Passが縮小傾向にあることは間違いなさそうだが……。
そしてFight Passとの連係で、全米とブラジルで#01フィーダーショーの地位を得たLFAの今後はどうなるのか。他のサブスクと交渉中ではあるが、LFAから1月16日のLFA224をはじめ2026年の中継情報は発表されていないのが現状だ。
場合によって今後の全米フィーダーショートップの座を、A-1 Combatやアンソニー・ペティスFC、Fury FCやCFFCが取って代わる可能性もある。2026年のFight Passの動向もコアMMAファンは注視すべきだろう。
■視聴方法(予定)
8月14日(日・日本時間)
午前9時00分~UFC FIGHT PASS
午前8時45分~U-NEXT
■UFC ESPN73対戦カード
<フライ級/5分5R>
ブランドン・ロイヴァル(米国)
マネル・ケイプ(ポルトガル)
<フェザー級/5分3R>
ギガ・チカゼ(ジョージア)
ケヴィン・バジェホス(アルゼンチン)
<ミドル級/5分3R>
セザー・アルメイダ(ブラジル)
セザリー・オエクシエイチョク(ポーランド)
<フェザー級/5分3R>
モーガン・シャリエール(フランス)
メルキザエル・コスタ(ブラジル)
<ヘビー級/5分3R>
ケネディ・ンゼチェクウ(米国)
マーカス・ブシェシャ(ブラジル)
<160ポンド契約/5分3R>
キング・グリーン(米国)
ランス・ギブソンJr(カナダ)
<女子ストロー級/5分3R>
アマダ・レモス(ブラジル)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)
<フェザー級/5分3R>
ジョアンデウソン・ブリト(ブラジル)
アイザック・トムソン(豪州)
<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
ヤーソラフ・アモソフ(ウクライナ)
<ヘビー級/5分3R>
ショーン・シャラフ(米国)
スティーブン・アスプルンド(米国)
<女子バンタム級/5分3R>
ルアナ・サントス(ブラジル)
メリッサ・クローデン(カナダ)
<ヘビー級/5分3R>
アレン・フライ(米国)
ギレルミ・パッチ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
テレザ・ブレダー(チェコ)
ジェイミーリン・ホース(カナダ)
ライト級。Taplogyランキングでは96人中ヘルナンデス20位、フェヘイラ24位。両者ともに地元テキサス在住。
ヘルナンデスは32歳。UFC9勝7敗(4KO勝ち)。キャリア17勝8敗(7KO・2一本勝ち)。レスリングがバックボーンのストライカー。UFCデビュー戦でいきなりベニール・ダリウシュに1RKO勝ちしたことで、UFCデビュー直後からランカークラスとの対戦が続いたものの、結果を残せず、一時はフェザーに落とすなど迷走。再びライトに戻してからは、TUF31準優勝ハバード、TUF31優勝のホロボーに連勝。先月のUFC319では、ライト級で5連勝中のTaplogyランキング20位チェイス・フーパーと対戦し、タックルを切ってフーパー得意の寝技に持ち込ませないまま、パンチを打ち込み1RKO勝ち。3連勝としている。
ブラジルのフェヘイラは40歳。UFC10勝6敗(5KO、2一本勝ち)。キャリア19勝6敗(5KO、7一本勝ち)。ライト級ではジム・ミラーに続く2番目の年長。バックボーンの柔術ではIBJJFのノーギ世界選手権で準優勝の実績がある。もともと柔術家として成り上がるために23歳で渡米したが、その後MMAに転向した。UFCで6連勝してランキング入りしていたことがあるが、こちらもランカー相手には安定して勝つことが出来ず、ランキングに定着することはできなかった。その後はマイケル・ジョンソンとマテウス・レベツキにKO勝ち。1月の前戦はUFC10勝1敗1分のグラント・ドーソンに組みでポジションを取られる展開で判定負けしている。
最近テキサス州ダラスに家を購入してお金が必要だったフェヘイラは、8月のUFC319でキング・グリーン戦が組まれていたが、グリーンが欠場し試合が消滅。ランキング手前の実力者となると、通常はすぐには試合が決まらないところだったが、同日に1RKO勝ちしたヘルナンデスが一ヶ月のインターバルでの連戦に臨む。
オッズはヘルナンデス1.91倍、フェヘイラ1.91倍。
オーソのフェルナンデスにサウスポーのフェヘイラ。両者さかんにスイッチを繰り返す。ロー、関節蹴りで牽制しながら距離を詰めるフェヘイラ。右を打ち込んだヘルナンデス。フェヘイラは右ミドル。ステップするヘルナンデスを追うフェヘイラだが、パンチが空を切る。ヘルナンデスが飛び込んでパンチを打ち込み離れヒット&アウェイ。ヘルナンデス左ハイ。ステップインしてジャブをヒット。ステップするヘルナンデスを捕まえられないフェヘイラ。ヘルナンデスが時折飛び込んでパンチをヒットさせる。1R終了。
2R。蹴りを放つフェヘイラ。飛び込んできたヘルナンデスに右フックを打ち込む。またステップで距離を取りフェヘイラの打撃をかわすヘルナンデス。ミドルをヒットさせたフェヘイラ。飛び込もうとしたヘルナンデスにジャブをヒット。しかし飛び込みにカウンターの右フックが入りフェヘイラ後方にダウン!すかさずパウンド連打!顔面に連続で入り意識が飛んだフェヘイラ。KO!
