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【Bellator260】もう一人の”ジャスティン”──ゴンザレス「ゲイジーとは兄弟なのかって聞かれるよ(笑)」

【写真】念願のビッグプロモーションデビューとなるジャスティン・”ゴンザレス” (C)LFA

11日(金・現地時間)にコネチカット州アンカスビルのFight sphereことモヒガンサン・アリーナでBellator260 「Lima vs Amosov」が開催される。

上限を設けるもののファンが会場に戻ってくる同大会。メインはBellator世界ウェルター級王者ドゥグラス・リマに、キャリア25勝0敗のヤースラフ・アモソフが挑戦する。

そして今回も充実のラインナップとなるプレリミでは、アモソフに及ばないがプロ11戦、アマ8戦を戦い19戦無敗のジャスティン・ゴンザレスがプロモーションデビュー戦でタイワン・クラックストンと対戦する。

コンテンダーシリーズで勝利し、LFAではフェザー級チャンピオンに君臨したゴンザレスは、その風貌があのジャスティン・ゲイジーに酷似していることでも話題になることがある。

ファイトスタイルも影響を受けつつ、よりテクニカルなジャスティン・ゴンザレス、メジャーデビュー戦を控えた無敗の叩き上げファイターに初インタビューを行った。するとゴンザレスは、もう1人のジャスティン=とカレッジ時代から練習仲間であることが分かった。


──11日にBellator初陣が控えています。今の気持ちを教えてください。

「もう本格的な練習は終わったんだ。今は計量に向けて体を休め、リラックスしている。しっかりとキャンプができ、体調はバッチリだしあとはケージで爆発するだけだよ」

──昨年7月のLFAフェザー級選手権試合以来、いつになればジャスティンの試合が見られるのかと心待ちにしていました。その舞台はコンテンダーシリーズなのか、UFCなのか。あるいはLFAで王座防衛戦もあるのか──と考えていたのですが、Bellatorだったので正直なところ驚きました。

「そうだね……あの試合の後にケガ続いて、しっかりと自分の進むべき道を見極めないといけないと感じていたんだ。まぁCOVID19の問題もあるし、焦らず考えようと思った。そして、この間も力をつけるために練習に集中してきたんだ。ファイターとして、かなり成長できる時間になったよ。

そりゃ試合はしたかったけど、何も考えずに跳びつくようなことはしなかった。他にいくつかのプロモーションからオファーもあったのは事実。でもコロナ禍でしっかりと状況を見極め、最高の条件をくれたBellatorとサインしたんだ」

──なるほど、そういうことだったのですね。ところでジャスティンの試合を見た時に、階級は違いますが凄くジャスティン・ゲイジーに似ていると思ったんです。そう言われることはないですか。

「アハハハ。僕とジャスティン・ゲイジーはカレッジ・レスリングでチームメイトだったんだ。今回は対戦相手のタイワンがエレベーションMMAの所属だから、一緒に練習しなかったけど、普段は練習をしている仲だし。

今もそうだけど、カレッジの頃から多くの人に『兄弟なのか』って聞かれてきたよ(笑)。自分では僕らが似ているとは全く思わないんだけど、他の人からするとそうみたいだね(笑)」

──今、こうしてZoomでジャスティンの顔を拝見していると、そうでないんのですが、ケージの中では本当に雰囲気が似ていました。それにレスラーがブロウルする。そんなファイトスタイルも似通っているかと。

「僕は彼よりもレスリングを使っているよ(笑)。ジャスティンも本来は本当にスキルのあるレスラーだから、もっとMMAでもレスリングの技術を使えるはずなんだけど。いずれにしても、僕のこれまでの勝利はジャスティンに凄く支えられてきたんだ。

練習での彼は本当にテクニカルで、色々なことを教えてくれる。その技術を試合で使い、自分のペースで戦うことができる。それにジャスティンの試合を見て、対戦相手の心をへし折る戦いをするんだって奮い立たせてもらっているからね」

──ハートはジャスティン・ゲイジーで、技はジャスティン・ゴンザレスで行くと(笑)。蹴りもローだけでなく、素晴らしいタイミングでハイキックを使っていますね。

「全てはタイミングだよ。相手がその技を使う隙を見せたら、躊躇なく攻撃する。殴れる時に殴り、キックを使える時に蹴る」

──そういう意味では好影響を与えてくれるジャスティン・ゲイジーはやり過ぎて、反撃を受けることもあります。

「アハハハ。そうだね、僕は長いキャリアを過ごしたいと思っている。そのために、できる限りダメージを受けないで戦いたい。カウンターのパンチを被弾しないように頭を動かすスタイルだし。でも、時には殴るためには殴られることは必要になってくる。

なるべくダメージを受けないで戦うべきだけど、殴られることはMMAの一部だからね。そのために心を強くもってトレーニングを続けているんだ。一発殴られても、より大きな一発を入れる気持ちで戦わないとケージには足を踏み入れることはできない」

──そうやってキャリア11連勝というレコードを残してきたのですね。ところで来週の土曜日は、キャリア初のビッグショーでの試合です。その辺りで心理的な影響はないでしょうか。

「11試合戦って、11試合勝った。どの試合も楽なファイトはないし、全てが大切な戦いだ。そういう気持ちで戦ってきたから、勝ち続けることができたと思っている。全ての試合が、僕のキャリアで最も大切なファイトなんだ。

Bellatorではこれまでにない大きな会場で、強い相手と、より多くのマネーを貰って戦う。それが望みだった。より強い相手と、より大きな舞台で戦う。そういうなかで、過去最高の状態にある。この試合も、これまでと同じように僕のキャリアのなかで最も大切な戦いになるからね。

タイワンのようなレベルの高い相手と戦うことで、これまで以上に準備をしてきたし。正しい場所で、正しいトレーニングを行ってきた。これ以上ないぐらい、準備できているよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月12日(土・日本時間)
午前7時00分~Prelim :Bellator MMA YouTube Channel
午前10時~Main Card: Bellator MMA YouTube Channel

■Bellator260対戦カード

<Bellator世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]ドゥグラス・リマ(ブラジル)
[挑戦者]ヤーソラフ・アモソフ(ウクライナ)

<175ポンド契約/5分3R>
ポール・デイリー(英国)
ジェイソン・ジャクソン(ジャマイカ)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
エイデン・リー(英国)

<128ポンド契約/5分3R>
ヴァネッサ・ポルト(ブラジル)
イララ・ジョアニ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ダマルケス・ジャクソン(米国)
マーク・レミンガー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
カイル・クラッチマー(米国)
レヴァン・チョクヒリ(ジョージア)

<フェザー級/5分3R>
タイワン・クラストン(米国)
ジャスティン・ゴンザレス(米国)

<ライト級/5分3R>
ニック・ニューウェル(米国)
ボビー・キング(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ルカス・ブレナン(米国)
マシュー・スキビッキー(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アマンダ・ベル(米国)
マリーナ・モフナトキナ(ロシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アレックス・ポリジィ(米国)
グスタボ・トゥルヒーリョ(キューバ)

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Interview MMA ONE Special UFC 海外 西川大和 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:5月─その参─西川大和✖大尊伸光「彼に非はないけど……」

【写真】西川の勝利に関して、青木の指摘はJ-MMA界への警鐘だ (C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

引き続き2021年5月の一番、第三弾は16日に行われたShooto2021#03から西川大和✖大尊伸光戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年5月の一番、最後の試合をお願いします。

「西山大和×大尊の試合です。僕、西川選手に関しては疑問なんです」

──おお、その故は?

