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【UFC251】TKO負け直前から、ボガトフがまさかの大反撃も反則のヒザ蹴りでレオ・サントスが勝ち切る

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス(ブラジル)
Def.3-0:29-26.29-26.29-26
ロマン・ボガトフ(ロシア)

距離を取るボガトフが、一気に前に出る。左ハイを空振りし、バランスを崩したボガトフにサントスがパンチを落とす。立ちあがったボガトフはワンツーで前に出るも、サントスがローから左ジャブをヒットさせる。スピニングバックフィストをかわし、右を打ち込むサントスは左ミドルにも右を打っていく。アイポークがあったとサントスがブレイクを要求、ドクターが呼ばれる。再開後、左ミドルを蹴ったサントスはボガトフの後ろ回し蹴りのタイミングでバックを取る。巻き込もうとするボガトフに対し、スタンドで踏みとどまったサントスはリリースしてスタンドを選択する。

首相撲からヒザ蹴り、ローを走らせるサントスはスタンドで試合を攻勢に進める。ボガトフは左右の前蹴りで突き放そうとするが、サントスは構わず蹴りから左ジャブを伸ばす。低い姿勢でテイクダウンを狙ったボガトフだが、サントスは反転して足を引き抜く。最後はスピニングバックフィストにもバック奪取したサントスが初回を取った。

2R、アンドレ・ペデネイラスから「パンチとヒザ蹴りだけに集中し、柔術は忘れろ」という指示を受けたサントスが、右ストレートと左ジャブを当てる。ボガトフのスピニングバックフィストをかわして、右ミドルを蹴り込んだサントスはダブルレッグでケージに押し込まれると、スラッピングでボガトフの顔を張っていく。さらに頭部にエルボーを落とすサントスに対し、頭を起こしたボガトフはテイクダウンを奪えないまま打撃の距離に戻る。

首相撲からヒザ蹴り、右ストレートを3発入れ、フック、アッパーで追い打ちをかけるサントスは、ついには右ハイまで蹴り込む。ボガトフのシングルを潰し、バックからサントスがパンチ、鉄槌を入れる。異様なタフさ発揮し、アンクルピックを狙ったボガトフ。ついにはサントスが殴り疲れ、振り返ったボガトフにトップを取られてしまう。

クローズドガードで息を整えるサントスは、エルボーを被弾しボディを殴られるが、オモプラッタを仕掛ける。腕を抜き、腰を上げて重いパンチを連打したボガトフはビッグラウンドを阻止するどころか、逆転の芽まで終盤の猛攻で見えてきた。

最終回、前に出るボガトフが左を当てて組みつく。同体の小手投げから起き上ると、ケージにサントスを詰めたボガトフがヒザ蹴りへ。この一発が、無観客の会場にボコという音が響くような形で急所に当たる。倒れこんで立てないサントスは、3分近く経過しようやく座ることができるように。さらに時間を掛けて立ちあがったサントスは、再開に応じリスタート。

ボガトフは前蹴りからダブル、シングルにスイッチしサントスを持ち上げる。必死に耐えるサントスをボディロックに捕えたボガトフが、さらにシングル、ボディロックとテイクダウンを執拗に狙う。スピニングバックフィストは空振りとなったボガトフの押し込みが続き、ついにはダブルレッグで倒されかかったサントスだが腰に乗せた投げで何とか耐える。

と、ケージを背にしたサントスはヒザをボディに受けと、急所にどこか足の一部が当たったのか、苦悶の表情を浮かべレフェリーが試合を止める。再開後、スピニングバックフィストを当てたボガトフがシングルレッグへ。片ヒザをつき、ウィザーのサントスの太腿を引き寄せ尻もちをつかせる。残り90秒、アンクルを取られて立てないサントスは掌底を見せる。と、ヒザを着いているサントスの顔面にボガトフは左ヒザを蹴り込む。

減点モノの反則攻撃で、試合が中断。サントスが試合続行を伝え、レフェリーは減点2を宣言する。残り50秒、真っすぐ飛び込んだボガトフがパンチ、ヒザ蹴りを、離れたサントスにハイキックを放つ。必死のサントスは、ヒザ蹴りを返すもアッパーを被弾し、シングルで逃げたところでタイムアップに。勝利目前から、ロシアン・ゾンビと呼びたくなるボガトフの反撃を受けたサントスは、苦し気な表情のままで勝ち名乗りを受けた。


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【UFC251】計量終了 終始笑顔のアマンダ・ヒーバス。マスヴィダルもミステリアス・スマイル!?

