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Shooto2020#03 (5月31日) 対戦カード 2回戦~組み技、女子トーナメント、3回戦と世界戦=ガッツリ8試合

【写真】男前に新設王座にまっしぐら──黒部三奈(C)NATURAL9

2020年5月31日(日)
Shooto2020#03

■視聴方法(予定)
5月31日(日・日本時間)、午後6時~ Abema TV格闘チャンネル

■対戦カード

<修斗暫定世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
岡田遼(日本)
倉本一真(日本)

<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
黒部三奈(日本)
大島沙緒里(日本)

<修斗女子スーパーアトム級王座決定T準決勝/5分3R>
杉本恵(日本)
中村未来(日本)

<グラップリング72キロ契約/10分1R>
世羅智茂(日本)
岩本健汰(日本)

<ライト級/5分3R>
SASUKE(日本)
西浦ウィッキー聡生(日本)

<バンタム級/5分3R>
清水清隆(日本)
小堀貴広(日本)

<フェザー級/5分3R>
石井逸人(日本)
齋藤翼(日本)

<ライト級/5分2R>
木下タケアキ(日本)
西川大和(日本)


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J-CAGE JJ Globo News Shooto2020#03 ブログ 世羅智茂 岩本健汰 青木真也

【Shooto2020#03】組み技異種格闘技戦=世羅智茂✖岩本健汰のノーギグラップリングマッチが決定!!

【写真】青木✖世羅に続き、今度は世羅✖岩本だ(C)MMAPLANET

25日(月)、サステインより31日(日)に会場非公開でABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 Supported by ONE Championshipで、世羅智茂✖岩本健汰のグラップリングマッチがAOKI PROJECTとしてマッチアップされることが発表された。

AOKI PROJECTとは青木真也が今、見たい──旬のカードやプランニングするというモノで、第1回で予定されていたプロ修斗フライ級戦=清水清隆✖平良達郎の一戦はコロナウィルス感染拡大の影響を受け、大会とともに中止されてしまった。

今回は修斗の大会のなかで、敢えて青木は日本グラップリング界の現状を憂い、また存亡を賭けてグラップリングマッチながら世羅と岩本に白羽の矢が立てた。

世羅は4月17日に開かれたRoad to ONE02で、プロジェクトの中心である青木とグラップリングマッチを戦い10分タイムアップのドローだったことは記憶に新しい。対して岩本は青木のトレーニングパートーナーであり、青木がピュアグラップリングでの知識を深め、技を練るのに欠かせないグラップラーだ。


ノーギワールドやADCC予選に挑むなど世羅は道着を着た柔術ともにノーギにもチャレンジする柔術家で、昨年のADCCアジア・オセアニア予選では岩本が優勝した66キロ級にエントリーしていたが、準々決勝で敗れ両者が組み合うことはなかった。

またMMAPLANETのインタビューで、青木戦を終えた世羅は岩本との対戦を口にしていた。その岩本はもはや柔術家という肩書きは持たず、グラップラーとして生きている。そして柔術でいえば岩本は茶帯を巻いているが、JBJJFが認可する帯制度では未だ紫帯のままだ。つまりは連盟主催の柔術では不可能な両者。思えばグラップラーの評価対象が、柔術の帯という現状も興味深い。

閑話休題。

とはいえ岩本は今やノーギ・グラップリング、特に今大会で採用されるノーポイント&サブミッションオンリー・ルールでは間違いなく日本の第一人者といえる。ADCC2019ではパウロ・ミヤオに初戦で敗れたが、当然のようにパウロとやり合う彼の組み技力が紫帯レベルであるわけがない。今年3月のZSTグラップリング=「GTF.3」でも圧巻の3試合連続一本勝ちで断トツの優勝を飾っている。

世羅も青木を相手にパスを許さず、青木が動けばニーシールド・ハーフからの作りや、リバースデラヒーバから足関節という流れを見せていたものの、それらの動きはIBJJFルール以下のポジションを許さない、またはポジションを取ることがベースとなっている足の取り方だった。

(C)SATOSHI NARITA

対して、岩本にとってのグラップリングは極めに行き着く。ポイントに関してはADCCのトップが上位とされる得点であり、IBJJFベースの世羅とはアイデンティティが違うといって過言でない。

