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Interview ONE アギラン・タニ ブログ

【ONE】活動再開、ONEアスリートの今─03─アギラン・タニ「8週間、家で一人で練習していた」

【写真】明るく、礼儀を弁えているアギラン。マレーシアは法を守る体勢、そして教育やモラル、通念があるのだろうか(C)MMAPLANET

31日(金・現地時間)にタイのバンコクで活動を再開するONEチャンピオンシップ。5カ月振りのイベント再開を前に、世界各地で非常事態を経験してきたONEアスリートたちは何を想い、どう過ごしてきたのかを尋ねるシリーズ。ONEアスリートの今、第3回はアギラン・タニの登場だ。

人口3150万人のマレーシアはこれまで8640人の感謝者を出し、死者数は121位名で感染者の1.40パーセント。現時点での入院患者数は144人、ICUに4名、人工呼吸器の使用が2名という状況だ。

各国と比較しても、感染拡大を抑えているといるマレーシアには厳格な政府の移動制限令が存在していた。アギラン自身も8週間を自宅で過ごし、ジムがオープンした今もコンタクト・トレーニングは許されていないという。


──アギラン、久しぶりです。今回、ONEチャンピオンシップの活動再開が発表されたことで、各国のファイターがこの間にどのように過ごしてきたのか、そして今、何を想うのかを尋ねています。マレーシアはかなり沈静化しているようですね。

「今は随分と落ち着いてきたよ。感染者数も減って、ジムも再開されたんだ」

──おお、それは良い傾向ですね。

「ただフルコンタクト・トレーニングは許されていないんだ。MMAはフルコンタクト・スポーツだから、選手は以前のような練習はできていない状況だね。まだ、少し様子を見ないといけないよ」

──アギランの住むクアラルンプールでも活動制限令(MCO)などが発令されていたと思います。

「MCOの期間は8週間ほどだった。それから少しずつ、経済活動が回復されていきつつある状況だよ。移動に関しては国外への旅行は認められていないけど、国内で他の州を訪れることはできるようになった。

入国に関しては医療ツーリズムとか段階をもって可能になっているようだけど、病院側で初日と13日目のPCR検査は絶対の条件で、入国する人も出国3日前に居住国でPCR検査を受けて陰性でないといけない。それにアプリに必要な情報を入力するなど色々と制限はあるようだよ」

──日本は自粛要請、外出を控えるお願いという形で法的な強制はないのですが、マレーシアの場合は国が強制力を持つ外出禁止令だったのですか。

「そうだよ。僕らの国の皆は規律を重んじているけど、新型コロナウィルス感染に関しては、規則が非常に厳格だった。2カ月間、外出は生活必需品の買い物だけで、その場合も1人で出かけないといけない。複数で外出することは一切許されていなかった。一軒につき、1人だけ。それが3月から5月の中旬まで8週間続いたんだ。

この規則を破れば、警察に捕まる。エリア・リストが渡されて、だいたい10キロでブロックされているんだけど、そこから出ても警察がやってくるよ」

──まさに令ですね、要請ではなく。

「現状ではさっきも言ったけど国内旅行、美容院、ホーカーや屋台での食事、博物館や美術館、コインランドリー、釣り堀などはOK。クラブやエンターテイメント、人が集まる宗教行事はほぼ全面禁止状態だよ。エンターテイメントは映画撮影が許されたぐらいだ。

そうそうショッピングでは服を買うことは許されていけど、試着は禁止されているよ(笑)」

──細かくコントロールされているというのは、伝わってきます。

「そうだね、スポーツでもボーリング、バドミントン、アーチェリー、射撃とか接触のないモノはOKになった。屋外でのサイクリングとかもね。でもラグビー、サッカー、ホッケー、バスケットボール、そしてレスリングと明記された格闘技もコンタクトスポーツだから、まだ禁止されている」

──つまりアギランもジムに行っても、エクササイズを行うということですか。

「ウェイトやマシーンを使ったエクササイズ、サンドバックを殴る。そんな感じでMMAの練習はできない状態だよ。そして、そのルールを皆が守っている」

──コンディションや勘という部分で、心配はないですか。

「フィジカルは問題ないよ。移動制限令下でも、家にバイクやジョグができるから。あとはプッシュアップやアブス・トレーニング、バック・トレーニング、そしてストレッチとシャドーボクシングを続けていた。ずっと1人でね。

ただし感覚はきっとズレてきているだろうね。メンタル的にも、これだけスパーリングができなかったり、生活に制限が加わると厳しい面はあったけど、しょうがないよね。合わせるしかないから」

──8月中は渡航制限があるようですが、ここが解かれ他の国やマレーシアでONEが今に合わせたイベントを開くことができる日が待ち遠しいですね。

「そういう状況になれば、6週間で試合ができるよう仕上げるよ。だからONEの活動再開の知らせには驚いたけど、嬉しかった。現状の世の中に則して、どういうイベントになるのか楽しみにしている。第一歩が示されることで、次につながるからね。またマレーシアの皆の前で戦いたい。タイと同様に僕らの国はCOVID19を抑えることができているから。そして、その時は日本人選手や皆と行き来できるようになることを願っているよ」