【写真】マスクをせずに計量に臨んだマスヴィダル、この笑顔が意味するところは (C)Zuffa/UFC

10日(金・現地時間)、11日(土・同)にUAEはアブダビのヤス島=ファイトアイランドで開催されるUFC251「Usman vs Masvidal」の計量及びフェイスオフが行われた。

3階級の世界戦に出場する選手は全員が問題なくパス。ジョゼ・アルドとバンタム級王座決定戦を戦うピョートル・ヤンはスケールに乗る前に服と一緒にマスクを外し、つけるように指示を受ける。

一方でマック・ホロウェイの挑戦を受ける世界フェザー級王者アレックス・ヴォルカノフスキーと、メインで世界ウェルター級王者カマル・ウスマンに挑戦するホルヘ・マスヴィダルはマスク無しで体重を測った。

そのマスヴィダルは下着を脱いで計量に臨み、指を組み腕を合わせるや満面の笑みを浮かべる。フェイスオフではマスクをつけたマスヴィダルだが、離れるとすぐに外し──ウスマンに何やら呟くようなシーンも見られた。


メインカード出場選手では会見などで、いつも明るさ満点のアマンダ・ヒーバスが大きなマスク着用でも体重計の上で思い切り笑顔を見せていることが分かった。そのヒーバス、ペイジ・ヴァンザントと相対すると鋭い目つきになるものの直後に背筋をピンと伸ばして、周囲にお辞儀するなど、どこまでも好人物ぶりを披露している。

なお女子バンタム級でカロル・ホサと対戦予定だったするヴァネッサ・メーロが 141ポンドと6ポンドのオーバー──30パーセントのファイトマネーのカットで、キャッチウェイト戦へ。またフライ級でジャルガス・ジャマグロフと戦うパウリアン・パイヴァは拝むような仕草をスケールの上で見せたが、3ポンド・オーバーで掌を合わせ周囲に詫び20パーセントの減給となり契約体重戦に臨むこととなった。

■UFC251計量結果

<UFC世界ウェルター級選手権試合/5分5R>
[王者]カマル・ウスマン: 170ポンド(77.11キロ)
[挑戦者]ホルヘ・マスヴィダル: 170ポンド(77.11キロ)

<UFC世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ヴォルカノフスキー: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者]マックス・ホロウェイ: 145ポンド(65.77キロ)

<UFC世界バンタム級王座決定戦/5分5R>
ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
ジョゼ・アルド: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドレジ: 115ポンド(52.16キロ)
ローズ・ナマジュナス: 116ポンド(52.62キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ペイジ・ヴァンザント: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ヴォルカン・オデズミア: 205.5ポンド(93.21キロ)
イリー・プロハースカ: 205ポンド(92.99キロ)

<ウェルター級/5分3R>
エリゼウ・カポエイラ: 171ポンド(77.56キロ)
ムスリム・サリコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
マクワン・アミルカーニ: 146ポンド(66.22キロ)
ダニー・ヘンリー: 146ポンド(66.22キロ)

<ライト級/5分3R>
レオナルド・サントス: 156ポンド(70.76キロ)
ロマン・ボガトフ: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ: 252ポンド(114.3キロ))
マクシム・グリシン: 223ポンド(101.15キロ)

<フライ級/5分3R>
パウリアン・パイヴァ: 129ポンド(58.51キロ)
ジャルガス・ジャマグロフ: 126ポンド(57.15キロ)

<女子バンタム級/5分3R>
ヴァネッサ・メーロ: 141ポンド(63.95キロ) 136ポンド(61.69キロ)
カロル・ホサ: 141ポンド136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
マーチン・デイ: 136ポンド(61.69キロ)
デイヴィー・グラント: 136ポンド(61.69キロ)

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Interview JJ Globo UFC UFC251 ブログ レオ・サントス ロマン・ボガトフ