「一つは……彼には何も責任がないですけど、周囲の評価です。もう一つは、彼の戦い方そのものですね。安易に下になり過ぎる」

──では、まず戦い方から話を伺わせてください。青木選手はシャーウス・オリヴェイラが下で凌げたことを評価しましたが、西川選手のガードからの攻めに関しては注文をつけるということですか。

「まぁ、そういう風に突っ込まれるかと思いますけど(笑)。さっきも言ったように簡単に下になり過ぎています。オリヴェイラが下になるのって、打撃で攻めてテイクダウンを仕掛けられてボトムを選択するということなんです」

──いってみると下にされた際に、スクランブルを選択するのではなく、ガードワークを選択していると。

「そうです。あれだけの技術があって、そうしている。対して西川選手の場合は引き込みです。上が取れて下なのではなくて、下になっているので。それで勝てるというのは、たまたまであって計算が成り立たない。

アレで勝てるのはラッキーです。そこで、あの勝ち方が凄く評価されている空気は……皆さん、大丈夫なんですか?と思っている。それが本音です。

とにかく違和感を覚えるのが、『凄く強い』という空気がサステインや修斗であることで。絶賛している関係者もいますからね」

──なるほど……。

「ぶっちゃけ、どう思いますか?」

──自分の場合は、あの選択をするのは面白いです。

「ハイ。面白いですよ」

──MMAとして、固定観念がないというか、自分で考えて戦っている。特に大尊選手はトップにいても、パンチを振るうと疲れる。そこを考えての作戦だったので。

「あぁ、考えて選択しているんですね。そして大尊はバテていました。その見極めも良いし、そうやって勝つことも良い。ただし、それで世界だとか、強いとかっていうのは危うい」

──青木選手が指摘しているように、大絶賛するとすれば……あの戦い方で日本のトップ、海外の実力者に勝ってからかと。

「ですよね? ですよね。完成度という点で、まだまだです」

──18歳という年齢があって、凄いというのと世界を見据えて凄いというのは違うと自分も思っています。もちろん、その周囲の評価への違和感に関して、何ら西川選手に非はないですが。

「もちろんです。彼の責任じゃない。ただし、今の彼を絶賛して世界だなんて空気があると、彼の先が見えなくなってしまいます」

──西川選手のためにもならないと。

「ハイ。あれで勝てる……もう修斗というか、国内に人がいない。これで次はチャンピオンシップという流れになるのは、なんだかなって思います。逆に言えば、世界を目指すのであれば、この程度の試合でガードを選択するんじゃなくて……、競り合いじゃなくて勝てよって。

ここで競り合っていて、世界とかない。彼が世界やUFCって口にしているのって、僕がADCCに出る前に『全員、極めちゃうでしょ』と言っていたのと同じ感じで。佐々木憂流迦選手とかも、そういうことを口にしていましたよね。

まぁ西川選手がUFCとか言っているのは、そういう類だろうなと思います。彼に非はないけど、あの勝利に凄いという評価があり、本人もUFCという言葉を口にする。そうなる日本のライト級は、もう危ういです。それがフェザー級も始まっている。まずいですよね。

西川選手は一生懸命やっている。全く、彼を非難するつもりはないです。でも色々と見えていない日本のMMA界は危うい」

──では、西川選手に青木選手かアドバイスするとすれば、どういう言葉になりますか。

「そうですね、『ここで、もっともたついた方が良い』、『そんなに焦ることはないよ』──そう伝えたいです。このままで上に行こうとすれば、するほど危ういです。今、ここで出ている結果を持って世界と勝負しようと思っているのであれば。

それがONEで育ててもらうとかアジア圏なら、なんとかなるかもしれないですけど。現時点でONEのトップとやりえない。これ、本当に言っておきますけど、UFCにすぐに行けないから血迷ってBRAVE CFとかACAに行くと死んじゃいますよ。BRAVEも下なら構わないけど、上はACAレベルです。

世界って希望溢れる言葉だけど、曖昧な言葉で誤魔化すんじゃなくて、皆で現実を見つめるべき。世界っていう言葉の裏にある、世界の実力を。それが西川大和だけでなく、選手をもう少し大事にしてあげることになると思います」

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Interview MMA UFC UFN ESPN+47 UFN189 キック クラウジオ・プエレス グレゴリー・ホドリゲス サンチアゴ・ポンジニビョ ジョーダン・ラヴィット ボクシング ミゲール・バエサ

【UFN189】プエレスと対戦、ジョーダン・ラヴィット─02─「プランBが必要になるかは相手次第」

【写真】もう3時間後には、ジョーダンがオクタゴンに足を踏み入れる(C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスの開催されるUFC APEXでUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」のオープニングバウトで、クラウジオ・プエレスと対戦するジョーダン・ラヴィット・インタビュー後編。

下になることを厭わない。フィニッシュすることを念頭において戦うラヴィットは、打撃を駆使して戦うプランBが必要になるファイトを待ち望んでいた。

<ジョーダン・ラヴィット・インタビューPart.01はコチラから>


──ロクサンとの関係もそれ以来、ずっと続いているということですね。

「僕とロキシーは一緒にキッズに柔術を指導しているしね。もう5年になるよ。僕にとって、ロキシーは最も影響力がある人物なんだ。ロキシーは30代半ばで、常に進歩していてキャリアの最高の状態を更新し続けている。

僕はファイターとして、シャイな方だったけど……ロキシーが凄く自信を与えてくれたんだ。ロキシーの後を僕は追っているつもりだよ」

──素晴らしい言葉です。同時にジョーダンの人柄も伝わってきます。

「おお、ありがとう。ファイトって何百、何千っていう勝ち方があるんだ。でもね、自分が実際に戦うことができる相手は非常に限られている。だから、その機会を無駄にしないよう成長し続けたいんだ。

これまで運よく勝ち続けてくることができたけど、僕のなかでは常にハードファイトを選んできた。ハードファイトを経験して成長したい。1試合での経験値を可能な限り高いモノにしたいと思って戦ってきた。