2R3分46秒、TKOでヘルナンデス勝利。
インタビューでは「サンアントニオで戦えるのはすごいことだよね。自分の打撃には自信があったし、必ず倒せると思っていた。今年もう1試合、俺の試合が見たいか?トップ15、マイケル・チャンドラーと戦いたい」とコメントしたヘルナンデス。これで4連勝。
ナッソージン・イマボフ 2.10
カイオ・ボハーリョ 1.77
ブノワ・サン・デニ 2.70
マウリシオ・ルフィ 1.50
モデスタス・ブカウスカス 1.32
ポール・クレイグ 3.50
ボラジ・オキ 2.14
メイソン・ジョーンズ 1.74
アクセル・ソラ 1.71
リース・マッキー 2.20
パトリシオ・ピットブル 2.80
ローゼン・ケイタ 1.46
ウィリアム・ゴミス 1.46
ロベルト・ルハワ 2.80
ウマル・シー 1.28
ブレンジソン・ヒベイロ 3.85
マルチン・ティブラ 1.91
アンテ・デリア 1.91
ハリー・ハードウィック 2.45
カウエ・フェルナンデシュ 1.59
サム・パターソン 1.56
トレイ・ウォーターズ 2.50
ブラッド・タヴァレス 1.34
ロベルト・ブリチェック 3.40
アンドレアス・ガスタフソン 1.80
リナト・ファフレディノフ 2.05
ショーナ・バノン 3.20
サム・ヒュース 1.37
2022年の初開催から4年連続での9月開催となるパリ大会。地元パリ勢(在住外国人を含む)は全員昨年のパリ大会にも出場しているが、そこから1試合しか出場していないため、年2試合となる(もちろん、昨年出場した選手でもっと試合をこなしていて、タイミングが合わずに今回出ない選手もいる)。最近は相手が決まらない等で年1試合で終わる場合もあるので、確実に年2試合できて、うち1試合が地元でできるなら、そこまで悪い条件ではないかもしれないが。
セミとメインはいずれも地元フランス勢と現在絶好調のファイティングナーズの対戦が組まれている。
メインのイマボフはダゲスタン生まれだが、現在はパリ在住で、国籍もフランス。ボクシング・コンバットサンボがバックボーンのストライカー。前戦は今年2月でイスラエル・アデサニヤと対戦し、2RKO勝ちで4連勝(アデサニヤは3連敗)となり、ランキングも現在2位。1位が前王者でチマエフに完敗したDDPのため、現時点ではもっともタイトル挑戦に近いポジションにいる。
ボハーリョは先月のUFC319で行われたミドル級タイトルマッチ・DDP vs. チマエフ戦のバックアップファイターに指名され、体重も落としたものの出番はなし。2022年のUFCデビューから、ここまで7連勝中。昨年8月にランキング5位のジャレッド・キャノニアとの対戦が飛び級で組まれて、5Rにパンチでダウンを奪いKO寸前まで追い込んでの勝利。しかしその後なかなか試合が組まれず、1年以上のブランク明けとなる。
キャノニアとやるまで上位ランカーとの対戦がなかったボハーリョ。打撃・組みと両方できるため、組みの相手には打撃、打撃の相手には組みで攻める展開が多かった。今回もストライカーのイマボフが相手だけに、組み勝負で行くのでは。
ボハーリョ判定勝ち。
セミはフランス特殊部隊出身のサン・デニと、ボハーリョと同じくファイティングナーズ所属でUFCデビューから全勝(3連勝中)のルフィと対戦するライト級戦。
ルフィは長いリーチを持つことから、ONE PIECEのルフィをニックネームとしており、ここまで12勝のうち11勝がKO勝ち。前回は元ランカーのキング・グリーンから1RKO。まだ底が知れない。
サン・デニはライト級に落としてから5連勝していたが、ダスティン・ポワリエとヘナート・モイカノに連敗。前戦はヨエル・アルバレスの代役で急遽UFCと再契約したカナダの地元選手相手に圧勝したが、格下相手だったので、オッズではルフィがフェイバリット。