【UFC251】ロシアの猛者ボガトフと対戦するレオ・サントス─02─「マイ・ワールド、柔術に──」

【写真】気が付けば11連勝、そして大きな舞台が与えられていないレオ・サントス。自らの柔術への信頼は絶対だ (C)Zuffa/UFC

7月11日(土・現地時間)、UAEはアブダビのヤス島に建設されたファイトアイランドで開催されるUFC251で、無敗のロシアン=ロマン・ボガトフと対戦するレオ・サントス・インタビュー後編。

気が付けば40歳、レオ・サントスは国難──いや惑星難といえる状況下で、金網に入ることが楽しみでしょうがないと言い切った。

<レオ・サントス インタビューPart.01はコチラから>


──ダナがファイトアイランドの計画を口にしたとき、『何をありえない、その場しのぎのことを言っているんだ』と正直なところ思っていました。

「ホント、ソレをやり遂げてしまって(笑)。僕もファイトアイランドの話を聞いたときはクレイジーだと思っていたよ。マナブ、フ〇ッ〇ン・ガイが、ファ〇キ〇・クレイジーなことをしちゃったんだ。アハハハハハ。で、今の気持ちはただダナ・ホワイトに感謝しているよ」

──とはいえ、対戦相手のロマン・ボガトフはキャリア10連勝で無敗、ロシアのM-1チャンピオン。どう考えても、相当な力の持ち主かと。

「確かにタフな相手だよ。無敗のサンボ・レスラー(※実際はレスリング・ベースのMMAファイターで、ロシアのアマMMAで結果を残しプロに転向した)だ。そして、僕との試合で彼は初めて黒星を経験するんだ。そんな機会を得ることができて、凄く嬉しいよ。アハハハ。とにかく僕がオクタゴンの中ですべきことは変わらない。初めて敗北を辛さを味わってもらうよ(笑)」

──ボガトフはウェルラウンダーですが、テイクダウンからパウンド、そしてサブミッションで勝ち星を積み上げてきました。

「今や誰もがウェルラウンダーだよ。それでも彼は僕をテイクダウンしたくはないだろう。グラウンドは僕のホームだ。その部分では、少なからずとも彼に対して自信がある。僕がやるべきことは変わらないよ。マイ・ワールド、柔術に彼を引き入れることだ。そしてハイレベル柔術を身をもって知ってもらう。もちろんファイトだから、何が起こるかは分からない。でも自信はあるよ」

──しかし、ホイラー・グレイシーをムンジアル決勝で追い込んだティーン・エイジャーも、気が付けば40歳になりました。

「いいかい? 僕の2020年はずっと家にいて少しもアクティブじゃなかった。何も起きないままだから、まだ39歳のままなんだよ。アハハハ」

──最高ですね、その考え方は(笑)。

「でもホイラーと戦ってから21年か……思えば、本当に長い間、最高の旅を続けてきたよね」

──シャオリン・ヒベイロ、レオ・ヴィエイラ、そしてマーシオ・フェイトーザ。レオと共に私に競技ブラジリアン柔術の凄さを見せてくれたメンバーは、皆一戦から身を引いて何年も経ちます。もちろん年齢が一番下だったことはありますが、レオ・サントスは未だに金網のなかで戦っている。何がレオをそうさせているのでしょうか。

「なぜだろうね……。凄く難しい質問だよ。正直、多くの人が僕に引退について尋ねてくるよ。でも、僕には答えようがない。だって自分でもただ楽しくて、好きで戦い続けてきているから。

きっと、そこは年齢じゃないんだよ。気の持ち方だ。練習に向かう時から、僕はしっかりと心の準備をしてきた。ノヴァウニオンには若くてハングリーな選手が揃っている。そういう若い連中は練習で、本気になって僕を仕留めに掛ってくるんだ。アイツらは容赦がないよ。アハハハハ。

僕はノヴァウニオンの若いファイターたちと同じレベルでスパーリングに臨まないといけない。自分の試合の前に、彼らに簡単に追い越されないように努めている。その方が僕にとっては大切になってきているんだ。

彼らにパンチを貰い続け、柔術で仕留められるようになったら──それこそ僕が身を引く時だろう。でも、まだそんなことない。皆との練習も試合も楽しんでいるよ。

シャオリンやレオ・ヴィエイラ、マーシンには彼らの人生があって、選択がある。だから彼らが早々に一線から身を引いた理由は分からない。彼らと僕を比べる必要もないし。今でも僕は自分のアカデミーも持っていない。ただ練習しているだけでね(笑)」