でもファイターってレコードを気にして、連勝とかに拘ることがあるだろう?」

──ハイ、オーガニゼーションもそこを重視する向きもありますし。

「でもファイターとして、勝って当たり前の試合に出て勝ち星を重ねるって、本当に下らないことだと思うよ。おかしな言い方かもしれないけど、僕はどこかで敗北を望んでいるかもしれない。そんな試合に向かっていき、痛みを乗り越えたいと思っている」

──だからこそ、あのナスティな極めがあるのですね。

「アハハハハ。でもね、心の中では『頼むから、折れないでくれ』って願っているんだよ。何度かポップして、音が聞こえたり、感覚として伝わってきたことがあるんだ!! 頼むから、タップしてくれよって本当に思っていたよ」

──ジョーダンのファイトスタイルは、MMAの王道ではありません。これまで一本勝ちも多いですが、UFCファイターの防御力は過去の対戦相手と変わって来るかと思います。このスタイルを続けることが可能だと考えていますか。

「もちろん。僕自身、ディフェンス能力には自信を持っている。それと……そんな風に見えないかもしれないけど、パワーもあるんだ。何より対戦相手は僕が優れたグラップラーだと思って戦うよね?」

──ハイ。その通りだと思います。

「だから、彼らは僕をテイクダウンしようとしない。それってスタンドで僕の時間が多くあるってことなんだ。それに、僕のテイクダウン狙いをスプロールできる相手に出会ったら、その時は打撃を披露するよ。打撃だってできる。これまで、打撃で戦うというプランBが必要にならなかっただけなんだ。

プランBが必要になれば、僕がどれだけ打撃で戦えるのか見てもらえるだろう。テイクダウンして、サブミッションできない時が訪れるなら、プランBを遂行するよ。そんな日が来ることを願っているよ」

──ではタフファイトになり、スコアリングで勝たないといけなくなると、どうしますか。

「う~ん、僕は試合中もその一瞬、一瞬で勝てるよう戦っている。判定になることは想定していないんだ。テイクダウンして、コントロールが必要な試合もある。でも、判定勝ちを想定することはない。

ケージの中では自分の力を信じて、乗り越えていくしかないんだ。ジャッジの裁定を気にして戦っていると、そんな自分にガッカリする日が来ると思う。

だから試合中は常にフィニッシュするつもりでいるし、結果的に判定にもつれ込んでも、この姿勢があるとジャッジの支持を得ることになる。実際、僕はまだ1Rも落としたことがないんだ。おかしな判定がないってことは、ラッキーだなって思うよ」

──では、クラウジオ・プエレス戦も一瞬、一瞬でフィニッシュを狙う。その繰り返しのファイトを?

「そうだね。僕はグラップリングの専門家じゃない。例え周囲がそう思っていても、ジムで打撃の指導もしている。まだ見せていない、僕のスキルを見てほしい。ボクシング、キックボクシング、ムエタイだって使える。僕はコンプリート・ミックスマーシャルアーチトだ。

それを証明できるぐらい、プエレス戦がハードな試合になることを期待しているよ。最後はテイクダウンしてサブミットするけど、それまでの過程で僕が何でもできることを見せたい」

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN189計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)
アウグスト・サカイ: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス: 264 ポンド(119.74キロ)
マルチン・ティブラ: 251ポンド(113.85キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ: 186ポンド(84.37キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミゲール・バエサ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ: 186ポンド(84.37キロ)
アントニオ・アローヨ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
カムエラ・カーク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
アリアニ・リプスキ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 242ポンド(109.77キロ)
イリル・ラティフィ: 240ポンド(108.86キロ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)
ムスリム・サルコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
アラン・パトリック: 154.5ポンド(70.08キロ)
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)
タバタ・ヒッチ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ショーン・ウッドソン: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 156

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Interview MMA UFC UFN ESPN+47 UFN189 グレゴリー・ホドリゲス サンチアゴ・ポンジニビョ ミゲール・バエサ

【UFN189】ポンジニビョと対戦、ミゲール・バエサ─02─「ファイトは喧嘩じゃない」

【写真】計量で余裕のポージング、ケージの中ではどのような動きを見せてくれるか。一挙手一投足を見逃さないで注視したい (C)Zuffa/UFC

明日5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」で、サンチアゴ・ポンジニビョと対戦するミゲール・バエサ・インタビュー後編。

MMA戦績10勝0敗、オクタゴンでも3連勝=3試合ともフィニッシュしている裏で、バエサというファイターが如何に頭を使い、相手を研究して戦っているのかがインタビューを通して理解できた。

自分の動きをするには、相手を研究すること。そしてコーチとの共同作業で、より相手を理解する。MMAを科学するミゲール・バエサは打ち合い上等のファイトをどう思っているのか。その答にこそ、彼の10勝負け無しの要因があるように感じた。

<ミゲール・バエサ・インタビューPart.01はコチラから>


──一部では、対戦相手の試合映像はそれほどチェックせず、自分の動きに専念するという選手もいます。または分析はコーチに任せて、その指示に従うファイターも見受けられます。しっかりと自身でも研究するミゲールからすると、そららの選手の試合への準備の仕方はどのように感じますか。

「ファイトって、規律が全てなんだ。規律から全てが生まれている。まずはジムでパンチを打つ、蹴りを使う。正しい動きはどうなのか、どういう風にすればより上手くなれるのかという日々を過ごす。ジムでのトレーニングが、まず存在する。

そして試合だ。相手がどのようなパンチを打つのか。素晴らしいパンチの持ち主に対して、自分はどのように対応すれば良いのか。クリンチが凄く上手い選手に対し、クリンチを避けるにはどんな手立てがあるのか。

それらのことをしっかりと頭に入れ、練習してきたことを出せる状態になって、試合に臨まなければいけない。しっかりと自分のなかで、相手の動きを考慮したシリオを持って戦うことは何よりも大切だと思っている。

自分の動きを試合に出すと思っていても、相手があってのことだ。そこを怠ると、試合は困難になる。正直にいえば、そういう選手は自分で自分の首を絞めていると思うよ。

コーチに任せるのも同じことだ。自分の目で見て、自分で判断するからこそ、試合で動くことができる。コーチと一緒に相手を分析していく素晴らしさは、同じモノを違う角度から見ることができるからだよ。

同じ相手を研究しても、僕とコーチは見えるモノが違ってくる。僕にはガードが下がっているように見えなくても、それに気づく人間がいる。だからコーチと自分自身で、相手を研究する方が理解力が深まるんだ」

──ミゲールはサンチアゴのことも十分に研究して、ファイトウィークを迎えているのでしょうね。

「危険なファイトだよ。彼は長い間UFCで戦ってきているので、とても経験豊かだ。常にフィニッシュを狙っていているからね。しっかりと腕を上げてガードし、パンチを被弾しないよう注意して戦う必要がある。サンチアゴのペースにならないよう、懐に入らせないようにしないといけない。

