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【DEEP100】ムエタイ王者から、MMA初陣=ヒロヤ戦へ。雅駿介「石渡伸太郎10年チャレンジの雅です!」

【写真】鶴屋怜、雅駿介。キャリアも背景も違うデビュー戦に挑むファイターに要注目のDEEP10だ (C)TRI-FIGHT

21日(日)、東京都文京区のTDCホールでDEEP20周年記念大会=DEEP100が開催され、雅駿介がヒロヤを相手にMMAデビュー戦を行う。

あの梅野源治の後継者と目されることもあったWMCに歩インライト級チャンピオンは、なぜMMAを志したのか。そしてCAVEでMMAファイターの道を歩み始めたのか。

国内トップクラスのヒジの使い手に、MMAへの想いを尋ねた。


──今回はMMAPLANETで初めてインタビューをさせていただきます。宜しくお願いします。

「ハイ。石渡伸太郎10年チャレンジの雅駿介です。宜しくお願いします(笑)」

──おぉっ……まさかの切り返しで、黒幕の存在がヒシヒシと感じられるのですが(笑)。石渡選手は雅選手を10年掛かりで育てるという意志の表れですね。ところでMMAPLANETの読者の人たちも立ち技の国内チャンピオンだった雅選手のことは、まだ知らない人が多いかと思われます。まず、なぜMMAに転向したのかを教えていただけないでしょうか。

「もともと格闘技を始める時に、PRIDEとか見ていてMMAが好きでやりたくて千葉に方にあったチーム・アイスというジムに入会したんです。そこは今、TRY-EXキックボクシングとキックのジムになったのですが、僕も15、16歳で家の近くにあるジムを探していて週に3日がMMAで、違う3日はキックということで入会しました。

それが練習に通い始めたら、ほとんどキックの練習しかなくて(笑)。その流れでキックをやるようになったんです。でも、心の中にはMMAに挑戦したい気持ちはありました。その一方でキックもやっていて楽しくて、それでMMAにチャレンジしないままだったのですが、ベルトを獲ったりしていくなかで──このまま終わるのは違うかなという気持ちが大きくなりました。

今26歳で、今年で27歳になるのですが、MMAをやるなら最後のチャンスだと思い、昨年転向を決めました」

──10年間、MMAを始めようと思ったことは?

「ケガをしている時とか、このままMMAに移ろうかという気になったこともありました。いくつかMMAのジムに見学に行ったり、それこそ今所属しているCAVEにも行ったことがあったんです。5年ぐらい前ですかね……。

でも、キックの方も中途半端だったし、MMAを戦うにもベルトを巻くなど形になるモノを手にしてからにしようと漠然と思っていたんです。そして2019年にタイトルマッチを経験して、ベルトも巻けたので2020年からMMAをやろうと決めました」

──ベルトを獲ってからと思ったのはケジメをつけるためですか、それとも嫌らしい言い方になりますが箔をつけて注目されるようにという考えだったのでしょうか。

「ケジメという気持ちの方が大きかったです。やり切ってからじゃないとできない、中途半端じゃダメだと思っていました。ただ結果的にベルトを持っていた方が話題になって良かったと思いました。でも、あの時はそういう計算はなかったです」

──ベルトを持ったチャンピオンが、そのベルトをぶら下げてMMAに転向したという印象が雅選手には全くありません。CAVEで一からMMAの練習を積んでいるという話も聞かれていましたし。

「そうですね。キックの最後の試合が去年の2月で、正式に転向を決まったのが4月だったんです。もう緊急事態宣言が発出されていて、ジムも所属しているプロの人たちのプロ練だけ行われていたり、完全に閉まっているという状態で、新規入会は受け付けられていなかったです。

練習場所がない状態だったので、K-ClannのCORO選手と知り合いで一緒に練習したり、FIGHT FARMではキックをやっている時に立ち技のプロ練でお世話になっていた関係で、自粛期間中もプロ練に参加させてもらっていました」

──それでもCAVEに入会したというのは?