メインカードでは7月にダン・イゲに勝ってUFC初勝利を挙げたばかりの元Bellator王者パトリシオが1ヶ月半のインターバルで登場。相手はチェコのオクタゴンMMAライト級王者で、今回がUFCデビュー戦となるローゼン・ケイタ。
ケイタはオクタゴンでのタイトルマッチのファイトマネーが30万ドルだったと伝えられ、推測だがUFCとの契約も並のルーキーとは違い、ある程度高待遇で迎えられたと思われる。
パトリシオと同じ元Bellator王者のパトリッキー・ミックスも、来月に予定されている次戦では元KSW王者ヤクブ・ヴィクワチのUFCデビュー戦の相手を務める。これまで鳴り物入りでUFC入りした他団体王者は、いきなりトップランカーと当てることが多かったUFCだが、初戦で潰されてしまうことが多く、結果として破格のファイトマネーで連れてきた選手が下位ランカーの咬ませ犬になってしまうことから、最低でも1人は勝ち残る外様同士を対戦させる方針にシフトしたのかもしれない。
オッズは11歳若いケイタがフェイバリット。パトリシオは前戦はダン・イゲには勝ったものの、終盤追い上げられており、まだBellator時代の強さは見せられていない。お互いUFCでの生き残りを賭けた試合。
第1試合開始は7日1時(6日深夜25時)。速報します。
【写真】セレモニアル計量では、以前の空気感に戻っていた?!チマエフ(C)zuffa/UFC
16日(土・現地時間)、イリノイ州シカゴのユナイテッドセンターにて UFC 319「du Plessis vs Chimaev」 が開催される。
日本では圧倒的に注朝倉海×ティム・エリオットが注目を集めている同大会のメインイベントは、すでに2回防衛に成功している王者ドリキュス・デュプレッシーに、無敗の挑戦者カムザット・チマエフが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi
今年11試合目となるUFCタイトル戦の中でも、この試合は世界のMMAファンからの期待度が最も高い試合の一つだ。その理由は、これまで王者のデュプレッシーと挑戦者チマエフのどちらも──それぞれ大きく異なる形で──その強さの底を見せていないことにある。
デュプレッシーは、2020年の10月にUFCデビューを果たして以来6連勝(5フィニッシュ)を経て、2024年1月にショーン・ストリックランドのミドル級タイトルに挑戦。激闘を判定2-1で制し、南アフリカ初のUFC王者となった。その後8月に元王者のイスラエル・アデサニャを4Rチョークで仕留めると、今年の2月にはストリックランドと再戦し、終始打撃でペースを支配して判定3-0で返り討ちにしている。
その戦いぶりで目立つのは、名だたる強豪達を倒し続ける世界王者としては動きがぎこちなく、洗練度に欠けているように見えることだ。特に打撃のフォームやフットワークはお世辞にも綺麗とはいえず、スピードも感じさせない。かつて戦った(そして敗れた)ロバート・ウィティカーとイスラエル・アデサニャの元王者の二人も口を揃えて「実際に対峙して驚いたのは、とにかく動きが遅いことだ」と語っている。
それでもデュプレッシーは、世界最高峰のストライカー達を前にしても強靭な身体と強固なガードを用いて下がらない。そして左右にスイッチしながら、不恰好ながら重い蹴りを織り交ぜた多彩な攻撃を繰り出し、彼らと渡り合う力を持つ。前述のコメントの後にウィティカーは、「でも、そう思ってたらいつの間にか奴のパンチをもらっていたんだよ」と苦笑した。アデサニャ戦においても、鋭い打撃を何度も被弾し消耗したかに見えたデュプレッシーは、そこで強引に距離を詰めて右を当て、逆転勝利に繋げてみせた。
また、少年時代の柔道やレスリングでも特に目立った実績を残していない王者は、スピードやキレのあるテイクダウンの使い手とは言い難い。かつては(打撃主体に戦う)ウィティカーに綺麗にダブルレッグを取られたこともある。が、立ち上がると無骨な大外刈りで投げ返し、ハーフ上から強烈なパウンドと肘を入れて大ダメージを与え、戦局を逆転してみせている。