でも、ちゃんとゲームプランはあるから、試合を見て確認してほしい(笑)」

──楽しみにしています。ところで自分のパンチを当てるために、相手のパンチを貰う覚悟で戦う選手についてどのような印象を持っていますか。

「それがサンチアゴだということだね。自分が殴るには、殴られる覚悟は必要だろう。でも、僕はちゃんとディフェンスをして戦うよ。相手のパンチは貰わないで、僕のパンチを当てる。僕のパンチが当たれば、誰もが倒れる。拳が届けば倒せるんだ。サンチアゴが僕のパンチを貰う覚悟で戦うようだと、より戦いやすくなるよ」

──それにしても、ミゲールはファイトを科学のように捉えているのですね。

「同意するよ。ファイトは喧嘩じゃないからね」

──だからこそ10勝0敗というレコードを持っていることが理解できました。まるでケージの科学者です。

「サンキュー、それは僕にとって最高の誉め言葉だよ」

──今は打撃を入れてから、グラップリングゲームに持ち込んでいますが、それだけ相手を見ているとレンジをコントロールして、打撃戦の裏をかきテイクダウンからグラウンドに持ちこむことも可能ではないでしょうか。

「ショーをファンに楽しんでもらうこともあるけど、レンジを理解して相手の手を読んでいるからこそ、打撃で戦うんだよ。外を取っていれば、僕のパンチは当たる。サブミッションを極めるにも、その方が極めやすいよ。

打撃を交えた方がテイクダウンも取りやすい。そして──トップを取れば僕のモノだ。そこから柔術でフィニッシュする」

──では2021年中に、最大激戦区のウェルター級でどこを目指していますか。

「ただ勝ち続けるだけだよ。そしてキャンプとキャンプの間に、自分の技量を上げる。試合の度に新しいバエサになるんだ。常に進化版のバエサを見せたい。そうすることで、最終的にはいつの日かタイトルを手にすることになるだろうからね。

まずはサンチアゴとの試合だよ。僕の全ての動きを見てほしい。距離、アングル、前後、左右、上下運動、タイミング、色々な技術を交えて打撃を入れ、フィニッシュに結びつけるから」

■視聴方法(予定)
6月7日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

■UFN189計量結果

<ヘビー級/5分5R>
ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク: 254ポンド(115.21キロ)
アウグスト・サカイ: 255.5ポンド(115.89キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ウォルト・ハリス: 264 ポンド(119.74キロ)
マルチン・ティブラ: 251ポンド(113.85キロ)

<ミドル級/5分3R>
ロマン・デリツ: 186ポンド(84.37キロ)
ロウレアノ・スタルポリ: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
サンチアゴ・ポンジニビョ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ミゲール・バエサ: 171ポンド(77.56キロ)

<ミドル級/5分3R>
ドゥスコ・トドロビッチ: 186ポンド(84.37キロ)
グレゴリー・ホドリゲス: 186ポンド(84.37キロ)

<ミドル級/5分3R>
トム・ブリーズ: 186ポンド(84.37キロ)
アントニオ・アローヨ: 186ポンド(84.37キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
カムエラ・カーク: 146ポンド(66.22キロ)

<女子フライ級/5分3R>
モンタナ・デラロサ: 126ポンド(57.15キロ)
アリアニ・リプスキ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー: 242ポンド(109.77キロ)
イリル・ラティフィ: 240ポンド(108.86キロ)

<ウェルター級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド: 169.5ポンド(76.88キロ)
ムスリム・サルコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
アラン・パトリック: 154.5ポンド(70.08キロ)
メイソン・ジョーンズ: 156ポンド(70.76キロ)

<女子フライ級/5分3R>
マノン・フィオホ: 125.5ポンド(56.92キロ)
タバタ・ヒッチ: 124.5ポンド(56.47キロ)

<フェザー級/5分3R>
ユーゼフ・ザラル: 146ポンド(66.22キロ)
ショーン・ウッドソン: 145ポンド(65.77キロ)

<ライト級/5分3R>
クラウジオ・プエレス: 155ポンド(70.31キロ)
ジョーダン・ラヴィット: 156ポンド(70.76キロ)

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Brave CF BRAVE CF51 Gladiator014 Interview ダニヤル・アブジバエフ ブログ ワジム・クーチ

【BRAVE CF51】BRAVE初陣、ワジム・クーチ「プライスレス!! コロナ後、パンクラチオンで世界王者目指す」

【写真】果たして、クーチはどのような戦いでベラルーシMMAの可能性をしめしてくれるか (C)BRAVE CF

本日4日(金・現地時間)に、ベラルーシの首都ミンクスはファルコンクラブ・アリーナで、BRAVE CF51が開催される。

BRAVE初のベラルーシ大会ではジニス・マーヒャルやワジム・クーチなど同国のトップレベルMMAファイターがプロモーションデビューを控えている。

MMA戦績15勝1敗、フランスの100% Fightのウェルター級王者でもあるクーチはMMAと並行してパンクラチオンの世界王者を目指すという珍しい思考の持ち主だった。ダニヤル・アブジバエフを目前に控え、東欧気質というのか──旧ソ連らしいというのか、一風変わったクーチの言葉に耳を傾けてほしい。


──アブジバエフ戦が迫ってきました。BRAVE CF初のベラルーシ大会で、同プロモーション初陣を戦います。今の気持ちを教えてください。

「凄く落ち着いている。あとは計量に向けて体重を落とすぐらいで(※インタビューは6月1日に行われた)、ゆっくりと過ごしているよ。スーパーウェルター級という初めての階級で戦うことになるけど、問題はないと思う。もう勝つ準備はできているよ。

母国、そしてミンクスでこのような大きな大会で、国を代表して戦えることはとてもハッピーだよ。今大会では僕以外にもベラルーシの選手がBRAVE CFと契約を結び、デビュー戦を迎える。そこも含めて素晴らしい機会を得たと思っている。

もちろん僕のところにはBRAVE以外にもACAをはじめとするロシアのプロモーションから契約の話はあった。でも僕は国際的な活動をする団体で試合をしたいと思い、BRAVEと契約を結んだんだ。BRAVEには色々な国のファイターが活躍しているしね。

何より、このような活動をパンデミックの期間も行えていることはBRAVEとサインした理由の1つだよ。今、世界中でこれだけの活動をしているプロモーションは本当に数えるほどしか存在していないからね」

──BRAVEを舞台にロシア人だけでなく、米国人やブラジル人、中東のファイターとも戦っていきたいということですね。

「その通りだ。それとスーパーウェルター級という階級にも魅力を感じている。実は77キロまで体重を落とすのは楽ではなくて、79キロというリミットの階級があることも大きいね」