「一番は石渡さんの存在です。UFCが盛り上がっている時に、日本の格闘技界は氷河期の時代で。でも僕はキックよりMMAの方が好きだったので、UFCかPRIDEやHERO’Sとか過去の日本のMMAの映像を見ていたんです。

その時に、たまたまVTJ 2ndの石渡さんと堀口恭司選手の試合を見て、TVもやっていない時に、こんな凄い試合をする人がいるのかって衝撃を受けたんです。リアルタイムで視ていたわけじゃないのですが、本当に震えました。

ちょうど大学生で就活中で、このまま就職をして格闘技を辞めるのか、アルバイトをしても続けるのかって考えている時で。あの試合を視て、格闘技ってやっぱりスゲェと思わせてくれた石渡さんの存在が、僕の中で残っていたんです。MMAに行くなら、石渡伸太郎という人と関われるようになりたいって。あの魂が籠っている戦い方は、自分に欠けていると感じていたので」

──実際に教えを受けるようになって、思っていたところと違う印象も受けたのではないですか。

「アハハハ。良い意味でも、悪い意味でもイメージしていた人とは違っていました(笑)。凄く人間味があって、そこまでしてくれるのかっていうことにビックリする一方で、もっとMMAと同じように真面目一本槍の人だと思っていたので」

──ダハハハハ。ところで雅選手はキックという名称を使っていましたが、何試合か映像をチェックさせていただいたところ、全ての試合がムエタイルールでした。

「ハイ。厳密にいえばムエタイです。先生もタイ人ですし、ずっとムエタイをやっていました」

──ムエタイをやっている人や指導者、プロモーターですら『K-1やキックよりも難解だけど、面白いんです』という感じでムエタイを見ている面があると思います。

「あぁ、そうですね。僕もムエタイの戦い方、考え方が好きなんです。もともとMMAをやりたいというのがあったのも関係しているかもしれないですが、ルールに制限がない方が見るのも、やるのも好きでした。

立ち技の中だったらムエタイが良くて、格闘技の中だったらMMAが良かったんです」

──私はすっかり立ち技の試合は取材しておらず、見ることも極端に少ないのですが、個人的には3分✖3Rより、3分✖5Rの流れが2度変わるようなことが起こり得る試合タイムが好きでした。駆け引きがあるという部分も含めて。

「5Rあるので後半に逆転されたこともあって、そういう経験は今も生きています。駆け引きをやってきたというのは、MMAでも生きると思います。それに3分✖5Rもそうですし、首相撲とヒザ、ヒジという部分はMMAに持って来ることができたので、ムエタイを戦ってきたことはMMAをやるうえでも自信になっています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月21日(日)
午後1時45分~PPV SPWN
午後3時~サムライV

■DEEP100対戦カード

<バンタム級/5分3R>
元谷友貴(日本)
昇侍(日本)

<フェザー級/5分3R>
白川”Dark”陸斗(日本)
オーロラ☆ユーキ(日本)

<ライト級/5分3R>
北岡悟(日本)
大原樹里(日本)

<DEEP暫定ウェルター級王座決定戦/5分3R>
阿部大治(日本)
レッツ豪太(日本)

<DEEP暫定フライ級王座決定戦/5分3R>
藤田大和(日本)
渋谷カズキ(日本)

<フェザー級/5分3R>
牛久絢太郎(日本)
中村大介(日本)

<フェザー級/5分3R>
DJ.taiki(日本)
神田コウヤ(日本)

<女子フライ級/5分2R>
杉山しずか(日本)
栗山葵(日本)

<メガトン級/5分2R>
関根シュレック秀樹(日本)
誠悟(日本)

<バンタム級/5分2R>
CORO(日本)
東修平(日本)

<バンタム級/5分2R>
ヒロヤ(日本)
雅駿介(日本)

<フライ級/5分2R>
安谷屋智弘(日本)
松場貴志(日本)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
関原翔(日本)

<フェザー級/5分2R>
高塩竜司(日本)
山本歩夢(日本)

<フェザー級/5分2R>
西谷大成(日本)
井上雄斗(日本)

<フライ級/5分2R>
鶴屋怜(日本)
竜己(日本)

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Interview J-CAGE Road to ONE04  グラチアン・サジンスキ ブログ 吉野光 野瀬翔平

【Road to ONE04】草魂、魅せられるか。野瀬翔平と対戦、吉野光─01─「格闘技を続けてきて良かった」

【写真】人もまばらな名古屋駅の地下街。誰もが、今を生きている(C)MMAPLANET

22日(月)、東京都渋谷区TSUTAYA O-EASTでRoad to ONE04「Young Guns」が開催される。

5年後の日本の格闘技界を考える──というテーマを持った今大会にはONE本戦ファイターの平田樹を筆頭に修斗、パンクラス、そしてONE Warrior Seriesで戦う選手が集まる。

野瀬翔平と戦う吉野光はHEAT、Gladiator、NEXUS、Demolition XFCからPFCでキャリアを積み、ONE ウォリアーと契約した雑草中の雑草だ。