青木✖世羅がMMAファイター✖柔術家のノーギ・グラップリングだったのに対し、今回の試合は柔術家=世羅✖グラップラー=岩本という構図が鳴り立つ。現状、日本ではトーナメント&出場料を支払う組み技トーナメントは成立させることが困難であるからこそ、プロ修斗内で見られる組み技・異文化交流は貴重、パウンド有りとは違う「組み」の魅力と怖さを日本中に届けて欲しい一戦だ。

なお同大会ではメインの修斗暫定世界バンタム級王座決定戦=岡田遼✖倉本真一、3回戦でライト級=SASUKE✖西浦ウィッキー聡、フェザー級で石井逸人✖齋藤翼、修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝=黒部三奈✖大島沙緒里&杉本恵✖中村未来、そして2回戦のライト級戦=木下タケアキ✖西川大和の5試合に加え、バンタム級で清水清隆✖小堀貴広の3回戦も22日(金)に明らかとなっており、全8試合が組まれることが決まった。

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Interview J-CAGE Shooto2020#03 ブログ 石井逸人 齋藤翼

【Shooto2020#03】インフィニティでなく齋藤翼と対戦、石井逸人「試合をしないという選択は僕にはない」

【写真】2月に一条貴洋に判定勝ちの石井、インフィティリーグ戦ではなく齋藤翼と今大会で戦う (C)SUSUMU NAGAO/SUSTAIN

31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 で、インフィニティリーグ戦線中の石井逸人が、齋藤翼とリーグ戦ではない試合を戦う。

インフィニティリーグ参戦の真意と、今回の試合に向けての意気込みを石井に訊いた。


──1週間後に齋藤翼選手と戦う石井選手です。今年はインフィニティリーグに参戦しているのですが、フライ級時代にトップ戦線に躍り出ようかという勢いがあった石井選手が、なぜ混戦状態の象徴のようなリーグ戦に出ることを決めたのでしょうか。

「自分はベルトが欲しいです。そのための発言権を得るためにも、インフィニティで優勝しようと考えたんです。長南さんが持ってきてくれた話でもありますし、好き勝手に言うためにもインフィニティ優勝っていう実績があった方が良いと思いました」

──瀧澤謙太戦の前にも同じようなことを言っていたような(笑)。

「そうですね(苦笑)。あの試合は……アレはアレで良い経験になりました。TRIBEに来て打撃に自信が持てるようになり、『当たるじゃん』って調子に乗ったところもありました。そこが今はアジャストできてきているので、今回は大丈夫です。瀧澤選手に髙谷さんがセコンドについていて、今回も髙谷さんが関係している選手なので、もう負けていられないです」

──コロナ問題でインフィニティリーグもどれだけ消化できるか余談を許さない状況ですが、それもあってインフィニティリーグ戦でなくとも試合を受けたという形でしょうか。

「まぁ、ぶっちゃけて言うとインフィティリーグで決まっていた試合が戦えなくなったからです。野尻(定由)選手との試合はコロナ問題で早々に流れて、他の出場選手ともできなかったです。皆が色々な事情があるのだろうけど、僕はコロナ問題云々でなく人生を賭けて格闘技でやっているので、同じ熱量の選手はそれほどいないんだなって……。

仕事の関係とかで試合や練習ができない人がいるのは理解できます。と同時に、そういう選手は僕と同じだとはもう思っていないです。

そのなかで齋藤選手は出てくるってことは、同じような熱量のある選手だと思いますし、思い切り戦います。齋藤選手は同じ種類の人間、根性を入れなおして殴り合いをしないとダメですね」

──今回に向けてトレーニングの方は?