──15勝1敗、素晴らしいレコードのワジムですが、日本のファンはあなたのことを本当に知らないです。これまでのMMAや格闘技キャリアについて教えてもらえますか。

「8年前、大学2年の時にMMAを始めた。それまでは国内トップレベルのフリースタイルレスラーだった。でもレスリングにパンチやキックを混ぜた戦いがしたいと思っていたんだ」

──それまでにキックやムエタイなど打撃系格闘技の経験はあったのですか。

「なかったよ。MMAと同時にコンバットサンボやパンクラチオンの練習もするようになり、そこで打撃もやるようになったよ。パンクラチオンではベラルーシ代表として、欧州選手権や世界大会に出場しているんだ。欧州王者には3度なり、世界大会では銀メダルを獲得している」

──パンクラチオンは道着着用で顔面パンチはなく、投げや関節技、ボディへのパウンドが認められたポイント制の競技ですよね。

「そうだよ。僕はずっとMMAと並行してパンクラチオンを戦ってきた。パンクラチオンを戦うことで、MMAキャリアに悪い影響は全くない。ただパンデミックが起こりパンクラチオンのトーナメントが開催できない状況になっているから、今はMMAに力を入れる時だと思っているんだ。

でもコロナが終われば、MMAの試合に制約を受けない程度でパンクラチオンのトーナメントにも出場していく。今でもパンクラチオンの世界王者になることが夢なんだ。やっぱり2位じゃ終われない。人生を賭けて、パンクラチオンの世界チャンピオンになりたいと思っている」

──パンクラチオンはアマチュアで、生活の糧にはならないですよね。

「パンクラチオンは純粋なアマチュア・スポーツだよ。優勝してもお金にはならない。でも、誰だって自分が心血を注いでいるスポーツの世界チャンピオンになりたいだろう? 子供の頃から世界一になることが夢で。その夢が半ば現実になっている。それこそプライスレスだよ、そのために練習してきて……MMAにも役立っているんだし」

──それをMMAで果たそうとは思わないのですか。それともベラルーシではMMAで成功しても、生きていくことはできないでしょうか。

「ベラルーシのMMAはまだ歴史が浅い。そしてノールールというだけで、ちょっと間違った試合も行われてきた。BRAVEがベラルーシで国際基準にある大会を開くことで、しっかりとしたMMAが根づくことを期待しているよ。ベラルーシ人ファイターが、MMAで活躍できる力があることは他の大会でも証明されているからね。

今大会では同じスーパーウェルター級で戦うジニス・マーヒャルも本当に良い選手だよ。この国のMMAの未来は明るいよ」

──とはいえ、マーヒャルは同じ階級ですしライバルになりますね。

「確かにね。でも、同じ国の人間だしBRAVEという舞台でジニスと戦いたいとは思わない。他の国の選手と戦ってきたいし、彼と戦うとすればベルトを賭けた試合になるだろうね」

──では金曜日の夜は、ベラルーシMMAの可能性が確認できる試合を期待しています。

「正直言えばどんな試合をしたいとかは、余り考えていない。まずは自分の力を出し切ること。打撃でも、サブミッションでも僕がBRAVEという舞台でチャンピオンを目指す力をあることを証明したい」

■視聴方法(予定)
6月5日(金・日本時間)、
午前1時30分~ FITE
午前1時30分~ BRAVE TV

■BRAVE CF51対戦カード

<ライト級/5分3R>
ルカス・マルチンス(ブラジル)
マルセル・グラビンスキ(ドイツ)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ジニス・マーヒャル(ベラルーシ)
リナット・ゼジンタイ(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
イリエ・ジホウン(フランス)
サム・パターソン(英国)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ワジム・クーチ(ベラルーシ)
ダニヤル・アブジバエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
ロマン・ボガトフ(ロシア)
アブドゥルムタリプ・ギエルベコフ(ウクライナ)

<59キロ契約/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
イブラジム・ナブルゾフ(ジョージア)

<バンタム級/5分3R>
ヴラディスラフ・ノヴィツキー(ベラルーシ)
ヤニス・ゲムモーリ(フランス)

<フライ級/5分3R>
バドマシレン・ドルジエフ(ロシア)
アルマンベット・アブディバシー・ウルウ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
アイジミール・カズベコフ(ロシア)
アブドゥル・カリム・バダクシュ(アフガニスタン)

<女子ストロー級/5分3R>
アナスタシア・フィアファノヴァ(ロシア)
セウデ・トゥルク(トルコ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ワジム・ロリチ(ベラルーシ)
クルボンショ・ジェモロフ(タジキスタン)

<62.5キロ契約/5分3R>
アルテム・ルキャノフ(ベラルーシ)
バクトヴァル・ユヌソフ(タジキスタン)
6日(日・日本時間)

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Interview UFC UFN ESPN+47 UFN189 クラウジオ・プエレス ジョーダン・ラヴィット ブログ

【UFN189】フィニッシャー、見逃せないのはプロセス。ジョーダン・ラヴィット「柔術は痛くない」

【写真】このスタイルをUFCで貫き通し、結果が伴うようだとジョーン・ラヴィットはMMAの歴史に名を刻むファイターになる (C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」。

(C)Zuffa/UFC

同大会のオープニングバウトで、ジョーダン・ラヴィットが、ペルー人ファイターのクラウジオ・プエレスとUFC二戦目を戦う。

昨年12月のUFCデビュー戦でマット・ワイマンを22秒スラム葬

(C)Zuffa/UFC

UFC契約を決めたコンテンダーシリーズでは、ルーク・フローレスから肩固めで一本勝ち

そのコンテンダーシリーズ出場のきっかけとなった唯一のLFAの試合では、レイヴォン・ルイスをアナコンダチョークで破っている

そんなインパクトの残る戦いをラヴィットは続けてきた。とはいえ、彼の真骨頂はフィニッシュだけでなく、そこに至るプロセスだ。極めに至る過程に独自性を持つジョーダン・ラヴィット。それでいて8勝0敗と負け知らずの注目ファイターに、初めてインタビューを試みた。


──クラウジオ・プエレスとのオクタゴン2戦目が土曜日に行われます。

「自信は凄くあるよ。自分より若い選手と戦うのは初めてだから、新しいチャレンジでもあるね。経験値でアドバンテージを持つのも初めてなんだ。と同時に、自分を上回るかもしれないグラップラーと戦ったこともない。だからこそ、これまで僕が見せたことがなかった打撃戦を披露する機会になるだろうし、これまでと違った僕の戦いを見てもらえるはずだ」

(C)LFA

──LFA初陣だったレイヴォン・ルイス戦、コンテンダーシリーズのルーク・フローレス戦、そしてUFCデビュー戦のマット・ワイマン戦とジョーダンはインパクトの残る勝ち方をしてきました。下になることを厭わないスタイルは、本当に珍しいと思います。