「人は私の戦い方を『醜い』とか言うけれど、私に言わせれば『効果的』なんだよ。私の動きはぎこちないかもしれないけど、意図的にやっているんだ。みんながやっているような動きをしてもいずれ読まれて攻略されてしまうだろう」と語るデュプレッシー。決して華麗ではない打撃を当てる巧さ、不恰好でも相手を捻り倒す無類の身体の強さ、状況に応じて戦い方を変えるファイトIQの高さ、苦境に怯まない鋼鉄の精神力、仕止めどころを逃さない優れた勝負勘を持ち合わせていることは疑いようがない。
ライバル達やプロのコーチ達が揃って首をかしげるような動きをし、時にピンチに陥りながらも最後には必ず勝利を奪い取り、UFC無敗街道を征く王者。他に類を見ないその強さは、未だ解読困難で底が見えないままだ。
対するチマエフは、王者とは対照的にきわめて分かり易い形で強さを見せつけてきている。UFCデビューは王者と同じ2020年だ。7月のアブダビのヤス島大会でデビューすると、わずか2カ月で3試合に出場。その全ての試合において開始直後から一方的に攻撃を仕掛け、相手に何もさせずにフィニッシュしてみせた。3戦目のジェラルド・マーシャート戦に至っては、僅か17秒でのKO勝利。こうしてチマエフは、あっという間に世界で最も熱い注目を集める若手ファイターの座を勝ち取った。
その後コロナウィルス感染症に伴う合併症に苦しみ引退を表明する等、紆余曲折はあれどオクタゴン内で勝利を重ねたチマエフは、2023年10月のウェルター級元王者カマル・ウスマン戦でも1Rを一方的に支配し、3R判定2-0で勝利した。
さらに昨年10月には元ミドル級王者のロバート・ウィティカーと対戦。1R早々にテイクダウンを奪い背後に付くと、そのまま逃さず攻撃を続け、最後は顎の上から腕で絞め上げると歴戦の勇者ウィティカーが即座にタップ。下の前歯三本が完全に乖離して口の奥深くに押しやられてしまうという、戦慄的なまでの極め力を見せつけてチマエフは通算戦績を14戦全勝とした。誰の目にも一目瞭然の凄まじい強さを発揮し続け、底知れないのがチマエフだ。
そんな両者によるミドル級頂上決戦は、試合開始後から一瞬たりとも見逃すことができない。試合が始まるや否や様子見など一切せずに相手に迫り、打撃のフェイントから素早くも深いダブルレッグを仕掛けるのがチマエフの常套手段だ。予期していた相手がいかに反応しようとも問答無用にドライブして相手を崩し、またワキをくぐって背中に回る。一旦バックに付いてしまうと、凄まじいコントロール力を発揮して決して相手を逃さず、強烈な打撃で相手を削り、やがて恐るべき締め力で相手の首を刈る、あるいは顔面ごと破壊する──。
この誰もが分かりきっているが、名だたる選手たちが防げずにいるチマエフの必殺パターンに、比類なき心身のタフネスを誇るデュプレッシーがどう立ち向かうのかが、この決戦の第一の見所となる。
念願の世界挑戦を前に、いつになく落ち着いた様子のチマエフは「まあこれまでウィティカーや(ダレン)ティルといった、打撃主体の選手がテイクダウンを取れたのだから、僕も彼からテイクダウンを取れると思うよ」と静かに自信を覗かせている。
それに対して、強豪レスラー達を招聘してチマエフのテイクダウンに備えてきた王者は、自分は今までの対戦相手とは全く違うと断言する。
「今までカムザットと戦った多くの選手は間違いを犯していた。『テイクダウンに気を付けなければ』って思いながら試合に臨み、向こうがテイクダウンを仕掛けてくるまで何もせず、結局テイクダウンされてしまう。それじゃダメだ。戦わなければいけないんだよ。カムザットは極めて優れたレスラーだ。だからテイクダウンに来るだろうし、おそらく私をテイクダウンするだろう。