「TRIBEでは変わりないです。これまでと同じです。逆にこの状況でもやるんだってことで、より結束力が高まって練習ができているかと思います。

今の自分が一番強いって胸を張って言えるので、試合をしないという選択は僕にはないです」

──練習を続けることに関して、感染の拡大を抑えようという世間の目を気にすることはないでしょうか。

「世間の目を気にしていたら、こんな生き方はしていないです。世間の目よりも、自分がやってきたことが形にできない方が怖いですし、今を無駄にできないです。

もちろん手洗い・うがい、ジム内もしっかりと消毒していますし、僕は家とジムしか行き来していない。体調不良の人間が出たら黙っているようなことはないですし、やるべきことをやって積んできたと思っています。

大会自体もRoad to ONE02でケージサイドは防護服で、消毒も念入りだったと聞いていますし、でもABEMAで見ていたらバイオハザードみたいでした(笑)。異様な空間には見えます。UFCのようにPRC検査や抗体検査があれば良いのですが、日本はそういう状況でないなかで、大会を開いてくれる人たちもコロナ対策はできるだけのことをしてくれています。PCR検査があれば安心できますが……あの鼻に棒を突っ込まれるのは怖いですよね」

──……ケージでMMAを戦う人が何を言っているのか(苦笑)。ところで、根性を入れて殴り合うという言葉がありましたが、それは気持ちの問題ということですか。

「ハイ、そう戦うということではないです。作戦らしい作戦も立てていないですし、どの局面になっても戦えるだけのことはやってきました。要点は絞って、その場で必要なことをやろうと思います。3Rとも削って取って、終ってみれば石井の完封だったという試合にしたいです」

──長南さんがアップしている上久保(周哉)選手とのスパーリングの映像を拝見させてもらいました。

「あれは疲労のピークの時だったんです……」

──いやぁ、封じ込みに掛かる上久保選手に対して、よく動けていると思いましたよ。

「上久保さんとは今、週に2回は組ませてもらっています。自分の理想は上久保さんと和田竜光さんの寝技なんです。あの2人の寝技を吸収したくて。動き回るより、要所を押させた試合がしたいです。こっちに来てボコボコにされた2人なので、自分をそういう風にした人たちのようになりたいです。ただし、以前のように動くことができる局面もあるので、そのためにも2人のような寝技を取り入れています」

──だからこそ、この間も積んでいることを出したい試合になりますね。

「この状況下での試合だから、特別だという意識はないです。いつも通りの感覚でやります。どの試合も自分にとっては頑張らないといけないですし。自分の頑張りを見て欲しい人がたくさんいます。その点でも、いつも通り戦うだけです」

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Interview J-CAGE Shooto2020#03 ブログ 倉本一真 岡田遼

【Shooto2020#03】キャリア2年半で修斗の挑戦へ。岡田遼戦を控えた倉本一真「学校とMMAは違いますよ」

【写真】 無敗、絶対の自信があって然り(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 で、倉本一真が岡田遼と修斗暫定世界バンタム級王座決定戦を戦う。

グレコローマンレスリング日本代表から、修斗へ。プロデビューは2017年12月、つまり2年半で修斗の頂点を狙う倉本は、岡田の「MMAは5教科7科目」発言を一笑に付した。


──8日後に岡田選手と世界バンタム級王座決定戦が迫ってきました。今回の試合は新型コロナウィルス感染拡大に伴う緊急事態宣言がなされたなかで調整が必要になりました。

「最初にこの試合があると聞いたときは、まだ世の中はコロナ、コロナってなっていなかったので、いつもと変わりなく調整していました。もともと去年の根津さんとの試合で怪我をして、練習が思い切りできるようになったが1月の終わりごろからなので、ちょうどそのタイミングで今回の試合にむけて、練習はしていました。

ただ、コロナ問題が大きくなってからは一般の会員さんはジムに来られなくなったので。それでもジムのプロの人間には練習を手伝ってもらってきましたし、これまでと比較すると練習量は減りましたけど、やれることはやってきました。公園を走ったり、1人でもできることはあるし、調整不足とかは全く思っていないです」

──話に出た根津戦に勝利して、次が世界戦だという心構えはありましたか。

「チャンピオンは佐藤将光選手なのですが、いきなりやらせてもらえないのは理解していました。僕の上には環太平洋王者の岡田君がいたから、順番抜かしはないやろうと。それなら岡田君が挑戦して勝った方がとやるんかなぁとか、僕が岡田君に勝って佐藤選手に挑戦する方が早いかなって思っていました。