──レオ・サントスがアカデミーを開ければ、指導を受けたい人間はいくらでもいるはずです。

「実は米国でアカデミーを開く話もあるんだ。でも、COVID19でこれからどうなるかは分からない。確かなことは、僕は自分のキャリアを楽しんでいたいんだ。来年になると、試合に向けての練習や減量に耐えられなくなるかもしれない。そうなれば引退だよ。

でも今、世の中がこんな風になって、僕らの国は特に酷い状況になっているなかで、僕自身も感染することに恐怖を感じつつ……試合に向けて練習すること、ファイトアイランドで戦うことが楽しみでしょうがないんだ。

『レオ・サントスはもう年寄だ』とか、『絶対にチャンピオンになれない』という声も聞こえてくるよ。でも、気にならないんだ。そんな声なんてケージのなかで戦うことの楽しみと比較すれば何でもないから。戦って、金を受け取って、家に戻る。アハハハハ。凄く楽しいよ」

──そして、実際に現状で11連勝中でMMAファイターとしても17勝3敗という素晴らしいレコードを残しています。

「僕のMMAファイターのキャリアは、修斗でのタカノリ・ゴミ戦から始まった。デビュー戦がリアル・サムライとの試合だった。実はUFCには何度も、タカノリ・ゴミと戦いたいとリクエストしていたけど実現しなかった」

──今でも覚えていますが、あのデビュー戦後にレオもデデも判定に不満そうでしたね。

「今では納得しているよ。あの試合は僕の負けだ。だから、強くなった僕がタカノイ・ゴミともう一度戦いたかったんだ。戦極ではチャンスがあったのにね……」

──それは敢えて聞きますが、納得できない負けがあったということですか(笑)。

「アハハハ。カズノリ・ヨコタ戦だね。あの試合は負けていない。それは今でも思っている。でも、もう気にしていないけどね(笑)」

──ドローのジャッジがマストを選ぶと、プロモーターの顔色が窺うのだろうと私も思いましたね。1票がレオ、2票がイーブンのマストで横田選手に。なら格闘技の強さを測るうえで、イーブン&マストより1票の方に重きを置くべきだと。

「もう10年以上も昔の試合だよ。それをそんな風に言ってくれて、ありがとう」

──あの試合を落としていなければレオの連勝は17で驚異的ですからね。

「アハハハハ。本当だ!! 次の試合でも勝てるようにベストを尽くすよ。そして、また日本に行きたい。僕の声を日本の皆に届けてくれて、ありがとう」

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【UFC251】ロシアの猛者ボガトフと対戦するレオ・サントス─01─「家でUFCを眺めている方がハード」

【写真】ブラジルは感染者数が145万を超え、死者も6万人以上。UFCファイターの陽性も続々と確認されているなかで、レオ・サントスがロシアの新鋭と戦う(C)Zuffa/UFC

7月11日(土・現地時間)、UAEはアブダビのヤス島に建設されたファイトアイランドで開催されるUFC251。メインでUFC世界ウェルター級王者カマル・ウスマンに挑戦予定だったジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズが新型コロナウィルスの検査で陽性となり、メインが流れるという衝撃的なニュースが伝わるなか、同大会ではレオナルド・サントスがロマン・ボガトフと対戦する。

ロシア=M-1ライト級王者で10勝0敗のボガトフ戦のオファーは1カ月前、ブラジルの新型コロナウィルス感染は深刻さを増すばかりの状況でレオ・サントスは準備をしてきた。

19歳でホイラー・グレイシーを追い込んだ天才柔術家、同門ヴィトー・シャオリン、レオ・ヴィエイラ、マーシオ・フェイトーザらとライト級四天王時代を経て、MMAデビューは修斗での五味隆典だった。

TUF BRからUFC入り後の戦績は6勝0敗──通算11連勝中のレオ・サントスに、ブラジルの現状とファイトアイランドにおけるロシアの猛者との一戦について話を訊いた。


──ブラジルは大変なことになっていますが、そんななかでファイトアイランドでの試合が決まりました。その前に今、リオデジャネイロはCOVID19の影響で大変なことになっていると思います。レオは変わりないですか。