でも私もテイクダウンを仕掛けるし、彼から取るかも知れないよ。私は彼に打撃を当てるだろうし、向こうもこちらを殴るだろう。私は、その全てをまったく恐れない。そうやって全ての試合を戦ってきたんだ。殴られるだろうし、テイクダウンも取られるだろう。問題はそこでどうするかってだけだ。向こうが得意な組技の準備は万全にやってきたけど、カムザットの戦いをするつもりなど全くない。私がするのはドリキュスの戦いだ。それはつまり、世界王者たることだよ」
これまでいかなる強敵の攻撃をも受け止め跳ね返してきた王者は、今回も揺るぎなき自信をもって挑戦者を正面から迎え撃ち、あらゆる状況下において王者に相応しい戦いを貫く覚悟を示している。そこにチマエフが、誰をも圧倒してきた桁外れの爆発力をもって襲いかかった時に、いったい何が起こるのか──MMAファンとしてこれほど胸躍る1Rはそうないだろう。
もし王者が序盤のチマエフの攻撃を耐え、その勢いを止めることができたなら、試合は次のフェーズへと移行する。チマエフがプロ全14戦においてフィニッシュできなかった試合は、2022年4月のジウべウト・バーンズ戦と前述のウスマン戦だ。両戦とも1Rの攻勢を凌がれたチマエフは、2R以降は攻撃のペースが落ち打撃を被弾する場面が見られた。それでも要所でテイクダウンに入ってピンチを凌ぎ、3R判定を勝ち取ったチマエフ。が、同じことを初めての5R戦において、(ウェルター級を主戦場とする)バーンズやウスマンより遥かに体格に勝るデュプレッシーに相手に同じことができるのか。
王者は、チマエフは5Rを戦う準備はできていないと推測する。
「彼は前回のウィテカー戦でも、5R制だからといって(1Rで仕留めるという)プランを変えたりはしなかった。だから今回も、おそらく5Rあることをあまり考えずに戦ってくるだろうね。でも考えるべきだよ。5Rは長いんだから。私はそこをまったく恐れていないよ。私はフルスピードで戦うことを厭わないし、疲れた状態でも一日中戦える。何度もやってきた。だから今回も終始フルスピードで戦おうじゃないか」
直近3回の世界王座戦の全てにて4または5Rを戦い、尽きぬスタミナと比類なき精神力で総力戦を競り勝って来たデュプレッシーが、長期戦に最大の勝機を見ていることは間違い無さそうだ。序盤を凌いだ王者が、強烈にしてなんとも予測しにくい形の圧力をかけてきた時、我々は今までに見たことのない形でチマエフの精神と肉体が試される姿を目撃できるだろう。
かつてはその凄まじい攻撃力と表裏一体のような形で、精神的な不安定さを露見させていたチマエフ。試合中や直後に「全員破壊してやる!」と叫び、新型コロナの合併症に苦しんだ時は吐血した写真とともに引退宣言を投稿し、計量オーバーを犯した時には「そんなことはどうでもいい!」と開き直っていた。それは本人が戦時下のチェチェンで生まれ「幼い頃は周りが戦争しているのは当たり前で、世界中どこもそんなものだと思っていた。戦争が終わった時は6歳で、食べるものもなく苦しい生活でみんな身を寄せ合って暮らしていたんだ」と語る境遇で幼少期を過ごしたことと無関係ではないだろう。
が、昨年のウィティカー戦あたりから、メディアの前でチマエフはきわめて穏和な雰囲気を漂わせはじめている。常に微笑み、かつては言葉の端端から感じられた棘がすっかり取れた静かな口調で話すチマエフに対して、「余計に怖い」という感想が多数聞かれるほどだ。
この心の変化について尋ねられた際、本人は「長くやっていれば仕事に慣れるってことさ。初めの頃は興奮しすぎてクレイジーなことをやっていた。でもそのうちくつろげるようになるし、冷静になるというだけだよ」とだけ語っている。
が、チマエフの落ち着きは単なる「慣れ」で片付けられるものではないかもしれない。彼は近年、チェチェンのホームタウンにて子供達のために格闘技ジムを設立した。MMAは子供達には危険すぎるからケージは設置せず、まずはレスリング等の格闘技の修練をさせる方針だという。