僕的には3月か4月に試合がしたかったですけど、こういう状況ですし、しかも怪我もあったから……まぁ5月でエェかと」

──では岡田選手の印象を教えてください。

「岡田君は誰もが思うはずですが、何でもできる選手……何でも無難にできる選手だと思っています」

──その岡田選手はMMAPLANETのインタビューで、倉本選手は3教科だけだと自分より絶対に強い。でもMMAは5教科7科目なので、自分とは差があるという発言をしました。

「読みました、それ(笑)。勉強に例えること自体が、僕には意味が分からないです。何が言いたいんやろうかって(笑)。引き出しの数がどうこうって言うていたそうやし。でも国立大学がどうだとか、5教科7科目って……MMAは混ぜくちゃになっているし、例えになっていないやろうって。学校とMMAは違いますよ。絶対的に例えが間違っている。

勉強とMMAは違うし。MMAは入試じゃないから。単純にそれは例えが間違っていますっていう話です。それって、僕がジャーマンしかできないってイメージなんでしょうし。そう思ってくれている方が良いです。僕ももうすぐMMAを始めて3年ですけど、根津さんとの試合が終わってからも成長していますし、あの試合とは違う試合が絶対にできます。これまでの僕の試合を見て、そういう風に思っているんだったら痛い目に合いますよ」

──バックスープレックスがない倉本一真の強さというのは?

「別にジャーマンをやろうと思ってやっているんじゃなくて、試合の流れで使っているだけなので。ジャーマンじゃなくても、ナンボでも投げ技を持っています。やっぱり僕は相手を浮かして落とすことは、得意技ではあるので。それは決してジャーマンだけでなく、誰よりも強みで出せるときは出します」

──浮かして落とす。どのようなバリエーションがあるのか、個人的に楽しみです。

「結構、ありますよ(笑)」

──バックスープレックスでなく、カレリンも見てみたいですね、MMAで。

「俵返しですか(笑)。カレリンは半端ないです。持ち上げると、全部ひっくり返しますからね。まぁ、僕も組めばなんでもできます」

──つまり組むまでの過程で、根津戦からどれだけ成長しているのか。そこが鍵になります。

「組まないと勝てないのかってなると、別にそうじゃないように練習はしています。スタンドの打撃でも、やりあえるよう練習していますし、寝技もやっています。

根津さんの試合は、下手くそのくせに遠い距離からテイクダウンを狙って失敗して、良い勉強させてもらいました。無暗やたらと組みに行っても……。僕はフリーもやっていたんですけど、ダブルレッグとかシングルで勝ったことないんです」

──フリーでの主武器は何だったのですか。

「組まれたら潰して、投げて勝っていました。高校の時は全国で優勝しているんですけど、自分からテイクダウンに行くことがなくて……」

──あぁ、それはMMAで米国のレスラーが勝つスタイルでもありますよね。受けの強さがあるので、ジャブだけで勝てるとか。

「パンチが当たる距離は、組める距離です。それに僕に組まれたくないからって、岡田君はグルグル回っていても勝てないですよ。それに根津さんと試合して、止まっていたら蹴られるし、殴られるってことは学びました。こっちが狙い過ぎると、食らいます。ああいう打撃の距離を取らせないで、殴られないで戦おうと思います。貰いません……デキる限り。それが僕の距離であり、間合です」

──ところで5分✖5Rは初めてですね。

「まぁ、そこまでいかないと思います。そんなに時間を掛けずにKOします。何でKOするかは分からないですけど、スタンドの打撃か、ジャーマンなのか。一本かもしれないです。何で終わらせるか分からないですけど、自分の体が勝手に動くと思います。判定なんて面白くないんで、フィニッシュします。ちゃんと勝って、次にデカいところへ行きたいので」

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Shooto2020#03 ブログ 倉本一真 岡田遼 未分類

【Shooto2020#03】暫定バンタム級王座決定戦で倉本一真と対戦、岡田遼─02─「MMAは5教科7科目」

【写真】ATTで積んだものとは別に、彼が修斗を始めてから12年をブル蹴る試合になる (C)MMAPLANET

31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 。同大会のメインで倉本一真と暫定世界バンタム級王座を賭けて戦う岡田遼インタビュー後編。