所属ジムの独立問題や、そのジムを離れ彷徨う期間もあった吉野光という雑草、その根がしっかりとJ-MMA界に張られていることを証明する──野瀬との一戦となる。


──吉野選手はなぜONE Warrior Seriesに参戦するようになったのでしょうか。

「ウォリアーのトライアウトを受けて、あの時は合格にならなかったのですが、それからONEの方からメールが何度があったんです。でも英語だから、何のことか分からなくて自分の方から返答も何もしていなかったんです」

──なんてことを……。英語ぐらい分かる人は周囲を探せばいるじゃないですか……。

「ホントにそうで……でも、あの時は放置してしまっていたんですよね(笑)。ANIMAL KOJIさんにもONEから連絡があって、実は合格になったからとONEウォリアーに出ていたんですよ。それなのに僕は所属していたZOOMERから離れて試合にも出られないような状況になっていて。

そんな時にONEウォリアー日本大会に出ませんかというABEMAの方のツイッターを見て、コメントをしたら返答があって。結果的にあの大会の出場だけでなくONE ウォリアーとも契約ができたんです」

──その間フリーとして、練習環境はどういう風に変化しましたか。

「最初はプロの選手もいないようなジムで練習をしたり……、でも柔術のレアンドロ・クサオさんがセキュリティの仕事で一緒だった時に『ウチで練習すれば良いよ』って誘ってくれたんです。昼間は塗装の仕事をしていて、先輩に頼まれてセキュリティの仕事を時々していたのですが、昼と夜に働くのは厳しいですし、すぐに辞めたのですがクサノさんに出会えて本当に良かったです。

練習自体は2カ月ほど空いていたのですが、まず柔術から練習を再開できて、そうしたISHITUNA MMAジムの林(巧馬)さんが『一緒に練習やりませんか』と声を掛けてくれました。名古屋大橋ボクシングジムにも入会し、ボクシングの練習も続けてきました。

それと1年ぐらい前からクサノさんのところでもMMAクラスが始まって。誰が指導をしてくれるということではないのですが、勢いのある日系ブラジリアンの人達がパンチを振りまわしてくるので良い練習になっています。キックボクシングも個人的に知っているプロの子と連絡を取って練習したり、意外と打撃の練習もできています」

──ONEウォリアーはパンデミック後に事実上、活動停止しています。

「ハイ。僕も2019年の12月にアリ・モタメドに負けて……」

──あの試合の判定は酷かったです。

「……僕も負けていないと思っています。ただ、だからこそ抑えるんじゃなくて殴るとか練習方法も変えてきました。そして一度、HEATのバンタム級王者だったキム・ミョンギュとのオファーがあったのですが、コロナで大会がなくなり、そこからウォリアーからの連絡もなくなっていました」

──この間、試合がまたなく国内の他のプロモーションで試合をしようとは思わなかったですか。

「4試合契約ですから、他で試合をして問題になるのは嫌だと思って、とにかく練習だけは続けていようと思いました。ここは強くなるために与えられた時間なんだと捉えるようにして。

なので今回オファーを頂いた時は、メチャクチャ嬉しかったです。まさか声が掛かるとは思っていなかったので。相手は誰でも良いから試合がしたいと思いました」

──当初の予定は奇天烈選手が相手でした。

「自分より格上の相手で、祖根(寿麻)さんが勝っているから僕も勝たないといけない──絶対に一本かKOで勝とうって思っていました。でもすぐに奇天烈選手がケガをして、対戦相手が野瀬選手に代わりました。

名前を聞いた時は誰か分からなくて。動画で試合をチェックしたら『めっちゃ強いな』って(笑)。柔道出身で、柔道は僕より強いですね。極めへのスピードもあって。でも、やるだけです」

──そう話す吉野選手が、笑顔のままなんですよね(笑)。

「いつもニヤニヤしていると言われます。でも、今回ROAD TO ONEで試合ができてホントに嬉しいです。これからの日本の格闘技のためにっていう大会で、僕は25歳で中途半端な歳で若者の部類でもないし。

これまで修斗やパンクラスで戦ったことがなく、DEEPも浜松大会でした。そんな僕があのメンバーのなかで東京で戦うことができる。これまで色々とあったけど、格闘技を続けてきて良かったです」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月22日(月)
午後4時15分~ ABEMA格闘チャンネル

■Road to ONE04 対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹(日本)
中村未来(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
長田拓也(日本)
葛西和希(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
小川徹(日本)
山中憲次(日本)

<キックボクシング54キロ契約/3分3R>
有井渚海(日本)
平松侑(日本)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
吉野光(日本)
野瀬翔平(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
岩本達彦(日本)
中田大貴(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
安芸柊冬(日本)
山北渓人(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
風間敏臣(日本)
前田浩平(日本)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
田上こゆる(日本)
リトル(日本)

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