かつて、自身の驚異的な殺傷能力をももてあますほどの危うさと刹那的な雰囲気に満ちていた若者は、今や己の繁栄だけでなく、祖国の未来に自分の生きる意味を見出しはじめているようだ。その心の成熟ぶりは、全キャリアの中で最も過酷な戦いとなる可能性があるこの大一番にて、いかなる形で本人を助けるのだろうか。
なお今大会はBellator時代にその将来を大きく買われていたアーロン・ピコが、PFLを離れてオクタゴン初陣をレローン・マーフィーを相手に戦う。冒頭に書き記したように朝倉海がエリオットと、さらにマイケル・ペイジがジェフ・ニールと戦う。彼ら3人は最近のUFCではめっきり減ったVIP待遇契約の選手たちだ。コンテンダーシリーズやフィーダーショーから契約を勝ち取り、プレリミからキャリアを踏み始めるのがデフォルトとなっているUFCにおいて、セレブ契約――つまりベスト・オブ・ザ・レストの世界最高峰挑戦に対し、叩き上げファイター達が意地を見せることができるか。興味深い、メインカード3試合だ。
また今大会ではTUF20年記念シーズン=TUF33の決勝戦が行われる予定だったが、ウェルター級決勝のホドリゴ・セジナンド×ダニイル・ドンチェンコ戦は両者の負傷で延期され、フライ級ファイナルのアリビ・イジリス×ジョセフ・モラレスだけが実施される。
またキング・グリーンの負傷により、×ディエゴ・フェヘイラ戦がファイトウィークになって消滅。UFCでは火曜日のコンテンダーシリーズの秒殺KO勝ちで、ダナ・ホワイトが最大の賛辞を送ったベイサングル・ススルカエフが、エリック・ノーランと対戦することが4日前に決定している。
チマエフのチームメイトといして、キルクリフFCでトレーニングを積んできたとはいえ、インターバルは事実上3日での連戦は異例中の異例といえる。ムスタザ・タルハを僅か184秒で倒したハンズパワーが、本来はウェルター級でCFFCチャンピオンのノーランを相手を相手に爆発するのか。チマエフの再来というべきインパクトを残すことができる――この試合も注目したい。
■UFC319対戦カード
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
[挑戦者]カムザット・チマエフ(UAE)
<フェザー級/5分3R>
レローン・マーフィー(英国)
アーロン・ピコ(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジェフ・ニール(米国)
マイケル・ペイジ(米国)
<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット(米国)
朝倉海(日本)
<ミドル級/5分3R>
ベイサングル・ススルカエフ(ロシア)
エリック・ノーラン(米国)
<ミドル級/5分3R>
ジェラエルド・マーシャート(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)
<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・ペドロ(アルゼンチン)
ニコライ・ベレテンニコフ(カザフスタン)
<ライト級/5分3R>
アレキサンダー・ヘルナンデス(米国)
チェイス・フーパー(米国)
<ライト級/5分3R>
エジソン・バルボーザ(ブラジル)
ドラッカー・クローズ(米国)
<女子フライ級/5分3R>
カリーニ・シウバ(ブラジル)
ジオニ・バルボーザ(ブラジル)
<TUFシーズン33フライ級決勝/5分3R>
アリビ・イジリス(カザフスタン)
ジョセフ・モラレス(米国)
ドリカス・デュ・プレシ 3.05
ハムザト・チマエフ 1.40
レローン・マーフィー 2.50
アーロン・ピコ 1.56
ジェフ・ニール 3.00
カルロス・プラテス 1.41
ジャレッド・キャノニア 2.64
マイケル・ペイジ 1.51
ティム・エリオット 3.50
朝倉海 1.32
キング・グリーン 2.30
ジエゴ・フェヘイラ 1.65
ジェラルド・マーシャート 2.95