ATTでの練習成果を感じる、特殊な状況下での準備期間を経て、岡田は倉本との対戦にどのような想いでいるのかを訊いた。

<岡田遼インタビューPart.01はコチラから>


──それがタイトルの重みですか。

「僕は試合があるけど、試合の予定が決まっていないジムの仲間が協力してくれています。もう本当に自分が感染して、彼らにうつしたらどうしようという想いもありました。それでも、これまでにない状況で練習をするしかない。ここを乗り越えてこそチャンピオンになれる資格がある──そう自分に言い聞かせています」

──その練習でATT成果は出ていますか。

「出ています。それは断言できます」

──扇久保選手との練習でもそれを感じることができるのですか。「扇久保、弱ぇよ」みたいな(笑)。

「いやいやいや、ホント、扇久保さんのこと好きですよね(笑)。でも扇久保さんとの練習でも、ホントATTで練習してきたことの正しさを確認できています」

──ところで神田コウヤ選手は天皇杯5位、鶴屋玲君も高校レスリングの強豪です。それでも倉本選手のレスリング力は、日本のMMAにあって別次元かと。

「レスリングの実績でいえばその通りですね。あの根津選手があれだけ投げられる。それはそれは衝撃的でした。と同時に、あの試合を見ることができたことが、僕にとっては凄く有利に働くと思います。

生物として身体能力のポテンシャルは圧倒的に負けています。でもMMAの選手として、彼とはまだ実力差があると思っています。僕がそうだったんですけど、国立大学に進むのって5教科7科目勉強しないといけないんです。同じ分野に進むとしても私立大の入試って英・国・数学だけなんです。英・国・数学だけの点数だったら、多分僕は倉本選手に勝てない。でもMMAは5教科7科目なんです。英・国・社・理・数学という5教科7科目なら、僕の方が上です」

──電話取材なのですが、きっと凄いドヤ顔しているんでしょうね。でも、腹黒出木杉君らしい凄く嫌なモノの例えです(笑)。

「アハハハハ」

──その5教科7科目という総合力で打撃だけなら特待生ジアン・クラウド・サクレッグに優等生が勝ったと。

「ハイ。トータルの点数で上回ったので、俺が勝ったと思っています」

──センター試験で670点ぐらいの内容だったかと……。

「全部が平均点より、少し上みたいな(笑)。でも、なかなかの評価をしてもらったと思うようにします。次の試合でも、それぐらい取れるような試合をします」

──倉本選手の能力がペーパーテストでは測り知れないもので、三教科で850点ぐらいの力があったらどうしますか。

「アハハハ。また、意地悪な質問をしてきますね。そうしたら、俺の点数足らないじゃないですか(笑)。でも、それもMMAなんですよねぇ……一点突破が総合力を上回ることがある……。想定外のパワーだったり、想定外の何かが起こるのも……。それが想定外にならないよう想定して戦います」

──それにしても、興味深い対戦です。その要因が倉本選手のダイレクトに強さが伝わる戦い、そして未知数の部分だと思います。

「それは僕も分かります。特にこの間の根津選手との試合でも、倉本選手は見ている人に分かりやすい武器を持っている。ただし、さっきも言ったけどあの試合を見ることができて本当に良かったです。僕には彼のような分かりやすい武器はないですけど、『なんだか分からないけど、倉本の良いところが出ないなぁ』という感じの試合をするので、そこを見て欲しいです」

──う~ん、その言葉が試合を盛り上げようとかということでなく、心の底からそう思っていることが口調から感じられます。

「ぜんっぜん本音の本音ですよ。全然、本音です。差があると本当に思っているので。試合をABEMAで視てくれるファンの人たちにとって、とても分かりやすい試合になるかどうかは分からないです。でも、MMAが心の底なら好きな人おいは『おっ、岡田っ!!』って思われる試合をします」

──それがどういうMMAなのか、一言だけヒントを貰えないですか。

「MMAはMMA。でも現代MMAだけじゃないんです。あらゆる面で武器が多いのは、僕のほうです。それを見せます」

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【Shooto2020#03】暫定バンタム級王座決定戦で倉本一真と対戦、岡田遼─01─「ATTで世界との差を──」

【写真】一途だが、純粋ではなく──常識人だが、わきまえていないところが岡田の良さ (C)MMAPLANET

31日(日)に会場非公開のABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol.3 。同大会のメインで現修斗環太平洋バンタム級チャンピオンの岡田遼が、倉本一真と暫定世界バンタム級王座を賭けて戦う。