「神に感謝しているよ。僕のファミリーはここまで問題なく過ごせてきた。ブラジルに関しては、新型コロナウィルスに問題を発しているけど、これは政治の問題なんだ。政治家のゲームが、人々をより混乱させ恐怖に陥れている。ブラジルの持つ問題がCOVID19と相まって、ちょっと狂ってしまった。政治がしっかりしていれば、こんなことになっていなかった。それがコロナウィルスよりも問題だ」

──大好きなブラジルから、バッドニュースばかりが届く状況に我々も胸を痛めるばかりです。大統領の発言も首を傾げるようなモノばかりですしね。

「彼の発言こそ、一番の問題だよ。ちょっとね、どうしてしまったんだっていうような意味不明なことを言って、皆がそこに反論し社会が混乱してしまっている。今、国民がブラジルを良い場所だと思えなくなっている。皆が大統領や政府に納得できていないから、自分の住んでいる国はダメだと感じている。良くないね、この状況は」

──柔術、MMAはブラジルから世界に広まり、たくさんの柔術家、MMAファイターが我々の人生を彩ってくれました。だから何とも言い難い状況ですね。皆が心配です。

「そういってもらえると有難くて、同時に心が痛むよ」

──でも、レオのファミリーが問題ないということだけでもホッとできます。

「ありがとう」

──そして、そのような状況でレオはどれだけ試合の準備ができるのでしょうか。

「僕は普段はリオデジャネイロでなく、リオの北東に150キロほど離れたカンポスに住んでいて、家族と一緒にステイホーム状態だった。そして試合まで1カ月というときにオファーがあったんだ。

デデ(アンドレ・ペデネイラス)から『どうする? 受けるか?』って聞かれて、すぐにチャレンジしたいと思った。調整の時間は十分にない。練習だって普段通りにできるわけがない。だからこそ、この現実を跳ね返し、チャレンジしてやろうって思ったよ。それい自分の都合の良い時に試合ができるなんて悠長に構えていられるほど、僕には時間は残されていないからね。

一緒に練習してくれる4人の友人に連絡をして、リオに向かったんだ。リオにいる間、練習とアパートでの生活とずっと一緒に行動をして、外出も一切できない。簡単ではないけど、皆が僕をサポートしてくれたよ」

──リオに行っても、ノヴァウニオン本部は閉まっていたのではないですか。

「デデは僕とジョゼ・アルドのためにだめにジムを開けてくれた。僕らは練習が終わると、しっかりと全てを消毒してジムを出る。そして入れ替わりでジョゼ・アルドとトレーニング・パートナーがジムを使う。練習後、彼らもしっかりと消毒して家に戻る。つまり、そういう状態で練習していたに過ぎない。正直に言えば、少しビクついていたよ(笑)。

でも1カ月、ちゃんと練習できた。フィジカル・コンディション的にも、問題ないはずだ」

──通常のファイトと比べると、どれぐらいの仕上がりでしょうか。

「う~ん、70パーセントから80パーセントかな……。100パーセントと言いたいけど、それは無理だ。とにかく、この状況で動ける体を創ってきた。簡単なことじゃなかったけど、家にいてテレビでUFCの試合を眺めている方が、もっと厳しい。僕はファイターだからね」

──過去3年で2試合ほどしかレオは戦っていなかったですしね。

「UFCが組んでいた試合で、僕もそうだし対戦相手もケガをしてキャンセルされることが3、4度あったんだ。そんなことが続くと、試合が組まれなくなった……。対戦相手のケガで試合がなくなった時でさえ、僕はすぐにでも戦えたけど声が掛らなかった。いつもケガをしたのが僕ように言われているような気がしていたよ。僕だけでなく、相手だってケガをしていたこともあったのに。

だからこそ、ファイトアイランドで戦えること、このイベントに参加できることにエキサイトしているし、試合が組まれたことが凄くハッピーなんだ。だって、これは歴史的な大会だよ。UFCとダナ・ホワイトは、とんでもないことをやり遂げようとしている。誰だって、このショーに参加したいと思うはずだよ」

<この項、続く>

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ADCC2005 Special The Fight Must Go On ジェイク・シールズ ジョルジュ・サンピエール ディエゴ・サンチェス デミアン・マイア ブログ ホジャー・グレイシー ホナウド・ジャカレ マーシオ・フェイトーザ ユライア・フェイバー レオ・サントス 青木真也