ミハル・オレクシェイチュク 1.42
ジェシカ・アンドラージ 2.24
ルーピー・ゴディネス 1.68
チェイス・フーパー 1.29
アレクサンダー・ヘルナンデス 3.70
エドソン・バハボーザ 1.70
ドラカー・クロース 2.20
ブライアン・バトル 1.60
ヌルスルトン・ルジボエフ 2.40
カリーニ・シウヴァ 1.49
ジオニ・バルボーザ 2.70
ロドリゴ・セジナンド -
ダニール・ドンチェンコ -
アリビ・イディリス -
ジョセフ・モラレス -
この他、チマエフのチームメイトで、昨日のDWCSで勝ってUFCと契約したばかりのベイサングル・ススルカエフがインターバル4日でUFCデビュー試合(相手は同じくUFCデビュー戦のCFFCウェルター級王者エリック・ノーラン)も追加となっている。メインカード5試合のうち、3試合が他団体からの移籍組。
メインはミドル級タイトルマッチ。UFCで最も底が知れない選手であるチマエフがついに王座挑戦。
王者DDPはライト級王者トプリア、ウェルター級王者マダレナ、女子バンタム級王者ハリソンと同じく、UFCでは負け無しで王座を獲得。柔道・レスリング・キックがベース。強靭なフィジカルを武器に圧を掛けて打撃を打ち込んでいくスタイル。決してきれいには見えない打撃だが、Glory王者アデサニヤからも打撃で背中を向かせてからのチョークで一本勝ち。
チマエフは2020年、コロナ禍で行われたアブダビ大会でUFCデビュー。ウェルターでトップランカーとなったが、22年9月のネイト・ディアス戦で大幅体重オーバー(カードシャッフルされ、チマエフはケビン・ホランドに勝利)。それ以降はミドルに上げたが、初戦のパウロ・コスタ戦が流れて、代役で急遽階級下の元王者カマル・ウスマンと対戦。1Rはバックマウントからパウンド・チョーク狙いで圧倒したチマエフのラウンドだったが、2R・3Rはウスマンが打撃の手数で上回り、ジャッジの判断が割れる内容でチマエフの判定勝ち。前戦は昨年10月のロバート・ウィテカー戦で、タックルから組んでバックに回ると、リアネイキドチョークでウィテカーのアゴを負傷させての一本勝ち。意外にも今回が初メインとなる(過去にもメインで組まれていたことはあったがカード変更などにより消滅)。5Rマッチは3回目だが、過去2回はいずれも1Rでフィニッシュしたため、4R以上戦ったことはない。
組みの強さもありながら、打撃でストライカー相手に勝負できるDDPと、ミドル級ではトップクラスのレスリング力を持つチマエフ。チマエフは判定になったウスマン戦、バーンズ戦はいずれも序盤圧倒していながら、後半は僅差の内容となっていた。長期戦になれば尻上がりに調子を上げるDDPが有利か。
DDP判定勝ち。
セミではアーロン・ピコがUFCデビュー戦でUFC無敗(8勝0敗1分)のランキング6位レローン・マーフィーと対戦。当初は先月のアブダビ大会でモフサル・イヴロイエフと対戦予定だったが、イヴロイエフが欠場。日程をスライドさせて同じ上位ランカーのマーフィーとの対戦に。
マーフィーはボクシングバックボーンのストライカー。無敗だが、ここ5戦は判定での勝利で、接戦も多い。
ダナ・ホワイトはアーロン・ピコがPFLと契約している時にも「非常に興味がある」とコメントするなど、高く評価されていた(一方、同級王者のパトリシオに対しては37歳という年齢もあり、前向きなコメントは聞かれなかった)。レスリングとボクシングのアマチュアエリートで、キャリア初期は豪快にKO勝ちする一方でポカも多かったが、打撃だけでなくタックルからのテイクダウンを混ぜるようになってからは安定して勝てるようになった(一方、初期の豪快なKO勝ちは少なくなったが)。MMAデビューから戦ってきたBellatorではかなり保護されたマッチメイクで、強豪相手の勝利はない。
オッズはピコがフェイバリット。イヴロイエフ相手ではアンダードッグだったので、同じ無敗のマーフィー相手にこの評価は意外。