修斗の出木杉君は、強くなることに関しては傲慢だ。そして一途でもある。倉本との世界戦に向け、ATTで過ごした1カ月をまず岡田遼に話してもらった。


──待望のプロ修斗暫定世界王座決定戦が迫ってきました。この間、世の中は大変な状況に陥っていますがタイトル戦はいつ頃決まったのでしょうか。

「5月のこの時期に世界戦があるというのは環太平洋王座の防衛戦が終わってすぐに内々に聞いていました。ただ暫定で倉本選手と戦うのは1月の後半に決まった感じでしたね」

──では岡田選手のなかでは、当初は佐藤将光選手に挑戦する腹積もりだったのですか。

「暫定で倉本選手と戦うと聞かされるまでは、佐藤選手に挑戦するんだと思っていました。それもあって、米国へ練習に行こうと……。僕としては佐藤選手がベルトを返上しないのは防衛戦をする気持ちがあるのかなとか考えていて。でも僕が佐藤選手の立場だったら、ONEで連勝してタイトル挑戦も見えてきたのに……『うるせぇ、黙っていろ』ってなりますよね(苦笑)」

──アハハハ。そうなりますよね。ところで安藤達也選手と戦う前にONEに行きたいと言っていた岡田選手ですし、ここは正規王座が欲しいところですか。

「僕、ONEに行きたいって言っていましたっけ? いやぁ、あの頃はそういう気持ちだったのかもしれないですが、今は……UFCに行きたいです。ATTの練習を経験して、そう強く思うようになりました」

──あぁ、それは良かったです……ラカイに行かなくて。

「アッハハハハ。いや、あの時はスミマセンでした。鶴屋さんが僕が海外で練習したいと言っていたから、高島さんに連絡して相談に乗ってもらって……」

──バギオの高地で、ケビン・ベリンゴンやスティーブ・ローマンと練習すればと。

「ホント、スミマセン。僕は米国でUFCファイターに触れたくて……どうしても」

──いえいえ、自分としては気になっているのが懐具合だったので。鶴屋さんならともかく……米国に行くと金が掛かるからアジアの方が良くないですかと返答させてもらって。米国に行けるのであれば、米国が一番です。

「世界のトップと自分にはどれぐらいの差があるのか、単純にそれを知りたかったんです。で2月から3月の最初にかけて1カ月間、ATTに行ってきました」

──差を知ることはできましたか。

「完全に……1カ月の練習が、日本の1年分ぐらいに感じました。皆、同じことをやってくるんです。ATTのプレーモデルのようなモノがあって。壁、ボトムになった時のスクランブル、がぶられた場合、バック取られた時の崩し方とか、皆同じ反応で迷いがない。

僕は考えてしまうんです。そういう局面になると。そこに明確な差がありました。技術の精度、練られている練度に『ここまで差があるのか』と感じました。でも、UFCと日本の試合のクオリティを考えると当たり前のことだったんですよね……」

──う~む……。

「スパーリングの時も、ATTのコーチの判断でUFCのトップどころとはなかなか交わらせてもらえないんです。それが僕の実力なんだと……僕はTitan FCのチャンピオン達とやらせてもらうような感じでした」

──修斗環太平洋王者がTitan FC王者クラスと。あのう……。

「分かります。それが当然ですよね。悔しかったですけど、実力差が明白だから受け止めるしかないです。ただ、そんななかでもアレッシャンドリ・パントージャとやらせてもらったことがあって、『扇久保さん、すげぇなぁ。コイツに勝ったのかよ』って(笑)。

それとハニ・ヤヒーラは結構相手をしてくれたのですが、金原選手と田中選手の凄さが理解できました。ハニ・ヤヒーラに極められないことがどれだけのことか……堀口選手もヤヒーラにはやられちゃうって言っていましたし。もちろん、俺はボコボコにされました。よく金原選手と田中選手は、ヤヒーラとやって極められないで3R戦い抜けたなと尊敬します。

それに金原選手はボディを効かせていたし、田中選手が肩固めを耐えていたんですけど、『なんで、この極め力の強い選手から逃げることができたんだ』って本当に心の底から思いましたよ(苦笑)」