【The Fight Must Go On】DVDチラ見─03─2005年5月28&29日、ADCC2005。最後の柔術家✖UFCファイター

ACDD2005【写真】日本ではクエストが権利を取り、DVDを発売。ここで紹介するDVDは米国版だ (C) FIGHTWORLD.com

国内外のMMA大会の中止及び延期、さらには格闘技ジムの休館など、停滞ムードの真っただ中です。個人的にも大会の延期と中止のニュースばかりを書かざるをえない時期だからこそ、目まぐるしい日々の出来事、情報が氾濫する通常のMMA界では発することができなかったMMAに纏わる色々なコトを発信していければと思います。こんな時だからこそ The Fight Must Go On──第19弾は懐かしくもあり、今や秘蔵っぽさタップリのDVD紹介シリーズ、その第3回として2005年5月28&29日にカリフォルニア州ロングビーチのザ・ピラミッドで開催されたADCC2005のDVDを紹介したい。


2005年はMMA界にとって、転機となったな年だ。この年の1月から4月にかけて全米ケーブルネットワーク局SpikeでThe Ultimate Fighterシーズン01が中継された。この番組が当たらなければ、ZuffaはUFCへの投資と経営を諦めていただろう。

そんな最後の一手が起死回生の場外ホームランとなり、UFCは──いやMMAは世のメインストリームを闊歩する道を歩み始めた。そんな年に開催されたADCCサブミッションレスリング世界大会は、PRIDEに出場している以外のMMAファイターにとってグラップリングの優勝賞金が高額だった最後の大会(※いつの間にかこの名称もサブミッションファイティングに変更されているが……)といえる。

UrajahズッファがWECを買収する以前とはいえ66キロ級にユライア・フェイバー、ギルバート・メレンデス、77キロ級にはジョルジュ・サンピエール、ディエゴ・サンチェス、ジェイク・シールズ、青木真也、88キロ級にフランク・トリッグ、デニス・ホールマンらが出場している。

aoki2年後のADCC2007ではロバート・ドリスデール、ファブリシオ・ヴェウドゥム、シャンジ・ヒベイロ、デミアン・マイア、マルセリーニョ・ガウッシア、ハニ・ヤヒーラという6人の世界王者が全てMMAに進出していることからも、2005年を潮目にMMAと柔術の関係が変化したことが分かる。

GSPそんなMMAファイター達の挑戦を跳ね返した柔術勢と柔術家同士の潰し合いに馳せ参じたメンバーも、レオ・ヴィエイラ、マーシオ・フェイトーザ、レオ・サントス、マルセリーニョ・ガウッシア、ホナウド・ジャカレ、デミアン・マイア、シャンジ・ヒベイロ、ホジャー・グレイシーと凄まじいばかりの面子が揃っていた。

marcio今や柔術も道着とノーギが別物と捉えられるようになったことを考えると、ノーギグラップリングという分野において、MMAファイターが本気で柔術家に挑み、また米国勢のレスリングと柔術の融合が始まったのが、このADCC2005といえる。

■青木のセコンドは欽ちゃん!!

そんなADCC2005は日本国内ではクエストが3枚組、計674分のDVDを発売しており、ここで紹介した米国とは別構成になっている。この米国版はFIGHT MARKET.comから7枚組で発売され、グラフィックの注目すべき点は各選手のセコンドが明記されている点。青木のセコンドには近藤哲也氏、そして橋本欽也君の名前がしっかりと刻まれている!!

そして米国版ではスポンサーが裏表紙で紹介されているが、KORAL、TAPOUT、On The Mat、Jiu Jitsu PRO Gear、FOKAIなどギアやショップだけでなく、Grappler QuestとNAGAという2大グラップリングのロゴも確認される。

ADCC2005も今や、UFC Fight Passで視聴可能だ。もうとやかくいう必要もない。各階級の優勝者、そして今見ても色あせることのない顔合わせを記しておきたい。