「このファイティング・スタイルには、常に自信を持っているよ。僕はレスリング出身なんだけど、柔術に出会ってレスラーがテイクダウンから上で何もしない試合が退屈でしょうがなくなった。

だから背中をつけて、柔術で戦う術を身につけてきたし、この戦い方が好きなんだよ。何より、こういう風に戦おうと思って練習を続けているとレスリングでトップを取るよりも、柔術で背中をマットにつけて戦う方が僕に合っていることが分かった。

ボトムにいっても、凄くリラックスできるんだ。レスリングをしてきたから、上の選手が何を狙っているのかも分かる。でね、トップで15分を過ごすよりもボトムからフィニッシュを狙う方がずっと楽しいんだ。

それに試合が判定にもつれ込むと、ジャッジはどう判断するのか誰にも分からない。自分の戦いの結果を他人の判断に委ねたくない。もちろんボトムを取って判定になると、負ける確率が高いことも分かっている。だから極めないといけないというのもあるよ(笑)」

──そこまで理解していて、トップゲームができるのにジョーダンはボトムを選ぶのですね。ところでジョーダンがMMAを戦おうと思ったきっかけは何だったのですか。

「15歳の時に初めてUFCをTVで視て、自分も戦ってみたいと思った。特に誰かに憧れたとかはなくて、MMAという戦いそのものに興味を持ったんだ。ハイスクールではレスリングをやっていたけど、趣味の一環ぐらいの感覚だったし。

でも、UFCでファイターが蹴り合い、エルボーを打ち合っているのを見て……恐怖と同時に美しいと感じた。子供の頃からニンジャになりたいとか、そんなことばかり思っていたから、その延長線上にあったんだろうね(笑)。そういう情熱が僕の根底にあるんだよね」

──えぇと、ジョーダンはラスベガス在住ですが、生まれはどこだったのですか。

「生まれも育ちもベガスだよ」

──つまりファイトキャピタルで生活をしていながら、2010年までUFCを見たことがなかったということですか?!

「全くなかった。UFCのことを耳にすることすらなかった」

──信じられないです。自分など2001年から何度もUFCの取材にいくためにラスベガスを訪れていたのに。あの街の住民がUFCを知らなかったなんて!!

「アハハハ。僕の家族ってTVや、ケーブルTVでスポーツを視る習慣すらなかったんだ。プロレスリングは知っていたよ(笑)。ボクシングもね。でもUFCは全く知らなかった。僕の友達も全くMMAには興味を持っていなかったしね。今では僕が戦っているから、友達やその家族もMMAを視るようになったけどね」

──そんなことがあるのですね。

「ただ随分と小さい時に父親が柔術ジムに通わせようとしたけど、僕は拒絶反応を示したんだ。柔術家ではなくて、ウォリアーになりたかったから(笑)。でもUFCを見て、これを絶対にやるんだって決めて、今はなきTap Outジムの通うようになった」

──そこで柔術に出会ったと。

「実は最初の1年は全く柔術はやっていなかった(笑)。まずムエタイの練習をしていた(笑)。でもキックとボクシングのクラスの合間に、柔術のクラスに出てみて分かったことがあったんだ」

──どれだけグラウンドファイトが面白いのか、ですか?

「ノー。柔術はムエタイみたいに痛くないなって(笑)」

──……。そこですか(笑)。

「ムエタイは痛かったからねぇ(笑)。柔術、ムエタイをタップアウトジムで続けていたけど、高校3年のときにジムは閉鎖さて、その年は高校でレスリングに専念した。

そしてMMAの練習をしようと思ってエクストリーム・クートゥアーに通うと決めたんだ。そうしたら、そのタイミングで家の近くにシンジゲートMMAがオープンした。『こりゃ良いや』って思ってから、今に至るよ(笑)。

ジムを初めて訪れた時、ロキシーが応対してくれたんだ。『ハイ、私はロクサンよ』って感じで。TUF18の直後、彼女が日本から米国に戻ってきたばかりの時だよ」

──ロクサンがジェシカ・ラコージーに敗れた後、バックヤードで泣き崩れるシーンは、今でも思い出すと涙が出てきます……。

「実は僕もTUFを視ていて、ロキシーことが大好きだったから、内心『知っているよ! もちろんっ!!』って大興奮状態だったんだ。でも、そんなの格好悪いから冷静さを装って自己紹介してさ(笑)」

──アハハハハ。

「そうだね、シンジケート在籍が僕より長いのはロキシーだけだよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

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Interview MMA Special UFC シャーウス・オリヴェイラ ボクシング マイケル・チャンドラー 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:5月─その弐─オリヴェイラ✖チャンドラー「遠回りをして最後に」

【写真】UFC在籍11年目、ライト級で世界の頂点に立ったシャーウス・オリヴェイラ (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

2021年5月の一番、第ニ弾は15日に行われたUFC世界ライト級選手権試合=シャーウス・オリヴェイラ✖マイケル・チャンドラー戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年5月の一番、2試合目をお願いします。

「オリヴェイラ✖チャンドラーです。この試合、オリヴェイラがパンチでチャンドラーに勝ったことは当然のように注目されますが、そのオリヴェイラの強味は下……ガードで守れることにあったと思います。初回のピンチをガードで凌げたことが大きかった」

──初回に右を効かされ、最初は亀になって足に組もうとしたところでパウンドを受けて、ガードを取ったところですね。

「ハイ。オリヴェイラがガードを取ると、上に居てもサブミッションを警戒してチャンドラーも勢いを持続することができなかったです。あそこをガードで凌げたことが、勝負の分かれ目でした。

ただし、ガードを取ることが誰しもに有効ではなくて。それはオリヴェイラの技量があるからで。チャンドラーと5分✖5Rと戦う。25分の試合ですけど、チャンドラーは割と短距離走の選手です。その試合で最初のピンチをガードで凌げたのはさすがです」

(C)Zuffa/UFC

──その序盤、思った以上に身長差があってチャンドラーはボディ打ちしか見せていなかった。これは近寄れないのかという風にも見えました。

「相打ちになりそうな感じで。だから、結果的にああいうフィニッシュはあると思っていました」

──オリヴェイラが効かされてガードを取ったのとは対照的には、チャンドラーは効かされたあと組みにいかなかったです。

「MMAに於いて打撃の人、一点突破型になっていますね」

──青木選手はチャンドラーのUFC初戦後、まだオリヴェイラ戦が決まる前にチャンドラーはオリヴェイラに分が悪いと言っていましたしね。

「オリヴェイラ推しでしたよね。それはウィル・ブルックスなんです」

──ウィル・ブルックス?