──試合と練習の違いはあるかと思いますが……。

「いやぁ、でもホントに極め力がありました」

──いずれにせよ、素晴らしい経験ができましたね。

「1カ月間、マイク・ブラウンや他のコーチが指導してくれたことを日記に書き残しているので、帰国してからも内藤弟と反復練習しています。正直、もう一度行きたいです。そして皆で共有するとパラエストラ千葉ネット自体が強くなれると思います」

──3月に帰国し、世の中が一気に変わりました。

「そうですね……ATTも帰国してすぐに全館休館になり、もう少し帰国が遅いと僕も自主隔離とか必要になるところでした」

──不要不急の濃厚接触を避ける世の中で空気です。

「ハイ。でも試合が決まっていたので。さすがに出稽古はできないですが、鶴屋さんもジムは閉めても『お前はやれ』と言ってくれて、僕のために少人数で徹底して倉本戦に向けて練習してきました。扇久保さん、神田コウヤ、鶴屋さんのところの怜君と徹底して……」

──完全にレスラー対策メンバーですね。

「ハイ。でも、この状況でMMAの練習をするということには迷いはありました。こんなことをしていて良いのか、と」

──岡田選手は一般的には常識派ですから。

「それでも、試合があるなら格闘家は練習するのが当然です。なので、この試合が発表されてからは吹っ切っています。チャンピオンシップなんだから、水抜きするのも当たり前だし」

<この項、続く>

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J-CAGE News SASUKE Shooto2020#03 ブログ 倉本一真 岡田遼 木下毅顕 石井逸人 西川大和 西浦ウィッキー聡生 黒部三奈 齋藤翼

【Shooto2020#03】5月31日無観客大会の追加カード発表。2回戦で注目の木下タケアキ✖西川大和が実現

Nishikawa vs Kinoshita【写真】2回戦ながら注目度の高い一戦となる西川✖木下(C)MMAPLANET

8日(金)、サステインより31日(日)に会場非公開でABEMAテレビマッチとして開催されるProfessional Shooto2020 Vol,3 Supported by ONE Championshipの追加対戦カードが発表された。

暫定世界バンタム級王座決定戦=岡田遼✖倉本真一に続き明らかとなったのは、3回戦でライト級=SASUKE✖西浦ウィッキー聡、フェザー級で石井逸人✖齋藤翼、修斗女子初代スーパーアトム級王座決定トーナメント準決勝=黒部三奈✖大島沙緒里&杉本恵✖中村未来、そして2回戦のライト級戦=木下タケアキ✖西川大和の5試合だ。


コロナウイルス感染防止を徹底し行われる今大会は出場選手の免疫力の低下を防ぐために、水抜き減量による体重調整を極力排除することが伝えられていた同大会だが、男子の3試合は通常階級より1階級上で組まれている。なお、女子トーナメントに関しては体重に関しては特にリリースでは触れられていない。

西浦は元々4月17日に開催されたRoad to ONE02で論田愛空隆と対戦予定も、同大会にスライドされ論田の負傷欠場でSASUKEの対戦とあいなった。さらにはバンタム級インフィニティ・リーグで、キャリアの再構築に踏み切った石井は、引き分けを挟んで7連勝後に藤井伸樹に敗れた齋藤とマッチアップに。譲れない、気持ちの強さのぶつかり合いとなろう。

そんな3回戦に負けじと注目されるのが、ライト級の2回戦=木下✖西川の対戦だ。KWF極真会館・武心塾出身の木下は2015年KWU(極真世界連合)世界大会え80キロ級で準優勝の実績を持ち、左上段回り蹴りの使い手として知られていた。プロデビュー前にK-MMA界の未来=ユン・チャンミンを格闘代理戦争のワンマッチにおいて左ハイでKOし、MMAでもその威力をまざまざと見せつけていた。

しかし修斗デビュー後はキャリアで大きく上回る久保村ヨシTERUに反則負け、再戦でも58秒でKO負けするなど苦い水を味わった。その後は31秒、84秒と秒殺KOでらしさを見せつけている。そんな木下に対するは、北のMMAを背負って立つ17歳=西川大和だ。

