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【Special】岡田遼が語りたい、UFCプレリミ戦─12─カマカ3世✖ケリー「見てお得。ゼロ距離MMA」

【写真】ハワイアンMMA第3世代のカマカ3世──この下にもアンジェラ&クリスチャン・リーなど、ハワイは若手の宝庫になっている (C)Zuffa/UFC

修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ。

第12回は8月15日(土・現地時間)のUFC252で行われたフェザー級戦=カイ・カマカ3世✖トニー・ケリー戦について話してもらった。


──岡田遼が気になる8月のUFCプレリミマッチ、最後の1試合は何になるでしょうか。

「カイ・カマカ3世とトニー・ケリーの試合です。見てお得というか、ゼロ距離MMAという珍しい試合に出会えました。カマカがガンガンいって、全く期待していなかったケリーも強かったです」

──ケリーは1年3カ月ぶりのファイトで、UFCデビュー戦。カマカもLFAで勝利から2週間後の試合。コロナ禍が生んだマッチアップともいえました。

「だからか気持ちが入っていました。ここ最近のメインがちょっとアレっていうのに対して、バチバチやっていましたね。カマカみたいにボディショットを頻繁に使う選手って、あんまりいないですよね。ストレートが伸びて、返しも速い。そしてガンガン打つ。1Rはケリーはボディを効かされて、倒されそうになっていました。

MMAであそこまでボディを効かせるのって、あまり見ないですよね。ボディに倒されるのは格好悪いですから。

でもケリーも近距離で本当に上手かったですよ。縦ヒジも入れていましたし。カマカがボディを打ち、距離が近いからそこにヒジを合わせ始めると、ハマりましたね。ヒジが当たると、ヒザも当たる。そのまま反撃モードになりました」

──ボディショットをガンガン打つカマカが、最終ラウンドに反撃されるとテイクダウンで逃げ切った試合でした。

「打撃ではやられて、組み勝った。カマカは自分の試合をしていて勝てると思っていたら、ケリーに抜け道を見つけられてしまって。2Rから反撃され気持ちも弱くなっていたと思いますが、組みでまとめた。岡田遼がジアン・クラウド・サクレッグと戦った時みたいですよね(笑)。ポイントでは優勢だったけど、どんどん追い込まれていきました」

──アハハハハ。

「情けない話ですけど、喧嘩や殺し合いなら勝てない。でもMMAなら勝てるって時があるんですよ。勝つためにはその手を取る。サクレッグはテイクダウンに倒れてくれたけど、ケリーは倒れないから金網に押し込むっていう展開になっていたので、カマカは余計にきつかったと思います。

アレは精神的に追い込まれていたはずです。最初にリードしていて反撃されると、どんどん精神的に切迫していくんです。1R取られて盛り返していくほうが精神的に楽で、気持ちは乗りますよね。

だからこそ、カマカが3Rにあのクリンチで粘ることができたのは素敵です。根性がありますよ。勝利に向かって直向きさが美しかったです」

──セコンドが修斗で竹内出選手や須田匡昇選手と戦ったハワイのMMAのファーストジェネレーションのロナルド・ジューンで。ロン・ジューンの奥さんの弟が、カイ・カマカJr──3世のお父さんなんです。もう1人のセコンドはPFL世界ウェルター級優勝のブラダ・ボーイことレイ・クーパー3世で、彼のお父さんも修斗で来日経験のあるレイ・クーパー。ブラダ・ボーイのお母さんが、ジューンの奥さんのお姉さん。つまりカマカ3世の従弟がブラダ・ボーイになります。

「アハハハハ。なんだか分からないですけど、凄い世代を超えたファイト一族なわけですね(笑)」

──世代的には例えば、ルミナとマッハの奥さんが姉妹で、その弟の息子の試合に、ルミナとマッハの息子がセコンドに就いているようなものですね(笑)。

「……。とにかく凄いですね(笑)」

──この親子たちの世代の合間にBJ・ペンやマックス・ホロウェイたちがハワイアンMMAの地位を上げました。

「だから……僕、この試合を選んだ時にMMAPLANETをチェックしたんです。そうしたら、何年も前のPXCにカマカが出ているのを見つけて(笑)。そこまでハワイのことを知っていたから、あんな頃からカマカ3世のことを記事にしていたんですね」

──きっと3年前のPXC56だと思いますが、あの時はブラダ・ボーイとカマカ3世がそろい踏みだったけど、2人とも負けてしまったんですよね。やっぱり思い入れはありますよ。ジムのマットサイドでキャーキャーやっていた子供だったわけですからね(笑)。