66kg
【66キロ級】
優勝レオ・ヴィエイラ 準優勝ハニ・ヤヒーラ
<1回戦>
レオ・ヴィエイラ✖徹肌ィ郎
ギルバート・メレンデス✖バレット・ヨシダ
ユライア・フェイバー✖マルコ・パフンピーニャ
<準々決勝>
ヴァグネイ・ファビアーノ✖ハニ・ヤヒーラ
マーシオ・フェイトーザ✖ユライア・フェイバー
<準決勝>
ハニ・ヤヒーラ✖マーシオ・フェイトーザ

leo
【77キロ級】
優勝マルセリーニョ・ガウッシア 準優勝パブロ・ポポビッチ
<1回戦>
青木真也✖マルコス・アヴェラン
GSP✖オットー・オルソン
パブロ・ポポビッチ✖ヘンゾ・グレイシー
ジェイク・シールズ✖ディエゴ・サンチェス
<準々決勝>
マルセリーニョ・ガウッシア✖青木真也
レオ・サントス✖ジョルジュ・サンピエール
パブロ・ポポビッチ✖ホアン・ジュカォン
ジェイク・シールズ✖キャメロン・アール
<準決勝>
マルセリーニョ・ガウッシア✖レオ・サントス
<3位決定戦>
ジェイク・シールズ✖レオ・サントス

88kg
【88キロ級】
優勝ホナウド・ジャカレ 準優勝デミアン・マイア
<1回戦>
サウロ・ヒベイロ✖ラリー・パパドポロス
ジョルジ・マカコ✖花井岳
デヴィッド・アベラン✖三原秀美
デニス・ホールマン✖フランク・トリッグ
<準決勝>
デミアン・マイア✖サウロ・ヒベイロ

99kg
【99キロ級】
優勝ホジャー・グレイシー 準優勝アレッシャンドリ・カカレコ
<1回戦>
ロバート・ドリスデール✖アンソニー・ペロシュ
アレッシャンドリ・カカレコ✖内藤征弥
<準々決勝>
アレッシャンドリ・カカレコ✖ロバート・ドリスデール
ホジャー・グレイシー✖エドゥアウド・テレス
シャンジ・ヒベイロ✖ジャマール・パターソン
<準決勝>
アレッシャンドリ・カカレコ✖ユノラフ・エイネモ
ホジャー・グレイシー✖シャンジ・ヒベイロ
<3位決定戦>
シャンジ・ヒベイロ✖ユノラフ・エイネモ

99+
【99キロ超級】
優勝ジェフ・モンソン 準優勝ガブリエル・ナパォン
<1回戦>
ガブリエル・ナパォン✖ムスタファ・アルトゥルク
リコ・ロドリゲス✖ハイム・ゴザリ
ラハディ・ファーガソン✖石井淳
ジェフ・モンソン✖カリーム・バイロン
<準々決勝>
マーシオ・ペジパーノ✖ダニエル・グレイシー
<準決勝>
ガブリエル・ナパォン✖マーシオ・ペジパーノ
ジェフ・モンソン✖ファブリシオ・ヴェウドゥム

Open
【アブソリュート級】
優勝ホジャー・グレイシー 準優勝ホナウド・ジャカレ
<1回戦>
ホジャー・グレイシー✖青木真也
アレッシャンドリ・カカレコ✖レオ・サントス
マルセリーニョ・ガウッシア✖リコ・ロドリゲス
<準々決勝>
ホジャー・グレイシー✖ファブリシオ・ヴェウドゥム
ホナウド・ジャカレ✖アレッシャンドリ・カカレコ
マルセリーニョ・ガウッシア✖ディエゴ・サンチェス
<準決勝>
ホナウド・ジャカレ✖マルセリーニョ・ガウッシア
<3位決定戦>
マルセリーニョ・ガウッシア✖アレッシャンドリ・カカレコ

w60kg
【女子60キロ】
優勝キーラ・グレイシー 準優勝レカ・ヴィエイラ
<1回戦>
藤井恵✖リマ・ハダット
キーラ・グレイシー✖エリカ・モントーヤ
ギャジー・パーマン✖レティシア・ヒベイロ
レカ・ヴィエイラ✖ロクサン・モダフェリ
<準決勝>
キーラ・グレイシー✖藤井恵

【女子60キロ超級】
優勝ジュリアナ・ボルジェス 準優勝タラ・ラロサ
<1回戦>
マルース・クーネン✖近藤有希
薮下めぐみ✖アマンダ・ブキャナー
<準決勝>
ステイシー・カートライト✖マルース・クーネン
ジュリアナ・ボルジェス✖薮下めぐみ