父に格闘技指導を受け、PFCでアマチュアからキャリアを積み、韓国のTOP FCや国内でもNEXUSとステップアップを図るや、立ち技でもシュートボクシングで元王者の坂本優起に勝ち、4月17日のRoad to ONE02では緑川創に判定負けを喫したものの、その健闘ぶりで一気に注目度を高めた。日本MMA界の老舗、修斗デビューへの踏み絵となる試合で、周囲の評価を絶対的とした。

一撃の香りを残す木下と、日本にも出てきたガチャガチャMMA世代の西川が、どのようなMMAを繰り広げるのか──非常に興味深い最大10分間の戦いだ。

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J-CAGE News Shooto2020#03 ブログ 倉本一真 岡田遼

【Shooto2020#03】狡猾さを併せ持つ出木杉君=岡田遼✖投神=倉本一真で、暫定バンタム級王座決定戦

Shooto【写真】プロ修斗公式戦でも、このようなシーンが見られることになる (C)MMAPLANET

5日(金)、サステインより5月31日(日)に会場非公開でABEMAテレビマッチとして開催される大会が、3月の後楽園ホール大会が中止されたことを受けProfessional Shooto2020 Vol,3 Supported by ONE Championshipとして開催され、暫定世界バンタム級王座決定戦=岡田遼✖倉本一真が組まれるという発表があった。

現プロ修斗世界バンタム級王者の佐藤将光はONEと契約しており、昨年は修斗凱旋が見られたものの現在サークルケイジで3試合連続フィニッシュ勝利を挙げており、ONEでも世界王座挑戦が見えてきている。つまり修斗王座の防衛戦を行うことは現実として考えられず、環太平洋王者の岡田とデビュー以来破竹の7連勝中の倉本が暫定王座を賭けて戦うこととなった。


コロナウイルス感染防止を徹底し行われる今大会は、先のイベント開催のリリースでは出場選手の免疫力の低下を防ぐために、水抜き減量による体重調整を極力排除した「通常階級より1階級上」で試合が組まれる方向である一方で、選手権試合に関しては当日計量と1階級上での試合は行わないという一文が見られた。

つまり岡田と倉本の一戦は前日計量で、北米ユニファイドと同様の61.2キロに落とす必要があることになる。このタイトル戦以外は当日計量が行われる公算が高いとのことだ。

ケージの中だけを見ると、両者のマッチアップは修斗にあって最大激戦区の暫定ながら頂点を決めるに相応しい顔合わせといえる。昨年9月の安藤達也との環太平洋王座防衛戦はドローだったものの2017年7月から負けのない岡田は、アマから修斗から修斗一筋でキャリアを積んできた自負を胸に総合力で勝負に出るに違いない。対してクラッチを組み、相手の足の裏が少しでもキャンバスから離れた瞬間に制御不能に陥れ投げまくる投神=倉本は、その組むまでに頭と言わず、腹、スネ、ヒザ横、太腿に打撃を受けないことが重要になってくる。

Kuramoto現に投げまくって勝った昨年11月の根津優太戦では、序盤に根津のローでスネの腓骨を折るというダメージを倉本は受けている。

スピニングバックフィストが当たっていないと、その後の投神祭りもなかったことも考えられ、やはり組むまでのダメージを如何に抑えるのかに勝負は左右されるだろう。

Okadaこの試合に先駆け、世界のトップと肌を触れたいという強い気持ちでATTでの出稽古も経験した岡田が、圧倒的に組み力で優るワールドクラスレスラーをどのように攻略しようとしているのか。

スマートな頭と、狡猾な腹の探り合いにも秀でている出木杉君の図太さが最大レベルの作用するに違いない。

MMA特有のスクランブルに長けた岡田だが倒された場合にスクランブルでなく、ガードポジションを取るというオプションも今回ばかりは存在する。自ら背中をつける寝技は現代MMAでは判定を考えるとご法度。とはいえ、倉本の投げも現代J-MMAの枠を超えている。この異次元の組みには、ご法度を犯すぐらいの思い切りも欠かせないはず。岡田は自分のペースにするにも、倉本の怒涛の組みを捌く必要があり、倉本は組むまでの攻撃を捌かないといけない。序盤、どのような動きが見られるのか。自ら動く必要があるのは岡田──そんな暫定王座決定戦か。