「それがPFLでチャンピオンになったり、UFCで勝つと感慨深いですね」

──それはもう……ただし、カマカ3世はUFCでやっていけますか。今回は勝ったとしても。岡田遼の見立てを教えてください。

「いやぁ、そうですね……あの試合を上の人間とできるのか。それこそマックス・ホロウェイとあの試合ができるのかといえば、難しいと思います。ダスティン・ポイエーとかと比較するのは現時点で厳しいです」

──なるほどぉ。ところで千葉にも2世軍団が育ってきています。

「鶴屋怜は……良いですよ。お兄ちゃんの健人は、ボクシングをやり切るのか、MMAに転向するのかはまだ決めていないようですけど、弟は来年の春に高校を卒業すると米国で練習するつもりですからね。倉本戦の前は怜に、ガンガン投げられていましたし、プロで勝っている選手を練習で極めていますからね。鶴屋怜は飛び級進学ですよ(笑)」

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Report UFC UFC252 カイ・カマカIII トニー・ケリー ブログ

【UFC252】ハワイアンMMA第3世代、カイ・カマカ3世が手強いケリーに競り勝ちUFC初勝利

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世(米国)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
トニー・ケリー(米国)

右ローを蹴ってワンツーで前に出るケリー。ステップバックしたカマカだが左ジャブとローを貰う。さらに右ストレートを入れたケリーに対し、カマカが右を打ち返す。ケリーはジャブからローを続け、カマカは右前蹴り、ワンツーで右を打ち込む。ローにも右を当て、クリンチにはヒザをボディに入れたカマカの拳の圧力が、ケリーを上回り始める。

右を当ててから左ミドルを蹴り込んだカマカは、動きが落ち始めたケリーの腹に攻撃を加える。カマカはスイッチしての左ミドルをブロックし、ボディを打ち込むとケリーの動きが止める。それでもヒザを入れたケリーだが、カマカはキャッチしてテイクダウン狙いへ。離れてからいよいよ勢いが上がったカマカのプレッシャーを受け下がり気味になったケリーが、テイクダウンを許す。スクランブルでも後方から左フックを入れたカマカはボディにフックを2発入れてラウンドを先取した。

2R、ケリーがジャブ、ヒザを見せる。カマカはボディフックから右ストレート、最後は左ミドルを蹴り込む。ボディを抉り、前足を蹴ったカマカだが、左ミドルを被弾。直後に左ボディフックを入れ、左フックを当てる。カマカはローに右を合わせると、前蹴りも腹に突き刺す。腹を守る意識のあるケリーは手数が減り、ジャブ、フックを打たれる。それでも距離を詰めてパンチを纏め、ミドル、ヒザを返したケリーが盛り返したと思われたが、カマカがダブルレッグを決める。

スクランブルでバックに回ったカマカに対し、胸を合わせたケリーが左を入れる。テイクダウンに拘るカマカが、ダブルでもう1度テイクダウンを決める。残り20秒、立ち上がったケリーがヒジを入れ、ヒザをボディへ。打撃戦を避けるように組みついたカマカ、ここで時間となり、終盤優勢のケリーがラウンドを取り返した可能性もある。

3R、ローから右を当て、左ミドル、さらにショートのフック、エルボーとラッシュをかけたケリーだが、ここでギロチンを狙い頭が抜けてガードを強いられる。カマカはパスを狙い、ガードの中から左のパンチ、エルボーを入れる。ボディから顔面を殴られたケリーはケージ際に移動し、もたれて座る。腰をコントロールしたカマカはもう一度背中をつけさすが、ケリーはスタンドに戻る。ここでカマカはフック、ボディを蹴り込む。ヒザを返すケリーに対し、カマカはシングルでケージに詰める。

ケージを背にして耐え、細かいエルボーとパンチを入れるケリーはテイクダウンを許さずヒジを打ち込む。カマカもボディを返すが、ケリーがヒザをボディに連続する中で急所にスネが当たり試合が中断する。時間をかけて再開に臨んだカマカ、残り試合タイムは90秒だ。

前に出てヒザを狙うケリーの腹をカマカが左右のフックで抉る。間合いを取り直した両者ファイヤーワークスとはならず、カマカがボディや右を当てタイムアップを迎えた。結果、ジャッジ3人とも29-28をつけ、UFC初勝利を挙げたカマカ3世がコーナーのブラダボーイ、ロン・ジューンと勝利を喜んだ。