「ハイ。もともと2人ともウィル・ブルックスと戦ってます。で、チャンドラーはブルックスにやられていて、オリヴェイラは完勝しています。そこを見て、両者の間に力の差はあるんじゃないかと僕は見ていましたけど、やはりUFCなんだということを再認識させられますね。それもウィル・ブルックスが勝てなかったわけで……そこは、ちょっと感じましたね」

──UFCが抜けていると。

「でも、皆が分かっていると思いますよ。だってねぇ、レベルが違うじゃないですか。そんな場所で11年、オリヴェイラは興味深いキャリアを積んでいます。結果的に全部を埋めてきた」

(C)DAVE MANDERL

──実はオリヴェイラのUFC初戦が、たまたま五味選手、岡見選手が出場した大会で(※UFC on Verus02。五味がタイソン・グリフィンにKO勝ち岡見がマーク・ムニョスに判定勝ち)、全く知らない選手だったのですが、見事に腰を切った腕十字をダレン・エルキンスに極めて、その当時からUFCで下から極める選手がいるんだって驚いたことが思い出されます。

「でも最初は言えば、下だけの選手だった。なんか派手なサブミッションはあるけど、穴もある。そうだったのが次に打撃ができるようになった。でもスクランブルで逆に取られもした……、そうするとレスリングに関しても穴を埋めた。それもウィル・ブルックス戦なのですが、テイクダウンをしましたからね。

これは異常な進化……です」

──異常ですか。

「もともと寝技の人間が、遠回りをして最後にカチっと合わせることができた。ここまでの進化は、ほぼほぼ例がないですよね」

──現代MMAでいえばボクシング&レスリングでいくと、ここまでのガードワークを身につける時間はないかもしれないですね。

「背中をつける練習をしている人間は、米国でも少ないかもしれないですけど……だからといってオリヴェイラが柔術やグラップリング競技で結果を残せるのかといえば、また違う話で。でも、本当にスペシャルな存在です」

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Brave CF BRAVE CF51 Interview MMA RIZIN UFC ジニス・マーヒャル ボクシング リナット・ゼジンタイ

【BRAVE CF51】中央アジアの嵐。ジニス・マーヒャル戦へ、ボクシングレスラー=リナット・ゼジンタイ

【写真】素晴らしく精悍な表情のリナット・ゼジンタイ (C)BRAVE CF

明日4日(金・現地時間)に、ベラルーシの首都ミンクスにあるファルコンクラブ・アリーナで、BRAVE CF51が開催される。

BRAVEにとって初めてのベラルーシ大会では、現地のトップファイターと新たに契約し、同国のトップファイターが数多くBRAVE初陣を戦う。その1人、ジニス・マーヒャルの対戦相手リナット・ゼジンタイにとってもBRAVEデビュー戦となる。

最近ではACAが進出し、国内大会も数多く行われMMA人気が高まる一方のカザフスタン。ドメスティック二大イベント=OCTAGONとMergen FC のうち、前者のウェルター級王者であるゼジンタイは代役の代役として、3週間前のオファーを受けた。

今、UFCやACA、そしてBRAVEに吹き荒れつつある中央アジアの旋風──その最大勢力であるカザフスタン特有のボクシング・レスラーであるゼジンタイに初インタビューを試みた。


──ジニス・マーヒャル戦でショートノーティスながら、BRAVE CF初陣を戦います。どのような気持ちですか。

「この試合は自分へのテストになる。パワー、テクニックともぶつけて良い試合にしたい。試合に向けての準備期間は短かったけど、常日頃からいつでも戦えるように、しっかりとシムケント(カザフスタン南部にある、国内第3の都市)で練習しているから問題ない。ジニスのパワーは認めているけど、何も恐れることはないよ。

BRAVE CFのようなインターナショナル・ショーで戦うことが夢だったから、ベストを尽くす。BRAVEは現状のMMA界において世界で最も大きなプロモショーンの1つだし、そこで戦えることはとても光栄だよ」

──リナットの試合映像を視させてもらったのですが、ボクシングができるレスラーなのか、レスリングができるボクサーなのか。とにかく、どちらも優れていました。

「ハハハハ、僕はグレコローマン・レスリングを戦ってきたけど、6年前にMMAに転向したんだ。MMAに転向するにあたって、まずグラップリングのトレーニングを始めた。レスリングと共通する部分も多いしね。

柔術では帯を持っていないけど、ノーギはしっかりとやってきてトーナメントでも勝っている。だからグラップリングには自信があるよ」

──ベースはグレコだったのですか。試合を見ていると、フリースタイルの技も多く使っていました。

「レスリングを始めたのはショコーラ(日本でいえば小・中・高に相当する11学年の学校制度)の9年生の時で、大学の間と6年間続けたんだけど、最初はフリースタイル・レスリングの試合に出たいと思っていた。でも、僕は自分の階級では痩せていて身長が高かったから、コーチがフリースタイルには向いてないってグレコの試合に選抜されたんだ。

グレコでは地方大会では優勝もしたけど、フリースタイル・レスリングの練習も続けていたよ」

──それにしても、ボクシングも相当な腕前ですね。

「う~ん、ありがとう。僕はレスラーなんだけど、対戦相手からもボクサーだと思われることが多いんだ(笑)。ただし、僕にとってパンチはそれほど大切な攻撃ではないんだけどね」

──今回の試合はスーパーウェルター級というBRAVE CF特有の階級で行われます。

「普段は90キロぐらいあるから、80キロというリミットはありがたいよ。77キロに落とすより、減量は厳しくない。かといって84キロで戦うと、バカでかい相手ばかりになってしまうからね。初めての階級だから、楽しみしている。

マーヒャルはパワー溢れるストライカーだけど、打撃でも十分にやり合える。もちろん、組み技でも僕が上だ。ケージの中は何が起こるか分からない。でも準備はできているよ。皆に楽しんでもらえる試合をしたい。

そして、この試合をきっかけBRAVEに継続参戦して、ウェルター級のベルトを目指すんだ。2022年の間にチャンピオンになりたいと思っている」

──リナット、今日はありがとうございました。

「こちらこそ、ありがとう。僕は子供の頃にノブヒコ・タカダの武士道(Uインター)をDVDで見ていたんだ。ゲーリー・オブライトが大好きだった。そこからPRIDEをチェックするようになった。日本のMMAはユニークで、面白い試合が多い。今もRIZINをチェックしている。だから、日本のメディアに取材してもらって嬉しかったよ」

■視聴方法(予定)
6月5日(金・日本時間)、
午前2時30分~ FITE
午前2時30分~ BRAVE TV

■ BRAVE CF51対戦カード

<ライト級/5分3R>
ルカス・マルチンス(ブラジル)
マルセル・グラビンスキ(ドイツ)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ジニス・マーヒャル(ベラルーシ)
リナット・ゼジンタイ(カザフスタン)

<ライト級/5分3R>
イリエ・ジホウン(フランス)
サム・パターソン(英国)