マーフィー判定勝ち。
メインカード第1試合では朝倉海が昨年12月のUFCデビュー戦以来の2戦目を行う。相手はTUF24ウィナーのティム・エリオット。エリオットはフライ級最年長の38歳。昨年5月に組まれていた平良戦を膝前十字靭帯損傷で欠場しており、1年8ヶ月ぶりの試合。
エリオットはレスリング・柔術が武器で、得意技はタックルに来る相手に仕掛けるギロチン。ムハンマド・モカエフ戦でも、ギロチンを有効に使って、3Rに逆転負けするまではポイントでリードしていた。打撃はトリッキーで組むための餌として使ってくる。
朝倉にとっては、パントージャ戦と同じく、タックルを切って打撃勝負。パントージャ戦のように、組みを警戒するあまり、打撃で遅れを取らないように気をつけたい。
第1試合開始は17日朝7時から。速報します。
ライト級。
ゴードンはUFC8勝6敗の1NCの36歳。2017年にUFCデビューし、現在8年目。UFC戦績は8勝6敗1NC。うち3試合がフェザー級契約だったが、2度は自身が体重オーバー、1度は相手が体重オーバーしており、結局フェザー級リミットでの試合はしていない。現ランキング8位のパティ・ピンブレットにはメディアのほとんどがゴードンを支持する内容での判定負け。レスリング&ボクシングのスタイル。元ONE王者のアンジェラ・リーが設立した選手のメンタルヘルスに関わる非営利団体Fightstoryの取締役も務めている。2月にカウエ・フェルナンデスとの対戦が組まれていたが、ファイトウィークに入りフェルナンデスが欠場。急遽UFCと契約した代役と対戦が組まれたものの、対戦相手が減量中の体調不良で欠場となり、試合が消滅してしまった。約11ヶ月ぶりの試合。
モイゼスはUFC8勝6敗の30歳。ATT所属。4年前に一時ランキング入りしていたこともあったが、その後は4勝4敗と勝ったり負けたりで中堅にとどまっている。敗れた相手は前王者マハチェフ、現ランカーのヨエル・アルバレス、ブノワ・サン・デニ、ルドビト・クライン。柔術黒帯のグラップラーだが、ATT直伝のカーフキックも武器としている。足関も得意としているが、一本勝ちした試合もあれば、上を取られてパウンドで攻め込まれた試合もあり、諸刃の剣。
オッズはゴードン1.82倍、モイゼス2.02倍。
両者オーソドックス。モイゼスのカーフに合わせてタックルに入りテイクダウンしたゴードン。モイゼスのガード。下からの仕掛けを狙うモイゼス。警戒して密着したまま細かい打撃を入れるゴードン。モイゼス背中を向けて立つと正対。ゴードン離れた。カーフを蹴るゴードン。モイゼスもカーフ。右をヒットさせたモイゼスだが、ゴードンの右がクリーンヒットし仰向けにダウン!追い打ちのパウンドを打ち込むとモイゼス失神!KO!
モイゼスがステップインしてジャブを打ち込んだところに右をかぶせるように打ち込みダウンを奪うと、飛び込んでのパウンドでモイゼスの意識を飛ばした。
ゴードン、ハクパラスト戦の判定負けを挟んで3試合連続の1Rフィニッシュ(キング・グリーン戦はバッティングがあったためNCだが)、チャンスに畳み掛けてフィニッシュする能力が上がっている。
<ライト級/5分3R>
マウリシオ・ルフィ(ブラジル)
Def.1R2分07秒 by KO
キング・グリーン(米国)
ルフィが腰を落として半身になる変則的な構えで前に出ていく。グリーンもガードを下げたサウスポーの構えから右の関節蹴りを見せる。グリーンはスイッチしながら左ストレートと右の関節蹴り。ルフィはそれをバックステップでかわしつつ、プレッシャーをかけて右ストレートを突き差す。ルフィはグリーンのパンチを空振りさせ、じわじわと前に出て右カーフ→左フックのフェイントから右のスピニングバックキックを放つ。ルフィのカカトがグリーンの側頭部を打ち抜き、そのままグリーンが前のめりにばたりと倒れて、レフェリーが試合をストップ。ルフィが鮮やかすぎる一撃KOで会場を沸かせた。