<スーパーウェルター級/5分3R>
ワジム・クーチ(ベラルーシ)
ダニヤル・アブジバエフ(キルギス)

<フェザー級/5分3R>
ロマン・ボガトフ(ロシア)
アブドゥルムタリプ・ギエルベコフ(ウクライナ)

<59キロ契約/5分3R>
ムハマド・モカエフ(英国)
イブラジム・ナブルゾフ(ジョージア)

<バンタム級/5分3R>
ヴラディスラフ・ノヴィツキー(ベラルーシ)
ヤニス・ゲムモーリ(フランス)

<フライ級/5分3R>
バドマシレン・ドルジエフ(ロシア)
アルマンベット・アブディバシー・ウルウ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
アイジミール・カズベコフ(ロシア)
アブドゥル・カリム・バダクシュ(アフガニスタン)

<女子ストロー級/5分3R>
アナスタシア・フィアファノヴァ(ロシア)
セウデ・トゥルク(トルコ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ワジム・ロリチ(ベラルーシ)
クルボンショ・ジェモロフ(タジキスタン)

<62.5キロ契約/5分3R>
アルテム・ルキャノフ(ベラルーシ)
バクトヴァル・ユヌソフ(タジキスタン)
6日(日・日本時間)

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Interview MMA UFC UFN ESPN+47 UFN189 サンチアゴ・ポンジニビョ ボクシング ミゲール・バエサ 佐藤天

【UFN189】ポンジニビョと対戦、距離のサイエンティスト=ミゲール・バエサ「初回で距離を見極める」

【写真】MMAにはフィジカル、気持ち、そしてスマートさが欠かせないことがバエサの言葉でも再認識された(C)Zuffa/UFC

5日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN189:UFN on ESPN+47「Rozenstruik vs Sakai」が開催される。ジャイルジーニョ・ホーゼンストライク✖アウグスト・サカイのヘビー級ストライカー対決がメインの今大会。そのメインカード・オープニングの一番で、ミゲール・バエサがサンチアゴ・ポンジニビョと対戦する。

バエサといえば昨年11月に佐藤天と対戦し、2R4分28秒で肩固めを極めて一本勝ちしたことで日本のファンにも名が知られた存在だ。佐藤戦の勝利でMMA戦績を10勝0敗、UFCでも3連勝を達成しているバエサは、ヘクター・アルビナをカーフでKOし、マット・ブラウンには左のカウンターを決め、優れた距離とタイミングの取り方を披露してきた。

ポンジニビョというブルファイターを相手に、バエサはどのようなファイトを魅せるのか。「対戦相手を研究し、距離をセットすることで練習してきた技を存分に使うことができる」──ファイターというよりも、距離のサイエンティストと言うべき言葉からも、バエサがUFCウェルター級で結果を残し続けている片鱗を伺うことができるインタビューとなった。


──サンチアゴ・ポンジニビョとの対戦が土曜に迫ってきました。調子の方はいかがですか。

「サンチアゴ戦に向けて、数週間しっかりと作戦も立ててきたし準備は出来ているよ。土曜日は僕の試合になるだろう」

──ミゲールは昨年11月に佐藤天選手を破ったことで日本でもその実力が知られています。

「あの時は最初はタカシと僕は試合をする予定でなくて、ミッキー・ガルと戦うはずが、欠場になりジェレマイア・ウォレスと戦うことになった。でも、その選手も欠場になって、1カ月ぐらいに前にタカシ・サトーが対戦相手になったんだ。

その前の試合で短時間でKO勝ちをしていることが、頭に残っている選手だった。でも、その試合だけじゃ彼のことが分からないからパンクラス時代から彼のファイトをチェックしたんだ。そして彼がどういう選手か理解を深めた。結果、常にパンチを出し、蹴りも交えて距離を取ることを決めた。

テイクダウン後に彼がどういう動きをするかを頭に入れて戦ったよ。僕のトレーナーは高い柔道のスキルを持っていて、タカシが柔道時代の習慣かテイクダウン後の攻防になると背中を見せることを見抜いていた。実際に試合ではまさにその展開になって、しっかりと練習してきたことを出せた」

──佐藤選手が前に出てくるのを誘っているような動きが印象に残っています。そこでオーバーハンドやライトクロスを打ち、また前進を止めるために蹴りも多用していました。

「それもしっかりとタカシの戦い方を頭に入れて、彼の距離とステップインのタイミングが分かっていたからだよ。MMAはボクシングとも、レスリングとも全く距離が違う。ボクシングはパンチの距離で戦う。MMAは当然のように蹴りもあるし、組みもある。

そういうなかで、対戦相手の得意な距離にならないよう自分のレンジで戦う。そこを見極めることができたから、タカシを相手にして自分のすべき戦いができたんだ。

MMAマスターズではコーチと一緒に、彼を丸裸にした。タカシのパワフルなパンチは、どの距離にあるときが最も威力を発揮するのかを見抜いていた。タカシのスピードを考えると、近い距離で向き合うよりも、離れて前に出てこさせる方が、その動きがずっと見えるんだ。そして蹴りを使うことで、仕留めるパンチを見えなくなくする。そのためにオーバーハンドのフェイクも使ったよ」

──そこまでしっかりと対戦相手の特性を見抜いてケージに入るので、サウスポーもオーソドックスも関係なく戦えるのでしょうか。

「そうだね、タカシと戦う時はそうできた。ただし、コンテンダーシリーズでヴィクトー・レイナと戦った時は、そうではなかったよ。1週間前に彼と戦うことが決まって、当初戦う相手とはまるでスタイルが違っていたからね。

だから戸惑ったことも確かだけど、自分の距離で戦うためにバックステップが必要なことは変わりないからね」

──その下がって、相手を誘ってのカウンターショットは見事です。マット・ブラウン戦では結果的に左フックで倒していますが、返しの右ストレートも打っていました。

「マット・ブラウンはオーソドックスだけど、しっかりとビデオを見て研究していればスタンス、前手がどちらかは関係なくカウンターを打ち込むことは可能だよ。だから試合ではだいたい、練習で準備したことがしっかり使えるように初回は相手の動きを観察するようにしている。どう動き、どう反応するか。それを最初の5分で確かめてから、自分のタイミングと距離をどうはめ込むかを決めるようにしている。ここからは、僕の判断だ。

そのために距離の取り方が、凄く重要になってくる。立ち上がりの5分間で、そこを見極めることができればファイトは僕のモノだから。距離を把握すれば、マット・ブラウンの拳、ヒザ、視線も鮮明に見えるようになる。すると彼が動くことで、その次の彼の動きが僕には読める。マット・ブラウンは自分で動いでカウンターの標的になってくれたんだよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月6日(日・日本時間)
午前5時~UFC FIGHT PASS

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Interview MMAPLANET Special 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番、番外編─大坂なおみ問題─「仕事だから。互いのプライドがルール」

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